JP2003114031A - 加熱調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 石英管の失透寿命を延ばすこと。 【解決手段】 発熱体１４にタングステンを使用し、花
巻状もしくはコイル状に加工し、ヒータ１３の即発光性
能が良いことを維持しつつ放射率は８０％前後をキープ
し、線温度１０００℃位にして、ヒータ１３をセラミッ
ク板１８で分離することにより、石英管１５の失透寿命
を延ばすことが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は加熱調理器、特にヒ
ータの構成及びヒータの取付け構成に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の加熱調理器としては、例
えば、実開昭６２−１４０６８９号公報に記載されてい
るようなものがあった。図４は、前記公報に記載された
従来の加熱調理器を示すものである。

【０００３】図４において、１はヒータ（図中では電球
本体）で、フィラメント２が石英管３の中に挿入され両
端が封止されており、かつ、石英管３の中には、ハロゲ
ン化物がいれられており俗称としてはハロゲンランプヒ
ータ（略してハロゲンヒータ）等と呼ばれているもので
ある。

【０００４】また、他の従来この種の高周波加熱装置は
公開平３−５６２９号公報に記載されているようなもの
が一般的であった。この高周波加熱装置は図５に示すよ
うにハロゲンヒータ１は、口元部４に口金５を設け、石
英管３内のフィラメント２をインナーリード６とモリブ
デン箔７を介して口金５に接続構成となっている。口元
部４内のモリブデン箔７は耐熱温度が低いため口元部４
が高温（３５０℃以上）になると、モリブデン箔７が断
線してハロゲンヒータ１のフィラメント２が切れてしま
う。そのため口元部４を冷却するために導風路８をとう
して冷却風をハロゲンヒータ１の口元部４に吹きつける
送風装置９が設けられている。よって口元部４が強制冷
却され、モリブデン箔７の温度上昇が抑えられる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の構成図４（ａ）では、ハロゲンヒータ１は、即発光
性能（電源投入後直ちにフィラメント２が発光し使用者
に視覚的に訴えることができる）が良いがハロゲンヒー
タ１の発熱使用時の線温度が２６００℃位であり、眩し
くて、直接見ることが出来ないという課題があった。そ
こで表面に硫酸化銅の化学反応で赤色に着色させて利用
することがあった。しかし、硫酸化銅で化学反応させた
石英管３は透明の管より失透の耐久寿命が約７０〜８０
％劣化し、調理中の飛び散った食品かすに含まれるＮａ
・Ｋ等が付着すると短時間で石英管３に孔があき、ヒー
タ１が使用出来なくなるという課題が発生した。

【０００６】また、前記従来の構成図４（ｂ）では、ハ
ロゲンヒータ１の発熱使用時の線温度が２６００℃位で
あり温度が非常に高いため石英管３の表面温度が１００
０℃前後になりモリブデン箔７に与える影響が大きく耐
熱温度（３５０℃）が持たないという課題があった。そ
こで導風路８を設けてヒータ１の口元部４に冷却風を吹
き付ける送風装置９を設けたもので構造が複雑になりか
つ、組立作業が複雑で時間がかかり作業性が良くない。
また、コストも高くなるという課題があった。また、ヒ
ータ１が加熱室１０内にむき出しの状態で付いている
為、食品１１の出し入れの際にヒータ１に当たり破損さ
せるという課題があった、これを解決する為にヒータを
保護する板金などを取り付けるなどしてコスト高になっ
ていた。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、本発明の加熱調理機は、食材を加熱調理する
発熱体はタングステンを花巻状もしくはコイル状に加工
したものをガラス管に挿入するとともにガラス管に不活
性ガスを封入し、ヒータを加熱室の外部に設け、ヒータ
に相対する加熱室側の面はセラミックの板により分離す
る構成にする。

【０００８】また、モリブデン箔の部分が反射板の内側
で構成した場合、モリブデン箔と外部との接続を金属端
子で構成し、同時に放熱フィンも構成する。 また、モ
リブデン箔の部分が反射板の外側で構成した場合、モリ
ブデン箔と外部との接続をリード線で構成し、金属金具
もしくはガイシにてリード線及びヒータを固定する構成
にしたものである。

【０００９】これによって、ヒータをセラミックの板に
より加熱室と分離することで、調理中の飛び散った食品
かすに含まれるＮａ・Ｋ等の付着を防止することができ
るので石英管の失透を防ぐことが出来るものである。ま
た、ヒータの発熱時の線温度は１０００℃程であり、ハ
ロゲンヒータと比較しても１６００℃程低いためモリブ
デン箔（耐熱温度：３５０℃）にかかる熱ストレスが小
さいことより強制冷却装置などの複雑な構造にしなくて
もよくなる。

