JP2003118021A - 熱接着性シートおよび包装材 - Google Patents
熱接着性シートおよび包装材Info
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Abstract
し製造が容易な熱接着性シートを提供する。 【解決手段】 フラジール形法による1秒間に1cm2
を通過する空気の量が0.5ml/cm2・秒以上のシ
ート状の通気性繊維素材2の一面に、フィルム状の合成
樹脂4を押出ラミネートして積層させる。合成樹脂4が
ラミネートする通気性繊維素材2を、合成樹脂4側から
加熱し、通気性繊維素材2側から吸引し、加熱溶解した
合成樹脂4を通気性繊維素材2に含浸させて合成樹脂層
3を形成する。合成樹脂4の含浸は、通気性繊維素材2
の厚さ寸法に対して15%以上とする。通気性繊維素材
2と合成樹脂層3との剥離強度は、1N/15mmであ
る。
Description
少なくとも一面の一部に合成樹脂層が含浸形成された熱
接着性シートおよび包装材に関する。
トシール性を有した熱接着性シートとしては、例えば融
点の異なる紙や不織布などが積層された積層シート、ま
たはヒートシール特性を有する合成樹脂が混沙された紙
や不織布、あるいはこれらの積層体などの各種構成が知
られている。しかしながら、積層体は生産性の向上が望
めず、製造コストの低減が図れない。また、合成樹脂を
混沙した紙や不織布では、熱圧着性シートの両面に融点
差がなく、熱圧着する際に、圧着させる治具に熱圧着性
シートがくっついたり汚れたりするおそれがある。
などの通気性繊維素材に、通気性を確保した状態でホッ
トメルトなどの熱接着性を有した接着剤が筋状あるいは
ドット状に塗布形成されたものも知られている。しかし
ながら、製造効率の向上が図りにくく、製造コストの低
減が図れないとともに、接着剤と通気性繊維素材との層
間強度が弱く、熱圧着後に高い圧着強度が得らないおそ
れがある。
開昭58−163657号公報、特公昭61−1176
0号公報および特公平3−43053号公報などに記載
のように、紙や不織布などの通気性繊維素材に、熱接着
性を有した合成樹脂フィルムを熱圧着いわゆるラミネー
トした後、合成樹脂フィルムに機械的あるいは熱的に針
穴などの通気口を複数設けたものも知られている。しか
しながら、上記特開昭58−163657号公報、特公
昭61−11760号公報および特公平3−43053
号公報などに記載の熱接着性シートでは、合成樹脂フィ
ルムを熱圧着した後に通気口を設ける工程をすることと
なり、製造工程数が多く、製造性の向上が図れないとと
もに、製造コストの低減が図れないおそれがある。さら
に、熱圧着した後に通気口を開口形成するので、通気口
の形成の際に通気性繊維素材にも孔が形成され、通気性
繊維素材の強度が低下するおそれがある。そして、通気
性繊維素材の強度が低下しないように通気口を開口形成
すると、通気口の大きさや数に制約を生じ、高い通気性
が得られないおそれがある。
号公報などに記載のように、紙や不織布などの通気性繊
維素材に、あらかじめ複数の孔が設けられた通気性の合
成樹脂フィルムや合成樹脂に無機充填材などが混合され
て延伸形成された微多孔フィルム、あるいは多孔質シー
トなどが孔が閉塞されないように熱圧着などにより一体
的に複合化した熱圧着性シートも知られている。しかし
ながら、この特開平1−216820号公報などに記載
の熱接着性シートでは、別途合成樹脂フィルムに孔を設
ける工程が熱圧着の工程と別工程となり、製造性の向上
および製造コストの低減が図れないおそれがある。
平5−69527号公報などに記載のように、通気性素
材の熱可塑性ウレタンフィルムを積層し、加熱により熱
可塑性ウレタンフィルムが軟化した状態で通気性素材の
両側に気圧差を生じさせて複数の孔を形成して通気性が
付与された熱圧着性シートも知られている。しかしなが
ら、これら特公平4−22139号公報や特開平5−6
9527号公報などに記載の熱接着性シートでは、吸気
により負圧を生じさせて破壊することにより通気性を付
与するので、通気性素材と熱可塑性ウレタンフィルムと
の大きな層間強度が得られないおそれがある。また、熱
圧着により袋状に形成することができず、仮に熱圧着性
を有する熱可塑性ウレタンフィルムを用いたとしても、
層間剥離により破袋するおそれがある。
特公平7−90608号公報および特開昭60−234
828号公報などに記載のように、発泡剤にて発泡され
て連続気泡が設けられて通気性を有したフィルムを、通
気性素材に積層形成する熱圧着性シートも知られてい
る。しかしながら、これら特公昭59−23714号公
報、特公平7−90608号公報および特開昭60−2
34828号公報などに記載の熱圧着性シートでは、フ
ィルムを連続気泡が閉塞しないように通気性素材に積層
形成することが困難で、高い通気性が得られなくなるお
それがある。また、高い通気性を付与するように高い通
気性を有するフィルムを積層形成した場合、通気性素材
との十分な接合面積が得られず、大きな層間強度が得ら
れないおそれがある。さらに、仮に熱圧着により袋状に
形成したとしても、層間剥離により破袋するおそれがあ
る。
は、高い層間強度が得られ難く、例えば熱接着により袋
状に形成した場合、接着した箇所での層間剥離により破
袋するおそれがある。
体構造の熱接着性シートでは、生産性の向上が望めず、
製造コストの低減が図れない。また、熱接着性シートで
ある合成樹脂を混沙した不織布では、熱圧着性シートの
両面に融点差がなく、熱圧着する際に、圧着させる治具
に熱圧着性シートがくっついたり汚れたりするおそれが
ある。そして、高い層間強度が得られ難く、例えば熱接
着により袋状に形成した場合、接着した箇所での層間剥
離により破袋するおそれがある。
