JP2003106434A - 自動変速機のクラッチ油路構造 - Google Patents

自動変速機のクラッチ油路構造

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JP2003106434A
JP2003106434A JP2001299390A JP2001299390A JP2003106434A JP 2003106434 A JP2003106434 A JP 2003106434A JP 2001299390 A JP2001299390 A JP 2001299390A JP 2001299390 A JP2001299390 A JP 2001299390A JP 2003106434 A JP2003106434 A JP 2003106434A
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clutch
output shaft
planetary gear
gear set
oil hole
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JP2001299390A
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English (en)
Inventor
Yoichi Ikeda
揚一 池田
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JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ラビニョオ型プラネタリギヤセットを高速段
選択状態にするクラッチの作動油路を中心軸を経由しな
いで供給し得るようにし、シール部の必要箇所を減ず
る。 【解決手段】 ラビニョオ型プラネタリギヤセット3を
高速段選択状態にするハイクラッチH/Cの作動油路を、
変速機ケース11の出力軸支承部(端壁)11bに径方向へ
延在させて設けた変速機ケース側油孔21と、これに通ず
るよう出力軸2に軸線方向へ延在させて設けた出力軸側
油孔22とで構成する。この出力軸側油孔22の開口端部
を、入力軸1と、ハイクラッチH/Cのクラッチドラム23
と、閉空間24内に通じさせ、クラッチドラム23に連通孔
26を設け、これらを経てハイクラッチH/Cに対する作動
油圧の給排を矢印αで示すように行うようになす。中心
に位置する車輪駆動軸12の内部まで作動油圧を入れない
ため、油孔間での油圧の受け渡し箇所が少なくなり、シ
ール部材27の設置個所を減少させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の歯車
伝動経路を決定して変速を行うためのクラッチに対し作
動油圧を給排するクラッチ油路構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動変速機の歯車伝動装置としては従
来、例えば特開2000−220705号公報に記載の
ごとく、入力回転を減速して出力する減速用遊星歯車組
と、これからの減速回転を変速して出力するラビニョオ
型プラネタリギヤセットとからなる歯車伝動装置が知ら
れている。
【0003】この種の歯車伝動装置においても、複数の
単純遊星歯車組を組み合わせて構成した歯車伝動装置と
同じように、変速機ケースを貫通する中心軸上に上記の
減速用遊星歯車組およびラビニョオ型プラネタリギヤセ
ットを配置する。そして中心軸に同軸に出力軸を設け、
この出力軸をラビニョオ型プラネタリギヤセットの出力
回転メンバに結合して変速動力を取り出し可能とする。
なお、ラビニョオ型プラネタリギヤセットを高速段選択
状態にするためのクラッチは、上記の出力軸およびラビ
ニョオ型プラネタリギヤセット間に配置する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のクラ
ッチに対する作動油圧の給排を従来は上記の文献に記載
のごとく、変速機ケースに設けた油孔と、これに通じる
よう出力軸に設けた油孔と、これに通じるよう中心軸に
設けた油孔との3油孔よりなる油路により行うものであ
ったため、つまり、必ず中心軸の内部を経由してクラッ
チ作動油圧の給排を行うものであったため、油孔間での
油圧の受け渡しを行うときに必要なシール部材の設置個
所が多くなってコスト上不利であると共に、シール箇所
