JPH0658322A - 繊維強化プラスチック製ロールおよびその製造方法 - Google Patents
繊維強化プラスチック製ロールおよびその製造方法Info
- Publication number
- JPH0658322A JPH0658322A JP21303692A JP21303692A JPH0658322A JP H0658322 A JPH0658322 A JP H0658322A JP 21303692 A JP21303692 A JP 21303692A JP 21303692 A JP21303692 A JP 21303692A JP H0658322 A JPH0658322 A JP H0658322A
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- JP
- Japan
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- resin
- reinforced plastic
- fiber
- coating
- roll
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- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
- Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】軽量で慣性が小さいというFRP製ロールの特
長をもちつつも機械的精度が高く、かつ、耐汚れ性に優
れたFRP製ロールを得る。 【構成】FRP製ロール本体の表面に、エポキシ樹脂ま
たは不飽和ポリエステル樹脂からなる下地層を介して、
エポキシ樹脂または不飽和ポリエステル樹脂と、0.3
〜10重量%の範囲のシリコーン樹脂との混合樹脂から
なる被膜が形成されているFRP製ロール。
長をもちつつも機械的精度が高く、かつ、耐汚れ性に優
れたFRP製ロールを得る。 【構成】FRP製ロール本体の表面に、エポキシ樹脂ま
たは不飽和ポリエステル樹脂からなる下地層を介して、
エポキシ樹脂または不飽和ポリエステル樹脂と、0.3
〜10重量%の範囲のシリコーン樹脂との混合樹脂から
なる被膜が形成されているFRP製ロール。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特に、印刷機用ロー
ルとして好適な繊維強化プラスチック製ロールに関す
る。
ルとして好適な繊維強化プラスチック製ロールに関す
る。
【0002】
【従来の技術】繊維強化プラスチック(FRP)からな
るロールは、軽量で慣性が小さく、取り扱いやすいばか
りか精度の高い速度制御が可能であることから、フィル
ムや布の搬送ロールや、印刷機用ロール等として注目さ
れている。
るロールは、軽量で慣性が小さく、取り扱いやすいばか
りか精度の高い速度制御が可能であることから、フィル
ムや布の搬送ロールや、印刷機用ロール等として注目さ
れている。
【0003】たとえば、特開平2−159409号公報
には、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製のロー
ル本体の表面に、耐熱性や耐汚れ性に優れるフッ素樹脂
の被膜を形成してなるロールが記載されている。しかし
ながら、この従来のロールには、以下において説明する
ような問題がある。
には、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製のロー
ル本体の表面に、耐熱性や耐汚れ性に優れるフッ素樹脂
の被膜を形成してなるロールが記載されている。しかし
ながら、この従来のロールには、以下において説明する
ような問題がある。
【0004】すなわち、フッ素樹脂は、CFRP製の本
体を構成するエポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等
のガラス転移温度にくらべて融点が極めて高い。ガラス
転移温度は、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等
は100〜160℃程度であるが、フッ素樹脂の融点
は、その種類や共重合成分にもよるが270〜340℃
にも達する。そのため、被膜の形成に高温度を必要とす
る。事実、特開平2−159409号発明は、本体にフ
ッ素樹脂を塗布した後、加熱炉中にて270℃もの高温
で90分処理し、焼き付けている。しかるに、このよう
な高温下に、しかも、長時間晒すと、本体の真円度が低
