JP2002105899A - 抄造容器 - Google Patents

抄造容器

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JP2002105899A
JP2002105899A JP2000301485A JP2000301485A JP2002105899A JP 2002105899 A JP2002105899 A JP 2002105899A JP 2000301485 A JP2000301485 A JP 2000301485A JP 2000301485 A JP2000301485 A JP 2000301485A JP 2002105899 A JP2002105899 A JP 2002105899A
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Yoshiaki Kumamoto
吉晃 熊本
Masataka Ishikawa
雅隆 石川
Shingo Odajima
信吾 小田嶋
Tokihito Souya
時人 惣野
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液状又は湿潤性の物品を長期間に亘って安定
的に収容することができる抄造容器を提供すること。 【解決手段】 液状又は湿潤性の物品を収容するための
抄造容器である。最内層に透湿度が100g/m2であ
る水分バリア層Aを備え、少なくとも水分バリア層Aの
外側に透湿度が30〜300g/m2である水分バッフ
ァ層Bを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状又は湿潤性の
物品を収容するための抄造容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】抄造容
器に防水性、防湿性を付与した容器に関する従来技術と
しては、例えば、特開平10−46500号公報に記載
の技術が知られている。この技術では、、パルプ繊維を
主原料とする抄造容器の内面又は外面に高分子化合物を
主成分とするバリア層を形成し、収容物から生じる液状
物や水蒸気によって当該抄造容器の保形性が損なわれる
のを防ぐか又は液状物や水蒸気の容器外への漏れを防ぐ
ようにしたものである。
【0003】しかしながら、上述のように抄造容器の内
面又は外面にバリア層を形成した場合でも、液状又は湿
潤性の物品を長期間に亘って収容すると、収容した該物
品の水分が容器壁部を通じて次第に蒸散してしまい、該
物品の粘度が高くなったり、固化したりして該物品の性
状が変化してしまう場合があった。
【0004】従って、本発明の目的は、液状又は湿潤性
の物品を長期間に亘って安定的に収容することができる
抄造容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、最内層に
水分バリア層を備えた抄造容器における該水分バリア層
の外側に所定の吸湿度を有する水分バッファ層を設ける
ことによって、容器に収容した液状又は湿潤性の物品か
ら揮散した水分が、該水分バリア層を透過しても、該水
分バッファ層において一旦吸収される結果、該水分バリ
ア層へのその後の水分の透過が抑えられ、物品を長期間
に亘って安定的に収容し得ることを知見した。
【0006】本発明は、前記知見に基づきなされたもの
であり、液状又は湿潤性の物品を収容する抄造容器であ
って、最内層に透湿度が100g/m2・24hである
水分バリア層を備え、少なくとも該水分バリア層の外側
に透湿度が30〜300g/m2である水分バッファ層
を備えた抄造容器を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明の抄
造容器は、液状又は湿潤性の物品を収容するための抄造
容器であって、最内層に透湿度が100g/m2・24
h以下である水分バリア層を備え、少なくとも該水分バ
リア層の外側に所定の吸湿度の水分バッファ層を備えて
いるものである。
【0008】本発明の抄造容器における前記水分バッフ
ァ層の吸湿度は、30〜300g/m2であり、40〜
250g/m2であることが好ましく、50〜200g
/m2であることがより好ましい。該水分バッファ層の
吸湿度が30g/m2未満であると、水分の蒸散を抑え
ることができず、収容物の粘度が高くなったり、固化し
たりしてその性状が変化してしまう場合があり、300
g/m2を超えると、容器の肉厚が厚くなったり、重量
が増大し、成形性、経済性が悪くなる。
【0009】本発明の抄造容器における前記水分バッフ
ァ層は、パルプ繊維のみからなるものであってもよく、
パルプ繊維を主成分とし、これに成形助剤、顔料、耐水
化剤、水溶性樹脂、撥水剤、定着剤、防かび剤、帯電防
止剤等の他の成分を含むませたものであってもよい。該
