JP2003115744A - 弾性表面波素子及び弾性表面波素子を用いた分析方法 - Google Patents

弾性表面波素子及び弾性表面波素子を用いた分析方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】極めて多い数回の弾性表面波の周回を実現する
弾性表面波素子と、弾性表面波を用いた分析方法を提供
する。 【解決手段】球状の基材110は水晶で形成されてお
り、基台121の凹部122に保持されている。凹部1
22には発信器126に接続された櫛形電極123が形
成されている。基材110の表面には樹脂薄膜が形成さ
れており、基材110と櫛形電極123は間隔を置いて
対向している。櫛形電極123は円環状表面111に沿
って伝搬する弾性表面波を励起する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波素子と
これを用いた分析方法に関係しており、より詳細には、
少なくとも球面の一部で形成されていて円環状に連続し
ている円環状表面を有している基材と、円環状表面と間
隔を置いて対向しており、前記円環状表面に沿って伝搬
する弾性表面波を励起する弾性表面波励起手段とを備え
ている弾性表面波素子に関係している。さらには、被検
物質と反応する円環状表面を有している基材を用意し、
被検物質と反応した円環状表面に沿って弾性表面波を伝
搬させることを利用して被検物質を分析する分析方法に
関係している。
【0002】
【従来の技術】基材上に弾性表面波を発生させるととも
に、基材上に発生された弾性表面波を受信するものとし
て弾性表面波素子は従来から良く知られている。
【0003】従来の弾性表面波素子では平坦な基材上に
1対の櫛形電極が設けられている。基材が圧電性材料で
形成されているか、又は櫛形電極と基板の間には圧電体
が設けられており、一方の櫛形電極に高周波電圧を供給
することにより電極の並んでいる方向に弾性表面波を励
起させる。他方の櫛形電極はこの弾性表面波の伝搬方向
に配置されていてこの弾性表面波を受信する。
【0004】弾性表面波素子は、遅延線、発信機のため
の発振素子若しくは共振素子、周波数を選択するための
フィルタ、化学センサ、バイオセンサ、又はリモートタ
グ等に使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】弾性表面波素子の精度
を高める方法として、球状の基材の表面に弾性表面波を
伝搬させて基材を多数回周回させるものが知られてい
る。このとき、弾性表面波は拡散せずに長い距離伝搬す
るが、基材の表面に電界を印加するために櫛形電極など
を形成する必要がある。この場合、特に0.5mmより
も小さなパターンを形成するためには、フォトリソグラ
フィーの手法を採用しなくてはならず、工数が増えるこ
とにより高価なものになる。
【0006】また、基材の表面に金属などの電極を直接
に形成すると、基材の表面を周回する弾性表面波がこの
電極によって反射されるなどして周回数が増える度に急
激にその強度を小さくする。このため、例えば30回周
回するのに必要な時間を測定して評価を行う用途のよう
な場合に、20回程度で減衰や拡散によって消失してし
まい、十分な精度での評価ができない。
【0007】この発明はこのような事情の下でなされ、
本発明の目的は、極めて多い数回の弾性表面波の周回を
実現することで高い精度の信号処理や評価ができる弾性
表面波素子を提供することである。さらには、弾性表面
波を用いた分析方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係わる弾性表面波素子は、少な
くとも球面の一部で形成されていて円環状に連続してい
る円環状表面を有しており、少なくとも一部が圧電性材
料で形成されている基材と、円環状表面と間隔を置いて
対向しており、前記円環状表面に沿って伝搬する弾性表
面波を励起する弾性表面波励起手段とを備えている。
【0009】本発明の請求項2に係わる弾性表面波素子
では、前記基材は、水晶の単結晶、LiNbOの単結
晶およびLiTaOの単結晶からなる群から選択され
る単結晶で形成されている。
【0010】本発明の請求項3に係わる弾性表面波素子
では、前記弾性表面波励起手段により励起される弾性表
面波の波長が、基材の球面の半径の1/10以下であ
る。
【0011】本発明の請求項4に係わる弾性表面波素子
では、前記弾性表面波励起手段と円環状表面との間隔
が、前記弾性表面波励起手段により励起される弾性表面
波の波長の1/4以下である。
【0012】本発明の請求項5に係わる弾性表面波素子
では、前記弾性表面波励起手段は、前記円環状表面に沿
って設けられ、高周波電源に接続される櫛形電極を含ん
でいる。
【0013】本発明の請求項6に係わる弾性表面波素子
では、前記櫛形電極の重なり幅は、前記基材の球面の直
径の半分以下でこの球面の半径の1/100以上であ
る。
【0014】本発明の請求項7に係わる弾性表面波素子
では、前記櫛形電極と円環状表面との間隔が、この櫛形
電極の電極周期の1/4以下である。
【0015】本発明の請求項8に係わる分析方法は、少
なくとも球面の一部で形成されていて円環状に連続して
いる円環状表面と、この円環状表面に沿って形成されて
いて被検物質と反応する反応部とを有している基材を用
意する基材用意工程と、前記反応部と被検物質とを反応
させる反応工程と、前記円環状表面に沿って弾性表面波
を伝搬させる伝搬工程と、前記伝搬工程で伝搬させられ
た弾性表面波を検出する検出工程と、を備えている。
【0016】本発明の請求項9に係わる分析方法では、
前記被検物質は動物の体内物質であり、前記反応工程
は、前記基材を動物に経口投与する投与工程と、前記投
与工程で経口投与した基材を回収する回収工程とを有す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1ないし図12を参照して、本
発明の実施の形態に係わる弾性表面波素子を説明する。
先ず、本発明の第1の実施の形態の弾性表面波素子を説
明する。図1は弾性表面波素子の構成を示す斜視図であ
る。弾性表面波素子は単結晶の水晶で形成されている球
状の基材110を有している。本実施の形態では水晶の
単結晶を用いているが、LiNbOの単結晶、LiT
aOの単結晶等の圧電性材料の単結晶を用いてもよ
い。基材110は溶融石英で形成されている基台121
に保持されている。基台121には基材110の球面の
一部に適合する凹部122が設けられている。凹部12
2は基材110を透視して示されている。基材110は
凹部122に嵌合している。本実施の形態では、基材1
10の半径及び凹部122の曲率半径はともに5mmで
ある。しかしながら、基材110の寸法はこれに限定さ
れない。
【0018】凹部122にはハッチングで示されている
櫛形電極123が基材110の表面に沿って設けられて
いる。櫛形電極123は基台121の表面に積層された
厚さ500Åのクロムの層と、クロムの層の上に積層さ
れた厚さ1500Åの金の層とを有している。これらの
層は熱蒸着により形成され、その後フォトリソグラフィ
ーにより1対の櫛形パターンが形成されるようにパター
ニングされている。基材110の表面には櫛形パターン
の他に、櫛形パターンに接続される、電界を発生させる
ための回路等(図示せず)が形成される。櫛形電極12
3にはこのような回路等が含まれている。
【0019】櫛形電極123はその他の形成方法により
形成されてもよい。例えば、導電性の箔を櫛形に切り抜
きこれを凹部122に貼り付けてもよい。また、印刷、
スパッタリング、ゾルゲル法等を用いてもよい。櫛形電
極123にはインピーダンスマッチング回路124とサ
ーキュレータ125とを介して、高周波電源を有してい
る発信器126に接続されている。櫛形電極123は弾
性表面波励起手段として用いられている。
【0020】水晶の基材110の表面には樹脂薄膜が形
成されている。樹脂薄膜はレジスト薄膜パターンをフォ
トレジスト工程で作成して硬膜化処理を行って形成され
ている。
【0021】櫛形電極123に電圧を印加すると、櫛形
電極123は電界を発生する。この電界は、樹脂薄膜を
通過し、凹部122に対向している基材110の表面に
印加される。
【0022】ところで、基台121に凹部122が設け
られておらず、平板状の基台に櫛形電極が形成され、こ
れらが基材110に対向している場合は、電界は基材1
10の表面の比較的狭い領域にしか印加されない。これ
に対して、本実施の形態のように凹部122が設けられ
ていれば基材110の比較的広い領域に電界を印加でき
る。
【0023】基材110を形成している水晶の結晶は圧
電性材料である。基材110の表面に電界が印加される
と、基材110の表面が圧電効果により振動し、基材1
10の表面に所定のモードの弾性表面波が励起される。
櫛形電極123を用いた弾性表面波励起手段は比較的高
い効率でかつ特定の方向に弾性表面波を励起することが
できる。
【0024】本明細書では、単結晶の基材の表面にエネ
ルギーを集中させて伝搬する弾性波を弾性表面波と総称
している。単結晶の基材からエネルギーを放出しながら
伝播する漏洩弾性表面波や、SH(シェアーホリゾンタ
ル)波や、ラテラル波と呼ばれる弾性波も含まれる。
【0025】励起された弾性表面波は円環状に連続して
いる基材110の円環状表面111に沿って伝搬する。
弾性表面波は基材110の表面を周回する。弾性表面波
励起手段、本実施の形態では櫛形電極123は、円環状
表面111と間隔を置いて対向しており、円環状表面1
11に沿って設けられている。櫛形電極123と円環状
表面111との間には微小な樹脂粒子が散在させられて
おり、櫛形電極123と円環状表面111とが直接接す
ることがない。このため、基材110の表面を周回する
弾性表面波は櫛形電極により散乱されることが少ない。
【0026】基材の表面に直接櫛形電極が形成されてい
る場合、基材の表面に励起された弾性表面波は櫛形電極
により反射されたり散乱されたりする。本実施の形態で
はこのようなことがない。
【0027】所定の条件が揃った場合、樹脂薄膜を導波
管として弾性波が励起される場合がある。このようなモ
ードの弾性波も本実施の形態の弾性表面波に含まれる。
【0028】発明者らの実験により、櫛形電極が基材の
表面に接していないため十分な強度で弾性表面波を励起
できるだけでなく、接している場合よりも極めて多数回
の周回を実現できることが分かっており、このような特
性は各種センサへの応用上、極めて好都合である。
【0029】弾性表面波励起手段と円環状表面111と
の間隔は、電界を圧電性材料である水晶の基材110に
及ぼすことができるならば、弾性表面波励起手段により
励起される弾性表面波の波長の1/4以下であることが
好ましい。この間隔が波長の1/4を超えると、櫛形電
極の電圧勾配に基づく、基材の表面の電界強度の振幅が
なだらかになり、励起される弾性表面波の強度が著しく
弱くなることが確かめられている。
【0030】後述するように、所定の条件下では弾性表
面波の波長は櫛形電極123の電極周期に一般にはほぼ
等しい。この事実を用いると、上記間隔と波長の関係
を、櫛形電極123と円環状表面111との間隔は、櫛
形電極123の電極周期の1/4以下である、と言い換
えることができる。本実施の形態では、樹脂粒子の直
径、即ち櫛形電極123と円環状表面111との間隔は
10μmであり、後述するように、波長は0.209m
mである。
【0031】櫛形電極123には上述した発信器126
の他にアンプ127、ディジタルオシロスコープ128
が接続されている。櫛形電極123を利用すれば、周回
した後に櫛形電極123に入力する弾性表面波を検出で
きる。ここで、櫛形電極123は弾性表面波を再び電気
信号に変換することにより弾性表面波を検出する機能を
もつために、1対の櫛形電極のみで弾性表面波の励起と
検出とを行えるが、検出用の櫛形電極を弾性表面波の伝
搬経路上に別個に形成してもよい。
【0032】弾性表面波が球状の基材の円環状表面に沿
って伝搬する現象は、等方性の材料で形成されている基
材については知られていた。単結晶で形成された基材に
ついては、結晶方位に従って弾性表面波の伝搬速度が異
なる。そして、単結晶で形成された球状の基材を周回す
る過程で伝搬不可能な結晶面を通過したり、エネルギー
が拡散する結晶面を通過したりするために、弾性表面波
が基材の表面を周回する際の効率が悪化し、周回する度
に急激にエネルギーを消耗すると考えられていた。
【0033】ところが、水晶、LiNbO、LiTa
等の三方晶系の単結晶の基材については、弾性表面
波が伝搬する経路を適切に選べば同様の現象が起こるこ
とが発明者らにより実験で確認された。この経路は、後
に示すように、結晶方位で決まる。この経路に沿って伝
搬する弾性表面波は弾性波エネルギーの散逸や球表面に
おける反射は小さいので、雑音の少ない良好な周回が実
現できる。
【0034】従来のように非圧電性材料で基材を形成す
る場合、基材と櫛形電極との間に圧電膜を形成する必要
がある。LiNbO、LiTaOおよび本実施の形
態の基材を形成している水晶は良好な圧電材料であるの
で、圧電膜を形成する必要がなく低コストである。ま
た、圧電膜の形成プロセスの条件に伴って弾性表面波素
子の特性が変わる危険性が無いので安定して同じ製品を
生産できる。
【0035】非圧電性材料の基材を用いた場合よりも、
水晶、LiNbOおよびLiTaOの基材を用いた
場合の方が信号純度が高い。従って、従来の弾性表面波
素子に比べ遥かに性能を高めることができる。
【0036】上記単結晶の中で、水晶は硬度がたかく、
加工が容易で、材料として安価に入手できるために非常
に有用である。LiNbOおよびLiTaOについ
ても電気機械結合係数が大きく、また弾性表面波の位相
速度の温度依存性についての特徴から雑音の少ない良好
な周回が実現できる。
【0037】弾性表面波が拡散することなく球状の基材
の表面を周回する条件は、近似的に以下のようにして求
められた。以下の計算は等方性材料で基材を形成した場
合について説明されているが、大部分の弾性表面波が周
回する領域において、弾性表面波が伝搬する方向の弾性
表面波位相速度が著しく変化しない場合に、理論的に近
似的な推測を行うことができる。
【0038】先ず、弾性表面波の発生源が点とみなせる
場合について説明する。発生源は球状の基材の表面にあ
る。これは、櫛形電極123の重なり幅が基材110の
球面の半径の1/100未満であることに対応してい
る。ここで、重なり幅は櫛形電極123一方の櫛形パタ
ーンの複数の電極片と、他方の櫛形パターンの複数の電
極片とが相互に対面する長さである。
【0039】弾性表面波は発生源を中心にして球面であ
る表面上を同心円状に広がった後に発生源とは正反対の
側の地点に向かい同心円状に集束する。そして、正反対
の側の地点から球面上を同心円状に広がった後に発生源
に集束する。即ち、発生源が点とみなせる場合は、指向
性をもたずに拡散する。尚、基材に櫛形電極が直接形成
されている場合や、基材を支持するための支持部が直接
基材に接している場合は、櫛形電極の配線取り付け部、
櫛形電極の櫛形パターンに接続される所定の回路、支持
部などで弾性表面波が散乱される。本実施の形態ではこ
のようなことは起こらない。
【0040】次に、弾性表面波の発生源が円弧とみなせ
る場合について説明する。これは、櫛形電極123の重
なり幅が基材110の球面の半径の1/100以上であ
ることに対応している。但し、付随の電気回路パターン
などを含めた櫛形電極の全幅は、基材110の周囲長の
半分以下である必要があるので、櫛形電極123の重な
り幅は基材110の球面の直径の半分以下である。図2
には、球状の基材の中心を原点Oとする座標系が示され
ている。XYZ座標軸と基材の半径rの球面の交点をそ
れぞれ点A、B,Cとする。また、OB間にあり、Y軸
上の点を点E、点E通りZ軸に平行な直線と上記球面と
の交点を点F、点E通りX軸に平行な直線と上記球面と
の交点を点Dとする。円弧DF上の点Pから発生した弾
性表面波が円弧CG上の点Qに達するとする。ここで、
点Gは円弧AB上の点である。角度φ,θ,φ
θを図2中に示したように取ると、点P,Qの座標は
それぞれ(rcosφcosθo,rsinφ,r
cosφsinθo)及び(rcosφcos
θ,rcosθsinφ,rsinθ)となる
ため、 PQ=2r[1−cosφcosθocosφcosθ− sinφcosφcosθ−cosφsinφsinθ]…(1) である。従って、角POQ=θとおくと余弦定理より cosθ=cosφcosθocosφcosθ+ sinφcosφcosθ+cosφsinφsinθ …(2) の関係が成り立つ。
【0041】点Pで発生した弾性表面波の点Qにおける
粒子変位の半径方向成分は、
【数1】 …(3) である(Viktorov,Rayleigh and
Lamb Waves)。式(3)はレイリー波やラ
ム波について求められたものであるが弾性表面波一般に
も適用できる。なおここで、Cは定数、Cはレイリー
波速度、tは時間である。mは m=円周の長さ/弾性表面波の波長 であり、波数パラメータと呼ぶ。
【0042】角度θは式(2)から求められる。点Eか
ら見こむ角度が2θの円弧状音源による点Qの音場
は、式(3)をθoについて−θからθまで積分す
ることにより得られる。音場分布は点Qの迎角θを変
化させて計算することで求められる。
【0043】図3には点PがXZ面上にあるφ=0の
場合について式(3)を使用して求めた弾性表面波が球
面上を伝搬する4つの状態が示されている。
【0044】図3(A)、図3(B)及び図3(C)
は、波数パラメータm=600の場合の音場(粒子変位
の絶対値の角度θ依存性)を調べた結果である。図の
各々において、最も下のプロットは球面上の弾性表面波
の伝搬を表す角度(伝搬角)φ が0°の場合の音場で
あり、上に向かって15°づつ増加した場合の音場が順
にプロットしてある。
【0045】図3(A)は、開口半角θ=30°の場
合である。この場合には、図3(A)から明らかなよう
に、弾性表面波の伝搬状態は集束ビーム形状である。即
ち、伝搬角φが増加するにつれて音場の幅が減少しφ
=90°で最小になった後は再び幅が増加し対極点1
80°で音源上と同じ分布が再現される。以降は180
°毎に上記同じ変化が繰り返され、何周回っても同じ変
化が繰り返される。これは回折による波の拡散が全く無
い球面に独特な現象である。この場合、開口半角θ
30°よりも音場が広がることがなく、θ<θの帯
状部分に弾性表面波のエネルギーが閉じ込められてい
る。この場合には球面のθ>θの部分に他の物体を
接触させても音場に擾乱は生じない。
【0046】図3(C)は、開口半角θ=1°の場合
である。この場合には、図3(C)から明らかなよう
に、弾性表面波の伝搬状態は点音源の場合と類似した発
散ビーム形状である。即ち、伝搬角φが増加するにつ
れて音場の幅も増加しφ=90°で最大になった後は
再び幅が減少し対極点180°で音源上と同じ分布が再
現される。この場合は、図3(A)を参照しながら上述
した集束ビームの場合とは異なり、θ<θの帯状部
分に弾性表面波のエネルギーが閉じ込められることが無
く、φ=90°では球の表面全体に広がってしまう。
この場合には、球面のφ=90°かつθ>θの部
分に他の物体を接触させると音場に擾乱が生じる。
【0047】図3(B)は、開口半角θ=3.5°の
場合である。この場合には、図3(B)から明らかなよ
うに、弾性表面波の伝搬状態は伝搬角φが増加しても
音場の幅は殆ど変化しないコリメートビーム形状であ
る。即ち、θ=θの帯状部分に弾性表面波のエネル
ギーが閉じ込められている。これは無限媒体中のベッセ
ルビームと同様な特性である。そしてコリメートビーム
が得られる開口半角θをコリメート角θcolと呼
ぶ。
【0048】図3(A)、図3(B)及び図3(C)か
ら明らかなように、開口半角θがコリメート角θ
colに略等しい時、最も幅の狭い帯状部分に弾性表面
波のエネルギーが閉じ込められているさらに、波数パラ
メータmを変化させて上述したのと同様の数値解析を行
った結果、波数パラメータmによりコリメート角θ
colが変化することが分かった。図3(D)は、波数
パラメータmが300の場合に弾性表面波の伝搬状態が
コリメートビーム形状になるのは、開口半角θが略
4.5°であることを示しており、この場合のコリメー
ト角θcolは約4.5°になる。
【0049】以下には、波数パラメータmが変化した場
合のコリメート角θcolの値を示す。
【0050】 波数パラメータm コリメート角θcol (球の周囲長/弾性表面波波長) 150 7.0 300 4.5 450 4.0 600 3.5 750 3.0 なおこれは、数値計算による近似値である。このよう
に、コリメート角θcolは波数パラメータmから式
(3)を用いて求められる。
【0051】再び図1を参照して本実施の形態の弾性表
面波素子を説明する。櫛形電極123から弾性表面波が
出力されると、上述のように円環状表面111に沿って
伝搬する。説明の便宜上、円環状表面111の幅を櫛形
電極123の重なり幅と等しく取る。櫛形電極123の
重なり幅は、コリメート角θcolにより規定される弾
性表面波の発生源の幅以上である。より好ましくは重な
り幅はコリメート角θ colにより規定される幅に等し
い。弾性表面波は、上記数値計算の結果から円環状表面
111の幅を超えて拡散することなく、円環状表面11
1に沿って伝搬する。この伝搬の様子は図3(A)及び
図3(B)に対応する。コリメート角θ colを決定す
る波数パラメータmの代表的な値は、100〜800で
あるが、本発明の波数パラメータmはこの値に限定され
ない。
【0052】上記数値計算では、弾性表面波の波長及び
位相速度は弾性表面波が伝搬する球面の全ての場所で一
定であるとして説明した。しかしながら、結晶である水
晶で形成された球状の基材では、ある振動数をもった弾
性表面波の波長及び位相速度は結晶方位に従って一般に
異なる。よって、波数パラメータmも球面上で一定では
ないが、近似的に一定であるとする。この一定の波数パ
ラメータmを求めるために、弾性表面波励起手段により
弾性表面波が励起される基材の部分を伝搬している弾性
表面波の波長を用いる。即ち、櫛形電極123が設けら
れた基材110の部分の波長を用いる。さらに、それぞ
れの電極片の位置の基材110上の波長に合わせて櫛形
電極123の電極パターンの形状を設定することが望ま
しい。
【0053】弾性表面波が伝搬する円環状表面111
は、上述したように基材110を形成しいている単結晶
の結晶方位で決まる所定の経路に沿って形成されてい
る。この経路は三方晶系に属する水晶については発明者
らの実験によって確認されている。この経路は水晶のZ
軸に関係している。水晶の結晶軸は図4に示されてい
る。
【0054】図5はこの経路を示す図である。説明の便
宜上、Z軸は球状の基材110の中心を通るものとす
る。結晶方位で決まる所定の経路は4つの経路a,b
1,b2,b3を含んでいる。経路aは基材110の表
面である球面と、この球面の中心を通り、Z軸と直交す
る平面との交線である。経路b1,b2,b3はそれぞ
れ基材110の表面である球面と、この球面の中心を通
り、Z軸と平行な3つの平面との交線である。経路b1
を含む平面は経路b2,b3を含む平面とそれぞれ60
°,−60°の角度をなしている。Z軸を球状の基材1
10の地軸と考えると、経路aは赤道であり、経路b
1,b2,b3は60°間隔で並んでいる6つの経線で
構成される。
【0055】本実施の形態では、弾性表面波は図1に示
されているように経路aに沿って伝搬する。即ち、円環
状表面111は経路aに沿って形成されている。しかし
ながら、本発明はこれに限定されるものではない。経路
a,b1,b2,b3の内の少なくとも2つの経路に沿
って弾性表面波を伝搬させてもよい。例えば経路aと経
路b1に沿って伝搬させる場合、経路a,b1に対向さ
せて弾性表面波励起手段をそれぞれ設ける。また、経路
aと経路b1が交差する基材110の部分に弾性表面波
を散乱する散乱体又は弾性表面波を反射する反射体を設
け、経路aを伝搬する弾性表面波を経路b1に分岐して
もよい。経路a上の弾性表面波の乱れが無視できる程度
の散乱体又は反射体を設ければ、経路a上で励起され、
経路aを周回する弾性表面波を経路aの外で検出でき
る。
【0056】櫛形電極123をより詳細に説明する。図
6は櫛形電極123の平面図である。櫛形電極123は
1対の櫛形パターン123a,123bを備えている。
櫛形パターン123aは弾性表面波が伝搬する方向に配
列している複数の電極片l1,l2,l3,…を有して
いる。後述するように、弾性表面波が伝搬する方向は図
6のように基材110の経路aに一致させられる。櫛形
パターン123bは電極片l1,l2,l3,…と互い
違いに配列している複数の電極片r1,r2,r3,…
を有している。隣り合う電極(例えば電極片r1と電極
片l1、又は電極片l1と電極片r2)の間隔は全て等
しい。電極片l1,l2,l3,…と電極片r1,r
2,r3,…とは経路aに対して垂直に延びている。即
ち、Z軸を基材110の地軸とすれば、これらの電極片
は経線に沿って延びている。これらの電極片は周期的に
並んでいる。即ち、電極片l1,r1を経路aに沿って
移動すれば、電極片l2,r2、電極片l3,r3、…
にそれぞれほぼ重なる。電極片l1,r1は周期的に並
んだ電極片の単位を形成する。この電極片の単位を弾性
表面波が伝搬する方向に並べれば、櫛形電極123の1
対の櫛形パターン123a,123bが形成される。
【0057】弾性表面波が伝搬する方向の電極片の単位
の長さである電極周期Pは一定である。弾性表面波励起
手段により励起される弾性表面波の波長は、基材の球面
の半径の1/10以下である。このとき、この波長は基
材110全体の固有振動ではなく、電極周期Pにほぼ等
しくなる。但し、上述したように、弾性表面波励起手段
により励起される弾性表面波の波長、即ち櫛形電極12
3に対向する基材110の部分を伝搬する弾性表面波の
波長は、基材110のその他の部分の波長と異なる場合
がある。
【0058】再び図1を参照して説明する。水晶の基材
110のZ軸は水平にされている。上述したように、基
材110は、経路aに沿って櫛形電極123の電極片が
並ぶように凹部122に対して位置決めされている。
【0059】櫛形電極123の電極周期は以下のように
して設定される。以下、基材110を等方性の材料で形
成されていると見なす。水晶の結晶のYカット面のX軸
伝搬のレイリー波の位相速度のある値は3160m/s
である。これを弾性表面波の代表的な位相速度と見な
す。周波数が15.1MHzの弾性表面波が励起される
素子を作るときを考える。波数パラメータが150の素
子を作成しようとする。弾性表面波の波長は3160m
/s÷15.1MHz=209.3μmより、0.20
9mmである。従って、電極周期を0.209mmに設
定する。尚、周囲長が31.415mmであるから半径
は5.0mmである。上述したように、弾性表面波の波
長は基材110の球面の半径の1/10以下である。
【0060】弾性表面波が拡散しないような重なり幅は
以下のようにして設定される。150である波数パラメ
ータに対応するコリメート角θcolは、上記数値計算
から7.0°である。コリメート角の定義から重なり幅
は、 重なり幅=(2×θcol/360)×周囲長 =(2×7.0/360)×31.415=1.22 従って、重なり幅を1.22mmに設定する。
【0061】本実施の形態の弾性表面波素子に、信号振
幅20V、時間幅2ナノ秒にインパルス信号を1mm秒
置きに入力して、その出力信号の観測を20MHzのロ
ーパスフィルターを通して測定した波形を図7に示す。
雑音信号が非常に小さく、10回まで周回することが確
認できた。
【0062】次に、櫛形電極の変形例を説明する。図8
は本変形例の櫛形パターン123c,123dの平面図
を変形した図である。図8では水晶の基材110のZ軸
を地軸としたとき、全ての緯線が同じ長さにされてい
る。即ち、地軸に対して垂直に基材110を見ると、基
材110は正方形に見える。
【0063】櫛形パターン123cは経路aに沿って配
列している複数の電極片S1,s1,S2,s2,S
3,s3,…を有している。これらの電極片は経線方向
に延びている。電極片S1,s1、電極片S2,s2、
電極片S3,s3…はそれぞれ組みになっている。これ
らの電極片は周期的に並んでいる。電極片S1と電極片
S2の間隔、電極片S2と電極片S3の間隔、…は全て
等しい。電極片S1と電極片s1の間隔、電極片S2と
電極片s2の間隔、電極片S3と電極片s3の間隔、…
は全て等しい。電極片S1,s1を経路aに沿って移動
すれば、電極片S2,s2、電極片S3,s3…にそれ
ぞれ重なる。
【0064】櫛形パターン123dは経路aに沿って配
列している複数の電極片T0,T1,T2,T3,…を
有している。これらの電極片は経線方向に延びている。
電極片T1は電極片s1と電極片S2の間に、電極片T
2は電極片s2と電極片S3の間に、それぞれ配置され
ている。T3以降の電極片Ti(i=3,4,5…)も
電極片T1,T2と同様に電極片siと電極片Si+1
の間に配置されている。電極片T0は、電極片T0と電
極片T1との間に電極片S1,s1が位置するように配
置されている。電極片T0,T1,T2,T3,…の内
の隣り合う電極片の間隔は全て等しい。電極片T0を経
路aに沿って移動すれば、電極片T1,T2,T3,…
にそれぞれ重なる。
【0065】電極片S1,s1,T1、電極片S2,s
2,T3、電極片S3,s3,T3…はそれぞれ組みに
なっている。上記説明からこれらの電極片の組みは周期
的に並んでいることは明らかである。電極片S1,s
1,T1は周期的に並んだ電極片の単位を形成する。櫛
形パターン123c,123dの寸法を説明する。電極
周期Pは図8に示されているように、 電極周期P=(電極片S1と電極片S2の間隔)+(経
路aに沿った方向の電極片S1の幅) で表される。電極周期Pを用いて櫛形パターン123
c,123dの寸法は、 経路aに沿った方向の電極片S1の幅=P/4 経路aに沿った方向の電極片T1の幅=P/8 電極片T1と電極片S2の間隔=3P/16 となるように設定されている。
【0066】櫛形パターン123c,123dを上記の
ように形成すると、経路aに沿って一方向(図8の矢印
の方向)に弾性表面波を出力することができる。
【0067】本実施の形態の櫛形電極123及びこれの
上記変形例には様々な修正と変形とが可能である。例え
ば、電極片は基材110の経線に沿って延びているが、
経線に交差する方向に延びてもよい。図9のような各部
が縦方向と横方向に直線的に延びる穴を有する板状のフ
ォトマスクを基台121の凹部122に対向させてフォ
トレジストにより櫛形電極を形成する場合、電極片は経
線に交差する方向に延びる。このようなフォトマスクは
容易に設計することができ、またフォトレジストを容易
に行うことができる。
【0068】また、隣り合う電極片の間隔(例えば、電
極片S1と電極片s1の間隔、電極片s1と電極片T1
の間隔等)又は、電極片の組みの間隔(電極片T1と電
極片S2の間隔)、又は電極周期を一定にしなくともよ
い。上述したように、結晶である水晶で形成された球で
は、波長及び位相速度は結晶方位に従って一般に異な
る。電極片が位置する基材110の部分の波長に応じて
電極周期等を設定すれば、所望の周波数をもつ弾性表面
波を効率よく励起できる。
【0069】ところで、従来、基材が平板状であり、広
帯域用の弾性表面波素子として、電極片の組みが周期的
に並んでいる弾性表面波素子が知られている。このよう
な弾性表面波素子を球状の基材110に応用すれば、広
い波長域にわたって弾性表面波が励起される。波長と関
係しているコリメート角θcolが櫛形電極の重なり幅
以上であるような波長をもつ弾性表面波だけが拡散せず
に基材110を周回できる。
【0070】また、本実施の形態では櫛形電極123に
は高周波電源を有する発信器126が接続されている
が、本発明はこれに限定されない。例えば、高周波電源
123の代わりに、高周波の電波を受信するアンテナを
櫛形電極123に接続してもよい。アンテナに高周波の
電波が受信されると、発信器126が接続されていた場
合と同様に、櫛形電極123に電界が発生し、弾性表面
波が励起される。
【0071】次に、本発明の第2の実施の形態の弾性表
面波素子を説明する。本実施の形態の構成の大部分は、
基本的に第1の実施の形態の構成の大部分と同じであ
る。本実施の形態において、第1の実施の形態の図1を
参照して説明した構成部材と実質的に同一の構成部材
は、第1の実施の形態の対応する構成部材を指示してい
た参照符号と同じ参照符号を付して詳細な説明を省略す
る。
【0072】本実施の形態の構成が第1の実施の形態の
構成と異なる点は基材の構成である。本実施の形態の基
材には樹脂薄膜が設けられていない。図10は基台12
1の斜視図である。基台121には、櫛形電極123が
基材と間隔を置いて対向するようにスペーサ231,2
32が設けられている。スペーサ231,232はレジ
スト樹脂を硬化させて設けられる。スペーサ231,2
32は櫛形電極123の櫛形パターンが形成されている
部分の両側に配置されており、弾性表面波の伝搬に影響
を与えないように設けられている。
【0073】図11は基台121を図10のL11−L
11断面線で切断した断面図であり、スペーサ231,
232に基材210が保持されている。L11−L11
断面線は2つのスペーサ231,232を貫き、櫛形電
極123の電極片が並んでいる方向に対して直交する方
向に延びている。
【0074】基材210は、等方性の材料であるガラス
材料で形成されている球状部材212と、これを覆う厚
さ1000Åの金膜213と、金膜213を覆うZnO
のZ軸配向膜214とを有している。図11では、金膜
213と配向膜214は球状部材212の表面から一部
取り除かれて示されている。配向膜214は圧電性材料
である。即ち、基材210の一部は圧電性材料で形成さ
れている。
【0075】金膜213は蒸着などにより形成される。
配向膜214はDCスパッタにより形成される。基材2
10を回転させながらスパッタを行うことで基材210
を一周する環状の領域に配向膜を形成できる。これを利
用して基材210の表面の全てにわたって配向膜を形成
できる。DCスパッタで用いるガスの濃度やDC高圧電
圧の電圧など、また蒸着マスクの作成方法については基
本的に公知の技術を利用できる。
【0076】櫛形電極123により基材210に電界が
印加されると、圧電効果によりZnOのZ軸配向膜21
4が振動する。この結果、基材210の円環状表面21
1に沿って伝搬する弾性表面波が励起される。円環状表
面211は櫛形電極123の電極片が並んでいる方向に
沿ってスペーサ231,232の間で延びている。円環
状表面211はスペーサ231,232から離れてい
る。これにより、弾性表面波は散乱したり反射されたり
せずに円環状表面211を伝搬できる。尚、円環状表面
211は、図5を用いて第1の実施の形態で説明した水
晶の基材110のように、材料の性質に基づく特定の経
路に沿っていない。但し、円環状表面211は基材21
0の最大円周線に沿って延びている。
【0077】本実施の形態では櫛形電極123の重なり
幅は2mm、電極周期は350μmである。スペーサ2
31,232の高さ、即ち櫛形電極123と円環状表面
211との間隔は第1の実施の形態と同様に10μmで
ある。これは電極周期の1/4以下である。
【0078】本実施の形態では、櫛形電極123の櫛形
が形成されている部分の両側に2つのスペーサが設けら
れているが、本発明はこれに限定されない。例えば両側
に2つずつ設けられていてもよい。あるいは、微小な樹
脂の粒子を基材210と櫛形電極123の間に分散させ
ても比較的よいスペーサになり得る。
【0079】次に、本発明の第3の実施の形態の弾性表
面波素子を説明する。本実施の形態の構成の大部分は、
基本的に第2の実施の形態の構成と同じである。本実施
の形態において、第2の実施の形態の図10及び図11
を参照して説明した構成部材と実質的に同一の構成部材
は、第2の実施の形態の対応する構成部材を指示してい
た参照符号と同じ参照符号を付して詳細な説明を省略す
る。
【0080】本実施の形態では、第2の実施の形態の基
台121の代わりに、基台321を用いている。図13
は基台321の斜視図である。基台321の上面には縦
方向に延びている角柱状の電極片u1,v1,u2,v
2,u3,v3,u4がこの順に横方向に並んでいる。
これらの電極片は櫛形電極を形成している。これらの電
極片の上面にわたって、基材210の球面の一部沿った
形状をもつ凹面が形成されている。電極片u1,v1,
u2,v2,u3,v3,u4内の隣り合う電極片はそ
れぞれ別の電極に接続されている。即ち、電極片u1,
u2,u3,u4は電極335に、電極片v1,v2,
v3は電極336にそれぞれ接続されている。これらの
電極片と基台321とは、ガラスエポキシ材料の切削
し、電極片の上面に対応する部分に銅をメッキすること
により形成される。これらの電極片で形成されている櫛
形電極の重なり幅と電極周期は第2の実施の形態のもの
と同じである。電極335,336は所定の回路を介し
てインピーダンスマッチング回路124(図1参照)に
接続されている。電極片u1,v1,u2,v2,u
3,v3,u4と電極335,336は弾性表面波励起
手段として用いられている。
【0081】基台321の上面には基材210を保持す
るための4つの保持部材331,332,333,33
4が設けられている。保持部材331,332,33
3,334に基材210が保持されるとき、電極片u
1,v1,u2,v2,u3,v3,u4の上面は基材
210の表面と間隔を置いて対向する。これらの電極片
により基材210に電界が印加されると、基材210の
円環状表面211に沿って伝搬する弾性表面波が励起さ
れる。円環状表面211は、第2の実施の形態と同様
に、最大円周線に沿って延びている。これらの電極片で
形成されている櫛形電極は円環状表面211と間隔を置
いて対向している。この間隔は第2の実施の形態のもの
と同じであり、上記電極周期の1/4以下である。保持
部材331,332,333,334は円環状表面21
1の両側に位置する。
【0082】このように弾性表面波素子を構成しても、
第2の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0083】本実施の形態では櫛形電極は7つの電極片
u1,v1,u2,v2,u3,v3,u4で形成され
ているが、本発明はこれに限定されない。電極片の数は
2〜6つでもよいし、8以上でもよい。
【0084】上記第1から第3の実施の形態には様々な
修正と変形とが可能である。例えば、第1の実施の形態
の水晶の基材110は第2の実施の形態の基台121又
は第3の実施の形態の基台321に保持されてもよい。
この場合、第1の実施の形態の基材110には樹脂薄膜
が形成されない。基材110は、基材110の経路aが
第1の実施の形態の櫛形電極123又は第2の実施の形
態の櫛形電極の電極片が並ぶ方向に沿うように、第2の
実施の形態の基台121又は第3の実施の形態の基台3
21に位置決めされる。
【0085】また、櫛形電極を用いずに、第1から第3
の実施の形態の基材の円環状表面にレーザ光を照射して
円環状表面に弾性表面波を励起してもよい。円環状表面
にはレーザ光を吸収するレーザ光吸収膜が形成されてい
る。レーザ光吸収膜にレーザ光を照射するとここで熱が
発生する。この熱が円環状表面に伝導し、熱弾性効果に
より円環状表面に沿って伝搬する弾性表面波が励起され
る。レーザ光吸収膜は弾性表面波励起手段を形成する。
弾性表面波励起手段は円環状表面と間隔を置いて対向し
ている。
【0086】次に、本発明の第1の実施の形態の分析方
法を説明する。先ず、少なくとも球面の一部で形成され
ていて円環状に連続している円環状表面を有している基
材を用意する(基材用意工程)。本実施の形態では、圧
電性材料である水晶の単結晶で形成された球状の基材を
用意する。この基材は水晶の表面に形成されていて、人
の所定の体内物質と反応する反応膜を有している。即
ち、反応膜は円環状表面に沿って形成されている。本実
施の形態では体内物質を被検物質として分析する。反応
膜は反応部として用いられている。反応膜は体内物質と
反応すると硬度が増す材料で形成されている。本実施の
形態では基材に水晶が用いられているが、水晶と同じ三
方晶系であり、圧電性材料であるLiNbO、LiT
aO等の単結晶を用いてもよい。
【0087】次に、反応膜と体内物質を反応させる(反
応工程)。反応させるには、基材を人に経口投与する
(投与工程)。このとき比較的多数の基材を投与する。
基材の反応膜は体内物質と反応し硬化する。これらの基
材を排泄物から取り出すことにより、投与工程で経口投
与した基材を回収する(回収工程)。このとき、経口投
与した基材210の全てを回収する必要はない。反応工
程には多数の基材が必要であるが、基材は殆ど加工を要
しないために非常に安価であるので、反応工程にかかる
コストは比較的低い。
【0088】次に、回収した基材を図1を用いて説明し
た第1の実施の形態の弾性表面波素子の基台121の凹
部122に載置する。尚、図1を参照して説明した構成
部材と実質的に同一の構成部材は、第1の実施の形態の
弾性表面波素子の対応する構成部材を指示していた参照
符号と同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。載
置されるとき、基材110は、基材110の経路aが櫛
形電極123の電極片が並ぶ方向に沿うように、位置決
めされる。経路aは図5を用いて説明したように、水晶
の基材110のZ軸を地軸としたときの赤道である。経
路aに沿って上記円環状表面が形成されている。基材1
10はこのZ軸が水平にされたときに適切に位置決めさ
れる。Z軸を地軸としたとき北極と南極に対応する部分
には印が設けられている。この印は基材110をエッチ
ングするなどしてくぼみを作るなどして形成してもよ
い。位置決め後、円環状表面に沿って弾性表面波を伝搬
させる(伝搬工程)。尚、基材110は、基材110の
経路b1,b2,b3が櫛形電極123の電極片が並ぶ
方向に沿うように、位置決めされてもよい。
【0089】次に、伝搬工程で伝搬させられた弾性表面
波を検出する(検出工程)。
【0090】この後、検出工程で検出された弾性表面波
と、基材用意工程で用意された基材の円環状表面を伝搬
する弾性表面波とを比較する。後者の弾性表面波は体内
物質と反応していない反応膜を有している基材の円環状
表面を伝搬する弾性表面波である。この弾性表面波は予
め検出しておく。体内物質の性質、例えば特定の化学物
質の濃度に応じて、体内物質と反応した反応膜の硬度は
変化する。そして、反応膜の硬度に応じて弾性表面波の
周波数や速度は変化する。即ち、体内物質の性質に応じ
て、検出工程後の弾性表面波と基材用意工程直後の弾性
表面波の周波数や速度の差は変化する。これを利用して
化学物質の性質を分析することができる。
【0091】本実施の形態では、人の体内物質を被検物
質として分析していたが、動物の体内物質を被検物質と
して分析してもよい。
【0092】次に、本発明の第2の実施の形態の分析方
法を説明する。本実施の形態の分析方法は例えば、配管
内のアルカリ濃度を評価するために用いられる。先ず、
基材用意工程を説明する。先ず直径3mmの水晶の単結
晶で形成された球状の基材を用意する。この基材は水晶
の表面に形成されていて、アルカリ溶液に溶出するレジ
スト樹脂膜を有している。即ち、レジスト樹脂膜は円環
状表面に沿って形成されている。レジスト樹脂膜は反応
部を形成している。水晶の基材のZ軸を地軸としたとき
北極と南極に対応する部分には印が設けられている。
【0093】続く反応工程では基材を配管に入れ、配管
内でレジスト樹脂膜をアルカリ溶液と反応させる。レジ
スト樹脂膜はアルカリ溶液に溶出し膜の厚さはうすくな
る。反応後、基材を配管から回収する。
【0094】回収後、第1の実施の形態の分析方法と同
様に、伝搬工程、検出工程及び比較工程を行う。本実施
の形態では、レジスト樹脂膜の厚さに応じて弾性表面波
の周波数や速度が変化することを利用して配管内のアル
カリ溶液を分析する。
【0095】上記第1又は第2の実施の形態の分析方法
では硬化又は溶出する反応部を用いているが、本発明は
これらに限定されない。被検物質と遊離する、結合す
る、分解するなどをして反応する様々な反応部を含む。
【0096】尚、本発明は上述した実施の形態に限定さ
れるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0097】
【発明の効果】以上詳述したことから明らかなように、
本発明に従った弾性表面波素子においては、極めて多い
数回の弾性表面波の周回を実現することで高い精度の信
号処理や評価ができる。さらには、このような弾性表面
波を用いた分析方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における弾性表面波
素子、並びに本発明の第1及び第2の実施の形態におけ
る分析方法に用いる弾性表面波素子の構成を示す斜視図
である。
【図2】弾性表面波の振幅を計算するために用いた座標
系を示す図である。
【図3】(A)、(B)、(C)及び(D)は、図2の
座標系を使用して作成された式により計算された波数パ
ラメータm(円周の長さと弾性表面波の波長の比)と開
口半角(振動手段を設ける幅の1/2)を変えて得られ
た弾性表面波が球状の基材の表面を伝搬する4つの状態
を概略的に示す図である。
【図4】水晶の結晶軸を示す図である。
【図5】弾性表面波が伝搬する経路を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における弾性表面波
素子の櫛形電極の平面図である。
【図7】図1の弾性表面波素子で測定された弾性表面波
の波形を示す図である。
【図8】図6の櫛形電極の変形例の平面図を変形した図
である。
【図9】櫛形電極のフォトマスクの穴の平面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における弾性表面
波素子の基台の斜視図である。
【図11】図10のL11−L11断面線で切断した基
台の断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態における弾性表面
波素子の基台の斜視図である。
【符号の説明】
110 基材 111 円環状表面 121 基台 123 櫛形電極 210 基材 211 円環状表面 321 基台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚原 祐輔 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 山中 一司 宮城県仙台市泉区桂2−6−3 Fターム(参考) 5J097 AA23 AA28 CC15 DD04 EE01 EE08 HA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも球面の一部で形成されていて
    円環状に連続している円環状表面を有しており、少なく
    とも一部が圧電性材料で形成されている基材と、 円環状表面と間隔を置いて対向しており、前記円環状表
    面に沿って伝搬する弾性表面波を励起する弾性表面波励
    起手段とを備えていることを特徴とする弾性表面波素
    子。
  2. 【請求項2】 前記基材は、水晶の単結晶、LiNbO
    の単結晶およびLiTaOの単結晶からなる群から
    選択される単結晶で形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の弾性表面波素子。
  3. 【請求項3】 前記弾性表面波励起手段により励起され
    る弾性表面波の波長が、基材の球面の半径の1/10以
    下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性
    表面波素子。
  4. 【請求項4】 前記弾性表面波励起手段と円環状表面と
    の間隔が、前記弾性表面波励起手段により励起される弾
    性表面波の波長の1/4以下であることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれか1項に記載の弾性表面波素子。
  5. 【請求項5】 前記弾性表面波励起手段は、前記円環状
    表面に沿って設けられ、高周波電源に接続される櫛形電
    極を含んでいることを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れか1項に記載の弾性表面波素子。
  6. 【請求項6】 前記櫛形電極の重なり幅は、前記基材の
    球面の直径の半分以下でこの球面の半径の1/100以
    上であることを特徴とする請求項5に記載の弾性表面波
    素子。
  7. 【請求項7】 前記櫛形電極と円環状表面との間隔が、
    この櫛形電極の電極周期の1/4以下であることを特徴
    とする請求項5又は6に記載の弾性表面波素子。
  8. 【請求項8】 少なくとも球面の一部で形成されていて
    円環状に連続している円環状表面と、この円環状表面に
    沿って形成されていて被検物質と反応する反応部とを有
    している基材を用意する基材用意工程と、 前記反応部と被検物質とを反応させる反応工程と、 前記円環状表面に沿って弾性表面波を伝搬させる伝搬工
    程と、 前記伝搬工程で伝搬させられた弾性表面波を検出する検
    出工程と、 を備えていることを特徴とする分析方法。
  9. 【請求項9】 前記被検物質は動物の体内物質であり、
    前記反応工程は、前記基材を動物に経口投与する投与工
    程と、前記投与工程で経口投与した基材を回収する回収
    工程とを有することを特徴とする請求項8に記載の分析
    方法。
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