JP2003112039A - 表面に微粒子が付着した熱膨張性マイクロ粒子の製造方法、この製造方法で得られる熱膨張性マイクロ粒子および膨張済みマイクロ粒子 - Google Patents

表面に微粒子が付着した熱膨張性マイクロ粒子の製造方法、この製造方法で得られる熱膨張性マイクロ粒子および膨張済みマイクロ粒子

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博史 山内
Takahiro Omura
貴宏 大村
Yasuhiro Kawaguchi
泰広 川口
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Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱発泡工程での凝集、融着が大幅に改善され
た、表面に有機樹脂微粒子が付着した熱膨張性マイクロ
粒子の製造方法、これにより得られた熱膨張性マイクロ
粒子および膨張済みマイクロ粒子を提供することを目的
としている。 【解決手段】低沸点の有機溶剤と重合性単量体と重合触
媒とを含む懸濁液中に、この懸濁液成分に非溶解で、前
記重合性単量体を懸濁重合して得られる熱膨張性マイク
ロカプセルの粒径より小径の有機樹脂微粒子を分散させ
る工程と、得られた有機樹脂微粒子分散懸濁液の前記重
合性単量体を懸濁重合させて、熱膨張性マイクロカプセ
ルおよび有機樹脂微粒子を含有する混合分散液を得る工
程と、この混合分散液を熱膨張性マイクロカプセルが膨
張しない乾操条件で乾燥させる工程とを備えていること
を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に微粒子が付
着した熱膨張性マイクロ粒子の製造方法、これにより得
られた熱膨張性マイクロ粒子および膨張済みマイクロ粒
子に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を外穀とし低沸点溶剤を内
包する中空微粒子である熱膨張性マイクロカプセルは、
低沸点の有機溶剤と重合性単量体と重合触媒との混合液
を懸濁させ、重合性単量体を懸濁重合させて得ることが
一般的である。そのため、生成した熱膨張性マイクロカ
プセルは分散液として得られるとともに、通常水中で重
合させていることから相当量の水分を含有している。よ
って、使用にあたっては、熱膨張性マイクロカプセルを
乾燥させ水分を除去しなければならない場合があるが、
水分を除去すると熱膨張性マイクロカプセル同士が凝集
してしまうといった問題点があった。
【0003】特に、外殻が乾燥条件における加熱温度で
も軟化してしまうような熱可塑性樹脂によって形成され
ている場合、マイクロカプセルの凝集が顕著であった。
しかも、マイクロカプセルが凝集した状態で熱膨張させ
ると加熱によりマイクロカプセルの外穀樹脂が軟化し、
それによって膨張したマイクロカプセル同士が熱融着し
て強固に凝集するといった問題点があった。そこで、生
成した熱膨張性マイクロカプセルの分散液中に炭酸カル
シウムやタルクなどの無機微粒子を分散させ、しかる後
に水分を除去することで熱膨張性マイクロカプセルの凝
集や熱膨張したマイクロカプセルの熱融着の発生を低減
させることが提案されている。
【0004】例えば、特開昭63−286238号公報
では、膨潤性合成フッ素からなる層状鉱物の水性コロイ
ドを未膨張状態の熱膨張性マイクロカプセルの分散液に
分散させた後、分散液を乾操させており、特開平2−1
64440号公報では無機微粒子を分散させた懸濁液中
で重合性成分を懸濁重合させ熱膨張性マイクロカプセル
を生成させた後、分散液を乾燥させている。
【0005】しかしながら、これら熱膨張性マイクロカ
プセル表面に無機微粒子を付着させた熱膨張性マイクロ
粒子の場合、無機微粒子がマイクロカプセルの外穀を構
成する熱可塑性樹脂よりも硬く、乾燥工程を経るなどす
るうちに表面に付着した無機微粒子が外穀樹脂に埋没し
てしまいマイクロカプセルの凝集や熱融着を低減させる
効果が低下するといった問題点があった。
【0006】そこで、熱膨張性微粒子の脱水ケーキに、
微粒子や液体をブレンドさせ、乾燥させることによっ
て、発泡(熱膨張)時の粒子同士の熱による融着や凝集
を防止する方法が検討されている。例えば、特開平03
−273037号公報では、熱膨張性マイクロカプセル
(発泡性熱可塑性樹脂微小球体)の湿潤ケーキに、該熱
膨張性マイクロカプセルの外殻を構成する熱可塑性樹脂
の軟化点または融点より高い軟化点または融点を有す
