JPWO2008059835A1 - 金属キレート複合体及びプロトン緩和速度増強剤並びにmri造影剤 - Google Patents

金属キレート複合体及びプロトン緩和速度増強剤並びにmri造影剤 Download PDF

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Abstract

【課題】細胞膜の内外で行き来することなく、一定の箇所に長期間滞在し得る化合物,及び、一定のエリアの組織の様子,特に細胞移植による再生過程を、経時的に観察することができる、プロトン緩和速度増強剤,MRI造影剤,又は細胞内滞在型MRI造影剤を提供すること。【解決手段】1又は2以上の金属キレートと、ポリビニルアルコールを構成成分として含むことを特徴とする、金属キレート複合体,及びそれを含むことを特徴とするプロトン緩和速度増強剤,MRI造影剤,又は細胞内滞在型MRI造影剤である。【選択図】図1

Description

本発明は、画像診断に用いることが可能な新規化合物に関するものであり、細胞膜の内外で行き来することなく、一定の箇所に滞在することによって、細胞や器官等の一定エリアの経時的変化を検証可能な、プロトン緩和速度増強剤,又はMRI造影剤に関するものである。特に、細胞内に滞在させ、再生治療過程等における細胞の追跡を行うための、細胞内滞在型MRI造影剤に関するものである。
現代医療において、画像診断の果たす役割は大きいが、中でも非破壊的,非侵襲的に生体の内部形態や内部機能を測定し、その結果を画像によって示すことのできる画像診断方法が重要になっている。
このような画像診断方法には、X線診断方法,放射線核医学診断方法(ポジトロンCT:PET,シングルフォトン:SPECT),核磁気共鳴診断法(MRI),超音波US等が挙げられる。
中でも、MRIは、軟部組織の解像力に優れ、任意の方向での撮像が可能で、PETのような大がかりも不要という利点があるため、汎用性が高い。
MRIとは、核磁気共鳴(NMR)現象を利用する方法であり、生体内に存在する水分子中の水素原子(プロトン)から得られるMR信号を、画像化して用いる方法である。測定対象中に存在するプロトンの、エネルギーレベルが、MRI装置から照射された電磁波によって、一旦高くなった後、元のエネルギーレベルに戻るまでの時間(緩和時間)又はその際の速度(緩和速度)の差,あるいは被験物中のプロトン密度の違いによって、画像上にコントラストとして現れる。
このMRIには、MRI造影剤が用いられる場合がある。MRI造影剤とは、MRI等において、プロトンの緩和時間を短くする作用を有する物質を用いて、コントラストが小さい場合等に、より鮮明な画像を得るために用いられるものである。
現在用いられているMRI造影剤としては、ガドリニウム等に代表される金属を中心としたキレート化合物(金属キレート)が挙げられる。
この金属キレートが、プロトンの緩和時間を短くする作用を有することから、被験物において、金属キレートを用いた造影剤が滞在する領域と、滞在しない領域との間のコントラストが、より強調される。
MRI造影剤としては、オムニスキャン(登録商標,Gd−DTPA−BMA,第一製薬製),プロハンス(登録商標,Gd(HP−DO3A),エーザイ製),マグネスコープ(登録商標,Gd−DOTA,栄研又は田辺製薬製),マグネビスト(登録商標,Gd−DTPA,シェーリング製)等の低分子化合物が市販されている。
また、血流情報をより正確に得るために、上記の低分子造影剤の血中半減期を延長させた、高分子結合型造影剤(非特許文献1〜3等参照),癌をターゲットとした金属内包ミセル,コントラストを高めるために多量の金属キレートを結合させうるようにした、デンドリマー型の造影剤等が開発されている。
例えば、下記非特許文献1の造影剤は、ポリグルタミン酸(PG)に結合させた、Gd−DTPA,Gd−DOTAが記載されている。非特許文献2,3では、ポリエチレングリコール(PEG)に、Gd−DTPA−システイン複合体や、Gd−DO3A等を結合させたものが記載されている。
しかしながら、人為的に製造した化合物を用いたMRI造影剤は、生体にとっては異物である。そのため、上記の非特許文献に記載のものは、全て“一度撮像した後には、速やかに生体内で分解する”ようにデザインされており、生体投与後1時間から24時間程度で生分解されている。
一方、失われた身体機能の回復手段として、臓器移植などに代わって、患者自身の細胞を用いる細胞移植による再生療法が注目を集めている。
臓器移植には、提供者不足や、移植後の拒絶反応,拒絶反応を抑制するための免疫抑制剤による副作用等の問題点があるためである。
現在、ほぼ全ての組織,臓器の再生が臨床応用を目指して研究されており、皮膚,軟骨,血管などの再生は、臨床応用に耐えうる結果が示されているが、その応用の成果を確認する際にも、画像診断方法の果たす役割は、大きくなってきている。
しかし、上述の低分子化合物からなる造影剤は、小さいため細胞膜等も透過可能で、生体に投与後も、自由に移動してしまい、必ずしも目的とする一定エリアの組織の様子を追跡することができない。
また、上述の通り、高分子結合型造影剤やデンドリマー型造影剤等の比較的分子量の大きいものも開発されているが、これらもまた、細胞膜との相互作用の防止効果が十分で無いことから、やはり膜透過によって追跡対象とのズレが生じる可能性がある。しかも、上述した様に、非特許文献に記載されている高分子結合型MRI造影剤はいずれも、一回の撮像後には生分解されてしまうのが現状である。
従って、上述のいずれのMRI造影剤によっても、非常に長期間を要する組織再生過程での、「経時的な作用機序(移植細胞の増殖,分化,可塑性,融合等)を解明することは、できないというのが現状である。
そこで、本発明者の一人が、血中半減期の長い高分子を探索した結果、ポリビニルアルコールを見いだした(非特許文献4)。
Bioconjugate Chem.; (Article); 2004; 15(6); 1408-1415 Bioconjugate Chem.; (Article); 2004; 15(6); 1424-1430 Journal of Alloys and Compounds 249 (1997) 185-190 J. Pharm. Pharmacol., 1995, 47, 479-486.
