JP2003100462A - 電子輸送材料および該電子輸送材料を用いた有機発光素子 - Google Patents

電子輸送材料および該電子輸送材料を用いた有機発光素子

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JP2003100462A JP2001289773A JP2001289773A JP2003100462A JP 2003100462 A JP2003100462 A JP 2003100462A JP 2001289773 A JP2001289773 A JP 2001289773A JP 2001289773 A JP2001289773 A JP 2001289773A JP 2003100462 A JP2003100462 A JP 2003100462A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高発光効率、高輝度で耐久性のある有機EL素
子(エレクトロルミネッセンス)素子を提供しうるN型
で安定であり、かつ電子輸送能が高い電子輸送材料を提
供すること。 【解決手段】キノキサリン構造を有する高分子からなる
有機発光素子用電子輸送材料を有機EL素子の電子輸送
層に用いる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面表示パネルや
これに用いられるバックライト用の有機発光素子(OL
ED)用電子輸送材料及びその製造方法及び該電子輸送
材料を用いたOLED及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】有機発光素子は、1987年にコダック
社のC.W.Tangらにより高輝度の発光が示されて
(特開昭63−264692、Appl.Phys.L
ett.,51巻,913頁,1987年)以来、材料
開発、素子構造の改良が急速に進み、最近になってカー
オーディオや携帯電話用のディスプレイなどから実用化
が始まった。この有機ELの用途を更に拡大するため
に、発光効率向上、耐久性向上のための材料開発、フル
カラー表示の開発などが現在活発に行われている。特
に、中型パネルや大型パネル、あるいは照明用途への展
開を考える上では発光効率の向上による更なる高輝度化
が必要である。
【0003】これらの発光材料としては従来からアルミ
キノリニウム錯体(AlQ3)等の金属錯体が、発光効
率がよい為、発光強度が高く、よく用いられてきた。ま
た、Tangらは発光材料の発光効率を上げる為に、発
光層とは別にトリフェニルアミン誘導体等のホール輸送
層やオキサジアゾ−ル誘導体等の電子輸送層等の電荷輸
送層を設けた多層構造素子を提案している。しかしなが
ら、これらに用いられてきた材料はいずれも低分子化合
物で、これら低分子化合物を発光層に形成するには真空
蒸着等の手法が用いられ、大面積化や素子の生産工程で
デメリットとなっていた。
【0004】一方、R.H.Friendらはポリパラ
フェニレンビニレン(PPV)やこの誘導体のようなπ電
子共役系高分子が発光材料となることを見出し(Nat
ure,247巻,539頁,1990年)、時計のバ
ックライト等に一部用いられ始めている。これら高分子
材料はキャスティング法での成膜ができるため生産工程
上のメリットとなるだけでなく、低分子に比べて耐久性
が良好であるというメリットを有する。しかしながらこ
れらは低分子系に比べ、発光効率が低いというデメリッ
トを有する。また、発光効率を改善するための多層構造
素子に用いる電荷輸送層の材料も限られていた。高分子
ホール輸送材料としては、ポリアニリン誘導体、ポリチ
オフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール等、いくつか
の材料が検討されてきたが、高分子電子輸送材料はほと
んど検討されていない。特開平7−053954号公報
には低分子キノキサリン誘導体を発光層に用いた有機発
光素子が提案されている。
【0005】また、これらで検討された発光材料で利用
されているのは低分子、高分子に限らず、励起一重項状
態からの発光、すなわち蛍光であり、月刊ディスプレ
イ,1998年10月号別冊「有機ELディスプレ
イ」,58頁によれば、電気的励起における励起一重項
状態と励起三重項状態の励起子の生成比が1:3である
ことから、有機ELにおける発光の内部量子効率は25
%が上限とされてきた。これに対し、M.A.Bald
oらは励起三重項状態から燐光発光するイリジウム錯体
や白金錯体等を用いることにより外部量子効率7.5%
(外部取り出し効率を20%と仮定すると内部量子効率
は37.5%)を得、従来上限値とされてきた25%と
いう値を上回ることが可能なことを示した(Appl.
Phys.Lett.,75巻,4頁,1999年、W
O00/70655、WO00/57676)。しか
し、ここで用いられているイリジウム錯体のように常温
で安定に燐光を発する材料は極めて稀であるため材料選
択の自由度が狭く、また実際の使用に当たっては特定の
ホスト化合物にドープして使用する必要があるなど、デ
ィスプレイの仕様を満たすための材料選定が極めて困難
であるという欠点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、有
機発光素子の安定性向上、生産性向上に効果のある高分
子系材料を用いた高輝度有機発光素子はまだ存在しな
い。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点を
解決し、高輝度、高耐久性、生産性の優れた有機発光素
子、及びこれに用いられる高分子系電子輸送材料、及び
これらの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく種々検討した結果、キノキサリン構造を
含む重合体がN型で安定で、電子輸送能が高く、また高
分子量で耐熱性、耐酸化還元性等の耐久性に優れ、溶媒
可溶性で加工性に優れる為、有機発光素子の高分子電子
輸送材料として好適であり、これを電子輸送層に用いた
有機発光素子は高輝度大面積化が可能で、耐久性、生産
性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、以下の[1]〜[2
6]に示した電子輸送材料、その製造方法、有機発光素
子、およびその製造方法に関する。
【0010】[1] 一般式(1)で表されるキノキサ
リン構造を含む重合体を含有することを特徴とする電子
輸送材料。
【0011】
【化17】 (式中、R1〜R6の内、少なくとも一つは重合体の主鎖
に結合する基であり、他はそれぞれ独立に、水素原子、
ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン
酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、
アルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数
20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭
素数20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数
2〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよい
アリール基または置換基を有してもよい複素環を有する
基を表す。)
【0012】[2] 一般式(1)で表されるキノキサ
リン構造を側鎖に含む重合体を含有することを特徴とす
る電子輸送材料。
【化18】 (式中、R1〜R6の内、少なくとも一つは重合体の主鎖
に結合する基であり、他はそれぞれ独立に、水素原子、
ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン
酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、
アルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数
20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭
素数20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数
2〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよい
アリール基または置換基を有してもよい複素環を有する
基を表す。)
【0013】[3] 一般式(2)で表されるキノキサ
リン構造を繰り返し単位の一部として含む重合体を含有
することを特徴とする電子輸送材料。
【化19】 (式中、R7〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エ
ステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アル
コキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20
のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数
20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜
炭素数20のアルキニル基置換基を有してもよいアリー
ル基または置換基を有してもよい複素環を有する基を表
す。)
【0014】[4] 一般式(1)で表されるキノキサ
リン構造を側鎖に含み、且つ一般式(2)で表されるキ
ノキサリン構造を繰り返し単位の一部として含む重合体
を含有することを特徴とする電子輸送材料。
【化20】 (式中、R1〜R6の内、少なくとも一つは重合体の主鎖
に結合する基であり、他はそれぞれ独立に、水素原子、
ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン
酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、
アルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数
20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭
素数20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数
2〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよい
アリール基または置換基を有してもよい複素環を有する
基を表す。)
【化21】 (式中、R7〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エ
ステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アル
コキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20
のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数
20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜
炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいアリ
ール基または置換基を有してもよい複素環を有する基を
表す。)
【0015】[5] 一般式(2)で表されるキノキサ
リン構造が、一般式(3)で表されるキノキサリン構造
であることを特徴とする[3]又は[4]のいずれか一
つに記載の電子輸送材料。
【化22】 (式中、R11〜R14はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エ
ステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アル
コキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20
のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数
20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜
炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいアリ
ール基または置換基を有してもよい複素環を有する基を
表す。)
【0016】[6] 一般式(4)で表されるキノキサ
リン構造を繰り返し単位の一部として含む重合体を含有
することを特徴とする電子輸送材料。
【化23】 (式中、R15〜R30はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エ
ステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アル
コキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20
のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数
20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜
炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいアリ
ール基または置換基を有してもよい複素環を有する基を
表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有しても良いアリー
レン基を表し、Yはそれぞれ独立にヘテロ原子単独、炭
素数が6以上20以下のアリーレン基または炭素数が2
以上20以下である2価の複素環残基を表し、nは0〜
5の整数を表す。ただし、nが0の場合はYは存在しな
いことを意味する。)
【0017】[7] 一般式(4)におけるR15〜R30
が水素原子、Xがフェニレン基、n=0である[6]に
記載の電子輸送材料。 [8] 一般式(4)におけるR15〜R30が水素原子、
Xがフェニレン基、Yが酸素原子、n=1である[6]
に記載の電子輸送材料。 [9] 一般式(4)におけるR15〜R19、R21
