JP2003093529A - 吸湿/吸水発熱性マスク - Google Patents

吸湿/吸水発熱性マスク

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JP2003093529A
JP2003093529A JP2001294519A JP2001294519A JP2003093529A JP 2003093529 A JP2003093529 A JP 2003093529A JP 2001294519 A JP2001294519 A JP 2001294519A JP 2001294519 A JP2001294519 A JP 2001294519A JP 2003093529 A JP2003093529 A JP 2003093529A
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absorbing
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Yasuichi Watanabe
康市 渡辺
Seiichi Ochi
清一 越智
Akihisa Nakagawa
明久 中川
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な加工で製造でき、日常的に抵抗なく使用
でき、十分な発熱加温性を有する防寒保温マスクを提供
するものである。 【解決手段】高吸湿性微粒子が付着されてなる構造体を
一部または全体に配置するマスクであり、前記構造体の
吸湿及び/又は吸水時の最大温度上昇が3℃以上である
ことを特徴とする吸湿/吸水発熱性マスクであり、さら
に、前記高吸湿性微粒子が付着されてなる構造体の吸湿
時の発熱が30分以上、及び/又は吸水時の発熱が1分
以上保持されることを特徴とする吸湿/吸水発熱性マス
クである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、吸湿/吸水発熱性
を付与することにより、保温性を向上させた防寒マスク
に関する。十分な保温により風邪予防などの医療効果も
得ることができる。
【0002】
【従来の技術】保温性に着目した防寒具が種々提案され
ている。従来の保温性改善手段としては、熱伝導度の小
さい空気層を増やすための中空断面繊維や極細繊維を活
用する方法、体熱を反射するアルミ蒸着、コーティング
もしくは金属スパッタリングの活用する方法、金属酸化
物やセラミックス練り込みによる遠赤外線効果を期待す
る方法(特開昭63−105107号、特開昭7−33
1584号など)、吸湿発熱性繊維を紡績、混繊等によ
り布帛、中綿に混用する方法(特開平6−294006
号、特開平8−197661号ほか)やアクリル酸、メ
タクリル酸などのビニル系モノマーのグラフト重合法で
カルボン酸末端を繊維表面もしくは内部に導入し、ナト
リウム塩化など金属塩化することで吸湿発熱性を付与す
る方法などが種々提案されている。しかしながらこれら
の方法はいずれも、発熱加温性(発熱速度、発熱温度、
発熱保持時間)が不十分であり、保温性において不十分
であった。またカイロを取り付けたマスクが提案されて
いるが、発熱加温性は十分であるが、重い、あるいは、
顔面にフィットしない、などの問題があり、日常的に抵
抗なく使用できるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、日常的に抵
抗なく使用でき、十分な発熱加温性を有する防寒保温マ
スクを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するための技術構成は次のとおりである。すなわち、 1.高吸湿性微粒子が付着されてなる構造体を一部また
は全体に配置するマスクであり、前記構造体の吸湿及び
/又は吸水時の最大温度上昇が3℃以上であることを特
徴とする吸湿/吸水発熱性マスク。
【0005】2.高吸湿性微粒子が付着されてなる構造
体の吸湿時の発熱が30分以上、及び/又は吸水時の発
熱が1分以上保持されることを特徴とする第1に記載の
吸湿/吸水発熱性マスク。
【0006】3.高吸湿性微粒子が付着されてなる構造
体の吸水時の最大温度上昇が8℃以上であることを特徴
とする第1又は2に記載の吸湿/吸水発熱性マスク。
【0007】4.高吸湿性微粒子が有機微粒子であるこ
