JP2003104914A - Dna−金属−水溶性高分子複合体 - Google Patents

Dna−金属−水溶性高分子複合体

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JP2003104914A
JP2003104914A JP2001302815A JP2001302815A JP2003104914A JP 2003104914 A JP2003104914 A JP 2003104914A JP 2001302815 A JP2001302815 A JP 2001302815A JP 2001302815 A JP2001302815 A JP 2001302815A JP 2003104914 A JP2003104914 A JP 2003104914A
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Yasuhiko Tabata
泰彦 田畑
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 生体内で不安定なDNAを水溶性のプル
ラン−DTPAと複合体形成させることにより、DNA
の体内動態を変化させ、特に、DNAの肝臓へのターゲ
ティングを可能とする投与剤形を提供する。 【効果】 本発明の水溶性のDNA−プルラン複合体製
剤は、DNAに肝臓へのターゲティング性を付与し、且
つ肝臓でのDNA発現期間を延長させることができ、そ
のため、効果発現のためのDNA投与量を減らすことが
できる。その結果、DNAの大量投与、およびその標的
指向性の低さに原因する副作用を低減させることが可能
となる。肝臓癌、肝炎、肝硬変あるいは肝臓に対するウ
イルス感染症の遺伝子治療の用途が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DNA−金属−水
溶性高分子からなる水溶性複合体に関する。また、これ
ら複合体としてDNAを投与することを含む、組織特異
的DNA搬送方法ならびにDNAの組織内での発現を持
続させる方法に関する。詳しくは、DNAと例えば水溶
性多糖プルランとを含んでなる水溶性のDNA−プルラ
ン複合体およびその医薬組成物に関するものである。特
に、DNA−プルラン複合体を用いる肝臓へのターゲテ
ィングと薬効の増強に関するものである。更には、これ
を有効成分とする肝疾患の遺伝子治療剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】遺伝子治療において、患者へのDNA投
与は、注射等の方法によるのが一般的である。投与され
たDNAは、適切に標的となる部位に到達し、細胞に取
り込まれて、その機能を発現するものでないと、そのD
NAの効果は発揮されない。現在、用いられているDN
Aの投与方法では、生体内での生物学的寿命は短く、さ
らにその標的作用部位への指向性も低いため、DNAの
効果を発現させるために多量のDNA投与が行われてい
る。このことがDNAの副作用を助長している原因の一
つであると考えられ、遺伝子治療の実現に大きな障害と
なっている。
【0003】いずれにしても、DNAを標的部位に選択
的に作用させることが、遺伝子治療を有効に行うための
必須条件である。一般に、生体内で標的部位を指向する
性質を薬物に与えることを標的指向化(ターゲティン
グ)というが、このターゲティング性をDNAに付与す
ることができるならば、効果を発現させるための投与D
NA量を減らすことができるとともに、大量投与による
DNAの副作用の低減化も期待できる。
【0004】これまでの研究報告では、プラスミドDN
Aとポリエチレンイミン(PEI)との複合体が知られ
ているが、i.v.投与において、投与されたDNAがほ
とんど肺に分布し、そのDNAの発現期間が2日間と短
いことが報告されていた(Kircheis R. et al. Gene Th
er., 8, 28-40 (2001))。DNAのキャリヤーとして、
イオン化リポソームを用いた場合でも、DNAはほとん
ど肺に分布し、その発現期間も1.5日間と短いもので
ある。一方、DNAのみでは、例えばネイキッドDNA
では、肝臓に分布するものの、DNAの発現は見られて
いない(Osaka G. et al., J. Pharm. Sci. 85, 612-61
8(1996))。このように、DNAを肝臓に分布させるこ
とのできるキャリヤーの研究報告はなく、また、肝臓に
対するターゲティングについては全く知られていなかっ
た。さらに、DNAを肝臓に分布させることができ、且
つ持続して発現させることができる方法、およびその為
の組成物について何の知見も得られていないのが現状で
ある。肝臓でのDNA発現を試みるため、直接肝臓の門
脈へプラスミドDNAを投与することが行われている
が、この場合においても、DNAの肝臓での発現は1〜
2日間と短いものであった(Herweijer H. et al., J.
