JP4536207B2 - 赤外線電球 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、暖房、調理、乾燥等の熱源として使用される赤外線電球に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近赤外線や遠赤外線を放射し、熱源として使用される従来の赤外線電球としては、コルツランプやハロゲンランプ、あるいはニクロム線ヒーターや金属抵抗線をステンレススチール管に挿入し、隙間に耐熱性と絶縁性を有する無機粉末を詰め込んだシーズヒーター等がある。コルツランプやハロゲンランプは、タングステンスパイラルフィラメントを石英ガラス管内の中心部に保持し、内部に不活性ガスを封入して両端部を封止している。コルツランプは不活性ガスとしてアルゴンガスを用い、ハロゲンランプはアルゴンガスに少量のハロゲンガスを添加したものを用いるのが一般的である。コルツランプやハロゲンランプに使用しているタングステンの放射率は0.4〜0.5と低い。タングステンスパイラルフィラメントは突入電流が大きく、通電開始の瞬間に定格の約10倍のラッシュ電流が流れる。そのため制御回路の設計が難しいという問題がある。また、大きな突入電流によってノイズが発生し周辺機器に影響を与えることもある。さらに、タングステンスパイラルフィラメントを石英ガラス管の中心部に保持するために多数のタングステンサポートを使用する必要があり、その組立も簡単なものではなかった。ニクロム線ヒーターやシーズヒーターは突入電流は小さいが、ヒーターが赤熱するまでに1から5分の長い時間を要し、速熱性に問題があった。
【0003】
これらの問題を解決するために、従来のタングステンスパイラルフィラメントの代わりに、棒状或いは板状に成形した炭素系物質の焼結体を発熱体として使用する赤外線電球が開発されている。この赤外線電球に使用する炭素系物質の放射率は0.85とタングステンより高いため、赤外線電球としての赤外線放射率も高い。炭素系物質は、温度と抵抗の関係を表す温度抵抗特性がわずかに負或いは正の特性を有しているため、点灯開始時の突入電流が小さく、制御回路も簡単なものでよい。突入電流が小さいので周辺機器への影響も全く無い。
以下に従来の赤外線電球について図11を用いて詳しく説明する。図11の(a)は正面図、同(b)は側面図をそれぞれ示している。図11において、断面が長方形で縦に長い板状に成形された炭素系物質の発熱体1は、透明な石英ガラス管2内に挿入されている。発熱体1の両端部には耐熱性と電気伝導性を有する材料の例えば黒鉛製の端子3−1、3−2が接合されている。端子3−1、3−2には、一部にスパイラル部5−1、5−2を有する内部リード線6−1、6−2の一端部4−1、4−2がそれぞれ密なる嵌合で接続されている。内部リード線6−1、6−2の他端部には、それぞれモリブデン箔7−1、7−2の一端部が接続されている。モリブデン箔7−1、7−2の他端部には、モリブデンのリード線12−1、12−3がそれぞれ溶接で接合されている。モリブデン箔7−1、7−2を含む石英ガラス管2の端部9−1、9−2を溶融し平板状に押しつぶして封止する。石英ガラス管2の中には、アルゴンガス等の不活性ガスが封入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の炭素系物質の発熱体を使用する赤外線電球は、リード線12−1、12−3が両端部に出ているため配線時に電線の長さが長くなることがある。また赤外線電球を、水中、油中、或いは各種溶液中に浸し、直接溶液を加熱したい場合、リード線12−1、12−3の絶縁を確保するために大掛かりな構造体が必要となりコストも高くなる。赤外線電球を食品の加熱に使用すると、高い遠赤外線放出率により短時間で加熱ができ料理の味も良い。しかし被加熱物から飛散する油や塩分による赤外線電球の汚染はさけられない。特に塩分が付着した状態で使用しているとアルカリ成分により石英ガラス2に失透現象が生じ、加熱効率が減少するとともに、最悪の場合石英ガラス管2が破損するおそれがある。本発明は上記の問題が解決された低コストの赤外線電球を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の観点の2重管構造赤外線電球は、炭素系物質の焼結体の平板状の発熱体と、
前記発熱体の両端部に接合された、耐熱性と電気伝導性を有する端子と、
前記端子に一端部が密なる嵌合で取り付けられた弾性を有する金属の内部リード線と、
前記内部リード線の他端部に一端部が接合されたモリブデン箔と、
前記モリブデン箔の他端部に接合された外部リード線と、
前記発熱体、前記端子、前記内部リード線及び前記モリブデン箔が内部に挿入され、不活性ガスが充填されて前記モリブデン箔が埋設されるように平板状に押しつぶされて溶融封止された両端部を有し、平板状の前記両端部の平面が平板状の前記発熱体の面状部の平面と平行である透明石英ガラス管と、を有する赤外線電球、及び
複数の前記赤外線電球を内部に有し、前記赤外線電球における前記端子につながる前記外部リード線に電気的に接続された外部導出リード線が、一方の端部から導出されて密閉された透明耐熱性ガラス管、
を備える2重管構造赤外線電球において、
複数の折曲げ部を有する金属板が前記赤外線電球と前記透明耐熱性ガラス管との間に配設され、前記金属板が前記赤外線電球の両端部を保持し、前記金属板に形成された折曲げ部がばね性を有して前記透明耐熱性ガラス管の内壁に複数箇所で面接触することにより、前記赤外線電球内の前記発熱体が前記透明耐熱性ガラス管に対して所定位置に保持されるよう構成されており、
