JP2003111205A - ハイブリッド型車両の駆動力制御装置 - Google Patents

ハイブリッド型車両の駆動力制御装置

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JP2003111205A
JP2003111205A JP2001299184A JP2001299184A JP2003111205A JP 2003111205 A JP2003111205 A JP 2003111205A JP 2001299184 A JP2001299184 A JP 2001299184A JP 2001299184 A JP2001299184 A JP 2001299184A JP 2003111205 A JP2003111205 A JP 2003111205A
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driving force
engine
rotor
control device
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Yasuo Konoma
康夫 木間
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Honda Motor Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2510/00Input parameters relating to a particular sub-units
    • B60W2510/18Braking system
    • B60W2510/188Parking lock mechanisms

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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータのフリクションによるエンジンの駆動
効率の低下を防止できるとともに、モータを作用させな
い状態からモータによるアシスト状態や回生制動状態に
スムーズに移行できるハイブリッド型車両の駆動力制御
装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 キャリアにエンジン2の出力軸が連結さ
れ、サンギヤにジェネレータ4のロータが連結される第
1プラネタリギヤ装置30と、サンギヤにモータ3のロ
ータが連結され、リングギヤに第1プラネタリギヤ装置
30のリングギヤが連結される第2プラネタリギヤ装置
40とを備え、第2プラネタリギヤ装置40のキャリア
から駆動力を出力するハイブリッド型車両の駆動力制御
装置1であって、モータ3のロータを回転させて車両を
発進させ、エンジン2の起動後、第1所定条件のときに
モータ3のロータの回転を停止することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンおよびモ
ータによる2つの駆動源とジェネレータによる発電源を
有するハイブリッド型車両の駆動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンおよびモータによる2つ
の駆動源を有するハイブリッド型車両の開発が盛んに行
われている。ハイブリッド型車両には、エンジンの駆動
力およびモータの駆動力を伝達する機構を備えるととも
に運転状態に応じて2つの駆動力の配分や発電力を制御
する駆動力制御装置が搭載されている。以下に、駆動力
制御装置の構成の例を挙げる。その1つ目の例として
は、エンジンの出力軸がプラネタリギヤ装置のキャリア
に連結され、ジェネレータの入力軸がサンギヤに連結さ
れ、リングギヤからの駆動力とモータの駆動力とを合わ
せて出力する駆動力制御装置である。この駆動力制御装
置では、プラネタリギヤ装置によってエンジンの駆動力
とモータの駆動力とを配分し、高速、高出力のときにモ
ータの負担の割合を大きくするように制御している。2
つ目の例としては、エンジンと変速機との間にモータを
配置し、エンジンの出力軸にモータのロータを直結して
駆動力を出力する駆動力制御装置である。この駆動力制
御装置では、エンジンを主駆動力源とし、モータを補助
動力源として、加速時等のエンジンの負荷が大きいとき
にモータによってアシストするように制御している。
【0003】3つ目の例としては、特開平11−332
018号公報に開示されている動力出力装置およびその
制御方法である。この動力出力装置は、エンジンの出力
軸、第1のモータの回転軸および駆動軸をプラネタリギ
ヤ装置によって連結するとともに、第2のモータの回転
軸とエンジンの出力軸とを第1のクラッチによって断続
可能とし、第2のモータの回転軸と駆動軸とを第2のク
ラッチによって断続可能としている。そして、この動力
出力装置は、第2のモータをエンジンの出力軸または駆
動軸から切り離すことにより運転効率を向上させるため
に、第1のクラッチおよび第2のクラッチのオン/オフ
を制御している。4つ目の例としては、特開平2000
−220731号公報に開示されている電動車両であ
る。この電動車両は、エンジンの出力(回転軸)がクラ
ッチ手段を介してプラネタリギヤ装置のキャリアに連結
され、キャリアが出力軸に連結されるとともに高速摩擦
係合要素を介してリングギヤに断続可能であり、モータ
の回転軸がサンギヤに連結されている。そして、この電
動車両では、低速段と高速段とを切り換える場合、高速
摩擦係合要素の伝達トルク量をクラッチ手段の伝達トル
ク量で相殺するように、高速摩擦係合要素およびクラッ
チ手段の伝達トルク量を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た駆動力制御装置のうち3つ目の動力出力装置以外の駆
動力を伝達する機構では、エンジンとモータとがプラネ
タリギヤ装置を介して連結されているかあるいはエンジ
ンとモータとが直結されているので、エンジンの駆動力
によってモータのロータが回転する機構となっている。
そのため、エンジンの駆動力によってモータのロータが
回転すると、そのロータを回転させるためのトルクがエ
ンジンに対するフリクションロスとなって消費される。
特に、エンジンのみでハイブリッド型車両を駆動する場
合には、そのフリクションロスによってエンジンの駆動
効率が低下する。
【0005】また、前記した動力出力装置では、エンジ
ンのみでハイブリッド型車両を駆動する場合、クラッチ
をオフすることによって第2のモータをプラネタリギヤ
装置から切り離すことができるので、エンジンの駆動力
によって第2のモータのロータが回転しないようにする
ことができる。このとき、ドライバから加速要求あるい
は制動要求があると、動力出力装置では、第2のモータ
によって駆動力をアシストあるいは回生制動力を発生す
るために、クラッチをオンして第2のモータをプラネタ
リギヤ装置に連結する。しかし、この動力出力装置で
は、出力軸の回転速度と駆動軸の回転速度とに応じてク
ラッチをオン/オフ制御しているので、クラッチがオン
することによって車両にクラッチの締結ショックが生じ
る。
【0006】そこで、本発明の課題は、モータのフリク
ションによるエンジンの駆動効率の低下を防止できると
ともに、モータを作用させない状態からモータによるア
シスト状態や回生制動状態にスムーズに移行できるハイ
ブリッド型車両の駆動力制御装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明の請求項1に係るハイブリッド型車両の駆動力制御装
置は、エンジンと、電力が供給されてロータが回転する
モータと、ロータに入力された回転によって電力を発生
するジェネレータとを有し、キャリアに前記エンジンの
出力軸が連結され、サンギヤに前記ジェネレータのロー
タが連結される第1プラネタリギヤ装置と、サンギヤに
前記モータのロータが連結され、リングギヤに前記第1
プラネタリギヤ装置のリングギヤが連結される第2プラ
ネタリギヤ装置とを備え、前記第2プラネタリギヤ装置
のキャリアから駆動力を出力するハイブリッド型車両の
駆動力制御装置であって、前記モータのロータを回転さ
せて前記車両を発進させ、前記エンジンの起動後、第1
所定条件のときに前記モータのロータの回転を停止する
ことを特徴とする。このハイブリッド型車両の駆動力制
御装置によれば、エンジンの駆動力を第1プラネタリギ
ヤ装置のキャリアからリングギヤを介して第2プラネタ
リギヤ装置のリングギヤに伝達するとともにモータの駆
動力を第2プラネタリギヤ装置を介して伝達し、第2プ
ラネタリギヤ装置のキャリアからエンジンおよび/また
はモータの駆動力を出力する。さらに、この駆動力制御
装置では、エンジンのみでハイブリッド型車両を駆動す
る場合等の第1所定条件のときには、2つのプラネタリ
ギヤ装置によりエンジンによる駆動力をモータのロータ
に伝達しないようにし、モータのロータを停止する。そ
のため、この駆動力制御装置では、モータのフリクショ
ンによってエンジンの駆動力をロスしない。また、この
駆動力制御装置では、エンジンの駆動力を第1プラネタ
リギヤ装置のキャリアを介してサンギヤに伝達し、ジェ
ネレータのロータを回転させることによって発電する。
【0008】また、本発明の請求項2に係るハイブリッ
ド型車両の駆動力制御装置は、前記請求項1に係るハイ
ブリッド型車両の駆動力制御装置において、前記第2プ
ラネタリギヤ装置のリングギヤと前記モータのロータと
の間で、駆動力の伝達を断接可能なクラッチを備え、前
記モータのロータの回転を停止した後、再度前記モータ
のロータを回転させ、第2所定条件のときに前記クラッ
チを係合することを特徴とする。このハイブリッド型車
両の駆動力制御装置によれば、モータの休止状態からア
シスト状態に移行する場合、モータをロータを再回転さ
せ、最初にモータの駆動力を第2プラネタリギヤ装置の
サンギヤを介してキャリアから出力し、その後、係合に
よるショックを発生しないタイミング(第2所定条件)
でクラッチを係合して第2プラネタリギヤ装置のリング
ギヤも介してキャリアから出力する。さらに、この駆動
力制御装置では、モータの休止状態から回生制動状態に
移行する場合、モータのロータを再回転させ、最初に外
部からの回転力を第2プラネタリギヤ装置のサンギヤを
介してモータのロータに伝達し、その後、係合によるシ
ョックを発生しないタイミング(第2所定条件)でクラ
ッチを係合して第2プラネタリギヤのリングギヤも介し
てモータのロータに伝達する。そのため、この駆動力制
御装置では、モータによる駆動力のアシスト状態や回生
制動状態にスムーズに移行できる。
【0009】また、本発明の請求項3に係るハイブリッ
ド型車両の駆動力制御装置は、前記請求項2に係るハイ
ブリッド型車両の駆動力制御装置において、前記クラッ
チは、油圧クラッチとワンウェイクラッチからなること
を特徴とする。このハイブリッド型車両の駆動力制御装
置によれば、モータによるアシスト状態の場合、ワンウ
ェイクラッチを介してモータの駆動力をエンジンの駆動
力に付加でき、ワンウェイクラッチによってモータのロ
ータの逆回転による逆駆動力をエンジンの駆動力に付加
しない。また、この駆動力制御装置では、モータによる
回生制動状態に移行する場合、油圧クラッチによってク
ラッチの係合力を調整しながら外部からの回転力をモー
タのロータに伝達するので、回生制動状態にスムーズに
移行できる。
【0010】なお、第1所定条件は、モータによるアシ
ストやモータによる回生制動が必要ない場合あるいはモ
ータによるアシストやモータによる回生制動ができない
場合等のモータを使用しない場合であり、例えば、エン
ジンの駆動力のみで走行する場合、モータが故障した場
合、モータに電力を供給できない場合等である。また、
第2所定条件は、クラッチの係合によるショックが発生
しない条件かあるいはショックを低減できる条件であ
り、例えば、第2プラネタリギヤ装置のリングギヤの回
転数とモータのロータの回転数とが同じ回転数になった
場合あるいはほぼ同じ回転数等である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係るハイブリッド型車両の駆動力制御装置の実施の形態
