JP2003103912A - インクジェット記録用シートの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録用シートの製造方法

Info

Publication number
JP2003103912A
JP2003103912A JP2001303298A JP2001303298A JP2003103912A JP 2003103912 A JP2003103912 A JP 2003103912A JP 2001303298 A JP2001303298 A JP 2001303298A JP 2001303298 A JP2001303298 A JP 2001303298A JP 2003103912 A JP2003103912 A JP 2003103912A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drying
coating
film
water
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001303298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4041664B2 (ja
Inventor
Hirokazu Kito
宏和 鬼頭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001303298A priority Critical patent/JP4041664B2/ja
Publication of JP2003103912A publication Critical patent/JP2003103912A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4041664B2 publication Critical patent/JP4041664B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色材受容層のひび割れや光沢ムラ等の発生を
伴うことなく、生産性(生産効率)の向上が図れ、低コ
スト化の可能なインクジェット記録用シートの製造方法
を提供する。 【解決手段】 支持体上に、無機顔料微粒子及び水溶性
樹脂を含む塗布液を塗布、乾燥してなる色材受容層を有
するインクジェット記録用シートの製造方法において、
塗布後の含水率1000〜500%の塗膜に対して、乾
燥風の膜面風速を10m/sec以下とし、乾燥風温度
を30℃を超える温度とし、かつ膜面温度を20℃を超
える温度として乾燥を行うことを特徴とするインクジェ
ット記録用シートの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インク、油性
インク等の液状インクや、常温では固体であり、溶融液
状化させて印画に供する固体状インク等を用いたインク
ジェット記録に適した被記録材であるインクジェット記
録用シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、多種の記録
材に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価であ
ること、コンパクトであること、静粛性に優れること等
の点から、オフィスや、いわゆるホームユースとして広
く用いられてきている。最近では、インクジェットプリ
ンタ(ハード)の発展に伴い高解像度化が図られ、より
高画質な画像出力が要求される状況にある。
【0003】インクジェット記録用の記録シートとして
要求される特性としては、一般に、(1)インク吸収速
度が大きいこと、(2)インクドットの滲みのないこと、
(3)粒状性が良好なこと、(4)色濃度(発色性)が
高いこと、(5)彩度が高いこと(くすみのないこと)、
(6)印画部の耐光性、耐水性が良好なこと、(7)未
印画部の白色度が高いこと、(8)記録シートの保存性
が良好なこと(長期保存で黄変着色のないこと)等のイ
ンク受容性能のほか、(9)変形しにくく、寸法安定性
が良好であること(カールが十分小さいこと)、(10)
ハード走行性が良好であること、更に、(11)いわゆる
写真ライクな高画質記録物を得る目的で用いられるフォ
ト光沢紙の用途としては、光沢性、表面平滑性、銀塩写
真に類似した印画紙状の風合いがあること、等が挙げら
れ、これらの全てを満足することが要求される。しか
し、基本性能として色材受容層にひび割れが生じないこ
とが重要であり、前記諸特性を満足する記録シートであ
っても、ひび割れの発生により品質が損なわれ商品価値
の低下を招く。また、乾燥時に乾燥ムラを生ずると、光
沢性等の外観を損なうことにもなる。
【0004】近年、特にインクジェット用の記録シート
の需要が増大する傾向にあり、前記諸特性を満足しなが
ら基本性能をも備える記録シートを、生産効率良く低コ
ストに製造し得る技術が種々検討、提案されている。イ
ンクジェット記録用シートにおいて、支持体上に形成さ
れる色材受容層は、無機微粒子及び水溶性樹脂から形成
されて高い空隙率を有するように形成されるので、一般
に用いられる無機微粒子の粒径は小さく、その含有量も
多い。したがって、特開平11−115308号公報や
特開2001−10207号公報等に示されているよう
に、このような色材受容層を形成するための材料を含有
する塗布液を塗布した場合、塗膜を乾燥させる間にひび
割れが発生することが知られている。また、色材受容層
のひび割れは、製造上、特に塗布後の乾燥時間を短縮す
るために比較的高温で乾燥した場合に発生し易いことが
判っている。また、乾燥が均一に行われない場合には、
乾燥ムラ(光沢ムラ)も生ずる。
【0005】例えば、特開2001−10207号公報
では、塗布された塗膜の含水率が200〜30%の乾燥
途中に、塗膜の膜面温度を30℃以下として乾燥させる
方法、塗膜の含水率が1000〜500%の乾燥途中
に、膜面温度を20℃以下とし且つ膜面風速を30m/
sec以下として乾燥させる方法、及び塗膜の含水率が
1000〜500%の乾燥途中に、膜面温度を20℃以
下とし且つ乾燥装置にスリットノズルを用いる方法、等
が開示されている。しかし、これらはいずれも低温風で
長時間かけて乾燥させる方法であり、確かに良好な面状
は得られるものの、生産速度が低く生産性の向上が難し
く、生産性を上げようとすると大規模な乾燥ゾーンが必
要となり、生産コストが上昇してしまう問題がある。
【0006】これに対し、特開平11−115308号
公報では、塗布乾燥時にひび割れを発生し難くする方法
として、無機微粒子及び水溶性樹脂を含む塗布液を支持
体上に塗布し、該塗布と同時に、又は塗布された塗膜が
減率乾燥速度を示すようになる前に、前記水溶性樹脂を
架橋させ得る架橋剤を含む溶液を付与して硬化させる方
法が提案されている。前記方法では、従来からの無機微
粒子及び水溶性樹脂と架橋剤とを混合して塗布する方法
よりも乾燥温度は上げられるものの、製造上、塗工紙の
乾燥機として一般的に用いられる、正圧型のフローター
ドライヤーや片面スリットノズル型のドライヤーを使用
すると、ひび割れや光沢ムラなどが生じやすく、生産効
率の向上の点では不十分であるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、既述の
インクジェット記録用シートに要求される諸特性を有し
ながら、ひび割れや光沢ムラがない等の基本性能をも満
足するインクジェット記録用シートを、高速に生産効率
良く製造することのできる技術は、未だ確立されていな
いのが現状である。したがって、本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、インク受容性能等のインクジェ
ット記録用シートに要求される諸特性を有し、色材受容
層のひび割れや光沢ムラ等の発生を招来することなく生
産性(生産効率)の向上が図れ、低コスト化の可能なイ
ンクジェット記録用シートの製造方法を提供することを
目的とし、該目的を達成することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、架橋剤と媒染
剤を含む溶液が塗布される前の塗膜が流動状態にある乾
燥過程では、乾燥風を低速かつ高温で供給して乾燥を行
うと、ひび割れや光沢ムラ等の発生を起こすことなく、
乾燥効率を高め得ることに基づくものである。前記課題
を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
【0009】<1> 支持体上に、無機顔料微粒子及び
水溶性樹脂を含む塗布液を塗布、乾燥してなる色材受容
層を有するインクジェット記録用シートの製造方法にお
いて、塗布後の含水率1000〜500%の塗膜に対し
て、乾燥風の膜面風速を10m/sec以下とし、乾燥
風温度を30℃を超える温度とし、かつ膜面温度を20
℃を超える温度として乾燥を行うことを特徴とするイン
クジェット記録用シートの製造方法である。 <2> 膜面から20mm以上の距離にノズル先端が位
置するスリットノズルを備えるドライヤー、及び負圧型
ノズルを備えるフロータードライヤーの少なくとも一方
が用いられる前記<1>に記載のインクジェット記録用
シートの製造方法である。
【0010】<3> 支持体上に無機顔料微粒子と水溶
性樹脂とを含む塗布液を塗布し、塗布後の乾燥途中であ
って、減率乾燥速度を示すようになる前の含水率100
0〜200%の塗膜に前記水溶性樹脂を架橋させうる架
橋剤と媒染剤とを含む溶液を付与する前記<1>又は<
2>に記載のインクジェット記録用シートの製造方法で
ある。 <4> 支持体上に無機顔料微粒子と水溶性樹脂とを含
む塗布液を塗布し、塗布後の乾燥途中であって、減率乾
燥速度を示すようになる前の含水率1000〜200%
の塗膜に前記水溶性樹脂を架橋させうる架橋剤と媒染剤
とを含む溶液を付与した後、該溶液が付与された前記塗
膜を、膜面温度を25〜50℃として乾燥する前記<1
>〜<3>のいずれかに記載のインクジェット記録用シ
ートの製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用シ
ートの製造方法においては、塗布後の含水率1000〜
500%の塗膜の乾燥を、乾燥風の膜面風速を10m/
sec以下とし、乾燥風温度を30℃を超える温度と
し、かつ膜面温度を20℃を超える温度として行う。以
下、本発明のインクジェット記録用シートの製造方法に
ついて詳述する。
【0012】[インクジェット記録用シートの製造方
法]本発明のインクジェット記録用シートの製造方法
は、支持体上に、無機顔料微粒子及び水溶性樹脂を含む
塗布液を塗布、乾燥することにより色材受容層を形成
し、必要に応じて他の層が形成される。 −色材受容層の形成− 本発明に係る色材受容層は、支持体上に、無機顔料微粒
子及び水溶性樹脂を含む塗布液(以下、「色材受容層塗
布液」ということがある。)を塗布し、塗布後の乾燥過
程において、含水率1000〜500%の状態にある塗
膜の乾燥を、乾燥風の膜面風速を10m/sec以下と
し、乾燥風温度を30℃を超える温度とし、かつ膜面温
度を20℃を超える温度として行う。
【0013】ここでの含水率とは、色材受容層塗布液が
塗布された塗膜中の固形分(質量)に対する水分(質
量)の比率(%)をいい、例えば、固形分塗布量20g
/m2の時にこれに含まれる水分量が200g/m2とす
ると、この場合の含水率を1000%とする。また、前
記膜面とは、色材受容層塗布液が塗布されてなる塗膜の
表面をいい、前記膜面風速とは、塗膜が形成された支持
体(ウェブ)の位置で測定される風速をいう。
【0014】色材受容層塗布液の塗布後、乾燥が開始さ
れると、支持体上の塗膜は徐々に乾燥され、塗膜の含水
率は1000〜500%に達するが、この範囲では塗膜
はまだ乾燥初期の流動状態の段階にあり、この状態で
は、塗膜表面に供給する乾燥風の速度(膜面風速)を1
