JP2003104246A - 車両の空気抵抗低減方法及び空気抵抗低減装置 - Google Patents

車両の空気抵抗低減方法及び空気抵抗低減装置

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JP2003104246A JP2001298328A JP2001298328A JP2003104246A JP 2003104246 A JP2003104246 A JP 2003104246A JP 2001298328 A JP2001298328 A JP 2001298328A JP 2001298328 A JP2001298328 A JP 2001298328A JP 2003104246 A JP2003104246 A JP 2003104246A
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晴幸 西田
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    • B62D35/00Vehicle bodies characterised by streamlining
    • B62D35/001For commercial vehicles or tractor-trailer combinations, e.g. caravans

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な構成により、車内スペースを低
減させずに車両の空気抵抗を低減できる車両の空気抵抗
低減装置を提供する。 【解決手段】 箱型車両11の上面12には、前部に板状の
低減部材13が取り付けられている。低減部材13は上面12
に対して垂直に取り付けられている。走行状態の箱型車
両11において、箱型車両11の前方から後方へ向かって相
対的に流れる空気流れが主流であり、この主流が流れる
領域が定常流れ領域16になっている。低減部材13は、箱
型車両11の通常の走行状態で箱型車両11の上方に生じる
定常流れ領域16と、箱型車両11の表面との間に生じる剥
離領域15中に位置する。低減部材13は、箱型車両11の表
面から剥離領域15に向かって延びるように、かつ定常流
れ領域16には達しないように配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の空気抵抗低
減方法及び空気抵抗低減装置に係り、詳しくは、例えば
バス、電車、トラック、トラクター、トレーラー、バン
などの箱型状の車両に取り付ける際に好適な車両の空気
抵抗低減方法及び空気抵抗低減装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両には、走行時の車体の空気抵抗を低
減させるために、例えば車両前部を流線形にして、車両
前部において空気流れを剥離させないようにしたものが
ある。ところが、流線形にすると、車体の形状に制限が
加わり、車内スペースが低減されるため、車両によって
は車体を流線形にしにくいものがある。例えば、バス、
電車、トラックなどの場合、車内スペースの確保が優先
され、車両形状は箱型状であることが一般的になってい
る。
【0003】図14に示すように、バスや電車などの箱
型の車両91の走行状態では、車両上面92の前端部付
近で空気流れ(主流)が剥離して、車両上面92の上に
は、流れの剥離領域93が生じている。
【0004】また、図15に示すように、トラック96
のように荷箱97が運転室のルーフ98より上方へ突出
している車両では、ルーフ98の前端部付近で空気流れ
が剥離して、ルーフ98の上に剥離領域99が生じてい
る。また、空気流れは荷箱97の前端部付近でも剥離し
ている。
【0005】箱型状の車両には、車両の空気抵抗を低減
させるために、例えば、車両前面の縁部を曲面状に形成
しているものがある。また、トラックには、運転室のル
ーフに、エアデフレクター(導風板)を取り付けること
により、荷箱の前面に受ける空気流れ(主流)を、この
エアデフレクターで直接受けて、流れ方向を変化させる
ことにより、空気抵抗を低減させるものがある。エアデ
フレクターには、例えば流線形状になるように曲線形状
を備えたものがある。
【0006】また、特開2000−233767号公報
に示される車両のように、空気抵抗を低減するため、箱
型状の車両の前面に、この前面とほぼ同じ大きさの突出
部を形成したものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、箱型状の車
両において、車両前面の縁部を曲面状に形成するのは手
間がかかる。また、縁部をいくら曲面状にしても完全な
流線形にできないため剥離が発生し抵抗になる。また、
エアデフレクターは空気流れ(主流)の力を直接受ける
ため、十分な取り付け強度を確保するように形成しなけ
ればならないという問題がある。また、大型になり重量
がかさみ且つ高価であるといった問題もある。また、曲
線形状を備えたエアデフレクターの形状は、複雑な形状
であるため、製作に手間がかかる。
【0008】また、特開2000−233767号公報
の車両では、突出部が箱型車両の前面とほぼ同じ比較的
大きな面積を有しているため、この突出部の形成や、車
両への取り付けに手間がかかるという問題がある。
【0009】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、比較的簡単な構成により、車内
スペースを低減させずに車両の空気抵抗を低減できる車
両の空気抵抗低減方法及び空気抵抗低減装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、箱型状の車両における