について説明する。
【0012】本発明は、エンジンとモータを駆動源とす
るハイブリッド型車両においてモータの駆動力あるいは
回生制動力を必要としない場合、モータによるフリクシ
ョンがエンジンの負荷にならないように構成した駆動力
制御装置である。そのために、この駆動力制御装置は、
エンジンとジェネレータとを連結するための第1プラネ
タリギヤ装置および第1プラネタリギヤ装置のリングギ
ヤとモータとを連結するための第2プラネタリギヤ装置
を備えるとともに、エンジンによる駆動力をモータのロ
ータに断続可能なクラッチを備えている。そして、この
駆動力制御装置は、ハイブリッド型車両の運転状態がエ
ンジンのみの駆動力で走行する場合等に、クラッチの係
合を解放してモータのロータの回転を休止するように制
御する。
【0013】本実施の形態では、駆動源としてのエンジ
ンおよびモータ(ただし、回生による発電源としても機
能)と発電源としてのジェネレータならびに変速機とし
ての自動変速機を有するハイブリッド型車両の駆動力制
御装置に本発明を適用する。本実施の形態に係る駆動力
制御装置は、モータ休止機構を有する駆動力伝達機構を
備え、この駆動力伝達機構およびエンジン、モータ、ジ
ェネレータを4つのコントローラが協働して制御してい
る。なお、本実施の形態では、モータ休止機構の構成と
して2つの実施の形態がある。そこで、本実施の形態で
は、第1の実施の形態に係る駆動力制御装置については
詳細に説明し、第2の実施の形態に係る駆動力制御装置
についてはモータ休止機構の構成についてのみ詳細に説
明する。また、本実施の形態では、クラッチが「係合す
る」ことを「オンする」といい、「係合が解放する」こ
とを「オフする」という。
【0014】まず、図1を参照して、実施の形態に係る
ハイブリッド型車両の駆動系について説明する。図1
は、ハイブリッド型車両の駆動力制御装置の全体構成図
である。
【0015】ハイブリッド型車両は、駆動源としてエン
ジン2およびモータ3を有しており、駆動力制御装置1
によってエンジン2による駆動力とモータ3による駆動
力とを最適配分し、この最適配分された駆動力を自動変
速機ATおよびディファレンシャルギヤDGおよび車軸
DS等を介して駆動輪W,Wに伝達している。また、ハ
イブリッド型車両は、発電源としてジェネレータ4およ
び回生によって発電するモータ3を有するとともにバッ
テリ5を有しており、駆動力制御装置1によってジェネ
レータ4による発電とモータ3による発電を制御し、こ
の発電した電力をバッテリ5に充電している。
【0016】エンジン2は、ガソリンエンジン、ディー
ゼルエンジン等の内燃機関であれば特に限定されない
が、本実施の形態では水冷式のガソリンエンジンとす
る。エンジン2は、エンジンコントローラ10に制御さ
れており、スロットルアクチュエータ2aによってスロ
ットル開度が調整されて駆動力が制御される。そして、
エンジン2では、この制御された駆動力をクランク軸2
bからフライホイール6を介して駆動力伝達機構1aに
出力している。
【0017】モータ3は、三相交流式の電動モータであ
り、ステータコイル3aに通電されて磁界を発生すると
回転軸と一体となったロータ3bが回転するとともに、
外力によってロータ3bが回転して磁界を発生するとス
テータコイル3aに電流が流れて電力を発生する。モー
タ3は、モータジェネレータコントローラ11に制御さ
れており、モータジェネレータドライバ12によってス
テータコイル3aの通電量(モータ電流)が調整されて
駆動力または発電力が制御される。そして、モータ3
は、この制御された駆動力を駆動力伝達機構1aに出力
するとともに、制御された発電力をモータジェネレータ
ドライバ12を介してバッテリ5に充電している。モー
タジェネレータドライバ12では、モータ3が駆動力を
出力する場合にはバッテリ5から直流電流を取り出して
三相交流電流に変換し、モータ3が発電する場合にはス
テータコイル3aで発生した三相交流電流を取り出して
直流電流に変換している。
【0018】ジェネレータ4は、三相交流式の発電機で
あり、外力によってロータ4bが回転して磁界を発生す
るとステータコイル4aに電流が流れて電力を発生す
る。ジェネレータ4は、モータジェネレータコントロー
ラ11に制御されており、モータジェネレータドライバ
12によってステータコイル4aの通電量(ジェネレー
タ電流)が調整されて発電力が制御される。そして、ジ
ェネレータ4は、この制御された発電力をモータジェネ
レータドライバ12を介してバッテリ5に充電してい
る。モータジェネレータドライバ12では、ジェネレー
タ4が発電する場合にはステータコイル4aで発生した
三相交流電流を取り出して直流電流に変換している。
【0019】なお、ハイブリッド型車両には、ドライバ
からの入力(アクセルペダルの踏み込み、ブレーキペダ
ルの踏み込み)、車速、バッテリ5の残容量等に基づい
て、幾つかのモードがある。このモードとしては、モー
タ発進&走行モード、エンジン起動モード、ハイブリッ
ド走行モード、モータ休止モード、エンジン走行モー
ド、モータアシスト再開モードおよびモータ回生制動
(&アシスト再開)モードがある。モータ発進&走行モ
ードは、ドライバが発進操作を開始してからエンジン2
が起動するまでのモードであり、モータ3の駆動力のみ
で発進および走行するモードである。エンジン起動モー
ドは、エンジン2が起動してからハイブリッド走行にな
るまでのモードであり、モータ3の駆動力のみで走行す
るモードである。ハイブリッド走行モードは、加速時等
のモードであり、エンジン2の駆動力とモータ3の駆動
力により走行するモードである。モータ休止モードは、
ハイブリッド走行からエンジン走行に移行するまでのモ
ードであり、エンジン2の駆動力と低減するモータ3の
駆動力により走行するモードである。エンジン走行モー
ドは、クルーズ走行時等のモードであり、エンジン2の
駆動力のみで走行するモードである。モータアシスト再
開モードは、エンジン走行からハイブリッド走行に移行
するまでのモードであり、エンジン2の駆動力と増加す
るモータ3の駆動力により走行するモードである。モー
タ回生制動モードは、制動時のモードであり、エンジン
2の駆動力とモータ3の駆動力が低減するとともにブレ
ーキ力とモータ3の回生制動力により制動しかつモータ
3の発電力により充電するモードである。ちなみに、モ
ータ回生制動モードに移行する前がエンジン走行モード
の場合には、モータ回生制動&アシスト再開モードとな
る。なお、本実施の形態では、エンジン走行モードの場
合にモータ3のロータの回転を休止するので、エンジン
走行モードが特許請求の範囲に記載の第1所定条件に相
当する。
【0020】それでは、図1および図2を参照して、第
1の実施の形態に係る駆動力制御装置1の構成について
説明する。図2は、第1の実施の形態に係る駆動力制御
装置における駆動力伝達機構のスケルトン図である。
【0021】駆動力制御装置1は、各種センサからの信
号に基づいてエンジン2による駆動力(スロットル開
度)とモータ3による駆動力(モータ電流)を設定し、
この駆動力を自動変速機ATに伝達している。また、駆
動力制御装置1は、各種センサからの信号に基づいてジ
ェネレータ4による発電力(ジェネレータ電流)とモー
タ3による発電力(モータ電流)を設定し、この発電力
をバッテリ5に充電している。さらに、駆動力制御装置
1は、エンジン走行モード中にはモータ3によるフリク
ションロスを低減あるいは無くすために、モータ3のロ
ータ3bを休止させる。そのために、駆動力制御装置1
は、駆動力伝達機構1a、エンジン2、モータ3、ジェ
ネレータ4、エンジンコントローラ10、モータジェネ
レータコントローラ11、モータジェネレータドライバ
12、ミッションコントローラ13、ブレーキコントロ
ーラ14、車速センサ20、アクセル開度センサ21、
水温センサ22、エンジン回転数センサ23、バッテリ
残容量センサ24、モータロータ回転数センサ25、ジ
ェネレータロータ回転数センサ26、レンジセンサ2
7、リングギヤ回転数センサ28、ブレーキペダルセン
サ29等から構成されている。
【0022】駆動力伝達機構1aについて説明する。駆
動力伝達機構1aは、エンジンプラネタリギヤ装置3
0、モータプラネタリギヤ装置40、直結用ワンウェイ
クラッチ50、回生用クラッチ51、回生用クラッチ圧
調圧バルブ52、モータ休止用クラッチ53、モータ休
止用クラッチ圧調圧バルブ54、モータ休止用ワンウェ
イクラッチ55およびオイルポンプ56等から構成され
ている。特に、モータ3のロータ3bを休止するための
機構として、駆動力伝達機構1a中のエンジンプラネタ
リギヤ装置30以外の構成要素によりモータ休止機構1
bを構成している。なお、本実施の形態では、エンジン
プラネタリギヤ装置30が特許請求の範囲に記載する第
1プラネタリギヤ装置に相当し、モータプラネタリギヤ
装置40が特許請求の範囲に記載する第2プラネタリギ
ヤ装置に相当し、直結用ワンウェイクラッチ50が特許
請求の範囲に記載するワンウェイクラッチに相当し、回
生用クラッチが特許請求の範囲に記載する油圧クラッチ
に相当する。
【0023】エンジンプラネタリギヤ装置30は、サン
ギヤ31、複数のプラネットギヤ32の公転に伴い回転
するキャリア33およびリングギヤ34からなり、エン
ジン2による駆動力をモータプラネタリギヤ装置40お
よびジェネレータ4のロータ4bに伝達している。サン
ギヤ31には、ジェネレータ4のロータ4bの回転軸4
cが連結されている。キャリア33には、エンジン2か
らの駆動力がフライホイール6を介して伝達されている
出力軸6aが連結されている。出力軸6aは、回転軸4
cと同心であり、回転軸4cの中空部を通っている。リ
ングギヤ34には、伝達軸35を介してモータプラネタ
リギヤ装置40のリングギヤ44が連結されている。
【0024】モータプラネタリギヤ装置40は、サンギ
ヤ41、複数のプラネットギヤ42の公転に伴い回転す
るキャリア43およびリングギヤ44からなり、エンジ
ンプラネタリギヤ装置30からの駆動力および/または
モータ3による駆動力を自動変速機ATに伝達するとと
もに、制動時には駆動輪W,Wからの回転力をモータ3
のロータ3bに伝達している。サンギヤ41には、モー
タ3のロータ3bの回転軸3cが連結されている。キャ
リア43には、伝達軸45を介して自動変速機ATが連
結されている。伝達軸45は、回転軸3cと同心であ
り、回転軸3cの中空部を通っている。リングギヤ44
には、前記したように、伝達軸35を介してエンジンプ
ラネタリギヤ装置30のリングギヤ34が連結されてい
る。
【0025】直結用ワンウェイクラッチ50は、モータ
3のロータ3bとリングギヤ44の回転軸44aとの間
に配設されており、ロータ3bとリングギヤ44間の駆
動力(回転力)の伝達を断続するためのクラッチである
とともにロータ3bの逆回転による逆駆動力をリングギ
ヤ44に伝達しないために回転方向を一方向に規制する
ためのクラッチである。そして、直結用ワンウェイクラ
ッチ50は、モータ発進&走行モード、エンジン起動モ
ード時およびハイブリッド走行モード時にオンし、モー
タ3による駆動力をリングギヤ44に伝達する。ちなみ
に、回転軸44aは、中空部を有するとともに回転軸3
cおよび伝達軸45と同心であり、中空部の中には回転
軸3cおよび伝達軸45が通っている。
【0026】回生用クラッチ51は、モータ3のロータ
3bとリングギヤ44の回転軸44aとの間に配設され
ており、ロータ3bとリングギヤ44間の駆動力(回転
力)の伝達を断続するためのクラッチである。また、回
生用クラッチ51は、クラッチ圧を調整することにより
係合力を変えることができる油圧クラッチであり、オイ
ルポンプ56から油圧が供給される。そして、回生用ク
ラッチ51は、モータ回生制動モード時に係合し、係合
力(伝達トルク)を調整しながらリングギヤ44の回転
力(すなわち、駆動輪W,Wからの回転力)をロータ3
bに伝達する。
【0027】回生用クラッチ圧調圧バルブ52は、回生
用クラッチ51のクラッチ圧を調整するための調圧バル
ブであり、ミッションコントローラ13により制御され
