JP2003102784A - 吸湿/吸水発熱性おむつ - Google Patents

吸湿/吸水発熱性おむつ

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JP2003102784A
JP2003102784A JP2001302934A JP2001302934A JP2003102784A JP 2003102784 A JP2003102784 A JP 2003102784A JP 2001302934 A JP2001302934 A JP 2001302934A JP 2001302934 A JP2001302934 A JP 2001302934A JP 2003102784 A JP2003102784 A JP 2003102784A
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moisture
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absorbing
exothermic
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JP2001302934A
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Shinichiro Inatomi
伸一郎 稲富
Seiichi Ochi
清一 越智
Akihisa Nakagawa
明久 中川
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】おむつに優れた吸湿もしくは吸水性を付与し、
吸湿もしくは吸水時の発熱速度、発熱温度、発熱保持性
に優れるおむつを提供する。 【解決手段】高吸湿性微粒子が付着されてなる短繊維不
織布及び/又はスパンボンドを少なくとも一部あるいは
全部に用いたおむつであり、吸湿及び/又は吸水時の最
大温度上昇が3℃以上であることを特徴とする吸湿/吸
水発熱性おむつであり、さらには、吸湿時の発熱が30
分以上、及び/又は吸水時の発熱が1分以上保持される
ことを特徴とする前記の吸湿/吸水発熱性おむつであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、おむつに関し、特
に使用時に発汗などによる不快感を軽減できる吸湿/吸
水発熱性能を有するおむつに関する。
【0002】
【従来の技術】保温性に着目した一般衣料、防寒衣料、
スポーツ衣料や低温倉庫用ユニホームなどが種々実用化
されている。従来の保温性改善手段としては、熱伝導度
の小さい空気層を増やすための中空断面繊維や極細繊維
を活用する方法、体熱を反射するアルミ蒸着、コーティ
ングもしくは金属スパッタリングの活用する方法、金属
酸化物やセラミックス練り込みによる遠赤外線効果を期
待する方法(特開昭63−105107号、特開昭7−
331584号など)、吸湿発熱性繊維を紡績、混繊等
により布帛、中綿に混用する方法(特開平6−2940
06号、特開平8−197661号ほか)やアクリル
酸、メタクリル酸などのビニル系モノマーのグラフト重
合法でカルボン酸末端を繊維表面もしくは内部に導入
し、ナトリウム塩化など金属塩化することで吸湿発熱性
を付与する方法などが種々提案されている。しかしなが
らこれらの方法はいずれも、発熱加温性が不十分であ
り、加えて、かかる吸湿/吸水発熱性を切り口とした効
果的な蓄熱保温性を発現するおむつは提案されていな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、おむつに優
れた吸湿もしくは吸水性を付与し、吸湿もしくは吸水時
の発熱速度、発熱温度、発熱保持性に優れる吸湿/吸水
発熱性おむつを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するための技術構成は次のとおりである。すなわち、 1.高吸湿性微粒子が付着されてなる短繊維不織布及び
/又は長繊維不織布を一部あるいは全部に用いたおむつ
であり、吸湿及び/又は吸水時の最大温度上昇が3℃以
上であることを特徴とする吸湿/吸水発熱性おむつ。
【0005】2.吸湿時の発熱が30分以上、及び/又
は吸水時の発熱が1分以上保持されることを特徴とする
第1に記載の吸湿/吸水発熱性おむつ。
【0006】3.吸水時の最大温度上昇が8℃以上であ
ることを特徴とする第1又は2に記載の吸湿/吸水発熱
性おむつ。
【0007】4.高吸湿性微粒子が有機微粒子であるこ
とを特徴とする第1〜3のいずれかに記載の吸湿/吸水
発熱性おむつ。
【0008】5.高吸湿性有機微粒子がポリスチレン
系、ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル
系、ポリメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系
