JP2010056668A - 球状弾性表面波装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造簡易で製造容易であり、しかも弾性表面波伝搬基体の周回路に励起させ周回させた弾性表面波の強度や位相を製造容易の割には精密に検出出来る球状弾性表面波装置を提供することである。
【解決手段】上記球状弾性表面波装置10は:少なくとも球形状の一部により円環状に連続して構成され弾性表面波が励起可能で励起された弾性表面波が上記円環の連続する方向に伝搬し周回可能な弾性表面波周回路12aを外表面に含む基体12と;上記基体の上記外表面において上記周回路を除く領域を支持する基体支持体14と;そして、弾性表面波・励起/検知手段16を支持している弾性変形部材18を支持し、弾性変形部材を介して上記励起/検知手段を上記基体の上記外表面の上記周回路に当接させるとともに弾性変形部材を弾性変形させる励起/検知手段・支持体20と;を備える。
【選択図】 図2

Description

この発明は、球状弾性表面波装置に関係している。
少なくとも球形状の一部により円環状に連続して構成されており弾性表面波が励起可能で励起された弾性表面波が上記円環の連続する方向に伝搬し周回可能な弾性表面波周回路を外表面に含む弾性表面波伝搬基体と;そして、弾性表面波伝搬基体の弾性表面波周回路上に又は上記周回路に対向して配置され、弾性表面波周回路に弾性表面波を励起し励起された弾性表面波を上記円環の連続する方向に伝搬させて周回させるとともに、弾性表面波周回路を周回してきた弾性表面波を検知し周回してきた弾性表面波に対応した受信信号を発する弾性表面波・励起/検知手段と、を備えた球状弾性表面波装置は例えば特開2005−94609号公報(特許文献1)の図1及び図7などにより既に良く知られている。
弾性表面波伝搬基体は、弾性表面波を励起させることが出来ない材料を使用して少なくとも球形状の一部により円環状に連続して構成されている部分を外表面に含むよう形成された基材の上記外表面において少なくとも上記円環状の部分を弾性表面波が励起可能な材料により被覆することにより形成されるか、又は、弾性表面波が励起可能な材料を使用して少なくとも球形状の一部により円環状に連続して構成されている部分を外表面に含むよう形成される。
ここで弾性表面波が励起可能な材料としては通常圧電材料が使用され、弾性表面波伝搬基体の全体を弾性表面波が励起可能な材料を使用して形成する場合には圧電材料として、例えば水晶,ニオブ酸リチウム(LiNbO3),タンタル酸リチウム(LiTaO3),ランガサイト(La3Ga5SiO14)及びこれらのファミリーの如き圧電性結晶材料が使用される。この場合には、上記少なくとも球形状の一部により円環状に連続して構成されている部分は圧電性結晶材料の結晶面が上記外表面と交差する線上にあり、上記円環状に連続している方向は上記線のほぼ延出方向である。
そして、圧電性結晶材料の弾性表面波伝搬基体は、製造コストを考慮して、通常は略10mm〜略1mmの径の球形状にされている。
弾性表面波・励起/検知手段は種々の構成であることが出来、製造コスト、装置の大きさ、変換効率などを考慮して、通常はいわゆるすだれ状電極(櫛形電極とも言われる)が使用される。
すだれ状電極は一対の櫛形状端子部を夫々の複数の櫛歯状電極枝を交互に配置して組み合わせた形状をしていて、弾性表面波伝搬基体の外表面の上記少なくとも球形状の一部により円環状に連続して構成されている部分に例えばフォトリソグラフィー(写真製版)により直接形成されるか、又は弾性表面波伝搬基体とは別体のすだれ状電極支持部材の表面に圧電性結晶材料の外表面の上記部分と相似形状に形作られた部分球形状凹所の内表面に例えばフォトリソグラフィー(写真製版)により直接形成された後に弾性表面波伝搬基体の外表面の上記部分に対し所定の隙間(励起する弾性表面波の波長の1/4以下)を介して対向して配置される。
一対の櫛形状端子部の間に所定の周波数の高周波信号をバースト状に適用することにより相互に隣接した2つの櫛歯状電極枝間の距離に対応した波長の弾性表面波を弾性表面波伝搬基体の外表面の上記部分に励起させることが出来、励起された弾性表面波の幅は相互に隣接した2つの櫛歯状電極枝において相互に対向している部分の長さに対応している。
また、すだれ状電極の一対の櫛形状端子部の複数の櫛歯状電極枝が交互に配列された方向が上述した如く励起された弾性表面波の波面が圧電性結晶材料の外表面の上記部分において略進行する方向になる。従って、弾性表面波伝搬基体の外表面の上記部分にすだれ状電極により弾性表面波を励起させ、この弾性表面波を上記部分において上記部分が円環状に連続する方向に伝搬させるには、すだれ状電極の一対の櫛形状端子部の複数の櫛歯状電極枝が上記方向に配列されるようにしなければならない。
例えば国際公開WO 01/45255 A1号公報(特許文献2)により知られているように、弾性表面波伝搬基体の外表面の上記部分の曲率や上記部分の連続する方向(即ち、励起された弾性表面波を伝搬させる方向)と直交する方向における励起する弾性表面波の幅(弾性表面波・励起/検知手段がすだれ状電極の場合にはすだれ状電極の複数の電極枝が相互に対向している部分の長さ)や上記部分に励起する弾性表面波の周波数(弾性表面波・励起/検知手段がすだれ状電極の場合にはすだれ状電極の複数の電極枝の配列周期)などの所定の項目を所定の条件に設定し、上記連続する方向に向かい弾性表面波を励起させることにより、上記励起された弾性表面波を上記外表面の上記部分に沿い上記部分の連続する方向に対し交差する方向に大きく拡散させることなく繰り返し周回させることができる。
