JP2003102085A - 複数チャンネルエコーキャンセル方法、複数チャンネル音声伝送方法、ステレオエコーキャンセラ、ステレオ音声伝送装置および伝達関数演算装置 - Google Patents

複数チャンネルエコーキャンセル方法、複数チャンネル音声伝送方法、ステレオエコーキャンセラ、ステレオ音声伝送装置および伝達関数演算装置

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JP2003102085A JP2002179722A JP2002179722A JP2003102085A JP 2003102085 A JP2003102085 A JP 2003102085A JP 2002179722 A JP2002179722 A JP 2002179722A JP 2002179722 A JP2002179722 A JP 2002179722A JP 2003102085 A JP2003102085 A JP 2003102085A
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Hiroshi Iriyama
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R3/02Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for preventing acoustic reaction, i.e. acoustic oscillatory feedback
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
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    • H04M9/00Arrangements for interconnection not involving centralised switching
    • H04M9/08Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic
    • H04M9/082Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic using echo cancellers

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  • Stereophonic System (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数チャンネル音声信号のエコーキャンセル技
術において、係数不定性の問題を解決する。 【解決手段】ステレオ音声信号をそのままスピーカSP
(L),SP(R)から再生する。ステレオ音声信号の
和信号および差信号を参照信号として用いて、該参照信
号と各マイク収音信号とのクロススペクトル演算に基づ
き、各スピーカSP(L),SP(R)と各マイクMC
(L),MC(R)相互間の4系統の音声伝達系統の伝
達関数をそれぞれ求める。該求められた伝達関数を逆フ
ーリエ変換して得られるインパルス応答をフィルタ手段
40−1乃至40−4に設定してエコーキャンセル信号
を生成して、エコーキャンセルを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数チャンネル
音声信号のエコーキャンセル技術および伝達関数演算技
術に関し、新たな手法により係数不定性の問題を解決し
たものである。
【0002】
【従来の技術】テレビ会議システム等に用いられる双方
向ステレオ音声伝送においては、従来よりエコーキャン
セラの係数不定性の問題が指摘されており、これを解決
するための様々な手法が提案されている(電子情報通信
学会誌 Vol.81 No.3 P.266-2741998年3月参照)。係数
不定性の問題を解決する手法の1つとして、チャンネル
間相関を減少させる方法がある。その具体的手法とし
て、従来は、ランダム雑音の付加、フィルタによる相関
除去、チャンネル間周波数シフト、インタリーブコムフ
ィルタの使用、非線形処理(特開平10−19084
8)等が提案されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の手法によれ
ば、もとのステレオ信号に加工を加えて再生するので、
再生信号に大なり小なり劣化が生じる問題があった。ま
た、加工処理が複雑な場合は、再生信号に遅延が生じる
ため、テレビ会議等においては会話をしにくい問題があ
った。また、加工処理が複雑でかつ処理回路の処理能力
が低い場合には、エコーキャンセル処理を行いながら、
エコーキャンセラの係数を実時間で更新することが困難
な場合があった。この発明は、従来技術における上述の
問題を解決した複数チャンネル音声信号のエコーキャン
セル技術および伝達関数演算技術を提供しようとするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】〔請求項1〜8の発明お
よび該発明に関連する発明〕この発明の複数チャンネル
エコーキャンセル方法は、複数個のスピーカと1個ある
いは複数個のマイクが配置され、前記各スピーカで再生
された相互に相関を有する複数チャンネル音声が前記各
マイクで収音される複数系統の音声伝達系統を構成する
空間について、前記複数系統の音声伝達系統の個々の伝
達関数または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数
の合成伝達関数を推定して該当するフィルタ特性をそれ
ぞれ設定し、前記各スピーカで再生する個々の信号また
は該個々の信号を適宜組み合わせた複数の合成信号に、
前記設定された各対応するフィルタ特性を付与してエコ
ーキャンセル信号をそれぞれ生成し、前記1個あるいは
複数個のマイクの個々の収音信号または該個々の収音信
号を適宜組み合わせた複数の合成信号から該当するエコ
ーキャンセル信号を差し引くことによりエコーキャンセ
ルを行う方法であって、前記複数チャンネル音声信号を
適宜組み合わせた信号に相当する、該複数チャンネル音
声信号どうしよりも互いに相関の低い複数の低相関合成
信号の組を参照信号(伝達関数または合成伝達関数を推
定するために参照する信号を言う。)として(例えば、
前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせて、該複
数チャンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い複
数の低相関合成信号を生成し、該複数の低相関合成信号
の組を参照信号とする、あるいは、前記複数チャンネル
音声信号を適宜組み合わせた信号に相当する、該複数チ
ャンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い複数の
低相関合成信号の組を直接入力し、該複数の低相関合成
信号の組を参照信号とする等)、各音声伝達系統の個々
の伝達関数または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた
複数の合成伝達関数をそれぞれ求め、該当するフィルタ
特性を設定するものである。この発明によれば、相互に
相関を有する複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせ
た信号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよ
りも互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を参照
信号として、各音声伝達系統の個々の伝達関数または該
個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数
をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を設定してエコ
ーキャンセルを行うことができる。そして、これによれ
ば、複数チャンネル音声信号に劣化を伴う加工を全くま
たはあまり施すことなく該複数チャンネル音声信号をス
ピーカから再生できるので、良好な再生音質を得ること
ができる。また、再生信号の遅延がなくまたは少なく、
テレビ会議システム等に適用した場合に、自然な会話を
行うことができる。前記複数の低相関合成信号の組を参
照信号として各音声伝達系統の個々の伝達関数または該
個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数
をそれぞれ求める演算は、例えば、該複数の低相関合成
信号と各マイクの個々の収音信号または該個々の収音信
号を適宜組み合わせた複数の合成信号とのクロススペク
トル演算に基づき該各音声伝達系統の個々の伝達関数ま
たは該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝
達関数をそれぞれ求める演算とすることができる。ま
た、前記クロススペクトル演算に基づき前記複数系統の
音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝達関数
を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数をそれぞれ求め
る演算は、例えば、前記複数チャンネル音声信号を足し
算あるいは引き算して組み合わせて、該複数チャンネル
音声信号どうしよりも互いに相関の低い複数の低相関合
成信号を生成し、これら複数の低相関合成信号と各マイ
クの個々の収音信号または該個々の収音信号を適宜組み
合わせた複数の合成信号とのクロススペクトルを求め、
これを各クロススペクトルごとに所定期間で集合平均し
て、前記複数系統の音声伝達系統の個々の伝達関数また
は該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達
関数をそれぞれ求める演算とすることができる。
【0005】この発明の複数チャンネルエコーキャンセ
ル方法は、複数個のスピーカと1個あるいは複数個のマ
イクが配置され、前記各スピーカで再生された相互に相
関を有する複数チャンネル音声が前記各マイクで収音さ
れる複数系統の音声伝達系統を構成する空間について、
前記複数系統の音声伝達系統の個々の伝達関数または該
個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数
を推定して該当するフィルタ特性をそれぞれ設定し、前
記各スピーカで再生する個々の信号または該個々の信号
を適宜組み合わせた複数の合成信号に、前記設定された
各対応するフィルタ特性を付与してエコーキャンセル信
号をそれぞれ生成し、前記1個あるいは複数個のマイク
の個々の収音信号または該個々の収音信号を適宜組み合
わせた複数の合成信号から該当するエコーキャンセル信
号を差し引くことによりエコーキャンセルを行う方法で
あって、前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせ
た信号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよ
りも互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を参照
信号として(例えば、前記複数チャンネル音声信号を適
宜組み合わせて、該複数チャンネル音声信号どうしより
も互いに相関の低い複数の低相関合成信号を生成し、該
複数の低相関合成信号の組を参照信号とする、あるい
は、前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせた信
号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよりも
互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を直接入力
し、該複数の低相関合成信号の組を参照信号とする
等)、各音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の
伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数の推定
誤差をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を該推定誤
差を打ち消す値に更新するものである。この発明によれ
ば、相互に相関を有する複数チャンネル音声信号を適宜
組み合わせた信号に相当する、該複数チャンネル音声信
号どうしよりも互いに相関の低い複数の低相関合成信号
の組を参照信号として、各音声伝達系統の個々の伝達関
数または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合
成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、該当するフィル
タ特性を該推定誤差を打ち消す値に順次更新してエコー
キャンセルを行うことができる。そして、これによれ
ば、複数チャンネル音声信号に劣化を伴う加工を全くま
たはあまり施すことなく該複数チャンネル音声信号をス
ピーカから再生できるので、良好な再生音質が得られ
る。また、再生信号の遅延がなくまたは少なく、テレビ
会議システム等に適用した場合に、自然な会話を行うこ
とができる。また、フィルタ特性を実時間で更新するこ
とも可能である。前記複数の低相関合成信号の組を参照
信号として各音声伝達系統の個々の伝達関数または該個
々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数の
推定誤差をそれぞれ求める演算は、例えば、該複数の低
相関合成信号と、前記1個あるいは複数個のマイクの個
々の収音信号または該個々の収音信号を適宜組み合わせ
た複数の合成信号から該当するエコーキャンセル信号を
差し引いて得られる各エコーキャンセル誤差信号とのク
ロススペクトル演算に基づき該各音声伝達系統の個々の
伝達関数または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複
数の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求める演算とす
ることができる。また、前記クロススペクトル演算に基
づき前記複数系統の音声伝達系統の個々の伝達関数また
は該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達
関数の推定誤差をそれぞれ求める演算は、例えば、前記
複数チャンネル音声信号を足し算あるいは引き算して組
み合わせて、該複数チャンネル音声信号どうしよりも互
いに相関の低い複数の低相関合成信号を生成し、これら
複数の低相関合成信号と、前記1個あるいは複数個のマ
イクの個々の収音信号または該個々の収音信号を適宜組
み合わせた複数の合成信号から該当するエコーキャンセ
ル信号を差し引いて得られる各エコーキャンセル誤差信
号とのクロススペクトルを求め、これを各クロススペク
トルごとに所定期間で集合平均して、前記複数系統の音
声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝達関数を
適宜組み合わせた複数の合成伝達関数の推定誤差をそれ
ぞれ求める演算とすることができる。また、前記複数の
低相関合成信号どうしの相関を検出し、該相関値が所定
値以上のときに前記フィルタ特性の更新を停止すること
により、エコーキャンセル誤差信号が不測に増大するの
を防止することができる。
【0006】この発明の複数チャンネル音声伝送方法
は、それぞれが前記複数系統の音声伝達系統を構成する
2つの空間について、前記いずれかの複数チャンネルエ
コーキャンセル方法をそれぞれ実施し、該方法の実施に
よりエコーキャンセルされた複数チャンネル音声信号を
該2つの空間相互間で伝送するものである。これによれ
ば、2地点間でエコーキャンセルを低減した複数チャン
ネル音声伝送を行うことができ、例えば、テレビ会議シ
ステム等に適用することができる。
【0007】この発明のステレオエコーキャンセル方法
は、2個のスピーカと1個あるいは2個のマイクが配置
され、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記
各マイクで収音される2系統あるいは4系統の音声伝達
系統を構成する空間について、前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝達
関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数を推定して
該当するフィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピー
カで再生する個々の信号または該個々の信号を適宜組み
合わせた複数の合成信号に、前記設定された各対応する
フィルタ特性を付与してエコーキャンセル信号をそれぞ
れ生成し、前記1個あるいは2個のマイクの個々の収音
信号または該個々の収音信号を適宜組み合わせた複数の
合成信号から該当するエコーキャンセル信号を差し引く
ことによりエコーキャンセルを行う方法であって、前記
ステレオ音声信号の和信号および差信号を参照信号とし
て前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の個々の伝
達関数または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数
の合成伝達関数をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性
を設定するものである。この発明によれば、ステレオ音
声信号の和信号および差信号は相関が低いので、該和信
号および差信号を参照信号として用いて、前記2系統あ
るいは4系統の音声伝達系統の伝達関数またはそれらの
合成伝達関数をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を
設定してエコーキャンセルを行うことができる。そし
て、これによれば、ステレオ信号に劣化を伴う加工を全
くまたはあまり施すことなく該ステレオ信号をスピーカ
から再生できるので、良好な再生音質が得られる。ま
た、再生信号の遅延がなくまたは少なく、テレビ会議シ
ステム等に適用した場合に、自然な会話を行うことがで
きる。前記ステレオ音声信号の和信号および差信号を参
照信号として前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統
の個々の伝達関数または該個々の伝達関数を適宜組み合
わせた複数の合成伝達関数をそれぞれ求める演算は、例
えば、該和信号および差信号と各マイクの個々の収音信
号または該個々の収音信号を適宜組み合わせた複数の合
成信号とのクロススペクトル演算に基づき前記2系統あ
るいは4系統の音声伝達系統の個々の伝達関数または該
個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数
をそれぞれ求める演算とすることができる。また、前記
クロススペクトル演算に基づき前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝達
関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数をそれぞれ
求める演算は、例えば、前記ステレオ音声信号の和信号
および差信号と各マイクの個々の収音信号または該個々
の収音信号を適宜組み合わせた複数の合成信号とのクロ
ススペクトルを求め、これを各クロススペクトルごとに
所定期間で集合平均して、前記2系統あるいは4系統の
音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝達関数
を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数をそれぞれ求め
る演算とすることができる。
【0008】この発明のステレオエコーキャンセル方法
は、2個のスピーカと1個あるいは2個のマイクが配置
され、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記
各マイクで収音される2系統あるいは4系統の音声伝達
系統を構成する空間について、前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝達
関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数を推定して
該当するフィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピー
カで再生する個々の信号または該個々の信号を適宜組み
合わせた複数の合成信号に、前記設定された各対応する
フィルタ特性を付与してエコーキャンセル信号をそれぞ
れ生成し、前記1個あるいは2個のマイクの個々の収音
信号または該個々の収音信号を適宜組み合わせた複数の
合成信号から該当するエコーキャンセル信号を差し引く
ことによりエコーキャンセルを行う方法であって、前記
ステレオ音声信号の和信号および差信号を参照信号とし
て前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の個々の伝
達関数または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数
の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、該当するフ
ィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値に更新するもので
ある。この発明によれば、ステレオ音声信号の和信号お
よび差信号は相関が低いので、該和信号および差信号を
参照信号として用いて、前記2系統あるいは4系統の音
声伝達系統の伝達関数またはそれらの合成伝達関数の推
定誤差をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を該推定
誤差を打ち消す値に順次更新してエコーキャンセルを行
うことができる。そして、これによれば、ステレオ信号
に劣化を伴う加工を全くまたはあまり施すことなく該ス
テレオ信号をスピーカから再生できるので、良好な再生
音質が得られる。また、再生信号の遅延がなくまたは少
なく、テレビ会議システム等に適用した場合に、自然な
会話を行うことができる。前記ステレオ音声信号の和信
号および差信号を参照信号として前記2系統あるいは4
系統の音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝
達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数の推定誤
差をそれぞれ求める演算、例えば、前記ステレオ音声信
号の和信号および差信号と、前記1個あるいは2個のマ
イクの個々の収音信号または該個々の収音信号を適宜組
み合わせた複数の合成信号から該当するエコーキャンセ
ル信号を差し引いて得られる各エコーキャンセル誤差信
号とのクロススペクトル演算に基づき前記2系統あるい
は4系統の音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々
の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数の推
定誤差をそれぞれ求める演算とすることができる。前記
ステレオ音声信号の和信号および差信号と各エコーキャ
ンセル誤差信号とのクロススペクトル演算に基づき前記
2系統あるいは4系統の音声伝達系統の個々の伝達関数
または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成
伝達関数の推定誤差をそれぞれ求める演算は、例えば、
前記ステレオ音声信号の和信号および差信号と各エコー
キャンセル誤差信号とのクロススペクトルを求め、これ
を各クロススペクトルごとに所定期間で集合平均して、
前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の個々の伝達
関数または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の
合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求める演算とするこ
とができる。また、前記ステレオ音声信号の和信号およ
び差信号の相関を検出し、該相関値が所定値以上のとき
に前記フィルタ特性の更新を停止することにより、エコ
ーキャンセル誤差信号が不測に増大するのを防止するこ
とができる。
【0009】この発明のステレオ音声伝送方法は、それ
ぞれが前記4系統の音声伝達系統を構成する2つの空間
について、前記いずれかに記載のステレオエコーキャン
セル方法をそれぞれ実施し、該方法の実施によりエコー
キャンセルされたステレオ音声信号を該2つの空間相互
間で伝送するものである。これによれば、2地点間でエ
コーキャンセルを低減したステレオ音声伝送を行うこと
ができ、例えば、テレビ会議システム等に適用すること
ができる。
【0010】なお、この発明において、各スピーカで再
生する個々の信号を適宜組み合わせた複数の合成信号
と、参照信号として用いる複数の低相関合成信号{この
明細書において、「低相関合成信号」とは、無相関信号
(無相関合成信号)を含む意味で用いる。}とは、例え
ば、共通の信号とすることができる。
【0011】〔請求項9〜21の発明および該発明に関
連する発明〕この発明の複数チャンネルエコーキャンセ
ル方法は、複数個のスピーカと1個あるいは複数個のマ
イクが配置され、前記各スピーカで再生された相互に相
関を有する複数チャンネル音声(例えば、2チャンネ
ル、4チャンネル、…等の複数チャンネルステレオ音
声)が前記各マイクで収音される複数系統の音声伝達系
統を構成する空間について、前記複数系統の音声伝達系
統の伝達関数を推定して該当するフィルタ特性をそれぞ
れ設定し、前記各スピーカで再生する信号に、該当する
フィルタ特性を付与してエコーキャンセル信号をそれぞ
れ生成し、前記1個あるいは複数個のマイクの収音信号
から該当するエコーキャンセル信号を差し引くことによ
りエコーキャンセルを行う方法であって、前記複数チャ
ンネル音声信号を適宜組み合わせた信号に相当する、該
複数チャンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い
複数の低相関合成信号の組を参照信号として(例えば、
前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせて、該複
数チャンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い複
数の低相関合成信号を生成し、該複数の低相関合成信号
の組を参照信号とする、あるいは、前記複数チャンネル
音声信号を適宜組み合わせた信号に相当する、該複数チ
ャンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い複数の
低相関合成信号の組を直接入力し、該複数の低相関合成
信号の組を参照信号とする等)、各音声伝達系統の伝達
関数をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を設定する
ものである。この発明によれば、相互に相関を有する複
数チャンネル音声信号を適宜組み合わせた信号に相当す
る、該複数チャンネル音声信号どうしよりも互いに相関
の低い複数の低相関合成信号の組を参照信号として、各
音声伝達系統の伝達関数をそれぞれ求め、該当するフィ
ルタ特性を設定してエコーキャンセルを行うことができ
る。そして、これによれば、複数チャンネル音声信号に
劣化を伴う加工を全くまたはあまり施すことなく該複数
チャンネル音声信号をスピーカから再生できるので、良
好な再生音質を得ることができる。また、再生信号の遅
延がなくまたは少なく、テレビ会議システム等に適用し
た場合に、自然な会話を行うことができる。前記複数の
低相関合成信号の組を参照信号として各音声伝達系統の
伝達関数をそれぞれ求める演算は、例えば、該複数の低
相関合成信号と各マイク収音信号とのクロススペクトル
演算に基づき該各音声伝達系統の伝達関数をそれぞれ求
める演算とすることができる。また、該クロススペクト
ル演算に基づき前記複数系統の音声伝達系統の伝達関数
をそれぞれ求める演算は、例えば、前記複数チャンネル
音声信号を足し算あるいは引き算して組み合わせて、該
複数チャンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い
複数の低相関合成信号を生成し、これら複数の低相関合
成信号と各マイク収音信号とのクロススペクトルを求
め、これを各クロススペクトルごとに所定期間で集合平
均して、前記複数系統の音声伝達系統のうち適宜の複数
系統の伝達関数を合成した複数種類の合成伝達関数を求
め、該複数種類の合成伝達関数に基づき前記複数系統の
音声伝達系統の伝達関数をそれぞれ求める演算とするこ
とができる。
【0012】この発明の複数チャンネルエコーキャンセ
ル方法は、複数個のスピーカと1個あるいは複数個のマ
イクが配置され、前記各スピーカで再生された相互に相
関を有する複数チャンネル音声が前記各マイクで収音さ
れる複数系統の音声伝達系統を構成する空間について、
前記複数系統の音声伝達系統の伝達関数を推定して該当
するフィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピーカで
再生する信号に、該当するフィルタ特性を付与してエコ
ーキャンセル信号をそれぞれ生成し、前記1個あるいは
複数個のマイクの収音信号から該当するエコーキャンセ
ル信号を差し引くことによりエコーキャンセルを行う方
法であって、前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合
わせた信号に相当する、該複数チャンネル音声信号どう
しよりも互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を
参照信号として(例えば、前記複数チャンネル音声信号
を適宜組み合わせて、該複数チャンネル音声信号どうし
よりも互いに相関の低い複数の低相関合成信号を生成
し、該複数の低相関合成信号の組を参照信号とする、あ
るいは、前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせ
た信号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよ
りも互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を直接
入力し、該複数の低相関合成信号の組を参照信号とする
等)、各音声伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ
求め、該当するフィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値
に更新するものである。この発明によれば、相互に相関
を有する複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせた信
号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよりも
互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を参照信号
として、各音声伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞ
れ求め、該当するフィルタ特性を該推定誤差を打ち消す
値に順次更新してエコーキャンセルを行うことができ
る。そして、これによれば、複数チャンネル音声信号に
劣化を伴う加工を全くまたはあまり施すことなく該複数
チャンネル音声信号をスピーカから再生できるので、良
好な再生音質が得られる。また、再生信号の遅延がなく
または少なく、テレビ会議システム等に適用した場合
に、自然な会話を行うことができる。また、フィルタ特
性を実時間で更新することも可能である。フィルタ特性
の更新は、例えば、適宜定められた所定期間(例えば、
前記集合平均をする期間)ごとに行うことができる。前
記複数の低相関合成信号の組を参照信号として各音声伝
達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求める演算は、
例えば、該複数の低相関合成信号と、前記1個あるいは
複数個のマイクの収音信号から該当するエコーキャンセ
ル信号を差し引いて得られる各エコーキャンセル誤差信
号とのクロススペクトル演算に基づき該各音声伝達系統
の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求める演算とすること
ができる。また、該クロススペクトル演算に基づき前記
複数系統の音声伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞ
れ求める演算は、例えば、前記複数チャンネル音声信号
を足し算あるいは引き算して組み合わせて、該複数チャ
ンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い複数の低
相関合成信号を生成し、これら複数の低相関合成信号
と、前記1個あるいは複数個のマイクの収音信号から該
当するエコーキャンセル信号を差し引いて得られる各エ
コーキャンセル誤差信号とのクロススペクトルを求め、
これを各クロススペクトルごとに所定期間で集合平均し
て、前記複数系統の音声伝達系統のうち適宜の複数系統
の伝達関数の推定誤差を合成した複数種類の伝達関数合
成推定誤差を求め、該複数種類の伝達関数合成推定誤差
に基づき前記複数系統の音声伝達系統の伝達関数の推定
誤差をそれぞれ求める演算とすることができる。また、
前記複数の低相関合成信号どうしの相関を検出し、該相
関値が所定値以上のときに前記フィルタ特性の更新を停
止することにより、エコーキャンセル誤差信号が不測に
増大するのを防止することができる。
【0013】前記クロススペクトル演算に基づき前記複
数系統の音声伝達系統の伝達関数をそれぞれ求める演算
は、また、前記複数チャンネル音声信号を主成分分析し
て相互に直交する複数の無相関合成信号を生成し、これ
ら複数の無相関合成信号と各マイク収音信号とのクロス
スペクトルを求め、これを各クロススペクトルごとに所
定期間で集合平均し、該集合平均された値に基づき前記
複数系統の音声伝達系統の伝達関数をそれぞれ求める演
算とすることができる。
【0014】前記クロススペクトル演算に基づき前記複
数系統の音声伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ
求める演算は、また、前記複数チャンネル音声信号を主
成分分析して相互に直交する複数の無相関合成信号を生
成し、これら複数の無相関合成信号と、前記1個あるい
は複数個のマイクの収音信号から該当するエコーキャン
セル信号を差し引いて得られる各エコーキャンセル誤差
信号とのクロススペクトルを求め、これを各クロススペ
クトルごとに所定期間で集合平均し、該集合平均された
値に基づき前記複数系統の音声伝達系統の伝達関数の推
定誤差をそれぞれ求める演算とすることができる。この
場合、前記スピーカで再生された音以外の音が前記マイ
クに入力されるダブルトークを検出し、該ダブルトーク
が検出されている時に前記フィルタ特性の更新周期を相
対的に長くし、該ダブルトークが検出されていない時に
該フィルタ特性の更新周期を相対的に短くすることによ
り、ダブルトークがあるときの推定誤差を十分に収束さ
せ、かつ、ダブルトークがないときの推定誤差の収束を
速めることができる。
【0015】この発明の複数チャンネル音声伝送方法
は、それぞれが前記複数系統の音声伝達系統を構成する
2つの空間について、前記いずれかの複数チャンネルエ
コーキャンセル方法をそれぞれ実施し、該方法の実施に
よりエコーキャンセルされた複数チャンネル音声信号を
該2つの空間相互間で伝送するものである。これによれ
ば、2地点間でエコーキャンセルを低減した複数チャン
ネル音声伝送を行うことができ、例えば、テレビ会議シ
ステム等に適用することができる。
【0016】この発明のステレオエコーキャンセル方法
は、2個のスピーカと1個あるいは2個のマイクが配置
され、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記
各マイクで収音される2系統あるいは4系統の音声伝達
系統を構成する空間について、前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の伝達関数を推定して該当するフィル
タ特性をそれぞれ設定し、前記各スピーカで再生する信
号に、該当するフィルタ特性を付与してエコーキャンセ
ル信号をそれぞれ生成し、前記1個あるいは2個のマイ
クの収音信号から該当するエコーキャンセル信号を差し
引くことによりエコーキャンセルを行う方法であって、
前記ステレオ音声信号の和信号および差信号を参照信号
として前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の伝達
関数をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を設定する
ものである。この発明によれば、ステレオ音声信号の和
信号および差信号は相関が低いので、該和信号および差
信号を参照信号として用いて、前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の伝達関数をそれぞれ求め、該当する
フィルタ特性を設定してエコーキャンセルを行うことが
できる。そして、これによれば、ステレオ信号に劣化を
伴う加工を全くまたはあまり施すことなく該ステレオ信
号をスピーカから再生できるので、良好な再生音質が得
られる。また、再生信号の遅延がなくまたは少なく、テ
レビ会議システム等に適用した場合に、自然な会話を行
うことができる。前記ステレオ音声信号の和信号および
差信号を参照信号として前記2系統あるいは4系統の音
声伝達系統の伝達関数をそれぞれ求める演算は、例え
ば、該和信号および差信号と各マイク収音信号とのクロ
ススペクトル演算に基づき前記2系統あるいは4系統の
音声伝達系統の伝達関数をそれぞれ求める演算とするこ
とができる。また、該クロススペクトル演算に基づき前