重合体で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基ある
いは、それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有
し、かつジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネート
またはヒドラジンのいずれかで架橋された架橋重合体で
ある第4に記載の吸湿/吸水発熱性おむつ。
【0009】6.高吸湿性微粒子の平均粒子径が2μm
未満であることを特徴とする第1〜5のいずれかに記載
の吸湿/吸水発熱性おむつ。
【0010】7.高吸湿性微粒子が親水性樹脂を介して
短繊維不織布又は長繊維不織布に固定化されていること
を特徴とする第1〜6のいずれかに記載の吸湿/吸水発
熱性おむつ。
【0011】8.高吸湿性微粒子と親水性樹脂の質量比
が1/1〜19/1であることを特徴とする第1〜7の
いずれかに記載の吸湿/吸水発熱性おむつ。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明におけるおむつとは、短繊維
不織布あるいはスパンボンド等の長繊維不織布の合成繊
維よりなるおむつであり、大人用、ベビー用などがあ
り、パンツタイプやオープンタイプなどがある。
【0013】本発明の吸湿/吸水加工を施す短繊維不織
布及び/又は長繊維不織布は、ポリエステル系、ポリア
ミド系、ポリアクリルニトリル系、ポリエチレン系、ポ
リプロピレン系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリ
テトラメチレンテレフタレート系、ポリウレタン系、ポ
リフェニレンサルファイド系等の合成繊維、レーヨン、
アセテート等の化学繊維、木綿、麻、シルク、ウール、
羽毛などの天然繊維もしくはこれらの混用素材からなる
短繊維不織布及び/又はスパンボンドなどの長繊維不織
布である。
【0014】本発明の高吸湿性微粒子(高吸湿/吸水発
熱性微粒子とも表記する。)とは、吸湿又は吸水時に発
熱性を示す微粒子であれば、特に化学構造的に限定され
るものではない。例えば、吸湿性シリカなどの無機系、
もしくは吸湿性ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエ
ステル系およびポリアクリレート系などの種々の有機系
微粒子の適用が可能であるが、特に、高吸湿/吸水発熱
性有機微粒子が好ましく、例えば、ポリスチレン系、ポ
リアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル系、ポ
リメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系重合体
で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基あるいは、
それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有し、かつ
ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネートまたはヒ
ドラジンのいずれかで架橋された架橋重合体微粒子であ
る。
【0015】高吸湿性微粒子の粒度は、吸湿/吸水発熱
速度/発熱効率、均一付着性、風合い及び耐磨耗性の点
から細かいほど望ましく、平均粒子径2μm未満がより
好ましい。
【0016】本発明の高吸湿性微粒子の付与方法は、繊
維、樹脂層に直接練り込む方法やスパンボンド、不織布
などの表層にバインダー樹脂を介して付着させる方法が
挙げられるが、吸湿/吸水発熱速度/発熱効率の点から
後者のバインダー樹脂を介する付着方法が好ましい。
【0017】バインダー樹脂としては、通常の含浸法、
パディング法、コーティング法、スプレー法に適用でき
るシリコン系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル
系などの樹脂が挙げられ、特に限定されないが、親水
性、透湿性に優れ、高吸湿/吸水発熱性微粒子の吸湿性
を阻害しないものが好ましい。また、これら高吸湿/吸
水発熱性微粒子と親水性樹脂バインダーの系に耐久性向
上のため各種架橋剤を併用しても良い。
【0018】本発明における高吸湿/吸水発熱性微粒子
と親水性樹脂の配合比及びこれらの付着量は、吸湿/吸
水発熱性に大きく影響する。親水性樹脂の親水レベルに
より高吸湿/吸水発熱性微粒子と親水性樹脂の配合比は
多少異なるが、1/1〜19/1の配合使用が望まし
く、特に、親水性樹脂の配合比率の小さいものほど、優
れた吸湿/吸水発熱性を発現させることができる。但
し、親水性樹脂が極端に少ない場合、もしくは併用しな
い場合は構造物表面に付着した高吸湿/吸水発熱性微粒
子の磨耗耐久性が低下し、脱落し易くなる。
