JP2003103556A - 発泡射出成形体 - Google Patents

発泡射出成形体

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JP2003103556A JP2001298136A JP2001298136A JP2003103556A JP 2003103556 A JP2003103556 A JP 2003103556A JP 2001298136 A JP2001298136 A JP 2001298136A JP 2001298136 A JP2001298136 A JP 2001298136A JP 2003103556 A JP2003103556 A JP 2003103556A
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Hirotaka Miyazaki
広隆 宮崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルが微細で物性バランスの良い発泡射出成
形体を得ること 【解決手段】 超臨界状態の二酸化炭素のような不活性
流体を発泡剤として樹脂に含浸させ射出成形して得られ
る発泡射出成形体であって、ガス透過度の高い樹脂
(a)及びガス透過度の低い樹脂(b)からなり、ガス
透過度の高い樹脂(a)のガス透過度(pa)が、ガス
透過度の低い樹脂(b)のガス透過度(pb)の50倍
以上であり、発泡セルが樹脂(b)内に存在し、少なく
とも成形体の一部の肉厚中心付近にアスペクト比が1か
ら2の範囲である発泡セルを持つ発泡射出成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス透過度の高い
樹脂及びガス透過度の低い樹脂からなる樹脂組成物に、
超臨界状態の不活性流体を発泡剤として含浸させ、射出
成形し、発泡させて得られる発泡射出成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡成形方法に関しては、最近、安全
性、環境問題の見地から、発泡剤をフロンガスから二酸
化炭素、窒素等の不活性流体に切り替えた熱可塑性樹脂
の発泡成形方法が提案されている。しかし、これらの不
活性流体は樹脂への溶解性が低いため、発泡体のセル径
が大きく、不均一になりやすく、外観、機械的強度、断
熱性等の点で不十分になりやすい。
【0003】超臨界状態の不活性流体を使用する発泡成
形技術に関しては、以下のようなものが知られている。
米国特許4473665号公報及び同5158986号
公報には、2〜25μmの径を有する微細なセルを均一
に分散させた発泡成形品の押出発泡成形方法が記載され
ている。この技術では、まず、加圧下で、不活性流体を
熱可塑性樹脂製シート中に飽和するまで含浸させる。そ
の後、熱可塑性樹脂のガラス転移温度まで熱してから、
減圧して、樹脂に含浸しているガスを過飽和状態にし
て、セル核を生成し、急冷することによって、セルの成
長を制御する。または、予め、加圧下で不活性流体を飽
和させた熱可塑性樹脂を加熱溶融して加圧下で賦形した
のち、冷却減圧しセル核を生成、冷却してセル径を制御
する方法が開示されている。また、同公報には、射出成
形方法も開示されているが、発泡剤を含浸させた樹脂を
金型に充填した後、金型の壁を移動させてキャビティの
容積を増大させて発泡させるという複雑な構造の金型を
使用している。
【0004】超臨界状態の二酸化炭素を発泡剤として樹
脂に溶解させ、射出して発泡成形体を得る場合に、発泡
成形体に大きな発泡セルが存在すると機械的特性が悪化
してしまうため、発泡セルは出来るだけ均一で、微細に
する必要がある。ガス透過度の高い樹脂のみ使用すると
不活性ガスは含浸し易いが、樹脂内のガスの移動が容易
であるので、気泡が大きく成長してしまい、逆に、ガス
透過度の低い樹脂のみ使用すると樹脂内のガスの移動が
困難であるので、不活性ガスが含浸しにくく、大きな気
泡はできにくいが、発泡倍率が低くなってしまうという
問題がある。
【0005】特開昭60−78715号公報には、海・
島構造を構成して成る樹脂系複合体において、島部が非
晶性熱可塑性樹脂の微細発泡体部分をなし、海部が実質
的に発泡していない結晶性熱可塑性樹脂の薄層連続体部
分からなることを特徴とする複合発泡体が開示されてい
る。しかし、この技術では、ポリエチレンのような海部
が発泡していないし、超臨界二酸化炭素などによる発泡
射出成形も示されていない。特開平11−12381号
公報には、内部層の少なくとも片側に表面層が形成され
た構造を有し、熱可塑性樹脂中に液晶樹脂を混合してな
る発泡体であって、表面層の液晶樹脂含有割合が内部層
