JP2003112976A - 構造物およびその製造方法、構造物形成用粒子並びにその製造方法 - Google Patents

構造物およびその製造方法、構造物形成用粒子並びにその製造方法

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JP2003112976A
JP2003112976A JP2001303357A JP2001303357A JP2003112976A JP 2003112976 A JP2003112976 A JP 2003112976A JP 2001303357 A JP2001303357 A JP 2001303357A JP 2001303357 A JP2001303357 A JP 2001303357A JP 2003112976 A JP2003112976 A JP 2003112976A
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particles
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Hironori Hatono
広典 鳩野
Motoi Yasuda
基 安田
Tomokazu Ito
朋和 伊藤
Tatsuro Yokoyama
達郎 横山
Atsushi Yoshida
篤史 吉田
Kaori Yamaguchi
香緒里 山口
Katsuhiko Mori
勝彦 森
Masakatsu Kiyohara
正勝 清原
Kazuya Tsujimichi
万也 辻道
Yuji Aso
雄二 麻生
Jun Aketo
純 明渡
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Toto Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 体積固有抵抗値が特異的に小さくなる構造
体、この構造体を作製するための粒子、構造体の製造方
法を提供する。 【解決手段】構造物形成装置1は成形用型11内に充填
された硬質の粒状体12と、成形用型11を保持する基
板保持部13と、成形用型11に充填された硬質の粒状
体12を介して対向して設置された硬質材料からなるシ
リンダー14とこれを爆発等のエネルギーを介して上下
運動させるピストン機関15からなる。硬質の粒状体1
2は、例えば数十〜数百μmのセラミックスの粉体など
であり、成形用型11に充填された硬質の粒状体12
は、爆発等のエネルギーにて上下運動させるピストン機
関15から発生する衝撃力を硬質材料からなるシリンダ
ー14を介して硬質の粒状体12の微粒子を膜変形さ
せ、新生面を形成させて、微粒子同士を接合して構造物
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体積抵抗率が特異
的に小さくなる構造物及びその製造方法、並びに体積抵
抗率が特異的に小さくなる構造物を作製するための粒子
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属酸化物等の脆性材料は、一般的に、
ヤング率が高い、化学的安定性が高い、耐薬品性が高
い、熱膨張率が低い等の優れた特性を有するために、種
々の用途の構造物に利用されている。このような金属酸
化物材料は、その多くが絶縁体であり、基本的にはその
性質は物質の種類により一義的に決定されてしまう。し
かし、この性質を種々に制御できればその用途はさらに
拡大することが予想される。従来はこのような制御を行
う、すなわち体積抵抗率をより低めるには、不純物金属
を添加する方法が採られていた。
【0003】
【発明を解決するための課題】しかしながら、このよう
な不純物金属を添加する方法では、特に半導体製造装置
等においては、添加金属が汚染源として問題になる場合
がある。また、なかなか均一に不純物金属の固溶反応が
生じず均一な性能を有する製造物を作製しにくい、着色
するといった問題もあった。本発明では、上記問題の生
じない全く新規な体積抵抗率が特異的に小さな金属酸化
物の構造物及びその製造方法、並びに体積抵抗率の特異
的に小さな金属酸化物の構造物を作製するための粒子及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、その一実施
態様においては、平均結晶子径1〜60nmかつ平均粒
径0.1〜5μmの脆性材料粒子を成形型に充填後、こ