る。
【0028】モータ休止用クラッチ53は、モータ休止
用ワンウェイクラッチ55の一端側に設けられており、
モータ3のロータ3bの回転を固定するためのクラッチ
である。また、モータ休止用クラッチ53は、クラッチ
圧を調整することにより係合力を変えることができる油
圧クラッチであり、オイルポンプ56から油圧が供給さ
れる。そして、モータ休止用クラッチ53は、レンジが
ドライブレンジのときに係合し、ロータ3bの回転力
(モータトルク)に応じて係合力(伝達量)を調整して
ロータ3bの回転を固定する。
【0029】モータ休止用クラッチ圧調圧バルブ54
は、モータ休止用クラッチ53のクラッチ圧を調整する
ための調圧バルブであり、ミッションコントローラ13
により制御される。
【0030】モータ休止用ワンウェイクラッチ55は、
モータ3のロータ3bとモータ休止用クラッチ53との
間に配設されており、モータ休止用クラッチ53による
ロータ3bに対する固定力の伝達を断続するためのクラ
ッチであるとともにロータ3bの逆回転による逆駆動力
を伝達しないために回転方向を一方向に規制するための
クラッチである。そして、モータ休止用ワンウェイクラ
ッチ55は、エンジン走行モード時にオンし、モータ休
止用クラッチ53による固定力をロータ3bに伝達す
る。
【0031】エンジンコントローラ10について説明す
る。エンジンコントローラ10は、車速センサ20から
の車速信号SS、アクセル開度センサ21からのアクセ
ル開度信号AS、水温センサ22からの水温信号TSお
よびエンジン回転数センサ23からのエンジン回転数信
号ES等が入力され、燃料噴射制御、点火時期制御、ア
イドル回転数制御等によってエンジン2を統括的に制御
するコントローラである。そのために、エンジンコント
ローラ10は、図示しない各種演算や処理等を行うCP
U[Central Processing Unit]、入力回路、出力回路、
記憶装置、電源回路等を備えている。
【0032】特に、エンジンコントローラ10は、駆動
力制御装置1のコントローラとしても機能しており、モ
ータジェネレータコントローラ11からの指令に応じて
以下の処理を行う。エンジンコントローラ10は、モー
タジェネレータコントローラ11で設定されたエンジン
トルクになるようにスロットル開度を制御するために、
スロットルアクチュエータ2aにスロットル開度信号T
Hを送信する。
【0033】モータジェネレータコントローラ11につ
いて説明する。モータジェネレータコントローラ11
は、車速センサ20からの車速信号SS、アクセル開度
センサ21からのアクセル開度信号AS、水温センサ2
2からの水温信号TS、エンジン回転数センサ23から
のエンジン回転数信号ES、バッテリ残容量センサ24
からのバッテリ残容量信号BS、モータロータ回転数セ
ンサ25からのモータロータ回転数信号MS、ジェネレ
ータロータ回転数センサ26からのジェネレータロータ
回転数信号GS、リングギヤ回転数センサ28からのリ
ングギヤ回転数信号ISおよびブレーキコントローラ1
4からのブレーキ踏力信号FS等が入力され、モータ3
およびジェネレータ4を統括的に制御するコントローラ
である。そのために、モータジェネレータコントローラ
11は、図示しない各種演算や処理等を行うCPU、入
力回路、出力回路、記憶装置、電源回路等を備えてい
る。
【0034】特に、モータジェネレータコントローラ1
1は、駆動力制御装置1を統括するコントローラであ
り、エンジンコントローラ10、ミッションコントロー
ラ13およびブレーキコントローラ14に各種指令を送
信する。モータジェネレータコントローラ11は、各種
センサ20〜28からの信号SS,AS,TS,ES,
BS,MS,GS,ISやコントローラ10,13,1
4からの情報に基づいて、前記したハイブリッド型車両
のモードを設定し、後記する各モードに応じた制御を行
う。モータジェネレータコントローラ11は、アクセル
開度信号ASと車速信号SSに基づいて、アクセル要求
トルクを決定してエンジントルク、モータトルクおよび
ジェネレータトルクを設定するとともに、クラッチ5
0,51,53,55のオン/オフを決定する。さら
に、モータジェネレータコントローラ11は、設定した
モータトルクとなるようにモータジェネレータドライバ
12にモータ電流信号MCを送信する。モータ電流信号
MCは、モータ3に駆動力を発生させる場合には正のモ
ータ電流が設定され、モータ3に回生制動力を発生させ
る場合には負のモータ電流が設定される。また、モータ
ジェネレータコントローラ11は、設定したジェネレー
タトルクとなるようにモータジェネレータドライバ12
にジェネレータ電流信号GCを送信する。ジェネレータ
電流信号GCは、発電する場合には負のジェネレータ電
流が設定され、エンジン起動モードの場合だけ正のジェ
ネレータ電流が設定される。
【0035】モータジェネレータドライバ12について
説明する。モータジェネレータドライバ12は、モータ
ジェネレータコントローラ11からのモータ電流信号M
Cおよびジェネレータ電流信号GCが入力され、モータ
3およびジェネレータ4をドライブする。モータ電流信
号MCに正のモータ電流が設定されている場合、モータ
ジェネレータドライバ12は、バッテリ5から直流電流
を取り出して三相交流電流に変換し、設定されたモータ
電流に相当する三相交流電流をモータ3のステータコイ
ル3aに供給する。モータ電流信号MCに負のモータ電
流が設定されている場合、モータジェネレータドライバ
12は、モータ3のステータコイル3aの通電量を設定
されたモータ電流になるように調整し、モータ電流(三
相交流電流)をステータコイル3aから取り出し、さら
に三相交流電流を直流電流に変換してバッテリ5に充電
する。ジェネレータ電流信号GCに正のジェネレータ電
流が設定されている場合、モータジェネレータドライバ
12は、バッテリ5から直流電流を取り出して三相交流
電流に変換し、設定されたジェネレータ電流に相当する
三相交流電流をジェネレータ4のステータコイル4aに
供給する。ジェネレータ電流信号GCに負のジェネレー
タ電流が設定されている場合、モータジェネレータドラ
イバ12は、ジェネレータ4のステータコイル4aの通
電量が設定されたジェネレータ電流になるように調整
し、そのジェネレータ電流(三相交流電流)をステータ
コイル4aから取り出し、さらに三相交流電流を直流電
流に変換してバッテリ5に充電する。
【0036】ミッションコントローラ13について説明
する。ミッションコントローラ13は、車速センサ20
からの車速信号SS、エンジン回転数センサ23からの
エンジン回転数信号ES、レンジセンサ27からのレン
ジ信号RSおよびリングギヤ回転数センサ28からのリ
ングギヤ回転数信号IS等が入力され、変速制御、ロッ
クアップ制御、エンジントルク制御等によって自動変速
機ATを統括的に制御するコントローラである。そのた
めに、ミッションコントローラ13は、図示しない各種
演算や処理等を行うCPU、入力回路、出力回路、記憶
装置、電源回路等を備えている。
【0037】特に、ミッションコントローラ13は、駆
動力制御装置1のコントローラとしても機能しており、
モータジェネレータコントローラ11からの指令に応じ
て以下の処理を行う。ミッションコントローラ13は、
直結用ワンウェイクラッチ50をオン/オフ制御する。
また、ミッションコントローラ13は、回生用クラッチ
圧調圧バルブ52に回生用クラッチ圧信号RPを送信し
て回生用クラッチ51のクラッチ圧を調整して回生用ク
ラッチ51をエンゲージ制御する。また、ミッションコ
ントローラ13は、レンジ信号RSに基づいて、レンジ
がドライブレンジのときにはモータ休止用クラッチ圧調
圧バルブ54にモータ休止用クラッチ圧信号SPを送信
してモータ休止用クラッチ53のクラッチ圧を調整して
モータ休止用クラッチ53をオン/オフ制御する。ま
た、ミッションコントローラ13は、モータ休止用ワン
ウェイクラッチ55をオン/オフ制御する。
【0038】ブレーキコントローラ14について説明す
る。ブレーキコントローラ14は、ブレーキペダルセン
サ29からのブレーキペダル位置信号PS等が入力さ
れ、ABS[Anti lock Brake System]制御等によってブ
レーキシステム(図示せず)を統括的に制御するコント
ローラである。そのために、ブレーキコントローラ14
は、図示しない各種演算や処理等を行うCPU、入力回
路、出力回路、記憶装置、電源回路等を備えている。
【0039】特に、ブレーキコントローラ14は、駆動
力制御装置1のコントローラとしても機能しており、モ
ータジェネレータコントローラ11からの指令に応じて
以下の処理を行う。ブレーキコントローラ14は、ブレ
ーキペダル位置信号PSに基づいて、ブレーキペダル
(図示せず)の踏力を演算し、ブレーキ踏力信号FSを
送信する。
【0040】車速センサ20について説明する。車速セ
ンサ20は、車速を単位時間当たりのパルス数として検
出するセンサであり、検出したパルス数に対応した車速
信号SSを送信している。
【0041】アクセル開度センサ21について説明す
る。アクセル開度センサ21は、アクセルペダル(図示
せず)の開度を検出するセンサであり、検出した開度に
対応したアクセル開度信号ASを送信している。
【0042】水温センサ22について説明する。水温セ
ンサ22は、エンジン2の冷却水温をサーミスタにより
抵抗値として検出するセンサであり、検出した抵抗値に
対応した水温信号TSを送信している。
【0043】エンジン回転数センサ23について説明す
る。エンジン回転数センサ23は、クランク軸2bの回
転数を単位時間当たりのパルス数として検出するセンサ
であり、検出したパルス数に対応したエンジン回転数信
号ESを送信している。
【0044】バッテリ残容量センサ24について説明す
る。バッテリ残容量センサ24は、バッテリ5に充電さ
れている容量(電力)を検出するセンサであり、検出し
た容量に対応したバッテリ残容量信号BSを送信してい
る。
【0045】モータロータ回転数センサ25について説
明する。モータロータ回転数センサ25は、モータ3の
ロータ3bの回転数を単位時間当たりのパルス数として
検出するセンサであり、検出したパルス数に対応したモ
ータロータ回転数信号MSを送信している。
【0046】ジェネレータロータ回転数センサ26につ
いて説明する。ジェネレータロータ回転数センサ26
は、ジェネレータ4のロータ4bの回転数を単位時間当
たりのパルス数として検出するセンサであり、検出した
パルス数に対応したジェネレータロータ回転数信号GS
を送信している。
【0047】レンジセンサ27について説明する。レン
ジセンサ27は、セレクタレバー(図示せず)のシフト
レンジを検出するセンサであり、検出したシフトレンジ
に対応したレンジ信号RSを送信している。ちなみに、
セレクタレバーのレンジとしては、パーキングレンジ、
リバースレンジ、ニュートラルレンジ、ドライブレン
ジ、セカンドレンジ、ローレンジがある。
【0048】リングギヤ回転数センサ28について説明
する。リングギヤ回転数センサ28は、伝達軸35(す
なわち、エンジンプラネタリギヤ装置30のリングギヤ
34、モータプラネタリギヤ装置40のリングギヤ4
4)の回転数を単位時間当たりのパルス数として検出す
るセンサであり、検出したパルス数に対応したリングギ
ヤ回転数信号ISを送信している。
【0049】ブレーキペダルセンサ29について説明す
る。ブレーキペダルセンサ29は、ブレーキペダル(図
示せず)の踏む込まれた位置を検出するセンサであり、
検出した位置に対応したブレーキペダル位置信号PSを
送信している。
【0050】次に、駆動力制御装置1における制御を図
3のタイムチャートに従って説明する。図3は、ハイブ
リッド型車両の駆動力制御装置の各制御を説明するため
のタイムチャートである。なお、以下に各制御をフロー
チャートに沿って説明するが、各制御では、コントロー
ラ10,11,13,14のCPUのクロックに基づい
て一定時間毎に各フローチャートの処理を繰り返し実行
している。
【0051】図3に示すタイムチャートは、ハイブリッ
ド型車両が走行を開始してから停止するまでの走行パタ
ーンの一例(モータ発進&走行モード→エンジン起動モ