る、自由流動性粒状または繊維状固体である表面遮断被
覆剤とを混合して発泡時のカプセル同士の熱による融着
や凝集を防止することが試みられている。
【0007】また、特表平06−509125号公報で
は、熱膨張性マイクロカプセル(発泡性熱可塑性樹脂微
小球体)のスラリーもしくは湿潤ケーキに該熱膨張性マ
イクロカプセルの外殻を構成する熱可塑性樹脂の軟化点
または融点より高い軟化点または融点を有する表面遮断
液体を混合して熱膨張(発泡)時のカプセル同士の熱に
よる融着や凝集を防止することが試みられている。
【0008】しかしながら、熱膨張性マイクロカプセル
の湿潤ケーキに表面遮断被覆剤を添加すると、混合が不
均一となる。したがって、得られる熱膨張性マイクロ粒
子(微小球体)は、マイクロカプセルの表面に表面遮断
被覆剤が不均一に付着している。その結果、発泡時にマ
イクロカプセル同士の表面の接触面積が大きくなり、熱
による融着や凝集の防止効果が弱くなる問題がある。ま
た、マイクロカプセル同士の接触面積を小さくする目的
で表面遮断被覆剤の添加量を増やすと、発泡時に表面遮
断被覆剤が断熱剤として働き、発泡倍率の低下を招いた
り、表面遮断被覆剤の増量により、本来の目的である基
材の軽量化といった観点からも不都合があった。
【0009】また、表面遮断被覆剤を含有した状態での
長時間の攪拌を伴う乾燥により、微粒子がマイクロカプ
セルの外殻を構成する熱可塑性樹脂中に埋没してしま
い、その結果、熱による融着や凝集の防止効果か弱くな
る問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、加熱発泡工程での凝集、融着が大幅に改
善された、表面に微粒子が付着した熱膨張性マイクロ粒
子の製造方法、これにより得られた熱膨張性マイクロ粒
子および膨張済みマイクロ粒子を提供することを目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明にかかる表面に微粒子が付着した熱膨
張性マイクロ粒子は、本発明の製造方法のように、乾燥
した熱膨張性マイクロカプセルからなる粉体と、前記熱
膨張性マイクロカプセルよりも小さい微粒子からなる粉
体とを均一に混合するようにした。そして、本発明にか
かる膨張済みマイクロ粒子は、本発明の製造方法により
製造された、表面に微粒子が付着した熱膨張性マイクロ
粒子の熱膨張性マイクロカプセルを熱膨張させて得るよ
うにした。
【0012】本発明において、熱膨張性マイクロカプセ
ルは,低沸点有機溶剤を熱可塑性樹脂からなる外殻中に
内包したもので、低沸点有機溶剤と重合性単量体と重合
触蝶とを、水を主成分とする媒体中に懸濁させてから重
合させるか、重合性単量体を低沸点有機溶剤の懸濁する
水性媒体中に徐々に添加しながら重合させる、あるい
は、両者の混合液を徐々に反応系に添加しながら重合す
る従来から公知の方法を採用し得ることができる。熱膨
張性マイクロカプセルの粒子径は、特に限定されない
が、1μm〜50μm程度が好ましい。
【0013】低沸点有機溶剤としては、例えば、エタ
ン、エチレン、プロパン、プロペン、ブタン、イソブタ
ン、ブテン、イソブテン、ペンタン、イソペンタン、ネ
オペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の低分子量炭化水素
及びCC13F、CC122、CC1F3、CC1F2
CC1F2等のクロロフルオロカーボン、テトラメチル
シラン、トリメチルエチルシラン等のシラン化合物など
が例示され、ブテン、イソブタン、イソブテン、ペンタ
ン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン
等、沸点−20℃〜50℃の低分子量炭化水素が好適で
ある。
【0014】重合単量体としては、(メタ)アクリル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル
酸、ビニル安息香酸;それらのエステル類、アミド類、
ニトリル類;スチレン、メチルスチレン、エチルスチレ
ン、クロロスチレン等のビニル芳香族類;塩化ビニル、
酢酸ビニル等のビニル化合物;塩化ビニリデン等のビニ
リデン化合物;ジビニルベンゼン、イソプレン、クロロ
プレン、ブタジエン等のジエン類などが例示される。こ
れらの重合単量体は単独で用いられても良いし、複合し
て用いても構わない。なお、上記の重合単量体のうち、
(メタ)アクリル酸とそれらのエステル類、ニトリル
類、ビニリデン化合物等、重合物あるいは共重合物が熱