水分バッファ層中の当該他の成分の含有量(乾燥工程後
常温における含有量)は、0.1〜10重量%であるこ
とが好ましく、0.5〜5.0重量%であることがより
好ましい。これらの水分バッファ層に用いられるパルプ
繊維は、水分バッファ層が容器の最外層となる場合に
は、外観性、着色のし易さ等の点から漂白古紙が好まし
く用いられる。
【0010】また、該水分バッファ層には、パルプ繊維
に加えて、タルクやカオリナイト等の無機物、ガラス繊
維や炭素繊維等の無機繊維、非木材又は植物質繊維、ポ
リエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レン等の合成樹脂繊維、ポリ乳酸等を主成分とする生分
解性繊維、多糖類等の他の成分を含ませることができ
る。水分バッファ層中におけるこれらの他の成分の含有
量は3〜50重量%であることが好ましく、5〜30重
量%であることがより好ましい。
【0011】本発明の抄造容器における前記水分バリア
層の透湿度は、収容物の長期の保存安定性、収容物の蒸
散防止等の点から100g/m2・24h以下であり、
50g/m2・24h以下であることが好ましく、30
g/m2・24hであることがより好ましい。このよう
に、水分バリア層の透湿度は低い程好ましいが、透湿度
が1.0g/m2・24hであると実用上十分である。
【0012】前記水分バリア層は、アクリル系樹脂、ス
チレン系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、オレ
フィン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ワックス系樹脂、ポリ乳酸等を主成分とした生分
解性樹脂又はこれらの共重合樹脂で形成することができ
る。そして、これらの中でも、高い水蒸気バリア性と、
廃棄時の取扱いの点において、特にアクリル系樹脂、オ
レフィン系樹脂又はこれらの共重合樹脂が好ましく用い
られる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を混合し
て用いることができる。また、該水分バリア層には、水
蒸気バリア性、耐水性、耐アルカリ性、耐酸性を高める
観点から、前記樹脂の他に、モンモリロナイト等の粘土
鉱物等の無機フィラーを適宜の割合で配合することがで
き、また、同様の観点から、前記樹脂の他に、カルナウ
バワックス等の動植物ワックス、パラフィン、マイクロ
クリスタリン等の石油ワックス等のワックスを適宜の割
合で含有させることができる。該水分バリア層は、前記
コート剤をパルプ繊維層の表面にスプレーするか又は該
コート剤にパルプ繊維層の表面を浸漬させ、その後乾燥
させる(溶融液の場合は固化させる)ことにより形成す
ることができる。また、収容物の浸透による容器の機械
的強度低下や内容物の揮散を防止するには、水分バリア
層の吸水度が30%以下であることが好ましい。ここ
で、水分バリア層の吸水度は、塗膜が簡単に剥がれやす
い樹脂、例えばポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂のフィルム上に前記コート剤を塗布して塗膜
を形成し、23℃、相対湿度50%の環境下で2時間調
湿した後に該塗膜を該フィルムから剥がして得られたも
のを水中に24時間浸漬した前後での重量増加分をい
う。
【0013】本発明の抄造容器は、より高い水分バリア
性を得る観点から、最外層に、他の水分バリア層を備え
ていることが好ましい。該他の水分バリア層は、最内層
に形成する前記水分バリア層と同様にして形成すること
ができるが、最外層に形成する該他の水分バリア層は、
最内層に形成する水分バリア層と同じ配合組成とするこ
ともでき、異なる配合組成とすることもできる。
【0014】本発明の抄造容器は、液状又は湿潤性の物
品からの水分の蒸散防止の点から、容器内部から外部へ
の水蒸気拡散係数が10.0×10-72/h以下であ
ることが好ましく、6.0×10-72/h以下である
ことがより好ましい。このように、容器内部から外部へ
の水蒸気拡散係数は低い程好ましいが、0.5×10 -7
2/hであると実用上十分である。
【0015】本発明の抄造容器は、液状又は湿潤性の物
品の蒸散防止の点において、物品を収容する前における
前記水分バッファ層の含水率が5〜15重量%であるこ
とが好ましく、7〜12%であることがより好ましい。
本発明の抄造容器は、例えば、高湿度下で一定時間調湿
することによって、該水分バッファ層の含水率を斯かる
範囲とすることができる。
【0016】本発明の抄造容器は、例えば、図1に示す
ようにボトル状とすることができ、その層構成は、最内
層としての水分バリア層Aの外側に水分バッファ層Bが
形成され、さらにその外側に最外層として他の水分バリ
ア層Cが形成されたものとすることができる。
