JP2005209797A - 光源装置およびそれを用いた光通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 スペックルを含み且つ放射パターンマスクに適合した放射強度分布を呈する。
【解決手段】 光源装置は、出射光の拡散程度が小さく大きなスペックル量を呈する半導体レーザ1を用いており、IrDA1.1に適用される。その場合、IrDA1.1に関する(最大放射強度)/(放射角度が±Θ以内での最小放射強度)および(放射角度が±2Θよりも外側での最大放射強度)/(放射角度が±Θ以内での最小放射強度)に応じて要求されるスペックル量と指向半値角度/通信角度との関係から、スペックル量に応じた指向半値角度になるようにエポキシ製のレンズ6の形状を制御する。こうすることによって、最小の光出力で、IrDA1.1の放射パターンマスクに適合した放射強度分布を有する光源装置を得ることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、所定の光放射角度範囲で所定の光放射強度を呈する光源装置、および、それを用いた光通信システムに関する。
従来の光無線通信として、代表的なものに、IrDA(Infrared Data Association)がある。このIrDAでは、光源装置として発光ダイオード(LED)を用い、所定の光放射角度エリア内において所定値以上の光放射強度を呈する光信号でデータのやり取りを行うようにしている。
図14に、IrDA1.1あるいはIrDA1.3で用いられる放射パターンマスク(実線)と、実際の光源装置における放射強度‐角度分布(破線)(以下、放射強度分布と言う)を示す。先ず、図14に従って放射パターンマスクについて説明する。通信角度エリアは±15度以内と規格化されており、この範囲内で100mW/sr以上の放射強度が要求される。この100mW/srが、この通信を確保する最小受信感度に相当する。また、通信角度エリアが±30度以内では、通信を行っている端末間の延長上に存在する隠れ端末への干渉を避けるために、最大の放射強度は500mW/srに制限される。一方、±30度よりも離れた通信角度エリアでは、隣の光端末との干渉を避けるために最小受信感度を下回る放射強度に抑える必要があり、100mW/sr以下に制限される。
このようなIrDAに用いられるLED光源の放射パターン(つまり、放射強度分布)は、図14に破線で示すようなランバート分布と呼ばれる形状を有している。以下、ランバート分布について簡単に説明する。光出力P,指向半値角度θH(放射強度が最大放射強度の1/2となる放射角度)を有する光源の放射強度分布は、次のランバート分布L(θ)で表される。
Figure 2005209797
従来、上記指向半値角度θHは、上記通信角度エリアにおける角度15度程度に設定されている。
本願発明人等は、これまで、半導体レーザを光拡散によりアイセーフ化した、所謂アイセーフレーザを用いてIrDA用光源として供することを提案してきた(例えば、特許文献1(特開2003‐258353号公報)参照)。その場合、放射強度分布には、レーザ光の高コヒーレンス特有のスペックルが少なからず存在することが分かっていたが、全体としてその放射強度分布はLED同様ランバート分布になることが確認されており、指向半値角度θHをLED光源の場合と同様に15度程度に設定していた。ランバート分布において、上記放射パターンマスクを満たすには、指向半値角度θHは12.7度〜30度の範囲で設定可能であるが、消費電力を考慮して15度程度に設定されている。
しかしながら、上記従来のアイセーフレーザを用いたIrDA用光源には、以下のような問題がある。すなわち、光無線通信においても、今後更なる高速化が期待されている。そして、その際に、通信に必要とされる絶対光量の増大を招くことが予想される。一方において、通信可能距離をこれまでと同等以上に確保する必要がある。また、受信機サイズにおいても、これまでと同等サイズが要求されている。これらの条件を満たすためには、図2に示す放射パターンマスクにおける放射角度が±Θ以内での最小放射強度(In_min)の引き上げが求められる。その一方で、他の通信方式への干渉を防ぐためには、放射角度が±2Θ以内での最大放射強度(In_max)を引き上げることは困難である。同様の理由によって、放射角度が±2Θよりも外側での最大放射強度(Out_max)の値も、これまで通りの値に制限される。
例えば、有効受光径3mmの受信機を用いて100Mbpsの光無線通信を距離1mで行う場合には、送信機に対しては250mW/sr程度の放射強度が要求されることが分かっている。この場合、In_minのみを250mW/srにすると、(In_max)/(In_min)=2となり、これまでのように、光源の指向半値角度θHを放射角度Θ近辺に固定して使用すると、光軸上(θ=0)の放射がIn_maxを超えてしまうことになる。また、指向半値角度θHを広くしていくと、θ=2ΘでOut_maxを超えてしまうことになり、放射パターンを変更する必要が生ずる。
また、アイセーフレーザを発光素子として用いた場合、平均的な放射強度分布が放射パターンマスクを満たしたとしても、少なからず存在するスペックルの影響によって、局所的にIn_minを下回る、あるいは、In_maxを超えてしまうことが懸念される。このような、スペックルを含んだ光源に対する最適な放射強度分布については、これまで何ら検討されてはいない。
特開2003‐258353号公報
そこで、この発明の課題は、要求される光放射パターンを満たしつつ光出力を最小化できるスペックルを含む光源装置、および、それを用いた光通信システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明は、所定の光放射角度範囲において所定の光放射強度を必要とする光通信システムに供される光源装置であって、スペックルを生ずる発光素子と、上記発光素子からの放射光における放射角度と放射強度との関係を表わす放射パターンを,上記光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たすようなパターンになるように,スペックル量に応じて設定する放射パターン設定手段を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、上記放射パターン設定手段によって、上記発光素子からの放射光における放射パターンを設定することによって、半導体レーザのごとくスペックル量がLEDよりも大きな値を呈する発光素子を用いた場合であっても、適用される光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たすような放射パターンが得られる。
