JP2003101118A - 光伝送モジュール - Google Patents

光伝送モジュール

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JP2003101118A
JP2003101118A JP2001291394A JP2001291394A JP2003101118A JP 2003101118 A JP2003101118 A JP 2003101118A JP 2001291394 A JP2001291394 A JP 2001291394A JP 2001291394 A JP2001291394 A JP 2001291394A JP 2003101118 A JP2003101118 A JP 2003101118A
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Atsushi Shimonaka
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/15Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/181Encapsulation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一基板に表面実装が可能であり、光の利用
効率を向上できる。 【解決手段】 モールド樹脂35における半導体レーザ
素子32の出射端面の側方にミラ一部37を形成すると
共に、出射光39の光路と入射光40の光路とを独立に
設ける。こうして、半導体レーザ素子32からの出射光
を効率よく上方に光路変喚する。したがって、表面入射
形の受光素子33と端面出射形の半導体レーザ素子32
とを同一回路基板31上に表面実装することができる。
その場合、出射光39のみがミラ一部37で反射される
ため、送信光のみに上記反射による約32%の損失が生
ずる。したがって、発光素子から受光素子までのミラー
ロスを十分小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、データを光に載
せて空間を伝送する光伝送モジュールに関し、特に光源
として半導体レーザ素子を用いた光伝送モジュールに関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザは、高速変調が可能である
ため、発光ダイオードに比して電力‐光変換効率が高
い。そのために、光伝送用光源として有望である。半導
体レーザ素子を発光素子として用いた空間伝送用の光伝
送モジュールを構成する際には、上記半導体レーザ素子
としては、低価格な端面出射タイプのものが用いられ
る。一方において、受光素子は大面積のものが要求さ
れ、表面受光形の素子が用いられる。
【0003】通常、光伝送モジュールにおいては、上記
半導体レーザ素子と受光素子とは互いに対向して用いら
れるため、半導体レーザ素子からの光信号の放射方向
と、受光素子における最大の受信信号が得られる受光方
向とを一致させておく必要がある。しかしながら、端面
出射形半導体レーザ素子と表面受光形受光素子とは、夫
々の光軸を素子基板に対して平行および垂直にして光の
入出力を行う為、上記素子基板上に実装した際に、互い
の光の入出力方向が90度ずれるという問題が生じる。
【0004】この問題を解決する方法として、例えば特
開2000‐4067号公報に開示されているような光
半導体モジュールがある。図10は、上記光半導体モジ
ュールの側面図であり、半導体レーザ1と受光素子2と
がモールド樹脂3によって一体に封止されている。モー
ルド樹脂3の上面における受光素子2の直上には、受光
素子2と対向する傾斜面5を有する切り欠き部4が形成
されており、傾斜面5は反射ミラーの役割を担ってい
る。
【0005】本光半導体モジュールにおいて、上記半導
体レーザ1から出射された光は、切り欠き部4の垂直面
6から一旦モールド樹脂3の外へ出る。そして、傾斜面
5でその一部が上方に反射され、光7となってもう一対
の光半導体モジュール(図示せず)に向って進む。一方、
上記他方の光半導体モジュールから放射されて、光7に
平行逆向きに進む信号光8は、その一部が切り欠き部4
の傾斜面5を透過して受光素子2に入射するようになっ
ている。
【0006】さらに、上記特開2000‐4067号公
報には、図11(a)に示す受光素子部と図11(b)に示す
発光素子部とを有する光半導体モジュールが開示されて
いる。本光半導体モジュールにおける発光素子部は、発
光ダイオード11によって構成されている。したがっ
て、受光素子12と同じく表面入出力形素子である。こ
の光半導体モジュールにおける受光素子12に入射する
光13は、モールド樹脂14に形成されたレンズ15を
通って切り欠き部16の反射面17で反射されて、回路
基板18に実装された受光素子12へ入射される。一
方、発光ダイオード11から出射した光19は大部分が
上方へ放射され、モールド樹脂20に形成された切り欠
き部21の反射面22で反射された後、レンズ23を通
って空間へ放射される。その場合に、レンズ23によっ
て放射角度の制御が行われる。
【0007】尚、図11に示す光半導体モジュールの場
合には、発光素子として半導体レーザを用いた例の説明
はない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の光半導体モジュールには以下のような問題がある。
すなわち、図11に示す光半導体モジュールは、受光素
子部および発光素子部にはモールド樹脂14,20にレ
ンズ15,23が形成されており、切り欠き部16,21
の反射面17,22の反射率を上げることで受光素子部
および発光素子部共に光の利用効率を向上させることが
できる。しかしながら、次のような問題がある。
【0009】1.上記発光素子部に端面出射形半導体レ
ーザ素子を適用させる場合には、上記切り欠き部21の
反射面22で反射させずに、出射端面から水平方向に出
射された光をそのままレンズ23から出射させることが
考えられる。しかしながら、その場合には、出射端面を