とを特徴とする第1〜3のいずれかに記載の吸湿/吸水
発熱性マスク。
【0008】5.高吸湿性有機微粒子がポリスチレン
系、ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル
系、ポリメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系
重合体で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基ある
いは、それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有
し、かつジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネート
またはヒドラジンのいずれかで架橋された架橋重合体で
ある第4に記載の吸湿/吸水発熱性マスク。
【0009】6.高吸湿性微粒子の平均粒子径が2μm
未満であることを特徴とする第1〜5のいずれかに記載
の吸湿/吸水発熱性マスク。
【0010】7.高吸湿性微粒子が親水性樹脂を介して
構造体に固定化されていることを特徴とする第1〜6の
いずれかに記載の吸湿/吸水発熱性マスク。
【0011】8.高吸湿性微粒子と親水性樹脂の質量比
が1/1〜19/1であることを特徴とする第1〜7の
いずれかに記載の吸湿/吸水発熱性マスク。
【0012】9.構造体が天然繊維、化合繊もしくはこ
れらの混用繊維で構成される編物、織物、不織布、フリ
ースまたはフィルムまたは樹脂成形体であることを特徴
とする第1〜8のいずれかに記載の吸湿/吸水発熱性マ
スク。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明のマスクは高吸湿性微粒子が
付着されてなる構造体をマスクの一部あるいは全体に配
置するものある。通常、マスクは鼻、口の部分を覆う布
帛状本体と、これを顔に固定するための両耳にかけるゴ
ム輪からなっている。また前記布帛状本体と顔面との間
に交換可能な布帛状物を置くものもある。本発明は、例
えば、本体自身を高吸湿性微粒子が付着されてなる構造
体としたり、あるいは、本体の一部として前記構造体を
配置したり、あるいは、交換可能な布帛状物を前記構造
体として配置したり、必要とする保温性、風合いなどの
ほかの特性を考慮して、前記構造体を配置する。以下、
本発明の吸湿/吸水発熱性マスクに配置する高吸湿性微
粒子が付着されてなる構造体について詳しく説明する。
本発明に用いる構造体とは、ポリエステル系、ポリアミ
ド系、ポリアクリルニトリル系、ポリエチレン系、ポリ
プロピレン系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリテ
トラメチレンテレフタレート系、ポリウレタン系、ポリ
フェニレンサルファイド系等の合成繊維、レーヨン、ア
セテート等の化学繊維、木綿、麻、シルク、ウール、羽
毛などの天然繊維もしくはこれらの混用素材からなる編
物、織物、不織布、フリース、紐状体またはフィルムま
たは樹脂成形体などで構成される構造体である。
【0014】本発明の高吸湿/吸水発熱性微粒子とは、
吸湿又は吸水時に発熱性を示す微粒子であれば、特に化
学構造的に限定されるものではない。例えば、吸湿性シ
リカなどの無機系、もしくは吸湿性ポリウレタン系、ポ
リアミド系、ポリエステル系およびポリアクリレート系
などの種々の有機系微粒子の適用が可能であるが、特
に、高吸湿/吸水発熱性有機微粒子が好ましく、例え
ば、ポリスチレン系、ポリアクリロニトリル系、ポリア
クリル酸エステル系、ポリメタクリル酸エステル系のい
ずれかのビニル系重合体で、スルホン酸基、カルボン酸
基、リン酸基あるいは、それらの金属塩の少なくとも1
種の親水基を有し、かつジビニルベンゼン、トリアリル
イソシアネートまたはヒドラジンのいずれかで架橋され
た架橋重合体微粒子である。
【0015】高吸湿性微粒子の粒度は、吸湿/吸水発熱
速度/発熱効率、均一付着性、風合い及び耐磨耗性の点
から細かいほど望ましく、平均粒子径2μm未満がより
好ましい。
【0016】本発明の高吸湿/吸水発熱性微粒子の付与
方法は、繊維、フィルムもしくは樹脂層に直接練り込む
方法や編物、織物、不織布、フリース、紐状物、フィル
ム及び樹脂成形品などの表層にバインダー樹脂を介して
付着させる方法が挙げられるが、吸湿/吸水発熱速度/