の脆性材料粒子に脆性材料粒子の破壊強度よりも大きな
機械的衝撃力を付加し、その衝撃により脆性材料粒子同
士を結合せしめることを特徴とする構造物の製造方法を
提供する。
【0005】本発明の他の実施態様においては、平均結
晶子径1〜60nmかつ平均粒径0.1〜5μmの脆性
材料粒子を高速で基板に衝突させ、この衝突により基板
上に脆性材料被膜を形成させることを特徴とする構造物
の製造方法を提供する。
【0006】本発明の好ましい実施態様においては、前
記脆性材料粒子を高速で基板に衝突させる方法は、脆性
材料粒子をガス中に分散させたエアロゾルを、高速で基
板材料に向けて噴射する方法であるようにする。
【0007】本発明では、上記構造物を形成するための
脆性材料粒子であって、平均結晶子径1〜60nmかつ
平均粒径0.1〜5μmの脆性材料粒子からなることを
特徴とする構造物形成用粒子を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明につき、より詳述
する。まず、本発明の製造方法で得られた構造物が、体
積抵抗率の特異的に小さな構造物になる理由について説
明する。それは、本発明の構造物を構成する脆性材料粒
子が、その界面に多量のガス種を化学的あるいは物理的
に吸着し、この界面が電気伝導に関与することに起因し
ていると考えられる。このような界面に多量のガス種を
吸着した構造物は、従来の高温焼成によりMOx構造物を
形成する方法では有り得ない構造である。というのは、
従来の高温焼成による方法ではそれらの吸着物は気化し
てしまうからである。本発明において、このような界面
に多量のガス種を吸着した構造物が得られた理由は、メ
カノケミカル的な方法で意図的に原料粒子の結晶界面を
平均結晶子径1〜60nm程度まで増加させ、界面に多
量のガス種を吸着した粒子を作製し、その粒子を用いて
焼成を伴わない方法で、成形またはコーティングするこ
とで相対密度80%以上、ビッカース硬度500以上の
緻密な硬質膜を得たことによるのである。
【0009】次に、以下に本発明の請求項に使用されて
いる語につき説明する。本発明において、「脆性材料」
には、例えば、脆性材料としては酸化アルミニウム、酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウ
ム、酸化イットリウム、酸化クロム、酸化ハフニウム、
酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等の単一
金属の酸化物や、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタ
ン酸リチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸アル
ミニウム、PZT、PLZT、ニッケルフェライト、マ
ンガンフェライト、マンガンジンクフェライト、超伝導
材料等の複合金属酸化物などの金属酸化物、ダイヤモン
ド、炭化硼素、炭化珪素、炭化チタン、炭化ジルコニウ
ム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化クロム、炭化タ
ングステン、炭化モリブデン、炭化タンタルなどの炭化
物、窒化硼素、窒化チタン、窒化アルミニウム、窒化珪
素、窒化ニオブ、窒化タンタルなどの窒化物、硼素、硼
化アルミニウム、硼化珪素、硼化チタン、硼化ジルコニ
ウム、硼化バナジウム、硼化ニオブ、硼化タンタル、硼
化クロム、硼化モリブデン、硼化タングステンなどの硼
化物、あるいはこれらの混合物や多元系の固溶体などが
利用できる。次に、以下に本発明の請求項に使用されて
いる語につき説明する。
【0010】「平均結晶子径」は、X線回折法における
Scherrerの方法によって算出される結晶子のサイズであ
り、本件ではマックサイエンス社製MXP−18を使用
して測定・算出した。「体積抵抗率」は、脆性材料被膜
であるアルミナ構造物上にφ13mmの円形の電極とその外
側に幅1mmの電極を1mmのギャップを介して円周上設けた
外部電極を設けた試料を作製し、円形電極と導電性の基
板すわなち下部電極との間で10,25,50,100V
の電圧を印加し、印加後約30sec間放置し安定したの
電流値をマイクロ電流計で読みとり、各試料の体積固有
抵抗値としてオームの法則にて求めた。
【0011】また「構造物の相対密度」は、本発明が記
載の構造物についての嵩密度は、アルキメデス法(構造
物の乾燥重量:W1、水中での重量:W2、飽水の重
