JP2003109812A - 圧粉磁心とその製造方法 - Google Patents

圧粉磁心とその製造方法

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治雄 小山
Kiyoshi Suzuki
喜代志 鈴木
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慎一郎 矢萩
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波の下でも低コアロスであり、また大電
流の下でも透磁率の低下が抑制されている圧粉磁心とそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 見掛密度/真密度が0.4以上である軟
磁性粉末を主体とする圧粉磁心であって、周波数25k
Hz、磁束密度0.1Tの条件下で測定したときのコア
ロスが100kW/m3以下であることを特徴とする圧
粉磁心と、軟磁性粉末,絶縁バインダ,および固形潤滑
剤を混合して成る混合物をプレス成形し、このプレス成
形体に熱処理を施して圧粉磁心を製造する際に、見掛密
度/真密度が0.4以上である軟磁性粉末を使用し、か
つ前記混合物における水分量を0.4〜4.0質量%に
することを特徴とする圧粉磁心の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧粉磁心とその製造
方法に関し、更に詳しくは、高周波の下でも低コアロス
であり、また大電流の下でも透磁率の低下が抑制されて
いる圧粉磁心とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種電気機器の電源、例えばスイッチン
グ電源,DC−DCコンバータ,あるいはDC−ACコ
ンバータ等は、平滑コイルやトランスをインダクタンス
素子として備えている。これらのインダクタンス素子、
とりわけ小型のインダクタンス素子には圧粉磁心が多用
されているが、その理由としては、圧粉磁心は、電気抵
抗率が高いために低コアロスであり、また軟磁性粉末を
主体として成るので高透磁率であるということがあげら
れる。
【0003】そして、この圧粉磁心は、一般に次のよう
にして製造されている。まず、所定組成の軟磁性合金に
対して機械粉砕やアトマイズ法を適用して軟磁性粉末を
製造する。ついで、この軟磁性粉末に、所定量の絶縁バ
インダを配合して全体が均一になるよう混合して、製造
目的の圧粉磁心の電気抵抗率を高くするための処置が施
される。そして、この混合物を金型に充填した後、所定
の圧力で成形してプレス成形体とする。そして最後に、
このプレス成形体に熱処理を施して成形時に蓄積された
成形歪を開放し、目的とする圧粉磁心が製造される。
【0004】そしてこの場合、絶縁バインダは、例えば
水ガラスなどの無機系の絶縁バインダと、プレス成形体
の保形性を確保するために必要に応じて配合される有機
系の絶縁バインダとからなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、電気
製品の多様化に伴って、高周波または大電流の下での使
用に適した圧粉磁心の開発が求められている。例えば、
高輝度ディスチャージランプ(HIDランプ)の場合、
ランプのちらつき防止のために電源は高周波を発生する
が、その電源に組み込まれる圧粉磁心には、省電力化の
ために高周波の下でも低コアロスであることが望まれて
いる。また、例えば大電流用の電源に組み込まれる圧粉
磁心には、大電流による強い磁界の下でも磁気飽和する
ことなく、高い透磁率を維持することが望まれている。
【0006】しかしながら、現在知られている圧粉磁心
の中で、最もコアロスの低いものでも、周波数25kH
z、磁束密度0.1Tの条件下で測定したときに、その
値はたかだか120kW/m3程度であり、上記した要
求を満足できるものではない。また、透磁率について
も、従来の圧粉磁心は、磁界がおおよそ0.5A/mを
超えると減少傾向を示し、上記した要求を満足できるも
のではない。
【0007】そのため本発明は、上記した要求に応える
べく、高周波の下でも低コアロスであり、また大電流の
下でも透磁率の低下が抑制されている圧粉磁心と、その