前記金属板は、前記赤外線電球における前記透明石英ガラス管の溶融封止された端部の平板状の断面形状に近似した開口を複数並設しており、当該開口に前記透明石英ガラス管のそれぞれの端部を装着することにより、複数の前記発熱体の面状部の平面が同一方向を向くよう構成されている。本発明によれば、赤外線電球を透明耐熱性ガラス管に封入した2重管構造を有するため、赤外線電球の表面は汚染されない。外部導出リード線が透明耐熱性ガラス管の片側から導出された構造であるため、リード線導出部以外の部分を溶液中に投入して使用するのに適しているとともに、配線の引き回しが容易であり、装置を設計する際の自由度が大幅に増大する。
【0006】
本発明に係る第1の観点の2重管構造赤外線電球においては、上記のように、簡単な構造で赤外線電球を透明耐熱性ガラス管内に固定することができる。折り曲げられた金属板部分が、外側のガラス管の内壁に接している構成のため、内側の赤外線電球を管の中央部に容易に配置することができる。また、金属板はバネ性を有しているため、振動や衝撃が加わっても前記金属板が吸収し、振動、衝撃に強い2重管構造赤外線電球が実現できる。さらに、第1の観点の2重管構造赤外線電球は、複数の発熱体の面状部を同一方向に向くよう製造することが容易であり、各発熱体の放射光が面状部の平面に垂直な方向に集中して放射でき、エネルギー効率の高い2重管構造赤外線電球となる。
本発明に係る第2の観点の2重管構造赤外線電球は、前記金属板が、透明耐熱性ガラス管に外部から導入された電線に接続されて固定されている。このように前記金属板は、外部導入線に接続されて固定されているので内部に挿入した赤外線電球をガラス管内で簡単に固定でき信頼性の高い2重管構造の赤外線電球が実現できる。
【0007】
本発明に係る2重管構造赤外線電球の参考例としては、赤外線電球を、1本或いは複数本、透明耐熱性ガラス管に封入した2重管構造赤外線電球において、赤外線電球が前記透明耐熱性ガラス管のほぼ中央部に位置するように、例えば、前記赤外線電球の両端部を、前記透明耐熱性ガラス管の内径よりわずかに小さい径の金属板或いはセラミックス板で固定することも可能である。このとき金属或いはセラミックスで形成された板の開口部に、赤外線電球の溶融封止部を挿入して固定する。この両端部の金属或いはセラミックス板により、発熱時の熱が発熱体の端部へ放射されない。すなわち外部リード線導出部の遮熱板として働き、前記導出部の温度上昇を抑えることができ信頼性の高い2重管構造の赤外線電球が実現できる。
【0008】
本発明に係る第3の観点の2重管構造赤外線電球は、前記透明耐熱性ガラス管の一端から導出された外部導出リード線の一方が、外周部にネジを有する口金の側面部に接続され、他方が前記側面部と絶縁された前記口金の中央部の金属板に接続され、前記口金が前記透明耐熱性ガラス管に接合された構造を有する。前記口金に合致したソケットを装置側に装着しておけば、2重管構造赤外線電球を簡単に装着したり、はずしたりすることが可能となり、取り扱いの容易な赤外線電球が実現できる。また、ソケット挿入部をシリコーンゴム等でカバーした構造にすれば、容易に防水構造が実現できる。
本発明に係る第4の観点の2重管構造赤外線電球は、前記透明耐熱性ガラス管の一端から導出された外部導出リード線の一方が、外周部に突起を有する口金の側面部に接続され、他方が前記側面部と絶縁された前記口金の中央部の金属板に接合され、前記口金が前記透明耐熱性ガラス管に接合された構造を有する。口金部の突起部によりソケットに挿入したとき、発熱体の発熱面の方向を正確に規制できる。赤外線電球の取り替えが簡単になる。
【0009】
本発明に係る第5の観点の2重管構造赤外線電球は、前記透明耐熱性ガラス管の一端から導出された複数の外部導出リード線が、セラミックスの口金に設けられた複数の差し込みピンにそれぞれ接続され、前記セラミックスの口金が前記透明耐熱性ガラス管に接合された端子構造を有する。外部導出リード線がセラミックス部材と金属ピンで構成され、無機セメントなどで透明耐熱性ガラス管に接合されているため、前記部分が高温に成るような特殊な環境でも使用することができる。
本発明に係る第6の観点の2重管構造赤外線電球は、少なくとも1つの赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部から外部導出リード線を導出して封止した2重管構造赤外線電球において、
前記赤外線電球の前記透明石英ガラス管に封入された発熱体に接続された一方の内部リード線が前記赤外線電球と並行して配置された金属線により、前記外部導出リード線に接合された構造を有する。このような構造を有することにより、簡単な構成でリード線を一方の側に導出する事が可能となり、複数本の赤外線電球を独立して点灯する2重管構造の赤外線電球を構成することができる。
【0010】
本発明に係る第7の観点の2重管構造赤外線電球は、複数の赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部から外部導出リード線を導出して封止した2重管構造赤外線電球において、前記複数の赤外線電球の消費電力及び長さが互いに異なる赤外線電球で構成される。1本の2重管構造赤外線電球に、異なったワット数の赤外線電球が挿入され、これを切り替えることにより、広範囲のワット数の電球が実現できる。管長の異なった赤外線電球により、加熱したい場所を特定できる2重管構造赤外線電球が実現できる。また、1本の赤外線電球中に、主加熱用発熱体と補助加熱用発熱体が形成すれば、予熱用電球付き赤外線電球が提供できる。
本発明に係る第8の観点の2重管構造赤外線電球は、複数の赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部から外部導出リード線を導出して封止した2重管構造赤外線電球において、
前記複数の赤外線電球の各発熱体に接合された端子をそれぞれ外部へ導出して各赤外線電球を独立して点灯できる構造を有する。
【0011】
上記のように構成された本発明に係る第8の観点の2重管構造赤外線電球は、複数本の赤外線電球が個々に点灯出来るように配線しているため、1本の2重管構造赤外線電球で、異なった出力の電球が実現でき、使用状態に合った最適のワット数が選択できる。