Gene Med., 3, 280-291(2001))。
【0005】さらに、近年の遺伝子工学の進歩により、
医薬品の候補物質となってきた種々の生理活性ペプチ
ド、および遺伝子治療に用いられる核酸(例えばアンチ
センスDNAおよびデコイDNA)等も、その生体内で
の寿命は短く、ターゲティングが必要となる。一般に、
ターゲティング化はすべての薬物において基本となる考
え方であるが、特に、細胞毒性と副作用が強く、治療係
数が小さくて投与方法の難しい抗癌剤をはじめとして、
抗菌剤、循環器用薬、抗炎症薬等がその研究開発の対象
として挙げられている。しかし、DNAについては、ほ
とんど研究対象として挙げられていなかった。そこで、
このDNAを有効に作用させるには、標的作用部位に何
らかの親和性を有する物質をキャリヤー(運搬体)に用
い、その運搬体の体内挙動パターンにDNAを乗せるこ
とによって、ターゲティングを達成することを試みた。
【0006】このような、運搬体を用いたDNAのター
ゲティングには、運搬体自身の体内での運命を知ってお
くことが必要である。しかしながら、運搬体としての水
溶性高分子の体内動態に関する系統的な研究はあまり行
われていない。わずかに、水溶性多糖であるデキストラ
ンおよびその誘導体に関する研究が行われているに過ぎ
ない(例えば、特開平9−124512号公報、Hashid
a, M. et al., J. Controlled Release, vol. 31, p163
(1994)、 Tabata, Y. et al., Drug Delivery,vol. 4,
187-221 (1997)、 Murakami, Y. et al., Drug Deliver
y, vol. 3, 231-238 (1996)等)。
【0007】そこで、本発明者らは、種々の合成ならび
に天然水溶性高分子の生体内分布を調べ、その分布がそ
の分子量ならびに電荷等の影響を強くうけること、およ
びプルランがそれらの中で最も高い肝臓への親和性を示
すことを見出した(Yamaoka,T. et al., Drug delivery
vol. 1, p75 (1993))。
【0008】プルランは、デンプンの部分加水分解物を
原料としてAureobasidium pullulans菌により発酵産生
されるα−グルカンであり、ブドウ糖3個よりなるマル
トトリオースがα−1,6結合で連鎖した直鎖状の水溶
性高分子である。現在、食品添加剤および医薬品補助剤
として広く使われている(川原一男、製薬工場、4巻、
p125、1984)。
【0009】ところで、薬物の肝臓へのターゲティング
に関しては、正電荷をもつデキストラン(Takakura, Y.
et al., Pharm. Res, vol. 7, p339 (1990))あるいはリ
ポソーム(Scherphof, G. L. et al., Biochem. Soc. Tr
ans., vol. 15, p345 (1987))、アルブミン微粒子(Sugi
bayashi, K. et al., Chem. Pharm. Bull., vol. 27,p2
04 (1979))等を運搬体に用いた受動的ターゲティング、
ならびにアシアロフェチン(Fiume, L. et al., FEBS Le
tter, vol. 116, p185 (1980))、ガラクトシル化アルブ
ミン(Fiume, L. et al., FEBS Letter, vol. 146, p42
(1982))、ガラクトース修飾リポソーム(Das, P. K. et
al., Biochem. Med., vol. 33, p124(1985)) 等を用い
た能動的ターゲティング等の多くの研究がこれまでに報
告されている。一方、プルラン等の水溶性多糖類を用い
ることによって、DNAを標的臓器(特に肝臓)へター
ゲティングすることについては示唆すらされていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生体内で不
安定なDNAを水溶性高分子の金属複合体に配位結合さ
せることにより、DNAの体内動態を変化させ、組織内
でのDNA発現期間の延長ならびに特定の組織(特に肝
臓)へのDNAのターゲティングを可能とする投与剤形
を提供しようというものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題点
を解決するために鋭意検討した。例えば、タンパク質等
の薬物のターゲティングについては、直接プルランに化
学結合させて標的臓器に移行させることが試みられてい
る。同様に、DNAについても、直接プルランに化学結
合させてDNAを肝臓にターゲティングすることも可能
と考えられる。しかし、この場合にはDNAの発現が期
待できないと考えられる。また、化学結合は操作が煩雑
で再現性に乏しいことが挙げられる。そこで、本発明者
は、水溶性高分子であるプルランに金属とキレートでき
る残基を導入し、DNAと金属イオンを介して配位結合
性のコンプレックスを形成させ、DNA−プルラン複合