球状弾性表面波装置は、弾性表面波伝搬基体の外表面の上記部分(即ち、弾性表面波周回路)に外部環境の変化に感応する感応膜を設け、上記感応膜が接する外部環境、例えばガス濃度、の変化に対応して上記周回路を周回する弾性表面波の伝搬速度や振動エネルギーの減衰率が変化し、ひいては弾性表面波・励起/検知手段からの出力で得られる上記周回路をバースト状の弾性表面波が1周するのに要する時間や1周する毎に弾性表面波の位相や強度が変化することを利用して、外部環境、例えばガス濃度、の変化を測定することに利用することが出来る。
高周波信号における位相とは一般に、所定の時刻を定義したさいにその時刻における該当信号の時間的な位置を意味する。球状弾性表面波素子の出力計測における位相計測は、弾性表面波が励起された時刻から所定の時間経過した時刻における、球状弾性表面波装置からの高周波信号出力の時間的な位置(位相)をフーリエ解析やクアドラチャ検波やあるいはウエーブレット変換などを用いて計測することを通常指して用いられ、その計測から弾性表面波の伝搬(周回)速度を直接的に計測できる。あるいは、例えば球状弾性表面波装置が所定の回数出力し終わった時刻(所定の回数周回し終わった時刻)を求め、周回開始時刻から上記終わった時刻までの時間の経過を求める事も、“位相を計測する”と呼び、これによって弾性表面波の伝搬(周回)速度の情報を得ることを本発明では除外しない。
例えば上記ガス濃度が濃くなれば、この濃度変化に対応した上記感応膜の変化の影響により上記周回路を周回するバースト状の弾性表面波の周回速度が遅くなり、ひいては上記周回路をバースト状の弾性表面波が1周するのに要する時間が多くなる。また、これと同じ場合に、1周する毎の弾性表面波の位相に遅延が生じ、そして強度に低下が生じる。
上述した如き環境の変化による、上記周回路を1周する間におけるバースト状の弾性表面波の周回速度の変化や、上記周回路をバースト状の弾性表面波が1周するのに要する時間の変化や、1周する毎の弾性表面波の位相の遅延や、そして強度の低下の夫々は微小であるが、上記周回路を弾性表面波が周回する回数が増加すればするほどこれらの変化は重畳され大きくなる。即ち、上記変化の測定精度が向上する。
従って、球状弾性表面波装置を使用して上述した如く外部環境の変化を測定する場合には、上記周回路を周回する弾性表面波の振動エネルギーの減衰率が上記外部環境の変化以外の要因で低下することは好ましくないことは明らかである。
球状弾性表面波装置において公知の弾性表面波・励起/検知手段としてすだれ状電極を使用する場合には、前述した前者の場合の如く上記部分(即ち、弾性表面波周回路)にすだれ状電極を直接形成すると、すだれ状電極により圧電性結晶材料の外表面の上記部分に励起され上記部分の上記連続する方向に伝搬する弾性表面波は、上記外表面の上記部分の上記周回路に沿い周回する間にすだれ状電極の質量による反射や位相変化等の影響を受け、その度に信号波形がみだれたり振動エネルギーが損失する。
このことは、球状弾性表面波装置において公知の弾性表面波・励起/検知手段としてすだれ状電極を使用する場合には、前述した後者の場合の如く圧電性結晶材料の弾性表面波伝搬基体とは別体のすだれ状電極支持部材の表面に圧電性結晶材料の外表面の上記部分と相似形状に形作られた部分球形状凹所の内表面にすだれ状電極を直接形成した後にすだれ状電極を弾性表面波伝搬基体の外表面の上記部分に対し所定の隙間を介して対向するよう配置することが好ましいことを意味している。
特開2005−94609号公報 国際公開WO 01/45255 A1号公報
しかしながら、前述した如く弾性表面波伝搬基体の球の直径は通常は10mm〜1mmと小さく軽いので、弾性表面波伝搬基体とは別体のすだれ状電極支持部材の表面に形作られた部分球形状凹所の内表面に形成されたすだれ状電極を圧電性結晶材料の外表面の上記部分に対し前述した所定の隙間(励起する弾性表面波の波長の1/4以下)を介して対向するよう配置させる作業は煩雑で多くの時間を必要としている。
そして、上記隙間が所定でないと、すだれ状電極は所定の強さの弾性表面波を弾性表面波伝搬基体の上記周回路に励起させることが出来ず、ひいては上記周回路を周回する弾性表面波の強度や位相を精密に検出することが出来なくなってしまう。
この発明は上記事情の下でなされ、この発明の目的は、構造が簡易で製造が容易であって製造に費やす時間を短縮することが出来、しかも弾性表面波伝搬基体の上記周回路に励起させ上記周回路を周回させた弾性表面波の強度や位相を上記製造の容易さの割には精密に検出することが出来る球状弾性表面波装置を提供することである。
上述したこの発明の目的を達成するために、この発明に従った球状弾性表面波装置は:少なくとも球形状の一部により円環状に連続して構成されており弾性表面波が励起可能で励起された弾性表面波が上記円環の連続する方向に伝搬し周回可能な弾性表面波周回路を外表面に含む弾性表面波伝搬基体と;弾性表面波伝搬基体の上記外表面において上記弾性表面波周回路を除いた領域を支持する基体支持体と;そして、弾性表面波・励起/検知手段を支持している弾性変形可能な弾性変形部材を支持し、弾性変形部材を介して弾性表面波・励起/検知手段を弾性表面波伝搬基体の上記外表面の上記弾性表面波周回路に当接させるとともに弾性変形部材を弾性変形させる励起/検知手段・支持体と;を備えたことを特徴としている。
