JP2003112094A - 塗布方法および塗布装置 - Google Patents

塗布方法および塗布装置

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JP2003112094A
JP2003112094A JP2001311267A JP2001311267A JP2003112094A JP 2003112094 A JP2003112094 A JP 2003112094A JP 2001311267 A JP2001311267 A JP 2001311267A JP 2001311267 A JP2001311267 A JP 2001311267A JP 2003112094 A JP2003112094 A JP 2003112094A
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Japan
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die
coating
liquid
cleaning
cleaning liquid
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JP2001311267A
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English (en)
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Nobuo Hamamoto
伸夫 浜本
Hiroyuki Hashimoto
博之 橋本
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェブに塗布液を塗布する際に、ダイの液流
路の異物や腐食に起因する塗布膜の面上のスジの発生を
抑制する。 【解決手段】 ダイ21から塗布液30、31、32を
ウェブ10に塗布する。ウェブ10に塗布液30、3
1、32を塗布した後に、洗浄液50をダイ21の液流
路25、26、27に送液する。洗浄液50は、酵素を
含んだアルカリ性水溶液である。この洗浄液70は、受
け器57で回収した後にポンプ58により、洗浄液調整
機59に送られて再生使用する。次に、35〜50℃の
水70をダイ21に送液して、ダイ21内の洗浄液50
を洗い流す。この洗浄方法によりダイ21の液流路2
5、26、27には、塗布液30、31、32に起因す
る異物が取り除かれ、塗布膜23面のスジの発生を抑制
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真用フイルム、
写真用印画紙、印刷用感光材料、医療用感光材料、マイ
クロフイルム、磁気記録テープ、接着テープ、感圧記録
紙、感熱記録紙、オフセット版材、液晶画面材料等の製
造において連続走行する帯状支持体(以下、ウェブと称
する)に各種液状組成物(以下、塗布液と称する)を塗
布する際の塗布方法および塗布装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ウェブ上に塗布液同時重層塗布する際
に、均一な塗布面質を得ることは、こと写真感材の塗布
においてもっとも重要な品質の一つである。
【0003】特に立て方向のスジが塗布膜面に発生しウ
ェブの長手方向全域にわたれば、その部分は製品として
の品質を満たさず出荷できず、歩留まりの悪化の原因と
なる。このウェブの長手方向のスジの多くは、塗布液が
ダイからウェブに塗布される部分(以下、ビード部と称
する)で発生する。このスジの発生を抑制するため、従
来は特開平1−231962号公報に記載されているよ
うに、塗布液の粘度やスリットクリアランスなどの塗布
する際の条件を最適化する方法が行なわれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法ではビード部で発生するウェブの長手方向における
塗布膜面のスジを回避することはできるが、マニホール
ドまたはスリット内の異物や腐食が原因で発生するウェ