レンズ23における光軸中心に合わせる必要があり、図
10に示す光半導体モジュールの場合と同様に、端面出
射形半導体レーザ素子を台座に乗せる必要が生ずる。
【0010】2.光出射時および受光時の何れの場合
も、モールド樹脂14,20における反射面17,22の
反射率が70%程度にとどまり、発光素子から受光素子
へ到達するまでのミラーロスが0.7×0.7=約3dB
にもなる。
【0011】また、図10に示す光半導体モジュールの
場合には次の様な問題がある。 1.図11に示す光半導体モジュールのようなレンズが
形成されていないため、出射光の放射角度を制御するこ
とができない。 2.上記半導体レーザ1と受光素子2との実装の高さを
変える必要があり、半導体レーザ1を台座9に乗せる必
要がある。 3.上記半導体レーザ1からの出射光の経路と受光素子
への入射光の経路とが完全に分離されておらず、傾斜面
(反射ミラー)5を共有している。そのために、上記半導
体レーザ1から出射された光を効率よく空間へ放射する
ために傾斜面5の反射率を上げると、他の光半導体モジ
ュールからの信号光8の透過率が下がり、逆に受信光8
の透過率を上げると半導体レーザ1の出射光を効率よく
空間へ放射できない。そのために、光を有効に利用する
ことができない。
【0012】そこで、この発明の目的は、同一基板に表
面実装が可能であり且つ光の利用効率を向上できる半導
体レーザを用いた光伝送モジュールを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明は、回路基板上に半導体レーザ素子およ
び受光素子が実装され,上記回路基板上における半導体
レーザ素子および受光素子が樹脂で封止された光伝送モ
ジュールにおいて、上記樹脂の表面で構成されると共
に,上記半導体レーザ素子から出射されて上記樹脂内を
進む光を上記回路基板の表面に対して略垂直方向へ反射
させるミラー部を備えて、上記樹脂の表面における上記
受光素子に対向する部分は,外部より到来した信号光を
上記回路基板の素子実装面側から上記受光素子へ入射さ
せるようになっており、上記半導体レーザ素子からの出
射光の経路と上記受光素子への入射光の経路とは互いに
分離して設けられていることを特徴としている。
【0014】上記構成によれば、回路基板上に実装され
た半導体レーザ素子から出射された光は、上記半導体レ
ーザ素子を封止している樹脂内を進み、この樹脂の表面
で構成されたミラー部によって上記回路基板の表面に対
して略垂直方向へ反射されて放射される。一方、外部よ
り到来した信号光は、上記受光素子に対向している上記
樹脂の表面によって、上記回路基板の素子実装面側から
上記受光素子へ入射される。
【0015】したがって、表面入射形の受光素子と端面
出射形の半導体レーザ素子とを同一の回路基板上に表面
実装することが可能になる。さらに、上記半導体レーザ
素子からの出射光のみがミラー部によって反射されるた
め、上記出射光と上記受光素子への入射光との両方が反
射される図11に示す従来の光半導体モジュールの場合
に比してミラーロスが低減される。したがって、光の利
用効率が向上される。
【0016】また、1実施例では、上記第1の発明の光
伝送モジュールにおいて、上記ミラー部の反射面に対す
る法線と上記半導体レーザ素子からの出射光の光軸とが
成す角度は50度以上であり、上記樹脂の表面で構成さ
れると共に,上記ミラー部で反射された光の上記樹脂の
外部へ放射方向を上記回路基板の表面に対して略垂直方
向に制御するレンズを備えている。
【0017】この実施例によれば、上記ミラー部の反射
面に対する法線と上記半導体レーザ素子からの出射光の
光軸とが成す入射角度は50度以上である。したがっ
て、図4に示すように、80%以上の反射率を得ること
ができ、光の利用効率が更に向上される。さらに、上記
入射角度の広角度化に起因して上記回路基板の表面に対
して垂直方向からずれた上記ミラー部による反射方向
が、上記樹脂の表面で構成されたレンズによって上記垂
直方向に向くように制御される。
【0018】また、1実施例では、上記第1の発明の光
伝送モジュールにおいて、上記レンズの焦点は、上記半
導体レーザ素子における光出射点の上記ミラー部の反射
面に対する虚像の位置の近傍に位置するようになってい
る。
【0019】この実施例によれば、上記半導体レーザ素
子における光出射点の上記ミラー部の反射面に対する虚
像の位置の近傍に、上記レンズの焦点が位置している。
従って、上記半導体レーザ素子から出射して上記ミラー
部で反射された光は、上記回路基板の表面に対してより
垂直方向へ放射される。
【0020】また、1実施例では、上記第1の発明の光
伝送モジュールにおいて、上記ミラー部は複数の反射面
を有しており、上記半導体レーザ素子からの出射光は,
上記複数の反射面で順次反射されて上記回路基板の表面
に対して垂直方向へ放射されるようになっている。
【0021】この実施例によれば、上記半導体レーザ素
子からの出射光は上記ミラー部の複数の反射面で順次反
射されるため、個々の反射面の傾斜角度を小さく(つま
り、入射角度を大きく)して高い反射率を得ることと、
上記ミラー部で反射された光を上記回路基板の表面に対
して垂直方向へ放射することとが、両立される。
【0022】また、1実施例では、上記第1の発明の光
伝送モジュールにおいて、上記ミラー部における複数の
反射面は、上記回路基板の表面に対する傾斜角度がβで
ある第1反射面と、上記第1反射面に連なると共に,上
記回路基板の表面に対する傾斜角度が(β+45度)であ
る第2反射面とで構成されている。
【0023】この実施例によれば、第1反射面の入射角
αと第1反射面の傾斜角度βとの間には「α=90度−
β」の関係があり、第2反射面の入射角α'と上記傾斜角
度βとの間には「α'=45度+β」の関係がある。した
がって、上記傾斜角度βを15度≦β≦30度に設定す
ることによって、端面出射形半導体レーザ素子を用いた
場合に、上記第1,第2反射面の何れにおいても入射角
度α,α'を60度以上にして高い反射率を得ると共に、
上記第2反射面からの反射光の方向を上記回路基板の表
面に対して垂直にすることが可能になる。
【0024】また、第2の発明は、回路基板上に半導体