上述した如く構成されたことを特徴とするこの発明に従った球状弾性表面波装置は、上述した如く構成が簡易である。しかも、弾性表面波・励起/検知手段は、励起/検知手段・支持体に弾性変形部材を介して支持されていて、励起/検知手段・支持体により弾性変形部材を介して弾性表面波伝搬基体の上記外表面の上記弾性表面波周回路に当接されている。従って、弾性表面波伝搬基体の上記外表面の上記弾性表面波周回路に対する弾性表面波・励起/検知手段の煩雑な位置決めが不要であるので製造に費やす時間を短縮出来る。
上記弾性表面波周回路に励起/検知手段・支持体により弾性変形部材を介して当接されている弾性表面波・励起/検知手段は、弾性表面波伝搬基体の上記外表面の上記弾性表面波周回路から所定の距離(上記弾性表面波周回路に励起され周回する弾性表面波の波長の1/4以下)に配置する場合に比べ、弾性表面波伝搬基体の上記周回路に励起させ上記周回路を周回させた弾性表面波の強度や位相を精密に検出することは出来ないが、弾性表面波伝搬基体の上記外表面の上記弾性表面波周回路に形成された場合に比べると弾性表面波の周回に伴う強度減衰や伝搬(周回)速度をより精密に検出することが出来る。
[第1の実施の形態]
以下、添付の図面中の図1乃至図7を参照しながら、この発明の第1の実施の形態に従った球状弾性表面波装置10について説明する。
球状弾性表面波装置10は、弾性表面波伝搬基体12を備えている。弾性表面波伝搬基体12は、弾性表面波を励起させることが出来ない材料を使用して少なくとも球形状の一部により円環状に連続して構成されている部分を外表面に含むよう形成された基材の上記外表面において少なくとも上記円環状の部分を弾性表面波が励起可能な材料により被覆することにより形成されるか、又は、弾性表面波が励起可能な材料を使用して少なくとも球形状の一部により円環状に連続して構成されている部分を外表面に含むよう形成される。
この実施の形態において弾性表面波伝搬基体12は、弾性表面波が励起可能な材料により球形状に形成されていて、少なくとも球形状の一部により円環状に連続して構成されており弾性表面波が励起可能で励起された弾性表面波が上記円環の連続する方向に伝搬し周回可能な弾性表面波周回路12aを外表面に含む。
弾性表面波が励起可能な材料としては、例えば水晶,ニオブ酸リチウム(LiNbO3),タンタル酸リチウム(LiTaO3),ランガサイト(La3Ga5SiO14)及びこれらのファミリーの如き圧電性結晶材料が使用される。この場合には、上記少なくとも球形状の一部により円環状に連続して構成されている部分は圧電性結晶材料の結晶面が上記外表面と交差する線上にあり、上記円環状に連続している方向は上記線のほぼ延出方向である。
そして、圧電性結晶材料の弾性表面波伝搬基体12は、製造コストを考慮して、通常は略10mm〜略1mmの径の球形状にされるが、この実施の形態に従った弾性表面波伝搬基体12の径は3.3mmである。
この実施の形態では、弾性表面波伝搬基体12は球形状の水晶により形成されている。水晶はその結晶軸Z(水晶の場合はC軸)を地球の自転軸に見たてた時の赤道に該当する結晶軸Z回りの最大外周線が水晶の結晶面が水晶の球形状の外表面と交差する線となっていて、弾性表面波伝搬経路12aは、上記最大外周線に略沿い上記外表面を円環状に一周している。
球状弾性表面波装置10は、弾性表面波伝搬基体12の外表面において弾性表面波周回路12aを除いた領域を支持する基体支持体14と、弾性表面波・励起/検知手段16を支持している弾性変形可能な弾性変形部材18を支持し弾性変形部材18を介して弾性表面波・励起/検知手段16を弾性表面波伝搬基体12の外表面の弾性表面波周回路12aに当接させるとともに弾性変形部材18を弾性変形させる励起/検知手段・支持体20と、をさらに備えている。
この実施の形態において、基体支持体14は、基台22に支持された基端部14aと基台22から遠ざかる方向に延出した延出端部14bとを含んでおり基端部14aに対し延出端部14bが弾性的に湾曲可能である。基体支持体14は、上述した如く弾性的に湾曲可能な材料により形成することが出来、この実施の形態では厚さ0.04mmのステンレス板により形成されている。基体支持体14の基端部14aは基台22に、半田や固定螺子やリベットや接着剤を含む公知の固定手段により固定されている。
基体支持体14の延出端部14bが、弾性表面波伝搬基体12の外表面における弾性表面波周回路12aを除いた領域を支持するよう構成されている。
この実施の形態において、励起/検知手段・支持体20は、基台22に支持された基端部20aと基台22から遠ざかる方向に延出した延出端部20bとを含んでおり基端部20aに対し延出端部20bが弾性的に湾曲可能である。励起/検知手段・支持体20も上述した如く弾性的に湾曲可能な材料により形成することが出来、この実施の形態では厚さ0.04mmのステンレス板により形成されている。励起/検知手段・支持体20の基端部20aは基台22に、半田や固定螺子やリベットや接着剤を含む公知の固定手段24により固定されている。
励起/検知手段・支持体20の延出端部20bが、弾性変形部材18を支持していて基体支持体14の延出端部14bに対し弾性表面波伝搬基体12を挟んで相互に対向し弾性表面波伝搬基体12の外表面の弾性表面波周回路12aに弾性表面波・励起/検知手段16を図2中に図示されている如く当接させている。
従って、弾性表面波伝搬基体12は基体支持体14の延出端部14aと励起/検知手段・支持体20の延出端部とによって基台22から離れて弾性的に挟持されている。
この実施の形態において弾性変形部材18は、不導体であるゴムにより形成されているが、後述する弾性変形の条件を満たすのであれば粘弾性材料により形成されていることが出来るし、時間の経過とともに硬化してしまう材料により形成されていることもできる。