【００１０】

【発明の実施の形態】請求項１に記載の発明は、食材を
加熱調理する発熱体と、前記食材を載置する加熱室と、
前記発熱体の主成分はタングステンとし、かつ、前記発
熱体を石英管に封入するとともに、前記石英管に不活性
ガスを封入するヒータを前記加熱室の外部に設け、か
つ、前記ヒータに相対する前記加熱室側の面はセラミッ
クの板により分離する構成とすることにより、調理中の
飛び散った食品カスに含まれるＮａ・Ｋ等の付着を防
ぎ、石英管の失透を防ぐことができ、石英管の失透寿命
を延ばすことが出来る。また、セラミック板にヒータの
熱が蓄積されることによりセラミック板から熱が食品に
均一に伝わりムラなく加熱することができる。また、食
品の出し入れの際のヒータの破損防止にもなる。

【００１１】請求項２に記載の発明は、食材を加熱調理
する発熱体と、前記食材を載置する加熱室と、前記発熱
体の主成分はタングステンとし、かつ、前記発熱体を石
英管に封入するとともに、前記タングステンはコイル状
に構成され、前記石英管に不活性ガスを封入するヒータ
を前記加熱室の外部に設け、かつ、前記ヒータに相対す
る前記加熱室側の面はセラミックの板により分離する構
成とすることにより、ヒータの放射率を８０％前後に向
上させることが出来る。

【００１２】請求項３に記載の発明は、食材を加熱調理
する発熱体と、前記食材を載置する加熱室と、前記発熱
体の主成分はタングステンとし、かつ、前記発熱体を石
英管に封入するとともに、前記タングステンは花巻状に
構成され、前記石英管に不活性ガスを封入するヒータを
前記加熱室の外部に設け、かつ、前記ヒータに相対する
前記加熱室側の面はセラミックの板により分離する構成
とすることにより、ヒータの放射率を８０％前後に向上
させることが出来る、更にヒータが花巻状に巻かれてい
ることにより、発熱体が石英管に点接触となり石英管の
温度を下げることができる。

【００１３】請求項４に記載の発明は、発熱体の左右両
端にモリブデン箔を接続し、かつ、前記モリブデン箔か
らの引き出し線は金属端子にて構成し、かつ、前記モリ
ブデン箔は反射板内に位置し、かつ、前記金属端子は冷
却用のフィンを備えることにより、モリブデン箔に至る
熱伝導を簡単な構成で効果的に冷却することができる。

【００１４】請求項５に記載の発明は、発熱体の左右両
端にモリブデン箔を接続し、かつ、前記モリブデン箔は
反射板の外側に位置しかつ、前記モリブデン箔からの引
き出し線はリード線にて構成し、かつ、前記リード線を
固定し、かつヒータを固定するために金属金具を備える
ことにより、落下や振動時にモリブデン箔の断線や石英
管の割れ等を防止することができる。

【００１５】請求項６に記載の発明は、発熱体の左右両
端に金属のリード線に接続し、かつ、前記リード線はモ
リブデン箔に接続し、かつ、前記モリ箔は反射板の外側
に位置しかつ、前記モリブデン箔からの引き出し線はリ
ード線にて構成し、かつ、前記リード線を固定し、かつ
ヒータを固定するためにガイシで固定し、前記ガイシは
耐熱性の接着材にて固定することにより、落下や振動時
にモリブデン箔の断線や石英管の割れ等を防止すること
ができる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。

【００１７】（実施例１）図１は、本発明の加熱調理器
を示す概略断面図、図２は同加熱調理器の下部構成斜視
図（加熱調理機を下方から見た図）である。図３（ａ）
及び図３（ｂ）は、同加熱調理器を示すヒータ取付け部
の詳細断面図である。

【００１８】図１、図２において、１２は加熱室、１３
はヒータ、１４はヒータ内部にある発熱体であり、花巻
状もしくはコイル状に加工されたタングステンで出来て
いる。１５は石英管、１６はヒータ１３の熱を加熱室１
２の中に反射させる反射板、１７は食材、１８はヒータ
１３に相対する加熱室側の面を分離するセラミックの板
である。

【００１９】尚、本発明の実施例において反射板１６は
ヒータ１３を加熱室１２の下面に配置した例を示したが
上面、左右面、全面でも良いものとし、ヒータ１３の設
置場所を限定するものではない。また、発熱体１４は花
巻状もしくはコイル状に加工されたことを想定したもの
である。