ブの長手方向に発生する塗布膜面のスジは、回避できな
いという問題があった。
【0005】そこで、特開平4−281876号公報に
は、塗布幅を規制するスペーサーを有する塗布装置にお
いて、塗布終了後スペーサーを取り外し、塗布装置端部
より洗浄手段を挿入することによって、塗布装置を洗浄
する方法が記載されている。しかしながら、この方法で
は、洗浄の度に装置の一部を取り外すため、生産性の点
からも、また作業性の効率の点からも問題があった。
【0006】さらに特開平6−165968号公報に
は、オンラインで洗浄液を塗布装置に送液し、洗浄する
方法が記載されている。しかしながら、本方法において
も、塗布装置の塗布ダイ(以下、ダイと称する)に塗布
液、特にゼラチンなどの高分子化合物成分が残存した場
合には、充分に洗浄できない問題が生じていた。
【0007】そこで、本発明の目的は従来の問題点を解
消し、ビード部起因のみならずダイの液流路の異物や腐
食に起因する塗布膜の面上のスジの発生を抑制する塗布
方法および塗布装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の塗布方法及び塗
布装置は、ダイの使用後に使用時の塗布液を洗浄して、
次にダイを使用する際にダイ内の異物や腐食に起因する
塗布膜のスジの発生を抑制することである。
【0009】本発明の塗布方法は、ダイから塗布液を連
続走行するウェブに塗布する塗布方法において、酵素を
含有した洗浄液で前記ダイを洗浄する。また、前記洗浄
液がアルカリ性洗浄液であることが好ましい。さらに、
前記アルカリ性洗浄液のpH濃度が11以上であること
がより好ましい。さらには、ポンプにより前記洗浄液を
前記ダイ内に循環させることが好ましい。
【0010】前記ダイを洗浄する際に、前記洗浄液の温
度を35〜50℃の範囲にすることが好ましい。また、
前記ダイが複数のダイブロックから構成されたものであ
って、前記洗浄液を前記ダイブロック1個当り500〜
2000ml/minの範囲で送液することが好まし
い。
【0011】前記洗浄液で前記ダイを洗浄した後に、3
5〜50℃の第1の水を前記ダイに送液することが好ま
しい。前記第1の水を前記ダイに送液した後に、前記ダ
イのマニホールドを第1洗浄手順により洗浄することが
好ましい。前記第1洗浄手順は、先頭にブラシ、スポン
ジのついた洗浄棒、または布で被覆された洗浄棒の少な
くとも1つを用いて行なう手順などが挙げられる。
【0012】前記第1の水を前記ダイに送液した後に、
前記ダイのスリットを第2洗浄手順により洗浄するが好
ましい。前記第2洗浄手順は、プラスチック板を用いて
洗浄する手順などが挙げられる。
【0013】前記塗布液を前記ウェブに塗布する前に、
前記ダイのマニホールド内に第2の水を送液することが
好ましい。また、前記第2の水を送液した後に、前記ダ
イのスリットを第3洗浄手順により洗浄することが好ま
しい。前記第3洗浄手順は、プラスチック板を用いて洗
浄する手順などが挙げられる。
【0014】前記酵素が、エスペラーゼであることが好
ましい。また、前記酵素が、タンパク質分解酵素である
ことが好ましい。
【0015】本発明の塗布装置は、ダイから塗布液を連
続走行するウェブに塗布する塗布装置において、酵素を
含有する洗浄液を前記ダイに送液する第1送液手段を備
えて構成されている。また、前記洗浄液のpH濃度が1
1以上のアルカリ性であることが好ましい。さらに、前
記第1送液手段が、前記洗浄液を前記ダイ内に循環させ
る手段であることが好ましい。
【0016】前記洗浄液の温度を35〜50℃の範囲に
する温度調節手段を備えたものが好ましい。また、前記
ダイが、複数のダイブロックから構成されたものであっ
て、前記第1送液手段が、前記洗浄液を前記ダイブロッ
ク1個当り500〜2000ml/minで送液する手
段であることが好ましい。さらに、水を前記ダイに送液
する第2送液手段を備えたものが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】[ウェブ]ウェブには、紙,プラ
スチックフイルム,レジンコーティッド紙,合成紙など