【0017】前記水分バッファ層の厚み(乾燥工程後常
温における厚み。)は、本発明の抄造容器の用途等に応
じて適宜決定することができる。水分バリア層の厚み
(乾燥工程後常温における厚み。)も、本発明の抄造容
器の用途等に応じて適宜決定することができるが、例え
ば、本発明の抄造容器を液状又は湿潤性の物品の収容に
用いる場合には、容器の水分バリア性、水蒸気バリア
性、外観性の点から、全厚み(乾燥工程後常温における
厚み。)が0.1〜5.0mmであることが好ましく、
0.3〜3.0mmであることがより好ましい。
【0018】本発明の抄造容器は、斯かる優れた水分バ
リア性を備えているので、水、ジュース、乳性飲料、シ
ャンプー、リンス、液状の薬品等の各種液状の物品、又
は、生鮮食料品、ゼリー、プリン、豆腐等の食料品、化
粧用クリーム等の各種湿潤性の物品の収容に好適であ
る。本発明の抄造容器の適用分野は広く、通常のプラス
チック成形体と同様の分野に適用できる。例えば、本発
明の抄造容器は、ボトル、カートン、トレー等の容器に
好適に用いられる。
【0019】次に、本発明の抄造容器の製造方法につい
て図面を参照しながら説明する。図2(a)〜(c)に
は、本発明の抄造容器の製造工程における抄紙・脱水工
程を順次示す概略工程図が示されており、(a)はパル
プ繊維層の抄紙工程、(b)は加圧・脱水工程、(c)
は脱型工程である。
【0020】先ず、図2(a)に示すように、2個で一
組をなす割型11,12を突き合わせることにより、成
形すべき抄造容器の外形に対応した形状のキャビティ1
3が内部に形成される金型10の上部開口部からキャビ
ティ13内に所定量の水分バッファ層用スラリー(以
下、単にスラリーともいう。)を加圧注入する。これに
より、キャビティ13内を所定圧力に加圧する。各割型
11,12には、その外側面とキャビティ13とを連通
する複数の連通孔14がそれぞれ設けられている。ま
た、各割型11,12の内面は、所定の大きさの網目を
有するネット(図示せず)によってそれぞれ被覆されて
いる。スラリーの加圧注入には例えば圧送ポンプが用い
られる。スラリーの加圧注入の圧力は、成形体の偏肉や
割れを起こさせないように肉厚が均一となるようにパル
プを積層させるの点から、好ましくは0.01〜5MP
a、更に好ましくは0.01〜3MPaとする。
【0021】前記スラリーは、水に、前記パルプ繊維
0.1〜3.0重量%を含むスラリーであることが好ま
しく、水に、パルプ繊維0.5〜1.5重量%を含むス
ラリーであることがより好ましい。上述の通り、キャビ
ティ13内は所定圧力に加圧されているので、スラリー
中の水分は金型10の外へ排出されると共にパルプ繊維
がキャビティ13を被覆するネットに堆積されて、該ネ
ットにパルプ繊維層Bが形成される。また、キャビティ
13内が所定圧力に加圧されることで、立体的なボトル
容器を成形する場合でも、スラリーがキャビティ13内
で対流してスラリーの撹拌作用が発現する。そのため、
スラリー濃度はキャビティ13内の上下方向で均一化さ
れ、ネットにパルプ繊維が均一に堆積する。
【0022】前記水分バッファ層用スラリーには、前記
パルプ繊維の他、分散剤、填料、合成樹脂繊維、合成樹
脂粉末等の他の成分を配合することができる。水分バッ
ファ層用スラリー中の該他の成分の配合量は、0.1〜
50重量%であることが好ましく、1.0〜30重量%
であることがより好ましい。
【0023】所定厚みのパルプ繊維層Bが形成された
ら、水分バッファ層用スラリーの加圧注入を停止し、キ
ャビティ13内に空気を圧入して加圧・脱水する。圧入
空気圧は、0.01〜5MPaであることが好ましく、
0.1〜3MPaであることがより好ましい。そして、
空気の圧入を停止し、キャビティ13内を吸引・減圧す
る。次いで、図2(c)に示すように、金型10を開い
て所定の含水率を有する湿潤した状態のパルプ繊維積層
体15を取り出す。
【0024】取り出されたパルプ繊維積層体15は次に
加熱・乾燥工程に付される。加熱・乾燥工程では、抄紙
・脱水を行わない以外は、図2に示す抄紙工程と同様の
操作が行われる。即ち、先ず、一組の割型を突き合わせ
ることにより成形すべき成形体の外形に対応した形状の
キャビティが形成される金型を所定温度に加熱し、該金
型内に湿潤した状態の前記パルプ繊維積層体15を装填
する。
【0025】次に、弾性を有し伸縮自在で且つ中空状を
なす中子をキャビティ内に挿入させる。中子は、キャビ
ティ内において風船のように膨らませて、前記パルプ繊
維積層体15をキャビティの内面に押圧させることによ
り、キャビティの内面形状を付与するのに使用される。
従って、中子は引張強度、反発弾性及び伸縮性等に優れ
たウレタン、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム又はエラ
ストマー等によって形成されている。弾性を有する袋状
