JP2003113600A - パルプモールド成形体 - Google Patents

パルプモールド成形体

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JP2003113600A JP2002218406A JP2002218406A JP2003113600A JP 2003113600 A JP2003113600 A JP 2003113600A JP 2002218406 A JP2002218406 A JP 2002218406A JP 2002218406 A JP2002218406 A JP 2002218406A JP 2003113600 A JP2003113600 A JP 2003113600A
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吉晃 熊本
Masataka Ishikawa
雅隆 石川
Akira Nonomura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄肉、軽量で断熱性に優れたパルプモールド
成形体を提供すること。 【解決手段】 単一の原料組成物から抄造され且つ厚み
方向に密度分布を有する単層構造のパルプ繊維層2を有
する。前記パルプ繊維層2は、厚み方向に密度小から密
度大又は密度大から密度小に変化する密度分布を有して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、パルプモールド成形体、パルプ
モールド成形体の製造方法及び装置に係わり、特に薄
肉、軽量で断熱性能に優れたパルプモールド成形体、そ
の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】パルプ
モールド製の断熱容器に関する従来技術としては、例え
ば、特開平11−301753号公報に記載の技術が知
られている。この技術は、容器本体とその外側に所定の
隙間を有して配設された外層容器とからなる断熱性の二
重容器に関する。
【0003】このような断熱容器は、断熱を付与するた
めに容器本体の外側に外層容器を設けなければならな
い。従って、容器全体の厚みが厚くなる。また、容器が
二重構造になっているため、容器重量の軽減にも限界が
あった。
【0004】本発明は、薄肉、軽量で断熱性能に優れた
新規なパルプモールド成形体、並びに該パルプモールド
成形体を効率よく製造するための製造方法及び装置を提
供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のパルプモールド
成形体は、単一の原料組成物から抄造され且つ厚み方向
に密度分布を有する単層構造のパルプ繊維層を備える。
【0006】本発明は、単一の原料組成物からパルプ繊
維層を抄造し脱水する抄造・脱水工程と、脱水された該
パルプ繊維層を乾燥型内に配して該パルプ繊維層の厚み
方向に密度分布を付与しながら乾燥する乾燥工程とを具
備するパルプモールド成形体の製造方法に関する。具体
的には、前記乾燥型の内面には、密度分布を付与しない
前記パルプ繊維層の部分に対応させて外部に通じる排気
孔を形成し、前記排気孔を通じて前記乾燥型内を強制的
に排気しながら該乾燥型内に配された前記パルプ繊維層
の内部から弾性変形可能な中子で該パルプ繊維層を該乾
燥型の前記内面に押圧した後に、該中子による押圧力を
低下させて前記の排気を停止し、前記中子を前記パルプ
繊維層から離間させて該パルプ繊維層の厚み方向に密度
分布を付与する。
【0007】また、本発明は、前記本発明のパルプモー
ルド成形体の製造方法に用いられる製造装置に関する。
具体的には、パルプ繊維層が配設される乾燥型と、該乾
燥型内に配されたパルプ繊維層の内部から該パルプ繊維
層を該乾燥型の内面に向けて押圧する弾性変形可能な中
子とを備え、さらに前記乾燥型の前記内面には、密度分
布を付与しない前記パルプ繊維層の部分に対応させて外
部に通じる排気孔が形成されているパルプモールド成形
体の製造装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1は、イ
ンスタントカップ麺等の食品容器に用いられる断熱容器
仕様とした本発明のパルプモールド成形体の一実施形態
を示す。同図において、符号1は断熱容器、23はお湯
の入れ目線、24はスタック用段差を意味する。
【0009】図1に示すように、断熱容器1は、パルプ
繊維層2でカップ状の容器本体20が形成される。該容
器の開口縁部に所定の厚さのフランジ部21が形成さ
れ、容器本体20(パルプ繊維層2)の内面及びフラン
ジ部21は被覆層3で被覆されている。
【0010】パルプ繊維層2は、後述する単一のスラリ
ー(原料組成物)から抄造され且つ厚み方向に内側から
外側に向けてパルプ繊維層2の密度が小から大に変化す