るいはドット状に塗布形成した熱接着性シートでは、製
造効率の向上が図りにくく、製造コストの低減が図れな
い。また、接着剤と通気性繊維素材との層間強度が弱
く、熱圧着後に高い圧着強度が得らないおそれがある。
さらに、高い層間強度が得られ難く、例えば熱接着によ
り袋状に形成した場合、接着した箇所での層間剥離によ
り破袋するおそれがある。
報、特公昭61−11760号公報および特公平3−4
3053号公報などに記載の熱接着性シートでは、合成
樹脂フィルムを熱圧着した工程後に通気口を設ける別工
程をする必要があり、製造工程数が多く、製造性の向上
および製造コストの低減が図れないおそれがある。ま
た、熱圧着した後に通気口を開口形成するので、通気口
の形成の際に通気性繊維素材にも孔が形成され、通気性
繊維素材の強度が低下するおそれがある。そして、通気
性繊維素材の強度が低下しないように通気口を開口形成
すると、通気口の大きさや数に制約を生じ、高い通気性
が得られないおそれがある。さらに、高い層間強度が得
られ難く、例えば熱接着により袋状に形成した場合、接
着した箇所での層間剥離により破袋するおそれがある。
に記載の熱接着性シートでは、別途合成樹脂フィルムに
孔を設ける工程が熱圧着の工程と別工程となり、製造性
の向上および製造コストの低減が図れないおそれがあ
る。そして、高い層間強度が得られ難く、例えば熱接着
により袋状に形成した場合、接着した箇所での層間剥離
により破袋するおそれがある。
開平5−69527号公報などに記載の熱接着性シート
では、吸気により負圧を生じさせて破壊することにより
通気性を付与するので、通気性素材と熱可塑性ウレタン
フィルムとの大きな層間強度が得られないおそれがあ
る。そして、熱圧着により袋状に形成することができ
ず、仮に熱圧着性を有する熱可塑性ウレタンフィルムを
用いたとしても、層間剥離により破袋するおそれがあ
る。
公平7−90608号公報および特開昭60−2348
28号公報などに記載の熱圧着性シートでは、フィルム
を連続気泡が閉塞しないように通気性素材に積層形成す
ることが困難で、高い通気性が得られなくなるおそれが
ある。そして、高い通気性を付与するように高い通気性
を有するフィルムを積層形成した場合、通気性素材との
十分な接合面積が得られず、大きな層間強度が得られな
いおそれがある。さらに、仮に熱圧着により袋状に形成
したとしても、層間剥離により破袋するおそれがある。
および熱接着性を有し十分な層間強度が得られる製造が
容易な熱接着性シートを提供することを目的とする。
は、シート状の通気性繊維素材と、この通気性繊維素材
の少なくとも一面の一部に含浸された熱可塑性樹脂を主
成分とする合成樹脂層とを備えた熱接着性シートであっ
て、含浸後の前記通気性繊維素材と前記合成樹脂層との
剥離強度は、1N/15mm以上であることを特徴とす
る。
の少なくとも一面の一部に含浸される熱可塑性樹脂を主
成分とする合成樹脂層と、含浸後の通気性繊維素材との
剥離強度を1N/15mmとする。このことにより、通
気性繊維素材と合成樹脂層との間で大きな層間強度が得
られ、層間剥離が生じにくくなる。また、例えば通気性
繊維素材と熱可塑性樹脂を主成分とする合成樹脂とを積
層して合成樹脂を加熱溶融させて含浸させた後に冷却し
て合成樹脂層を硬化形成したり、塗料状の合成樹脂を含
浸させた後に乾燥して合成樹脂層を硬化形成するなど、
通気性繊維素材に通気性を損なうことなく合成樹脂層が
容易に形成され、通気性および熱接着性が容易に得ら
れ、製造性が向上する。
さい場合には、例えば熱圧着により袋状に形成したとし
ても、層間剥離により破袋するおそれがある。このた
め、通気性繊維素材と合成樹脂層との剥離強度を1N/
15mm以上とする。
樹脂層の厚さ寸法は、5μm以上であることが好まし
い。このことにより、通気性繊維素材に合成樹脂層が十
分に含浸された状態となり、十分な層間強度が得られ
る。ここで、含浸された合成樹脂層の厚さ寸法が5μm
より薄くなると、通気性繊維素材内に十分に含浸され
ず、十分な層間強度が得られないおそれがあるため、5
μm以上とする。
脂層の厚さ寸法は、含浸後の通気性繊維素材における全
体の厚さ寸法に対して15%以上であることが好まし
い。このことにより、通気性繊維素材に合成樹脂層が十
分に含浸された状態となり、十分な層間強度が得られ
る。ここで、含浸された合成樹脂層の厚さ寸法が、含浸
された通気性繊維素材における全体の厚さ寸法に対して
15%より薄くなると、通気性繊維素材内に十分に含浸
されず、十分な層間強度が得られないおそれがある。こ
のため、含浸された合成樹脂層の厚さ寸法を、含浸され
た通気性繊維素材における全体の厚さ寸法に対して15
%以上とする。
ル形法による1秒間に1cm2を通過する空気の量が
0.5ml/cm2・秒以上であることが好ましい。こ
のことにより、通気性繊維素材と合成樹脂層との間で大
きな層間強度が得られ、層間剥離を生じにくくなる。ま
た、例えば通気性繊維素材と熱可塑性樹脂を主成分とす
る合成樹脂とを積層して合成樹脂を加熱溶融させて含浸
させた後に冷却して合成樹脂層を硬化形成したり、塗料
状の合成樹脂を含浸させた後に乾燥して合成樹脂層を硬
化形成するなど、通気性繊維素材に通気性を損なうこと
なく合成樹脂層が容易に形成され、通気性および熱接着
性が容易に得られ、製造性が向上する。ここで、通気性
繊維素材の通気性が、フラジール形法による1秒間に1
cm2を通過する空気の量が0.5ml/cm2・秒より
少なくなると、十分な通気性が得られなくなり、例えば
合成樹脂を吸引により含浸させて形成することが困難と
なる。このため、通気性繊維素材のフラジール形法によ
る1秒間に1cm2を通過する空気の量を0.5ml/
cm2・秒とする。
維素材の融点より10℃以上低いことが好ましい。この