本発明に係る第9の観点の2重管構造赤外線電球は、複数の赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部から外部導出リード線から導出して封止した2重管構造赤外線電球において、
前記複数の赤外線電球における平板状の各発熱体の板面部が同一方向に向くように配置されている。このように構成された2重管構造赤外線電球は、板状発熱体の板面部が同一方向に向いているので板面に垂直な方向と板の端面に垂直な方向との放射光の放射強度差が極端に異なる赤外線電球が提供できる。これにより必要な方向にのみ放射光を集中して放出する赤外線電球が実現できる。全周に均一な放射光を発し、消費電力がこの赤外線電球と同じ従来のコルツ電球、ハロゲン電球やシーズヒータに較べると約50%以上効率が向上するので、省エネ効果の大きい赤外線電球が実現できる。
【0012】
本発明に係る第10の観点の2重管構造赤外線電球は、外側の透明耐熱性ガラス管の断面が、非円形である。このように構成された2重管構造赤外線電球は、断面が非円形、例えば、楕円形の構造を有していると、占有面積の小さいコンパクトな赤外線電球が実現できる。
本発明に係る第11の観点の2重管構造赤外線電球は、少なくとも1つの赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部から外部導出リード線を導出した2重管構造赤外線電球において、前記透明耐熱性ガラス管の内側或いは外側のほぼ半周部分に反射膜が形成されている。このように構成された2重管構造赤外線電球は、発熱体の背後に反射面を有することが可能であるため、所望の方向に集中して放射光を放射でき、効率が高く省エネ効果が大きい。放射方向以外にはほとんど放射しないので、その部分の温度上昇が少ない。外側の透明耐熱性ガラス管の形状に応じて所望の部分に反射面を設けると、集光光、平行光、発散光等所望の放射光が得られる。
【0013】
本発明に係る第12の観点の2重管構造赤外線電球は、少なくとも1つの赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部に外部導出リード線を集めて導出した2重管構造赤外線電球において、前記透明耐熱性ガラス管内に、空気或いは窒素或いはアルゴン或いはクリプトン或いはこれらの1種類或いは複数種が混合されたガスを封入している。このように構成された2重管構造赤外線電球は、透明耐熱性ガラス管内には、種々のガスを封入する事ができる。また、放射光強度の異なる赤外線電球が得られる。
本発明に係る第13の観点の2重管構造赤外線電球は、少なくとも1つの赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部に外部導出リード線を集めて導出した2重管構造赤外線電球において、
バネ性の折曲げ部を複数有する金属板が前記赤外線電球と前記透明耐熱性ガラス管との間に配設され、前記金属板により前記赤外線電球の前記モリブデン箔が埋設された平板状の封止部分で保持され、前記金属板に形成された折曲げ部が前記透明耐熱性ガラス管の内壁に複数箇所で接することにより、前記赤外線電球内の前記発熱体が前記透明耐熱性ガラス管に対して所定位置に保持されるよう構成されている。このように構成された2重管構造赤外線電球は、指向性を有する赤外線電球を所定の向きに確実に保持することができ、効率性及び信頼性の高い2重管構造の赤外線電球が実現できる。
本発明に係る第14の観点の2重管構造赤外線電球は、少なくとも1つの赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部に外部導出リード線を集めて導出した2重管構造赤外線電球において、
赤外線電球の透明石英ガラス管と、前記透明耐熱性ガラス管との間に反射手段が設けられている。このように構成された2重管構造赤外線電球は、発熱体の背後に反射手段を設けることにより、所望の方向に集中して放射光を放射することができ、効率の高い加熱が可能となる。
本発明に係る第15の観点の2重管構造赤外線電球は、炭素系物質の焼結体の平板状の発熱体と、
前記発熱体の両端部に接続された、耐熱性と電気伝導性を有する端子と、
前記端子に一端部が密なる嵌合で取り付けられた金属の線、金属の板状材又はより線よりなるスプリング状の内部リード線と、
前記内部リード線の他端部に一端部が接合されたモリブデン箔と、
前記モリブデン箔の他端部に接合された外部リード線と、
前記発熱体、前記端子、前記内部リード線及び前記モリブデン箔が内部に挿入され、空気、アルゴンガス、窒素又はこれらの混合ガスが充填されて前記モリブデン箔が埋設されるように平板状に押しつぶされて溶融封止された両端部を有し、平板状の前記両端部の平面が平板状の前記発熱体の面状部の平面と平行である透明石英ガラス管と、を有する赤外線電球、及び
複数の前記赤外線電球を内部に有し、前記赤外線電球における前記端子につながる前記外部リード線に電気的に接続された外部導出リード線が、両端部からそれぞれ導出されて密閉された透明耐熱性ガラス管、
を備える2重管構造赤外線電球において、
バネ性の折曲げ部を複数有する金属板が前記赤外線電球と前記透明耐熱性ガラス管との間に配設され、前記金属板が前記赤外線電球の両端部を保持し、前記金属板に形成された折曲げ部が前記透明耐熱性ガラス管の内壁に複数箇所で面接触することにより、前記赤外線電球内の前記発熱体が前記透明耐熱性ガラス管に対して所定位置に保持されるよう構成されており、