発熱効率の点から後者のバインダー樹脂を介する付着方
法が好ましい。
【0017】バインダー樹脂としては、通常の含浸法、
パディング法、コーティング法、スプレー法に適用でき
るシリコン系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル
系、ポリアミド系、ポリエチレンオキサイド系などの樹
脂が挙げられ、特に限定されないが、親水性、すなわ
ち、吸湿性、吸水性、透湿性に優れ、高吸湿/吸水発熱
性微粒子の優れた吸湿性、吸水性を阻害せず、しかも高
吸湿/吸水発熱性微粒子と構造体を効果的に接着固定化
できるバインダー機能に優れるタイプが望ましい。特に
好ましい親水性樹脂バインダーとしては、親水性セグメ
ントとして、ポリアルキレンオキサイド付加型、スルホ
ン酸塩、カルボン酸塩等の極性親水基型、アミド変成型
などを導入した親水性シリコーン系樹脂、親水性ウレタ
ン系樹脂、親水性ポリアミド系樹脂、親水性ポリエチレ
ンオキサイド系樹脂で、樹脂自身の吸湿性、透湿性が高
く、吸水性を阻害しないものがあげられる。ここで言う
樹脂の透湿性とは無孔膜状態での透湿性を意味する。微
多孔膜で発現する透湿性が高い樹脂でも、樹脂自身の吸
湿性、吸水性が低いバインダー樹脂では、高吸湿/吸水
発熱性微粒子の優れた吸湿発熱もしくは吸水発熱性をマ
スキングし、低下させる。また、これら高吸湿/吸水発
熱性微粒子と親水性樹脂バインダーの系に耐久性向上の
ために、イソシアネート系、メチロール系、エチレンイ
ミン系、多官能アジリジニル系、金属塩系など各種架橋
剤を、併用微粒子本来の吸湿/吸水性を低下させない範
囲で併用しても良い。
【0018】本発明における高吸湿/吸水発熱性微粒子
と親水性樹脂の配合比及びこれらの付着量は、吸湿/吸
水発熱性に大きく影響する。親水性樹脂の親水レベルに
より高吸湿/吸水発熱性微粒子と親水性樹脂の配合比は
多少異なるが、通常1/1〜19/1の配合使用が望ま
しく、好ましくは、10/1〜19/1の配合比が、さ
らに好ましくは、15/1〜19/1の配合比などの、
特に親水性樹脂の配合比率の小さいものほど、優れた吸
湿/吸水発熱性を発現させることができる。但し、親水
性樹脂が極端に少ない場合、もしくは併用しない場合は
構造物表面に付着した高吸湿/吸水発熱性微粒子の磨耗
耐久性が低下し、脱落し易くなる。逆に、親水性樹脂の
配合比が多い場合は、親水性樹脂といえども、高吸湿/
吸水発熱性微粒子本来の保有する吸湿/吸水性を阻害す
るケースが多いため、マスキング効果により吸湿/吸水
発熱速度及び発熱量が極端に低下する。もちろん、親水
性樹脂の吸湿/吸水性が高吸湿/吸水発熱性微粒子と同
等以上の場合は、親水性樹脂の配合比を増加することが
できる。
【0019】本発明の吸湿/吸水発熱性構造体の発熱性
は、物質の吸湿もしくは吸水時に産出する吸着反応熱に
基づくもので、構造体に含まれる高吸湿/吸水性微粒子
及び併用親水性樹脂バインダーの吸湿性能力及び又は吸
水性能力及び付着量に依存する。すなわち、高吸湿/吸
水性微粒子で、しかも細かいほど、吸湿もしくは吸水レ
ベルの高い親水性樹脂バインダーほど、吸着水分による
産熱は大きく、発熱速度も早く、発熱保持時間も長くな
る。もちろん、かかる吸湿/吸水性は構造体基材単独で
も保有するため、より効果的な吸湿/吸水発熱性を実現
させるためには適用吸湿/吸水発熱性微粒子の吸湿率
(20℃、65%RH)は25%以上が望ましく、さら
に好ましくは40%以上である。また、併用親水性樹脂
はかかる吸湿/吸水発熱性微粒子の吸湿性/吸水性をで
きるだけ阻害しない少なくとも吸湿率(20℃、65%
RH)3〜50%のものが好ましい。すなわち、効果的
な吸湿/吸水発熱性を得るためには、本発明の高度な吸
湿/吸水発熱性を保有する構造体を出来るだけ低吸湿
率、更に好ましくは完全乾燥(絶乾)状態に近い状態で
保管することが肝要である。逆に、飽和吸湿率以上に水
分を吸着し、発熱が完了した構造体は、放熱冷却され当
初の温度まで低下するが、再度、乾燥して吸着水を取り
除けば、元来の優れた吸湿/吸水発熱性が再発現する。
【0020】気相状態の吸湿発熱性が適度な速度で発熱
し、比較的長く発熱性を維持するのに対して、液相の吸
水発熱性は急速な発熱性が得られる反面、付着水の量が
多すぎると顕著な発熱効果が得られない場合もあるの
で、付着水量の管理が重要となる。特に、緊急時など急