前部において、又は荷箱の上面が運転室のルーフより高
いトラック等の車両の前記運転室付近において、前記車
両の走行状態における前記車両に対する空気流れの定常
流れ領域と車両表面との間に生じる剥離領域中に位置す
るとともに、前記車両表面から剥離領域に向かって延
び、かつ定常流れ領域には達しないように、車両の空気
抵抗の低減部材を配置することを要旨とする。
【0011】この発明によれば、車両の前部における剥
離領域中、又はトラックなどの運転室のルーフにおける
剥離領域中に位置するように、所定位置に配置される低
減部材により、車両の空気抵抗が低減される。このた
め、車両の形状を変化させなくても、低減部材を剥離領
域中に配置するという比較的簡単な構成により、車内ス
ペースを低減させずに車両の空気抵抗を低減できる。こ
こで、流れの剥離領域とは、物体の表面付近の主流が物
体に沿って流れていない状態で、物体表面の近傍に生じ
る逆流域である。また、主流が流れる領域が定常流れ領
域である。定常流れ領域及び剥離領域は、例えば風洞実
験により各車両や車速に応じて求められる。低減部材
は、例えば各車両の通常の走行状態での車速に応じた剥
離領域中に少なくとも位置し、定常流れ領域には達しな
いように配置される。
【0012】請求項2に記載の発明は、箱型状の車両に
おける前部において、前記車両の上面及び側面のうち少
なくとも一つの面の所定位置に、前記車両の所定の車速
での走行状態における前記車両に対する空気流れの定常
流れ領域と車両表面との間に生じる剥離領域中に位置す
るとともに、前記車両表面から剥離領域に向かって延
び、かつ定常流れ領域には達しないように、車両の空気
抵抗の低減部材を配置したことを要旨とする。
【0013】この発明によれば、箱型状の車両の上面及
び側面のいずれかに配置される低減部材により、車両の
空気抵抗が低減される。このため、低減部材を車両の上
面及び側面のいずれかで、所定の車速に対応する剥離領
域中に位置して定常流れ領域には達しないように配置す
るという比較的簡単な構成により、車内スペースを低減
させずに車両の空気抵抗を低減できる。ここで、所定の
車速とは、例えば車両がバスである場合は、公道を通常
走るときの車速であり、例えば40km/h〜50km
/hである。
【0014】例えば、バスが公道を通常走るときの車
速、例えば40km/h〜50km/hの場合の剥離領
域を測定し、車両の空気抵抗を最大限低減できる位置に
低減部材を配置する。その場合、車速が20km/h程
度のときでは、速度によるその剥離領域の違いから、低
減部材の一部が定常流れ領域に達する場合がある。低減
部材を固定タイプとしたときには、このような現象が発
生する。しかし、どの環境で使用する割合が高いかによ
って、使用する割合が高い車速領域での車両の空気抵抗
の低減に最も効果のある低減部材の配置設定を優先させ
ることにより、固定タイプの低減部材でも、車両の空気
抵抗の低減に有効に使用できる。
【0015】請求項3に記載の発明は、荷箱の上面が運
転室のルーフより高いトラック等の車両の前記運転室付
近において、前記運転室のルーフの所定位置に、前記車
両の所定の車速での走行状態における前記車両に対する
空気流れの定常流れ領域と前記運転室のルーフとの間に
生じる剥離領域中に位置するとともに、前記運転室のル
ーフから剥離領域に向かって延び、かつ定常流れ領域に
は達しないように、車両の空気抵抗の低減部材を配置し
たことを要旨とする。
【0016】この発明によれば、運転室のルーフに配置
される低減部材により、トラックの空気抵抗が低減され
る。このため、荷箱が運転室のルーフより高いという段
差部を有するトラックにおいても、所定の車速での剥離
領域中に位置するように低減部材を配置するという比較
的簡単な構成により、車内スペースを低減させずに空気
抵抗を低減できる。また、低減部材は剥離領域中に存在
し、定常流れ領域には達していないことにより、空気流
れによる力を直接受けないため、エアデフレクターなど
のように強度を確保する必要がなく、簡単な構成にする
ことができる。ここで、所定の車速とは、例えばトラッ
クが公道を通常走るときの車速であり、例えば40km
/h〜50km/hである。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項2又は請
求項3に記載の発明において、前記低減部材は板状であ
って、前記車両表面に対して垂直に取り付けられている
ことを要旨とする。この発明によれば、板状の低減部材
を車両の上面及び側面のいずれかに対して垂直に取り付
けるという簡単な構成により、車両の空気抵抗を低減で
きる。
【0018】請求項5に記載の発明は、請求項2又は請
求項3に記載の発明において、前記低減部材は板状であ
って、前記車両の斜め後方を向くように傾いて前記車両
表面に取り付けられていることを要旨とする。この発明
によれば、板状の低減部材を車両の上面及び側面のいず
れかに対して垂直に取り付ける場合に比べて、より効果
的に車両の空気抵抗を低減できる。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求
項5のいずれか一項に記載の発明において、前記低減部
材は、前記車両の上面においては、前記車両の横幅より
短い所定距離だけ、前記車両の横方向に延びるように形
成されており、前記車両の側面においては、前記車両の
上下方向の距離より短い所定距離だけ、前記車両の上下
方向に延びるように形成されていることを要旨とする。
【0020】この発明によれば、低減部材を上面及び側
面のそれぞれにおいて端から端まで延びるように形成す
る場合に比べて、より一層効果的に車両の空気抵抗を低
減できる。
【0021】請求項7に記載の発明は、請求項2〜請求
項6のいずれか一項に記載の発明において、前記低減部
材は、車速により変化する前記剥離領域の大きさに対応