この実施の形態において弾性表面波・励起/検知手段16はすだれ状電極により提供されている。すだれ状電極は、図3の(A)及び(B)中に図示されている如く、一対の櫛形状端子部16a,16bを夫々の複数の櫛歯状電極枝16cを交互に配置して組み合わせた形状をしていて、励起/検知手段・支持体20の延出端部20bにより弾性変形部材18を介して弾性表面波周回路12aに当接されたときに、すだれ状電極の一対の櫛形状端子部16a,16bの複数の櫛歯状電極枝16cが交互に配列された方向が弾性表面波周回路12aの円環状に延出する方向(この実施の形態では、水晶による弾性表面波伝搬基体12の外表面において水晶の結晶軸Z回りの結晶面が上記外表面と交差する円環状の線に沿った方向)に一致し、好ましくは複数の櫛歯状電極枝16cの夫々の延出方向が弾性表面波周回路12aの円環状に延出する方向(この実施の形態では、水晶による弾性表面波伝搬基体12の外表面において水晶の結晶軸Z回りの結晶面が上記外表面と交差する円環状の線に沿った方向)に対し直交するように、弾性変形部材18の表面に形成されている。
すだれ状電極は、不導体であるゴムにより形成されている弾性変形部材18の表面に例えば金や銅やアルミニウムのような導電性の高い金属薄膜を直接形成した後に例えばフォトリソグラフィー(写真製版)により成形することにより形成することが出来る。とはいうものの、弾性変形部材18が弾性表面波周回路12aに当接されたときに弾性変形するとその表面が僅かに延伸するので、この延伸によりすだれ状電極が破断する可能性もある。この為に、弾性変形部材18の上記弾性変形に伴い弾性変形部材18の外表面とともに変形可能であるが弾性変形部材18の外表面ほどは延伸しない例えばセラミック薄膜の如き不導体上に上述した如くすだれ状電極を形成することが好ましい。即ち、すだれ状電極は、すだれ状電極が提供している弾性表面波・励起/検知手段16と弾性変形部材18との間に介在された不導体上に上述した如く形成されることが好ましい。
このような不導体は、すだれ状電極が形成される前に弾性変形部材18の外表面上に例えば接着剤を含む公知の支持手段により支持されていることができるし、或いはすだれ状電極が形成された後に弾性変形部材18の外表面上に例えば接着剤を含む公知の支持手段により支持されても良い。
すだれ状電極の一対の櫛形状端子部16a,16bは、弾性変形部材18及び励起/検知手段・支持体20上に配置された図示しない配線を介して弾性表面波・励起/検知手段16の動作を制御するための公知の動作制御手段に電気的に接続されている。
励起/検知手段・支持体20の延出端部20bにより弾性変形部材18を介して弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極が図2中に図示されている如く弾性表面波伝搬基体12の弾性表面波伝搬路12aに当接されている間に、一対の櫛形状端子部16a、16bの間に、上記公知の動作制御手段により所定の周波数の高周波信号をバースト状に適用することにより、所定の波長の弾性表面波を弾性表面波伝搬基体12の外表面の弾性表面波周回路12aに励起させることが出来る。ここにおいて上記所定の周波数の波長や上記所定の波長は相互に隣接した2つの櫛歯状電極枝16c間の距離(配列周期)Pに対応している。
すだれ状電極が弾性表面波周回路12aに励起させる弾性表面波の幅はすだれ状電極の一対の櫛形状端子部16a,16bの複数の櫛歯状電極枝16cが相互に対面する距離(電極幅)Wである。
図3(B)では一対の櫛形状端子部16a,16bの夫々が4本の櫛歯状電極枝16cによって構成されているが、一対の櫛形状端子部16a,16bの夫々が1本のみの櫛歯状電極枝16cによって構成されていても弾性表面波を励起し検知する事は可能であり本発明はそれを除外しない。なお、一方向にのみ弾性表面波を励起するすだれ状電極や、複数の周波数を効率よく励起する特殊な構造のすだれ状電極が公知でありその何れでも本発明は使用できる。
常に同じ条件で所定の波長の弾性表面波を弾性表面波伝搬基体12の外表面の弾性表面波周回路12aに励起させるには、励起/検知手段・支持体20の延出端部20bにより弾性変形部材10を介して弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極が図2中に図示されている如く弾性表面波伝搬基体12の弾性表面波伝搬路12aに当接されている間に、すだれ状電極の一対の櫛形状端子部16a,16bの複数の櫛歯状電極枝16cが相互に対面する距離Wの全体が常に弾性表面波周回路12aに接していなければならない。
この条件を満たすには、図4中に図示されている如く、励起/検知手段・支持体20の延出端部20b上の弾性変形部材18が弾性表面波・励起/検知手段16を弾性表面波伝搬基体12の外表面の弾性表面波周回路12aに当接させたときの弾性変形部材18の凹みの深さDが以下のようになれば良い。
D=R(1−cos(W/2R))
ここにおいて、cosに続く丸括弧内のW/2Rはラジアン単位であり、Wはすだれ状電極の電極幅、そしてRは弾性表面波伝搬基体12の弾性表面波周回路12aの半径である。
即ち、少なくともこのような弾性変形部材18の凹みの深さDが得られるよう、励起/検知手段・支持体20や弾性変形部材10の弾性が設定される。しかしながら、前述した如く弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極が弾性変形部材18の凹みより破断する可能性が無ければ、上記深さDはもっと深くても良い。