レーザ素子および受光素子が実装され,上記回路基板上
における半導体レーザ素子および受光素子が樹脂で封止
された光伝送モジュールにおいて、上記半導体レーザ素
子の少なくとも光出射端面はゼリー状樹脂によって覆わ
れていることを特徴としている。
【0025】上記構成によれば、回路基板上に実装され
た半導体レーザ素子の少なくとも光出射端面がゼリー状
樹脂によって覆われているため、効果的に応力歪から保
護される。こうして、長期信頼性が向上される。
【0026】また、第3の発明は、回路基板上に半導体
レーザ素子および受光素子が実装され,上記回路基板上
における半導体レーザ素子および受光素子が樹脂で封止
された光伝送モジュールにおいて、上記樹脂は、少なく
とも上記半導体レーザ素子および受光素子を覆う第1樹
脂と、上記半導体レーザ素子からの出射光の経路および
上記受光素子への入射光の経路のうち少なくとも何れか
一方が貫通されると共に,上記第1樹脂とは異なる機能
を有する第2樹脂で構成されていることを特徴としてい
る。
【0027】上記構成によれば、例えば、回路基板上に
実装された半導体レーザ素子および受光素子を覆うと共
に、上記受光素子への入射光の経路によって貫通される
ように第1樹脂を形成する一方、上記半導体レーザ素子
からの出射光の経路によって貫通されるように第2樹脂
を形成することが可能になる。その場合には、上記第
1,第2樹脂がエポキシ系樹脂で構成され、上記第2樹
脂にのみ放射光の指向半値角度の補正用にシリコン系樹
脂のフィラーが混入されることによって、フィラーの吸
湿性に起因する上記半導体レーザ素子および受光素子の
信頼性低下、フィラーの光散乱性に起因する上記受光素
子に対する受光量の低下が防止される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。 <第1実施の形態>図1は、本実施の形態の光伝送モジ
ュールにおける断面図である。図1において、31は回
路基板、32は半導体レーザ素子、33は受光素子、3
4はレーザ駆動用回路および受信信号増幅用プリアンプ
を構成するIC(集積回路)、35はモールド樹脂、3
6,36'はモールド樹脂一体形成形レンズである。本実
施の形態における特徴は、回路基板31一端部に位置す
るモールド樹脂35における半導体レーザ素子32の出
射端面の側方に設けられた45度反射ミラー部37であ
る。この45度反射ミラー部(以下、単にミラー部と言
う)37は、半導体レーザ素子32から出射されたレ―
ザ光を反射してモールド樹脂一体形成形レンズ(以下、
単にレンズと言う)36に導くものである。
【0029】上記半導体レーザ素子32は、回路基板3
1表面における一側部に出射端面を外側のミラー部37
に向けて搭載されて、プリコート樹脂38で覆われてい
る。受光素子33は、回路基板31表面における他側が
わに受光面を上方に向けて搭載されている。IC34
は、回路基板31表面における半導体レーザ素子32と
受光素子33との間に搭載されている。半導体レーザ素
子32,受光素子33,IC34及び回路基板31表面
は、モールド樹脂35で覆われている。さらに、モール
ド樹脂35は、半導体レーザ素子32側においてミラー
部37を形成すると共に、回路基板31の上記一側端か
ら外側に突出している。レンズ36はモールド樹脂35
表面におけるミラー部37の直上に形成されており、レ
ンズ36'はモールド樹脂35表面における受光素子3
3の受光面の直上に形成されている。
【0030】以下、本光伝送モジュールにおける更に詳
細な構造および発光時の動作について説明する。本光伝
送モジュールの発光素子は、回路基板31としてのGa
As基板上に形成された発振波長890nmの半導体レー
ザ素子32であり、通常の端面出射形レーザ素子であ
る。回路基板31上には電極パターン(図示せず)がフィ
ルム転写されて形成されており、半導体レーザ素子3
2,受光素子33およびIC34は夫々上記電極パター
ン上に実装されている。その際に、半導体レーザ素子3
2の出射端面は、回路基板31の上記一側端から100
μm程度内側の位置に配置されている。
【0031】通常、上記半導体レーザ素子31からの出
射光は、垂直方向に約15度以下の広がりに収まってお
り、本半導体レーザ素子32の出射端面から出射した光
は回路基板31で反射・吸収されることはない。すなわ
ち、総ての出射光は、モールド樹脂35に形成された空
気との界面(ミラー部37)へ到達するのである。ミラー
部37は反射ミラーの役割を有しており、樹脂の屈折率
が1.5程度の場合における入射角度が45度での反射
ミラー部37の反射率は約68%である。そして、ミラ
ー部37で反射された68%の光はそのまま回路基板3
1に垂直な方向へ進み、モールド樹脂35の上部に形成
されたレンズ36でその進行角度が制御された後、空間
へと放射される。尚、本実施の形態においては、ミラー
部37の垂直方向の幅を200μmとした。この場合、
半導体レーザ素子32の出射端面は回路基板31の上記
一側端から100μm程度の位置に配置されているた
め、±15度程度の指向半値角度のレーザ光であれば略
総ての光がミラー部37に到達する。尚、ミラー部27
での反射率は樹脂の屈折率とレーザ光の出射角度広がり
とに依存するが、樹脂の屈折率が1.5でレーザ光の指
向半値角が±10度程度であれば、反射率は68%とな
る。
【0032】次に、本光伝送モジュールの製造方法につ
いて説明する。先ず、回路基板31上に、半導体レーザ
素子32,受光素子33およびIC34を実装して、ワ
イヤボンディングを行う。その後、半導体レーザ素子3
2は、シリコン系樹脂で成るプリコート樹脂38によっ
て、レーザチップ全体が覆われる程度にコーティング
(プリコート)される。このシリコン系樹脂38は、硬化
時の状態がゼリー状であり、レーザチップを応力歪から
保護する役割を有している。
【0033】尚、実験的に、上記プリコート樹脂38と
してゼリー状の樹脂が優れていることを見出しており、
それより硬度が高いゴム状の樹脂では良好な特性が得ら
れない。JIS‐A硬度で表せば、上記ゼリー状樹脂は
硬度が略0であり、ゴム状樹脂は硬度が約20以上とな