して、常に前記剥離領域中に配置されるように調整可能
に形成されていることを要旨とする。
【0022】この発明によれば、任意の車速に対応し
て、剥離領域中に常に低減部材が存在するように調整で
き、車速の変化に対応して車両の空気抵抗を低減しやす
くなる。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
を具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明す
る。
【0024】図1は箱型車両の上面に低減部材を取り付
けた模式側面図を示す。図1に示すように、箱型車両1
1の上面12には、低減部材13が取り付けられてい
る。低減部材13は板状に形成されており、上面12に
対して垂直に取り付けられている。低減部材13は、箱
型車両11の前端から所定距離Lの位置において、箱型
車両11における左右方向に延びるように取り付けられ
ている。また、低減部材13は、上面12からの高さが
所定高さHになるように形成されている。
【0025】箱型車両11が走行状態のとき、箱型車両
11に対しては、相対的に空気流れが箱型車両11の前
方から後方へ向かって流れる状態になる。この空気流れ
(主流)は、箱型車両11の上面12の前端部付近で剥
離することにより、上面12に沿うようには流れず、上
面12の近傍には逆流域、即ち剥離領域が生じる。ま
た、主流が流れる領域が定常流れ領域になっている。剥
離領域の大きさは、箱型車両11の車速に対応した大き
さになっており、剥離領域及び定常流れ領域は、風洞実
験により、箱型車両11の大きさや車速に応じて求めら
れている。低減部材13は、箱型車両11の通常の走行
状態での車速に応じた状態で、定常流れ領域と箱型車両
11の表面との間に生じる剥離領域中に位置し、箱型車
両11の表面から剥離領域に向かって延び、かつ定常流
れ領域には達しないように、所定距離L及び所定高さH
が選択されて配置されている。ここで、箱型車両11の
通常の走行状態での車速とは、例えば箱型車両11がバ
スである場合、バスが高速道路ではない公道を走るとき
の車速であり、例えば40km/h〜50km/hであ
る。
【0026】箱型車両11は、バス、電車などのいずれ
かであって、この実施形態ではバスである。次に、上記
のように構成された低減部材の作用について説明する。
【0027】箱型車両11が走行状態のとき、箱型車両
11に対しては、図2に示すように、相対的に空気流れ
(主流)が箱型車両11の前方から後方へ向かって流
れ、箱型車両11の上面12の前端部付近で剥離する。
この剥離により、上面12の近傍には剥離領域15が生
じ、また、主流が流れる領域が定常流れ領域16になっ
ている。低減部材13は、箱型車両11の通常の走行状
態での車速に応じる風洞実験により求められた剥離領域
15中に位置し、箱型車両11の表面から剥離領域15
に向かって延び、かつ定常流れ領域16には達しない。
この低減部材13の存在により、箱型車両11に対する
空気抵抗が低減される。
【0028】次に、本実施形態の実験例について説明す
る。図3は実験装置の模式斜視図を示す。図3に示すよ
うに、この実験装置には、箱型車両の模型21が配置さ
れている。模型21は、板上に配置されており、図示し
ない支持部により、前後方向に移動可能に支承されてい
る。模型21の前方には、図示しない送風機が設けられ
ている。模型21の後方には、支持部22を介してロー
ドセル23が配置されており、ロードセル23には、模
型21の後面から後方に延びる軸24が取り付けられて
いる。ロードセル23にはひずみゲージが内蔵されてお
り、軸24を介して受ける荷重に対応する電圧を検出可
能になっている。このように、この実験装置は、送風機
からの風による模型21についての空気抵抗を、ロード
セル23によって検出可能になっている。
【0029】この実験装置では、模型21は直方体であ
って、前面及び後面が正方形になっている。模型21の
長さは200mmで、前面及び後面の一辺は100mm
に形成されており、前面の面積S=100mm×100
mm=0.01m2になっている。また、模型21の下
面と、下方の板との間隔は30mmになっている。実験
では、送風機は風速11.5m/sの風を模型21に送
風した。
【0030】模型21の空気抵抗Cは、ロードセル23
によって得られる電圧値Eから、 C=(0.2465E+0.0015)×9.8…式(1) によって得られる。
【0031】また、空気抵抗を表すために一般的に用い
られる空気抵抗係数CDは、 CD=C/(1/2ρV2S)…式(2) によって求められる。
【0032】この実験では、空気密度ρ=1.2kg/
3、風速V=11.5m/s、前面の面積S=0.0
1m2として、 CD=C/(1/2×1.2×11.5×11.5×0.01)…式(3) により、空気抵抗係数CDを計算した。
【0033】上記のような構成の実験装置を用いて以下
のような実験を行った。 (実施例1)まず、実施例1では、図1及び図2に示す
低減部材13と同様に、模型21の上面25において模
型21の前面から距離Lの位置に、低減部材13として
の板31を模型21における左右方向に延びるように取
り付けた。板31は、上面25からの高さがHになって
いる。また、図3に示すように、模型21における左側
面32及び右側面にも、同様に、模型21の前面から距
離Lの位置に、左側面32及び右側面からの高さがHに
なるようにそれぞれ板31を取り付けた。このように、
模型21の3面に板31を取り付けた状態で実験を行
い、表1に示す結果を得た。
【0034】
【表1】 表1に示すように、高さHを8.5mmにして、距離L
を30mmにした場合と40mmにした場合とで実験を
行い、それぞれ空気抵抗係数CDが0.8261、0.
