JP2003100857A - クリーンストッカー - Google Patents

クリーンストッカー

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JP2003100857A JP2001291740A JP2001291740A JP2003100857A JP 2003100857 A JP2003100857 A JP 2003100857A JP 2001291740 A JP2001291740 A JP 2001291740A JP 2001291740 A JP2001291740 A JP 2001291740A JP 2003100857 A JP2003100857 A JP 2003100857A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーンストッカー内部の空気を清浄に保つ
ことができるクリーンストッカーを提供する。 【解決手段】電子部品材料またはその加工品を収納す
る、実質的に密閉可能な収納室2を有し、収納室2に関
連させて送風室3と戻し風室4が設けられ、かつ送風室
3には空気中の微粒子を除去する微粒子除去部10と、
空気中の化学汚染物質を除去する化学汚染物質除去部1
1が配置され、送風機17aからの送風が微粒子除去部
10のみ、または化学汚染物質除去部11と微粒子除去
部10との切替制御を行い、収納室2および戻し風室4
を経て収納室2に循環する構成にして、収納室2の清浄
度をより良い環境にし、電子部品材料またはその加工品
の不良を極限に抑えるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品材料又はそ
の加工品を収納するクリーンストッ力ーに係り、特に、
半導体、液晶表示パネルの加工材料を収納するクリーン
ストッカーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のクリーンストッカーは、
特開平11−238787号公報に記載されているよう
に、送風手段を有しつつ、実質的に密閉されるか,又は
一部が外気と置換される循環風路と、その循環風路に介
在し、開閉可能な扉を有する半導体ウエハー等の収納部
と、前記循環風路に介在し、循環気体中の微粒子を除去
する微粒子除去部と、前記循環路に介在し、循環気体中
の化学汚染物質を除去する化学汚染物質除去部と循環気
体の温度上昇を抑制する温度維持機構とを備えたものが
ある。また、特開2000−25912号公報に記載さ
れているような多段式で送風が鉛直方向のものが一般的
であった。この装置は図8、図9、図10にも示されて
いるように、中央の移戴ロボットの両側に多段収納棚を
配置し、半導体、液晶表示パネルの加工材料を枚葉式の
カセットに収納し、そのカセットは空気の流れを保つ開
口をもった仕切り板の上に収納され、最上部全面にファ
ン・フィルターユニットを配置して、清浄空気を吹き出
させ、そして、各収納棚段下部の前記仕切り板の下に各
々ファン・フイルターユニットを設置して各棚段下部で
空気を吸込むと同時にその下の段に清浄空気を吹出すよ
うになし、収納棚側面はパーテーションによって外部の
環境とを遼断するように構成されており、各段の清浄空
気吹出し速度を揃えることにより、前記力セットの収納
部では各段上部のファン・フイルターユニットから鉛直
層流で送風をし、清浄度を保持するようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
クリーンストッカーでは隅部の禍流の停滞部分に微粒子
(例えば、パーティクル)及び有機性等の化学汚染物質
が残留し、送風室、収納室および戻し風室を構成する部
材の重ね合せ部やネジ締結部等の隙間部からの空気の漏
れは、クリーンストッカー内の空気の清浄化を阻害して
いた。
【0004】そして、クリーンストッカーは、製造工程
中の半導体、液晶表示パネルの加工材料を一時的に保管
するものであって、各加工工程とクリーンストッカーの
間を半導体、液晶表示パネルの加工材料が数十回と往来
し、各加工工程では、有機性のガス又は無機性のガス
(総称して「化学物質」という。)や高純度の酸・アル
カリ薬液等を使用して製品化されていく。
【0005】また、クリーンストッカーは半導体、液晶
表示パネルの加工材料を枚葉式のカセットに収納するが
同時に各加工工程での使用される無機性のガス又は、有
機性のガスの微粒分子も含まれる。(総称して「化学汚
染物質」という。)しかして、上記した特開平11−2
38787号公報及び特開2000−25912号公報
に記載されているようなクリーンストッカーでは、浮遊
している化学汚染物質が、長い時間保管された電子部品
材料またはその加工品(例えば、半導体ウエハーや液晶