る密度分布を、容器本体20の胴部22に有する単層構
造である。
【0011】本明細書において、パルプ繊維層に密度分
布を有するとは、パルプ繊維層内において結合するパル
プ繊維間の空隙の大きさ(空隙量:空容積)が厚み方向
に分布を持つことを意味する。空隙が大きい程パルプ繊
維層の密度は小であり、空隙が小さい程該密度は大であ
る。したがって、この繊維間の空隙の大きさが厚み方向
に一定ならば、当該パルプ繊維層は前記密度分布を有し
ていない。
【0012】パルプ繊維層2における密度は、高い強度
を得る点からは、連続的に変化していることが好まし
く、高い断熱性を得る点からは、ステップ状に非連続的
に変化していることが好ましい。
【0013】前記密度分布を有する胴部22の厚みは、
容器強度、断熱性、容器の軽量化を考慮すると、0.5
〜3.0mmが好ましく、0.5〜2.0mmがより好まし
い。0.5mm未満ではカップ麺用の容器として必要な強
度、断熱性が得られず、3.0mmを超えるとカップ麺用
の容器としては重すぎるものとなる。
【0014】前記密度分布を有する胴部22のかさ密度
(乾燥後のかさ密度)は、0.1〜0.6g/cm3
好ましく、0.2〜0.5g/cm3がより好ましい。
0.1g/cm3未満ではカップ麺容器として必要な強
度が得られなくなり、0.6g/cm3を超えると断熱
性が不十分となり、熱湯が入った容器を素手で持つこと
が困難となる。なお、密度分布を有する底部を形成する
場合の底部の密度は、胴部と同様のかさ密度とすること
が好ましい。
【0015】前記胴部22以外の部分のかさ密度(乾燥
後のかさ密度)は、0.2〜0.9g/cm3が好まし
く、特に、強度が必要な部位の密度は、0.3〜0.9
g/cm3にするのが好ましい。
【0016】前記パルプ繊維層2は、パルプ繊維のみで
形成されるのが好ましい。該パルプ繊維としては、バー
ジンパルプ、古紙パルプ等の木材パルプ、コットンパル
プ、リンターパルプ、竹やわら等の非木材パルプ、又は
これらのパルプにマーセル化及び又は架橋化を施すこと
により疎水性を付与したパルプ繊維が挙げられる。特
に、該疎水性を付与したパルプ繊維としては、米国ウェ
ハウザー社製「HBA−LA」、「HBA−S」、「H
BA−FF」等が好ましく用いられる。これらパルプ繊
維を二種以上適宜の割合で混合して用いることもでき
る。
【0017】パルプ繊維層2は、前記パルプ繊維の他、
断熱性及び表面性を向上させるため、嵩高剤を含有して
いることがより好ましい。該嵩高剤としては、陰イオン
性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面
活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。これらの嵩高
剤は、単独で又は混合して用いてもよい。特に、断熱性
が向上する嵩高剤として、花王株式会社製「KB−11
5」、「KB−08W」が好ましく用いられる。
【0018】前記パルプ繊維層2には、前記嵩高剤の他
に、顔料、定着剤、防かび剤、サイズ剤等の添加剤を含
有させることができる。
【0019】前記被覆層3は、断熱容器1に防水性、耐
油性、ガスバリアー性等の機能を付与する。被覆層3の
厚みは、これらの機能に応じて設定することができる。
被覆層3は、樹脂フィルムを積層させることにより形成
することができる。
【0020】前記被覆層3に用いられる樹脂フィルムと
しては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポ
リオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の
ポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、
ポリ塩化ビニル等のポリビニル系樹脂、ポリスチレン等
のスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂フィルム、変性ポリ
エチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル等の生分
解性樹脂フィルムが挙げられる。製造コスト、成形性等
を考慮すると、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、環境
に配慮した廃棄性の点からは、生分解性樹脂フィルムが
好ましい。被覆層は、これらの樹脂フィルムの二種以上
を積層させて形成してもよい。
【0021】次に、本発明のパルプモールド成形体の好
ましい製造装置を、断熱容器1の容器本体20の製造装
置に適用した場合につき、図2を参照しながら説明す
る。図2は、本発明のパルプモールド成形体の製造装置
を、インスタントカップ麺等の食品用断熱容器の製造に
適用した一実施形態を示す。図中、符号10は製造装置
を示す。
【0022】製造装置10は、パルプ繊維層2が配設さ