が挙げられるが、これらに限定されない。プラスチック
フイルムの材質は、例えばポリエチレン,ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィンや、酢酸ビニル,ポリ塩化ビニ
ル,ポリスチレンなどのビニル重合体などを使用するこ
とができる。また、ナイロン−66,ナイロン−6など
のポリアミドや、ポリエチレンテレフタレート(以下、
PETと称する)、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト(以下、PENと称する)などのポリエステルを使用
することもできる。さらには、ポリカーボネートなどを
使用することができ、セルローストリアセテート(以
下、TACと称する),セルロースジアセテートなどの
セルロースアセテートなどを使用することもできる。こ
れらウェブには、ゼラチンなどの下引き層がウェブの表
面に形成されていることが塗布性を良好にするために好
ましい。また、レジンコーティッド紙に用いる樹脂とし
ては、ポリエチレンをはじめとするポリオレフィンが代
表的であるが、必ずしもこれに限定されない。
【0018】[塗布液]本発明に用いることができる塗
布液は、その用途に応じて種々の液組成のものを使用で
き、特に限定されない。例えば、写真感光材料の製造に
おいては、感光乳剤層,下塗り層,保護層,バック層な
どを形成する塗布液を用いることができる。その他に
も、接着剤層,着色層,防錆層などを形成する塗布液を
用いることができる。これら塗布液には、水溶性バイン
ダーまたは有機バインダーを含有しているものが好まし
く用いられる。特に、塗布液の主成分としてはゼラチ
ン、ラテックス、ポリビニルアルコール(ポバール)、
スチレンブタジエンラバー(SBR)が挙げられ、ゼラ
チンが好ましく用いられる。しかし本発明の塗布液は、
これらに限定される訳ではない。
【0019】[洗浄液]本発明に係る洗浄液は、酵素を
含有しているものが、塗布装置中に残存した塗布液を分
解するために好ましい。酵素としては、例えばエストラ
ーゼのようなタンパク質分解酵素(例えば、エスペラー
ゼなど)が特に効果的だが、酵素であれば、これに限定
するものではない。また、洗浄液のpH濃度は特に限定
されないが、通常ステンレス製のダイの損傷を抑制する
ため、アルカリ性溶液であることが好ましい。さらに、
酵素の分解機能をより発現させるためpH濃度は11以
上であることがより好ましい。また、洗浄液に界面活性
剤を含有させると、化学分解力が増加し、塗布装置内の
付着物の洗浄効果が向上するために好ましい。また、高
分子増粘剤(例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸
ナトリウム、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルスルホ
ン酸カリウム、ポリビニルスルホン酸ナトリウム、ポリ
アクリルアミド、ポリエチレンオキサイドなど、そして
キサンタンガム、グアーガムなどの増粘性多糖類など)
を洗浄液に添加して粘度を上げると、同流量でも物理力
が向上するので、付着物の剥離効果が向上する。さら
に、洗浄液の温度は高いほど酵素の活性が向上し、特に
塗布液がゼラチン主成分の場合には、ゼラチンが溶解し
始める40℃以上に洗浄液の温度をすることが好まし
い。ただし、温度が高すぎるとタンパク質である酵素が
分解し(失活)、塗布液を洗浄する効果が減少する場合
がある。さらには、高温の洗浄液によりダイに変形など
の損傷が生じるおそれもあるので、塗布時のダイ温度か
ら著しく高温にしないことが好ましい。
【0020】[塗布方法及び塗布装置]本発明の塗布方
法及び塗布装置の好ましい実施形態について図を用いて
説明すが、本発明は図示した形態に限定される訳ではな
い。本発明に係る塗布装置を用いて構成された塗布ライ
ンを図1に示し説明する。
【0021】図1に示した塗布ラインでは、ウェブ10
は送り出し機11から送り出され、温度調節室12に送
られる。温度調節室12内でウェブ10は、加熱冷却さ
れて所定の温度に調節される。ウェブ10の温度を調節
することでその塑性変形を回復させ、その表面に塗布液