24、R26〜R30が水素原子、R20およびR25がメトキ
シ基、Xがフェニレン基、n=0である[6]に記載の
電子輸送材料。
【0018】[10] 一般式(5)で表されるビスベ
ンジル誘導体と一般式(6)で表されるテトラミン誘導
体とを脱水重縮合することを特徴とする[1]〜[6]
のいずれか一つに記載の電子輸送材料の製造方法。
【化24】
【化25】 (両式中、R15〜R30はそれぞれ独立に、水素原子、ハ
ロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸
エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、ア
ルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数2
0のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素
数20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2
〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいア
リール基または置換基を有してもよい複素環を有する基
を表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有しても良いアリ
ーレン基を表し、Yはそれぞれ独立にヘテロ原子単独、
炭素数が4以上20以下のアリーレン基または炭素数が
2以上20以下である2価の複素環残基を表し、nは
0 〜 5 の整数を表す。ただし、nが0の場合はY
は存在せず、一般式(6)のベンゼン環が直接結合して
いることを意味する。)
【0019】[11] モノマーの一種類として一般式
(7)で表される重合性官能基を有するキノキサリン系
化合物を重合することを特徴とする[1]〜[5]のい
ずれか一つに記載の電子輸送材料の製造方法。
【化26】 (式中、R31は水素原子、置換基を有してもよい炭素数
1〜炭素数20のアルキル基、置換基を有してもよいア
リール基または置換基を有してもよい複素環を有する基
を表す。R32は酸素原子(−O−)、カルボニルオキシ
基(−COO−、−OCO−)、カルボニル基(−CO
−)、カーボネート基(−OCOO−)、ウレタン基
(−NHCOO−、−OCONH−)、アミド基(−C
ONH−、−NHCO−)を有する2価の有機基、置換
基を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキレン
基、炭素数が6以上20以下のアリーレン基、炭素数が
2以上20以下である2価の複素環残基、ポリエーテル
残基またはイソシアネート基を含む基を表す。R33〜R
37はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、水酸基、ニ
トロ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、スルホ
ン酸基、スルホン酸エステル基、アルコキシ基、置換基
を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキル基、置
換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアルケニル
基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアル
キニル基、置換基を有してもよいアリール基または置換
基を有してもよい複素環を有する基を表す。)
【0020】[12] [1]〜[9]のいずれか一つ
に記載の電子輸送材料を用いることを特徴とする有機発
光素子。 [13] 発光層、電子輸送層の少なくとも2層構造か
らなる有機発光素子において、[1]〜[9]のいずれ
か一つに記載の電子輸送材料が厚み100Å以上500
0Å以下で形成された電子輸送層を用いることを特徴と
する有機発光素子。 [14] 発光材料と電子輸送材料が混合された発光層
を有する有機発光素子において、電子輸送材料に[1]
〜[9]のいずれか一つに記載の電子輸送材料を用いる
ことを特徴とする有機発光素子。 [15] [1]〜[9]のいずれか一つに記載の電子
輸送材料を溶かした溶液を下地層上に塗布成膜後、溶媒
を除去することを特徴とする有機発光素子の製造方法。
【0021】[16]一般式(5)で表されるビスベン
ジル誘導体と一般式(6)で表されるテトラミン誘導体
とを下地層上に塗布成膜後、脱水重縮合することを特徴
とする有機発光素子の製造方法。
【化27】
【化28】 (両式中、R15〜R30はそれぞれ独立に、水素原子、ハ
ロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸
エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、ア
ルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数2
0のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素
数20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2
〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいア
リール基または置換基を有してもよい複素環を有する基
を表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有しても良いアリ
ーレン基を表し、Yはそれぞれ独立にヘテロ原子単独、
炭素数が4以上20以下のアリーレン基または炭素数が
2以上20以下である2価の複素環残基を表し、nは0
〜5の整数を表す。ただし、nが0の場合はYは存在せ
ず、一般式(6)のベンゼン環が直接結合していること
を意味する。)
【0022】[17] 一般式(7)で表される重合性
官能基を有するキノキサリン系化合物を下地層上に塗布
成膜後、重合することを特徴とする有機発光素子の製造
方法。
【化29】 (式中、R31は水素原子、置換基を有してもよい炭素数
1〜炭素数20のアルキル基、置換基を有してもよいア
リール基または置換基を有してもよい複素環を有する基
を表す。R32は酸素原子(−O−)、カルボニルオキシ
基(−COO−、−OCO−)、カルボニル基(−CO
−)、カーボネート基(−OCOO−)、ウレタン基
(−NHCOO−、−OCONH−)、アミド基(−C
ONH−、−NHCO−)を有する2価の有機基、置換
基を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキレン
基、炭素数が6以上20以下のアリーレン基、炭素数が
2以上20以下である2価の複素環残基、ポリエーテル
残基またはイソシアネート基を含む基を表す。R33〜R
37はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、水酸基、ニ
トロ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、スルホ
ン酸基、スルホン酸エステル基、アルコキシ基、置換基
を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキル基、置
換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアルケニル
基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアル
キニル基、置換基を有してもよいアリール基または置換
基を有してもよい複素環を有する基を表す。)
【0023】[18] 下地層が発光層である[15]
〜[17]のいずれか一つに記載の有機発光素子の製造
方法。 [19] 発光材料と電子輸送材料が混合された発光層
を有する有機発光素子において、[1]〜[9]のいず
れか一つに記載の電子輸送材料と発光材料を溶かした溶
液を下地層上に塗布成膜後、溶媒を除去することを特徴
とする有機発光素子の製造方法。
【0024】[20] 一般式(5)で表されるビスベ
ンジル誘導体と一般式(6)で表されるテトラミン誘導
体と発光材料を溶かした溶液を下地層上に塗布成膜後、
ビスベンジル誘導体とテトラミン誘導体とを脱水重縮合
することを特徴とする有機発光素子の製造方法。
【化30】
【化31】 (両式中、R15〜R30はそれぞれ独立に、水素原子、ハ
ロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸
エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、ア
ルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数2
0のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素
数20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2
〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいア
リール基または置換基を有してもよい複素環を有する基
を表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有しても良いアリ
ーレン基を表し、Yはそれぞれ独立にヘテロ原子単独、
炭素数が4以上20以下のアリーレン基または炭素数が
2以上20以下である2価の複素環残基を表し、nは0
〜5の整数を表す。ただし、nが0の場合はYは存在せ
ず、一般式(6)のベンゼン環が直接結合していること
を意味する。)
【0025】[21] 一般式(7)で表される重合性
官能基を有するキノキサリン系化合物と発光材料を溶か
した溶液を下地層上に塗布成膜後、キノキサリン系化合
物を重合することを特徴とする[9]に記載の有機発光
素子の製造方法。
【化32】 (式中、R31は水素原子、置換基を有してもよい炭素数
1〜炭素数20のアルキル基、置換基を有してもよいア
リール基または置換基を有してもよい複素環を有する基
を表す。R32は酸素原子(−O−)、カルボニルオキシ
基(−COO−、−OCO−)、カルボニル基(−CO
−)、カーボネート基(−OCOO−)、ウレタン基
(−NHCOO−、−OCONH−)、アミド基(−C
ONH−、−NHCO−)を有する2価の有機基、置換
基を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキレン
基、炭素数が6以上20以下のアリーレン基、炭素数が
2以上20以下である2価の複素環残基、ポリエーテル
残基またはイソシアネート基を含む基を表す。R33〜R
37はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、水酸基、ニ
トロ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、スルホ
ン酸基、スルホン酸エステル基、アルコキシ基、置換基
を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキル基、置
換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアルケニル
基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアル
キニル基、置換基を有してもよいアリール基または置換
基を有してもよい複素環を有する基を表す。)
【0026】[22] 下地層が電極またはホール輸送
層である[19]〜[21]のいずれか一つに記載の有
機発光素子の製造方法。 [23] 発光材料の発光部位が励起三重項状態からの
発光あるいは励起三重項状態を経由する発光であること
を特徴とする[12]〜[14]のいずれか一つに記載
の有機発光素子。 [24]発光材料の発光部位が金属錯体であることを特
徴とする[12]〜[14]、[23]のいずれか一つ
に記載の有機発光素子。 [25] 発光材料が高分子発光材料であることを特徴
とする[12]〜[14]、[23]、[24]のいず
れか一つに記載の有機発光素子。 [26] 発光材料が重合性発光材料を重合することに
より得られる高分子発光材料であることを特徴とする
[12]〜[14]、[23]〜[25]のいずれか一
つに記載の有機発光素子。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてより詳細に
説明する。
【0028】1.キノキサリン構造を含む重合体 本発明(I)はキノキサリン構造を含む重合体を含有す
ることを特徴とする電子輸送材料である。本発明(I)
の「キノキサリン構造を含む重合体」とは、重合体の少
なくとも一部にキノキサリン構造を含むものであれば、
いかなる構造の物でも使用することができる。例えば、
重合体の主鎖を形成する構造に直接キノキサリン構造が
含まれるのではなく、キノキサリン構造の一部が主鎖に
結合した例えば一般式(1)で表される構造を有する物
であっても良く、また、重合体の主鎖を形成する構造の
一部としてキノキサリン構造を有する一般式(2)、よ
り好ましくは一般式(3)で表される構造を繰り返し単
位として有する物でも良い。
【化33】 (式中、R1〜R6の内、少なくとも一つは重合体の主鎖
に結合する基であり、他はそれぞれ独立に、水素原子、
ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン
酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、
アルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数
20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭
素数20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数
2〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよい
アリール基または置換基を有してもよい複素環を有する
基を表す。)