本発明者等は、ポリビニルアルコールを用いた造影剤が、長期間安定に細胞内に留まり、長期にわたる撮像が可能であるにもかかわらず、細胞毒性が極めて低いことを見出し本発明に到達したものであって、その目的とするところは、細胞膜の内外で行き来することなく、一定の箇所に滞在し続けることができ、一回切りの撮像に留まらず、一定のエリアの組織の様子,特に細胞移植による再生過程を、経時的に観察することができ、尚かつ細胞毒性の極めて低い、金属キレート複合体,プロトン緩和速度増強剤,MRI造影剤,又は細胞内滞在型MRI造影剤を提供するにある。
上述の目的は、下記第一の発明から第九の発明によって、達成される。
<第一の発明>
1又は2以上の金属キレートと、ポリビニルアルコールを構成成分として含むことを特徴とする、金属キレート複合体である。
<第二の発明>
金属キレートが、リンカーを介してポリビニルアルコールに結合していることを特徴とする、第一の発明に記載の金属キレート複合体である。
<第三の発明>
リンカーが、ジアミンであることを特徴とする、第二の発明に記載の金属キレート複合体である。
<第四の発明>
キレート化剤が、DTPA,DTPA無水物,DOTA,DO3A,HP−DO3A,DTPA−BMAからなる群から選択される1又は2以上のキレート化剤であることを特徴とする、第一乃至第三の発明のいずれかに記載の金属キレート複合体である。
<第五の発明>
ポリビニルアルコールの重量平均分子量が2000〜10万であることを特徴とする、第一乃至第四の発明のいずれかに記載の金属キレート複合体である。
<第六の発明>
金属がガドリニウムであることを特徴とする、第一乃至第五の発明のいずれかに記載の金属キレート複合体である。
<第七の発明>
第一乃至第六の発明のいずれかに記載の金属キレート複合体を含むことを特徴とする、プロトン緩和速度増強剤である。
<第八の発明>
第一乃至第六の発明のいずれかに記載の金属キレート複合体を含むことを特徴とする、MRI造影剤である。
<第九の発明>
第一乃至第六の発明のいずれかに記載の金属キレート複合体を含むことを特徴とする、細胞内滞在型MRI造影剤である。
本発明の化合物は、画像診断に用いることが可能であり、細胞膜の内外で行き来することなく、一定のエリアに滞在することによって、細胞や器官等の一定エリア内の組織の様子(疾患の有無,進行度等)を経時的に追跡可能な、プロトン緩和速度増強剤,より具体的にはMRI造影剤等に利用することが可能である。
特に、細胞内に導入した場合には、細胞内に滞在し続け、1つの細胞内に複数導入してある場合には、細胞増殖等の後も、増殖細胞に分配されることから、再生過程の追跡が可能である。
<1>本発明の化合物
(構造)
本発明の金属キレート複合体は、1又は2以上の金属キレートと、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と記載することがある。)を構成成分として含んでいる。
(バリエーション)
(1)金属キレート
(i)金属
金属キレートに用いられる金属イオンとしては、各種の磁性金属が挙げられる。具体的には、ガドリニウムイオン,セリウムイオン,サマリウムイオン,ユウピウムイオン,ジスプロシウムイオン,ツリウムイオン,イットリビウムイオンなどのランタノイド系元素のイオン,クロミウムイオン,モリブデニウムイオン,タングステンイオンなどの6族元素のイオン,マンガンなどの7族元素のイオン,鉄イオン,ルテニウムイオン,オスニウムイオンなどの8族元素のイオン,コバルトイオン,ロジウムなどの9族元素のイオン,ニッケルイオン,パラジウムイオンなどの10族元素のイオン,銅イオンなどの11族元素のイオン,亜鉛イオン,カドミウムイオンなどの12族元素のイオンなどが挙げられる。
これらの中では、キレート化剤の原子と配位する数が最も多く、錯体の安定性が高いなどの点から、ガドリニウム(Gd)イオンを用いることが好ましい。ガドリニウムイオンを用いた本発明の金属キレート複合体は、プロトンの緩和速度増強効果が最も高く、造影剤としての効果が高いためである。
(ii)キレート化剤
金属キレートに用いられるキレート化剤(キレート配位子)としては、公知のDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸),DTPA−BMA(ジエチレントリアミン五酢酸−ブチルメタクリレート),DTPA無水物,DOTA(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラアセテート),DO3A(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリアセテート),HP−DO3A(2−ヒドロキシプロピル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリアセテート)等が挙げられるが、特に、臨床で使用された実績が長いという点では、DTPAが好ましく、キレートの安定性の点では、DOTAが好ましい。
従って、本発明の化合物を、本発明の、細胞内滞在型MRI造影剤として用いる場合には、特に、長期間の細胞追跡を必要とするため、安定性の高いDOTAが好ましい。
(iii)金属キレート
本発明の金属キレート複合体に用いられる金属キレートは、オムニスキャン(登録商標,Gd−DTPA−BMA,第一製薬製),プロハンス(登録商標,Gd(HP−DO3A),エーザイ製),マグネスコープ(登録商標,Gd−DOTA,栄研又は田辺製薬製),マグネビスト(登録商標,Gd−DTPA,シェーリング製)等の市販されているものを用いることができるが、常法により製造することもできる。具体的には、金属イオンとキレート化剤を、例えば水溶液中で常温,常圧化、pH6〜6.5で、24時間混合する等の方法により、製造することもできる。
好ましいpHの範囲は、キレート化剤の種類にもよるが、一般に、キレート化が促進されという点で、上記のようなpH値とすることが好ましい。