が塗布されやすくなる。しかしながら、本発明において
塗布液を塗布する前に、あらかじめウェブ10を加熱冷
却することは必ずしも必要でない。
【0022】ウェブ10は、温度調節室12から送り出
された後に、多数のローラ13により搬送されながら、
帯電器14によりその表面に電荷が帯電される。次に、
表面電位計15によりその表面電位が測定される。ウェ
ブ10表面に塗布液を塗布しやすくするために、帯電器
14によりその表面電位を150〜1500Vにするこ
とが好ましい。なお、本発明においては、ウェブ10に
塗布液を塗布する前に、ウェブの表面に電荷を帯電させ
ることは必ずしも必要ではない。
【0023】次に、ウェブ10は、塗布装置20まで搬
送され、塗布液が塗布される。塗布装置20は、ダイ2
1とウェブ10を巻き回しながら走行するバックアップ
ローラ22とから構成されている。ダイ21のスライド
面21dを流れてウェブ10上に塗布された塗布液から
塗布膜23が形成され、搬送ローラ24によって乾燥装
置(図示しない)に搬送され、フイルムが製造される。
なお、バックアップローラ22は金属ローラか、特開平
2−251266号公報にあるような表面を薄くセラミ
ックコーティングされ電荷漏洩を防いだローラとするこ
とが好ましいが、これらに限定されずに公知のいずれを
も用いることができる。また、本発明の塗布装置は、背
面減圧室、ウェブ及び塗布液の温度調節機などを取り付
けたものでも良い。
【0024】本発明において、ダイ21の材質としては
ステンレスが好ましいが、ステンレスが含有するCr、
Co、Niなどの金属種や配合比については特に限定し
ない。また、ステンレス以外でフッ素樹脂、アセタール
樹脂、セラミック、チタン、ジルコニアなどであっても
構わない。
【0025】次に、ダイ21に前述した塗布液を送液す
る方法を説明する。ダイ21は、3個のダイブロック2
1a、21b、21cから構成され、それぞれのダイブ
ロックには塗布液の液流路25、26、27が設けられ
ている。液流路については、最上層の塗布膜を形成する
液流路27を用いて説明する。液流路27は、塗布液の
配管27aとウェブの幅方向に塗布液を拡幅するマニホ
ールド27bとスリット(スロットと称する場合もあ
る)27cとから構成されている。また、それぞれの液
流路25、26、27には、マニホールド洗浄機28と
スリット洗浄機29とが取り付けられていることが好ま
しい。
【0026】前述した塗布液30、31、32は、塗布
液容器33、34、35に仕込まれている。この際に塗
布液30、31、32は、撹拌翼36、37、38で撹
拌されていることが塗布液を均一にしておくために好ま
しい。塗布液30、31、32は、それぞれの塗布液容
器33、34、35に配管を介して接続しているポンプ
39、40、41により前述したダイ21の各液流路2
5、26、27に送液される。
【0027】さらに、塗布終了後のダイ21の洗浄につ
いて説明する。ダイ21には、塗布終了後には、前述し
た方法で送液された塗布液30、31、32が残ってい
る。これらの塗布液30、31、32は塗布終了後か
ら、直ちに溶媒が揮発し、塗布液中の固形分がゴミとし
て液流路25、26、27内に残存する。このゴミは、
次の塗布する際に、ウェブ10上に塗布されてしまい、
スジ発生の原因となる。また、塗布終了後に、塗布液の
種類を変更して、ウェブに塗布を行なうと、ダイの液流
路に残存している塗布液と新たに塗布液容器に仕込まれ
た塗布液とが混合する場合があり、この場合には塗布開
始時の塗布液は、新たに仕込まれた塗布液の成分と異な
ってしまう問題が生じる。以上に説明した理由より、ウ
ェブに塗布液を塗布するに際して、洗浄液によるダイの
洗浄を行なうことが重要である。
【0028】前述した洗浄液50は、洗浄液容器51に
仕込まれている。洗浄液50も均一にするため、撹拌翼
52で撹拌されていることが好ましい。洗浄液50は液
流路25、26、27と配管を介して接続しているポン
プ53、54、55により送液される。送液された洗浄
液50は、ダイ21から流れ落ちて、受け器57により
回収されることが、コスト及び環境保全の点から好まし