の液晶樹脂含有割合よりも高い熱可塑性樹脂系発泡体が
開示されている。しかし、この技術では、殆どの液晶性
樹脂がフィブリル化しており、その結果、気泡もフィブ
リルの配向方向に沿って細長く引き伸ばされ、発泡によ
り配向直角方向の機械的物性がより低下してしまうとい
った問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、セル
が微細で物性バランスの良い発泡射出成形体を得ること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ガス透過度
の大きな樹脂とそれよりもガス透過度のかなり低い樹脂
とを混合して、超臨界状態の不活性流体を発泡剤として
樹脂に溶解させることにより、微細な発泡セルを多く発
生させることができることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0008】すなわち本発明の第1は、超臨界状態の不
活性流体を発泡剤として樹脂に含浸させ射出成形して得
られる発泡射出成形体であって、ガス透過度の高い樹脂
(a)及びガス透過度の低い樹脂(b)からなり、ガス
透過度の高い樹脂(a)のガス透過度(pa)が、ガス
透過度の低い樹脂(b)のガス透過度(pb)の50倍
以上であり、発泡セルが樹脂(b)内に存在し、少なく
とも成形体の一部の肉厚中心付近にアスペクト比が1か
ら2の範囲である発泡セルを持つ発泡射出成形体を提供
する。本発明の第2は、ガス透過度の高い樹脂(a)9
9〜51重量%及びガス透過度の低い樹脂(b)1〜4
9重量%(樹脂(a)と樹脂(b)の合計は100重量
%である)からなる本発明の第1に記載の発泡射出成形
体を提供する。本発明の第3は、海・島構造を形成し、
ガス透過度の高い樹脂(a)が海構造をなし、ガス透過
度の低い樹脂(b)が島構造をなす本発明の第1又は2
に記載の発泡射出成形体を提供する。本発明の第4は、
ガス透過度の低い樹脂(b)が液晶性ポリマーである本
発明の第l〜3のいずれかに記載の発泡射出成形体を提
供する。本発明の第5は、ガス透過度の低い樹脂(b)
の一部(10〜95重量%)がフィブリル化しているこ
とを特徴とする本発明の第1〜4のいずれかに記載の発
泡射出成形体を提供する。本発明の第6は、不活性流体
が二酸化炭素及び/又は窒素ガスである本発明の第1〜
5のいずれかに記載の発泡射出成形体を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】発泡射出成形用ガスバリア性樹脂
組成物 本発明で使用される発泡射出成形用ガスバリア性樹脂組
成物は、超臨界状態の不活性流体を発泡剤として樹脂に
含浸させ射出成形して発泡成形体を得る方法に使用され
る樹脂組成物であって、ガス透過度の高い樹脂(a)及
びガス透過度の低い樹脂(b)からなり、ガス透過度の
高い樹脂(a)のガス透過度(pa)が、ガス透過度の
低い樹脂(b)のガス透過度(pb)の50倍以上、好
ましくは100倍以上である。樹脂(a)のガス透過度
(pa)が、樹脂(b)のガス透過度(pb)の50倍
未満であると、樹脂(a)と樹脂(b)の不活性流体の
含浸量の差が小さいため、樹脂(a)もしくは樹脂
(b)単独で発泡成形することとほぼ同じ結果になり、
目的の効果が得られないという問題がある。
【0010】ガス透過度の高い樹脂(a) ガス透過度の高い樹脂(a)としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリスチレン;軟
質ポリ塩化ビニル;ポリカーボネート(PC)等、及び
これらの混合物が挙げられる。中でも、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリカーボネート等が好ましい。
【0011】ガス透過度の低い樹脂(b) ガス透過度の低い樹脂(b)としては、液晶性ポリマー
(LCP)、エチレン−ビニルアルコール(EVO
H)、硬質ポリ塩化ビニル、6−ナイロン、4,6−ナ
イロン、6,6−ナイロン、6、12−ナイロン、12
−ナイロンなどのポリアミド;ポリイミド等、及びこれ
らの混合物が挙げられる。中でも、液晶性ポリマー、エ
チレン−ビニルアルコール等が好ましい。
【0012】上記液晶性ポリマーとしては、ガス透過度
の低い樹脂であれば、特に限定されるものではないが、
熱可塑性液晶性ポリエステル、熱可塑性ポリエステルア
ミドが好ましく、具体的には、前者の商品名として「ベ
クトラ」(ポリプラスチック社製)、「スミカスーパ
ー」(住友化学工業社製)、「ザイダー」(日本石油化
学社製)、及び「ロッドラン」(ユニチカ社製)などの
市販品を挙げることができる。