前記金属板は、前記赤外線電球における前記透明石英ガラス管の溶融封止された端部の平板状の断面形状に近似した開口を複数並設しており、当該開口に前記透明石英ガラス管のそれぞれの端部を装着することにより、複数の前記発熱体の面状部の平面が同一方向を向くよう構成されている。このように構成された2重管構造赤外線電球は、バネ性の折曲げ部が透明耐熱性ガラス管の内壁に接しているため、内側の赤外線電球を管の中央部に容易に配置することができる。また、金属板はバネ性を有しているため、振動や衝撃が加わっても前記金属板が吸収し、振動、衝撃に強い2重管構造赤外線電球が実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施例を図1から図10を参照して説明する。
《第1実施例》
図1は、本発明の第1実施例の2重管構造赤外線電球の側断面図である。
図1において、炭素系物質よりなる発熱体1を透明な石英ガラス管2に封入された赤外線電球10−1、10−2は、図11に示し前記従来の技術の項で説明した赤外線電球と実質的に同じものである。図1において、赤外線電球10−1、10−2は、上端が封止された透明耐熱性ガラス管11内に挿入されている。赤外線電球10−1、10−2の上端部は、例えばステンレスの金属板15−1で固定されている。赤外線電球10−1、10−2から導出されているモリブデン線12−1、12−2は、モリブデン或いはステンレスの線13に接続部14−1、14−2でスポット溶接されている。前記赤外線電球10−1、10−2の下端部は、別の金属板15−2で固定されている。赤外線電球10−1、10−2から導出されているモリブデン線12−3、12−4はそれぞれ外部導出リード線18−1、18−2の内側端にスポット溶接されている。外部導出リード線18−1、18−2には、足管17のガラスとの接着性にすぐれているジメット線を用いるのが望ましい。外部導出リード線18−1、18−2の口金21との接続部は銅線又はコンスタンタン線を用いるのが望ましく、この場合ジメット線と銅又はコンスタンタン線を半田付又は溶接により接続する。
【0015】
赤外線電球10−1、10−2を固定している金属板15−2には、金属の線、例えばステンレス線19の一端が点23の部分でスポット溶接されている。ステンレス線19の他端部は外部導出リード線18−2にスポット溶接されている。前記外部導出リード線18−1、18−2の外側端は耐熱性ガラスの足管17に固定されている。外部導出リード線18−1はネジ部を有する口金21の側面に接続され、外部導出リード線18−2は絶縁部材24を介して口金21に固定された金属板22に接続されている。口金21は、足管17に溶融接合された透明耐熱性ガラス管11の端部11Aに接着されている。上記の2重管構造赤外線電球は、白熱電球と基本的には同じ工程及び工法で生産することができる。例えば、図1において、下端部を内側に曲げる前の透明耐熱性ガラス管11の中に、2本の赤外線電球10−1、10−2、金属板15−1、15−2、足管17を含む組立体を挿入する。次に透明耐熱性ガラス管11の下端部を加熱して内側に曲げるとともに、足管17に溶着する。最後に口金21を足管17に接着し、外部導出リード線18−1、18−2を口金21に接続して完成する。
【0016】
図2は、図1において赤外線電球10−1、10−2を固定している金属板15−1部のII−II断面図である。図2において、金属板15−1は、赤外線電球10−1、10−2の溶融封止された端部9−1の断面形状に近似する形状に成形した金属板30、31、32をスポット溶接で接合して構成されている。金属板30の両端部には、透明耐熱性ガラス管11の内壁に接する折り曲げ部33、34を設けている。金属板30の材料としては、ステンレス以外に、鉄、ニッケル等のスポット溶接が可能な材料が使用可能である。ビスを用いて止めるときはアルミニウム、黄銅等の材料も使用できる。透明耐熱性ガラス管11としては、タングステンガラスを用いたが、それに限定されるものではなく、透明或いは半透明ガラスであれば材料に制限はない。遠赤外線領域の波長1〜5μm付近の光を透過する材料が最適である。石英ガラスは最適な材料の一つである。
【0017】
本実施例では2本の赤外線電球を用いた2重管構造赤外線電球について説明したが、1本の赤外線電球10−2のみを用いた構成も可能である。その場合には、例えば、赤外線電球10−1を金属線、例えば、ステンレス線で置き換える。これにより前記と同じ口金構造の2重管構造赤外線電球が実現できる。また、3本以上の赤外線電球を用いたものも可能である。この場合外部導出リード線18−1、18−2にそれぞれ3本の配線を接続する構造にすれば何ら問題なく2重管構造赤外線電球が実現できる。金属板30の両端部の折り曲げ部33、34は、図2のようにそれぞれ一方向に折り曲げた構造以外に、両側に折り曲げた構造にすればより確実に固定できる。金属板30の赤外線電球10−1、10−2での取付位置は、本実施例のものに制限されるものではない。
【0018】
本実施例の2重管構造赤外線電球は、外部導出用リード線18−1、18−2が透明耐熱性ガラス管11の一方の端部に導出された構造を有する。従ってネジ部を有する口金21を設けた構造の2重管構造赤外線電球が構成できる。口金21を設けたことで簡単に着脱できる。一方の端部にのみリード線が出ているので、溶液中にそのまま浸せきして使用することが可能となる。透明耐熱性ガラス管11には石英ガラス以外のガラス材料を用いると、アルカリ成分に起因する失透現象が少ない2重管構造赤外線電球が実現できる。特に、食品加工のように塩分が飛散する材料の加熱調理装置に用いる場合、塩分が直接赤外線電球10−1、10−2に付着しないので、寿命の長い、性能劣化の少ない2重管構造赤外線電球が実現できる。板状発熱体の面状部を同一方向に向けて赤外線電球10−1、10−2を配置すれば、放射光が面に垂直な方向に集中して放射される2重管構造赤外線電球が形成できる。その結果、エネルギー効率の高い2重管構造赤外線電球が作れる。実験結果によれば、2本の棒状発熱体を有する2重管構造赤外線電球と比較すると、1〜14μmの遠赤外線の放射強度を約30%向上させることができた。金属板15−2を金属棒19で外部導出リード線18−2に溶接で接合しているため、赤外線電球10−1、10−2の固定がより確実になり、振動や衝撃に強い2重管構造赤外線電球が実現できた。赤外線電球10−1、10−2の固定に折り曲げ部33、34を有する金属板15−1、15−2を用いばね性を持たせることにより更に振動や衝撃に強い2重管構造赤外線電球が実現できる。前記金属板15−1、15−2の両端部の折り曲げ33、34部が、ガラス管11の内壁に接しているので赤外線電球10−1、10−2を常に所定位置に保持することができる。