記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の伝達関数をそ
れぞれ求める演算は、例えば、前記ステレオ音声信号の
和信号および差信号と各マイク収音信号とのクロススペ
クトルを求め、これを各クロススペクトルごとに所定期
間で集合平均して、前記2系統あるいは4系統の音声伝
達系統のうち適宜の複数系統の伝達関数を合成した複数
種類の合成伝達関数を求め、該複数種類の合成伝達関数
に基づき前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の伝
達関数をそれぞれ求める演算とすることができる。ま
た、4系統の場合の該クロススペクトル演算は、例え
ば、前記和信号と第1のマイク収音信号、前記和信号と
第2のマイク収音信号、前記差信号と第1のマイク収音
信号、前記差信号と第2のマイク収音信号のそれぞれの
クロススペクトルを演算するものとすることができる。
また、前記合成伝達関数は、例えば、第1のスピーカと
第1のマイク間の伝達関数と第2のスピーカと第1のマ
イク間の伝達関数の和である第1の合成伝達関数、第1
のスピーカと第1のマイク間の伝達関数と第2のスピー
カと第1のマイク間の伝達関数の差である第2の合成伝
達関数、第1のスピーカと第2のマイク間の伝達関数と
第2のスピーカと第2のマイク間の伝達関数の和である
第3の合成伝達関数、第1のスピーカと第2のマイク間
の伝達関数と第2のスピーカと第2のマイク間の伝達関
数の差である第4の合成伝達関数とし、前記4系統の音
声伝達系統の伝達関数を求める演算は、例えば、第1の
合成伝達関数と第2の合成伝達関数の和から第1の音声
伝達系統の伝達関数を求める演算、第1の合成伝達関数
と第2の合成伝達関数の差から第2の音声伝達系統の伝
達関数を求める演算、第3の合成伝達関数と第4の合成
伝達関数の和から第3の音声伝達系統の伝達関数を求め
る演算、第3の合成伝達関数と第4の合成伝達関数の差
から第4の音声伝達系統の伝達関数を求める演算とする
ことができる。
【0017】この発明のステレオエコーキャンセル方法
は、2個のスピーカと1個あるいは2個のマイクが配置
され、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記
各マイクで収音される2系統あるいは4系統の音声伝達
系統を構成する空間について、前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の伝達関数を推定して該当するフィル
タ特性をそれぞれ設定し、前記各スピーカで再生する信
号に、該当するフィルタ特性を付与してエコーキャンセ
ル信号をそれぞれ生成し、前記1個あるいは2個のマイ
クの収音信号から該当するエコーキャンセル信号を差し
引くことによりエコーキャンセルを行う方法であって、
前記ステレオ音声信号の和信号および差信号を参照信号
として前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の伝達
関数の推定誤差をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性
を該推定誤差を打ち消す値に更新するものである。この
発明によれば、ステレオ音声信号の和信号および差信号
は相関が低いので、該和信号および差信号を参照信号と
して用いて、前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統
の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、該当するフィル
タ特性を該推定誤差を打ち消す値に順次更新してエコー
キャンセルを行うことができる。そして、これによれ
ば、ステレオ信号に劣化を伴う加工を全くまたはあまり
施すことなく該ステレオ信号をスピーカから再生できる
ので、良好な再生音質が得られる。また、再生信号の遅
延がなくまたは少なく、テレビ会議システム等に適用し
た場合に、自然な会話を行うことができる。また、エコ
ーキャンセル用係数(フィルタ特性)を実時間で更新す
ることも可能である。フィルタ特性の更新は、例えば、
適宜定められた所定期間(例えば、前記集合平均をする
期間)ごとに行うことができる。前記ステレオ音声信号
の和信号および差信号を参照信号として前記2系統ある
いは4系統の音声伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれ
ぞれ求める演算は、例えば、前記ステレオ音声信号の和
信号および差信号と、前記1個あるいは2個のマイクの
収音信号から該当するエコーキャンセル信号を差し引い
て得られる各エコーキャンセル誤差信号とのクロススペ
クトル演算に基づき前記2系統あるいは4系統の音声伝
達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求める演算とす
ることができる。また、該ステレオ音声信号の和信号お
よび差信号と各エコーキャンセル誤差信号とのクロスス
ペクトル演算に基づき前記2系統あるいは4系統の音声
伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求める演算
は、例えば、前記ステレオ音声信号の和信号および差信
号と各エコーキャンセル誤差信号とのクロススペクトル
を求め、これを各クロススペクトルごとに所定期間で集
合平均して、前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統
のうち適宜の複数系統の伝達関数の推定誤差を合成した
複数種類の伝達関数合成推定誤差を求め、該複数種類の
伝達関数合成推定誤差に基づき前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め
る演算とすることができる。また、4系統の場合の該ク
ロススペクトル演算は、例えば、前記和信号と第1のエ
コーキャンセル誤差信号、前記和信号と第2のエコーキ
ャンセル誤差信号、前記差信号と第1のエコーキャンセ
ル誤差信号、前記差信号と第2のエコーキャンセル誤差
信号のそれぞれのクロススペクトルを演算するものとす
ることができる。また、前記伝達関数合成推定誤差は、
例えば、第1のスピーカと第1のマイク間の伝達関数の
推定誤差と第2のスピーカと第1のマイク間の伝達関数
の推定誤差の和である第1の伝達関数合成推定誤差、第
1のスピーカと第1のマイク間の伝達関数の推定誤差と
第2のスピーカと第1のマイク間の伝達関数の推定誤差
の差である第2の伝達関数合成推定誤差、第1のスピー
カと第2のマイク間の伝達関数の推定誤差と第2のスピ
ーカと第2のマイク間の伝達関数の推定誤差の和である
第3の伝達関数合成推定誤差、第1のスピーカと第2の
マイク間の伝達関数の推定誤差と第2のスピーカと第2
のマイク間の伝達関数の推定誤差の差である第4の伝達
関数合成推定誤差とし、前記4系統の音声伝達系統の伝
達関数の推定誤差を求める演算は、例えば、第1の伝達
関数合成推定誤差と第2の伝達関数合成推定誤差の和か
ら第1の音声伝達系統の伝達関数の推定誤差を求める演
算、第1の伝達関数合成推定誤差と第2の伝達関数合成
推定誤差の差から第2の音声伝達系統の伝達関数の推定
誤差を求める演算、第3の伝達関数合成推定誤差と第4
の伝達関数合成推定誤差の和から第3の音声伝達系統の
伝達関数の推定誤差を求める演算、第3の伝達関数合成
推定誤差と第4の伝達関数合成推定誤差の差から第4の
音声伝達系統の伝達関数の推定誤差を求める演算とする
ことができる。また、前記ステレオ音声信号の和信号お
よび差信号の相関を検出し、該相関値が所定値以上のと
きに前記フィルタ特性の更新を停止することにより、エ
コーキャンセル誤差信号が不測に増大するのを防止する
ことができる。
【0018】この発明のステレオエコーキャンセル方法
は、2個のスピーカと1個あるいは2個のマイクが配置
され、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記
各マイクで収音される2系統あるいは4系統の音声伝達
系統を構成する空間について、前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の伝達関数を推定して該当するフィル
タ特性をそれぞれ設定し、前記各スピーカで再生する信
号に、該当するフィルタ特性を付与してエコーキャンセ
ル信号をそれぞれ生成し、前記1個あるいは2個のマイ
クの収音信号から該当するエコーキャンセル信号を差し
引くことによりエコーキャンセルを行う方法であって、
前記ステレオ音声信号を主成分分析して相互に直交する
2つの無相関合成信号を生成し、該2つの無相関合成信
号の組を参照信号として前記2系統あるいは4系統の音
声伝達系統の伝達関数をそれぞれ求め、該当するフィル
タ特性を設定するものである。この発明によれば、ステ
レオ音声信号を主成分分析して生成した相互に直交する
2信号は無相関であるので、該2信号を参照信号として
用いて、前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の伝
達関数をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を設定し
てエコーキャンセルを行うことができる。そして、これ
によれば、ステレオ信号に劣化を伴う加工を全くまたは
あまり施すことなく該ステレオ信号をスピーカから再生
できるので、良好な再生音質が得られる。また、再生信
号の遅延がなくまたは少なく、テレビ会議システム等に
適用した場合に、自然な会話を行うことができる。前記
2つの無相関合成信号の組を参照信号として前記2系統
あるいは4系統の音声伝達系統の伝達関数をそれぞれ求
める演算は、例えば、該2つの無相関合成信号と各マイ
ク収音信号とのクロススペクトル演算に基づき前記2系
統あるいは4系統の音声伝達系統の伝達関数をそれぞれ
求める演算とすることができる。また、該クロススペク
トル演算に基づき前記2系統あるいは4系統の音声伝達
系統の伝達関数をそれぞれ求める演算は、例えば、前記
2つの無相関合成信号と各マイク収音信号とのクロスス
ペクトルを求め、これを各クロススペクトルごとに所定
期間で集合平均して、前記2系統あるいは4系統の音声
伝達系統のうち適宜の複数系統の伝達関数を合成した複
数種類の合成伝達関数を求め、該複数種類の合成伝達関
数に基づき前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の
伝達関数をそれぞれ求める演算とすることができる。
【0019】この発明のステレオエコーキャンセル方法
は、2個のスピーカと1個あるいは2個のマイクが配置
され、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記
各マイクで収音される2系統あるいは4系統の音声伝達
系統を構成する空間について、前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の伝達関数を推定して該当するフィル
タ特性をそれぞれ設定し、前記各スピーカで再生する信
号に、該当するフィルタ特性を付与してエコーキャンセ
ル信号をそれぞれ生成し、前記1個あるいは2個のマイ
クの収音信号から該当するエコーキャンセル信号を差し
引くことによりエコーキャンセルを行う方法であって、
前記ステレオ音声信号を主成分分析して相互に直交する
2つの無相関合成信号を生成し、該2つの無相関合成信
号の組を参照信号として前記2系統あるいは4系統の音
声伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、該当
するフィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値に更新する
ものである。この発明によれば、ステレオ音声信号を主
成分分析して生成した相互に直交する2信号は無相関で
あるので、該2信号を参照信号として用いて、前記2系
統あるいは4系統の音声伝達系統の伝達関数の推定誤差
をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を該推定誤差を
打ち消す値に順次更新してエコーキャンセルを行うこと
ができる。そして、これによれば、ステレオ信号に劣化
を伴う加工を全くまたはあまり施すことなく該ステレオ
信号をスピーカから再生できるので、良好な再生音質が
得られる。また、再生信号の遅延がなくまたは少なく、
テレビ会議システム等に適用した場合に、自然な会話を
行うことができる。また、エコーキャンセル用係数(フ
ィルタ特性)を実時間で更新することも可能である。フ
ィルタ特性の更新は、例えば、適宜定められた所定期間
(例えば、前記集合平均をする期間)ごとに行うことが
できる。前記2つの無相関合成信号の組を参照信号とし
て前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の伝達関数
の推定誤差をそれぞれ求める演算は、例えば、前記2つ
の無相関合成信号と、前記1個あるいは2個のマイクの
収音信号から該当するエコーキャンセル信号を差し引い
て得られる各エコーキャンセル誤差信号とのクロススペ
クトル演算に基づき前記2系統あるいは4系統の音声伝
達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求める演算とす
ることができる。また、前記2つの無相関合成信号と各
エコーキャンセル誤差信号とのクロススペクトル演算に
基づき前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の伝達
関数の推定誤差をそれぞれ求める演算は、例えば、前記
2つの無相関合成信号と各エコーキャンセル誤差信号と
のクロススペクトルを求め、これを各クロススペクトル
ごとに所定期間で集合平均して、前記2系統あるいは4
系統の音声伝達系統のうち適宜の複数系統の伝達関数の
推定誤差を合成した複数種類の伝達関数合成推定誤差を
求め、該複数種類の伝達関数合成推定誤差に基づき前記
2系統あるいは4系統の音声伝達系統の伝達関数の推定
誤差をそれぞれ求める演算とすることができる。この場
合、前記スピーカで再生された音以外の音が前記マイク
に入力されるダブルトークを検出し、該ダブルトークが
検出されている時に前記フィルタ特性の更新周期を相対
的に長くし、該ダブルトークが検出されていない時に該
フィルタ特性の更新周期を相対的に短くすることによ
り、ダブルトークがあるときの推定誤差を十分に収束さ
せ、かつ、ダブルトークがないときの推定誤差の収束を
速めることができる。
【0020】この発明のステレオ音声伝送方法は、それ
ぞれが前記4系統の音声伝達系統を構成する2つの空間
について、前記いずれかに記載のステレオエコーキャン
セル方法をそれぞれ実施し、該方法の実施によりエコー
キャンセルされたステレオ音声信号を該2つの空間相互
間で伝送するものである。これによれば、2地点間でエ
コーキャンセルを低減したステレオ音声伝送を行うこと
ができ、例えば、テレビ会議システム等に適用すること
ができる。
【0021】この発明のステレオエコーキャンセラは、
2個のスピーカと2個のマイクが配置され、前記各スピ
ーカで再生されたステレオ音声が前記各マイクで収音さ
れる4系統の音声伝達系統を構成する空間について、第
1のスピーカに供給する音声信号を、第1,第2のマイ
クに対応して設けられた第1,第2のフィルタ手段にそ
れぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコーキャンセ
ル信号を生成し、第2のスピーカに供給する音声信号
を、第1,第2のマイクに対応して設けられた第3,第
4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第3,
第4のエコーキャンセル信号を生成し、第1のマイクの
収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を第
1の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを行い、第
2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャン
セル信号を第2の引算手段で差し引いてエコーキャンセ
ルを行うステレオエコーキャンセラにおいて、前記各ス
ピーカで再生するステレオ音声信号の和信号および差信
号と各マイク収音信号とのクロススペクトル演算に基づ
き前記4系統の音声伝達系統の伝達関数に相当するフィ
ルタ特性をそれぞれ求め、該求められた各フィルタ特性
を前記第1〜第4のフィルタ手段の該当するものにそれ
ぞれ設定する伝達関数演算手段を具備してなるものであ
る。この発明のステレオエコーキャンセラは、例えば、
前記ステレオ音声信号を入力する入力手段と、前記入力
手段から入力されたステレオ音声信号の和信号および差
信号を生成する和差信号生成手段と、該入力手段から入
力されたステレオ音声信号を前記和差信号生成手段を介
さずに前記各スピーカに伝送する主信号伝送系統を具備
し、前記伝達関数演算手段が、前記和差信号生成手段で
生成された和信号および差信号と各マイク収音信号との
クロススペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝達系
統の伝達関数に相当するフィルタ特性をそれぞれ求め、
該求められた各フィルタ特性を前記第1〜第4のフィル
タ手段の該当するものにそれぞれ設定するものとするこ
とができる。あるいは、前記ステレオ音声信号を入力す
る入力手段と、前記入力手段から入力されたステレオ音
声信号の和信号および差信号を生成する和差信号生成手
段と、前記和差信号生成手段で生成された和信号および
差信号どうしの和および差を演算して、もとのステレオ
音声信号を復調するステレオ音声信号復調手段を具備
し、該ステレオ音声信号復調手段で復調されたステレオ
音声信号を前記各スピーカに伝送し、前記伝達関数演算
手段が、前記和差信号生成手段で生成された和信号およ
び差信号と各マイク収音信号とのクロススペクトル演算
に基づき前記4系統の音声伝達系統の伝達関数に相当す
るフィルタ特性をそれぞれ求め、該求められた各フィル
タ特性を前記第1〜第4のフィルタ手段の該当するもの
にそれぞれ設定するものとすることができる。あるい
は、前記ステレオ音声信号の和信号および差信号を入力
する入力手段と、前記入力された和信号および差信号ど
うしの和および差を演算して、もとのステレオ音声信号
を復調するステレオ音声信号復調手段を具備し、該ステ
レオ音声信号復調手段で復調されたステレオ音声信号を
前記各スピーカに伝送し、前記伝達関数演算手段が、前
記入力された和信号および差信号と各マイク収音信号と
のクロススペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝達
系統の伝達関数に相当するフィルタ特性をそれぞれ求
め、該求められた各フィルタ特性を前記第1〜第4のフ
ィルタ手段の該当するものにそれぞれ設定するものとす
ることもできる。
【0022】この発明のステレオエコーキャンセラは、
2個のスピーカと2個のマイクが配置され、前記各スピ
ーカで再生されたステレオ音声が前記各マイクで収音さ
れる4系統の音声伝達系統を構成する空間について、第
1のスピーカに供給する音声信号を、第1,第2のマイ
クに対応して設けられた第1,第2のフィルタ手段にそ
れぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコーキャンセ
ル信号を生成し、第2のスピーカに供給する音声信号
を、第1,第2のマイクに対応して設けられた第3,第
4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第3,
第4のエコーキャンセル信号を生成し、第1のマイクの
収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を第
1の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを行い、第
2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャン
セル信号を第2の引算手段で差し引いてエコーキャンセ
ルを行うステレオエコーキャンセラにおいて、前記各ス
ピーカで再生するステレオ音声信号の和信号および差信
号と、前記2個のマイクの収音信号から該当するエコー
キャンセル信号を差し引いて得られる各エコーキャンセ
ル誤差信号とのクロススペクトル演算に基づき前記4系
統の音声伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求
め、前記第1〜第4のフィルタ手段のフィルタ特性を該
推定誤差を打ち消す値にそれぞれ更新する伝達関数演算
手段を具備してなるものである。この発明のステレオエ
コーキャンセラは、例えば、前記ステレオ音声信号を入
力する入力手段と、前記入力手段から入力されたステレ
オ音声信号の和信号および差信号を生成する和差信号生
成手段と、該入力手段から入力されたステレオ音声信号
を前記和差信号生成手段を介さずに前記各スピーカに伝
送する主信号伝送系統を具備し、前記伝達関数演算手段
が、前記和差信号生成手段で生成された和信号および差
信号と各エコーキャンセル誤差信号とのクロススペクト
ル演算に基づき前記4系統の音声伝達系統の伝達関数の
推定誤差をそれぞれ求め、前記第1〜第4のフィルタ手
段のフィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値にそれぞれ
更新するものとすることができる。あるいは、前記ステ
レオ音声信号を入力する入力手段と、前記入力手段から
入力されたステレオ音声信号の和信号および差信号を生
成する和差信号生成手段と、前記和差信号生成手段で生
成された和信号および差信号どうしの和および差を演算
して、もとのステレオ音声信号を復調するステレオ音声
信号復調手段を具備し、該ステレオ音声信号復調手段で
復調されたステレオ音声信号を前記各スピーカに伝送
し、前記伝達関数演算手段が、前記和差信号生成手段で
生成された和信号および差信号と各エコーキャンセル誤
差信号とのクロススペクトル演算に基づき前記4系統の
音声伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、前
記第1〜第4のフィルタ手段のフィルタ特性を該推定誤
差を打ち消す値にそれぞれ更新するものとすることがで
きる。あるいは、前記ステレオ音声信号の和信号および
差信号を入力する入力手段と、前記入力された和信号お
よび差信号どうしの和および差を演算して、もとのステ
レオ音声信号を復調するステレオ音声信号復調手段を具
備し、該ステレオ音声信号復調手段で復調されたステレ
オ音声信号を前記各スピーカに伝送し、前記伝達関数演
算手段が、前記入力された和信号および差信号と各エコ
ーキャンセル誤差信号とのクロススペクトル演算に基づ
き前記4系統の音声伝達系統の伝達関数の推定誤差をそ
れぞれ求め、前記第1〜第4のフィルタ手段のフィルタ
特性を該推定誤差を打ち消す値にそれぞれ更新するもの
とすることもできる。
【0023】この発明のステレオエコーキャンセラは、
2個のスピーカと2個のマイクが配置され、前記各スピ
ーカで再生されたステレオ音声が前記各マイクで収音さ
れる4系統の音声伝達系統を構成する空間について、第
1のスピーカに供給する音声信号を、第1,第2のマイ
クに対応して設けられた第1,第2のフィルタ手段にそ
れぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコーキャンセ
ル信号を生成し、第2のスピーカに供給する音声信号
を、第1,第2のマイクに対応して設けられた第3,第
4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第3,
第4のエコーキャンセル信号を生成し、第1のマイクの
収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を第
1の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを行い、第
2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャン
セル信号を第2の引算手段で差し引いてエコーキャンセ
ルを行うステレオエコーキャンセラにおいて、前記各ス
ピーカで再生するステレオ音声信号を主成分分析して生
成される相互に直交する2つの無相関合成信号と各マイ
ク収音信号とのクロススペクトル演算に基づき前記4系
統の音声伝達系統の伝達関数に相当するフィルタ特性を
それぞれ求め、該求められた各フィルタ特性を前記第1
〜第4のフィルタ手段の該当するものにそれぞれ設定す
る伝達関数演算手段を具備してなるものである。この発
明のステレオエコーキャンセラは、例えば、前記ステレ
オ音声信号を入力する入力手段と、前記入力手段から入
力されたステレオ音声信号を主成分分析して相互に直交
する2つの無相関合成信号を生成する直交化手段と、該
入力手段から入力されたステレオ音声信号を前記直交化
手段を介さずに前記各スピーカに伝送する主信号伝送系
統を具備し、前記伝達関数演算手段が、前記直交化手段
で生成された2つの無相関合成信号と各マイク収音信号
とのクロススペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝
達系統の伝達関数に相当するフィルタ特性をそれぞれ求
め、該求められた各フィルタ特性を前記第1〜第4のフ
ィルタ手段の該当するものにそれぞれ設定するものとす
ることができる。
【0024】この発明のステレオエコーキャンセラは、
2個のスピーカと2個のマイクが配置され、前記各スピ
ーカで再生されたステレオ音声が前記各マイクで収音さ
れる4系統の音声伝達系統を構成する空間について、第
1のスピーカに供給する音声信号を、第1,第2のマイ
クに対応して設けられた第1,第2のフィルタ手段にそ
れぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコーキャンセ
ル信号を生成し、第2のスピーカに供給する音声信号
を、第1,第2のマイクに対応して設けられた第3,第
4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第3,
第4のエコーキャンセル信号を生成し、第1のマイクの
収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を第
1の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを行い、第
2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャン
セル信号を第2の引算手段で差し引いてエコーキャンセ
ルを行うステレオエコーキャンセラにおいて、前記各ス
ピーカで再生するステレオ音声信号を主成分分析して生
成される相互に直交する2つの無相関合成信号と、前記
2個のマイクの収音信号から該当するエコーキャンセル
信号を差し引いて得られる各エコーキャンセル誤差信号
とのクロススペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝
達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、前記第1
〜第4のフィルタ手段のフィルタ特性を該推定誤差を打
ち消す値にそれぞれ更新する伝達関数演算手段を具備し
てなるものである。この発明のステレオエコーキャンセ
ラは、例えば、前記ステレオ音声信号を入力する入力手
段と、前記入力手段から入力されたステレオ音声信号を
主成分分析して相互に直交する2つの無相関合成信号を
生成する直交化手段と、該入力手段から入力されたステ
レオ音声信号を前記直交化手段を介さずに前記各スピー
カに伝送する主信号伝送系統を具備し、前記伝達関数演
算手段が、前記直交化手段で生成された2つの無相関合
成信号と各エコーキャンセル誤差信号とのクロススペク
トル演算に基づき前記4系統の音声伝達系統の伝達関数
の推定誤差をそれぞれ求め、前記第1〜第4のフィルタ
手段のフィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値にそれぞ
れ更新するものとすることができる。この場合、前記ス
ピーカで再生された音以外の音が前記マイクに入力され
るダブルトークを検出するダブルトーク検出手段を具備
し、前記伝達関数演算手段が、該ダブルトークが検出さ
れている時に前記フィルタ特性の更新周期を相対的に長
くし、該ダブルトークが検出されていない時に該フィル
タ特性の更新周期を相対的に短くすることにより、ダブ
ルトークがあるときの推定誤差を十分に収束させ、か
つ、ダブルトークがないときの推定誤差の収束を速める
ことができる。
【0025】この発明のステレオエコーキャンセラは、
前記ステレオ音声信号の和信号および差信号の相関を検
出し、該相関値が所定値以上のときに前記フィルタ特性
の更新を停止する相関検出手段をさらに具備することに
より、エコーキャンセル誤差信号が不測に増大するのを
防止することができる。
【0026】この発明のステレオ音声伝送装置は、それ
ぞれが前記4系統の音声伝達系統を構成する2つの空間
について、前記いずれかのステレオエコーキャンセラを
それぞれ配置し、該ステレオエコーキャンセラによりエ
コーキャンセルされたステレオ音声信号を該2つの空間
相互間で伝送するものである。
【0027】〔請求項22〜27の発明および該発明に
関連する発明〕この発明の複数チャンネルエコーキャン
セル方法は、複数個のスピーカと1個あるいは複数個の
マイクが配置され、前記各スピーカで再生された相互に
相関を有する複数チャンネル音声が前記各マイクで収音
される複数系統の音声伝達系統を構成する空間につい
て、前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数を推定
して該当するフィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各ス
ピーカで再生する個々の信号の合成信号に、前記設定さ
れた各対応するフィルタ特性を付与してエコーキャンセ
ル信号をそれぞれ生成し、前記1個あるいは複数個のマ
イクの個々の収音信号から該当するエコーキャンセル信
号を差し引くことによりエコーキャンセルを行う方法で
あって、前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせ
た信号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよ
りも互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を参照
信号として(例えば、前記複数チャンネル音声信号を適
宜組み合わせて、該複数チャンネル音声信号どうしより
も互いに相関の低い複数の低相関合成信号を生成し、該
複数の低相関合成信号の組を参照信号とする、あるい
は、前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせた信
号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよりも
互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を直接入力
し、該複数の低相関合成信号の組を参照信号とする
等)、前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数をそ
れぞれ求め、該当するフィルタ特性を設定するものであ
る。この発明によれば、相互に相関を有する複数チャン
ネル音声信号を適宜組み合わせた信号に相当する、該複
数チャンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い複
数の低相関合成信号の組を参照信号として、前記複数系
統の音声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求め、該当
するフィルタ特性を設定してエコーキャンセルを行うこ
とができる。そして、これによれば、複数チャンネル音
声信号に劣化を伴う加工を全くまたはあまり施すことな
く該複数チャンネル音声信号をスピーカから再生できる
ので、良好な再生音質を得ることができる。また、再生
信号の遅延がなくまたは少なく、テレビ会議システム等
に適用した場合に、自然な会話を行うことができる。前
記複数の低相関合成信号の組を参照信号として前記複数
系統の音声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求める演
算は、例えば、該複数の低相関合成信号と各マイクの個
々の収音信号とのクロススペクトル演算に基づき該複数
系統の音声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求める演
算とすることができる。また、前記クロススペクトル演
算に基づき前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数
をそれぞれ求める演算は、例えば、前記複数チャンネル
音声信号を足し算あるいは引き算して組み合わせて、該
複数チャンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い
複数の低相関合成信号を生成し、これら複数の低相関合
成信号と各マイクの個々の収音信号とのクロススペクト
ルを求め、これを各クロススペクトルごとに所定期間で
集合平均して、前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達
関数をそれぞれ求める演算とすることができる。
【0028】この発明の複数チャンネルエコーキャンセ
ル方法は、複数個のスピーカと1個あるいは複数個のマ
イクが配置され、前記各スピーカで再生された相互に相
関を有する複数チャンネル音声が前記各マイクで収音さ
れる複数系統の音声伝達系統を構成する空間について、
前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数を推定して
該当するフィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピー
カで再生する個々の信号の合成信号に、前記設定された
各対応するフィルタ特性を付与してエコーキャンセル信
号をそれぞれ生成し、前記1個あるいは複数個のマイク
の個々の収音信号から該当するエコーキャンセル信号を
差し引くことによりエコーキャンセルを行う方法であっ
て、前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせた信
号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよりも
互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を参照信号
として(例えば、前記複数チャンネル音声信号を適宜組
み合わせて、該複数チャンネル音声信号どうしよりも互
いに相関の低い複数の低相関合成信号を生成し、該複数
の低相関合成信号の組を参照信号とする、あるいは、前
記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせた信号に相
当する、該複数チャンネル音声信号どうしよりも互いに
相関の低い複数の低相関合成信号の組を直接入力し、該
複数の低相関合成信号の組を参照信号とする等)、前記
複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差をそ
れぞれ求め、該当するフィルタ特性を該推定誤差を打ち
消す値に更新するものである。この発明によれば、相互
に相関を有する複数チャンネル音声信号を適宜組み合わ
せた信号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうし
よりも互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を参
照信号として、前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達
関数の推定誤差をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性
を該推定誤差を打ち消す値に順次更新してエコーキャン
セルを行うことができる。そして、これによれば、複数
チャンネル音声信号に劣化を伴う加工を全くまたはあま
り施すことなく該複数チャンネル音声信号をスピーカか
ら再生できるので、良好な再生音質が得られる。また、
再生信号の遅延がなくまたは少なく、テレビ会議システ
ム等に適用した場合に、自然な会話を行うことができ
る。また、フィルタ特性を実時間で更新することも可能
である。前記複数の低相関合成信号の組を参照信号とし
て前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤
差をそれぞれ求める演算は、例えば、該複数の低相関合
成信号と、前記1個あるいは複数個のマイクの個々の収
音信号から該当するエコーキャンセル信号を差し引いて
得られる各エコーキャンセル誤差信号とのクロススペク
トル演算に基づき該複数系統の音声伝達系統の合成伝達
関数の推定誤差をそれぞれ求める演算とすることができ
る。また、前記クロススペクトル演算に基づき前記複数
系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差をそれぞ
れ求める演算は例えば、前記複数チャンネル音声信号を
足し算あるいは引き算して組み合わせて、該複数チャン
ネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い複数の低相
関合成信号を生成し、これら複数の低相関合成信号と、
前記1個あるいは複数個のマイクの個々の収音信号から
該当するエコーキャンセル信号を差し引いて得られる各
エコーキャンセル誤差信号とのクロススペクトルを求
め、これを各クロススペクトルごとに所定期間で集合平
均して、前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数の
推定誤差をそれぞれ求める演算とすることができる。ま
た、前記複数の低相関合成信号どうしの相関を検出し、
該相関値が所定値以上のときに前記フィルタ特性の更新
を停止することにより、エコーキャンセル誤差信号が不
測に増大するのを防止することができる。
【0029】この発明の複数チャンネル音声伝送方法