0m/sec以下に下げると共に、30℃を超える高温
風で乾燥を行う。即ち、少なくとも含水率500%以上
の塗膜の乾燥は、上記条件下で行われる。尚、塗膜含水
率が1000%に達するまでの乾燥は、特に制限なく行
うことができる。
【0015】前記膜面風速は10m/secを超える
と、塗膜表面が内部よりも早く乾燥され却って乾燥効率
を悪化させ、塗膜のひび割れや光沢ムラを生ずるため好
ましくない。前記膜面風速(10m/sec以下)の中でも、
乾燥効率を確保する点で、2〜5m/secが特に好ま
しい。また、この時行う乾燥(恒率乾燥)は前後半に二
分して行ってもよく、この場合、前半の膜面風速として
は、1〜3m/secが、後半の膜面風速としては、3
〜5m/secが好ましい。前後半いずれの膜面風速も
10m/sec以下である態様が好ましいが、前半の膜面温度
のみが10m/sec以下である態様であってもよい。上記の
ように、膜面風速を下げる手段としては、後述するよう
に、塗膜膜面とノズル先端との距離を20mm以上に広
げたスリットノズルを用いる方法が好ましい。
【0016】また、前記乾燥風温度が30℃未満の低温
乾燥であると、乾燥時間がかかりすぎ生産性に劣る。前
記乾燥風温度(30℃以上)の中でも、35〜150℃
が好ましく、40〜125℃がより好ましい。更に、こ
の時行う乾燥(恒率乾燥)は前後半に二分して行うこと
も望ましく、該前半ではできるだけ高温で乾燥させ、後
半は低温で乾燥させるのがより好ましい。このとき、前
半の乾燥風温度としては、70〜125℃がより好まし
く、後半の乾燥風温度としては、40〜90℃がより好
ましい。また、この場合、前後半いずれにおいても乾燥
風温度30℃以上とすることが好ましいが、前半のみの
乾燥風温度を30℃以上とする態様であってもよい。
【0017】前記膜面風速及び乾燥風温度を上記範囲と
して乾燥する場合、更に塗膜の膜面温度が20℃を超え
る温度となるように行う。該膜面温度が20℃以下であ
る、いわゆる低温乾燥では、乾燥に長時間を要し十分な
生産性を得ることができない。また、膜面温度の上限と
しては、50℃以下であることが望ましい。膜面温度が
50℃を超えると、塗膜にひび割れや乾燥ムラ(光沢ム
ラ;以下、「光沢ムラ」ともいう。)を生ずることがあ
る。上記範囲の中でも、30〜40℃が特に好ましい。
また、上記のように乾燥を前後半に二分して行う場合、
前半の膜面温度としては、30〜40℃が好ましく、後
半の膜面温度としては、20〜35℃が好ましい。この
場合、前後半いずれの膜面温度も20℃を超える態様が
好ましいが、前半の膜面温度のみが20℃を超える態様
であってもよい。
【0018】上記のように塗布後の含水率1000〜5
00%の塗膜に対して行う乾燥は、スリットノズルを備
えるドライヤー(図1参照)、及び負圧型ノズルを備え
るフロータードライヤー(図2参照)の少なくとも一方
を用いて好適に行うことができる。
【0019】前記スリットノズルを備えるドライヤーと
しては、ノズル先端がスリット形状に形成されたドライ
ヤーから適宜選択でき、スリットノズルを、図1に示す
ように、ノズル1の先端部と塗膜の膜面2との距離Aが
20mm以上となる位置に配置して用いることができ
る。ノズル1は、少なくとも支持体の塗膜が形成されて
いる側に設けられ(片面スリットノズル)、更にこれと
は逆側に設けてもよい(両面スリットノズル)。前記距
離Aとしては、乾燥速度を高める観点からは近い方が望
ましいが、本発明においては、該距離Aを上記範囲とす
ることにより、好適に乾燥風の膜面風速を10m/se
c以下とすることができる。中でも、膜面とノズル先端
との距離Aは30〜50mmが特に好ましい。スリット
ノズルから供給される乾燥風の向きとしては特に制限は
なく、好ましくは塗膜の膜面の法線方向と略平行とす
る。また、スリットノズルに代えて、多孔板ノズルを用
いた態様も好適である。
【0020】スリットノズル1は複数配列されることが
好ましく、この場合のスリットの間隔B(図1参照)と
しては、200mm以下が好ましく、50〜200mm
が特に好ましい。前記間隔が200mmを超えると、塗
膜の長尺方向の熱伝達率の分布を均一にできず、乾燥ム
ラを十分に防止することができないことがある。尚、ス
リットノズル若しくは多孔板ノズルを備えるドライヤー
を用いる場合、図1に示すように、塗膜2が設けられた
支持体がロール3等により支持されていることが好まし
い。
【0021】ドライヤーの配設位置や、支持体の塗膜が
設けられていない側の表面状態によっては、塗膜が形成
された支持体(ウェブ)を無接触でハンドリングさせた
い場合があり、この場合には、負圧型ノズルを備えるフ
ロータードライヤーが好適である。前記負圧型ノズルを
備えるフロータードライヤーは、例えば図2のように構
成されたものであってもよく、塗膜が形成された支持体
(ウェブ)4にその搬送方向と平行に張力を付与しつ
つ、ノズル5a〜5cからウェブ4に沿うように乾燥風
を供給することができる。即ち、乾燥風が供給される正
圧区域に対し、ノズルとウェブの間に弱い負圧区域が形
成され、ウェブをキャリア面から一定の距離に安定させ
て非接触にて乾燥させることができる。このように構成
されたものは、高速の乾燥風が局部的に供給されること
がなく、塗膜表面が内部に比し急速に乾燥されることが
ないため、塗膜の長尺方向の熱伝達率分布が生じ難く、
乾燥ムラやひび割れを生ずることなく良好に乾燥を行う
ことができる。前記負圧型ノズルを備えるフロータード
ライヤーとしては、特に制限はなく公知のものから適宜
選択して用いることができる。
【0022】一方、フロータードライヤーのうち、図3
−(a)〜(b)に示すような正圧型ノズル6を備えるドラ
イヤーでは、一般にウェブ4に対しその法線方向と略平
行に、強い噴流を膜面から5〜15mmの近接した位置
からあてるため、これにより熱伝達率の不均な分布、即
ち乾燥速度の分布を塗膜の長尺方向に生じて乾燥ムラや
ひび割れが起こしやすく、乾燥を良好に行うことができ
ないことがある。
【0023】塗布後の含水率1000〜500%の塗膜
に対して行う乾燥は、前後半に二分して行ってもよく、
例えば、乾燥前半はスリットノズルや多孔板ノズルを用
い、乾燥後半は負圧型ノズルを用いる等、前後半で乾燥
形態を変更して行ってもよい。
【0024】本発明においては、前記色材受容層は、下
記態様により最も好適に形成することができる。即ち、
架橋剤と媒染剤とを含む溶液を付与する過程で媒染剤と
架橋剤が導入される、WET ON WET法(WOW
法)による態様、即ち、支持体上に無機顔料微粒子と水
溶性樹脂とを含む塗布液(色材受容層塗布液)を塗布
し、塗布後の乾燥途中であって、減率乾燥速度を示すよ
うになる前の含水率1000〜200%の塗膜に、前記
水溶性樹脂を架橋させうる架橋剤と媒染剤とを含む溶液
(以下、「架橋剤溶液」ということがある。)を付与
し、該架橋剤溶液が付与された塗膜を架橋硬化させて得
られる態様である。ここで、前記含水率1000〜20
0%の塗膜は、塗膜の減率乾燥速度を示さない恒率乾燥
途中における、架橋剤溶液が付与される前の塗膜を指
し、このうち、含水率が1000〜500%に調整され
た塗膜に対して、膜面風速を10m/sec以下とし、
乾燥風温度を30℃を超える温度とし、膜面温度を20
℃を超える温度として乾燥を行うことが好ましい。
【0025】上記のように、本発明においては、架橋剤
と共に媒染剤を同時塗布することにより、色材受容層の
耐水性を向上させることができる。即ち、媒染剤を直接
色材受容層塗布液に添加しようとすると、該媒染剤はカ
チオン性であるので、シリカ等の、表面にアニオン電荷
を持つ無機顔料微粒子との共存下では凝集を生ずるおそ
れがあるが、媒染剤を含む溶液と色材受容層塗布液とを
それぞれを独立に調製し、個々に塗布する方法を採用す
れば、無機顔料微粒子の凝集を考慮する必要がなく、媒
染剤の選択範囲を拡張することができる。
【0026】前記色材受容層塗布液は、例えば以下のよ
うにして調製できる。即ち、BET法による比表面積が
200m2/g以上の気相法シリカの微粒子を水中に添
加して(例えば、10〜20質量%)、高速回転湿式コ
ロイドミル(例えば、クレアミックス(エム・テクニッ
ク(株)製))を用いて、例えば10000rpm(好
ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条
件で20分間(好ましくは10〜30分間)分散させた
後、ポリビニルアルコール水溶液(例えば、シリカの1
/3程度の質量のPVAとなるように)を加え、更に上
記と同じ回転条件で分散を行うことにより調製すること
ができる。得られた塗布液は均一ゾルであり、これを下
記塗布方法で支持体上に塗布形成することにより、三次
元網目構造を有する多孔質性の色材受容層を形成するこ
とができる。前記色材受容層塗布液には、必要に応じ
て、界面活性剤、pH調整剤、帯電防止剤等を添加する
こともできる。
【0027】色材受容層塗布液の塗布は、例えば、エク
ストルージョンダイコータ、エアードクターコータ、ブ
レッドコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズ
コータ、リバースロールコータ、バーコータ等の公知の
塗布方法により行うことができる。
【0028】色材受容層塗布液を塗布した後、該塗膜に
架橋剤溶液が付与されるが、該架橋剤溶液は、塗布後の
乾燥途中であって、減率乾燥速度を示すようになる前の
含水率1000〜200%の塗膜に付与されることが好
適である。即ち、色材受容層塗布液の塗布後、この塗膜
が恒率乾燥速度を示す間に架橋剤及び媒染剤を導入する
ことで好適に製造される。このとき、塗膜の含水率が上
記範囲より多いと、光沢ムラが発生したり、ユズ肌状の
面状となることがあり、上記範囲より少ないと、塗膜に
割れが生ずることがある。この含水率域(1000〜2
00%)の中でも、500〜300%における場合がよ
り好ましい。
【0029】ここで、「塗膜が減率乾燥速度を示すよう
になる前」とは、通常、色材受容層塗布液の塗布直後か
ら数分間を指し、この間においては、塗布された塗膜中
の溶剤の含有量が時間に比例して減少する現象である恒
率乾燥速度を示す。該恒率乾燥速度を示す時間について
は、化学工学便覧(p.707〜712、丸善(株)発
行、昭和55年10月25日)に記載されている。
【0030】その塗膜は、上記のように減率乾燥速度を
示すようになるまで乾燥されるが、このときの乾燥は、
膜面風速を10m/sec以下とし、乾燥風温度を30
℃を超える温度とし、膜面温度を20℃を超える温度と
して乾燥を行う。詳細は、既述の通りである。
【0031】前記塗膜が減率乾燥速度を示すようになる
前に付与する方法としては、架橋剤溶液を塗膜上に更
に塗布する方法、スプレー等の方法により噴霧する方
法、架橋剤溶液中に、該塗膜が形成された支持体を浸
漬する方法、等が挙げられる。上記方法において、架
橋剤溶液を塗布する塗布方法としては、例えば、カーテ
ンフローコータ、エクストルージョンダイコータ、エア
ードクターコーター、ブレッドコータ、ロッドコータ、
ナイフコータ、スクイズコータ、リバースロールコー
タ、バーコータ等の公知の塗布方法を利用することがで
きる。しかし、エクストリュージョンダイコータ、カー
テンフローコータ、バーコータ等のように、既に形成さ
れている塗膜にコータが直接接触しない方法を利用する
ことが好ましい。色材受容層上に付与する架橋剤溶液の
量としては、架橋剤換算で0.01〜10g/m2が一
般的であり、0.05〜5g/m2が好ましい。
【0032】本発明においては、前記架橋剤溶液を付与
した後は、該溶液が付与された前記塗膜を、その膜面温
度を25〜50℃として乾燥することが好ましい。中で
も、30〜40℃が特に好ましい。架橋剤溶液付与後の
乾燥時の膜面温度が、25℃未満であると、必要以上に
生産効率が低下することがあり、50℃を超えると、塗
膜にひび割れを生ずることがある。尚、塗膜が乾燥した