【化34】 (式中、R7〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エ
ステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アル
コキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20
のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数
20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜
炭素数20のアルキニル基置換基を有してもよいアリー
ル基または置換基を有してもよい複素環を有する基を表
す。)
【化35】 (式中、R11〜R14はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エ
ステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アル
コキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20
のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数
20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜
炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいアリ
ール基または置換基を有してもよい複素環を有する基を
表す。)
【0029】また、キノキサリン構造の一部が主鎖に結
合した一般式(1)で表される構造を有する部分と、一
般式(2)で表される構造を有する部分との両方を分子
内に含む重合体であっても良く、さらに、キノキサリン
構造とは異なる繰り返し単位を含む物であっても良い。
さらにはこれらの混合物であっても良い。
【0030】本発明(I)の「キノキサリン構造を含む
重合体」での一般式(1)における「式中、R1〜R6
内、少なくとも一つは重合体の主鎖に結合する基であ
り」における主鎖とは当該重合体の主たる構造部分を意
味する。即ち、直鎖状重合体のいわゆる主鎖のみではな
く、網目状重合体(架橋体)における主構造をも意味す
る。
【0031】ここで主鎖とキノキサリン構造は、一般式
(1)に示したように直接結合する物だけでなく、間に
他の官能基を有していても良い。例えば、構造式(2)
に示すようなキノキサリン構造を有するアルコールのア
クリル酸エステルの重合体の場合は、主鎖とキノキサリ
ン構造との間にエステル構造を有する構造式(3)に示
す繰り返し単位を有する重合体となる。
【0032】一般式(1)における「式中、R1〜R6
内、少なくとも一つは重合体の主鎖に結合する基であ
り」とは、ここで一例としてあげたエステル結合はもち
ろんのこと、どの様な形態でも主鎖とキノキサリン構造
が結合していれば良いということはいうまでもない。
【0033】また、本発明(I)における、「一般式
(2)で表されるキノキサリン構造を繰り返し単位の一
部として含む重合体」とは、重合体の主鎖の少なくとも
一部にキノキサリン構造を有する物であればいかなる物
であっても良い。
【0034】ここでいう「キノキサリン構造を繰り返し
単位の一部として含む重合体」とは、キノキサリン構造
のみからなる重合体であっても、キノキサリン構造に加
えて他の一種以上の異なる構造を繰り返し単位として含
む物であっても良い。この場合、キノキサリン構造と他
の構造とが交互に繰り返されていてもよく、ランダムで
あってもよい。また、キノキサリン構造のみを繰り返し
た後に他の構造が繰り返すブロック構造であっても良
い。
【0035】さらにまた、キノキサリン構造が直接に繰
り返す構造であってもなくても良く、例えばキノキサリ
ン構造に他の構造が結合した構造を繰り返し単位の基本
構造とするような、一般式(4)で表されるような物も
含む。
【化36】 (式中、R15〜R30はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エ
ステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アル
コキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20
のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数
20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜
炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいアリ
ール基または置換基を有してもよい複素環を有する基を
表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有しても良いアリー
レン基を表し、Yはそれぞれ独立にヘテロ原子単独、炭
素数が6以上20以下のアリーレン基または炭素数が2
以上20以下である2価の複素環残基を表し、nは0〜
5の整数を表す。ただし、nが0の場合はYは存在しな
いことを意味する。)
【0036】また、「一般式(1)で表されるキノキサ
リン構造を側鎖に含み、且つ一般式(2)で表されるキ
ノキサリン構造を繰り返し単位の一部として含む重合
体」とは、その一部分がキノキサリン構造の一部が主鎖
に結合した例えば一般式(1)で表される構造を有し、
且つ他の部分では重合体の主鎖の一部にキノキサリン構
造を有する物であればいかなる物であっても良い。
【0037】この場合、キノキサリン構造を側鎖に含む
部分と、キノキサリン構造を主鎖の構造として含む部分
とは、それぞれ交互に存在しても、また、キノキサリン
構造を側鎖に含む部分を繰り返した後に、キノキサリン
構造を主鎖の構造として含む部分を繰り返した物であっ
ても良い。さらに、キノキサリン構造とは異なる繰り返
し単位を有する物であっても良く、その場合は各構造が
それぞれ任意の順に結合していてもかまわない。
【0038】本発明(I)の一般式(1)〜一般式
(6)でのR1〜R30は、それぞれ独立に水素、ハロゲ
ン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エス
テル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アルコ
キシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20の
アルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数2
0のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭
素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいアリー
ル基または置換基を有してもよい複素環を有する基を表
す。
【0039】ここでいう「それぞれ独立に」とは、R1
〜R30のいずれもが独立であると言うことのみならず、
重合体のそれぞれのキノキサリン構造においても独立で
あることを示している。すなわち、例えばキノキサリン
構造の任意のRα(αは1〜30)がメチル基である場
合、他のキノキサリン構造の相似の位置であるRαでは
メチル基でも良いしメチル基以外の他の官能基であって
も良いことを示している。従って、一つの重合体にn個
のキノキサリン構造が存在する場合、任意のRはn個の
キノキサリン構造において各々独立の官能基であること
を示している。
【0040】一般式(1)〜一般式(6)におけるR1
〜R30として具体的には、水素原子、メチル基、トリフ
ルオロメチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ
基、エトキシ基等のアルコキシ基、エテニル基、2−プ
ロペニル基、1,3−ブタジエニル基、4−メトキシー
2−ブテニル基等のアルケニル基、エチニル基、2−プ
ロピニル基等のアルキニル基、フェニル基、4−メトキ
シフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、ナ
フチル基等のアリール基、フッ素原子、塩素等のハロゲ
ン基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、ニトロ
基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、チエニル
基、ピロリル基、、3―メチルチエニル基等の複素環を
有する基等を挙げることができる。
【0041】これらの中で好ましくは水素原子、メチル
基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、
3−トリフリオロメチルフェニル基、ナフチル基、フッ
素、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、ニトロ基、
スルホン酸基、スルホン酸エステル基であり、より好ま
しくは水素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロ
メチル基、フェニル基、ナフチル基、フッ素、ニトロ
基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基である。
【0042】本発明(I)の「一般式(1)で表される
キノキサリン構造を含む重合体」として、好ましくは一
般式(2)で表されるキノキサリン構造を繰り返し単位
の一部として含む重合体である。
【0043】より好ましくは一般式(3)で表されるキ
ノキサリン構造を繰り返し単位の一部として含む重合
体、又は一般式(4)で表されるキノキサリン構造を繰
り返し単位の一部として含む重合体である。
【0044】一般式(3)におけるR11〜R14として好
ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオ
ロメチル基、フェニル基、3−トリフリオロメチルフェ
ニル基、ナフチル基、フッ素、カルボン酸基、カルボン
酸エステル基、ニトロ基、スルホン酸基、スルホン酸エ
ステル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、
メトキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ナフ
チル基、フッ素、ニトロ基、スルホン酸基、スルホン酸
エステル基である。
【0045】一般式(4)におけるR15〜R30として好
ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオ
ロメチル基、フェニル基、3−トリフリオロメチルフェ
ニル基、ナフチル基、フッ素、カルボン酸基、カルボン
酸エステル基、ニトロ基、スルホン酸基、スルホン酸エ
ステル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、
メトキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ナフ
チル基、フッ素、ニトロ基、スルホン酸基、スルホン酸
エステル基である。
【0046】一般式(4)におけるXはそれぞれ独立に
置換基を有しても良いアリーレン基を表し、Yはそれぞ
れ独立にヘテロ原子単独、ヘテロ原子を有しても良い炭
素数が6以上20以下のアリーレン基または炭素数が2
以上20以下である2価の複素環残基を表し、nはそれ
ぞれ独立に0〜5の整数を表す。ただし、nが0の場合
はYは存在しないことを意味する。ここで言うX、Y及
びnの「それぞれ独立に」とは、各繰り返し単位におい
てすべてが同じでも良く、また、すべてが異なっても良
いと言うことを意味する。すなわち、例えば一般式
(4)で示される繰り返し単位をm個有する重合体の場
合、m個のX、Y或いはnすべて同じでも良いし、すべ
て異なっても良いし、一部が同じで一部が違っていても
かまわないことを意味する。
【0047】一般式(4)におけるXとしては、具体的
には例えばフェニレン基、4−メチルフェニレン基、3
−ニトロフェニレン基、3−トリフリオロメチルフェニ
レン基、ナフチレン基、5−メチルナフチレン基、4―
ニトロナフチレン基等を挙げることができる。好ましく
はフェニレン基、3−ニトロ−フェニレン基、3−トリ
フリオロメチルフェニレン基、ナフチレン基、4−ニト
ロナフチレン基であり、より好ましくはフェニレン基、
3−トリフリオロメチルフェニレン基、ナフチレン基で
ある。
【0048】一般式(4)におけるYとしては、具体的
には酸素原子、イオウ、セレン、>N−R(RはHまた
は炭素数10以下のアルキル基)、フェニレン基、3−
ニトロフェニレン基、2,5−ジメトキシフェニレン
基、ナフチレン基等を挙げることができる。好ましくは
酸素原子、フェニレン基、3−ニトロフェニレン基、ナ
フチレン基であり、より好ましくは酸素原子、フェニレ
ン基である。
【0049】また、nは0〜5の整数を表すが、好まし
い範囲はYにより異なる。
【0050】本発明(I)の一般式(1)で表されるキ
ノキサリン構造を含む重合体の具体例としては、ポリフ
ェニルキノキサリン(以下、「PPQ」と略す)、ポリ
-2,2’−(p、p’−オキシジフェニレン)−6,
6’-オキシジ(3−フェニルキノキサリン)(POP
Q)、ポリ−2,2’−(p,p’−オキシジフェニレ
ン)-6,6’−オキシジ(3−フェニルキノキサリン)
(POPQ)等を挙げることができるが、これに限定さ
れるわけではない。詳しくは「J.PolymerSc
ience:part A1、第5巻、1453頁、1
967年」に記載がある。
【0051】本発明(I)の一般式(1)で表されるキ
ノキサリン構造を含む重合体のキノキサリン構造は、核
磁気共鳴スペクトル(以下、NMRと略す。)、赤外ス
ペクトル(以下、IRと略す。)、元素分析、質量分析
法(以下、MSと略す。)等の方法で分析、同定するこ
とが可能である。具体的には洗浄等の方法により本発明
の有機発光素子から一般式(1)で表されるキノキサリ
ン構造を含む重合体を分離し、さらに熱重量分析−質量
分析法(以下、TG−MSと略す)で分解物の構造から
キノキサリン骨格を同定、元素分析で元素の組成比を定
量、NMR、IRで結合状態を同定等の方法でキノキサ
リン構造を同定することが可能である。詳しくは「J.
