JP2003100440A - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JP2003100440A
JP2003100440A JP2001286808A JP2001286808A JP2003100440A JP 2003100440 A JP2003100440 A JP 2003100440A JP 2001286808 A JP2001286808 A JP 2001286808A JP 2001286808 A JP2001286808 A JP 2001286808A JP 2003100440 A JP2003100440 A JP 2003100440A
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JP
Japan
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oscillation
moding
magnetron
frequency heating
semiconductor switching
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JP2001286808A
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English (en)
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Kenji Yasui
健治 安井
Daisuke Betsusou
大介 別荘
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Control Of High-Frequency Heating Circuits (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バッテリーなどの直流電源を入力電源とした
場合に起動から定常への遷移時にモーディング発振の状
態で安定することがあり、マグネトロンの寿命劣化の原
因となってしまう。 【解決手段】 モーディング発振検知部13はマグネト
ロン11がモーディング発振していることを検出し、こ
の情報に基づいてインバータ回路を停止または再起動さ
せることにより、モーディング発振検知部13によって
マグネトロン11がモーディング発振を継続することを
防止できるので、マグネトロン11の寿命を損ねること
なくバッテリーなどの直流電源を電力源とする高周波加
熱装置を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロ波により食
品などを誘電加熱する高周波加熱装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の高周波加熱装置について図面を用
いて説明する。図9は回路構成を示した図である。この
図において1は商用電源、2はインバータ回路、3は整
流回路、4,5は半導体スイッチング素子、6は制御回
路、7は第1の共振コンデンサ、8は第2の共振コンデ
ンサ、9は昇圧トランス、10は高圧整流回路、11は
マグネトロンである。従来の家庭用の高周波加熱装置
は、交流である商用電源1を一旦整流回路3で直流電圧
に変換し、この直流電圧を半導体スイッチング素子4,
5のオンオフを制御回路6で制御することによってイン
バータ回路2で20kHz以上の高周波電圧に変換して
いる。さらにインバータ回路2は、この高周波電圧を昇
圧トランス9によって高周波高電圧に昇圧し、高圧整流
回路10を介して直流高電圧をマグネトロン11に印加
している。また、昇圧トランス9は第3の巻線を有して
おり、この第3の巻線によってマグネトロン3のカソー
ドを加熱する電力を供給している。この電力によってカ
ソードから熱電子を放出している。この熱電子をマグネ
トロン11に備えられた永久磁石と高圧整流回路10か
ら得られる直流高電圧によってマグネトロン11は真空
管発振を行い、2.45GHzの電波を加熱室に放射す
ることによって被加熱物を高周波電界で加熱している。
【0003】このような、家庭用の高周波加熱装置は1
000W以上の変換電力を扱うため、インバータ回路2
の高効率化が重要な技術である。そのために、インバー
タ回路2は第1の共振コンデンサ7と昇圧トランス9の
1次巻線によって共振回路を構成し、この共振回路の共
振現象を利用して半導体スイッチング素子4,5がター
ンオフあるいはターンオンする際の電圧の傾きを緩やか