は、それぞれが前記複数系統の音声伝達系統を構成する
2つの空間について、前記いずれかの複数チャンネルエ
コーキャンセル方法をそれぞれ実施し、該方法の実施に
よりエコーキャンセルされた複数チャンネル音声信号を
該2つの空間相互間で伝送するものである。これによれ
ば、2地点間でエコーキャンセルを低減した複数チャン
ネル音声伝送を行うことができ、例えば、テレビ会議シ
ステム等に適用することができる。
【0030】この発明のステレオエコーキャンセル方法
は、2個のスピーカと1個あるいは2個のマイクが配置
され、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記
各マイクで収音される2系統あるいは4系統の音声伝達
系統を構成する空間について、前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の合成伝達関数を推定して該当するフ
ィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピーカで再生す
る個々の信号の合成信号に、前記設定された各対応する
フィルタ特性を付与してエコーキャンセル信号をそれぞ
れ生成し、前記1個あるいは2個のマイクの個々の収音
信号から該当するエコーキャンセル信号を差し引くこと
によりエコーキャンセルを行う方法であって、前記ステ
レオ音声信号の和信号および差信号を参照信号として前
記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数
をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を設定するもの
である。この発明によれば、ステレオ音声信号の和信号
および差信号は相関が低いので、該和信号および差信号
を参照信号として用いて、前記2系統あるいは4系統の
音声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求め、該当する
フィルタ特性を設定してエコーキャンセルを行うことが
できる。そして、これによれば、ステレオ信号に劣化を
伴う加工を全くまたはあまり施すことなく該ステレオ信
号をスピーカから再生できるので、良好な再生音質が得
られる。また、再生信号の遅延がなくまたは少なく、テ
レビ会議システム等に適用した場合に、自然な会話を行
うことができる。前記ステレオ音声信号の和信号および
差信号を参照信号として前記2系統あるいは4系統の音
声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求める演算は、例
えば、該和信号および差信号と各マイクの個々の収音信
号とのクロススペクトル演算に基づき前記2系統あるい
は4系統の音声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求め
る演算とすることができる。また、前記クロススペクト
ル演算に基づき前記2系統あるいは4系統の音声伝達系
統の合成伝達関数をそれぞれ求める演算は、例えば、前
記ステレオ音声信号の和信号および差信号と各マイクの
個々の収音信号とのクロススペクトルを求め、これを各
クロススペクトルごとに所定期間で集合平均して、前記
2系統あるいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数を
それぞれ求める演算とすることができる。
【0031】この発明のステレオエコーキャンセル方法
は、2個のスピーカと1個あるいは2個のマイクが配置
され、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記
各マイクで収音される2系統あるいは4系統の音声伝達
系統を構成する空間について、前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の合成伝達関数を推定して該当するフ
ィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピーカで再生す
る個々の信号の合成信号に、前記設定された各対応する
フィルタ特性を付与してエコーキャンセル信号をそれぞ
れ生成し、前記1個あるいは2個のマイクの個々の収音
信号から該当するエコーキャンセル信号を差し引くこと
によりエコーキャンセルを行う方法であって、前記ステ
レオ音声信号の和信号および差信号を参照信号として前
記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数
の推定誤差をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を該
推定誤差を打ち消す値に更新するものである。この発明
によれば、ステレオ音声信号の和信号および差信号は相
関が低いので、該和信号および差信号を参照信号として
用いて、前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の合
成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、該当するフィル
タ特性を該推定誤差を打ち消す値に順次更新してエコー
キャンセルを行うことができる。そして、これによれ
ば、ステレオ信号に劣化を伴う加工を全くまたはあまり
施すことなく該ステレオ信号をスピーカから再生できる
ので、良好な再生音質が得られる。また、再生信号の遅
延がなくまたは少なく、テレビ会議システム等に適用し
た場合に、自然な会話を行うことができる。前記ステレ
オ音声信号の和信号および差信号を参照信号として前記
2系統あるいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数の
推定誤差をそれぞれ求める演算は、例えば、前記ステレ
オ音声信号の和信号および差信号と、前記1個あるいは
2個のマイクの個々の収音信号から該当するエコーキャ
ンセル信号を差し引いて得られる各エコーキャンセル誤
差信号とのクロススペクトル演算に基づき前記2系統あ
るいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差
をそれぞれ求める演算とすることができる。また、前記
ステレオ音声信号の和信号および差信号と各エコーキャ
ンセル誤差信号とのクロススペクトル演算に基づき前記
2系統あるいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数の
推定誤差をそれぞれ求める演算は、例えば、前記ステレ
オ音声信号の和信号および差信号と各エコーキャンセル
誤差信号とのクロススペクトルを求め、これを各クロス
スペクトルごとに所定期間で集合平均して、前記2系統
あるいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤
差をそれぞれ求める演算とすることができる。また、前
記ステレオ音声信号の和信号および差信号の相関を検出
し、該相関値が所定値以上のときに前記フィルタ特性の
更新を停止することにより、エコーキャンセル誤差信号
が不測に増大するのを防止することができる。
【0032】この発明のステレオ音声伝送方法は、それ
ぞれが前記4系統の音声伝達系統を構成する2つの空間
について、前記いずれかのステレオエコーキャンセル方
法をそれぞれ実施し、該方法の実施によりエコーキャン
セルされたステレオ音声信号を該2つの空間相互間で伝
送するものである。これによれば、2地点間でエコーキ
ャンセルを低減した複数チャンネル音声伝送を行うこと
ができ、例えば、テレビ会議システム等に適用すること
ができる。
【0033】この発明のステレオエコーキャンセラは、
2個のスピーカと2個のマイクが配置され、前記各スピ
ーカで再生されたステレオ音声が前記各マイクで収音さ
れる4系統の音声伝達系統を構成する空間について、前
記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号を第
1,第2のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、
第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、前記各ス
ピーカで再生するステレオ音声信号の差信号を、第3,
第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第
3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、第1のマイ
クの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号
を第1の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを行
い、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコー
キャンセル信号を第2の引算手段で差し引いてエコーキ
ャンセルを行うステレオエコーキャンセラにおいて、前
記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号およ
び差信号と各マイク収音信号とのクロススペクトル演算
に基づき前記4系統の音声伝達系統の合成伝達関数に相
当するフィルタ特性をそれぞれ求め、該求められた各フ
ィルタ特性を前記第1〜第4のフィルタ手段の該当する
ものにそれぞれ設定する伝達関数演算手段を具備してな
るものである。この発明のステレオエコーキャンセラ
は、例えば、前記ステレオ音声信号を入力する入力手段
と、前記入力手段から入力されたステレオ音声信号の和
信号および差信号を生成する和差信号生成手段と、該入
力手段から入力されたステレオ音声信号を前記和差信号
生成手段を介さずに前記各スピーカに伝送する主信号伝
送系統を具備し、前記伝達関数演算手段が、前記和差信
号生成手段で生成された和信号および差信号と各マイク
収音信号とのクロススペクトル演算に基づき前記4系統
の音声伝達系統の合成伝達関数に相当するフィルタ特性
をそれぞれ求め、該求められた各フィルタ特性を前記第
1〜第4のフィルタ手段の該当するものにそれぞれ設定
するものとすることができる。
【0034】この発明のステレオエコーキャンセラは、
2個のスピーカと2個のマイクが配置され、前記各スピ
ーカで再生されたステレオ音声が前記各マイクで収音さ
れる4系統の音声伝達系統を構成する空間について、前
記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号を第
1,第2のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、
第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、前記各ス
ピーカで再生するステレオ音声信号の差信号を、第3,
第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第
3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、第1のマイ
クの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号
を第1の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを行
い、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコー
キャンセル信号を第2の引算手段で差し引いてエコーキ
ャンセルを行うステレオエコーキャンセラにおいて、前
記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号およ
び差信号と、前記2個のマイクの収音信号から該当する
エコーキャンセル信号を差し引いて得られる各エコーキ
ャンセル誤差信号とのクロススペクトル演算に基づき前
記4系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差をそ
れぞれ求め、前記第1〜第4のフィルタ手段のフィルタ
特性を該推定誤差を打ち消す値にそれぞれ更新する伝達
関数演算手段を具備してなるものである。この発明のス
テレオエコーキャンセラは、例えば、前記ステレオ音声
信号を入力する入力手段と、前記入力手段から入力され
たステレオ音声信号の和信号および差信号を生成する和
差信号生成手段と、該入力手段から入力されたステレオ
音声信号を前記和差信号生成手段を介さずに前記各スピ
ーカに伝送する主信号伝送系統を具備し、前記伝達関数
演算手段が、前記和差信号生成手段で生成された和信号
および差信号と各エコーキャンセル誤差信号とのクロス
スペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝達系統の合
成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、前記第1〜第4
のフィルタ手段のフィルタ特性を該推定誤差を打ち消す
値にそれぞれ更新するものとすることができる。
【0035】この発明のステレオエコーキャンセラは、
前記ステレオ音声信号の和信号および差信号の相関を検
出し、該相関値が所定値以上のときに前記フィルタ特性
の更新を停止する相関検出手段をさらに具備することに
より、エコーキャンセル誤差信号が不測に増大するのを
防止することができる。
【0036】この発明のステレオ音声伝送装置は、それ
ぞれが前記4系統の音声伝達系統を構成する2つの空間
について、前記いずれかのステレオエコーキャンセラを
それぞれ配置し、該ステレオエコーキャンセラによりエ
コーキャンセルされたステレオ音声信号を該2つの空間
相互間で伝送するものである。
【0037】〔請求項28〜31の発明および該発明に
関連する発明〕この発明の複数チャンネルエコーキャン
セル方法は、複数個のスピーカと1個あるいは複数個の
マイクが配置され、前記各スピーカで再生された相互に
相関を有する複数チャンネル音声が前記各マイクで収音
される複数系統の音声伝達系統を構成する空間につい
て、前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数を推定
して該当するフィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各ス
ピーカで再生する個々の信号に、前記設定された各対応
するフィルタ特性を付与してエコーキャンセル信号をそ
れぞれ生成し、前記1個あるいは複数個のマイクの個々
の収音信号の合成信号から該当するエコーキャンセル信
号を差し引くことによりエコーキャンセルを行う方法で
あって、前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせ
た信号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよ
りも互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を参照
信号として(例えば、前記複数チャンネル音声信号を適
宜組み合わせて、該複数チャンネル音声信号どうしより
も互いに相関の低い複数の低相関合成信号を生成し、該
複数の低相関合成信号の組を参照信号とする、あるい
は、前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせた信
号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよりも
互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を直接入力
し、該複数の低相関合成信号の組を参照信号とする
等)、前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数をそ
れぞれ求め、該当するフィルタ特性を設定するものであ
る。この発明によれば、相互に相関を有する複数チャン
ネル音声信号を適宜組み合わせた信号に相当する、該複
数チャンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い複
数の低相関合成信号の組を参照信号として、前記複数系
統の音声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求め、該当
するフィルタ特性を設定してエコーキャンセルを行うこ
とができる。そして、これによれば、複数チャンネル音
声信号に劣化を伴う加工を全くまたはあまり施すことな
く該複数チャンネル音声信号をスピーカから再生できる
ので、良好な再生音質を得ることができる。また、再生
信号の遅延がなくまたは少なく、テレビ会議システム等
に適用した場合に、自然な会話を行うことができる。前
記複数の低相関合成信号の組を参照信号として前記複数
系統の音声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求める演
算は、例えば、該複数の低相関合成信号と各マイクの個
々の収音信号の合成信号とのクロススペクトル演算に基
づき該複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数をそれぞ
れ求める演算とすることができる。また、前記クロスス
ペクトル演算に基づき前記複数系統の音声伝達系統の合
成伝達関数をそれぞれ求める演算は、例えば、前記複数
チャンネル音声信号を足し算あるいは引き算して組み合
わせて、該複数チャンネル音声信号どうしよりも互いに
相関の低い複数の低相関合成信号を生成し、これら複数
の低相関合成信号と各マイクの個々の収音信号の合成信
号とのクロススペクトルを求め、これを各クロススペク
トルごとに所定期間で集合平均して、前記複数系統の音
声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求める演算とする
ことができる。
【0038】この発明の複数チャンネルエコーキャンセ
ル方法は、複数個のスピーカと1個あるいは複数個のマ
イクが配置され、前記各スピーカで再生された相互に相
関を有する複数チャンネル音声が前記各マイクで収音さ
れる複数系統の音声伝達系統を構成する空間について、
前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数を推定して
該当するフィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピー
カで再生する個々の信号に、前記設定された各対応する
フィルタ特性を付与してエコーキャンセル信号をそれぞ
れ生成し、前記1個あるいは複数個のマイクの個々の収
音信号の合成信号から該当するエコーキャンセル信号を
差し引くことによりエコーキャンセルを行う方法であっ
て、前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせた信
号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよりも
互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を参照信号
として(例えば、前記複数チャンネル音声信号を適宜組
み合わせて、該複数チャンネル音声信号どうしよりも互
いに相関の低い複数の低相関合成信号を生成し、該複数
の低相関合成信号の組を参照信号とする、あるいは、前
記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせた信号に相
当する、該複数チャンネル音声信号どうしよりも互いに
相関の低い複数の低相関合成信号の組を直接入力し、該
複数の低相関合成信号の組を参照信号とする等)、前記
複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差をそ
れぞれ求め、該当するフィルタ特性を該推定誤差を打ち
消す値に更新するものである。この発明によれば、相互
に相関を有する複数チャンネル音声信号を適宜組み合わ
せた信号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうし
よりも互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を参
照信号として、前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達
関数の推定誤差をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性
を該推定誤差を打ち消す値に順次更新してエコーキャン
セルを行うことができる。そして、これによれば、複数
チャンネル音声信号に劣化を伴う加工を全くまたはあま
り施すことなく該複数チャンネル音声信号をスピーカか
ら再生できるので、良好な再生音質が得られる。また、
再生信号の遅延がなくまたは少なく、テレビ会議システ
ム等に適用した場合に、自然な会話を行うことができ
る。また、フィルタ特性を実時間で更新することも可能
である。前記複数の低相関合成信号の組を参照信号とし
て前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤
差をそれぞれ求める演算は、例えば、該複数の低相関合
成信号と、前記1個あるいは複数個のマイクの個々の収
音信号の合成信号から該当するエコーキャンセル信号を
差し引いて得られる各エコーキャンセル誤差信号とのク
ロススペクトル演算に基づき該複数系統の音声伝達系統
の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求める演算とする
ことができる。また、前記クロススペクトル演算に基づ
き前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤
差をそれぞれ求める演算は、例えば、前記複数チャンネ
ル音声信号を足し算あるいは引き算して組み合わせて、
該複数チャンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低
い複数の低相関合成信号を生成し、これら複数の低相関
合成信号と、前記1個あるいは複数個のマイクの個々の
収音信号の合成信号から該当するエコーキャンセル信号
を差し引いて得られる各エコーキャンセル誤差信号との
クロススペクトルを求め、これを各クロススペクトルご
とに所定期間で集合平均して、前記複数系統の音声伝達
系統の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求める演算と
することができる。また、前記複数の低相関合成信号ど
うしの相関を検出し、該相関値が所定値以上のときに前
記フィルタ特性の更新を停止することにより、エコーキ
ャンセル誤差信号が不測に増大するのを防止することが
できる。
【0039】この発明の複数チャンネル音声伝送方法
は、それぞれが前記複数系統の音声伝達系統を構成する
2つの空間について、前記いずれかのの複数チャンネル
エコーキャンセル方法をそれぞれ実施し、該方法の実施
によりエコーキャンセルされた複数チャンネル音声信号
を該2つの空間相互間で伝送するものである。これによ
れば、2地点間でエコーキャンセルを低減した複数チャ
ンネル音声伝送を行うことができ、例えば、テレビ会議
システム等に適用することができる。
【0040】この発明のステレオエコーキャンセル方法
は、2個のスピーカと1個あるいは2個のマイクが配置
され、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記
各マイクで収音される2系統あるいは4系統の音声伝達
系統を構成する空間について、前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の合成伝達関数を推定して該当するフ
ィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピーカで再生す
る個々の信号に、前記設定された各対応するフィルタ特
性を付与してエコーキャンセル信号をそれぞれ生成し、
前記1個あるいは2個のマイクの個々の収音信号の合成
信号から該当するエコーキャンセル信号を差し引くこと
によりエコーキャンセルを行う方法であって、前記ステ
レオ音声信号の和信号および差信号を参照信号として前
記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数
をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を設定するもの
である。この発明によれば、ステレオ音声信号の和信号
および差信号は相関が低いので、該和信号および差信号
を参照信号として用いて、前記2系統あるいは4系統の
音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求
め、該当するフィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値に
順次更新してエコーキャンセルを行うことができる。そ
して、これによれば、ステレオ信号に劣化を伴う加工を
全くまたはあまり施すことなく該ステレオ信号をスピー
カから再生できるので、良好な再生音質が得られる。ま
た、再生信号の遅延がなくまたは少なく、テレビ会議シ
ステム等に適用した場合に、自然な会話を行うことがで
きる。前記ステレオ音声信号の和信号および差信号を参
照信号として前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統
の合成伝達関数をそれぞれ求める演算は、例えば、該和
信号および差信号と各マイクの個々の収音信号の合成信
号とのクロススペクトル演算に基づき前記2系統あるい
は4系統の音声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求め
る演算とすることができる。また、前記クロススペクト
ル演算に基づき前記2系統あるいは4系統の音声伝達系
統の合成伝達関数をそれぞれ求める演算は、例えば、前
記ステレオ音声信号の和信号および差信号と各マイクの
個々の収音信号の合成信号とのクロススペクトルを求
め、これを各クロススペクトルごとに所定期間で集合平
均して、前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の合
成伝達関数をそれぞれ求める演算とすることができる。
【0041】この発明のステレオエコーキャンセル方法
は、2個のスピーカと1個あるいは2個のマイクが配置
され、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記
各マイクで収音される2系統あるいは4系統の音声伝達
系統を構成する空間について、前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の合成伝達関数を推定して該当するフ
ィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピーカで再生す
る個々の信号に、前記設定された各対応するフィルタ特
性を付与してエコーキャンセル信号をそれぞれ生成し、
前記1個あるいは2個のマイクの個々の収音信号の合成
信号から該当するエコーキャンセル信号を差し引くこと
によりエコーキャンセルを行う方法であって、前記ステ
レオ音声信号の和信号および差信号を参照信号として前
記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数
の推定誤差をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を該
推定誤差を打ち消す値に更新するものである。この発明
によれば、相互に相関を有する複数チャンネル音声信号
を適宜組み合わせた信号に相当する、該複数チャンネル
音声信号どうしよりも互いに相関の低い複数の低相関合
成信号の組を参照信号として、前記複数系統の音声伝達
系統の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、該当す
るフィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値に順次更新し
てエコーキャンセルを行うことができる。そして、これ
によれば、複数チャンネル音声信号に劣化を伴う加工を
全くまたはあまり施すことなく該複数チャンネル音声信
号をスピーカから再生できるので、良好な再生音質が得
られる。また、再生信号の遅延がなくまたは少なく、テ
レビ会議システム等に適用した場合に、自然な会話を行
うことができる。また、フィルタ特性を実時間で更新す
ることも可能である。前記ステレオ音声信号の和信号お
よび差信号を参照信号として前記2系統あるいは4系統
の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求
める演算は、例えば、前記ステレオ音声信号の和信号お
よび差信号と、前記1個あるいは2個のマイクの個々の
収音信号の合成信号から該当するエコーキャンセル信号
を差し引いて得られる各エコーキャンセル誤差信号との
クロススペクトル演算に基づき前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ
求める演算とすることができる。また、前記ステレオ音
声信号の和信号および差信号と各エコーキャンセル誤差
信号とのクロススペクトル演算に基づき前記2系統ある
いは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差を
それぞれ求める演算は、例えば、前記ステレオ音声信号
の和信号および差信号と各エコーキャンセル誤差信号と
のクロススペクトルを求め、これを各クロススペクトル
ごとに所定期間で集合平均して、前記2系統あるいは4
系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差をそれぞ
れ求める演算とすることができる。また、前記ステレオ
音声信号の和信号および差信号の相関を検出し、該相関
値が所定値以上のときに前記フィルタ特性の更新を停止
することにより、エコーキャンセル誤差信号が不測に増
大するのを防止することができる。
【0042】この発明のステレオ音声伝送方法は、それ
ぞれが前記4系統の音声伝達系統を構成する2つの空間
について、前記いずれかのステレオエコーキャンセル方
法をそれぞれ実施し、該方法の実施によりエコーキャン
セルされたステレオ音声信号を該2つの空間相互間で伝
送するものである。これによれば、2地点間でエコーキ
ャンセルを低減した複数チャンネル音声伝送を行うこと
ができ、例えば、テレビ会議システム等に適用すること
ができる。
【0043】この発明のステレオエコーキャンセラは、
2個のスピーカと2個のマイクが配置され、前記各スピ
ーカで再生されたステレオ音声が前記各マイクで収音さ
れる4系統の音声伝達系統を構成する空間について、第
1のスピーカに供給する音声信号を第1,第2のフィル
タ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコ
ーキャンセル信号を生成し、第2のスピーカに供給する
音声信号を第3,第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込
み演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成
し、各マイクの収音信号の和信号から該第1,第3のエ
コーキャンセル信号を第1の引算手段で差し引いてエコ
ーキャンセルを行い、各マイクの収音信号の差信号から
該第2,第4のエコーキャンセル信号を第2の引算手段
で差し引いてエコーキャンセルを行うステレオエコーキ
ャンセラにおいて、前記各スピーカで再生するステレオ
音声信号の和信号および差信号と各マイク収音信号の和
信号および差信号とのクロススペクトル演算に基づき前
記4系統の音声伝達系統の合成伝達関数に相当するフィ
ルタ特性をそれぞれ求め、該求められた各フィルタ特性
を前記第1〜第4のフィルタ手段の該当するものにそれ
ぞれ設定する伝達関数演算手段を具備してなるものであ
る。
【0044】この発明のステレオエコーキャンセラは、
2個のスピーカと2個のマイクが配置され、前記各スピ
ーカで再生されたステレオ音声が前記各マイクで収音さ
れる4系統の音声伝達系統を構成する空間について、第
1のスピーカに供給する音声信号を第1,第2のフィル
タ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコ
ーキャンセル信号を生成し、第2のスピーカに供給する
音声信号を第3,第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込
み演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成
し、各マイクの収音信号の和信号から該第1,第3のエ
コーキャンセル信号を第1の引算手段で差し引いてエコ
ーキャンセルを行い、各マイクの収音信号の差信号から
該第2,第4のエコーキャンセル信号を第2の引算手段
で差し引いてエコーキャンセルを行うステレオエコーキ
ャンセラにおいて、前記各スピーカで再生するステレオ
音声信号の和信号および差信号と各マイク収音信号の和
信号および差信号から該当するエコーキャンセル信号を
差し引いて得られる各エコーキャンセル誤差信号とのク
ロススペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝達系統
の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、前記第1〜
第4のフィルタ手段のフィルタ特性を該推定誤差を打ち
消す値にそれぞれ更新する伝達関数演算手段を具備して
なるものである。
【0045】この発明のステレオエコーキャンセラは、
前記ステレオ音声信号の和信号および差信号の相関を検
出し、該相関値が所定値以上のときに前記フィルタ特性
の更新を停止する相関検出手段をさらに具備することに
より、エコーキャンセル誤差信号が不測に増大するのを
防止することができる。
【0046】この発明のステレオ音声伝送装置は、それ
ぞれが前記4系統の音声伝達系統を構成する2つの空間
について、前記いずれかのステレオエコーキャンセラを
それぞれ配置し、該ステレオエコーキャンセラによりエ
コーキャンセルされたステレオ音声信号を該2つの空間
相互間で伝送するものである。
【0047】〔請求項32〜35の発明および該発明に
関連する発明〕この発明の複数チャンネルエコーキャン
セル方法は、複数個のスピーカと1個あるいは複数個の
マイクが配置され、前記各スピーカで再生された相互に
相関を有する複数チャンネル音声が前記各マイクで収音
される複数系統の音声伝達系統を構成する空間につい
て、前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数を推定
して該当するフィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各ス
ピーカで再生する個々の信号の合成信号に、前記設定さ
れた各対応するフィルタ特性を付与してエコーキャンセ
ル信号をそれぞれ生成し、前記1個あるいは複数個のマ
イクの個々の収音信号の合成信号から該当するエコーキ
ャンセル信号を差し引くことによりエコーキャンセルを
行う方法であって、前記複数チャンネル音声信号を適宜
組み合わせた信号に相当する、該複数チャンネル音声信
号どうしよりも互いに相関の低い複数の低相関合成信号
の組を参照信号として(例えば、前記複数チャンネル音
声信号を適宜組み合わせて、該複数チャンネル音声信号
どうしよりも互いに相関の低い複数の低相関合成信号を
生成し、該複数の低相関合成信号の組を参照信号とす
る、あるいは、前記複数チャンネル音声信号を適宜組み
合わせた信号に相当する、該複数チャンネル音声信号ど
うしよりも互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組
を直接入力し、該複数の低相関合成信号の組を参照信号
とする等)、前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関
数をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を設定するも
のである。この発明によれば、相互に相関を有する複数
チャンネル音声信号を適宜組み合わせた信号に相当す
る、該複数チャンネル音声信号どうしよりも互いに相関
の低い複数の低相関合成信号の組を参照信号として、前
記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求
め、該当するフィルタ特性を設定してエコーキャンセル
を行うことができる。そして、これによれば、複数チャ
ンネル音声信号に劣化を伴う加工を全くまたはあまり施
すことなく該複数チャンネル音声信号をスピーカから再
生できるので、良好な再生音質を得ることができる。ま
た、再生信号の遅延がなくまたは少なく、テレビ会議シ
ステム等に適用した場合に、自然な会話を行うことがで
きる。前記複数の低相関合成信号の組を参照信号として
前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ
求める演算は、例えば、該複数の低相関合成信号と各マ
イクの個々の収音信号の合成信号とのクロススペクトル
演算に基づき該複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数
をそれぞれ求める演算とすることができる。また、前記
クロススペクトル演算に基づき前記複数系統の音声伝達
系統の合成伝達関数をそれぞれ求める演算は、例えば、
前記複数チャンネル音声信号を足し算あるいは引き算し
て組み合わせて、該複数チャンネル音声信号どうしより
も互いに相関の低い複数の低相関合成信号を生成し、こ
れら複数の低相関合成信号と各マイクの個々の収音信号
の合成信号とのクロススペクトルを求め、これを各クロ
ススペクトルごとに所定期間で集合平均して、前記複数
系統の音声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求める演
算とすることができる。
【0048】この発明の複数チャンネルエコーキャンセ
ル方法は、複数個のスピーカと1個あるいは複数個のマ
イクが配置され、前記各スピーカで再生された相互に相
関を有する複数チャンネル音声が前記各マイクで収音さ
れる複数系統の音声伝達系統を構成する空間について、
前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数を推定して