【0019】本発明の短繊維不織布及び/又はスパンボ
ンドなどの長繊維不織布からなる吸湿/吸水発熱性構造
体の発熱性は、物質の吸湿もしくは吸水時に産出する吸
着反応熱に基づくもので、構造体に含まれる高吸湿/吸
水性微粒子の吸湿性能力及び又は吸水性能力及び付着量
に依存する。すなわち、高吸湿/吸水性微粒子で、しか
も細かいほど吸着水分による産熱は大きく、発熱速度も
早くなる。もちろん、かかる吸湿/吸水性は構造体基材
単独でも保有するため、より効果的な吸湿/吸水発熱性
を実現させるためには適用吸湿/吸水発熱性微粒子の吸
湿性は25%以上が望ましく、さらに好ましくは40%
以上である。したがって、効果的な吸湿/吸水発熱性を
得るためには、本発明の吸湿/吸水発熱性構造体を出来
るだけ低吸湿率、更に好ましくは完全乾燥(絶乾)状態
に近い状態で保管することが肝要である。逆に、飽和吸
湿率以上に水分を吸着し、発熱が完了した構造体は、放
熱冷却され当初の温度まで低下するが、再度、乾燥して
吸着水を取り除けば、元来の優れた吸湿/吸水発熱性が
再発現する。
【0020】気相状態の吸湿発熱性が適度な速度で発熱
し、比較的長く発熱性を維持するのに対して、液相の吸
水発熱性は急速な発熱性が得られる反面、付着水の量が
多すぎると顕著な発熱効果が得られない場合もあるの
で、付着水量の管理が重要となる。
【0021】本発明によれば、高吸湿/吸水発熱性微粒
子の種類及び付着量を最適化し、適正な親水性樹脂バイ
ンダーを介して付着させた構造体は、吸湿及び又は吸水
時の最大温度上昇が3℃以上、好ましくは4℃以上、よ
り好ましくは4℃以上であり、さらには吸水時の最大温
度上昇が8℃以上であり、しかも吸湿時の発熱が30分
以上、吸水時の発熱が30秒以上、より好ましくは1分
以上保持される優れた吸湿/吸水発熱性が得られる。
【0022】本発明の短繊維不織布及び/又はスパンボ
ンドなど長繊維不織布の繊維構造体は、これらの優れた
高吸湿/吸水発熱性に加えて、抗菌防臭性、制菌性、消
臭性、ノネナール消臭性、pH緩衝性、制電性、SR防
汚性、耐酸性雨性の多機能性を発現させることもでき
る。
【0023】予め高吸湿/吸水発熱性微粒子が固着され
たり、含有することにより、吸湿/吸水発熱性を有する
繊維の場合は、他のバインダー繊維と混合しエアースル
ー、ニードルパンチ、ウォーターパンチなどにより成型
し、紙おむつ用不織布とすることができる。本発明の短
繊維不織布及び/又はスパンボンドなどの長繊維不織布
の繊維構造体は、おむつの肌側あるいはセカンド層など
に用いると効果的な吸湿/吸水による発熱性能が発揮で
きる。
【0024】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は、何らこれらに限定するものではない。以
下で、単に部、%と記載したものは、質量基準を意味す
る。また、本実施例における繊維構造体の測定、評価は
次の方法で行った。
【0025】<絶乾質量>サンプルを110℃×6時間
乾燥後、シリカゲル入りデシケータに入れ、20℃、6
5%RH環境下で調温後、質量測定を行った。 <吸湿性>20℃、65%RH環境下で24時間調温調
湿後の質量測定を行い、下記式から算出した。 吸湿率(%)={(吸湿質量−絶乾質量)/絶乾質量}
×100
【0026】<吸湿発熱性>110℃×6時間乾燥後、
シリカゲル入りデシケーターに入れ、絶乾状態とした5
cm×5cmの測定サンプルに温度センサー(例えば安
立計器(株)製;540K MD−5型)を装着後、2
0℃、95%RH環境下(例えば硫酸カリウム飽和水溶
液入りデシケーター)での吸湿発熱性を温度記録計(例
えば安立計器(株)製;DATA COLLECTOR
AM−7052型)で計測した。 <吸水発熱性>前記絶乾状態の5cm×5cmの測定サ
ンプルに温度センサーを装着後、20℃、65%RH環
境下で、サンプル質量の50%相当量のイオン交換水を
3〜5秒の間に均一に噴霧後、吸水発熱性を温度記録計
にて計測した。最大吸水発熱温度及び吸水前サンプル温
度以上の吸水発熱保持時間(分)で評価した。
【0027】<結露性>10〜15リットルの内体積を
有するデシケーターに5cm×5cmのサンプルを投入
し、ふたを開けた状態で20℃、80%の室内に放置
し、調温・調湿した。24時間後、デシケーターのふた
を閉めて10℃に保たれた環境下に5分以内に移動させ
る。その1時間後にふたを開けサンプルの結露状態を確
認した。
【0028】[実施例1]ポリエチレンテレフタレート
系ポリエステル長繊維不織布(目付け40g/m 2)を
本発明の高吸湿/吸水発熱性有機微粒子加工の基布とし
て用いた。
【0029】次に高吸湿/吸水発熱性有機微粒子の製造
を次の方法で行った。メタクリル酸/p−スチレンスル
ホン酸ソーダ=70/30の水溶性重合体350部及び
硫酸ナトリウム35部を6500部の水に溶解し、櫂型
攪拌機付きの重合槽に仕込んだ。次に、アクリル酸メチ