また、1実施例の光源装置では、上記光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を,放射角度±Θ内での放射強度がIn_min以上であり,且つ,放射角度±2Θ内での放射強度がIn_max以下であり,且つ,放射角度±2Θよりも外側での放射強度がOut_max以下であり,且つ,In_max/In_min=RおよびOut_max/In_min=rであるとし、上記スペックル量をsとした場合に、上記放射パターン設定手段によって設定される放射パターンは,光放射強度が最大光放射強度の1/2となる光放射角度を表わす指向半値角度θH
θH=cos-1(0.5(1/n))
Figure 2005209797
となるようなパターンである。
この実施例によれば、上記R,rおよびスペックル量sを考慮することによって、例えば、従来のIrDA用の放射パターンマスクに対して上記In_maxおよびOut_maxを変化させることなく上記In_minのみを大きくして、適用される光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たすような放射パターンを得ることができる。したがって、上記IrDAとの干渉を最小限に止めた新たな高速光通信システムにも適用可能な光源装置を得ることが可能になる。
また、1実施例の光源装置では、上記光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を放射角度±Θ内での放射強度が所定値以上であるとし、上記スペックル量をsとした場合に、上記放射パターン設定手段によって設定される放射パターンは,光放射強度が最大光放射強度の1/2となる光放射角度を表わす指向半値角度θH
θH=cos-1(0.5(1/n))
ここで、PP(1−s)(n+1)cosnΘ≧(n0+1)cosnΘ
PP>1
0=−1/(lncosΘ)−1
となるようなパターンである。
この実施例によれば、上記PPはパワーペナルティであり、上記発光素子が必要とする光出力と基準光出力との比を表している。ここで、上記基準光出力とは、適用される光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たし且つ光出力が最小となるような放射パターンの光出力である。したがって、上記発光素子のスペックル量sに応じて上記パワーペナルティPPの値を設定することによって、必要光出力を最小とする光源装置を得ることができる。
また、1実施例の光源装置では、上記放射パターン設定手段は,上記放射光が入射されるレンズであり、上記レンズの形状を設定することによって上記放射パターンが設定される。
この実施例によれば、上記レンズの形状を設定することによって、適用される光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たすように、上記発光素子からの放射光の放射パターンが設定される。
また、1実施例の光源装置では、上記放射光が入射されるレンズを備えると共に、上記放射パターン設定手段は,上記発光素子とレンズとの間に設けられて上記放射光の上記レンズへの入射位置を分散させる光入射位置分散手段である。
この実施例によれば、上記光入射位置分散手段で上記放射光の上記レンズへの入射位置を分散させることによって、適用される光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たすように、上記発光素子からの放射光の放射パターンが設定される。
また、1実施例の光源装置では、上記光入射位置分散手段は上記発光素子を覆う透明樹脂およびこの透明樹脂内に混入された光拡散剤であり、上記光拡散剤の濃度を設定することによって上記放射パターンが設定される。
この実施例によれば、上記光拡散剤の濃度を設定して上記放射光の上記レンズへの入射位置を分散させることによって、適用される光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たすように、上記発光素子からの放射光の放射パターンが設定される。
また、1実施例の光源装置では、上記光入射位置分散手段は光拡散板である。
この実施例によれば、上記光拡散板により上記放射光の上記レンズへの入射位置を分散させることによって、適用される光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たすように、上記発光素子からの放射光の放射パターンが設定される。
また、1実施例の光源装置では、上記放射光が入射されるレンズを備えると共に、上記放射パターン設定手段は,上記放射光の上記レンズと空気との界面への入射角度を分散させる光入射角度分散手段である。
この実施例によれば、上記光入射角度分散手段で上記放射光の上記レンズと空気との界面への入射角度を分散させることによって、適用される光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たすように、上記発光素子からの放射光の放射パターンが設定される。
また、1実施例の光源装置では、上記光入射角度分散手段は,上記レンズに混入された光拡散剤であり、上記光拡散剤の濃度を設定することによって上記放射パターンが設定される。
この実施例によれば、上記光拡散剤の濃度を設定して上記放射光の上記レンズと空気との界面への入射角度を分散させることによって、適用される光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たすように、上記発光素子からの放射光の放射パターンが設定される。
また、1実施例の光源装置では、上記放射パターン設定手段は、さらに、上記放射パターンを、最小の光出力を呈するパターンとなるように、上記スペックル量に応じて設定するようになっている。
この実施例によれば、上記放射パターン設定手段の機能によって、半導体レーザのごとくスペックル量がLEDよりも大きな値を呈する発光素子を用いた場合であっても、必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たすことができる。さらに、光出力を最小にすることができる。
また、1実施例の上記In_max/In_min=RおよびOut_max/In_min=rである光源装置では、上記Rの値が
2≦R≦3.5
である。