にしている。この結果、半導体スイッチング素子4,5
のスイッチング損失が低減され、インバータ回路2を高
効率化する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】家庭用電子レンジは1
00Vの商用電源より1000Wから1500W程度の
電力供給を受けてマイクロ波で食品を加熱する調理器で
ある。扱う電力が大きいため商用電源から電力供給を受
けることが必要であるが、卓上で使用したい、或いは屋
外で使用したいというユーザーの要望が大きい。このよ
うな要望を実現するためには、電子レンジ自体に電力供
給源を搭載し、外部からの電力供給無しでも使用できる
構成とすることが必要であるが、次に挙げるような課題
がある。
【0005】マグネトロン11は前述のようにカソード
を加熱して、その熱電子の放出によって電波を発生させ
ている。したがってカソードを予熱する時間が必要とな
る。また、予熱するための電力はインバータ回路2に備
えられた昇圧トランス9から供給されるので、予熱する
電力と同時に高圧整流回路10へも電圧が供給される。
このためマグネトロン11が発振するまでの期間も高電
圧が印加されることになる。このときのマグネトロン1
1に印加される電圧とカソードに供給される電力のタイ
ムチャートを図10に示す。カソードの供給電力を多く
し起動時間を短縮するためにマグネトロン11に印加さ
れる電圧は通常の発振に必要な電圧(約−4kV)より
も高い負電圧が印加されている。このように高い負電圧
を印加して起動すると起動状態から定常の発振状態に遷
移するまでの間にモーディング発振の状態を経て定常発
振へ状態が遷移する。卓上あるいは屋外で電子レンジを
使用するためにはバッテリーなどの電源を内蔵すること
が必要でなるが、バッテリーなどの直流電圧源でインバ
ータ回路2を駆動すると起動状態から定常発振へ遷移す
るときに、前述のようにモーディング発振の状態を経る
ので正常な発振まで遷移せずにモーディング発振の状態
が継続してしまうことがある。モーディング発振の状態
は異常な発振状態であり、マグネトロンの寿命を著しく
縮めてしまうという課題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために成したものであり、モーディング発振検知手
段はマグネトロンがモーディング発振していることを検
出し、この情報に基づいてインバータ回路を停止または
再起動させるようにしたものである。
【0007】上記発明によれば、モーディング発振検知
手段によってマグネトロンがモーディング発振を継続す
ることを防止できるので、マグネトロンの寿命を損ねる
ことなくバッテリーなどの直流電源を電力源とする高周
波加熱装置を実現することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1にかかる高周波
加熱装置はバッテリーなどの直流電源と前記直流電源に
より駆動されマグネトロンを付勢するインバータ回路と
前記インバータ回路に備えられた半導体スイッチング素
子のオン/オフを制御する制御回路からなり、前記制御
回路は前記マグネトロンのモーディング発振を検出する
モーディング発振検知部を備え、前記モーディング発振
検知部はモーディング発振を検出すると前記インバータ
回路を再起動させる構成とした。
【0009】そして、モーディング発振検知部がマグネ
トロンのモーディング発振を検出し、その検出結果に応
じてインバータ回路を再起動することが可能となるた
め、マグネトロンがモーディング発振を継続することな
くマグネトロンの寿命劣化を防止することができる。
【0010】本発明の請求項2にかかる高周波加熱装置
は、特に、請求項1に記載の制御回路にマグネトロンの
アノード電流検知部を備え、モーディング発振検知部は
前記アノード電流検知部の出力に対して半導体スイッチ
ング素子のオン信号幅が所定の値以上となったときにモ
ーディング発振と判定する構成とした。
【0011】そして、モーディング発振検知部はアノー
ド電流検知部の出力に対して半導体スイッチング素子の
オン信号幅が所定の値以上となったときにモーディング
発振と判定するため、マグネトロンがモーディング発振
を継続することなくマグネトロンの寿命劣化を防止する
ことができる。
【0012】本発明の請求項3にかかる高周波加熱装置
は、特に、請求項1に記載の制御回路にインバータ回路
の入力電流検知部を備え、モーディング発振検知部は前
記入力電流検知部の出力に対して半導体スイッチング素
子のオン信号幅が所定の値以上となったときにモーディ
ング発振と判定する構成とした。
