JP2003045711A - 圧粉磁芯用粉末およびそれを使用した圧粉磁芯の製造方法 - Google Patents
圧粉磁芯用粉末およびそれを使用した圧粉磁芯の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 インダクタンス素子を構成する圧粉磁芯にお
いて、金属溶湯のアトマイズにより製造された、低コア
ロスと電流バイアス時の高インダクタンスの保持を可能
にする、球状かつ微細な粉末を使用し、しかも圧粉成形
時の成形性が高く、圧粉体の保形性が高いものが得られ
る圧粉磁芯用粉末を提供すること。 【解決手段】 Ｆｅ−Ｓｉ合金、Ｆｅ−Ｓｉ−Ａｌ合
金、Ｆｅ−Ｎｉ合金などの磁性材料の、真比重ρに対す
る見掛け比重Ｄの比Ｄ／ρが０．４以上である粉末に、
無機バインダーとして水ガラスを添加してなる粉末にお
いて、１０５℃×１５分間の乾燥により失われる水分の
量を０．４〜１．２重量％の範囲に調節することによっ
て、粉末の流動性と成形性とのバランスを確保した圧粉
磁芯用粉末。
いて、金属溶湯のアトマイズにより製造された、低コア
ロスと電流バイアス時の高インダクタンスの保持を可能
にする、球状かつ微細な粉末を使用し、しかも圧粉成形
時の成形性が高く、圧粉体の保形性が高いものが得られ
る圧粉磁芯用粉末を提供すること。 【解決手段】 Ｆｅ−Ｓｉ合金、Ｆｅ−Ｓｉ−Ａｌ合
金、Ｆｅ−Ｎｉ合金などの磁性材料の、真比重ρに対す
る見掛け比重Ｄの比Ｄ／ρが０．４以上である粉末に、
無機バインダーとして水ガラスを添加してなる粉末にお
いて、１０５℃×１５分間の乾燥により失われる水分の
量を０．４〜１．２重量％の範囲に調節することによっ
て、粉末の流動性と成形性とのバランスを確保した圧粉
磁芯用粉末。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧粉磁芯用粉末の
改良に関し、磁気特性がすぐれた磁芯を与える球状の粉
末であって、粉末成型時の流動性と圧粉体の保形性が高
いものに関する。本発明は、この粉末を使用した圧粉磁
芯の製造方法にも関する。
改良に関し、磁気特性がすぐれた磁芯を与える球状の粉
末であって、粉末成型時の流動性と圧粉体の保形性が高
いものに関する。本発明は、この粉末を使用した圧粉磁
芯の製造方法にも関する。
【０００２】
【従来の技術】近年の電気・電子機器の多様化に伴い、
回路を構成する素子に対しても、多様な特性が要求され
ている。中でも、インダクタンス素子の部品である磁芯
については、高周波化、低電圧化、大電流化の条件のも
とでも、従来品と同等以上の特性を有することが望まれ
ている。部品としては、実装面積を小さくするというニ
ーズに応えて、小型化、低背化の傾向に合致するものが
求められている。
回路を構成する素子に対しても、多様な特性が要求され
ている。中でも、インダクタンス素子の部品である磁芯
については、高周波化、低電圧化、大電流化の条件のも
とでも、従来品と同等以上の特性を有することが望まれ
ている。部品としては、実装面積を小さくするというニ
ーズに応えて、小型化、低背化の傾向に合致するものが
求められている。
【０００３】インダクタンス素子の機能を持つ磁芯とし
て、従来使用されてきたものには、フェライトコア、ア
モルファスコア、圧粉コアの３種があって、動作条件や
許容される価格などに応じて、選択されてきた。フェラ
イトコアは、低価格で高周波の用途まで使用できるとい
う利点があるが、反面、温度係数が高いことと、磁束密
度が低いことから、小型化が困難であり、大電流が流れ
る用途においては磁気飽和を起こして、インダクタンス
素子の機能が失われるおそれがある。アモルファスコア
は、金属溶湯の超急冷によって得たリボン状の材料をケ
ースに収容して使用しているが、高周波における使用は
鉄損が高くて電力のロスが大きく、このロスが熱に変わ
ってコア温度を上昇させるという問題がある。これに対
し、圧粉磁芯は、高周波においても低いコアロスを維持