量:W3から算出)にて測定算出した。その値をMOx
の真比重にて割り、%にて表示した。構造物が脆性材料
被膜の場合は、構造物を液体窒素中に浸積し、基材から
剥離した被膜の嵩密度を測定した。
【0012】また、「構造物のビッカース硬度」は、島
津製作所製ダイナミック超微小硬度計DUH−W201
を用いてビッカース圧子を50gの荷重で15秒間印加
し求めた結果を,5点測定行い平均値を求めた。構造物
が脆性材料被膜の場合は基板の硬度を拾わないように1
0μm以上の形成高さで構造物を形成し、その表面から
圧子を押しつける。
【0013】また、「平均粒径0.1〜5μm」である
ことは、島津製作所製のレーザー式沈降型粒度分布測定
器による測定で確認した。
【0014】次に、本発明の目的物である体積抵抗率の
特異的に小さな金属酸化物の構造物の具体的な製造方法
につき、説明する。まず、構造体がバルク体である場合
につき説明する。その方法は、平均結晶子径1〜60n
mかつ平均粒径0.1〜5μmの脆性材料粒子を成形型
に充填後、この脆性材料粒子に脆性材料粒子の破壊強度
よりも大きな機械的衝撃力を付加し、その衝撃により前
記脆性材料粒子を変形または破砕し、この変形または破
砕にて生じた活性な新生面を介して脆性材料粒子同士を
結合せしめることによる。ここで、脆性材料粒子の破壊
強度は、ビッカース硬度で代用できる。脆性材料粒子の
破壊強度よりも大きな機械的衝撃力を付加する方法とし
ては、高速回転する高硬度のブラシやローラーあるいは
高速に上下運動するピストンなどを用いるか、爆発の際
に発生する衝撃波による圧縮力を利用したり、または、
超音波を作用させることによるか、あるいは、これらの
組み合わせが考えられる。
【0015】次に、構造物が脆性材料被膜である場合に
つき説明する。その1つの方法は、平均結晶子径1〜6
0nmかつ平均粒径0.1〜5μmの脆性材料粒子を高
速で基板に衝突させ、この衝突により脆性材料粒子を破
砕してより微細な断片粒子を生成し、前記微細な断片粒
子同士を接合させるとともに前記微細な断片粒子を前記
基板に接合させることにより、基板上に脆性材料被膜を
形成させる。その別の方法は、平均結晶子径1〜60n
mかつ平均粒径0.1〜5μmの脆性材料粒子を高速で
基板に衝突させ、この衝突による衝撃の印加により脆性
材料粒子に変形を起こさしめて、あるいはその一部に新
生面を形成させ、この衝撃が印加された粒子同士を接合
させるとともに衝撃が印加された粒子を前記基板に接合
させることにより、基板上に脆性材料被膜を形成させ
る。ここで、脆性材料粒子を高速で基板に衝突させる方
法は、脆性材料粒子をガス中に分散させたエアロゾル
を、高速で基板材料に向けて噴射する方法を用いるのが
好ましい。ここで言う基板に脆性材料粒子を衝突させる
速度とは、実施例5に記載する方法にて測定を行った。
速度としては、ノズル開口から5mm離れた場所から2
4mm離れた場所までの平均速度を微粒子の速度と言い
50〜500m/s、好ましくは100〜450m/
s、より好ましくは150〜400m/sである。50
m/s以下では、圧粉体が構造物中に混在しる現象が観
察されており、500m/s以上では、衝突する微粒子
が形成された構造物を削るというエッチング効果が目立
つようになり、構造物形成効率が低下する。
【0016】次に、本発明の構造物のを形成するための
粒子の好ましい具体的な製造方法につき、説明する。そ
の方法は、乾式粉砕による粒子又は結晶の破砕により、
平均結晶子径1〜60nmかつ平均粒径0.1〜5μm
の脆性材料粒子を形成させる。また、粒子又は結晶を破
砕する方法としては、MOxに酸素をメカノケミカル的
に過剰に吸着させるために、気体酸素や水分が存在する
環境中で高速でボールにて粉砕させる方法が望ましい。
たとえば、ボールミル、振動ミルあるいは遊星ミル等が
有効な手段としてあげられる。特に、乾式にて粉砕する
方がより効率よくメカノケミカル的に酸素過剰に吸着さ
せることができる。
【0017】本発明の構造物は、以下に限定されない
が、体積抵抗率が制御でき、高硬度の構造物を形成でき
ることから、静電チャック、磁気ヘッドの表面コートな
ど帯電防止(埃付着防止)用耐摩耗コート摺動部材や構
造部材等に好適に利用できる。帯電防止には表面固有抵
抗が1011Ω以下で良好な効果を示すが、固体の体積抵
抗は表面抵抗より2〜3桁高いため、1013Ω・cm以
下で効果を示し、また1012Ω・cm以下では極めて良
好となる。また静電チャックなどで利用されるジョンセ