ード→ハイブリッド走行モード→モータ休止モード→エ
ンジン走行モード→モータアシスト再開モード→ハイブ
リッド走行モード→モータ休止モード→エンジン走行モ
ード→モータ回生制動&アシスト再開モード)であり、
前記したハイブリッド型車両のモードを全て含んでい
る。駆動力制御装置1では、各モードに対応して、コン
トローラ10,11,13,14が協働して駆動力伝達
機構1a、エンジン2、モータ3およびジェネレータ4
を制御している。
【0052】図3では、横軸に時間を示し、縦軸に上か
らスロットル開度とアクセル開度、車軸DSのトルク、
エンジン2のトルク、モータ3のモータ電流(モータト
ルクの変化に相当)、ジェネレータ4のジェネレータ電
流(ジェネレータトルクの変化に相当)、直結用ワンウ
ェイクラッチ50のオン/オフ、回生用クラッチ51の
オン/オフ(なお、回生クラッチ51は、単純にオン/
オフするのではなく、係合力を変化させながらオン/オ
フする)、モータ休止用ワンウェイクラッチ55のオン
/オフ、モータ休止用クラッチ53のオン/オフ、車
速、エンジン2のクランク軸2bの回転数、モータ3の
ロータ3bの回転数、ジェネレータ4のロータ4bの回
転数を示している。
【0053】ここで、各モードにおける制御の説明を行
う前に、図1、図2、図12、図13および図14を参
照して、駆動力制御装置1でのモータ制御フラグの判定
処理を図4のフローチャートに沿って説明する。図4
は、ハイブリッド型車両の駆動力制御装置によるモータ
制御フラグ判定処理を示すフローチャートである。図1
2は、ハイブリッド型車両の駆動力制御装置で用いられ
る3次元空間上に表したアクセル開度−車速−アクセル
要求トルクマップである。図13は、二次元平面上に表
したハイブリッド型車両の運転状態を示す駆動力(逆駆
動力)−車速マップである。図14は、ハイブリッド型
車両の駆動力制御装置で用いられるバッテリ残容量を表
すグラフである。
【0054】モータ制御フラグは、モータ3の休止状態
に移行または休止状態から移行するための制御を示すフ
ラグであり、モータ休止制御、モータ回生制動&アシス
ト再開制御またはモータアシスト再開制御が設定され
る。
【0055】駆動力制御装置1では、モータジェネレー
タコントローラ11でアクセル開度信号ASおよび車速
信号SSに基づいて図12に示すアクセル開度−車速−
アクセル要求トルクマップからアクセル要求トルクを設
定する(S1)。図12では、3軸にアクセル開度、車
速、アクセル要求トルクを示しており、アクセル開度お
よび車速に対応するアクセル要求トルクを3次元空間上
に平面または曲面(斜線面)で示したものである。ちな
みに、アクセル要求トルクを図12で設定する場合、ア
クセル開度と車速との交点からアクセル要求トルク軸に
平行な線をその斜線面に下ろし、その交点(星印)から
車速軸に平行な線をアクセル開度−アクセル要求トルク
平面に下ろし、さらにその交点からアクセル開度軸に平
行な線をアクセル要求トルク軸上に下ろし、その交点が
設定するアクセル要求トルクとなる。
【0056】続いて、駆動力制御装置1では、モータジ
ェネレータコントローラ11で駆動力(逆駆動力)と車
速信号SSに基づいて図13に示す駆動力(逆駆動力)
−車速マップからエンジン駆動領域か否かを判定する
(S2)。図13では、横軸に車速を示しており、縦軸
に正の値ではハイブリッド型車両の駆動力と負の値では
逆駆動力を示しており、駆動力制御装置1でどのような
制御を行うのかを車速と駆動力(逆駆動力)との関係で
領域として示している。ここで用いられる駆動力または
逆駆動力(すなわち、制動力)は、(1)式に示すアク
セル要求トルクまたはアクセル要求トルク+制動要求ト
ルクに駆動力伝達系ギヤレシオとタイヤ半径の逆数を乗
算した値である。アクセル要求トルクは前記したように
アクセル開度と車速に基づく値であり(図12参照)、
制動要求トルクはブレーキペダルの踏力に基づく値であ
り(図16参照)、駆動力伝達系ギヤレシオは駆動力伝
達機構1aとモータプラネタリギヤ装置40のキャリア
43による出力から下流側の自動変速機ATおよびディ
ファレンシャルギヤDG等までからなるギヤ比であり、
タイヤ径は駆動輪W,Wの径である。
【0057】
【数1】
【0058】S2の判定でエンジン駆動領域の場合、ハ
イブリッド型車両ではエンジン2のみでの駆動に移行す
るので、駆動力制御装置1では、モータジェネレータコ
ントローラ11でモータ制御フラグをモータ休止制御と
設定する(S3)。
【0059】一方、S2の判定でエンジン駆動領域でな
い場合、駆動力制御装置1では、モータジェネレータコ
ントローラ11で駆動力(逆駆動力)と車速信号SSに
基づいて図13に示す駆動力(逆駆動力)−車速マップ
からモータ回生制動領域か否かを判定する(S4)。S
4の判定でモータ回生制動領域でない場合、モータ駆動
領域(ハイブリッド走行も含む)であり、ハイブリッド
型車両ではモータ3の休止状態からモータ3によるアシ
スト状態に移行するので、駆動力制御装置1では、モー
タジェネレータコントローラ11でモータ制御フラグを
モータアシスト再開制御と設定する(S5)。
【0060】一方、S4の判定でモータ回生制動領域の
場合、ハイブリッド型車両ではモータ3による回生制動
状態に移行する。この回生制動状態に移行する前のモー
ドとしてはエンジン走行モードとハイブリッド走行モー
ドがあり、エンジン走行モードから移行する場合にはモ
ータ回生制動&アシスト再開モードに移行するが、ハイ
ブリッド走行モードから移行する場合にモータ回生制動
モードに移行する。ここで、駆動力制御装置1では、モ
ータジェネレータコントローラ11でバッテリ残容量信
号BSに基づいてバッテリ5の残容量が回生充電受入限
度量(図14参照)以下か否かを判定する(S6)。そ
して、駆動力制御装置1では、モータジェネレータコン
トローラ11でバッテリ5の残容量が回生充電受入限度
量より大きいと判定した場合にはモータ制御フラグを設
定せずに、モータ制御フラグ判定処理を終了する。とい
うのは、バッテリ5の容量が十分であり、モータ3の回
生による充電を必要としていないからである。この場
合、モータ3によって充電を行わないが、モータ3によ
る制動力をハイブリッド型車両に付加するようにしても
よい。図14には、縦軸にバッテリ5の残容量を百分率
で示しており、回生充電受入限度量としては85%程度
と設定している。
【0061】一方、S6の判定でバッテリ5の残容量が
回生充電受入限度量以下の場合、駆動力制御装置1で
は、モータジェネレータコントローラ11でモータ制御
フラグにモータ回生制動制御かあるいはモータ回生制動
制御&アシスト再開制御と設定する(S7)。
【0062】各モードにおける制御の説明に移る。 [モータ発進&走行制御]図1、図2、図3および図1
2を参照して、駆動力制御装置1でのモータ発進&走行
モードにおけるモータ発進&走行制御を図4のフローチ
ャートに沿って説明する。図5は、ハイブリッド型車両
の駆動力制御装置によるモータ発進&走行制御を示すフ
ローチャートである。
【0063】ハイブリッド型車両の停止状態において、
ドライバが、セレクタレバー(図示)をドライブレンジ
を選択し、パーキングブレーキを解除し、さらにアクセ
ルペダル(図示せず)に踏み込む。すると、駆動力制御
装置1では、モータジェネレータコントローラ11で車
速信号SSやアクセル開度信号AS等に基づいてモータ
発進&走行モードと判定する。また、駆動力制御装置1
では、モータジェネレータコントローラ11でレンジ信
号RSに基づいてドライブレンジであることを判定し、
ミッションコントローラ13からモータ休止用クラッチ
圧信号SPをモータ休止用クラッチ圧調圧バルブ54に
送信して、モータ休止用クラッチ53をオンする。な
お、駆動力制御装置1では、回生用クラッチ51をオフ
している。
【0064】続いて、駆動力制御装置1では、モータジ
ェネレータコントローラ11でアクセル開度信号ASお
よび車速信号SSに基づいて図12に示すアクセル開度
−車速−アクセル要求トルクマップからアクセル要求ト
ルクを設定する(S10)。
【0065】モータ発進&走行モードではモータ3の駆
動力(モータトルク)のみで走行を開始するので、設定
したアクセル要求トルクを全てモータ3で発生させる。
そこで、駆動力制御装置1では、モータジェネレータコ
ントローラ11でアクセル要求トルクになるようにモー
タ電流信号MCを設定し、モータジェネレータドライバ
12からモータ電流信号MCに基づくモータ電流をモー
タ3のステータコイル3aに供給する(S11)。する
と、モータ3では、ロータ3bが回転し、モータ電流信
号MCに応じたモータトルクを発生する。さらに、モー
タプラネタリギヤ装置40では、サンギヤ41の回転に
伴ってプラネットギヤ42を介してキャリア43が回転
し、その回転を伝達軸45を介して自動変速機ATに伝
達する。また、駆動力制御装置1では、直結用ワンウェ
イクラッチ50をオンする。続いて、伝達された回転
が、自動変速機ATで変速され、ディファレンシャルギ
ヤDGを介して駆動輪W,Wに伝達される。その結果、
ハイブリッド型車両が走行し始める。そして、時間が経
過するに伴って、モータ3の回転数が増加し、その増加
に応じて車速が上昇する。
【0066】ちなみに、エンジン2では、スロットル開
度が0でクランク軸2bの回転が停止し、エンジントル
クも発生していない。また、モータプラネタリギヤ装置
40では、モータ3のロータ3bの回転に伴って直結用
ワンウェイクラッチ50を介してリングギヤ44が回転
し、その回転を伝達軸35を介してエンジンプラネタリ
ギヤ装置30のリングギヤ34に伝達している。このと
き、サンギヤ41およびリングギヤ44の回転数は、ロ
ータ3bの回転数と同じ回転数となっている。また、エ
ンジンプラネタリギヤ装置30では、エンジン2のクラ
ンク軸2bの回転停止によってキャリア33が固定さ
れ、リングギヤ34の回転をプラネタリギヤ32を介し
てサンギヤ31に伝達している。そのため、ジェネレー
タ4では、発電するときとは逆方向にロータ4bが回転
している。
【0067】[エンジン起動制御]次に、図1、図2、
図3、図12および図14を参照して、駆動力制御装置
1でのエンジン起動モードにおけるエンジン起動制御を
図6のフローチャートに沿って説明する。図6は、ハイ
ブリッド型車両の駆動力制御装置によるエンジン起動制
御を示すフローチャートである。
【0068】モータ発進&走行モードに引き続き、ドラ
イバはアクセルペダル(図示せず)を踏み込んでいるの
で、モータ3の回転数が増加するのに伴って車速が上昇
するとともにジェネレータ4のロータ4bの回転数が逆
回転方向に増加する。このとき、駆動力制御装置1で
は、モータジェネレータコントローラ11でモータ3の
回転数やジェネレータ4の回転数等に基づいてエンジン
起動モードと判定する。
【0069】最初に、駆動力制御装置1では、モータジ
ェネレータコントローラ11でアクセル開度信号ASお
よび車速信号SSに基づいて図12に示すアクセル開度
−車速−アクセル要求トルクマップからアクセル要求ト
ルクを設定する(S20)。
【0070】続いて、駆動力制御装置1では、モータジ
ェネレータコントローラ11でバッテリ残容量信号BS
に基づいてバッテリ5の残容量が放電限度量(図14参
照)以上か否かを判定する(S21)。そして、駆動力
制御装置1では、モータジェネレータコントローラ11
でバッテリ5の残容量が放電限度量未満と判定した場合
にはエンジン起動制御での処理を終了する。というの
は、これからエンジン2を起動するために、モータ3に
モータ電流を供給するのに加えてジェネレータ4にジェ
ネレータ電流を供給するので、その電流を取り出すだけ
の電力がバッテリ5にない場合、エンジン2を起動でき
ないからである。図14には、縦軸にバッテリ5の残容
量を百分率で示しており、放電限度量としては50%程
度と設定している。ちなみに、バッテリ5の残容量が放
電限度量以下の場合、警告表示等によりドライバに知ら
せ、バッテリ交換や充電を促す。
【0071】一方、S21の判定でバッテリ5の残容量
が放電限度量以上の場合、エンジン2を起動させるため
に、エンジンプラネタリギヤ装置30のサンギヤ31の