の増大によりフリクションが増えて伝動効率の低下を招
くことが懸念される。
【0005】本発明は、中心軸の油孔を用いることなく
上記のクラッチに対する作動油圧の給排を行い得る油路
構造として油孔間での油圧の受け渡し箇所を少なくし、
これによりシール部材の設置個所を減少させてコスト上
の不利益をなくすと共にフリクションの減少により伝動
効率の向上を図り、もって上記の問題をことごとく解消
したクラッチ油路構造を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的のため請求項1
に記載の発明による自動変速機のクラッチ油路構造は、
入力回転を減速して出力する減速用遊星歯車組と、該遊
星歯車組からの減速回転を変速して出力するラビニョオ
型プラネタリギヤセットとにより多段変速が可能な歯車
伝動装置を具え、変速機ケースを貫通する車輪駆動軸上
に回転自在に嵌合され、変速機ケースに回転自在に支承
された入力軸上に前記減速用遊星歯車組およびラビニョ
オ型プラネタリギヤセットを同軸、且つ、軸方向に並べ
て配置し、同じく変速機ケースを貫通する車輪駆動軸上
に回転自在に嵌合され、変速機ケースに回転自在に支承
された出力軸を前記ラビニョオ型プラネタリギヤセット
の出力回転メンバに結合し、前記ラビニョオ型プラネタ
リギヤセットに対し前記遊星歯車組と反対位置に、該ラ
ビニョオ型プラネタリギヤセットを高速段選択状態にす
るためのクラッチを配置した自動変速機において、前記
出力軸の支承を行う変速機ケースの出力軸支承部に設け
た変速機ケース側油孔、および該変速機ケース側油孔に
通ずるよう前記出力軸に軸線方向へ延在させて設けた出
力軸側油孔により、前記クラッチに対する作動油圧の給
排を行うよう構成したことを特徴とするものである。
【0007】請求項2に記載の発明による自動変速機の
クラッチ油路構造は、請求項1に記載の発明において、
上記クラッチに近い上記出力軸側油孔の端部を開口させ
て、この出力軸側油孔の端部を前記クラッチおよび出力
軸間に画成された閉空間に通じさせ、この閉空間を経て
前記クラッチに対する作動油圧の給排を行うよう構成し
たことを特徴とするものである。
【0008】請求項3に記載の発明による自動変速機の
クラッチ油路構造は、請求項1に記載の発明において、
前記クラッチに近い前記出力軸側油孔の端部を閉塞さ
せ、この出力軸側油孔に連通し、且つ、径方向に延在す
る径方向油孔を設け、この径方向油孔を経て前記クラッ
チに対する作動油圧の給排を行うよう構成したことを特
徴とするものである。
【0009】
【発明の効果】請求項1に記載の発明おいては、変速機
ケースを貫通する車輪駆動軸上に回転自在に嵌合され、
変速機ケースに回転自在に支承された入力軸上における
減速用遊星歯車組およびラビニョオ型プラネタリギヤセ
ットのうち、前者の減速用遊星歯車組が入力軸からの入
力回転を減速して出力し、この減速回転を後者のラビニ
ョオ型プラネタリギヤセットが変速して出力軸より出力
する。ここで出力軸は、上記車輪駆動軸上に回転自在に
嵌合され、且つ、変速機ケースに回転自在に支承されて
いる。
【0010】なお、ラビニョオ型プラネタリギヤセット
を高速段選択状態にするためのクラッチは上記ラビニョ
オ型プラネタリギヤセットに対し遊星歯車組と反対位置
に配置されているが、これに対する作動油圧の給排は、
上記出力軸の支承を行う変速機ケースの出力軸支承部に
設けた変速機ケース側油孔、および該変速機ケース側油
孔に通ずるよう前記出力軸に軸線方向へ延在させて設け
た出力軸側油孔により行う。これがため請求項1に記載
の発明においては、中心に位置する車輪駆動軸に油孔を
設けることなく、従って中心に位置する車輪駆動軸の内
部まで作動油圧を入れることなく、その外側に位置する
出力軸に軸線方向へ延在させて設けた出力軸側油孔と、
変速機ケースの上記出力軸支承部に設けた変速機ケース
側油孔とのみからなる油路により上記のクラッチに対す
る作動油圧の給排を行い得ることとなる。よって、油孔
間での油圧の受け渡し箇所が少なくなり、これによりシ
ール部材の設置個所を減少させ得てコスト上の不利益を
なくすことができると共にフリクションの減少により伝
動効率の向上を実現することができ、前記した従来の油
路構造が抱える問題をことごとく解消し得る。
【0011】なお、出力軸側油孔とクラッチとの間にお
ける作動油圧の受け渡し方としては、請求項2に記載の
発明のように、上記クラッチに近い出力軸側油孔の端部