ル2750部及びジビニルベンゼン330部に2,2'
−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)15
部を溶解して重合槽に仕込み、400rpmの攪拌下、
60℃で2時間重合し、重合率88%の共重合体を得
た。該重合体100部を水900部中に分散し、これに
110部の苛性ソーダを添加し、90℃、2.5時間反
応を行い、アクリル酸メチルのメチルエステル部を加水
分解することによりカルボキシル基4.6ミリ当量/g
を有した架橋重合体を得た。得られた重合体を水中に分
散し、洗浄、脱水後、粉砕、分級し、高吸湿/吸水発熱
性微粒子を得た。得られた高吸湿/吸水発熱性有機微粒
子の20℃、65%RH下での吸湿性は50%、平均粒
子径は0.8μmであった。
【0030】かかる高吸湿/吸水発熱性微粒子20%を
含む水分散体95部に親水性樹脂バインダーとして、T
F−3500(花王社製親水性シリコン系バインダー;
固形分40%)4部およびアクアプレンWS105(明
成化学工業社製親水性ウレタン系バインダー;固形分4
0%)1部を加えた加工パディング液に前記基布を浸漬
し、マングルにて加工液ウエットピックアップ率100
%になるよう絞った後、120℃で乾燥後、180℃で
1分間乾熱セットして繊維構造体を得た。得られた繊維
構造体の吸湿/吸水発熱性の特性を表1に示す。未加工
品に比べ優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得られた。こ
の繊維構造体を肌側のシートとして用いてオープンタイ
プの大人用おむつを得た。このおむつは未加工品の繊維
構造体を配置したおむつに比べ発熱速度、発熱温度、発
熱保持時間の優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得られ、
保温性に優れるものであった。
【0031】[実施例2]実施例2のスパンボンドは、
前記実施例1と同じものを用いた。
【0032】実施例2で用いる高吸湿/吸水発熱性有機
微粒子の製造を次の方法で行った。アクリロニトリル4
50部、アクリル酸メチル40部、p−スチレンスルホ
ン酸ソーダ16部及び水118部をオートクレーブに仕
込み、重合開始剤としてジ−tert−ブチルパーオキ
サイドを単量体全体に対して0.5%添加した後、密閉
し、次いで攪拌下において150℃で20分間重合反応
後、攪拌しながら約90℃まで冷却し、平均粒子径1.
4μm(光散乱光度計測定)の原料微粒子の水分散体を
得た。この水分散体に浴中濃度が35%になるようヒド
ラジンを加え、102℃で2時間架橋処理を行い、続い
て浴中濃度が10%になるよう苛性ソーダを加えて、1
02℃で5時間加水分解処理を行った後、流水中で透
析、脱塩、乾燥、粉砕、分級後、高吸湿/吸水発熱性有
機微粒子を得た。得られた高吸湿/吸水発熱性有機微粒
子の20℃、65%RH下での吸湿性は45%、平均粒
子径は0.9μmであった。
【0033】かかる高吸湿/吸水発熱性微粒子20%を
含む水分散体95部に親水性樹脂バインダーとして、T
F−3500(花王社製親水性シリコン系バインダー;
固形分40%)5部を加えた加工パディング液に前記基
布を浸漬し、マングルにて加工液ウエットピックアップ
率120%になるよう絞った後、120℃で乾燥後、1
70℃で1分間乾熱セットして繊維構造体を得た。得ら
れた繊維構造体の吸湿/吸水発熱性の特性を表1に示
す。未加工品に比べ優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得
られた。この繊維構造体を肌側のシートとして用いたオ
ープンタイプの大人用おむつを得た。このおむつは未加
工品の繊維構造体を配置したおむつに比べ発熱速度、発
熱温度、発熱保持時間の優れた吸湿発熱性/吸水発熱性
が得られ、保温性に優れるものであった。
【0034】[実施例3]2.2デシテックス、繊維長
38mmカットの丸断面ポリエステル短繊維(機械捲縮
糸)と2.2デシテックス、繊維長44mmカットの芯
鞘丸断面短繊維(芯部ポリエステル/鞘部ポリエチレ
ン)を30/70に混綿、カード後、130℃で30秒
熱処理し、不織布(目付け=40g/m2)を得た。
【0035】次いで、実施例1で得られた高吸湿/吸水
発熱性有機微粒子20%を含む水分散体95部に、親水
性バインダーとして、TF−3500(花王社製造親水
性シリコン系バインダー;固形分40%)5部を加えた
加工パディング液に前記不織布を浸漬し、マングルにて
加工液ウエットピックアップ率100%になるよう絞っ
た後、120℃で乾燥後、170℃で1分間乾熱セット
して繊維構造体を得た。得られた繊維構造体の吸湿/吸
水発熱性の特性を表1に示す。未加工品に比べ優れた吸
湿発熱性/吸水発熱性が得られた。この繊維構造体を肌
側の不織布として用いたオープンタイプの大人用おむつ
を得た。このおむつは未加工品の繊維構造体を配置した