回転にブレーキをかけてキャリア33(ひいては、エン
ジン2のクランク軸2b)の回転数を増加させる。具体
的には、駆動力制御装置1では、モータジェネレータコ
ントローラ11でエンジン起動時ジェネレータトルクに
なるようにジェネレータ電流信号GCを設定し、モータ
ジェネレータドライバ12からジェネレータ電流信号G
Cに基づくジェネレータ電流をジェネレータ4のステー
タコイル4aに供給する(S22)。すると、ジェネレ
ータ4では、ジェネレータ電流信号GCに応じたエンジ
ン起動時ジェネレータトルクが発生し、ロータ4bの回
転数(逆回転方向)が減少していく。エンジンプラネタ
リギヤ装置30では、このロータ4bの回転数の減少に
伴ってサンギヤ31の逆回転方向の回転数が減少し、リ
ングギヤ34の回転に応じて回転していたプラネットギ
ヤ32の回転数が減少し、このプラネットギヤ32の回
転数の減少によってキャリア33が回転し始める。そし
て、キャリア33の回転に伴って、エンジン2では、フ
ライホイール6を介してクランク軸2bが回転を始め
る。ちなみに、エンジン起動時ジェネレータトルクは、
エンジン2の起動するために必要なジェネレータトルク
として予め設定されたトルクであり、エンジン2の特
性、ジェネレータ4の特性、エンジンプラネタリギヤ装
置30のギヤ比等が考慮されたトルクである。
【0072】さらに、エンジンプラネタリギヤ装置30
では、プラネットギヤ32の回転数の減少により、リン
グギヤ34に負荷(すなわち、エンジン起動時ジェネレ
ータトルクによる負荷)がかかる。そのため、リングギ
ヤ34およびモータプラネタリギヤ装置40のリングギ
ヤ44の回転数の増加を維持するためには、モータ3に
よるモータトルクの増加が必要となる。そこで、駆動力
制御装置1では、モータジェネレータコントローラ11
で(2)式に示すアクセル要求トルクにエンジン起動時
ジェネレータトルクの負荷を加算したモータトルクにな
るようにモータ電流信号MCを設定し、モータジェネレ
ータドライバ12からモータ電流信号MCに基づくモー
タ電流をモータ3のステータコイル3aに供給する(S
22)。すると、モータ3では、モータ電流信号MCに
応じた以前より大きなモータトルクを発生し、ロータ3
bの回転数の増加を維持する。そして、モータプラネタ
リギヤ装置40でも、サンギヤ41およびリングギヤ4
4の回転数の増加が維持し、キャリア43の回転数の増
加も維持する。そのため、車速も上昇していく。
【0073】
【数2】
【0074】続いて、駆動力制御装置1では、モータジ
ェネレータコントローラ11でエンジン回転信号ESに
基づいてエンジン2の回転数がエンジンアイドル回転数
以上か否かを判定する(S23)。そして、エンジン2
の回転数がエンジンアイドル回転数未満の場合、駆動力
制御装置1では、前記したS22での処理を継続してエ
ンジン2の回転数を増加させる。
【0075】一方、S23の判定でエンジン2の回転数
がエンジンアイドル回転数以上の場合、エンジン2を起
動する。具体的には、駆動力制御装置1では、エンジン
コントローラ10でエンジントルクがエンジン全開トル
クになるようにスロットル開度信号THを設定し、スロ
ットルアクチュエータ2aによりスロットル開度信号T
Hに基づいてスロットル開度を制御する(S24)。す
ると、エンジン2では、エンジン全開トルクが発生す
る。このエンジントルクに応じて、エンジンプラネタリ
ギヤ装置30では、キャリア33に回転力が加わり、プ
ラネットギヤ32を介してサンギヤ31が正回転方向に
回転するとともに、リングギヤ34にも回転力が加わ
る。ちなみに、エンジン全開トルクは、エンジン2のス
ロットルバルブを全開にしたときのトルクであり、エン
ジン回転数に応じて変る。
【0076】すると、ジェネレータ4では、サンギヤ3
1を介してロータ4bが回転する。そこで、駆動力制御
装置1では、モータジェネレータコントローラ11で
(3)式に示すジェネレータトルクになるようにジェネ
レータ電流信号GC(負値)を設定し、モータジェネレ
ータドライバ12によってジェネレータ電流信号GCに
基づくジェネレータ電流(負値)となるように制御して
そのジェネレータ電流を取り出す(S24)。そして、
モータジェネレータドライバ12では、取り出したジェ
ネレータ電流をバッテリ5に充電する。ちなみに、
(3)式ではジェネレータトルクが負の値となっている
のは、ジェネレータ4に外部から回転力が供給されるか
らである。
【0077】また、モータプラネタリギヤ装置40で
は、リングギヤ34からリングギヤ44に回転力が加わ
るので(すなわち、エンジン起動時ジェネレータトルク
による負荷がなくなり、エンジントルクの作用が加わる
ので)、キャリア43の回転数の増加を維持するために
モータ3により発生すべきモータトルクは減少する。そ
こで、駆動力制御装置1では、モータジェネレータコン
トローラ11で(4)式に示す現在のモータトルクにエ
ンジン起動時ジェネレータトルクの負荷およびエンジン
トルクの作用を差し引いたモータトルクになるようにモ
ータ電流信号MCを設定し、モータジェネレータドライ
バ12からモータ電流信号MCに基づくモータ電流をモ
ータ3のステータコイル3aに供給する(S24)。す
ると、モータ3では、モータ電流信号MCに応じた以前
より小さなモータトルクを発生し、ロータ3bの回転数
の増加を維持する。そして、モータプラネタリギヤ装置
40でも、サンギヤ41およびリングギヤ44の回転数
の増加が維持し、キャリア43の回転数の増加も維持す
る。そのため、車速も上昇していく。
【0078】
【数3】
【0079】[ハイブリッド走行制御]次に、図1、図
2、図3および図12を参照して、駆動力制御装置1で
のハイブリッド走行モードにおけるハイブリッド走行制
御を図7のフローチャートに沿って説明する。図7は、
ハイブリッド型車両の駆動力制御装置によるハイブリッ
ド走行制御を示すフローチャートである。
【0080】エンジン起動モードに引き続き、ドライバ
はアクセルペダル(図示せず)を踏み込んでいるので、
エンジン2およびモータ3の回転数が増加するのに伴っ
て車速が上昇するとともにジェネレータ4のロータ4b
の回転数が正回転方向に増加する。このとき、駆動力制
御装置1では、モータジェネレータコントローラ11で
エンジン2の回転数、モータ3の回転数およびアクセル
開度信号AS等に基づいてハイブリッド走行モードと判
定する。
【0081】最初に、駆動力制御装置1では、モータジ
ェネレータコントローラ11でアクセル開度信号ASお
よび車速信号SSに基づいて図12に示すアクセル開度
−車速−アクセル要求トルクマップからアクセル要求ト
ルクを設定する(S30)。
【0082】続いて、駆動力制御装置1では、エンジン
コントローラ10でエンジントルクがエンジン全開トル
クになるようにスロットル開度信号THを設定し、スロ
ットルアクチュエータ2aによりスロットル開度信号T
Hに基づいてスロットル開度を制御する(S31)。す
ると、エンジン2では、エンジン全開トルクが発生す
る。このエンジントルクにより、エンジンプラネタリギ
ヤ装置30では、キャリア33に回転力が加わり、プラ
ネットギヤ32を介してサンギヤ31が正回転方向に回
転するとともに、リングギヤ34にも回転力が加わる。
【0083】そのため、ジェネレータ4では、引き続
き、サンギヤ31を介してロータ4bが回転する。そこ
で、駆動力制御装置1では、モータジェネレータコント
ローラ11で(3)式に示すジェネレータトルクになる
ようにジェネレータ電流信号GC(負値)を設定し、モ
ータジェネレータドライバ12によってジェネレータ電
流信号GCに基づくジェネレータ電流(負値)となるよ
うに制御してそのジェネレータ電流を取り出す(S3
1)。そして、モータジェネレータドライバ12では、
取り出したジェネレータ電流をバッテリ5に充電する。
これ以降、ジェネレータ4(エンジンプラネタリギヤ装
置30のサンギヤ31)の回転数は、バッテリ5の充放
電状態に応じて制御される。
【0084】また、ハイブリッド走行では、エンジン2
によるリングギヤ34の回転力に、モータプラネタリギ
ヤ装置40でモータ3による回転力も付加する。そこ
で、駆動力制御装置1では、モータジェネレータコント
ローラ11で(5)式に示すアクセル要求トルクからエ
ンジントルクの作用を差し引いたモータトルクになるよ
うにモータ電流信号MCを設定し、モータジェネレータ
ドライバ12からモータ電流信号MCに基づくモータ電
流をモータ3のステータコイル3aに供給する(S3
1)。すると、モータ3では、モータ電流信号MCに応
じたモータトルクを発生する。モータプラネタリギヤ装
置40では、このモータトルクによりサンギヤ41およ
び直結用ワンウェイクラッチ50を介してリングギヤ4
4に回転力が加わるとともに、エンジンプラネタリギヤ
装置30を介して伝達されているエンジン2の駆動力に
よりリングギヤ44に回転力が加わり、その回転力に応
じてプラネットギヤ42を介してキャリア43が回転す
る。そして、ハイブリッド型車両では、エンジン2によ
る駆動力とモータ3による駆動力で走行する。
【0085】
【数4】
【0086】このハイブリッド走行モードの途中で、ド
ライバがアクセルペダル(図示せず)の踏み込みを緩め
ると、アクセル開度信号ASも変化する。このアクセル
開度信号ASの変化に応じてアクセル要求トルクも低下
し、駆動力制御装置1では、モータジェネレータコント
ローラ11で(5)式に示すモータトルクになるように
モータ電流信号MCを設定し、モータジェネレータドラ
イバ12からモータ電流信号MCに基づくモータ電流を
モータ3のステータコイル3aに供給する(S31)。
すると、モータ3では、モータ電流信号MCに応じた以
前より小さいモータトルクを発生する。モータプラネタ
リギヤ装置40では、このモータトルクによりサンギヤ
41および直結用ワンウェイクラッチ50を介してリン
グギヤ44に以前より小さい回転力が加わるとともにリ
ングギヤ34の回転力が加わり、その回転力に応じてプ
ラネットギヤ42を介してキャリア43の回転数の増加
率が低下する。そのため、車速も上昇率も低下し、ハイ
ブリッド型車両ではクルーズ走行に移る。ちなみに、エ
ンジン2では、エンジン全開トルクを発生しており、一
定のエンジントルクは維持されている。つまり、ハイブ
リッド型車両ではクルーズ走行に徐々に移っていくた
め、モータ3による駆動力を低下させていく。
【0087】[モータ休止制御]次に、図1、図2、図
3および図15を参照して、駆動力制御装置1でのモー
タ休止モードにおけるモータ休止制御を図8のフローチ
ャートに沿って説明する。図8は、ハイブリッド型車両
の駆動力制御装置によるモータ休止制御を示すフローチ
ャートである。図15は、ハイブリッド型車両の駆動力
制御装置で用いられるモータ減速制御時のエンジントル
ク−モータトルクマップを示すグラフである。
【0088】ハイブリッド走行モード中、駆動力制御装
置1では、前記したモータ制御フラグ判定処理(図4参
照)を実行する(S40)。そして、駆動力制御装置1
では、モータジェネレータコントローラ11でモータ制
御フラグがモータ休止制御か否かを判定する(S4
1)。S41の判定でモータ制御フラグがモータ休止制
御でない場合、駆動力制御装置1では、モータ休止制御
での処理を終了する。
【0089】一方、S41の判定でモータ制御フラグが
モータ休止制御の場合、モータ3による駆動力がモータ
プラネタリギヤ装置40に徐々に加わらないようにし、
最終的にモータ3のロータ3bを停止する。まず、エン
ジンコントローラ10でエンジントルクがアクセル要求
トルクになるようにスロットル開度信号THを設定し、
スロットルアクチュエータ2aによりスロットル開度信
号THに基づいてスロットル開度を制御する(S4
2)。すると、エンジン2では、アクセル要求トルクが
発生する。そして、このエンジントルクに応じてモータ
3からモータトルクが発生される。このとき、駆動力制
御装置1では、モータジェネレータコントローラ11で
(5)式に示すアクセル要求トルクからエンジントルク
の作用を差し引いたモータトルクになるようにモータ電
流信号MCを設定し、モータジェネレータドライバ12