可塑性でガスバリア性を有するものを単量体として用い
ることが好ましい。
【0015】熱膨張性マイクロカプセルの乾燥方法は、
加熱時間が熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張に必要な
時間より短く、加熱温度が熱膨張性マイクロカプセルの
熱膨張に必要な温度より低く、且つ混合体が乾燥するの
に十分な時間及び温度で乾燥させることを条件とする乾
燥方法であればいずれの方法でも良い。中でも、遠心分
離機により予備脱水を行い、その後90℃以下で振動乾
燥、気流乾燥、静置乾燥などを行う方法が好ましい。な
お、乾燥した熱膨張性マイクロカプセルは飛散しやすい
ので取扱いに注意が必要である。そこで、微粒子粉体と
の混合に際して熱膨張性マイクロカプセルの飛散を防止
できる最小限の水分が粉体に含有されていてもよい。た
だし、水分量が多くなると微粒子を均一に混合すること
が難しくなるので熱膨張性マイクロカプセルが飛散する
ほど乾燥した状態であっても水分を含有させることなく
混合するほうが好ましい。
【0016】熱膨張性マイクロカプセルより小さな微粒
子(以下、「微粒子A」と記す)としては、本発明の効
果を失わない限り、有機系のものでも無機系のものでも
構わない。
【0017】有機系の微粒子Aとしては、特に限定され
ないが、たとえば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、
シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル安息香
酸;それらのエステル類、アミド類、ニトリル類;スチ
レン、メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレ
ン等のビニル芳香族類、ジビニルベンゼン、トリメチロ
ールプロパン等のビニル基を二つ以上有するジビニル化
合物等を単量体として、乳化重合法、リープフリー重合
法、分散重合法、懸濁重合法、ミニエマルジョン重合法
等により重合された有機樹脂の粒子状微粒子であること
が好ましい。
【0018】一方、無機系の微粒子Aとしては、特に限
定されないが、たとえば、シリカ、タルク、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、アルミナ、二酸化チタン、酸化亜
鉛、セラミックビーズ、水晶ビーズ、ガラスビーズ、ポ
リテトラフルオロエチレンビーズ、ガラス繊維、綿繊
維、ポリアミド繊維及びこれらの混合物からなる群から
選ばれたものであることが好ましい。
【0019】さらに、微粒子Aの粒子経は、0.001
μm〜10μmであることが好ましい。すなわち、微粒
子Aの粒子経が、大きすぎると視覚的に不純物として目
立ってしまい、小さすぎると熱膨張性マイクロカプセル
同士の接触面積の低減が望めなくなり、その結果凝集、
熱融着を防止する効果が薄くなる。また、熱膨張性マイ
クロカプセル粉体と微粒子A粉体との混合割合は、熱膨
張性マイクロカプセル粉体100重量部に対し、0.0
1重量部〜100重量部であることが好ましい。すなわ
ち、0.01重量部未満だと、熱膨張性マイクロカプセ
ル同士の接触が頻繁になり、凝集、熱融着を防止する効
果が薄くなり、100重量部を超えると、つまり熱膨張
性マイクロカプセル微粒子よりも多いと、本来の軽量化
材等としての効果が弱くなる恐れがある。
【0020】乾燥した熱膨張性マイクロカプセルからな
る粉体と、微粒子Aからなる粉体とを混合する際には、
微粒子A以外に必要に応じて着色剤、湿潤剤等の添加剤
を加えるようにしても構わない。微粒子Aも複数種添加
しても構わない。乾燥した熱膨張性マイクロカプセルか
らなる粉体と、微粒子Aからなる粉体とを均一に混合さ
せるには、例えば、混合物をミル、ミキサー等で混合す
ればよく特別な混合装置は必要ない。
【0021】
【作用】熱膨張性マイクロカプセルよりも小さい微粒子
Aを添加することによって、また、添加のタイミングを
熱膨張性マイクロカプセルの湿潤ケーキに添加するので
はなく、乾燥粉体に添加するために熱膨張性マイクロカ
プセルと微粒子Aが均一に混合され、熱膨張性マイクロ
カプセル表面に微粒子が均一付着し、その結果、発泡時
における熱膨張性マイクロカプセル同士の接触面積を低
減して、熱融着が大幅に改善される。熱融着が減少する
と、熱膨張後の粒子が独立の気泡として存在し、断熱効
果の上昇、気密性向上、液密性向上、気孔率向上、軽量
化等、各種の性能が向上する。