従来のIrDAとの干渉を最小限に止めるためには、上記In_minのみ変化させてIn_maxおよびOut_maxは変化させるべきではない。この実施例によれば、上記Rの値をIrDAの場合のR=5よりも小さい2≦R≦3.5としている。したがって、上記In_maxをIrDAの場合と同一にすると、放射角度±Θ内での最小放射強度In_minをIrDAの場合の1.4倍〜2.5倍にまで高めることが可能になる。すなわち、LEDよりも大きなスペックル量を有する半導体レーザ(上記アイセーフレーザ等)を用いた場合であっても、IrDAとの干渉を最小限に止めた高速光通信システム用の光源装置を提供することができる。
また、1実施例の上記In_max/In_min=RおよびOut_max/In_min=rである光源装置では、上記rの値が
0.4≦r≦0.7
である。
従来のIrDAとの干渉を最小限に止めるためには、上記In_minのみ変化させてIn_maxおよびOut_maxは変化させるべきではない。この実施例によれば、上記rの値をIrDAの場合のr=1より小さい0.4≦r≦0.7としている。したがって、上記Out_maxをIrDAの場合と同一にすると、放射角度±Θ内での最小放射強度In_minをIrDAの場合の1.4倍〜2.5倍にまで高めることが可能になる。すなわち、LEDよりも大きなスペックル量を有する半導体レーザ(上記アイセーフレーザ等)を用いた場合であっても、IrDAとの干渉を最小限に止めた高速光通信システム用の光源装置を提供することができる。
また、1実施例の上記In_max/In_min=RおよびOut_max/In_min=rである光源装置では、上記nは
Figure 2005209797
である。
この実施例によれば、上記パワーペナルティPPを最大にすることができる。
また、1実施例の光源装置では、上記PPの値は3よりも小さい。
一般的に、半導体レーザにおける電流‐光変換効率は、LEDよりも3倍〜4倍程度高い。この実施例によれば、上記パワーペナルティPPの値は3よりも小さくなっている。したがって、上記スペックル量がLEDよりも大きな半導体レーザを用いることによって上記基準光出力に対するペナルティが発生しても、LEDと同程度の光出力を得ることができる。
また、この発明の光通信システムは、この発明の光源装置を用いたことを特徴としている。
上記構成によれば、半導体レーザのごとくスペックル量がLEDよりも大きな値を呈する発光素子を用いた場合であっても、必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たすような放射パターンを得ることが可能な光源装置が用いられている。したがって、例えば、従来のIrDA用の放射パターンマスクに対して上記In_maxおよびOut_maxを変化させることなく上記In_minのみを大きくして、上記IrDAとの干渉を最小限に止めた新たな高速光通信システムを提供することが可能になる。
以上より明らかなように、この発明の光源装置は、スペックルを生ずる発光素子からの放射光の放射パターンを、放射パターン設定手段によってスペックル量に応じて設定するので、スペックル量がLEDよりも大きな半導体レーザを上記発光素子として用いた場合でも、適用される光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たすような放射パターンを得ることができる。
また、この発明の光通信システムは、この発明の光源装置を用いているので、例えば、従来のIrDA用の放射パターンマスクに対して上記In_maxおよびOut_maxを変化させることなく上記In_minのみを大きくした放射パターンマスクにも適合することができる。したがって、上記IrDAとの干渉を最小限に止めることができ、LEDよりも大きなスペックル量を有する半導体レーザを用いた高速光通信システムを提供することができる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は本実施の形態の光源装置における一例を示す断面図であり、図2は放射パターンマスクを示す図であり、図3は図1に示す光源装置の放射パターン、つまり放射強度分布図である。この発明は、スペックルを有する光源の指向半値角度の調整が目的であり、始めにこの発明で用いられるスペックルおよびスペックル量について説明する。
図3は、この発明の光源装置における放射強度分布の一例を示す。図中の細実線は、光源(レーザ素子)から1m離れた位置で開口2mmφの受光器で受光した際の放射強度分布であり、レーザのスペックル(ランダムな光の強度の変動)が見られる。同様に、太破線は、光源から1m離れた位置で開口20mmφの受光器で受光した際の放射強度分布である。この場合には、開口内でスペックルが合成され、強度変動の小さい分布が測定される。以下においては、前者(細実線)を単に放射強度分布(Intensity)と呼び、後者(太破線)を平均化放射強度分布(Averaged Intensity)と呼ぶことにする。
スペックルは、上述のように確率的な振る舞いをするので、開口径が小さい程大きく現れる。したがって、光通信システムを決定すると、その光通信システムにおいて現れ得る最大スペックルは、当該光通信システムの最大通信距離および最小受光サイズが決まることから一意に決定されることになる。例えば、IrDA1.1としては、受光器は2mmφ程度の受光面積を有するものが最小であって、通信距離は最大1mである。したがって、図3に細実線で示す放射強度分布の測定方法によって得られたスペックルは、本実施の形態の光源装置をIrDA1.1の光通信システムに採用した場合の受光器で受光された受光量の変動を意味しているのである。
さて、図4に、図3における放射強度と平均化放射強度との比を示す。この場合には、平均化放射強度分布が、ピーク値からこのピーク値の1/e2(eは自然対数の底≒2.718)までの放射角度の範囲のみを考慮している。これは、経験によれば、平均化放射強度分布がピーク値の1/e2よりも小さい領域においては、スペックルが小さくなる現象が見られるためである。
図4において、放射強度と平均化放射強度との比の値の分布における標準偏差に基づいてスペックル量を決定するのであるが、平均化放射強度分布がピーク値の1/e2を下回る領域までのデータを含むと上記標準偏差の値が小さくなり、実際に考慮したい角度範囲でのスペックル量を再現しないことになる。したがって、平均化放射強度分布がピーク値の1/e2を下回る領域を排除することによって、見かけ上のスペックルの低下を防ぐことができるのである。図4においては、明らかに、放射強度は平均化放射強度の周りに分布しており、その分布の仕方は確率事象であることが確認できる。実際に、放射強度と平均化放射強度との比の値の分布をヒストグラムとして表すと図5に示すようになる。図5によれば、放射強度と平均化放射強度との比の値はランダムな確率事象であり、正規分布している。このときの標準偏差(σ)は0.045である。また、先に、本願発明人等が提案した幾つかのアイセーフレーザに関してその放射強度と平均化放射強度との比を測定してみると、標準偏差はおよそ0.016〜0.10に分布していることが確認できる。