る。ゼリー状樹脂の場合には、ゼリー状の度合を表わす
方法として針入度((mm×10):針はJIS K2235
使用)が用いられ、とりわけプリコート樹脂38として
は針入度50以上が望ましい。本実施の形態において
は、一例として東レ・ダウコーニング・フリコーン社のオ
ルガノポリシロキサンを主成分とするシリコン系樹脂
(JCR6109S)を用いた。このシリコン系樹脂の針
入度は150(mm×10)である。半導体レーザ素子32
に対するゼリー状シリコン系樹脂38でのプリコートに
よる信頼性向上効果は、どのようなレンズ構造であって
も得ることができ、本実施の形態のレンズ36,36'の
構造に限ったものではない。
【0034】その後、上記回路基板31上に、金型を用
いて樹脂をトランスファーモールドしてモールド樹脂3
5を形成する。その際に、レンズ36,36'が同時に形
成されるような金型を用いることができる。図2は、図
1に示すモールド樹脂35を形成するための金型41,
42を例示したものである。基板固定用金型41の凹部
43に、半導体レーザ素子32,受光素子33およびI
C34が実装された回路基板31を嵌合し、上部より金
型42を押圧する。その場合における金型41,42の
面精度としては、ミラー部37に対応する個所45に関
してはレンズ36,36'に対応する個所44,45'の面
精度と同等のものであればよく、従来の金型作製技術を
適用することが可能である。金型41と金型42との間
には樹脂を流し込むための注入口(図示せず)があり、こ
の注入口より樹脂がトランスファーされてモールドされ
る。そして、樹脂が硬化した後、モールド樹脂35と一
体化された回路基板31を取り出し、破線46の位置で
ダイシング分割して各光伝送モジュールに切り出され
る。
【0035】上述したように、本実施の形態において
は、モールド樹脂35における半導体レーザ素子32の
出射端面の側方に45度の傾斜面でなるミラ一部37を
形成すると共に、ミラ一部37を含む半導体レーザ素子
32からの出射光39の光路と受光素子33への入射光
40の光路とを互いに分離するように設けている。した
がって、半導体レーザ素子32から出射した光を効率よ
く上方に光路変喚することができる。これによって、表
面入射形の受光素子33と端面出射形の半導体レーザ素
子32とを同一回路基板31上に表面実装することが可
能になり、低価格な端面出射形半導体レーザ素子32を
光伝送モジュールに適用することが可能になるのであ
る。
【0036】その場合、上記半導体レーザ素子32から
の出射光39はミラ一部37で反射されるため、送信光
には上記反射によって約32%の損失が生ずる。しかし
ながら、受信光はミラーを通過することなく受光素子3
3に到達するために損失は生じない。したがって、半導
体レーザ素子32から対向する光伝送モジュールの受光
素子までのミラーロスは約0.68=約1.5dBであ
り、上記従来の光半導体モジュールに比して十分小さく
できるのである。
【0037】また、上記ミラ一部37をモールド樹脂3
5の側面に形成している。したがって、半導体レーザ素
子32からの出射光39用のレンズ36をモールド樹脂
35の表面に形成することが可能になり、モールド樹脂
35の形成時にレンズ36を形成することが可能にな
る。
【0038】尚、本実施の形態においては、上記モール
ド樹脂35の形成後に、ミラー部37にAl等の金属膜
を蒸着することでミラー部37での反射率を向上させる
ことも可能である。また、本実施の形態においては、半
導体レーザ素子32を回路基板31の一端部に実装して
いるが、回路基板31の上記一端部は更に側方に延在し
ていても差し支えない。また、ミラー部37の垂直方向
の幅を200μmとしているが、勿論さらに垂直方向に
45度の角度で延在していても構わない。
【0039】また、本実施の形態においては、上記半導
体レーザ素子32と受光素子33とを同一回路基板31
の同一平面上に実装するようにしているが、平行な異な
る高さの平面に実装することも可能である。
【0040】<第2実施の形態>本実施の形態は、上記
第1実施の形態におけるミラー部37の反射面の傾斜角
度を大きくして反射率を向上させて、更なる低損失化を
実現するものである。図3は、本実施の形態における光
伝送モジュールにおける回路基板51端部の部分拡大図
である。回路基板51,半導体レーザ素子52,IC5
3,モールド樹脂54,レンズ55およびプリコート樹脂
57は、上記第1実施の形態における図1に示す回路基
板31,半導体レーザ素子32,IC34,モールド樹脂
35,レンズ36およびプリコート樹脂38と同様であ
る。
【0041】ミラー部56は、上記第1実施の形態の場
合と同様に、回路基板51一端部に位置するモールド樹
脂54における半導体レーザ素子52の出射端面の側方
に、モールド樹脂54形成時に形成される。但し、反射
面の法線と光線とが成す角度αを60度としている。図
4は、反射面の法線と光線とが成す角度(入射角度α)と
光の反射率との関係を示す。図4より、60度以上の入
射角度αで94%以上の反射率を得ることができ、実用
上有効であることが分る。
【0042】但し、上記ミラー部56の入射角度αが、
上記第1実施の形態における45度から本実施の形態の
ごとく60度に変化すると、図3に示すように反射後の
光軸の進行方向が上記第1実施の形態の場合よりも右回
りに30度傾斜する。したがって、半導体レーザ素子5
2の光出射点のミラー部56の反射面に対する虚像の位
置が、レンズ55の焦点位置GよりもIC53側(図中
左側)にずれてしまう。そこで、本実施の形態において
は、光出射点の上記虚像の位置がレンズ55の焦点位置
Gの近傍になるように、ミラー部56の位置を回路基板
51の外側(図中右側)にずらしておくのである。そうす
ることによって、レンズ55を通過したミラー部56の
反射光は、略上方へ向って放射されるのである。これ
は、レンズ55の焦点位置Gが上記光出射点の位置と光
学的に等価であることを意味している。尚、上述のごと
くミラー部56の位置を外側(図中右側)ずらす代りに、
レンズ55の位置を内側(図中左側)にずらしても構わな
い。
【0043】また、実際の光伝送モジュールにおいて