を開口させて、この出力軸側油孔の端部をクラッチおよ
び出力軸間に画成された閉空間に通じさせ、この閉空間
を経てクラッチに対する作動油圧の給排を行うよう構成
したり、或いは、請求項3に記載の発明のように、上記
クラッチに近い出力軸側油孔の端部を閉塞させ、この出
力軸側油孔に連通し、且つ、径方向に延在する径方向油
孔を設け、この径方向油孔を経てクラッチに対する作動
油圧の給排を行うよう構成することができ、いずれの構
成によっても請求項1に記載の発明における上記の作用
効果を達成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1および図2は、本発明の
一実施の形態になるクラッチ油路構造を具えた自動変速
機の歯車伝動装置を示し、本実施の形態においては、後
で詳述するがハイクラッチH/Cに対し本発明の着想を
適用する。
【0013】先ず図1により歯車伝動装置の全体構成を
説明するに、この歯車伝動装置は入力軸1およびこれに
同軸に配置した出力軸2を具え、これら入出力軸1,2
をそれぞれ中空として、変速機ケース11に貫通させた
一方の車輪駆動軸12上に回転自在に嵌合すると共に、
変速機ケース11の入出力軸支承部である端壁11a,
11bにより回転自在に支承する。
【0014】入力軸1には、これからオフセットさせて
平行に配置したトルクコンバータ13および入力歯車組
14を順次経て、図示せざるエンジンからの回転を図の
左端より入力させる。そして入力軸1上には、出力軸2
に近い側から順次ラビニョオ型プラネタリギヤセット3
および減速用遊星歯車組4を設ける。
【0015】減速用遊星歯車組4はサンギヤS1、リン
グギヤR1、およびこれらギヤに噛合したピニオンP1
を回転自在に支持するキャリアC1とよりなる単純遊星
歯車組とし、上記のエンジン回転を減速してラビニョオ
型プラネタリギヤセット3に向かわせるものとする。ラ
ビニョオ型プラネタリギヤセット3は、相互に噛合した
ロングピニオンP2およびショートピニオンP3と、ロ
ングピニオンP2に噛合したサンギヤS2およびショー
トピニオンP3に噛合したサンギヤS3と、ロングピニ
オンP2に噛合したリングギヤR3と、ロングピニオン
P2を回転自在に支持したキャリアC2と、ロングピニ
オンP2およびショートピニオンP3を回転自在に支持
したキャリアC3とで構成し、減速用遊星歯車組4から
の減速回転を変速して出力軸2に向かわせるものとす
る。
【0016】入力軸1から減速用遊星歯車組4およびラ
ビニョオ型プラネタリギヤセット3を経由して出力軸2
に至る伝動経路(選択変速段)を決定する変速用摩擦要
素を以下に説明するに、入力軸1はリングギヤR1に結
合し、出力軸2は一端(図の左端)を出力回転メンバで
あるリングギヤR3に結合すると共に他端を終減速機5
によりディファレンシャルギヤ装置6に結合する。
【0017】終減速機5は単純遊星歯車組で構成し、そ
のリングギヤ5Rを変速機ケース11に固定し、サンギ
ヤ5Sを出力軸2に結合し、キャリア5Cをディファレ
ンシャルギヤ装置6に結合する。ディファレンシャルギ
ヤ装置6は、前記した車輪駆動軸12の他にこれと対を
なす反対車輪のための駆動軸15を具え、出力軸2から
の回転を差動可能にして左右輪駆動軸12,15に振り
分けるものとする。
【0018】そして、サンギヤS1は変速機ケース11
に常時固定し、キャリアC1をロークラッチL/Cによ
りサンギヤS2に結合可能にすると共に3速、5速、後
退用クラッチ3・5・R/CによりサンギヤS3に結合
可能にするほか、サンギヤS3を2速、6速ブレーキ2
・6/Bにより変速機ケース6に固定可能とする。
【0019】キャリアC3はローワンウエイクラッチL
/OWCによりエンジンと逆向きの回転を阻止すると共
にローリバースブレーキLR/Bにより適宜に固定可能
とし、キャリアC2はハイクラッチH/Cにより適宜入
力軸1に結合可能にする。
【0020】上記変速用摩擦要素、つまりロークラッチ
L/Cと、3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/C
と、2速、6速ブレーキ2・6/Bと、ローワンウエイ
クラッチL/OWCと、ローリバースブレーキLR/B
と、ハイクラッチH/Cは、図2に示す締結(○で示
す)の組み合わせにより前進第1速〜第6速および後退
の変速段を、以下に概略説明するごとくに選択すること
ができる。
【0021】第1速の選択に際しては図2のごとくロー