でき、高電流密度においても磁気飽和しないという有利
さをもつ。
て、従来使用されてきたものには、フェライトコア、ア
モルファスコア、圧粉コアの３種があって、動作条件や
許容される価格などに応じて、選択されてきた。フェラ
イトコアは、低価格で高周波の用途まで使用できるとい
う利点があるが、反面、温度係数が高いことと、磁束密
度が低いことから、小型化が困難であり、大電流が流れ
る用途においては磁気飽和を起こして、インダクタンス
素子の機能が失われるおそれがある。アモルファスコア
は、金属溶湯の超急冷によって得たリボン状の材料をケ
ースに収容して使用しているが、高周波における使用は
鉄損が高くて電力のロスが大きく、このロスが熱に変わ
ってコア温度を上昇させるという問題がある。これに対
し、圧粉磁芯は、高周波においても低いコアロスを維持
でき、高電流密度においても磁気飽和しないという有利
さをもつ。
【０００４】圧粉磁芯には、コアロスが低いだけでな
く、電流バイアス時にもインダクタンスが変化しない特
性が求められる。これを満たす磁性材料としては、Ｆｅ
−Ｓｉ合金、Ｆｅ−Ｓｉ−Ａｌ合金およびＦｅ−Ｎｉ合
金などがあり、これらの中から選んだ１種または２種以
上を適宜の割合で混合したものが使用されている。粉末
の製造には、鋳造したインゴットを粉砕する方法と、溶
湯をガスまたは水で噴霧するアトマイズ法の両方が採用
されている。粉砕は、製品粉末に加えられた歪みを除去
するために、歪取り焼鈍を行なわなければならず、コス
ト高になる。コスト面からは、アトマイズ法が有利であ
る。
く、電流バイアス時にもインダクタンスが変化しない特
性が求められる。これを満たす磁性材料としては、Ｆｅ
−Ｓｉ合金、Ｆｅ−Ｓｉ−Ａｌ合金およびＦｅ−Ｎｉ合
金などがあり、これらの中から選んだ１種または２種以
上を適宜の割合で混合したものが使用されている。粉末
の製造には、鋳造したインゴットを粉砕する方法と、溶
湯をガスまたは水で噴霧するアトマイズ法の両方が採用
されている。粉砕は、製品粉末に加えられた歪みを除去
するために、歪取り焼鈍を行なわなければならず、コス
ト高になる。コスト面からは、アトマイズ法が有利であ
る。
【０００５】前述したように、近年では圧粉磁芯の性能
として、低コアロスとともに電流バイアス時にもインダ
クタンスを高く保つことが要求され、これに応えるに
は、粉末の形状が球に近く、かつ微細であることが必要
である。球状に近い粉末を得るためは、ガス噴霧または
ガス噴霧−水冷却の方式が適切であり、微粉末とするに
は、アトマイズ後の微粉砕もあり得るが、上記したコス
ト高の不利益が生じるから、噴霧圧力を高くしたアトマ
イズ法が有利である。
として、低コアロスとともに電流バイアス時にもインダ
クタンスを高く保つことが要求され、これに応えるに
は、粉末の形状が球に近く、かつ微細であることが必要
である。球状に近い粉末を得るためは、ガス噴霧または
ガス噴霧−水冷却の方式が適切であり、微粉末とするに
は、アトマイズ後の微粉砕もあり得るが、上記したコス
ト高の不利益が生じるから、噴霧圧力を高くしたアトマ
イズ法が有利である。
【０００６】いずれかの方法で、球状かつ微粉末の圧粉
磁芯用粉末を用意したとして、圧粉磁芯の製造過程で、
まずこれを圧粉成形体とするときの、粉末の成形性ない
し圧粉成形品の保形性という問題にぶつかる。よく知ら
れているように、球状の粉末は、不規則形状の粉末と違
って、プレス成形時に粉末どうしの間に引っ掛かりが乏
しいから、圧粉成形品の形が崩れたり、クラックが入っ
たりしやすいからである。この傾向は、粉末の見掛け密
度を尺度として測定できる、球状化・微細化の程度が進
むにつれて高くなる。発明者の経験では、磁性金属の真
比重ρに対する見掛け比重Ｄの比Ｄ／ρが大きいほど、
粉末は球状かつ微細であるが、この値が０．４以上にな
ると、成形性は急激に低くなる。
磁芯用粉末を用意したとして、圧粉磁芯の製造過程で、
まずこれを圧粉成形体とするときの、粉末の成形性ない
し圧粉成形品の保形性という問題にぶつかる。よく知ら