おむつに比べ発熱速度、発熱温度、発熱保持時間の優れ
た吸湿発熱性/吸水発熱性が得られ、保温性に優れるも
のであった。
【0036】[比較例1]実施例1に記載のポリエステ
ル長繊維不織布単独での結果を表1に示す。実施例1、
2に比べ吸湿/吸水発熱効果は見られなかった。
【0037】[比較例2]実施例3に記載の短繊維製不
織布単独での結果を表1に示す。実施例3に比べ吸湿/
吸水発熱効果は見られなかった。
【0038】[比較例3]実施例1のスパンボンドを用
い、高吸湿/吸水発熱性微粒子20%を含む水分散体に
前記スパンボンドを浸漬し、マングルにて加工液ウエッ
トピックアップ率100%になるよう絞った後、120
℃で乾燥後、180℃で1分間乾熱セットして繊維構造
体を得た。得られた繊維構造体の吸湿/吸水発熱性の特
性を表1に示す。実施例に比べ吸湿発熱性/吸水発熱性
が劣るものであった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、高吸湿発熱性微粒子を
少量の親水性樹脂を介してスパンボンド、短繊維不織
布、短繊維に付着させることで、人体もしくは人工的な
湿気(水蒸気)や水分(液体)を吸収して迅速かつ安定
に発熱するので、おむつに好適な吸湿/吸水発熱性繊維
構造体を簡便に、かつ安定に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 13/53 D06M 15/643 D06M 15/233 23/08 15/263 A41B 13/02 B 15/643 E 23/08 Fターム(参考) 3B029 BA04 BA11 BB06 4C098 AA09 CC02 DD05 DD10 DD21 DD27 4C099 AA01 CA11 EA09 GA30 JA03 NA20 PA01 4L031 AA02 AA04 AA05 AA14 AA17 AA18 AA20 AA22 AB34 BA33 DA21 4L033 AA02 AA03 AA05 AA07 AA08 AB07 AC07 AC15 CA13 CA18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高吸湿性微粒子が付着されてなる短繊維
    不織布及び/又は長繊維不織布を少なくとも一部あるい
    は全部に用いたおむつであり、吸湿及び/又は吸水時の
    最大温度上昇が3℃以上であることを特徴とする吸湿/
    吸水発熱性おむつ。
  2. 【請求項2】 吸湿時の発熱が30分以上、及び/又は
    吸水時の発熱が1分以上保持されることを特徴とする請
    求項1に記載の吸湿/吸水発熱性おむつ。
  3. 【請求項3】 吸水時の最大温度上昇が8℃以上である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の吸湿/吸水発
    熱性おむつ。
  4. 【請求項4】 高吸湿性微粒子が有機微粒子であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸湿/吸
    水発熱性おむつ。
  5. 【請求項5】 高吸湿性有機微粒子がポリスチレン系、
    ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル系、
    ポリメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系重合
    体で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基あるい
    は、それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有し、
    かつジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネートまた
    はヒドラジンのいずれかで架橋された架橋重合体である
    請求項4に記載の吸湿/吸水発熱性おむつ。
  6. 【請求項6】 高吸湿性微粒子の平均粒子径が2μm未
    満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の吸湿/吸水発熱性おむつ。
  7. 【請求項7】 高吸湿性微粒子が親水性樹脂を介して不
    織布あるいはスパンボンドに固定化されていることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の吸湿/吸水発
    熱性おむつ。
  8. 【請求項8】 高吸湿性微粒子と親水性樹脂の質量比が
    1/1〜19/1であることを特徴とする請求項1〜7
    のいずれかに記載の吸湿/吸水発熱性おむつ。
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