後においては、その表面温度が50℃を超えていてもよ
い。
【0033】このとき、乾燥に用いる乾燥機としては、
スリットノズルドライヤーやフロータドライヤー等から
適宜選択して用いることができ、前記フロータドライヤ
の場合、正圧型ノズル、負圧型ノズルのいずれであって
もよい。具体的には、既述の通りである。但し、スリッ
トノズルを用いる場合には、塗膜の長尺方向の熱伝達率
の分布をできるだけ均一にして乾燥ムラを防ぐ観点か
ら、スリット間隔は200mm以下とするのが好まし
く、50〜200mmがより好ましい。
【0034】また、架橋剤溶液付与後の乾燥は、上記の
ように膜面温度を25〜50℃の範囲で行うが、同時に
乾燥風の膜面風速を10m/sec以上とし、乾燥風温
度を40℃を超える温度とすることが好ましい。前記膜
面風速が10m/sec未満であると、乾燥完了までに
長時間を要することがあり、中でも、10〜20m/s
ecが好ましい。前記乾燥風温度が40℃以下である
と、乾燥不良となることがあり、中でも、60〜120
℃が好ましい。
【0035】また、塗膜が乾燥した後、更に40〜18
0℃の温度のもとで加熱し、乾燥、硬化させてもよい。
中でも、40〜150℃で1〜20分間加熱することが
好ましい。例えば、前記架橋剤溶液中の架橋剤として硼
砂や硼酸を使用する場合には、60〜100℃での加熱
を5〜20分間行うことが好ましい。
【0036】支持体上に色材受容層を形成した後、該色
材受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレン
ダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレ
ンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、透
明性及び塗膜強度を向上させることが可能である。しか
しながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる要
因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下す
ることがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設定
して行う必要がある。
【0037】カレンダー処理を行う場合のロール温度と
しては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃が
より好ましい。また、カレンダー処理時のロール間の線
圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、10
0〜200kg/cmがより好ましい。
【0038】前記色材受容層の層厚としては、インクジ
ェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収
容量をもつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決
定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2
で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm
以上の膜が必要となる。この点を考慮すると、インクジ
ェット記録の場合には、色材受容層の層厚としては、1
0〜50μmが好ましい。
【0039】また、色材受容層の細孔径は、メジアン径
で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜
0.025μmがより好ましい。前記空隙率及び細孔メ
ジアン径は、水銀ポロシメーター(ボアサイザー932
0−PC2、(株)島津製作所製)を用いて測定するこ
とができる。
【0040】また、色材受容層は、透明性に優れている
ことが好ましいが、その目安としては、色材受容層を透
明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30
%以下であることが好ましく、20%以下であることが
より好ましい。前記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HG
M−2DP、スガ試験機(株)製)を用いて測定するこ
とができる。
【0041】上記のようにして色材受容層塗布液が塗布
された塗膜(好ましくはWOW法による塗膜)が乾燥さ
れるので、ひび割れや乾燥ムラ等の発生のない、表面均
一で強固な三次元網目構造を有する色材受容層を形成す
ることができ、生産性(生産効率)の向上、及び生産コ
ストの低廉化をも達成することができる。しかも、形成
された色材受容層は、インク吸収性、色濃度、耐水性、
保存性等の既述の諸特性を備え、滲みがなく鮮鋭で高画
質の画像を形成することができる。
【0042】−支持体− 前記支持体としては、プラスチック等の透明材料よりな
る透明支持体、紙等の不透明材料よりなる不透明支持体
のいずれをも使用できる。色材受容層の透明性を生かす
上では、透明支持体又は高光沢性の不透明支持体を用い
ることが好ましい。
【0043】前記透明支持体に使用可能な材料として
は、透明性で、OHPやバックライトディスプレイで使
用される時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料が好ま
しい。該材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)等のポリエステル類;ポリスルホン、
ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、ポリアミド等を挙げることができる。中でも、ポ
リエステル類が好ましく、ポリエチレンテレフタレート
は特に好ましい。前記透明支持体の厚みとしては、特に
制限はないが、取り扱い性の点で、50〜200μmが
好ましい。
【0044】高光沢性の不透明支持体としては、色材受
容層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有す
るものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−814
2(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の
方法に従って求められる値である。具体的には、下記支
持体が挙げられる。
【0045】例えば、アート紙、コート紙、キャストコ
ート紙、銀塩写真用支持体等に使用されるバライタ紙等
の高光沢性の紙支持体;ポリエチレンテレフタレート
(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロース,セ
ルロースアセテート,セルロースアセテートブチレート
等のセルロースエステル類、ポリスルホン、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ
アミド等のプラスチックフィルムに白色顔料等を含有さ
せて不透明にした(表面カレンダー処理が施されていて
もよい。)高光沢性のフィルム;或いは、前記各種紙支
持体、前記透明支持体若しくは白色顔料等を含有する高
光沢性のフィルムの表面に、白色顔料を含有若しくは含
有しないポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体が
挙げられる。更に、白色顔料含有発泡ポリエステルフィ
ルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸
により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げること
ができる。
【0046】前記不透明支持体の厚みについても特に制
限はないが、取り扱い性の点で、50〜300μmが好
ましい。
【0047】また、前記支持体には、コロナ放電処理、
グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施した
ものを使用してもよい。
【0048】次に、前記紙支持体に用いられる原紙につ
いて詳述する。前記原紙としては、木材パルプを主原料
とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン
などの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルな
どの合成繊維を用いて抄紙される。前記木材パルプとし
ては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LD
P、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いること
ができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LB
SP、NDP、LDPをより多く用いることが好まし
い。但し、LBSP及び/又はLDPの比率としては、
10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
【0049】前記パルプは、不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸パルプ)が好ましく用いられ、
漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用であ
る。
【0050】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことができる。
【0051】抄紙に使用するパルプの濾水度としては、
CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、
叩解後の繊維長が、JIS P−8207に規定される
24メッシュ残分質量%と42メッシュ算分の質量%と
の和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分
の質量%は20質量%以下であることが好ましい。
【0052】原紙の坪量としては、30〜250gが好
ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さと
しては、40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段
階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えるこ
ともできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(JI
S P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度と
しては、JIS P−8143に規定される条件で20
〜200gが好ましい。
【0053】原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよ
く、表面サイズ剤としては、前記原紙中添加できるサイ
ズと同様のサイズ剤を使用できる。原紙のpHは、JI
S P−8113で規定された熱水抽出法により測定さ
れた場合、5〜9であることが好ましい。
【0054】原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレン
は、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/
又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他の
LLDPEやポリプロピレン等も一部使用することがで
きる。
【0055】特に、色材受容層を形成する側のポリエチ
レン層は、写真用印画紙で広く行われているように、ル