の中子を前記パルプ繊維積層体15内に挿入させ、該中
子内に加圧流体を供給して該中子を膨張させ、膨張した
該中子により前記パルプ繊維積層体を前記キャビティの
内面に押圧させる。加圧流体の供給圧力は、乾燥効率、
パルプ繊維積層体の転写性、表面平滑性、高密度化によ
る機械的強度の向上等の点から0.01MPa以上とす
ることが好ましく、0.1MPa以上とすることがより
好ましい。この状態下に、パルプ繊維積層体を加熱乾燥
させる。
【0026】金型の設定加熱温度は、外観のコゲや焼け
防止性、表面平滑性の点から、150〜300℃である
ことが好ましく、180〜250℃であることがより好
ましい。
【0027】前記パルプ繊維積層体が、所定の含水率
(0〜25%)まで乾燥したら、前記中子内の加圧流体
を抜き、該中子を縮ませて取り出す。更に前記金型を開
いて、成形されたパルプ繊維積層体を取り出す。
【0028】このようにして得られた抄造容器1は、図
1に示すように、開口部2の直径が胴部3の直径よりも
小さい円筒形状のボトル容器であり、最内層に水分バリ
ア層Aを備え、その外側に水分バッファ層B、さらにそ
の外側に他の水分バリア層Cを備えた防水、防湿性の高
いもので、液状又は湿潤性の物品の収容に特に好適に使
用される。また、成形容器1には、開口部2、胴部3及
び底部4の何れにもつなぎ目が無く、且つ開口部2、胴
部3及び底部4が一体的に形成されている。従って、成
形容器1の強度が高まると共に外観の印象が良好とな
る。
【0029】本発明は上述した実施形態に制限されず、
本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更する
ことができる。例えば、図1に示す実施形態におけるよ
うに、パルプ繊維層Bの両側に水分バリア層A,Bを備
えた3層構造とすることが好ましいが、最内層に水分バ
リア層A、その外側に最外層として水分バッファ層Bを
備えた2層構造とすることもできる。
【0030】また、本発明の抄造容器は、開口部の横断
面形状と胴部の横断面形状とがほぼ同様な略直方体状の
カートン型の容器となしてもよい。また、本発明の抄造
容器を、内容物の収容に用いられる中空容器としての用
途以外に、置物等のオブジェ等の用途に適用してもよ
い。
【0031】本発明の抄造容器は、上述のようなキャビ
ティ内にスラリーを供給して抄紙する製造方法の他、こ
の種の抄造容器の製造に用いられる製造方法によっても
製造できる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。実施例1〜5及び比較例1〜3として、表1に示
す組成、厚み及び密度を有する水分バッファ層と、表2
に示す組成及び厚みを有する水分バリア層とを、表3に
示す層構成を有する総重量約45g(容量1000m
l)の多層ボトル容器を、下記成形条件において作製し
た。そして、得られた多層ボトル容器について、下記の
手法で水分バッファ層の吸湿度、水分バリア層の透湿
度、拡散係数、収容物を収容する前の吸湿層の含水率、
水分揮散率を求めるとともに、収容物の性状を下記のよ
うに評価した。それらの結果をそれぞれ表3に示す。
【0033】〔実施例1〕 <水分バッファ層の抄紙・脱水条件> 水分バッファ層用スラリー濃度:1.0重量% 水分バッファ層用スラリー注入圧力:0.05MPa 脱水用空気供給圧:温度20℃、0.3MPa <乾燥条件> 金型温度:220℃ 中子押圧:1.0MPa下、30秒
【0034】<水分バリア層の形成方法> 塗工方法:乾燥後における固形成分の組成及び塗膜の厚
みが、表2の組成及び厚みとなるように配合した塗料を
スプレー装置で塗工した。 乾燥方法:前記塗工方法によりコート剤をスプレー塗工
した後、120℃の雰囲気のトンネル型乾燥炉内を通過
させて溶剤成分を揮散させた。
【0035】〔実施例2〜5、比較例1〜3〕表1に示
す組成、厚み及び密度を有する水分バッファ層と、表2
に示す組成及び厚みを有する水分バリア層とを、表3に
示す層構成で有する多層ボトル容器となるように、スラ
リー及びコート剤の配合組成を変更した以外は、実施例
1と同様にして作製した。
【0036】〔吸湿度の測定〕直径70mmのディスク
状に打ち抜いたサンプルを、40℃、相対湿度90%環
境下で十分に調湿した後、該サンプルを105℃、相対
湿度15%以下の雰囲気のチャンバー内に3時間入れて
乾燥させた際の水分量変化を測定し、1m2当たりに換
算した値を吸湿度とした。ここで、十分調湿とは、環境
可変室内の雰囲気とサンプルとの間で水分量が平衡とな
るまで保存することをいい、例えばパルプ繊維層の片面
だけに透湿度10g/m2・24hの水分バリア層を形
成したサンプルでは、約6時間、両面に水分バリア層を
形成したサンプルでは4日間である。
【0037】〔水分バリア層の透湿度の測定〕作製した
容器の胴部を直径70mmのディスク状に打ち抜いて試