8197であった。模型21に板31を取り付けずに、
模型21だけで実験を行った場合のCDが0.9068
であったため、板31を取り付けなかった場合に比べ
て、それぞれ8.91%、9.61%空気抵抗が低減さ
れた。このため、模型21に対して剥離用域内に位置す
るように板31を設けることにより、空気抵抗を低減可
能なことがわかった。
【0035】(実施例2)実施例2では、図4に示すよ
うに、模型21の前面と板31との間に、板31より低
い低減部材としての板41を取り付けた。模型21の前
面から板41までの距離をL1、板41の上面25から
の高さをH1とし、模型21の前面から板31までの距
離をL2、板31の上面25からの高さをH2とした。
そして、模型21の3面(上面及び左右側面)に板3
1,41を取り付けた状態で実験を行い、表2に示す結
果を得た。
【0036】
【表2】 表2に示すように、板31に加えて板41も取り付けた
方が、実施例1のように板31だけの場合より、空気抵
抗をより低減でき、高さH1が4.5mmで距離L1が
20mm、高さH2が8.5mmで距離L2が40mm
の場合に、10.74%の抵抗低減率が得られた。ま
た、板31と板41の高さがともに4.5mmの場合よ
り、板31の高さが板41より高い(H2>H1)方が
抵抗低減率が大きくなった。
【0037】(実施例3)実施例3では、図5に示すよ
うに、上面25において、その前端から斜め後方へ向け
て延びるように低減部材としての斜板45を取り付け、
上面25から斜板45の後端までの高さをHとした。ま
た、斜板45の後端には、上面25と斜板45の後端と
の間をふさぐように、斜め下方に延びて上面25に当接
可能な、斜板45より小さな斜板46を配置した。斜板
45は、前端から後端までの距離を41mmに形成した
ものを使用した。そして、模型21の3面に斜板45を
取り付けた状態で実験を行い、表3に示す結果を得た。
【0038】
【表3】 表3に示すように、斜板45によって、板31,41を
模型21の面に対して垂直に取り付けた場合より抵抗を
一層低減でき、高さHが12mmのときに25.13%
の抵抗低減率が得られた。
【0039】(実施例4)実施例4では、図6に示すよ
うに、上面25において、その前端から距離Lの位置
に、斜め後方に延びるように低減部材としての斜板51
を取り付けた。そして、上面25から斜板51の後端ま
での高さをHとした。
【0040】斜板51は、前端から後端までの距離が約
15mmになっている。そして、模型21の3面に斜板
51を取り付けた状態で実験を行い、表4に示す結果を
得た。
【0041】
【表4】 表4に示すように、距離Lが5mmで高さHが10mm
の場合、距離Lが15mmで高さHが11mmの場合、
距離Lが25mmで高さHが13mmの場合において、
ほぼ同様に、約20%の抵抗低減率が得られた。このた
め、斜板51は、模型21の前端からの距離Lに関わら
ず、所定の抵抗低減率が得られることがわかった。
【0042】また、斜板51は、(実施例3)の斜板4
5より小さく、斜板51が模型21の前面ではなく、前
面から距離Lの位置に取り付けられている。さらに、斜
板51と上面25との間がふさがれずに開放されてお
り、斜板45より簡単な構成になっている。このため、
斜板45より簡単な構成の斜板51でも、斜板45とほ
ぼ同程度の抵抗低減率が得られることがわかった。
【0043】(実施例5)実施例5では、図7に示すよ
うに、上面25においては、斜板51と同様の低減部材
としての斜板53、54を模型21における前後方向に
並べて取り付けた構成になっている。模型21の前面か
ら斜板53までの距離をL1、斜板53の後端の、上面
25からの高さをH1とし、同様に、模型21の前面か
ら斜板54までの距離をL2、斜板54の後端の、上面
25からの高さをH2とした。前側の斜板53は、前端
から後端までの距離が後側の斜板54より小さくなって
いる。そして、模型21の3面に斜板53,54を取り
付けた状態で実験を行い、表5に示す結果を得た。
【0044】
【表5】 表5に示すように、斜板53を、L1が5mm、H1が
10mmになるように取り付けた状態で、L2が25m
mでH2が12mmの場合、L2が30mmでH2が1
1mmの場合、L2が35mmでH2が11mmの場合
において、ほぼ同様に約30%の抵抗低減率が得られ
た。このため、斜板53,54を所定範囲で取り付ける
ことにより、模型21の空気抵抗をより一層低減可能な
ことがわかった。
【0045】(実施例6)実施例6では、模型21と同
様の大きさで、直方体の前面の縁部を削って丸みをつけ
た模型を使用した。この模型は、前面と上面との境目部
分が、曲率半径が1mmになるように丸みがつけられて
いる。また、前面と左右の側面との境目部分が、曲率半
径が5mmになっている。以下では、便宜上、この模型
を模型R(1,5)と称する。
【0046】そして、模型R(1,5)に、(実施例
1)と同様の板31を、3面に取り付けた状態で実験を
行い、表6に示す結果を得た。以下では、板31を取り
付けていない状態の模型21に対する上記で使用してき
た抵抗低減率を第1低減率と称する。また、板31を取
り付けていない状態の模型R(1,5)に対する抵抗低
減率を第2低減率と称する。
【0047】
【表6】 表6に示すように、模型21に丸みをつけた場合でも、
板31を取り付けることにより、空気抵抗をさらに低減
可能なことがわかった。また、距離L=40mmより、
30mm、20mmと模型の前端に近づけて板31を取
り付けたほうが、抵抗がより低減された。また、車両の
形状により剥離領域に応じた位置に板31を取り付ける
ことで最適化されることがわかった。
【0048】(実施例7)実施例7では、模型R(1,