速に加温したい場合は、本発明の吸水発熱機能が有効で
あり、発熱保持時間の長い吸湿発熱機能と組合せれば更
に高度の吸湿/吸水発熱性構造体の商品設計が可能とな
る。
【0021】本発明によれば、高吸湿/吸水発熱性微粒
子の種類及び付着量を最適化し、適正な親水性樹脂バイ
ンダーを介して付着させた構造体は、吸湿及び又は吸水
時の最大温度上昇が3℃以上であり、好ましく4℃以
上、より好ましくは5℃以上である。あるいは吸水時の
最大温度上昇が8℃以上であり、しかも吸湿時の発熱保
持時間が30分以上、吸水時の発熱保持時間が30秒以
上、より好ましくは1分以上保持される等、吸湿/吸水
発熱速度、発熱量、発熱保持時間の総合発熱性能面で、
従来にない優れた吸湿/吸水発熱性が得られる。
【0022】本発明の構造体は、これらの優れた高吸湿
/吸水発熱性に加えて、抗菌防臭性、制菌性、消臭性、
ノネナール消臭性、pH緩衝性、制電性、SR防汚性、
耐酸性雨性の多機能性を発現させることもできる。
【0023】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は、何らこれらに限定するものではない。以
下で、単に部、%と記載したものは、質量基準を意味す
る。また、本実施例における構造体の測定、評価は次の
方法で行った。
【0024】<絶乾質量>サンプルを110℃×6時間
乾燥後、シリカゲル入りデシケータに入れ、20℃、6
5%RH環境下で調温後、質量測定を行った。 <吸湿性>20℃、65%RH環境下で24時間調温調
湿後の質量測定を行い、下記式から算出した。 吸湿率(%)={(吸湿質量−絶乾質量)/絶乾質量}
×100
【0025】<吸湿発熱性>110℃×6時間乾燥後、
シリカゲル入りデシケータに入れ、絶乾状態とした5c
m×5cmの測定サンプルに温度センサー(例えば安立
計器(株)製;540K MD−5型)を装着後、20
℃、95%RH環境下(例えば硫酸カリウム飽和水溶液
入りデシケータ)での吸湿発熱性を温度記録計(例えば
安立計器(株)製;DATA COLLECTOR A
M−7052型)で計測した。 <吸水発熱性>前記絶乾状態の5cm×5cmの測定サ
ンプルに温度センサーを装着後、20℃、65%RH環
境下で、サンプル質量の50%相当量のイオン交換水を
3〜5秒の間に均一に噴霧後、吸水発熱性を温度記録計
にて計測した。最大吸水発熱温度及び吸水前サンプル温
度以上の吸水発熱保持時間(分)で評価した。
【0026】<抗菌性>繊維製品の定量的抗菌試験方法
(統一試験方法)マニュアルに定める方法を用いた。
試験菌種としては、黄色ぶどう球菌 Staph−yl
ococcusaureus ATCC 6538Pを
用い、無加工布(標準綿布)菌数[B]、評価サンプル
菌数[C]より次の方法で求めた。 静菌活性値=logB−logC 本静菌活性値が2.2以上の製品を抗菌性ありとした。
【0027】[実施例1]ポリエチレンテレフタレート
系ポリエステル長繊維加工糸(165dtex/48
f)からなるダブルニット(目付=200g/m2)を
通常リラックス精練、分散染色、乾燥後、本発明の高吸
湿/吸水発熱性構造体の基布として用いた。
【0028】次に高吸湿/吸水発熱性有機微粒子の製造
を次の方法で行った。メタクリル酸/p−スチレンスル
ホン酸ソーダ=70/30の水溶性重合体350部及び
硫酸ナトリウム35部を6500部の水に溶解し、櫂型
攪拌機付きの重合槽に仕込んだ。次に、アクリル酸メチ
ル2750部及びジビニルベンゼン330部に2,2'
−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)15
部を溶解して重合槽に仕込み、400rpmの攪拌下、
60℃で2時間重合し、重合率88%の共重合体を得
た。該重合体100部を水900部中に分散し、これに
110部の苛性ソーダを添加し、90℃、2.5時間反
応を行い、アクリル酸メチルのメチルエステル部を加水
分解することによりカルボキシル基4.6ミリ当量/g
を有した架橋重合体を得た。得られた重合体を水中に分
散し、洗浄、脱水後、粉砕、分級もしくはろ過し、高吸
湿/吸水発熱性微粒子を得た。得られた高吸湿/吸水発
熱性有機微粒子の20℃、65%RH下での吸湿率は5
0%、平均粒子径は0.8μmであった。
【0029】かかる高吸湿/吸水発熱性微粒子20%を
含む水分散体95部に親水性樹脂バインダーとして、T