クラッチL/Cの締結により以下の伝動経路に沿い動力
伝達を行わせる。すなわち入力軸1の回転はリングギヤ
R1に伝達され、リングギヤR1は常時固定のサンギヤ
S1を反力受けとしてキャリアC1を入力回転と同じ方
向へ減速下に回転させ、この減速回転をロークラッチL
/CによりサンギヤS2に伝達する。
【0022】サンギヤS2は、キャリアC3がローワン
ウエイクラッチL/OWCの係合によりエンジン回転と
逆方向の回転を阻止されていて反力受けの用をなすた
め、ロングピニオンP2を介してリングギヤR3を出力
軸2と共にエンジン回転と同じ方向へ減速下に回転さ
せ、前進第1速選択状態を実現することができる。出力
軸2の回転は終減速機5を経てディファレンシャルギヤ
装置6に至り、これにより左右車輪駆動軸12,15に
分配出力される。
【0023】この第1速選択状態では、エンジンブレー
キを作用させるべき走行時にキャリアC3がエンジン回
転と同じ方向に回転されて反力受けの用をなさなくなる
ためエンジンブレーキを作用させることができない。そ
こでエンジンブレーキが必要な時は、図2に(○)で示
すようにローリバースブレーキLR/Bを締結させてキ
ャリアC3がエンジン回転と同じ方向にも回転しないよ
うにし、これにより第1速でのエンジンブレーキが得ら
れるようにする。
【0024】第2速の選択に際しては図2に示すごとく
ロークラッチL/Cおよび2速、6速ブレーキ2・6/
Bの締結により以下の伝動経路に沿い動力伝達を行わせ
る。すなわち、軸1の入力回転は第1速選択時と同様に
して遊星歯車組4により減速され、ロークラッチL/C
を経てサンギヤS2に達する。
【0025】サンギヤS2は、サンギヤS3が2速、6
速ブレーキ2・6/Bの締結により回転を阻止されてい
て反力受けの用をなすため、ロングピニオンP2を介し
てリングギヤR3を出力軸2と共にエンジン回転と同じ
方向へ減速下に、しかし第1速選択時よりも高速で回転
させ、前進第2速選択状態を実現することができる。
【0026】第3速の選択に際しては図2に示すごとく
ロークラッチL/Cおよび3速、5速、後退用クラッチ
3・5・R/Cの締結により以下の伝動経路に沿い動力
伝達を行わせる。すなわち、軸1の入力回転は第1速選
択時と同様にして遊星歯車組4により減速され、この減
速回転はロークラッチL/Cを経てサンギヤS2に、ま
た3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/Cを経てサ
ンギヤS3にも達する。
【0027】従ってサンギヤS2およびサンギヤS3は
一体回転されることとなり、ラビニョオ型プラネタリギ
ヤセット3はリングギヤR3を出力軸2と共にサンギヤ
S2およびサンギヤS3と同じ速度で、しかし第2速選
択時よりも高速で回転させ、前進第3速選択状態を実現
することができる。
【0028】第4速の選択に際しては図2に示すごとく
ロークラッチL/CおよびハイクラッチH/Cの締結に
より以下の伝動経路に沿い動力伝達を行わせる。すなわ
ち、軸1の入力回転は第1速選択時と同様にして遊星歯
車組4により減速され、これからの減速回転はロークラ
ッチL/Cを経てサンギヤS2に達する。
【0029】一方でハイクラッチH/Cの締結によりキ
ャリアC2がエンジン回転と同速で回転されるため、サ
ンギヤS2への減速回転とによりラビニョオ型プラネタ
リギヤセット3はリングギヤR3を出力軸2と共にエン
ジン回転と同じ方向へ、しかし第3速選択時よりも高速
で回転させ、前進第4速選択状態を実現することができ
る。
【0030】第5速の選択に際しては図2に示すごとく
3速、5速、後退用クラッチ3・5・R/Cおよびハイ
クラッチH/Cの締結により以下の伝動経路に沿い動力
伝達を行わせる。すなわち、軸1の入力回転は第1速選
択時と同様にして遊星歯車組4により減速され、これか
らの減速回転は3速、5速、後退用クラッチ3・5・R
/Cを経てサンギヤS3に達する。
【0031】一方でハイクラッチH/Cの締結によりキ
ャリアC2がエンジン回転と同速で回転されるため、サ
ンギヤS3への減速回転とによりラビニョオ型プラネタ
リギヤセット3はリングギヤR3を出力軸2と共にエン
ジン回転と同じ方向へ、しかし第4速選択時よりも高速
で回転させ、前進第5速選択状態を実現することができ
る。
【0032】第6速の選択に際しては図2に示すごとく
ハイクラッチH/Cおよび2速、6速ブレーキ2・6/