れているように、球状の粉末は、不規則形状の粉末と違
って、プレス成形時に粉末どうしの間に引っ掛かりが乏
しいから、圧粉成形品の形が崩れたり、クラックが入っ
たりしやすいからである。この傾向は、粉末の見掛け密
度を尺度として測定できる、球状化・微細化の程度が進
むにつれて高くなる。発明者の経験では、磁性金属の真
比重ρに対する見掛け比重Ｄの比Ｄ／ρが大きいほど、
粉末は球状かつ微細であるが、この値が０．４以上にな
ると、成形性は急激に低くなる。
【０００７】圧粉成形に当たっては、もちろん、水ガラ
スのようなバインダーを使用するのが常であるが、それ
でも成形性は不十分である。やむなく有機質のバインダ
ーを使用することがあるが、有機質のバインダーは圧粉
体製造後の磁気焼鈍の過程で分解し、残留する炭素が磁
芯の磁気特性を劣化させることになるから、せっかく球
状・微細な粉末を使用して圧粉磁芯を製造する意味がな
くなる。
スのようなバインダーを使用するのが常であるが、それ
でも成形性は不十分である。やむなく有機質のバインダ
ーを使用することがあるが、有機質のバインダーは圧粉
体製造後の磁気焼鈍の過程で分解し、残留する炭素が磁
芯の磁気特性を劣化させることになるから、せっかく球
状・微細な粉末を使用して圧粉磁芯を製造する意味がな
くなる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、圧粉
磁芯の製造に伴う上述の問題を解決し、すぐれた磁気特
性、とくに低コアロスと電流バイアス時の高インダクタ
ンスの保持を可能にする球状・微細な粉末であって、圧
粉成形時の成形性つまり圧粉体の保形性が高い圧粉磁芯
用粉末を提供することにある。この粉末を使用して高性
能な圧粉磁芯を製造する方法を提供することも、本発明
の目的に含まれる。
磁芯の製造に伴う上述の問題を解決し、すぐれた磁気特
性、とくに低コアロスと電流バイアス時の高インダクタ
ンスの保持を可能にする球状・微細な粉末であって、圧
粉成形時の成形性つまり圧粉体の保形性が高い圧粉磁芯
用粉末を提供することにある。この粉末を使用して高性
能な圧粉磁芯を製造する方法を提供することも、本発明
の目的に含まれる。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の圧粉磁芯用粉末は、磁性材料の粉末に無機バイン
ダーを添加してなる、圧粉磁芯を製造するための粉末に
おいて、１０５℃×１５分間の乾燥により失われる水分
の量が０．４〜１．２重量％の範囲であることを特徴と
する圧粉磁芯用粉末である。
発明の圧粉磁芯用粉末は、磁性材料の粉末に無機バイン
ダーを添加してなる、圧粉磁芯を製造するための粉末に
おいて、１０５℃×１５分間の乾燥により失われる水分
の量が０．４〜１．２重量％の範囲であることを特徴と
する圧粉磁芯用粉末である。
【００１０】「１０５℃×１５分間の乾燥により失われ
る水分」は、この条件で加熱する前の粉末の重量から、
加熱後の粉末の重量を差し引いた差を、加熱前の重量で
除した値である。この水分量が０．４％より小さい場
合、すなわち粉末が乾き気味の場合は、成形性が不足で
ある。一方、１．２％を超える場合、すなわち粉末が湿
りすぎの場合は、成形性に問題はないが、粉末の流動性
が乏しくなって、プレス成形機への粉末の送給に支障が
生じる。水分含有量の調節は、バインダー混合後に水分
を測定して、不足であれば水を添加し、過剰であれば乾
燥することによって行なう。
る水分」は、この条件で加熱する前の粉末の重量から、
加熱後の粉末の重量を差し引いた差を、加熱前の重量で
除した値である。この水分量が０．４％より小さい場
合、すなわち粉末が乾き気味の場合は、成形性が不足で
ある。一方、１．２％を超える場合、すなわち粉末が湿
りすぎの場合は、成形性に問題はないが、粉末の流動性
が乏しくなって、プレス成形機への粉末の送給に支障が
生じる。水分含有量の調節は、バインダー混合後に水分
を測定して、不足であれば水を添加し、過剰であれば乾