F−3500(花王社製親水性シリコン系バインダー;
固形分40%)4部およびアクアプレンWS105(明
成化学工業社製親水性ウレタン系バインダー;固形分4
0%)1部を加えた加工パディング液に基布を浸漬し、
マングルにて加工液ウエットピックアップ率100%に
なるよう絞った後、120℃で乾燥後、180℃で1分
間乾熱セットして構造体を得た。得られた構造体の吸湿
/吸水発熱性の特性を表1に示す。未加工品の構造体に
比べ発熱速度、発熱温度、発熱保持時間の優れた吸湿発
熱性/吸水発熱性が得られた。この構造体をマスク本体
として配置しマスクを得た。このマスクは未加工品の構
造体をマスク本体として配置したマスクに比べ発熱速
度、発熱温度、発熱保持時間の優れた吸湿発熱性/吸水
発熱性が得られ、保温性に優れるものであり、かつ抗菌
性も認められるものであった。
【0030】[実施例2]実施例2で用いる基布は、前
記実施例1と同じものを用いた。
【0031】実施例2で用いる高吸湿/吸水発熱性有機
微粒子の製造を次の方法で行った。アクリロニトリル4
50部、アクリル酸メチル40部、p−スチレンスルホ
ン酸ソーダ16部及び水1180部をオートクレーブに
仕込み、重合開始剤としてジ−tert−ブチルパーオ
キサイドを単量体全体に対して0.5%添加した後、密
閉し、次いで攪拌下において150℃で20分間重合反
応後、攪拌しながら約90℃まで冷却し、平均粒子径
1.4μm(光散乱光度計測定)の原料微粒子の水分散
体を得た。この水分散体に浴中濃度が35%になるよう
ヒドラジンを加え、102℃で2時間架橋処理を行い、
続いて浴中濃度が10%になるよう苛性ソーダを加え
て、102℃で5時間加水分解処理を行った後、pH調
整、分級もしくはろ過後、高吸湿/吸水発熱性有機微粒
子分散体を得た。得られた高吸湿/吸水発熱性有機微粒
子の20℃、65%RH下での吸湿性は51%、平均粒
子径は0.5μmであった。
【0032】かかる高吸湿/吸水発熱性微粒子20%を
含む水分散体95部に親水性樹脂バインダーとして、T
F−3500(花王社製アルキレングリコール変成親水
性シリコン系バインダー;固形分40%)5部を加えた
加工パディング液に基布を浸漬し、マングルにて加工液
ウエットピックアップ率120%になるよう絞った後、
120℃で乾燥後、170℃で1分間乾熱セットして構
造体を得た。得られた構造体の吸湿/吸水発熱性の特性
を表1に示す。未加工品の構造体に比べ発熱速度、発熱
温度/発熱保持時間の優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が
得られた。この構造体をマスク本体として配置しマスク
を得た。このマスクは未加工品の構造体をマスク本体と
して配置したマスクに比べ発熱速度、発熱温度/発熱保
持時間の優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得られ、保温
性に優れるものであり、かつ抗菌性も認められるもので
あった。
【0033】[実施例3]2.8デシテックス、繊維長
38mmカットの中空ポリエステル短繊維(機械捲縮
糸)を開繊、カード後、通常のニードルパンチ不織布
(目付け=100g/m2)を得た。
【0034】次いで、実施例1で得られた高吸湿/吸水
発熱性有機微粒子20%を含む水分散体95部に、親水
性バインダーとして、TF−3500(花王社製アルキ
レングリコール変成親水性シリコン系バインダー;固形
分40%)5部を加えた加工パディング液に基布を浸漬
し、マングルにて加工液ウエットピックアップ率100
%になるよう絞った後、120℃で乾燥後、170℃で
1分間乾熱セットして構造体を得た。得られた構造体の
吸湿/吸水発熱性の特性を表1に示す。未加工品の構造
体に比べ発熱速度、発熱温度/時間の優れた吸湿発熱性
/吸水発熱性が得られた。この構造体をマスク本体とし
て配置しマスクを得た。このマスクは未加工品の構造体
をマスク本体として配置したマスクに比べ発熱速度、発
熱温度/時間の優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得ら
れ、保温性に優れるものであり、かつ抗菌性も認められ
るものであった。
【0035】[実施例4]10番手綿紡績糸100%か
らなるパイル織物を通常のり抜き精練、過酸化水素漂
白、シルケット加工後、反応染料により染色、洗浄、乾