5)に、(実施例3)と同様の斜板45を上面にのみ取
り付けた状態、上面の斜板45に加えて斜板45と同様
の31mmの斜板を右側面に取り付けた状態、上面の斜
板45に加えて、斜板45と同様の31mmの斜板を左
右の両側面に取り付けた状態のそれぞれで実験を行っ
た。また、31mmの斜板の後端において、各側面から
の突出高さを、斜板45の高さHと別の値の突出高さH
Sにした。
【0049】
【表7】 表7に示すように、この場合でも、丸みをつけた模型R
(1,5)に斜板45を取り付けることにより、空気抵
抗をより一層低減可能なことがわかった。
【0050】(実施例8)実施例8では、模型R(1,
5)に、(実施例5)と同様の斜板53,54を上面に
取り付けるとともに両側面には同様の斜板を一つだけ取
り付けた場合と、両側面にも2個斜板を取り付けた場合
とで実験を行った。また、模型R(1,5)の前面か
ら、側面の斜板の取り付け位置までの距離をLSにする
とともに、側面の斜板の後端において、各側面からの突
出高さをHSにして、上面の斜板の所定距離L及び所定
高さHと別の値にした。
【0051】
【表8】 表8に示すように、この場合でも、丸みをつけた模型に
斜板53,54を取り付けることにより、空気抵抗をよ
り一層低減可能なことがわかった。
【0052】上記の実験により、以下のことが考えられ
る。低減部材が取り付けられていない場合、箱型車両1
1の空気抵抗Cは、空気の圧力によって箱型車両11の
前面で受ける力Aと、箱型車両11の後面で受ける力B
との差(C=A−B)になっていると考えられる。
【0053】剥離領域15に低減部材13が配置される
ことにより、逆流が抑制されて剥離領域15が小さくな
る、即ち車両の形状により発生する剥離が制御されると
考えられる。このような剥離の制御により、低減部材1
3に対して前側の空気の圧力xより、低減部材13に対
して後側の圧力yの方が大きくなることによって、低減
部材13の前後で、箱型車両11を前側に付勢する圧力
差z(z=y−x)が発生すると考えられる。このた
め、低減部材13を取り付けた場合の箱型車両11の空
気抵抗C1は、空気の圧力によって箱型車両11の前面
で受ける力Aから箱型車両11の後面で受ける力Bを引
いた値から、さらに圧力差zに起因する力Zを引いた値
(C1=A−B−Z)になっていると考えられる。この
ように、低減部材13の前後の圧力差zに起因する力Z
を引いている分、低減部材13を取り付けた場合の箱型
車両11全体の空気抵抗C1は、車両の形状により発生
する剥離を制御することにより、低減部材13がない場
合の空気抵抗C(C=A−B)より低減されると考えら
れる。
【0054】この実施形態によれば、以下のような効果
を有する。 (1)箱型車両11の上面12及び側面のいずれかに、
箱型車両11が走行状態での空気流れの剥離領域15中
に位置し、定常流れ領域16には達しないように配置さ
れた低減部材13により、箱型車両11の空気抵抗を低
減できる。このため、低減部材13を箱型車両11の上
面12及び側面のいずれかに配置するという比較的簡単
な構成により、車内スペースを低減させずに箱型車両1
1の空気抵抗を低減でき、箱型車両11の燃費効率を向
上できる。
【0055】(2)低減部材13を板状の部材にして、
箱型車両11の上面12及び側面のいずれかに対して垂
直に取り付けるという簡単な構成により、空気抵抗を低
減できる。
【0056】(3)板状の低減部材13を箱型車両11
の上面及び側面のいずれかに対して垂直に取り付けるこ
とに限られず、箱型車両11の斜め後方を向くように傾
いて取り付けても、空気抵抗を低減できる。また、傾け
て低減部材13を取り付けたほうが、垂直に取り付けた
場合より効果的に空気抵抗を低減できる。
【0057】(4)斜め後方に傾けて箱型車両11に取
り付けた低減部材13と、箱型車両11の上面、側面と
の間をふさがずに開放した簡単な構成でも、効果的に空
気抵抗を低減できる。
【0058】(5)低減部材13を箱型車両11の前後
方向に並べて複数個取り付けることにより、1個の場合
より一層効果的に空気抵抗を低減できる。 (第2の実施形態)次に、第2の実施形態を図8〜図1
1に従って説明する。この実施形態では、車両は荷箱が
取り付けられたトラックである。
【0059】図8は第2の実施形態の模式側面図を示
す。図8に示すように、車両としてのトラック61は、
運転室のルーフ62より上方へ突出する荷箱63を備え
ている。ルーフ62には、低減部材64が取り付けられ
ている。低減部材64は板状であり、トラック61の前
端面から所定距離Lの位置に、ルーフ62からの高さが
所定高さHになるように、ルーフ62に対して垂直に取
り付けられている。低減部材64は、ルーフ62におけ
る左右方向に延びる距離が、ルーフ62の左右方向の距
離より短い所定距離Wになるように形成されている。
【0060】トラック61が走行状態のとき、相対的に
トラック61の前方から後方へ向かって流れる空気流れ
(主流)は、ルーフ62の前端部付近で剥離して、ルー
フ62に沿うようには流れず、ルーフ62の近傍には逆
流域、即ち剥離領域が生じる。また、主流が流れる領域
が定常流れ領域になっている。
【0061】剥離領域の大きさは、トラック61の車速
に対応した大きさになっており、剥離領域及び定常流れ
領域は、風洞実験により、トラック61の大きさや車速
に応じて求められる。低減部材64は、トラック61の
通常の走行状態での車速に応じた状態で、定常流れ領域
とルーフ62との間に生じる剥離領域中に位置し、ルー
フ62から剥離領域に向かって延び、かつ定常流れ領域
には達しないように、所定距離L及び所定高さHが選択
されて配置されている。ここで、トラック61の通常の