該当するフィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピー
カで再生する個々の信号の合成信号に、前記設定された
各対応するフィルタ特性を付与してエコーキャンセル信
号をそれぞれ生成し、前記1個あるいは複数個のマイク
の個々の収音信号の合成信号から該当するエコーキャン
セル信号を差し引くことによりエコーキャンセルを行う
方法であって、前記複数チャンネル音声信号を適宜組み
合わせた信号に相当する、該複数チャンネル音声信号ど
うしよりも互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組
を参照信号として(例えば、前記複数チャンネル音声信
号を適宜組み合わせて、該複数チャンネル音声信号どう
しよりも互いに相関の低い複数の低相関合成信号を生成
し、該複数の低相関合成信号の組を参照信号とする、あ
るいは、前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせ
た信号に相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよ
りも互いに相関の低い複数の低相関合成信号の組を直接
入力し、該複数の低相関合成信号の組を参照信号とする
等)、前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推
定誤差をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を該推定
誤差を打ち消す値に更新するものである。この発明によ
れば、相互に相関を有する複数チャンネル音声信号を適
宜組み合わせた信号に相当する、該複数チャンネル音声
信号どうしよりも互いに相関の低い複数の低相関合成信
号の組を参照信号として、前記複数系統の音声伝達系統
の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、該当するフ
ィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値に順次更新してエ
コーキャンセルを行うことができる。そして、これによ
れば、複数チャンネル音声信号に劣化を伴う加工を全く
またはあまり施すことなく該複数チャンネル音声信号を
スピーカから再生できるので、良好な再生音質が得られ
る。また、再生信号の遅延がなくまたは少なく、テレビ
会議システム等に適用した場合に、自然な会話を行うこ
とができる。また、フィルタ特性を実時間で更新するこ
とも可能である。前記複数の低相関合成信号の組を参照
信号として前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数
の推定誤差をそれぞれ求める演算は、例えば、該複数の
低相関合成信号と、前記1個あるいは複数個のマイクの
個々の収音信号の合成信号から該当するエコーキャンセ
ル信号を差し引いて得られる各エコーキャンセル誤差信
号とのクロススペクトル演算に基づき該複数系統の音声
伝達系統の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求める演
算とすることができる。また、前記クロススペクトル演
算に基づき前記複数系統の音声伝達系統の合成伝達関数
の推定誤差をそれぞれ求める演算は、例えば、前記複数
チャンネル音声信号を足し算あるいは引き算して組み合
わせて、該複数チャンネル音声信号どうしよりも互いに
相関の低い複数の低相関合成信号を生成し、これら複数
の低相関合成信号と、前記1個あるいは複数個のマイク
の個々の収音信号の合成信号から該当するエコーキャン
セル信号を差し引いて得られる各エコーキャンセル誤差
信号とのクロススペクトルを求め、これを各クロススペ
クトルごとに所定期間で集合平均して、前記複数系統の
音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め
る演算とすることができる。また、前記複数の低相関合
成信号どうしの相関を検出し、該相関値が所定値以上の
ときに前記フィルタ特性の更新を停止することにより、
エコーキャンセル誤差信号が不測に増大するのを防止す
ることができる。
【0049】この発明の複数チャンネル音声伝送方法
は、それぞれが前記複数系統の音声伝達系統を構成する
2つの空間について、前記いずれかの複数チャンネルエ
コーキャンセル方法をそれぞれ実施し、該方法の実施に
よりエコーキャンセルされた複数チャンネル音声信号を
該2つの空間相互間で伝送するものである。これによれ
ば、2地点間でエコーキャンセルを低減した複数チャン
ネル音声伝送を行うことができ、例えば、テレビ会議シ
ステム等に適用することができる。
【0050】この発明のステレオエコーキャンセル方法
は、2個のスピーカと1個あるいは2個のマイクが配置
され、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記
各マイクで収音される2系統あるいは4系統の音声伝達
系統を構成する空間について、前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の合成伝達関数を推定して該当するフ
ィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピーカで再生す
る個々の信号の合成信号に、前記設定された各対応する
フィルタ特性を付与してエコーキャンセル信号をそれぞ
れ生成し、前記1個あるいは2個のマイクの個々の収音
信号の合成信号から該当するエコーキャンセル信号を差
し引くことによりエコーキャンセルを行う方法であっ
て、前記ステレオ音声信号の和信号および差信号を参照
信号として前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の
合成伝達関数をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を
設定するものである。この発明によれば、ステレオ音声
信号の和信号および差信号は相関が低いので、該和信号
および差信号を参照信号として用いて、前記2系統ある
いは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差を
それぞれ求め、該当するフィルタ特性を該推定誤差を打
ち消す値に順次更新してエコーキャンセルを行うことが
できる。そして、これによれば、ステレオ信号に劣化を
伴う加工を全くまたはあまり施すことなく該ステレオ信
号をスピーカから再生できるので、良好な再生音質が得
られる。また、再生信号の遅延がなくまたは少なく、テ
レビ会議システム等に適用した場合に、自然な会話を行
うことができる。前記ステレオ音声信号の和信号および
差信号を参照信号として前記2系統あるいは4系統の音
声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求める演算は、例
えば、該和信号および差信号と各マイクの個々の収音信
号の合成信号とのクロススペクトル演算に基づき前記2
系統あるいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数をそ
れぞれ求める演算とすることができる。また、前記クロ
ススペクトル演算に基づき前記2系統あるいは4系統の
音声伝達系統の合成伝達関数をそれぞれ求める演算は、
例えば、前記ステレオ音声信号の和信号および差信号と
各マイクの個々の収音信号の合成信号とのクロススペク
トルを求め、これを各クロススペクトルごとに所定期間
で集合平均して、前記2系統あるいは4系統の音声伝達
系統の合成伝達関数をそれぞれ求める演算とすることが
できる。
【0051】この発明のステレオエコーキャンセル方法
は、2個のスピーカと1個あるいは2個のマイクが配置
され、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記
各マイクで収音される2系統あるいは4系統の音声伝達
系統を構成する空間について、前記2系統あるいは4系
統の音声伝達系統の合成伝達関数を推定して該当するフ
ィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピーカで再生す
る個々の信号の合成信号に、前記設定された各対応する
フィルタ特性を付与してエコーキャンセル信号をそれぞ
れ生成し、前記1個あるいは2個のマイクの個々の収音
信号の合成信号から該当するエコーキャンセル信号を差
し引くことによりエコーキャンセルを行う方法であっ
て、前記ステレオ音声信号の和信号および差信号を参照
信号として前記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の
合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、該当するフィ
ルタ特性を該推定誤差を打ち消す値に更新するものであ
る。この発明によれば、相互に相関を有する複数チャン
ネル音声信号を適宜組み合わせた信号に相当する、該複
数チャンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い複
数の低相関合成信号の組を参照信号として、前記複数系
統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ
求め、該当するフィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値
に順次更新してエコーキャンセルを行うことができる。
そして、これによれば、複数チャンネル音声信号に劣化
を伴う加工を全くまたはあまり施すことなく該複数チャ
ンネル音声信号をスピーカから再生できるので、良好な
再生音質が得られる。また、再生信号の遅延がなくまた
は少なく、テレビ会議システム等に適用した場合に、自
然な会話を行うことができる。また、フィルタ特性を実
時間で更新することも可能である。前記ステレオ音声信
号の和信号および差信号を参照信号として前記2系統あ
るいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差
をそれぞれ求める演算は、例えば、前記ステレオ音声信
号の和信号および差信号と、前記1個あるいは2個のマ
イクの個々の収音信号の合成信号から該当するエコーキ
ャンセル信号を差し引いて得られる各エコーキャンセル
誤差信号とのクロススペクトル演算に基づき前記2系統
あるいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤
差をそれぞれ求める演算とすることができる。また、前
記ステレオ音声信号の和信号および差信号と各エコーキ
ャンセル誤差信号とのクロススペクトル演算に基づき前
記2系統あるいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数
の推定誤差をそれぞれ求める演算は、例えば、前記ステ
レオ音声信号の和信号および差信号と各エコーキャンセ
ル誤差信号とのクロススペクトルを求め、これを各クロ
ススペクトルごとに所定期間で集合平均して、前記2系
統あるいは4系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定
誤差をそれぞれ求める演算とすることができるまた、前
記ステレオ音声信号の和信号および差信号の相関を検出
し、該相関値が所定値以上のときに前記フィルタ特性の
更新を停止することにより、エコーキャンセル誤差信号
が不測に増大するのを防止することができる。
【0052】この発明のステレオ音声伝送方法は、それ
ぞれが前記4系統の音声伝達系統を構成する2つの空間
について、前記いずれかのステレオエコーキャンセル方
法をそれぞれ実施し、該方法の実施によりエコーキャン
セルされたステレオ音声信号を該2つの空間相互間で伝
送するものである。これによれば、2地点間でエコーキ
ャンセルを低減した複数チャンネル音声伝送を行うこと
ができ、例えば、テレビ会議システム等に適用すること
ができる。
【0053】この発明のステレオエコーキャンセラは、
2個のスピーカと2個のマイクが配置され、前記各スピ
ーカで再生されたステレオ音声が前記各マイクで収音さ
れる4系統の音声伝達系統を構成する空間について、前
記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号を第
1,第2のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、
第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、前記各ス
ピーカで再生するステレオ音声信号の差信号を、第3,
第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第
3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、各マイクの
収音信号の和信号から該第1,第3のエコーキャンセル
信号を第1の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを
行い、各マイクの収音信号の差信号から該第2,第4の
エコーキャンセル信号を第2の引算手段で差し引いてエ
コーキャンセルを行うステレオエコーキャンセラにおい
て、前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信
号および差信号と各マイク収音信号の和信号および差信
号とのクロススペクトル演算に基づき前記4系統の音声
伝達系統の合成伝達関数に相当するフィルタ特性をそれ
ぞれ求め、該求められた各フィルタ特性を前記第1〜第
4のフィルタ手段の該当するものにそれぞれ設定する伝
達関数演算手段を具備してなるものである。
【0054】この発明のステレオエコーキャンセラは、
2個のスピーカと2個のマイクが配置され、前記各スピ
ーカで再生されたステレオ音声が前記各マイクで収音さ
れる4系統の音声伝達系統を構成する空間について、前
記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号を第
1,第2のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、
第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、前記各ス
ピーカで再生するステレオ音声信号の差信号を、第3,
第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第
3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、各マイクの
収音信号の和信号から該第1,第3のエコーキャンセル
信号を第1の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを
行い、各マイクの収音信号の差信号から該第2,第4の
エコーキャンセル信号を第2の引算手段で差し引いてエ
コーキャンセルを行うステレオエコーキャンセラにおい
て、前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信
号および差信号と各マイク収音信号の和信号および差信
号から該当するエコーキャンセル信号を差し引いて得ら
れる各エコーキャンセル誤差信号とのクロススペクトル
演算に基づき前記4系統の音声伝達系統の合成伝達関数
の推定誤差をそれぞれ求め、前記第1〜第4のフィルタ
手段のフィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値にそれぞ
れ更新する伝達関数演算手段を具備してなるものであ
る。
【0055】この発明のステレオエコーキャンセラは、
前記ステレオ音声信号の和信号および差信号の相関を検
出し、該相関値が所定値以上のときに前記フィルタ特性
の更新を停止する相関検出手段をさらに具備することに
より、エコーキャンセル誤差信号が不測に増大するのを
防止することができる。
【0056】この発明のステレオ音声伝送装置は、それ
ぞれが前記4系統の音声伝達系統を構成する2つの空間
について、前記いずれかのステレオエコーキャンセラを
それぞれ配置し、該ステレオエコーキャンセラによりエ
コーキャンセルされたステレオ音声信号を該2つの空間
相互間で伝送するものである。〔請求項36〜40の発
明および該発明に関連する発明〕
【0057】この発明の伝達関数演算装置は、複数個の
スピーカと1個あるいは複数個のマイクが配置され、前
記各スピーカで再生された相互に相関を有する複数チャ
ンネル音声が前記各マイクで収音される複数系統の音声
伝達系統を構成する空間について、前記複数系統の音声
伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝達関数を適
宜組み合わせた複数の合成伝達関数を推定演算する伝達
関数演算装置であって、前記複数チャンネル音声信号を
適宜組み合わせた信号に相当する、該複数チャンネル音
声信号どうしよりも互いに相関の低い複数の低相関合成
信号の組を参照信号として(例えば、前記複数チャンネ
ル音声信号を適宜組み合わせて、該複数チャンネル音声
信号どうしよりも互いに相関の低い複数の低相関合成信
号を生成し、該複数の低相関合成信号の組を参照信号と
する、あるいは、前記複数チャンネル音声信号を適宜組
み合わせた信号に相当する、該複数チャンネル音声信号
どうしよりも互いに相関の低い複数の低相関合成信号の
組を直接入力し、該複数の低相関合成信号の組を参照信
号とする等)、各音声伝達系統の個々の伝達関数または
該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関
数を推定演算するものである。前記複数の低相関合成信
号の組を参照信号として各音声伝達系統の個々の伝達関
数または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合
成伝達関数をそれぞれ求める演算は、例えば、該複数の
低相関合成信号と各マイクの個々の収音信号または該個
々の収音信号を適宜組み合わせた複数の合成信号とのク
ロススペクトル演算に基づき該各音声伝達系統の個々の
伝達関数または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複
数の合成伝達関数をそれぞれ求める演算とすることがで
きる。また、前記クロススペクトル演算に基づき前記複
数系統の音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の
伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数をそれ
ぞれ求める演算は、例えば、前記複数チャンネル音声信
号を足し算あるいは引き算して組み合わせて、該複数チ
ャンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い複数の
低相関合成信号を生成し、これら複数の低相関合成信号
と各マイクの個々の収音信号または該個々の収音信号を
適宜組み合わせた複数の合成信号とのクロススペクトル
を求め、これを各クロススペクトルごとに所定期間で集
合平均して、前記複数系統の音声伝達系統の個々の伝達
関数または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の
合成伝達関数をそれぞれ求める演算とすることができ
る。前記クロススペクトル演算に基づき前記複数系統の
音声伝達系統の個々の伝達関数をそれぞれ求める演算
は、また、前記複数チャンネル音声信号を主成分分析し
て相互に直交する複数の無相関合成信号を生成し、これ
ら複数の無相関合成信号と各マイクの個々の収音信号と
のクロススペクトルを求め、これを各クロススペクトル
ごとに所定期間で集合平均して、前記複数系統の音声伝
達系統の個々の伝達関数をそれぞれ求める演算とするこ
とができる。
【0058】この発明の伝達関数演算装置は、2個のス
ピーカと2個のマイクが配置され、前記各スピーカで再
生されたステレオ音声が前記各マイクで収音される4系
統の音声伝達系統を構成する空間について、前記4系統
の音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝達関
数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数を推定演算す
る伝達関数演算装置であって、前記ステレオ音声信号の
和信号および差信号を参照信号として前記4系統の音声
伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝達関数を適
宜組み合わせた複数の合成伝達関数を推定演算するもの
である。前記ステレオ音声信号の和信号および差信号を
参照信号として前記4系統の音声伝達系統の個々の伝達
関数または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の
合成伝達関数をそれぞれ求める演算は、例えば、該和信
号および差信号と各マイクの個々の収音信号または該個
々の収音信号を適宜組み合わせた複数の合成信号とのク
ロススペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝達系統
の個々の伝達関数または該個々の伝達関数を適宜組み合
わせた複数の合成伝達関数をそれぞれ求める演算でとす
ることができる。また、前記クロススペクトル演算に基
づき前記4系統の音声伝達系統の個々の伝達関数または
該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関
数をそれぞれ求める演算は、前記ステレオ音声信号の和
信号および差信号と各マイクの個々の収音信号または該
個々の収音信号を適宜組み合わせた複数の合成信号との
クロススペクトルを求め、これを各クロススペクトルご
とに所定期間で集合平均して、前記4系統の音声伝達系
統の個々の伝達関数または該個々の伝達関数を適宜組み
合わせた複数の合成伝達関数をそれぞれ求める演算とす
ることができる。
【0059】この発明の伝達関数演算装置は、2個のス
ピーカと2個のマイクが配置され、前記各スピーカで再
生されたステレオ音声が前記各マイクで収音される4系
統の音声伝達系統を構成する空間について、前記4系統
の音声伝達系統の個々の伝達関数を推定演算する伝達関
数演算装置であって、前記ステレオ音声信号を主成分分
析して相互に直交する2つの無相関合成信号を生成し、
該2つの無相関合成信号の組を参照信号として前記4系
統の音声伝達系統の個々の伝達関数を推定演算するもの
である。前記2つの無相関合成信号の組を参照信号とし
て前記4系統の音声伝達系統の個々の伝達関数をそれぞ
れ求める演算は、例えば該2つの無相関合成信号と各マ
イクの個々の収音信号とのクロススペクトル演算に基づ
き前記4系統の音声伝達系統の個々の伝達関数をそれぞ
れ求める演算とすることができる。また、前記クロスス
ペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝達系統の個々
の伝達関数をそれぞれ求める演算は例えば、前記2つの
無相関合成信号と各マイクの個々の収音信号とのクロス
スペクトルを求め、これを各クロススペクトルごとに所
定期間で集合平均して、前記4系統の音声伝達系統の個
々の伝達関数をそれぞれ求める演算とすることができ
る。この場合、前記集合平均する期間を、前記スピーカ
で再生された音以外の音が前記マイクに入力されるダブ
ルトークが検出されている時に相対的に長くし、該ダブ
ルトークが検出されていない時に相対的に短くすること
により、ダブルトークがあるときの推定誤差を十分に収
束させ、かつ、ダブルトークがないときの推定誤差の収
束を速めることができる。
【0060】なお、この発明において、「音声信号」と
は、人の声に限らず、可聴帯域の周波数の音響信号全般
を含むものとする。
【0061】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を以下説明
する。図2はこの発明による双方向ステレオ音声伝送装
置の全体構成を示す。これは、地点Aと地点Bとの間で
双方向ステレオ伝送を行うもので、例えばテレビ会議シ
ステムに適用することができる。地点Aには、1つの空
間内に2つのスピーカSP−A(L),SP−A(R)
と2つのマイクMC−A(L),MC−A(R)が配置
されている。マイクMC−A(L),MC−A(R)の
各収音信号は、A/D変換器12,14でディジタル信
号にそれぞれ変換され、ステレオエコーキャンセラ16
でエコーキャンセル処理を施された後、CODEC(C
ODERおよびDECORDER)18で変調されて、
有線または無線の伝送路20を介して地点Bに伝送され
る。地点Bには、1つの空間内に2つのスピーカSP−
B(L),SP−B(R)と2つのマイクMC−B
(L),MC−B(R)が配置されている。なお、テレ
ビ会議システムにおいて地点A,Bの参加者が互いに対
面して会話する状況を想定する場合は、一方の地点の参
加者から向かって左側のマイクで収音した音は他方の地
点の参加者から向かって右側のスピーカから再生し、一
方の地点の参加者から向かって右側のマイクで収音した
音は他方の地点の参加者から向かって左側のスピーカか
ら再生するようにスピーカおよびマイクを配置する。す
なわち、地点Aにおいて参加者から向かってスピーカS
P−A(L)およびマイクMC−A(L)を左側に配置
し、スピーカSP−A(R)およびマイクMC−A
(R)を右側に配置した場合は、地点Bでは参加者から
向かってスピーカSP−B(L)およびマイクMC−B
(L)を右側に配置し、スピーカSP−B(R)および
マイクMC−B(R)を左側に配置する。
【0062】地点Aから伝送された信号はCODEC2
2に入力されてマイクMC−A(L),MC−A(R)
の収音信号が復調される。これら復調されたマイクMC
−A(L),MC−A(R)の収音信号は、ステレオエ
コーキャンセラ24を介してD/A変換器26,28で
アナログ信号にそれぞれ変換され、スピーカSP−B
(L),SP−B(R)でそれぞれ再生される。地点B
のマイクMC−B(L),MC−B(R)の各収音信号
は、A/D変換器30,32でディジタル信号にそれぞ
れ変換され、ステレオエコーキャンセラ24でエコーキ
ャンセル処理を施された後、CODEC22で変調され
て、伝送路20を介して地点Aに伝送される。地点Aに
伝送された信号はCODEC18に入力されてマイクM
C−B(L),MC−B(R)の収音信号が復調され
る。これら復調されたマイクMC−B(L),MC−B
(R)の収音信号は、ステレオエコーキャンセラ16を
介してD/A変換器34,36でアナログ信号にそれぞ
れ変換され、スピーカSP−A(L),SP−A(R)
でそれぞれ再生される。
【0063】ステレオエコーキャンセラ16,24内の
構成例を図1に示す。相手側の地点から伝送され回線入
力端LI(L),LI(R)に入力される左右2チャン
ネルステレオ信号x,xは、そのまま(つまり、和
差信号生成手段52を介さずに)音響出力端SO
(L),SO(R)から出力され、スピーカSP(L)
{SP−A(L)またはSP−B(L)をいう。},S
P(R){SP−A(R)またはSP−B(R)をい
う。}でそれぞれ再生される。
【0064】フィルタ手段40−1乃至40−4は、例
えばFIRフィルタで構成される。このうちフィルタ手
段40−1は、スピーカSP(L)とマイクMC(L)
{MC−A(L)またはMC−B(L)をいう。}間の
伝達関数に相当するインパルス応答が設定され、音響出
力端SO(L)から出力する信号に該インパルス応答を
畳み込み演算することにより、音響出力端SO(L)か
ら出力された信号が、スピーカSP(L)で再生され、
マイクMC(L)で収音され、音響入力端SI(L)に
入力される信号に相当するエコーキャンセル信号EC1
を生成する。フィルタ手段40−2は、スピーカSP
(L)とマイクMC(R){MC−A(R)またはMC
−B(R)をいう。}間の伝達関数に相当するインパル
ス応答が設定され、音響出力端SO(L)から出力する
信号に該インパルス応答を畳み込み演算することによ
り、音響出力端SO(L)から出力された信号が、スピ
ーカSP(L)で再生され、マイクMC(R)で収音さ
れ、音響入力端SI(R)に入力される信号に相当する
エコーキャンセル信号EC2を生成する。フィルタ手段
40−3は、スピーカSP(R)とマイクMC(L)間
の伝達関数に相当するインパルス応答が設定され、音響
出力端SO(R)から出力する信号に該インパルス応答
を畳み込み演算することにより、音響出力端SO(R)
から出力された信号が、スピーカSP(R)で再生さ
れ、マイクMC(L)で収音され、音響入力端SI
(L)に入力される信号に相当するエコーキャンセル信
号EC3を生成する。フィルタ手段40−4は、スピー
カSP(R)とマイクMC(R)間の伝達関数に相当す
るインパルス応答が設定され、音響出力端SO(R)か
ら出力する信号に該インパルス応答を畳み込み演算する
ことにより、音響出力端SO(R)から出力された信号
が、スピーカSP(R)で再生され、マイクMC(R)
で収音され、音響入力端SI(R)に入力される信号に
相当するエコーキャンセル信号EC4を生成する。
【0065】加算器44は、EC1+EC3の演算を行
う。加算器46はEC2+EC4の演算を行う。引算器
48は、音響入力端SI(L)から入力されるマイクM
C(L)の収音信号から、エコーキャンセル信号EC1
+EC3を引き算してエコーキャンセルを行う。引算器
50は、音響入力端SI(R)から入力されるマイクM
C(R)の収音信号から、エコーキャンセル信号EC2
+EC4を引き算してエコーキャンセルを行う。これら
エコーキャンセルされた左右各チャンネルの信号は、回
線出力端LO(L),LO(R)からそれぞれ出力さ
れ、相手側の地点に向けて伝送される。
【0066】和差信号生成手段52は、回線入力端LI
(L),LI(R)に入力される左右2チャンネルステ
レオ信号x,xを、加算器54で加算して和信号x
+xを生成し、また、引算器56で引き算して差信
号x−x(またはx−xでもよい。)を生成す
る。左右2チャンネルステレオ信号の場合、和信号x
+xと差信号x−xとの相関は一般に低く、無相
関に近い場合も多い。伝達関数演算手段58は、和差信
号生成手段52で生成された和信号x+xおよび差
信号x−xと、引算器48,50から出力される信
号e,eとのクロススペクトル演算を行い、このク
ロススペクトル演算に基づき、フィルタ手段40−1乃
至40−4のフィルタ特性(インパルス応答)の設定を
行う。すなわち、装置の起動当初はフィルタ手段40−
1乃至40−4のフィルタ特性は未設定つまり係数には
すべて0がセットされているので、エコーキャンセル信
号EC1〜EC4は0であり、引算器48,50から
は、マイクMC(L),MC(R)の収音信号そのもの
が出力される。したがって、このとき伝達関数演算手段
58は、和差信号生成手段52で生成された和信号x
+xおよび差信号x −xと、引算器48,50か
ら出力されるマイクMC(L),MC(R)の収音信号
,eとのクロススペクトル演算を行い、このクロ
ススペクトル演算に基づき、スピーカSP(L),SP
(R)とマイクMC(L),MC(R)相互間の4系統
の音声伝達系統の伝達関数をそれぞれ求め、フィルタ手
段40−1乃至40−4のフィルタ特性を該伝達関数に
相当する値に初期設定する。初期設定後は、フィルタ手
段40−1乃至40−4でエコーキャンセル信号が生成
されるので、引算器48,50からはマイクMC
(L),MC(R)の収音信号とエコーキャンセル信号
EC1〜EC4との差信号に相当するエコーキャンセル
誤差信号e,eが出力される。したがって、このと
き伝達関数演算手段58は、和差信号生成手段52で生
成された和信号x+xおよび差信号x−xと、
引算器48,50から出力されるエコーキャンセル誤差
信号e,eとのクロススペクトル演算を行い、この
クロススペクトル演算に基づき、スピーカSP(L),
SP(R)とマイクMC(L),MC(R)相互間の4
系統の音声伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求
め、フィルタ手段40−1乃至40−4のフィルタ特性
を該推定誤差を打ち消す値にそれぞれ更新する。この更
新動作を所定期間ごとに繰り返すことにより、エコーキ
ャンセル誤差を最小値に収束させることができる。ま
た、マイク位置の移動等により伝達関数が変化した場合
も、それに応じてフィルタ手段40−1乃至40−4の
フィルタ特性を順次更新して、エコーキャンセル誤差を
最小値に収束させることができる。
【0067】相関検出手段60は、和信号x+x
差信号x−xとの相関を相関値演算等により検出
し、該相関値が所定値以上のときに前記フィルタ特性の
更新を停止する。該相関値が所定値以下に下がったら、
前記フィルタ特性の更新を再開する。なお、和信号x
+xと差信号x−xとの相関を求めるための具体
的手法は、2信号の相関を検出するための既知のいずれ
かの手法を用いることができる。
【0068】ここで、伝達関数演算手段58によってフ
ィルタ手段40−1乃至40−4に設定されるフィルタ
特性(インパルス応答)について説明する。以下の説明
では、伝達関数およびフィルタ特性を次の記号を用いて
表す。 ・Hxx:伝達関数(周波数軸表現) ・hxx:Hxxに対応するインパルス応答(時間軸表
現) ・H^xx:推定された伝達関数(フィルタに設定され
た伝達関数) ・h^xx:H^xxに対応するインパルス応答 ・ΔHxx:伝達関数推定誤差 ・Δhxx:ΔHxxに対応するインパルス応答 (注:xxには、適宜の記号が割り当てられる。) 和信号、差信号をそれぞれ次のように定義する。 和信号:x(=x+x) 差信号:x(=x−x) また、スピーカSP(L),SP(R)とマイクMC
(L),MC(R)相互間の4系統の音声伝達系統の伝
達関数をそれぞれ次のように定義する。 HLL:スピーカSP(L)からマイクMC(L)に至
る系統の伝達関数 HLR:スピーカSP(L)からマイクMC(R)に至
る系統の伝達関数 HRL:スピーカSP(R)からマイクMC(L)に至
る系統の伝達関数 HRR:スピーカSP(R)からマイクMC(R)に至
る系統の伝達関数 ステレオエコーキャンセラ16,24の回線入力端LI
(L),LI(R)の入力信号x,xは、 x=(x+x)/2 x=(x−x)/2 と置き換えられる。
【0069】そして、伝達関数演算手段58において、
以下に示す演算がなされる。引算器48,50から出力
される信号e,e{フィルタ手段40−1乃至40
−4が初期設定される前はマイクMC(L),MC
(R)の収音信号そのもの、初期設定後はエコーキャン
セル誤差信号}は、信号x,x,e,eの周波
数軸表現をそれぞれX,X,E,Eとすると、 E={(X+X)HLL/2}+{(X−X)HRL/2} E={(X+X)HLR/2}+{(X−X)HRR/2} ∴2E=(X+X)HLL+(X−X)HRL =X(HLL+HRL)+X(HLL−HRL)…(1) 2E=(X+X)HLR+(X−X)HRR =X(HLR+HRR)+X(HLR−HRR)…(2) (1)式の両辺にX,Xの複素共役X ,X
を掛け(すなわちクロススペクトルをとり)、集合平均
すると、それぞれ ΣX ・2E=ΣX ・X(HLL+HRL)+ΣX ・X(H LL −HRL)…(3) ΣX ・2E=ΣX ・X(HLL+HRL)+ΣX ・X(H LL −HRL)…(4) が得られる。同様に(2)式の両辺にX,Xの複素
共役X ,X を掛けると、それぞれ ΣX ・2E=ΣX ・X(HLR+HRR)+ΣX ・X(H LR −HRR)…(5) ΣX ・2E=ΣX ・X(HLR+HRR)+ΣX ・X(H LR −HRR)…(6) が得られる。
【0070】(3)〜(6)式において、XとX
無相関に近いので、X ・XあるいはX ・X
を有する項は、集合平均するとほぼ0となる。また、 X ・X=|X ・X=|X であるから、(3)〜(6)式は、それぞれ ΣX ・2E=Σ|X(HLL+HRL)…(3’) ΣX ・2E=Σ|X(HLL−HRL)…(4’) ΣX ・2E=Σ|X(HLR+HRR)…(5’) ΣX ・2E=Σ|X(HLR−HRR)…(6’) となる。(3’)〜(6’)式を変形すると、2つの伝
達関数を組み合わせた次の合成伝達関数がそれぞれ求ま
る。 HLL+HRL=ΣX ・2E/Σ|X …(3’’) HLL−HRL=ΣX ・2E/Σ|X …(4’’) HLR+HRR=ΣX ・2E/Σ|X …(5’’) HLR−HRR=ΣX ・2E/Σ|X …(6’’) (3’’)、(4’’)式の各辺どうしを足すと、 HLL=(ΣX ・E/Σ|X)+(ΣX ・E/Σ|X )…(7) (3’’)、(4’’)式の各辺どうしを引くと、 HRL=(ΣX ・E/Σ|X)−(ΣX ・E/Σ|X )…(8) (5’’)、(6’’)式の各辺どうしを足すと、 HLR=(ΣX ・E/Σ|X)+(ΣX ・E/Σ|X )…(9) (5’’)、(6’’)式の各辺どうしを引くと、 HRR=(ΣX ・E/Σ|X)−(ΣX ・E/Σ|X )…(10) となり、各伝達関数HLL、HRL、HLR、HRR
求まる。これら求められた伝達関数を逆フーリエ変換し
て得られるインパルス応答hLL、hRL、h 、h
RRが、フィルタ手段40−1,40−2,40−3,
40−4にそれぞれ設定すべきフィルタ特性である。そ
こで、伝達関数演算手段58は、入力される和信号
、差信号xおよび引算器48,50の出力信号e
,eに基づき、(7)〜(10)式から各伝達関数
LL、HRL、HLR、HRRを求め、これら求めら
れた伝達関数を逆フーリエ変換してインパルス応答h
LL、h 、hLR、hRRを求め、該求められたイ
ンパルス応答をh^LL、h^RL、h^LR、h^RR
してフィルタ手段40−1,40−2,40−3,40
−4にそれぞれ設定し、さらに、適宜定められた所定期
間(例えば、集合平均をする期間)ごとにこの演算を繰
り返して、インパルス応答を更新する。
【0071】以上のインパルス応答の更新手法を推定誤
差のパラメータを用いて説明すると次のようになる。マ
イクMC(L),MC(R)の出力信号(収音信号)y
,yは、x,x,y,yの周波数軸表現を
それぞれX,X,Y,Yとすると、 Y=(X+X)HLL/2+(X−X)H
RL/2 Y=(X+X)HLR/2+(X−X)H