ことにより、通気性繊維素材に合成樹脂層を形成する際
の加熱により通気性繊維素材も溶融して合成樹脂層を含
浸保持できなくなり、通気性も得られなくなることが防
止される。ここで、融点の差が10℃より小さいと、合
成樹脂層を形成する際に、通気性繊維素材が溶融しない
ように合成樹脂層を溶融含浸させて保持させることが困
難となり、製造性の向上が図れなくなるおそれがある。
このため、熱可塑性樹脂の融点を、通気性繊維素材の融
点より10℃以上低く設定する。
であることが好ましく、特に強度の点から不織布が好ま
しい。このことにより、合成樹脂層の含浸形成が容易で
あるとともに、安価で可撓性を有し軽量な通気性繊維素
材であることから汎用性の向上および拡大が容易に図れ
る。
類以上の熱可塑性樹脂を主成分とする合成樹脂を含浸さ
れて形成されたものが好ましい。このことにより、例え
ば融点の低い合成樹脂が通気性繊維素材内に十分に含浸
され、融点の高い合成樹脂は通気性繊維素材に含浸させ
るための例えば吸引の際の負圧を十分に確保して最終的
に通気のための孔を開口する構成とすることが可能とな
り、層間強度が強く良好に合成樹脂層が通気性繊維素材
に保持される。
℃以上で、熱可塑性樹脂は、融点が140℃以下である
ことが好ましい。このことにより、例えば加熱溶融にて
通気性繊維素材に含浸させて合成樹脂層を形成する際に
通気性繊維素材が溶融することなく確実に合成樹脂層が
通気性繊維素材に保持される。また、例えば熱圧着にて
袋状に形成するなどの際に合成樹脂層のみを軟化させて
熱圧着することも容易で、熱圧着作業性が向上する。
接着した際の接着強度が8N/15mm以上であること
が好ましい。このことにより、例えば熱圧着にて袋状の
包装体に形成した際の包装袋としての機能が十分に得ら
れ、信頼性の高い熱圧着性が得られる。ここで、接着強
度が8N/15mmより小さいと、例えば袋状に説圧着
しても破袋するおそれがあるなど、十分な熱接着性の特
性が得られなくなるおそれがあることから、接着強度を
8N/15mm以上とする。
少なくとも一面の一部に厚さ寸法が5μm以上200μ
m以下のシート状の熱可塑性樹脂を主成分とした合成樹
脂が重ね合わされ、合成樹脂が加熱溶融された状態で通
気性繊維素材の合成樹脂が重ね合わされた側と反対側か
ら吸気されて通気性繊維素材に合成樹脂が含浸されて形
成されたことが好ましい。このことにより、通気性繊維
素材の少なくとも一面の一部に厚さ寸法が5μm以上2
00μm以下のシート状の合成樹脂を重ね合せて加熱溶
融し、通気性繊維素材の合成樹脂が重ね合わされた側と
反対側から吸気して加熱溶融する合成樹脂を含浸させる
ことにより合成樹脂層を形成するので、製造が容易で通
気性および熱圧着性を有し強い層間強度が得られる。
薄いと、通気性繊維素材内に十分に含浸されず、十分な
層間強度が得られないおそれがある。また、合成樹脂の
厚さ寸法が200μmより厚くなると、合成樹脂の溶融
が不十分となり、略均一に良好に効率よく含浸させるこ
とができなくなり、製造性が低下するおそれがある。ま
た、溶融するための熱量が多く必要となり、経済的でな
い。このため、合成樹脂の厚さ寸法を5μm以上200
μm以下、好ましくは10μm以上100μm以下とす
る。
いずれかに記載の熱接着性シートにて形成されたことを
特徴とした包装材である。このことにより、十分な熱接
着性が得られ、内容物が漏れ出ることなく、安定した包
装が得られる。
係る一実施の形態を図面に基づいて説明する。
の熱接着性シート1は、シート状の通気性繊維素材2
と、この通気性繊維素材2の一面に設けられた合成樹脂
層3とを有している。
ヨン紙、湿式不織布、乾式不織布、織布などで、ある程
度の耐熱性、例えば融点が150℃以上のものある。特
に、製造が容易で安価に流通している不織布が好まし
く、なかでも、原液を多数のノズルから紡糸しつつラン
ダムなウェブをつくって形成されるいわゆるスパンボン
ド不織布が特に好ましい。そして、熱可塑性樹脂にて構
成されるスパンボンド不織布は、強度、伸び、柔軟性、
安価などの点で特に好ましい。
および、合成樹脂層3の主成分である熱可塑性樹脂とし
ては、プロピレンの単独重合体、ブテン−1などのモノ
マとのランダム共重合体などのポリプロピレン、プロピ
レンと5質量%以下のエチレンとの共重合体などのプロ
ピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチ
レンランダム共重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポ
リエチレン、エチレンと他の重合性単量体との共重合体
などのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ゴム改質
耐衝撃性ポリスチレン、シンジオタクチック構造を含む
ポリスチレン、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styr
ene)樹脂、AS(Acrylonitrile-Styrene)樹脂などの
スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリトリメチレンテレフタレートなどのホモポリエ
ステル、およびこれらを主成分単位とする他の成分を共
重合したコポリエステル、さらにはこれらの混合ポリエ
ステルなどのポリエステル、ナイロン6(ポリカプロラ
クタミド)、ナイロン6,6(ポリヘキサメチレンアジ
ポアミド)、ナイロン6,10(ポリヘキサメチレンセ
バカミド)、ナイロン11(ポリウンデカンアミド)、
ナイロン7(ポリ−ω−アミノヘプタン酸)、ナイロン
9(ポリ−ω−アミノノナン酸)、ナイロン12(ポリ
ラウリンアミド)などのポリアミドなどが採用できる。