チル又はアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に
添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好まし
い。ここで、酸化チタン含有量としては、ポリエチレン
に対して、概ね3〜20質量%が好ましく、4〜13質
量%がより好ましい。
【0056】ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用い
ることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し
出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行
って通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目
面を形成したものも使用できる。
【0057】[構成成分]次に、色材受容層塗布液及び
架橋剤溶液を構成する各成分について詳述する。 −無機顔料微粒子− 本発明に係る色材受容層塗布液は、無機顔料微粒子を含
有してなり、該塗布液を支持体上に塗布することによ
り、無機顔料微粒子を含んで多孔質構造化されてなる色
材受容層を形成することができる。
【0058】前記無機顔料微粒子としては、例えば、シ
リカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バ
リウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、
ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、硫酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイ
ト等を挙げることができる。
【0059】前記シリカ微粒子は、比表面積が特に大き
いので、インクの吸収性、保持の効率が高く、屈折率が
低いので、適切な粒子径まで分散を行えば受容層に透明
性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られる点
で好ましい。色材受容層が透明であることは、OHP等
透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等
の記録用シートに適用する場合でも、高い色濃度と良好
な発色性光沢を得る点で重要である。
【0060】前記シリカ微粒子は、その製造法により湿
式法粒子と乾式法粒子とに大別される。前記湿式法で
は、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これ
を適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法
が主流である。一方、乾式法(気相法)は、ハロゲン化
珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解
法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークにより加
熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)
により無水シリカを得る方法が主流である。これらの方
法で得られる含水シリカ及び無水シリカは、表面のシラ
ノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、それぞれ
異なった性質を示すが、無水シリカ(無水珪酸)の場合
には、特に空隙率が高い三次元構造を形成しやすく特に
好ましい。この理由は明らかではないが、含水シリカの
場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5
〜8個/nm2で多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグ
リゲート)し易く、一方、無水シリカの場合には、微粒
子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2
であり少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)と
なり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定さ
れる。従って、本発明においては、前記気相法により得
られるシリカ微粒子(微粒子表面におけるシラノール基
の密度が2〜3個/nm2であるシリカ)を用いること
が好ましい。
【0061】したがって、前記シリカ微粒子を用いる
と、その表面のシラノール基による水素結合により粒子
同士が付着しやすいため、特に平均一次粒子径が30n
m以下の場合に空隙率の大きい多孔質構造を形成するこ
とができ、インク吸収特性を効果的に向上させることが
できる。
【0062】更に、多孔質化が容易でインク吸収性に優
れた色材受容層を形成し得る点から、BET法による比
表面積が200m2/g以上の気相法シリカ(以下、単
に「気相法シリカ」ということがある。)が好ましい。
前記BET法とは、「日本アエロジル(株)技術資料N
o.10」の2,2項等に記載の、一次粒子の平均径を
測定するための方法をいう。本発明における気相法シリ
カとしては、BET法を用いて算出した比表面積が20
0m2/g以上のものが好ましく、220m2/g以上の
ものがより好ましく、更には300m2/g以上のもの
が特に好ましい。尚、前記無機顔料微粒子の平均一次粒
子径としては、30nm以下が好ましく、10nm以下
が好ましく、3〜10nmがより好ましい。
【0063】透明性の観点から、シリカ微粒子に組合わ
せる樹脂の種類が重要となり、無水シリカを用いる場合
には、前記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール
(PVA)が好ましく、中でも、鹸化度70〜99%の
PVAがより好ましく、鹸化度70〜90%のPVAが
最も好ましい。
【0064】前記PVAは、その構造単位に水酸基を有
するが、この水酸基とシリカ微粒子表面のシラノール基
が水素結合を形成して、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単
位とする三次元網目構造を形成しやすくする。該三次元
網目構造の形成により、空隙率の高い多孔質構造の色材
受容層を形成しうると考えられる。このようにして得た
多孔質の色材受容層は、インクジェット記録において、
毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲み
のない真円性の良好なドットを形成することができる。
【0065】無機顔料微粒子(好ましくはシリカ微粒
子;i)と水溶性樹脂(p)との含有比〔PB比(i:
p)、水溶性樹脂1質量部に対する無機顔料微粒子の質
量〕は、色材受容層の膜構造にも大きな影響を与える。
即ち、PB比が大きくなると、空隙率、細孔容積、表面
積(単位質量当り)が大きくなる。具体的には、前記P
B比(i:p)としては、1.5:1〜10:1が好ま
しい。前記PB比が10:1を超える、即ち、PB比が
大きくなりすぎると、膜強度が低下し、乾燥時にひび割
れを生じやすくなることがあり、1.5:1未満、即ち
PB比が小さすぎると、空隙が樹脂により塞がれ易くな
る結果、空隙率が減少してインク吸収性が低下すること
がある。
【0066】インクジェットプリンタの搬送系を通過す
る場合、記録用シートに応力が加わることがあるので、
色材受容層には十分な膜強度を有していることが必要で
ある。更にシート状に裁断加工する場合、色材受容層の
割れ、剥がれ等を防止する上でも色材受容層には十分な
膜強度を有していることが必要である。この場合、前記
PB比としては5:1以下が好ましく、インクジェット
プリンタで高速インク吸収性をも確保する観点からは、
2:1以上であることが好ましい。例えば、平均一次粒
子径が30nm以下の無水シリカ微粒子と水溶性樹脂と
をPB比2:1〜5:1で水溶液中に完全に分散した塗
布液を支持体上に塗布し、該塗膜を乾燥した場合、シリ
カ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造が形
成され、平均細孔径が30nm以下、空隙率が50%以
上、細孔比容積0.5ml/g以上、比表面積が100
2/g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成するこ
とができる。
【0067】−水溶性樹脂− 前記水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位とし
てヒドロキシル基を有する樹脂である、ポリビニルアル
コール(PVA)、カチオン変性ポリビニルアルコー
ル、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変
性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セル
ロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセル
ロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HE
C)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等〕、キ
チン類、キトサン類、デンプン;エーテル結合を有する
樹脂であるポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプ
ロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコー
ル(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE);アミド
基又はアミド結合を有する樹脂であるポリアクリルアミ
ド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が
挙げられる。また、解離性基としてカルボキシル基を有
する、ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸
塩、ゼラチン類を挙げることができる。上記の中でも、
特にポリビニルアルコール類が好ましい。
【0068】前記水溶性樹脂の重合度としては、180
0以上が好ましく、中でも、2000〜4000がより
好ましい。前記重合度が、1800未満であると、色材
受容層塗布液の粘度が低くなりすぎて多孔質化し難くな
り、十分なインク吸収性が得られなくなることがある。
【0069】前記水溶性樹脂の含有量としては、色材受
容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好まし
く、16〜33質量%がより好ましい。前記含有量が、
9質量%未満であると、膜強度が低下し、乾燥時にひび
割れを生じやすくなることがあり、40質量%を超える
と、空隙が樹脂により塞がれ易くなる結果、空隙率が減
少してインク吸収性が低下することがある。
【0070】色材受容層を主として構成する、前記無機
顔料微粒子と水溶性樹脂とは、それぞれ単一素材でもよ
いし、複数の素材の混合系であってもよい。
【0071】−架橋剤− 本発明のインクジェット記録用シートの色材受容層は、
無機顔料微粒子及び水溶性樹脂を含む塗膜(多孔質層)
に、更に架橋剤、及び好ましくは媒染剤を含む溶液(架
橋剤溶液)が付与され、該架橋剤により前記水溶性樹脂
が架橋反応により硬化されてなることが好ましい。
【0072】前記架橋剤溶液の付与は、上記多孔質性の
色材受容層を形成する塗布液(色材受容層塗布液)を塗
布して形成された塗膜が減率乾燥速度を示すようになる