からモータ電流信号MCに基づくモータ電流をモータ3
のステータコイル3aに供給する(S42)。
【0090】ここで、駆動力制御装置1では、モータジ
ェネレータコントローラ11からの指令に応じて、ミッ
ションコントローラ13で回生用クラッチ51をオフす
る(S43)。この状態では、エンジン2の回転数とモ
ータ3の回転数とは変動の少ない略釣り合い状態にあ
る。
【0091】さらに、モータ3による駆動力を徐々に減
少するために、モータ3を減速制御する。駆動力制御装
置1では、モータジェネレータコントローラ11でエン
ジントルクに基づいて図15に示すマップからモータト
ルクを検索し、そのモータトルクになるようにモータ電
流信号MCを設定し、モータジェネレータドライバ12
からモータ電流信号MCに基づくモータ電流をモータ3
のステータコイル3aに供給する(S44)。図15に
は、横軸にエンジントルクを示しており、縦軸にモータ
トルクを示しており、モータ3を減速制御する場合のエ
ンジントルクに対するモータトルクが設定されている。
この場合のモータトルクは、エンジントルクに応じて増
加するが、増加量は少ない。
【0092】すると、モータ3では、モータ電流信号M
Cに応じた徐々に小さくなるモータトルクを発生し、回
転数が徐々に減少する。モータプラネタリギヤ装置40
では、このモータトルクによりサンギヤ41に加わる回
転力が徐々に減少するが、エンジンプラネタリギヤ装置
30から伝達される回転力が増加しているので、キャリ
ア43の回転数の増加率は維持している。そのため、車
速の上昇率も維持している。
【0093】続いて、駆動力制御装置1では、モータジ
ェネレータコントローラ11でモータロータ回転数信号
MSに基づいてモータ3のロータ3bの回転数が0以下
か否かを判定する(S45)。そして、駆動力制御装置
1では、ロータ3bの回転数が0以下になるまでS44
のモータ3の減速制御を継続し、ロータ3bの回転数を
減少させる。
【0094】一方、S45の判定でロータ3bの回転数
が0以下になると、モータ3のロータ3bの回転を固定
(休止)して、2つのプラネタリギヤ装置30,40を
介して伝達されるエンジン2の駆動力によってロータ3
bが回転しないようにする。すると、モータ3では、ロ
ータ3bの回転がモータ休止用ワンウェイクラッチ55
を介してモータ休止用クラッチ53で停止される(S4
6)。このとき、モータプラネタリギヤ装置40では、
サンギヤ41の回転が固定され、エンジンプラネタリギ
ヤ装置30を介して伝達されているエンジン2の駆動力
によりリングギヤ44に回転力が加わり、その回転力に
応じてプラネットギヤ42を介してキャリア43が回転
する。そして、ハイブリッド型車両では、エンジン2の
駆動力のみの走行に移行する。
【0095】[エンジン走行制御]次に、図1、図2、
図3および図12を参照して、駆動力制御装置1でのエ
ンジン走行モードにおけるエンジン走行制御を図9のフ
ローチャートに沿って説明する。図9は、ハイブリッド
型車両の駆動力制御装置によるエンジン走行制御を示す
フローチャートである。
【0096】モータ休止用ワンウェイクラッチ55をオ
ンすると、駆動力制御装置1では、エンジン走行モード
に移行する。そして、駆動力制御装置1では、モータジ
ェネレータコントローラ11でアクセル開度信号ASお
よび車速信号SSに基づいて図12に示すアクセル開度
−車速−アクセル要求トルクマップからアクセル要求ト
ルクを設定する(S50)。
【0097】続いて、駆動力制御装置1では、エンジン
コントローラ10でエンジントルクがアクセル要求トル
クになるようにスロットル開度信号THを設定し、スロ
ットルアクチュエータ2aによりスロットル開度信号T
Hに基づいてスロットル開度を制御する(S51)。す
ると、エンジン2ではアクセル要求トルクが発生し、エ
ンジンプラネタリギヤ装置30ではそのエンジントルク
に応じてキャリア33に回転力が加わり、この回転力に
よりリングギヤ34が回転する。ちなみに、ジェネレー
タ4では、そのエンジントルクに応じてサンギヤ31を
介してロータ4bが回転している。そして、駆動力制御
装置1では、モータジェネレータコントローラ11でジ
ェネレータ電流信号GCを設定し、モータジェネレータ
ドライバ12によってジェネレータ電流信号GCに基づ
くジェネレータ電流をバッテリ5に充電している。
【0098】すると、モータプラネタリギヤ装置40で
は、サンギヤ41の回転が停止されており、エンジンプ
ラネタリギヤ装置30を介して伝達されているエンジン
2の駆動力によりリングギヤ44に回転力が加わり、そ
の回転力に応じてプラネットギヤ42を介してキャリア
43が回転する。そして、ハイブリッド型車両では、エ
ンジン2の駆動力のみで走行する。
【0099】[モータアシスト再開制御]次に、図1、
図2および図3を参照して、駆動力制御装置1でのモー
タアシスト再開モードにおけるモータアシスト再開制御
を図10のフローチャートに沿って説明する。図10
は、ハイブリッド型車両の駆動力制御装置によるモータ
アシスト再開制御を示すフローチャートである。
【0100】エンジン走行モード中、駆動力制御装置1
では、前記したモータ制御フラグ判定処理(図4参照)
を実行する(S60)。そして、駆動力制御装置1で
は、モータジェネレータコントローラ11でモータ制御
フラグがモータアシスト再開制御か否かを判定する(S
61)。S61の判定でモータ制御フラグがモータアシ
スト再開制御でない場合、駆動力制御装置1では、モー
タアシスト再開制御での処理を終了する。
【0101】一方、エンジン走行モード中に、ドライバ
がアクセルペダル(図示せず)を踏み込むとアクセル要
求トルクが増加し、S60のモータ制御フラグ判定処理
でモータ制御フラグがモータアシスト再開制御に設定さ
れる。そのため、S61の判定でモータ制御フラグがモ
ータアシスト再開制御と判定し、モータ3による駆動力
をモータプラネタリギヤ装置40に徐々に加わるように
し、最終的にエンジン2とモータ3によるハイブリッド
走行に移行する。まず、駆動力制御装置1では、モータ
ジェネレータコントローラ11でアクセル要求トルクに
なるようにモータ電流信号MCを設定し、モータジェネ
レータドライバ12からモータ電流信号MCに基づくモ
ータ電流をモータ3のステータコイル3aに供給する
(S62)。すると、モータ3ではアクセル要求トルク
が発生し、このモータトルクに応じてモータプラネタリ
ギヤ装置40ではキャリア43に回転力が加わり、この
回転力によりリングギヤ44が減速回転する。また、モ
ータ3では、ロータ3bはモータ休止用クラッチ53に
よる停止状態から回転が可能な状態となる(S63)。
【0102】すると、モータ3では、モータ電流信号M
Cに応じたモータトルクを発生し、回転数が徐々に増加
する。このモータトルクにより、ハイブリッド型車両で
は、車速が上昇する。また、モータプラネタリギヤ装置
40では、サンギヤ41の回転力がプラネットギヤ42
を介してリングギヤ44に加わる。そのため、エンジン
プラネタリギヤ装置30ではリングギヤ34を介してキ
ャリア33の回転数が減少し、エンジン2でも回転数が
減少している。
【0103】続いて、モータ3のロータ3bの回転力を
リングギヤ44から伝達するために、直結用ワンウェイ
クラッチ50をオンするが、直結用ワンウェイクラッチ
50締結時のショックを発生させないために、ロータ3
bの回転数とリングギヤ44の回転数を合わせる。そこ
で、駆動力制御装置1では、モータジェネレータコント
ローラ11でモータロータ回転数信号MSとリングギヤ
回転数信号ISに基づいてロータ3bの回転数がリング
ギヤ44の回転数と同じ回転数か否かを判定する(S6
4)。そして、駆動力制御装置1では、ロータ3bの回
転数がリングギヤ44の回転数になるまでロータ3bの
回転数を増加させる。なお、本実施の形態では、S64
でのロータ3bの回転数とリングギヤ44の回転数とを
同じ回転数とする条件が特許請求の範囲に記載する第2
所定条件に相当する。
【0104】一方、S64の判定でロータ3bの回転数
がリングギヤ44の回転数と同じ回転数になったと判定
すると、モータ3のロータ3bの回転力をリングギヤ4
4から伝達するようにする。すると、モータプラネタリ
ギヤ装置40では、直結用ワンウェイクラッチ50を介
してモータ3の駆動力がリングギヤ44に伝達され、同
時に回生用クラッチ51をオンする(S65)。このと
き、モータプラネタリギヤ装置40では、モータ3のロ
ータ3bと同じ回転数で、サンギヤ41およびリングギ
ヤ44が回転している。つまり、駆動力制御装置1で
は、エンジン2による駆動力にモータ3による駆動力を
加えた駆動力の伝達経路となり、ハイブリッド走行が可
能となる。
【0105】そこで、前記したハイブリッド走行制御と
同様に、駆動力制御装置1では、エンジンコントローラ
10でエンジントルクがエンジン全開トルクになるよう
にスロットル開度信号THを設定し、スロットルアクチ
ュエータ2aによりスロットル開度信号THに基づいて
スロットル開度を制御する(S66)。また、駆動力制
御装置1では、モータジェネレータコントローラ11で
(3)式に示すジェネレータトルクになるようにジェネ
レータ電流信号GC(負値)を設定し、モータジェネレ
ータドライバ12によってジェネレータ電流信号GCに
基づくジェネレータ電流(負値)となるように制御して
そのジェネレータ電流を取り出す(S66)。さらに、
駆動力制御装置1では、モータジェネレータコントロー
ラ11で(5)式に示すモータトルクになるようにモー
タ電流信号MCを設定し、モータジェネレータドライバ
12からモータ電流信号MCに基づくモータ電流をモー
タ3のステータコイル3aに供給する(S66)。する
と、駆動力制御装置1ではエンジン2による駆動力およ
びモータ3による駆動力を自動変速機ATに伝達し、ハ
イブリッド型車両ではエンジン2による駆動力とモータ
3による駆動力でハイブリッド走行する。
【0106】ここで、図3では、モータアシスト再開制
御に続いてハイブリッド走行制御、モータ休止制御、エ
ンジン走行制御に移行しているが、ハイブリッド走行制
御、モータ休止制御およびエンジン走行制御については
既に説明したので、次のモータ回生制動&アシスト再開
制御の説明に移る。
【0107】[モータ回生制動&アシスト再開制御]次
に、図1、図2、図3、図16および図17を参照し
て、駆動力制御装置1でのモータ回生制動&アシスト再
開モードにおけるモータ回生制動&アシスト再開制御を
図11のフローチャートに沿って説明する。図11は、
ハイブリッド型車両の駆動力制御装置によるモータ回生
制動&アシスト再開制御を示すフローチャートである。
図16は、ハイブリッド型車両の駆動力制御装置で用い
られるブレーキ踏力−制動要求トルクマップを示すグラ
フである。図17は、ハイブリッド型車両の駆動力制御
装置で用いられる回生用クラッチのエンゲージ制御時の
モータトルク−回生用クラッチトルクマップを示すグラ
フである。
【0108】エンジン走行モード中、駆動力制御装置1
では、前記したモータ制御フラグ判定処理(図4参照)
を実行する(S70)。そして、駆動力制御装置1で
は、モータジェネレータコントローラ11でモータ制御
フラグがモータ回生制動&アシスト再開制御か否かを判
定する(S71)。S71の判定でモータ制御フラグが
モータ回生制動&アシスト再開制御でない場合、駆動力
制御装置1では、モータ回生制動&アシスト再開制御で
の処理を終了する。
【0109】一方、エンジン走行モード中に、ドライバ
がアクセルペダル(図示せず)の踏み込みを解放してア
クセル要求トルクが減少する(あるいは0になる)とと
もにブレーキペダル(図示せず)を踏み込んで制動要求
トルクが増加すると、S70のモータ制御フラグ判定処
理でモータ制御フラグがモータ回生制動&アシスト再開
制御に設定される。そのため、S71の判定でモータ制
御フラグがモータ回生制動&アシスト再開制御と判定
し、モータ3による回生によってバッテリ5に充電する
とともに、ブレーキシステム(図示せず)による制動力
にモータ3の回生制動力を加えてハイブリッド型車両を
停車させる。すると、モータ3では、ロータ3bはモー