下したり、直線性が低下したりする。すなわち、本体が
変形する。本体が変形すると、もはや高精度なロールは
得られない。機械的精度が低いと、たとえば印刷機用ロ
ールとして使用したとき、振動や、紙の蛇行を引き起こ
したりして印刷精度が大きく低下する。
体を構成するエポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等
のガラス転移温度にくらべて融点が極めて高い。ガラス
転移温度は、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等
は100〜160℃程度であるが、フッ素樹脂の融点
は、その種類や共重合成分にもよるが270〜340℃
にも達する。そのため、被膜の形成に高温度を必要とす
る。事実、特開平2−159409号発明は、本体にフ
ッ素樹脂を塗布した後、加熱炉中にて270℃もの高温
で90分処理し、焼き付けている。しかるに、このよう
な高温下に、しかも、長時間晒すと、本体の真円度が低
下したり、直線性が低下したりする。すなわち、本体が
変形する。本体が変形すると、もはや高精度なロールは
得られない。機械的精度が低いと、たとえば印刷機用ロ
ールとして使用したとき、振動や、紙の蛇行を引き起こ
したりして印刷精度が大きく低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来のロールの上述した問題点を解決し、軽量で慣性が小
さいというFRP製ロールの特長をもちつつも機械的精
度が高く、かつ、耐汚れ性に優れたFRP製ロールを提
供するにある。
来のロールの上述した問題点を解決し、軽量で慣性が小
さいというFRP製ロールの特長をもちつつも機械的精
度が高く、かつ、耐汚れ性に優れたFRP製ロールを提
供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、FRP製ロール本体の表面に、熱硬化
性樹脂、好ましくはエポキシ樹脂または不飽和ポリエス
テル樹脂と、0.3〜10重量%の範囲のシリコーン樹
脂との混合樹脂からなる被膜が形成されていることを特
徴とするFRP製ロールを提供する。ロール本体と被膜
との間に、熱硬化性樹脂、好ましくはエポキシ樹脂また
は不飽和ポリエステル樹脂からなる下地層が形成されて
いてもよい。また、被膜や下地層に帯電防止剤が含まれ
ていてもよい。さらに、被膜と下地層との合計厚みは、
好ましくは0.05〜3mmの範囲にある。
に、この発明は、FRP製ロール本体の表面に、熱硬化
性樹脂、好ましくはエポキシ樹脂または不飽和ポリエス
テル樹脂と、0.3〜10重量%の範囲のシリコーン樹
脂との混合樹脂からなる被膜が形成されていることを特
徴とするFRP製ロールを提供する。ロール本体と被膜
との間に、熱硬化性樹脂、好ましくはエポキシ樹脂また
は不飽和ポリエステル樹脂からなる下地層が形成されて
いてもよい。また、被膜や下地層に帯電防止剤が含まれ
ていてもよい。さらに、被膜と下地層との合計厚みは、
好ましくは0.05〜3mmの範囲にある。
【0007】また、この発明は、FRP製ロール本体の
表面に、被膜を形成する、熱硬化性樹脂、好ましくはエ
ポキシ樹脂または不飽和ポリエステル樹脂と、0.3〜
10重量%の範囲のシリコーン樹脂との混合樹脂を塗布
し、加熱して熱硬化性樹脂を硬化させることを特徴とす
る、FRP製ロールの製造方法を提供する。下地層を形
成するときは、ロール本体の表面に、下地層を形成す
る、熱硬化性樹脂、好ましくはエポキシ樹脂または不飽
和ポリエステル樹脂を塗布し、その上に、被膜を形成す
る、熱硬化性樹脂、好ましくはエポキシ樹脂または不飽
和ポリエステル樹脂と0.3〜10重量%の範囲のシリ
コーン樹脂との混合樹脂を塗布し、加熱して、下地層お
よび被膜を形成する熱硬化性樹脂を同時に硬化させる。
このとき、被膜や下地層を形成する熱硬化性樹脂に帯電
防止剤を含ませてもよい。
表面に、被膜を形成する、熱硬化性樹脂、好ましくはエ
ポキシ樹脂または不飽和ポリエステル樹脂と、0.3〜
10重量%の範囲のシリコーン樹脂との混合樹脂を塗布
し、加熱して熱硬化性樹脂を硬化させることを特徴とす
る、FRP製ロールの製造方法を提供する。下地層を形
成するときは、ロール本体の表面に、下地層を形成す
る、熱硬化性樹脂、好ましくはエポキシ樹脂または不飽
和ポリエステル樹脂を塗布し、その上に、被膜を形成す
る、熱硬化性樹脂、好ましくはエポキシ樹脂または不飽
和ポリエステル樹脂と0.3〜10重量%の範囲のシリ
コーン樹脂との混合樹脂を塗布し、加熱して、下地層お