製造方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、圧粉磁心
の磁気特性の向上を図るために種々検討を重ねたとこ
ろ、軟磁性粉末の粒形状が球形状に近くなるほど、圧粉
磁心においては、高周波の下でのコアロスが低くなると
同時に、大電流による強い磁界の下での透磁率の低下が
抑制されるとの知見を得た。
【0009】しかしながら、軟磁性粉末の粒形状が球形
状に近くなるほど、プレス成形により得られるプレス成
形体の保形性が悪化し、所望の形状を有する圧粉磁心を
製造することが困難となる。この場合、絶縁バインダと
して、無機系バインダに有機系バインダを配合したもの
を使用すれば、プレス成形体の保形性を向上させること
も可能であるが、有機系の絶縁バインダは、成形後の熱
処理により分解して炭素質物になり、その炭素質物が圧
粉磁心の電気抵抗率を低下させてコアロスの増加を招く
という問題を引き起こしやすい。また同時に、熱処理炉
の内部を汚染し、ひいては熱処理炉の不具合を引き起こ
すこともある。したがって、プレス成形体の保形性を向
上するために有機系の絶縁バインダを用いることは好ま
しくない。
【0010】そこで、本発明者らは軟磁性粉末の粒形状
が球形状に近い場合でも、所望形状の圧粉磁心が得られ
るように検討を重ねた結果、プレス成形される混合物に
含まれる水分量を適性値に制御すると、その混合物を所
望形状に成形することが可能であるとの知見を得て、本
発明の圧粉磁心とその製造方法を開発するに到った。す
なわち、本発明においては、見掛密度/真密度が0.4
以上である軟磁性粉末を主体とする圧粉磁心であって、
周波数25kHz、磁束密度0.1Tの条件下で測定し
たときのコアロスが100kW/m3以下であることを
特徴とする圧粉磁心が提供される。
【0011】好ましくは、前記軟磁性粉末はFe−Si
−Al合金からなる。また、本発明においては、軟磁性
粉末,絶縁バインダ,および固形潤滑剤を混合して成る
混合物をプレス成形し、このプレス成形体に熱処理を施
して圧粉磁心を製造する際に、見掛密度/真密度が0.
4以上である軟磁性粉末を使用し、かつ前記混合物にお
ける水分量を0.4〜4.0質量%にすることを特徴と
する圧粉磁心の製造方法が提供される。
【0012】好ましくは、前記絶縁バインダは水ガラス
であり、前記混合物におけるこの水ガラスの含有量を
2.0〜6.0質量%にする。また、好ましくは、前記
混合物における前記固形潤滑剤の含有量を0.4〜2.
0質量%とし、かつ前記混合物における前記水分量/前
記固形潤滑剤の含有量を2以下にする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の圧粉磁心を説明す
る。本発明の圧粉磁心は軟磁性粉末を主体としている。
そして、その残部は、軟磁性粉末を被覆しかつ軟磁性粉
末の相互間を結着している絶縁バインダと、後述する圧
粉磁心の製造の際に用いられる固形潤滑剤と、軟磁性粉
末,絶縁バインダ,および固形潤滑剤の間に存在する空
隙とから成る。
【0014】本発明の圧粉磁心の主体をなす軟磁性粉末
は、その見掛密度/真密度が0.4以上のものである。
ここで、上記した因子:見掛密度/真密度について説明
する。まず、見掛け密度は、軟磁性粉末の粒形状を示す
指標であって、JIS−Z−2504に定められた金属
粉の見掛密度試験方法により求められる値とする(ただ
し、漏斗のオリフィスの孔径は2.5mm)。この見掛
密度は、その値が大きいときには粒形状が球形状に近
く、逆にその値が小さいときには粒形状が異形であると
いうことを示す。そして、用いる軟磁性粉末の材質因子
を消去して、成分組成の異なる軟磁性粉末相互間におい
ても見掛密度を比較することができるように、軟磁性粉
末と同一の成分組成からなる溶製材の密度を真密度とし
て、見掛密度/真密度の因子を作成した。
【0015】本発明の圧粉磁心のコアロスは、周波数2
5kHz、磁束密度0.1Tの条件下で測定したときに
100kW/m3以下と低い値になっている。上記した
見掛密度/真密度が0.4未満の場合、粒形状が異形と
なるために高周波の下でのコアロスの増加や、大電流の
下での透磁率の低下を招く。好ましい圧粉磁心の同一条
件下でのコアロスは、80kW/m3以下である。
【0016】なお、上記した軟磁性粉末としては、セン