は、各光伝送モジュール間における位置合わせの冗長度
を高めるために、放射光の指向半値角度を±10度〜±
15度程度に設定している。しかしながら、本実施の形
態においては、半導体レーザ素子52の光出射点のミラ
ー部56の反射面に対する虚像の位置が、レンズ55の
焦点位置Gになるようになっている。そのために、放射
光の指向半値角度は殆ど0度である。そこで、レンズ5
5の形状はそのままでフィラー59をモールド樹脂54
中に混入するのである。そして、混入するフィラー59
の濃度を変えることによって、簡単に指向半値角度を制
御することが可能になるのである。
【0044】その場合における上記フィラー59の材料
としては、使用レーザ光の波長において吸収がなく、モ
ールド樹脂54の材料と若干屈折率が異なるものを用い
ればよい。例えば、モールド樹脂54としてエポキシ系
樹脂(屈折率≒1.55)を用いる場合には、フィラー5
9としてはSiO2樹脂(屈折率≒1.45)を用いればよ
い。その場合の混入率は、エポキシ系樹脂(モールド樹
脂54)に対するSiO2樹脂(フィラー59)の重量比が
2パーセント程度になるようにする。
【0045】本実施の形態においては、上記第1実施の
形態の場合と同様に、半導体レーザ素子52と受光素子
(図示せず)とは同一のモールド樹脂54で覆われてお
り、上記受光素子への光路の部分にもフィラー59が存
在している。したがって、フィラー59の混入量が増加
すると上記受光素子前面(図中上面)での光散乱が増える
ため受信光量が減少するという問題が生ずる。更には、
フィラー59として用いられるシリコン系樹脂は、モー
ルド樹脂54としてのエポキシ系樹脂と比較して水分透
過率が20倍程度高い。したがって、シリコン系樹脂を
含有したモールド樹脂54によって半導体レーザ素子5
2,上記受光素子およびIC53が覆われていると、高
湿度環境において各素子が水分に曝され、著しく信頼性
が低下する懸念がある。
【0046】上記懸念を解決するために、本実施の形態
においては、図5に示す方法によって、受光素子の部分
にフィラー59が入らないようにモールド樹脂54を形
成するのである。そうすることによって、受光素子部に
フィラーが入らず且つ各素子が外部環境に対してエポキ
シ系樹脂で覆われて、受光量の減少が少なく、耐湿性が
高く、指向半値角度を簡単に制御できるモールド構造を
得ることができるのである。
【0047】すなわち、図5(a)に示すように、上記回
路基板51上に、半導体レーザ素子52,受光素子60
およびIC53を実装した後、上記第1実施の形態の場
合と同様に、半導体レーザ素子52を、シリコン系樹脂
で成るプリコート樹脂57でプリコートする。このシリ
コン系樹脂57は、上記第1実施の形態の場合と同様
に、JIS‐A硬度が略0のゼリー状樹脂である。
【0048】続いて、基板固定用金型61の凹部63に
各素子52,60,53が実装された回路基板51を嵌合
し、上部より半導体レーザ素子52側のレンズ55に対
応する凹部が無い金型62を押圧する。そして、注入口
よりエポキシ系樹脂54がトランスファーモールドされ
る。こうして、半導体レーザ素子52,受光素子60お
よびIC53がエポキシ系樹脂によって覆われる。
【0049】次に、上記金型62を除去し、図5(b)に
示すように、半導体レーザ素子52側のレンズ55に対
応する凹部が有る金型64を押圧する。そして、先にト
ランスファーモールドされたモールド樹脂54と金型6
4との間の空間(つまり、半導体レーザ素子52側のレ
ンズ55の部分)のみに、エポキシ系樹脂54をトラン
スファーモールドする。その際に、後にモールドされる
モールド樹脂54にフィラー59を混入させておけば、
受光素子60の側のレンズ55'にはフィラー59を含
まない光伝送モジュールを作製することができるのであ
る。
【0050】尚、図5においては、1回目のトランスフ
ァーモールド工程において、半導体レーザ素子52側の
レンズ55以外の部分を総てモールドするようにしてい
る。しかしながら、実際には必ずしもそうする必要はな
なく、望ましくは1回目のモールド工程においては、受
光素子60と受光素子60側のレンズ55'とIC53
と半導体レーザ素子52とミラー部56が覆われればよ
いのである。そうすることによって、レーザ光がミラー
部56に達するまでに散乱されることがなく、設計どお
り所望の反射率が得られる。それと共に、半導体レーザ
素子52,IC53および受光素子60の耐湿性が高め
られるのである。
【0051】また、図6は、受光量の減少が少なく、耐
湿性が高く、指向半値角度を簡単に制御できるモールド
構造が得られる他のモールド樹脂形成方法を示す。図6
(a)に示すように、図5と同じ基板固定用金型61の凹
部63に、図5と同様に半導体レーザ素子52,受光素
子60およびIC53が実装されてプリコート樹脂57
でプリコートされた回路基板51を嵌合する。そして、
上部より半導体レーザ素子52側のレンズ55に対応す
る凹部が無い金型65を押圧してエポキシ系樹脂54a
トランスファーモールドする。その場合の金型65にお
ける受光素子60側のレンズ55'に対応する凹部の内
面は、所望のレンズ55'を形成するための内面よりも
50μm以上外側に形成している。
【0052】次に、上記金型65を除去し、図6(b)に
示すように、半導体レーザ素子52側のレンズ55に対
応する凹部が有る図5(b)と同じ金型64を押圧する。
そして、先にトランスファーモールドされたモールド樹
脂54aと金型64との間の空間(つまり、受光素子60
側のレンズ55'の外周部66と半導体レーザ素子52
側のレンズ55の部分)のみに、フィラー59が混入さ
たエポキシ系樹脂54bをトランスファーモールドす
る。こうして、半導体レーザ素子52側のレンズ55と
受光素子60側のレンズ55'の外周部66とにのみフ
ィラー59が混入さたエポキシ系樹脂54が形成される
のである。
【0053】図5に示す上記モールド樹脂54の形成方
法の場合には、2回目のトランスファーモールド工程に
おいて、1回目にトランスファーモールドされたモール
ド樹脂54と金型64との間の空間にエポキシ系樹脂5
4をトランスファーモールドする際に、半導体レーザ素