【0013】そして、モーディング発振検知部は入力電
流検知部の出力に対して半導体スイッチング素子のオン
信号幅が所定の値以上となったときにモーディング発振
と判定するため、マグネトロンがモーディング発振を継
続することなくマグネトロンの寿命劣化を防止すること
ができる。
【0014】本発明の請求項4にかかる高周波加熱装置
は、特に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御回
路に回数計測手段を備え、モーディング発振検知部がモ
ーディング発振を検出した回数を計測するとともに所定
回数モーディング発振を計測するとインバータ回路を停
止させる構成とした。
【0015】そして、回数計測手段はモーディング発振
検知部がモーディング発振を検出した回数を計測し、所
定回数モーディング発振を計測するとインバータ回路を
停止させるため、マグネトロンがモーディング発振を継
続することなくマグネトロンの寿命劣化を防止すること
ができる。
【0016】本発明の請求項5にかかる高周波加熱装置
は、特に、請求項4に記載の制御回路に時間計測手段を
備え、モーディング検知手段が最後にモーディング発振
を検知してから所定の時間が経過すると、回数計測手段
が計測したモーディング発振の回数をクリアする構成と
した。
【0017】そして、回数計測手段はモーディング発振
検知部がモーディング発振を検出した回数を計測し、所
定回数モーディング発振を計測するとインバータ回路を
停止させるとともに、時間計測手段はモーディング発振
検知部が最後にモーディングを検知してから正常な発振
状態が所定時間継続した場合、回数計測手段が計測した
モーディング発振の回数をクリアするため、マグネトロ
ンがモーディング発振を継続することなくマグネトロン
の寿命劣化を防止することができるとともに、回路の誤
作動によるインバータ回路の不動作を防止することがで
きる。
【0018】本発明の請求項6にかかる高周波加熱装置
は、特に、請求項2に記載の制御回路に発振検知部を備
え、前記発振検知部はアノード電流検知部の出力によっ
て発振検知を行うとともに、発振検知を行ってから所定
の時間半導体スイッチング素子のオン時間を短くするよ
うに前記半導体スイッチング素子の駆動回路に信号を送
る構成とした。
【0019】そして、発振検知部はマグネトロンが発振
したことを検出し、発振検知を行ってから所定の時間半
導体スイッチング素子のオン時間を短くするので、イン
バータ回路が出力する高圧出力電圧がこの期間低くな
り、モーディング発振を行う電圧よりも低い出力電圧と
なるので起動状態から定常発振状態へ遷移するときにモ
ーディング発振の領域を通過することなく定常発振へ移
行できるため、モーディング発振させることなくマグネ
トロンを定常発振させることができる。
【0020】本発明の請求項7にかかる高周波加熱装置
は、特に、請求項3に記載の制御回路に発振検知部を備
え、前記発振検知部は入力電流検知部の出力によって発
振検知を行うとともに、発振検知を行ってから所定の時
間半導体スイッチング素子のオン時間を短くするように
前記半導体スイッチング素子の駆動回路に信号を送る構
成とした。
【0021】そして、発振検知部はマグネトロンが発振
したことを検出し、発振検知を行ってから所定の時間半
導体スイッチング素子のオン時間を短くするので、イン
バータ回路が出力する高圧出力電圧がこの期間低くな
り、モーディング発振を行う電圧よりも低い出力電圧と
なるので起動状態から定常発振状態へ遷移するときにモ
ーディング発振の領域を通過することなく定常発振へ移
行できるため、モーディング発振させることなくマグネ
トロンを定常発振させることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0023】(実施例1)図1は本発明の実施例1の高
周波加熱装置を示す回路図である。図1において12は
バッテリーなどの直流電源、2はインバータ回路、4,
5は半導体スイッチング素子、6は制御回路、7は第1
の共振コンデンサ、8は第2の共振コンデンサ、9は昇
圧トランス、10は高圧整流回路、11はマグネトロ
ン、13はモーディング発振検知部、14は半導体スイ
ッチング素子4,5の駆動回路である。
【0024】次にこの回路の動作、作用について説明す
る。インバータ回路2は直流電源12から電力供給を受
け、半導体スイッチング素子4,5のオンオフを制御回
路6に備えられた駆動回路14で制御することによっ
て、この直流電圧を20kHz以上の高周波電圧に変換
している。さらにインバータ回路2は、この高周波電圧