RR/2 引算器48から出力される信号Eは、 E=Y−(X・H^LL+X・H^RL) ={(X+X)HLL/2+(X−X)HRL/2}−{(X +X)H^LL/2+(X−X)H^RL/2} ∴2E=X(HLL+HRL−H^LL−H^RL)+X(HLL−HRL −H^LL+H^RL)…(11) 引算器50から出力される信号Eは、 E=Y−(X・H^LR+X・H^RR) ={(X+X)HLR/2+(X−X)HRR/2}−{(X +X)H^LR/2+(X−X)H^RR/2} ∴2E=X(HLR+HRR−H^LR−H^RR)+X(HLR−HRR −H^LR+H^RR)…(12)
【0072】推定誤差を ΔHLL=HLL−H^LL ΔHRL=HRL−H^RL ΔHLR=HLR−H^LR ΔHRR=HRR−H^RR と置くと、(11),(12)式は、 2E=X(ΔHLL+ΔHRL)+X(ΔHLL−ΔHRL)…(11 ’) 2E=X(ΔHLR+ΔHRR)+X(ΔHLR−ΔHRR)…(12 ’) となる。(11’)式の両辺にX,Xの複素共役X
,X を掛け(すなわちクロススペクトルをと
り)、集合平均すると、それぞれ ΣX ・2E=ΣX ・X(ΔHLL+ΔHRL)+ΣX ・X (ΔHLL−ΔHRL)…(13) ΣX ・2E=ΣX ・X(ΔHLL+ΔHRL)+ΣX ・X (ΔHLL−ΔHRL)…(14) が得られる。同様に(12’)式の両辺にX,X
複素共役X ,X を掛けると、それぞれ ΣX ・2E=ΣX ・X(ΔHLR+ΔHRR)+ΣX ・X (ΔHLR−ΔHRR)…(15) ΣX ・2E=ΣX ・X(ΔHLR+ΔHRR)+ΣX ・X (ΔHLR−ΔHRR)…(16) が得られる。
【0073】(13)〜(16)式において、XとX
は無相関に近いので、X ・X あるいはX
を有する項は、集合平均するとほぼ0となる。ま
た、 X ・X=|X ・X=|X であるから、(13)〜(16)式は、それぞれ ΣX ・2E=Σ|X(ΔHLL+ΔHRL)…(13’) ΣX ・2E=Σ|X(ΔHLL−ΔHRL)…(14’) ΣX ・2E=Σ|X(ΔHLR+ΔHRR)…(15’) ΣX ・2E=Σ|X(ΔHLR−ΔHRR)…(16’) となる。(13’)〜(16’)式より ΔHLL=ΣX ・E/ Σ|X+ΣX ・E/Σ|X …(17) ΔHRL=ΣX ・E/ Σ|X−ΣX ・E/Σ|X …(18) ΔHLR=ΣX ・E/ Σ|X+ΣX ・E/Σ|X …(19) ΔHRR=ΣX ・E/ Σ|X−ΣX ・E/Σ|X …(20) がそれぞれ求まる。
【0074】(17)〜(20)式により求まる推定誤
差ΔHLL,ΔHRL,ΔHLR,ΔHRRを用いて、
適宜定められた所定期間(例えば、集合平均をする期
間)ごとに、フィルタ手段40−1,40−2,40−
3,40−4のフィルタ特性を更新する。例えば、k回
目の更新後のインパルス応答hLL、hRL、hLR
RRをhLL(k)、hRL(k)、hLR(k)、
RR(k)とすると、求められた推定誤差ΔHLL
ΔHRL,ΔHLR,ΔHRRに対応するインパルス応
答ΔhLL,ΔhRL,ΔhLR,ΔhRRを用いて、 hLL(k+1)=hLL(k)+αΔhLL…(21) hRL(k+1)=hRL(k)+αΔhRL…(22) hLR(k+1)=hLR(k)+αΔhLR…(23) hRR(k+1)=hRR(k)+αΔhRR…(24) 但し、αは、適宜設定された収束係数で表される更新式
を用いて、(k+1)回目のインパルス応答hLL(k
+1)、hRL(k+1)、hLR(k+1)、hRR
(k+1)を求め、フィルタ手段40−1,40−2,
40−3,40−4にそれぞれ設定し、適宜定められた
所定期間(例えば、集合平均をする期間)ごとにこれを
繰り返す。
【0075】図1のステレオエコーキャンセラ16,2
4について、参照信号として信号x ,xまたはその
和差信号x,xを用いてシミュレーションを行った
結果を、図3〜図8に各音声伝達系統ごとに示す。信号
,xには人の声によるステレオ音声信号を用い
た。図3〜図8において、横軸はブロック数で(1ブロ
ックは集合平均を行う期間で、このシミュレーションで
は約2.3秒に設定している。)、フィルタ特性の更新
はブロックごとに行われる。1ブロック目はフィルタ特
性が未設定で、2ブロック目に初期設定が行われ、その
後ブロックごとに更新が行われる。縦軸は伝達関数の推
定誤差(dB)で、フィルタ特性が未設定の初期状態を
0dBとしている。表1は、図3〜図8の各シミュレー
ションの条件を示す。
【表1】
【0076】表1において、「ダブルトーク」とは、ス
ピーカSP(L),SP(R)から再生される音ととも
に、その部屋内に居る人が発した声が併せてマイクMC
(L),MC(R)に収音される状態を言う。テレビ会
議システムは、通常、ダブルトークが生じた状態で使用
されるから、ダブルトークが生じても十分なエコーキャ
ンセル性能が得られることが要求される。また、表1に
おいて、「伝達系の変動」とは、マイク位置が移動した
場合等を想定して、推定誤差が収束している途中で伝達
関数を変化させることを意味する。エコーキャンセラの
動作としては、伝達関数が変化して推定誤差が一時的に
増大しても、再び収束に向かうことが必要である。
【0077】図3〜図8のシミュレーション結果を考察
する。図3,図4を対比すると、参照信号として信号x
,xを使用した場合(図3)は、信号x,x
相関が高いので、推定誤差は動作開始から20ブロック
目(約45秒)でせいぜい−15〜−25dB程度まで
しか下がらない。これに対し、参照信号として信号
,xを使用した場合(図4)は、信号x,x
の相関が低いので、推定誤差は動作開始から20ブロッ
ク目で−35〜−45dB程度まで下がっており、十分
なエコーキャンセル性能が得られることがわかる。ダブ
ルトークがある場合を示す図5,図6を対比すると、参
照信号として信号x,xを使用した場合(図5)
は、推定誤差は動作開始から20ブロック目でせいぜい
−10〜−20dB程度までしか下がらない。これに対
し、参照信号として信号x,xを使用した場合(図
6)は、−23〜−30dB程度まで下がっており、ダ
ブルトークがあっても、十分なエコーキャンセル性能が
得られることがわかる。これは、部屋内に居る人が発し
た声がスピーカSP(L),SP(R)から再生される
音に対して無相関なので、伝達関数演算手段58で各系
統の伝達関数を演算する際には、前記クロススペクトル
演算と集合平均演算により、該部屋内に居る人が発した
声の成分は消され、ダブルトークの影響を受けずに各系
統の伝達関数を求めることができたためである。ダブル
トークおよび伝達系の変動がある場合を示す図7,図8
を対比すると、参照信号として信号x,xを使用し
た場合(図7)は、11ブロック目で伝達系に変動を与
えた後の推定誤差の収束が悪く、20ブロック目でせい
ぜい−5〜−15dB程度までしか下がらない。これに
対し、参照信号として信号x,xを使用した場合
(図8)は、11ブロック目で伝達系に変動を与えた後
も推定誤差の収束が良好で、20ブロック目で−17〜
−26dB程度まで下がっており、ダブルトークおよび
伝達系の変動があっても、十分なエコーキャンセル性能
が得られることがわかる。
【0078】図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を図9に示す。これは、スピーカへの
伝送経路上に和差信号生成手段を配置したものである。
前記図1の構成と共通する部分には同一の符号を用い
る。相手側の地点から伝送され回線入力端LI(L),
LI(R)に入力される左右2チャンネルステレオ信号
,xは、和差信号生成手段52に入力される。和
差信号生成手段52は、該ステレオ信号x,xを、
加算器54で加算して和信号x(=x+x)を生
成し、また、引算器56で引き算して差信号x{=x
−x(またはx−xでもよい。)}を生成す
る。ステレオ音声信号復調手段62は、和差信号x
を、加算器64で加算し、さらに係数器66で係数
1/2を付与して、もとの信号xを復調する。また、
和差信号x,xを引算器68で引算し、さらに係数
器70で係数1/2を付与して、もとの信号xを復調
する。復調された信号x,xは、音響出力端SO
(L),SO(R)から出力され、スピーカSP
(L),SP(R)でそれぞれ再生される。
【0079】伝達関数演算手段58は、和差信号生成手
段52で生成された和信号xおよび差信号xと、引
算器48,50から出力される信号e,eとのクロ
ススペクトル演算を行い、このクロススペクトル演算に
基づき、フィルタ手段40−1乃至40−4のフィルタ
特性の設定および更新を行う。その動作は図1の構成に
ついて説明したのと同じである。その他の部分の動作も
図1の構成について説明したのと同じである。
【0080】図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を図10に示す。これは、図2の地点
A、B間で、ステレオ信号x,xの信号形式で伝送
するのに代えて、和信号xおよび差信号xの信号形
式で伝送するようにしたものである。前記図1あるいは
図9の構成と共通する部分には、同一の符号を用いる。
相手側の地点から伝送され回線入力端LI(L),LI
(R)に入力される和信号x(=x+x)、差信
号x{=x−x(またはx−xでもよ
い。)}は、ステレオ音声信号復調手段62に入力され
る。ステレオ音声信号復調手段62は、和差信号x
を、加算器64で加算し、さらに係数器66で係数
1/2を付与して、もとの信号xを復調する。また、
和差信号x,xを引算器68で引算し、さらに係数
器70で係数1/2を付与して、もとの信号xを復調
する。復調された信号x,xは、音響出力端SO
(L),SO(R)から出力され、スピーカSP
(L),SP(R)でそれぞれ再生される。
【0081】伝達関数演算手段58は、回線入力端LI
(L),LI(R)から入力される和信号xおよび差
信号xと、引算器48,50から出力される信号
,e とのクロススペクトル演算を行い、このクロ
ススペクトル演算に基づき、フィルタ手段40−1乃至
40−4のフィルタ特性の設定および更新を行う。その
動作は図1、図9の構成について説明したのと同じであ
る。和差信号生成手段72は、引算器48,50から出
力される信号e,eを、加算器73で加算して和信
号e(=e+e)を生成し、また、引算器75で
引き算して差信号e {=e−e(またはe−e
でもよい。)}を生成して、相手側の地点に向けて送
出する。その他の部分の動作は図1、図9の構成につい
て説明したのと同じである。
【0082】図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を図11に示す。前記図1、図9、図
10の構成と共通する部分には、同一の符号を用いる。
相手側の地点から伝送され回線入力端LI(L),LI
(R)に入力される和信号x (=x+x)、差信
号x{=x−x(またはx−xでもよ
い。)}は、ステレオ音声信号復調手段62に入力され
る。ステレオ音声信号復調手段62は、和差信号x
を、加算器64で加算し、さらに係数器66で係数
1/2を付与して、もとの信号xを復調する。また、
和差信号x,xを引算器68で引算し、さらに係数
器70で係数1/2を付与して、もとの信号x を復調
する。復調された信号x,xは、音響出力端SO
(L),SO(R)から出力され、スピーカSP
(L),SP(R)でそれぞれ再生される。
【0083】和差信号生成手段52は、ステレオ音声信
号復調手段62で復調されたステレオ信号x,x
を、加算器54で加算して和信号x(=x
)を生成し、また、引算器56で引き算して差信号
{=x−x(またはx−x でもよい。)}
を生成する。伝達関数演算手段58は、和差信号生成手
段52で生成された和信号xおよび差信号xと、引
算器48,50から出力される信号e,eとのクロ
ススペクトル演算を行い、このクロススペクトル演算に
基づき、フィルタ手段40−1乃至40−4のフィルタ
特性の設定および更新を行う。その動作は図1、図9、
図10の構成について説明したのと同じである。和差信
号生成手段72は、引算器48,50から出力される信
号e,eを、加算器73で加算して和信号e(=
+e)を生成し、また、引算器75で引き算して
差信号e{=e−e(またはe−eでもよ
い。)}を生成して、相手側の地点に向けて送出する。
その他の部分の動作は図1、図9、図10の構成につい
て説明したのと同じである。
【0084】ステレオエコーキャンセラ16,24内の
構成例を図12に示す。相手側の地点から伝送され回線
入力端LI(L),LI(R)に入力される左右2チャ
ンネルステレオ信号x,xは、そのまま(つまり、
和差信号生成手段152を介さずに)音響出力端SO
(L),SO(R)から出力され、スピーカSP
(L),SP(R)でそれぞれ再生される。
【0085】和差信号生成手段152は、回線入力端L
I(L),LI(R)に入力される左右2チャンネルス
テレオ信号x,xを、加算器154で加算して和信
号x (=x+x)を生成し、また、引算器156
で引き算して差信号x{=x−x(またはx
)}を生成する。
【0086】フィルタ手段140−1乃至140−4
は、例えばFIRフィルタで構成される。これらフィル
タ手段140−1乃至140−4は、スピーカSP
(L),SP(R)とマイクMC(L),MC(R)相
互間の4系統の音声伝達系統の伝達関数HLL
LR,HRL,HRRのうち適宜の2系統の伝達関数
を組み合わせた合成伝達関数に相当するインパルス応答
が設定され、和差信号(低相関合成信号)に該インパル
ス応答を畳み込み演算することにより、エコーキャンセ
ル信号EC1〜EC4をそれぞれ生成する。
【0087】加算器144は、EC1+EC3の演算を
行う。加算器146はEC2+EC4の演算を行う。引
算器148は、音響入力端SI(L)から入力されるマ
イクMC(L)の収音信号から、エコーキャンセル信号
EC1+EC3を引き算してエコーキャンセルを行う。
引算器150は、音響入力端SI(R)から入力される
マイクMC(R)の収音信号から、エコーキャンセル信
号EC2+EC4を引き算してエコーキャンセルを行
う。これらエコーキャンセルされた左右各チャンネルの
信号は、回線出力端LO(L),LO(R)からそれぞ
れ出力され、相手側の地点に向けて伝送される。
【0088】伝達関数演算手段158は、和差信号生成
手段152で生成された和信号xおよび差信号x
と、引算器148,150から出力される信号e
とのクロススペクトル演算を行い、このクロススペ
クトル演算に基づき、フィルタ手段140−1乃至14
0−4のフィルタ特性(インパルス応答)の設定および
更新を行う。すなわち、装置の起動当初はフィルタ手段
140−1乃至140−4のフィルタ特性は未設定つま
り係数にはすべて0がセットされているので、エコーキ
ャンセル信号EC1〜EC4は0であり、引算器14
8,150からは、マイクMC(L),MC(R)の収
音信号そのものが出力される。したがって、このとき伝
達関数演算手段158は、和差信号生成手段152で生
成された和信号xおよび差信号xと、引算器14
8,150から出力されるマイクMC(L),MC
(R)の収音信号e,eとのクロススペクトル演算
を行い、このクロススペクトル演算に基づき、スピーカ
SP(L),SP(R)とマイクMC(L),MC
(R)相互間の4系統の音声伝達系統の伝達関数
LL,HLR,H RL,HRRのうち適宜の2系統の
伝達関数を組み合わせた複数の合成伝達関数をそれぞれ
求め、フィルタ手段140−1乃至140−4のフィル
タ特性を該合成伝達関数に相当する値に初期設定する。
初期設定後は、フィルタ手段140−1乃至140−4
でエコーキャンセル信号が生成されるので、引算器14
8,150からはマイクMC(L),MC(R)の収音
信号とエコーキャンセル信号EC1〜EC4との差信号
に相当するエコーキャンセル誤差信号e,eが出力
される。したがって、このとき伝達関数演算手段158
は、和差信号生成手段152で生成された和信号x
よび差信号xと、引算器148,150から出力され
るエコーキャンセル誤差信号e,eとのクロススペ
クトル演算を行い、このクロススペクトル演算に基づ
き、前記合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、フィ
ルタ手段140−1乃至140−4のフィルタ特性を該
推定誤差を打ち消す値にそれぞれ更新する。この更新動
作を所定期間ごとに繰り返すことにより、エコーキャン
セル誤差を最小値に収束させることができる。また、マ
イク位置の移動等により伝達関数が変化した場合も、そ
れに応じてフィルタ手段140−1乃至140−4のフ
ィルタ特性を順次更新して、エコーキャンセル誤差を最
小値に収束させることができる。
【0089】相関検出手段160は、和信号xと差信
号xとの相関を相関値演算等により検出し、該相関値
が所定値以上のときに前記フィルタ特性の更新を停止す
る。該相関値が所定値以下に下がったら、前記フィルタ
特性の更新を再開する。
【0090】ここで、伝達関数演算手段158によって
フィルタ手段140−1乃至140−4に設定されるフ
ィルタ特性(インパルス応答)について説明する。伝達
関数演算手段158において、以下に示す演算がなされ
る。 (固定型動作とする場合)信号x、xは、 x=(x+x)/2 x=(x−x)/2 であるから、マイクMC(L)、MC(R)の出力信号
、Yは、 Y=(X+X)HLL/2+(X−X)HRL/2 =X{(HLL+HRL)/2}+X{(HLL−HRL)/ 2}…(25) Y=(X+X)HLR/2+(X−X)HRR/2 =X{(HLR+HRR)/2}+X{(HLR−HRR)/ 2}…(26) となる。合成伝達関数を HML=(HLL+HRL)/2 HSL=(HLL−HRL)/2 HMR=(HLR+HRR)/2 HSR=(HLR−HRR)/2 と置くと、(25),(26)式はそれぞれ Y=X・HML+X・HSL…(25’) Y=X・HMR+X・HSR…(26’) となる。(25’),(26’)式の両辺にX,X
の複素共役X ,X を掛け、集合平均すると、そ
れぞれ ΣX ・Y=ΣX ・X・HML+ΣX ・X・HSL…(27 ) ΣX ・Y=ΣX ・X・HML+ΣX ・X・HSL…(28 ) ΣX ・Y=ΣX ・X・HMR+ΣX ・X・HSR…(29 ) ΣX ・Y=ΣX ・X・HMR+ΣX ・X・HSR…(30 ) が得られる。
【0091】(27)〜(30)式において、XとX
は無相関に近いので、X ・X あるいはX
を有する項は、集合平均するとほぼ0となる。ま
た、 X ・X=|X ・X=|X であるから、(27)〜(30)式は、それぞれ ΣX ・Y=Σ|XML…(27’) ΣX ・Y=Σ|XSL…(28’) ΣX ・Y=Σ|XMR…(29’) ΣX ・Y=Σ|XSR…(30’) となる。(27’)〜(30’)式より HML=ΣX ・Y/Σ|X…(31) HSL=ΣX ・Y/Σ|X…(32) HMR=ΣX ・Y/Σ|X…(33) HSR=ΣX ・Y/Σ|X…(34)がそ
れぞれ求まる。
【0092】これら求められた合成伝達関数HML,H
SL,HMR,HSRを逆フーリエ変換して得られるイ
ンパルス応答hML、hSL、hMR、hSRが、フィ
ルタ手段140−1,140−2,140−3,140
−4にそれぞれ設定すべきフィルタ特性である。そこ
で、伝達関数演算手段158は、入力される和信号
、差信号xおよびマイクMC(L)、MC(R)
の出力信号y、yに基づき、(31)〜(34)式
から各合成伝達関数HML,HSL,HMR,HSR
求め、これら求められた合成伝達関数を逆フーリエ変換
してインパルス応答h ML、hSL、hMR、hSR
求め、該求められたインパルス応答をフィルタ手段14
0−1,140−2,140−3,140−4にそれぞ
れ設定し、さらに、適宜定められた所定期間(例えば、
集合平均をする期間)ごとにこの演算を繰り返して、イ
ンパルス応答を更新する。
【0093】(適応型動作とする場合)引算器148,
150から出力される信号e,eは、フィルタ手段
140−1,140−2,140−3,140−4に設
定されているフィルタ特性をH^ML,H^SL,H^
MR,H^SR(インパルス応答で表せば、h^ML,h
^ ,h^MR,h^SR)とすると、 E=Y−(X・H^ML +X・H^SL) ={(X+X)HLL/2+(X−X)HRL/2}−(X・ H^ML +X・H^SL) =X{(HLL+HRL)/2−H^ML}+X{(HLL−HRL )/2−H^SL}…(35) E=Y−(X・H^MR +X・H^SR) ={(X+X)HLR/2+(X−X)HRR/2}−(X・ H^MR +X・H^SR) =X{(HLR+HRR)/2−H^MR}+X{(HLR−HRR )/2−H^SR}…(36) となる。合成伝達関数を HML=(HLL+HRL)/2 HSL=(HLL−HRL)/2 HMR=(HLR+HRR)/2 HSR=(HLR−HRR)/2 と置くと、(35),(36)式はそれぞれ E=X(HML−H^ML)+X(HSL−H^SL)…(35’) E=X(HMR−H^MR)+X(HSR−H^SR)…(36’) となる。合成伝達関数推定誤差を ΔHML=HML−H^ML ΔHSL=HSL−H^SL ΔHMR=HMR−H^MR ΔHSR=HSR−H^SR と置くと、(35’),(36’)式はそれぞれ E=X・ΔHML+X・ΔHSL…(35’’) E=X・ΔHMR+X・ΔHSR…(36’’) となる。(35’’),(36’’)式の両辺にX
の複素共役X ,X を掛け、集合平均する
と、それぞれ ΣX ・E=ΣX ・X・ΔHML+ΣX ・X・ΔHSL…( 37) ΣX ・E=ΣX ・X・ΔHML+ΣX ・X・ΔHSL…( 38) ΣX ・E=ΣX ・X・ΔHMR+ΣX ・X・ΔHSR…( 39) ΣX ・E=ΣX ・X・ΔHMR+ΣX ・X・ΔHSR…( 40) が得られる。
【0094】(37)〜(40)式において、XとX
は無相関に近いので、X ・X あるいはX
を有する項は、集合平均するとほぼ0となる。ま
た、 X ・X=|X ・X=|X であるから、(37)〜(40)式は、それぞれ ΣX ・E=Σ|XΔHML…(37’) ΣX ・E=Σ|XΔHSL…(38’) ΣX ・E=Σ|XΔHMR…(39’) ΣX ・E=Σ|XΔHSR…(40’) となる。(37’)〜(40’)式より ΔHML=ΣX ・E/Σ|X…(41) ΔHSL=ΣX ・E/Σ|X…(42) ΔHMR=ΣX ・E/Σ|X…(43) ΔHSR=ΣX ・E/Σ|X…(44) がそれぞれ求まる。
【0095】(40)〜(44)式により求まる推定誤
差ΔHML,ΔHSL,ΔHMR,ΔHSRを用いて、
適宜定められた所定期間(例えば、集合平均をする期
間)ごとに、フィルタ手段140−1,140−2,1
40−3,140−4のフィルタ特性を更新する。例え
ば、k回目の更新後のインパルス応答hML、hSL
MR、hSRをhML(k)、hSL(k)、hMR
(k)、hSR(k)とすると、求められた推定誤差Δ
ML,ΔHSL,ΔHMR,ΔHSRに対応するイン
パルス応答ΔhML,ΔhSL,ΔhMR,ΔhSR
用いて、 hML(k+1)=hML(k)+αΔhML…(45) hSL(k+1)=hSL(k)+αΔhSL…(46) hMR(k+1)=hMR(k)+αΔhMR…(47) hSR(k+1)=hSR(k)+αΔhSR…(48) で表される更新式を用いて、(k+1)回目のインパル
ス応答hML(k+1)、hSL(k+1)、h
MR(k+1)、hSR(k+1)を求め、フィルタ手
段140−1,140−2,140−3,140−4に
それぞれ設定し、適宜定められた所定期間(例えば、集
合平均をする期間)ごとにこれを繰り返す。
【0096】図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を図13に示す。これは、スピーカへ
の伝送経路上に和差信号生成手段を配置したものであ
る。前記図12の構成と共通する部分には同一の符号を
用いる。相手側の地点から伝送され回線入力端LI
(L),LI(R)に入力される左右2チャンネルステ
レオ信号x,xは、和差信号生成手段152に入力
される。和差信号生成手段152は、該ステレオ信号x
,xを、加算器154で加算して和信号x(=x
+x)を生成し、また、引算器156で引き算して
差信号x{=x−x(またはx−xでもよ
い。)}を生成する。ステレオ音声信号復調手段162
は、和差信号x,xを、加算器164で加算し、さ
らに係数器166で係数1/2を付与して、もとの信号
を復調する。また、和差信号x,x を引算器1
68で引算し、さらに係数器170で係数1/2を付与
して、もとの信号xを復調する。復調された信号
,xは、音響出力端SO(L),SO(R)から
出力され、スピーカSP(L),SP(R)でそれぞれ
再生される。
【0097】伝達関数演算手段158は、和差信号生成
手段152で生成された和信号xおよび差信号x
と、引算器148,150から出力される信号e
とのクロススペクトル演算を行い、このクロススペ
クトル演算に基づき、フィルタ手段140−1乃至14
0−4のフィルタ特性の設定および更新を行う。その動
作は図12の構成について説明したのと同じである。そ
の他の部分の動作も図12の構成について説明したのと
同じである。
【0098】図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を図14に示す。これは、図2の地点
A、B間で、ステレオ信号x,xの信号形式で伝送
するのに代えて、和信号xおよび差信号xの信号形
式で伝送するようにしたものである。前記図12あるい
は図13の構成と共通する部分には、同一の符号を用い
る。相手側の地点から伝送され回線入力端LI(L),
LI(R)に入力される和信号x(=x+x)、
差信号x{=x−x(またはx−xでもよ
い。)}は、ステレオ音声信号復調手段162に入力さ
れる。ステレオ音声信号復調手段162は、和差信号x
,xを、加算器164で加算し、さらに係数器16
6で係数1/2を付与して、もとの信号xを復調す
る。また、和差信号x,xを引算器168で引算
し、さらに係数器170で係数1/2を付与して、もと
の信号xを復調する。復調された信号x,xは、
音響出力端SO(L),SO(R)から出力され、スピ
ーカSP(L),SP(R)でそれぞれ再生される。
【0099】伝達関数演算手段158は、回線入力端L
I(L),LI(R)から入力される和信号xおよび
差信号xと、引算器148,150から出力される信
号e ,eとのクロススペクトル演算を行い、このク
ロススペクトル演算に基づき、フィルタ手段140−1
乃至140−4のフィルタ特性の設定および更新を行
う。その動作は図12、図13の構成について説明した
のと同じである。和差信号生成手段172は、引算器1
48,150から出力される信号e,eを、加算器
173で加算して和信号e(=e+e)を生成
し、また、引算器175で引き算して差信号e{=e
−e(またはe−eでもよい。)}を生成し
て、相手側の地点に向けて送出する。その他の部分の動
作は図12、図13の構成について説明したのと同じで
ある。
【0100】図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を図15に示す。前記図12、図1
3、図14の構成と共通する部分には、同一の符号を用
いる。相手側の地点から伝送され回線入力端LI
(L),LI(R)に入力される和信号x(=x
)、差信号x{=x−x(またはx−x
でもよい。)}は、ステレオ音声信号復調手段162に
入力される。ステレオ音声信号復調手段162は、和差
信号x,xを、加算器164で加算し、さらに係数
器166で係数1/2を付与して、もとの信号xを復
調する。また、和差信号x,xを引算器168で引
算し、さらに係数器170で係数1/2を付与して、も
との信号xを復調する。復調された信号x,x
は、音響出力端SO(L),SO(R)から出力さ
れ、スピーカSP(L),SP(R)でそれぞれ再生さ
れる。
【0101】和差信号生成手段152は、ステレオ音声
信号復調手段162で復調されたステレオ信号x,x
を、加算器154で加算して和信号x(=x+x
)を生成し、また、引算器156で引き算して差信号
{=x−x(またはx−xでもよい。)}
を生成する。伝達関数演算手段158は、和差信号生成
手段152で生成された和信号xおよび差信号x
と、引算器148,150から出力される信号e
とのクロススペクトル演算を行い、このクロススペ
クトル演算に基づき、フィルタ手段140−1乃至14
0−4のフィルタ特性の設定および更新を行う。その動
作は図12、図13、図14の構成について説明したの
と同じである。和差信号生成手段172は、引算器14
8,150から出力される信号e,eを、加算器1
73で加算して和信号e(=e+e)を生成し、
また、引算器175で引き算して差信号e{=e
(またはe−eでもよい。)}を生成して、相
手側の地点に向けて送出する。その他の部分の動作は図
12、図13、図14の構成について説明したのと同じ
である。
【0102】ステレオエコーキャンセラ16,24内の
他の構成例を図16に示す。相手側の地点から伝送され
回線入力端LI(L),LI(R)に入力される和信号
(=x+x)および差信号x{=x−x
(またはx−xでもよい。)}は、ステレオ音声信
号復調手段262に入力される。ステレオ音声信号復調
手段262は、和差信号x,xを、加算器264で
加算し、さらに係数器266で係数1/2を付与して、
もとの信号xを復調する。また、和差信号x ,x
を引算器268で引算し、さらに係数器270で係数1
/2を付与して、もとの信号xを復調する。復調され
た信号x,xは、音響出力端SO(L),SO
(R)から出力され、スピーカSP(L),SP(R)
でそれぞれ再生される。
【0103】マイクMC(L),MC(R)の収音信号
,yは、和差信号生成手段272に入力される。
和差信号生成手段272は、マイク収音信号y,y
を、加算器273で加算して和信号yを生成し、ま
た、引算器275で引き算して差信号yを生成する。
【0104】フィルタ手段240−1乃至240−4
は、例えばFIRフィルタで構成される。これらフィル
タ手段240−1乃至240−4は、スピーカSP
(L),SP(R)とマイクMC(L),MC(R)相
互間の4系統の音声伝達系統の伝達関数HLL
LR,HRL,HRRのうち適宜の2系統の伝達関数
を組み合わせた合成伝達関数に相当するインパルス応答
が設定され、左右2チャンネルステレオ信号x,x
に該インパルス応答を畳み込み演算することにより、エ
コーキャンセル信号EC1〜EC4をそれぞれ生成す
る。
【0105】加算器244は、EC1+EC3の演算を
行う。加算器246はEC2+EC4の演算を行う。引
算器248は和信号yからエコーキャンセル信号EC
1+EC3を引き算してエコーキャンセルを行う。引算
器250は差信号yからエコーキャンセル信号EC2
+EC4を引き算してエコーキャンセルを行う。引算器
248,250から出力される信号e,eは、回線
出力端LO(L),LO(R)からそれぞれ出力され、
相手側の地点に向けて伝送される。
【0106】伝達関数演算手段258は、回線入力端L
I(L),LI(R)から入力される和信号xおよび
差信号xと、引算器248,250から出力される信
号e ,eとのクロススペクトル演算を行い、このク
ロススペクトル演算に基づき、フィルタ手段240−1
乃至240−4のフィルタ特性(インパルス応答)の設
定および更新を行う。すなわち、装置の起動当初はフィ
ルタ手段240−1乃至240−4のフィルタ特性は未
設定つまり係数にはすべて0がセットされているので、
エコーキャンセル信号EC1〜EC4は0であり、引算
器248,250からは、和差信号生成手段272から
出力される和信号yおよび差信号yそのものが出力
される。したがって、このとき伝達関数演算手段258
は、回線入力端LI(L),LI(R)から入力される
和信号xおよび差信号xと、引算器248,250
から出力される和信号yおよび差信号yとのクロス
スペクトル演算を行い、このクロススペクトル演算に基
づき、スピーカSP(L),SP(R)とマイクMC
(L),MC(R)相互間の4系統の音声伝達系統の伝
達関数HLL,HLR,HRL,HRRのうち適宜の2
系統の伝達関数を組み合わせた複数の合成伝達関数をそ
れぞれ求め、フィルタ手段240−1乃至240−4の
フィルタ特性を該合成伝達関数に相当する値に初期設定
する。初期設定後は、フィルタ手段240−1乃至24
0−4でエコーキャンセル信号が生成されるので、引算
器248,250からは、和差信号生成手段272から
出力される和信号yおよび差信号yと、エコーキャ
ンセル信号EC1〜EC4との差信号に相当するエコー
キャンセル誤差信号e,eが出力される。したがっ
て、このとき伝達関数演算手段258は、回線入力端L
I(L),LI(R)から入力される和信号xおよび
差信号xと、引算器248,250から出力されるエ
コーキャンセル誤差信号e,eとのクロススペクト
ル演算を行い、このクロススペクトル演算に基づき、前
記合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、フィルタ手
段240−1乃至240−4のフィルタ特性を該推定誤
差を打ち消す値にそれぞれ更新する。この更新動作を所
定期間ごとに繰り返すことにより、エコーキャンセル誤
差を最小値に収束させることができる。また、マイク位
置の移動等により伝達関数が変化した場合も、それに応
じてフィルタ手段240−1乃至240−4のフィルタ
特性を順次更新して、エコーキャンセル誤差を最小値に
収束させることができる。
【0107】相関検出手段260は、和信号xと差信
号xとの相関を相関値演算等により検出し、該相関値
が所定値以上のときに前記フィルタ特性の更新を停止す
る。該相関値が所定値以下に下がったら、前記フィルタ
特性の更新を再開する。
【0108】ここで、伝達関数演算手段258によって
フィルタ手段240−1乃至240−4に設定されるフ
ィルタ特性(インパルス応答)について説明する。伝達
関数演算手段258において、以下に示す演算がなされ
る。 (固定型動作とする場合)マイクMC(L)、MC
(R)の出力信号y、yの和信号y,yは、y
,yの周波数軸表現をそれぞれY,Yとする
と、 Y=Y+Y =(X・HLL+X・HRL)+(X・HLR+X・H ) =X(HLL+HLR)+X(HRL+HRR)…(49) Y=Y−Y =(X・HLL+X・HRL)−(X・HLR+X・H ) =X(HLL−HLR)+X(HRL−HRR)…(50) となる。合成伝達関数を HLM=HLL+HLRRM=HRL+HRRLS=HLL−HLRRS=HRL−HRR と置くと、 X=(X+X)/2 X=(X−X)/2 より、(49),(50)式はそれぞれ Y=(X+X)HLM/2+(X−X)HRM/2 =X(HLM+HRM)/2+X(HLM−HRM)/2 Y=(X+X)HLS/2+(X−X)HRS/2 =X(HLS+HRS)/2+X(HLS−HRS)/2 ∴2Y=X(HLM+HRM)+X(HLM−HRM)…(49’) 2Y=X(HLS+HRS)+X(HLS−HRS)…(50’) となる。(49’),(50’)式の両辺にX,X
の複素共役X ,X を掛け、集合平均すると、そ
れぞれ ΣX ・Y=ΣX ・X(HLM+HRM)+ΣX ・X(H −HRM)…(51) ΣX ・Y=ΣX ・X(HLM+HRM)+ΣX ・X(H −HRM)…(52) ΣX ・Y=ΣX ・X(HLS+HRS)+ΣX ・X(H −HRS)…(53) ΣX ・Y=ΣX ・X(HLS+HRS)+ΣX ・X(H −HRS)…(54) が得られる。
【0109】(51)〜(54)式において、XとX
は無相関に近いので、X ・X あるいはX
を有する項は、集合平均するとほぼ0となる。ま
た、 X ・X=|X ・X=|X であるから、(51)〜(54)式は、それぞれ ΣX ・Y=Σ|X(HLM+HRM)…(51’) ΣX ・Y=Σ|X(HLM−HRM)…(52’) ΣX ・Y=Σ|X(HLS+HRS)…(53’) ΣX ・Y=Σ|X(HLS−HRS)…(54’) となる。(51’)〜(54’)を変形すると、次の合
成伝達関数がそれぞれ求まる。 HLM+HRM=ΣX ・Y/Σ|X…(51’’) HLM−HRM=ΣX ・Y/Σ|X…(52’’) HLS+HRS=ΣX ・Y/Σ|X…(53’’) HLS−HRS=ΣX ・Y/Σ|X…(54’’) (51’’)〜(54’’)式より HLM=ΣX ・Y/Σ|X+ΣX ・Y/Σ|X…( 55) HRM=ΣX ・Y/Σ|X−ΣX ・Y/Σ|X…( 56) HLS=ΣX ・Y/Σ|X+ΣX ・Y/Σ|X…( 57) HRS=ΣX ・Y/Σ|X+ΣX ・Y/Σ|X…( 58) がそれぞれ求まる。
【0110】これら求められた合成伝達関数HLM,H
RM,HLS,HRSを逆フーリエ変換して得られるイ
ンパルス応答hLM,hRM,hLS,hRSが、フィ
ルタ手段240−1,240−2,240−3,240
−4にそれぞれ設定すべきフィルタ特性である。そこ
で、伝達関数演算手段258は、回線入力端LI
(L),LI(R)に入力される和信号x、差信号x
および和差信号生成手段272から出力される和信号
および差信号yに基づき、(55)〜(58)式
から各合成伝達関数HLM,HRM,HLS,HRS
求め、これら求められた合成伝達関数を逆フーリエ変換
してインパルス応答hLM,hRM,hLS,h RS
求め、該求められたインパルス応答をフィルタ手段24
0−1,240−2,240−3,240−4にそれぞ
れ設定し、さらに、適宜定められた所定期間(例えば、
集合平均をする期間)ごとにこの演算を繰り返して、イ
ンパルス応答を更新する。
【0111】(適応型動作とする場合)引算器248,
250から出力される信号e,eは、e,e
周波数軸表現をそれぞれE,Eとし、フィルタ手段
240−1,240−2,240−3,240−4に設
定されているフィルタ特性をH^LM,H^RM,H^
,H^RS(インパルス応答で表せば、h^LM,h^
RM,h^LS,h^RS)とすると、 E={L(HLL+HLR)+X(HRL+HRR)}−(X・H^ +X・H^RM) =L{(HLL+HLR)−H^LM}+X{(HRL+HRR)−H^ RM }…(59) E={L(HLL−HLR)+X(HRL−HRR)}−(X・H^ +X・H^RS) =L{(HLL−HLR)−H^LS}+X{(HRL−HRR)−H^ RS }…(60) となる。合成伝達関数を HLM=HLL+HLRRM=HRL+HRRLS=HLL−HLRRS=HRL−HRR と置くと、 X=(X+X)/2 X=(X−X)/2 より、(59),(60)式はそれぞれ E=(X+X)・(HLM−H^LM)/2+(X−X)・(H −H^RM)/2…(61) E=(X+X)・(HLS−H^LS)/2+(X−X)・(H −H^RS)/2…(62) となる。合成伝達関数推定誤差を ΔHLM=HLM−H^LM ΔHRM=HRM−H^RM ΔHLS=HLS−H^LS ΔHRS=HRS−H^RS と置くと、(61),(62)式はそれぞれ E=X(ΔHLM+ΔHRM)/2+X(ΔHLM−ΔHRM)/2 E=X(ΔHLS+ΔHRS)/2+X(ΔHLS−ΔHRS)/2 となる。 ∴2E=X(ΔHLM+ΔHRM)+X(ΔHLM−ΔHRM)…(61 ’) 2E=X(ΔHLS+ΔHRS)+X(ΔHLS−ΔHRS)…(62 ’) となる。(61’),(62’)式の両辺にX,X