ン・ラーベック効果も室温環境下で1013Ω・cmほど
あればチャックの実用に耐えられる体積抵抗率となる。
さらには、IC基板や各種センサー等にも利用できる。
【0018】次に本発明における構造物の製造方法に関
する実施の一態様を説明する。図1は、前記した構造物
形成を実施するための構造物形成装置1を示しており、
構造物形成装置1は成形用型11内に充填された硬質の
粒状体12と、成形用型11を保持する基板保持部13
と、成形用型11に充填された硬質の粒状体12を介し
て対向して設置された硬質材料からなるシリンダー14
とこれを爆発等のエネルギーを介して上下運動させるピ
ストン機関15からなる。またこれらは真空チャンバー
16内に収められ、真空ポンプ17により、真空チャン
バー内は1Pa以下の減圧状態に保持されている。
【0019】硬質の粒状体12は、例えば数十〜数百μ
mのセラミックスの粉体などであり、成形用型11に充
填された硬質の粒状体12は、爆発等のエネルギーにて
上下運動させるピストン機関15から発生する衝撃力を
硬質材料からなるシリンダー14を介して硬質の粒状体
12の微粒子を変形させ、新生面を形成させて、微粒子
同士を接合させ、構造物を形成させる。この手法は特に
厚膜及び塊状の構造物形成に都合が良い。
【0020】図2は、構造物が容易に離形できるように
成形用型11及びシリンダー14と充填された硬質の粒
状体12の間に有機製物質等の柔らかい物質18を介し
たものである。これにより、形成構造物は、成形用型1
1及びシリンダー14から容易に脱形ができ良質の厚膜
体や塊状構造物を得ることができる。
【0021】図3は、構造物形成装置10は、より緻密
な厚膜及び塊状の構造物を得るために爆発等のエネルギ
ーにて発生した衝撃力を微粒子に等方的に印加できるよ
うにした装置である。構成としては、成形用型11に充
填された硬質の粒状体12は、爆発等のエネルギーにて
上下運動させるピストン機関15を四方八方に配置し、
これらは真空チャンバー16内に収められ、真空ポンプ
17により、真空チャンバー内は1Pa以下の減圧状態
に保持されている。また、爆発等のエネルギーにて発生
した衝撃力を硬質材料からなるシリンダー14を介して
硬質の粒状体12の微粒子を四方八方から与え、より緻
密な厚膜及び塊状の構造物が得られるものである。
【0022】次に本発明における構造物の製造方法の別
の一態様を説明する。図4は、前記した構造物形成を実
施するための構造物形成装置2を示しており、構造物形
成装置2は基板21上に展開された微粒子の堆積物22
と、基板21を保持する基板保持部23と、基板21に
微粒子の堆積物22を介して対向して設置された粒状体
噴射装置24からなり、粒状体噴射装置24には、硬質
の粒状体25が収められている。またこれらは真空チャ
ンバー26内に収められ、真空ポンプ27により、真空
チャンバー内は1Pa以下の減圧状態に保持されてい
る。
【0023】硬質の粒状体25は、例えば数十〜数百μ
mのセラミックスの粉体などであり、粒状体噴射装置2
4より亜音速から超音速の高速で微粒子の堆積物22に
向けて噴射され、粒状体25の衝突による衝撃力が微粒
子の堆積物22を構成する微粒子を変形させ、新生面を
形成させて、微粒子同士を接合させ、構造物を形成させ
る。この手法は特に薄膜形成に都合が良い。粒状体25
の加速には、高速搬送ガスを使用してもよいし、静電引
力によってもよい。ガスを使用する場合でも、粒状体噴
射装置24と基板21との距離を離すことにより、軽量
のガスは真空ポンプ27により流れをチャンバー外へと
向けて排出され、これより重量のある粒状体25は慣性
力が比較的大きい為、基板21へ向けてほとんど直線的
に飛行する。従って、ガスによる微粒子の堆積物22の
飛散は少なく、その近傍の真空度も比較的高く維持でき
る。また、数十〜数百μmの粒状体25を使用すること
により、微粒子の堆積物22への衝撃力を局部に集中さ
せることが可能であり、微粒子の変形、新生面の形成の
効率を上げることができる。
【0024】次に本発明における構造物作製方法に関し
て、使用する原料粒子の前処理手法の一態様について説
明する。前記した構造物を形成するためのアルミナ粒子
を作製するための方法として、酸素を含有する雰囲気に
おける粒子又は結晶の破砕により、Al23の量論組成
よりも過剰の酸素原子を吸着させるための粉体製造装置
3を図5に示す。構成としては、粒子又は結晶を粉砕す
るための容器31と破砕のために用いるボール32、破
