JP2003103817A - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JP2003103817A
JP2003103817A JP2001304837A JP2001304837A JP2003103817A JP 2003103817 A JP2003103817 A JP 2003103817A JP 2001304837 A JP2001304837 A JP 2001304837A JP 2001304837 A JP2001304837 A JP 2001304837A JP 2003103817 A JP2003103817 A JP 2003103817A
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義裕 丹羽
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヘッド基板の回路導体に十分な厚みのNiめっ
き層を形成してドライバーIC及びフレキシブル配線板
と確実に半田接合することが可能な、生産性に優れたサ
ーマルヘッドを提供する。 【解決手段】上面に、直線状に配列した多数の発熱素子
と、Alを主成分とし、両端部に一対のNiめっき層
8,9が被着された複数個の回路導体6と、前記Niめ
っき層の一方8に半田接合される複数個の入力端子を有
するドライバーICとを取着させたヘッド基板1、及び
前記Niめっき層の他方9に半田接合される複数個の接
続部を有するフレキシブル配線板を具備したサーマルヘ
ッドであって、前記ヘッド基板の上面で、他方のNiめ
っき層9の近傍に略コの字状の補助めっき層10を被着
させるとともに、該補助めっき層10を他方のNiめっ
き層9と共にフレキシブル配線板の接続部に対し半田接
合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリやビ
デオプリンタ等の記録デバイスとして用いられるサーマ
ルヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ファクシミリ等の記録デバイ
スとしてサーマルヘッドが幅広く用いられている。
【0003】かかる従来のサーマルヘッドとしては、上
面に、直線状に配列した多数の発熱素子及び発熱素子の
発熱を制御するドライバーICが取着されているアルミ
ナセラミックス製のヘッド基板と、前記発熱素子やドラ
イバーICに電力や電気信号を供給するフレキシブル配
線板とで構成されたものが知られており、ヘッド基板の
発熱素子上に感熱紙等の記録媒体を搬送しながら、発熱
素子を外部からの画像データに基づいて個々に選択的に
ジュール発熱させるとともに、該熱を記録媒体に伝導さ
せることによって所定の印画が形成される。
【0004】尚、上述したヘッド基板の上面には、発熱
素子やドライバーICの他に、Al(アルミニウム)か
ら成る多数の回路導体が設けられており、これら回路導
体の中には、図4に示す如く、面積の大きく異なる一対
のめっき層22a,22bを両端部に設けたものが多数
存在している。
【0005】これらのめっき層22a,22bは半田濡
れ性が良好なNi(ニッケル)等で形成されており、小
さな面積のめっき層22aを介してドライバーICの端
子に、大きな面積のめっき層22bを介してフレキシブ
ル配線板の接続部に半田接合させることによって回路導
体21をドライバーICやフレキシブル配線板に接続さ
せている。
【0006】また前記めっき層22a,22bは、通
常、回路導体21を形成するAlの一部を従来周知の置
換めっき法にてZn(亜鉛)で置換し、このZnを触媒
とした無電解Niめっきを行うことにより形成され、こ
の場合、AlとZnとの置換は、回路導体21の一部を
露出させたヘッド基板を硫酸亜鉛溶液に所定時間、浸漬
することによって行なわれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のサーマルヘッドの回路導体21は、その両端部
に設けられているめっき層22a,22bの面積がドラ
イバーIC用とフレキシブル配線板用とで大きく異なっ
ており、これらのめっき層22a,22bが設けられる
回路導体の表面を硫酸亜鉛溶液に浸漬してZn置換を行
なった場合、硫酸亜鉛溶液中に含まれているZn2+イオ
ンの多くが大面積のめっき層22b側に引き寄せられ、
Znの析出量がめっき層22bの形成部位では多くなる
のに対し、めっき層22aの形成部位では少なくなる傾
向がある。このようなZn析出量のバラツキは回路導体
21の両端部におけるAlの溶解に伴って発生した電荷