い。受け器57により回収された洗浄液の廃液は、ポン
プ58により洗浄液調整機59に送られる。洗浄液調整
機59によって、洗浄液の廃液は、液流路中のゴミなど
がろ過され、pH濃度の調整が行なわれた後に、配管6
0から洗浄液容器51に戻され、循環して用いられる。
なお、受け器57は、塗布装置20に固定されている必
要は無く、洗浄液の回収の際に、洗浄液の廃液の受け位
置に配置されるものであれば良い。また、図において
は、洗浄液の送液は、各液流路25、26、27に対応
したポンプ53、54、55により行なったが、1個の
ポンプにより送液する方法であっても良い。
【0029】洗浄液50の送液量は、特に限定されない
が、作業効率及び洗浄能力の点から、各液流路当り50
0〜2000ml/minの範囲であることが好まし
い。また、洗浄液50の温度は特に限定されないが、洗
浄液を構成している溶媒の揮発を防ぐと共に、液流路内
のゴミの溶解性を高めるために温度調節機56により、
35〜50℃の温度範囲に調整されていることが好まし
い。なお、図では、温度調節機56は、洗浄液容器51
の温度を調整する形態を示したが、本発明は図示した形
態に限定されない。例えば、洗浄液50を液流路に送液
する配管を保温したものでも良いし、ダイ21に温度調
節機を取り付け、ダイ21内で洗浄液50の温度を調整
しても良い。
【0030】また、ダイ21の液流路25、26、27
に水を送液することが好ましい。これは、前述した洗浄
液50には酵素が含まれており、さらに場合によっては
アルカリ性水溶液であるため、この洗浄液50が液流路
25、26、27に残存すると、次の塗布の際に、塗布
液が変成する場合がある。水70は、水容器71に仕込
まれている。水70も撹拌翼72により撹拌されている
ことが、好ましい。水70は、液流路25、26、27
と配管を介して接続しているポンプ73、74、75に
より液流路25、26、27に送液され、残存している
洗浄液50を洗い流す。この水70の温度は特に限定さ
れないが、洗浄液50を効率よく洗い流すために、温度
調節機76により35〜50℃の範囲に調整されている
ことが好ましい。なお、水70の温度調整は、前述した
洗浄液の場合と同じように配管を保温したり、ダイ21
を保温したりする方法を用いることもできる。また水7
0は、塗布装置20から排出すれば良いが、前述した受
け器57で回収後、ポンプ58によりバルブ77から排
水回収装置(図示しない)に送られると、環境保全の点
から好ましい。また、図においては水70の送液は、各
液流路25、26、27に対応したポンプ73、74、
75を用いて行なったが、水の送液は洗浄液を洗い流す
ために行なわれるため、1個のポンプを用いて各液流路
に送液する方法であっても良い。
【0031】そして、水70を送液した後に前述したマ
ニホールド洗浄機28とスリット洗浄機29とにより、
それぞれの液流路25、26、27のマニホールドとス
リットとを洗浄することが、ダイ21内の異物を取り除
くためにより好ましい。
【0032】マニホールド洗浄機28として、マニホー
ルド内を布巻きの洗浄棒で洗浄する装置が挙げられる
が、これに限定される訳ではない。この場合、布の材質
は、食器洗浄などに使用するサラックス(登録商標)が
好ましいが、ダイ21の表面を傷めない材質であれば特
に限定しない。また、スポンジを使う場合にもその材質
は、傷をつけにくい点で風呂用のスポンジが特に適当だ
が、一般の食器用でも構わない。洗浄棒がブラシの場合
はその材質は、塩化ビニルが好ましいが特にこれに限定
される訳では無く、ブラシ先端に歯ブラシを取り付けた
もので粗洗浄した後に、トイレ用のブラシを取り付けた
ものを使用し、最後に、書道用の筆を取り付けたもので
仕上げ洗いをするとより効果的である。
【0033】スリット洗浄機29として、スリットの隙
間をプラスチック板により洗浄する装置が挙げられる
が、これに限定される訳ではない。プラスチック板はフ
ッ素樹脂、アセタール樹脂などが好ましいが、材質表面
を傷めない材質であれば特に限定せず、PET、PE
N、TAC板などであっても構わない。また、この洗浄