前に行われる。この操作により、塗膜が乾燥する間に発
生するひび割れの発生を効果的に防止することができ
る。即ち、上記塗布液が塗布されたと同時に、あるいは
塗膜が減率乾燥速度を示すようになる前に架橋剤溶液が
塗膜内に浸透し、塗膜内の水溶性樹脂と速やかに反応
し、水溶性樹脂をゲル化(硬化)させることにより、塗
膜の膜強度を即時に大幅に向上させる。
【0073】前記水溶性樹脂を架橋しうる架橋剤として
は、色材受容層に用いられる水溶性樹脂との関係で好適
な物を適宜選択すればよいが、中でも、架橋反応が迅速
である点から、硼素化合物が好ましく、例えば、硼砂、
硼酸、硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO3、S
cBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO3)2 、Co
3(BO3)2、二硼酸塩(例えば、Mg225、Co22
5)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO2、Ca(B
2)2、NaBO2、KBO2)、四硼酸塩(例えば、N
247・10H2O)、五硼酸塩(例えば、KB58
・4H2O、Ca2 611・7H2O、CsB55)、グ
リオキザール、メラミン・ホルムアルデヒド(例えば、
メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミ
ン)、メチロール尿素、レゾール樹脂、ポリイソシアネ
ート、エポキシ樹脂等を挙げることができる。中でも、
速やかに架橋反応を起こす点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が
好ましく、硼酸塩がより好ましく、水溶性樹脂としてポ
リビニルアルコールと組合わせて使用することが特に好
ましい。
【0074】前記水溶性樹脂としてゼラチンを用いる場
合には、ゼラチンの硬膜剤として知られている、下記化
合物を架橋剤として用いることができる。例えば、ホル
ムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド
等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタン
ジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿
素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5
−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン
・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスル
ホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノー
ル、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタ
ミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ
−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル
尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロ
ール化合物;
【0075】1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第301
7280号、同第2983611号に記載のアジリジン
系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載の
カルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジ
ルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチ
レン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ
系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等の
ハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジ
ヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;クロム
明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウム、酢酸クロム等
である。尚、前記架橋剤は、一種単独でも、2種以上を
組合わせてもよい。
【0076】前記架橋剤溶液は、架橋剤を水及び/又は
有機溶剤に溶解して調製される。架橋剤溶液中の架橋剤
の濃度としては、架橋剤溶液の質量に対して、0.05
〜10質量%が好ましく、0.1〜7質量%が特に好ま
しい。架橋剤溶液を構成する溶媒としては、一般に水が
使用され、該水と混和性の有機溶媒を含む水系混合溶媒
であってもよい。前記有機溶剤としては、架橋剤が溶解
するものであれば任意に使用することができ、例えば、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、グ
リセリン等のアルコール;アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル;
トルエン等の芳香族溶剤;テトラヒドロフラン等のエー
テル、及びジクロロメタン等のハロゲン化炭素系溶剤等
を挙げることができる。
【0077】−媒染剤− 本発明においては、形成画像のインク滲みの防止、耐水
性、耐経時ニジミの更なる向上を図る観点で、色材受容
層に媒染剤が含有される。前記媒染剤はカチオン性のポ
リマー(カチオン性媒染剤)であり、色材受容層中に存
在させることにより、アニオン性染料を色材として有す
る液状インクとの間で相互作用し色材を安定化し、解像
度、耐水性、経時ニジミを向上させることができる。
【0078】しかし、これを直接色材受容層を形成する
ための塗布液に添加すると、シリカ等の、アニオン電荷
を有する無機顔料微粒子との間で凝集を生ずる懸念を生
ずる場合があるが、独立の別の溶液として調製し塗布す
る方法を利用すれば、無機顔料微粒子の凝集を懸念する
必要はない。よって、本発明においては、架橋剤溶液に
含有して用いることが好ましい。
【0079】前記カチオン性媒染剤としては、カチオン
性基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アン
モニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられ
るが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することが
できる。前記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級
アミノ基及びその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有
する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モ
ノマーと他のモノマー(以下、「非媒染ポリマー」とい
う。)との共重合体又は縮重合体として得られるものが
好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポ
リマー、又は水分散性のラテックス粒子のいずれの形態
でも使用できる。
【0080】前記単量体(媒染モノマー)としては、例
えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムク
ロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウ
ムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモ
ニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルア
ンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル
−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、
N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジ
ルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n
−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロ
ライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p
−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジ
メチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモ
ニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−
N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,
N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−
ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメ
チル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニ
ウムクロライド、
【0081】トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニ
ウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアン
モニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジル
アンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベ
ンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビ
ニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m
−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N
−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチル
アンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N
−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロ
ライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4
−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、
N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニル
フェニル)エチルアンモニウムアセテート、
【0082】N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、
エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイ
ド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドに
よる4級化物、又はそれらのアニオンを置換したスルホ
ン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキ
ルカルボン酸塩等が挙げられる。
【0083】具体的には、例えば、トリメチル−2−
(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライ
ド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチル
アンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロ
イルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチ
ル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムク
ロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)
プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−
(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロラ
イド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチ
ルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタク
リロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリ
メチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウ
ムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミ
ノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−
(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロラ
イド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロ
ピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アク
リロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、ト
リエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモ
ニウムクロライド、
【0084】N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メ
タクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、
N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイル
オキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメ
チル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピ
ルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタク
リロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリ
メチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニ
ウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオ
キシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−
3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセ
テート等を挙げることができる。その他、共重合可能な
モノマーとして、N―ビニルイミダゾール、N―ビニル
−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
【0085】前記非媒染ポリマーとは、第1級〜第3級
アミノ基及びその塩、又は第4級アンモニウム塩基等の
塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェッ
トインク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相互
作用が実質的に小さいモノマーをいう。前記非媒染モノ
マーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メ
タ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アク
リル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステ
ル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステ
ル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等
の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリ
ル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル
等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等
のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィ
ン類、等が挙げられる。
【0086】前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)
アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソ
プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オク
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル等が挙げられる。中でも、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタ
アクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好
ましい。前記非媒染モノマーも、一種単独で、又は二種
以上組合せて使用できる。
【0087】更に、ポリマー媒染剤として、ポリジアリ
ルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイ
ルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモ
ニウムクロライド、ポリエチレニミン、ポリアリルアミ
ン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミド−ポリアミン
樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリ
ン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニ
ウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン等も好
ましいものとして挙げることができる。
【0088】前記ポリマー媒染剤の分子量としては、1
000〜200000が好ましく、3000〜4000
0がより好ましい。前記分子量が、1000未満である
と、耐水性が不十分となる傾向にあり、200000を
超えると、粘度が高くなりすぎてハンドリング適正が低
下することがある。
【0089】前記カチオン性の非ポリマー媒染剤として
は、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポ
リ塩化アルミニウム、塩化マグネシウム等の水溶性金属
塩が好ましい。
【0090】上記の中でも、インク保持性に優れ、経時
ニジミがなく高解像度の画像を形成し、長期間保持する
ことができる観点から、分子量3000〜40000の
ポリアリルアミンが特に好ましい。
【0091】−他の成分− 色材受容層は、必要に応じて下記成分を含んでいてもよ
い。色材の劣化を抑制する目的で、各種の紫外線吸収
剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等を含んでい
てもよい。前記紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、
ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール
誘導体等が挙げられる。例えば、α−シアノ−フェニル
桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリアゾールフェノール、o
−ベンゾトリアゾール−p−クロロフェノール、o−ベ
ンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−ブチルフェノー
ル、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−オクチ
ルフェノール等が挙げられる。ヒンダートフェノール化
合物も紫外線吸収剤として使用でき、具体的には少なく
とも2位又は6位のうち1ヵ所以上が分岐アルキル基で
置換されたフェノール誘導体が好ましい。
【0092】また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系
紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線
吸収剤等も使用できる。例えば、特開昭47−1053
7号、同58−111942号、同58−212844
号、同59−19945号、同59−46646号、同
59−109055号、同63−53544号、特公昭
36−10466号、同42−26187号、同48−
30492号、同48−31255号、同48−415
72号、同48−54965号、同50−10726
号、米国特許第2,719,086号、同3,707,
375号、同3,754,919号、同4,220,7
11号等に記載されている。
【0093】蛍光増白剤も紫外線吸収剤として使用で
き、例えば、クマリン系蛍光増白剤等が挙げられる。具
体的には、特公昭45−4699号、同54−5324
号等に記載されている。
【0094】前記酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開
特許第223739号公報、同309401号公報、同
309402号公報、同310551号公報、同第31
0552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開
特許第3435443号公報、特開昭54−48535
号公報、同60−107384号公報、同60−107
383号公報、同60−125470号公報、同60−
125471号公報、同60−125472号公報、同
60−287485号公報、同60−287486号公
報、同60−287487号公報、同60−28748
8号公報、同61−160287号公報、同61−18