Polymer Science:partA1、第5
巻、1453頁、1967年」に記載がある。
【0052】本発明(I)の一般式(1)で表されるキ
ノキサリン構造を含む重合体の分子量は、例えばゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略
す。)等の液体クロマトグラフィーにより測定すること
ができる。具体的にはヘキサイソプロパノール等の溶媒
に溶解し、GPCにより測定することが一般的であり、
「J.Polymer Science:partB:
Polymer Physics、第38巻、1348
頁、2000年」、「Chemistry Lette
rs、1049頁、1999年」にその記載がある。
【0053】本発明(I)の一般式(1)で表されるキ
ノキサリン構造を含む重合体の分子量としては、特に制
限はない。一般的には有機発光素子の塗膜としての耐久
性、耐熱性、強度の点から高い方が好ましい。具体的に
はGPCによる絶対分子量測定での重量平均分子量で5
000以上が好ましく、10000以上がより好まし
い。
【0054】本発明(I)の一般式(1)で表されるキ
ノキサリン構造を含む重合体では、低分子量体の存在量
が少ない方が好ましい。具体的には前述のGPCによる
絶対分子量測定での重量平均分子量における1000未
満の分子量を有する低分子量体が重合体全体に対して5
質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1質
量%以下である。
【0055】2.キノキサリン構造を有する重合体の合
成法、及びその原料 2−1.合成法 本発明の一般式(1)で表されるキノキサリン構造を有
する重合体の合成法は特に限定されない。例えば、合成
法としては、一般式(1)で表されるキノキサリン骨
格を有する化合物のR1からR6の少なくともいずれかひ
とつがビニル基等の重合性官能基である化合物をラジカ
ル重合、カチオン重合、アニオン重合等で重合すること
により得られる。
【0056】この方法で一般式(1)で表されるキノキ
サリン骨格を有する化合物に重合性官能基を付与するこ
とが可能であれば、その官能基を重合すればよいので、
材料設計が容易で、重合体も比較的容易に得ることがで
きる。このような重合性官能基が付与されたキノキサリ
ン骨格を有する化合物としては、例えば一般式(7)で
表される。
【化37】 (式中、R31は水素原子、置換基を有してもよい炭素数
1〜炭素数20のアルキル基、置換基を有してもよいア
リール基または置換基を有してもよい複素環を有する基
を表す。R32は酸素原子(−O−)、カルボニルオキシ
基(−COO−、−OCO−)、カルボニル基(−CO
−)、カーボネート基(−OCOO−)、ウレタン基
(−NHCOO−、−OCONH−)、アミド基(−C
ONH−、−NHCO−)を有する2価の有機基、置換
基を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキレン
基、炭素数が6以上20以下のアリーレン基、炭素数が
2以上20以下である2価の複素環残基、ポリエーテル
残基またはイソシアネート基を含む基を表す。R33〜R
37はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、水酸基、ニ
トロ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、スルホ
ン酸基、スルホン酸エステル基、アルコキシ基、置換基
を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキル基、置
換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアルケニル
基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアル
キニル基、置換基を有してもよいアリール基または置換
基を有してもよい複素環を有する基を表す。)
【0057】一般式(7)のR31としては、水素原子、
メチル基の場合が二重結合の重合性が優れており、好ま
しい。R32は酸素原子(−O−)、カルボニルオキシ基
(−COO−、−OCO−)、カルボニル基(−CO
−)、カーボネート基(−OCOO−)、ウレタン基
(−NHCOO−、−OCONH−)、アミド基(−C
ONH−、−NHCO−)の残基を有する2価の有機基
(上記の2価の残基そのものであってもよく、2価の有
機基のなかに上記の基が残基として含まれていてもよ
い。例えばR32が−CH3COO−や−OCONHCH2
CH2OCO−であってもよいことを意味する。)、置
換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキレン
基、炭素数が6以上20以下のアリーレン基、炭素数が
2以上20以下である2価の複素環残基、ポリエーテル
残基またはイソシアネート基を含む基を表す。これらの
うち、R32が酸素原子、カルボニルオキシ基、カルボニ
ル基、カーボネート基、ウレタン基、アミド基を有する
2価の有機基およびアリーレン基、2価の複素環残基が
二重結合の重合性が優れており、好ましい。R33〜R37
としては水素原子、フッ素原子、ニトロ基、酢酸メチル
基、メトキシ基、エトキシ基、メチル基、エチル基、ト
リフルオロメチル基、ヘキサフルオロエチル基、フェニ
ル基、ナフチル基、チエニル基が好ましい。
【0058】これらの例としては、Photoche
m.Photobiol.、第54巻、1号、7頁、1
991年、および第54巻、4号、514頁、1991
年、およびMakromol.Chem.第176巻、
3号、593頁等に記載のスチリルキノキサリンおよび
これらの置換基誘導体、ビニルキノキサリン及びこれら
の置換基誘導体、(メタ)アクリロイルキノキサリン及
びこれらの置換基誘導体が挙げられる。これらの合成法
も上記文献に記載がある。
【0059】このような重合性官能基が付与されたキノ
キサリン骨格を有する化合物を重合する方法は、二重結
合の反応性を利用した一般的なラジカル重合、イオン重
合等の方法を利用できる。即ち、ベンゾイルパーオキサ
イド等の過酸化物熱重合開始剤を添加し、加熱によりラ
ジカル重合する方法や、ベンゾフェノン等の光重合開始
剤を添加し、紫外線照射でラジカル重合する方法、また
はルイス酸/塩基の様な触媒を用いてカチオン重合また
はアニオン重合する方法が挙げられる。
【0060】合成法としては、一般式(1)で表され
るキノキサリン骨格を有する化合物のR1からR6の少な
くともいずれか2つがブロム基等のハロゲン基である化
合物をCuやNi等の金属触媒で脱ハロゲン重合する方
法も挙げられる。このようなハロゲン置換キノキサリン
化合物としては、2,6−ジブロモ−キノキサリン、
2,5−ジブロモ−キノキサリン及びこれらの他置換誘
導体が挙げられる。
【0061】また、合成法のとしては、一般式(1)
で表されるキノキサリン骨格を有する重合体は、例えば
テトラミン誘導体とビスベンジル及びまたはこの誘導体
とを脱水重縮合することにより得られる。本発明の一般
式(1)で表されるキノキサリン骨格を有する重合体を
製造する方法としては、この方法が重合工程的に簡易
で、高収率で、高分子量のものが得られ好ましい。但
し、モノマーの多様性がこれまでのの方法よりやや
劣る。
【0062】以下、このの脱水重縮合法について詳細
に説明する。
【0063】2−2.テトラミン誘導体 本発明のキノキサリン構造を有する重合体を合成する好
ましい方法であるの脱水重縮合法で用いるモノマーの
ひとつであるテトラミン誘導体は、一般式(6)で表さ
れる。
【化38】 (式中、R15〜R17、R28〜R30はそれぞれ独立に、水
素原子、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、
カルボン酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エス
テル基、アルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1
〜炭素数20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素
数2〜炭素数20のアルケニル基、置換基を有してもよ
い炭素数2〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有し
てもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環
を有する基を表す。Yはそれぞれ独立にヘテロ原子単
独、炭素数が4以上20以下のアリーレン基または炭素
数が2以上20以下である2価の複素環残基を表し、n
は0〜5の整数を表す。ただし、nが0の場合はYは存
在せず、一般式(6)のベンゼン環が直接結合している
ことを意味する。)
【0064】この具体例としては3,3’―ジアミノベ
ンジジン
【化39】 及びこの置換体、3,3’,4,4’−テトラアミノジ
フェニルエーテル
【化40】 及びこの置換体が挙げられる。
【0065】2−3.ビスベンジル及び/またはビスベ
ンジル誘導体 本発明のキノキサリン構造を有する重合体を合成する好
ましい方法であるの脱水重縮合法で用いるのモノマー
のひとつであるビスベンジル及び/またはビスベンジル
誘導体は一般式(5)で表される。
【化41】 (式中、R18〜R27はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エ
ステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アル
コキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20
のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数
20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜
炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいアリ
ール基または置換基を有してもよい複素環を有する基を
表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有しても良いアリー
レン基を表す。
【0066】この具体例としては1,4−ビスベンジル
(パラ体、メタ体;次式はパラ体)
【化42】 及びこれらの置換体(次式はパラ体のメトキシ誘導体)
【化43】 が挙げられる。
【0067】2−4.脱水重縮合 本発明の一般式(1)で表されるキノキサリン骨格を有す
る重合体を合成する好ましい方法であるの方法、即ち
各種テトラミンとビスベンジル及びまたはビスベンジル
誘導体とを脱水重縮合する条件は以下の通りである。
【0068】反応温度は使用するモノマーの種類や溶媒
によって一概に限定できないが一般的には使用する溶媒
の環流温度付近で行う。
【0069】反応時間は使用するモノマーの種類や溶媒
によって一概に限定できないが、脱水重縮合であり、高
分子化するには少なくとも10時間は要する。好ましい
範囲は25時間以上100時間以内であり、30時間以
上70時間以下が特に好ましい。使用する溶媒として
は、使用するモノマーが溶解しやすく、また反応しない
ものなら特に限定されない。例えばN,N―ジメチルホ
ルムアミド(DMF)等が挙げられる。
【0070】重合時の溶媒中のモノマー濃度は、ビスベ
ンジル及びまたはビスベンジル誘導体とテトラミンの重
量の総計が反応溶液の5質量%以上40質量%以下が好
ましく、8質量%以上30質量%以下が特に好ましい。
モノマー濃度が低すぎると重合が進みにくく分子量が増
加しにくくなる。モノマー濃度が高すぎると重合溶液の
粘度が上がり、混合しづらくなって、重合体の析出が早
期に起こり分子量が増加しにくい。
【0071】3.有機発光素子 次に、本発明(II)の上記キノキサリン構造を含む重
合体を用いた有機発光素子について説明する。
【0072】図1は本発明の有機発光素子構成の一例を
示す断面図であり、透明基板上に設けた陽極と陰極の間
にホール輸送層、発光層、電子輸送層を順次設けたもの
である。また、本発明の有機発光素子構成は図1の例の
みに限定されず、陽極と陰極の間に順次、1)ホール輸
送層/発光層、2)発光層/電子輸送層、のいずれかを
設けたものでもよく、更には3)ホール輸送材料、発光
材料、電子輸送材料を含む層、4)ホール輸送材料、発
光材料を含む層、5)発光材料、電子輸送材料を含む
層、6)発光材料の単独層、のいずれかの層を一層設け
るだけでもよい。また、図1に示した発光層は1層であ
るが、2つ以上の層が積層されていてもよい。
【0073】3−1.電子輸送材料 本発明の有機発光素子においては、上記電子輸送材料に
キノキサリン構造を含む重合体を用いることを特徴とす
る。キノキサリン構造を含む重合体は成膜されて有機発
光素子の一部を構成するが、その成膜する方法は特に限