【0013】ガス透過度の高い樹脂(a)にガス透過度
の低い樹脂(b)を混入させた樹脂組成物を溶融混練
し、超臨界状態の不活性流体を含浸させると、不活性流
体は選択的に樹脂(a)に溶解する。この状態の樹脂組
成物を金型に注入すると、含浸した不活性流体は減圧に
伴ない気化し、気泡となるが、ガス透過性の低い樹脂
(b)が樹脂(a)内に溶解している不活性流体の移動
を妨げる為、気泡の成長を阻害し、発泡セルは微細化す
る。また、樹脂充填中等に、不活性流体が樹脂表面から
キャビティ内へ逃げ出すことも阻止するため、含浸した
不活性流体が効率良く発泡に使われる為、発泡セルの数
が増加するものと考えられる。
【0014】このため、発泡射出成形体では、ガス透過
度の高い樹脂(a)が海構造をなし、ガス透過度の低い
樹脂(b)が島構造をなすことが好ましい。海島構造を
与えるには、使用する各樹脂の溶解度パラメーターの差
を目安に、組成比、溶融粘度、溶融混練温度、充填剤な
どの分配状態などを考慮して、実際に成形し、顕微鏡写
真などの分析手段により決められる。
【0015】ガス透過度の高い樹脂(a)の海構造中に
島構造を成す液晶性ポリマー等のガス透過度の低い樹脂
(b)は、発泡体の強度及び寸法安定性を高めるため
に、フィブリル化されていてもよい。フィブリル化され
た液晶性ポリマー等のガス透過度の低い樹脂(b)は、
発泡体を補強する効果を有すると考えられる。上記フィ
ブリルは、熱可塑性樹脂中に分散している液晶性ポリマ
ー等のガス透過度の低い樹脂(b)のアスペクト比(長
さ/径)が少なくとも6以上、好ましくは10以上であ
る。またフィブリル径としては、10μm以下、より好
ましくは5μm以下である。また、含まれる液晶性ポリ
マー等のガス透過度の低い樹脂(b)の少なくとも10
重量%以上、好ましくは20重量%以上がフィブリル化
される。なおフィブリル化は、成形体の表面付近におい
て見られることが好ましい。
【0016】また、本発明においては、ガス透過度の高
い樹脂(a)とガス透過度の低い樹脂(b)の互いの相
溶性を向上させるため、樹脂組成物に相溶化剤を添加し
てもよい。このような相溶化剤としては、例えば、熱可
塑性樹脂がオレフィン樹脂の場合、オレフィン成分とス
チレン成分または芳香族ポリエステル成分を共重合した
重合体、マレイン酸成分またはアクリル酸成分を有する
オレフィン樹脂、グリシジルメタクリレート成分を有す
るオレフィン樹脂共重合体等が挙げられる。相溶化剤の
添加部数は、熱可塑性樹脂及び液晶樹脂の組成や配合割
合などにより適宜選択される。
【0017】上記樹脂組成物は、好ましくはガス透過度
の高い樹脂(a)99〜51重量%及びガス透過度の低
い樹脂(b)1〜49重量%(樹脂(a)と樹脂(b)
の合計は100重量%である)、さらに好ましくは樹脂
(a)90〜60重量%及び樹脂(b)10〜40重量
%からなる。樹脂(a)の比率が上記範囲より少なすぎ
ると、ガス透過度の低い樹脂(b)の比率が上がるた
め、樹脂組成物に不活性流体が含浸されにくく、また過
剰に含浸された不活性流体が成形体外へ放出されにく
く、気化した不活性流体により成形体が膨れるという問
題があり、上記範囲より多すぎると、樹脂(a)単独で
成形することと同じになり目的の効果が得られにくいと
いう問題がある。
【0018】本発明は少なくとも肉厚中心付近にアスペ
クト比が1から2の範囲である発泡セルを持つため、流
動直角方向の機械物性低下が少ないという特徴を持つ。
【0019】本発明の発泡射出成形体の全体としての発
泡倍率は、用途などによるが、1.01〜2倍、好まし
くは1.01〜1.5倍である。発泡倍率が上記範囲よ
り高すぎると、発泡セルの径が大きくなりすぎ製品強度
が保てないという問題があり、上記範囲より低すぎると
軽量、寸法精度などのメリットが少なくなる。
【0020】発泡剤 本発明では、発泡剤として不活性流体、例えば二酸化炭
素、窒素及びこれらの混合物を超臨界状態で樹脂に含浸
させて使用する。二酸化炭素では臨界圧力75.3kg
/cm2、臨界温度31.4℃であり、窒素では臨界圧
力33.5kg/cm2、臨界温度−147℃である。
樹脂の種類によっては、二酸化炭素と窒素を併用する方
が、セルを微細化、高セル密度化させやすい。二酸化炭
素/窒素の混合比は容量比で95/5〜5/95まで、
目的に合わせて選択される。
【0021】副発泡剤 また本発明では、発泡を均一にするための副発泡剤とし
て、熱分解により二酸化炭素または窒素を発生する熱分
解型発泡剤を、超臨界状態の発泡剤と併用することも可
能である。熱分解型発泡剤としてはアゾジカルボンアミ
ド、N,N−ジニトロソペンタテトラミン、アゾビスイ
ソブチロニトリル、クエン酸、重曹等が例示される。副