の複素共役X ,X を掛け、集合平均すると、そ
れぞれ ΣX ・2E=ΣX ・X(ΔHLM+ΔHRM)+ΣX ・X (ΔHLM−ΔHRM)…(63) ΣX ・2E=ΣX ・X(ΔHLM+ΔHRM)+ΣX ・X (ΔHLM−ΔHRM)…(64) ΣX ・2E=ΣX ・X(ΔHLS+ΔHRS)+ΣX ・X (ΔHLS−ΔHRS)…(65) ΣX ・2E=ΣX ・X(ΔHLS+ΔHRS)+ΣX ・X (ΔHLS−ΔHRS)…(66) が得られる。
【0112】(63)〜(66)式において、XとX
は無相関に近いので、X ・X あるいはX
を有する項は、集合平均するとほぼ0となる。ま
た、 X ・X=|X ・X=|X であるから、(63)〜(66)式は、それぞれ ΣX ・2E=Σ|X(ΔHLM+ΔHRM)…(63’) ΣX ・2E=Σ|X(ΔHLM−ΔHRM)…(64’) ΣX ・2E=Σ|X(ΔHLS+ΔHRS)…(65’) ΣX ・2E=Σ|X(ΔHLS−ΔHRS)…(66’) となる。(63’)〜(66’)を変形すると、次の合
成伝達関数がそれぞれ求まる。 ΔHLM+ΔHRM=ΣX ・2E/Σ|X…(63’’) ΔHLM−ΔHRM=ΣX ・2E/Σ|X…(64’’) ΔHLS+ΔHRS=ΣX ・2E/Σ|X…(65’’) ΔHLS−ΔHRS=ΣX ・2E/Σ|X…(66’’) (63’’)〜(66’’)式より ΔHLM=ΣX ・2E/Σ|X+ΣX ・2E/Σ|X …(67) ΔHRM=ΣX ・2E/Σ|X−ΣX ・2E/Σ|X …(68) ΔHLS=ΣX ・2E/Σ|X+ΣX ・2E/Σ|X …(69) ΔHRS=ΣX ・2E/Σ|X−ΣX ・2E/Σ|X …(70) がそれぞれ求まる。
【0113】(67)〜(70)式により求まる推定誤
差ΔHLM,ΔHRM,ΔHLS,ΔHRSを用いて、
適宜定められた所定期間(例えば、集合平均をする期
間)ごとに、フィルタ手段240−1,240−2,2
40−3,240−4のフィルタ特性を更新する。例え
ば、k回目の更新後のインパルス応答hLM,hRM
LS,hRSをhLM(k),hRM(k),hLS
(k),hRS(k)とすると、求められた推定誤差Δ
LM,ΔHRM,ΔHLS,ΔHRSに対応するイン
パルス応答ΔhLM,ΔhRM,ΔhLS,ΔhRS
用いて、 hLM(k+1)=hLM(k)+αΔhLM…(71) hRM(k+1)=hRM(k)+αΔhRM…(72) hLS(k+1)=hLS(k)+αΔhLS…(73) hRS(k+1)=hRS(k)+αΔhRS…(74) で表される更新式を用いて、(k+1)回目のインパル
ス応答hLM(k+1),hRM(k+1),h
LS(k+1),hRS(k+1)を求め、フィルタ手
段240−1,240−2,240−3,240−4に
それぞれ設定し、適宜定められた所定期間(例えば、集
合平均をする期間)ごとにこれを繰り返す。
【0114】図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を図17に示す。前記図16の構成と
共通する部分には同一の符号を用いる。相手側の地点か
ら伝送され回線入力端LI(L),LI(R)に入力さ
れる左右2チャンネルステレオ信号x,xはそのま
ま(つまり、和差信号生成手段252を介さずに)音響
出力端SO(L),SO(R)から出力され、スピーカ
SP(L),SP(R)でそれぞれ再生される。和差信
号生成手段252は、該ステレオ信号x,x を、加
算器254で加算して和信号x(=x+x)を生
成し、また、引算器256で引き算して差信号x{=
−x(またはx−xでもよい。)}を生成す
る。
【0115】伝達関数演算手段258は、和差信号生成
手段252で生成された和信号xおよび差信号x
と、引算器248,250から出力される信号e
とのクロススペクトル演算を行い、このクロススペ
クトル演算に基づき、フィルタ手段240−1乃至24
0−4のフィルタ特性の設定および更新を行う。その動
作は図16の構成について説明したのと同じである。引
算器248,250から出力される信号e,eはス
テレオ音声信号復調手段282に入力される。ステレオ
音声信号復調手段282は、信号e,eを加算器2
84で加算し、さらに係数器286で係数1/2を付与
して、左チャンネル信号eを復調する。また、信号e
,eを引算器288で引算し、さらに係数器290
で係数1/2を付与して、右チャンネル信号eを復調
する。復調された信号e,eは、回線出力端LO
(L),LO(R)からそれぞれ出力され、相手側の地
点に向けて伝送される。その他の部分の動作は図16の
構成について説明したのと同じである。
【0116】図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を図18に示す。前記図16,17の
構成と共通する部分には同一の符号を用いる。相手側の
地点から伝送され回線入力端LI(L),LI(R)に
入力される和信号x(=x +x)および差信号x
{=x−x(またはx−xでもよい。)}
は、ステレオ音声信号復調手段262に入力される。ス
テレオ音声信号復調手段262は、和差信号x,x
を、加算器264で加算し、さらに係数器266で係数
1/2を付与して、もとの信号xを復調する。また、
和差信号x,x を引算器268で引算し、さらに係
数器270で係数1/2を付与して、もとの信号x
復調する。復調された信号x,xは、音響出力端S
O(L),SO(R)から出力され、スピーカSP
(L),SP(R)でそれぞれ再生される。和差信号生
成手段252は、該ステレオ信号x,xを、加算器
254で加算して和信号x(=x+x)を生成
し、また、引算器256で引き算して差信号x{=x
−x(またはx−xでもよい。)}を生成す
る。
【0117】伝達関数演算手段258は、和差信号生成
手段252で生成された和信号xおよび差信号x
と、引算器248,250から出力される信号e
とのクロススペクトル演算を行い、このクロススペ
クトル演算に基づき、フィルタ手段240−1乃至24
0−4のフィルタ特性の設定および更新を行う。その動
作は図16、図17の構成について説明したのと同じで
ある。引算器248,250から出力される信号e
は、回線出力端LO(L),LO(R)からそれぞ
れ出力され、相手側の地点に向けて伝送される。その他
の部分の動作は図16、図17の構成について説明した
のと同じである。
【0118】図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を図19に示す。前記図16,17,
18の構成と共通する部分には同一の符号を用いる。相
手側の地点から伝送され回線入力端LI(L),LI
(R)に入力される左右2チャンネルステレオ信号
,xは和差信号生成手段252に入力される。和
差信号生成手段252は、該ステレオ信号x,x
を、加算器254で加算して和信号x(=x+x
)を生成し、また、引算器256で引き算して差信号
{=x−x(またはx−xでもよい。)}
を生成する。生成された和信号xおよび差信号x
ステレオ音声信号復調手段262に入力される。ステレ
オ音声信号復調手段262は、和差信号x,xを、
加算器264で加算し、さらに係数器266で係数1/
2を付与して、もとの信号xを復調する。また、和差
信号x,xを引算器268で引算し、さらに係数器
270で係数1/2を付与して、もとの信号xを復調
する。復調された信号x,xは、音響出力端SO
(L),SO(R)から出力され、スピーカSP
(L),SP(R)でそれぞれ再生される。
【0119】伝達関数演算手段258は、和差信号生成
手段252で生成された和信号xおよび差信号x
と、引算器248,250から出力される信号e
とのクロススペクトル演算を行い、このクロススペ
クトル演算に基づき、フィルタ手段240−1乃至24
0−4のフィルタ特性の設定および更新を行う。その動
作は図16、図17、図18の構成について説明したの
と同じである。引算器248,250から出力される信
号e,eはステレオ音声信号復調手段282に入力
される。ステレオ音声信号復調手段282は、信号
,eを加算器284で加算し、さらに係数器28
6で係数1/2を付与して、左チャンネル信号e を復
調する。また、信号e,eを引算器288で引算
し、さらに係数器290で係数1/2を付与して、右チ
ャンネル信号eを復調する。復調された信号e,e
は、回線出力端LO(L),LO(R)からそれぞれ
出力され、相手側の地点に向けて伝送される。その他の
部分の動作は図16、図17、図18の構成について説
明したのと同じである。
【0120】ステレオエコーキャンセラ16,24内の
他の構成例を図20に示す。相手側の地点から伝送され
回線入力端LI(L),LI(R)に入力される和信号
(=x+x)および差信号x{=x−x
(またはx−xでもよい。)}は、ステレオ音声信
号復調手段362に入力される。ステレオ音声信号復調
手段362は、和差信号x,xを、加算器364で
加算し、さらに係数器366で係数1/2を付与して、
もとの信号xを復調する。また、和差信号x ,x
を引算器368で引算し、さらに係数器370で係数1
/2を付与して、もとの信号xを復調する。復調され
た信号x,xは、音響出力端SO(L),SO
(R)から出力され、スピーカSP(L),SP(R)
でそれぞれ再生される。
【0121】マイクMC(L),MC(R)の収音信号
,yは、和差信号生成手段372に入力される。
和差信号生成手段372は、マイク収音信号y,y
を、加算器373で加算して和信号yを生成し、ま
た、引算器375で引き算して差信号yを生成する。
【0122】フィルタ手段340−1乃至340−4
は、例えばFIRフィルタで構成される。これらフィル
タ手段340−1乃至340−4は、スピーカSP
(L),SP(R)とマイクMC(L),MC(R)相
互間の4系統の音声伝達系統の伝達関数HLL
LR,HRL,HRRを組み合わせた合成伝達関数に
相当するインパルス応答が設定され、回線入力端LI
(L),LI(R)から入力される和信号xおよび差
信号xに該インパルス応答を畳み込み演算することに
より、エコーキャンセル信号EC1〜EC4をそれぞれ
生成する。
【0123】加算器344は、EC1+EC3の演算を
行う。加算器346はEC2+EC4の演算を行う。引
算器348は和信号yからエコーキャンセル信号EC
1+EC3を引き算してエコーキャンセルを行う。引算
器350は差信号yからエコーキャンセル信号EC2
+EC4を引き算してエコーキャンセルを行う。引算器
348,350から出力される信号e,eは、回線
出力端LO(L),LO(R)からそれぞれ出力され、
相手側の地点に向けて伝送される。
【0124】伝達関数演算手段358は、回線入力端L
I(L),LI(R)から入力される和信号xおよび
差信号xと、引算器348,350から出力される信
号e ,eとのクロススペクトル演算を行い、このク
ロススペクトル演算に基づき、フィルタ手段340−1
乃至340−4のフィルタ特性(インパルス応答)の設
定および更新を行う。すなわち、装置の起動当初はフィ
ルタ手段340−1乃至340−4のフィルタ特性は未
設定つまり係数にはすべて0がセットされているので、
エコーキャンセル信号EC1〜EC4は0であり、引算
器348,350からは、和差信号生成手段372から
出力される和信号yおよび差信号yそのものが出力
される。したがって、このとき伝達関数演算手段358
は、回線入力端LI(L),LI(R)から入力される
和信号xおよび差信号xと、引算器348,350
から出力される和信号eおよび差信号eとのクロス
スペクトル演算を行い、このクロススペクトル演算に基
づき、スピーカSP(L),SP(R)とマイクMC
(L),MC(R)相互間の4系統の音声伝達系統の伝
達関数HLL,HLR,HRL,HRRを組み合わせた
複数の合成伝達関数をそれぞれ求め、フィルタ手段34
0−1乃至340−4のフィルタ特性を該合成伝達関数
に相当する値に初期設定する。初期設定後は、フィルタ
手段340−1乃至340−4でエコーキャンセル信号
が生成されるので、引算器348,350からは、和差
信号生成手段372から出力される和信号yおよび差
信号yと、エコーキャンセル信号EC1〜EC4との
差信号に相当するエコーキャンセル誤差信号e,e
が出力される。したがって、このとき伝達関数演算手段
358は、回線入力端LI(L),LI(R)から入力
される和信号xおよび差信号xと、引算器348,
350から出力されるエコーキャンセル誤差信号e
とのクロススペクトル演算を行い、このクロススペ
クトル演算に基づき、前記合成伝達関数の推定誤差をそ
れぞれ求め、フィルタ手段340−1乃至340−4の
フィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値にそれぞれ更新
する。この更新動作を所定期間ごとに繰り返すことによ
り、エコーキャンセル誤差を最小値に収束させることが
できる。また、マイク位置の移動等により伝達関数が変
化した場合も、それに応じてフィルタ手段340−1乃
至340−4のフィルタ特性を順次更新して、エコーキ
ャンセル誤差を最小値に収束させることができる。
【0125】相関検出手段360は、和信号xと差信
号xとの相関を相関値演算等により検出し、該相関値
が所定値以上のときに前記フィルタ特性の更新を停止す
る。該相関値が所定値以下に下がったら、前記フィルタ
特性の更新を再開する。
【0126】ここで、伝達関数演算手段358によって
フィルタ手段340−1乃至340−4に設定されるフ
ィルタ特性(インパルス応答)について説明する。伝達
関数演算手段358において、以下に示す演算がなされ
る。 (固定型動作とする場合)マイクMC(L)、MC
(R)の出力信号y、yの和信号y,yは、 Y=Y+Y =(X・HLL+X・HRL)+(X・HLR+X・H ) =X(HLL+HLR)+X(HRL+HRR)…(71) Y=Y−Y =(X・HLL+X・HRL)−(X・HLR+X・H ) =X(HLL−HLR)+X(HRL−HRR)…(72) となる。 X=(X+X)/2 X=(X−X)/2 より、(71),(72)式はそれぞれ Y=(X+X)・(HLL+HLR)/2+(X−X)・(HRL +HRR)/2 =X(HLL+HLR+HRL+HRR)/2+X(HLL+ HLR−HRL−HRR)/2…(71’) Y=(X+X)・(HLL−HLR)/2+(X−X)・(HRL −HRR) =X(HLL−HLR+HRL−HRR)/2+X(HLL− HLR−HRL+HRR)/2…(72’) となる。合成伝達関数を HMM=(HLL+HLR+HRL+HRR)/2 HSM=(HLL+HLR−HRL−HRR)/2 HMS=(HLL−HLR+HRL−HRR)/2 HSS=(HLL−HLR−HRL+HRR)/2 と置くと、(71’),(72’)式はそれぞれ Y=X・HMM+X・HSM…(71’’) Y=X・HMS+X/HSS…(72’’) となる。(71’),(72’)式の両辺にX,X
の複素共役X ,X を掛け、集合平均すると、そ
れぞれ ΣX ・Y=ΣX ・X・HMM+ΣX ・X・HSM…(73 ) ΣX ・Y=ΣX ・X・HMM+ΣX ・X・HSM…(74 ) ΣX ・Y=ΣX ・X・HMS+ΣX ・X・HSS…(75 ) ΣX ・Y=ΣX ・X・HMS+ΣX ・X・HSS…(76 ) が得られる。
【0127】(73)〜(76)式において、XとX
は無相関に近いので、X ・X あるいはX
を有する項は、集合平均するとほぼ0となる。ま
た、 X ・X=|X ・X=|X であるから、(73)〜(76)式は、それぞれ ΣX ・Y=Σ|X・HMM…(73’) ΣX ・Y=Σ|X・HSM…(74’) ΣX ・Y=Σ|X・HMS…(75’) ΣX ・Y=Σ|X・HSS…(76’) となる。(73’)〜(76’)式より HMM=ΣX ・Y/Σ|X…(77) HSM=ΣX ・Y/Σ|X…(78) HMS=ΣX ・Y/Σ|X…(79) HSS=ΣX ・Y/Σ|X…(80) がそれぞれ求まる。
【0128】これら求められた合成伝達関数HMM,H
SM,HMS,HSSを逆フーリエ変換して得られるイ
ンパルス応答hMM,hSM,hMS,hSSが、フィ
ルタ手段340−1,340−2,340−3,340
−4にそれぞれ設定すべきフィルタ特性である。そこ
で、伝達関数演算手段358は、回線入力端LI
(L),LI(R)に入力される和信号x、差信号x
および和差信号生成手段372から出力される和信号
および差信号yに基づき、(77)〜(80)式
から各合成伝達関数HMM,HSM,HMS,HSS
求め、これら求められた合成伝達関数を逆フーリエ変換
してインパルス応答hMM,hSM,hMS,h SS
求め、該求められたインパルス応答をフィルタ手段34
0−1,340−2,340−3,340−4にそれぞ
れ設定し、さらに、適宜定められた所定期間(例えば、
集合平均をする期間)ごとにこの演算を繰り返して、イ
ンパルス応答を更新する。
【0129】(適応型動作とする場合)引算器348,
350から出力される信号e,eは、フィルタ手段
340−1,340−2,340−3,340−4に設
定されているフィルタ特性をH^MM,H^SM,H^
MS,H^SS(インパルス応答で表せば、h^MM,h
^ ,h^MS,h^SS)とすると、 E={(X+X)・(HLL+HLR)/2+(X−X)・(H +HRR)/2}−(X・H^MM+X・H^SM) =X〔{(HLL+HLR+HRL+HRR)/2}−H^MM〕+X 〔{(HLL+HLR−HRL−HRR)/2}−H^SM〕…(81) E={(X+X)・(HLL−HLR)/2+(X−X)・(H −HRR)/2}−(X・H^MS+X・H^SS) =X〔{(HLL−HLR+HRL−HRR)/2}−H^MS〕+X 〔{(HLL−HLR−HRL+HRR)/2}−H^SS〕…(82) となる。合成伝達関数を HMM=(HLL+HLR+HRL+HRR)/2 HSM=(HLL+HLR−HRL−HRR)/2 HMS=(HLL−HLR+HRL−HRR)/2 HSS=(HLL−HLR−HRL+HRR)/2 と置くと、(81),(82)式はそれぞれ E=X(HMM−H^MM)+X(HSM−H^SM)…(81’) E=X(HMS−H^MS)+X(HSS−H^SS)…(82’) となる。 ΔHMM=HMM−H^MM ΔHSM=HSM−H^SM ΔHMS=HMS−H^MS ΔHSS=HSS−H^SS と置くと、(81’),(82’)式はそれぞれ E=X・ΔHMM+X・ΔHSM…(81’’) E=X・ΔHMS+X・ΔHSS…(82’’) となる。(81’’),(82’’)式の両辺にX
の複素共役X ,X を掛け、集合平均する
と、それぞれ ΣX ・E=ΣX ・X・ΔHMM+ΣX ・X・ΔHSM…( 83) ΣX ・E=ΣX ・X・ΔHMM+ΣX ・X・ΔHSM…( 84) ΣX ・E=ΣX ・X・ΔHMS+ΣX ・X・ΔHSS…( 85) ΣX ・E=ΣX ・X・ΔHMS+ΣX ・X・ΔHSS…( 86) が得られる。
【0130】(83)〜(86)式において、XとX
は無相関に近いので、X ・X あるいはX
を有する項は、集合平均するとほぼ0となる。ま
た、 X ・X=|X ・X=|X であるから、(83)〜(86)式は、それぞれ ΣX ・E=Σ|X・ΔHMM…(83’) ΣX ・E=Σ|X・ΔHSM…(84’) ΣX ・E=Σ|X・ΔHMS…(85’) ΣX ・E=Σ|X・ΔHSS…(86’) となる。(83’)〜(86’)式より ΔHMM=ΣX ・E/Σ|X…(87) ΔHSM=ΣX ・E/Σ|X…(88) ΔHMS=ΣX ・E/Σ|X…(89) ΔHSS=ΣX ・E/Σ|X…(90) がそれぞれ求まる。
【0131】(87)〜(90)式により求まる推定誤
差ΔHMM,ΔHSM,ΔHMS,ΔHSSを用いて、
適宜定められた所定期間(例えば、集合平均をする期
間)ごとに、フィルタ手段340−1,340−2,3
40−3,340−4のフィルタ特性を更新する。例え
ば、k回目の更新後のインパルス応答hMM,hSM
MS,hSSをhMM(k),hSM(k),hMS
(k),hSS(k)とすると、求められた推定誤差Δ
MM,ΔHSM,ΔHMS,ΔHSSに対応するイン
パルス応答ΔhMM,ΔhSM,ΔhMS,ΔhSS
用いて、 hMM(k+1)=hMM(k)+αΔhMM…(91) hSM(k+1)=hSM(k)+αΔhSM…(92) hMS(k+1)=hMS(k)+αΔhMS…(93) hSS(k+1)=hSS(k)+αΔhSS…(94) で表される更新式を用いて、(k+1)回目のインパル
ス応答hMM(k+1),hSM(k+1),h
MS(k+1),hSS(k+1)を求め、フィルタ手
段340−1,340−2,340−3,340−4に
それぞれ設定し、適宜定められた所定期間(例えば、集
合平均をする期間)ごとにこれを繰り返す。
【0132】図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を図21に示す。前記図20の構成と
共通する部分には同一の符号を用いる。相手側の地点か
ら伝送され回線入力端LI(L),LI(R)に入力さ
れる左右2チャンネルステレオ信号x,xはそのま
ま(つまり、和差信号生成手段352を介さずに)音響
出力端SO(L),SO(R)から出力され、スピーカ
SP(L),SP(R)でそれぞれ再生される。和差信
号生成手段352は、該ステレオ信号x,x を、加
算器354で加算して和信号x(=x+x)を生
成し、また、引算器356で引き算して差信号x{=
−x(またはx−xでもよい。)}を生成す
る。
【0133】伝達関数演算手段358は、和差信号生成
手段352で生成された和信号xおよび差信号x
と、引算器348,350から出力される信号e
とのクロススペクトル演算を行い、このクロススペ
クトル演算に基づき、フィルタ手段340−1乃至34
0−4のフィルタ特性の設定および更新を行う。その動
作は図20の構成について説明したのと同じである。引
算器348,350から出力される信号e,eはス
テレオ音声信号復調手段382に入力される。ステレオ
音声信号復調手段382は、信号e,eを加算器3
84で加算し、さらに係数器386で係数1/2を付与
して、左チャンネル信号eを復調する。また、信号e
,eを引算器388で引算し、さらに係数器390
で係数1/2を付与して、右チャンネル信号eを復調
する。復調された信号e,eは、回線出力端LO
(L),LO(R)からそれぞれ出力され、相手側の地
点に向けて伝送される。その他の部分の動作は図20の
構成について説明したのと同じである。
【0134】図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を図22に示す。前記図20,21の
構成と共通する部分には同一の符号を用いる。相手側の
地点から伝送され回線入力端LI(L),LI(R)に
入力される和信号x(=x +x)および差信号x
{=x−x(またはx−xでもよい。)}
は、ステレオ音声信号復調手段362に入力される。ス
テレオ音声信号復調手段362は、和差信号x,x
を、加算器364で加算し、さらに係数器366で係数
1/2を付与して、もとの信号xを復調する。また、
和差信号x,x を引算器368で引算し、さらに係
数器370で係数1/2を付与して、もとの信号x
復調する。復調された信号x,xは、音響出力端S
O(L),SO(R)から出力され、スピーカSP
(L),SP(R)でそれぞれ再生される。和差信号生
成手段352は、該ステレオ信号x,xを、加算器
354で加算して和信号x(=x+x)を生成
し、また、引算器356で引き算して差信号x{=x
−x(またはx−xでもよい。)}を生成す
る。
【0135】伝達関数演算手段358は、和差信号生成
手段352で生成された和信号xおよび差信号x
と、引算器348,350から出力される信号e
とのクロススペクトル演算を行い、このクロススペ
クトル演算に基づき、フィルタ手段340−1乃至34
0−4のフィルタ特性の設定および更新を行う。その動
作は図20、図21の構成について説明したのと同じで
ある。引算器348,350から出力される信号e
は、回線出力端LO(L),LO(R)からそれぞ
れ出力され、相手側の地点に向けて伝送される。その他
の部分の動作は図20、図21の構成について説明した
のと同じである。
【0136】図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を図23に示す。前記図20,21,
22の構成と共通する部分には同一の符号を用いる。相
手側の地点から伝送され回線入力端LI(L),LI
(R)に入力される左右2チャンネルステレオ信号
,xは和差信号生成手段352に入力される。和
差信号生成手段352は、該ステレオ信号x,x
を、加算器354で加算して和信号x(=x+x
)を生成し、また、引算器356で引き算して差信号
{=x−x(またはx−xでもよい。)}
を生成する。生成された和信号xおよび差信号x
ステレオ音声信号復調手段362に入力される。ステレ
オ音声信号復調手段362は、和差信号x,xを、
加算器364で加算し、さらに係数器366で係数1/
2を付与して、もとの信号xを復調する。また、和差
信号x,xを引算器368で引算し、さらに係数器
370で係数1/2を付与して、もとの信号xを復調
する。復調された信号x,xは、音響出力端SO
(L),SO(R)から出力され、スピーカSP
(L),SP(R)でそれぞれ再生される。
【0137】伝達関数演算手段358は、和差信号生成
手段352で生成された和信号xおよび差信号x
と、引算器348,350から出力される信号e
とのクロススペクトル演算を行い、このクロススペ
クトル演算に基づき、フィルタ手段340−1乃至34
0−4のフィルタ特性の設定および更新を行う。その動
作は図20、図21、図22の構成について説明したの
と同じである。引算器348,350から出力される信
号e,eはステレオ音声信号復調手段382に入力
される。ステレオ音声信号復調手段382は、信号
,eを加算器384で加算し、さらに係数器38
6で係数1/2を付与して、左チャンネル信号e を復
調する。また、信号e,eを引算器388で引算
し、さらに係数器390で係数1/2を付与して、右チ
ャンネル信号eを復調する。復調された信号e,e
は、回線出力端LO(L),LO(R)からそれぞれ
出力され、相手側の地点に向けて伝送される。その他の
部分の動作は図20、図21、図22の構成について説
明したのと同じである。
【0138】この発明は、前記実施の形態で示した構成
のほか様々な構成をとりうる。例えば、図1,図9〜図
11の構成の一部を図24のように変更することができ
る。すなわち、加算器44,46と引算器48,50と
の間に和差信号生成手段402を配置し、エコーキャン
セル信号EC1+EC3,EC2+EC4を、加算器4
04で加算してエコーキャンセル信号(EC1+EC
3)+(EC2+EC4)を生成し、また、引算器40
6で引算して(EC1+EC3)−(EC2+EC4)
を生成する。また、音響入力端SI(L),SI(R)
と引算器48,50との間に和差信号生成手段408を
配置し、マイクMC(L),MC(R)の収音信号
,yを、加算器410で加算して和信号yを生
成し、また、引算器412で引き算して差信号yを生
成する。引算器48は和信号yからエコーキャンセル
信号(EC1+EC3)+(EC2+EC4)を引き算
してエコーキャンセルを行う。引算器50は差信号y
からエコーキャンセル信号(EC1+EC3)−(EC
2+EC4)を引き算してエコーキャンセルを行う。引
算器48,50から出力される信号e,eはステレ
オ音声信号復調手段414に入力される。ステレオ音声
信号復調手段414は、信号e,eを加算器416
で加算し、さらに係数器418で係数1/2を付与し
て、左チャンネル信号eを復調する。また、信号
,eを引算器420で引算し、さらに係数器42
2で係数1/2を付与して、右チャンネル信号eを復
調する。その他の部分は図1,図9〜図11の構成につ
いて説明したのと同じである。
【0139】また、図12〜図15の構成の一部を図2
5のように変更することができる。すなわち、加算器1
44,146と引算器148,150との間に和差信号
生成手段432を配置し、エコーキャンセル信号EC1
+EC3,EC2+EC4を、加算器434で加算して
エコーキャンセル信号(EC1+EC3)+(EC2+
EC4)を生成し、また、引算器436で引算して(E
C1+EC3)−(EC2+EC4)を生成する。ま
た、音響入力端SI(L),SI(R)と引算器14
8,150との間に和差信号生成手段438を配置し、
マイクMC(L),MC(R)の収音信号y,y
を、加算器440で加算して和信号yを生成し、ま
た、引算器442で引き算して差信号yを生成する。
引算器148は和信号yからエコーキャンセル信号
(EC1+EC3)+(EC2+EC4)を引き算して
エコーキャンセルを行う。引算器150は差信号y
らエコーキャンセル信号(EC1+EC3)−(EC2
+EC4)を引き算してエコーキャンセルを行う。引算
器148,150から出力される信号e,eはステ
レオ音声信号復調手段444に入力される。ステレオ音
声信号復調手段444は、信号e,eを加算器44
6で加算し、さらに係数器448で係数1/2を付与し
て、左チャンネル信号eを復調する。また、信号
,eを引算器450で引算し、さらに係数器45
2で係数1/2を付与して、右チャンネル信号eを復
調する。その他の部分は図12〜図15の構成について
説明したのと同じである。
【0140】また、図16〜図19の構成の一部を図2
6のように変更することができる。すなわち、加算器2
44,246と引算器248,250との間に和差信号
生成手段462を配置し、エコーキャンセル信号EC1
+EC3,EC2+EC4を、加算器464で加算して
エコーキャンセル信号(EC1+EC3)+(EC2+
EC4)を生成し、また、引算器466で引算して(E
C1+EC3)−(EC2+EC4)を生成する。図1
6〜図19の和差信号生成手段272は不要である。引
算器248はマイクMC(L)の収音信号yからエコ
ーキャンセル信号(EC1+EC3)+(EC2+EC
4)を引き算してエコーキャンセルを行う。引算器25
0はマイクMC(R)の収音信号yからエコーキャン
セル信号(EC1+EC3)−(EC2+EC4)を引
き算してエコーキャンセルを行う。引算器248,25
0の出力側に和差信号生成手段468を配置し、引算器
248,250の出力信号e,eを、加算器470
で加算して和信号eを生成し、また、引算器472で
引算して差信号eを生成する。その他の部分は図16
〜図19の構成について説明したのと同じである。
【0141】また、図20〜図21の構成の一部を図2
7のように変更することができる。すなわち、加算器3
44,346と引算器348,350との間に和差信号
生成手段482を配置し、エコーキャンセル信号EC1
+EC3,EC2+EC4を、加算器484で加算して
エコーキャンセル信号(EC1+EC3)+(EC2+
EC4)を生成し、また、引算器486で引算して(E
C1+EC3)−(EC2+EC4)を生成する。図2
0〜図23の和差信号生成手段372は不要である。引
算器348はマイクMC(L)の収音信号yからエコ
ーキャンセル信号(EC1+EC3)+(EC2+EC
4)を引き算してエコーキャンセルを行う。引算器35
0はマイクMC(R)の収音信号yからエコーキャン
セル信号(EC1+EC3)−(EC2+EC4)を引
き算してエコーキャンセルを行う。引算器348,35
0の出力側に和差信号生成手段488を配置し、引算器
348,350の出力信号e,eを、加算器490
で加算して和信号eを生成し、また、引算器492で
引算して差信号eを生成する。その他の部分は図20
〜図23の構成について説明したのと同じである。
【0142】図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を図28に示す。前記図1の構成と共
通する部分には同一の符号を用いる。相手側の地点から
伝送され回線入力端LI(L),LI(R)に入力され
る左右2チャンネルステレオ信号x,xは、そのま
ま(つまり、直交化フィルタ500を介さずに)音響出
力端SO(L),SO(R)から出力され、スピーカS
P(L),SP(R)でそれぞれ再生される。
【0143】フィルタ手段40−1にはスピーカSP
(L)とマイクMC(L)間の伝達関数に相当するイン
パルス応答が設定され、フィルタ手段40−2にはスピ
ーカSP(L)とマイクMC(R)間の伝達関数に相当
するインパルス応答が設定され、フィルタ手段40−3
には、スピーカSP(R)とマイクMC(L)間の伝達
関数に相当するインパルス応答が設定され、フィルタ手
段40−4には、スピーカSP(R)とマイクMC
(R)間の伝達関数に相当するインパルス応答が設定さ
れる。
【0144】直交化フィルタ500は、入力ステレオ信
号x,xについて所定の期間ごとに主成分分析を行
って、該入力ステレオ信号x,xを相互に直交した
2信号に変換する。伝達関数演算手段502は、直交化
フィルタ500で生成された相互に直交した2信号と、
引算器48,50から出力される信号e,eとのク
ロススペクトル演算を行い、このクロススペクトル演算
に基づき、フィルタ手段40−1乃至40−4のフィル
タ特性(インパルス応答)の設定を行う。すなわち、装
置の起動当初はフィルタ手段40−1乃至40−4のフ
ィルタ特性は未設定つまり係数にはすべて0がセットさ
れているので、エコーキャンセル信号EC1〜EC4は
0であり、引算器48,50からは、マイクMC
(L),MC(R)の収音信号そのものが出力される。
したがって、このとき伝達関数演算手段502は、直交
化フィルタ500で生成された相互に直交した2信号
と、引算器48,50から出力されるマイクMC
(L),MC(R)の収音信号e,eとのクロスス
ペクトル演算を行い、このクロススペクトル演算に基づ
き、スピーカSP(L),SP(R)とマイクMC
(L),MC(R)相互間の4系統の音声伝達系統の伝
達関数をそれぞれ求め、フィルタ手段40−1乃至40
−4のフィルタ特性を該伝達関数に相当する値に初期設
定する。初期設定後は、フィルタ手段40−1乃至40
−4でエコーキャンセル信号が生成されるので、引算器
48,50からはマイクMC(L),MC(R)の収音
信号とエコーキャンセル信号EC1〜EC4との差信号
に相当するエコーキャンセル誤差信号e,eが出力
される。したがって、このとき伝達関数演算手段502
は、直交化フィルタ500で生成された相互に直交した
2信号と、引算器48,50から出力されるエコーキャ
ンセル誤差信号e,eとのクロススペクトル演算を
行い、このクロススペクトル演算に基づき、スピーカS
P(L),SP(R)とマイクMC(L),MC(R)
相互間の4系統の音声伝達系統の伝達関数の推定誤差を
それぞれ求め、フィルタ手段40−1乃至40−4のフ
ィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値にそれぞれ更新す
る。この更新動作を所定期間ごとに繰り返すことによ
り、エコーキャンセル誤差を最小値に収束させることが
できる。また、マイク位置の移動等により伝達関数が変
化した場合も、それに応じてフィルタ手段40−1乃至
40−4のフィルタ特性を順次更新して、エコーキャン
セル誤差を最小値に収束させることができる。
【0145】ダブルトーク検出手段504は、回線入力
端LI(L),LI(R)に入力される左右2チャンネ
ルステレオ信号x,xと回線出力端LO(L),L
O(R)から出力される信号e,eとの比較に基づ
く周知の手法で、スピーカSP(L),SP(R)で再
生された音以外の音がマイクMC(L),MC(R)に
入力されるダブルトークを検出する。伝達関数演算手段
502は、ダブルトークが検出されている時にフィルタ
手段40−1乃至40−4のフィルタ特性の更新周期を
相対的に長くし、ダブルトークが検出されていない時に
該フィルタ特性の更新周期を相対的に短くする。これに
より、ダブルトークがあるときの推定誤差を十分に収束
させ、かつ、ダブルトークがないときの推定誤差の収束
を速めることができる。
【0146】直交化フィルタ500の直交化処理につい
て説明する。直交化処理は、入力ステレオ信号の所定の
期間ごとに行われる。ここでは、直交化処理を図29に
示すように1フレーム(例えば512サンプル)ごとに
行うものとし(ただし、後述する図49に示すようにオ
ーバーラップ処理する場合あり。)、直交化フィルタ5
00に入力される左チャンネルの入力信号xの1フレ
ームのサンプル群を要素とするベクトル,右チャンネル
の入力信号xの1フレームのサンプル群を要素とする
ベクトルを、
【数1】 とする。x、xはステレオ信号であるから、互いに
相関を有する。直交化処理は、x、xを2変数とし
て、1フレームごとに、該2変数の組合せからなるサン
プル群について、主成分分析をして、相互に直交する第
1主成分、第2主成分の固有ベクトルを求め、該2変数
の組合せからなる各サンプルを、該求められた第1主成
分、第2主成分の固有ベクトルにそれぞれ射影すること
により行われる。
【0147】直交化処理の演算の具体的内容を説明す
る。いま、観測行列Bを、
【数2】 とすると、Bの共分散行列Sは、
【数3】 となる。固有値λは、
【数4】 から、
【数5】 を解いて、
【数6】 の2個の解が求まる。
【0148】2個の固有値のうち分散の大きい方(第1
主成分の固有値)をλとすると、固有値λに対応す
る固有ベクトルUmaxは、
【数7】 が成り立つ
【数8】 である。u11,u12を解くと、
【数9】 が求まる。u11,u12の解の符号が+でも−でも第
1主成分が表す軸は同じである。
【0149】一方、2個の固有値のうち分散の小さい方
(第2主成分の固有値)をλとすると、固有値λ
対応する固有ベクトルUminは、
【数10】 が成り立つ
【数11】 である。u21,u22を解くと、
【数12】 が求まる。u21,u22の解の符号が+でも−でも第
2主成分が表す軸は同じである。以上により、第1主成
分の固有ベクトルUmax、第2主成分の固有ベクトルUm
inが次のように求まる。
【数13】
【0150】なお、共分散行列から得られる固有ベクト
ルUmax,Uminは、その性質上どの象限に現れるかは予
測できない。固有ベクトルUmaxの現れる象限がフレー
ムごとに変化すると、後にUmaxをブロック単位で集合
平均する際に、Umaxどうしが打ち消し合ってしまう。
また、固有ベクトルUminの現れる象限がフレームごと
に変化すると、後にUminをブロック単位で集合平均す
る際に、Uminどうしが打ち消し合ってしまう。そこ
で、固有ベクトルUmax,Uminの現れる象限を固定する
ための変換操作を行う。例えば、固有ベクトルUmaxを
第1象限、固有ベクトルUminを第4象限に固定する場
合は、次のような変換操作により、これを実現すること
ができる。固有ベクトルUmax,Uminのうち、 ・第1象限(正、負)もしくは第3象限(負、負)にあ
るものをUmax’ ・第2象限(負、正)もしくは第4象限(正、負)にあ
るものをUmin’ と置く。そして、 ・Umax’が第1象限にあれば、Umax=Umax’ ・Umax’が第3象限にあれば、Umax=−Umax’ ・Umin’が第2象限にあれば、Umin=−Umin’ ・Umin’が第4象限にあれば、Umin=Umin’ と変換する。このような変換操作により、固有ベクトル
Umax,Uminの現れる象限を固定することができる。
【0151】以上のようにして求められた第1主成分の
固有ベクトルUmax、第2主成分の固有ベクトルUmin
に、観測行列Bの列ベクトル
【数14】 を射影する。観測行列Bを固有ベクトルUmaxに射影し
た出力信号xmaxの値は、
【数15】 として求まる。また、観測行列Bを固有ベクトルUmin
に射影した出力信号x inの値は、
【数16】 として求まる。
【0152】伝達関数演算手段502の伝達関数演算処
理について説明する。 (固定型動作とする場合)直交化フィルタ500のフィ
ルタ特性をUと置く。フィルタ特性Uは、入力信号
,xを、主成分分析によって、互いに無相関な信
号xmax,xminに射影する特性であり、次の関係
が成り立つ。
【数17】 フィルタ特性Uの逆特性をVと置く。逆フィルタ特性V
は、信号xmax,x minを元の信号x,xに戻
す特性であり、次の関係が成り立つ。
【数18】
【0153】マイクMC(L)、MC(R)の出力信号
、yは、 Y=HLL・X+HRL・X…(97) Y=HLR・X+HRR・X…(98) と表される。(95)、(96)式より、
【数19】 であるから、(97)、(98)式は、xmax,x
minの周波数軸表現をそれぞれXmax,Xmin
すると、それぞれ Y=HLL(v11・Xmax+v12・Xmin)+HRL(v21・X max +v22・Xmin)…(97’) Y=HLR(v11・Xmax+v12・Xmin)+HRR(v21・X max +v22・Xmin)…(98’) となる。
【0154】(97’)式の両辺に、Xmax,X
minの複素共役X max,X mi を掛け(すな
わちクロススペクトルをとり)、集合平均すると、X
max,X minは互いに直交するから、X max
minおよびX min・Xma の期待値はそれぞ
れ0となり、次の2つの式ができる(注:E[ ]は、
集合平均を表す。)。 E[X max・Y]=E[X max・HLL・v11・Xmax+X max ・HRL・v21・Xmax]…(100) E[X min・Y]=E[X min・HLL・v12・Xmin+X min ・HRL・v22・Xmin]…(101) 同様に(98’)式の両辺に、Xmax,Xminの複
素共役X max,X minを掛け、集合平均する
と、次の2つの式ができる。 E[X max・Y]=E[X max・HLR・v11・Xmax+X max ・HRR・v21・Xmax]…(102) E[X min・Y]=E[X min・HLR・v12・Xmin+X min ・HRR・v22・Xmin]…(103)
【0155】ここで、集合平均する期間内での固有値λ
の変化が小さければ、
【数20】 が成り立ち、(100)〜(103)式はそれぞれ次の
(100’)〜(103’)式のように書き換えられ
る。 E[X max・Y]≒E[|Xmax]・HLL・E[v11]+E [|Xmax]・HRL・E[v21]…(100’) E[X min・Y]≒E[|Xmin]・HLL・E[v12]+E [|Xmin]・HRL・E[v22]…(101’) E[X max・Y]≒E[|Xmax]・HLR・E[v11]+E [|Xmax]・HRR・E[v21]…(102’) E[X min・Y]≒E[|Xmin]・HLR・E[v12]+E [|Xmin]・HRR・E[v22]…(103’)
【0156】(100’)、(102’)式の両辺をE
[|Xmax]で、(101’)、(103’)式
の両辺をE[|Xmin]でそれぞれ割ると、 E[X max・Y]/E[|Xmax]≒H
LL・E[v11]+H RL・E[v21] E[X min・Y]/E[|Xmin]≒H
LL・E[v12]+H RL・E[v22] E[X max・Y]/E[|Xmax]≒H
LR・E[v11]+H RR・E[v21] E[X min・Y]/E[|Xmin]≒H
LR・E[v12]+H RR・E[v22] よって、
【数21】 が得られる。E[U]・E[V]≒Iより、(105)
式は、
【数22】 と書き換えられる。
【0157】(106)式から求められる伝達関数H
LL、HRL、HLR、HRRを逆フーリエ変換して得
られるインパルス応答hLL、hRL、hLR、hRR
が、図28のフィルタ手段40−1,40−2,40−
3,40−4にそれぞれ設定すべきフィルタ特性であ
る。そこで、伝達関数演算手段502は、直交化フィル
タ500から出力される信号xmax,xmin、直交
化フィルタ500のフィルタ特性UおよびマイクMC
(L)、MC(R)の出力信号y、yに基づき、
(106)式から各伝達関数HLL、HRL、HLR
RRを求め、これら求められた伝達関数を逆フーリエ
変換してインパルス応答hLL、hRL、hLR、h
RRを求め、該求められたインパルス応答をフィルタ手
段40−1,40−2,40−3,40−4にそれぞれ
設定し、さらに、適宜定められた所定期間(例えば、集
合平均をする期間)ごとにこの演算を繰り返して、イン
パルス応答を更新する。
【0158】(適応型動作とする場合)図28の引算器
48,50から出力される信号e,eは、フィルタ
手段40−1,40−2,40−3,40−4に設定さ
れているフィルタ特性をH^ 、H^RL、H^LR
H^RR(インパルス応答で表せば、h^LL、h
^RL、h^LR、h^RR)とすると、 E=(HLL・X+HRL・X)−(H^LL・X+H^RL・X) …(107) E=(HLR・X+HRR・X)−(H^LR・X+H^RR・X) …(108) と表される。前記(99)式より、(107)、(10
8)式は、それぞれ E=(HLL−H^LL)(v11・Xmax+v12・Xmin)+(H RL −H^RL)(v21・Xmax+v22・Xmin)…(107’) E=(HLR−H^LR)(v11・Xmax+v12・Xmin)+(H RR −H^RR)(v21・Xmax+v22・Xmin)…(108’) となる。
【0159】伝達関数推定誤差を ΔHLL=HLL−H^LL ΔHRL=HRL−H^RL ΔHLR=HLR−H^LR ΔHRR=HRR−H^RR と置くと、(107’),(108’)式は、それぞれ E=ΔHLL(v11・Xmax+v12・Xmin)+ΔHRL(v21 ・Xmax+v22・Xmin)…(107’’) E=ΔHLR(v11・Xmax+v12・Xmin)+ΔHRR(v21 ・Xmax+v22・Xmin)…(108’’) となる。
【0160】(107’’)式の両辺に、Xmax,X
minの複素共役X max,X minを掛け(すな
わちクロススペクトルをとり)、集合平均すると、X
max,Xminは互いに直交するから、X max
minおよびX min・X maxの期待値はそれぞ
れ0となり、次の2つの式ができる(注:E[]は、集
合平均を表す。)。 E[X max・E]=E[X max・ΔHLL・v11・Xmax+X max ・ΔHRL・v21・Xmax]…(109) E[X min・E]=E[X min・ΔHLL・v12・Xmin+X min ・ΔHRL・v22・Xmin]…(110) 同様に(108’’)式の両辺に、Xmax,Xmin
の複素共役X max,X minを掛け、集合平均す
ると、次の2つの式ができる。 E[X max・E]=E[X max・ΔHLR・v11・Xmax+X max ・ΔHRR・v21・Xmax]…(111) E[X min・E]=E[X min・ΔHLR・v12・Xmin+X min ・ΔHRR・v22・Xmin]…(112)
【0161】ここで、集合平均する期間内での固有値λ
の変化が小さければ、前記(104)式が成り立ち、
(109)〜(112)式はそれぞれ次の(109’)
〜(112’)式のように書き換えられる。 E[X max・E]≒E[|Xmax]・ΔHLL・E[v11]+ E[|Xmax]・ΔHRL・E[v21]…(109’) E[X min・E]≒E[|Xmin]・ΔHLL・E[v12]+ E[|Xmin]・ΔHRL・E[v22]…(110’) E[X max・E]≒E[|Xmax]・ΔHLR・E[v11]+ E[|Xmax]・ΔHRR・E[v21]…(111’) E[X min・E]≒E[|Xmin]・ΔHLR・E[v12]+ E[|Xmin]・ΔHRR・E[v22]…(112’)
【0162】(109’)、(111’)式の両辺をE
[|Xmax]で、(110’)、(112’)式
の両辺をE[|Xmin]でそれぞれ割ると、 E[X max・E]/E[|Xmax]≒ΔH
LL・E[v11]+ΔHRL・E[v21] E[X min・E]/E[|Xmin]≒ΔH
LL・E[v12]+ΔHRL・E[v22] E[X max・E]/E[|Xmax]≒ΔH
LR・E[v11]+ΔHRR・E[v21] E[X min・E]/E[|Xmin]≒ΔH
LR・E[v12]+ΔHRR・E[v22] よって、
【数23】 が得られる。E[U]・E[V]≒Iより、(113)
式は、
【数24】 と書き換えられる。
【0163】(114)式により求まる推定誤差ΔH
LL,ΔHRL,ΔHLR,ΔHRRを用いて、適宜定
められた所定期間(例えば、集合平均をする期間)ごと
に、フィルタ手段40−1,40−2,40−3,40
−4のフィルタ特性を更新する。例えば、k回目の更新
後のインパルス応答hLL、hRL、hLR、hRR
LL(k)、hRL(k)、hLR(k)、h
RR(k)とすると、求められた推定誤差ΔHLL,Δ
RL,ΔHLR,ΔHRRに対応するインパルス応答
ΔhLL,ΔhRL,ΔhLR,ΔhRRを用いて、 hLL(k+1)=hLL(k)+αΔhLLRL(k+1)=hRL(k)+αΔhRLLR(k+1)=hLR(k)+αΔhLRRR(k+1)=hRR(k)+αΔhRR で表される更新式を用いて、(k+1)回目のインパル
ス応答hLL(k+1)、hRL(k+1)、h
LR(k+1)、hRR(k+1)を求め、フィルタ手
段40−1,40−2,40−3,40−4にそれぞれ
設定し、適宜定められた所定期間(例えば、集合平均を
する期間)ごとにこれを繰り返す。
【0164】図28の直交化フィルタ500の機能ブロ
ックを図30に示す。入力ステレオ信号x,xは、
入力端506,508からそれぞれ入力される。共分散
行列演算手段510は、入力ステレオ信号x,x
共分散行列Sをフレームごとに求める。固有ベクトル演
算手段512は、求められた共分散行列Sに基づき、第
1、第2主成分の固有ベクトルUmax,Uminの係数u
11,u12,u21,u22をフレームごとに求め
る。求められた係数u11,u21,u12,u
は、係数器514,516,518,520にそれ
ぞれ設定される。係数器514,516は、入力信号x
に係数u11,u21を付与して、x・u11,x
・u21をそれぞれ求める。係数器518,520
は、入力信号xに係数u12,u22を付与して、x
・u12,x・u22をそれぞれ求める。加算器5
22は、入力ステレオ信号x,xを固有ベクトルU
maxに射影した信号xmaxとして、x・u11+x
・u12を求める。加算器524は入力ステレオ信号
,xを固有ベクトルUminに射影した信号x
minとして、x・u21+x・u22を求める。
出力端526,528からは、信号x max,xmin
がそれぞれ出力され、出力端530からは固有ベクトル
の係数u11,u21,u12,u22が出力される。
【0165】図28の伝達関数演算手段502の機能ブ
ロックを図31に示す。入力端532,534からは、
信号xmax,xminがそれぞれ入力され、入力端5
36からは固有ベクトルの係数u11,u21
12,u22が入力される。FFT手段538は信号
maxを高速フーリエ変換する。複素共役算出手段5
40はXmaxの複素共役X maxを算出する。パワ
ースペクトラム算出手段542は、Xmax・X
max=|Xmaxを算出する。集合平均手段54
4は、E[|Xmax]を算出する。FFT手段5
46は信号xminを高速フーリエ変換する。複素共役
算出手段548はXminの複素共役X minを算出
する。パワースペクトラム算出手段550は、Xmin
・X min=|X minを算出する。集合平均手
段552は、E[|Xmin]を算出する。
【0166】入力端554には、マイクMC(L)の出
力信号y(または引算器48の出力信号E)が入力
される。FFT手段558は、信号y(または信号E
)を高速フーリエ変換する。クロススペクトラム算出
手段560はX max・Y (またはX max・E
)を求め、集合平均手段562はE[X max・Y
](またはE[X max・E])を求める。クロ
ススペクトラム算出手段564はX min・Y(ま
たはX min・E)を求め、集合平均手段566は
E[X min・Y](またはE[X min
])を求める。
【0167】入力端568には、マイクMC(R)の出
力信号y(または引算器50の出力信号E)が入力
される。FFT手段570は、信号y(または信号E
)を高速フーリエ変換する。クロススペクトラム算出
手段572はX max・Y (またはX max・E
)を求め、集合平均手段574はE[X max・Y
](またはE[X max・E])を求める。クロ
ススペクトラム算出手段576はX min・Y(ま
たはX min・E)を求め、集合平均手段578は
E[X min・Y](またはE[X min
])を求める。
【0168】合成伝達関数算出手段580は、以上のよ
うにして求められたE[|Xmax]、E[|X
min]、E[X max・Y](またはE[X
ma ・E])、E[X min・Y](または
E[X min・E])、E[X max・Y
(またはE[X max・E])、E[X min
](またはE[X min・E])に基づき、
(106)式{または(114)式}の右辺第1項を求
める。平均手段582は、固有ベクトルの係数u11
21,u12,u22を個々に平均化して、E[v
11],E[v12],E[v21],E[v22]を
求める。
【0169】伝達関数算出手段584は、合成伝達関数
算出手段580および平均手段582の出力に基づき、
(106)式{または(114)式}の右辺の演算を行
って、個々の伝達関数HLL、HRL、HLR、HRR
(またはその推定誤差ΔH 、ΔHRL、 Δ
LR、ΔHRR)を求める。逆FFT手段586は、
求められた伝達関数HLL、HRL、HLR、H
RR(またはその推定誤差ΔHLL、ΔHRL、 ΔH
LR、ΔHRR)を逆高速フーリエ変換して、対応する
インパルス応答hLL、hRL、hLR、hRR(また
はその推定誤差ΔhLL、ΔhRL、ΔhLR、Δh
RR)を求め、出力端588,590,592,594
からそれぞれ出力する。なお、図32に示すように、伝
達関数算出手段584と逆FFT手段586の配置を入
れ替えることもできる。
【0170】以上のように構成された図28のステレオ
エコーキャンセラ16,24について、適応型動作のシ
ミュレーションを行った結果を、図33〜図48に1つ
の音声伝達系統について示す。図33〜図40はエコー
消去量の時間変化を示し、図41〜図48は伝達関数推
定誤差の時間変化を示す。ここでは、次の条件でシミュ
レーションを行った。 ・サンプリング周波数:11.025kHz ・1フレームのサンプル数:4096サンプル ・1ブロックのフレーム数:可変(2フレーム、4フレ
ーム、8フレーム、16フレーム) ・フィルタ特性の更新周期:1ブロックごと(1ブロッ
クのフレーム数が2フレームの場合約0.75秒、4フ
レームの場合約1.5秒、8フレームの場合約3秒、1
6フレームの場合約6秒) ・1ブロックの集合平均の平均回数:1ブロックのフレ
ーム数が2フレームの場合は31回、4フレームの場合
は63回、8フレームの場合は127回、16フレーム
の場合は255回{平均回数を稼ぐために、図49に示
すように、1フレームを16分割し、各分割区間の先頭
から順次オーバーラップさせながら、1フレーム分ずつ
データを取り出して集合平均する個々のパラメータ値を
求め、該求められた個々のパラメータ値を1ブロックで
それぞれ集合平均する。したがって、集合平均の平均回
数Nは、N=(16×1ブロックのフレーム数−1)と
なる。} いずれの場合も、1ブロック目はフィルタ特性が未設定
で、2ブロック目に初期設定が行われ、その後ブロック
ごとに更新が行われる。縦軸(dB)は、フィルタ特性
が未設定の初期状態を0dBとしている。図33〜図4
8ごとのシミュレーション条件の違いは次のとおりであ
る。
【表2】
【0171】図33〜図48のシミュレーション結果を
考察する。 (1)ダブルトークなしのとき エコー消去量の立ち上がり速度は図33>図34>図3
5>図36であるから、1ブロック(更新周期)が短い
(1ブロックあたりのフレーム数が少ない)方がエコー
消去量の立ち上がり速度は速い。1ブロックのフレーム
数が2,4,8フレームでは、エコー消去量は約25d
B得られる(図33、図34、図35)。1ブロックの
フレーム数が16フレームと長くなると、エコー消去量
が減少するのに長い時間を要する(図36)。推定誤差
の収束速度は図41>図42>図43>図44であるか
ら、1ブロックが短い方が推定誤差の収束速度は速い。 (2)ダブルトークありのとき 1ブロックのフレーム数が2,4フレームでは、エコー
消去量が増大せず(図37、図38)、また、推定誤差
が収束せず(図45、図46)、推定できていない。1
フレームのブロック数が8フレームでは、エコー消去量
が約15dB得られ(図39)、推定誤差が約−6dB
まで収束する(図47)。1フレームのブロック数が1
6フレームでは、エコー消去量が約17dB得られ(図
40)、推定誤差が約10dBまで収束し、かなり安定
な推定ができている。以上のシミュレーション結果か
ら、次のことが言える。 (a)ダブルトークが検出されていないときは、フィル
タ特性の更新周期を相対的に短くすることにより、推定
誤差の収束を速めることができる。 (b)ダブルトークが検出されているときは、フィルタ
特性の更新周期を相対的に長くすることにより、推定誤
差を十分に収束することができる。そこで、前述のよう
に、図28の伝達関数演算手段502は、ダブルトーク
検出手段504でダブルトークが検出されている時にフ
ィルタ手段40−1乃至40−4のフィルタ特性の更新
周期を相対的に長くし、ダブルトークが検出されていな
い時に該フィルタ特性の更新周期を相対的に短くする。
これにより、ダブルトークがあるときの推定誤差を十分
に収束させ、かつ、ダブルトークがないときの推定誤差
の収束を速めることができる。
【0172】図28のステレオエコーキャンセラ16,
24の変形例を図50に示す。図28と共通する部分に
は同一の符号を用いる。これは、スピーカSP(L),
SP(R)の信号経路上に直交化フィルタを配置したも
のである。逆フィルタ596は、直交化フィルタ500
の逆特性{前記(96)式の逆フィルタ特性V}を有す
るもので、直交化フィルタ500の出力信号xmax
minを元の信号x ,xに戻してスピーカSP
(L),SP(R)に供給する。前記実施の形態ではス
ピーカの数を2個、マイクの数を2個としたが、スピー
カの数を2個、マイクの数を1個とすることもできる。
図1をそのように変形した構成例を図51に示す。図1
と共通する部分には同一の符号を用いる。相手側の地点
から伝送され回線入力端LI(L),LI(R)に入力
される左右2チャンネルステレオ信号x,xは、そ
のまま(つまり、和差信号生成手段52を介さずに)音
響出力端SO(L),SO(R)から出力され、スピー
カSP(L),SP(R)でそれぞれ再生される。フィ
ルタ手段40−1は、スピーカSP(L)とマイクMC
間の伝達関数Hに相当するインパルス応答が設定さ
れ、音響出力端SO(L)から出力する信号xに該イ
ンパルス応答を畳み込み演算することにより、音響出力
端SO(L)から出力された信号xが、スピーカSP
(L)で再生され、マイクMCで収音され、音響入力端
SIに入力される信号yに相当するエコーキャンセル
信号EC1を生成する。フィルタ手段40−3は、スピ
ーカSP(R)とマイクMC間の伝達関数Hに相当す
るインパルス応答が設定され、音響出力端SO(R)か
ら出力する信号xに該インパルス応答を畳み込み演算
することにより、音響出力端SO(R)から出力された
信号xが、スピーカSP(R)で再生され、マイクM
Cで収音され、音響入力端SIに入力される信号y
相当するエコーキャンセル信号EC3を生成する。加算
器44は、EC1+EC3の演算を行う。引算器48
は、音響入力端SIから入力されるマイクMCの収音信
号y(=y+y)から、エコーキャンセル信号EC
1+EC3を引き算してエコーキャンセルを行う。エコ
ーキャンセルされた信号e(=e+e)は、回線出
力端LOから出力され、相手側の地点に向けて伝送され
る。
【0173】和差信号生成手段52は、回線入力端LI
(L),LI(R)に入力される左右2チャンネルステ
レオ信号x,xを、加算器54で加算して和信号x
(=x+x)を生成し、また、引算器56で引き
算して差信号x{=x−x(またはx−x
もよい。)}を生成する。伝達関数演算手段58は、和
差信号生成手段52で生成された和信号xおよび差信
号xと、引算器48から出力される信号eとのクロス
スペクトル演算を行い、このクロススペクトル演算に基
づき、フィルタ手段40−1、40−3のフィルタ特性
(インパルス応答)の設定を行う。すなわち、装置の起
動当初はフィルタ手段40−1、40−3のフィルタ特
性は未設定つまり係数にはすべて0がセットされている
ので、エコーキャンセル信号EC1,EC3は0であ
り、引算器48からは、マイクMCの収音信号そのもの
が出力される。したがって、このとき伝達関数演算手段
58は、和差信号生成手段52で生成された和信号x
および差信号xと、引算器48から出力されるマイク
MCの収音信号eとのクロススペクトル演算を行い、こ
のクロススペクトル演算に基づき、スピーカSP
(L),SP(R)とマイクMC相互間の2系統の音声
伝達系統の伝達関数をそれぞれ求め、フィルタ手段40
−1、40−3のフィルタ特性を該伝達関数に相当する
値に初期設定する。初期設定後は、フィルタ手段40−
1、40−3でエコーキャンセル信号が生成されるの
で、引算器48からはマイクMCの収音信号とエコーキ
ャンセル信号EC1+EC2との差信号に相当するエコ
ーキャンセル誤差信号eが出力される。したがって、こ
のとき伝達関数演算手段58は、和差信号生成手段52
で生成された和信号xおよび差信号xと、引算器4
8から出力されるエコーキャンセル誤差信号eとのクロ
ススペクトル演算を行い、このクロススペクトル演算に
基づき、スピーカSP(L),SP(R)とマイクMC
相互間の2系統の音声伝達系統の伝達関数の推定誤差を
それぞれ求め、フィルタ手段40−1、40−3のフィ
ルタ特性を該推定誤差を打ち消す値にそれぞれ更新す
る。この更新動作を所定期間ごとに繰り返すことによ
り、エコーキャンセル誤差を最小値に収束させることが
できる。また、マイク位置の移動等により伝達関数が変
化した場合も、それに応じてフィルタ手段40−1、4
0−3のフィルタ特性を順次更新して、エコーキャンセ
ル誤差を最小値に収束させることができる。
【0174】相関検出手段60は、和信号xと差信号
との相関を相関値演算等により検出し、該相関値が
所定値以上のときに前記フィルタ特性の更新を停止す
る。該相関値が所定値以下に下がったら、前記フィルタ
特性の更新を再開する。なお、図1以外の実施の形態に
おいても、スピーカの数を2個、マイクの数を1個とす
ることができる。
【0175】なお、前記実施の形態で示したステレオエ
コーキャンセラ16,24は、専用のハードウェアで構
成するほか、一般のコンピュータにおいてソフトウェア
処理により実現することもできる。例えば、図1等に示
すような各ブロックの機能は、コンピュータを構成する
CPU(中央処理装置)やRAM,ROMなどの記憶手
段により達成することができる。すなわち、ROMまた
はRAMなどの記憶手段に記憶したプログラムに従って
CPUにエコーキャンセラとして機能させるようにして
もよい。
【0176】また、前記実施の形態では、2チャンネル
ステレオ信号を扱う場合について説明したが、3チャン
ネル以上の互いに相関を有する信号についても、この発
明の手法を用いてエコーキャンセルを行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2のステレオエコーキャンセラ16,24
内の構成例を示すブロック図である。
【図2】 この発明のステレオ音声伝送装置の実施の形
態を示すを示すブロック図である。
【図3】 図1のステレオエコーキャンセラ16,24
のエコーキャンセル性能のシミュレーション測定結果を
示す線図である。
【図4】 図1のステレオエコーキャンセラ16,24
のエコーキャンセル性能のシミュレーション測定結果を
示す線図である。
【図5】 図1のステレオエコーキャンセラ16,24
のエコーキャンセル性能のシミュレーション測定結果を
示す線図である。
【図6】 図1のステレオエコーキャンセラ16,24
のエコーキャンセル性能のシミュレーション測定結果を
示す線図である。
【図7】 図1のステレオエコーキャンセラ16,24
のエコーキャンセル性能のシミュレーション測定結果を
示す線図である。
【図8】 図1のステレオエコーキャンセラ16,24
のエコーキャンセル性能のシミュレーション測定結果を
示す線図である。
【図9】 図2のステレオエコーキャンセラ16,24
内の他の構成例を示すブロック図である。
【図10】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図11】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図12】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図13】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図14】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図15】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図16】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図17】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図18】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図19】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図20】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図21】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図22】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図23】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図24】 図1,図9〜図11の構成の変更例を示す
ブロック図である。
【図25】 図12〜図15の構成の変更例を示すブロ
ック図である。
【図26】 図16〜図19の構成の変更例を示すブロ
ック図である。
【図27】 図20〜図21の構成の変更例を示すブロ
ック図である。
【図28】 図2のステレオエコーキャンセラ16,2
4内の他の構成例を示すブロック図である。
【図29】 図28のステレオエコーキャンセラにおい
て、直交化処理およびインパルス応答またはその推定誤
差を求める単位期間の例を示すタイムチャートである。
【図30】 図28の直交化フィルタ500の機能ブロ
ックの一例を示す図である。
【図31】 図28の伝達関数演算手段502の機能ブ
ロックの一例を示す図である。
【図32】 図31の伝達関数演算手段502の変形例
を示す機能ブロック図である。
【図33】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク無し時のエコー消去量の時間変化の
シミュレーション測定結果を示す線図である。
【図34】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク無し時のエコー消去量の時間変化の
シミュレーション測定結果を示す線図である。
【図35】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク無し時のエコー消去量の時間変化の
シミュレーション測定結果を示す線図である。
【図36】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク無し時のエコー消去量の時間変化の
シミュレーション測定結果を示す線図である。
【図37】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク有り時のエコー消去量の時間変化の
シミュレーション測定結果を示す線図である。
【図38】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク有り時のエコー消去量の時間変化の
シミュレーション測定結果を示す線図である。
【図39】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク有り時のエコー消去量の時間変化の
シミュレーション測定結果を示す線図である。
【図40】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク有り時のエコー消去量の時間変化の
シミュレーション測定結果を示す線図である。
【図41】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク無し時の伝達関数推定誤差の時間変
化のシミュレーション測定結果を示す線図である。
【図42】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク無し時の伝達関数推定誤差の時間変
化のシミュレーション測定結果を示す線図である。
【図43】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク無し時の伝達関数推定誤差の時間変
化のシミュレーション測定結果を示す線図である。
【図44】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク無し時の伝達関数推定誤差の時間変
化のシミュレーション測定結果を示す線図である。
【図45】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク有り時の伝達関数推定誤差の時間変
化のシミュレーション測定結果を示す線図である。
【図46】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク有り時の伝達関数推定誤差の時間変
化のシミュレーション測定結果を示す線図である。
【図47】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク有り時の伝達関数推定誤差の時間変
化のシミュレーション測定結果を示す線図である。
【図48】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24のダブルトーク有り時の伝達関数推定誤差の時間変
化のシミュレーション測定結果を示す線図である。
【図49】 オーバラップ処理による集合平均処理を説
明するための模式図である。
【図50】 図28のステレオエコーキャンセラ16,
24の変形例を示すブロック図である。
【図51】 図1においてマイクの数を1個に変形した
構成励を示すブロック図である。
【符号の説明】
16,24…ステレオエコーキャンセラ、40−1乃至
40−4,140−1乃至140−4,240−1乃至
240−4,340−1乃至340−4…フィルタ手
段、52,152,252,352…和信号生成手段、
58,158,258,358,502…伝達関数演算
手段(伝達関数演算装置)、60,160,260,3
60…相関検出手段、500…直交化フィルタ(直交化
手段)、504…ダブルトーク検出手段手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東山 三樹夫 東京都杉並区成田東2丁目2番12号 (72)発明者 本地 由和 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 入山 央 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 新美 幸二 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 Fターム(参考) 5D020 CC06 5K015 JA06 5K046 AA05 BA06 CC12 HH11 HH41 HH46 HH51 HH79

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個のスピーカと1個あるいは複数個の
    マイクが配置され、前記各スピーカで再生された相互に
    相関を有する複数チャンネル音声が前記各マイクで収音
    される複数系統の音声伝達系統を構成する空間につい
    て、前記複数系統の音声伝達系統の個々の伝達関数また
    は該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達
    関数を推定して該当するフィルタ特性をそれぞれ設定
    し、前記各スピーカで再生する個々の信号または該個々
    の信号を適宜組み合わせた複数の合成信号に、前記設定
    された各対応するフィルタ特性を付与してエコーキャン
    セル信号をそれぞれ生成し、前記1個あるいは複数個の
    マイクの個々の収音信号または該個々の収音信号を適宜
    組み合わせた複数の合成信号から該当するエコーキャン
    セル信号を差し引くことによりエコーキャンセルを行う
    方法であって、 前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせた信号に
    相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよりも互い
    に相関の低い複数の低相関合成信号の組を参照信号とし
    て、各音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝
    達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数をそれぞ
    れ求め、該当するフィルタ特性を設定する複数チャンネ
    ルエコーキャンセル方法。
  2. 【請求項2】前記複数の低相関合成信号の組を参照信号
    として各音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の
    伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数をそれ
    ぞれ求める演算が、該複数の低相関合成信号と各マイク
    の個々の収音信号または該個々の収音信号を適宜組み合
    わせた複数の合成信号とのクロススペクトル演算に基づ
    き該各音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝
    達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数をそれぞ
    れ求める演算である請求項1記載の複数チャンネルエコ
    ーキャンセル方法。
  3. 【請求項3】前記クロススペクトル演算に基づき前記複
    数系統の音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の
    伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数をそれ
    ぞれ求める演算が、前記複数チャンネル音声信号を足し
    算あるいは引き算して組み合わせて、該複数チャンネル
    音声信号どうしよりも互いに相関の低い複数の低相関合
    成信号を生成し、これら複数の低相関合成信号と各マイ
    クの個々の収音信号または該個々の収音信号を適宜組み
    合わせた複数の合成信号とのクロススペクトルを求め、
    これを各クロススペクトルごとに所定期間で集合平均し
    て、前記複数系統の音声伝達系統の個々の伝達関数また
    は該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達
    関数をそれぞれ求める演算である請求項2記載の複数チ
    ャンネルエコーキャンセル方法。
  4. 【請求項4】複数個のスピーカと1個あるいは複数個の
    マイクが配置され、前記各スピーカで再生された相互に
    相関を有する複数チャンネル音声が前記各マイクで収音
    される複数系統の音声伝達系統を構成する空間につい
    て、前記複数系統の音声伝達系統の個々の伝達関数また
    は該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達
    関数を推定して該当するフィルタ特性をそれぞれ設定
    し、前記各スピーカで再生する個々の信号または該個々
    の信号を適宜組み合わせた複数の合成信号に、前記設定