燥セットした織物を構造体基布として用いた。
【0036】次いで、実施例1で得られた高吸湿/吸水
発熱性有機微粒子20%を含む水分散体90部に、親水
性バインダーとして、TF−3500(花王社製アルキ
レングリコール変成親水性シリコン系バインダー;固形
分40%)3.5部および繊維素反応型グリオキザール
系樹脂(ジメチロールヒドロキシエチレン尿素;固形分
80%)6部、塩化マグネシウム系酸性触媒0.5部を
加えた加工パディング液に基布を浸漬し、マングルにて
加工液ピックアップ率100%になるよう絞った後、1
20℃で乾燥後、170℃で1分間乾熱セットして構造
体を得た。得られた構造体の吸湿/吸水発熱性の特性を
表1に示す。未加工品の構造体に比べ発熱速度、発熱温
度、発熱保持時間のいずれも優れた吸湿発熱性/吸水発
熱性が得られた。この構造体をマスク本体として配置し
マスクを得た。このマスクは未加工品の構造体をマスク
本体として配置したマスクに比べ発熱速度、発熱温度/
時間の優れた吸湿発熱性/吸水発熱性が得られ、保温性
に優れるものであり、かつ抗菌性も認められるものであ
った。
【0037】[比較例1]実施例1に記載のポリエステ
ル長繊維加工糸使いダブルニット単独の構造体での結果
を表1に示す。この構造体は実施例1、2の構造体に比
べ吸湿/吸水発熱効果は見られなかった。この構造体を
マスク本体として配置しマスクを得た。このマスクは実
施例1、2に比べ吸湿/吸水発熱効果は見られなく、保
温性に劣るものであり、かつ抗菌性も認められないもの
であった。
【0038】[比較例2]実施例3に記載の中空ポリエ
ステル短繊維製ニードルパンチ不織布単独の構造体での
結果を表1に示す。この構造体は実施例3の構造体に比
べ吸湿/吸水発熱効果は見られなかった。この構造体を
マスク本体として配置しマスクを得た。このマスクは実
施例3に比べ吸湿/吸水発熱効果は見られなく、保温性
に劣るものであり、かつ抗菌性も認められないものであ
った。
【0039】[比較例3]実施例4に記載の綿紡績糸1
00%パイル織物単独の構造体での結果を表1に示す。
この構造体は多少の吸湿/吸水発熱性が見られるものの
実施例4の構造体に比べ劣るものであった。この構造体
をマスク本体として配置しマスクを得た。このマスクは
多少の吸湿/吸水発熱性が見られるものの実施例4に比
べ劣るものであり、保温性に劣るものであり、かつ抗菌
性も認められないものであった。
【0040】[比較例4]実施例1のポリエステル・ダ
ブルニットを用い、高吸湿/吸水発熱性微粒子20%を
含む水分散体95部にアミノ変成シリコン樹脂バインダ
ー(固形分40%)5部を加えた加工液に基布を浸漬
し、マングルにて加工液ウエットピックアップ率100
%になるよう絞った後、120℃で乾燥後、180℃で
1分間乾熱セットして構造体を得た。得られた構造体の
吸湿/吸水発熱性の特性を表1に示す。この構造体は実
施例の構造体に比べ吸湿発熱性/吸水発熱性が劣るもの
であった。この構造体をマスク本体として配置しマスク
を得た。このマスクは実施例に比べ吸湿/吸水発熱効果
が劣るものであり、保温性に劣るものであった。
【0041】[比較例5]実施例1のポリエステル・ダ
ブルニットを用い、高吸湿/吸水発熱性微粒子20%を
含む水分散体60部に自己架橋型アクリル樹脂(固形分
30%、透湿度60g/m2・hr)38部、無機金属系
触媒2部を加えた加工液を加工液ウエットピックアップ
率100%になるよう付与した後、120℃で乾燥後、
180℃で1分間乾熱セットして構造体を得た。得られ
た構造体の吸湿/吸水発熱性の特性を表1に示す。この
構造体は実施例の構造体に比べ樹脂バインダーのマスキ
ング効果により、極端に吸湿発熱性/吸水発熱性が劣る
ものであった。この構造体をマスク本体として配置しマ
スクを得た。このマスクは実施例に比べ極端に吸湿発熱
性/吸水発熱性が劣るものであり、保温性に劣るもので
あった。
【0042】[比較例6]実施例2において高吸湿/吸
水発熱性微粒子20%を含む水分散体50部に親水性樹
脂バインダーとして、TF−3500(花王社製アルキ
レングリコール変成親水性シリコン系バインダー;固形
分40%)50部を加えた加工パディング液を使用する
以外は実施例2と同じ方法にて構造体を得た。得られた
構造体の吸湿/吸水発熱性の特性を表1に示す。この構
造体は実施例の構造体に比べ吸湿発熱性/吸水発熱性が