板の表面にローレットを付けて凸凹にしておくと洗浄性
は格段に向上する。
【0034】また、水70をダイ21に送液する工程
を、塗布前に行なうことにより、ダイ21内に付着して
いたゴミなどを除去できるために好ましい。この際に、
水70の送液後に、スリット洗浄機29によりスリット
の洗浄工程を行なうと、液流路25、26、27内の洗
浄がより良く行なわれ好ましい。なお、用いられる水
は、特に限定されず、通常の市販の水を用いることがで
きる。しかしながら、ダイ21や配管の腐食を防ぐた
め、イオン交換樹脂などにより中和された中和水を用い
ることが好ましい。
【0035】なお、図1では、洗浄液50と水70との
ダイ21への送液には、それぞれ別のポンプを使用し
た。しかしながら、本発明は各液流路に対応したポンプ
の上流側に切り替えバルブを設け、洗浄液容器51の配
管と水容器71の配管とを切り替えて、ダイ21に送液
する液を選択する方法でも良い。
【0036】塗布装置20には、スライドビード方式の
ものを図示して説明したが、この方式に限定されず、ス
ライドカーテン方式、エクストルージョンビード方式、
エクストルージョンカーテン方式、ディップ方式、バー
コーター方式などの公知のいずれの塗布装置にも本発明
は適用できる。また、塗布装置の液流路は3経路を備え
たものを示したが、本発明において液流路の流路数は、
特に限定されない。
【0037】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明詳細に説明する
が、本発明の態様は、これらに限定されない。
【0038】[実施例1]実施例1として高pHの酵素
を含有した洗浄液の洗浄性を示す実験を行なった。5c
m×2.5cmで20gのステンレス板(SUS−KP
41)をゼラチン14%水溶液に浸透させた後に自然乾
燥させ、洗浄性確認のサンプルを製作した。ステンレス
板の表面には約0.3gのゼラチン皮膜が形成された。
このサンプルを(A)水(温度35〜50℃)、(B)
ターコ洗浄液、(C)洗浄液(エコラボ社KF037の
酵素液0.05wt%とエコラボ社KF027のpH調
整液0.2wt%の水溶液、pH濃度は、40℃でpH
=11に調整した)の各々に5分間、40℃で浸析させ
た後に、自然乾燥させて重量変化を確認した。なお、エ
コラバ社KF037は、硫酸ナトリウム、トリエタノー
ルアミン、スルホン酸ナトリウム、非イオン性界面活性
剤、アニオン性界面活性剤、プロパンジオール、タンパ
ク質分解酵素(エスペラーゼ)などから構成されてい
る。また、ターコ洗浄液には、「ターコ4181」を用
いた。その結果、(A)では50%のゼラチン皮膜は残
存していたが、(B)では30%、(C)に至っては5
%しか皮膜が残存しないことが判明した。(C)洗浄液
では、浸析時間を15分まで延長すると残存率がわずか
2%以下(計量誤差内)になるまで皮膜を除去させるこ
とに成功した。この実施例から、本発明の洗浄液には極
めて強い洗浄効果が有ることが確認された。さらに、前
述したターコ洗浄液に代えて、エルフ・アトム・ノース
・アメリカ社製「ターリムバー」、旭化成製「エター
ナ」、ナショナルケムリサーチ社製「ND−165」、
旭硝子社製「アサヒクリーンAK225」日石三菱石油
社製「日石クリーンソル」、オリンパス光学社製「ジュ
クロシステム液904−SD」、チェーストン社製「イ
ンダストリアルマリンソルベント」、同社製「274イ
ンダストリアルデクリーサー」、ユケン工業社製「パク
ナFD−E」、第一工業社製「DKビークリヤCW−5
790」、ライオン社製「ママレモン」(いずれも商品
名)を用いた実験も行なったところ、ターコ洗浄液とほ
ぼ同等の洗浄効果が得られた。
【0039】[実施例2]実施例2では、実施例1で用
いた洗浄液によるダイの洗浄の効果を示す実験を行なっ
た。図1に示す塗布ラインを用いて塗布した後に、実施
例1の洗浄液(c)を用いてダイを洗浄した。洗浄は以
下の工程で行なった。第1工程:塗布終了後、40℃の
保温水をマニホールドに通水し粗洗浄した。第2工程:
実施例1で用いた洗浄液(c)を循環ポンプで液流路1
層あたり500〜2000ml/ minで送液し、マニ