体を作ることにより、所望の効果を期待した。このアプ
ローチは化学結合を用いない点で優れている。これによ
り、本発明の配位結合を介在させたDNAとの複合体形
成を用いることにより、DNAの肝臓へのターゲティン
グならびにDNAの発現期間の延長が可能となり、肝臓
における遺伝子治療が極めて有利となることを見出し、
本発明を完成した。
【0012】即ち本発明は下記の通りである。 (1)DNA−金属−水溶性高分子からなる水溶性複合
体。 (2)金属が亜鉛または銅である、上記(1)記載の水
溶性複合体。 (3)水溶性高分子が分子量約10万以上の水溶性高分
子である、上記(1)または(2)記載の水溶性複合
体。 (4)分子量約10万以上の水溶性高分子が水溶性多糖
類である、上記(3)記載の水溶性複合体。 (5)水溶性多糖類がプルランあるいはデキストランで
ある、上記(4)記載の水溶性複合体。 (6)水溶性多糖類の水酸基がキレート能を有する官能
基で置換されている、上記(1)〜(5)のいずれかに
記載の水溶性複合体。 (7)キレート能を有する官能基がカルボキシル基およ
び/またはアミノ基を含むキレート能を有する官能基で
ある、上記(6)記載の水溶性複合体。 (8)キレート能を有する官能基がジエチレントリアミ
ン5酢酸(DTPA)、スペルミン、スペルミジンおよ
びトリエチレンテトラミンからなる群より選択される少
なくとも1つのキレート配位子の残基である、上記
(7)記載の水溶性複合体。 (9)DNAと金属が配位結合して形成される、上記
(1)〜(8)のいずれかに記載の水溶性複合体。 (10)DNAがプラスミドDNA、アンチセンスDN
Aまたはオリゴ核酸である、上記(1)〜(9)のいず
れかに記載の水溶性複合体。
【0013】(11)DNAがプラスミドDNAであ
り、金属が亜鉛であり、水溶性高分子がキレート能を有
する官能基で置換されているプルランである、上記
(1)記載の水溶性複合体。 (12)キレート能を有する官能基がDTPA残基であ
る、上記(11)記載の水溶性複合体。 (13)DTPA−プルランと亜鉛とのモル比が20:
1〜5:1である、上記(12)に記載の水溶性複合
体。 (14)上記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の
水溶性複合体を有効成分とする医薬組成物。 (15)上記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の
水溶性複合体としてDNAを搬送することを特徴とす
る、該DNAの組織特異的搬送方法。 (16)水溶性高分子がキレート能を有する官能基が導
入されたプルランであって、搬送対象の組織が肝臓であ
る、上記(15)記載のDNAの組織特異的搬送方法。 (17)水溶性高分子がキレート能を有する官能基が導
入されたデキストランであって、搬送対象の組織が癌組
織である、上記(15)記載のDNAの組織特異的搬送
方法。 (18)水溶性高分子がキレート能を有する官能基が導
入されたプルランであって、肝臓へのDNA搬送用であ
る、上記(14)記載の医薬組成物。 (19)水溶性高分子がキレート能を有する官能基が導
入されたデキストランであって、癌へのDNA搬送用で
ある、上記(14)記載の医薬組成物。 (20)上記(18)に記載の医薬組成物を有効成分と
する肝疾患用の遺伝子治療剤。
【0014】(21)肝疾患が肝臓癌、肝炎、ウイルス
性肝炎あるいは肝硬変である、上記(20)記載の遺伝
子治療剤。 (22)上記(19)に記載の医薬組成物を有効成分と
する癌疾患用の遺伝子治療剤。 (23)上記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の
水溶性複合体としてDNAを投与することを特徴とす
る、DNAの組織内での発現を持続させる方法。 (24)水溶性高分子がキレート能を有する官能基が導
入されたプルランであって、DNA発現の対象となる組
織が肝臓である、上記(23)記載の方法。 (25)水溶性高分子がキレート能を有する官能基が導
入されたデキストランであって、DNA発現の対象とな
る組織が癌組織である、上記(23)記載の方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の技術的構成を詳し
く説明する。本発明に用いるDNAとしては、肝疾患の
治療に必要なタンパク質等をコードした所望の遺伝子、
これを含有するベクター、肝疾患、例えば癌等に対して
使用されるようなアンチセンスDNAおよびデコイDN
A(例えば、NFκB等)を挙げることができる。肝疾
患の治療に必要なタンパク質等をコードした所望の遺伝
子としては、ホルモン等の低分子量ペプチド、あるいは
インターフェロン、インターロイキン、サイトカイン、
ケモカイン、細胞成長因子あるいはマトリックスメタロ
プロテアーゼ(MMP)類等のタンパク質、これらのタ
ンパク質の生理活性部位の部分ペプチド等、またはこれ
らタンパク質およびペプチドの中和抗体およびレセプタ