表示パネルの加工材料等)の表面に付着して不良品の原
因となり歩留まりも悪かった。いわば、クリーンストッ
カーの清浄度もパーティクルカウンターでカウントでき
ない化学物質の残留による化学汚染物質が原因で悪くな
っていた。
【0006】さらに、クリーンストッカー内の封止材
(例えば、低分子シロキサン)が微量だが揮散し収納時
間の長い電子部品材料またはその加工品(例えば、半導
体ウエハーや液晶表示パネルの加工材料等)に付着して
不良品の原因となり、クリーンストッカーの清浄度も封
止材(例えば、低分子シロキサンの残留微粒子)の浮遊
が原因で悪くなるものであった。
【0007】そこで、本発明の課題は、上述した従来の
各不都合を解消しようとしたもので、清浄な空気を保ち
得るクリーンストッカーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に本願発明の第1の発明は、電子部品材料またはその加
工品を収納するクリーンストッカーであって、該クリー
ンストッカーは、送風室、収納室、および戻し風室で構
成し、かつ前記送風室、前記収納室には、空気中の微粒
子を除去する微粒子除去部と、空気中の化学汚染物質を
除去する化学汚染物質除去部とが前記クリーンストッカ
ーを仕切って配置され、前記送風室からの送風が前記収
納室内の前記微粒子除去部、前記化学汚染物質除去部、
および前記戻し風室を経て前記送風室に戻って循環する
構成において、前記送風機からの送風が前記化学汚染物
質を除去する化学汚染物質除去部と前記微粒子を除去す
る微粒子除去部を通過させる前記送風機の運転制御、及
び微粒子を除去する前記微粒子除去部のみを通過させる
前記送風機の運転制御をなし、かつ前記送風室、前記収
納室および前記戻し風室を隙問のない様に封止材で形成
し、前記封止材から硬化後に揮散する低分子の化学汚染
物質を抑制するために揮発性の良い高純度のアルコール
水溶液で前記封止材表面に塗布し、前記アルコール水溶
液からの水分とアルコールの揮発性を利用して、前記封
止材表面を水分により硬化を促進するとともに、アルコ
ールの揮発性により、封止材の低分子を一緒に揮発させ
るとともに、封止材表面を硬化させることによって、封
止材内部からの封止材の低分子の拡散による表面への移
動を抑制することをを要旨としたものである。
【0009】上記した第1の発明にあっては、収納室に
関連させて前記送風室と、前記戻し風室が設けられ、か
つ前記送風室には空気中の微粒子(例えば、パーティク
ル)を除去するための微粒子除去部と空気中の化学汚染
物質を除去する化学汚染物質除去部が配置され、送風機
からの送風が前記化学汚染物質を除去する化学汚染物質
除去部と前記微粒子を除去する微粒子除去部を通過させ
る前記送風機の運転制御、及び微粒子を除去する前記微
粒子除去部のみを通過させる前記送風機の運転制御をす
ることにより、送風室からの送風が前記微粒子除去部、
化学汚染物質除去部、収納室及び戻し風室を経て前記収
納室に循環してクリーンストッカー内の空気を清浄に保
ち得るとともに、微粒子除去部、化学汚染物質除去部の
長寿命化を可能とするものである。
【0010】本願発明の第2の発明は、電子部品材料ま
たはその加工品を収納するクリーンストッカーであっ
て、該クリーンストッカーは、送風室、収納室、および
戻し風室で構成し、かつ前記送風室、前記収納室には、
空気中の微粒子を除去する微粒子除去部と、空気中の化
学汚染物質を除去する化学汚染物質除去部とが前記クリ
ーンストッカーを仕切って配置され、前記送風室からの
送風が前記収納室内の前記微粒子除去部、前記化学汚染
物質除去部、および前記戻し風室を経て前記送風室に戻
って循環する構成において、前記送風機からの送風が前
記化学汚染物質を除去する化学汚染物質除去部と前記微
粒子を除去する微粒子除去部を通過させる前記送風機の
風量制御、及び微粒子を除去する前記微粒子除去部のみ
を通過させる前記送風機の風量制御をなし、かつ前記送
風室、前記収納室および前記戻し風室を隙問のない様に
封止材で形成し、前記封止材から硬化後に揮散する低分
子の化学汚染物質を抑制するために揮発性の良い純度の
高いアルコール水溶液で前記封止材表面に塗布し、前記
アルコール水溶液からの水分とアルコールの揮発性を利
用して、前記封止材表面を水分により硬化を促進すると
ともに、アルコールの揮発性により、封止材の低分子を
一緒に揮発させるとともに、封止材表面を硬化させるこ
とによって、封止材内部のからの封止材の低分子の拡散
による表面への移動を抑制することを要旨としたもので
ある。
【0011】上記した第2の発明にあっては、収納室に
関連させて前記送風室と、前記戻し風室が設けられ、か
つ前記送風室には空気中の微粒子(例えば、パーティク
ル)を除去するための微粒子除去部と空気中の化学汚染