【００２０】次にヒータ１３の取付け構成を説明する。
図２において加熱室１２の下面の解放部１９の両端にあ
る熱遮蔽板２０のＵ字形の切り込み部２１にヒータ１３
を載置し、その上から、反射板１６のＵ字形切り込み部
２２をヒータ１３に被せる。その後、ビス２３にて反射
板１６を加熱室１２の底板２４に固定取付けする。尚、
本発明の実施例では反射版１６は単一部品で構成した
が、底板２４を絞り一体構成にすればヒータ１３を通す
作業は発生するが構成部品を減らすことができる。

【００２１】次にヒータ１３について説明すると、図１
においてヒータ１３は、花巻状もしくはコイル状に加工
された発熱体１４を石英管１５に挿入され、不活性ガス
（アルゴンガスとハロゲンガス）で封入されている。不
活性ガスはハロゲンガスとアルゴンガスの混合ガスとは
限定されるものではなく、同程度もしくはそれ以上の性
能を有するガスであれば、そのガスでも良いことは勿論
である。

【００２２】また、発熱体１４の両端にモリブデン箔２
５にて接続させ、さらにモリブデン箔２５は金属端子２
６にて接続させている。そして反射板１６がモリブデン
箔２５を覆い被さった状態では、金属端子２６は、モリ
ブデン箔２５の冷却をするための冷却フィンを構成して
いる。そして金属端子２６は電源（図示せず）に接続さ
れている。

【００２３】次に動作、作用について説明すると、加熱
室１２内に食材１７を設置、ヒータ１３に通電し、発熱
体１４を即発熱させ、加熱室１２の下部のセラミック板
１８を通して食材１７に熱が照射される。また、発熱体
１４を発熱させ、反射板１６にて反射させた熱も、セラ
ミック板１８を加熱し、更に加熱が促進される。よって
食品１７の加熱性能の向上と分布性能を向上させること
が出来るという効果がある。

【００２４】また、セラミック板１８によりヒータ１３
を加熱室１１２より分離しているので、調理中の飛び散
った食品カスの付着を防ぎ、石英管１５の失透を防ぐこ
とができ、石英管１５の失透寿命を延ばすことが出来
る。更に、食品１７の出し入れの際のヒータ１３の破損
防止にもなる。

【００２５】また、加熱室１２のヒータ１３の設置され
ている面が全面明るくなることにより、ヒータ調理時の
視覚効果も大きい。また、セラミック板１８を透明のガ
ラス板にすれば、ヒータ１３をスケルトン構成で見せる
こともできる。

【００２６】また、ハロゲンヒータ１と比較しても同等
の即発光性能を維持しつつも、ヒータ１３の発熱使用時
の線温度が１０００℃とハロゲンヒータ１（２６００
℃）より低く、ヒータ１３の外形は石英管１５の内径に
相当する径に設定することより花巻状もしくはコイル状
に加工されることで放射率は８０％前後に向上させるこ
とが出来る。ハロゲンヒータ１の場合は最小径でコイル
状に加工されていることより放射率は４５％前後しかな
いため食品の中身の温度上昇はほぼ同等であるものの表
面の温度上昇（こげ具合）に差が発生し、コイル径を大
きくした花巻状もしくはコイル状に加工した方が性能的
に優れている。

【００２７】尚、このヒータ１３は従来暖房関係（コタ
ツなど）のヒータに使用されていたものであり、今回加
熱調理器用に転用することで水の吸収率の良い３μｍ付
近にピーク値が来るように色温度を設定している。その
温度帯が１０００℃前後にすることでヒータ１３の波長
を変えることなくかつ石英管１５の失透を防ぐことが出
来るものである。また、ヒータ１３の発熱時の線温度は
１０００℃程であり、ハロゲンヒータ１と比較しても１
６００℃程低いため石英管１５表面温度も低い状態を保
持することで石英管１５の失透寿命を延ばすことが出
来、更にモリブデン箔２５の冷却にも効果がある。

【００２８】（実施例２）図３（ａ）、図３（ｂ）は、
本発明の第２の実施例の加熱調理器のヒータ取付け部の
詳細断面図である。図３（ａ）、図３（ｂ）において、
実施例１の構成と異なるところはモリブデン箔２５が反
射板１６より外側に位置する点である。なお、実施例１
と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。

【００２９】図３（ａ）はヒータ１３が金属金具２７で
固定し、かつリード線２８も固定をする。ヒータ１３と
金属金具２７が固定された状態で底板２４をコの字状に
曲げた状態の所にビス２９にて固定をする。

