JP2003109868A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

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JP2003109868A
JP2003109868A JP2001304348A JP2001304348A JP2003109868A JP 2003109868 A JP2003109868 A JP 2003109868A JP 2001304348 A JP2001304348 A JP 2001304348A JP 2001304348 A JP2001304348 A JP 2001304348A JP 2003109868 A JP2003109868 A JP 2003109868A
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Kazuhiro Hatanaka
一裕 畑中
Kazuhiro Higuchi
和浩 樋口
Akihiro Inoue
明広 井上
Akio Ishii
明生 石井
Ichihiro Saegusa
一大 三枝
Shoji Ono
昭二 小野
Koichi Yoshida
光一 吉田
Reiji Araki
励至 荒木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低ESR特性を有する固体電解コンデンサを
提供する。 【解決手段】 セパレータを介して陽極箔と陰極箔を巻
回してなるコンデンサ素子内に導電性ポリマーを形成し
た固体電解コンデンサであって、陽極箔または陰極箔の
耐電圧が20.5Vにおける単位エッチング減量当りの
静電容量が5.5μF/mg以上、箔抵抗率が0.27
〜0.7mΩ、箔幅が1.5〜4mm、箔面積が150
mm2 以上とすることにより、電極箔の抵抗分が低下
し、電極箔間の電解質の抵抗分も低下し、さらに電極箔
と電極引出し端子の接合部分の接触抵抗も低下して、低
ESR特性を有する固体電解コンデンサを得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性ポリマーを
電解質として用いた固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子情報機器はデジタル化され、
さらにこれらの電子情報機器の心臓部であるマイクロプ
ロセッサ(MPU)の駆動周波数の高速化がすすんでい
る。これに伴って、消費電力の増大化が進み、発熱によ
る信頼性の問題が顕在化し、対策として、駆動電圧の低
減化が図られてきた。ここで、マイクロプロセッサに高
精度な電力を供給する回路として、電圧制御モジュール
(VRM)と呼ばれるDC−DCコンバーターが広く使
用されており、その出力側コンデンサには電圧降下を防
ぐため直列等価抵抗(ESR)の低いコンデンサが多数
用いられている。この低ESR特性を有するコンデンサ
として、固体電解質を電解質として用いた固体電解コン
デンサが実用化され、これらの用途に合ったコンデンサ
として広く用いられている。
【0003】しかしながら、マイクロプロセッサの駆動
周波数の高速化は著しく、それに伴って消費電力が増大
し、それに対応するために電圧降下を防ぐためのコンデ
ンサからの供給電力の増大化が求められている。すなわ
ち、大きな電力を短時間で供給することができなければ
ならず、このために前記の固体電解コンデンサには大容
量化、小型化、低電圧化と共に、これまでよりもさらに
低いESR特性が要求される。
【0004】一方、電子情報機器の小型化、高機能化、
生産性向上のために、電子部品の表面実装が進展し、前
記の固体電解コンデンサにおいても表面実装型のものが
求められている。
【0005】ここで、固体電解コンデンサについて説明
すると、アルミニウム,タンタル又はニオブなどの弁作
用金属箔にエッチングを施し表面積を拡大した後、陽極
酸化皮膜を形成した陽極箔と、アルミニウム,タンタル
又はニオブなどの弁作用金属箔にエッチングを施して陰
極箔を形成する。この電極箔の間にクラフト紙、マニラ
紙、ガラスセパレータまたはビニロン、ポリエステル繊
維などの合成繊維からなる不織布などのセパレータを介
在し、前記電極箔の任意な箇所に引出端子をそれぞれ取
着した状態で巻回しコンデンサ素子を形成する。このコ
ンデンサ素子に固体電解質を形成して、金属ケース内に
収納し、金属ケース開口部をエポキシ樹脂などからなる
封口樹脂にて密閉、または封口ゴムを挿入、加締め加工
によって密閉してなるものである。
【0006】そして、表面実装型の固体電解コンデンサ
は、以上のようにして作成した固体電解コンデンサを台
座に取り付けて形成される。このような表面実装型固体
電解コンデンサには小型化が要求されるので、前記の電
極箔の箔幅や箔長はできるだけ小さくてはならない。