【0019】
《第2実施例》
図3の(a)は本発明の第2実施例の2重管構造赤外線電球の断面図である。
図3の(a)の断面図は、図1のII−II断面と実質的に同じ場所の断面を示し、赤外線電球の保持部の構成を示している。図1に示す赤外線電球10−1、10−2の溶融封止した端部9−1の寸法より僅かに大きい開口41、42を有する、金属或いはセラミックスの保持板40(わかりやすくするため斜線で示している)が第1実施例における金属板15−1、15−2の代わりに透明耐熱性ガラス管11内に設けられ、これにより赤外線電球10−1、10−2が保持されている。保持板40の開口41、42には無機セメント等が充填され、無機セメントの固化により前記赤外線電球10−1、10−2の端部9−1が固定されている。保持板40の外径寸法は、透明耐熱性ガラス管11の内径よりわずかに小さくなされている。
【0020】
保持板40により赤外線電球10−1、10−2をより確実に透明耐熱性ガラス管11の内部に固定するこができる。赤外線電球10−1、10−2の発熱部の外側に保持板40が配置されているので、発熱部からの放射光は両方の保持板40で遮蔽され赤外線電球10−1、10−2の両端部には達しない。その結果外部導出リード線18−1、18−2、口金21等の高温に弱い部分の温度上昇を抑えることができる。これにより口金部の信頼性が高い2重管構造赤外線電球が実現できる。また、金属の保持板40を用いれば、妨害電波の遮蔽効果が期待できる。例えば、図3の(b)に示すように本実施例の2重管構造赤外線電球を電子レンジ47に組み込んでオーブンの加熱用ヒーターに用いる場合、金属の保持板40が電子レンジ47の加熱室48の内部と外部を隔ててシールド作用をしている金属ケース49の板と実質的に同平面の位置にくるように2重管構造赤外線電球を配置する。このように配置すると、電子レンジ47の加熱室48内の電波が保持板40で遮断され、外部へ漏れない。これにより外部環境にノイズを放射しない電子レンジが実現できる。
【0021】
《第3実施例》
本発明の第3実施例の2重管構造赤外線電球を図4を用いて説明する。
図4は、本実施例の2重管構造赤外線電球の赤外線電球10−1、10−2の保持部の構成を示す横断面図である。図4の横断面図は、図1のII−II断面と実質的に同じ場所の断面を示す。
本実施例における外側の透明耐熱性ガラス管45の断面は円形ではなく楕円形であり、その長径の線上に2個の赤外線電球10−1、10−2が金属板15−1で固定されている。図1に示す赤外線電球10−1、10−2の発熱体1が板状の場合には、板面が前記長径に平行になるように配置する。透明耐熱性ガラス管45が楕円形なので容積が少ない2重管構造赤外線電球が実現できる。板状発熱体1を、板面が長径に平行になるように配置することにより、長径方向に垂直な方向の放射光が強化された2重管構造赤外線電球が提供できる。金属板15−1は図4の横断面図の楕円形のを長径に平行な方向に装着されている。したがって、透明耐熱性ガラス管45内で回ることなく、赤外線電球10−1、10−2が位置ずれしない2重管構造赤外線電球を提供できる。
【0022】
《第4実施例》
本発明の第4実施例の2重管構造赤外線電球を、図5の側面図を用いて説明する。
図5は2重管構造赤外線電球は、板状の発熱体1の短辺側からみた図である。
この実施例では、前記図1の2重管構造赤外線電球に便宜上斜線で示す反射膜50を形成した。反射膜50は透明耐熱性ガラス管11の横断面の円周のほぼ右側半分の内面或いは外面に形成されている。反射膜50としては、アルミニウム膜、銀膜或いは窒化チタン膜等の赤外線反射効率の高い膜が望ましい。本実施例の2重管構造赤外線電球では放射光の大部分は図5の左方に放射され、発光効率の高い2重管構造赤外線電球が実現できる。エネルギーの利用効率が大幅に改善されるので大幅な省エネルギーが実現できる。赤外線電球10−1、10−2から反射膜50の方向に放射された光はほとんど反射膜50で反射されるため、反射膜50の背後には光がほとんどもれない。従って2重管構造赤外線電球を各種の装置に装着した場合、反射膜50の背後のものが加熱されることはない。
例えば、図4に示す非円形の透明耐熱性ガラス管45を用いた2重管構造赤外線電球に、図5と同様の反射膜50を設けると、放射光を集光させたり、平行光線にしたり、発散光にしたり等様々な特性を有する2重管構造赤外線電球を実現できる。
【0023】
《第5実施例》
本発明の第5実施例の2重管構造赤外線電球を図6(側面図)及び図7を用いて説明する。
第5実施例の2重管構造赤外線電球の基本的構造は、図6に示すように、第1実施例のものと同じであり、異なる点は口金55の構造である。本実施例の口金55は、図1に示すようなねじ部を有せず、代わりに側面に係合突起56を有している。外部導出リード線18−1は口金55に、またリード線18−2は、絶縁材55−1を介して口金55に固定された金属板57に、それぞれ接続されている。図7は、この口金55を取り付けるためのソケット60の断面図である。口金55をソケット60に取り付け、突起56をソケット60の切り込み部62部に挿入すると口金55の金属板57がソケット60の接点63に接触する。接点63は、ソケットの外周部61から絶縁材64によって絶縁されており、バネ65で口金55の金属板57に圧接される構造となっている。本実施例の接続方法では図6の突起56によって2重管構造赤外線電球11の取付時の向きが所望の方向に規制され、発熱体の方向がソケットとの関係で常に一定になる。従って2重管構造赤外線電球を交換しても必ず所望の方向に発熱体が向き、保守時の作業が容易になる。