(2)PVA
本発明の金属キレート複合体に用いられるPVAとは、ビニルアルコールをその構成単位(モノマー)とする公知の高分子であり、非常に親水性の高い合成樹脂である。構成成分であるビニルアルコールは、分子構造的に不安定で、高分子の製造原料としては適さないことから、通常は、まず酢酸ビニルを重合し、ポリ酢酸ビニルとした後、酢酸エステル残基を加水分解によって水酸基とすることによって製造される。
本発明の金属キレート複合体に用いられるPVAとしては、直鎖状のものの他、一部が分岐構造をとっているものや、架橋構造や環状構造をとるもの等が挙げられる。その性質は、本発明の、プロトン緩和速度増強剤あるいはMRI造影剤としての性質に影響しない限り、特に制限されるものでは無いが、下記のものが好ましい。
(i)重量平均分子量
重量平均分子量は、細胞膜を往き来し難く、血中半減期がある程度長く、一定エリアあるいは細胞内に留まり易いという点で2000以上が好ましく、体内に蓄積し難いという点で10万以下のものが好ましい。より好ましくは2万〜5万,更に好ましくは、3万〜4万である。
(ii)ケン化度
ケン化度は、85〜99.9%が好ましい。
(iii)ガラス転移温度(Tg)
ガラス転移温度は、10〜80℃が好ましい。
ガラス転移温度は、DSCで測定する。
(iv)溶液粘度
溶液粘度は、1〜100000cpsが好ましい。
尚、本発明の金属キレート複合体に用いられるPVAは、本発明の、プロトン緩和速度増強剤あるいはMRI造影剤としての性質に悪影響を及ぼさない範囲で、他の高分子の構成単位を用いて、ブロック共重合その他の共重合物としても良く、また他の高分子とブレンドしても良い。
また、一つの種類のPVAを単独で用いても良く、複数種のPVAをブレンドして用いることもできる。
共重合の場合の、ビニルアルコール単位(原料成分としては、酢酸ビニル)の含有比率は、特に限定されないが、ある程度の血中半減期と親水性,及び細胞膜に近づき難い性質等を確実に保持するためには、高分子を構成するモノマー単位中、ビニルアルコール単位として大凡70%以上,好ましくは80%以上,特に好ましくは90%以上である。
(3)リンカー
本発明のキレート複合体は、PVAへの金属キレートの導入率をコントロールし易い点で、リンカーを構成成分として含んでいることが好ましい。特に、金属キレートの導入率を上げるためには、リンカーを使用することが好ましい。本発明で言うリンカーとは、その両端において、PVAと金属キレートのそれぞれと結合することにより、PVAと金属キレートを結合させることのできる物質である。
リンカーの構成成分としては、ジアミン,トリアミン等のポリアミン類,ジアルコール等の多価アルコール類,オキシカルボン酸,アミノ酸,ジイソシアナート等が挙げられる。ジアミンの一端は、金属キレートの持つカルボキシル基と、アミド結合し、ジアミンの他端は、カルボキシイミダゾール(CDI)等のイミダゾール等の縮合剤を用いて、PVAのOH基とウレタン結合する。中でも、ジアミンが、特別な装置等を必要とせず、緩和な反応条件で行えるなど、反応が簡単であるため好ましい。
ジアミンとしては、エチレンジアミン,プロパンジアミン,ブチレンジアミン,ヘキサメチレンジアミン,ジアミノデカン等の、炭化水素化合物のジアミンが挙げられる。
リンカーの炭素数は特に限定されないが、1〜10が、リンクさせる金属キレートとPVAとの間に、適度な空間を作り、金属キレートが多く結合でき、また水溶性を維持しながら金属キレートの導入率を上げるという点,更には生体材料という観点から好ましい。
特に、生体材料としては6以下が好ましく、炭素数が2〜5がより好ましく、最も好ましいのは、プロパンジアミン類等の炭素数3のリンカーであり、特に、1,3−プロパンジアミンが好ましい。
(製法)
本発明の金属キレート複合体は、例えばPVAのOH基に、エステル化剤等を用いて、直接、キレートのCOOH基を結合させ、その後金属イオンを導入する等、公知の方法によって製造することができるが、予め製造した金属キレートのCOOH基を、PVAのOH基と結合させても良い。尚、本発明の金属キレート複合体の製造過程の一例を表すスキームを図1に示す。
本発明の金属キレート複合体がリンカーを構成成分として含む場合は、例えば、PVAに、リンカーを介して、キレート化剤を結合させた後、キレート化剤の中に、金属イオンを導入する等の方法によって、得ることができる。
これら各々の結合,導入工程は、常法に従い行うことができる。
尚、金属イオンを、予めキレート化剤によって金属キレートとしてから、PVAへの結合に用いても良い。
PVAのリンカーへの結合は、常法によって行うことができるが、例えばジアミンをリンカーとして用いる場合、下記のようにして行うことができる。
まず、PVAをDMSO(ジメチルスルフォキシド)に溶解させる。さらにCDI(カルボキシジイミダゾール)を添加し、禁水条件で1日攪拌する。1日後ジアミンを過剰量加え、1日攪拌する。得られた反応溶液を水中で透析し、凍結乾燥により目的物を得る。
リンカーへのキレート化剤の結合は、常法によって行うことができるが、例えば、ジアミンを用いる場合、下記のようにして行うことができる。
まず、DMSO中で、キレート化剤に対して、N−ヒドロキシスクシンイミドを加え、活性化エステルを形成させ、アミンと反応させる。得られた反応溶液を水中で透析し、凍結乾燥により目的物を得る。
キレート化剤中への金属イオンの導入は、常法によって行うことができるが、例えば、下記のようにして行うことができる。
まず、キレート化剤と金属イオンを水中、至適pHで攪拌させる。得られた反応溶液を水中で透析し、凍結乾燥により目的物を得る。
予め作成した金属キレートのリンカーへの結合は、常法によって行うことができるが、例えば、下記のようにして行うことができる。
まず、例えば、アルデヒド型の金属錯体を用いてアミンと反応させ、シッフベースを形成させることで、リンカーに結合させる方法等である。