あるいは、弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極が支持されている弾性変形部材10の外表面が予め上述した如き凹みを有する凹面に加工されていれば、弾性表面波伝搬基体12の弾性表面波周回路12aに対し弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極を当接させるときに弾性変形部材10の外表面が強いられる弾性変形量は殆ど無くなり、弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極が破断される可能性は殆どなくなる。
しかしながら、弾性変形部材10の外表面が平面形状である場合、すだれ状電極をその外表面に形成した例えば金や銅やアルミニウムのような導電性の高い金属薄膜からフォトリソ技術(写真製版)やマスクレス露光機を用いて成形するのであれば、より高精細なすだれ状電極を安価に形成できる。つまり、高精細なパターニングをおこなう為の一般に普及している露光装置やインクジェット塗布装置などのプロセス装置は、パターニングをする対象が平面であることを前提に製造されているからである。
弾性表面波周回路12aの半径に対し、所定の範囲の幅と所定の波長を有した弾性表面波を励起させれば、弾性表面波周回路12aに沿いその延長方向と交差する方向に拡散することなく繰り返し弾性表面波を周回させることが出来ることは前述した特許文献2などにより公知である。
上記公知の動作制御手段は、弾性表面波周回路12aを周回する弾性表面波を、弾性表面波周回路12aに対し上述した如く励起/検知手段・支持体20の延出端部20b及び弾性変形部材10を介して当接された弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極により検知することができる。
このように、弾性表面波周回路12aに励起/検知手段・支持体20により弾性変形部材18を介して当接されている弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極は、弾性表面波周回路12aを周回させた弾性表面波のエネルギーの幾分かを反射させ弾性表面波を幾分かは減衰させるので、弾性表面波伝搬基体12の外表面の弾性表面波周回路12aから所定の距離(弾性表面波周回路12aに励起され周回する弾性表面波の波長の1/4以下)に配置された場合に比べ、弾性表面波伝搬基体12の弾性表面波周回路12aに励起させ弾性表面波周回路12aを周回させた弾性表面波の強度や位相を精密に検出することは出来ないが、弾性表面波伝搬基体12の外表面の弾性表面波周回路12aに形成された場合に比べると弾性表面波周回路12aを周回させた弾性表面波の伝搬に影響してエネルギーを反射させ減衰させる割合は小さく弾性表面波の強度や位相をより精密に検出することが出来る。
なぜならば、通常は、圧電性結晶材料を加工して得られた弾性表面波伝搬基体12の外表面の表面粗さに比べると弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極を形成している金属薄膜の外表面の表面粗さは大きく、微視的に見ると弾性表面波伝搬基体12の外表面の弾性表面波周回路12aに対し弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極は無数の点接触をしていることになるからである。
とはいうものの、弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極が弾性表面波周回路12aに対し当接する周回路当接部分の表面の面積は少ないほうが、弾性表面波のエネルギーを反射させ減衰させる割合が小さくなるので好ましい。
この為に、この実施の形態においては、弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極が弾性表面波周回路12aに対し当接する周回路当接部分の表面に対し、図5中に良く示されている如く、弾性表面波周回路12aに対する当接面積を減少させる当接面積減少加工26が適用されている。当接面積減少加工26は、弾性表面波・励起/検知手段16の周回路当接部分の表面の複数個所に凹部又は凸部を形成することを含んでいる。
当接面積減少加工26の複数の凹部は、例えばエッチングにより形成される。詳細には、図6の(A)及び(B)中に図示されている如く、不導体である弾性変形部材18(図2参照)の外表面に、弾性表面波・励起/検知手段16(図2参照)のすだれ状電極の成形の為に前述した如く直接又は図示されていない不導体を介して間接的に形成された金属薄膜MFに対し複数の微小なレジストパターンLPを付着させる。次に、図6の(C)中に図示されている如く、複数の微小なレジストパターンLPを伴った金属薄膜MFに対し公知の等方性エッチングを行なう。これにより、複数の微小なレジストパターンLPにより覆われていない金属薄膜MFの外表面の複数箇所に凹部が形成される。次に、図6の(D)中に図示されている如く、複数の微小なレジストパターンLPが公知の方法により金属薄膜MFの外表面から除去される。その後、金属薄膜MFの外表面の複数箇所の凹部の相互間の突部の頂点(弾性表面波周回路12aに対し直接当接する部分となる)の面積をさらに小さくする為に、金属薄膜MFの外表面に対し再度公知の等方性エッチングを行なうことができる。