【0024】
《第6実施例》
本発明の第6実施例の2重管構造赤外線電球を図8の側面図を用いて説明する。図8において、本実施例の2重管構造赤外線電球の構成は、赤外線電球70を除いて実質的に図1のものと同じである。赤外線電球71は、図1の赤外線電球10−2と同じである。赤外線電球70は並行して配置された2本の線状の発熱体73、74を有している。発熱体73、74の各両端部は、端子75−1、75−2に取り付けられ、電気的に並列に接続されている。その他の構成は赤外線電球71と同じである。線状の発熱体73、74は、赤外線電球71の板状の発熱体1に比べて、所望の抵抗値のものを作るのが容易である。線状の発熱体73、74の抵抗値を異らせ、直列に接続された発熱体1と発熱体73、74の合成抵抗値を所望の値に設定することで、所望の消費電力の2重管構造赤外線電球を得ることができる。発熱体1と発熱体73、74に形状が互いに異なるものを組み合わせた結果、放射光特性の異なる種々の2重管構造赤外線電球が得られる。また、赤外線電球70と71の発熱部の長さを互いに異なるものにすれば、2重管構造赤外線電球の長手方向の放射光の強度分布を変えることができる。これにより、強く加熱したい部分、あまり加熱したくない部分を含む被加熱物に1個の2重管構造赤外線電球で対応することができる。
【0025】
《第7実施例》
本発明の第7実施例の2重管構造赤外線電球を図9の側面図を用いて説明する。図9において、炭素系物質の発熱体を透明石英ガラス管に封入した赤外線電球80、81の上端部は、金属板15−1で固定されている。赤外線電球80、81から導出されたモリブデン線12−1、12−2は金属線13で接続されており、この金属線13にさらに別な金属線82の一端が接続されている。金属線82は赤外線電球80、81に並行して配置され、その端部は外部導出リード線83を経て、キャップ(口金)89のピン86に接続されている。赤外線電球80、81の下端部は金属板15−2で固定されており、モリブデン線12−3、12−4はそれぞれの外部導出リード線84、85に接続されている。外部導出リード線84、85は足管17を経てピン87、88にそれぞれ接続されている。ピン86、87、88はセラミックス製キャップ89に固定されている。キャップ89は、無機セメントなどにより、透明耐熱性ガラス管11の下端部の足管17部で封止された部分に接合されている。
【0026】
本実施例の2重管構造赤外線電球は、2本の赤外線電球80、81の端子のモリブデン線12−3、12−4が外部導出リード線87、88に接続され、赤外線電球80、81の接続点が外部導出リード線83を経てピン86に接続されている。従って2本の赤外線電球80、81を各々独立して点灯することができる。すなわち消費電力を2段階に変化できる2重管構造赤外線電球が実現できる。2本の赤外線電球80、81の消費電力は、同一でも異なったものでもよい。ピン86、87、88がセラミックスのキヤップ89によって保持されているので、キャップ89が高温になるような特殊な環境でも使用できるという大きな特徴を有している。
【0027】
《第8実施例》
本発明の第8実施例の2重管構造赤外線電球について図10を用いて説明する。
前記各実施例の2重管構造赤外線電球では外部導出リード線18−1、18−2が透明耐熱性ガラス管11の一方の端部から導出されていた。本実施例では、図10に示すように透明石英ガラス管103の両方向に外部導出リード線107−1、107−2が導出されている。炭素系物質よりなる発熱体1が透明石英ガラス管2に封入された赤外線電球101、102の両端部は、それぞれ金属板15−1、15−2で固定されている。赤外線電球101、102のそれぞれのリード線12−1、12−2はステンレス等の金属線104−1で連結されている。またリード線12−3、12−4はステンレス等の金属線104−2で連結されている。金属線104−1、104−2にはそれぞれモリブデン等の金属線105−1、105−2の一端が接続されている。金属線105−1、105−2の他端には、モリブデン箔106−1、106−2の一端がそれぞれ溶接され、モリブデン箔106−1、106−2の他端はそれぞれモリブデンの外部導出リード線107−1、107−2に接続されている。上記の各要素が透明石英ガラス管103内に挿入される、透明石英ガラス管103の両端部は前記モリブデン箔106−1、106−2の部分で溶融され封着されている。透明石英ガラス管103内には、空気、アルゴン、又は窒素、或いはこれらの混合ガスが封入されている。本実施例の構造によれば、従来の石英ガラスを用いた赤外線電球の製造工法がそのまま利用できるので、安価な2重管構造赤外線電球を提供できる。外側の管に透明石英ガラスを用いたものでは、波長が5μm程度の遠赤外線がガラス管に吸収されることなく放射される。
【0028】
図10の2重管構造赤外線電球では、2個の赤外線電球を用いているが、1個或いは3個以上の赤外線電球を用いてもよい。2重管構造赤外線電球の透明石英ガラス管103内に封入するガスは好ましくはアルゴンであるが、他に、空気、アルゴン、窒素、クリプトン、又はキセノン或いはこれらの混合ガスが用いられる。ガスの熱伝導性等の特性を考慮して必要なガスを選択すればよい。透明石英ガラス管103として、透明のものについて説明したが、半透明或いは不透明ガラスでも何ら問題無く適用できる。本実施例は図10の実施例の構成のみに限定されるものでなく、前記の各実施例の構成を組み合わせることが可能であることは言うまでもない。
【0029】
前記各実施例の2重管構造赤外線電球は、以下に示す各種装置に適用すればその特徴が生かされる。