Bの締結により以下の伝動経路に沿い動力伝達を行わせ
る。すなわち、ハイクラッチH/Cの締結によりキャリ
アC2がエンジン回転と同速で回転され、2速、6速ブ
レーキ2・6/Bの締結によりサンギヤS3が回転を阻
止され反力要素として機能するため、ラビニョオ型プラ
ネタリギヤセット3はリングギヤR3を出力軸2と共に
エンジン回転と同じ方向へ、しかし第5速選択時よりも
更に高速で回転させ、前進第6速選択状態を実現するこ
とができる。
【0033】後退の選択に際しては図2に示すごとく3
速、5速、後退用クラッチ3・5・R/Cおよびローリ
バースブレーキLR/Bの締結により以下の伝動経路に
沿い動力伝達を行わせる。すなわち、軸1の入力回転は
遊星歯車組4により減速され、これからの減速回転は3
速、5速、後退用クラッチ3・5・R/Cを経てサンギ
ヤS3に達する。
【0034】一方でローリバースブレーキLR/Bの締
結によりキャリアC3が回転を阻止され、反力要素とし
て機能するため、サンギヤS3への減速回転がショート
ピニオンP3およびロングピニオンP2により反転され
てリングギヤR3に達し、この逆回転を出力軸2および
終減速機5を経てディファレンシャルギヤ装置6から取
り出すことができ、後退選択状態を実現することができ
る。
【0035】本実施の形態においては、ラビニョオ型プ
ラネタリギヤセット3を上記のごとく高速段選択状態に
するためのハイクラッチH/Cへ作動油圧を供給する油
路構造を特に以下の構成とする。当該油路構造に係わる
図1中の要旨部分の拡大図である図3に明示するよう
に、ハイクラッチH/Cは、車輪駆動軸12上に回転自
在に支持されると共に変速機ケース11の端壁11bに
回転自在に支承された出力軸2およびラビニョオ型プラ
ネタリギヤセット3間に配置するが、これに対する作動
油圧の給排は、出力軸2の上記支承を行う変速機ケース
11の出力軸支承部(端壁)11bに径方向へ延在させ
て設けた変速機ケース側油孔21と、この変速機ケース
側油孔21に通ずるよう出力軸2に軸線方向へ延在させ
て設けた出力軸側油孔22とにより構成した油路構造に
より行う。
【0036】なお出力軸側油孔22とハイクラッチH/
Cとの間における油圧の受け渡しを可能にするため、ハ
イクラッチH/Cに近い出力軸側油孔22の端部を開口
させて、この出力軸側油孔22の開口端部を、入力軸1
と、ハイクラッチH/Cのクラッチドラム23と、これ
らに嵌り合う出力軸2の対応端部とにより閉空間24内
に通じさせ、この閉空間24およびハイクラッチH/C
の作動油室25間を連通させるようクラッチドラム23
に連通孔26を設け、これらを経てハイクラッチH/C
に対する作動油圧の給排を矢印αで示すように行うよう
になす。
【0037】かかる本実施の形態によれば、中心に位置
する車輪駆動軸12に油孔を設ける必要がなく、従って
中心に位置する車輪駆動軸12の内部まで作動油圧を入
れることなく、その外側に位置する出力軸2に軸線方向
へ延在させて設けた出力軸側油孔22と、変速機ケース
11の出力軸支承部(変速機ケース11の端壁11b)
に設けた変速機ケース側油孔21とのみからなる油路に
よりハイクラッチH/Cに対する作動油圧の給排を行い
得ることとなる。よって、油孔21,22間での油圧の
受け渡し箇所が少なくなり、これによりシール部材27
の設置個所を減少させることができ、出力軸側油孔22
とハイクラッチH/Cとの間に必要なシール部材28を
含めてもシール部材の減少によりコスト上の有利である
と共にフリクションの減少により伝動効率の向上を実現
することができ、前記した従来の油路構造が抱える問題
をことごとく解消し得る。
【0038】なお、出力軸側油孔22とハイクラッチH
/Cとの間における作動油圧の受け渡し方としては、上
記以外に図4に明示するような構成も可能である。つま
り、ハイクラッチH/Cに近い出力軸側油孔22の端部
をプラグ29で閉塞させ、この出力軸側油孔22の閉塞
端部に通じ、且つ、前記クラッチドラム23の連通孔2
6に通じるよう出力軸2の外周に円周条孔30を形成
し、これにより矢印βで示すように出力軸側油孔22と
ハイクラッチH/Cとの間における作動油圧の受け渡し
を行うよう構成することもできる。この場合、当該作動
油圧の受け渡し部におけるシール部材31を、図3の場
合のシール部材28の個数よりも減少させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になるクラッチ油路構