物質を除去する化学汚染物質除去部が配置され、送風室
からの送風が制御機と連動して送風機の風量制御や出力
制御等により風量調整が行われ、前記微粒子除去部、化
学汚染物質除去部、収納室及び戻し風室を経て前記収納
室に循環する構造と前記微粒子除去部、収納室及び戻し
風室を経て前記収納室に循環する構造の切替運転により
風量調整を行うことにより、クリーンストッカー内の空
気を清浄に保ち得るとともに、微粒子除去部、化学汚染
物質除去部の長寿命化を可能とするものである。
【0012】本願発明の第3の発明は、請求項1又は請
求項2に記載のクリーンストッカーであって、揮発性の
良い高純度のアルコール水溶液を塗布して後、封止材の
表面を少なくとも約60℃以上の熱を少なくとも約1分
以上かけ、表面を硬化させると同時に表面に存在してい
た封止材の低分子を揮発させることによって、封止材表
面を硬化することによる封止材内部からの低分子の移動
の抑制と、表面の低分子の揮発を行ない、低分子の化学
物質が揮散しないように処理することを要旨とするもの
である。
【0013】上記した第3の発明にあっては、各々の室
の隙間部が低分子の化学汚染物質(例えば、低分子シロ
キサン)の揮散を抑制するように揮発性の良い高純度の
アルコール水溶液で封止材表面に塗布し、表面の微粒子
を除去し、かつ、約60℃以上の温風を封止材表面に約
1分以上吹き付け、表面を硬化させると同時に表面に存
在していた封止材の低分子(例えば、低分子シロキサ
ン)を揮発させることによって、封止材表面を硬化する
ことによる封止材内部からの低分子の移動の抑制と、表
面の低分子の揮発を行ない、低分子の化学物質が揮散し
ないように処理することにより、冷却後に、内部の低分
子の化学汚染物質(たとえば、低分子シロキサン)を揮
発、揮散しにくくするものである。
【0014】なお、前記送風室には、送風機と、微粒子
除去部と、化学汚染物質除去部とを有するものである。
【0015】本願発明の第4の発明は、請求項1又は請
求項2に記載のクリーンストッカーであって、電子部品
材料等の一連の製造工程が入力された生産システムの制
御システムと連動させて、この生産システムの制御シス
テムより時間情報を得て、必要に応じて送風機の運転な
いしは風量を制御することを要旨とするものである。
【0016】上記した第4の発明にあっては、半導体製
造等の一連の工程が入力されている生産システムの制御
システムからの情報とクリーンストッカーの制御機を連
動させることにより、送風機の運転(又は出力)や、風
量(又は扉の開閉度、スクロ―ルダンパーの開閉度)を
調整することができ、さらに電子部品材料またはその加
工品(例えば、半導体ウエハーや液晶表示パネルの加工
材料等の)保管量の多少、保管品の種別、保管時間の長
短等を制御と運動することにより、省コスト化、省エネ
ルギー化、微粒子除去部(例えば、空気中の埃塵等の大
きなものを除去するプレフィルターと、空気中の微粒子
を除去するHEPAフィルター、ULPAフィルター、
低ボロンフィルター、ボロンレスフィルター等をい
う)、汚染物質除去部(例えば、カチオンフィルター、
アニオンフィルター、活性炭フィルター等をいう)の高
価で短寿命の汚染物質除去部の長寿命化が図れ、高効率
なクリーンストッカーを実現できる。
【0017】なお、上記した第4の発明にあっては、送
風機からの送風が、前記生産システムの制御システムの
情報により、前記化学汚染物質を除去する汚染物質除去
部と、前記微粒子を除去する微粒子除去部を通過する、
または前記微粒子を除去する微粒子除去部のみを通過す
る制御を兼ね備えものであり、また、生産システムの制
御システム(コンピューターによる統合生産)からの時
間情報により、送風機からの送風を前記化学汚染物質を
除去する汚染物質除去部と、前記微粒子を除去する微粒
子除去部を通過させることにより、前記化学汚染物質及
び前記微粒子を除去するが、通常は送風機からの送風に
より前記微粒子を除去する微粒子除去部を通過する切替
運転で、清浄度を保つものである。
【0018】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を、図面
を参照して説明する。クリーンルーム内に配置されるク
リーンストッカー1は半導体ウエハー等の収納品を収納
する収納室2と、該収納室2の片側に設けられ収納室2
に空気を送る送風室3と、収納室2の空気を送風室3に
戻す戻し風室4を主体に形成されている。
【0019】図1、図2、図3に示すように、前記クリ
ーンストッカー1は金属板の加工により前面が開口した
箱形に形成され、底部の四隅に支持脚5を有している。
なお、箱形内の隅部等には適度に補強材6が回設されて
いる。箱形内部の後側は後面に沿う所定間隔の仕切り板
7にて仕切られて後面に平行な狭い空間が前記戻し風室