ーのアゴニスト等の遺伝子が挙げられる。ホルモン等の
低分子量ペプチドとしては、特に治療に好適なものであ
れば限定するものではないが、IFN等のものが挙げら
れる。細胞成長因子としては、hGH、EGF、NG
F、HGF、FGF、HB−EGF、IGF等のものが
挙げられる。ベクターとしては、プラスミドベクター、
アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、ア
デノ随伴ウイルスベクター(AAV)が挙げられ、好ま
しいものとしては、プラスミドベクターを挙げることが
できる。アンチセンスDNAとしては、特に限定される
ものではないが、例えばTGF−β等の細胞成長因子に
対するアンチセンスDNA等を用いることができる。デ
コイ核酸(デコイDNA)としては、NFκB等を挙げ
ることができる。
【0016】本発明の水溶性高分子としては、キレート
能を有する官能基を導入することができ、且つ医薬の添
加物として許容される水溶性高分子であればよく、特に
制限されるものではないが、多糖類または多価アルコー
ル系高分子が好適に用いられる。多糖類としては、医薬
の添加物として許容される多糖類であればよく、特に制
限されるものではないが、デキストラン、プルラン、ス
ターチ、ヒアルロン酸、ペクチン酸、ペクチンあるいは
エルソノン等を挙げることができ、好ましくはデキスト
ランまたはプルランを挙げることができる。これらの多
糖類の分子量としては、通常4000〜50万の範囲
で、より好ましくは7万〜50万を挙げることができ
る。多価アルコール系高分子としては、医薬の添加物と
して許容される多価アルコール系高分子であればよく、
特に制限されるものではないが、ポリエチレングリコー
ル等のポリアルキレングリコールまたはポリビニルアル
コールが挙げられる。これらの多価アルコール系高分子
の分子量は,通常4000〜50万の範囲で、より好ま
しくは7万〜50万を挙げることができる。
【0017】上記多価アルコール以外にも、カルボキシ
ル基あるいはアミノ基をもっているような水溶性高分子
も本発明に用いることができる。キトサン、キチンある
いは上述の多糖類の誘導体等が挙げられる。ポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ポリリンゴ酸、ポリ(グルタ
ミン酸)、ポリ酒石酸等の合成カルボン酸およびポリア
リルアミン、ポリ(L−リジン)等のアミノ基を有する
合成高分子、あるいはこれらの共重合体、ゼラチン、ア
ルブミン、グルテン等のタンパク質および多糖類やタン
パク質とそれ以外の合成高分子との共重合体等が挙げら
れる。
【0018】本発明の水溶性高分子の分子量としては、
プルランを用いた場合、肝臓へのターゲティング能は、
分子量と共に向上し、特に約2万以上で顕著な効果を示
し、約10万以上で飽和する。また、デキストランを用
いた場合では、癌へのターゲティング能は分子量が約7
〜50万の範囲、特に好ましくは約10〜50万の範囲
が適当である。従って、本発明の水溶性高分子の分子量
は約2万以上、好ましくは約10万以上であって、特に
約10〜50万の範囲の分子量が好適である。本発明で
用いられるプルランについては特に限定されないが、中
でも、肝臓へのターゲティング性が高いことから、その
分子量が約2万以上のプルランが好ましい。
【0019】また、DNAと水溶性高分子の複合体形成
様式としては、金属イオンを介在させた配位結合による
複合体形成が望ましい。使用される金属イオンは、配位
結合を形成する金属原子であればいかなるものでもよい
が、好ましくは、マグネシウム、カルシウム等のアルカ
リ土類金属イオン、亜鉛、銅、鉄等の遷移金属イオンあ
るいはアルミニウムイオンを挙げることができる。特
に、好ましくは、亜鉛イオンを挙げることができる。本
発明の水溶性高分子に導入される配位キレート能を有す
る官能基(以下、キレート配位子残基ともいう)として
は各種のキレート能を持つものが利用できる。これらの
官能基は、水溶性高分子に化学的に導入されるものであ
って、金属イオンと配位結合できる複数個の基を有し、
これら複数個の基で金属イオンと配位結合することによ
り金属イオンをキレートすることができる化学結合を持
つものであればいずれのものであってもよい。金属イオ
ンと配位結合できる基としては、カルボキシル基、カル
ボニル基、シアノ基、アミノ基、イミダゾール基、チオ
ール基あるいは水酸基等を挙げることができる。
【0020】上記配位キレート能を有する官能基を水溶
性高分子に導入する為に使用される、金属イオンと配位
結合できる複数個の基を有し、且つこれら金属イオンを
キレートすることができる化合物(以下、キレート配位
子ともいう)としては、例えば、イミノジ酢酸、ニトリ
ロトリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレン
トリアミン5酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミ
ンヘキサ酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミノ
トリ酢酸、およびエチレングリコールジエチルエーテル
ジアミンテトラ酢酸、およびエチレンジアミンテトラプ
ロピオン酸等のコンプレクサン配位子、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミンあるいはα−アミノ酸
(グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、シスチン、
ヒスチジンおよびチロシン等)等が挙げられる。なお、
これらのキレート配位子は、水溶性高分子に1種類のも
のを導入してもよいし、複数種類のものを組み合わせて
導入してもよい。その他、キレート能に優れた2,2’
−ジピリジン、1,10−フェナントロリン残基の水溶
性高分子への導入も有効である。
【0021】これらのキレート配位子(あるいは配位キ
レート能を有する官能基)の水溶性高分子への導入は、
通常の有機反応を利用する等、公知の種々の方法により
行うことが可能である。例えば水酸基を有する水溶性高
分子へキレート能を有する官能基を導入する場合は、塩
化シアヌル法(新実験化学講座19,高分子化学I,日
本化学会)、臭化シアン法(生化学実験講座I,タンパ
ク質の化学I,日本生化学会)、あるいはエピクロルヒ
ドリン法(第4版,実験化学講座29,高分子材料,日
本化学会)等で水溶性高分子の水酸基とキレート配位子
のアミノ基との間に化学結合を形成させることにより行
うことができる。また、過ヨウ素酸酸化法(生化学実験
講座4,糖質の化学下,日本生化学会)による結合反応
も有効である。さらに、水溶性高分子の水酸基を、カル
ボニルイミダゾールにより活性化した後、配位子のカル
ボキシル基あるいはアミノ基と結合させることも可能で
ある。上述の結合反応に加えて、DTPA酸無水物、お
よびEDTAのアミノベンジルあるいはイソチオシアノ
ベンジル誘導体等は、室温下混合するだけで容易に水溶
性高分子の水酸基と反応し、キレート能を有する官能基
を水溶性高分子に導入することができるため好ましい。
また、カルボキシル基あるいはアミノ基を有する水溶性
高分子へのキレート残基の導入は、通常の有機反応を利
用したり、上述の水酸基への導入反応と類似の反応を行
うことにより達成できる。
【0022】なお、上記各方法において、未反応のキレ
ート配位子は、水に対する透析等により除去することが
できる。
【0023】以上のように、キレート能を持つ配位子残
基を水溶性高分子に直接導入する方法に加えて、キレー
ト配位子残基と水溶性高分子との間にスペーサーを導入
することもできる。例えば、まず、アミノ基を両端に持
つN,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プ
ロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、
炭素鎖長の異なる脂肪族ジアミン、あるいはリジンのエ
ステル誘導体等を水溶性高分子に導入しておく。その
後、未反応の片末端アミノ基へキレート配位子残基を導
入し、スペーサーを介してキレート配位子残基が導入さ
れた水溶性高分子を調製する。上述の例以外に、分子両
末端に水酸基、カルボキシル基等の化学反応性官能基を
持つ他のスペーサー分子を利用することも可能であり、
上述の反応を組み合わせることによって、スペーサーを
介在したキレート配位子残基導入水溶性高分子を合成で
きる。
【0024】本発明において好ましい水溶性高分子とし
ては、デキストランおよびプルランが挙げられる。本発
明において好ましいキレート配位子としては、例えばD
TPA、スペルミン、スペルミジンおよびトリエチレン
テトラミン等を挙げることができる。
【0025】なお、好適な水溶性高分子の例として挙げ
たデキストランもしくはプルラン等の多糖類またはポリ
アルキレングリコールもしくはポリビニルアルコール等
の多価アルコール系高分子は、複数の水酸基を有する
が、全ての水酸基が化学結合に寄与する必要はなく、一
部は遊離の水酸基として残っていてもよく、またその化
学結合の形態に制約されるものではない。同様に、アミ
ノ基やカルボキシル基を有する水溶性高分子を用いた場
合にも、全てのアミノ基やカルボキシル基が化学結合に
寄与する必要はなく、一部は遊離の状態で残っていても
よく、またその化学結合の形態に制約されるものではな
い。
【0026】本発明のDNA−金属−水溶性高分子から
なる水溶性複合体は、DNA、上記キレート配位子残基
導入水溶性高分子および上記金属イオンを混合すること
により得ることができる。これらの3種類の反応物質を
ほぼ同時に混合してもよいし、まずキレート配位子残基
導入水溶性高分子と金属イオンとを混合してキレート化
合物を形成させ、未反応の金属イオンをゲル濾過クロマ
トグラフィー等により除去した後、該キレート化合物を
DNAと混合してもよい。いずれの場合でも、混合温度
および溶媒は特に限定されないが、混合温度は室温でよ