走行状態での車速とは、例えばトラック61が高速道路
ではない公道を通常走るときの車速であり、例えば40
km/h〜50km/hである。また、トラック61が
高速道路を走るときの車速、例えば80km/hに対応
する剥離領域中に位置するように低減部材64を配置し
てもよい。
【0062】図9に示すように、トラック61が走行状
態のとき、相対的に空気流れ(主流)がトラック61の
前方から後方へ向かって流れ、運転室のルーフ62の上
には、剥離領域65が生じる。また、主流が流れる領域
が定常流れ領域66になっている。また、空気流れ(主
流)は、荷箱63の前端部付近でも剥離している。
【0063】低減部材64は、トラック61の通常の走
行状態での車速に応じる風洞実験により求められた剥離
領域65中に位置し、ルーフ62から剥離領域65に向
かって延び、かつ定常流れ領域66には達しない。この
低減部材64の存在により、トラック61に対する空気
抵抗が低減される。
【0064】この実施形態でも、第1の実施形態の場合
と同様のロードセル23を使用して実験を行った。トラ
ック61の模型68は、荷箱69の上面までの高さが1
50mm、荷箱69の横幅が100mmであり、模型6
8の正面への投影面積S=150mm×100mm=
0.015m2になっている。また、荷箱69の上面
は、運転室のルーフ70より38mm高くなっている。
運転室の横幅は90mm、運転室のルーフ70の前後方
向の距離は80mmであり、荷箱69の前後方向の距離
は210mmになっている。
【0065】このため、模型68も、送風機からの風に
よる空気抵抗が、模型68の後端に取り付けられた軸2
4を介してロードセル23によって電圧値として検出さ
れ、空気抵抗係数CDが得られる。
【0066】空気抵抗係数CDを計算する際は、模型6
8の正面への投影面積S=0.015m2として計算し
た。この実験でも、風速11.5m/sの風を送風機か
ら模型68に送風した。
【0067】(実施例9)実施例9では、図8に示す低
減部材64と同様に、模型68の運転室のルーフ70に
おいて、模型68の前面から距離Lの位置に、低減部材
としての板71をルーフ70に対して垂直に取り付け
た。この板71は、ルーフ70からの高さがHになって
いる。そして、ルーフ70にのみ板を取り付けた状態で
実験を行い、表9に示す結果を得た。抵抗低減率は、模
型68に板71を取り付けていない場合のCD値に対す
る低減率を示す。
【0068】
【表9】 表9に示すように、所定距離Lが33mmの位置に、板
71を垂直に取り付けた場合、高さHが17mmの状態
で、最も大きな12.14%の抵抗低減率を得た。この
抵抗低減率は、距離Lが41.5mmの位置に、板をも
う一枚垂直に取り付けて合計2枚の板を取り付けた場合
より大きかった。
【0069】また、距離Lが49mmの場合、高さHが
21mmの場合と23mmの場合とで、約12.3%の
抵抗低減率を得た。このため、距離Lが33mmの場合
と、49mmの場合とで、ほぼ同じ抵抗低減率が得られ
た。
【0070】(実施例10)実施例10では、図10に
示すように、模型68の運転室のルーフ70において、
模型68の前面から距離Lの位置に、低減部材としての
斜板72を車両の斜め後方へ向けて取り付けた。この斜
板72は、後端でのルーフ70からの高さがHになって
いる。また、斜板72の前端から後端までの斜めの距離
をTとして、斜板72がルーフ70における左右方向に
延びる距離をWとした。ルーフ70にのみ斜板を取り付
けた状態で実験を行い、表10に示す結果を得た。
【0071】
【表10】 表10に示すように、距離Lが23mmの位置に、距離
Tが30mmの板を、高さHが20mmになるように取
り付けた場合、距離Wが運転室の横幅と同じ90mmの
場合より、運転室の横幅より短い73mmの方が抵抗低
減率を向上でき、14.42%の抵抗低減率を得た。ま
た、板が平板状である方が、上に凸になるように湾曲さ
せた場合より空気抵抗を低減できた。
【0072】(実施例11)実施例11では、運転室の
ルーフ70において、距離Lが23mmの位置に距離T
が30mm、距離Wが73mmの板を高さHが20mm
になるように取り付けた状態で、運転室の両側面に、模
型68の斜め後方へ向けて低減部材としての斜板75を
取り付けた。斜板75は、運転室の側面に対しての定常
流れ領域76と運転室の側面との間に生じる剥離領域7
7中に位置し、運転室の側面から剥離領域77に向かっ
て延び、かつ定常流れ領域76には達しないように配置
されている。斜板75は、前端から後端までの斜めの距
離がTSに形成されており、運転室の前面からの距離が
LSの位置に、この斜板75を、後端での側面からの突
出高さがHSになるように運転室の側面に取り付け、表
11に示す結果を得た。
【0073】
【表11】 表11に示すように、距離LSが15mmの位置に、距
離TSが30mmの斜板75を取り付けた場合、突出高
さHSが6mmの状態で18.80%の抵抗低減率を得
た。
【0074】この実施形態によれば、前記第1の実施形
態の(2)〜(4)の効果の他に、次の効果を有する。 (6)荷箱63が運転室のルーフ62より高いという段
差部を有するトラック61においても、ルーフ62にお
いて、剥離領域65中に位置して定常流れ領域66には
達しないように所定位置に配置される比較的簡単な構成
の低減部材により、車内スペースを低減させずにトラッ
ク61の空気抵抗を低減できる。そして、トラック61
の燃費効率を向上できる。
【0075】(7)低減部材64は、剥離領域65中に
存在していることにより空気流れによる力を直接受けな
いため、エアデフレクターなどのように強度を確保する
必要がなく、簡単な構成にすることができる。