4および戻り通路4aとされている。
【0020】―方、前記仕切り板7で区切られた空間は
三つに分けられ、中央を前記収納室2、その片側には前
記送風室3、もう一方は戻り風室4とされている。
【0021】微粒子除去部10には、例えば、空気中の
埃塵等の大きなものを除去するプレフィルター10a
と、空気中の微粒子を除去するHEPA、ULPA、低
ボロンフィルター、ポロンレスフィルター等の微粒子を
除去するフィルター10b等で構成される。(総称して
「微粒子除去部」という。)
【0022】また、空気中の化学物質を除去する汚染物
質除去部11には、カチオンフィルター、アニオンフィ
ルター及び活性炭フィルター11a等で構成される。
(総称して「汚染物質除去部」という)
【0023】そして、前記微粒子除去部10の空気中の
微粒子を除去するHEPA、ULPA、低ボロンフィル
ター、ポロンレスフィルター等の微粒子を除去するフィ
ルター10b、汚染物質除去部11のカチオンフィルタ
ー、アニオンフィルター及び活性炭フィルター11a等
の両者は、図1に示すように、重ねて前記収納室2と送
風室3との間の枠材8間に取り替え可能に取付けられた
り、又は単独で配置されている。なお、この枠材8は戻
し通路4a部位の上下に位置して前記各フィルター10
b、11aを取付けるもので、該戻し通路4a全体の流
通状態を妨げるものではない。
【0024】また、図1に示すように、前記戻し風室4
における戻し通路4aは前記送風室3側に面しており、
該送風室3と区画する区画板3a(仕切り板7)に吸込
み口9が形成され、該吸込み口9は多数のスリット9a
(例えば、ルーバー)が設けられて該送風室3と連通さ
れている。なお、前記収納室2の前面の開口には左右一
対の開閉扉2aが開閉可能に取付けられている。
【0025】図2、図3に示すように、前記収納室2の
反フィルター側の側面、すなわち、戻し風室4側には内
部空気を排出する排出口12が形成されている。この排
出口12はクリーンストッ力ー1、すなわち、戻し風室
4とを区画する側板4b(仕切り板7)に横向きの切込
みをいれかつ切込みの上部を内側に上傾するように曲げ
形成した多数のスリット12a(ルーバー)より構成さ
れている。
【0026】クリーンストッカー1の全ての隙問部分及
びネジ締結部は図5、図6、図7に示すように低分子の
化学汚染物質(例えば、低分子シロキサン)の揮散がな
い封止材13により斜状にかつ、塗布幅は数ミリ程度の
規定幅に塗着加工され、この部分に塵埃が留まらないよ
うにされている。(例えば、振動の無い部分に対して塗
布幅は、約 1.5ミリ〜2.5ミリを規定幅にし、振
動する部分では塗布幅は、約8ミリ〜5ミリを規定幅に
することが望ましい。)
【0027】本実施の形態における上記した封止材13
は、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名「ピュア
シーラント」(一成分形・オキシム型)、「ピュアシー
ラントAタイプ」(一成分形・アルコール型)のいずれ
かを適材適所に直角面に対し約45度面、塗布幅は、数
ミリ程度の規定幅となるように接着硬化されている。
【0028】この封止材13としての「ピュアシーラン
ト」または、「ピュアシーラントAタイプ」はシリコー
ン(主成分)よりなるペースト状をなすが、塗布する
と、室温で空気中の湿気と反応して塗布面に接着硬化す
るが、硬化速度は「ピュアシーラント」のほうが、速乾
性がある。硬化すると塵埃が付着しにくく、かつ耐久・
耐薬品性の弾性体となるものである。
【0029】なお、収納室2内の壁面には、図1、図2
及び図3に示すように収納品Wを載せるための、支持棒
14〜14が所定間隔に突設されている。収納室2の上
下の中間位置には丸棒状の棚板15が配置されている。
【0030】そして、図1に示すように、送風室3の空
気取入れ口16はクリーンストッ力ー1の右側外板1a
に横向きの切込みを入れ切込みの上部を下向きに切起こ
した多数のスリット16a(ルーバー)により構成され
ている。なお、空気取入れ口16の内側には微粒子除去
部10Aである空気中の埃塵等の大きなものを除去する
前記プレフイルター10aが取付けられている。
【0031】前記送風室3内には、送風手段17〜17
が支持枠18〜18を介して固定されている。この送風
手段17〜17としては、例えば、送風機17aが用い
られ送風機17aを駆動させるスイッチは後面の外側部
の制御器19に取付けられている。送風機17aは送風
室3内の空気をファンの中心部より吸込み、前方の送風
口より化学汚染物質除去部11又は微粒子除去部10に
生産システムの制御システムにおけるCIM系コンピュ
ーター20からの信号を受けた前記制御器19により切
替送風するように構成されている。