を昇圧トランス9によって高周波高電圧に昇圧し、高圧
整流回路10を介して直流高電圧をマグネトロン11に
印加している。マグネトロン11はこの直流高電圧によ
って駆動され、2.45GHzの高周波を発生し、被加
熱物を加熱する。
【0025】また、制御回路6にはマグネトロン11が
モーディング発振を行っていることを検知するモーディ
ング発振検知部13が備えられており、マグネトロン1
1がモーディング発振を行っていることを検出すると、
駆動回路14に信号を送り、駆動回路14の動作を一旦
停止させ、再び起動するように働く。
【0026】このように発振検知部13がモーディング
発振の有無を監視することによってマグネトロン11が
モーディング発振の状態で動作を継続することを防止
し、マグネトロン11の寿命劣化を防止するという効果
を発揮する。
【0027】(実施例2)図2は本発明の実施例2の高
周波加熱装置を示す回路図、図3はマグネトロン11の
アノード電流と半導体スイッチング素子4のオン信号幅
の関係を示す図である。本実施例において、実施例1の
図1に記載の構成と異なるのは、制御回路6にはアノー
ド電流検知部15が備えられている点、及びモーディン
グ発振検知部13はアノード電流検知部15と駆動回路
14から得られる情報を入力している点である。なお、
前述の実施例と同一符号のものは同一の構成要素であ
り、その説明については省略する。
【0028】次に本実施例の動作、作用について説明す
る。モーディング発振検知部13はアノード電流検知部
15が検出するアノード電流値と駆動回路14から得ら
れる半導体スイッチング素子4のオン信号幅の情報によ
ってマグネトロン11がモーディング発振の状態か正常
発振の状態かを判定し、モーディング発振の状態であれ
ば、駆動回路の動作を停止させるように働く。
【0029】ここでインバータ回路2の入力電力をPi
nとし、昇圧トランス9の1次巻線のインダクタンスを
L、直流電圧源の電圧をE、半導体スイッチング素子4
のオン時間をton、半導体スイッチング素子4の動作
周波数をfとすると入力電力Pinには次に示す(数
1)の関係がある。
【0030】
【数1】 一方、マグネトロン11が扱う電力をPoutとする
と、PinとPoutにはインバータ回路2での損失が
介在するが、略々(数2)の関係が成立する。
【0031】
【数2】 また、マグネトロン11のアノード電流をIa、定常発
振の状態でのアノード−カソード間の電圧をVakとす
るとマグネトロンの扱う電力Poutは次に示す(数
3)の関係で表される。
【0032】
【数3】 したがって、マグネトロン11のアノード電流Iaは半
導体スイッチング素子4のオン時間tonの関数として
表現できる。この関係をグラフで表すと図3(a)に示
すようなカーブとなる。また、マグネトロン11がモー
ディング発振を行っている状態で同様のことを考察する
と、モーディング発振時の電圧をVak’とするとモー
ディング発振時の電圧は正常に発振している状態での電
圧に比べて、約−6kVという高い電圧を発生する。し
たがって定常発振の状態に比べてより長い時間半導体ス
イッチング素子4がオンしていないと同じアノード電流
が流れないことになり、この関係を同様に図3に示すと
(b)のカーブとなる。
【0033】このようにマグネトロン11が正常発振の
状態とモーディング発振の状態とでアノード電流に対す
る半導体スイッチング素子4のオン信号幅が異なってい
る。この違いをモーディング発振検知部13を用いてマ
グネトロン11のモーディング発振を検出する。すなわ
ち、アノード電流に対して半導体スイッチング素子4の
オン信号幅が所定値以上となった場合にモーディング発
振を行っていると判定し、駆動回路14を停止するよう
に動作する。
【0034】このようにモーディング発振検知部13が
動作することによってマグネトロン11がモーディング
発振の状態で動作を継続することなく、マグネトロン1
1の寿命劣化を防止するという効果を発揮する。
【0035】(実施例3)図4は本発明の実施例3の高
周波加熱装置を示す回路図、図5はインバータ回路2の
入力電流と半導体スイッチング素子4のオン信号幅の関
係を示す図である。本実施例において、実施例1の図1
に記載の構成と異なるのは、制御回路6には入力電流検
知部16が備えられている点、及びモーディング発振検
知部13は入力電流検知部16と駆動回路14から得ら
れる情報を入力している点である。なお、前述の実施例
と同一符号のものは同一の構成要素であり、その説明に
ついては省略する。
【0036】次に本実施例の動作、作用について説明す
る。モーディング発振検知部13は入力電流検知部16