発泡剤の添加量は樹脂100重量部に対して0.001
〜10重量部である。
【0022】整泡剤 本発明では、セル径を微細にするために、各種整泡剤を
樹脂に添加してもよい。整泡剤としては、例えばオルガ
ノポリシロキサンまたは脂肪族カルボン酸およびその誘
導体が挙げられる。オルガノポリシロキサンとしては、
ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、
ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルハイドロジ
ェンシロキサン、これらオルガノポリシロキサンをエポ
キシ基含有化合物、アミノ基含有化合物、エステル結合
含有化合物等によって変性した変性オルガノポリシロキ
サン等が挙げられる。脂肪族カルボン酸およびその誘導
体としては、脂肪族カルボン酸、酸無水物、アルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩、フルオロアルカンエステル
が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、例えばラウ
リン酸、ステアリン酸、クロトン酸、オレイン酸、マレ
イン酸、グルタル酸、モンタン酸等が挙げられ、フルオ
ロアルカンエステル基としては、炭素数3〜30のフル
オロアルカン基を有するフルオロアルカンエステル基が
挙げられ、ステアリン酸、モンタン酸等のフルオロアル
カンエステルが挙げられる。これらは二種以上を混合使
用してもよい。整泡剤の添加量は樹脂100重量部に対
して0.01〜10重量部である。
【0023】発泡核剤 本発明では、発泡核剤として無機微粉末や有機粉末を添
加してもよい。無機微粉末としては、例えばタルク、炭
酸カルシウム、クレー、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、
ガラスビーズ、ガラスパウダー、酸化チタン、カーボン
ブラック、無水シリカ等が挙げられる。発泡核剤の粒径
は100μm以下が、好ましくは10μm以下、特に好
ましくは5μm以下である。発泡核剤の添加量は、樹脂
100重量部に対して0.001〜10重量部である。
【0024】尚、上記樹脂組成物には、本発明の目的を
阻害しない限り、必要に応じて、一般的な添加剤、例え
ば染料、顔料等の着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防
止剤、界面活性剤等の1種または2種以上を配合した
り、又他の熱可塑性樹脂、無機または有機の繊維状、粉
粒状、板状の充填剤を補助的に配合してもよい。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、部は重量部である。使用した原料は下記のものであ
る。 LCP:ポリプラスチックス株式会社製ベクトラA95
0 PC:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製
ユーピロンS3000 HDPE:三井化学製ミラソン401 安定剤:亜リン酸エステル系、ビス(2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−
ジフォスファイト 二酸化炭素透過率は、ASTM D1434−82に準
じて測定された。
【0026】[実施例1]金型としては、厚み2mm、8
0mm角の平板試験片の金型を使用した。PC74.9
部、LCP25部、安定剤0.1部を押出機により押出
し、ペレットを得た。尚、夫々の二酸化炭素透過率を測
定すると、25μmのフィルム状のサンプルで23℃に
おいてPCは34,000ml/m2・day・at
m、LCPは0.4ml/m2・day・atmであっ
た。pa/pb=34000/0.4である。この材料
を用い、シリンダー温度を300℃、金型温度を60℃
に設定し、発泡剤として可塑化ユニットにl0MPa、
40℃の二酸化炭素を注入し、射出成形を行い、発泡成
形体サンプルを得た。得られたサンプルを破断して断面
状態を調べたところ、PCの海構造内でLCPが島構造
をなしていた。表面付近はLCPがフィブリル化してお
り、表面付近のフィブリル間のPC部分にフィブリルに
沿った細長い気泡が発生した。図1にその顕微鏡写真を
示す。中心付近にはPCの海構造内にアスペクト比が1
〜2の島構造のLCP及び気泡が発生した。図2にその
顕微鏡写真を示す。成形体の発泡倍率は1.1倍で、気
泡の最大径は15μmであった。サンプルの中心部を流
動方向と流動直角方向に沿って10mm幅の短冊状に切
り出し、両端の20mmを保持し、40mm長さの部分
の引張強さを測定したところ、流動方向で82MPa