また、熱可塑性樹脂は、これら単独で用いることもでき
るが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ン、プロピレンと他のオレフィンとのブロック共重合
体、ランダム共重合体、あるいは、これらの混合物など
のポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体などのポリエチレン系樹脂あるいはこれら
の混合樹脂などのポリオレフィン系樹脂が好ましく用い
られる。
他の繊維素材としては、例えば木材パルプ、楮、みつま
た、レーヨン繊維などの溶融しない繊維素材などが用い
られる。
以上200μm以下、好ましくは10μm以上100μ
m以下である。ここで、この繊維径が1μmより細くな
ると、後述する合成樹脂層3を形成するために合成樹脂
4を含浸させることが困難となるとともに、通気性繊維
素材2の通気性も低下するおそれがある。一方、繊維径
が200μmより太くなると、含浸した合成樹脂4が通
気性繊維素材に良好に保持されなくなり、通気性繊維素
材2と合成樹脂層3との接合強度である層間強度が低下
するとともに、合成樹脂層3にて熱接着した際の接着強
度も低下するおそれがある。このため、不織布を構成す
る繊維径を、1μm以上200μm以下、好ましくは1
0μm以上100μm以下に設定する。
50μm以上2000μm以下、好ましくは100μm
以上500μm以下である。ここで、通気性繊維素材2
の厚さ寸法が50μmより薄くなると、合成樹脂4を通
気性繊維素材2に含浸するときに、合成樹脂層3が通気
性繊維素材2の裏側から浸出して、合成樹脂層3による
熱接着の際に用いられる治具が合成樹脂4にて汚れてし
まうとともに、熱接着作業が煩雑となるおそれがある。
一方、通気性繊維素材2の厚さ寸法が2000μmより
厚くなると、熱接着の際の加熱が十分に合成樹脂4に伝
達されなくなり、合成樹脂4が十分に溶融せず、通気性
繊維素材2への合成樹脂4の含浸が不十分となるおそれ
がある。このため、通気性繊維素材2の厚さ寸法を50
μm以上2000μm以下、好ましくは100μm以上
500μm以下に設定する。
1096における引張試験での強度が3N/5cm以上
であることが好ましい。ここで、通気性繊維素材2の引
張試験での強度が3N/5cmより小さいと、熱接着性
シート1の引張試験での強度が包装材として利用される
際の5N/5cm以上を確保できなくなるおそれがあ
り、強度を確保するために別途補強部材を設ける必要が
あり、製造工程数が増加して製造性の向上およびコスト
の低減が図れなくなるおそれがある。
てフラジール形法(JIS-L-1096 A法)による1秒間に1
cm2を通過する空気の量が0.5ml/cm2・秒以上
である。ここで、通気性が0.5ml/cm2・秒より
少なくなると、合成樹脂4を含浸させる際に吸引するこ
とが困難となり、合成樹脂4を良好に含浸させて層間強
度が大きい良好な合成樹脂層3を形成することができな
くなる。さらに、熱接着性シート1としての良好な通気
性を得ることができなくなる。
脂4が加熱により通気性繊維素材2に含浸され、通気性
繊維素材2の一面に層状に形成される。そして、シート
状の合成樹脂4としては、ある程度の厚み均一性を有
し、ほとんど通気性を有しないものが用いられる。例え
ば、フラジール形法で0.1ml/cm2・秒未満、特
に測定限界以下が好ましい。すなわち、ある程度の通気
性があると、後述する合成樹脂4を通気性繊維素材2に
重ね合わせて吸引により含浸させる際に、合成樹脂4の
両面で気圧差が生じにくく、良好に通気性繊維素材2に
含浸させることができなくなるおそれがあるためであ
る。
5μm以上200μm以下のフィルム状のものを用いる
ことが好ましい。ここで、合成樹脂4の厚さ寸法が5μ
mより薄いと、通気性繊維素材2内に十分に含浸され
ず、十分な層間強度が得られないおそれがある。一方、
合成樹脂4の厚さ寸法が200μmより厚くなると、合
成樹脂4を構成する熱可塑性樹脂の溶融が不十分とな
り、吸気にて合成樹脂4を含浸させる際に効率よく大気
圧に対する負圧が生じず、略均一に良好に効率よく含浸
させることができなくなる。したがって、良好な一体複
合化構造を得ることができなくなり、層間強度も低下す
るおそれがある。さらには、粘性の低い合成樹脂が吸引
の際に通気性繊維素材2の反対側からしみ出るように通
過するおそれもあり、製造性が低下するおそれがある。
このため、合成樹脂4の厚さ寸法を5μm以上200μ
m以下、好ましくは10μm以上100μm以下とす
る。
などの点でフィルム形態のものが好ましい。
ましい。すなわち、延伸性が高い合成樹脂4では、通気
性繊維素材2に重ね合わせて加熱吸引する際に、通気性
繊維素材2の気孔が拡大、すなわち繊維間の隙間に沿っ
て急激に広がり、吸引効果が十分に得られなくなる。こ
のため、良好に合成樹脂を含浸させることができなくな
り、十分な層間強度が得られなくなるおそれがある。し
たがって、非延伸フィルムを用いることが好ましい。
素材2の融点より10℃以上低い融点のものが用いられ
る。例えば通気性繊維素材2として融点が150℃以上
のものを用いる場合、合成樹脂4としては融点が140
℃以下のものを用いる。
材2の融点に対して10℃より小さい温度差で低い場合
には、合成樹脂層3を形成する際に、例えば後述する通
気性繊維素材2が溶融しないように合成樹脂4を溶融し
て含浸させて通気性繊維素材2に保持されて合成樹脂層
3を形成することが困難で、製造性の向上が図れなくな
るおそれがある。
は、通気性繊維素材2の融点より10℃以上低い融点の
ものを用いることにより、後述する熱可塑性樹脂を主成
分とする合成樹脂4を加熱溶融させて通気性繊維素材2
に含浸させる際に、通気性繊維素材2が溶融することな