スペックル量sは、上記標準偏差σに対して3σ〜6σの範囲で決定する。スペックル量sを3σとすることによって、スペックル量s以上のスペックルが表れる確率は0.00135以下となる。また、スペックル量sを5σとすることによって、スペックル量s以上のスペックルが表れる確率を0.00000029以下にすることができる。このように、標準偏差σに3〜6の値を乗じた量をスペックル量sと言う。この値は、光通信システムによって異なることが考えられるが、通常5σ程度であると考えられる。本実施の形態においては、スペックル量s=5σと定義して、以下、各実施例について説明することにする。尚、以下、放射強度と平均化放射強度との比の値の分布における標準偏差σをスペックルの標準偏差と言う。
・第1実施の形態
(実施例1)
図1は、100Mbps光通信システム用の光源装置の断面図である。この光源装置は、ガラスエポキシ基板4上に所定角度の傾斜面と底面とを有するザグリ穴5が形成され、その内部の上記底面上には半導体レーザ1が実装されている。ザグリ穴5の底面および傾斜面からガラスエポキシ基板4の上面にかけて、半導体レーザ1の下部電極用パッドとなる配線パターン7が形成されると共に、金メッキが施されて光反射部ともなっている。半導体レーザ1の上部電極(図示せず)とガラスエポキシ基板4の上面に形成された上部電極用パッド8とが、金ワイヤ3によって接続されている。そして、上部電極用パッド8から、配線パターン7へ通電することによって、半導体レーザ1が発光して、半導体レーザ1の端面から放射光2が放射される。
上記ザグリ穴5の内部には、光拡散剤(本実施例1においてはアクリル)を重量比率1%程度含有したゲル状あるいはゴム状のシリコン樹脂9が充填してある。したがって、レーザ光2は、ザグリ穴5内でランダムな方向へ散乱されて、シリコン樹脂9から出射される際には100μm程度の広がりを有する光束となる。サグリ穴5およびその両側におけるシリコン樹脂9の上面にはエポキシ樹脂からなるレンズ6が形成されており、半導体レーザ1からの出射光は上記光反射部で反射され、レンズ6を経て空間へ放射される。その際に、レンズ6の直径は3.5mmであり、上述した光束の広がり100μmに比べて30倍以上大きくなっている。したがって、放射強度パターンは、レンズ6によって良く制御されることになる。実際に、半球のエポキシ樹脂で成るレンズ6の曲率を調整することによって、指向半値角度θHが18.5度(θH=0.32rad)であり、上記スペックルの標準偏差σがσ=0.09であり、スペックル量sがs=5×σ=0.45である光源装置を得ることができた。尚、スペックル量sは上記出射光の拡散程度によって変化させることができる。本実施例の場合には、拡散剤(アクリル)の濃度が薄く比較的大きなスペックルとなっている。
図1に示すような構成を有し、上述のような特性を有する光源装置を上記IrDA1.1に適用した場合について説明する。IrDA1.1においては、背景技術において説明したように、図14に示すような放射パターンマスクが要求される。その場合、本光源装置が満たすべき光出力の条件は、以下のようになる。
先ず、通信角度が±15度(±0.26rad)以内における放射強度が100mW/srを下回らないようにするための条件は、上述したランバート分布L(θ)の式より、不等式
Figure 2005209797
が成立することである。また、光軸上における放射強度が500mW/srを超えないための条件は、不等式
Figure 2005209797
が成立することである。
したがって、上記光源装置に必要な光出力pは、s=0.45であるから、
128mW≦p≦154mW
となる。すなわち、上記光源装置における光出力pを、上記範囲内で調整することによって、IrDA1.1の放射パターンマスクを逸脱しない光源装置を提供することができるのである。
(比較例1)
実施例1の場合と同様にIrDA1.1に適用されると共に、スペックル量s=0.45となる光源装置であって、レンズ6の曲率が従来のように指向半値角度θHが15度となるような形状である場合の比較例について述べる。
この場合、通信角度エリアが±15度内における放射強度が100mW/srを下回らないようにするためには、光出力pとして109mW以上が要求される。ところが、その場合には、光軸上における放射強度が最大で530mW/srとなってしまい、IrDA1.1用の光源として用いることができないのである。
図6は、上記実施例1および比較例1におけるスペックル量sと指向半値角度θHとをプロットしたものである。図6において、縦軸は指向半値角度θHを通信角度(図2におけるΘ、実施例1および比較例1では15度)で除した値である。図中の太線は、R=2,R=3.5,R=5およびr=0.4,r=0.7,r=1の場合に、上記放射パターンマスクから規定される指向半値角度θHの範囲を表示したものである。ここで、R=(In_max)/(In_min)であり、r=(Out_max)/(In_min)である。但し、「In_max」は最大放射強度であり、「In_min」は放射角度が±Θ以内での最小放射強度であり、「Out_max」は放射角度が±2Θよりも外側での最大放射強度である。
ここで、上記指向半値角度θHとスペックル量sとの関係式は、次のようにして導き出される。すなわち、図2に示す放射パターンマスク内に上述したランバート分布L(θ)(図2に点線で示す曲線)が収まる条件は、式(1)〜式(3)の3つの不等式で表される。
Figure 2005209797
但し、Pは光出力
ここで、式(1)と式(2)とを組み合わせてnについて解くと、
Figure 2005209797
となる。さらに、式(1)と式(3)とを組み合わせてnについて解くと、
Figure 2005209797
となる。
また、放射角度0での放射強度は指向半値角度θHでの放射強度の2倍であるから、ランバート分布L(θ)の式より、式(8)
Figure 2005209797
が得られる。これより、
1=2・cosnθH …(9)
となるため、式(9)を解いて
θH=cos-1(0.5(1/n)) …(10)