燥することによって行なう。
【００１１】無機バインダーとしては、常用の水ガラス
が最適であるから、本発明においてもこれを使用するこ
とが推奨される。
が最適であるから、本発明においてもこれを使用するこ
とが推奨される。
【００１２】磁性材料の粉末として好適なものは、磁性
金属の粉末であって、前記したように、金属の真比重ρ
に対する見掛け比重Ｄの比Ｄ／ρが０．４以上である粉
末である。Ｄ／ρが０．４に達しない粉末を使用して
も、コアロスが高く、重畳比も十分ではない。
金属の粉末であって、前記したように、金属の真比重ρ
に対する見掛け比重Ｄの比Ｄ／ρが０．４以上である粉
末である。Ｄ／ρが０．４に達しない粉末を使用して
も、コアロスが高く、重畳比も十分ではない。
【００１３】磁性金属の粉末としては、常用の、Ｆｅ−
Ｓｉ合金、Ｆｅ−Ｓｉ−Ａｌ合金およびＦｅ−Ｎｉ合金
から選んだ磁性金属の、アトマイズ法により製造された
球状の粉末が適切であり、磁芯の用途により要求される
特性に応じて、単独で、または適宜の割合で混合して使
用する。たとえば、コアロスを低くすることに主眼があ
る場合は、Ｆｅ−９．５Ｓｉ−５．４Ａｌ合金が適切で
あり、通常、コアロス１００ｋｗ／ｍ３以下、インダク
タンスの重畳比０．５以上が要求される。（インダクタ
ンス自体は、巻線数や磁芯の密度などによって多少調節
できるから、あまり問題にならない。）一方、直流重畳
特性が重要なコアの場合は、上記Ｆｅ−９．５Ｓｉ−
５．４Ａｌ合金の粉末を７０重量％、Ｆｅ−６．５Ｓｉ
合金の粉末を３０重量％配合した粉末材料が適切であ
る。コアロス１２０ｋｗ／ｍ３以下、重畳比０．６５以
上が要求される。
Ｓｉ合金、Ｆｅ−Ｓｉ−Ａｌ合金およびＦｅ−Ｎｉ合金
から選んだ磁性金属の、アトマイズ法により製造された
球状の粉末が適切であり、磁芯の用途により要求される
特性に応じて、単独で、または適宜の割合で混合して使
用する。たとえば、コアロスを低くすることに主眼があ
る場合は、Ｆｅ−９．５Ｓｉ−５．４Ａｌ合金が適切で
あり、通常、コアロス１００ｋｗ／ｍ３以下、インダク
タンスの重畳比０．５以上が要求される。（インダクタ
ンス自体は、巻線数や磁芯の密度などによって多少調節
できるから、あまり問題にならない。）一方、直流重畳
特性が重要なコアの場合は、上記Ｆｅ−９．５Ｓｉ−
５．４Ａｌ合金の粉末を７０重量％、Ｆｅ−６．５Ｓｉ
合金の粉末を３０重量％配合した粉末材料が適切であ
る。コアロス１２０ｋｗ／ｍ３以下、重畳比０．６５以
上が要求される。
【００１４】本発明の圧粉磁芯の製造方法は、上記の圧
粉磁芯用粉末に潤滑剤を混合し、混合物をプレス成形し
て圧粉体を得、圧粉体を非酸化性雰囲気において６００
〜９００℃に加熱して磁気焼鈍を行ない、圧粉磁芯とす
ることからなる。
粉磁芯用粉末に潤滑剤を混合し、混合物をプレス成形し
て圧粉体を得、圧粉体を非酸化性雰囲気において６００
〜９００℃に加熱して磁気焼鈍を行ない、圧粉磁芯とす
ることからなる。
【００１５】
【実施例】下記２種の組成をもつ磁性合金粉末を、種々
の条件において溶湯のガス噴霧−水冷却により製造し、
真比重ρに対する見掛け比重Ｄの比Ｄ／ρを測定した。
測定法は、ＪＩＳ Ｚ２５０４の方法に従った。 合金Ａ：Ｆｅ−９．５Ｓｉ−５．４Ａｌ 合金Ｂ：Ｆｅ−６．５Ｓｉ 合金Ａの粉末の一部は、合金Ｂの粉末と、重量比でＡ：
Ｂ＝７０：３０の混合物とした。合金Ａ単独の粉末およ
び合金Ａ・Ｂ混合粉末に、それぞれ水ガラスを、粉末の
重量の３％添加して混合した。さらに、プレス成形時の
潤滑剤として、ステアリン酸亜鉛を重量で０．５％添加
し、乾燥または水の添加により、１０５℃×１５分間の
加熱により測定される水分含有量が、０．１〜１．４％
となるように水分を調節した。水分量の測定には、電子
天秤型水分計を用いた。
の条件において溶湯のガス噴霧−水冷却により製造し、
真比重ρに対する見掛け比重Ｄの比Ｄ／ρを測定した。