例えば、リンカーが、ジアミンを構成成分として含む場合は、脱水縮合剤とPVA側鎖アルコールを反応し、活性エステル中間体を形成させ、ジアミンを加える。次に、他方のアミン基を、キレート化剤のカルボキシル基とアミド結合させる。最後に、キレート化剤の中に、金属イオンを導入する。
これらの反応は、常法に従って行うことができ、例えばBioconjugate Chem.; (Article)(2004; 15(4); P.841-849)に記載の方法等を用いることができる。
(金属キレート導入比率)
リンカーを用いた場合のPVAへのリンカー導入比率は、リンカーの添加量に相関するため、添加量を変化させることによって、導入比率を調整可能である。
ビニルアルコールを1つのユニットと考えた場合に、上述の方法で導入した場合の、全ユニットに対してリンカーが導入されたユニットの割合は、技術的には、数%〜90%程度まで可能であるが、十分なプロトン緩和速度増強効果を発揮し、かつ水溶性を維持するという観点からは、3%〜40%が好ましく、更に好ましくは5%〜30%程度である。
リンカーに対するキレート化剤の導入比率は、導入作業時に十分量のキレート化剤を配合すれば、ほぼ100%である。
金属イオンの、キレート化剤に対する導入比率は、種々の実験条件によって、調整可能であるが、金属イオン導入前のPVA−リンカー−キレート化剤の複合体に対して、常温,常圧,pH6〜pH6.5の条件下、金属イオンを混合する場合には、凡そ50%〜100%のキレートに導入可能である。
尚、リンカーを用いず、直接PVAに対して、キレート化剤あるいは金属キレートを導入する場合の導入比率は、種々の実験条件によって、またキレート化剤あるいは金属キレートの添加量によって調整可能である。この場合も、リンカーを用いる場合と同じく、全ユニットに対して金属キレートが導入されたユニットの割合が、1.5〜40%であることが好ましく、更に好ましくは2.5〜30%である。
(性質)
本発明の金属キレート複合体は、細胞膜を通り抜け難い性質を有している。特に、PVAのケン化度が高い場合は、細胞膜への吸着が少ないという性質を有しており、細胞膜に近づくこと自体が少ないという利点を有している。
特に、PVAのケン化度が高い場合は、細胞膜への吸着が少ないという性質を有している。
また、本発明の金属キレート複合体を細胞内に導入した場合、細胞分裂後も、細胞群のほぼ全体に亘って、金属キレート複合体の存在が観察された(図15,16)。つまり、分裂細胞にも金属キレート複合体が分配されることが確認された。
このことによって、例えば、再生治療等において、MRI等の手段によって、移植細胞の増殖の様子を観察可能であることが分かった。
(用途)
本発明の金属キレート複合体は、後述のプロトン緩和速度増強剤や、MRI造影剤等として利用することが可能である。特に、細胞膜を通り抜け難いため、細胞内滞在型MRI造影剤として特に有用である。
<2>本発明のプロトン緩和速度増強剤
(主成分)
本発明のプロトン緩和速度増強剤は、上記<1>の金属キレート複合体を含むことを特徴とする。
(濃度)
本発明のプロトン緩和速度増強剤中の、上記<1>の金属キレート複合体の濃度は、0.1〜10重量%が好ましく、更に好ましくは、0.5〜5重量%である。0.1重量%以上で、プロトン緩和速度増強効果が得られ、10重量%以下では、粘性が抑えられ、注射液等に好適であるからである。
(第2成分)
本発明のプロトン緩和速度増強剤は、上記<1>の金属キレート複合体の他、水,アルコール,生理食塩水等の溶媒の他、マンニトール等の、注射剤等に一般に用いられる成分,あるいはプロトン緩和速度増強剤や、MRI造影剤に、一般に用いられている成分を、更に含ませることができる。
また、本発明のプロトン緩和速度増強剤としての性質に悪影響を及ぼさない範囲で、他の成分を含有させることができ、例えば薬学的に許容される担体として、賦形剤,滑沢剤,結合剤,崩壊剤,安定剤,矯味矯臭剤,希釈剤,界面活性剤,乳化剤,可溶化剤,吸収促進剤,保湿剤,吸着剤,充填剤,増量剤,付湿剤,防腐剤等の添加剤を用いて周知の方法で製剤化することができる。
賦形剤としては、有機系賦形剤及び無機系賦形剤等が挙げられる。
(剤形)
本発明のプロトン緩和速度増強剤は、注射剤,カテーテル用液剤,経口用液剤,細胞処理液,組織処理液等の、液剤の形態が好ましく、中でも、移植細胞を処理する場合の細胞処理液,組織処理液が好ましい。
(製法)
本発明のプロトン緩和速度増強剤は、上記の主成分である金属キレート複合体と、上記の第2成分等の他の成分各々を、常温,常圧下で混合する等の方法によって、得ることができる。
(性質)
本発明のプロトン緩和速度増強剤は、主成分である金属キレート複合体が、細胞膜を通り抜け難い性質を有しており、細胞膜に近づくこと自体、少ないという性質を有している。
また、本発明のプロトン緩和速度増強剤を細胞内に導入した場合、細胞分裂後も、細胞群のほぼ全体に亘って、プロトン緩和速度増強剤の存在が観察された(図15,16)。
このことによって、例えば、再生治療等において、MRI等の手段によって、移植細胞の増殖の様子を観察可能であることが分かった。
(用途)
本発明のプロトン緩和速度増強剤は、後述のMRI造影剤,中でも、細胞内滞在型のMRI造影剤として適している。
<3>本発明のMRI造影剤
(主成分)
本発明のMRI造影剤は、上記<1>の金属キレート複合体を含むことを特徴とする。
(濃度)
本発明のMRI造影剤中の、上記<1>の金属キレート複合体の濃度は、0.1〜10重量%が好ましく、更に好ましくは、0.5〜5重量%である。0.1重量%以上で、プロトン緩和速度増強効果が得られ、10重量%以下では、粘性が抑えられ、注射液等に好適であるからである。
(第2成分)
本発明のMRI造影剤は、上記<1>の金属キレート複合体の他、水,アルコール,生理食塩水等の溶媒の他、マンニトール等の、注射剤等に一般に用いられる成分,あるいはMRI造影剤に、一般に用いられている成分を、更に含ませることができる。