(1)暖房装置:例えばストーブ、サウナ、コタツ、足温器、浴室乾燥暖房機、脱衣所用ストーブ等;
(2)乾燥装置:例えば衣類の乾燥機、食器乾燥機、布団乾燥機、各種塗料・塗幕の乾燥焼きつけ装置、印刷物の乾燥装置、水洗後のプリント基板の乾燥装置、水洗後の写真印画紙の乾燥装置等;
(3)加熱装置:例えば飲料水の加熱機、観賞用水槽の加熱器、冷蔵庫の霜取り機、温水器、生ゴミ処理機、各種食品の加熱装置、電子写真におけるトナー定着用の加熱装置等;
(4)保温装置:例えばデリカート、肉まん・ソーセージ・焼き鳥・たこ焼き等の保温装置等;
(5)調理装置:例えば電子レンジ、ロースター、トースター、オーブンレンジ、焼き鳥装置、ハンバーグ調理機、各種家庭用業務用調理装置等;
(6)医療装置:例えば赤外線治療機等;
(7)焙煎装置:例えば胡麻、いりこ、コーヒー、麦茶、ピーナツ、豆菓子、アーモンド等の焙煎装置等;
(8)熟成装置:例えば果実酒、漬け物、ハム、薫製、ソーセージ、チーズ等の熟成装置;
(9)発酵装置:例えばヨーグルト、酢、醤油、乳酸飲料、ウーロン茶、発酵酒等の発酵装置;
(10)解凍装置:例えば冷凍食品の解凍装置;
(11)焼成装置:例えば蒲鉾、竹輪、パン、ケーキ、焼き芋、甘栗、海苔、魚肉等の焼成装置;
(12)殺菌装置:例えばそば、鰹節、果実、真空パック食品の殺菌装置。
【0030】
【発明の効果】
以上の各実施例で詳細に説明したように、赤外線電球を透明耐熱性ガラス管に封入した本発明の2重管構造赤外線電球は、外側のガラスに各種のガラス材料が用いられるので、例えばアルカリ成分の付着による失透現象を生じない赤外線電球が提供できる。1本或いは複数本の赤外線電球を透明耐熱性ガラス管に挿入した2重管構造赤外線電球は、種々の消費電力の電球がたやすく製作できる。外部導出リード線を外側の透明耐熱性ガラス管の一方の端部に集めた構造を有するので、2重管構造赤外線電球を各種溶液中に直接浸して使用できるという大きな特徴を有している。また、口金構造の接続部を有するので、脱着が簡単であり取り扱いの容易な赤外線電球が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の2重管構造赤外線電球の断面図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】(a)は本発明の第2実施例の保持板を有する2重管構造赤外線電球の断面図。
(b)は第2実施例の2重管構造赤外線電球を組込んだ電子レンジの断面図。
【図4】本発明の第3実施例の2重管構造赤外線電球の断面図。
【図5】本発明の第4実施例の2重管構造赤外線電球の断面図。
【図6】本発明の第5実施例の2重管構造赤外線電球の断面図。
【図7】本発明の第5実施例の2重管構造赤外線電球のソケットの断面図。
【図8】本発明の第6実施例の2重管構造赤外線電球の断面図。
【図9】本発明の第7実施例の2重管構造赤外線電球の断面図。
【図10】本発明の第8実施例の2重管構造赤外線電球の断面図。
【図11】(a)は従来の赤外線電球の断面図。
(b)は従来の赤外線電球の側断面図。
【符号の説明】
1 発熱体
2 石英ガラス管
3 端子
4、5、6、8、12 リード線
7、106 モリブデン箔
10、70、71、80、81、101、102 赤外線電球
11 透明耐熱性ガラス管
15 金属板
17 足管
18 外部導出リード線
21、55 口金
40 セラミックス板
50 反射膜
60 ソケット
86、87、88 ピン
89 キャップ
Claims (15)
- 炭素系物質の焼結体の平板状の発熱体と、
前記発熱体の両端部に接合された、耐熱性と電気伝導性を有する端子と、
前記端子に一端部が密なる嵌合で取り付けられた弾性を有する金属の内部リード線と、
前記内部リード線の他端部に一端部が接合されたモリブデン箔と、
前記モリブデン箔の他端部に接合された外部リード線と、
前記発熱体、前記端子、前記内部リード線及び前記モリブデン箔が内部に挿入され、不活性ガスが充填されて前記モリブデン箔が埋設されるように平板状に押しつぶされて溶融封止された両端部を有し、平板状の前記両端部の平面が平板状の前記発熱体の面状部の平面と平行である透明石英ガラス管と、を有する赤外線電球、及び
複数の前記赤外線電球を内部に有し、前記赤外線電球における前記端子につながる前記外部リード線に電気的に接続された外部導出リード線が、一方の端部から導出されて密閉された透明耐熱性ガラス管、
を備える2重管構造赤外線電球において、
複数の折曲げ部を有する金属板が前記赤外線電球と前記透明耐熱性ガラス管との間に配設され、前記金属板が前記赤外線電球の両端部を保持し、前記金属板に形成された折曲げ部がバネ性を有して前記透明耐熱性ガラス管の内壁に複数箇所で面接触することにより、前記赤外線電球内の前記発熱体が前記透明耐熱性ガラス管に対して所定位置に保持されるよう構成されており、
前記金属板は、前記赤外線電球における前記透明石英ガラス管の溶融封止された端部の平板状の断面形状に近似した開口を複数並設しており、当該開口に前記透明石英ガラス管のそれぞれの端部を装着することにより、複数の前記発熱体の面状部の平面が同一方向を向くよう構成された2重管構造赤外線電球。 - 前記金属板が、透明耐熱性ガラス管に外部から導入された電線に接続されて固定されていることを特徴とする請求項1記載の2重管構造赤外線電球。
- 前記透明耐熱性ガラス管の一端から導出された外部導出リード線の一方が、外周部にネジを有する口金の側面部に接続され、他方が前記側面部と絶縁された前記口金の中央部の金属板に接続され、前記口金が前記透明耐熱性ガラス管に接合されたことを特徴とする請求項1記載の2重管構造赤外線電球。
- 前記透明耐熱性ガラス管の一端から導出された外部導出リード線の一方が、外周部に突起を有する口金の側面部に接続され、他方が前記側面部と絶縁された前記口金の中央部の金属板に接合され、前記口金が前記透明耐熱性ガラス管に接合されたことを特徴とする請求項1記載の2重管構造赤外線電球。