【００３０】また、図３（ｂ）はヒータ１３がガイシ３
０を耐熱の高い接着材３１で固定し、かつリード線２８
も接着固定をする。その状態で底板２４に固定用の孔に
通して固定を行う。このような固定方法を行なうことに
より、落下や振動時にモリブデン箔２５の断線や石英管
１５の割れ等を防止することができる。

【００３１】

【発明の効果】以上のように、請求項１〜６に記載の発
明によれば、本発明の加熱調理器は即発光性能が良いこ
とを維持しつつ放射率は８０％前後をキープすることに
よって食品の加熱性能が向上することが出来るという効
果がある。

【００３２】また、セラミック板によりヒータを加熱室
より分離させることにより調理中の飛び散った食品カス
に含まれるＮａ・Ｋ等の付着を防ぎ、石英管の失透を防
ぐことが出来るものであり、石英管表面温度を低い状態
を保持することで石英管の失透寿命を延ばすことが出来
るという効果がある。

【００３３】また、セラミック板にヒータの熱が蓄積さ
れることによりセラミック板から熱が食品に均一に伝わ
りムラなく加熱することができる。

【００３４】また、食品の出し入れの際のヒータの破損
防止にもなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１における加熱調理器の概略断
面図

【図２】同加熱調理器の上部分の構成斜視図

【図３】（ａ）同加熱調理器のヒータ取付け部の詳細断
面図 （ｂ）同加熱調理器の他のヒータ取付け部の詳細断面図

【図４】（ａ）従来のハロゲンヒータの詳細斜視図 （ｂ）従来のハロゲンヒータの外観図

【符号の説明】

１２ 加熱室 １３ ヒータ １４ 発熱体 １５ 石英管 １６ 反射板 １７ 食材 １８ セラミック板 ２４ 底板 ２５ モリブデン箔 ２６ 金属端子

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3K092 PP01 QA02 QB02 QC45 RA03 RB14 RD10 3L087 AA01 CA01 CA09 CB02

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 食材を加熱調理する発熱体と、前記食材
   を載置する加熱室と、前記発熱体の主成分はタングステ
   ンとし、かつ前記発熱体を石英管に封入するとともに、
   前記石英管に不活性ガスを封入するヒータを前記加熱室
   の外部に設け、かつ前記ヒータに相対する前記加熱室側
   の面はセラミックの板により分離する構成とした加熱調
   理器。
2. 【請求項２】 食材を加熱調理する発熱体と、前記食材
   を載置する加熱室と、前記発熱体の主成分はタングステ
   ンとし、かつ前記発熱体を石英管に封入するとともに、
   前記タングステンは花巻状に構成され、前記石英管に不
   活性ガスを封入するヒータを前記加熱室の外部に設け、
   かつ前記ヒータに相対する前記加熱室側の面はセラミッ
   クの板により分離する構成とした加熱調理器。
3. 【請求項３】 食材を加熱調理する発熱体と、前記食材
   を載置する加熱室と、前記発熱体の主成分はタングステ
   ンとし、かつ前記発熱体を石英管に封入するとともに、
   前記タングステンはコイル状に構成され、前記石英管に
   不活性ガスを封入するヒータを前記加熱室の外部に設
   け、かつ前記ヒータに相対する前記加熱室側の面はセラ
   ミックの板により分離する構成とした加熱調理器。
4. 【請求項４】 発熱体の左右両端にモリブデン箔を接続
   し、かつ前記モリブデン箔からの引き出し線は金属端子
   にて構成し、かつ前記モリブデン箔は反射板内に位置
   し、かつ前記金属端子は冷却用のフィンを備えたことを
   特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の加熱調
   理器。
5. 【請求項５】 発熱体の左右両端にモリブデン箔を接続
   し、かつ前記モリブデン箔は反射板の外側に位置し、か
   つ前記モリブデン箔からの引き出し線はリード線にて構
   成し、かつ前記リード線を固定し、かつヒータを固定す
   るために金属金具を備えたことを特徴とする請求項１〜
   ３のいずれか１項に記載の加熱調理器。
6. 【請求項６】 発熱体の左右両端をモリブデン箔に接続
   し、かつ前記モリブデン箔は反射板の外側に位置し、か
   つ前記モリブデン箔からの引き出し線はリード線にて構
   成し、かつ前記リード線を固定し、かつヒータを固定す
   るためにガイシで固定し、前記ガイシは耐熱性の接着材
   にて固定したことを特徴とする請求項１〜３のいずれか
   １項に記載の加熱調理器。