測定法は、ＪＩＳ Ｚ２５０４の方法に従った。 合金Ａ：Ｆｅ−９．５Ｓｉ−５．４Ａｌ 合金Ｂ：Ｆｅ−６．５Ｓｉ 合金Ａの粉末の一部は、合金Ｂの粉末と、重量比でＡ：
Ｂ＝７０：３０の混合物とした。合金Ａ単独の粉末およ
び合金Ａ・Ｂ混合粉末に、それぞれ水ガラスを、粉末の
重量の３％添加して混合した。さらに、プレス成形時の
潤滑剤として、ステアリン酸亜鉛を重量で０．５％添加
し、乾燥または水の添加により、１０５℃×１５分間の
加熱により測定される水分含有量が、０．１〜１．４％
となるように水分を調節した。水分量の測定には、電子
天秤型水分計を用いた。
【００１６】各粉末を、圧力１０〜１５トン／cm２のプ
レス成形により、外径２０mm／内径１０mm×厚さ９mmの
リング状圧粉成形体に成形した。このとき、粉末の流動
度を、ＪＩＳ Ｚ２５０２の方法に従って測定した。圧
粉成形体を真空中で８００℃に１時間加熱して、圧粉磁
芯製品を得た。この磁芯の示すインダクタンスおよびコ
アロスを、ＬＣＲメータを用いて、つぎのようにして測
定した。 ［インダクタンス］径１mmの銅線を２３ターン巻線。周
波数２５ｋＨｚ、バイアス電流が０Ａのとき、および１
５Ａのときのインダクタンス。 ［コアロス］内巻２０ターン、外巻４０ターン。２５ｋ
Ｈｚ、１ｋＧにおけるコアロス。
レス成形により、外径２０mm／内径１０mm×厚さ９mmの
リング状圧粉成形体に成形した。このとき、粉末の流動
度を、ＪＩＳ Ｚ２５０２の方法に従って測定した。圧
粉成形体を真空中で８００℃に１時間加熱して、圧粉磁
芯製品を得た。この磁芯の示すインダクタンスおよびコ
アロスを、ＬＣＲメータを用いて、つぎのようにして測
定した。 ［インダクタンス］径１mmの銅線を２３ターン巻線。周
波数２５ｋＨｚ、バイアス電流が０Ａのとき、および１
５Ａのときのインダクタンス。 ［コアロス］内巻２０ターン、外巻４０ターン。２５ｋ
Ｈｚ、１ｋＧにおけるコアロス。
【００１７】表１に、使用した粉末、Ｄ／ρの比、水分
量、流動度および成形性を示す。成形性は、１００個の
成形を試みたときに、９５個以上が、長さ１mm以上のク
ラックを伴わずに成形できたとき、○とした。粉末の流
動性が悪く、流動しないものについては、成形性を評価
しなかった。表２に、磁気特性を示す。測定は、圧粉成
形体を成形できたものについて行なった。
量、流動度および成形性を示す。成形性は、１００個の
成形を試みたときに、９５個以上が、長さ１mm以上のク
ラックを伴わずに成形できたとき、○とした。粉末の流
動性が悪く、流動しないものについては、成形性を評価
しなかった。表２に、磁気特性を示す。測定は、圧粉成
形体を成形できたものについて行なった。
【００１８】
【表１】
【００１９】
【表２】
【００２０】
【発明の効果】本発明の圧粉磁芯用粉末は、粉末の成形
性および成形品の保形性がよくないことが難点であっ
た、球状で微細な磁性金属粉末を材料として使用して
も、十分な成形性と保形性とが得られる。この効果は、
磁性金属の粉末の真比重ρに対する見掛け比重Ｄの比Ｄ
／ρが０．４以上であるような、圧粉磁芯の磁気性能は
すぐれているが、成形に困難のあった素材を対象にした
とき、とくに有意義である。この圧粉磁芯用粉末は、一
方で、自動的な粉末の送給と金型への充填に必要な流動
性をそなえているから、既存の設備による圧粉磁芯製造
工程にそのまま使用することができる。
性および成形品の保形性がよくないことが難点であっ
た、球状で微細な磁性金属粉末を材料として使用して
も、十分な成形性と保形性とが得られる。この効果は、
磁性金属の粉末の真比重ρに対する見掛け比重Ｄの比Ｄ
／ρが０．４以上であるような、圧粉磁芯の磁気性能は
すぐれているが、成形に困難のあった素材を対象にした
とき、とくに有意義である。この圧粉磁芯用粉末は、一
方で、自動的な粉末の送給と金型への充填に必要な流動
性をそなえているから、既存の設備による圧粉磁芯製造
工程にそのまま使用することができる。
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フロントページの続き