子52側のレンズ55の部分のみならず、受光素子60
側のレンズ55'の表面の隙間にまで這い上がって薄膜
が形成される。この膜は剥がれ易く、レンズ55'の光
学的特性を損ねる可能性がある。
【0054】しかしながら、図6に示す上記モールド樹
脂54の形成方法の場合には、2回目のトランスファー
モールド工程において形成されるレンズ55'の外周部
66の厚さは50μm以上である。したがって、外周部
66が通常の使用において剥がれ落ちることはなく、レ
ンズ55'の光学特性の劣化は見られない。尚、外周部
66が受信光を散乱させる影響は小さく、その厚さが5
00μm程度であっても無いに等しく実用上全く問題は
ない。
【0055】ところで、図5および図6に示す方法で形
成された光伝送モジュールの場合には、簡単な方法によ
って受光部と発光部とのモールド樹脂の一部を変更する
ことが可能であり、受光素子60および半導体レーザ素
子52の夫々に適したモールド構造にすることができ
る。上述のようなフィラー59の有無以外に、1回目の
モールド時には放熱性の高いカーボンを含有させたモー
ルド樹脂を用い、2回目のモールド時にはフィラー59
を混入したエポキシ系樹脂を用いてもよい。その場合に
は、カーボンを含有した樹脂は半導体レーザ素子52や
IC53からの放熱を促進し、素子温度の上昇を抑える
ことができるのである。このように、受光部と発光部と
を、夫々光学特性,熱伝導率,吸水率等の特性が異なる樹
脂によってモールドした場合に得られる効果は、言うま
でもなく、本実施の形態におけるレンズ形状に限定され
るものではない。
【0056】上述したように、本実施の形態において
は、図4に示すように、反射面の法線と光線とが成す入
射角度αが60度以上になると94%以上の反射率を得
ることができることを利用して、上記ミラー部56にお
ける入射角度αを60度にしている。したがって、金属
膜の蒸着等の特別な工程を追加することなく、簡単に反
射率を高めることができるのである。尚、上記入射角度
αとしては、50度以上であれば80%以上に反射率を
向上できる効果を奏する。更に、望ましくは60度以上
であれば反射率は94%以上まで高めることができる。
また、その際に、レンズ55の焦点位置Gを半導体レー
ザ素子52の光出射点のミラー部56に対する虚像の位
置近傍に配置することによって、レーザ光線の出射光5
8の方向を回路基板51の表面に対して垂直方向にする
ことができるのである。
【0057】さらに、上記半導体レーザ素子52側のレ
ンズ55にフィラー59を混入することによって、放射
光58の指向半値角度を±10度〜±15度内に制御す
ることができる。加えて、レンズ55にフィラー59を
混入することによって眼に対する安全性を高めることが
でき、商品の利用範囲を大幅に広げることができる。
【0058】<第3実施の形態>本実施の形態は、上記
ミラー部の反射率をさらに向上させ、加えてミラー部で
反射した後の光軸を回路基板の表面に対して垂直にする
ものである。図7は、本実施の形態における光伝送モジ
ュールにおける回路基板71端部の部分拡大図である。
回路基板71,半導体レーザ素子72,IC73,モール
ド樹脂74およびレンズ75は、上記第1実施の形態に
おける図1に示す回路基板31,半導体レーザ素子32,
IC34,モールド樹脂35およびレンズ36と同様で
ある。
【0059】ミラー部76は、上記第1,第2実施の形
態の場合と同様に、回路基板71一端部に位置するモー
ルド樹脂74における半導体レーザ素子72の出射端面
の側方に、モールド樹脂74形成時に形成される。但
し、本実施の形態においては、反射面の傾斜角度がβで
ある第1ミラー部76aと反射面の傾斜角度が(β+45
度)である第2ミラー部76bとの2つのミラー部で構成
されている。
【0060】上記第1ミラー部76aは、上記半導体レ
ーザ素子72から放射される殆ど総てのレーザ光を反射
するようになっており、第1ミラー部76aで反射され
たレーザ光の殆ど総ては第2ミラー部76bで更に垂直
方向に反射されるようになっている。そして、こうして
垂直方向に放射された光は、モールド樹脂74内を伝播
してレンズ75によって放射角度制御が行われて空間へ
放射光77として放射される。この場合、放射光77の
光軸は垂直方向であるため、予めレンズ55の焦点位置
Gは半導体レーザ素子72の光出射点の位置と光学的に
等価になっている。したがって、レンズ75のみで放射
角度を制御できるため、第2実施の形態の場合のように
必ずしもモールド樹脂74にフィラーを混入する必要は
ない。但し、眼に対する安全性をより増大させるため
に、本実施の形態においてもフィラー78をモールド樹
脂74に混入しておくものとする。
【0061】次に、上記第1ミラー部76a及び第2ミ
ラー部76bの傾斜角度について詳細に説明する。図7
に示すように、第1ミラー部76aの傾斜角度をβとす
ると、第2ミラー部76bによる反射光の光軸を垂直方
向に向けるためには第2ミラー部76bの傾斜角度は(β
+45度)とする必要がある。ところで、第1ミラー部
76aの傾斜角度βは、第1ミラー部76aの反射面の法
線と光線とが成す入射角度αおよび第2ミラー部76b
の入射角度α'とは β=90゜−α , β=α'−45゜ の関係があることから、第1ミラー部76aの反射率を
より高めるためには傾斜角度βは小さい方がよく、上記
第2実施の形態のごとく入射角度α,α'を60度以上に
して図4に示すごとく94%以上の高反射率を得るため
には、傾斜角度βは 15度≦β≦30度 である必要がある。
【0062】図8は、上記第1ミラー部76aの傾斜角
度βを変化させた場合における半導体レーザ素子72か
らの出射光の総てを垂直方向へ反射するのに必要な光出
射点と第2ミラー部76b上端との高低差(以下、単に
「ミラー部76の高さ」と言う)Hを計算したものであ
る。このミラー部の高さHはレーザ光の放射角度によっ
て若干変化するが、一般の半導体レーザ素子(垂直方向
の広がり角度が±15度以下)の場合には殆ど変化する
ことはない。図8より、傾斜角度βが23度程度におい
てミラー部76の高さHを最小にすることができる。そ
の場合、第1ミラー部76aの入射角度αは67度(90