よび被膜を形成する熱硬化性樹脂を同時に硬化させる。
このとき、被膜や下地層を形成する熱硬化性樹脂に帯電
防止剤を含ませてもよい。
【0008】この発明においては、ロール本体がFRP
で構成されている。FRPを構成する強化繊維は、炭素
繊維が好ましいが、ガラス繊維やアラミド繊維等の他の
高強度、高弾性率繊維の使用も可能であり、これらを併
用することもできる。また、FRPのマトリクスを構成
する樹脂は、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等
の熱硬化性樹脂が好ましい。
で構成されている。FRPを構成する強化繊維は、炭素
繊維が好ましいが、ガラス繊維やアラミド繊維等の他の
高強度、高弾性率繊維の使用も可能であり、これらを併
用することもできる。また、FRPのマトリクスを構成
する樹脂は、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等
の熱硬化性樹脂が好ましい。
【0009】強化繊維は、ロールの用途や、ロール本体
の長さ、直径等にもよるが、長さ方向における強度、剛
性や、耐つぶれ性等を考慮すると、長さ方向に対して±
10〜45゜の範囲で配列したり、長さ方向と周方向の
双方に配列したり、これらの組み合せとして配列するの
が好ましい。
の長さ、直径等にもよるが、長さ方向における強度、剛
性や、耐つぶれ性等を考慮すると、長さ方向に対して±
10〜45゜の範囲で配列したり、長さ方向と周方向の
双方に配列したり、これらの組み合せとして配列するの
が好ましい。
【0010】上述したロール本体には、熱硬化性樹脂、
好ましくはエポキシ樹脂または不飽和ポリエステル樹脂
と、シリコーン樹脂との混合樹脂からなる被膜が形成さ
れている。この被膜の形成は、塗布や浸漬によることが
できる。
好ましくはエポキシ樹脂または不飽和ポリエステル樹脂
と、シリコーン樹脂との混合樹脂からなる被膜が形成さ
れている。この被膜の形成は、塗布や浸漬によることが
できる。
【0011】上記被膜は、ロールに、主として耐汚れ性
を与える。この耐汚れ性は、主としてシリコーン樹脂に
よって与えられるが、そのために、シリコーン樹脂は混
合樹脂中に、0.3〜10重量%、好ましくは0.3〜
5重量%の範囲で含まれている。0.3重量%未満では
十分な耐汚れ性が得られない。また、10重量%を超え
ると、ロール本体との接着性や密着性が低下してくる。
を与える。この耐汚れ性は、主としてシリコーン樹脂に
よって与えられるが、そのために、シリコーン樹脂は混
合樹脂中に、0.3〜10重量%、好ましくは0.3〜
5重量%の範囲で含まれている。0.3重量%未満では
十分な耐汚れ性が得られない。また、10重量%を超え
ると、ロール本体との接着性や密着性が低下してくる。
【0012】被膜は、ロール本体に形成された下地層の
上に施されてもよい。下地層は、やはり塗布や浸漬によ
って、好ましくは、ロール本体との接着性に優れる、本
体を構成しているFRPのマトリクス樹脂と同じ熱硬化
性樹脂で構成される。そうすると、ロール本体と被膜と
の接着性や密着性が向上する。
上に施されてもよい。下地層は、やはり塗布や浸漬によ
って、好ましくは、ロール本体との接着性に優れる、本
体を構成しているFRPのマトリクス樹脂と同じ熱硬化
性樹脂で構成される。そうすると、ロール本体と被膜と
の接着性や密着性が向上する。
【0013】下地層を設ける場合、被膜と下地層との合
計厚みが0.05〜3mmの範囲になるようにするのが好
ましい。0.05mm未満では摩滅を生じやすくなり、3
mmを超えると変形や傷付きを生じやすくなる。
計厚みが0.05〜3mmの範囲になるようにするのが好
ましい。0.05mm未満では摩滅を生じやすくなり、3
mmを超えると変形や傷付きを生じやすくなる。
【0014】また、ロールの用途等によっては、被膜や
下地層にカーボンブラックやアセチレンブラック等の帯
電防止剤を入れておくのも好ましい。
下地層にカーボンブラックやアセチレンブラック等の帯
電防止剤を入れておくのも好ましい。
【0015】下地層を設ける場合にあっては、ロール本
体と下地層、下地層と被膜との接着性や密着性を向上さ
せるために、ロール本体の表面に、まず、下地層を形成
する熱硬化性樹脂を塗布し、その上に、被膜を形成す
る、熱硬化性樹脂と、0.3〜10重量%の範囲のシリ
コーン樹脂との混合樹脂を塗布し、加熱して、下地層お
よび被膜を形成する熱硬化性樹脂を同時に硬化させるよ
うにするのが好ましい。
体と下地層、下地層と被膜との接着性や密着性を向上さ