く確実に熱可塑性樹脂が合成樹脂層3として通気性繊維
素材2に保持される。また、例えば後述する熱圧着にて
包装袋として袋状に形成するなどの際に、合成樹脂層3
のみを軟化させて熱圧着することが容易にでき、熱圧着
作業性を向上できる。
種類以上の熱可塑性樹脂を主成分とした合成樹脂4にて
積層状態に形成されることが好ましい。すなわち、例え
ばシート状の合成樹脂4を通気性繊維素材2と重ね合わ
せて加熱吸引して合成樹脂層3を形成する際に、加熱吸
引時に融点の高い合成樹脂4Aが吸引の際の大気圧に対
する負圧を確保し、まず融点の低い合成樹脂4Bが通気
性繊維素材2に含浸する。そして、最終的に融点の高い
合成樹脂4Aが溶融して孔が開き融点の異なる2種類以
上の合成樹脂4A,4Bが積層状態で通気性繊維素材2
に保持されて積層状態の合成樹脂層3が形成される。
にこの合成樹脂層3が含浸された通気性繊維素材2の厚
さ寸法に対して15%以上で含浸する状態で形成され
る。ここで、合成樹脂層3の含浸が通気性繊維素材2の
厚さ寸法に対して15%より少ない場合、通気性繊維素
材2との十分な層間強度が得られなくなる。このため、
合成樹脂層3を通気性繊維素材2の厚さ寸法に対して1
5%以上で含浸形成する。
れた厚さ寸法が5μm以上となる条件で形成される。こ
こで、含浸された厚さ寸法が5μmより薄い場合、通気
性繊維素材内に十分に含浸されず、十分な層間強度が得
られないおそれがある。このため、5μm以上含浸した
状態で合成樹脂層3を形成する。
素材2と含浸された合成樹脂層3との剥離強度が、JI
S−K−6854のT−PEEL法に基づいて測定した
結果で1N/15mm以上、好ましくは3N/15mm
である。ここで、剥離強度が1N/15mmより小さい
場合には、例えば熱圧着により袋状に形成したとして
も、層間剥離により破袋するおそれがある。このため、
通気性繊維素材2と合成樹脂層3との剥離強度を1N/
15mm以上とする。
脂層3が設けられた側が内側となるように折り返され、
折り返し方向の互いに対向する両側縁が互いに熱圧着さ
れて接合され、袋状の包装袋が形成される。この熱接着
する部分の接着強度は、8N/15mm以上であること
が好ましい。
15mm以上となるように、所定の熱接着性を有した合
成樹脂4を用いて、所定の物性である通気性や構成する
繊維の特性を有した通気性繊維素材2に、所定の含浸状
態となるように含浸させて合成樹脂層3を形成する。こ
のことにより、例えば熱圧着にて袋状の包装体に形成し
た際に、接着部分が破れて内容物がこぼれることを防止
でき、包装袋としての機能が十分に得られ、信頼性の高
い熱圧着性を得ることができる。
−1096における引張試験での強度が5N/5cm以
上であることが好ましい。ここで、熱接着性シート1の
引張試験での強度が5N/5cmより小さいと、例えば
包装材として利用したり、他のものと接着した際の強度
が十分とならず、包装した内容物が漏れ出たり、接着の
際に容易に破れるなどの損傷が生じるおそれが増大す
る。このため、取り扱いが容易でシート材料として信頼
性の高い熱接着性シート1としては、引張強度が5N/
5cm以上に設定する。すなわち、この引張強度が得ら
れるように、通気性繊維素材2や合成樹脂4を選択し、
所定の条件で複合化させて合成樹脂層3を形成する必要
がある。
の製造動作を図面に基づいて説明する。
は、図2に示す製造装置10が用いられる。この製造装
置10は、ロール状に巻き取られた通気性繊維素材2を
長手方向の一端側から繰り出す繰り出し部11を備えて
いる。
気性繊維素材2の一面側に合成樹脂4のフィルムをラミ
ネートさせる押出ラミネート装置12が設けられてい
る。この押出ラミネート装置12は、溶融する合成樹脂
4を押し出す単軸押出成形機13を備えている。さら
に、押出ラミネート装置12には、単軸押出成形機13
から押し出された合成樹脂4をフィルム状に通気性繊維
素材2の一面に積層させる押出ラミネートダイス14が
設けられている。また、押出ラミネート装置12には、
積層する通気性繊維素材2および合成樹脂を加圧しつつ
冷却してラミネートさせる冷却ローラ15が設けられて
いる。
ラミネートされた通気性繊維素材2を加熱吸引して合成
樹脂4を通気性繊維素材2内に含浸させる加熱吸引装置
17が設けられている。そして、この加熱吸引装置17
は、ラミネートされた合成樹脂4に対向しこの合成樹脂
4を加熱溶融させる加熱部18を備えている。さらに、
加熱吸引装置17は、通気性繊維素材2の合成樹脂4が
ラミネートする側と反対側に対向し通気性繊維素材2を
介してラミネートされた合成樹脂4を吸引する吸引部1
9を備えている。
1を巻き取る巻き取り部20が設けられている。この巻
き取り部20は、加熱吸引装置17の送られる熱接着性
シート1の移動方向側である下流側に位置して配設され
ている。そして、巻き取り部20は、加熱吸引装置17
にて合成樹脂4が通気性繊維素材2に含浸されて合成樹
脂層3が形成され通気性繊維素材2と合成樹脂層3とが
複合化された熱接着性シート1を巻き取る。
は、まず通気性繊維素材2を繰り出し部11により押出
ラミネート装置12に繰り出す。この繰り出された通気
性繊維素材2の一面に、押出ラミネート装置12からフ
ィルム状に押し出された合成樹脂4を積層させてラミネ
ートさせる。さらに、合成樹脂4がラミネートされた通
気性繊維素材2を、加熱吸引装置17の加熱部18にて
ラミネートされた合成樹脂4を加熱溶融しつつ、通気性
繊維素材2側から吸引部19にて吸引し、合成樹脂4を
通気性繊維素材2に含浸させて複合化し合成樹脂層3を
形成する。この後、合成樹脂層3が形成された熱接着性
シート1を巻き取り部20にて巻き取る。
えば合成樹脂層3が設けられた側が内側となるように折
り返され、折り返し方向の互いに対向する両側縁が互い