ホールド、スリット、スライド面を洗浄した後に、洗浄
液を回収し、さらにダイ内に循環させた。この際に、洗
浄液(c)の温度は35〜50℃に保温した。第3工
程:3時間、洗浄液をダイに循環させた後に、洗浄液の
送液を終了した。35〜50℃の温度範囲の水をマニホ
ールド、スリット、スライド面に1時間送液した。この
間、数回、マニホールド洗浄機によりマニホールド内を
布で被覆された洗浄棒で洗浄した。またスリット洗浄機
により、スリットの隙間はプラスチック板で洗浄した。
【0040】以上の方法により洗浄したスライドビード
塗布方式ダイからなる塗布装置を使用して連続走行する
ウェブに同時重層塗布を施した。この方法により断続的
に塗布を実施したところ6ヶ月間で異物起因のスジは1
回も発生しなかった。異物起因のスジはダイ内に原因が
有り、スライド面を経由してスジになるのでスジの濃淡
がブロードであり、ビード部起因ではないことが分かっ
た。
【0041】[比較例]一方、前述した第2工程を行な
わなかった比較例では、断続的に塗布を行なった際に
は、6ヶ月間で8回も異物起因のスジが発生した。この
ため、その都度塗布を中断して前述した第1工程と第3
工程との洗浄を行なった。
【0042】この実施例2から、本発明の塗布方法およ
び塗布装置は、ダイの異物起因により塗布膜表面のスジ
に対して驚くべき大きな効果が有ると確認できた。ま
た、本発明は、酵素による化学力と洗浄棒や洗浄板を利
用した物理力との効果により、ゼラチン塗布液の付着物
などを溶融しやすくし洗浄すると共に、ダイの組み上げ
精度が劣化しない温度条件で行なうことができる方法で
ある。また、酵素を含有した洗浄液をアルカリ性にした
り、、洗浄液に界面活性剤を添加してさらに化学力を増
強したり、高分子増粘剤を添加して物理力を増強したり
するのも効果的である。また、塗布液が油性の原材料を
含有する場合には、洗浄液に酢酸エチル、メチルエチル
ケトン、メタノール、シクロヘキサノン、アセトン、メ
チレンクロライドのような溶剤を、添加しても効果的で
ある。
【0043】
【発明の効果】本発明の塗布方法によれば、ダイから塗
布液を連続走行するウェブに塗布する塗布方法におい
て、酵素を含有する洗浄液で前記ダイを洗浄するから、
ダイ内の異物に起因するウェブの長手方向における塗布
膜表面のスジの発生を抑制することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗布方法に用いられる塗布ライン
の要部概略図である。
【符号の説明】
10 ウェブ 20 塗布装置 21 ダイ 23 塗布膜 25、26、27 液流路 28 マニホールド洗浄機 29 スリット洗浄機 30、31、32 塗布液 50 洗浄液 53、54、55、58 ポンプ 56、76 温度調節機 57 受け器 59 洗浄液調整機 70 水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/74 G03C 1/74 4F042 // C12N 9/48 C12N 9/48 Fターム(参考) 2H023 EA00 EA01 4B029 AA27 BB16 CC01 4B050 CC07 KK20 LL10 4D073 AA01 BB03 CC03 CC09 4F041 AA12 AB02 BA05 BA60 CA06 CA13 CA28 4F042 AA22 BA12 BA19 CB02 CB12 CB20 CC04 CC30 DA01

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイから塗布液を連続走行するウェブに
    塗布する塗布方法において、 酵素を含有した洗浄液で前記ダイを洗浄することを特徴
    とする塗布方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄液がアルカリ性洗浄液であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の塗布方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ性洗浄液のpH濃度が11