せるために、ロール本体の表面に、まず、下地層を形成
する熱硬化性樹脂を塗布し、その上に、被膜を形成す
る、熱硬化性樹脂と、0.3〜10重量%の範囲のシリ
コーン樹脂との混合樹脂を塗布し、加熱して、下地層お
よび被膜を形成する熱硬化性樹脂を同時に硬化させるよ
うにするのが好ましい。
【0016】
【実施態様】図1において、FRP製ロール本体1に
は、熱硬化性樹脂からなる下地層2が形成され、その下
地層2の上に、熱硬化性樹脂とシリコーン樹脂との混合
樹脂からなる被膜3が形成されている。被膜3中におけ
るシリコーン樹脂の含有率は、0.3〜10重量%の範
囲にある。また、ロール本体1の各端部には金属製のジ
ャーナル4、4が接合されている。
は、熱硬化性樹脂からなる下地層2が形成され、その下
地層2の上に、熱硬化性樹脂とシリコーン樹脂との混合
樹脂からなる被膜3が形成されている。被膜3中におけ
るシリコーン樹脂の含有率は、0.3〜10重量%の範
囲にある。また、ロール本体1の各端部には金属製のジ
ャーナル4、4が接合されている。
【0017】
実施例1 炭素繊維とエポキシ樹脂との一方向性プリプレグを使用
し、周知のローリングテーブル法によってFRP製本体
を得た。
し、周知のローリングテーブル法によってFRP製本体
を得た。
【0018】すなわち、内径92mm、長さ2,200mm
のマンドレルを使用し、上記プリプレグを、その炭素繊
維の方向がマンドレルの長さ方向に対して0゜になるよ
うに、かつ、厚みが0.8mmになるように巻き付け、そ
の上に、上記プリプレグを、こんどは炭素繊維の方向が
90゜になるように、かつ、厚みが0.2mmになるよう
に巻き付け、かかる操作を4回繰り返し、さらにラッピ
ングテープを巻き付けた後、125℃で180分加熱し
て本体を成形した。この本体は、外径100mm、内径9
2mm、長さ2,000mmで、長さ方向の弾性率は8,5
00kgf /mm2であった。
のマンドレルを使用し、上記プリプレグを、その炭素繊
維の方向がマンドレルの長さ方向に対して0゜になるよ
うに、かつ、厚みが0.8mmになるように巻き付け、そ
の上に、上記プリプレグを、こんどは炭素繊維の方向が
90゜になるように、かつ、厚みが0.2mmになるよう
に巻き付け、かかる操作を4回繰り返し、さらにラッピ
ングテープを巻き付けた後、125℃で180分加熱し
て本体を成形した。この本体は、外径100mm、内径9
2mm、長さ2,000mmで、長さ方向の弾性率は8,5
00kgf /mm2であった。
【0019】このロール本体の各端部に金属製ジャーナ
ルを接合した後、本体の表面を研削盤を使用して0.2
5mmほど研削し、エポキシ樹脂を塗布し、さらにシリコ
ーン樹脂を3重量%含むエポキシ樹脂を塗布し、120
℃で120分加熱して両エポキシ樹脂を硬化させた。
ルを接合した後、本体の表面を研削盤を使用して0.2
5mmほど研削し、エポキシ樹脂を塗布し、さらにシリコ
ーン樹脂を3重量%含むエポキシ樹脂を塗布し、120
℃で120分加熱して両エポキシ樹脂を硬化させた。
【0020】エポキシ樹脂が硬化した後、表面を砥石で
0.1mmほど研削し、さらに800番の砥石で研磨仕上
げして、この発明のロールを得た。
0.1mmほど研削し、さらに800番の砥石で研磨仕上
げして、この発明のロールを得た。
【0021】このロールについて、機械的精度と、表面
の耐汚れ性とを測定した。機械的精度の測定は、動バラ
ンス測定器によった。また、耐汚れ性は、ロールの表面
に印刷インクを塗布し、乾燥させた後、インク層にかみ
そりで20mmほどの間隔の方眼状の切れ目を入れ、セロ
テープを貼り、ゆっくりと剥がして、表面に残存するイ
ンクを目視によって観察することによって行なった。
の耐汚れ性とを測定した。機械的精度の測定は、動バラ
ンス測定器によった。また、耐汚れ性は、ロールの表面
に印刷インクを塗布し、乾燥させた後、インク層にかみ
そりで20mmほどの間隔の方眼状の切れ目を入れ、セロ
テープを貼り、ゆっくりと剥がして、表面に残存するイ
ンクを目視によって観察することによって行なった。
【0022】測定の結果、機械的精度は振れが2/10
0mm以内で、ロールとして全く問題なかった。また、残
存インクは全くなく、優れた耐汚れ性を示した。
0mm以内で、ロールとして全く問題なかった。また、残
存インクは全くなく、優れた耐汚れ性を示した。
【0023】実施例2 成形法としてフィラメントワインディング法を使用し、
また、ロール本体、下地層および被膜におけるエポキシ
樹脂を不飽和ポリエステル樹脂に変えたほかは実施例1