また、本発明のMRI造影剤としての性質に悪影響を及ぼさない範囲で、他の成分を含有させることができ、例えば薬学的に許容される担体として、賦形剤,滑沢剤,結合剤,崩壊剤,安定剤,矯味矯臭剤,希釈剤,界面活性剤,乳化剤,可溶化剤,吸収促進剤,保湿剤,吸着剤,充填剤,増量剤,付湿剤,防腐剤等の添加剤を用いて周知の方法で製剤化することができる。
賦形剤としては、有機系賦形剤及び無機系賦形剤等が挙げられる。
(剤形)
本発明のMRI造影剤は、注射剤,カテーテル用液剤,経口用液剤,細胞処理液,組織処理液等の、液剤の形態が好ましく、中でも、移植細胞を処理する場合の細胞処理液,組織処理液が好ましい。
(製法)
本発明のMRI造影剤は、上記の主成分である金属キレート複合体と、上記第2成分等の他の成分各々を、常温,常圧下で混合する等の方法によって、得ることができる。
(性質)
本発明のMRI造影剤は、主成分である金属キレート複合体が、細胞膜を通り抜け難い性質を有しており、細胞膜に近づくこと自体、少ないという性質を有している。
また、本発明のMRI造影剤を細胞内に導入した場合、細胞分裂後も、細胞群のほぼ全体に亘って、MRI造影剤の存在が観察された(図15,16)。
このことによって、例えば、再生治療等において、移植細胞の増殖の様子を観察することが可能となる。
(用途)
本発明のMRI造影剤は、特に、後述の細胞内滞在型のMRI造影剤として適している。
<4>本発明の細胞内滞在型MRI造影剤
(主成分)
本発明の細胞内滞在型MRI造影剤は、上記<1>の金属キレート複合体を含むことを特徴とする。
(濃度)
本発明の細胞内滞在型MRI造影剤中の、上記<1>の金属キレート複合体の濃度は、0.1〜10重量%が好ましく、更に好ましくは、0.5〜5重量%である。0.1重量%以上で、プロトン緩和速度増強効果が得られ、10重量%以下では、粘性が抑えられ、注射液等に好適であるからである。
(第2成分)
本発明の細胞内滞在型MRI造影剤は、上記<1>の金属キレート複合体の他、水,アルコール,生理食塩水等の溶媒の他、マンニトール等の、注射剤等に一般に用いられる成分,あるいはMRI造影剤に、一般に用いられている成分を、更に含ませることができる。
また、本発明の細胞内滞在型MRI造影剤としての性質に悪影響を及ぼさない範囲で、他の成分を含有させることができ、例えば薬学的に許容される担体として、賦形剤,滑沢剤,結合剤,崩壊剤,安定剤,矯味矯臭剤,希釈剤,界面活性剤,乳化剤,可溶化剤,吸収促進剤,保湿剤,吸着剤,充填剤,増量剤,付湿剤,防腐剤等の添加剤を用いて周知の方法で製剤化することができる。
賦形剤としては、有機系賦形剤及び無機系賦形剤等が挙げられる。
(剤形)
本発明の細胞内滞在型MRI造影剤は、注射剤,カテーテル用液剤,経口用液剤,細胞処理液,組織処理液等の、液剤の形態が好ましく、中でも、移植細胞を処理する場合の細胞処理液,組織処理液が好ましい。
(製法)
本発明の細胞内滞在型MRI造影剤は、上記の主成分である金属キレート複合体と、上記の第2成分等の他の成分各々を、常温,常圧下混合する等の方法によって、得ることができる。
(性質)
本発明の細胞内滞在型MRI造影剤は、主成分である金属キレート複合体が、細胞膜を通り抜け難い性質を有しており、細胞膜に近づくこと自体、少ないという性質を有している。
また、本発明の細胞内滞在型MRI造影剤は、細胞内に導入した際、細胞内に長期間滞在し、細胞分裂後は、細胞群のほぼ全体に亘って、細胞内滞在型MRI造影剤の存在が観察された(図15,16)。
このことによって、例えば、再生治療等において、移植細胞の増殖の様子を観察することが可能となる。
<5>本発明のプロトン緩和速度増強剤,MRI造影剤,細胞内滞在型MRI造影剤の使用方法
(投与方法)
本発明のプロトン緩和速度増強剤,MRI造影剤,細胞内滞在型MRI造影剤を、筋肉,血管,臓器その他の組織に投与する場合の投与方法としては、経口投与,カテーテル投与,静注等の静脈投与,筋肉内投与,経皮投与,経鼻投与,皮内投与,皮下投与,腹腔内投与,直腸内投与,粘膜投与、吸入等が挙げられるが、安全かつ血中濃度を一定に保つという点では、静注等の静脈投与が好ましい。
マウス等の実験動物が測定対象の場合には、尾静脈注射等の方法も挙げられる。
本発明のプロトン緩和速度増強剤,MRI造影剤,細胞内滞在型MRI造影剤を、対象細胞に投与する方法としては、細胞処理液,組織処理液等の溶液に細胞を浸積して電気刺激を与えるエレクトロポレーションのほか、マイクロインジェクション,細胞膜融合性リポソームを用いる方法等を用いることができる。
(投与形態)
本発明のプロトン緩和速度増強剤,MRI造影剤,細胞内滞在型MRI造影剤の剤形は、エレクトロポレーション等に用いる細胞処理液,組織処理液の形態のほか、注射剤やカテーテル用液剤,経口用液剤等の形態が挙げられるが、必ずしもこれらに限られるものでは無い。
(投与量)
投与量は、標的となる組織や細胞の種類,数,疑われている疾患の種類,進行度,患者の年齢,性別,体重等により適宜調整することができ、必ずしも限定されるものでは無いが、一般に、下記の量が選択し得る。
経口,経皮,注射等によって、組織に投与する際には、1回の投与量は、通常金属キレート複合体量として、0.01mg〜1000mg、好ましくは0.1mg〜1000mg、より好ましくは0.1mg〜100mgである。
Gd重量としては、1回の投与当たり、0.001mgから10mg投与することが好ましい。
また、マイクロインジェクション,エレクトロポレーション,細胞膜融合性リポソームを用いる方法等によって、細胞内に直接投与する際には、1細胞辺り107〜1012個の金属キレート複合体が入る様に投与することが好ましい。
この量を投与された細胞は、細胞分裂に際して、分裂細胞にも適当な量の金属キレート複合体が分配されるため、細胞移植の増殖による組織の再生課程の追跡が、より確実となるからである。