に熱圧着されて接合され、図示しない袋状の包装袋が形
成される。この包装袋内に例えばシリカゲルなどの乾燥
剤や炭、脱酸素剤などの図示しない内容物を充填する。
そして、包装袋の開口縁をさらに熱圧着して封止する。
これらにより、床下調湿材、カイロ包材、脱酸素材、布
団袋などとすることができる。また、通気性繊維素材2
に不織布を用いた場合、ヒートシール性を有する不織布
とすることができ、合成樹脂4の不織布側に印刷などを
施し、包装袋としたとき、強度が強く、見栄えのよいフ
ァッションバッグなどを形成することができる。
を奏する。
とも一面の一部に含浸される熱可塑性樹脂を主成分とす
る合成樹脂層3と、含浸後の通気性繊維素材2との剥離
強度を1N/15mmとする。このため、通気性繊維素
材2と合成樹脂層3との間で大きな層間強度が得られ、
層間剥離が生じにくくなる。また、例えば通気性繊維素
材2と合成樹脂4とを積層して合成樹脂4を加熱溶融さ
せて含浸させた後に冷却して合成樹脂層3を硬化形成し
たり、塗料状の合成樹脂4を含浸させた後に乾燥して合
成樹脂層3を硬化形成するなど、通気性繊維素材2に通
気性を損なうことなく合成樹脂層3を容易に形成でき、
通気性および熱接着性が容易に得られ、製造性を向上で
きる。
脂層3の厚さ寸法は、5μm以上とする。このため、通
気性繊維素材2に合成樹脂層3が十分に含浸された状態
となり、十分な層間強度が得られる。
脂層3の厚さ寸法は、合成樹脂層3が含浸された通気性
繊維素材2における全体の厚さ寸法に対して15%以上
とする。このため、通気性繊維素材2に合成樹脂層3が
十分に含浸された状態となり、十分な層間強度が得られ
る。
よる1秒間に1cm2を通過する空気の量が0.5ml
/cm2・秒以上とする。このため、例えば通気性繊維
素材2と合成樹脂4とを積層して合成樹脂4を加熱溶融
させて含浸させた後に冷却して合成樹脂層3を硬化形成
したり、塗料状の合成樹脂4を含浸させた後に乾燥して
合成樹脂層3を硬化形成するなど、通気性繊維素材2に
通気性を損なうことなく合成樹脂層3を容易に形成で
き、良好な通気性および熱接着性を有した熱接着性シー
ト1が容易に得られ、製造性を向上できる。
一部に厚さ寸法が5μm以上100μm以下のシート状
の合成樹脂4を重ね合せて加熱溶融し、通気性繊維素材
2の合成樹脂4が重ね合わされた側と反対側から吸気し
て加熱溶融する合成樹脂4を含浸させることにより合成
樹脂層3を形成する。このため、通気性および熱圧着性
を有し強い層間強度が得られる良好な熱接着性シート1
を容易に製造できる。
が通気性繊維素材2の融点より10℃以上低いものとす
る。このため、通気性繊維素材2に合成樹脂層3を形成
する際に、合成樹脂4を加熱溶融した時に通気性繊維素
材2も溶融して合成樹脂層3を通気性繊維素材2に含浸
保持できなくなることを防止できるとともに、通気性繊
維素材2の溶融にて通気性が得られなくなることも防止
できる。
℃以上のものを用いる場合に、合成樹脂層3の熱可塑性
樹脂を融点が140℃以下とする。このため、例えば合
成樹脂4を加熱溶融させて通気性繊維素材2に含浸させ
て合成樹脂層3を形成する際に通気性繊維素材2が溶融
することなく確実に合成樹脂層3を通気性繊維素材2に
一体に保持して複合化できる。また、例えば熱圧着にて
袋状の包装袋を形成するなどの際に、合成樹脂層3のみ
を軟化させて熱圧着することも容易にでき、熱圧着作業
性を向上できる。
脂を主成分としたシート状の合成樹脂4を一体に積層形
成して合成樹脂層3を形成する。このため、例えば融点
の低い合成樹脂4Bが通気性繊維素材2内に十分に含浸
され、融点の高い合成樹脂4Aは通気性繊維素材2に含
浸させるための例えば吸引の際の負圧を十分に確保して
最終的に通気のための孔を開口する構成とすることが可
能となり、層間強度が強く良好に合成樹脂層3を通気性
繊維素材2に保持できる。
布を用いることにより、合成樹脂層3の含浸形成が容易
にできるとともに、安価で可撓性を有し軽量な通気性繊
維素材2であることから、汎用性の向上および利用分野
の拡大を容易に図ることができる。
ド不織布を用いることにより、安価で可撓性を有し軽量
でかつ比較的に強度が強いことから、汎用性の向上およ
び利用分野の拡大を容易に図ることができる。
着した接着部分の強度が約8N/15mm以上となるよ
うにする。このため、例えば熱圧着にて袋状の包装体に
形成した際の包装袋としての機能が十分に得られ、包装
材として信頼性の高い熱圧着性を得ることができる。
繊維素材2の一面に合成樹脂層3を形成したが、通気性
繊維素材2の両面に合成樹脂層3を設けたり、隣合う2
面に亘って設けるなどしてもでき、さらには通気性繊維
素材2の一面全域に限らず、部分的に設けてもできる。
なお、部分的に設ける場合には、設ける領域に対応した
領域で吸引する。この構成により合成樹脂4の含浸が不
十分となることを防止できる。
に合成樹脂層3を形成する方法として、加熱にて合成樹
脂4を溶融させつつ吸引して含浸させる構成について説
明したが、例えば熱可塑性の合成樹脂4を含有する塗料
を塗布などにより通気性繊維素材2に含浸させ、塗料を
乾燥させることにより合成樹脂層3を硬化形成するな
ど、いずれの方法を用いてもできる。
おいて、通気性繊維素材2に合成樹脂4をラミネートす
る際に、冷却ローラ15にて冷却して説明したが、例え
ば冷却ローラ15にて冷却せずにそのまま加熱吸引装置
17に搬送してもできる。すなわち、一旦冷却した後に
再び加熱吸引装置17にて加熱して合成樹脂4を溶融さ
せる必要がなく、効率よく製造でき、製造コストも低減
できる。
あらかじめ合成樹脂4を成型したフィルムを繰り出して
もよい。
を形成して説明したが、熱接着性シート1は、袋状に形
成される場合に限らず、いずれの形状に熱接着してもで