【0076】(8)低減部材64は、運転室のルーフ6
2において、ルーフ62の横幅より短い所定距離だけ、
トラック61の横方向に延びるように形成されているこ
とにより、ルーフ62の横幅と同じ距離に形成される場
合に比べて、より一層効果的に空気抵抗を低減できる。
【0077】なお、実施形態は上記実施形態に限定され
るものではなく、例えば以下のように変更してもよい。 ・(実施例1)に示すように、板状の低減部材13を、
箱型車両11の上面12及び側面の少なくとも一つの面
に、剥離領域中に位置するように距離Lや高さHを選択
して取り付けてもよい。
【0078】・低減部材13は、箱型車両11の上面1
2及び両側面の3面に取り付けられることに限られず、
上面にだけ取り付けてもよい。また、側面にだけ取り付
けてもよい。
【0079】・箱型車両11の上面12に取り付ける低
減部材13と、箱型車両11の側面に取り付ける低減部
材13とは、距離Lや高さHを同じにすることに限られ
ず、異なるように取り付けてもよい。
【0080】・(実施例2)に示すように、板31,4
1と同様の低減部材を、箱型車両11の上面12及び側
面の少なくとも一つの面に複数取り付けてもよい。 ・(実施例3)に示すように、斜板45と同様の低減部
材を、箱型車両11の上面12及び側面の少なくとも一
つの面に取り付けてもよい。
【0081】・(実施例4)に示すように、斜板51と
同様の低減部材を、箱型車両11の上面12及び側面の
少なくとも一つの面に取り付けてもよい。 ・(実施例5)に示すように、斜板53,54と同様の
低減部材を、箱型車両11の上面12及び側面の少なく
とも一つの面に複数取り付けてもよい。
【0082】・(実施例6)〜(実施例8)に示すよう
に、箱型車両の前面の縁部を曲面状にして、板31,4
1と同様の低減部材、斜板45と同様の低減部材、斜板
51,53,54と同様の低減部材を、それぞれ箱型車
両の上面12及び側面の少なくとも一つの面に1個又は
複数取り付けてもよい。
【0083】・(実施例1)〜(実施例8)に示すもの
と同様の低減部材を、トラック61の荷箱63の上面及
び側面の前部に取り付けてもよい。例えば図12に示す
ように、荷箱63の上面に、斜板51と同様の低減部材
としての斜板81を取り付け、荷箱63の側面に、同様
の低減部材としての斜板82を取り付けてもよい。斜板
82は、荷箱63の側面において、運転室のルーフ62
より上の部分に対応する長さに形成して取り付けてもよ
い。
【0084】・上記の場合、斜板82は、荷箱63の側
面において運転室のルーフ62より上の部分にのみ取り
付けられることに限られず、荷箱63の側面の下端から
上端まで延びる長さに形成して荷箱63の側面に取り付
けてもよい。
【0085】・(実施例1)〜(実施例8)に示すもの
と同様の低減部材は、車両の上面に取り付ける場合、箱
型車両11の横幅と同じになるように箱型車両11の横
方向に延びるように形成されることに限られない。例え
ば、箱型車両11の横幅より短い所定距離だけ、箱型車
両11の横方向に延びるように形成してもよい。また、
同様の低減部材を箱型車両11の側面に取り付ける場
合、箱型車両11の上下方向の距離と同じ距離になるよ
うに上下方向に延びるように形成されることに限られ
ず、例えば箱型車両11の上下方向の距離より短い所定
距離に形成してもよい。
【0086】・(実施例9)に示すように、板状の低減
部材64を、トラック61の運転室のルーフ62に、剥
離領域中に位置するように距離Lや高さHを選択して1
個又は複数取り付けてもよい。また、低減部材64を運
転室の側面に取り付けてもよい。
【0087】・(実施例10)に示すように、斜板72
と同様の低減部材を、トラック61の運転室のルーフ6
2に、1個又は複数取り付けてもよい。 ・(実施例11)に示すように、斜板75と同様の低減
部材を、トラック61の運転室の側面に、1個又は複数
取り付けてもよい。
【0088】・低減部材は、車両に対する取り付け位置
や車両の表面からの高さが、車両に取り付けられた状態
で変化しないことに限られず、例えば車速により変化す
る剥離領域の大きさに対応して調整可能に形成してもよ
い。例えば、車両について、風洞実験により予め各車速
に対応した剥離領域をデータとして記憶装置に記憶させ
ておき、車速センサによって検知した車速に応じて、剥
離領域中で車両の空気抵抗の低減に最も効果的な位置に
低減部材を配置可能に形成する。例えば、低減部材を2
枚の板が相対的にスライドすることによって高さHを調
整可能に形成し、ピストンによる駆動により2種類の高
さに調整可能に形成する。この場合、例えば、高速道路
用と、高速道路でない公道用とに対応させて、低減部材
の高さを調整できる。
【0089】・上記の場合、低減部材は2種類の高さに
調整可能に形成されることに限られず、例えばモータの
駆動により、連続的に高さを調整可能に形成してもよ
い。この場合、任意の車速に対応して、剥離領域中に低
減部材が存在するように調整でき、連続的な車速の変化
に対応して車両の空気抵抗を低減しやすくなる。
【0090】・箱型車両11がバスである場合、低減部
材13は、バスの車速が40km/h〜50km/hの
ときの剥離領域中に位置するように配置されることに限
られず、他の車速に対応する剥離領域中に位置するよう
に配置してもよい。
【0091】・トラック61に取り付けられる低減部材
64は、40km/h〜50km/hや、80km/h
に対応する剥離領域中に位置するように配置されること
に限られず、他の車速に対応する剥離領域中に位置する
ように配置してもよい。
【0092】・上記の各場合に限らず、車両において剥
離が生じている場所であれば、板31等の低減部材を配
置してもよい。例えば、図13に示すように、乗用車8