料とし、該試料をバリア層が上面となるようにセットし
てカップ法(JIS Z0208)に準じて測定した。
【0038】〔拡散係数の測定〕前記透湿度の測定と同
様の試料を用い、前記カップ法に準拠し、カップ内に蒸
留水25gを入れ、容器の内面側が下向きとなるように
該試料をセットした。この状態で、40℃の乾燥機内に
静置し、カップの重量減少及びカップ外部の湿度を測定
した。そしてその測定結果をFickの拡散則に当ては
めて拡散係数を算出した。
【0039】〔含水率の測定〕作製した容器の胴部を3
箇所(0.15〜0.25g)切り抜いて試料とし、該
試料を水の蒸発を容易にする目的から2枚に層間剥離さ
せた。そして、ハロゲン水分計(メトラー・トレド
(株)製 HG53)を用い、乾燥温度140℃、乾燥
時間2分の条件で含水率を測定し、その平均値を算出し
た。
【0040】〔水分揮散率の測定〕得られた容器内部に
750gの蒸留水を封入し、40℃、相対湿度75%の
環境にて1ヶ月静置した後の保存開始前の重量に対する
重量変化量から水分揮散率を求めた。
【0041】〔収容物の性状評価〕作製した容器内に水
を収容し、40℃、相対湿度75%の環境下に1ヶ月保
存した後における収容物(水)の性状を、水分揮発率
(%)により下記の4段階で評価した。 ◎:0.8未満 ○:0.8以上〜1.0未満 △:1.0以上〜2.0未満 ×:2.0以上
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】表3に示す結果から明らかなように、水分
バッファ層の吸水度を高くし、透水度を100g/m2
・24h以下とすることにより、収容物(水)の性状は
良好に保たれたままとなり、さらに、容器の初期水分率
を5%以上の状態下で収容物を充填することにより、更
に安定的に性状を保つことができることが確認された。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、液状又は湿潤性の物品
を長期間に亘って安定的に収容することができる抄造容
器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルプモールド成形容器の一実施形態
を示す図であり、(a)は一部を破断視した斜視図であ
り、(b)はその断面の層構成を模式的に示した図であ
る。
【図2】本発明の抄造容器の製造工程における抄紙・脱
水工程を順次示す概略工程図であり、(a)はパルプ繊
維層の抄紙工程、(b)脱水工程、(c)は脱型工程で
ある。
【符号の説明】
1:抄造容器 A,C:水分バリア層 B:水分バッファ層
フロントページの続き (72)発明者 小田嶋 信吾 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 惣野 時人 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 3E033 AA01 BA10 BA13 FA03 FA10 GA02 4F100 AK25 BA02 BA03 BA06 BA07 DG01B GB16 JD05 JD05A JD05C JD15B YY00A YY00B 4L055 AA02 AC06 AC09 AG27 AG71 AH02 AH37 AJ03 AJ04 BE08 BF08 BF09 EA06 EA12 EA13 FA11 GA05 GA50

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状又は湿潤性の物品を収容する抄造容
    器であって、最内層に透湿度が100g/m2・24h
    以下である水分バリア層を備え、少なくとも該水分バリ
    ア層の外側に吸湿度が30〜300g/m2である水分
    バッファ層を備えた抄造容器。
  2. 【請求項2】 最外層に、他の水分バリア層を備えてい
    る請求項1記載の抄造容器。
  3. 【請求項3】 前記水分バッファ層がパルプ繊維を主体
    とする層である請求項1又は2の何れかに記載の抄造容
    器。
  4. 【請求項4】 容器内部から外部への水蒸気拡散係数が
    10.0×10-7 2/h以下である請求項1〜3の何
    れかに記載の抄造容器。
  5. 【請求項5】 物品を収容する前における前記水分バッ
    ファ層の含水率が5〜15重量%である請求項1〜4の
    何れかに記載の抄造容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101564506B1 (ko) * 2014-04-08 2015-10-29 정규열 에어 타이트 타입의 화장품 리필 케이스

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