(通常成形体の90%)、流動直角方向で45MPa
(通常成形体の82%)となった。流動直角方向は流動
方向の半分以上の物性を示し、物性のバランスが良く、
通常成形体が使用される用途に十分応用できる発泡成形
体であった。
【0027】[比較例l]PC74.9部、HDPE25
部、安定剤0.1部を押出して得られたペレットを使用
した以外は実施例lと同じ方法、条件で成形体を得た。
尚、HDPEの二酸化炭素透過率を測定すると、25μ
mのフイルム状のサンプルで23℃において21,00
0ml/m2・day・atmであった。pa/pb=
34000/21000である。得られたサンプルを破
断して断面状態を調べたところ、PC内にHDPEが島
状に分布し、PC内やHDPE内にl〜200μm程の
大きさの気泡がまばらに発生した。成形体の発泡倍率は
1.1倍、気泡の最大径は200μmであった。実施例
1と同じくサンプルの中心部を流動方向と流動直角方向
に沿って10mm幅の短冊状に切り出し、両端の20m
mを保持し、40mm長さの部分の引張強さを測定した
ところ、流動方向で20MPa(通常成形体の44
%)、流動直角方向で19MPa(通常成形体の42
%)となった。流動直角方向と流動方向の物性はほぼ同
じであったが、大きな気泡が発生したため、かなり物性
が低下し、通常の成形体が使用される用途には応用でき
ない発泡成形体であった。
【0028】[比較例2]成形体が厚み1mmの80mm
角の平板である以外は実施例1と同じ材料、方法で成形
を行った。得られたサンプルを破断して断面状態を調べ
たところ、PCの海構造内でLCPが島構造をなしてい
た。全体的にLCPがフィブリル化しており、表面から
少し中心部寄り及び中心付近のフィブリル間のPC部分
にフィブリルに沿った細長い気泡が発生した。成形体の
発泡倍率は1.08倍、気泡の最大径は15μmであっ
た。サンプルの中心部を流動方向と流動直角方向に沿っ
て10mm幅の短冊状に切り出し、両端の20mmを保
持し、40mm長さの部分の引張強さを測定したとこ
ろ、流動方向で99MPa(通常成形体の96%)、流
動直角方向で34MPa(通常成形体の68%)となっ
た。流動方向は良好な物性を示したものの、流動直角方
向の物性は流動方向の3分の1程度しかなく、物性のバ
ランスが悪くなり、通常の成形体が使用される用途には
応用できない発泡成形体であった。上記結果を纏めて下
表に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、セルが微細で物性バラ
ンスの良い発泡射出成形体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の成形体の表面付近の顕微鏡写真であ
る。
【図2】実施例1の成形体の中心付近の顕微鏡写真であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超臨界状態の不活性流体を発泡剤として
    樹脂に含浸させ射出成形して得られる発泡射出成形体で
    あって、ガス透過度の高い樹脂(a)及びガス透過度の
    低い樹脂(b)からなり、ガス透過度の高い樹脂(a)
    のガス透過度(pa)が、ガス透過度の低い樹脂(b)
    のガス透過度(pb)の50倍以上であり、発泡セルが
    樹脂(b)内に存在し、少なくとも成形体の一部の肉厚
    中心付近にアスペクト比が1から2の範囲である発泡セ
    ルを持つ発泡射出成形体。
  2. 【請求項2】 ガス透過度の高い樹脂(a)99〜51
    重量%及びガス透過度の低い樹脂(b)1〜49重量%
    (樹脂(a)と樹脂(b)の合計は100重量%であ
    る)からなる請求項1に記載の発泡射出成形体。
  3. 【請求項3】 海・島構造を形成し、ガス透過度の高い
    樹脂(a)が海構造をなし、ガス透過度の低い樹脂
    (b)が島構造をなす請求項1又は2に記載の発泡射出
    成形体。
  4. 【請求項4】 ガス透過度の低い樹脂(b)が液晶性ポ
    リマーである請求項l〜3のいずれかに記載の発泡射出
    成形体。
  5. 【請求項5】 ガス透過度の低い樹脂(b)の一部(1
    0〜95重量%)がフィブリル化していることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の発泡射出成形体。
  6. 【請求項6】 不活性流体が二酸化炭素及び/又は窒素
    ガスである請求項1〜5のいずれかに記載の発泡射出成
    形体。
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