定されない。例えば、(A)発光体層の上にキノキサリ
ン構造を含む重合体溶液を塗布し溶媒を揮発除去する方
法や、(B)発光層の上にキノキサリン構造を含む重合
体モノマーを塗布、成膜後に、モノマーを重合する方法
が挙げられる。これらの方法は多層構造素子を作成する
場合に好適である。また、発光材料や電子輸送材料、ホ
ール輸送材料の混合単層素子を作成する方法もプロセス
上有利である。例えば、(C)キノキサリン構造を含む
重合体からなる電子輸送材料と発光材料やホール輸送材
料を混合した溶液を調製し、電極上に塗布後、溶媒を揮
発除去する方法や、(D)キノキサリン構造を含む重合
体モノマーと発光材料やホール輸送材料を混合した溶液
を調製し、電極上に塗布後、重合体モノマーを重合し、
溶媒を揮発除去する方法が挙げられる。上記、重合体溶
液やモノマー溶液を塗布する方法も特に限定されない。
例えば、印刷法やインクジェット、スピンコート等、種
々の方法が挙げられる。電子輸送層の厚さは、電子輸送
層の導電率にもよるので一概に限定はできないが、10
nm〜10μmが好ましく、10nm〜1μmが更に好ま
しい。
【0074】本発明では上記キノキサリン構造を含む重
合体に他の電子輸送材料を混合及び/または積層して用
いても良い。用いることのできる他の電子輸送材料とし
ては、Alq3(トリスアルミニウムキノリノール)な
どのキノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘
導体、トリアゾール誘導体などの既知の電子輸送材料が
使用できるが、特にこれらに限定されることはない。
【0075】上記の電子輸送材料はそれぞれ単独で電子
輸送層を形成するほかに、高分子材料をバインダとして
各層を形成することもできる。これに使用される高分子
材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボ
ネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレン
オキサイドなどを例示できるが、特にこれらに限定され
るものではない。
【0076】3−2.発光材料 発光材料としてはスチルベン構造等の共役系構造を有す
る化合物、アルミニウムキノリウム錯体等の軽金属錯体
や遷移金属錯体構造等があげられるが、安定性、設計自
由性等の面で金属錯体構造が好ましい。
【0077】本発明の有機発光素子に用いられる発光材
料においては、さらに励起三重項状態からの発光あるい
は励起三重項状態を経由する発光、いわゆる燐光発光物
質を発光部位に有する化合物が好ましい。燐光発光物質
は、励起三重項状態の量子効率の値として0.1以上が
好ましく、更に好ましくは0.3以上であり、より一層
好ましくは0.5以上である。尚、これらの励起三重項
状態の量子効率が高い化合物は、例えば“Handbo
ok of Photochemistry,Seco
nd Edition(Steven L. Muro
vほか著,Marcel Dekker Inc.,1
993)などから選ぶことができる。本発明の好ましい
発光材料の励起三重項状態からの発光あるいは励起三重
項状態を経由する燐光発光部位としてはイリジウムや白
金等の金属錯体構造及びこれらの誘導体があげられる。
燐光性金属錯体構造は励起三重項状態が高温でも比較的
安定であり好ましい。
【0078】上記の燐光性金属錯体構造に使用される遷
移金属としては、周期表において第1遷移元素系列は原
子番号21のScから原子番号30のZnまでを、第2
遷移元素系列は原子番号39のYから原子番号48のC
dまでを、第3遷移元素系列は原子番号72のHfから
原子番号80のHgまでを含める。また上記の励起三重
項状態を経由して発光する燐光性金属錯体構造の他の具
体的な例としては希土類金属錯体構造を例示することが
できるが、何らこれに限定されるものではない。この希
土類金属錯体構造に使用される希土類金属としては、周
期表において原子番号57のLaから原子番号71のL
uまでを含める。
【0079】上述した金属錯体構造に使用される配位子
の構造としては、アセチルアセトナート、2,2’−ビ
ピリジン、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジ
ン、1,10−フェナントロリン、2−フェニルピリジ
ン、ポルフィリン、フタロシアニン、ピリミジン、キノ
リン及び/またはこれらの誘導体などを例示することが
できるが、何らこれらに限定されるものではない。これ
らの配位子は、1つの錯体について1種類または複数種
類が配位される。また、上記の錯体化合物として二核錯
体構造あるいは多核錯体構造や、2種類以上の錯体の複
錯体構造を使用することもできる。
【0080】本発明の好ましい発光材料である燐光性金
属錯体構造における発光のメカニズムは以下のようにな
る。すなわち、電気的励起により最低励起一重項状態が
25%、最低励起三重項状態が75%の割合で生成する
が、遷移金属錯体や希土類金属錯体の場合には重原子効
果により最低励起一重項状態から最低励起三重項状態へ
の項間交差が起こりやすくなるため、最低三重項状態の
比率が75%以上に増加する。この最低励起三重項状態
から燐光を発光する遷移金属錯体のような場合には、燐
光を発光する放射遷移と共に無輻射遷移が存在する。ま
た、希土類金属錯体の場合には配位子の最低励起三重項
状態の励起エネルギーが中心金属イオンへエネルギー移
動し、中心金属イオンの励起準位から発光するが、この
場合にも発光の放射遷移と共に無輻射遷移が存在する。
これらの無輻射遷移は極低温にしない限りこれを抑える
ことができず、通常上記のような化合物の常温における
発光は極めて微弱である。しかし、本発明の好ましい燐
光性金属錯体構造を有する発光材料では、発光部位を分
子レベルで高分子に固定することにより分子の振動が抑
えられるため、励起エネルギーが分子の振動となって失
われることがなくなる。また、励起三重項状態は酸素に
より失活するが、本発明の好ましい燐光性金属錯体構造
を有する発光材料では、発光部位を高分子内に閉じ込め
ることにより、酸素の進入を抑えることが可能である。
【0081】上記の発光体層に用いられる発光材料はそ
れぞれ単独で各層を形成するほかに、高分子材料をバイ
ンダとして各層を形成することもできる。これに使用さ
れる高分子材料としては、ポリメチルメタクリレート、
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリ
フェニレンオキサイドなどを例示できるが、特にこれら
に限定されるものではない。
【0082】発光体層の厚さは一概に限定はできない
が、10nm〜10μmが好ましく、10nm〜1μmが
更に好ましい。
【0083】上記の発光層に用いられる発光材料の成膜
方法は、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタ
リング法、コーティング法などを用いることが可能で、
これらに特に限定されることはないが、低分子化合物に
場合は主として抵抗加熱蒸着および電子ビーム蒸着が用
いられ、高分子材料の場合は主にコーティング法が用い
られる。
【0084】3−3.ホール輸送材料 本発明の有機発光素子にホール輸送材料も用いることも
できる。発光材料にホール輸送機能がない場合は特にホ
ール輸送材料を用いることにより、発光効率の向上、駆
動電圧の低下等、素子の性能向上が図れる。用いるホー
ル輸送材料に特に制限はなく、発光材料やキノキサリン
構造を有する重合体からなる電子輸送材料との組み合わ
せで適したものを選べばよい。
【0085】ホール輸送材料としては、低分子化合物と
して、フタロシアニン類、金属フタロシアニン類、ナフ
タロシアニン類、金属ナフタロシアニン類、ビスアゾ化
合物類、トリスアゾ化合物類、TPD(N,N’−ジメ
チル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−
ビフェニル−4,4’ジアミン)、α−NPD(4,
4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミ
ノ]ビフェニル)、m−MTDATA(4、4’,
4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)
トリフェニルアミン)等のトリフェニルアミン誘導体
類、ジフェニル類、ナフタレン類、アントラセン類の多
環芳香族類、ベンゾキノン、アントラキノン等の芳香族
キノン類が挙げられる。また高分子化合物として、上記
低分子化合物の重合体以外にポリアニリン、ポリチオフ
ェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリピロー
ル、ポリパラフェニレンビニレン及びこれらの誘導体に
代表されるp型導電性高分子、ポリカルバゾール及び誘
導体、ポリシラン及び誘導体、ポリシロキサン及び誘導
体等が挙げられる。
【0086】これらのホール輸送材料は単独でも用いら
れるが、異なるホール輸送材料と混合または積層して用
いてもよい。ホール輸送層の厚さは、ホール輸送層の導
電率にもよるので一概に限定はできないが、10nm〜
10μmが好ましく、10nm〜1μmが更に好ましい。
【0087】またこれらのホール輸送材料はそれぞれ単
独で各層を形成するほかに、高分子材料をバインダとし
て各層を形成することもできる。これに使用される高分
子材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリカー
ボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレ
ンオキサイドなどを例示できるが、特にこれらに限定さ
れるものではない。
【0088】上記のホール輸送材料の成膜方法は、抵抗
加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、コ
ーティング法などを用いることが可能で、これらに特に
限定されることはないが、低分子化合物に場合は主とし
て抵抗加熱蒸着および電子ビーム蒸着が用いられ、高分
子材料の場合は主にコーティング法が用いられる。
【0089】3−4.陽極材料 本発明に係る有機発光素子の陽極材料としては、ITO
(酸化インジウムスズ)、酸化錫、酸化亜鉛、ポリチオ
フェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性高分
子などの既知の透明導電材料が使用できるが、特にこれ
らに限定されることはない。この透明導電材料による電
極の表面抵抗は1〜50Ω/□(オーム/スクエアー)
であることが好ましい。これらの陽極材料の成膜方法と
しては、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、化学反
応法、コーティング法などを用いることができるが、こ
れらに特に限定されることはない。陽極の厚さは50〜
300nmが好ましい。
【0090】また、陽極とホール輸送層または陽極に隣
接して積層される有機層の間に、ホール注入に対する注
入障壁を緩和する目的でバッファ層が挿入されていても
よい。これには銅フタロシアニンなどの既知の材料が用
いられるが、特にこれに限定されることはない。
【0091】3−5.陰極材料 本発明に係る有機発光素子の陰極材料としては、Al、
MgAg合金、Caなどのアルカリ金属、AlCaなど
のAlとアルカリ金属の合金などの既知の陰極材料が使
用できるが、特にこれらに限定されることはない。これ
らの陰極材料の成膜方法としては、抵抗加熱蒸着法、電
子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法などを用いることができるが、これらに特に限定
されることはない。陰極の厚さは10nm〜1μmが好
ましく、50〜500nmが更に好ましい。
【0092】また、陰極と、電子輸送層または陰極に隣
接して積層される有機層との間に、電子注入効率を向上
させる目的で、厚さ0.1〜10nmの絶縁層が挿入さ
れていてもよい。この絶縁層としては、フッ化リチウ
ム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、アルミナ
などの既知の陰極材料が使用できるが、特にこれらに限
定されることはない。
【0093】3−6.基板、その他 本発明に係る有機発光素子の基板としては、発光材料の
発光波長に対して透明な絶縁性基板が使用でき、ガラス
のほか、PET(ポリエチレンテレフタレート)やポリ
カーボネートを始めとする透明プラスチックなどの既知
の材料が使用できるが、特にこれらに限定されることは
ない。
【0094】本発明の有機発光素子は、既知の方法でマ
トリックス方式またはセグメント方式による画素を構成
することができ、また、画素を形成せずにバックライト
として用いることもできる。
【0095】
【実施例】以下に本発明について代表的な例を示し具体
的に説明する。尚これらは説明のための単なる例示であ
って、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