造を具えた自動変速機の歯車伝動装置を示す縦断側面図
である。
【図2】 同実施の形態になる歯車伝動装置における変
速用摩擦要素の締結と選択変速段との関係を示す締結論
理説明図である。
【図3】 同実施の形態になるクラッチ油路構造を拡大
して詳細に示す要部拡大断面図である。
【図4】 本発明の他の実施の形態になるクラッチ油路
構造を示す、図3と同様な要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 ラビニョオ型プラネタリギヤセット 4 減速用遊星歯車組 S1 サンギヤ R1 リングギヤ P1 ピニオン C1 キャリア P2 ロングピニオン P3 ショートピニオン S2 サンギヤ S3 サンギヤ R3 リングギヤ C2 キャリア C3 キャリア 5 終減速機 6 ディファレンシャルギヤ装置 11 変速機ケース 11b 端壁(出力軸支承部) 12 車輪駆動軸 13 トルクコンバータ 14 入力歯車組 15 車輪駆動軸 21 変速機ケース側油孔 22 出力軸側油孔 23 クラッチドラム 24 閉空間 25 クラッチ作動油室 26 連通孔 27 シール部材 28 シール部材 29 プラグ 30 条溝 31 シール部材 L/C ロークラッチ 3・5・R/C 3速、5速、後退用クラッチ 2・6/B 2速、6速ブレーキ L/OWC ローワンウエイクラッチ LR/B ローリバースブレーキ H/C ハイクラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J028 EA07 EA09 EA27 EB33 EB35 EB66 FB05 FC13 FC17 FC24 FC62 GA01 HA14 HA32 3J063 AA01 AB12 AB53 AC04 BA03 BB01 BB46 CA01 CB02 CB41 CC16 CD13 CD17 CD42 3J552 MA02 MA12 NA01 NB01 PA65 PA68 QA42B QA46B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力回転を減速して出力する減速用遊星
    歯車組と、該遊星歯車組からの減速回転を変速して出力
    するラビニョオ型プラネタリギヤセットとにより多段変
    速が可能な歯車伝動装置を具え、 変速機ケースを貫通する車輪駆動軸上に回転自在に嵌合
    され、変速機ケースに回転自在に支承された入力軸上に
    前記減速用遊星歯車組およびラビニョオ型プラネタリギ
    ヤセットを同軸に、且つ、軸方向に並べて配置し、 同じく変速機ケースを貫通する車輪駆動軸上に回転自在
    に嵌合され、変速機ケースに回転自在に支承された出力
    軸を前記ラビニョオ型プラネタリギヤセットの出力回転
    メンバに結合し、 前記ラビニョオ型プラネタリギヤセットに対し前記減速
    用遊星歯車組と反対位置に、該ラビニョオ型プラネタリ
    ギヤセットを高速段選択状態にするためのクラッチを配
    置した自動変速機において、 前記出力軸の支承を行う変速機ケースの出力軸支承部に
    設けた変速機ケース側油孔、および該変速機ケース側油
    孔に通ずるよう前記出力軸に軸線方向へ延在させて設け
    た出力軸側油孔により、前記クラッチに対する作動油圧
    の給排を行うよう構成したことを特徴とする自動変速機
    のクラッチ油路構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記クラッチに近い
    前記出力軸側油孔の端部を開口させて、この出力軸側油
    孔の端部を前記クラッチおよび出力軸間に画成された閉
    空間に通じさせ、この閉空間を経て前記クラッチに対す
    る作動油圧の給排を行うよう構成したことを特徴とする
    自動変速機のクラッチ油路構造。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記クラッチに近い
    前記出力軸側油孔の端部を閉塞させ、この出力軸側油孔
    に連通し、且つ、径方向に延在する径方向油孔を設け、
    この径方向油孔を経て前記クラッチに対する作動油圧の
    給排を行うよう構成したことを特徴とする自動変速機の
    クラッチ油路構造。
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