<6>本発明のプロトン緩和速度増強剤,MRI造影剤,細胞内滞在型MRI造影剤の、細胞移植における使用方法
細胞移植に際し、in vivo,あるいはin vitroで、マイクロインジェクション,エレクトロポレーション,又は細胞膜融合性リポソームを用いる方法等によって、プロトン緩和速度増強剤,MRI造影剤,又は細胞内滞在型MRI造影剤を、移植する細胞に導入する。
当該導入細胞を移植した後、4.7T(3次元)MRI等によって、移植細胞,及びその分裂細胞の様子を、経時的に観察することができる。
本発明のプロトン緩和速度増強剤,MRI造影剤,又は細胞内滞在型MRI造影剤等を、細胞内に導入した場合、細胞分裂後も、細胞群のほぼ全体に亘って、それらが存在していることが観察されており(図15,16)、例えば再生治療等において、移植細胞の増殖の様子を観察することが可能となる。
以下、本発明を、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限られるものでは無い。
[リンカー結合量の確認]
PVAユニットに対するDOTA導入率 (%)は、PVAユニットに対するジアミンの仕込み量に相関していた。
結果を、表1に示す。
キレート化剤(DOTA)は、添加量が十分であれば、ほぼ100%のリンカー(ジアミン)に結合することから、表1の結果は、PVAへのリンカーの結合量が、リンカーの添加量に相関することを示している。
[ガドリニウム導入率の確認]
ガドリニウムをキレートに導入した際、およそ5〜7割程度の割合で、安定して導入されることを確認した。
結果を、後述する表1に示す。
〔プロトン緩和速度増強効果の確認(測定溶液中)〕
プロトン緩和速度増強効果が、PVAに導入されたリンカー比率(≒金属キレート導入比率)や、プロトン緩和速度増強中の金属キレート複合体濃度に比例することを、実験により確認した。
金属キレート複合体の製造:
本発明の金属キレート複合体を、下記の様にして製造した。
尚、製造過程は、図1に示した通りである。
(ステップ1)
重量平均分子量74800(重合度からの計算値),ケン化度98.5%,Tg45℃の、直鎖状PVAの側鎖OH基に対し、脱水剤である1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾールを用いて、1,3−プロパンジアミンを任意の割合で導入し、導入率の異なる4種のサンプル(A〜D)を得た。
下記表1に示す通りPVAユニットへのDOTA導入率は、1H−NMR測定により、ユニット比で、サンプルA:13.2%,サンプルB:7.5%,サンプルC:3.6%,サンプルD:12.9%であった。
(ステップ2)
次に、キレート化剤である1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラアセテート(DOTA)を側鎖に導入した。
(ステップ3)
更に、中心金属であるガドリニウムをDOTAと錯形成させることで、本発明の金属キレート複合体を得た。
尚、サンプルDに関しては、DOTAの導入に先立って、測定用の蛍光標識(FITC)を添加し、PVAに結合した複数のリンカー(ジアミン)の一部に、DOTAでは無く、FITCを結合させた。
尚、以下の試験で用いた金属キレート複合体の構成を下記の表1に示す。
また、表中、Mnは、PVAの数平均分子量,Mwは重量平均分子量を表す。
プロトン緩和時間の測定:
上記サンプルA〜Cの金属キレート複合体を用い、795μlのD2Oと5μlのH2Oを混合した測定用溶液中で、プロトン緩和時間の測定を行った。
1測定は、Varian Gemini 300 NMR spectrometerを使用し、Inversion Recovery法によって行った。
Inversion Recovery法(反転回復(IR)法)とは、電磁波を照射後、任意の時間にNMRスペクトルを測定し、信号強度の時間変化からT1を測定する方法である。このIR法では、まず始めに180°パルスを印加する。次に、任意の時間に90°パルスを印加し、得られる信号強度を時間に対してプロットすることでT1を得ることができる。
高分子濃度に対してプロトン緩和速度(緩和時間の逆数)をプロットしたところ、上記測定用溶液中の、金属キレート複合体(高分子)濃度や、金属キレート複合体中の金属キレートの量に対して比例的に、プロトン緩和速度が増加していることが分かった(図2)。
これらの結果から、本発明の金属キレート複合体は、濃度依存的にプロトン緩和速度を増強し、また複合体中の金属キレート量を調節することによって、緩和度を任意に設定可能であることが分かった。
尚、緩和速度すなわち緩和時間の逆数は、次式によって求めることができる。
1 -1(=1/T1)=1/T0+R×C
1:測定対象の緩和時間
1 -1:測定対象の緩和速度
0:物質固有の緩和時間
C:プロトン緩和速度増強剤(又はMRI造影剤)濃度
R:緩和度(グラフの傾き)
〔プロトン緩和速度増強効果に対する、PVAの役割〕
本発明の金属キレート複合体(サンプルD)と、公知の造影剤であるマグネビスト(登録商標,Gd−DTPA,シェーリング製)とで、プロトン緩和速度を比較した。結果を図3に表す。
図3から、本発明のプロトン緩和速度増強剤である、金属キレート複合体(サンプルD)は、公知の造影剤であるマグネビスト(登録商標,Gd−DTPA,シェーリング製)よりも、緩和度が高く、緩和速度増強効果が高いことが分かった。
尚、Gd量が0mMの場合のT-1,即ちT0 -1は、図3では判別が困難であるが、0.0639である。
即ち、本実験例における本発明のプロトン緩和速度増強剤の濃度と、緩和速度の関係、下記式の通りとなる。
Y=T1 -1(=1/T1)=1/T0+R×C=0.0639+6.6067×X
[細胞毒性試験]
本発明の金属キレート複合体の安全性を確認するため、テトラゾリウム塩(WST−1)を用いた細胞毒性試験を実施した。
〈細胞毒性試験方法〉