れる乾燥型11と、該パルプ繊維層2の内部より乾燥型
11のキャビティ形成面に押圧する弾性変形可能な中子
16とを備えている。
【0023】乾燥型11は、一組の割型12、12を備
えており、これらの割型12、12を組み合わせること
により、前記容器本体20の外形に対応したキャビティ
110が形成される。
【0024】乾燥型11の前記内面には、密度分布を付
与しないパルプ繊維層2の部分に対応させて外部に通じ
る排気孔13が形成されている。本実施形態では、乾燥
型11のキャビティ形成面の前記容器本体20の胴部2
2に対応する部分には蒸気の排気孔がなく、該キャビテ
ィ形成面における容器本体20のフランジ部21、底部
(底面及び底面から立ち上がる部分を含む)に対応する
部分に外部に通じる蒸気の排気孔13が設けられてい
る。
【0025】前記の各排気孔の形状は、得られる成形体
の表面平滑性、排気効率、排気孔の目詰まり防止の観点
からスリット状が好ましい。排気孔の幅(スリット幅)
は、0.1〜0.5mmが好ましく、0.1〜0.3mmが
より好ましい。また、前記の排気孔の全開口面積は、本
実施形態においては、容器強度、シミ防止の観点から1
00〜1500mm2が好ましく、200〜1000mm2
より好ましい。製造される成形体に角部や稜線等エッジ
を明瞭に出したい部分がある場合には、当該角部等エッ
ジを出したい部分において排気孔13を開口させること
が好ましい。排気孔13は、開閉バルブ131を具備す
る排気管路130に接続されており、この排気管路13
0の端部は負圧源(図示せず)に接続される。
【0026】乾燥型11は、上方開口部111を閉塞す
る蓋15を備えており、蓋15は、前記開口部111に
通じ、中子16の出し入れが可能な孔14を有してい
る。乾燥型11を構成する各割型12には、加熱手段1
20が取り付けられている。
【0027】前記中子16は、弾性を有し膨張収縮自在
で且つ袋状である。中子16の材質としては引張強度、
反発弾性及び伸縮性等に優れたウレタン、フッ素系ゴ
ム、シリコーン系ゴム又はエラストマー等を挙げること
ができる。中子16には、当該中子16内に加圧流体を
供給する管路17が付設されており、管路17には開閉
バルブ18が設けられている。管路17の端部には切り
替え可能な負圧源及び加圧源(図示せず)が接続されて
いる。
【0028】次に、本発明のパルプモールド成形体の好
ましい製造方法を、前記断熱容器1の製造方法に基づい
て説明する。断熱容器1の製造方法は、容器本体20を
形成するパルプ繊維層2の抄造・脱水工程と、脱水され
たパルプ繊維層2を乾燥する乾燥工程と、前記被覆層3
の形成工程とを具備している。
【0029】パルプ繊維層2の抄造・脱水工程では、先
ず、単一のスラリー(単一の原料組成物)から単層構造
のパルプ繊維層2を抄造する。この抄造工程では、一対
の割型の各割型を組み合わせることにより、前記容器本
体2に対応した所定形状のキャビティが形成される抄造
型が用いられる。該キャビティの上方には開口部が形成
されている。
【0030】抄造型を構成する各割型には、前記キャビ
ティと外部とを連通する複数の連通路が形成されてい
る。各連通路は、吸引ポンプ等の吸引手段(図示せず)
に接続されている。割型の内面(キャビティ形成面)に
おける連通路の全開口面積率は、排水時間の短縮、成形
性の点から4〜20%が好ましく、3〜50%でがより
好ましい。また、キャビティ形成面には、各連通路に通
じる排水溝が形成されていることが好ましい。キャビテ
ィ形成面における排水溝の全開口面積率は、抄造ネット
の変形防止、成形性、排水性、及び抄造ネットの目詰ま
り防止の点から50〜90%が好ましく、60〜80%
がより好ましい。また、この排水溝の幅は、抄造ネット
の変形防止、成形性、排水性、及び抄造ネットの目詰ま
り防止の点から1〜10mmが好ましく、2〜5mmがより
好ましい。排水溝は、各連通路を結ぶように格子状に形
成されていることが好ましい。
【0031】各割型の内面は、所定の抄造ネットによっ
て被覆されている。抄造ネットは、天然繊維、合成繊維
又は金属繊維からなるネットを単一で又は複数組み合わ
せて用いることができる。また、上記素材の中では、ネ
ットの形成のし易さ、耐久性の点から合成繊維が好まし
い。前記天然繊維としては、植物繊維、動物繊維等が挙
げられる。また、前記合成繊維としては、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、半合成樹脂からなる合成樹脂繊維が
挙げられる。また、上記金属繊維としては、ステンレス
繊維、銅繊維等が挙げられる。抄造ネットは、ネットの
滑り性、耐久性を向上させる上で繊維表面の改質を行う
ことが好ましい。製造される抄造体の成形性、耐久性、
スラリー中の固形成分の通過や目詰まり防止などを考慮
すると、抄造ネットの線径は好ましくは0.05〜1.