5483号公報、同61−211079号公報、同62
−146678号公報、同62−146680号公報、
同62−146679号公報、同62−282885号
公報、同62−262047号公報、同63−0511
74号公報、同63−89877号公報、同63−88
380号公報、同66−88381号公報、同63−1
13536号公報、
【0095】同63−163351号公報、同63−2
03372号公報、同63−224989号公報、同6
3−251282号公報、同63−267594号公
報、同63−182484号公報、特開平1−2392
82号公報、特開平2−262654号公報、同2−7
1262号公報、同3−121449号公報、同4−2
91685号公報、同4−291684号公報、同5−
61166号公報、同5−119449号公報、同5−
188687号公報、同5−188686号公報、同5
−110490号公報、同5−1108437号公報、
同5−170361号公報、特公昭48−43295号
公報、同48−33212号公報、米国特許第4814
262号、同第4980275号公報等に記載のものが
挙げられる。
【0096】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒ
ドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0097】前記耐光性向上剤は、単独でも2種以上を
併用してもよい。この耐光性向上剤は、水溶性化、分
散、エマルジョン化してもよく、マイクロカプセル中に
含ませることもできる。前記耐光性向上剤の添加量とし
ては、色材受容層塗布液の0.01〜10質量%が好ま
しい。
【0098】また、無機顔料微粒子の分散性を高める目
的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等
を含んでいてもよい。更に、塗布適性や表面品質を高め
る目的で各種の界面活性剤を、表面の摩擦帯電や剥離帯
電を抑制する目的で、イオン導電性を持つ界面活性剤や
電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性
を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
【0099】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
実施例中の「部」及び「%」は、全て「質量部」及び
「質量%」を表す。
【0100】−支持体の作製− LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスク
リファイナーによりカナディアンフリーネス300ml
まで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニ
オンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミ
ンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリル
アミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾重量比
で添加し、長網抄紙機により秤量し170g/m2の原
紙を抄造した。
【0101】上記原紙の表面サイズを調整するため、ポ
リビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(Whit
ex BB,住友化学工業(株)製)を0.04%添加
し、これを絶乾重量換算で0.5g/m2となるように
上記原紙に含浸させ、乾燥した後、さらにキャレンダー
処理を施して密度1.05に調整された基紙を得た。
【0102】得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコ
ロナ放電処理を行った後、溶融押出機を用いて高密度ポ
リエチレンを厚さ19μmとなるようにコーティング
し、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、樹脂層
面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層にさら
にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、
酸化アルミニウム(アルミナゾル100、日産化学工業
(株)製)と二酸化ケイ素(スノーテックスO、日産化
学工業(株)製)とを1:2の比(質量比)で水に分散
した分散液を、乾燥重量が0.2g/m2となるように
塗布した。
【0103】更に、樹脂層の設けられていない側のフェ
ルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナタ
ーゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白
剤0.01%(対ポリエチレン)を含有する、MFR
(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレン
を、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなるように溶
融押し出しし、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側
に形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称す
る。)、支持体とした。
【0104】(実施例1) −色材受容層塗布液の調製− 下記組成中の(1)気相法シリカ微粒子、(2)イオン交換水
を混合し、高速回転式コロイドミル(クレアミックス、
エム・テクニック(株)製)を用いて、回転数1000
0rpmで20分間分散させた後、下記(3)ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル、(4)アンモニア水、(5)ポリ
ビニルアルコール9%水溶液、及び(6)ジエチレングリ
コールモノブチルエーテルを加え、更に上記と同条件で
分散して、色材受容層塗布液Aを調製した。尚、シリカ
微粒子と水溶性樹脂との質量比(PB比/(1):(5))
は、3.5:1であり、色材受容層用塗布液AのpHは
9.5(アルカリ性)であった。
【0105】 〔色材受容層塗布液Aの組成〕 (1)気相法シリカ微粒子(無機顔料微粒子) … 9.9部 (平均一次粒子径7nm;アエロジル300、日本アエロジル(株)製) (2)イオン交換水 …72.6部 (3)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) … 7.2部 (エマルゲン109P(10%)、花王(株)製、HLB値13.6) (4)17g/lアンモニア水溶液(pH調整剤) … 5.3部 (5)ポリビニルアルコール9%水溶液(水溶性樹脂) …31.4部 (PVA−420、(株)クラレ製、鹸化度81.8%、重合度2000) (6)ジエチレングリコールモノブチルエーテル … 0.6部
【0106】−インクジェット記録用シートの作製− 前記支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行った後、上
記より得た色材受容層塗布液A(固形分濃度10%)
を、該オモテ面にスライドビード塗布法で塗布量が20
0ml/m2となるように塗布した(塗布工程)。その
後、塗布後の支持体を、図1に示すように、支持体の塗
布された側(即ち膜面2側)に、ノズル間隔(図1中の
間隔B)200mm、ノズル先端と膜面2との距離A5
0mm(前半)/10mm(後半)として複数のスリットノ
ズル1を配列し、該支持体の塗膜を有しない側にローラ
3が適宜配設された乾燥ゾーンに下記表1中の乾燥条件
A(前/後半各30秒)に設定して通し、塗布形成され
た塗膜の含水率が500%になるように乾燥させた。こ
の期間、塗膜は恒率乾燥速度を示した(恒率乾燥工
程)。その後、下記組成の架橋剤溶液Aを、ナイフコー
ターを用いて塗布量20g/m2となるように前記塗膜
の表面に塗工し、更に80℃の熱風で40秒間乾燥させ
た(乾燥工程)。以上より、乾燥膜厚20μmの色材受
容層が設けられた、本発明のインクジェット記録用シー
ト(1)を得た。
【0107】 〔架橋剤溶液Aの組成〕 ・硼酸(6%;架橋剤) …25部 ・PAS−F5000(20%)水溶液 … 7.15部 (媒染剤;日東紡(株)製) ・イオン交換水 …68.98部 ・塩化アンモニウム(表面pH調整剤) … 0.2部 ・アンモニア水溶液(25%;pH調整剤) … 1.67部 ・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) … 2部 (エマルゲン109P(10%)、花王(株)製、HLB値13.6)
【0108】(実施例2〜6)実施例1において、塗布
工程後、架橋剤溶液Aの塗布前の乾燥における乾燥条件
Aを、それぞれ表1中の乾燥条件B〜Fに代えたこと以
外、実施例1と同様にして、本発明のインクジェット記
録用シート(2)〜(6)を得た。尚、実施例3〜6で
は、スリットノズルを備える乾燥ゾーンに代えて、図2
と同様に構成された負圧型ノズルフロータを備える乾燥
ゾーンとした。
【0109】(比較例1〜6)実施例1において、塗布
工程後、架橋剤溶液Aの塗布前の乾燥における乾燥条件
Aを、それぞれ表1中の乾燥条件G〜Lに代えたこと以
外、実施例1と同様にして、比較のインクジェット記録
用シート(7)〜(12)を得た。尚、比較例3〜6で
は、スリットノズルを備える乾燥ゾーンに代えて、図2
と同様に構成された負圧型ノズルフロータを備える乾燥
ゾーンとした。
【0110】(評価)上記より得た本発明のインクジェ
ット記録用シート(1)〜(6)、及び比較のインクジ
ェット記録用シート(7)〜(12)のそれぞれについ
て、下記評価を行った。評価結果は下記表1に示す。 −ひび割れ− 各インクジェット記録用シートの色材受容層の面状を目
視で観察し、その表面でのひび割れの有無、及びその大
きさを下記基準に従い評価した。 〔基準〕 AA: ひび割れは全く認められず、良好であった。 BB: 長さ1〜2mm程度のひび割れが認められた。 CC: 長さ3mm以上のひび割れが顕著に認められ
た。
【0111】−光沢性(乾燥ムラ)− 各インクジェット記録用シートの色材受容層の面状を目
視で観察し、その表面での光沢ムラの有無を下記基準に
従い評価した。 〔基準〕 ○: 光沢ムラは全く認められず、良好であった。 △: 色材受容層の端部に僅かに光沢ムラが認められ
た。 ×: 光沢ムラが顕著に認められた。
【0112】
【表1】
【0113】上記表1の結果から、含水率500%の塗
膜に対する乾燥を、乾燥風の膜面風速、乾燥風温度及び
膜面温度を本発明に規定する条件で行った実施例1〜6
では、高速生産が行え、しかも得られたインクジェット
記録用シート(1)〜(6)は色材受容層のひび割れや
光沢ムラ等の発生を伴うこともなかった。即ち、生産性
の向上が図れ、安価で品質の良好なインクジェット記録
用シートを製造することができた。また、負圧型ノズル
を用いた場合(実施例3〜6)が乾燥ムラの点でより良
好であった。一方、本発明に規定する乾燥条件とせずに
得たインクジェット記録用シート(7)〜(12)で
は、ひび割れ及び光沢ムラを生じてしまい、生産性の向
上を達成することはできなかった。
【0114】(参考例1〜6) −色材受容層用塗布液Bの調製− 下記組成中の下記(1)〜(3)を混合し、高速回転式コロイ
ドミル(クレアミックス、エム・テクニック(株)製)
を用いて、回転数10000rpmで20分間分散させ
た後、下記(4)〜(8)を含む溶液を加え、更に回転数10
000rpmで20分間再分散して、色材受容層塗布液
Bを調製した。シリカ微粒子と水溶性樹脂との質量比
(PB比/(1):(4))は、4.5:1であり、色材受容