WST−1を用いた細胞毒性試験は、公知の方法であり、市販の試験キット(Premix WST-1 Cell Proliferation Assay System:タカラバイオ(株)製/Cell Proliferation Reagent WST-1:ロッシュ製/W201:株式会社 同仁化学研究所製等)を用い、当該キットに付属の説明書等に従って行うことができるが、その原理は下記の通りである。
テトラゾリウム塩は、生存細胞にだけ活性のあるコハク酸塩テトラゾリウム還元酵素(EC1.3.99.1)によって、ホルマザン色素に分解される。従って、生存細胞数が増加すれば、試料中の酵素活性が増加し、ホルマザン色素が増加することになる。ホルマザン色素と生存細胞数とは直線的な相関を示す。従って、ELISA法等によって色素溶液の吸光度を測定し、ホルマザン色素を定量することによって、生存細胞数が測定できる。つまり、細胞培養液に、金属キレート複合体や金属キレートを添加した後に、生存細胞数を測定することによって、これらの細胞毒性を確認することができる。
以下、この方法を用い、金属キレートや金属キレート複合体を、細胞の内・外に投与した場合の細胞毒性を、各々確認した。その結果を、図4,5で表す。
〈1:細胞外投与による毒性試験〉
上述の方法に従い、比較対照となる公知のMRI造影剤である金属キレート(マグネビスト(登録商標,Gd−DTPA,シェーリング製)又は本発明の金属キレート複合体(サンプルB)を含むPBS溶液,あるいは対照となるPBS溶液を、NIH−3T3細胞を培養している培地に各々投与した場合の、生存細胞数を測定することによって、細胞毒性を確認した。結果を図4,5に示す。尚、縦軸はUVの値を表す。
尚、金属キレート又は金属キレート複合体を含む溶液の、キレート濃度は、図4,5に示す通りである。
図4,5から、本発明の金属キレート複合体は、投与3日後も、無投与群と比べて生存細胞数に代わりが無く、筋肉,血管,臓器その他の組織に投与した場合に、従来公知のMRI造影剤と比較して、同等あるいはそれ以上に細胞毒性が無いことが分かった。
〈2:細胞内投与による毒性試験〉
本発明の金属キレート複合体(サンプルA,B)を含有する培養液を、エレクトロポレーションによって細胞内に導入した場合の、生存細胞数を、上述の方法に従って測定することにより、細胞毒性を確認した。結果を図6,7に示す。尚、縦軸はUVの値を表す。
図6,7から、本発明の金属キレート複合体(サンプルA,B)は、いずれも、投与3日後も、無投与群と比べて生存細胞数に代わりが無く、細胞内に投与した場合にも、殆ど細胞毒性が無いことが分かった。
[MRIによる細胞内コントラスト増加の確認試験]
本発明の金属キレート複合体(表1のサンプルA,B,C)を含むPBS溶液を、MRIを用いて撮像した。撮像されたそれぞれのサンプルの画像の輝度を画像処理等の方法によって測定した。
結果を図9〜11及び図12に表す。
尚、図8は、図9〜11のMRI撮像図中の、3つの金属キレート複合体に対応するそれぞれの濃度を表す図である。
また、図12の縦軸はPBSの輝度を1とした場合におけるそれぞれのサンプルの輝度を表している。
図12から、本発明の金属キレート複合体(サンプルA,B,C)は、いずれも、サンプル濃度の増加に応じてMRI画像のコントラストの増加が見られることが分かった。また、金属キレートの導入率に依存してコントラストに差が見られることもわかった。
[MRIによる、造影剤ラベル化細胞の撮像]
本発明の金属キレート複合体(表1のサンプルA)を、エレクトロポレーションによってNIH−3T3細胞内に導入した。得られた細胞を封入したアガロースゲルを、MRIを用いて撮像した。得られた画像を画像処理により、アガロースゲルの輝度を1として、アガロース+細胞(細胞のみ)、アガロース+10-3Mの条件下で導入した細胞(10-3M)、アガロース+10-2Mの条件下で導入した細胞(10-2M)の輝度を求め、各々グラフ化した。
図13から、細胞内にサンプルAを導入した場合、MRIを用いて撮像可能であるということが分かった。
[細胞内滞在性の確認]
NIH−3T3細胞内にエレクトロポレーション法を用いてサンプルを導入し、細胞内のサンプル量の経時的変化を、蛍光測定を用いて測定した。本発明の金属キレート複合体サンプルとしては、サンプルDを用いた。結果を図14に表す。尚、図中の縦軸は、蛍光強度の値である。
図14から、細胞が増殖するにも関わらず、系中におけるサンプル量はほぼ一定の値をとった。これより、細胞の増殖過程において、サンプルが細胞外に漏れ出すことなく、細胞内に留まっているということが分かった。つまり、時間が経過しても細胞内にサンプルが保持されており、細胞移植しても長期間MRI等によって追跡が可能であることを示唆している。
[細胞内に取り込まれている様子の確認]
本発明の金属キレート複合体(サンプルD)を用い、エレクトロポレーション法により細胞内への導入を行った。導入2日後の顕微鏡写真(明視野、蛍光)を示す(図15,16)
図15,16から、細胞内に導入後2日経過した後でも、細胞内に安定にサンプルが存在しているということが分かった。
また、細胞が増殖しているにも関わらず、ほとんどすべての細胞が光っていることから、サンプルが、細胞分裂の過程で、細胞外に漏れ出していないだけでなく、個々の分裂細胞にも、ある程度均等に、サンプルが分配されていることが分かった。
[細胞内滞在性の確認−2]
実施例8と同様にして、本発明の金属キレート複合体(サンプルD)を細胞内に投与した後の、金属キレート複合体の細胞内滞在性の経時的変化を、細胞の増殖性と共に測定した結果を、図17に示す。
図17から、系中におけるサンプル量はほぼ一定の値をとる一方、細胞数は、サンプルを導入しいていない細胞と同様に、日数経過に伴い確実に増殖していることが、数値的に確認できた(破線)。これより、細胞の増殖過程において、サンプルが細胞外に漏れ出すことなく、細胞内に留まっているということが分かった。