ダストに代表されるFe−Si−Al合金、あるいはF
e−Si合金またはFe−Ni合金から成る粉末をあげ
ることができるが、より低いコアロスを達成することが
できることから、Fe−Si−Al合金から成る粉末が
好ましい。そして、軟磁性粉末の粒径は、微細であるほ
ど高周波の下での低コアロスと大電流の下での透磁率の
低下を抑制することができることから、最大粒径を15
0μm以下、平均粒径を40〜70μmに調整すること
が好ましい。
【0017】また、本発明の圧粉磁心は、大電流による
強い磁界の下でも透磁率の低下が抑制されている。具体
的には、圧粉磁心に巻線をしてなるコイルについて、周
波数25kHzでインダクタンスを測定する際に、バイ
アス電流量を15AとしたときのインダクタンスYを、
バイアス電流量を0AとしたときのインダクタンスXで
除算した重畳比が0.50以上であることが好ましい。
【0018】本発明の圧粉磁心は次のようにして製造さ
れる。まず、軟磁性合金の溶湯を、例えばアトマイズ法
により粉末とする。ここでアトマイズ法としては、水ア
トマイズ法、ガス(ArまたはN2)アトマイズ法等の
いずれであっても良い。そして、アトマイズ法では運転
条件を調整することにより、得られる粉末の見掛密度/
真密度が0.4以上となるようにする。ついで、この粉
末に所定量の絶縁バインダを配合してから混合し、更に
そこに所定量の固形潤滑剤を配合したのち再び全体を混
合することにより、プレス成形用の混合物を得る。
【0019】本発明においては、絶縁バインダとして
は、水ガラス,または,シリカ若しくはアルミナを含む
リン酸塩水溶液若しくは硼酸塩水溶液をあげることがで
きるが、水ガラスは結着力が強いことから好適である。
そして、上記した混合物における絶縁バインダの含有量
は、2.0〜6.0質量%であることが好ましい。この
含有量が2.0質量%未満の場合、混合物のプレス成形
時に型崩れなどが起こりやすくなる。また、この含有量
が6.0質量%を超えると、得られる圧粉磁心の成形密
度が上がらず、例えば大電流の下での透磁率の低下が顕
著となる等の磁気特性の劣化を招く。より好ましい混合
物における絶縁バインダの含有量は、3.0〜4.0質
量%である。
【0020】また、本発明においては、固形潤滑剤とし
ては、ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸リチウム,また
はワックス系潤滑剤などをあげることができるが、潤滑
作用が良好であることからステアリン酸亜鉛が好適であ
る。そして、混合物における固形潤滑剤の含有量Lは、
0.4〜2.0質量%であることが好ましい。この含有
量Lが0.4質量%未満の場合、プレス成形後のプレス
成形体を金型から離型するときの離型性が悪く、金型に
異常な圧力が加わって金型を破損させる虞がある。ま
た、この含有量Lが2.0質量%を超えた場合、得られ
る圧粉磁心において軟磁性粉末の含有量が相対的に減少
すると同時に、圧粉磁心の成形密度が上がらず、例えば
大電流の下での透磁率の低下が顕著となる等の磁気特性
の劣化を招く。より好ましい混合物における固形潤滑剤
の含有量は、0.5〜1.5質量%である。
【0021】また、本発明においては、上記した混合物
に関し、その水分量Wが0.4〜4.0質量%となるよ
うに設定することが必要である。水分量Wが0.4質量
%未満であると、混合物を成形して得られるプレス成形
体の保形性が悪くなり、所望形状の圧粉磁心を得ること
が困難になる。水分量Wが4.0質量%を超えると、混
合物の流動性が乏しくなる。そのため、金型への充填が
困難となり、またプレス成形時に型内流動も起こりにく
くなって、成形性の悪化を招く。したがって、混合物に
おける水分量は0.4〜4.0質量%となるようにす
る。
【0022】その場合、混合物における水分量の調節
は、例えば、絶縁バインダとして水ガラスを用いる場合
には、水ガラスに結合水として含まれる水分量を適宜調
節することにより行なうことができる。また、絶縁バイ
ンダとして硼酸塩水溶液またはリン酸塩水溶液を用いる
場合には、それらの水溶液の濃度を適宜調節することに
より行なうことができる。なお、いずれの絶縁バインダ
を使用する場合においても、必要ならば水を直接混合物
に添加してもよい。
【0023】また更に、本発明においては、混合物にお