【0022】乾燥した熱膨張性マイクロカプセルからな
る粉体は、マイクロカプセル同士が凝集した凝集粒子を
含んでいることが多いが、粉体に微粒子を添加したのち
均一に混合すると熱膨張性マイクロカプセルに微粒子が
付着するとともに、凝集粒子がしだいに解砕されていき
凝集粒子をほとんど含まない粉体となる。また、得られ
た熱膨張性マイクロ粒子は、熱膨張性マイクロカプセル
の表面が均一に微粒子Aで覆われた状態になっているの
で、熱膨張性マイクロカプセルの外殻樹脂が表面にほと
んど露出することがなく、マイクロカプセル同士の凝集
や熱膨張したマイクロカプセルが熱融着する恐れがほと
んどない。
【0023】さらに、乾燥したマイクロカプセルからな
る粉体に微粒子Aからなる粉体を添加するので、長時間
かき混ぜながら乾燥させ無くても微粒子Aがマイクロカ
プセル表面に付着した熱膨張性マイクロ粒子を得ること
ができる。したがって、微粒子Aがマイクロカプセルの
外穀を構成する樹脂に埋没する恐れがない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を、その具体的な
実施例を比較例と対照させながら詳しく説明するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0025】(実施例1)アクリロニトリル2845重
量部(以下、「部」とのみ記す)、メタクリル酸メチル
465部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
5部、n−ペンタン64部、アゾビスイソブチロニトリ
ル17部、からなる油相を作製した。次いで、脱イオン
水7300部、固形分20%のコロイダルシリカ分散液
1260部、重クロム酸カリウム(2.5%水溶液)4
5部、ポリビニルピロリドン8部、塩化ナトリウム22
00部、塩酸8.5部からなる水相を作成した。上記油
相と水相を混合したのち、ホモジナイザーを使用し、6
000rpmで5分間ミキシングを行ない、4〜5kg
/cm2の加圧下、60℃で20時間反応させ、熱膨張
性マイクロカプセルの分散液Aを得た。
【0026】この分散液Aを遠心分離機で予備脱水し、
その後、40℃に保った静置乾燥機で乾燥し、乾燥状態
の平均粒径10μmの熱膨張性マイクロカプセルからな
る粉体Aを得た。攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を
備えた2000ml容のセパラブルフラスコに、イオン
交換水1044g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム10%水溶液24gを入れ、窒素気流下、一定のか
き混ぜ状態のもとで70℃に昇温し、30分経過後に重
合開始剤としての過硫酸アンモニウム0.6gを加えた
後、滴下ロートを用いて、ジビニルベンゼン120gを
滴下速度0.7g/minで滴下し、重合を行った。
【0027】反応系の温度を70℃に維持し、約3時間
で滴下を全量終了し、さらに3時間後、重合を完了さ
せ、有機樹脂微粒子の分散液Bを得た。得られた分散液
B中の有機樹脂微粒子の平均粒子径は0.08μmであ
った。上記分散液Bを藤崎電機社製噴霧乾燥機「MDL
O50」を用いて乾燥し、有機樹脂微粒子の粉体Bを得
た。上記のようにして得た粉体A100部と粉体B3部
をミルにより混合し、熱膨張性マイクロカプセルと有機
樹脂微粒子との混合粉体を得た。得られた混合粉体を電
子顕微鏡で観察したところ、有機樹脂微粒子が熱膨張性
マイクロカプセルの表面に均一に付着している様子が確
認された。
【0028】このようにして得られた有機樹脂微粒子が
熱膨張性マイクロカプセルの表面に均一に付着している
熱膨張性マイクロ粒子を170℃に保ったオーブンで1
分間加熱し、膨張済みマイクロ粒子からなる粉体を得
た。この膨張済みマイクロ粒子からなる粉体は手で容易
にほぐれた。また、電子顕微鏡で観察したところ、有機
樹脂微粒子が膨張したマイクロカプセルの表面に均一に
付着しており、さらに、膨張済みマイクロ粒子同士の凝
集はわずかであった。
【0029】(実施例2)実施例1で得た粉体A100
部と粒子径約10nmのシリカ粒子の粉体0.3部をミ
ルにより混合し、熱膨張性マイクロカプセルとシリカ粒
子との混合粉体を得た。得られた混合粉体を電子顕微鏡
で観察したところ、シリカ粒子が熱膨張性マイクロカプ
セルの表面に均一に付着している様子が確認された。
【0030】また、このようにして得られたシリカ粒子