く、溶媒は水でよい。
【0027】水溶性高分子とDNA、金属(亜鉛等)と
の配合比は特に限定されるものではないが、例えば、水
溶性高分子に対するキレート配位子残基の導入率が1〜
20%(モル/モル)となるように配合することが望ま
しい。水溶性高分子がプルランの場合には、例えば、プ
ルラン−DTPAとDNA、亜鉛のモル比は、DNAを
1としてそれぞれ1000〜100:1:10〜2の配
合比が好ましい。
【0028】かくして、本発明のDNA−金属−水溶性
高分子からなる水溶性複合体が調製される(以下、単に
本発明の水溶性複合体ともいう)。
【0029】本発明の水溶性複合体(DNA−金属−水
溶性高分子からなる複合体)は水溶性であり、そのまま
緩衝液、生理食塩水、注射用溶媒等の希釈剤に溶解して
アッセイあるいは治療に用いることができるが、凍結乾
燥後、使用時に希釈剤に溶解してから用いてもよい。投
与方法としては、静脈内投与、動脈内投与、皮内投与、
皮下投与、筋肉内投与、体腔内投与等が挙げられる。
【0030】本発明の水溶性複合体はネイキッドDNA
に比べて次の優れた性質をもつ。 1)不安定なDNAの生体内安定性が顕著に増加する。 2)DNAの体内動態をコントロールできる。特に、そ
の肝臓へのターゲティング能が顕著に高まり、DNAの
みの場合では実現できない、または、顕著に少ない投与
量で効果が発揮される。 3)肝臓でのDNA発現が持続し、それ故、肝臓におけ
る効果がDNAのみの場合に比較してより長く維持され
る。 4)本発明の複合体は配位結合を用いているため、DN
Aが非ウイルス性ベクターである場合には静電的コンプ
レックスを形成し、より安定性が増大する。
【0031】本発明の水溶性複合体の投与量は、治療目
的の疾患、患者の年齢、体重等により適宜調整すること
ができるが、通常成人患者当たり約0.01〜約5μg
の範囲、好ましくは約0.01〜約0.5μgの範囲か
ら投与量が選択され、静脈内投与、動脈内投与、皮内投
与、皮下投与、筋肉内投与あるいは体腔内投与すること
ができる。また1回の投与で効果が不十分であった場合
は、該投与を複数回行うことも可能である。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明について詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0033】実施例1:プルラン−DTPAの作製 500mgのプルラン(分子量200,000、東京化
成工業(株)製)を含む500mlの無水ジメチルスル
ホキシド溶液中へ、22.6mgの無水ジエチレントリ
アミン5酢酸(DTPA)(同仁堂、熊本)を加える。
40℃で24時間攪拌することにより、DTPAがプル
ランの水酸基に導入される。48時間25℃の透析にて
未反応のDTPAを除去後、凍結乾燥し、プルラン−D
TPAを得た。電導滴定で確認すると1.38 μmol/mg of
pullulanであり、このことから、プルランへのDTP
Aの導入率を算定すると、1mgのプルランに対して、
1.38μmolのDTPAが導入されていた。
【0034】実施例2:pSV−LacZの精製 2SV40プロモーターをもつLacZプラスミド遺伝
子pSV−LacZ(7931bp)で大腸菌をトランスフォ
ームし、Luria-Bertani培地(Invitron)にて16時間
37℃で大量培養した。大腸菌を含む培地を6000
g、15分間、4℃で遠沈し、低張液(50 mM Tris-HCl,
10 mM EDTA, pH 8.0, RNase (100μg/ml))で拡散後、
SDSを含む溶解液(200mM NaOH, 1% sodium dodecyl s
ulfate)で細胞膜を破壊する。酢酸(3.0 M potassium ac
etate solution (pH 5.5))で中和後、シリンジを通して
残渣を除去する。Qiagenカラムに注ぎ、1M NaCl
溶液で洗浄し、抽出液(1.25 M NaCl at pH 8.5, 50 mM
Tris-HCl, and 15 % isopropyl alcohol)でカラムより
プラスミドDNAを抽出・回収した。
【0035】実施例3:プルラン−DTPA・Zn・p
SV−LacZ複合体の作製 プルラン−DTPA(導入されたDTPAをモル比基準
とする):Zn:pSV−LacZのモル比が500:
5:1になるように各試薬の濃度を決めた。まず、pS
V−LacZ溶液とプルラン−DTPA溶液を混合し、
亜鉛イオン溶液を更に加えて、25℃で15分静置し作
製した。
【0036】実施例4:肝臓へのターゲッティング試験 実施例3で調製されたDNA−プルラン複合体206m
g/ml溶液を200μlはかりとり、DDYマウス
(雄、6週令)の尾静脈へ注入した。48時間後、ジエ
チルエーテルで犠死させた後、肝臓を取り出し、液体窒
素で直ちに凍結した。Lysis buffer(0.1M Tris-HCl、2
mM EDTA、0.1%Triton X-100)を用いてホモジナイズし