0mm、より好ましくは0.05〜0.5mmで、該ネット
の網目間隔は好ましくは0.15〜2.0mm、より好ま
しくは0.15〜1.5mmである。
【0032】所定量のスラリーがキャビティ内に加圧注
入され、前記排水溝、前記連通路を通じて吸引ポンプで
キャビティ内が減圧吸引される。そして、スラリー中の
水分が吸引除去され、キャビティの形成面を被覆する前
記抄造ネット上にパルプ繊維層が形成される。キャビテ
ィ内へのスラリーの注入圧力は、スラリー注入時間の短
縮、成形性の点から0.05〜1.0MPaが好まし
く、0.05〜0.5MPaがより好ましい。減圧され
た前記連通路を通じたキャビティ内の気圧は、脱水時間
の短縮、成形性の点から10〜90kPaが好ましく、
20〜70kPaがより好ましい。
【0033】パルプ繊維層2の抄造に用いられる単一の
スラリーは、パルプ繊維と水のみからなるものが好まし
く用いられる。該パルプ繊維としては、バージンパル
プ、古紙パルプ等の木材パルプ、コットンパルプ、リン
ターパルプ、竹やわら等の非木材パルプ、又はこれらの
パルプにマーセル化及び又は架橋化を施すことにより疎
水性を付与したパルプ繊維が挙げられる。特に、該疎水
性を付与したパルプ繊維が好ましく、米国ウェハウザー
社製「HBA−LA」、「HBA−S」、「HBA−F
F」等が好ましく用いられる。これらパルプ繊維が、単
独で又は二種以上適宜の割合で混合されて用いられる。
該スラリー中のパルプ繊維の含有量は、0.05〜10
wt%が好ましく、0.05〜4wt%がより好まし
い。パルプ繊維層2の抄造に用いられる単一のスラリー
には、前記嵩高剤、サイズ剤、顔料、定着剤、防かび剤
等の添加剤を適宜の割合で添加することができる。
【0034】所定量のスラリーをキャビティ内に加圧注
入した後、前記連通路を通してキャビティ内の減圧を継
続するとともに、キャビティ内に加圧流体を供給して抄
造されたパルプ繊維層2を脱水する。脱水に用いられる
加圧流体には、空気、蒸気、過熱蒸気等が用いられる。
脱水時の加圧流体の圧力は、脱水効率の点から0.05
〜1.0MPaが好ましく、0.05〜0.5MPaが
より好ましい。
【0035】脱水後のパルプ繊維層2の含水率は、乾燥
効率、乾燥後の容器の表面平滑性及び断熱性、乾燥後の
容器表面の焦げ発生防止の観点から、50〜85%が好
ましく、60〜80%がより好ましい。
【0036】パルプ繊維層2が所定の含水率まで脱水さ
れた後、キャビティ形成面からパルプ繊維層2を離間さ
せる。そして、未乾燥状態のパルプ繊維層2を前記乾燥
型11内に移行させる。
【0037】本実施形態のように、フランジ部21を有
する容器本体20を形成する場合には、容器本体20の
胴部22に対応する乾燥型11のキャビティ形成面に
は、蒸気の排気孔が配されず、容器本体20のフランジ
部21、底部(底面及び底面から立ち上がる部分を含
む)に対応する該キャビティ形成面には外部に通じる蒸
気の排気孔13が配される。図3(b)に示すように、
乾燥型11内に前記パルプ繊維層2がセットされ、乾燥
型11の上方開口部111が、挿通孔14を有する蓋1
5で閉塞された後、乾燥型11が加熱手段120で所定
温度にまで加熱される。
【0038】乾燥型11の温度(金型温度)は、パルプ
繊維層2の焦げ発生防止と乾燥効率向上の観点から15
0〜300℃が好ましく、170〜250℃がより好ま
しい。
【0039】乾燥型でパルプ繊維層を加熱する一方、図
3(b)に示すように、前記中子16を、前記蓋15の
前記挿通孔14を通じて乾燥型11のキャビティ110
内に挿入し、キャビティ110を密閉する。そして、中
子16内に加圧流体を供給して中子16をキャビティ1
10内で膨らませることにより、パルプ繊維層2をキャ
ビティ形成面に押圧して加熱・乾燥させる。
【0040】加熱・乾燥時の中子16の押圧力は、断熱
性、乾燥効率、表面平滑性の点から、0.05〜1.0
MPaが好ましく、0.1〜0.3MPaがより好まし
い。
【0041】この加熱・乾燥の際には、パルプ繊維層2
から発生する蒸気を前記排気孔13を通じて強制排気す
る。これにより、排気孔の形成されていない部分に対応
するパルプ繊維層2の部位では、繊維間に残留する水分
が排気孔に達する前に一部気化して繊維間の空隙を広げ
るのでパルプ繊維層2が内側で低密度化される。一方、
容器本体20の開口部及び底部に対応する排気孔13が
形成された部分では気化した水分が直ちに排気孔から排
気されるため、中子の押圧力で圧縮され続けることによ
ってパルプ層2の高密度化が進行する。
【0042】前述の強制排気の圧力は、乾燥効率、容器
の嵩高化の点から、4〜60kPaが好ましく、4〜1
0kPaがより好ましい。
【0043】パルプ繊維層2が十分に乾燥できたら、図
3(c)に示すように、中子16内から加圧流体を除去
して中子16を縮小させ、キャビティ110内を減圧す
る一方で排気孔13を通した強制排気を停止する。