が得られる。また、その場合におけるnの範囲は、式(5)と式(7)とから、
Figure 2005209797
となる。
ところで、実施例1の場合にはIrDA1.1の放射パターンマスクを用いている。したがって、R=5の太実線およびr=1の太実線の内側が適合範囲である。これにより、スペックル量sが0.58を超えるような場合には、IrDA1.1に適用可能な光源装置は得られないことが分かる。
従来のようにLEDを用いた光源装置においては、スペックル量sは0.05以下であり、指向半値角度θHの許容範囲は広い。そのために、指向半値角度θHは任意に設定できると言っても過言では無い。その際に、最小限の光出力で放射パターンマスクの要件を達成するために、0.85<指向半値角度/通信角度<1にすることが望ましい。
一方、本実施例1のごとく上記スペックル量sが0.05よりも大きいスペックルを有する光源装置の場合には、スペックル量sに応じた指向半値角度θHになるように、光源の放射強度分布を設定する必要がある。そこで、本実施例1においては、スペックル量sに応じた指向半値角度θHになるような放射強度分布の制御を、上記放射パターン設定手段であるレンズ6の形状を制御することによって行うのである。例えば、図7に示すように、エポキシ製のレンズ6のガラスエポキシ基板4表面からの高さを、図1の構造に比して抑えた構造にした場合には、図1の構造の場合よりも更に指向半値角度θHを広くすることが可能である。尚、図7においては、図1と同じ機能を有する部材には図1と同一の番号を付している。
以上のごとく、本実施例1においては、出射光の拡散程度が小さく大きなスペックル量sを呈する半導体レーザ1を用いた光源装置を上記IrDA1.1に適用するに際して、図6に示すごとくIrDA1.1のRおよびrに応じて求められたスペックル量sと指向半値角度θH/通信角度との関係から、上記スペックル量sに応じた指向半値角度θHになるように、シリコン樹脂9に光拡散剤を含有させると共に、エポキシ製のレンズ6の形状を制御するようにしている。したがって、最小の光出力で、IrDA1.1の放射パターンマスクに適合した放射強度分布を有する光源装置を得ることができるのである。
(実施例2)
本実施例は、実施例1で用いたIrDAとは異なる100Mbpsの通信速度を有する光通信モジュールに適用される光源装置の例である。ここで、本実施例において用いられる光通信モジュールは、放射パターンマスクが、±15度以内での最小放射強度(In_min)=250mW/sr、最大放射強度(In_max)=500mW/sr、±30度よりも外側での最大放射強度(Out_max)=100mW/sr、R=(In_max)/(In_min)=2、r=(Out_max)/(In_min)=0.4である光通信モジュールである。
100Mbps通信の場合には、受光器の大きさにも依存するが光源側の放射強度として250mW/srが要求される。本実施例の場合、受光器(図示しない)の有効受光直径は3mmであり、光源装置の構成は図1に示す半球のレンズ6を用いた実施例1の場合と略同じである。したがって、本実施例について、実施例1の場合と同様に図1を用いて説明する。
本実施例と図1に示す実施例1との差異は、上記ザグリ穴5内に充填されたシリコン樹脂9に、光散乱剤が高濃度(重量比率5%)に含まれていることである。したがって、この場合、シリコン樹脂9から出射される光線の空間広がりは500μmに及ぶ。同時に、ザグリ穴5内での散乱回数が増すことによって、スペックル量の低減が実現できることになる。本実施例の場合は、スペックルの標準偏差はσ=0.02であり、スペックル量はs=0.1である。この場合、ザグリ穴5直後での光分布の広がりが、放射強度分布を広げる効果を有している。その結果、光源の指向半値角度θHを19.5度に設定することができる。
すなわち、本実施の形態においては、上記シリコン樹脂9に含有された光拡散剤によって上記光入射位置分散手段を構成し、レンズ6によって上記放射パターン設定手段を構成しているのである。
本実施例におけるスペックル量sと指向半値角度/通信角度とを、実施例1の場合と同様に図6にプロットする。本光源装置に最適な電流を注入することによって、光出力220mWが得られ、この時、±15度以内での最小放射強度>250mW/sr、光軸上最大放射強度<500mW/sr、±30度よりも外側での最大放射強度<100mW/srの放射強度分布を持つ光源が得られた。この場合、R=(In_max)/(In_min)=2およびr=(Out_max)/(In_min)=0.4であり、図6から分かるように、スペックル量sと指向半値角度/通信角度とは、R=2の太点線およびr=0.4の太破線の内側にあり、本実施例2で用いる100Mbpsの通信速度を有する光通信モジュール用の放射パターンマスクの適合範囲内にあることが分かる。これにより、本光源装置の通信エリア外に存在する光端末に干渉することなく(つまり、IrDAとの干渉を最小限に止めて)、100Mbpsという高速通信をこれまでと同じ通信カバーエリアを確保しつつ実現することができるのである。
本実施例2の光源装置においては、上記スペックル量sは0.1であり、そのために、IrDAではない100Mbps用の光通信モジュールに用いる場合には、指向半値角度θHは通信角度Θの1.2倍以上に限定されることが明らかになった。その場合、本実施例2では、シリコン樹脂9に含まれる光散乱剤の濃度を制御してレンズ6の内側に存在する光線の空間広がりを拡大/縮小することによって、指向半値角度θHを上述の範囲に入るように制御できることを例示している。
基地局等の屋外で本実施例2の光源装置を用いた場合、温度差が室内に比べて大きく、本光源装置の光出力が変動する。その結果、光出力のばらつきが問題となる。ここで、光出力のばらつきを許容できる指向半値角度θHは放射パターンマスク形状に依存するが、その中でもでき得る限り多くのばらつきを許容できる指向半値角度θH(以下、θHmaxと言う)で製造することが望ましい。
図8に、r/Rに対するθHmaxの関係を示す。図中、実線は通信角度が10度(Θ=0.17rad)の場合を示し、破線は通信角度が15度(Θ=0.26rad)の場合を示し、一点鎖線は通信角度が30度(Θ=0.52rad)の場合を示す。但し、θHmaxは、適用される光通信システムが要求する放射パターンマスクによって、上記実施例1で算出した式(10)と式(11)とで表される指向半値角度θHの範囲内にのみ存在する。