砕される原料33、さらには、容器31内の雰囲気を過
剰な酸素を含有する雰囲気に置換するための装置34及
び過剰な酸素原子を粉体粒子及び結晶に吸着させるため
にメカノケミカル反応を起こさせるための駆動部35か
らなることを特徴とする。なお、容器31内の雰囲気を
予め酸素を含有する雰囲気に置換しておけば、必須な装
置ではない。これによって、酸素を含有する雰囲気で、
メカノケミカル的反応によりより効率的に過剰の酸素を
吸着した粉体粒子を作製することが出来る。
【0025】
【実施例】(実施例1)本発明において製造された構造
物につき、その特性を評価した。まず大気中で種種の粉
砕条件で乾式遊星ミルを用いて、平均粒径0.6μm、
純度99.8%のアルミナ原料粉体を粉砕して前処理を
行い、4種類の処理微粒子を用意し、これらを用いてエ
アロゾルデポジション法により金属基材上におおよそ1
0μmの形成高さの脆性材料被膜であるアルミナ構造物
をそれぞれ形成させた。図6にアルミナ原料粉体の結晶
子サイズとアルミナ構造物を100V印加状態で測定し
た時の室温の体積抵抗率(体積固有抵抗値)をプロット
した結果を示す。粉体の結晶子サイズ及び体積固有抵抗
値は上記に記載の測定方法にて測定した。なお、比較の
ために焼成体作製に用いたアルミナ原料粉体の結晶子サ
イズ及び体積固有抵抗値もプロットした。前記した構造
物形成法で作製に用いられたアルミナ原料粉体の結晶子
サイズが大きくなるに従い体積固有抵抗値も大きくなる
傾向が認められた。例えば、結晶子サイズが250Åの
アルミナ原料粉体を用いて作製したアルミナ構造物は、
108Ω・cmと小さく、アルミナ焼結体に比べて電気を
流しやすくなったことを示唆した。また、前記で形成し
た構造物の硬度測定を行った結果、いずれもビッカース
硬度500以上と高い値を示し、実仕様上問題がない値
を示すことも確認できた。なお、硬度測定は、上記に記
載の測定方法にて測定した。
【0026】(実施例2)前記した微粒子の速度の測定
には次の方法を用いた。図7に微粒子速度測定装置を示
す。図示しないチャンバー内にエアロゾルを噴射するノ
ズル41が開口を上に向けて設置され、その先にモータ
ーによって回転運動する回転羽根42の先に設置された
基板43およびその基板表面から19mm下に離れて固
定された幅0.5mmの切りかきをもつスリット44を
有する微粒子速度測定装置4を配置する。ノズル41の
開口から基板表面までの距離は24mmである。次に微
粒子速度測定方法を記す。エアロゾルの噴射は、実際の
構造物作製方法に準じて行う。構造物形成装置内で構造
物を形成する基板の代わりに、図の微粒子速度測定装置
4を設置して行うことが好適である。図示しないチャン
バーを減圧下におき、数Torr以下の圧力としたのちにノ
ズル41から微粒子を含むエアロゾルが噴射させ、この
状態で微粒子速度測定装置4を一定回転速度で運転させ
る。ノズル41の開口から飛び出した微粒子は、基板4
3がノズル41の上部に来た際にその一部がスリット4
4の切りかきの隙間を通過して基板表面に衝突し、基板
43上に構造物(衝突痕)を形成する。微粒子がスリッ
トから19mm離れた基板表面に到達する間に基板43
は回転羽根42の回転によって位置を変化させているた
め、基板43上におけるスリット44の切りかきからの
垂線交差位置よりその変位量分ずれた位置に衝突する。
この垂線交差位置から衝突して形成された構造物までの
距離を表面凹凸測定により計測し、この距離およびスリ
ット44と基板表面からの距離、回転羽根42の回転速
度の値を用いて、ノズル41から噴射された微粒子の速
度としては、ノズル41の開口から5mm離れた場所か
ら24mm離れた場所までの平均速度を算出し、これを
本件における微粒子の速度とした。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、不純物金属を添加する
こと及び焼成することなく体積抵抗率を下げた高硬度の
緻密質な塊状の構造物及び被膜体を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一態様としての構造物形成装置の装
置図。
【図2】 本発明の一態様としての構造物形成装置の装
置図。
【図3】 本発明の一態様としての構造物形成装置の装
置図。
【図4】 本発明の一態様としての構造物形成装置の装
置図。
【図5】 過剰な酸素原子を吸着した粉体を製造するた
めの装置図。
【図6】 実施例1に係るアルミナ構造物におけるアル
ミナ原料粉体の結晶子サイズとアルミナ構造物の体積固