【0032】上記したクリーンストッカー1の使用に際
しては、まず、収納室2内を純度の高いアルコール水溶
液(例えば、イソプロピルアルコール=IPAと略記す
る。)でクリーニングする。
【0033】上記アルコール類には、エチルアルコー
ル、メチルアルコール、メタノール等のアルコール類が
あるが洗浄力が一番優れているIPAを使用することが
好ましい。
【0034】また、クリーニングの方法は、 IPAを
含ませた不織布で拭くことにより行われる。 このIP
Aでクリーニングすることにより、収納室2内の汚れの
除去はもちろん、塗布した封止材13(例えば、シーリ
ング剤)の一層の硬化がIPAの気化とともに促進さ
れ、封止材13の内部まで完全に硬化される。なお、I
PAのクリーニング後は、送風手段17における送風機
17aを作動させ、収納室2内に清浄な空気を循環させ
るものである。すなわち、IPAからの水分とアルコー
ルの揮発性を利用して、前記封止材13表面を水分によ
り硬化を促進するとともに、アルコールの揮発性によ
り、封止材13の低分子を一緒に揮発させるとともに、
封止材13表面を硬化させることによって、封止材内部
のからの封止材の低分子の拡散による表面への移動を抑
制するものである。そして、IPAを塗布して後、封止
材13の表面を少なくとも約60℃以上の熱を少なくと
も約1分以上かけ、表面を硬化させると同時に表面に存
在していた封止材13の低分子を揮発させることによっ
て、封止材13表面を硬化することによる封止材13内
部からの低分子の移動の抑制と、表面の低分子の揮発を
行ない、低分子の化学物質が揮散しないように処理す
る。
【0035】そして、図2、図3に示すように、空気取
入れ口16より入った空気は微粒子除去部10Aにおけ
るプレフイルター10aにおいて空気中の埃塵等の大き
なものを除去され、各送風手段17における送風機17
aを化学汚染物質除去部11又は微粒子除去部10に生
産システムの制御システムからの信号を受けた制御器1
9により切替送風する。
【0036】この送風機17aからの送風(空気)が化
学汚染物質除去部11又は微粒子除去部10に吹付けら
れ、該化学汚染物質除去部11又は微粒子除去部10を
通過し、収納室2内を横方向に流れ、反送風機17a側
の側面に至る。
【0037】そして、側面に至った空気は、排出口12
における各スリット12aより収納室2外へ排出されて
戻し風室4に入り、戻し風室4を経て送風室3の吸込み
口9におけるスリット9aより送風室3内に入る。
【0038】このとき、送風室3内に入る空気は、取入
れ口16より入る空気と混合しながら冷却効果を伴い、
微粒子除去部10Aである空気中の埃塵等の大きなもの
を除去するプレフイルター10aを通過して、送風機1
7aにより化学汚染物質除去部11又は微粒子除去部1
0に吹付けられるものである。
【0039】さて、1PAのクリーニング後のクリーン
ストッカー1は、クリーンルーム内でウォーミングアッ
プをし、収納室2の更なる除塵(パーティクル等)、無
機性及び有機性のケミカルが除去されるが、このクリー
ンストッカー1の場合、空気取り入れ口16からの空気
供給量と戻し風室4から空気量と送風機17aからの空
気吐出量のバランスにより、収納室2内は正圧維持さ
れ、送風室3がかなりの負圧になる構造となっていて、
送風機17aからの整流させられた清浄な空気を収納室
2に送るため、クリーンルームの清浄度がクラス10の
パーティクル管理において、従来のクリーンストッカー
では約30日のウォーミングアップ期間を要するとこ
ろ、 7日から10日のウォーミングアップ期間で使用
可能状態となし得るものである。
【0040】そして、送風室3に入る空気は、空気取入
れ口16の微粒子除去部10Aである空気中の埃塵等の
大きなものを除去するプレフイルター10aにおいて、
空気中に含まれる予め大きな塵埃が除去される。さら
に、送風機17aから吹出した空気は微粒子除去部10
(たとえば、HEPAフィルター、ULPAフィルタ
ー、低ボロンフィルター又は、ボロンレスフィルター
等)を通過することにより空気中の微粒子を除去され、
有機、無機の化学物質は、化学汚染物質除去部11(例
えば、力チオンフィルター、アニオンフィルター、活性
炭フィルター)において空気中に含有される化学汚染物
質が除去されるため、清浄な空気流の雰囲気となし得、
さらに、戻し風室4より送風室3内の送風機17aに戻
る空気は送風室3の吸込み口9の微粒子除去部10A
(10)、化学汚染物質除去部11において戻し空気中
の微粒子が除去されることにより、収納室2を循環する
空気は常に一方向に流れ清浄に保つことができる。
【0041】本実施の形態におけるクリーンストッカー
1は、該クリーンストッカー1の全ての隙問部分及びネ
ジ締結部に化学汚染物質(例えば、低分子シ口キサン)