当接面積減少加工26の複数の凹部はまた、弾性変形部材18(図2参照)の外表面に、弾性表面波・励起/検知手段16(図2参照)のすだれ状電極の成形の為に前述した如く直接又は図示されていない不導体を介して間接的に形成された金属薄膜MFの外表面に対し、複数の微小なレジストパターンLPを付着させることなく、公知のソフトエッチングを施して金属薄膜MFの外表面にあえてエッチング斑を生じさせることによっても得ることが出来る。
当接面積減少加工26の複数の凸部は、例えば、図7中に図示されている如く、弾性変形部材18(図2参照)の外表面に前述した如く直接又は図示されていない不導体を介して間接的に形成された金属薄膜から成形された弾性表面波・励起/検知手段16(図2参照)のすだれ状電極の外表面に対し、すだれ状電極の複数の電極枝16c(図3の(B)参照)の配列周期Pの1/4以下の径を有した微小粒子MPを弾性表面波・励起/検知手段16の周回路当接部分の表面の複数個所に付着させることにより形成することができる。
[第2の実施の形態]
以下、添付の図面中の図8を参照しながら、この発明の第2の実施の形態に従った球状弾性表面波装置30について説明する。
第2の実施の形態に従った球状弾性表面波装置30の構成部材の一部は、図1乃至図7を参照しながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った球状弾性表面波装置10の構成部材の一部と同じである。従って、第2の実施の形態に従った球状弾性表面波装置30において前述した第1の実施の形態に従った球状弾性表面波装置10の構成部材と同じ構成部材には第1の実施の形態に従った球状弾性表面波装置10の対応する構成部材に付されていた参照符号と同じ参照符号を記して詳細な説明は省略する。
第2の実施の形態に従った球状弾性表面波装置30が第1の実施の形態に従った球状弾性表面波装置10と異なっているのは、弾性表面波伝搬基体12の外表面において弾性表面波周回路12aを除いた領域を支持する基体支持体32の構成と、弾性表面波・励起/検知手段16を支持している弾性変形可能な弾性変形部材18´を支持し弾性変形部材18´を介して弾性表面波・励起/検知手段16を弾性表面波伝搬基体12の外表面の弾性表面波周回路12aに当接させるとともに弾性変形部材18´を弾性変形させる励起/検知手段・支持体34の構成と、である。
基体支持体32は、図8の(A)中に良く示されている如く、複数の弾性表面波伝搬基体12を複数の弾性表面波伝搬基体12の夫々の外表面の弾性表面波周回路12aの一部を基体支持体32の一表面から外部に露出させて支持している。
この実施の形態では、基体支持体32は、平坦な板形状であり、複数の所定の支持場所32aは基体支持体32の両平面に貫通した穴形状である。夫々の支持場所32aには、公知の測定手段により結晶軸Zの向きが判明し外表面における所定の弾性表面波周回路12aの位置が測定できた弾性表面波伝搬基体12が、例えば公知の保持搬送手段36により仮に保持した状態で上述した如く所定の弾性表面波周回路12aを測定した場所から基体支持体32の所定の支持場所32aまで搬送させられるとともに所定の支持場所32aに支持させられる。
所定の支持場所32aに対し弾性表面波伝搬基体12は、結晶軸Z(水晶の場合は、C軸)を所定の方向に向けて、即ち、弾性表面波伝搬基体12の外表面の所定の弾性表面波周回路12aを所定の支持場所32aの穴の周囲の所定の周方向位置に向けて、支持される。その際には、弾性表面波伝搬基体12の外表面の所定の弾性表面波周回路12aは所定の支持場所32aの穴の所定の周方向位置において平板形状の基体支持体32の両平面に対し直交している。
弾性表面波伝搬基体12の外表面において所定の弾性表面波周回路12a以外の領域が所定の支持場所32aにより支持され、所定の弾性表面波周回路12aは所定の支持場所32aに接触されない。弾性表面波伝搬基体12の外表面において所定の弾性表面波周回路12a以外の領域を支持する所定の支持場所32aの領域には、例えば接着剤の如き公知の固定手段が設けられている。従って、所定の支持場所32aに支持された弾性表面波伝搬基体12の外表面は上述した公知の固定手段により所定の支持場所32aに固定される。
また、基体支持体32の所定の支持場所32aでは、弾性表面波伝搬基体12の外表面の所定の弾性表面波周回路12aにおいて径方向の両端部が外部空間に露出されている。
この実施の形態の励起/検知手段・支持体34は、図8の(B)及び(C)中に図示されている如く、基体支持体32の一表面の所定位置に着脱可能に固定されることにより基体支持体32の複数の所定の支持場所32aに上述した如く支持されている複数の弾性表面波伝搬基体12の外表面の弾性表面波周回路12aの一部に当接され弾性変形される弾性変形部材36を備えている。弾性変形部材36は、前述した第1の実施の形態の弾性変形部材18と同様の材料により形成することができる。
さらに、弾性変形部材36において基体支持体32の複数の所定の支持場所32aに上述した如く支持されている複数の弾性表面波伝搬基体12の外表面の弾性表面波周回路12aの一部に当接される複数の部分の夫々には、前述した第1の実施の形態の場合の如く弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極が支持されている。