    以上であることを特徴とする請求項2記載の塗布方法。
  4. 【請求項4】 ポンプにより前記洗浄液を前記ダイ内に
    循環させることを特徴とする請求項1ないし3いずれか
    1つ記載の塗布方法。
  5. 【請求項5】 前記ダイを洗浄する際に、 前記洗浄液の温度を35〜50℃の範囲にすることを特
    徴とする請求項1ないし4いずれか1つ記載の塗布方
    法。
  6. 【請求項6】 前記ダイが複数のダイブロックから構成
    されたものであって、 前記洗浄液を前記ダイブロック1個当り500〜200
    0ml/minの範囲で送液することを特徴とする請求
    項1ないし5いずれか1つ記載の塗布方法。
  7. 【請求項7】 前記洗浄液で前記ダイを洗浄した後に、 35〜50℃の第1の水を前記ダイに送液することを特
    徴とする請求項1ないし6いずれか1つ記載の塗布方
    法。
  8. 【請求項8】 前記第1の水を前記ダイに送液した後
    に、 前記ダイのマニホールドを第1洗浄手順により洗浄する
    ことを特徴とする請求項7記載の塗布方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の水を前記ダイに送液した後
    に、 前記ダイのスリットを第2洗浄手順により洗浄すること
    を特徴とする請求項7または8記載の塗布方法。
  10. 【請求項10】 前記塗布液を前記ウェブに塗布する前
    に、 前記ダイのマニホールド内に第2の水を送液することを
    特徴とする請求項1ないし9いずれか1つ記載の塗布方
    法。
  11. 【請求項11】 前記第2の水を送液した後に、 前記ダイのスリットを第3洗浄手順により洗浄すること
    を特徴とする請求項10記載の塗布方法。
  12. 【請求項12】 前記酵素が、エスペラーゼであること
    を特徴とする請求項1ないし11いずれか1つ記載の塗
    布方法。
  13. 【請求項13】 前記酵素が、タンパク質分解酵素であ
    ることを特徴とする請求項1ないし11いずれか1つ記
    載の塗布方法。
  14. 【請求項14】 ダイから塗布液を連続走行するウェブ
    に塗布する塗布装置において、 酵素を含有する洗浄液を前記ダイに送液する第1送液手
    段を備えたことを特徴とする塗布装置。
  15. 【請求項15】 前記洗浄液のpH濃度が11以上のア
    ルカリ性であることを特徴とする請求項14記載の塗布
    装置。
  16. 【請求項16】 前記第1送液手段が、前記洗浄液を前
    記ダイ内に循環させる手段であることを特徴とする請求
    項14または15記載の塗布装置。
  17. 【請求項17】 前記洗浄液の温度を35〜50℃の範
    囲にする温度調節手段を備えたことを特徴とする請求項
    14ないし16いずれか1つ記載の塗布装置。
  18. 【請求項18】 前記ダイが、複数のダイブロックから
    構成されたものであって、 前記第1送液手段が、前記洗浄液を前記ダイブロック1
    個当り500〜2000ml/minで送液する手段で
    あることを特徴とする請求項14ないし17いずれか1
    つ記載の塗布装置。
  19. 【請求項19】 水を前記ダイに送液する第2送液手段
    を備えたことを特徴とする請求項14ないし18いずれ
    か1つ記載の塗布装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010250157A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 Toppan Printing Co Ltd スリットコータ
JP2012176545A (ja) * 2011-02-25 2012-09-13 Fujifilm Corp ワイピングユニット、メンテナンス装置、液体吐出装置及びワイピング方法

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