の揮散を抑制する封止材13を塗着加工するものであ
り、その塗布幅は、振動の無い部分に対して約1.5ミ
リ〜2.5ミリを規定幅にし、振動する部分では塗布幅
は、約8ミリ〜5ミリを規定幅にする。そして、該封止
材13を規定幅に塗着加工処理したことにより、塵埃の
付着はしにくく、収納室2内部の有機化学汚染物質も浮
遊しにくく、収納室2の内部に気流の乱れを極力無くし
収納室2を清浄になし得る。
【0042】なお、本実施の形態において、図3に示す
ように、送風機17aの送風口側にスクロールダンパー
17bを設け、このスクロールダンパー17bを前述した生
産システムの制御システム(コンピューターによる統合
生産)の指令により動作制御可能に構成し、該生産シス
テムの制御システムからの情報によリスクロールダンパ
ー17bを動作して送風機17aの送風口の風量制御を行
なうように構成してもよい。
【0043】本発明のクリーンストッカーは、収納室2
が開閉可能に密閉できる各種構造のものが適用し得る
が、他の実施の形態、例えば、図4に示すクリーンスト
ッカー1において、送風室3には、送風手段17として
の送風機17aと、微粒子除去部10と、化学汚染物質
除去部11とを有するものであって、送風手段17が1
つで、風量を均等にするためのガイド21を備え、送風
室3と収納室2との間にシャッター機構22を設けた仕
切り板7で区画した構成としてもよい。
【0044】すなわち、クリーンストッカー1は仕切り
板7により、ほぼ中央部から上部が収納室2とし、その
一方側が送風室3とし、他方側から下部が戻し風室4と
して区画形成され、この収納室2を上下に複数棚段(図
では4段の場合を示す。)に区画形成して各収納室2と
送風室3との連通部位における仕切り板7にそれぞれ連
通口23が形成され、この各連通口23に対して風量を
均等にするための湾曲したガイド21が下部段から上部
段に至るしたがって順次長く設定して斜状に取付けら
れ、さらに、該各連通口23のガイド21の反対側にこ
の連通口の開度を調整するシャッター機構22が設けら
れている。なおシャッター機構22は、生産システムの
制御システム(コンピューターによる統合生産)連動か
らの情報によリそのシャッターの開閉の風量制御を行な
うように構成されている。
【0045】そして、各収納室2のシャッター機構22
側には、前述と同様に微粒子除去部10および空気中の
化学物質を除去する汚染物質除去部11が形成されてい
る。この実施の形態においては、下段棚と上段棚部に、
例えば、空気中の化学物質を除去するカチオンフィルタ
ー、アニオンフィルター及び活性炭フィルター11a等
で構成される汚染物質除去部11がそれぞれ設けられ、
中間の2つの棚段には、空気中の埃塵等の大きなものを
除去するプレフィルター10aと、空気中の微粒子を除
去するHEPA、ULPA、低ボロンフィルター、ポロ
ンレスフィルター等の微粒子を除去するフィルター10
b等で構成される微粒子除去部10がそれぞれ設けられ
ている。
【0046】そして、送風室3と戻し風室4との下部の
区画板(仕切り板7)には吸込み口9が形成され、該吸
込み口9は多数のスリット9a(例えば、ルーバー)が
設けられて該送風室3と連通され、該連通部位には前述
した実施の形態と同様に微粒子除去部10Aである空気
中の埃塵等の大きなものを除去する前記プレフイルター
10aが取付けられている。
【0047】この連通部位には、送風室3内において一
つの送風手段17が支持枠18を介して固定されてい
る。この送風手段17としては、前述した実施の形態と
同様に、例えば、送風機17aが用いられ送風機17a
を駆動させるスイッチは後面の外側部の制御器19に取
付けられ、該送風機17aは送風室3内の空気をファン
の中心部より吸込み、収納室2の各棚段におけるガイド
21に対して前方の送風口から生産システムの制御シス
テムにおけるCIM系コンピューター20からの信号を
受けた前記制御器19によりその運転、送風機の風量制
御されて送風するように構成されている。また、前記連
通部位付近には、送風室3の空気取入れ口16が形成さ
れている。
【0048】そして、この実施の形態においてもクリー
ンストッカー1の全ての隙問部分及びネジ締結部は、前
述した実施の形態と同様に低分子の化学汚染物質(例え
ば、低分子シロキサン)の揮散がない封止材13により
規定幅に塗着加工されており、その余の構成にあって、
前述した実施の形態と同様の構成については図中同符号
を付してその説明を省略する。
【0049】したがって、この実施の形態においても前
述した実施の形態と同様の作用効果を発揮するものであ
る。
【0050】また、図示していないが、送風手段による
送風方向を鉛直層流で循環した形状のものにも適用で
き、上記した実施の形態と同様の効果を発揮する結果が
得られた。