と同様にして、この発明のロールを得た。ただし、炭素
繊維は、内側から順に、長さ方向に対して±85゜
(0.8mm)、±20゜(0.1mm)、±10゜(0.
1mm)とし、かかる操作を4回繰り返した。得られたロ
ール本体の寸法、長さ方向弾性率は、実施例1によるも
のと同じであった。
また、ロール本体、下地層および被膜におけるエポキシ
樹脂を不飽和ポリエステル樹脂に変えたほかは実施例1
と同様にして、この発明のロールを得た。ただし、炭素
繊維は、内側から順に、長さ方向に対して±85゜
(0.8mm)、±20゜(0.1mm)、±10゜(0.
1mm)とし、かかる操作を4回繰り返した。得られたロ
ール本体の寸法、長さ方向弾性率は、実施例1によるも
のと同じであった。
【0024】以下、実施例1と同様にロールを作り、機
械的精度と耐汚れ性とを測定した。その結果、機械的精
度はやはり2/100mm以内で、インクの残存も全く認
められなかった。
械的精度と耐汚れ性とを測定した。その結果、機械的精
度はやはり2/100mm以内で、インクの残存も全く認
められなかった。
【0025】
【発明の効果】この発明のロールは、FRP製ロール本
体の表面に、熱硬化性樹脂、好ましくはエポキシ樹脂ま
たは不飽和ポリエステル樹脂と、0.3〜10重量%の
範囲のシリコーン樹脂との混合樹脂からなる被膜が形成
されているから、実施例にも示したように、高い機械的
精度をもち、また、耐汚れ性に優れている。しかも、F
RP製であるから、軽量で慣性が小さいといったFRP
製ロールの特長はそのまま備えている。
体の表面に、熱硬化性樹脂、好ましくはエポキシ樹脂ま
たは不飽和ポリエステル樹脂と、0.3〜10重量%の
範囲のシリコーン樹脂との混合樹脂からなる被膜が形成
されているから、実施例にも示したように、高い機械的
精度をもち、また、耐汚れ性に優れている。しかも、F
RP製であるから、軽量で慣性が小さいといったFRP
製ロールの特長はそのまま備えている。
【0026】また、ロール本体と被膜との間に、熱硬化
性樹脂、好ましくはエポキシ樹脂または不飽和ポリエス
テル樹脂からなる下地層を形成すると、本体と被膜との
接着性や密着性も向上する。この接着性や密着性は、本
体の表面に、下地層を形成する熱硬化性樹脂を塗布し、
その上に、被膜を形成する、熱硬化性樹脂と、0.3〜
10重量%の範囲のシリコーン樹脂との混合樹脂を塗布
し、加熱して、下地層および被膜を形成する熱硬化性樹
脂を同時に硬化させるようにすると、一層向上する。
性樹脂、好ましくはエポキシ樹脂または不飽和ポリエス
テル樹脂からなる下地層を形成すると、本体と被膜との
接着性や密着性も向上する。この接着性や密着性は、本
体の表面に、下地層を形成する熱硬化性樹脂を塗布し、
その上に、被膜を形成する、熱硬化性樹脂と、0.3〜
10重量%の範囲のシリコーン樹脂との混合樹脂を塗布
し、加熱して、下地層および被膜を形成する熱硬化性樹
脂を同時に硬化させるようにすると、一層向上する。
【0027】さらに、被膜や下地層に帯電防止剤が含ま
れていると、制電性も向上し、合成樹脂フィルムや紙の
搬送等も容易になる。
れていると、制電性も向上し、合成樹脂フィルムや紙の
搬送等も容易になる。
【0028】さらにまた、被膜と下地層との合計厚みを
0.05〜3mmの範囲にすると、表面の摩滅や傷付き、
変形等を抑制することができるようになる。
0.05〜3mmの範囲にすると、表面の摩滅や傷付き、
変形等を抑制することができるようになる。
【図1】この発明の一実施態様に係るロールの概略縦断
面図である。
面図である。
1:FRP製ロール本体 2:下地層 3:被膜 4:金属製ジャーナル
Claims (11)
- 【請求項1】繊維強化プラスチック製ロール本体の表面
に、熱硬化性樹脂と、0.3〜10重量%の範囲のシリ
コーン樹脂との混合樹脂からなる被膜が形成されている
ことを特徴とする繊維強化プラスチック製ロール。 - 【請求項2】ロール本体と被膜との間に、熱硬化性樹脂
からなる下地層が形成されている、請求項1の繊維強化
プラスチック製ロール。 - 【請求項3】被膜に帯電防止剤が含まれている、請求項
1または2の繊維強化プラスチック製ロール。 - 【請求項4】下地層に帯電防止剤が含まれている、請求
項2の繊維強化プラスチック製ロール。 - 【請求項5】被膜と下地層との合計厚みが0.05〜3
mmの範囲にある、請求項2、3または4の繊維強化プラ
スチック製ロール。 - 【請求項6】熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂または不飽和