【0096】<測定装置等> 1)1H−NMR 日本電子(株)製 JNM EX270 270Mz 溶媒:重クロロホルムまたは重ジメチルス
ルホシキド 2)GPC測定(分子量測定) カラム:Shodex KF−G+KF804L+KF
802+KF801 溶離液:ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP) 温 度:40℃ 検出器:RI(Shodex RI−71) 光散乱検出器(DAWN社製) (Shodexは昭和電工(株)の登録商標) 3)元素分析装置 REC0社製 CHNS−932型
【0097】<実施例1>:電子輸送材料製造例;ポリ
フェニルキノキサリン(PPQ)の合成反応は下記スキー
ムに従って実施した。
【化44】 即ち、DMF(含水量200ppm)600ccを加えた
1Lのガラス製四口フラスコ(長さ4cmの撹拌はね及
び冷却管付き)に、1,4−ビスベンジル(BBZと略
す、Mw342.4、昭和電工製、GC純度98%)4
1.52g、3,3’−ジアミノベンジジン(DABZ
と略す、Mw214.3、アルドリッチ製、LC純度9
8%)25.98gを添加し、室温窒素雰囲気下で30
分撹拌し、BBZ及びDABZを完全に溶解させた。そ
の後、窒素雰囲気下、130℃まで1時間で昇温した
後、130℃で攪拌しながら40時間反応させた。
【0098】得られた黄色沈殿を濾過、メタノール洗
浄、乾燥後120℃で12時間、真空乾燥することによ
り、54.03gのPPQ粉末を得た。
【0099】この粉末の元素分析値及びIRスペクトル
から目的通りの構造と推定された。また、ヘキサフルオ
ロイソプロパノール(HFIP)を溶離液としたGPC
からの光散乱法による絶対分子量(重量平均)は510
00であった。
【0100】<実施例2>:PPQ塗膜評価 実施例1で製造したPPQ粉末の5wt%HFIP溶液
を調製した。これをスピンコータで1×1cmの白金箔
上に塗布後、HFIPを蒸発除去させることにより、厚
さ約2000ÅのPPQ塗膜を白金箔上に成膜した。こ
のPPQ/白金電極を作用極とし、対極を白金箔(2×
2cm)、飽和カロメル電極(SCE)を参照極とし
て、20wt%硫酸水溶液中で、10mV/secの走
査速度で、サイクリックボルタモグラムを行った。その
結果、−0.05Vvs.SCEに水素イオンのN型ド
ーピングによる酸化還元ピークがみられ、このPPQフ
ィルムが容易にN型ドーピングすることが確認できた。
【0101】<実施例3>:電子輸送材料製造例;ポリ
フェニルキノキサリンエーテル(PPQE)の合成 反応は下記スキームに従って実施した。
【化45】 即ち、実施例1で用いたDABZ25.98gの代わり
に、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエー
テル(TADEと略す、Mw230.27、文献(OP
PI BRIEFS,vol.25,No.4,478
頁,1993年)に従い合成、LC純度98%)27.
92gを用いた以外は実施例1と同様の方法で、55.
83gの黄色のPPQE粉末を得た。
【0102】この粉末の元素分析値及びIRスペクトル
から得られた粉末は目的通りの構造と推定された。ま
た、HFIPを溶離液としたGPCからの光散乱法によ
る絶対分子量(重量平均)は48000であった。
【0103】<実施例4>:PPQE塗膜評価 実施例3で製造したPPQE粉末の5wt%HFIP溶
液を調製し、実施例2と同様にPPQE/白金電極を製
造した。PPQ/白金電極の代わりに、このPPQE/
白金電極を用いて、実施例2と同様にしてサイクリック
ボルタモグラムを行った。その結果、−0.07Vv
s.SCEに水素イオンのN型ドーピングによる酸化還
元ピークがみられ、このPPQEフィルムが容易にN型
ドーピングすることが確認できた。
【0104】<実施例5>:電子輸送材料製造例;ポリ
メトキシフェニルキノキサリン(PPQOM)の合成 反応は下記スキームに従って実施した。
【0105】
【化46】 即ち、実施例1で用いたBBZ41.52gの代わり
に、BBZメトキシ体(BBZOMと略す、Mw40
4.41、文献(OPPI BRIEFS,vol.2
5,No.4,478頁,1993年)に従い合成、L
C純度98%)49.04gを用いた以外は実施例1と
同様の方法で、黄赤色の60.33gのPPQ粉末を得
た。
【0106】この粉末の元素分析値及びIRスペクトル
から目的通りのPPQOMが得られていると推定され
た。また、HFIPを溶離液としたGPCからの光散乱
法による絶対分子量(重量平均)は38000であった。
【0107】<実施例6>:PPQOM塗膜評価 実施例5で製造したPPQOM粉末の5wt%HFIP
溶液を調製し、実施例2と同様にPPQOM/白金電極
を製造した。PPQ/白金電極の代わりに、このPPQ
OM/白金電極を用いて、実施例2と同様にしてサイク
リックボルタモグラムを行った。その結果、−0.1V
vs.SSCEに水素イオンのN型ドーピングによる酸
化還元ピークがみられ、このPPQOMフィルムが容易
にN型ドーピングすることが確認できた。
【0108】<実施例7>:電子輸送材料製造例;スチ
リルキノキサリン(以下、STQと略す。)の重合、評
価 Photochem.Photobiol.、第54
巻、1号、7頁、1991年に記載の方法で合成したス
チリルキノキサリンを下記スキームに従い、重合した。
【化47】
【0109】即ち、STQ(LC純度96%)30.0
0gを脱水トルエン500CCに溶解し、撹拌しなが
ら、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを0.1g
加え、60℃に昇温し、3時間反応させることにより、
ポリスチリルキノキサリン(以下、PSTQと略す。)
が析出、沈殿した。これを濾過、分離し、24.50g
を淡黄色粉末として得た。
【0110】この粉末の元素分析値及びIRスペクトル
からSTQの二重結合が消失し、PSTQが得られてい
ると推定された。また、HFIPを溶離液としたGPC
からの光散乱法による絶対分子量(重量平均)は4200
0であった。
【0111】このPSTQ粉末の5wt%HFIP溶液
を調製し、実施例2と同様にしてPSTQ/白金電極を
製造した。このPSTQ/白金電極を用いて、実施例2
と同様にしてサイクリックボルタモグラムを行った。そ
の結果、−0.07Vvs.SSCEに水素イオンのN
型ドーピングによる酸化還元ピークがみられ、このPS
TQフィルムが容易にN型ドーピングすることが確認で
きた。
【0112】<実施例8>:発光材料製造例;燐光高分
子用重合性化合物:Ir(4−MA−PPy)2(PP
y)の合成 常法に従い4−メトキシフェニルピリジン(4−MeO
−PPy)を合成した。即ち、下記スキームに示すよう
に、常法によりアルゴン気流下において4−ブロモアニ
ソール22.4g(120mmol)から脱水テトラヒ
ドロフラン(THF)中でマグネシウム(Mg)3.4
gを用いて(4−メトキシフェニル)マグネシウムブロ
マイドを合成し、これを2−ブロモピリジン15.8g
(100mmol)と(1,2−ビス(ジフェニルホス
フィノ)エタン)ジクロロニッケル(II)(Ni(d
ppe)Cl2) 1.8gの脱水THF溶液に徐々に
添加し、1時間還流した。反応液に5%塩酸水溶液25
0mlを加えた後、クロロホルムで洗浄した。水層を炭
酸水素ナトリウムで中和した後、クロロホルムで目的物
を抽出し、有機層を減圧下に蒸留した。蒸留物は室温で
直ちに固化し、白色固体として2−(4−メトキシフェ
ニル)ピリジン(4−MeO−PPy)を15.1g
(81.5mmol)得た。同定はCHN元素分析、1
H−NMRで行った。
【化48】
【0113】次いでこの4−MeO−PPyのメトキシ
基を常法に従い加水分解した。即ち、下記スキームに示
すように、4−MeO−PPy 15.0g(80.1
mmol)を濃塩酸中に溶解させ密閉容器中130℃で
4時間攪拌した。反応後、反応液を炭酸水素ナトリウム
水溶液で中和し、目的物をクロロホルムで抽出し、抽出
物をクロロホルム/ヘキサン溶液より結晶化させ、無色
の結晶として2−(4−ヒドロキシフェニル)ピリジン
(4−HO−PPy)10.0g(58.5mmol)
を得た。同定はCHN元素分析、1H−NMRで行っ
た。
【化49】
【0114】次いでこの4−HO−PPyを常法に従い
ヘキサクロロイリジウム酸ナトリウムn水和物(Na3
IrCl6・nH2O)と反応させてビス(μ-クロロ)
テトラキス(2−(4−ヒドロキシフェニル)ピリジ
ン)ジイリジウム(III)([Ir(4−HO−PP
y)2Cl]2)を合成した。即ち、下記スキームに示す
ように、Na3IrCl6・nH2O 10.0gを2−
エトキシエタノールと水の3:1の混合溶媒400ml
中に溶解させ、アルゴンガスを30分間吹き込んだ後
に、アルゴン気流下で4−HO−PPy 8.6g(5
0.2mmol)を加えて溶解させ、5時間還流した。
反応後、溶媒を留去し、エタノールより再結晶させ、赤
橙色の結晶として[Ir(4−HO−PPy)2Cl]2
5.88g(5.18mmol)を得た。同定はCH
N元素分析、1H−NMRで行った。
【化50】
【0115】次いでこの[Ir(4−HO−PPy)2
Cl]2を、常法に従いトリフルオロメチルスルホン酸
銀(I)(AgCF3SO3)の存在下に2−フェニルピ
リジン(PPy)と反応させた。即ち、下記スキームに
示すように、アルゴン気流下にて[Ir(4−HO−P
Py)2Cl]2 3.98g(3.5mmol)とPP
y 15.5g(10.0mmol)の脱水トルエン懸
濁液にAgCF3SO3を1.98g加え、6時間還流し
た。反応液をシリカゲルカラムで精製した後、溶媒を留
去し、黄色粉末としてビス(2−(4−ヒドロキシフェ
ニル)ピリジン)(2−フェニルピリジン)イリジウム
(III)(Ir(4−HO−PPy)2(PPy))
2.20g(3.2mmol)を得た。同定はCHN元
素分析、1H−NMRで行った。
【化51】
【0116】次いで、下記スキームに示すように、アル
ゴン気流下にて、Ir(4−HO−PPy)2(PP
y) 1.37g(2.0mmol)、脱酸剤としての
トリエチルアミン(TEA)0.81g(8.0mmo
l)の脱水THF溶液にメタクリル酸クロライド0.5
0g(4.8mmol)を加えて20℃で5時間反応さ
せた。反応液からトリエチルアミンの塩酸塩を濾別し、
濾液をシリカゲルカラムで精製した後、溶媒を留去し、
ビス((2−(4−(2−メタクリロイルオキシ)フェ
ニル)ピリジン)(2−フェニルピリジン)イリジウム
(III)(Ir(4−MA−PPy)2(PPy))
1.55g(1.88mmol)を得た。同定はCHN
元素分析、1H−NMRで行った。
【化52】
【0117】<実施例9>:発光材料製造例;燐光高分
子用重合性化合物:Ir(4−MOI−PPy)2(P
Py)の合成 下記スキームに示すように、アルゴン気流下にて、実施
例8と同様に合成したIr(4−HO−PPy)2(P
Py) 1.37g(2.0mmol)、2,6−ジ−
tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)1
8mg、ジブチル錫(IV)ジラウレート(DBTL)2
6mgの脱水THF溶液にメタクリロイルオキシエチル
イソシアネート(MOI、昭和電工製)0.75g
(4.83mmol)を加えて50℃で1時間反応させ
た。反応液をシリカゲルカラムで精製した後、溶媒を留
去し、ビス((2−(4−(2−メタクリロイルオキ
シ)エチルカルバモイルオキシ)フェニル)ピリジン)
(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir
(MOI−PPy)2(PPy))1.68g(1.6
8mmol)を得た。同定はCHN元素分析、1H−N
MRで行った。
【化53】
【0118】<実施例10〜17>: 有機発光素子の
作製、評価 実施例8、9で合成した2種の燐光高分子用重合性化合
物、Ir(4−MA−PPy)2(PPy)、Ir(4
−MOI−PPy)2(PPy)のそれぞれのヘキサフ
ルオロイソプロパノール(HFIP)の5wt%溶液を
ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT、バイエ
ル社製)が500Åの厚さで予め塗布成膜されたITO
陽極(ガラス基板上にITOが塗布されたもの)上にス
ピンコート法により5mm×5mmの大きさに塗布後、
窒素雰囲気で60℃加熱2時間行い、燐光高分子用重合
性化合物を架橋熱重合/60℃3時間真空乾燥すること
により、各厚さ約1000Åの各燐光性高分子層(Ir
(4−MA−PPy)2(PPy)架橋重合体、Ir
(4−MOI−PPy)2(PPy)架橋重合体)をP
EDOT/ITO陽極上に各4個ずつ成膜し、発光層を
形成した。これら2種、各4個の燐光性高分子/PED
OT/ITO電極上に電子輸送材料として実施例1,
3,5,7で合成したPPQ、PPQE、PPQOM、