劣るものであった。この構造体をマスク本体として配置
しマスクを得た。このマスクは実施例に比べ吸湿発熱性
/吸水発熱性が劣るものであり、保温性に劣るものであ
った。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、高吸湿発熱性微粒子を
少量の親水性樹脂を介して編物、織物、不織布、フリー
ス、またはフィルムもしくは樹脂成形品に付着させた構
造体を、防寒マスクの構成部品として配置し、外部環
境、人体もしくは人工的な湿気(水蒸気)や水分(液
体)を吸収して迅速かつ安定に発熱することで、保温性
を向上、風邪予防などの医療効果を得ることができ、日
常的に抵抗なく使用できる吸湿/吸水発熱性マスクを簡
便に、かつ安定に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E185 AA07 BA20 CB07 CB19 CC73 4C099 AA01 CA14 CA15 EA02 GA30 JA03 LA07 LA08 NA01 NA10 4L031 AA18 AB33 BA33 BA34 BA37 4L033 AA07 AB06 AC15 BA49 BA69 CA13 CA18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高吸湿性微粒子が付着されてなる構造体
    を一部または全体に配置するマスクであり、前記構造体
    の吸湿及び/又は吸水時の最大温度上昇が3℃以上であ
    ることを特徴とする吸湿/吸水発熱性マスク。
  2. 【請求項2】 高吸湿性微粒子が付着されてなる構造体
    の吸湿時の発熱が30分以上、及び/又は吸水時の発熱
    が1分以上保持されることを特徴とする請求項1に記載
    の吸湿/吸水発熱性マスク。
  3. 【請求項3】 高吸湿性微粒子が付着されてなる構造体
    の吸水時の最大温度上昇が8℃以上であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の吸湿/吸水発熱性マスク。
  4. 【請求項4】 高吸湿性微粒子が有機微粒子であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸湿/吸
    水発熱性マスク。
  5. 【請求項5】 高吸湿性有機微粒子がポリスチレン系、
    ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル系、
    ポリメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系重合
    体で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基あるい
    は、それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有し、
    かつジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネートまた
    はヒドラジンのいずれかで架橋された架橋重合体である
    請求項4に記載の吸湿/吸水発熱性マスク。
  6. 【請求項6】 高吸湿性微粒子の平均粒子径が2μm未
    満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の吸湿/吸水発熱性マスク。
  7. 【請求項7】 高吸湿性微粒子が親水性樹脂を介して構
    造体に固定化されていることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載の吸湿/吸水発熱性マスク。
  8. 【請求項8】 高吸湿性微粒子と親水性樹脂の質量比が
    1/1〜19/1であることを特徴とする請求項1〜7
    のいずれかに記載の吸湿/吸水発熱性マスク。
  9. 【請求項9】 構造体が天然繊維、化合繊もしくはこれ
    らの混用繊維で構成される編物、織物、不織布、フリー
    ス、またはフィルムまたは樹脂成形体であることを特徴
    とする請求項1〜8のいずれかに記載の吸湿/吸水発熱
    性マスク。
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