ポリエステル樹脂である、請求項1、2、3、4または
5の繊維強化プラスチック製ロール。 - 【請求項7】繊維強化プラスチック製ロール本体の表面
に、被膜を形成する、熱硬化性樹脂と、0.3〜10重
量%の範囲のシリコーン樹脂との混合樹脂を塗布し、加
熱して熱硬化性樹脂を硬化させることを特徴とする、繊
維強化プラスチック製ロールの製造方法。 - 【請求項8】被膜を形成する熱硬化性樹脂に帯電防止剤
を含ませる、請求項7の繊維強化プラスチック製ロール
の製造方法。 - 【請求項9】繊維強化プラスチック製ロール本体の表面
に、下地層を形成する熱硬化性樹脂を塗布し、その上
に、被膜を形成する、熱硬化性樹脂と、0.3〜10重
量%の範囲のシリコーン樹脂との混合樹脂を塗布し、加
熱して、下地層および被膜を形成する熱硬化性樹脂を同
時に硬化させることを特徴とする、繊維強化プラスチッ
ク製ロールの製造方法。 - 【請求項10】被膜および/または下地層を形成する熱
硬化性樹脂に帯電防止剤を含ませる、請求項9の繊維強
化プラスチック製ロールの製造方法。 - 【請求項11】熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂または
不飽和ポリエステル樹脂を使用する、請求項7、8、9
または10の繊維強化プラスチック製ロールの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21303692A JPH0658322A (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | 繊維強化プラスチック製ロールおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21303692A JPH0658322A (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | 繊維強化プラスチック製ロールおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0658322A true JPH0658322A (ja) | 1994-03-01 |
Family
ID=16632458
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21303692A Pending JPH0658322A (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | 繊維強化プラスチック製ロールおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0658322A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08245033A (ja) * | 1995-03-16 | 1996-09-24 | Toray Ind Inc | ゴムロール及びその製造方法 |
US5769771A (en) * | 1995-03-27 | 1998-06-23 | Voith Sulzer Finishing Gmbh | Calender roller for the treatment of paper |
WO2000039188A1 (fr) * | 1998-12-25 | 2000-07-06 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Composition de resine epoxyde, preimpregne, et rouleau a base de resine renforcee avec des fibres de renforcement |
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JPH02159409A (ja) * | 1988-12-12 | 1990-06-19 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | ロール |
-
1992
- 1992-08-10 JP JP21303692A patent/JPH0658322A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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