度−23度)であり、第2ミラー部76bの入射角度α'
は68度(45度+23度)であるから、第1ミラー部7
6aと第2ミラー部76bとによる全体の反射率は略10
0%にできるのである。
【0063】また、図7においては、第1ミラー部76
aの下端Aを回路基板71の表面に位置させている。し
かしながら、図9に示すように、第1ミラー部79aの
下端Bを回路基板71の表面よりも上に位置させて、換
言すればミラー部79全体を図7の場合よりも半導体レ
ーザ素子72の出射端面に近づけて配置することによっ
て、第1ミラー部79aの高さが低くなる分だけミラー
部79の高さH'を更に低くすることができるのであ
る。但し、第1ミラー部79aの下端Bの位置は、半導
体レーザ素子72の出射光の総てが第1ミラー部79a
に入射可能なように設定する必要がある。
【0064】尚、本実施の形態場合にも、上記第1,第
2実施の形態の場合と同様に金型だけでモールド樹脂形
成時にミラー部76,79を形成することができ、低コ
スト化を実現することができるのである。
【0065】上述したように、本実施の形態において
は、ミラー部76,79を、傾斜角度がβである第1ミ
ラー部76a,79aと反射面の傾斜角度が(β+45度)
である第2ミラー部76b,79bとの2つのミラー部で
構成している。したがって、第1ミラー部76a,79a
の入射角度αおよび第2ミラー部76b,79bの入射角
度α'を共に60度以上に設定しつつ、第2ミラー部7
6b,79bからの反射光の方向を回路基板71の表面に
対して垂直にすることができる。すなわち、本実施の形
態によれば、ミラー部76,79の反射率を略100%
にすることが可能である。また、レンズ75からの放射
光77の進行方向は回路基板71に対して垂直方向であ
るためレンズ75の設計の自由度が広がり、レンズ75
の高さを下げることも可能となる。
【0066】
【発明の効果】以上より明らかなように、第1の発明の
光伝送モジュールは、回路基板上における半導体レーザ
素子および受光素子を封止する樹脂の表面で、上記半導
体レーザ素子からの出射光を上記回路基板の表面に対し
て略垂直方向へ反射させるミラー部を構成し、外部より
上記受光素子に対向する上記樹脂の表面に到来した信号
光は上記受光素子へ入射されるので、表面入射形の受光
素子と端面出射形の半導体レーザ素子とを同一の回路基
板上に表面実装することができる。
【0067】さらに、上記半導体レーザ素子からの出射
光の経路と上記受光素子への入射光の経路とを互いに分
離して設け、上記半導体レーザ素子からの出射光のみを
上記ミラー部によって反射するので、上記出射光と上記
受光素子への入射光との両方が反射される図11に示す
従来の光半導体モジュールの場合に比してミラーロスを
低減することができる。したがって、光の利用効率を向
上できる。すなわち、この発明によれば、微弱な光信号
を送受信する光伝送モジュールに対して多大な効果を奏
することができる。
【0068】また、1実施例の光伝送モジュールは、上
記ミラー部に対する上記半導体レーザ素子からの出射光
の入射角度は50度以上であるので、80%以上の反射
率を得ることができ、光の利用効率を更に向上させるこ
とができ。さらに、上記ミラー部で反射された光の上記
樹脂の外部へ放射方向を上記回路基板の表面に対して略
垂直方向に制御するレンズを上記樹脂の表面で構成した
ので、上記入射角度の広角度化に起因して上記回路基板
の表面に対して垂直方向からずれた上記ミラー部による
反射方向を、上記樹脂の表面で構成されたレンズによっ
て上記垂直方向に向くように制御することができる。
【0069】また、1実施例の光伝送モジュールは、上
記レンズの焦点を、上記半導体レーザ素子における光出
射点の上記ミラー部の反射面に対する虚像の位置の近傍
に位置するようにしたので、上記半導体レーザ素子から
出射して上記ミラー部で反射された光を、上記レンズの
光軸に沿って上記回路基板の表面に対してより垂直方向
に放射することができる。
【0070】また、1実施例の光伝送モジュールは、上
記ミラー部を複数の反射面で成し、上記半導体レーザ素
子からの出射光を上記複数の反射面で順次反射して上記
回路基板の表面に対して垂直方向へ放射するようにした
ので、個々の反射面の入射角度を大きくして高い反射率
を得ることと、上記ミラー部で反射された光を上記回路
基板の表面に対して垂直方向へ放射することとを、容易
に両立させることができる。こうして、上記回路基板の
表面に対して垂直方向に反射光を放射することによっ
て、フィラー等の混入を行うことなくレンズのみで放射
角度の制御を行うことができる。
【0071】また、1実施例の光伝送モジュールは、上
記ミラー部の反射面を、上記回路基板の表面に対する傾
斜角度がβである第1反射面と、上記第1反射面に連な
ると共に,上記回路基板の表面に対する傾斜角度が(β+
45度)である第2反射面で構成したので、上記傾斜角
度βを15度≦β≦30度に設定することによって、端
面出射形半導体レーザ素子を用いた場合に、上記第1,
第2反射面の入射角度α,α'を60度以上にして高い反
射率を得ることができる。それと共に、上記第2反射面
からの反射光の方向を上記回路基板の表面に対して垂直
にすることができる。
【0072】また、第2の発明の光伝送モジュールは、
回路基板上に実装された半導体レーザ素子の少なくとも
光出射端面をゼリー状樹脂によって覆ったので、効果的
に応力歪から保護することができ、長期信頼性を向上す
ることができる。
【0073】また、第3の発明の光伝送モジュールは、
回路基板上に実装された半導体レーザ素子及び受光素子
を封止する樹脂を、少なくとも上記半導体レーザ素子お
よび受光素子を覆う第1樹脂と、上記半導体レーザ素子
からの出射光の経路および上記受光素子への入射光の経
路のうち少なくとも何れか一方が貫通される第2樹脂と
で構成し、上記第1樹脂と第2樹脂とは異なる機能を有
するようにしたので、例えば、上記半導体レーザ素子お
よび受光素子を覆うと共に、上記受光素子への入射光の
経路によって貫通されるように第1樹脂を形成し、上記
半導体レーザ素子からの出射光の経路によって貫通され