【0051】
【発明の効果】請求項1の発明にあっては、クリーンス
トッカー内を循環する空気流に流れの乱れや渦流による
流れの停滞部分を無くし、全ての空気流がスムーズに常
に一方向に流れる状態とすることができ、空気中の微粒
子の除去、電子部品材料またはその加工品、またはクリ
ーンストッカーから発する化学汚染物質を送風機の運転
制御により極めて短時間に空気の清浄を成し得ることが
できる。しかも、封止材から硬化後に揮散する低分子の
有機汚染物質を揮発性の良い純度の高いアルコール水溶
液を塗布し、アルコール水溶液からの水分とアルコール
の揮発性を利用して、封止材表面を水分により硬化を促
進するとともに、アルコールの揮発性により、封止材の
低分子を一緒に揮発させるとともに、封止材表面を硬化
させることによって、封止材内部からの封止材の低分子
の拡散による表面への移動を抑制することができ、クリ
ーンルーム内の清浄度を上げることができる。
【0052】請求項2の発明にあっては、請求項1の発
明と同様に、クリーンストッカー内を循環する空気流に
流れの乱れや渦流による流れの停滞部分を無くし、全て
の空気流がスムーズに常に一方向に流れる状態とするこ
とができ、空気中の微粒子の除去、電子部品材料または
その加工品、またはクリーンストッカーから発する化学
汚染物質を送風機の風量制御により極めて短時間に空気
の清浄を成し得ることができる。しかも、封止材から硬
化後に揮散する低分子の有機汚染物質を揮発性の良い純
度の高いアルコール水溶液を塗布し、アルコール水溶液
からの水分とアルコールの揮発性を利用して、封止材表
面を水分により硬化を促進するとともに、アルコールの
揮発性により、封止材の低分子を一緒に揮発させるとと
もに、封止材表面を硬化させることによって、封止材内
部からの封止材の低分子の拡散による表面への移動を抑
制することができ、クリーンルーム内の清浄度を上げる
ことができる。
【0053】請求項3の発明にあっては、クリーンスト
ッカー製造時において封止材を使用し、この封止材の硬
化後に揮発性の良い高純度のアルコール水溶液を塗布し
て封止材の表面を少なくとも約60℃以上の熱を少なく
とも約1分以上かけ、表面を硬化させると同時に表面に
存在していた封止材の低分子を揮発させることによっ
て、封止材表面を硬化することによる封止材内部からの
低分子の移動の抑制と、表面の低分子の揮発を行ない、
低分子の化学物質が揮散しないように処理することがで
き、クリーンス卜ッカー内に配置した電子部品材料また
はその加工品を清浄な空気の雰囲気で長時間保管するこ
とができる。
【0054】請求項4の発明にあっては、クリーンルー
ム内の半導体等の生産システムの制御システムとクリー
ンストッカーの制御器との連動により、生産システムの
制御システムより時間情報等を得てクリーンストッカー
の送風機の運転制御、送風紀のモーターヘの出力電力の
制御、送風機の風量制御(例えば、スクロールダンパー
付の送風機のダンパーの開閉度)や、送風室と収納室の
間の仕切り板にシヤッター機構を設けそのシヤッター
(扉)の開閉度を調整することができる。さらに、電子
部品材料又はその加工品(例えば、半導体ウエハーや液
晶表示パネルの加工材料)の保管量の多少、保管品の種
別、保管時間の長短等を制御することにより、高価な化
学物質除去部を構成する部材の長寿命化、それに伴う低
コスト化、また、省エネルギー化を実現することがで
き、極めて高率の良いクリーンストッカーの清浄度を保
った運転ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のクリーンストッカー全体
を示す上面図である。
【図2】同じく本発明の実施の形態のクリーンストッカ
ー全体を示す縦断面図である。
【図3】同じく本発明の実施の形態のクリーンストッカ
ー全体を示す縦断面図である。
【図4】本発明の別の実施の形態のクリーンストッカー
全体を示す縦断面図である。
【図5】クリーンストッカーに対する封止材の塗着加工
例を示す斜視図である。
【図6】クリーンストッカーに対する封止材の塗着加工
例を示す平面図である。
【図7】クリーンストッカーに対する封止材の塗着加工
例を示す平断面図である。
【図8】従来のクリーンストッカーの態様を示す説明図
である。
【図9】同じく従来のクリーンストッカーの態様を示す
説明図である。
【図10】同じく従来のクリーンストッカーの態様を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 クリーンストッカー 2 収納室 3 送風室 4 戻し風室 10 微粒子除去部 11 汚染物質除去部 13 封止材 17 送風手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平田 博史 大阪府吹田市垂水町3丁目28番33号 松下 環境空調エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 5F031 CA02 CA05 DA17 NA03 NA16 PA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品材料またはその加工品を収納す