が熱膨張性マイクロカプセルの表面に均一に付着してい
る熱膨張性マイクロ粒子からなる混合粉体を170℃に
保ったオーブンで1分間加熱し、膨張済みマイクロ粒子
からなる粉体を得た。この膨張済みマイクロ粒子からな
る粉体は手で容易にほぐれた。また、電子顕微鏡で観察
したところ、シリカ粒子が膨張したマイクロカプセルの
表面に均一に付着しており、さらに、膨張済みマイクロ
粒子の凝集はわずかであった。
【0031】(比較例1)実施例1で得られた熱膨張性
マイクロカプセルの分散液Aを遠心分離機で予備脱水を
行い、水分量30%になったケーキ100部に実施例2
で用いたシリカ粒子粉体0.2部をミルにより混合し、
然る後に40℃に保った静置乾燥機で乾燥し、熱膨張性
マイクロカプセルとシリカ粒子との混合粉体を得た。得
られた混合粉体を電子顕微鏡で観察したところ、シリカ
粒子は熱膨張性マイクロカプセル表面に不均一な状態で
付着をしており、熱膨張性マイクロ粒子同士の凝集体が
多数見られた。
【0032】上記混合粉体を170℃に保ったオーブン
中で一分間加熱し、熱膨張性マイクロ粒子のマイクロカ
プセル部分を熱膨張させて、膨張済みマイクロ粒子から
なる粉体を得た。この膨張済みマイクロ粒子からなる粉
体は、容易にはほぐれず、スポンジ状の弾力を持つ膨張
済みマイクロ粒子集合体となり、さらに電子顕微鏡で観
察を行ったところ、膨張済みマイクロ粒子同士が凝集ま
たは熱融着している様子が多数見られた。
【0033】(比較例2)実施例1で得られた粉体Aを
170℃に保ったオーブン中で一分間加熱し、熱膨張性
マイクロカプセルを熱膨張させて膨張済みマイクロカプ
セルからなる粉体を得た。この粉体は容易にはほぐれ
ず、スポンジ状の弾力を持つ膨張済みマイクロ粒子集合
体となり、さらに電子顕微鏡で観察したところ、膨張済
みマイクロ粒子同士が凝集または熱融着している様子か
多数見られた。
【0034】
【発明の効果】本発明にかかる熱膨張性マイクロ粒子の
製造方法は、以上のように乾燥した熱膨張性マイクロカ
プセルからなる粉体と、前記熱膨張性マイクロカプセル
よりも小さい微粒子からなる粉体とを均一に混合するよ
うにしたので、熱膨張性マイクロカプセル表面への微粒
子の付着が均一になる。
【0035】したがって、この製造方法で得られた熱膨
張性マイクロ粒子は、表面の微粒子が発泡時における熱
膨張性マイクロカプセル同士の接触面積を低減し、凝集
・熱融着が大幅に改善する。そして、この熱膨張性マイ
クロ粒子を熱膨張させた本発明の膨張済みマイクロ粒子
は、熱膨張後独立の気泡として存在し、断熱効果の上
昇、気密性向上、液密性向上、気孔率向上、軽量化等、
各種の性能の向上を図ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大村 貴宏 山口県新南陽市開成町4560 積水化学工業 株式会社内 (72)発明者 川口 泰広 山口県新南陽市開成町4560 徳山積水工業 株式会社内 Fターム(参考) 4G005 AA01 AB14 BA02 BB24 DA05W DC02X DD02Z DD12Z DD59Z DE10Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾燥した熱膨張性マイクロカプセルからな
    る粉体と、前記熱膨張性マイクロカプセルよりも小さい
    微粒子からなる粉体とを均一に混合することを特徴とす
    る表面に微粒子が付着した熱膨張性マイクロ粒子の製造
    方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の製造方法により製造され
    た、表面に微粒子が付着した熱膨張性マイクロ粒子。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の製造方法により製造され
    た、表面に微粒子が均一に付着した熱膨張性マイクロ粒
    子の熱膨張性マイクロカプセルを熱膨張させて得られた
    膨張済みマイクロ粒子。
JP2001310274A 2001-10-05 2001-10-05 表面に微粒子が付着した熱膨張性マイクロ粒子の製造方法、この製造方法で得られる熱膨張性マイクロ粒子および膨張済みマイクロ粒子 Pending JP2003112039A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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