    された各対応するフィルタ特性を付与してエコーキャン
    セル信号をそれぞれ生成し、前記1個あるいは複数個の
    マイクの個々の収音信号または該個々の収音信号を適宜
    組み合わせた複数の合成信号から該当するエコーキャン
    セル信号を差し引くことによりエコーキャンセルを行う
    方法であって、 前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせた信号に
    相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよりも互い
    に相関の低い複数の低相関合成信号の組を参照信号とし
    て、各音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝
    達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数の推定誤
    差をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を該推定誤差
    を打ち消す値に更新する複数チャンネルエコーキャンセ
    ル方法。
  5. 【請求項5】前記複数の低相関合成信号の組を参照信号
    として各音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の
    伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数の推定
    誤差をそれぞれ求める演算が、該複数の低相関合成信号
    と、前記1個あるいは複数個のマイクの個々の収音信号
    または該個々の収音信号を適宜組み合わせた複数の合成
    信号から該当するエコーキャンセル信号を差し引いて得
    られる各エコーキャンセル誤差信号とのクロススペクト
    ル演算に基づき該各音声伝達系統の個々の伝達関数また
    は該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達
    関数の推定誤差をそれぞれ求める演算である請求項4記
    載の複数チャンネルエコーキャンセル方法。
  6. 【請求項6】前記クロススペクトル演算に基づき前記複
    数系統の音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の
    伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数の推定
    誤差をそれぞれ求める演算が、前記複数チャンネル音声
    信号を足し算あるいは引き算して組み合わせて、該複数
    チャンネル音声信号どうしよりも互いに相関の低い複数
    の低相関合成信号を生成し、これら複数の低相関合成信
    号と、前記1個あるいは複数個のマイクの個々の収音信
    号または該個々の収音信号を適宜組み合わせた複数の合
    成信号から該当するエコーキャンセル信号を差し引いて
    得られる各エコーキャンセル誤差信号とのクロススペク
    トルを求め、これを各クロススペクトルごとに所定期間
    で集合平均して、前記複数系統の音声伝達系統の個々の
    伝達関数または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複
    数の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求める演算であ
    る請求項5記載の複数チャンネルエコーキャンセル方
    法。
  7. 【請求項7】前記複数の低相関合成信号どうしの相関を
    検出し、該相関値が所定値以上のときに前記フィルタ特
    性の更新を停止する請求項4から6のいずれかに記載の
    複数チャンネルエコーキャンセル方法。
  8. 【請求項8】それぞれが前記複数系統の音声伝達系統を
    構成する2つの空間について、請求項1から7のいずれ
    かに記載の複数チャンネルエコーキャンセル方法をそれ
    ぞれ実施し、該方法の実施によりエコーキャンセルされ
    た複数チャンネル音声信号を該2つの空間相互間で伝送
    する複数チャンネル音声伝送方法。
  9. 【請求項9】複数個のスピーカと1個あるいは複数個の
    マイクが配置され、前記各スピーカで再生された相互に
    相関を有する複数チャンネル音声が前記各マイクで収音
    される複数系統の音声伝達系統を構成する空間につい
    て、前記複数系統の音声伝達系統の伝達関数を推定して
    該当するフィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピー
    カで再生する信号に、該当するフィルタ特性を付与して
    エコーキャンセル信号をそれぞれ生成し、前記1個ある
    いは複数個のマイクの収音信号から該当するエコーキャ
    ンセル信号を差し引くことによりエコーキャンセルを行
    う方法であって、 前記複数チャンネル音声信号を主成分分析して相互に直
    交する複数の無相関合成信号を生成し、該複数の無相関
    合成信号の組を参照信号として各音声伝達系統の伝達関
    数をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を設定する複
    数チャンネルエコーキャンセル方法。
  10. 【請求項10】複数個のスピーカと1個あるいは複数個
    のマイクが配置され、前記各スピーカで再生された相互
    に相関を有する複数チャンネル音声が前記各マイクで収
    音される複数系統の音声伝達系統を構成する空間につい
    て、前記複数系統の音声伝達系統の伝達関数を推定して
    該当するフィルタ特性をそれぞれ設定し、前記各スピー
    カで再生する信号に、該当するフィルタ特性を付与して
    エコーキャンセル信号をそれぞれ生成し、前記1個ある
    いは複数個のマイクの収音信号から該当するエコーキャ
    ンセル信号を差し引くことによりエコーキャンセルを行
    う方法であって、 前記複数チャンネル音声信号を主成分分析して相互に直
    交する複数の無相関合成信号を生成し、該複数の無相関
    合成信号の組を参照信号として各音声伝達系統の伝達関
    数の推定誤差をそれぞれ求め、該当するフィルタ特性を
    該推定誤差を打ち消す値に更新する複数チャンネルエコ
    ーキャンセル方法。
  11. 【請求項11】2個のスピーカと2個のマイクが配置さ
    れ、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記各
    マイクで収音される4系統の音声伝達系統を構成する空
    間について、第1のスピーカに供給する音声信号を、第
    1,第2のマイクに対応して設けられた第1,第2のフ
    ィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2の
    エコーキャンセル信号を生成し、第2のスピーカに供給
    する音声信号を、第1,第2のマイクに対応して設けら
    れた第3,第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算
    して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、第
    1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャン
    セル信号を第1の引算手段で差し引いてエコーキャンセ
    ルを行い、第2のマイクの収音信号から該第2,第4の
    エコーキャンセル信号を第2の引算手段で差し引いてエ
    コーキャンセルを行うステレオエコーキャンセラにおい
    て、 前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号お
    よび差信号と各マイク収音信号とのクロススペクトル演
    算に基づき前記4系統の音声伝達系統の伝達関数に相当
    するフィルタ特性をそれぞれ求め、該求められた各フィ
    ルタ特性を前記第1〜第4のフィルタ手段の該当するも
    のにそれぞれ設定する伝達関数演算手段を具備してなる
    ステレオエコーキャンセラ。
  12. 【請求項12】前記ステレオ音声信号を入力する入力手
    段と、 前記入力手段から入力されたステレオ音声信号の和信号
    および差信号を生成する和差信号生成手段と、 該入力手段から入力されたステレオ音声信号を前記和差
    信号生成手段を介さずに前記各スピーカに伝送する主信
    号伝送系統を具備し、 前記伝達関数演算手段が、前記和差信号生成手段で生成
    された和信号および差信号と各マイク収音信号とのクロ
    ススペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝達系統の
    伝達関数に相当するフィルタ特性をそれぞれ求め、該求
    められた各フィルタ特性を前記第1〜第4のフィルタ手
    段の該当するものにそれぞれ設定する請求項11記載の
    ステレオエコーキャンセラ。
  13. 【請求項13】2個のスピーカと2個のマイクが配置さ
    れ、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記各
    マイクで収音される4系統の音声伝達系統を構成する空
    間について、第1のスピーカに供給する音声信号を、第
    1,第2のマイクに対応して設けられた第1,第2のフ
    ィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2の
    エコーキャンセル信号を生成し、第2のスピーカに供給
    する音声信号を、第1,第2のマイクに対応して設けら
    れた第3,第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算
    して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、第
    1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャン
    セル信号を第1の引算手段で差し引いてエコーキャンセ
    ルを行い、第2のマイクの収音信号から該第2,第4の
    エコーキャンセル信号を第2の引算手段で差し引いてエ
    コーキャンセルを行うステレオエコーキャンセラにおい
    て、 前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号お
    よび差信号と、前記2個のマイクの収音信号から該当す
    るエコーキャンセル信号を差し引いて得られる各エコー
    キャンセル誤差信号とのクロススペクトル演算に基づき
    前記4系統の音声伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれ
    ぞれ求め、前記第1〜第4のフィルタ手段のフィルタ特
    性を該推定誤差を打ち消す値にそれぞれ更新する伝達関
    数演算手段を具備してなるステレオエコーキャンセラ。
  14. 【請求項14】前記ステレオ音声信号を入力する入力手
    段と、 前記入力手段から入力されたステレオ音声信号の和信号
    および差信号を生成する和差信号生成手段と、 該入力手段から入力されたステレオ音声信号を前記和差
    信号生成手段を介さずに前記各スピーカに伝送する主信
    号伝送系統を具備し、 前記伝達関数演算手段が、前記和差信号生成手段で生成
    された和信号および差信号と各エコーキャンセル誤差信
    号とのクロススペクトル演算に基づき前記4系統の音声
    伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、前記第
    1〜第4のフィルタ手段のフィルタ特性を該推定誤差を
    打ち消す値にそれぞれ更新する請求項13記載のステレ
    オエコーキャンセラ。
  15. 【請求項15】前記ステレオ音声信号の和信号および差
    信号の相関を検出し、該相関値が所定値以上のときに前
    記フィルタ特性の更新を停止する相関検出手段をさらに
    具備してなる請求項13または14記載のステレオエコ
    ーキャンセラ。
  16. 【請求項16】2個のスピーカと2個のマイクが配置さ
    れ、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記各
    マイクで収音される4系統の音声伝達系統を構成する空
    間について、第1のスピーカに供給する音声信号を、第
    1,第2のマイクに対応して設けられた第1,第2のフ
    ィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2の
    エコーキャンセル信号を生成し、第2のスピーカに供給
    する音声信号を、第1,第2のマイクに対応して設けら
    れた第3,第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算
    して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、第
    1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャン
    セル信号を第1の引算手段で差し引いてエコーキャンセ
    ルを行い、第2のマイクの収音信号から該第2,第4の
    エコーキャンセル信号を第2の引算手段で差し引いてエ
    コーキャンセルを行うステレオエコーキャンセラにおい
    て、 前記各スピーカで再生するステレオ音声信号を主成分分
    析して生成される相互に直交する2つの無相関合成信号
    と各マイク収音信号とのクロススペクトル演算に基づき
    前記4系統の音声伝達系統の伝達関数に相当するフィル
    タ特性をそれぞれ求め、該求められた各フィルタ特性を
    前記第1〜第4のフィルタ手段の該当するものにそれぞ
    れ設定する伝達関数演算手段を具備してなるステレオエ
    コーキャンセラ。
  17. 【請求項17】前記ステレオ音声信号を入力する入力手
    段と、 前記入力手段から入力されたステレオ音声信号を主成分
    分析して相互に直交する2つの無相関合成信号を生成す
    る直交化手段と、 該入力手段から入力されたステレオ音声信号を前記直交
    化手段を介さずに前記各スピーカに伝送する主信号伝送
    系統を具備し、 前記伝達関数演算手段が、前記直交化手段で生成された
    2つの無相関合成信号と各マイク収音信号とのクロスス
    ペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝達系統の伝達
    関数に相当するフィルタ特性をそれぞれ求め、該求めら
    れた各フィルタ特性を前記第1〜第4のフィルタ手段の
    該当するものにそれぞれ設定する請求項16記載のステ
    レオエコーキャンセラ。
  18. 【請求項18】2個のスピーカと2個のマイクが配置さ
    れ、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記各
    マイクで収音される4系統の音声伝達系統を構成する空
    間について、第1のスピーカに供給する音声信号を、第
    1,第2のマイクに対応して設けられた第1,第2のフ
    ィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2の
    エコーキャンセル信号を生成し、第2のスピーカに供給
    する音声信号を、第1,第2のマイクに対応して設けら
    れた第3,第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算
    して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、第
    1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャン
    セル信号を第1の引算手段で差し引いてエコーキャンセ
    ルを行い、第2のマイクの収音信号から該第2,第4の
    エコーキャンセル信号を第2の引算手段で差し引いてエ
    コーキャンセルを行うステレオエコーキャンセラにおい
    て、 前記各スピーカで再生するステレオ音声信号を主成分分
    析して生成される相互に直交する2つの無相関合成信号
    と、前記2個のマイクの収音信号から該当するエコーキ
    ャンセル信号を差し引いて得られる各エコーキャンセル
    誤差信号とのクロススペクトル演算に基づき前記4系統
    の音声伝達系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、
    前記第1〜第4のフィルタ手段のフィルタ特性を該推定
    誤差を打ち消す値にそれぞれ更新する伝達関数演算手段
    を具備してなるステレオエコーキャンセラ。
  19. 【請求項19】前記ステレオ音声信号を入力する入力手
    段と、 前記入力手段から入力されたステレオ音声信号を主成分
    分析して相互に直交する2つの無相関合成信号を生成す
    る直交化手段と、 該入力手段から入力されたステレオ音声信号を前記直交
    化手段を介さずに前記各スピーカに伝送する主信号伝送
    系統を具備し、 前記伝達関数演算手段が、前記直交化手段で生成された
    2つの無相関合成信号と各エコーキャンセル誤差信号と
    のクロススペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝達
    系統の伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、前記第1〜
    第4のフィルタ手段のフィルタ特性を該推定誤差を打ち
    消す値にそれぞれ更新する請求項18記載のステレオエ
    コーキャンセラ。
  20. 【請求項20】前記スピーカで再生された音以外の音が
    前記マイクに入力されるダブルトークを検出するダブル
    トーク検出手段を具備し、 前記伝達関数演算手段が、該ダブルトークが検出されて
    いる時に前記フィルタ特性の更新周期を相対的に長く
    し、該ダブルトークが検出されていない時に該フィルタ
    特性の更新周期を相対的に短くする請求項18または1
    9記載の複数チャンネルエコーキャンセル方法。
  21. 【請求項21】それぞれが前記4系統の音声伝達系統を
    構成する2つの空間について、請求項11から20のい
    ずれかに記載のステレオエコーキャンセラをそれぞれ配
    置し、該ステレオエコーキャンセラによりエコーキャン
    セルされたステレオ音声信号を該2つの空間相互間で伝
    送するステレオ音声伝送装置。
  22. 【請求項22】2個のスピーカと2個のマイクが配置さ
    れ、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記各
    マイクで収音される4系統の音声伝達系統を構成する空
    間について、前記各スピーカで再生するステレオ音声信
    号の和信号を第1,第2のフィルタ手段にそれぞれ畳み
    込み演算して、第1,第2のエコーキャンセル信号を生
    成し、前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の差
    信号を、第3,第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み
    演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成
    し、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコー
    キャンセル信号を第1の引算手段で差し引いてエコーキ
    ャンセルを行い、第2のマイクの収音信号から該第2,
    第4のエコーキャンセル信号を第2の引算手段で差し引
    いてエコーキャンセルを行うステレオエコーキャンセラ
    において、 前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号お
    よび差信号と各マイク収音信号とのクロススペクトル演
    算に基づき前記4系統の音声伝達系統の合成伝達関数に
    相当するフィルタ特性をそれぞれ求め、該求められた各
    フィルタ特性を前記第1〜第4のフィルタ手段の該当す
    るものにそれぞれ設定する伝達関数演算手段を具備して
    なるステレオエコーキャンセラ。
  23. 【請求項23】前記ステレオ音声信号を入力する入力手
    段と、 前記入力手段から入力されたステレオ音声信号の和信号
    および差信号を生成する和差信号生成手段と、 該入力手段から入力されたステレオ音声信号を前記和差
    信号生成手段を介さずに前記各スピーカに伝送する主信
    号伝送系統を具備し、 前記伝達関数演算手段が、前記和差信号生成手段で生成
    された和信号および差信号と各マイク収音信号とのクロ
    ススペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝達系統の
    合成伝達関数に相当するフィルタ特性をそれぞれ求め、
    該求められた各フィルタ特性を前記第1〜第4のフィル
    タ手段の該当するものにそれぞれ設定する請求項22記
    載のステレオエコーキャンセラ。
  24. 【請求項24】2個のスピーカと2個のマイクが配置さ
    れ、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記各
    マイクで収音される4系統の音声伝達系統を構成する空
    間について、前記各スピーカで再生するステレオ音声信
    号の和信号を第1,第2のフィルタ手段にそれぞれ畳み
    込み演算して、第1,第2のエコーキャンセル信号を生
    成し、前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の差
    信号を、第3,第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み
    演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成
    し、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコー
    キャンセル信号を第1の引算手段で差し引いてエコーキ
    ャンセルを行い、第2のマイクの収音信号から該第2,
    第4のエコーキャンセル信号を第2の引算手段で差し引
    いてエコーキャンセルを行うステレオエコーキャンセラ
    において、 前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号お
    よび差信号と、前記2個のマイクの収音信号から該当す
    るエコーキャンセル信号を差し引いて得られる各エコー
    キャンセル誤差信号とのクロススペクトル演算に基づき
    前記4系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推定誤差を
    それぞれ求め、前記第1〜第4のフィルタ手段のフィル
    タ特性を該推定誤差を打ち消す値にそれぞれ更新する伝
    達関数演算手段を具備してなるステレオエコーキャンセ
    ラ。
  25. 【請求項25】前記ステレオ音声信号を入力する入力手
    段と、 前記入力手段から入力されたステレオ音声信号の和信号
    および差信号を生成する和差信号生成手段と、 該入力手段から入力されたステレオ音声信号を前記和差
    信号生成手段を介さずに前記各スピーカに伝送する主信
    号伝送系統を具備し、 前記伝達関数演算手段が、前記和差信号生成手段で生成
    された和信号および差信号と各エコーキャンセル誤差信
    号とのクロススペクトル演算に基づき前記4系統の音声
    伝達系統の合成伝達関数の推定誤差をそれぞれ求め、前
    記第1〜第4のフィルタ手段のフィルタ特性を該推定誤
    差を打ち消す値にそれぞれ更新する請求項24記載のス
    テレオエコーキャンセラ。
  26. 【請求項26】前記ステレオ音声信号の和信号および差
    信号の相関を検出し、該相関値が所定値以上のときに前
    記フィルタ特性の更新を停止する相関検出手段をさらに
    具備してなる請求項24または25記載のステレオエコ
    ーキャンセラ。
  27. 【請求項27】それぞれが前記4系統の音声伝達系統を
    構成する2つの空間について、請求項22から26のい
    ずれかに記載のステレオエコーキャンセラをそれぞれ配
    置し、該ステレオエコーキャンセラによりエコーキャン
    セルされたステレオ音声信号を該2つの空間相互間で伝
    送するステレオ音声伝送装置。
  28. 【請求項28】2個のスピーカと2個のマイクが配置さ
    れ、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記各
    マイクで収音される4系統の音声伝達系統を構成する空
    間について、第1のスピーカに供給する音声信号を第
    1,第2のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、
    第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、第2のス
    ピーカに供給する音声信号を第3,第4のフィルタ手段
    にそれぞれ畳み込み演算して、第3,第4のエコーキャ
    ンセル信号を生成し、各マイクの収音信号の和信号から
    該第1,第3のエコーキャンセル信号を第1の引算手段
    で差し引いてエコーキャンセルを行い、各マイクの収音
    信号の差信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号
    を第2の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを行う
    ステレオエコーキャンセラにおいて、 前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号お
    よび差信号と各マイク収音信号の和信号および差信号と
    のクロススペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝達
    系統の合成伝達関数に相当するフィルタ特性をそれぞれ
    求め、該求められた各フィルタ特性を前記第1〜第4の
    フィルタ手段の該当するものにそれぞれ設定する伝達関
    数演算手段を具備してなるステレオエコーキャンセラ。
  29. 【請求項29】2個のスピーカと2個のマイクが配置さ
    れ、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記各
    マイクで収音される4系統の音声伝達系統を構成する空
    間について、第1のスピーカに供給する音声信号を第
    1,第2のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み演算して、
    第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、第2のス
    ピーカに供給する音声信号を第3,第4のフィルタ手段
    にそれぞれ畳み込み演算して、第3,第4のエコーキャ
    ンセル信号を生成し、各マイクの収音信号の和信号から
    該第1,第3のエコーキャンセル信号を第1の引算手段
    で差し引いてエコーキャンセルを行い、各マイクの収音
    信号の差信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号
    を第2の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを行う
    ステレオエコーキャンセラにおいて、 前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号お
    よび差信号と各マイク収音信号の和信号および差信号か
    ら該当するエコーキャンセル信号を差し引いて得られる
    各エコーキャンセル誤差信号とのクロススペクトル演算
    に基づき前記4系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推
    定誤差をそれぞれ求め、前記第1〜第4のフィルタ手段
    のフィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値にそれぞれ更
    新する伝達関数演算手段を具備してなるステレオエコー
    キャンセラ。
  30. 【請求項30】前記ステレオ音声信号の和信号および差
    信号の相関を検出し、該相関値が所定値以上のときに前
    記フィルタ特性の更新を停止する相関検出手段をさらに
    具備してなる請求項29記載のステレオエコーキャンセ
    ラ。
  31. 【請求項31】それぞれが前記4系統の音声伝達系統を
    構成する2つの空間について、請求項28から30のい
    ずれかに記載のステレオエコーキャンセラをそれぞれ配
    置し、該ステレオエコーキャンセラによりエコーキャン
    セルされたステレオ音声信号を該2つの空間相互間で伝
    送するステレオ音声伝送装置。
  32. 【請求項32】2個のスピーカと2個のマイクが配置さ
    れ、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記各
    マイクで収音される4系統の音声伝達系統を構成する空
    間について、前記各スピーカで再生するステレオ音声信
    号の和信号を第1,第2のフィルタ手段にそれぞれ畳み
    込み演算して、第1,第2のエコーキャンセル信号を生
    成し、前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の差
    信号を、第3,第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み
    演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成
    し、各マイクの収音信号の和信号から該第1,第3のエ
    コーキャンセル信号を第1の引算手段で差し引いてエコ
    ーキャンセルを行い、各マイクの収音信号の差信号から
    該第2,第4のエコーキャンセル信号を第2の引算手段
    で差し引いてエコーキャンセルを行うステレオエコーキ
    ャンセラにおいて、 前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号お
    よび差信号と各マイク収音信号の和信号および差信号と
    のクロススペクトル演算に基づき前記4系統の音声伝達
    系統の合成伝達関数に相当するフィルタ特性をそれぞれ
    求め、該求められた各フィルタ特性を前記第1〜第4の
    フィルタ手段の該当するものにそれぞれ設定する伝達関
    数演算手段を具備してなるステレオエコーキャンセラ。
  33. 【請求項33】2個のスピーカと2個のマイクが配置さ
    れ、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記各
    マイクで収音される4系統の音声伝達系統を構成する空
    間について、前記各スピーカで再生するステレオ音声信
    号の和信号を第1,第2のフィルタ手段にそれぞれ畳み
    込み演算して、第1,第2のエコーキャンセル信号を生
    成し、前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の差
    信号を、第3,第4のフィルタ手段にそれぞれ畳み込み
    演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成
    し、各マイクの収音信号の和信号から該第1,第3のエ
    コーキャンセル信号を第1の引算手段で差し引いてエコ
    ーキャンセルを行い、各マイクの収音信号の差信号から
    該第2,第4のエコーキャンセル信号を第2の引算手段
    で差し引いてエコーキャンセルを行うステレオエコーキ
    ャンセラにおいて、 前記各スピーカで再生するステレオ音声信号の和信号お
    よび差信号と各マイク収音信号の和信号および差信号か
    ら該当するエコーキャンセル信号を差し引いて得られる
    各エコーキャンセル誤差信号とのクロススペクトル演算
    に基づき前記4系統の音声伝達系統の合成伝達関数の推
    定誤差をそれぞれ求め、前記第1〜第4のフィルタ手段
    のフィルタ特性を該推定誤差を打ち消す値にそれぞれ更
    新する伝達関数演算手段を具備してなるステレオエコー
    キャンセラ。
  34. 【請求項34】前記ステレオ音声信号の和信号および差
    信号の相関を検出し、該相関値が所定値以上のときに前
    記フィルタ特性の更新を停止する相関検出手段をさらに
    具備してなる請求項33記載のステレオエコーキャンセ
    ラ。
  35. 【請求項35】それぞれが前記4系統の音声伝達系統を
    構成する2つの空間について、請求項32から34のい
    ずれかに記載のステレオエコーキャンセラをそれぞれ配
    置し、該ステレオエコーキャンセラによりエコーキャン
    セルされたステレオ音声信号を該2つの空間相互間で伝
    送するステレオ音声伝送装置。
  36. 【請求項36】複数個のスピーカと1個あるいは複数個
    のマイクが配置され、前記各スピーカで再生された相互
    に相関を有する複数チャンネル音声が前記各マイクで収
    音される複数系統の音声伝達系統を構成する空間につい
    て、前記複数系統の音声伝達系統の個々の伝達関数また
    は該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達
    関数を推定演算する伝達関数演算装置であって、 前記複数チャンネル音声信号を適宜組み合わせた信号に
    相当する、該複数チャンネル音声信号どうしよりも互い
    に相関の低い複数の低相関合成信号の組を参照信号とし
    て、各音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の伝
    達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数を推定演
    算する伝達関数演算装置。
  37. 【請求項37】前記複数の低相関合成信号の組を参照信
    号として各音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々
    の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数をそ
    れぞれ求める演算が、該複数の低相関合成信号と各マイ
    クの個々の収音信号または該個々の収音信号を適宜組み
    合わせた複数の合成信号とのクロススペクトル演算に基
    づき該各音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々の
    伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数をそれ
    ぞれ求める演算である請求項36記載の伝達関数演算装
    置。
  38. 【請求項38】前記クロススペクトル演算に基づき前記
    複数系統の音声伝達系統の個々の伝達関数または該個々
    の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成伝達関数をそ
    れぞれ求める演算が、前記複数チャンネル音声信号を足
    し算あるいは引き算して組み合わせて、該複数チャンネ
    ル音声信号どうしよりも互いに相関の低い複数の低相関
    合成信号を生成し、これら複数の低相関合成信号と各マ
    イクの個々の収音信号または該個々の収音信号を適宜組
    み合わせた複数の合成信号とのクロススペクトルを求
    め、これを各クロススペクトルごとに所定期間で集合平
    均して、前記複数系統の音声伝達系統の個々の伝達関数
    または該個々の伝達関数を適宜組み合わせた複数の合成
    伝達関数をそれぞれ求める演算である請求項37記載の
    伝達関数演算装置。
  39. 【請求項39】前記クロススペクトル演算に基づき前記
    複数系統の音声伝達系統の個々の伝達関数をそれぞれ求
    める演算が、前記複数チャンネル音声信号を主成分分析
    して相互に直交する複数の無相関合成信号を生成し、こ
    れら複数の無相関合成信号と各マイクの個々の収音信号
    とのクロススペクトルを求め、これを各クロススペクト
    ルごとに所定期間で集合平均して、前記複数系統の音声
    伝達系統の個々の伝達関数をそれぞれ求める演算である
    請求項37記載の伝達関数演算装置。
  40. 【請求項40】2個のスピーカと2個のマイクが配置さ
    れ、前記各スピーカで再生されたステレオ音声が前記各
    マイクで収音される4系統の音声伝達系統を構成する空
    間について、前記4系統の音声伝達系統の個々の伝達関
    数を推定演算する伝達関数演算装置であって、 前記ステレオ音声信号を主成分分析して相互に直交する
    2つの無相関合成信号を生成し、該2つの無相関合成信
    号の組を参照信号として前記4系統の音声伝達系統の個
    々の伝達関数を推定演算する伝達関数演算装置。
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