ける水分量Wと固形潤滑剤の含有量Lがそれぞれ上記し
た範囲内にある場合であっても、混合物における水分量
Wの固形潤滑剤の含有量Lに対する比率W/Lが2を超
えると、混合物の流動性が乏しくなり、金型への充填が
困難となる。このようなことから、混合物における水分
量W/固形潤滑剤の含有量Lは2以下に調整することが
好ましい。そして、同様の理由により、この混合物にお
ける、JIS−Z−2502に定められる金属粉−流動
性試験方法で求められる流動度(ただし、漏斗のオリフ
ィス径は2.63mmである)は40s/50g以下で
あることが好ましい。
【0024】そして、上記したように、軟磁性粉末,絶
縁バインダ,固形潤滑剤,および水分をそれぞれ所定量
含む混合物を、金型に充填してからプレス成形し、得ら
れたプレス成形体に成形歪除去のための焼純処理を施
し、所望形状を有する圧粉磁心が製造される。
【0025】
【実施例】実施例1〜11,比較例1〜9 1.圧粉磁心の製造 まず、所定組成の合金の溶湯より、水アトマイズ法で、
表1に示した成分組成の軟磁性粉末を製造し、その粉末
を篩分けて、最大粒径が150μm以下で、平均粒径が
40〜60μmである粉末を製造した。ついで、この粉
末の見掛密度を、JIS−Z−2504に定められた金
属粉の見掛密度試験方法(ただし、漏斗のオリフィスの
孔径は2.5mm)により求めた。そして、同一の成分
組成を有する合金の溶製材の密度(真密度)で除算して
見掛密度/真密度を求めた。なおこのとき、篩分けられ
た粉末の見掛密度は、水アトマイズ法における噴霧圧力
と水量をコントロールすることにより変化させた。
【0026】ついで、この軟磁性粉末に、水ガラスを表
1で示した割合で配合した後に万能混合機で混合した。
更に、この万能混合機にステアリン酸亜鉛を表1で示し
た割合で配合して全体を再度混合して混合物を得た。こ
こで、混合物を105℃の温度で15分間加熱した前後
におけるその質量の減少量を電子天秤型水分計で求め、
その値を混合物における水分量Wとした。このとき、混
合物における水分量Wは、絶縁バインダとして水ガラス
を用いた場合には、結合水の含有量が異なる水ガラスを
各軟磁性粉末に配合することにより変化させた。
【0027】また、混合物の流動度をJIS−Z−25
02に定められた金属粉−流動性試験方法(ただし、漏
斗のオリフィス径は2.63mmである)により求め
た。そして、この混合物を金型へ充填して所定圧力でプ
レス成形した。このとき、圧粉磁心の成形密度が磁気特
性に与える影響を取り除くために、得られる圧粉磁心の
成形密度が一定となるように、98〜147MPaの圧
力で各混合物をプレス成形した。ついで、このプレス成
形体に、真空炉内を用いて800℃の温度の減圧下で1
時間の熱処理を施し、外径20mm,内径10mm,厚
み9mmであるリング形状の圧粉磁心を作成した。
【0028】なおこのとき、全ての実施例および比較例
について、それぞれ100個の圧粉磁心を作成した。そ
して、100個の圧粉磁心において、長さが1mm以上
のクラックが発生した圧粉磁心の数が5個未満の場合、
当該圧粉磁心の成形性は良好であるとし、5個以上の場
合、その成形性は不良であるとした。以上を一括して表
1に示した。
【0029】2.磁気特性の評価 1)インダクタンスおよび重畳比の測定 得られた圧粉磁心に、直径1mmの銅線を23ターン巻
線して、周波数25kHzのときの、バイアス電流量が
それぞれ0Aと15Aの場合におけるインダクタンスX
とインダクタンスYをそれぞれインピーダンス測定器
(LRCメータ)で測定した。そして、インダクタンス
YをインダクタンスXで除算して重畳比Y/Xを求め
た。
【0030】2)コアロス測定 得られた圧粉磁心に、直径1mmの銅線を、内巻として
20ターン、外巻として40ターンそれぞれ巻線して、
周波数25kHzで磁束密度0.1Tのときのコアロス
をディジタル型コアロス測定器(交流B−Hトレーサ
ー)で測定した。以上の結果を、軟磁性粉末の成分組成
および見掛密度/真密度,ならびに圧粉磁心の成形密度
とともに表2に示す。ただし、比較例2と4について
は、クラックが発生していない圧粉磁心を選んで測定し
た結果を示しており、常に同様の結果が得られるとは限