【0007】上記構成による固体電解コンデンサは、電
解質として従来の比抵抗が100Ω・cmオーダーの電
解液に比べて10数Ω・cm以下の低い比抵抗を有する
固体電解質を用いているので、前述したようにESR特
性の優れたコンデンサである。
【0008】ところで、この固体電解質としては、従来
より比抵抗が10数Ω・cmの二酸化マンガンが用いら
れ、その後、比抵抗が10Ω・cm以下のTCNQ錯
体、ポリピロール等の有機半導体を用いた固体電解コン
デンサが実用化されてきたが、さらに比抵抗が0.1Ω
・cm以下のチオフェン誘電体のポリマーを用いた固体
電解コンデンサが実用化されつつある。このチオフェン
誘電体の重合体を用いると、小型の表面実装型固体電解
コンデンサの低ESR化には好適である。しかしなが
ら、MPUの駆動周波数のさらなる高速化が進む中で、
さらなる小型、大容量を有し、かつさらなる低ESRな
コンデンサが求められている。発明者等の研究によれ
ば、そうした固体電解コンデンサでは、電解質の比抵抗
が低いのにも関わらず、コンデンサのESR低減の効果
は十分なものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、固体電
解質の低比抵抗化による改善だけではコンデンサのES
Rを低減するには限界があり、さらなるESRの低減は
難しいといった問題があった。
【0010】本発明は、上記の問題を解決するために成
されたものであり、比抵抗の低い導電性ポリマーを用い
た固体電解コンデンサにおいて、さらなる低ESRを実
現した固体電解コンデンサを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、発明者が鋭意検討した結果、比抵抗の低い有機半
導体を用いた固体電解コンデンサにおいては、耐電圧2
0.5Vにおける単位エッチング減量当りの静電容量
(以下、単位エッチング減量当りの静電容量)が5.5
μF/mg以上の電極箔を用い、電極箔の単位面積当た
りの抵抗値、つまり正四角形の電極箔の端面間の抵抗値
(以下、箔抵抗率)と、箔幅と箔面積の最適化を図るこ
とにより、コンデンサのさらなるESRの低減が可能で
あることを見いだした。なお、ここでの耐電圧20.5
Vは、EIAJRC−2364Aに基づいて測定した値
である。
【0012】すなわち、前述したように導電性ポリマー
を用いることによりコンデンサのESRを低減すること
ができるが、電解質の低減にも限界があり、さらにこの
ように導電性ポリマーによって低減されたESRの水準
になると電極箔の箔抵抗率と箔幅と箔面積がコンデンサ
のESRに寄与してくることが判明した。そこで、これ
らの値の最適化を図ることによって大幅なコンデンサの
ESRの低減が実現できたものである。そして、本発明
においては単位エッチング減量当りの静電容量が5.5
μF/mg以上の電極箔を用いることによって、エッチ
ング層厚を低減して箔厚を低減することによって箔長を
増大し、最適な箔面積を得ている。
【0013】本発明は比抵抗が0.1Ω・cm以下の導
電性ポリマーを用い、以下の電極箔を用いることによっ
て、導電性ポリマーの低比抵抗特性を最大限に発揮させ
ることができ、従来にない低ESR特性をもつ固体電解
コンデンサを実現したものである。本発明に用いる電極
箔は単位エッチング減量当りの静電容量が5.5μF/
mg以上、箔抵抗率が0.27〜0.7mΩ、さらに好
ましくは0.34〜0.55mΩである。この範囲の電
極箔を用いることによって電極箔の抵抗分が低下して、
ESRが低減する。この範囲未満ではESRの低減効果
が少なく、この範囲を越えるとESRの低減率が低下す
る。
【0014】そして、箔幅は1.5〜4mm、好ましく
は2〜3mmである。この範囲未満では箔抵抗率が低減
しても電解質の抵抗分の寄与が大きくなってESRは低
減しない。この範囲を越えるとESRの低減率が低下
し、さらにコンデンサの高さが大きくなって表面実装型
の許容範囲以上になる。
【0015】そして、箔面積は150mm2 以上、好ま
しくは200mm2 以上が必要である。この範囲未満で
は電極箔と電解質の面積部分が小さく、抵抗値が低減し
ないので、ESRは低減しない。そして、本発明の固体
電解コンデンサは、単位エッチング減量当りの静電容量
が5.5μF/mg以上の電極箔をセパレータを介して
巻回してなるコンデンサ素子を用いているので、電極箔
の箔長は長いものを用いることができる。このことによ
って、十分な箔面積を得ることができ、ESRは低減す
る。
【0016】そして、以上のように電極箔の箔抵抗率を
0.27〜0.7mΩ、さらに好ましくは0.34〜
0.55mΩとするために、残芯厚が40〜100μ
m、さらに好ましくは50〜80μmの電極箔をもちい
ることができる。
【0017】本発明の電解コンデンサ用電極箔は以下の