た後、ホモジナイズした溶液30μlに70μlのo-ni
trophenyl beta-D-galactopyranoside(OPNG) (4 mg/ml)
と200μlのcleavage buffer (60 mM Na2HPO4-7H2O,
40 mM NaH2PO4-H2O, 10 mM KCl, and 1 mM MgSO4-7H
2O, pH7) を加え、37℃で30分静置し、500μl
の1M炭酸ナトリウム溶液で反応を停止後、420nm
で吸光度測定する。このように、β-ガラクトシダーゼ
・アッセイ・キット(Invitrogen Co.USA)を使用し
て、組織内のβ-ガラクトシダーゼ活性を比較した。結
果を図1および図2に示す。図1で示されるように、コ
ントロールのDNAのみの場合(DNAsolution)と比
べて、DNA−プルラン複合体(conjugate)のほうが
肝臓での遺伝子発現が多く見られた。このことは、肝臓
へのターゲティングの成功を示すものである。また、図
2で示されるように、マウス1匹あたりのDNA量は3
00μgが適当であり、これ以上投与量を上げても効果
はかわらないことが示された。
【0037】実施例5:モル比 プルラン−DTPAのモル比(DTPA基準)を変化さ
せ、モル比として、100:5:1〜1000:5:1
の範囲で、実施例3と同様にして、DNA−プルラン複
合体を作製した。これら複合体を用いて、実施例4と同
様にマウスへの投与実験を行った。結果を図3に示す。
図3で示されるように、プルラン−DTPAのモル比が
100〜500でキレート効果があることが明らかとな
った。
【0038】実施例6:DNA−プルラン複合体による
肝臓でのDNA発現期間の評価 実施例4と同様にマウスへの投与実験を行い、投与後の
遺伝子発現の経過をチェックした。結果を図4および図
5に示す。図4で示されるように、300μgのplasmi
d DNAでDNA−プルラン複合体は発現期間の延長が認
められる。一方、DNA単独だと、図5で示されるよう
に、2日前後で発現が減少するのに比較して、図4のD
NA−プルラン複合体の場合では10日前後まで延長し
ていることが確認できた。これらの結果より、プルラン
複合体は全身投与で肝臓への効果的な遺伝子発現を期待
でき、且つ発現期間の延長も見込めるということが見出
された。以上の結果より、DNAのみで投与するより
も、DNA−プルラン複合体の方が肝臓で顕著に発現
し、またその発現期間も持続されていることが明らかと
なった。
【0039】
【発明の効果】本発明によってDNAの肝臓へのターゲ
ティング性を付与させることができ、効果発現のための
DNA投与量を少なくすることができる。また、所望す
る組織へのターゲッティングを可能にするとともに、組
織内での発現期間を延長することができる。組織特異的
および持続的な発現の結果、DNAの大量投与、および
その標的指向性の低さに原因する副作用を低減すること
ができる。特に肝臓疾患、例えば肝臓癌、肝炎に対する
遺伝子治療、肝臓に関する細菌あるいはウイルス感染
症、および肝硬変等の遺伝子治療法としての用途が期待
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プルラン−DTPA・Zn・pSV−LacZ
複合体のインビボでの分布を調べた結果を示すグラフで
ある(肝臓、腎臓、脾臓、肺について、pSV−Lac
Zをそのまま投与した場合と、プルラン−DTPAと金
属とで複合化して投与した場合との比較)。
【図2】プルラン−DTPA・Zn・pSV−LacZ
複合体として投与するDNA量のDNA発現に及ぼす影
響について調べた結果を示すグラフである(マウス1匹
あたりのDNA投与量を100、300、500および
700μgと変化させて、調べた)。
【図3】プルラン−DTPA・Zn・pSV−LacZ
複合体におけるプルラン−DTPA、Zn、およびpS
V−LacZの混合比を変化させて、そのDNA発現に
及ぼす影響を調べた結果を示すグラフである。
【図4】プルラン−DTPA・Zn・pSV−LacZ
複合体としてDNA(300μg)投与した場合の、肝
臓におけるLacZ遺伝子の発現の経時変化を調べた結
果を示すグラフである。10日目まで有意な発現増強が
認められ、発現期間の延長が認められる。
【図5】複合化せず、ネイキッドな状態でDNA(30
0μg)を投与した場合の、肝臓におけるLacZ遺伝
子の発現の経時変化を調べた結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/04 A61P 31/04 31/12 31/12 35/00 35/00 C12N 15/09 C12N 15/00 A Fターム(参考) 4B024 AA01 CA01 FA10 GA11 HA17 4C076 BB11 BB21 CC16 CC27 CC35 DD21 EE30 EE59 FF31 FF68 FF70 4C084 AA13 BA33 BA35 BA37 CA62 MA05 NA06 NA12 NA13 NA14 ZA752 ZB262 ZB332 ZB352 4C086 AA01 AA02 EA16 MA03 MA05 NA06 NA12 NA13 NA14 ZA75 ZB26 ZB33 ZB35