図8より、何れの通信角度の場合も、r/Rが大きくなるとθHmaxの値も増大することが分かる。そして、θHmaxの値は、例えばr/R=0.5の場合は、Θ=0.17rad(10度)でθHmax=0.35rad(20度)であり、Θ=0.26rad(15度)でθHmax=0.52rad(30度)であり、Θ=0.52rad(30度)でθHmax=1.05(60度)である。また、許容できるばらつきの量は上述の式から分かるようにスペックル量sに依存し、スペックル量sが多い程許容量(つまり、nの範囲)は少なくなる。本実施例2は、Θ=0.26rad(15度)、r/R=0.2(In_max=500mW/sr,Out_max=100mW/sr)の場合に相当する。
図9に、本実施例2のスペックル量s=0.1における各指向半値角度/通信角度に対するパワーペナルティPPを示す。ここで、パワーペナルティPPとは、適用される光通信システムの放射パターンマスクに適合する放射強度分布であり、且つ、光出力が最小となる放射強度分布の光出力を、基準光出力とした場合に、光源装置の光出力と上記基準光出力との比である。図中、3本の曲線は光出力の放射パターンマスクによる限界を示しており、実線は放射角度±Θ(±15度)以内での最小放射強度In_min(250mW/sr)であり、破線は放射角度±2Θ(±30度)以内での最大放射強度In_max(500mW/sr)であり、一点鎖線は放射角度±2Θ(±30度)より外側での最大放射強度Out_max(100mW/sr)である。図9より、本実施例2において指向半値角度/通信角度およびパワーペナルティPPの取り得る範囲は、上記3本の曲線で囲まれた領域(指向半値角度/通信角度は1.19〜1.39,パワーペナルティPPは1.26〜1.56)である。特に、指向半値角度/通信角度が1.33(指向半値角度θH:約20度)の場合に最もばらつきに対する余裕度が高く、パワーペナルティPPは1.41〜1.56までの0.15分だけ許容できる。
したがって、上記スペックル量sが0.1である本実施例2の場合には、温度変化によるパワー変動を考慮して、指向半値角度θHが約20度になるように作製することが望ましいと言える。尚、本実施例2においては、先に述べたように、シリコン樹脂9に含まれる光散乱剤の濃度を重量比率5%にして指向半値角度θHが19.5度(≒20度)に設定されている。したがって、光出力のばらつきに対して望ましい指向半値角度θHを有する光源装置であることが分かる。
次に、上記パワーペナルティPPの値を最大にする放射強度分布について説明する。図9から、上記最大放射強度In_maxの曲線と最大放射強度Out_maxの曲線との交点での指向半値角度/通信角度で光源装置を作成した場合、パワーペナルティPPの許容量を最大にすることができる。そして、上記交点を与えるような放射強度分布が、パワーペナルティPPの値を最大にする放射強度分布となるのである。
上記交点を与える放射強度分布は、放射角度0と放射角度2Θとにおいて放射パターンマスクに接するような放射強度分布である。したがって、このような放射強度分布は、ランバート分布L(θ)の式より、式(12)と式(13)とを満たすことになる。
Figure 2005209797
この式(12)と式(13)とを連立させて解くことによって、上記交点を与える放射強度分布を規定する「n」を求めることができる。つまり、式(12)から
Figure 2005209797
が得られ、この式(14)と式(13)とからnを求めると、
Figure 2005209797
となる。すなわち、式(10)と式(15)とで表される放射強度分布が、放射角度±Θ以内での放射強度がIn_min以上であり、放射角度±Θ内での放射強度がIn_min以上であり、放射角度±2Θ内での放射強度がIn_max以下であり、放射角度±2Θよりも外側での放射強度がOut_max以下であり、In_max/In_min=RおよびOut_max/In_min=rである放射パターンマスクに適合し、且つ、パワーペナルティPPの値を最大にする放射強度分布である。
・第2実施の形態
(実施例3)
図10は、実施例3における光源装置の断面図である。この光源装置は、上記IrDA1.1用の光源として供される。図10において、半導体レーザ11,金ワイヤ13,ガラスエポキシ基板14,ザグリ穴15,配線パターン17および上部電極用パッド18は、図1に示す上記第1実施の形態の光源装置における半導体レーザ1,金ワイヤ3,ガラスエポキシ基板4,ザグリ穴5,配線パターン7および上部電極用パッド8と同じである。
本実施例2におけるシリコン樹脂19にはアクリル等の光拡散剤は含まれていない。その代わりに、エポキシ樹脂で構成された半球のレンズ16に光拡散剤を混入させている。この場合、光拡散剤が混入される母剤が異なるため当然ながら散乱剤そのものも代わり、エポキシ樹脂中には、シリカ粒子等を適度に添加することによって光散乱を最適化できるのである。
すなわち、本実施例3においては、上記レンズ16に含有された光拡散剤によって、上記光入射角度分散手段を構成しているのである。
本実施例3におけるレンズ16は、光散乱剤がない場合に、レンズ16から放射されるレーザ光は光軸に略平行な光線になるように構成されている。つまり、散乱剤がない場合における指向半値角度θHは0度になっている。これに対して、レンズ16内部に散乱剤を添加することによって、レンズ16の界面(エポキシ樹脂と空気との界面)に入射する光線の角度分布をある幅で分散させることができる。そして、この分散によって、レンズ16から空気中へ放射される光線の放射強度分布は指向半値角度θH(≒0)のランバート分布とすることが可能となり、指向半値角度θHは上記散乱剤の濃度を調整することで変更可能となる。尚、本実施例3においては、1回の散乱での平均散乱角度が小さい散乱剤を用いている。この場合、散乱角度の余弦の平均値で表される散乱因子gの値は0.9以上である。
上記構成を有する本実施例3における光源装置のスペックル量sは0.25であり、指向半値角度θHは12.7度である。本実施例におけるスペックル量sと指向半値角度/通信角度とを、第1実施の形態の場合と同様に図6にプロットしている。図6から分かるように、スペックル量sと指向半値角度/通信角度とは、本実施例3で用いるIrDA1.1用の放射パターンマスク(R=5,r=1)に適合している。