(電子)が面積の小さなめっき層22a側より面積の大
きなめっき層22b側へ移動することに起因した現象と
考えられおり、その後の無電解Niめっきのプロセスに
おいてもNiめっきの着き方は触媒(Zn)の付着量に
大きく影響を受けることとなるため、めっき層22aの
厚みは極端に薄くなってしまい、回路導体21をドライ
バーICの端子に良好に半田接合することが困難になる
欠点を有していた。
【0008】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、ヘッド基板の回路導体に十分な厚みの
Niめっき層を形成してドライバーIC及びフレキシブ
ル配線板と確実に半田接合することが可能な、生産性に
優れたサーマルヘッドを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のサーマルヘッド
は、上面に、直線状に配列した多数の発熱素子と、Al
を主成分とし、両端部に一対のNiめっき層が被着され
た複数個の回路導体と、前記Niめっき層の一方に半田
接合される複数個の入力端子を有するドライバーICと
を取着させたヘッド基板、及び前記Niめっき層の他方
に半田接合される複数個の接続部を有するフレキシブル
配線板を具備したサーマルヘッドであって、前記ヘッド
基板の上面で、他方のNiめっき層の近傍に略コの字状
の補助めっき層を被着させるとともに、該補助めっき層
を他方のNiめっき層と共にフレキシブル配線板の接続
部に対し半田接合させたことを特徴とするものである。
【0010】また本発明のサーマルヘッドは、前記一対
のNiめっき層が、回路導体を形成するAlの一部を置
換して付着させたZnを触媒とする無電解めっきにより
形成されていることを特徴とするものである。
【0011】更に発明のサーマルヘッドは、前記補助め
っき層と前記回路導体とが10μm〜100μmだけ離
間して配されていることを特徴とするものである。
【0012】また更に本発明のサーマルヘッドは、前記
一方のNiめっき層の面積と他方のNiめっき層の面積
とが略等しくなしてあることを特徴とするものである。
【0013】更にまた本発明のサーマルヘッドは、前記
補助めっき層が、Niにより形成されていることを特徴
とするものである。
【0014】また更に本発明のサーマルヘッドは、前記
Niめっき層及び補助めっき層の上面にAuめっき層が
被着されていることを特徴とするものである。
【0015】本発明のサーマルヘッドによれば、フレキ
シブル配線板の接続部に半田接合される他方のNiめっ
き層の近傍に補助めっき層を設けるようにしたことか
ら、他方のNiめっき層を極力小さくして、その面積を
一方のNiメッキ層の面積に近づけることができ、Ni
めっきの触媒となるZnを回路導体の両端部に置換めっ
き法にて略均等に付着させることにより、回路導体の両
端部に設けられる一対のNiめっき層の厚みを実質的に
等しくなすことができる。
【0016】また一方、本発明のサーマルヘッドによれ
ば、フレキシブル配線板の接続部に半田接合される他方
のNiめっき層の近傍には補助めっき層が設けられ、こ
の補助めっき層を他方のNiめっき層と共に前記接続部
に半田接合させるようにしたことから、ヘッド基板側に
はヘッド基板−フレキシブル配線板間の接続構造を維持
するのに十分な面積の半田接合部が確保されることとな
る。
【0017】従って、ヘッド基板の回路導体を、ドライ
バーICの端子、フレキシブル配線板の接続部に、一対
のNiめっき層を介して良好に半田接合することができ
るようになり、生産性に優れたサーマルヘッドを得るこ
とが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係るサ
ーマルヘッドの平面図、図2は図1のサーマルヘッドの
断面図、図3は図1のサーマルヘッドに使用されるヘッ
ド基板の要部を拡大して示す平面図であり、同図に示す
サーマルヘッドは、大略的に、ヘッド基板1と、フレキ
シブル配線板11と、放熱板15とで構成されている。
【0019】前記ヘッド基板1は、グレーズドアルミナ
セラミックス等から成るベースプレート2の上面に、多
数の発熱素子3、複数個のドライバーIC4、複数個の
回路導体5,6等を取着させた構造を有している。
【0020】前記ベースプレート2は、その上面で発熱
素子3やドライバーIC4,回路導体5,6等を支持す
るための支持母材として機能するものであり、グレーズ
ドアルミナセラミックスから成る場合、まずアルミナ、
シリカ、マグネシア等のセラミックス原料粉末に適当な
有機溶剤を添加・混合する等してセラミックグリーンシ
ートを形成するとともに、該シートを所定形状に打ち抜
いて高温で焼結させることによってアルミナ基板を形成
し、得られたアルミナ基板の上面に従来周知のスクリー
ン印刷等によってガラスペーストを印刷・塗布し、これ
を高温で焼き付けグレーズ層を形成することによって製
作される。
【0021】尚、上述したグレーズドアルミナセラミッ
クス基板のグレーズ層は、印画に際して後述する発熱素
子3の発する熱の一部を蓄積し、発熱素子3の温度を短
時間で印画に必要な所定の温度まで上昇させるための蓄
熱層として機能するものである。
【0022】また前記ベースプレート2上の発熱素子3
は、例えば600dpi(dot perinch)の密度で主走
査方向に直線状に被着・配列されており、その各々がT
aSiOやTiSiO,TiCSiO等の電気抵抗材料
により形成されているため、回路導体5,6や後述する
フレキシブル配線板11の配線導体12等を介して電源
電力が供給されるとジュール発熱を起こし、感熱紙等の
記録媒体に印画を形成するのに必要な所定の温度とな
る。
【0023】これら多数の発熱素子3は、例えば、上述
の電気抵抗材料を従来周知のスパッタリング等によって
ベースプレート2の上面に所定厚みに被着させ、これら
を従来周知のフォトリソグラフィー及びエッチング技術
を採用し、所定パターンに加工することによって形成さ
れる。
【0024】また前記ベースプレート2上のドライバー
IC4は、発熱素子3のジュール発熱を外部からの画像
データに基づいて個々に制御するためのものであり、か
かるドライバーIC4としては、Si(シリコン)から
成るベースの下面にシフトレジスタやラッチ,スイッチ
ングトランジスタ等の電子回路を高密度に集積したフリ
ップチップ型の半導体素子が用いられ、この下面には多
数の出力端子や入力端子も共に設けられる。
【0025】前記ドライバーIC4は、従来周知のフェ
ースダウンボンディング、即ち、ドライバーIC4の下
面に設けた多数の出力端子を対応する回路導体5に、多
数の入力端子を対応する回路導体6にそれぞれ半田接合
させることによってベースプレート2の上面に搭載さ
れ、これによってドライバーIC4の出力端子が回路導
体5を介して対応する発熱素子3に、また入力端子が回
路導体6を介して対応するフレキシブル配線板11の接
続部13に電気的に接続される。
【0026】また前記回路導体5,6は、発熱素子3や
ドライバーIC4に電力や電気信号を供給する給電線も
しくは信号線として機能するものであり、Alを主成分
とする金属により所定パターンをなすように形成され
る。
【0027】これら回路導体5,6の一部上面、具体的
には、ドライバーIC4、並びにフレキシブル配線板1
1との接続部には半田濡れ性を良好となすためのNiめ
っき層7,8,9が設けられており、これらのNiめっ
き層7,8,9を介して回路導体5,6をドライバーI
C4の入・出力端子やフレキシブル配線板11の接続部
13に対して半田接合させることによって回路導体5,
6をドライバーIC4やフレキシブル配線板11に対し
て電気的に接続させている。
【0028】また、このような回路配線5,6のうち、
ドライバーIC4の入力端子とフレキシブル配線板11
の接続部13とを結ぶ回路配線6の両端部に設けられる
一対のNiめっき層8,9は、その面積が略等しく設定
されており、フレキシブル配線板11の接続部13に半
田接合されるNiめっき層9の近傍には、該Niめっき
層9の外周に沿った略コの字状の補助めっき層10が被
着・形成されている。
【0029】この補助めっき層10は、回路導体6よ
り、例えば10μm〜100μmだけ離間する位置に配
されており、Niめっき層7,8,9と同様に、Niか
ら成り、Niめっき層7,8,9と略等しい厚みに形成
される。
【0030】かかる補助めっき層10は、Niめっき層
9と共にフレキシブル配線板11の接続部13に対し半
田接合されるようになっており、これによってヘッド基
板1側にはヘッド基板1−フレキシブル配線板11間の
接続構造を維持するのに十分な面積の半田接合部が確保
される。
【0031】尚、前記回路導体5,6は、例えばAlを
従来周知のスパッタリング等によってベースプレート2
上に所定厚みに被着させ、これを従来周知のフォトリソ
グラフィー及びエッチング技術を採用し、所定パターン
に加工することによって形成され、また回路導体上面の
Niめっき層7,8,9は、まず従来周知の置換めっき
法を採用し、一部を露出させた回路導体5,6が被着さ
れたベースプレート2を硫酸亜鉛溶液に所定時間、浸漬
することによって回路導体5,6を形成するAlの一部
をZnで置換し、しかる後、このZnを触媒とした無電
解Niめっきを行うことによって形成される。
【0032】このとき、回路導体6の両端部に設けられ
るNiめっき層8,9の面積は略等しくなしてあること
から、Niめっきの触媒となるZnは回路導体6の両端
部に略均等に付着されるようになり、回路導体6の両端
部に設けられる一対のNiめっき層8,9の厚みを実質
的に等しくなすことができる。
【0033】従って、ヘッド基板1の回路導体6を、ド
ライバーIC4の出力端子、フレキシブル配線板11の
接続部13に、一対のNiめっき層8,9を介して良好
に半田接合することができるようになり、生産性に優れ
たサーマルヘッドを得ることが可能となる。
【0034】尚、前記補助めっき層10の形成は、例え
ば、Niめっき層7,8,9と同様の無電解Niめっき
により行なわれ、この場合、補助めっき層10はNiめ
っき層7,8,9と同時に形成されることとなる。
【0035】また一方、前記フレキシブル配線板11
は、ヘッド基板1上の回路導体6等に電気的に接続され
る複数個の配線導体12を有し、これをポリイミド樹脂
等から成るフィルム14a,14bで両側より挟持した
構造を成している。
【0036】このフレキシブル配線板11は、記録動作
時、外部からの電力や電気信号を配線導体12を介して
ヘッド基板1上の発熱素子3やドライバーIC4に供給
するためのものであり、サーマルヘッドをプリンタ本体
に組み込む際、配線導体12をフレキシブル配線板11
の一端に取着されるコネクタ部材16を介してプリンタ
本体に接続させておくことにより、外部からの電力や電
気信号がサーマルヘッドに供給可能な状態となる。
【0037】尚、前記フレキシブル配線板11は、例え
ばポリイミド樹脂製のベースフィルム14aに銅箔を貼
り付けた上、この銅箔を従来周知のフォトリソグラフィ
ー及びエッチング技術にて所定パターンに加工すること
で複数個の配線導体12を形成し、しかる後、ベースフ
ィルム14aと同様の材質から成るカバーフィルム14
bを貼り付け、ヘッド基板1に半田接合される接続部以
外の領域をカバーフィルム14bで被覆することによっ
て製作される。
【0038】また前記フレキシブル配線板14とヘッド
基板1との接続は、例えば、接続部13が設けられてい
るフレキシブル配線板11の一端部を、配線導体12が
対応する回路導体6と対向するようにしてヘッド基板1
の一部上面に重畳させ、しかる後、回路導体6と配線導
体12との間に介在させた半田をヒーターバー等を用い
て加熱・溶融させ、両者を半田接合することによって行
なわれる。
【0039】そして、ヘッド基板1及びフレキシブル配
線板11は、上述のように並設された状態のまま、放熱
板15上に載置される。
【0040】前記放熱板15は、その上面でヘッド基板
1及びフレキシブル配線板11を支持するとともに、ヘ
ッド基板1の熱の一部を吸収して大気中に放散すること
によりヘッド基板1の温度が過度に高温となるのを有効
に防止するためのものであり、Alやステンレス等の良
熱伝導性の金属により形成される。
【0041】尚、前記放熱板15は、アルミニウムから
成る場合、アルミニウムのインゴット(塊)を従来周知
の金属加工法により所定形状に加工することによって製
作され、得られた放熱板15の上面に両面テープ等の接
着部材(図示せず)を介してヘッド基板1及びフレキシ
ブル配線板11を載置させることによりヘッド基板1及
びフレキシブル配線板11が放熱板15上に固定され
る。
【0042】かくして上述したサーマルヘッドは、ヘッ
ド基板1の発熱素子3上に感熱紙等の記録媒体を搬送し
ながら、多数の発熱素子3を外部からの画像データに基
づいて個々に選択的にジュール発熱させるとともに、該
熱を記録媒体に伝導させ、所定の印画を形成することに
よってサーマルヘッドとして機能する。
【0043】尚、本発明は上述の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において
種々の変更、改良等が可能である。
【0044】例えば上述の実施形態においてNiめっき
層7,8,9及び補助めっき層10の上面にAuめっき
層を被着させておいても良く、この場合、Niめっき層
表面の酸化がAuめっき層でもって有効に防止されるた
め、半田接合部の接続強度が更に向上される利点もあ
る。
【0045】また上述の実施形態においては、回路導体
6の両端部に設けられるNiめっき層8,9の面積を略
等しくなすようにしたが、両者の面積は多少異なってい
ても良く、例えば、両Niめっき層の面積比は5倍程度
まで許容される。
【0046】更に上述の実施形態においては、1個の補
助めっき層10で略コの字状をなすように形成したが、
これに代えて、複数個の補助めっき層を他方のNiめっ
き層9の周囲に配置させ、これら補助めっき層の集合体
が略コの字状をなすように形成しても良い。
【0047】また更に上述の実施形態において、ヘッド
基板1上の発熱素子3を窒化珪素等から成る保護層で被
覆したり、ドライバーIC4をエポキシ樹脂等から成る
封止材で被覆しても良いことは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】本発明のサーマルヘッドによれば、フレ
キシブル配線板の接続部に半田接合される他方のNiめ
っき層の近傍に補助めっき層を設けるようにしたことか
ら、他方のNiめっき層を極力小さくして、その面積を
一方のNiメッキ層の面積に近づけることができ、Ni
めっきの触媒となるZnを回路導体の両端部に置換めっ
き法にて略均等に付着させることにより、回路導体の両
端部に設けられる一対のNiめっき層の厚みを実質的に
等しくなすことができる。
【0049】また本発明のサーマルヘッドによれば、フ
レキシブル配線板の接続部に半田接合される他方のNi
めっき層の近傍に該Niめっき層と共に前記接続部に半
田接合される補助めっき層を設けるようにしたことか
ら、ヘッド基板とフレキシブル配線板との半田接合にも
十分に広い面積が確保されることとなる。
【0050】従って、ヘッド基板の回路導体を、ドライ
バーICの端子、フレキシブル配線板の接続部に、一対
のNiめっき層を介して良好に半田接合することができ
るようになり、生産性に優れたサーマルヘッドを得るこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドの平
面図である。
【図2】図1のサーマルヘッドの断面図である。
【図3】図1のサーマルヘッドに使用されるヘッド基板
の要部を拡大して示す平面図である。
【図4】従来のサーマルヘッドに使用されるヘッド基板
の要部を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・ヘッド基板、2・・・ベースプレート、3・・
・発熱素子、4・・・ドライバーIC、5,6・・・回
路導体、7,8,9・・・Niめっき層、10・・・補
助めっき層、11・・・フレキシブル配線板、12・・
・配線導体、13・・・接続部、14a・・・ベースフ
ィルム、14b・・・カバーフィルム、15・・・放熱
板、16・・・コネクタ部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面に、直線状に配列した多数の発熱素子
    と、Alを主成分とし、両端部に一対のNiめっき層が
    被着された複数個の回路導体と、前記Niめっき層の一
    方に半田接合される複数個の入力端子を有するドライバ
    ーICとを取着させたヘッド基板、及び前記Niめっき
    層の他方に半田接合される複数個の接続部を有するフレ
    キシブル配線板を具備したサーマルヘッドであって、 前記ヘッド基板の上面で、他方のNiめっき層の近傍に
    略コの字状の補助めっき層を被着させるとともに、該補
    助めっき層を他方のNiめっき層と共にフレキシブル配
    線板の接続部に対し半田接合させたことを特徴とするサ
    ーマルヘッド。
  2. 【請求項2】前記一対のNiめっき層が、回路導体を形
    成するAlの一部を置換して付着させたZnを触媒とす
    る無電解めっきにより形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 【請求項3】前記補助めっき層と前記回路導体とが10
    μm〜100μmだけ離間して配されていることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載のサーマルヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】前記一方のNiめっき層の面積と他方のN
    iめっき層の面積とが略等しくなしてあることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のサーマル
    ヘッド。
  5. 【請求項5】前記補助めっき層が、Niにより形成され
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれ
    かに記載のサーマルヘッド。
  6. 【請求項6】前記Niめっき層及び補助めっき層の上面
    にAuめっき層が被着されていることを特徴とする請求
    項5に記載のサーマルヘッド。
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