【0044】前述の強制排気をしながら中子16でパル
プ繊維層2を加圧する工程と、強制排気を中止して中子
16を収縮させる工程は、必要に応じて繰り返し行うこ
とができる。
【0045】そして、容器本体20の胴部22に十分な
密度分布が付与された後、図3(d)に示すように、割
型12、12を開いて容器本体20を取り出し、必要に
応じて容器本体にトリミング等を施す。
【0046】前記被覆層3の形成工程では、容器本体2
0(パルプ繊維層2)の内面及びフランジ部21が前記
被覆層3で被覆される。前記樹脂フィルムで被覆層3を
形成するには、圧空成形、真空成形等の公知の方法を用
いることができる。
【0047】真空成形による場合には、例えば、図4
(a)及び(b)に示すように、真空成型型5及びヒー
ター60を備えたプラグ6を用いて被覆層を形成するこ
とができる。真空成型5は、前記パルプ繊維層2の乾燥
工程で使用した前記乾燥型10と略同寸法であり、その
キャビティ形成面50に格子状の通気溝51を有し、且
つ通気溝51から外部に通じる真空吸引路52を有して
いる。そしてこの真空成形型5内に容器本体20がセッ
トされ、更に容器本体20の開口部を塞ぐように予め加
熱され軟化した樹脂フィルム30が該開口部にセットさ
れる。そして、樹脂フィルム30にその上方からプラグ
6が当接されて樹脂フィルム30が容器本体20内に押
し込まれる一方で、容器本体20の通気性を利用して通
気溝51及び真空吸引路52を通じて容器本体20内が
減圧され、樹脂フィルム30が容器本体20の内面及び
フランジ部21を覆うように貼り付けられる。そして、
余分な樹脂フィルム30を除去して、断熱容器1の製造
が完了する。
【0048】このように、容器本体20は、厚み方向に
内側から外側に向けて密度小から密度大に変化する密度
分布を胴部22に有する単一構造のパルプ繊維層2で形
成されているので、薄型、軽量で、断熱性に優れてお
り、容器本体の外側において所望の強度を得ることがで
きる。また、低密度化のための、発泡剤を使用しないの
で、パルプ繊維層及び被覆層に生分解性の材料を用いる
ことで、環境保全に対応した優れた断熱容器が得られ
る。さらに、胴部22及び底部につなぎ目が無く、フラ
ンジ部21、胴部22及び底部が一体的に形成されてお
り、機械的強度(圧縮強度、耐性)にも優れている。加
えて、パルプ繊維層2の外表面も高密度で表面が平滑で
あるため、印刷特性にも優れている。
【0049】単一のスラリーによる1回のみの抄造で形
成されたパルプ繊維層2で容器本体20は構成されてい
るため、断熱容器1の製造工程は従来法よりも簡略化、
短縮化される。従って、断熱容器1の生産効率は従来法
によりも大幅に向上する。
【0050】本発明は、上記実施形態の断熱容器1に限
定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
において適宜変更することができる。
【0051】本発明のパルプモールド成形体は、前記実
施形態のような断熱容器1の場合には、パルプ繊維層に
おける前記密度分布を容器本体の胴部に有していること
が好ましいが、前記密度分布を有する部位は、パルプモ
ールド成形体の用途や形状等に応じて設定することがで
きる。また、どんぶり形状、トレー形状等容器全体的に
断熱性が必要とされる場合には、パルプ繊維層全体に前
記密度分布を有しているようにすることもできる。01-6
06
【0052】本発明のパルプモールド成形体は、前記実
施形態の断熱容器1のように、厚み方向に内側から外側
に向けて密度小から密度大に変化する密度分布を有して
いる単層構造のパルプ繊維層を備えていることが好まし
い。一方、内容物を保護することを主目的とする容器、
吸音機能を持たせた工業用部材等は、厚み方向に内側か
ら外側に向けて密度大から密度小に変化する密度分布を
有している単層構造のパルプ繊維層を備えていてもよ
い。
【0052】本発明のパルプモールド成形体は、前記実
施形態のように、フランジ部21は、パルプ繊維層2の
抄造時に形成されることが好ましいが、パルプ繊維層の
抄造後に曲げ加工によってフランジ部を形成することも
できる。また、フランジ部の形態は、外向きに所定の曲
率でカールする形態に限定されず、他の形態でもよい。
【0053】本発明のパルプモールド成形体は、前記実
施形態のように、被覆層3を樹脂フィルムで形成するこ
とが好ましいが、塗料の塗工により該被覆層を形成する
こともできる。塗料の塗工手法としては、該塗料の塗
布、該塗料内への容器本体2の浸漬等の手法が挙げられ
る。また、本発明のパルプモールド成形体は、外面を前
記繊維層2の密度以上の高密度の別のパルプ繊維層で被
覆することにより、印刷適性、強度、耐水性等のさらな
る向上を達成することができる。
【0054】本発明のパルプモールド成形体は、前記実
施形態のように、一組の割型を組み合わせることで所定
のキャビティが形成される抄造型を用いてパルプ繊維層
を抄造することが好ましいが、製造されるパルプモール
ド成形体の形状によっては割型を用いる必要はない。ま
た、他の抄造方法を用いることもできる。例えば、容器
本体の外形に対応した凸状形態を有し且つその外表面に
おいて開口する多数の流体流通孔を有する抄造部と、該
抄造部を覆う所定の抄造ネットとから構成された雄型
を、前記スラリー中に浸漬し、前記流体流通孔を通じて
該スラリーを吸引して前記抄造ネット表面にパルプ繊維
を抄造させてパルプ繊維層を形成することもできる。雄
型の材質は剛体でもよいし、弾性体でもよい。
【0055】また、本発明のパルプモールド成形体は、
パルプ繊維層2の形状が複雑な場合でも、該パルプ繊維
層を均一に押圧できる点から中空の中子を用いてパルプ
繊維層2を加熱・乾燥することが好ましいが、パルプ繊
維層2の加熱・乾燥には、中実の中子を用いることもで
きる。本発明のパルプモールド成形体は、抄造されたパ
ルプ繊維層の外形に対応する形状の雌型に該パルプ繊維
層を配した後、該雌型とは一定のクリアランスを有する
加熱された雄型を該雌型に組み合わせて該パルプ繊維層
を乾燥させることによって形成することもできる。更
に、本発明のパルプモールド成形体は、あらかじめ雌型
内に乾燥した高密度パルプの成形体(別のパルプ繊維
層)を配し、該パルプの成形体と抄造された湿潤状態の
パルプ繊維層とを合体させた後、該雌型とは一定のクリ
アランスを有する加熱された雄型を該雌型に組み合わせ
て該合体物を乾燥させることにより形成することもでき
る。このような乾燥方法を採用することにより、湿潤状
態のパルプ繊維層から発生する蒸気によって該湿潤状態
のパルプ繊維層が押し広げられると共に関そうするの
で、外側が高密度のパルプ繊維層で被覆され、外側から
内側に向かって密度小から密度大に変化する密度分布を
有するパルプモールド成形体が得られる。この成形体
は、印刷適性、強度、耐水性に非常に優れ、内側の表面
性にも優れる。なお、本発明に係る前記別のパルプ繊維
層は、前記パルプ繊維層2の製造に使用される繊維を用
いて通常の抄造方法によって形成することができる。
【0056】本発明のパルプモールド成形体は、前記実
施形態のように、フランジ部を備えた断熱容器に特に好
適であるが、本発明の成形体の適用対象は、これに限定
されるものではなく、例えば、どんぶり状の容器、ボト
ル状の容器、トレー容器等の各種形状の容器、筒状成形
体等の中空成形体、平板状の成形体等にも適用できる。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。実施例1及び比較例1の記載に準じて断熱容
器を作製し、該容器の各性能評価を行った。評価の結果
を表1に示す。
【0058】〔実施例1〕 <容器本体寸法形状> 高さH:106mm 開口部内径φ1:90mm 底部外形φ2:68.5mm フランジ部最大外径φ3:96mm フランジ部厚さT:3mm 胴部厚みT22:1.4mm 底部厚みT25:1.2mm
【0059】上記寸法形状の容器本体に対応したキャビ
ティが形成される一組の割型を備えた下記抄造型を用い
下記条件でパルプ繊維層を抄造した。
【0060】<抄造型> 材質:アルミニウム 連通路の全開口面積:1287mm2(胴部、底部に対応
する部分:φ3×54個=382mm2、フランジ部外周
に対応する部分:スリット状に3mm幅で全周=905mm
2) 排水溝(格子状)の全開口面積:25071mm2 排水溝幅:3mm キャビティ形成面における排水溝の全開口面積率:75
% 抄造ネット:20メッシュのPET製ネット及び80メ
ッシュのPET製ネットからなる二重抄造ネット
【0061】<スラリー組成> パルプスラリー濃度:0.1重量% パルプ繊維:架橋化パルプ(米国ウェハウザー社製「H
BA−LF」50重量%+ブリーチクラフトパルプ(B
KP)50重量%) 嵩高剤:花王(株)製「KB115」(対パルプ繊維重
量比5%) サイズ剤:日本PMC社製「AS262」(対パルプ繊
維重量比2%)
【0062】<抄造条件> スラリー供給量:15リットル(1回のみ) スラリー供給圧力:0.2MPa キャビティの吸引圧:0.06MPa
【0063】下記の条件でキャビティ内に加圧流体を供
給し、含水率75%となるまで脱水した。 <脱水条件> 加圧流体:圧縮空気 押圧力:0.2MPa(15秒間) キャビティの吸引圧:0.06MPa
【0064】製造される容器本体のフランジ部外周及び
底部(底面及び底面からの立ち上がり部分)に対応する
部分に下記排気孔を有する乾燥型を用意し、該乾燥型内
にパルプ繊維層を配し、排気孔を通じて強制排気をしな
がら下記中子で該パルプ繊維層を加圧する。その後強制
排気を中止して中子を収縮させ、容器本体を作製した。 <乾燥型> 材質:アルミニウム 各排気孔のスリット幅:0.15mm フランジ部に対応する部分:フランジ部外周に縦に3mm
ピッチで4本(うち1本は、フランジ部の外周面と下面
で形成される角部に対応する部分で開口) 底部に対応する部分:底面に5mmピッチで4本(一つの
割型)、底面からの立ち上がり部分全周に縦に3mmピッ
チで5本 キャビティ形成面における排気孔の全開口面積:396
mm2 キャビティ形成面における全排気孔の全開口面積率:
1.2% <中子> 材質:シリコーン系ゴム 加圧流体:圧縮空気 <乾燥条件> 金型温度:200℃ 中子押圧力:0.2MPa(15秒間) 強制排気圧:5kPa
【0065】<被覆層の形成>得られた容器本体に下記
条件で被覆層を形成し、断熱容器を作製した。 樹脂フィルム:ポリエチレン(LDPE/HDPE二層
構造) 樹脂フィルム厚み:150μm 真空成形機:三和興業製 商品名PLAVAC−FE3
6PHS フィルム加熱方式:赤外線ヒーター(ヒーターと樹脂フ
ィルムの間隔110mm) フィルム加熱温度:255℃(成形機表示温度) フィルム加熱時間:35秒 プラグ寸法:直径60mm×長さ127mm プラグ材質:アルミニウム(表面はテフロン(登録商
標)で加工されている) プラグ温度:110℃(プラグ実表面温度) 真空成形用金型:口部孔径φ89.8mm、底部径φ6
8.5mm、高さ93.5mm 真空成形用金型温度:100℃(金型内側実表面温度) 成形時間:8秒
【0066】〔比較例1〕容器本体の胴部に対応する部
分にも排気孔(幅0.15mm、胴部の略全周、縦に10
mm間隔)が形成された乾燥型を用いた以外は、実施例1
と同様に断熱容器を作製した。
【0067】〔密度評価〕得られた容器本体の各部位を
切り出し、その見かけの体積及び重量からかさ密度を測
定した。
【0068】〔密度分布の評価〕電解放射型走査電子顕
微鏡(日立社製「S−4000型」)を用い、得られた
容器の各部位を倍率50倍で観察し、密度分布の有無を
判定した。
【0069】〔重量評価〕得られた容器を100℃で1
時間低湿度室内で乾燥させ、乾燥後の重量を測定した。
【0070】〔断熱特性評価〕得られた容器の胴部の外
側に熱電対を張り付け、容器内に80℃の熱湯を注入
し、注入してから3分経過後の容器の胴部外側の温度を
測定した。また、熱湯を注入した容器を手で把持できる
かどうかを調べた。 <熱電対による温度測定> ○:60℃未満 △:60〜65℃ ×:65℃超 <手による容器把持試験> ○:温かく感じるレベル △:少し熱く感じるが把持できるレベル ×:熱く感じ、把持できないレベル
【0071】〔強度評価〕圧縮試験器(オリエンテック
社製、テンシロン、「RTA−500」)を用い、得ら
れた容器の縦圧縮強度及び横圧縮強度を下記の方法で評
価した。 <縦圧縮強度>得られた容器の開口部を下にして該容器
を載置台に載置し、容器底部の上方からクロスヘッドス
ピード20mm/minで押圧子を降下させたときの容器胴
部の圧縮強度を求めた。 ○:25kgf以上(包装時、搬送時、使用時に必要な
強度) ×:25kgf未満 <横圧縮強度>容器のフランジ部に対応する部分に該フ
ランジ部を収納する溝が形成された載置台に、得られた
容器を水平に載置し、容器胴部の上方からクロスヘッド
スピード20mm/minで直径10mmの丸棒の押圧子を降
下させたときの該容器胴部の圧縮強度を求めた。そし
て、得られた強度を、下記のように市販の発泡スチレン
製容器の値と相対評価した。 <評価> ○:発泡スチレン容器と同等又はそれ以上(包装時、搬
送時、使用時に耐える強度) ×:発泡スチレン容器以下
【0072】
【表1】
【0073】表1に示すように、実施例1の断熱容器
は、比較例1の断熱容器に比べ、薄肉、軽量で、断熱性
に優れ、インスタントカップ麺用の容器として十分に使
用できるものであることが確認された。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、薄肉、軽量で断熱性能
に優れた新規なパルプモールド成形体、並びに該パルプ
モールド成形体を効率よく製造することが可能なパルプ
モールド成形体の製造方法及び装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、断熱容器とした本発明のパルプモール
ド成形体の半断面図である。
【図2】図2は、本発明のパルプモールド成形体の製造
装置の一実施形態を模式的に示した図である。
【図3】図3(a)〜(d)は、前記断熱容器における
容器本体を形成するパルプ繊維層の乾燥工程を模式的に
示す図である。図3(a)は抄造後のパルプ繊維層を乾
燥型内に配設した状態を示す。図3(b)は乾燥型のキ
ャビティ内で中子によりパルプ繊維層を押圧している状
態を示す。図3(c)は中子を収縮させている状態を示
す。図3(d)は脱型した容器本体を示す。
【図4】図4(a)及び(b)は、前記断熱容器におけ
る被覆層の形成工程を模式的に示す。図4(a)は真空
成形により容器本体の内面に樹脂フィルムを積層してい
る状態を示す。図4(b)は樹脂フィルムの積層につい