    るクリーンストッカーであって、該クリーンストッカー
    は、送風室、収納室、および戻し風室で構成し、かつ前
    記送風室、前記収納室には、空気中の微粒子を除去する
    微粒子除去部と、空気中の化学汚染物質を除去する化学
    汚染物質除去部とが前記クリーンストッカーを仕切って
    配置され、前記送風室からの送風が前記収納室内の前記
    微粒子除去部、前記化学汚染物質除去部、および前記戻
    し風室を経て前記送風室に戻って循環する構成におい
    て、前記送風機からの送風が前記化学汚染物質を除去す
    る化学汚染物質除去部と前記微粒子を除去する微粒子除
    去部を通過させる前記送風機の運転制御、及び微粒子を
    除去する前記微粒子除去部のみを通過させる前記送風機
    の運転制御をなし、かつ前記送風室、前記収納室および
    前記戻し風室を隙問のない様に封止材で形成し、前記封
    止材から硬化後に揮散する低分子の化学汚染物質を抑制
    するために揮発性の良い高純度のアルコール水溶液で前
    記封止材表面に塗布し、前記アルコール水溶液からの水
    分とアルコールの揮発性を利用して、前記封止材表面を
    水分により硬化を促進するとともに、アルコールの揮発
    性により、封止材の低分子を一緒に揮発させるととも
    に、封止材表面を硬化させることによって、封止材内部
    からの封止材の低分子の拡散による表面への移動を抑制
    することを特徴としたクリーンストッカー。
  2. 【請求項2】 電子部品材料またはその加工品を収納す
    るクリーンストッカーであって、該クリーンストッカー
    は、送風室、収納室、および戻し風室で構成し、かつ前
    記送風室、前記収納室には、空気中の微粒子を除去する
    微粒子除去部と、空気中の化学汚染物質を除去する化学
    汚染物質除去部とが前記クリーンストッカーを仕切って
    配置され、前記送風室からの送風が前記収納室内の前記
    微粒子除去部、前記化学汚染物質除去部、および前記戻
    し風室を経て前記送風室に戻って循環する構成におい
    て、前記送風機からの送風が前記化学汚染物質を除去す
    る化学汚染物質除去部と前記微粒子を除去する微粒子除
    去部を通過させる前記送風機の風量制御、及び微粒子を
    除去する前記微粒子除去部のみを通過させる前記送風機
    の風量制御をなし、かつ前記送風室、前記収納室および
    前記戻し風室を隙問のない様に封止材で形成し、前記封
    止材から硬化後に揮散する低分子の化学汚染物質を抑制
    するために揮発性の良い純度の高いアルコール水溶液で
    前記封止材表面に塗布し、前記アルコール水溶液からの
    水分とアルコールの揮発性を利用して、前記封止材表面
    を水分により硬化を促進するとともに、アルコールの揮
    発性により、封止材の低分子を一緒に揮発させるととも
    に、封止材表面を硬化させることによって、封止材内部
    からの封止材の低分子の拡散による表面への移動を抑制
    することを特徴としたクリーンストッカー。
  3. 【請求項3】 揮発性の良い高純度のアルコール水溶液
    を塗布して後、封止材の表面を少なくとも約60℃以上
    の熱を少なくとも約1分以上かけ、表面を硬化させると
    同時に表面に存在していた封止材の低分子を揮発させる
    ことによって、封止材表面を硬化することによる封止材
    内部からの低分子の移動の抑制と、表面の低分子の揮発
    を行ない、低分子の化学物質が揮散しないように処理す
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクリ
    ーンストッカー。
  4. 【請求項4】 電子部品材料等の一連の製造工程が入力
    された生産システムの制御システムと連動させて、この
    生産システムの制御システムより時間情報を得て、必要
    に応じて送風機の運転ないしは風量を制御することを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載のクリーンストッ
    カー。
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