ようにして作成する。まず、塩酸を主成分とする酸性水
溶液が充填されたエッチング槽を設けられる。そして、
アルミニウム箔がローラーを介して、エッチング槽内に
搬送され、エッチング槽内で交流電圧が印加されてエッ
チング処理が施される。このようにして形成されたエッ
チング箔を陰極箔として用いる。
【0018】そして、陽極箔はこのエッチング箔をさら
にリン酸水溶液等からなる化成液中で通電してこの表面
に酸化皮膜を形成して陽極箔とする。したがってこのよ
うな電極箔はエッチングされないアルミニウムの部分
(以下、残芯)とエッチング部分と、陽極箔の場合はさ
らに酸化皮膜部分とからなるが、この残芯の厚みを40
〜100μm、さらに好ましくは50〜80μmとする
ことによって、箔抵抗率を0.27〜0.7mΩ、さら
に好ましくは0.34〜0.55mΩとすることができ
る。
【0019】そして、導電性ポリマーとしては(化1)
で示されるチオフェン誘電体の重合体を用いると0.1
Ω・cm以下の低比抵抗特性を有するのでコンデンサの
ESRが低減し、コンデンサの耐熱特性が向上するので
好適である。なかでも反応性、電気特性の良好な3,4
−エチレンジオキシチオフェンが好ましい。
【化1】 ここで、XはOまたはS、XがOのとき、Aはアルキレ
ン、またはポリオキシアルキレン、Xの少なくとも一方
がSのとき、Aはアルキレン、ポリオキシアルキレン、
置換アルキレン、置換ポリオキシアルキレン、ここで、
置換基はアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基であ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】さらに、具体的に本発明の実施の
形態について説明する。まず、塩酸を主成分とする酸性
水溶液が充填されたエッチング槽を設ける。ここで、本
発明においては、エッチング槽の酸濃度は、2〜3Nの
間で設定されている。そして、アルミニウム箔がローラ
ーを介して、エッチング槽内に搬送され、交流電圧が印
加されてエッチング処理が施される。このようにして、
表面積が増大し、単位エッチング減量当りの静電容量が
5.5μF/mg以上の電極箔を得ることができる。し
たがって、同一容量であればエッチング層厚を低減する
ことができ、そのことによって箔厚を低減することがで
きる。その分所定のケースサイズに対して箔長を長くす
ることができる。このようにして形成したエッチング箔
を陰極箔として用いる。
【0021】さらに、このエッチング箔の表面に誘電体
皮膜を形成するためにリン酸水溶液等からなる化成液中
で化成を施し、陽極箔として用いる。そして本発明にお
いては、このような電極箔の単位面積当たりの箔抵抗を
0.27〜0.7mΩ、さらに好ましくは0.34〜
0.55mΩとする。
【0022】ここで、エッチングの際にアルミニウム箔
のエッチングしない部分、すなわち残芯部の厚みを40
〜100μm、さらに好ましくは50〜80μmとする
ことによって、以上のような箔抵抗率をもつ電極箔を得
ることができる。
【0023】そして、これらの電極箔を切断して電解コ
ンデンサ用電極箔を形成するが、この際の箔幅は1.5
〜4mm、好ましくは2〜3mmとする。さらに、箔面
積は150mm2 以上、好ましくは200mm2 以上が
必要である。
【0024】また、陰極箔に0.1〜10V、好ましく
は0.3〜5Vの化成皮膜を形成すると、ESRが低減
し、高温寿命特性が向上するので好適である。
【0025】また、陰極箔の表面に窒化チタンやチタン
などの酸化性の低い金属化合物や金属からなる層を形成
すると静電容量が増大するので好ましい。ここで、陰極
箔に化成皮膜を形成し、この化成皮膜の上に前記の酸化
性の低い金属や金属化合物からなる層を形成するとさら
に好ましい。
【0026】以上の陽極箔と陰極箔に陽極引出端子,陰
極引出端子を取着し、セパレータを介して巻回する。そ
の後、化成液中にて電圧を印加し、これまでの工程で損
傷した誘電体酸化皮膜を修復する。ここで前述した本発
明の陽極箔と従来の陰極箔、従来の陽極箔と本発明の陰
極箔を用いて、本発明の効果を得ることができるが、本
発明の陽極箔と陰極箔の双方を用いることによって、最
大の効果を得ることができる。
【0027】ここで、セパレータとしては、マニラ紙、
クラフト紙、ガラスセパレータなど、またはビニロン、
ポリエステルなどの合成繊維からなる不織布、さらには
多孔質セパレータを用いることができる。
【0028】なお、電極箔に引出端子を取着する際、本
発明の導電部分が増大した電極箔を用いると、電極箔と
引出端子の接合部分の接触抵抗が下がるので、そのこと
によっても固体電解コンデンサのESR低減の効果は増
大する。
【0029】ついで、導電性ポリマーとして3,4−エ
チレンジオキシチオフェン(EDT)の重合体であるポ