(72)発明者 矢萩 慎一郎
愛知県名古屋市港区竜宮町10番地 大同特
殊鋼株式会社築地工場内
Ｆターム(参考） 4K018 BA15 BA16 BB01 BC06 BD01
GA03 KA44
5E041 AA02 AA04 AA07 CA01 HB11
HB17
Claims (5)
- 【請求項１】 磁性材料の粉末に無機バインダーを添加
してなる、圧粉磁芯を製造するための粉末において、１
０５℃×１５分間の乾燥により失われる水分の量が０．
４〜１．２重量％の範囲である圧粉磁芯用粉末。 - 【請求項２】 無機バインダーとして水ガラスを使用し
た請求項１の圧粉磁芯用粉末。 - 【請求項３】 磁性材料の粉末として、磁性金属の粉末
であって、真比重ρに対する見掛け比重Ｄの比Ｄ／ρが
０．４以上であるものを使用した請求項１の圧粉磁芯用
粉末。 - 【請求項４】 磁性金属の粉末として、Ｆｅ−Ｓｉ合
金、Ｆｅ−Ｓｉ−Ａｌ合金およびＦｅ−Ｎｉ合金から選
んだ磁性金属の、アトマイズ法により製造された球状の
粉末を使用した請求項３の圧粉磁芯用粉末。 - 【請求項５】 請求項１ないし４のいずれかに記載の圧
粉磁芯用粉末に潤滑剤を混合し、混合物をプレス成形し
て圧粉体を得、圧粉体を非酸化性雰囲気において６００
〜９００℃に加熱して磁気焼鈍を行ない、圧粉磁芯とす
ることからなる圧粉磁芯の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001226434A JP2003045711A (ja) | 2001-07-26 | 2001-07-26 | 圧粉磁芯用粉末およびそれを使用した圧粉磁芯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001226434A JP2003045711A (ja) | 2001-07-26 | 2001-07-26 | 圧粉磁芯用粉末およびそれを使用した圧粉磁芯の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003045711A true JP2003045711A (ja) | 2003-02-14 |
Family
ID=19059252
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001226434A Pending JP2003045711A (ja) | 2001-07-26 | 2001-07-26 | 圧粉磁芯用粉末およびそれを使用した圧粉磁芯の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003045711A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN108987023A (zh) * | 2018-06-21 | 2018-12-11 | 四川省德阳博益磁性材料有限公司 | 一种电感器件、磁性粉末、磁芯及其制作方法 |
| CN111508699A (zh) * | 2020-04-21 | 2020-08-07 | 东莞市南祥磁电科技有限公司 | 一种磁芯粉料压制成型后再处理方法 |
-
2001
- 2001-07-26 JP JP2001226434A patent/JP2003045711A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN108987023A (zh) * | 2018-06-21 | 2018-12-11 | 四川省德阳博益磁性材料有限公司 | 一种电感器件、磁性粉末、磁芯及其制作方法 |
| CN111508699A (zh) * | 2020-04-21 | 2020-08-07 | 东莞市南祥磁电科技有限公司 | 一种磁芯粉料压制成型后再处理方法 |
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