きる。そしてさらに、包装用に限らず、例えば熱接着性
シート1同士で熱接着させる場合に限らず、壁紙や障子
紙などの建材として用い、他のものと熱接着させるな
ど、いずれの用途にも適用できる。
ール形法による1秒間に1cm2を通過する空気の量が
0.5ml/cm2・秒以上のものとしたが、これに限
らず、通気性を有するいずれの繊維素材でもできる。
材2の融点より10℃以上低く設定して説明したが、例
えば精度の高い温度制御ができる場合など、製造上問題
が生じなければこの条件に限られるものではない。
50℃以上に設定して説明したが、この限りではなく、
いずれの温度に設定してもでき、融点を有しない材料、
例えばパルプなどでもできる。
織布、あるいはスパンボンド不織布に限られず、織布な
どでもできる。
試験での強度が3N/5cm以上に限られるものではな
く、熱接着性シート1としても、引張試験での強度が5
N/5cm以上に限られるものではなく、利用分野での
必要強度が得られればよい。さらに、上述したように、
いわゆるワリフなどの補強層をさらに追加して積層さ
せ、強度を向上させても対応できる。
としては、上記例示した熱可塑性樹脂や木材パルプ、
楮、みつまた、レーヨン繊維などの溶融しない繊維素材
などに限られず、いずれのものでもできる。また、例え
ば熱可塑性樹脂製の繊維内に木材パルプや顔料などの充
填材が混入されたものでもできる。
00μm以下、好ましくは10μm以上100μm以
下、あるいは通気性繊維素材2の厚さ寸法が50μm以
上2000μm以下、好ましくは100μm以上500
μm以下として説明したが、これらの条件を満たさなく
てもできる。
る2種類以上の合成樹脂4にて積層形成したものとした
が、1種類のみで形成、あるいは3種類以上の合成樹脂
4を用いて積層形成したものとしてもよい。
5μm以上で含浸させて説明したが、これに限らず、十
分な層間強度が得られれば、5μmより薄くてもよい。
同様に、含浸された合成樹脂層3の厚さ寸法は、熱接着
性シート1の全体の厚さ寸法に対して15%以上に限ら
れるものではなく、十分な層間強度が得られれば、15
%より薄い割合としてもよい。
5mm以上としたが、この条件に限られるものではな
く、利用する分野において大きな強度が必要なく、例え
ば仮止めとして利用し後々は接着を剥がすなどの場合に
は、この条件を満たさなくてもできる。
対比した実験に基づいて説明する。なお、本発明は、こ
れら実施例に何ら限定されるものではない。
法と、合成樹脂4の含浸状況である合成樹脂層3の厚さ
寸法と、合成樹脂4の押出樹脂から換算した合成樹脂層
3の厚さ寸法あるいは使用したフィルム状の合成樹脂4
の厚さ寸法と、含浸率と、熱接着部分の接着強度とにつ
いてそれぞれ測定し、比較評価した。
A,B(図1(B),(C)中)については、走査型電子顕微
鏡により断面を観察し、無加圧にて10カ所の位置の厚
さ寸法を測定し、平均値を算出して求めた。さらに、フ
ィルム状の合成樹脂4の厚さ寸法としては、押出ラミネ
ート装置12にて形成されるフィルム状の合成樹脂4の
厚さ寸法を換算した。また、含浸率としては、通気性繊
維素材2に含浸されて形成された合成樹脂層3の含浸部
分の厚さ寸法Bを含浸後の通気性繊維素材2の厚さ寸法
Aで除算(B/A×100)して求めた。さらに、通気
性については、JIS−L−1096 A法に基づい
て、フラジール形法により測定した。また、含浸後の通
気性繊維素材2と合成樹脂層3との剥離強度は、熱接着
性シート1の両面に粘着テープを貼り、15mm幅に切
り出した試験片の粘着テープ部分をつかみ、JIS−K
−6854に基づいて測定した。さらに、熱接着強度と
しては、合成樹脂4の融点より40℃高い温度に加熱し
た図示しない金属平板を用いて合成樹脂層3が設けられ
た側を熱接着し、15mm幅に切り出し、200mm/
分の引張速度で180℃剥離した際の最大の平均値を算
出して求めた。
として、通気性繊維素材2にポリエステルスパンボンド
不織布目付30g/m2(東洋紡績株式会社製 商品名:
エクール6301A 融点256℃)を用いた。また、
合成樹脂4としては、低密度ポリエチレン(東ソー株式
会社 商品名:ベトロセン205 融点112℃)を用
いた。そして、ポリエステルスパンボンド不織布の一面
に、低密度ポリエチレンを厚さ寸法が30μmとなるよ
うに押出ラミネートし、得られた積層体を赤外線ヒータ
を用いて220℃に加熱し、空気吸引により熱接着性シ
ート1を得た。
として、通気性繊維素材2にポリプロピレンスパンボン
ド不織布目付50g/m2(出光ユニテック株式会社製
商品名:ストラテックRW2050 融点162℃)を
用いた、また、合成樹脂4としては、厚さ寸法が50μ
mで直鎖状低密度ポリエチレンの共押出キャストフィル
ム(出光ユニテック株式会社製 商品名:ユニラックス
LS740C 融点120℃および108℃のL−LD
PEの多層構造)を用いた。そして、ポリプロピレンス
パンボンド不織布の一面に共押出キャストフィルムを積
層し、赤外線ヒータを用いて160℃に加熱し、空気吸
引により熱接着性シート1を得た。
としては、実施例1と同様に、同一の通気性繊維素材2
および合成樹脂4を用いて、合成樹脂4の厚さ寸法が5
0μmとなるように押出ラミネートしたものを用いた。
としては、通気性繊維素材2として実施例1と同一のも
のを用い、合成樹脂4として実施例2と同一のものを用
いた。そして、ポリエステルスパンボンド不織布の一面
に共押出キャストフィルムを積層し、さらに押出ラミネ
ートにより低融点直鎖状低密度ポリエチレンフィルム
(ダウケミカル株式会社製 商品名:エンゲージ 融点
60℃)を厚さ寸法が30μmとなるように押出ラミネ
ートした。この後、赤外線ヒータを用いて220℃に加
熱し、空気吸引により熱接着性シート1を得た。