リ−(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PED
T)を用いた場合を説明する。コンデンサ素子をEDT
と酸化剤と所定の溶媒とを混合して調製した混合液に浸
漬し、コンデンサ素子内でEDTの重合反応を発生さ
せ、PEDTからなる固体電解質層を形成する。そし
て、このコンデンサ素子を金属ケースに挿入し、開口端
部に封口ゴムを挿入、加締め加工で封口して、固体電解
コンデンサを完成する。
【0030】前記のEDTとしては、EDTモノマーを
用いることができるが、EDTと揮発性溶媒とを1:0
〜1:3の体積比で混合したモノマー溶液を用いること
もできる。前記揮発性溶媒としては、ペンタン等の炭化
水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ギ酸エチ
ル等のエステル類、アセトン等のケトン類、メタノール
等のアルコール類、アセトニトリル等の窒素化合物等を
用いることができるが、なかでも、メタノール、エタノ
ール、アセトン等が好ましい。また、酸化剤としては、
ブタノールに溶解したパラトルエンスルホン酸第二鉄、
過ヨウ素酸もしくはヨウ素酸の水溶液を用いることがで
き、酸化剤の溶媒に対する濃度は40〜55wt%が好
ましい。この範囲未満ではESRが上昇し、この範囲を
越えると静電容量が低下する。
【0031】EDTと酸化剤(溶媒を含まず)の混合比
は、重量比で1:0.9〜1:2.2の範囲が好適であ
り、1:1.3〜1:2.0の範囲がより好適である。
この範囲外ではESRが上昇する。その理由は、以下の
通りであると考えられる。すなわち、モノマーに対する
酸化剤の量が多過ぎると、相対的に含浸されるモノマー
の量が低下するので、形成されるPEDTの量が低下し
てESRが上昇する。一方、酸化剤の量が少なすぎる
と、モノマーを重合するのに必要な酸化剤が不足して、
形成されるPEDTの量が低下してESRが上昇する。
【0032】ここで説明したEDTと他にも重合性モノ
マーを用いることができる。重合性モノマーとしては、
アニリン、ピロール、フラン、アセチレンまたはそれら
の誘導体であって、所定の酸化剤により酸化重合され、
導電性ポリマーを形成するものであれば適用することが
できる。
【0033】以上のような本発明の固体電解コンデンサ
は、0.1Ω・cm以下の比抵抗を有する導電性ポリマ
ーを用いた固体電解コンデンサにおいて、コンデンサの
ESRを従来の80〜60%に低減することができ、こ
れまでにない6mΩ以下のESRを得ることができる。
これに対して、これまでの比抵抗が数十Ω・cmの電解
液を用いた電解コンデンサや、数Ω・cmの固体電解質
を用いた固体電解コンデンサにおいては、ESRは30
〜50mΩ程度と非常に高く、さらに本発明の電極箔を
用いても最大でも90%程度にしか低減せず、本発明の
ような大幅なESRの低減という効果を得ることはでき
ない。
【0034】さらに、本発明の固体電解コンデンサは箔
幅が小さい範囲でもESRの低減を図ることができるの
で、箔幅の小さいためESRの低減がむつかしかった表
面実装型の固体電解コンデンサにおいて、低ESR特性
を実現することができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の固体電解コンデンサについて
具体的な実施例を述べる。塩酸水溶液を充填したエッチ
ング槽を設け、エッチング槽の塩酸濃度を2.5Nとし
た。そして、このエッチング槽に純度99.9%のアル
ミニウム箔を順次搬送し、15Hzの交流矩形波でエッ
チングを施した。このエッチング箔に0.4Vの化成皮
膜を形成して陰極箔とし、一方8Vの化成皮膜を形成し
て陽極箔とした。この際のエッチング箔の単位エッチン
グ減量当りの静電容量は5.8μF/mgであった。一
方、比較例としてエッチング槽の塩酸濃度を1.9Nと
して、同様に電極箔を作成した。この際のエッチング箔
の単位エッチング減量当りの静電容量は4.9μF/m
gであった。この陽極箔と陰極箔の間にマニラ紙からな
るセパレータを介在し、任意な箇所にそれぞれ陽極引出
端子,陰極引出端子を取着して巻回する。その後、化成
液中にて電圧を印加し、巻回により損傷した誘電体酸化
皮膜を修復化成する。
【0036】そして、固体電解質の形成を以下のように
行った。カップ状の容器に、EDTと45%のパラトル
エンスルホン酸第二鉄のブタノール溶液を、その重量比
が1:0.8となるように注入し、混合液を調製した。
そして、コンデンサ素子を上記混合液に10秒間浸漬し
た。そして、120℃で1時間加熱して、コンデンサ素
子内でPEDTの重合反応を発生させ、固体電解質層を
形成した。そして、このコンデンサ素子を有底筒状のア
ルミニウムケースに挿入し、開口部を絞り加工によって
ゴム封口してエージングを行い、固体電解コンデンサを
作成した。
【0037】そして、このようにして形成した固体電解