タ休止用クラッチ53による停止状態から回転が可能な
状態となる(S72)。
【0110】このとき、ブレーキペダル(図示せず)の
踏み込みに応じて、ブレーキシステム(図示せず)から
制動力が付加されており、車軸DSには負の値のトルク
が加わっている。また、その車軸DSから回転力が、デ
ィファレンシャルギヤDGおよび自動変速機ATを介し
てモータプラネタリギヤ装置40のキャリア43に伝達
される。モータプラネタリギヤ装置40では、このキャ
リア43の回転力により、プラネットギヤ42を介して
サンギヤ41が回転する。すると、モータ3では、サン
ギヤ41の回転によってロータ3bが回転し、回転数が
増加する。そのため、ロータ3bによって車軸DSの運
動エネルギが消費されるので、このロータ3bによる回
生トルクにより車軸DSに回生制動力が作用する。
【0111】続いて、駆動力制御装置1では、モータジ
ェネレータコントローラ11でブレーキ踏力信号FSに
基づいて図16に示すマップから制動要求トルクを検索
する。図16には、横軸にブレーキ踏力を示しており、
縦軸に制動要求トルクを示しており、ブレーキ踏力に対
する制動要求トルクが設定されている。制動要求トルク
は、負の値であり、ブレーキ踏力に応じてその絶対値が
増加する。
【0112】そして、駆動力制御装置1では、モータジ
ェネレータコントローラ11でモータトルクが(アクセ
ル要求トルク+制動要求トルク)になるようにモータ電
流信号MC(負値)を設定し、モータジェネレータドラ
イバ12によってモータ電流信号MCに基づくモータ電
流(負値)となるように制御している(S73)。さら
に、モータジェネレータドライバ12では、取り出した
モータ電流をバッテリ5に充電する。ちなみに、アクセ
ル要求トルクは0かあるいは0に近い値であるので、モ
ータトルクは負の値である。
【0113】このとき、駆動力制御装置1では、スロッ
トル開度を0にしてエンジン2による駆動力(エンジン
トルク)を発生させていないし、ジェネレータ電流も0
にしてジェネレータ4による充電も行っていない。した
がって、エンジンプラネタリギヤ装置30では、エンジ
ン2の回転数の減少に応じてキャリア33の回転数が減
少し、このキャリア33の回転数の減少に応じてリング
ギヤ34の回転数も減少している。そのため、モータプ
ラネタリギヤ装置40でも、リングギヤ44の回転数が
減少する。
【0114】そして、駆動力制御装置1では、モータジ
ェネレータコントローラ11でモータトルク(負値)に
基づいて図17に示すマップから回生用クラッチ51の
係合力(すなわち、伝達可能なトルク)を検索する。さ
らに、駆動力制御装置1では、モータジェネレータコン
トローラ11からの指令に応じて、ミッションコントロ
ーラ13でこの検索した回生用クラッチトルクに基づい
て回生用クラッチ圧信号RPを設定し、回生用クラッチ
圧調圧バルブ52により回生用クラッチ51のクラッチ
圧を調整して回生用クラッチ51をエンゲージ制御する
(S74)。つまり、リングギヤ44の回転数とロータ
3bの回転数とが一致していないので、回生用クラッチ
51を完全にオンすると、その回転数の差によってクラ
ッチ締結時にショックが発生する。そこで、リングギヤ
44の回転数が減少し、ロータ3bの回転数が増加し
て、その回転数の差が徐々に小さくなるのに応じて回生
クラッチ51の係合力を増加させてエンゲージ制御を行
い、クラッチ締結時のショックを防止している。なお、
図17には、横軸にモータトルク(負値)を示してお
り、縦軸に回生用クラッチトルクを示しており、モータ
トルクに対する回生用クラッチトルクが設定されてい
る。回生用クラッチトルクは、モータトルク(絶対値)
に応じて増加し、やがて一定値(完全オン状態であり、
100%の係合力)となる。
【0115】続いて、駆動力制御装置1では、モータジ
ェネレータコントローラ11でモータロータ回転数信号
MSとリングギヤ回転数信号ISとに基づいてロータ3
bの回転数がリングギヤ44の回転数と同じ回転数か否
かを判定する(S75)。そして、駆動力制御装置1で
は、ロータ3bの回転数がリングギヤ44の回転数にな
るまでS74の回生用クラッチ51に対するエンゲージ
制御を続ける。なお、本実施の形態では、S75でのロ
ータ3bの回転数とリングギヤ44の回転数とを同じ回
転数とする条件も特許請求の範囲に記載する第2所定条
件に相当する。
【0116】一方、S75の判定でロータ3bの回転数
がリングギヤ44の回転数と同じ回転数になったと判定
すると、回生用クラッチ51を完全にオンして回生用ク
ラッチ51での伝達トルクを最大にする。そこで、駆動
力制御装置1では、モータジェネレータコントローラ1
1からの指令に応じて、ミッションコントローラ13で
係合力を最大にした回生用クラッチ圧信号RPを設定
し、回生用クラッチ圧調圧バルブ52により回生用クラ
ッチ51を完全にオンする(S76)。すると、ロータ
3bとリングギヤ44とが同じ回転数で回転し、サンギ
ヤ41とリングギヤ44も同じ回転数で回転する。そし
て、モータプラネタリギヤ装置40では、車軸DSから
のキャリア43の回転力により、プラネットギヤ42を
介してサンギヤ41およびリングギヤ44が回転する。
さらに、モータ3では、サンギヤ41およびリングギヤ
44の回転によってロータ3bが回転する。
【0117】前記したように、エンジン2ではエンジン
トルクを発生していないので、エンジンプラネタリギヤ
装置30では、リングギヤ34の回転数が徐々に減少し
ている。また、車軸DSでのモータ3による回生制動力
とブレーキシステム(図示せず)による制動力のため、
車軸DSの回転数も徐々に減少している。そのため、モ
ータプラネタリギヤ装置40でもリングギヤ44および
サンギヤ41の回転数が徐々に減少し、モータ3でもロ
ータ3bの回転数が徐々に減少する。また、エンジンプ
ラネタリギヤ装置30では、一定であったサンギヤ31
(すなわち、ジェネレータ4のロータ4b)の回転数も
リングギヤ34の回転数の減少に応じて減少を始め、逆
方向に回転する。
【0118】やがて、エンジン2のクランク軸2bの回
転が完全に停止し、キャリア33の回転も停止する。そ
して、エンジンプラネタリギヤ装置30では、サンギヤ
31およびリングギヤ34の回転数も一層減少し、やが
てサンギヤ31およびリングギヤ34の回転も完全に停
止する。また、モータプラネタリギヤ装置40でも、サ
ンギヤ41およびリングギヤ44の回転数も一層減少
し、やがてサンギヤ41およびリングギヤ44の回転も
完全に停止する。モータ3でも、ロータ3bの回転数が
一層減少し、やがてロータ3bの回転も完全に停止す
る。そして、モータ3による回生制動力とブレーキシス
テム(図示せず)による制動力によって車軸DSの回転
も停止して駆動輪W,Wの回転も停止し、ハイブリッド
型車両が停止する。
【0119】この駆動力制御装置1によれば、エンジン
走行モードでモータ3の駆動力を必要としない場合、モ
ータ3のロータ3bの回転を固定することによってエン
ジン2の駆動力がロータ3bの回転によるフリクション
で消費されないので、エンジン2の駆動効率が低下しな
い。また、この駆動力制御装置1では、ロータ3bを固
定する場合、エンジントルクに応じてモータ3を減速制
御してロータ3bの回転数を徐々に減少させ、ロータ3
bの回転数が0になってからモータ休止用ワンウェイク
ラッチ55をオンさせるので、モータ3の休止状態にス
ムーズに移行する。
【0120】また、この駆動力制御装置1によれば、モ
ータ3の休止状態からアシスト状態に移行する場合、エ
ンジントルクに応じてモータ3を加速制御してロータ3
bの回転数を徐々に増加させ、ロータ3bの回転数がリ
ングギヤ44の回転数と同じ回転数になったときに直結
用ワンウェイクラッチ50をオンさせるので、クラッチ
の締結によるショックを生じることなくアシスト状態に
スムーズに移行する。さらに、この駆動力制御装置1に
よれば、直結用ワンウェイクラッチ50をオンしてモー
タ3の駆動力をリングギヤ44に伝達できるようになる
まで、サンギヤ41を介してモータ3の駆動力を伝達で
きるので、ドライバの加速要求に応じて素早くモータ3
によるアシストができる。
【0121】また、この駆動力制御装置1によれば、モ
ータ3の休止状態から回生制動状態に移行する場合、回
生用クラッチ51をエンゲージ制御して係合力を徐々に
増加させ、ロータ3bの回転数がリングギヤ44の回転
数と同じ回転数になったときに回生用クラッチ51を完
全にオンさせるので、クラッチの締結によるショックを
生じることなく回生制動状態にスムーズに移行する。さ
らに、この駆動力制御装置1によれば、回生用クラッチ
51を完全にオンしてモータ3の回生制動力をリングギ
ヤ44に充分伝達できるようになるまで、サンギヤ41
を介してモータ3の回生制動力を伝達できるので、ドラ
イバの制動要求に応じて素早くモータ3による回生制動
ができる。
【0122】次に、図1および図18を参照して、第2
の実施の形態に係る駆動力制御装置61の構成について
説明する。なお、駆動力制御装置61では、第1の実施
の形態に係る駆動力制御装置1と同様の構成については
同じ符号を付し、その説明を省略する。また、駆動力制
御装置61の全体構成としては、図示しないが、図1の
駆動力伝達機構1aを駆動力伝達機構61aに置き換え
た構成となる。図18は、第2の実施の形態に係る駆動
力制御装置における駆動力伝達機構のスケルトン図であ
る。
【0123】駆動力制御装置61は、各種センサからの
信号に基づいてエンジン2による駆動力(スロットル開
度)とモータ63による駆動力(モータ電流)を設定
し、この駆動力を自動変速機ATまで伝達している。ま
た、駆動力制御装置61は、各種センサからの信号に基
づいてジェネレータ4による発電力(ジェネレータ電
流)とモータ63による発電力(モータ電流)を設定
し、この発電力をバッテリ5に充電している。さらに、
駆動力制御装置61は、エンジン走行モード中にはモー
タ63によるフリクションロスを低減あるいは無くすた
めに、モータ63のロータ63bを休止させる。そのた
めに、駆動力制御装置61は、駆動力伝達機構61a、
エンジン2、モータ63、ジェネレータ4、エンジンコ
ントローラ10、モータジェネレータコントローラ1
1、モータジェネレータドライバ12、ミッションコン
トローラ13、ブレーキコントローラ14、車速センサ
20、アクセル開度センサ21、水温センサ22、エン
ジン回転数センサ23、バッテリ残容量センサ24、モ
ータロータ回転数センサ25、ジェネレータロータ回転
数センサ26、レンジセンサ27、リングギヤ回転数セ
ンサ28、ブレーキペダルセンサ29等から構成されて
いる。駆動力伝達機構61aは、エンジンプラネタリギ
ヤ装置30、モータプラネタリギヤ装置40、直結用ワ
ンウェイクラッチ50、回生用クラッチ51、回生用ク
ラッチ圧調圧バルブ52、モータ休止用クラッチ53、
モータ休止用クラッチ圧調圧バルブ54、モータ休止用
ワンウェイクラッチ67、オイルポンプ56および第1
減速ギヤ64、第2減速ギヤ65等から構成されてい
る。特に、モータ63のロータ63bを休止するための
機構として、駆動力伝達機構61a中のエンジンプラネ
タリギヤ装置30以外の構成要素によりモータ休止機構
61bを構成している。
【0124】駆動力制御装置61は、駆動力制御装置1
に対して(図2参照)、モータ63、モータ63の駆動
力をモータプラネタリギヤ装置40に伝達する機構およ
びモータ休止用ワンウェイクラッチ67の配設位置が異
なるだけで、他の構成は同じ構成である。そこで、モー
タ63、その駆動力の伝達機構およびモータ休止用ワン
ウェイクラッチ67の配設位置について説明する。
【0125】モータ63は、三相交流式の電動モータで
あり、ステータコイル63aに通電されて磁界を発生す
ると回転軸と一体となったロータ63bが回転するとと
もに、外力によってロータ63bが回転して磁界を発生
するとステータコイル63aに電流が流れて電力を発生
する。モータ63は、前記のように第1の実施の形態の
モータ3と同様の構成であるが、モータ3と比較して、
発生するモータトルクが小さくかつ高速回転可能な小型
モータである。
【0126】モータ63は、ロータ軸63cに第1減速