ての要部の拡大である。
【符号の説明】
1 断熱容器(パルプモールド成形体) 2 パルプ繊維層 20 容器本体 21 フランジ部 22 胴部 3 被覆層 10 製造装置 11 乾燥型 110 キャビティ 111 開口部 12 割型 120 加熱手段 13 排気孔 130 排気管路 131 開閉バルブ 14 挿通孔 15 蓋 16 中子 17 管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 雅隆 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 野々村 著 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 3E033 AA08 BA10 BA15 BA16 BA18 BA19 BA21 BA22 BB08 CA08 CA09 CA16 DA08 DD01 FA02 4L055 BF08 CJ06 FA19 FA30 GA05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一の原料組成物から抄造され且つ厚み
    方向に密度分布を有する単層構造のパルプ繊維層を備え
    ているパルプモールド成形体。
  2. 【請求項2】 前記パルプ繊維層に厚み方向に密度小か
    ら密度大に又は密度大から密度小に変化する密度分布を
    有する請求項1記載のパルプモールド成形体。
  3. 【請求項3】 前記パルプ繊維層の少なくとも内面又は
    外面が被覆層で被覆されている請求項1記載のパルプモ
    ールド成形体。
  4. 【請求項4】 前記パルプ繊維層の外面が、該パルプ繊
    維層とは別のパルプ繊維層で被覆されている請求項1記
    載のパルプモールド成形体。
  5. 【請求項5】 前記別のパルプ繊維層の密度が前記パル
    プ繊維層の最大密度以上の密度である請求項4記載のパ
    ルプモールド成形体。
  6. 【請求項6】 前記パルプ繊維層及び前記被覆層が生分
    解性の材料で形成されている請求項1記載のパルプモー
    ルド成形体。
  7. 【請求項7】 前記パルプ繊維層でカップ状の容器本体
    が形成されており、その開口縁部にフランジ部が形成さ
    れている請求項1記載のパルプモールド成形体。
  8. 【請求項8】 前記密度分布を前記容器本体の胴部に有
    している請求項7記載のパルプモールド成形体。
  9. 【請求項9】 前記容器本体における前記フランジ部及
    び底部が胴部よりも高密度に形成されている請求項7記
    載のパルプモールド成形体。
  10. 【請求項10】 単一の原料組成物からパルプ繊維層を
    抄造し脱水する抄造・脱水工程と、脱水された該パルプ
    繊維層を乾燥型内に配して該パルプ繊維層の厚み方向に
    密度分布を付与するように乾燥する乾燥工程とを具備す
    るパルプモールド成形体の製造方法であって、 前記パルプ繊維層における密度分布を付与しない部分に
    対応する前記乾燥型の内面に、外部に通じる排気孔を形
    成し、 前記排気孔を通して前記乾燥型内を排気しながら弾性変
    形可能な中子で該乾燥型内に配された前記パルプ繊維層
    を該乾燥型の前記内面に向けて押圧した後に、該中子の
    押圧力を低下させて前記排気孔を通した排気を停止し、
    前記中子を前記パルプ繊維層から離間させて該パルプ繊
    維層の厚み方向に密度分布を付与するパルプモールド成
    形体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記中子による前記パルプ繊維層の押
    圧工程と、前記中子の押圧力を低下させて排気を停止す
    る工程を繰り返して行いながら前記パルプ繊維層を乾燥
    する請求項10記載のパルプモールド成形体の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記パルプ繊維層の少なくとも内面又
    は外面を被覆層で被覆する工程を具備している請求項1
    0記載のパルプモールド成形体の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項10記載のパルプモールド成形
    体の製造方法に用いられる製造装置であって、 パルプ繊維層が配設される乾燥型と、該乾燥型内に配さ
    れたパルプ繊維層をその内部より該乾燥型の内面に向け
    て押圧する弾性変形可能な中子とを備え、 前記パルプ繊維層の密度分布を付与しない部分に対応し
    た前記乾燥型の前記内面に、外部に通じる排気孔が形成
    されているパルプモールド成形体の製造装置。
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