としては、実施例1のポリエステルスパンボンド不織布
の代わりにレーヨン紙目付30g/m2(国光製紙株式会
社製 商品名:ニューソフロンM)を用い、エア吸引に
より形成したものを用いた。
としては、実施例1と同様に積層体を作製し、空気吸引
せず加熱のみとして形成する。この後、単位面積当たり
の針密度2本/cm2で針直径0.5mmの針を180
℃に加熱して通気口を開口形成する通気加工をしたもの
を用いた。
としては、実施例2と同様に積層体を作製し、空気吸引
せず加熱のみとして形成する。そして、比較例1と同様
に通気加工したものを用いた。
としては、実施例2のキャストフィルムに、あらかじめ
比較例1および比較例2と同様の通気加工を施す。そし
て、この通気加工したキャストフィルムを、実施例5の
レーヨン紙に熱ラミネートにて積層させて形成したもの
を用いた。
それぞれ実験した結果を表1に示す。
を超える実施例1ないし実施例5のものは、含浸率が低
い比較例1ないし比較例3に比して層間強度である剥離
強度が倍以上あり、良好な接着強度が得られることが認
められた。
素材とこの通気性繊維素材に含浸される熱可塑性樹脂を
主成分とする合成樹脂層との剥離強度を1N/15mm
とするため、通気性繊維素材と合成樹脂層との間で大き
な層間強度を得ることができ、熱接着部分での層間剥離
を防止できる。また、通気性繊維素材に通気性を損なう
ことなく合成樹脂層を容易に形成でき、通気性および熱
接着性が容易に得られ、製造性を向上できる。
の形成状況を説明する説明図である。
ブロック図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 シート状の通気性繊維素材と、 この通気性繊維素材の少なくとも一面の一部に含浸され
た熱可塑性樹脂を主成分とする合成樹脂層とを備えた熱
接着性シートであって、 含浸後の前記通気性繊維素材と前記合成樹脂層との剥離
強度は、1N/15mm以上であることを特徴とした熱
接着性シート。 - 【請求項2】 請求項1に記載の熱接着性シートにおい
て、 前記通気性繊維素材に含浸された前記合成樹脂層の厚さ
寸法は、5μm以上であることを特徴とした熱接着性シ
ート。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の熱接着性シー
トにおいて、 前記通気性繊維素材に含浸された前記合成樹脂層の厚さ
寸法は、含浸後の前記通気性繊維素材における全体の厚
さ寸法に対して15%以上であることを特徴とした熱接
着性シート。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱
接着性シートにおいて、 前記通気性繊維素材は、フラジール形法による1秒間に
1cm2を通過する空気の量が0.5ml/cm2・秒以
上であることを特徴とした熱接着性シート。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の熱
接着性シートにおいて、 前記熱可塑性樹脂の融点は、前記通気性繊維素材の融点
より10℃以上低いことを特徴とした熱接着性シート。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の熱
接着性シートにおいて、 前記通気性繊維素材は、紙または不織布であることを特
徴とした熱接着性シート。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の熱
接着性シートにおいて、 前記合成樹脂層は、融点が異なる2種類以上の熱可塑性
樹脂を主成分とする合成樹脂を含浸されて形成されたこ
とを特徴とした熱接着性シート。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の熱
接着性シートにおいて、 前記通気性繊維素材は、融点が150℃以上で、 前記熱可塑性樹脂は、融点が140℃以下であることを
特徴とした熱接着性シート。 - 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の熱
接着性シートにおいて、 前記合成樹脂層が設けられた側同士を熱接着した際の接
着強度が8N/15mm以上であることを特徴とした熱
接着性シート。 - 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
熱接着性シートにおいて、 前記合成樹脂層は、前記通気性繊維素材の少なくとも一
面の一部に厚さ寸法が5μm以上200μm以下のシー
ト状の熱可塑性樹脂を主成分とした合成樹脂が重ね合わ
され、前記合成樹脂が加熱溶融された状態で前記通気性
繊維素材の前記合成樹脂が重ね合わされた側と反対側か
ら吸気されて前記通気性繊維素材に前記合成樹脂が含浸
されて形成されたことを特徴とした熱接着性シート。 - 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
の熱接着性シートにて形成されたことを特徴とした包装
材。
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JP2011068402A (ja) * | 2009-09-24 | 2011-04-07 | Shingo Miyauchi | 透湿・通気性包装材料および包装袋 |
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-
2002
- 2002-08-08 JP JP2002232171A patent/JP2003118021A/ja active Pending
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