6においても、形状やある速度においては、ボンネット
の前部や、運転室の屋根部の前部で剥離が発生する。こ
れらの場所に、風洞実験等で得られた剥離領域に応じ
て、車両表面に沿うように倒れた状態と、剥離領域に向
かって延びるように立った状態との間で可動に形成した
低減部材としての板87を設置することにより、車両の
空気抵抗を下げることができる。この場合、箱型の車両
と違って、剥離が比較的小さいため、板87の効果も小
さくなるが、少しでも車両の空気抵抗を下げることが可
能になる。
【0093】上記各実施形態から把握できる技術的思想
について、以下に追記する。 (1) 請求項2〜請求項7のいずれか一項に記載の発
明において、前記低減部材は、前記車両に複数取り付け
られている。
【0094】(2) 請求項2〜請求項7及び(1)の
いずれか一つに記載の車両の空気抵抗低減装置を備える
箱型状の車両。
【0095】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
7に記載の発明によれば、比較的簡単な構成により、車
内スペースを低減させずに車両の空気抵抗を低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】箱型車両の上面に低減部材を取り付けた模式側
面図。
【図2】作用を示す模式要部側面図。
【図3】実験装置の模式斜視図。
【図4】別の低減部材を示す模式要部側面図。
【図5】別の低減部材を示す模式要部側面図。
【図6】別の低減部材を示す模式要部側面図。
【図7】別の低減部材を示す模式要部側面図。
【図8】第2の実施形態の模式側面図。
【図9】作用を示す模式要部側面図。
【図10】別の低減部材を示す模式要部側面図。
【図11】別の低減部材を示す模式要部平面図。
【図12】別の低減部材を示す一部破断模式斜視図。
【図13】別の低減部材を示す模式側面図。
【図14】従来の箱型車両の一部破断模式側面図。
【図15】従来のトラックの一部破断模式側面図。
【符号の説明】
11…箱型車両、12…上面、13,64…低減部材、
15,65,77…剥離領域、16,66,76…定常
流れ領域、31,41,71…低減部材としての板、4
5,51,53,54,72,75,81,82,87
…低減部材としての斜板、61…トラック、62…運転
室のルーフ、63…荷箱。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 箱型状の車両における前部において、又
    は荷箱の上面が運転室のルーフより高いトラック等の車
    両の前記運転室付近において、前記車両の走行状態にお
    ける前記車両に対する空気流れの定常流れ領域と車両表
    面との間に生じる剥離領域中に位置するとともに、前記
    車両表面から剥離領域に向かって延び、かつ定常流れ領
    域には達しないように、車両の空気抵抗の低減部材を配
    置することを特徴とする車両の空気抵抗低減方法。
  2. 【請求項2】 箱型状の車両における前部において、前
    記車両の上面及び側面のうち少なくとも一つの面の所定
    位置に、前記車両の所定の車速での走行状態における前
    記車両に対する空気流れの定常流れ領域と車両表面との
    間に生じる剥離領域中に位置するとともに、前記車両表
    面から剥離領域に向かって延び、かつ定常流れ領域には
    達しないように、車両の空気抵抗の低減部材を配置した
    ことを特徴とする車両の空気抵抗低減装置。
  3. 【請求項3】 荷箱の上面が運転室のルーフより高いト
    ラック等の車両の前記運転室付近において、前記運転室
    のルーフの所定位置に、前記車両の所定の車速での走行
    状態における前記車両に対する空気流れの定常流れ領域
    と前記運転室のルーフとの間に生じる剥離領域中に位置
    するとともに、前記運転室のルーフから剥離領域に向か
    って延び、かつ定常流れ領域には達しないように、車両
    の空気抵抗の低減部材を配置したことを特徴とする車両
    の空気抵抗低減装置。
  4. 【請求項4】 前記低減部材は板状であって、前記車両
    表面に対して垂直に取り付けられていることを特徴とす
    る請求項2又は請求項3に記載の車両の空気抵抗低減装
    置。
  5. 【請求項5】 前記低減部材は板状であって、前記車両
    の斜め後方を向くように傾いて前記車両表面に取り付け
    られていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記
    載の車両の空気抵抗低減装置。
  6. 【請求項6】 前記低減部材は、前記車両の上面におい
    ては、前記車両の横幅より短い所定距離だけ、前記車両
    の横方向に延びるように形成されており、前記車両の側
    面においては、前記車両の上下方向の距離より短い所定
    距離だけ、前記車両の上下方向に延びるように形成され
    ていることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか
    一項に記載の車両の空気抵抗低減装置。
  7. 【請求項7】 前記低減部材は、車速により変化する前
    記剥離領域の大きさに対応して、常に前記剥離領域中に
    配置されるように調整可能に形成されていることを特徴
    とする請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載の車両
    の空気抵抗低減装置。
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