有抵抗値の関係。
【図7】 実施例2にかかる微粒子速度測定装置図。
【符号の説明】
1 構造物形成装置 11 成形用型 12 粒状体 13 基板保持部 14 シリンダー 15 ピストン機関 16 真空チャンバー 17 真空ポンプ 18 有機製物質 10 構造物形成装置 2 構造物形成装置 21 基板 22 堆積物 23 基板保持部 24 粒状体噴射装置 25 粒状体 26 真空チャンバー 27 真空ポンプ 3 粉体製造装置 31 容器 32 ボール 33 原料 34 雰囲気置換装置 35 駆動部 4 微粒子速度測定装置 41 ノズル 42 回転羽根 43 基板 44 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 基 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 伊藤 朋和 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 横山 達郎 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 吉田 篤史 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 山口 香緒里 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 森 勝彦 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 清原 正勝 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 辻道 万也 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 麻生 雄二 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 明渡 純 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人 産業技術総合研究所 つくばセンター 内 Fターム(参考) 4G030 AA36 BA20 CA04 CA08 GA11 GA23 4G054 AA05 AB01 AC00 DA02 4K044 AA01 AB05 BA12 BA13 BA18 BB01 BC06 CA23 CA29

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均結晶子径1〜60nmかつ平均粒径
    0.1〜5μmの脆性材料粒子を成形型に充填後、この
    脆性材料粒子に脆性材料粒子の破壊強度よりも大きな機
    械的衝撃力を付加し、その衝撃により脆性材料粒子同士
    を結合せしめることを特徴とする構造物の製造方法。
  2. 【請求項2】 平均結晶子径1〜60nmかつ平均粒径
    0.1〜5μmの脆性材料粒子を高速で基板に衝突さ
    せ、この衝突により、基板上に脆性材料被膜を形成させ
    ることを特徴とする構造物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記脆性材料粒子を高速で基板に衝突さ
    せる方法は、脆性材料粒子をガス中に分散させたエアロ
    ゾルを、高速で基板材料に向けて噴射する方法であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の構造物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の製造方法によって作製
    されることを特徴とする構造物。
  5. 【請求項5】 前記構造物の相対密度が80%以上であ
    ることを特徴とする請求項4に記載の構造物。
  6. 【請求項6】 前記構造物のビッカース硬度が500以
    上であることを特徴とする請求項4又は5に記載の構造
    物。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至6に記載の構造物を形成す
    るための脆性材料粒子であって、平均結晶子径1〜60
    nmかつ平均粒径0.1〜5μmの脆性材料粒子からな
    ることを特徴とする構造物形成用粒子。
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