コンデンサの実施例1〜3、比較例1〜4に用いた陽極
箔と陰極箔の箔抵抗率、箔幅、箔面積、残芯厚とそれぞ
れの固体電解コンデンサのESRを(表1)に示す。な
お、実施例1〜3の箔厚はそれぞれ95μm、90μ
m、120μmであった。
【0038】
【表1】
【0039】(表1)から明らかなように、本発明の実
施例1〜3の固体電解コンデンサはESRが15mΩ以
下という低い値を示しており、本発明の効果がわかる。
これに対して、箔抵抗率が0.7mΩ以上の比較例1は
箔面積が170mm2 と実施例3より大きいにもかかわ
らず、19mΩと高い値となっている。また、箔幅が
1.5mm以下の比較例2は、箔抵抗率が0.30mΩ
と実施例1〜3よりも低く、さらに箔面積は340mm
2 と実施例1、3より大きいにもかかわらず、19mΩ
と高い値を示している。また箔面積が150mm2 以下
の比較例3は箔抵抗率が0.32mΩと実施例1〜3よ
り小さいにもかかわらずESRは19mΩと大きい。
【0040】また、比較例4、5として、実施例1と同
様にしてコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子
に固体電解質としてそれぞれTCNQ錯体、二酸化マン
ガンを形成した。得られたESRはそれぞれ17mΩ、
61mΩと高い値を示しており、本発明の電極箔を用い
ても電解質として低比抵抗特性を有する導電性ポリマー
を用いなければ本発明の効果が得られないことが判明し
た。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、セ
パレータを介して陽極箔と陰極箔を巻回してなるコンデ
ンサ素子内に導電性ポリマーを形成した固体電解コンデ
ンサであって、陽極箔または陰極箔の単位エッチング減
量当りの静電容量が5.5μF/mg以上、単位面積当
たりの箔抵抗率が0.27〜0.7mΩ、箔幅が1.5
〜4mm、箔面積が150mm2 以上とすることによ
り、従来にない低ESR特性を有する固体電解コンデン
サを提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 石井 明生 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1日 本ケミコン株式会社内 (72)発明者 三枝 一大 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1日 本ケミコン株式会社内 (72)発明者 小野 昭二 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1日 本ケミコン株式会社内 (72)発明者 吉田 光一 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1日 本ケミコン株式会社内 (72)発明者 荒木 励至 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1日 本ケミコン株式会社内 Fターム(参考) 4J100 AQ28P BA02P BA51P BC83P DA56 JA43 JA45

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セパレータを介して陽極箔と陰極箔を巻
    回してなるコンデンサ素子内に導電性ポリマーを形成し
    た固体電解コンデンサであって、陽極箔または陰極箔の
    耐電圧20.5Vにおける単位エッチング減量当りの静
    電容量が5.5μF/mg以上、単位面積当たりの箔抵
    抗が0.27〜0.7mΩ、箔幅が1.5〜4mm、箔
    面積が150mm2 以上であることを特徴とする固体電
    解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記陽極箔または陰極箔の残芯厚が40
    〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の固
    体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 導電性ポリマーとしてポリエチレンジオ
    キシチオフェンを用いた請求項1乃至2記載の固体電解
    コンデンサ。
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04333541A (ja) * 1991-05-07 1992-11-20 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 電解コンデンサ陽極用硬質アルミニウム箔

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