PSTQの3wt%溶液を各発光層につき1種ずつスピ
ンコ−トにより成膜後、60℃3時間真空乾燥すること
により、各厚さ約500Åの電子輸送層を形成させた。
ついで陰極としてAg/Mgを重量比9/1で約100
0Åの厚さに成膜し、発光層、電子輸送層のことなる6
種の有機発光素子を作製した。これら素子をアルゴン雰
囲気のグローブボックス中でリード線をつけガラス容器
内にアルゴン雰囲気で密閉し、発光評価に用いた。
【0119】発光輝度は電源として、(株)アドバンテ
スト社製 プログラマブル直流電圧/電流源 TR61
43を用い、実施例において得られた有機発光素子に電
圧を印加し、発光輝度を(株)トプコン社製 輝度計
BM−8を用いて測定した。
【0120】上記発光素子に直流電源を引加したとこ
ろ、発光開始電圧、10Vでの初期輝度、その後10V
で固定し連続発光させた場合の240時間後の輝度は表
1の如くなった。
【0121】<比較例1〜4>:有機発光素子の作成、
評価 実施例10、14の2種の燐光性高分子系有機発光素子
の電子輸送層を省略、または電子輸送層としてPBD(2
-(4-biphenylyl)-5-(4-tert-butylphenyl)-1,3,4-oxadi
azol)を約500Åの厚さに真空蒸着により成膜した以
外は実施例10、14と同様の有機発光素子を作製し、
直流電源を引加したところ、発光開始電圧、10Vでの
初期輝度、その後10Vで固定し連続発光させた場合の
240時間後の輝度は表2の如くなった。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】
【発明の効果】本発明のキノキサリン構造を有する高分
子からなる電子輸送材料を用いることにより、高輝度で
耐久性のある有機発光素子を提供することが可能とな
る。
【0125】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機発光素子の断面図の例である。
【0126】
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 陽極 3 ホール輸送層 4 発光層 5 電子輸送層 6 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 B

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるキノキサリン構
    造を含む重合体を含有することを特徴とする電子輸送材
    料。 【化1】 (式中、R1〜R6の内、少なくとも一つは重合体の主鎖
    に結合する基であり、他はそれぞれ独立に、水素原子、
    ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン
    酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、
    アルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数
    20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭
    素数20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数
    2〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよい
    アリール基または置換基を有してもよい複素環を有する
    基を表す。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるキノキサリン構
    造を側鎖に含む重合体を含有することを特徴とする電子
    輸送材料。 【化2】 (式中、R1〜R6の内、少なくとも一つは重合体の主鎖
    に結合する基であり、他はそれぞれ独立に、水素原子、
    ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン
    酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、
    アルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数
    20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭
    素数20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数
    2〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよい
    アリール基または置換基を有してもよい複素環を有する
    基を表す。)
  3. 【請求項3】 一般式(2)で表されるキノキサリン構
    造を繰り返し単位の一部として含む重合体を含有するこ
    とを特徴とする電子輸送材料。 【化3】 (式中、R7〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
    ゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エ
    ステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アル
    コキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20
    のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数
    20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜
    炭素数20のアルキニル基置換基を有してもよいアリー
    ル基または置換基を有してもよい複素環を有する基を表
    す。)
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表されるキノキサリン構
    造を側鎖に含み、且つ一般式(2)で表されるキノキサ
    リン構造を繰り返し単位の一部として含む重合体を含有
    することを特徴とする電子輸送材料。 【化4】 (式中、R1〜R6の内、少なくとも一つは重合体の主鎖
    に結合する基であり、他はそれぞれ独立に、水素原子、
    ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン
    酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、
    アルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数
    20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭
    素数20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数
    2〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよい
    アリール基または置換基を有してもよい複素環を有する
    基を表す。) 【化5】 (式中、R7〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
    ゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エ
    ステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アル
    コキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20
    のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数
    20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜
    炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいアリ
    ール基または置換基を有してもよい複素環を有する基を
    表す。)
  5. 【請求項5】 一般式(2)で表されるキノキサリン構
    造が、一般式(3)で表されるキノキサリン構造である
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4のいずれか一つ
    に記載の電子輸送材料。 【化6】 (式中、R11〜R14はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
    ゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エ
    ステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アル
    コキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20
    のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数
    20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜
    炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいアリ
    ール基または置換基を有してもよい複素環を有する基を
    表す。)
  6. 【請求項6】 一般式(4)で表されるキノキサリン構
    造を繰り返し単位の一部として含む重合体を含有するこ
    とを特徴とする電子輸送材料。 【化7】 (式中、R15〜R30はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
    ゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エ
    ステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アル
    コキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数20
    のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数
    20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜
    炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいアリ
    ール基または置換基を有してもよい複素環を有する基を
    表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有しても良いアリー
    レン基を表し、Yはそれぞれ独立にヘテロ原子単独、炭
    素数が6以上20以下のアリーレン基または炭素数が2
    以上20以下である2価の複素環残基を表し、nは0〜
    5の整数を表す。ただし、nが0の場合はYは存在しな
    いことを意味する。)
  7. 【請求項7】一般式(4)におけるR15〜R30が水素原
    子、Xがフェニレン基、n=0である請求項6に記載の
    電子輸送材料。
  8. 【請求項8】一般式(4)におけるR15〜R30が水素原
    子、Xがフェニレン基、Yが酸素原子、n=1である請
    求項6に記載の電子輸送材料。
  9. 【請求項9】一般式(4)におけるR15〜R19、R21
    24、R26〜R30が水素原子、R20およびR25がメトキ
    シ基、Xがフェニレン基、n=0である請求項6に記載
    の電子輸送材料。
  10. 【請求項10】一般式(5)で表されるビスベンジル誘
    導体と一般式(6)で表されるテトラミン誘導体とを脱
    水重縮合することを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    一つに記載の電子輸送材料の製造方法。 【化8】 【化9】 (両式中、R15〜R30はそれぞれ独立に、水素原子、ハ
    ロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸
    エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、ア
    ルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数2