つまり、時間が経過しても細胞内にサンプルが保持されており、細胞移植しても長期間MRI等によって追跡が可能であることを示唆している。
[細胞のin vitroにおけるMRI撮像]
本発明の金属キレート複合体(表1のサンプルD)を、エレクトロポレーションによってNIH−3T3細胞内に導入後、試験管底部に細胞を集積させ、試験管底部を含むように水平方向にスライスし、MRI撮像を行った。結果を図18に示す。
比較対象として、サンプルを導入していないNIH−3T3細胞,及び培地のみを入れた試験管を用いた。
図18から、金属キレート複合体(サンプルD)を導入した細胞は、比較対象に比べて輝度の増加が見られた。輝度の上昇は細胞内に含まれるサンプルに依存するため、本発明の金属キレート複合体を用いることによって、MRIによる細胞の検出が出来ることが確認できた。
[細胞のin vivoにおけるMRI撮像]
本発明の金属キレート複合体(表1のサンプルD)を、エレクトロポレーションによってNIH−3T3細胞内に導入後、アガロースゲル内に細胞を封入した。
得られたゲルをマウス皮下に移植し、MRI撮像を行った。結果を図19に示す。
比較対象として、アガロースゲルのみを、同マウスの別の部位(皮下)に移植した。
図19から、金属キレート複合体(サンプルD)を導入した細胞が内包されているゲルの部分で、輝度の上昇が見られた。
これより、in vivoにおいても、MRIを用いて細胞の追跡が可能であることが確認できた。
尚、図9,10,11,15,16について、同じ図面の、解像度を上げたものを、それぞれ図20,21,22,23,24として、記載する。
本発明は、画像診断に用いることが可能な新規化合物に関するものであり、細胞膜の内外で行き来することなく、一定の箇所に滞在することによって、細胞や器官等の一定エリアの経時的変化を検証可能な、プロトン緩和速度増強剤,又はMRI造影剤に関するものであり、医療現場や研究現場での幅広い利用が可能である。
本発明の金属キレート複合体の製造過程を表すスキームである。 溶液中の、金属キレート複合体(高分子)濃度や、複合体中の金属キレート量が多くなるのに比例して、プロトン緩和速度が増加することを示す図である。 金属キレート複合体中の金属導入量が増加するに従って、傾き(緩和度)が大きくなることを示す図である。 公知の金属キレート(マグネビスト:登録商標)を、細胞外に投与した場合の細胞毒性を示す図である。 本発明の金属キレート複合体を、細胞外に投与した場合の細胞毒性を示す図である。 本発明の金属キレート複合体(サンプルA)を、細胞内に投与した場合の細胞毒性を示す図である。 本発明の金属キレート複合体(サンプルB)を、細胞内に投与した場合の細胞毒性を示す図である。 図9〜11のMRI撮像図中の、3つの金属キレート複合体に対応するそれぞれの濃度を表す図である。 本発明の金属キレート複合体(サンプルA)のPBS溶液を、異なる濃度でMRIにより撮像した図である。 本発明の金属キレート複合体(サンプルB)のPBS溶液を、異なる濃度でMRIにより撮像した図である。 本発明の金属キレート複合体(サンプルC)のPBS溶液を、異なる濃度でMRIにより撮像した図である。 PBSの輝度を1とした場合のそれぞれの輝度を表す図である。 細胞を本発明の金属キレート複合体(サンプルA)でラベル化したものをMRIで測定した結果を示す図である。 細胞内に投与した、本発明の金属キレート複合体(サンプルD)の、細胞内滞在性を示す図である。 細胞内への、本発明の金属キレート複合体(サンプルD)の導入2日後の、明視野写真を示す図である。 細胞内への、本発明の金属キレート複合体(サンプルD)の導入2日後の、蛍光写真を示す図である。 本発明の金属キレート複合体(サンプルD)を細胞内に投与した後の、金属キレート複合体の細胞内滞在性を、細胞の増殖性と共に示す図である。 NIH−3T3細胞内にサンプルを導入後、試験管底部に細胞を集積させ、試験管底部を含むように水平方向にスライスし、MRI撮像を行った結果を示す図である。 本発明の金属キレート複合体(サンプルD)を細胞内に導入し、マウス皮下に移植後、MRIにより撮像した結果を示す図である。 図9の、解像度を上げた図である。 図10の、解像度を上げた図である。 図11の、解像度を上げた図である。 図15の、解像度を上げた図である。 図16の、解像度を上げた図である。

Claims (9)

  1. 1又は2以上の金属キレートと、ポリビニルアルコールを構成成分として含むことを特徴とする、金属キレート複合体。
  2. 金属キレートが、リンカーを介してポリビニルアルコールに結合していることを特徴とする、請求項1記載の金属キレート複合体。
  3. リンカーが、ジアミンであることを特徴とする、請求項2記載の金属キレート複合体。
  4. キレート化剤が、DTPA,DTPA無水物,DOTA,DO3A,HP−DO3A,DTPA−BMAからなる群から選択される1又は2以上のキレート化剤であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の金属キレート複合体。
  5. ポリビニルアルコールの重量平均分子量が2000〜10万であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の金属キレート複合体。
  6. 金属がガドリニウムであることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の金属キレート複合体。
  7. 請求項1乃至6記載のいずれかに記載の金属キレート複合体を含むことを特徴とする、プロトン緩和速度増強剤。
  8. 請求項1乃至6記載のいずれかに記載の金属キレート複合体を含むことを特徴とする、MRI造影剤。
  9. 請求項1乃至6記載のいずれかに記載の金属キレート複合体を含むことを特徴とする、細胞内滞在型MRI造影剤。
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