そして、基体支持体32の複数の所定の支持場所32aに上述した如く支持されている複数の弾性表面波伝搬基体12の夫々の外表面の弾性表面波周回路12aの一部に励起/検知手段・支持体34の弾性変形部材36を介して当接された弾性表面波・励起/検知手段16のすだれ状電極は、前述した第1の実施の形態の場合と同様に、その複数の櫛歯状電極枝16c(図3の(A)及び(B)を参照)が交互に配列された方向が弾性表面波周回路12aの円環状に延出する方向(この実施の形態では、水晶による弾性表面波伝搬基体12の外表面において水晶の結晶軸Z回りの結晶面が上記外表面と交差する円環状の線に沿った方向)に一致し、好ましくは複数の櫛歯状電極枝16cの夫々の延出方向が弾性表面波周回路12aの円環状に延出する方向(この実施の形態では、水晶による弾性表面波伝搬基体12の外表面において水晶の結晶軸Z回りの結晶面が上記外表面と交差する円環状の線に沿った方向)に対し直交するように、弾性変形部材36の外表面の上記複数の所定の部分に形成されている。
なお、励起/検知手段・支持体34を、図8の(B)及び(C)中に図示されている如く、基体支持体32の一表面の所定位置に着脱可能に固定するための構造は種々の公知の位置決め固定構造を採用することが出来る。この実施の形態では、基体支持体32の一表面の複数の所定の位置に形成された複数の位置決め孔PHと、励起/検知手段・支持体34の外表面の複数の所定の位置に複数の位置決め孔PHに対し挿脱可能に形成された複数の位置決め突起PPと、の組み合わせが上記位置決め固定構造を提供している。
複数の位置決め孔PHを励起/検知手段・支持体34の外表面の複数の所定の位置に形成し、複数の位置決め突起PPを基体支持体32の一表面の複数の所定の位置に形成することも出来る。
図1は、この発明の第1の実施の形態に従った球状弾性表面波装置において、球形状の弾性表面波伝搬基体の外表面の弾性表面波周回路を除いた領域が基体支持体の延出端部により支持されている間に、上記弾性表面波周回路に弾性表面波・励起/検知手段が弾性変形部材を介して励起/検知手段・支持体の延出端部により当接される直前の状態を概略的に示す側面図である。 図2は、図1の球状弾性表面波装置において、球形状の弾性表面波伝搬基体の外表面の弾性表面波周回路を除いた領域が基体支持体の延出端部により支持されている間に上記弾性表面波周回路に弾性表面波・励起/検知手段が弾性変形部材を介して励起/検知手段・支持体の延出端部により当接されることにより、弾性表面波伝搬基体が基体支持体の延出端部と励起/検知手段・支持体の延出端部とによって基台から離れて弾性的に挟持されている状態を概略的に示す側面図である。 図3の(A)は、図2の弾性表面波伝搬基体の外表面の弾性表面波周回路に対し弾性表面波・励起/検知手段が弾性変形部材を介して励起/検知手段・支持体の延出端部により当接されている状態を弾性変形部材及び励起/検知手段・支持体の延出端部を透視して概略的に示す図であり;そして、図3の(B)は、弾性表面波・励起/検知手段としての櫛形電極を拡大して示す図である。 図4は、図2において球形状の弾性表面波伝搬基体の外表面の弾性表面波周回路に弾性表面波・励起/検知手段が弾性変形部材を介して励起/検知手段・支持体の延出端部により当接された時の弾性変形部材の好ましい弾性変形の程度を示す概略的な上面図である。 図5は、図2の弾性表面波伝搬基体の外表面の弾性表面波周回路に対し弾性表面波・励起/検知手段が弾性変形部材を介して励起/検知手段・支持体の延出端部により当接されている状態を弾性表面波・励起/検知手段,弾性変形部材,そして励起/検知手段・支持体の延出端部を拡大して概略的に示す側面図である。 図6の(A)は、図5の弾性表面波・励起/検知手段の表面に適用されている当接面積減少加工をエッチングにより行なう為に弾性表面波・励起/検知手段の基になる金属薄膜に複数のレジスト材料のパターンを適用した状態の拡大図であり; 図6の(B)は、図6の(A)の概略的な側面図であり;そして、 図6の(C)及び(D)は、図6の(B)からエッチングが進み図5の弾性表面波・励起/検知手段の表面にエッチングによる当接面積減少加工により複数の凹部が形成されていく状態を概略的に示す側面図であり; 図7は、図5の弾性表面波・励起/検知手段の表面に適用されている当接面積減少加工を行なう為に複数の微小粒子を弾性表面波・励起/検知手段の表面に適用した状態を概略的に拡大して示す側面図である。 図8の(A)は、この発明の第2の実施の形態に従った球状弾性表面波装置において、複数の球形状の弾性表面波伝搬基体が基体支持体により夫々の外表面の弾性表面波周回路の一部を基体支持体の一表面から外部に露出されて支持されている状態を概略的に示す縦断面図であり; 図8の(B)は、図8の(A)の基体支持体の一表面の所定位置にこの発明の第2の実施の形態に従った球状弾性表面波装置の励起/検知手段・支持体が着脱可能に固定される直前の状態を概略的に示す縦断面図であり;そして、 図8の(C)は、図5の(B)の基体支持体の一表面の所定位置に図5の(B)の励起/検知手段・支持体が着脱可能に固定されことにより、基体支持体に支持された複数の弾性表面波伝搬基体の外表面の弾性表面波周回路の一部に励起/検知手段・支持体の弾性変形部材が励起/検知手段を当接させ弾性変形されている状態を概略的に示す縦断面図である。
符号の説明
10…球状弾性表面波装置、12…弾性表面波伝搬基体、12a…弾性表面波周回路、14…基体支持体、14a…基端部、14b…延出端部、16…弾性表面波・励起/検知手段、16a,16b…櫛形状端子部、16c…櫛歯状電極枝、18…弾性変形部材、20…励起/検知手段・支持体、20a…基端部、20b…延出端部、22…基台、24…固定手段、P…配列周期、W…電極幅、D…凹みの深さ、R…半径、26…当接面積減少加工、LP…レジストパターン、MF…金属薄膜、30…球状弾性表面波装置、32…基体支持体、32a…支持場所、34…励起/検知手段・支持体、36…弾性変形部材、PH…位置決め孔、PP…位置決め突起。