    0のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素
    数20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2
    〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいア
    リール基または置換基を有してもよい複素環を有する基
    を表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有しても良いアリ
    ーレン基を表し、Yはそれぞれ独立にヘテロ原子単独、
    炭素数が4以上20以下のアリーレン基または炭素数が
    2以上20以下である2価の複素環残基を表し、nは
    0 〜 5 の整数を表す。ただし、nが0の場合はY
    は存在せず、一般式(6)のベンゼン環が直接結合して
    いることを意味する。)
  11. 【請求項11】モノマーの一種類として一般式(7)で
    表される重合性官能基を有するキノキサリン系化合物を
    重合することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つ
    に記載の電子輸送材料の製造方法。 【化10】 (式中、R31は水素原子、置換基を有してもよい炭素数
    1〜炭素数20のアルキル基、置換基を有してもよいア
    リール基または置換基を有してもよい複素環を有する基
    を表す。R32は酸素原子(−O−)、カルボニルオキシ
    基(−COO−、−OCO−)、カルボニル基(−CO
    −)、カーボネート基(−OCOO−)、ウレタン基
    (−NHCOO−、−OCONH−)、アミド基(−C
    ONH−、−NHCO−)を有する2価の有機基、置換
    基を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキレン
    基、炭素数が6以上20以下のアリーレン基、炭素数が
    2以上20以下である2価の複素環残基、ポリエーテル
    残基またはイソシアネート基を含む基を表す。R33〜R
    37はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、水酸基、ニ
    トロ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、スルホ
    ン酸基、スルホン酸エステル基、アルコキシ基、置換基
    を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキル基、置
    換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアルケニル
    基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアル
    キニル基、置換基を有してもよいアリール基または置換
    基を有してもよい複素環を有する基を表す。)
  12. 【請求項12】請求項1〜9のいずれか一つに記載の電
    子輸送材料を用いることを特徴とする有機発光素子。
  13. 【請求項13】発光層、電子輸送層の少なくとも2層構
    造からなる有機発光素子において、請求項1〜9のいず
    れか一つに記載の電子輸送材料が厚み100Å以上50
    00Å以下で形成された電子輸送層を用いることを特徴
    とする有機発光素子。
  14. 【請求項14】発光材料と電子輸送材料が混合された発
    光層を有する有機発光素子において、電子輸送材料に請
    求項1〜9のいずれか一つに記載の電子輸送材料を用い
    ることを特徴とする有機発光素子。
  15. 【請求項15】請求項1〜9のいずれか一つに記載の電
    子輸送材料を溶かした溶液を下地層上に塗布成膜後、溶
    媒を除去することを特徴とする有機発光素子の製造方
    法。
  16. 【請求項16】一般式(5)で表されるビスベンジル誘
    導体と一般式(6)で表されるテトラミン誘導体とを下
    地層上に塗布成膜後、脱水重縮合することを特徴とする
    有機発光素子の製造方法。 【化11】 【化12】 (両式中、R15〜R30はそれぞれ独立に、水素原子、ハ
    ロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸
    エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、ア
    ルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数2
    0のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素
    数20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2
    〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいア
    リール基または置換基を有してもよい複素環を有する基
    を表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有しても良いアリ
    ーレン基を表し、Yはそれぞれ独立にヘテロ原子単独、
    炭素数が4以上20以下のアリーレン基または炭素数が
    2以上20以下である2価の複素環残基を表し、nは0
    〜5の整数を表す。ただし、nが0の場合はYは存在せ
    ず、一般式(6)のベンゼン環が直接結合していること
    を意味する。)
  17. 【請求項17】一般式(7)で表される重合性官能基を
    有するキノキサリン系化合物を下地層上に塗布成膜後、
    重合することを特徴とする有機発光素子の製造方法。 【化13】 (式中、R31は水素原子、置換基を有してもよい炭素数
    1〜炭素数20のアルキル基、置換基を有してもよいア
    リール基または置換基を有してもよい複素環を有する基
    を表す。R32は酸素原子(−O−)、カルボニルオキシ
    基(−COO−、−OCO−)、カルボニル基(−CO
    −)、カーボネート基(−OCOO−)、ウレタン基
    (−NHCOO−、−OCONH−)、アミド基(−C
    ONH−、−NHCO−)を有する2価の有機基、置換
    基を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキレン
    基、炭素数が6以上20以下のアリーレン基、炭素数が
    2以上20以下である2価の複素環残基、ポリエーテル
    残基またはイソシアネート基を含む基を表す。R33〜R
    37はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、水酸基、ニ
    トロ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、スルホ
    ン酸基、スルホン酸エステル基、アルコキシ基、置換基
    を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキル基、置
    換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアルケニル
    基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアル
    キニル基、置換基を有してもよいアリール基または置換
    基を有してもよい複素環を有する基を表す。)
  18. 【請求項18】下地層が発光層である請求項15〜17
    のいずれか一つに記載の有機発光素子の製造方法。
  19. 【請求項19】発光材料と電子輸送材料が混合された発
    光層を有する有機発光素子において、請求項1〜9のい
    ずれか一つに記載の電子輸送材料と発光材料を溶かした
    溶液を下地層上に塗布成膜後、溶媒を除去することを特
    徴とする有機発光素子の製造方法。
  20. 【請求項20】一般式(5)で表されるビスベンジル誘
    導体と一般式(6)で表されるテトラミン誘導体と発光
    材料を溶かした溶液を下地層上に塗布成膜後、ビスベン
    ジル誘導体とテトラミン誘導体とを脱水重縮合すること
    を特徴とする有機発光素子の製造方法。 【化14】 【化15】 (両式中、R15〜R30はそれぞれ独立に、水素原子、ハ
    ロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸
    エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、ア
    ルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜炭素数2
    0のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素
    数20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2
    〜炭素数20のアルキニル基、置換基を有してもよいア
    リール基または置換基を有してもよい複素環を有する基
    を表し、Xはそれぞれ独立に置換基を有しても良いアリ
    ーレン基を表し、Yはそれぞれ独立にヘテロ原子単独、
    炭素数が4以上20以下のアリーレン基または炭素数が
    2以上20以下である2価の複素環残基を表し、nは0
    〜5の整数を表す。ただし、nが0の場合はYは存在せ
    ず、一般式(6)のベンゼン環が直接結合していること
    を意味する。)
  21. 【請求項21】一般式(7)で表される重合性官能基を
    有するキノキサリン系化合物と発光材料を溶かした溶液
    を下地層上に塗布成膜後、キノキサリン系化合物を重合
    することを特徴とする請求項9に記載の有機発光素子の
    製造方法。 【化16】 (式中、R31は水素原子、置換基を有してもよい炭素数
    1〜炭素数20のアルキル基、置換基を有してもよいア
    リール基または置換基を有してもよい複素環を有する基
    を表す。R32は酸素原子(−O−)、カルボニルオキシ
    基(−COO−、−OCO−)、カルボニル基(−CO
    −)、カーボネート基(−OCOO−)、ウレタン基
    (−NHCOO−、−OCONH−)、アミド基(−C
    ONH−、−NHCO−)を有する2価の有機基、置換
    基を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキレン
    基、炭素数が6以上20以下のアリーレン基、炭素数が
    2以上20以下である2価の複素環残基、ポリエーテル
    残基またはイソシアネート基を含む基を表す。R33〜R
    37はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、水酸基、ニ
    トロ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、スルホ
    ン酸基、スルホン酸エステル基、アルコキシ基、置換基
    を有してもよい炭素数1〜炭素数20のアルキル基、置
    換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアルケニル
    基、置換基を有してもよい炭素数2〜炭素数20のアル
    キニル基、置換基を有してもよいアリール基または置換
    基を有してもよい複素環を有する基を表す。)
  22. 【請求項22】下地層が電極またはホール輸送層である
    請求項19〜21のいずれか一つに記載の有機発光素子
    の製造方法。
  23. 【請求項23】発光材料の発光部位が励起三重項状態か
    らの発光あるいは励起三重項状態を経由する発光である
    ことを特徴とする請求項12〜14のいずれか一つに記
    載の有機発光素子。
  24. 【請求項24】発光材料の発光部位が金属錯体であるこ
    とを特徴とする請求項12〜14、23のいずれか一つ
    に記載の有機発光素子。
  25. 【請求項25】発光材料が高分子発光材料であることを
    特徴とする請求項12〜14、23、24のいずれか一
    つに記載の有機発光素子。
  26. 【請求項26】発光材料が重合性発光材料を重合するこ
    とにより得られる高分子発光材料であることを特徴とす
    る請求項12〜14、23〜25のいずれか一つに記載
    の有機発光素子。
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