尚、図6において、縦軸上に示されるPP=1の「+」点は、通信角度の範囲内において、光出力を最小にする指向半値角度θHを示している。つまり、通信角度が±15度である場合には、指向半値角度θHは12.7度で光の利用効率が最大になる。半導体レーザを用いる場合には上記スペックルが発生し、そのスペックル量sに応じて必要パワーが増大する。そして、PP=1.26の線で囲まれた領域での必要光出力は、PP=1である場合の光出力を基準光出力として、必要光出力<(1.26×基準光出力)となる。以下、同様に、PP=2,PP=3.16の各線で囲まれた領域内において必要光出力の夫々は、上記基準光出力の2倍,3.16倍を下回る値となる。そして、各PP=1.26,2,3.16において、指向半値角度θHが12.7度でスペックル量sが最大となる。つまり、スペックルに対する許容範囲が最大となる。
ここで、上記パワーペナルティPPと指向半値角度θHとスペックル量sとの関係を表す式は、次のようにして導き出される。すなわち、放射角度Θで放射パターンマスクに接する放射強度分布(基準放射強度分布)は実際の光源装置における放射強度分布よりも下回ることから、基準放射強度分布の光出力をP0とし、上記nをn0とすると、式(16)
Figure 2005209797
が得られる。また、パワーペナルティPPの定義からP/P0=PP(>1)である。したがって、式(16)は式(17)のごとく変形できる。
PP(1−s)(n+1)cosnΘ≧(n0+1)cosnΘ…(17)
また、上記n0は、基準放射強度分布の光出力P0が最小になるように設定する必要がある。そこで、放射角度Θにおける放射強度をI0とすると、
Figure 2005209797
となる。したがって、式(18)において、P0を最小にするようなn0を求めればよいことになる。つまり、次式(19)
Figure 2005209797
=0 …(19)
をn0に付いて解けば、式(18)においてP0を最小にするn0が次式(20)のごとく求められる。
0=−1/(lncosΘ)−1 …(20)
すなわち、上記パワーペナルティPPと指向半値角度θHとスペックル量sとの関係は式(17)で表され、その場合の「n0」は式(20)で表されるのである。
ところで、消費電力の観点から、光出力はできるだけ低い方が望ましい。また、スペックルに対する許容範囲はできるだけ大きい方が望ましい。この考え方に基づいて、本実施例3においては、指向半値角度θHが12.7度になるように、レンズ16に混入される散乱剤の濃度を調節している。したがって、IrDA1.1の放射パターンマスクに適合すると共に、上記基準光出力の1.3倍程度の低い光出力の光源装置を得ることが可能になるのである。
一般的に、半導体レーザにおける電流‐光変換効率は、LEDよりも3倍〜4倍程度高い。したがって、スペックルを含むことによって上記基準光出力に対するペナルティが発生しても、そのペナルティの値が3以下程度であれば半導体レーザを用いることの優位性は揺らぐ事は無いのである。
図11および図12は、上記実施例1〜実施例3とは異なる光源装置の断面を示す。図11に示す光源装置において、金ワイヤ23,ガラスエポキシ基板24,ザグリ穴25,レンズ26,配線パターン27,上部電極用パッド28およびシリコン樹脂29は、図1に示す上記第1実施の形態の光源装置における金ワイヤ3,ガラスエポキシ基板4,ザグリ穴5,レンズ6,配線パターン7,上部電極用パッド8およびシリコン樹脂9と同じである。但し、レンズ26の中心軸は、ザグリ穴25の中心軸と同軸になっている。
半導体レーザ21は、その両端面から放射光22aおよび放射光22bを出射するようになっている。このことにより、シリコン樹脂29に混入される光散乱剤の濃度を上記実施例1の重量比率1%程度から上げることなく、シリコン樹脂29からの出射光線の空間広がりを拡大することができるのである。シリコン樹脂29やレンズ26に対する高濃度の散乱剤の添加は光吸収に繋がるため、上述のように上記散乱剤の濃度は低濃度の方が好ましい。また、レンズ26の中心軸とザグリ穴25の中心軸とが同軸である構成になっている。したがって、半導体レーザ21は何れの方向を向いていてもレンズ26の中心軸に対する出射光の位置が同じになり、上記実施例1〜実施例3の場合のように、レンズ6,16の中心軸に対する出射光の位置を合わせるために半導体レーザ1,11のチップを面内で回転させる等の製作上の問題が発生することがない。したがって、上記実施例1〜実施例3の場合に比して歩留まりが向上すると言う全く別の効果を奏することができるのである。尚、図11におけるレンズ26には光拡散剤が含まれていないが、光拡散剤を含んでいても差し支えない。
図12に示す光源装置において、金ワイヤ33,ガラスエポキシ基板34,ザグリ穴35,配線パターン37,上部電極用パッド38およびシリコン樹脂39は、図1に示す上記第1実施の形態の光源装置における金ワイヤ3,ガラスエポキシ基板4,ザグリ穴5,配線パターン7,上部電極用パッド8およびシリコン樹脂9と同じである。また、半導体レーザ31は、図11における半導体レーザ21の場合と同様に、両端面から放射光32aおよび放射光32bを出射する。また、レンズ36は、図11におけるレンズ26の場合と同様に、ザグリ穴35の中心軸と同軸の中心軸を有している。
本光源装置では、上記シリコン樹脂39とレンズ36との間に、上記光入射位置分散手段としての光拡散板40を配置している。この光拡散板40は、光線の空間広がりを拡大させる機能を有しており、上記実施例1〜実施例3の場合と同様に、指向半値角度θHの調整に用いることができる。尚、図12におけるレンズ26およびシリコン樹脂39には光拡散剤が含まれてはいないが、光拡散剤を含んでいても差し支えない。
尚、上記実施例1〜実施例3では、図6において、上記通信角度が±15度の場合におけるスペックル量sと指向半値角度/通信角度との関係を示している。図13には、上記通信角度が±30度の場合におけるスペックル量sと指向半値角度/通信角度との関係を示す。図6および図13より、上記通信角度が広くなると、通信角度よりも外側の領域における放射パターンマスク(r=1,0.7,0.4で示される線)が指向半値角度θHの設定に影響を与えないことが分かる。これに対して、通信角度が±15度である場合には、指向半値角度θHの許容範囲が大幅に狭められていることが確認できる。
以上述べたごとく、上記各実施の形態によれば、IrDAに用いられるLEDよりもスペックル量が大きい半導体レーザを、R=5およびr=1であるIrDAや2≦R≦3.5および0.4≦r≦0.7である100Mbpsの高速光通信モジュールに用いることが可能になる。したがって、これまで人が存在する空間で使用することができなかった半導体レーザを、高速光無線通信システムの光源として適用することができる。その結果、上記各実施例の光源装置を用いた光無線通信システムを、パソコンや携帯端末(PDA(パーソナル・ディジタル・アシスタント),携帯電話)等へ搭載することによって、LEDを用いる場合に比して低消費電力であってより短時間に動画等の大容量のデータを転送することができると共に持ち運ぶことができるのである。