ギヤ64が連結されている。そして、第1減速ギヤ64
には第2減速ギヤ65が噛み合っている。さらに、第2
減速ギヤ65は、その回転軸65aにモータプラネタリ
ギヤ装置40のサンギヤ41が連結されている。また、
第2減速ギヤ65の回転軸65aとモータプラネタリギ
ヤ装置40のリングギヤ44との間には、直結用ワンウ
ェイクラッチ50および回生用クラッチ51が配設され
ている。
【0127】したがって、モータ63のロータ軸63c
の回転は、第1減速ギヤ64および第2減速ギヤ65を
介してモータプラネタリギヤ装置40のサンギヤ41に
伝達され、第1減速ギヤ64と第2減速ギヤ65との減
速比に応じて回転速度が減速されるが、その減速比に基
づいて伝達トルクが大きくなる。そのため、モータ63
は、前記したように、高速回転かつ小モータトルクのモ
ータを用いている。
【0128】また、モータ63のロータ軸63cの回転
は、第1減速ギヤ64および第2減速ギヤ65を介して
直結用ワンウェイクラッチ50に伝達され、さらに直結
用ワンウェイクラッチ50がオンしているときにはモー
タプラネタリギヤ装置40のリングギヤ44に伝達さ
れ、第1減速ギヤ64と第2減速ギヤ65との減速比に
応じて回転速度が減速されるが、その減速比に基づいて
伝達トルクが大きくなる。
【0129】さらに、車軸DSからの回転は、モータプ
ラネタリギヤ装置40のキャリア43からプラネットギ
ヤ42を介してサンギヤ41に伝達され、さらにサンギ
ヤ41から第2減速ギヤ65および第1減速ギヤ64を
介してモータ63のロータ軸63に伝達される。また、
車軸DSからの回転は、リングギヤ44から回生用クラ
ッチ51に伝達され、さらに回生用クラッチ51がオン
しているときには第2減速ギヤ65および第1減速ギヤ
64を介してモータ63のロータ軸63に伝達される。
【0130】モータ休止用ワンウェイクラッチ67は、
第2減速ギヤ65の回転軸65aとモータ休止用クラッ
チ53との間に配設されており、モータ休止用クラッチ
53によるロータ63bに対する固定力の伝達を断続す
るためのクラッチであるとともにロータ63bの逆回転
による逆駆動力を伝達しないために回転方向を一方向に
規制するためのクラッチである。そして、モータ休止用
ワンウェイクラッチ67は、エンジン走行モード時にオ
ンし、モータ休止用クラッチ53による固定力を第2減
速ギヤ65および第1減速ギヤ64を介してロータ63
bに伝達する。
【0131】駆動力制御装置61における制御は、前記
した第1の実施の形態と同様の制御を行うので、その説
明を省略する。なお、駆動力制御装置61での制御は、
第1減速ギヤ64と第2減速ギヤ65との減速比を考慮
し、第1の実施の形態の制御と比較して、モータ63の
回転速度を高速かつモータトルクを低トルクとして制御
する必要がある。
【0132】この駆動力制御装置61によれば、第1の
実施の形態での効果に加えて、小型のモータ63を用い
るので、スペース効率が向上し、コストも低減する。ま
た、駆動力制御装置61では、エンジン走行モードにお
いてモータ63を休止状態にしない場合は、車両の加減
速に供しないロータ63bのイナーシャトルクが第2減
速ギヤ65と第1減速ギヤ64との間のギヤ比の二乗に
て回転イナーシャに加算されるため、モータ休止状態の
効果が更に大きくなる。
【0133】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は、前記の実施の形態に限定されることな
く、様々な形態で実施される。例えば、本実施の形態で
はエンジン走行モードの場合にモータのロータの回転を
休止したが、モータが故障した場合やモータに電力を供
給できない場合等のモータによる駆動力を発生できない
ときにもモータのロータの回転を休止するようにしても
よい。また、本実施の形態では駆動力制御装置を4つの
コントローラで制御したが、1つのコントローラ等の幾
つのコントローラで制御してもよい。また、本実施の形
態では直結用ワンウェイクラッチおよび回生クラッチを
モータプラネタリギヤ装置のリングギヤとモータのロー
タとの間に配設したが、エンジンプラネタリギヤ装置の
リングギヤとモータプラネタリギヤ装置のリングギヤと
は伝達軸を介して一体で回転するので、エンジンプラネ
タリギヤ装置のリングギヤとモータのロータとの間等に
配設してもよい。また、本実施の形態ではモータのロー
タの回転をモータ休止用ワンウェイクラッチを介してモ
ータ休止用クラッチで固定したが、他の機械的な機構で
固定してもよいし、モータにモータ電流を供給してモー
タの作用により固定するようにしてもよい。
【0134】
【発明の効果】本発明の請求項1に係るハイブリッド型
車両の駆動力制御装置は、モータによる駆動力を必要と
しない場合にはモータのロータの回転を休止することに
よって、モータのフリクションによってエンジンの駆動
効率が低下しない。また、このハイブリッド型車両の駆
動力制御装置は、2つのプラネタリギヤ装置によりエン
ジンとモータとの動力を切断することができるので、エ
ンジンによるモータの引きずりを防止することができ
る。
【0135】本発明の請求項2に係るハイブリッド型車
両の駆動力制御装置は、第2所定条件のときにクラッチ
を係合して第2プラネタリギヤ装置のリングギヤとモー
タのロータとの間の回転を伝達できるようにしているの
で、クラッチ締結時のショックを防止し、モータの休止
状態からアシスト状態や回生制動状態にスムーズに移行
できる。
【0136】本発明の請求項3に係るハイブリッド型車
両の駆動力制御装置は、ワンウェイクラッチによって、
回転同期のタイミングを確実にすることができる。ま
た、この駆動力制御装置は、油圧クラッチによって、ク
ラッチの係合力を調整しながら回生制動状態にスムーズ
に移行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るハイブリッド型車両の
駆動力制御装置の全体構成図である。
【図2】図1の駆動力制御装置における駆動力伝達機構
のスケルトン図である。
【図3】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆動
力制御装置の各制御を説明するためのタイムチャートで
ある。
【図4】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆動
力制御装置によるモータ制御フラグ判定処理を示すフロ
ーチャートである。
【図5】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆動
力制御装置によるモータ発進&走行制御を示すフローチ
ャートである。
【図6】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆動
力制御装置によるエンジン起動制御を示すフローチャー
トである。
【図7】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆動
力制御装置によるハイブリッド走行制御を示すフローチ
ャートである。
【図8】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆動
力制御装置によるモータ休止制御を示すフローチャート
である。
【図9】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆動
力制御装置によるエンジン走行制御を示すフローチャー
トである。
【図10】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆
動力制御装置によるモータアシスト再開制御を示すフロ
ーチャートである。
【図11】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆
動力制御装置によるモータ回生制動&アシスト再開制御
を示すフローチャートである。
【図12】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆
動力制御装置で用いられる3次元空間上に表したアクセ
ル開度−車速−アクセル要求トルクマップである。
【図13】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆
動力制御装置で用いられる二次元平面上に表したハイブ
リッド型車両の運転状態を示す駆動力(逆駆動力)−車
速マップである。
【図14】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆
動力制御装置で用いられるバッテリ残容量を表すグラフ
である。
【図15】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆
動力制御装置で用いられるモータ減速制御時のエンジン
トルク−モータトルクマップを示すグラフである。
【図16】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆
動力制御装置で用いられるブレーキ踏力−制動要求トル
クマップを示すグラフである。
【図17】本実施の形態に係るハイブリッド型車両の駆
動力制御装置で用いられる回生用クラッチのエンゲージ
制御時のモータトルク−回生用クラッチトルクマップを
示すグラフである。
【図18】第2の実施の形態に係るハイブリッド型車両
の駆動力制御装置における駆動力伝達機構のスケルトン
図である。
【符号の説明】
1,61・・・駆動力制御装置 2・・・エンジン 3,63・・・モータ 4・・・ジェネレータ 10・・・エンジンコントローラ 11・・・モータジェネレータコントローラ 12・・・モータジェネレータドライバ 13・・・ミッションコントローラ 14・・・ブレーキコントローラ 30・・・エンジンプラネタリギヤ装置(第1プラネタ
リギヤ装置) 31・・・サンギヤ 33・・・キャリア 34・・・リングギヤ 40・・・モータプラネタリギヤ装置(第2プラネタリ
ギヤ装置) 41・・・サンギヤ 43・・・キャリア 44・・・リングギヤ 50・・・直結用ワンウェイクラッチ(ワンウェイクラ
ッチ) 51・・・回生用クラッチ(油圧クラッチ) 53・・・モータ休止用クラッチ 55,67・・・モータ休止用ワンウェイクラッチ 64・・・第1減速ギヤ 65・・・第2減速ギヤ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと、電力が供給されてロータが
    回転するモータと、ロータに入力された回転によって電
    力を発生するジェネレータと、を有し、 キャリアに前記エンジンの出力軸が連結され、サンギヤ
    に前記ジェネレータのロータが連結される第1プラネタ
    リギヤ装置と、 サンギヤに前記モータのロータが連結され、リングギヤ
    に前記第1プラネタリギヤ装置のリングギヤが連結され
    る第2プラネタリギヤ装置と、 を備え、 前記第2プラネタリギヤ装置のキャリアから駆動力を出
    力するハイブリッド型車両の駆動力制御装置であって、 前記モータのロータを回転させて前記車両を発進させ、
    前記エンジンの起動後、第1所定条件のときに前記モー
    タのロータの回転を停止することを特徴とするハイブリ
    ッド型車両の駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第2プラネタリギヤ装置のリングギ
    ヤと前記モータのロータとの間で、駆動力の伝達を断接
    可能なクラッチを備え、 前記モータのロータの回転を停止した後、再度前記モー
    タのロータを回転させ、第2所定条件のときに前記クラ
    ッチを係合することを特徴とする請求項1に記載のハイ
    ブリッド型車両の駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記クラッチは、油圧クラッチとワンウ
    ェイクラッチからなることを特徴とする請求項2に記載
    のハイブリッド型車両の駆動力制御装置。
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