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DNA−金属−水溶性高分子からなる水
    溶性複合体。
  2. 【請求項2】 金属が亜鉛または銅である、請求項1記
    載の水溶性複合体。
  3. 【請求項3】 水溶性高分子が分子量約10万以上の水
    溶性高分子である、請求項1または2記載の水溶性複合
    体。
  4. 【請求項4】 分子量約10万以上の水溶性高分子が水
    溶性多糖類である、請求項3記載の水溶性複合体。
  5. 【請求項5】 水溶性多糖類がプルランあるいはデキス
    トランである、請求項4記載の水溶性複合体。
  6. 【請求項6】 水溶性多糖類の水酸基がキレート能を有
    する官能基で置換されている、請求項1〜5のいずれか
    に記載の水溶性複合体。
  7. 【請求項7】 キレート能を有する官能基がカルボキシ
    ル基および/またはアミノ基を含むキレート能を有する
    官能基である、請求項6記載の水溶性複合体。
  8. 【請求項8】 キレート能を有する官能基がジエチレン
    トリアミン5酢酸(DTPA)、スペルミン、スペルミ
    ジンおよびトリエチレンテトラミンからなる群より選択
    される少なくとも1つのキレート配位子の残基である、
    請求項7記載の水溶性複合体。
  9. 【請求項9】 DNAと金属が配位結合して形成され
    る、請求項1〜8のいずれかに記載の水溶性複合体。
  10. 【請求項10】 DNAがプラスミドDNA、アンチセ
    ンスDNAまたはオリゴ核酸である、請求項1〜9のい
    ずれかに記載の水溶性複合体。
  11. 【請求項11】 DNAがプラスミドDNAであり、金
    属が亜鉛であり、水溶性高分子がキレート能を有する官
    能基で置換されているプルランである、請求項1記載の
    水溶性複合体。
  12. 【請求項12】 キレート能を有する官能基がDTPA
    残基である、請求項11記載の水溶性複合体。
  13. 【請求項13】 DTPA−プルランと亜鉛とのモル比
    が20:1〜5:1である、請求項12に記載の水溶性
    複合体。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の水溶性複合体を有効成分とする医薬組成物。
  15. 【請求項15】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の水溶性複合体としてDNAを搬送することを特徴とす
    る、DNAの組織特異的搬送方法。
  16. 【請求項16】 水溶性高分子がキレート能を有する官
    能基が導入されたプルランであって、搬送対象の組織が
    肝臓である、請求項15記載のDNAの組織特異的搬送
    方法。
  17. 【請求項17】 水溶性高分子がキレート能を有する官
    能基が導入されたデキストランであって、搬送対象の組
    織が癌組織である、請求項15記載のDNAの組織特異
    的搬送方法。
  18. 【請求項18】 水溶性高分子がキレート能を有する官
    能基が導入されたプルランであって、肝臓へのDNA搬
    送用である、請求項14記載の医薬組成物。
  19. 【請求項19】 水溶性高分子がキレート能を有する官
    能基が導入されたデキストランであって、癌へのDNA
    搬送用である、請求項14記載の医薬組成物。
  20. 【請求項20】 請求項18に記載の医薬組成物を有効
    成分とする肝疾患用の遺伝子治療剤。
  21. 【請求項21】 肝疾患が肝臓癌、肝炎、ウイルス性肝
    炎あるいは肝硬変である、請求項20記載の遺伝子治療
    剤。
  22. 【請求項22】 請求項19に記載の医薬組成物を有効
    成分とする癌疾患用の遺伝子治療剤。
  23. 【請求項23】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の水溶性複合体としてDNAを投与することを特徴とす
    る、DNAの組織内での発現を持続させる方法。
  24. 【請求項24】 水溶性高分子がキレート能を有する官
    能基が導入されたプルランであって、DNA発現の対象
    となる組織が肝臓である、請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 水溶性高分子がキレート能を有する官
    能基が導入されたデキストランであって、DNA発現の
    対象となる組織が癌組織である、請求項23記載の方
    法。
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