この発明の光源装置における一例を示す断面図である。 放射パターンマスクを示す図である。 図1に示す光源装置の放射強度分布を示す図である。 図3における放射強度と平均化放射強度との比を示す図である。 図4に示す放射強度と平均化放射強度との比の値のヒストグラムである。 通信角度が±15度の場合におけるスペックル量と指向半値角度/通信角度との関係を示す図である。 図1に示す光源装置におけるレンズ形状変更の説明図である。 図1に示す光源装置におけるr/RとθHmaxとの関係を示す図である。 図1に示す光源装置におけるスペックル量が0.1である場合の指向半値角度/通信角度とパワーペナルティとの関係を示す図である。 図1とは異なる光源装置の断面図である。 図1および図10とは異なる光源装置の断面図である。 図1,図10および図11とは異なる光源装置の断面図である。 通信角度が±30度の場合におけるスペックル量と指向半値角度/通信角度との関係を示す図である。 IrDA1.1またはIrDA1.3用の放射パターンマスクと光源装置の放射強度分布とを示す図である。
符号の説明
1,11,21,31…半導体レーザ、
2,12,22a,22b,32a,32b…放射光、
3,13,23,33…金ワイヤ、
4,14,24,34…ガラスエポキシ基板、
5,15,25,35…ザグリ穴、
6,16,26,36…レンズ、
7,17,27,37…配線パターン、
8,18,28,38…上部電極用パッド、
9,19,29,39…シリコン樹脂、
40…光拡散板。

Claims (15)

  1. 所定の光放射角度範囲において所定の光放射強度を必要とする光通信システムに供される光源装置であって、
    スペックルを生ずる発光素子と、
    上記発光素子からの放射光における放射角度と放射強度との関係を表わす放射パターンを、上記光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を満たすようなパターンになるように、スペックル量に応じて設定する放射パターン設定手段
    を備えたことを特徴とする光源装置。
  2. 請求項1に記載の光源装置において、
    上記光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を、放射角度±Θ内での放射強度がIn_min以上であり、且つ、放射角度±2Θ内での放射強度がIn_max以下であり、且つ、放射角度±2Θより外側での放射強度がOut_max以下であり、且つ、In_max/In_min=RおよびOut_max/In_min=rであるとし、
    上記スペックル量をsとした場合に、
    上記放射パターン設定手段によって設定される放射パターンは、光放射強度が最大光放射強度の1/2となる光放射角度を表わす指向半値角度θH
    θH=cos-1(0.5(1/n))
    Figure 2005209797
    となるようなパターンである
    ことを特徴とする光源装置。
  3. 請求項1に記載の光源装置において、
    上記光通信システムが必要とする所定の光放射角度範囲での光放射強度を、放射角度±Θ内での放射強度が所定値以上であるとし、
    上記スペックル量をsとした場合に、
    上記放射パターン設定手段によって設定される放射パターンは、光放射強度が最大光放射強度の1/2となる光放射角度を表わす指向半値角度θH
    θH=cos-1(0.5(1/n))
    ここで、PP(1−s)(n+1)cosnΘ≧(n0+1)cosnΘ
    PP>1
    0=−1/(lncosΘ)−1
    となるようなパターンである
    ことを特徴とする光源装置。
  4. 請求項1に記載の光源装置において、
    上記放射パターン設定手段は、上記放射光が入射されるレンズであり、
    上記レンズの形状を設定することによって上記放射パターンが設定される
    ことを特長とする光源装置。
  5. 請求項1に記載の光源装置において、
    上記放射光が入射されるレンズを備えると共に、
    上記放射パターン設定手段は、上記発光素子とレンズとの間に設けられて、上記放射光の上記レンズへの入射位置を分散させる光入射位置分散手段である
    ことを特長とする光源装置。
  6. 請求項5に記載の光源装置において、
    上記光入射位置分散手段は、上記発光素子を覆う透明樹脂およびこの透明樹脂内に混入された光拡散剤であり、
    上記光拡散剤の濃度を設定することによって上記放射パターンが設定される
    ことを特長とする光源装置。
  7. 請求項5に記載の光源装置において、
    上記光入射位置分散手段は、光拡散板である
    ことを特長とする光源装置。
  8. 請求項1に記載の光源装置において、
    上記放射光が入射されるレンズを備えると共に、
    上記放射パターン設定手段は、上記放射光の上記レンズと空気との界面への入射角度を分散させる光入射角度分散手段である
    ことを特長とする光源装置。
  9. 請求項8に記載の光源装置において、
    上記光入射角度分散手段は、上記レンズに混入された光拡散剤であり、
    上記光拡散剤の濃度を設定することによって上記放射パターンが設定される
    ことを特長とする光源装置。
  10. 請求項1に記載の光源装置において、
    上記放射パターン設定手段は、さらに、上記放射パターンを、最小の光出力を呈するパターンとなるように、上記スペックル量に応じて設定するようになっている
    ことを特徴とする光源装置。
  11. 請求項2に記載の光源装置において、
    上記Rの値が
    2≦R≦3.5
    である
    ことを特徴とする光源装置。
  12. 請求項2に記載の光源装置において、
    上記rの値が
    0.4≦r≦0.7
    である
    ことを特徴とする光源装置。
  13. 請求項2に記載の光源装置において、
    上記nは
    Figure 2005209797
    である
    ことを特徴とする光源装置。
  14. 請求項3に記載の光源装置において、
    上記PPの値は3よりも小さい
    ことを特徴とする光源装置。
  15. 請求項1に記載の光源装置を用いたことを特徴とする光通信システム。
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