- 前記透明耐熱性ガラス管の一端から導出された複数の外部導出リード線が、セラミックスの口金に設けられた複数の差し込みピンにそれぞれ接続され、前記セラミックスの口金が前記透明耐熱性ガラス管に接合されたことを特徴とする請求項1記載の2重管構造赤外線電球。
- 少なくとも1つの赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部から外部導出リード線を導出して封止した2重管構造赤外線電球において、
前記赤外線電球の前記透明石英ガラス管に封入された発熱体に接続された一方の内部リード線が前記赤外線電球と並行して配置された金属線により、前記外部導出リード線に接合されたことを特徴とする請求項1記載の2重管構造赤外線電球。 - 複数の赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部から外部導出リード線を導出して封止した2重管構造赤外線電球において、
前記複数の赤外線電球の消費電力及び長さが互いに異なることを特徴とする請求項1記載の2重管構造赤外線電球。 - 複数の赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部から外部導出リード線を導出して封止した2重管構造赤外線電球において、
前記複数の赤外線電球の各発熱体に接合された端子をそれぞれ外部へ導出して各赤外線電球を独立して点灯できるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の2重管構造赤外線電球。 - 複数の赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部から外部導出リード線から導出して封止した2重管構造赤外線電球において、
前記複数の赤外線電球における平板状の各発熱体の板面部が同一方向に向くように配置したことを特徴とする請求項1記載の2重管構造赤外線電球。 - 前記2重管構造赤外線電球の透明耐熱性ガラス管の断面が、非円形であることを特徴とする請求項1記載の2重管構造赤外線電球。
- 少なくとも1つの赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部から外部導出リード線を導出した2重管構造赤外線電球において、
前記透明耐熱性ガラス管の内側或いは外側のほぼ半周部分に反射膜を設けたことを特徴とする請求項1記載の2重管構造赤外線電球。 - 少なくとも1つの赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部に外部導出リード線を集めて導出した2重管構造赤外線電球において、
前記透明耐熱性ガラス管内に、空気或いは窒素或いはアルゴン或いはクリプトン或いはこれらの1種類或いは複数種が混合されたガスを封入したことを特徴とする請求項1記載の2重管構造赤外線電球。 - 少なくとも1つの赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部に外部導出リード線を集めて導出した2重管構造赤外線電球において、
バネ性の折曲げ部を複数有する金属板が前記赤外線電球と前記透明耐熱性ガラス管との間に配設され、前記金属板により前記赤外線電球の前記モリブデン箔が埋設された平板状の封止部分で保持され、前記金属板に形成された折曲げ部が前記透明耐熱性ガラス管の内壁に複数箇所で接することにより、前記赤外線電球内の前記発熱体が前記透明耐熱性ガラス管に対して所定位置に保持されるよう構成された請求項1記載の2重管構造赤外線電球。 - 少なくとも1つの赤外線電球を、一方の端部が封止された透明耐熱性ガラス管に挿入し、前記透明耐熱性ガラス管の他方の端部に外部導出リード線を集めて導出した2重管構造赤外線電球において、
赤外線電球の透明石英ガラス管と、前記透明耐熱性ガラス管との間に反射手段が設けられた請求項1記載の2重管構造赤外線電球。 - 炭素系物質の焼結体の平板状の発熱体と、
前記発熱体の両端部に接続された、耐熱性と電気伝導性を有する端子と、
前記端子に一端部が密なる嵌合で取り付けられた金属の線、金属の板状材又はより線よりなるスプリング状の内部リード線と、
前記内部リード線の他端部に一端部が接合されたモリブデン箔と、
前記モリブデン箔の他端部に接合された外部リード線と、
前記発熱体、前記端子、前記内部リード線及び前記モリブデン箔が内部に挿入され、空気、アルゴンガス、窒素又はこれらの混合ガスが充填されて前記モリブデン箔が埋設されるように平板状に押しつぶされて溶融封止された両端部を有し、平板状の前記両端部の平面が平板状の前記発熱体の面状部の平面と平行である透明石英ガラス管と、を有する赤外線電球、及び
複数の前記赤外線電球を内部に有し、前記赤外線電球における前記端子につながる前記外部リード線に電気的に接続された外部導出リード線が、両端部からそれぞれ導出されて密閉された透明耐熱性ガラス管、
を備える2重管構造赤外線電球において、
バネ性の折曲げ部を複数有する金属板が前記赤外線電球と前記透明耐熱性ガラス管との間に配設され、前記金属板が前記赤外線電球の両端部を保持し、前記金属板に形成された折曲げ部が前記透明耐熱性ガラス管の内壁に複数箇所で面接触することにより、前記赤外線電球内の前記発熱体が前記透明耐熱性ガラス管に対して所定位置に保持されるよう構成されており、
前記金属板は、前記赤外線電球における前記透明石英ガラス管の溶融封止された端部の平板状の断面形状に近似した開口を複数並設しており、当該開口に前記透明石英ガラス管のそれぞれの端部を装着することにより、複数の前記発熱体の面状部の平面が同一方向を向くよう構成された2重管構造赤外線電球。
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