層塗布液BのpHは3.5(酸性)であった。
【0115】 〔色材受容層塗布液Bの組成〕 (1)気相法シリカ微粒子(無機顔料微粒子) …10.0部 (平均一次粒子径7nm;レオロシールQS30、(株)トクヤマ製) (2)イオン交換水 …51.7部 (3)PAS−M−1(分散剤;日東紡(株)製) … 0.83部 (4)ポリビニルアルコール8%水溶液(水溶性樹脂) …27.8部 (PVA124、(株)クラレ製、鹸化度98.5%、重合度2400) (5)ジエチレングリコールモノブチルエーテル … 0.72部 (6)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) … 1.2部 (エマルゲン109P(10%)、花王(株)製、HLB値13.6) (7)イオン交換水 …30.74部 (8)ホウ酸 … 0.09部
【0116】−インクジェット記録用シートの作製− 上記作製した支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行っ
た後、上記より得た色材受容層塗布液B(固形分濃度1
0%)を、該オモテ面にスライドビード塗布法で塗布量
が200ml/m2となるように塗布し(塗布工程)、
塗布された塗膜の含水率が500%になるまで熱風乾燥
機にて60℃(風速3〜8m/sec)の熱風で乾燥さ
せた。この期間、塗膜は恒率乾燥速度を示した(恒率乾
燥工程)。その後、下記組成の架橋剤溶液Bを、ナイフ
コーターを用いて塗布量20g/m2となるように前記
塗膜の表面に塗工し、下記表2に示す乾燥条件にしたが
って、更に40〜140℃の熱風で40秒間乾燥させた
(乾燥工程)。以上より、乾燥膜厚20μmの色材受容
層が設けられたインクジェット記録用シート(a)〜
(f)を得た。
【0117】 〔架橋剤溶液Bの組成〕 ・硼酸(6%;架橋剤) …25部 ・PAA−10C(10%)水溶液 …20部 (媒染剤;日東紡(株)製) ・イオン交換水 …52.8部 ・塩化アンモニウム(表面pH調整剤) … 0.2部 ・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) … 2部 (エマルゲン109P(10%)、花王(株)製、HLB値13.6)
【0118】上記より得たインクジェット記録用シート
(a)〜(f)の各々について、前記実施例と同様の評
価を行った。評価結果は下記表2に示す。
【0119】
【表2】
【0120】上記表2の結果から、架橋剤溶液付与後、
塗膜の膜面温度を30〜45℃として乾燥を行って得た
インクジェット記録用シート(b)〜(e)では、ひび
割れ及び乾燥ムラの発生がなく良好な面状が得られた。
一方、膜面温度45℃を超える場合(参考例1)では膜
面にひび割れが生じ、25℃未満の場合(参考例6)で
は乾燥を完了し得なかった。
【0121】
【発明の効果】本発明によれば、インク受容性能等のイ
ンクジェット記録用シートに要求される諸特性を有し、
色材受容層のひび割れや光沢ムラ等の発生を招来するこ
となく生産性(生産効率)の向上が図れ、低コスト化の
可能なインクジェット記録用シートの製造方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スリットノズルを備えるドライヤーの構成例
を示す概略図である。
【図2】 負圧型ノズルを備えるフロータードライヤー
の構成例を示す概略図である。
【図3】 (a)は正圧型ノズルをウェブの両側に配置し
たフロータードライヤーの構成例を、(b)は正圧型ノズ
ルをウェブの片側に配置したフロータードライヤーの構
成例を示す図である。
【符号の説明】
1…スリットノズル 2…支持体上の塗膜面 3…ローラ 4…塗膜が設けられた支持体(ウェブ) 5a,5b,5c…ノズル 6…正圧型ノズル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、無機顔料微粒子及び水溶性
    樹脂を含む塗布液を塗布、乾燥してなる色材受容層を有
    するインクジェット記録用シートの製造方法において、 塗布後の含水率1000〜500%の塗膜に対して、乾
    燥風の膜面風速を10m/sec以下とし、乾燥風温度
    を30℃を超える温度とし、かつ膜面温度を20℃を超
    える温度として乾燥を行うことを特徴とするインクジェ
    ット記録用シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 膜面から20mm以上の距離にノズル先
    端が位置するスリットノズルを備えるドライヤー、及び
    負圧型ノズルを備えるフロータードライヤーの少なくと
    も一方が用いられる請求項1に記載のインクジェット記
    録用シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 支持体上に無機顔料微粒子と水溶性樹脂
    とを含む塗布液を塗布し、塗布後の乾燥途中であって、
    減率乾燥速度を示すようになる前の含水率1000〜2
    00%の塗膜に前記水溶性樹脂を架橋させうる架橋剤と
    媒染剤とを含む溶液を付与する請求項1又は2に記載の
    インクジェット記録用シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 支持体上に無機顔料微粒子と水溶性樹脂
    とを含む塗布液を塗布し、塗布後の乾燥途中であって、
    減率乾燥速度を示すようになる前の含水率1000〜2
    00%の塗膜に前記水溶性樹脂を架橋させうる架橋剤と
    媒染剤とを含む溶液を付与した後、該溶液が付与された
    前記塗膜を、膜面温度を25〜50℃として乾燥する請
    求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録用
    シートの製造方法。
JP2001303298A 2001-09-28 2001-09-28 インクジェット記録用シートの製造方法 Expired - Fee Related JP4041664B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001303298A JP4041664B2 (ja) 2001-09-28 2001-09-28 インクジェット記録用シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001303298A JP4041664B2 (ja) 2001-09-28 2001-09-28 インクジェット記録用シートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003103912A true JP2003103912A (ja) 2003-04-09
JP4041664B2 JP4041664B2 (ja) 2008-01-30

Family

ID=19123403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001303298A Expired - Fee Related JP4041664B2 (ja) 2001-09-28 2001-09-28 インクジェット記録用シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4041664B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083625A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Fujifilm Corp インクジェット記録用媒体の製造方法
CN100509179C (zh) * 2002-08-22 2009-07-08 日东电工株式会社 用于制造涂覆片材的方法,光学功能层,光学元件和图像显示设备

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100509179C (zh) * 2002-08-22 2009-07-08 日东电工株式会社 用于制造涂覆片材的方法,光学功能层,光学元件和图像显示设备
JP2007083625A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Fujifilm Corp インクジェット記録用媒体の製造方法
JP4521341B2 (ja) * 2005-09-22 2010-08-11 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用媒体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4041664B2 (ja) 2008-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4000246B2 (ja) インクジェット記録用シートの製造方法
JP2002316472A (ja) インクジェット記録用シート
JP4272841B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2001301314A (ja) インクジェット記録用シート
JP2006247967A (ja) インクジェット記録媒体、及びその製造方法
JP2003080837A (ja) インクジェット記録用シート
JP3805246B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP4041664B2 (ja) インクジェット記録用シートの製造方法
JP2006168161A (ja) 画像記録材料用支持体、該画像記録材料用支持体を用いる画像記録材料及びインクジェット記録用媒体
JP3920643B2 (ja) インクジェット記録用シート及びその製造方法
JP2003054122A (ja) インクジェット記録用シート
JP4533451B2 (ja) インクジェット記録媒体の製造方法
JP4082900B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2002211119A (ja) インクジェット記録用シート
JP2006306108A (ja) インクジェット記録用媒体
JP2003080838A (ja) インクジェット記録用シート
JP4171193B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2006159769A (ja) インクジェット記録用媒体及びその製造方法
JP2003080827A (ja) インクジェット記録用シート及びその製造方法
JP2002283709A (ja) インクジェット記録用シート
JP2003205674A (ja) インクジェット記録用シート
JP2003103900A (ja) インクジェット記録用シート
JP2002144719A (ja) インクジェット記録用シート
JP3902469B2 (ja) インクジェット記録用シートの製造方法及びインクジェット記録用シート
JP2003127532A (ja) インクジェット記録用シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060125

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070807

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071112

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131116

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees