JP2003103645A - 管状体の製造方法 - Google Patents

管状体の製造方法

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JP2003103645A
JP2003103645A JP2001304331A JP2001304331A JP2003103645A JP 2003103645 A JP2003103645 A JP 2003103645A JP 2001304331 A JP2001304331 A JP 2001304331A JP 2001304331 A JP2001304331 A JP 2001304331A JP 2003103645 A JP2003103645 A JP 2003103645A
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Hiroshi Hasegawa
宏 長谷川
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラッピングするためにスパイラル状に巻き付
けるテープ巻付痕がシャフト表面に残らないようにす
る。 【解決手段】 複数枚のプリプレグをマンドレルに巻き
付けて積層した後、厚さ3mm以下で且つ上記最外層の
プリプレグの樹脂と接着しない樹脂シートで上記プリプ
レグの外周全体を覆い、該樹脂シートの外周面に樹脂テ
ープをスパイラル状に巻き付けた後、加熱硬化させ、硬
化後に上記樹脂テープを取り除くと共に、上記樹脂シー
トを取り除き、上記プリプレグの最外層面を露出させて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管状体の製造方法
に関し、詳しくは、ゴルフクラブシャフト、釣竿、スキ
ーのストック等の軽量・高強度の管状体を、マンドレル
に複数のプリプレグを層状に巻き付けた後に、テープを
スパイラルに巻き付けて形状保持を行い、この状態で加
熱してプリプレグの樹脂を硬化させた後、上記テープを
取り外して管状体を製造するものにおいて、上記テープ
のスパイラル状の巻付痕が管状体の表面に発生しないよ
うにするものである。
【0002】
【従来の技術】ゴルフクラブシャフト等の管状体を製造
する場合、強化繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを用
い、所要形状に切断された複数枚のプリプレグをマンド
レル(鉄芯棒)に層状に巻き付け、プリプレグの最外層
に耐熱性の樹脂テープ(ラッピングテープ)をスパイラ
ル状に巻き付けて形状保持した状態で、該樹脂テープの
溶融温度以下で加熱・硬化し、その後、マンドレルより
抜き取ると共に、樹脂テープを除去している。
【0003】上記製法では、樹脂テープを取り除いたシ
ャフトの表面に、スパイラル状に巻き付けた樹脂テープ
の巻付痕が図6のように残る問題がある。ラッピングシ
ートを用いて長軸方向に巻き付けると周方向の巻付痕は
残らないが、樹脂テープをスパイラル状に巻き付ける
と、プリプレグの形状保持と同時に巻付時に層間のエア
ーを抜く機能もあり、そのため、スパイラル状に巻き付
けてラッピングすることが好ましい。しかしながら、ス
パイラル状に巻き付けると上記のように巻付痕が残る問
題があるため、管状体表面の外観を良くすると共に、塗
装用塗料を斑無く塗ることができるようにするため、最
外層を相当研磨しなければならない。
【0004】上記した問題に対して、特開平6−286
010号において、ラッピングテープの離型性を良くす
ることで、成形される管状体表面にテープの巻付痕を残
さないようにするものが提案されている。そのため、図
7に示すプリプレグの熱硬化性樹脂に対して離型性を有
する熱収縮フィルムからなる第1の層と、その第1の層
よりも高いヤング率を有する熱収縮性フィルムからなる
第2の層との層状構成のラッピングテープ1が用いられ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ラ
ッピングテープ1を用いた場合においても、ラッピング
テープをプリプレグ外周面に直接にスパイラル状に巻き
付けると、巻付痕が残る問題は解消されず、研磨が必要
となる。また、ラッピングテープの巻き方次第で完成す
るプリプレグにばらつきも生じると共に、ラッピングテ
ープテープ1が異なる材料の2層からなためテープの製
造に手間がかかり、コストもかかるという問題点があ
る。
【0006】このように、従来の製造方法では、スパイ
ラル状に巻き付けたテープを外したときに、テープ痕の
凹凸の段差が管状体表面に残ることとなるため、該巻付
痕を完全に除去して平滑表面とするには、最外層のプリ
プレグの研磨が必須となる。最外層のプリプレグを研磨
すると、研磨前の重量、剛性、強度を含む物性値よりも
劣ることとなる。さらに、研磨量が多い場合には最外層
に近いプリプレグの巻き付け方、繊維と樹脂の配置、研
磨量及び研磨分布のばらつきが上記物性値に影響を与
え、製造される管状体の物性のばらつきも大きくなる。
特に、ゴルフクラブシャフトの場合には物性のばらつき
が生じるとゴルフクラブシャフトの特性に大きな影響を
及ぼすこととなる。さらに、最外層に薄いプリプレグを
巻き付けている場合には、最外層が無くなってしまうお
それもある。
【0007】本発明は上記した問題を解消せんとするも
ので、成形された管状体表面にスパイラル状の巻付痕を
発生させないことを課題としている。
【0008】
【発明を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は、複数枚のプリプレグをマンドレルに巻き
付けて積層した後、厚さ3mm以下で且つ上記最外層の
プリプレグの樹脂と接着しない樹脂シートで上記プリプ
レグの外周全体を覆い、該樹脂シートの外周面に樹脂テ
ープをスパイラル状に巻き付けた後、加熱硬化させ、上
記硬化後に上記樹脂テープを取り除くと共に、上記樹脂
シートを取り除き、上記プリプレグの最外層面を露出さ
せていることを特徴とする管状体の製造方法を提供して
いる。
【0009】上記プリプレグのマトリクス樹脂、樹脂シ
ートおよび樹脂テープの樹脂は熱硬化性樹脂としてい
る。
【0010】上記のように、スパイラル状に巻き付ける
テープの巻付痕が残る樹脂シートを予め最外層プリプレ
グの外周面全体に巻き付けておくと、上記樹脂シートを
除去するだけでよく、最外層のプリプレグを殆ど研磨す
る必要がなくなる。その結果、プリプレグより構成する
管状体は設計通りの物性値を確保することが出来ると共
に、その外周面は平滑面となり、該平滑面に塗装を施す
ことにより外観の優れた管状体となる。
【0011】上記除去される樹脂シートとしては、ポリ
プロピレン、ポリエステル等が用いられ、ポリプロピレ
ンがより好ましい。ポリプロピレンは、プリプレグのマ
トリクス樹脂を構成する熱硬化性樹脂に対する離型性が
良く、ポリエステルは強度が強く熱硬化時に自身の熱収
縮力によりプリプレグに高い成形圧力を与えることがで
きるためである。
【0012】特に、上記樹脂シートの一面にシリコーン
等の離型剤を塗布して、該離型剤塗布面をプリプレグの
最外層に当接させて巻き付けて、硬化後にプリプレグと
樹脂シートとが一体化させないようにしている。さら
に、該樹脂シートの一端縁に沿って粘着材を塗布してお
くと、プリプレグに巻き付けた状態で粘着材で巻き付け
状態を保持できる。
【0013】上記樹脂シートは、1周以上10周以下の
範囲でプリプレグの上に巻き付けることができるが、好
ましくは1周以上5周以下、さらには2周以上5周以下
である。この樹脂シートの巻き付け回数は樹脂シートの
1枚の厚みとの関連で設定される。
【0014】樹脂シートの1枚の厚さは0.005mm
から0.1mmの範囲、好ましくは0.01mmから
0.05mmの範囲がよい。上記0.1mmを越えると
樹脂シート端での段差が大きくなり樹脂シートの巻付痕
が最外層のプリプレグに残りやすくなり、かつ、シート
が巻きにくくなる。一方、0.005mmより薄くい
と、巻付回数が少ない場合には外周面にスパイラル状に
巻き付けるテープの巻付痕が最外周のプリプレグにも残
る。そのため、巻付数を増やすと、作業効率が悪くなり
コストも悪くなるという理由からよくない。
【0015】樹脂シート1枚の巻き回数と厚みで決まる
樹脂シート全体の厚みとしては、20μm以上200μ
m以下、好ましくは20μm以上150μm以下、更に
は40μm以上100μm以下がよい。上記20μm以
上200μm以下としているのは、この範囲であると、
最外層のプリプレグにスパイラルに巻き付けるテープ痕
が残らない厚さで、かつ、最適圧がかけられるからであ
る。200μmを越えるとプリプレグの層間に空気が入
ったり、プリプレグが層間でずれやすくなり、かつ、作
業量が増えると共にコストがかかる。また、20μm未
満であると最外層のプリプレグにまでテープのスパイラ
ル巻付痕が残り樹脂シートを巻き付ける効果が少なくな
ることに因る。
【0016】上記管状体を構成するプリプレグとして
は、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維等からなる
強化繊維を平行に引き揃え、エポキシ樹脂、ポリエステ
ル樹脂等の熱硬化性樹脂からなるマトリクスト樹脂に含
浸したものを用いている。
【0017】上記スパイラル状に巻き付ける耐熱性樹脂
テープは、材料、厚さとも樹脂シートと同様のものが好
適に用いられる。該樹脂テープの幅は5〜30mm程度
で巻き付けるスパンは1〜5mmが好適である。また、
巻き付け時のテンションは200〜400Nとしてい
る。
【0018】上記のように製造される管状体はゴルフク
ラブシャフトに特に好適に用いられる。即ち、プリプレ
グからなるシャフトの表面研磨量が大きい場合あるいは
研磨量のばらつきが生じるとシャフトに設計通りの物性
値を与えられなくなり、かつ、シャフトの表面性状が美
麗であると商品価値を高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。実施形態の管状体はゴルフ
クラブシャフトからなる。該ゴルフクラブシャフトの製
造は、図1に示すように、まず、鉄芯棒からなるマンド
レル10にエポキシ樹脂をマトリクス樹脂とした炭素繊
維強化プリプレグ20を所要数巻き付けている。シャフ
トを構成するプリプレグを層状に巻き付けた後、最外層
のプリプレグの全外周をカバーするように樹脂シート3
0を巻き付ける。ついで、該樹脂シート30の外周面に
耐熱性の樹脂テープ40を全長にわたりスパイラル状に
巻き付ける。この状態で、加熱して樹脂を硬化させる。
硬化後、マンドレル10を抜き取って、スパイラル巻き
した樹脂テープ40を取り除き、最後に樹脂シート30
を取り除いている。
【0020】詳しくは、図2はマンドレル10に巻き付
けるプリプレグ20の展開状態を示し、まず、強化繊維
Fがシャフト軸線(長軸方向)に対して5〜45゜傾斜
し、バイアス層を形成するプリプレグ20A、プリプレ
グ20Bをマンドレル10に巻き付ける。その表面に強
化繊維Fがシャフト軸線に対して直交し、フープ層を形
成するプリプレグ20Cを巻き付ける。さらに、その表
面に強化繊維Fがシャフト軸線に平行で、ストレート層
を形成するプリプレグ20Dの順に巻き付ける。これら
プリプレグの巻き付けは、ローリングマシンによりマン
ドレル10に巻き付ける。
【0021】上記プリプレグ層の最外層に巻き付ける樹
脂シート30は、図2に示すようにプリプレグ20より
も長軸方向に長さを大とすると共に、直交する短軸方向
の幅はプリプレグ最外層を1周覆う大きさとしている。
該樹脂シート30は、プリプレグとは接着されないポリ
プロピレンを用いており、離型性を良くするため、一方
の面にシリコーンを塗布している。また、長さ方向に沿
った一端縁に粘着材を塗布した粘着部31を設け、本実
施形態では10mm幅としている。
【0022】図3に示すように、樹脂シート30をプリ
プレグ20に対して、作業者が手で1周巻き付け、巻き
付け端を上記粘着部31で粘着保持している。なお、樹
脂シート30のプリプレグに対する巻き付け回数は1周
に限定されない。また、粘着部31は10mmに限定さ
れず、2〜20mm程度であれば良い。粘着部31を全
長に設けても良いし、何カ所かに分散させてもよい。粘
着部31の粘着材としてエポキシ等の樹脂を塗布しても
よい。また、本実施形態では、樹脂シート30の巻き数
は多くないので手で巻き付けているが、迅速に巻き付け
ることが可能なローリングマシンを用いてもよい。
【0023】上記樹脂シート30の外周面にスパイラル
状に巻き付ける耐熱性の樹脂テープ40としてポリプロ
ピレンを用いており、図2に示すように樹脂シート30
の外周面に全長にわたって巻き付けることができる長さ
と幅を持たせている。該樹脂テープ40は樹脂シート3
0の外周面に350Nのテンション、3mmのスパンで
スパイラル状に巻き付けている。
【0024】「実施例1」図2に示す4枚のプリプレグ
を用いてマンドレルに巻き付けた。上記プリプレグ20
は、20A、20Bを±45゜とした。プリプレグ20
A、20Bは2回巻き、プリプレグ20Cは1回巻き、
プリプレグ20Dは3回巻きとした。上記プリプレグ2
0は前記したようにカーボン繊維エポキシ樹脂からな
り、厚み100μmで、三菱レーヨン(株)製のTR3
50C−125を用いた。樹脂シートとしては泉スリッ
ト(株)製の片面のみシリカで離型処理したポリプロピ
レン樹脂(厚み25μm)を使用し、1周巻きした。樹
脂テープは泉スリット(株)製のポリプロピレン樹脂
(厚み20μm)を使用し、幅10mmとし、巻き付け
スパンを2.5mmとしオーバーラップさせるようにス
パイラル状に巻き付けた。次いで、130℃に加熱し
て、プリプレグ、樹脂シートと樹脂テープの樹脂を硬化
させた。硬化後にマンドレルを引き抜き、ついで、樹脂
テープを剥がすと共に樹脂シートを剥がし、最外層のプ
リプレグが露出したシャフトを製造した。
【0025】「実施例2〜5」実施例2〜実施例5を樹
脂シートの巻付回数のみを実施例1と変えてシャフトを
製造した。実施例2は25μmの樹脂シートを3周巻き
付けた。よって、樹脂シート層の厚みは75μmであっ
た。実施例3は25μmの樹脂シートを4周巻き付け
た。 よって、樹脂シート層の厚みは100μmであっ
た。実施例4は25μmの樹脂シートを5周巻き付け
た。よって、樹脂シート層の厚みは125μmであっ
た。実施例5は25μmの樹脂シートを6周巻き付け
た。よって、樹脂シート層の厚みは150μmであっ
た。
【0026】「比較例」プリプレグの最外層に樹脂シー
トを巻き付けず、プリプレグの最外層に直接樹脂テープ
をスパイラル状に巻き付けた。他の点は実施例1と同一
とした。加熱により硬化した後、樹脂テープを剥がし
た。最外層のプリプレグの表面にはテープ巻付痕が発生
していたため、該テープ巻付痕が無くなるまで最外層の
プリプレグを研磨した。この研磨量は2gであった。
【0027】実施例1〜5及び比較例のシャフトのそれ
ぞれについて、外観、表面研磨量、曲げ剛性、3点曲げ
強度を測定した。その結果を下記の表1に示す。なお、
表面研磨量はテープ痕が無くなるまでの最小研磨量を測
定し、曲げ剛性、3点曲げ強度は以下の方法で測定し
た。
【0028】
【表1】
【0029】「曲げ剛性の測定方法」測定方法は順式と
逆式による測定での曲げ距離の合計を、 研磨前と研磨後
とで比較して測定した。順式では、図4(A)に示すよ
うに、全長1170mmのシャフトのヘッド取付側のチ
ップ先端から953mmおよび1093mmの点を固定
し、129mmの点に2.7kgの荷重を負荷した。逆
式では、図4(B)に示すように、チップ先端から12
mmおよび152mmの点を固定し928mmの点に
1.3kgの荷重を負荷した。上記の条件で荷重負荷前
のシャフトの長軸線位置からの曲がり距離Hを求めた。
【0030】実施例1では、研磨前の順式+逆式におけ
る曲がり距離Lの合計が205mmであったが、研磨後
には208mmであった。これに対して、比較例では、
研磨前が205mmで研磨後は217mmであった。こ
の点より、比較例では実施例1と比較して物性値が変化
していることが確認できた。
【0031】「3点曲げ強度の測定方法」製品安全協会
の『ゴルフクラブ用シャフトの認定基準及び基準確認方
法(CPA0098』の『4.C型シャフトの強度
(1)3点曲げ試験』に準じて行った。 即ち、図5に
示すように、シャフトSを支持具100で所定のスパン
間隔Lで支持し、所定位置に荷重(W)を加えて、シャ
フトSが破壊した時の荷重値を読みとって、これを強度
として上記表1に示した。使用したシャフトの全長は1
170mmであり、荷重点位置はT点(先端から90m
mの位置)、A点(先端から175mmの位置)、B点
(先端から525mmの位置)、C点(グリップエンド
から175mmの位置)とし、スパン間隔Lを200m
mとした。
【0032】表1に示すように、樹脂シート30を巻き
付けて製造した実施例2〜5のシャフトは、外観におい
て樹脂テープのテープ巻付痕が生じていなかった。その
結果、テープ巻付痕を無くすための研磨をする必要はな
かった。実施例1は樹脂シートを1周として厚みが薄い
ため、樹脂テープの巻付痕がシャフの表面に僅かに残存
していたため、僅かな量だけ研磨した。この研磨量は
0.3gであった。
【0033】実施例1〜5を比較すると、実施例2の2
周巻きしたシャフトは実施例3の4周巻き、実施例4の
5周巻きのシャフトと同じ物性であり、実施例2では樹
脂シート量が最も少なくコスト面で有利となる。実施例
1の1周巻きの場合としたシャフトでは段差を取り除く
研磨をするため、実施例2〜4と比較すると若干強度が
低くなる。実施例5の6周巻きでは研磨は必要となって
いるが、研磨量は比較例の1/4程度となり減少するこ
とができる。
【0034】樹脂シートの厚さが25μmと薄いため
樹脂シート30の巻付回数についても2周〜4周が最適
であった。実施例1の1周の場合は、薄いので、上記の
ように、少し段差ができ、5プライ以上になると、巻き
数が多いのでコストが高くなる問題がある。また、実施
例5の6周になると空気が入り。層間のズレが生じやす
くなった。作業手数、コストを含めた総合評価では、4
段階評価(◎、○、△、×)で表1に示す通りとなっ
た。
【0035】上記した結果より、樹脂シートをプリプレ
グの外周面に2〜4周巻き付けることにより、樹脂テー
プ、樹脂シートを取り除いた状態で、プリプレグの最外
層にテープ巻付痕が発生せず、それを除去するための研
磨をする必要がないことが確認できた。
【0036】比較例では樹脂シートを介在させていない
ため、樹脂テープの巻付痕がシャフトの表面に残り、5
〜50μmの段差が生じた。この巻付痕を除去するため
2g研磨した。
【0037】実施例1〜5は、曲げ剛性、3点曲げ強度
の測定結果からも、樹脂シート30を巻き付けて製造し
た実施例の物性値は、樹脂シート30を巻き付けていな
い比較例よりも優れていた。
【0038】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明の製造方法によれば、プリプレグの最外周面とスパイ
ラル状に巻き付ける樹脂テープとの間に樹脂シートを介
在させ、樹脂テープの巻付痕が樹脂テープに付けられて
も、プリプレグより成形される管状体の最外周面には付
けられないようにしているため、成形後に樹脂テープと
共に樹脂シートを除去するだけで、テープ巻付痕がない
外観が優れた管状体が得られる。
【0039】また、テープ巻付痕を除去する研磨が不要
となるため、研磨による管状体の物性の低下、物性の変
化を発生させない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)シャフト製造時の断面図、(B)は
(A)のX−X線断面図、(C)は斜視図でである。
【図2】 プリプレグ、樹脂シート、樹脂テープの展開
図である。
【図3】 プリプレグに樹脂シートを巻き付ける正面図
を示す。
【図4】 (A)(B)は曲げ測定方法を示す図面であ
る。
【図5】 3点曲げ強度試験を示す模式図である。
【図6】 従来例で残るテープ痕の斜視図である。
【図7】 他の従来例の図である。
【符号の説明】
10 マンドレル 20 プリプレグ 30 樹脂シート 40 樹脂テープ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 31:52 B29C 67/14 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚のプリプレグをマンドレルに巻き
    付けて積層した後、厚さ3mm以下で且つ上記最外層の
    プリプレグの樹脂と接着しない樹脂シートで上記プリプ
    レグの外周全体を覆い、該樹脂シートの外周面に樹脂テ
    ープをスパイラル状に巻き付けた後、加熱硬化させ、 上記硬化後に上記樹脂テープを取り除くと共に、上記樹
    脂シートを取り除き、上記プリプレグの最外層面を露出
    させていることを特徴とする管状体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記プリプレグのマトリクス樹脂、樹脂
    シートおよび樹脂テープの樹脂は熱硬化性樹脂とし、か
    つ、 上記樹脂シートの一面に離型剤を塗布して、該離型剤塗
    布面をプリプレグの最外層に当接させて巻き付けて、硬
    化後にプリプレグと樹脂シートとが一体化させないよう
    にしている請求項1に記載の管状体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記管状体はゴルフクラブシャフトから
    なる請求項1または請求項2に記載の管状体の製造方
    法。
JP2001304331A 2001-09-28 2001-09-28 管状体の製造方法 Withdrawn JP2003103645A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111376389A (zh) * 2020-03-20 2020-07-07 中国航发北京航空材料研究院 一种带翻边的筒形复合材料构件成型模具及制备方法

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