Claims (12)

  1. 少なくとも球形状の一部により円環状に連続して構成されており弾性表面波が励起可能で励起された弾性表面波が上記円環の連続する方向に伝搬し周回可能な弾性表面波周回路を外表面に含む弾性表面波伝搬基体と;
    弾性表面波伝搬基体の上記外表面において上記弾性表面波周回路を除いた領域を支持する基体支持体と;そして、
    弾性表面波・励起/検知手段を支持している弾性変形可能な弾性変形部材を支持し、弾性変形部材を介して弾性表面波・励起/検知手段を弾性表面波伝搬基体の上記外表面の上記弾性表面波周回路に当接させるとともに弾性変形部材を弾性変形させる励起/検知手段・支持体と;
    を備えたことを特徴とする球状弾性表面波装置。
  2. 弾性表面波・励起/検知手段において弾性表面波伝搬基体の上記外表面の上記弾性表面波周回路に当接する周回路当接部分の表面は上記弾性表面波周回路に対する当接面積を減少させる当接面積減少加工が適用されている、ことを特徴とする請求項1に記載の球状弾性表面波装置。
  3. 弾性表面波・励起/検出手段がすだれ状電極であることを特徴とする請求項1又は2に記載の球状弾性表面波素子。
  4. 当接面積減少加工は、弾性表面波・励起/検知手段の周回路当接部分の表面の複数個所に凹部又は凸部を形成することを含む、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の球状弾性表面波装置。
  5. 前記凹部はエッチングにより形成される、ことを特徴とする請求項4に記載の球状弾性表面波素子。
  6. 弾性表面波・励起/検知手段はすだれ状電極であり、前記凸部は、すだれ状電極の複数の電極枝の配列周期の1/4以下の径を有した微小粒子を弾性表面波・励起/検知手段の周回路当接部分の表面の複数個所に付着させることにより形成される、ことを特徴とする請求項4に記載の球状弾性表面波素子。
  7. 弾性表面波・励起/検知手段はすだれ状電極であり、すだれ状電極の電極幅をWとし、弾性表面波伝搬基体の上記弾性表面波周回路の半径をRとし、励起/検知手段・支持体の弾性変形部材が弾性表面波・励起/検知手段を弾性表面波伝搬基体の上記外表面の上記弾性表面波周回路に当接させたときの弾性変形部材の凹みの深さDが、
    D=R(1−cos(W/2R)):ただし、cosに続く丸括弧内はラジアン単位、
    以上である、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の球状弾性表面波装置。
  8. 励起/検知手段・支持体の弾性変形部材は不導体であり、弾性表面波・励起/検知手段は弾性変形部材上に形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の球状弾性表面波装置。
  9. 励起/検知手段・支持体の弾性変形部材と弾性表面波・励起/検知手段との間に不導体が介在されていて、不導体に弾性表面波・励起/検知手段が形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の球状弾性表面波装置。
  10. 基体支持体及び励起/検知手段・支持体の夫々は、基台に支持された基端部と基台から遠ざかる方向に延出した延出端部とを含んでおり基端部に対し延出端部が弾性的に湾曲可能であり、
    基体支持体の延出端部が、弾性表面波伝搬基体の上記外表面における上記弾性表面波周回路を除いた領域を支持しており、
    励起/検知手段・支持体の延出端部が、弾性変形部材を支持していて基体支持体の延出端部に対し弾性表面波伝搬基体を挟んで相互に対向し弾性表面波伝搬基体の外表面の弾性表面波周回路に弾性表面波・励起/検知手段を当接させており、
    弾性表面波伝搬基体は基体支持体の延出端部と励起/検知手段・支持体の延出端部とによって基台から離れて弾性的に挟持されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の球状弾性表面波装置。
  11. 基体支持体は、弾性表面波伝搬基体を弾性表面波伝搬基体の外表面の上記弾性表面波周回路の一部を基体支持体の一表面から外部に露出させて支持しており、そして、
    励起/検知手段・支持体は、上記基体支持体の一表面の所定位置に固定されることにより弾性変形部材を介して弾性表面波・励起/検知手段を弾性表面波伝搬基体の上記外表面の上記弾性表面波周回路の上記一部に当接させるとともに弾性変形部材を弾性変形させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の球状弾性表面波装置。
  12. 基体支持体は、複数の弾性表面波伝搬基体を複数の弾性表面波伝搬基体の夫々の外表面の上記弾性表面波周回路の一部を基体支持体の一表面から外部に露出させて支持しており、そして、
    励起/検知手段・支持体は、上記基体支持体の一表面の所定位置に固定されることにより、基体支持体に支持された複数の弾性表面波伝搬基体の上記外表面の上記弾性表面波周回路の一部に当接され弾性変形される弾性変形部材を備えている、
    ことを特徴とする請求項11に記載の球状弾性表面波装置。
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