らず、そのため測定結果を括弧内に記した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表2から明らかなように、見掛密度/真密
度が0.4以上である軟磁性粉末を用いて製造した実施
例の圧粉磁心では、周波数25kHz、磁束密度0.1
Tで測定したときのコアロスが100kW/m3以下で
あり、比較例の圧粉磁心に比べ低くなっている。そして
更に、実施例の圧粉磁心は重畳比が0.50以上と高
く、大電流の下でも透磁率の低下が抑制されている。
【0034】なお、表2において、比較例2と4の圧粉
磁心も低いコアロスと高い重畳比を示しているが、表1
に示したように、比較例2の場合、混合物における絶縁
バインダの含有量が少なく、また比較例4の場合、混合
物における水分量が少なく、いずれの混合物も上記した
成形性が不良である。したがって、比較例2と4の圧粉
磁心においてはクラックが発生し易く、これらの圧粉磁
心を実用化することには難がある。
【0035】また、混合物における、絶縁バインダの含
有量,水分量W,固形潤滑剤の含有量Lまたは比率W/
Lが好適な範囲から外れている比較例5〜9では、混合
物の流動性が極めて乏しいために圧粉磁心を製造するこ
とは不可能であった。なお、比較例3は混合物における
絶縁バインダの含有量が多いために、成形圧力を高くし
ても圧粉磁心の成形密度を実施例のそれに近づけること
ができなかった。
【0036】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
圧粉磁心は、その主体である軟磁性粉末の見掛密度/真
密度が0.4以上であるため、周波数25kHz、磁束
密度0.1Tで測定したときのコアロスが100kW/
3以下であり、高周波の下でも低コアロスを実現して
いる。
【0037】そして、本発明の圧粉磁心は、重畳比が
0.50以上と高く、大電流の下でも透磁率の低下が抑
制されている。また、本発明の圧粉磁心の製造方法によ
れば、軟磁性粉末の見掛密度/真密度が0.4以上であ
っても、所望の形状に混合物を成形することができ、も
って所望形状の圧粉磁心を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢萩 慎一郎 愛知県名古屋市港区竜宮町10番地 大同特 殊鋼株式会社築地工場内 Fターム(参考) 4K018 AA26 BA13 BB10 BD01 CA07 GA03 KA44 5E041 AA04 BB01 HB15 NN01 NN11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 見掛密度/真密度が0.4以上である軟
    磁性粉末を主体とする圧粉磁心であって、 周波数25kHz、磁束密度0.1Tの条件下で測定し
    たときのコアロスが100kW/m3以下であることを
    特徴とする圧粉磁心。
  2. 【請求項2】前記軟磁性粉末がFe−Si−Al合金か
    らなる請求項1の圧粉磁心。
  3. 【請求項3】 軟磁性粉末,絶縁バインダ,および固形
    潤滑剤を混合して成る混合物をプレス成形し、このプレ
    ス成形体に熱処理を施して圧粉磁心を製造する際に、見
    掛密度/真密度が0.4以上である軟磁性粉末を使用
    し、かつ前記混合物における水分量を0.4〜4.0質
    量%にすることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記絶縁バインダは水ガラスであり、前
    記混合物におけるこの水ガラスの含有量を2.0〜6.
    0質量%にする請求項3の圧粉磁心の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記混合物における前記固形潤滑剤の含
    有量を0.4〜2.0質量%とし、かつ前記混合物にお
    ける前記水分量/前記固形潤滑剤の含有量を2以下にす
    る請求項3または4の圧粉磁心の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記軟磁性粉末がFe−Si−Al合金
    からなる請求項3〜5の圧粉磁心の製造方法。
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