るように第2樹脂を形成し、上記第1,第2樹脂をエポ
キシ系樹脂で構成し、上記第2樹脂にのみ放射光の指向
半値角度の補正用にシリコン系樹脂のフィラーを混入す
れば、フィラーの吸湿性に起因する上記半導体レーザ素
子および受光素子の信頼性低下、フィラーの光散乱性に
起因する上記受光素子に対する受光量の低下を防止でき
る。
【0074】あるいは、上述と同様に形成された第1,
第2樹脂を形成し、そのうちの上記第1樹脂に放熱性の
有るカーボンを含有させる一方、上記第2樹脂に放射光
の指向半値角度補正用のフィラーを混入することによっ
て、上記半導体レーザ素子や受光素子やIC等からの放
熱を促進し、素子温度の上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の光伝送モジュールにおける断面図
である。
【図2】 図1に示すモールド樹脂を形成するための金
型を示す図である。
【図3】 図1とは異なる光伝送モジュールにおける回
路基板端部の部分拡大図である。
【図4】 ミラー部の入射角度と反射率との関係を示す
図である。
【図5】 図3におけるモールド樹脂形成方法を示す図
である。
【図6】 図5とは異なるモールド樹脂形成方法を示す
図である。
【図7】 図1および図3とは異なる光伝送モジュール
における回路基板端部の部分拡大図である。
【図8】 図7における第1ミラー部の傾斜角度とミラ
ー部の高さとの関係を示す図である。
【図9】 図1,図3および図7とは異なる光伝送モジ
ュールにおける回路基板端部の部分拡大図である。
【図10】 従来の光半導体モジュールにおける側面図
である。
【図11】 図10とは異なる従来の光半導体モジュー
ルにおける受光素子部および発光素子部を示す図であ
る。
【符号の説明】
31,51,71…回路基板、 32,52,72…半導体レーザ素子、 33,60…受光素子、 34,53,73…IC、 35,54,74…モールド樹脂、 36,36',55,55',75…レンズ、 37,56,76,79…ミラー部、 38,57…プリコート樹脂、 39,58,77…出射光(放射光)、 40…入射光、 41,61…基板固定用金型、 42,62,64,65…金型、 59,78…フィラー、 66…外周部、 76a,79a…第1ミラー部、 76b,79b…第2ミラー部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路基板上に半導体レーザ素子および受
    光素子が実装され、上記回路基板上における半導体レー
    ザ素子および受光素子が樹脂で封止された光伝送モジュ
    ールにおいて、 上記樹脂の表面で構成されると共に、上記半導体レーザ
    素子から出射されて上記樹脂内を進む光を上記回路基板
    の表面に対して略垂直方向へ反射させるミラー部を備え
    て、 上記樹脂の表面における上記受光素子に対向する部分
    は、外部より到来した信号光を上記回路基板の素子実装
    面側から上記受光素子へ入射させるようになっており、 上記半導体レーザ素子からの出射光の経路と上記受光素
    子への入射光の経路とは互いに分離して設けられている
    ことを特徴とする光伝送モジュール。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光伝送モジュールにお
    いて、 上記ミラー部の反射面に対する法線と上記半導体レーザ
    素子からの出射光の光軸とが成す角度は50度以上であ
    り、 上記樹脂の表面で構成されると共に、上記ミラー部で反
    射された光の上記樹脂の外部へ放射方向を上記回路基板
    の表面に対して略垂直方向に制御するレンズを備えたこ
    とを特徴とする光伝送モジュール。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光伝送モジュールにお
    いて、 上記レンズの焦点は、上記半導体レーザ素子における光
    出射点の上記ミラー部の反射面に対する虚像の位置の近
    傍に位置するようになっていることを特徴とする光伝送
    モジュール。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の光伝送モジュールにお
    いて、 上記ミラー部は、複数の反射面を有しており、 上記半導体レーザ素子からの出射光は、上記複数の反射
    面で順次反射されて上記回路基板の表面に対して垂直方
    向へ放射されるようになっていることを特徴とする光伝
    送モジュール。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光伝送モジュールにお
    いて、 上記ミラー部における複数の反射面は、 上記回路基板の表面に対する傾斜角度がβである第1反
    射面と、 上記第1反射面に連なると共に、上記回路基板の表面に
    対する傾斜角度が(β+45度)である第2反射面とで構
    成されていることを特徴とする光伝送モジュール。
  6. 【請求項6】 回路基板上に半導体レーザ素子および受
    光素子が実装され、上記回路基板上における半導体レー
    ザ素子および受光素子が樹脂で封止された光伝送モジュ
    ールにおいて、 上記半導体レーザ素子の少なくとも光出射端面は、ゼリ
    ー状樹脂によって覆われていることを特徴とする光伝送
    モジュール。
  7. 【請求項7】 回路基板上に半導体レーザ素子および受
    光素子が実装され、上記回路基板上における半導体レー
    ザ素子および受光素子が樹脂で封止された光伝送モジュ
    ールにおいて、 上記樹脂は、 少なくとも上記半導体レーザ素子および受光素子を覆う
    第1樹脂と、 上記半導体レーザ素子からの出射光の経路および上記受
    光素子への入射光の経路のうち少なくとも何れか一方が
    貫通されると共に、上記第1樹脂とは異なる機能を有す
    る第2樹脂で構成されていることを特徴とする光伝送モ
    ジュール。
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