が検出する入力電流値と駆動回路14から得られる半導
体スイッチング素子4のオン信号幅の情報によってマグ
ネトロン11がモーディング発振の状態か正常発振の状
態かを判定し、モーディング発振の状態であれば、駆動
回路14の動作を停止させるように働く。ここでインバ
ータ回路2の入力電力をPinとし、昇圧トランス9の
1次巻線のインダクタンスをL、直流電圧源の電圧を
E、半導体スイッチング素子4のオン時間をton、半
導体スイッチング素子4の動作周波数をfとすると入力
電力Pinには次に示す(数4)の関係がある。
【0037】
【数4】 また、入力電力Pinは直流電源12の電圧Eと入力電
流Iinの積であらわされる。
【0038】一方、マグネトロン11が扱う電力をPo
utとすると、PinとPoutにはインバータ回路2
の損失が介在するが、略々(数5)の関係が成立する。
【0039】
【数5】 また、マグネトロン11のアノード電流をIa、定常発
振の状態でのアノード−カソード間の電圧をVakとす
るとマグネトロンの扱う電力Poutは次に示す(数
6)の関係で表される。
【0040】
【数6】 したがって、インバータ回路2の入力電流Iinは半導
体スイッチング素子4のオン時間tonの関数として表
現できる。この関係をグラフで表すと図5(a)に示す
ようなカーブとなる。また、マグネトロン11がモーデ
ィング発振を行っている状態で同様のことを考察する
と、モーディング発振時の電圧をVak’とするとモー
ディング発振時の電圧は正常に発振している状態での電
圧に比べて、約−6kVという高い電圧を発生する。し
たがって定常発振の状態に比べてより長い時間半導体ス
イッチング素子4がオンしていないと同じ入力電流が流
れないことになり、この関係を同様に図5に示すと
(b)のカーブとなる。
【0041】このようにマグネトロン11が正常発振の
状態とモーディング発振の状態とで入力電流に対する半
導体スイッチング素子4のオン信号幅が異なっている。
この違いをモーディング発振検知部13が検知し、入力
電流に対して半導体スイッチング素子4のオン信号幅が
所定値以上となった場合にモーディング発振を行ってい
ると判定し、駆動回路14を停止するように動作する。
【0042】このようにモーディング発振検知部13が
動作することによってマグネトロン11がモーディング
発振の状態で動作を継続することなく、マグネトロン1
1の寿命劣化を防止するという効果を発揮する。
【0043】(実施例4)図6は本発明の実施例4の高
周波加熱装置を示す回路図である。本実施例において、
実施例2の図2に記載の構成と異なるのは、モーディン
グ発振検知部13がマグネトロン11のモーディング動
作を検知した回数を計測する回数計測手段17を設けた
点である。なお、前述の実施例と同一符号のものは同一
の構成要素であり、その説明については省略する。
【0044】次に本実施例の動作、作用について説明す
る。回数計測手段17はモーディング発振検知部13が
マグネトロン11のモーディング発振の回数を計測す
る。そして、その回数が所定回数に達すると駆動回路1
4の動作を完全に停止させる。
【0045】マグネトロン11がカソードの劣化等によ
って寿命末期に達した場合、カソードからの熱電子の放
出が安定しなくなり、モーディング発振を起こしやすく
なる。また、何らかの要因でマグネトロン11の冷却が
十分に行えない状態が起こると動揺にモーディング発振
を起こしやすくなる。
【0046】しかしながら、本実施例のように回数計測
手段17によってマグネトロン11のモーディング発振
の回数を計測し、その回数が所定回数に達すると駆動回
路14の動作を完全に停止させることによって、マグネ
トロン11がモーディング発振の状態で動作を継続する
ことなく、マグネトロン11の寿命劣化を防止するとい
う効果を発揮する。
【0047】(実施例5)図7は本発明の実施例5の高
周波加熱装置を示す回路図である。本実施例において、
実施例4の図6に記載の構成と異なるのは、モーディン
グ発振検知部13がマグネトロン11のモーディング発
振を最後に検知してからの時間を計測する時間計測手段
18を設けた点である。なお、前述の実施例と同一符号
のものは同一の構成要素であり、その説明については省
略する。
【0048】次に本実施例の動作、作用について説明す
る。時間計測手段18はモーディング検知手段13が最
後にマグネトロン11のモーディング発振を検知してか
らの時間を計測する。そして、この時間が所定の時間に
達すると回数検知手段17が計測しているマグネトロン
11のモーディング回数をクリアする。
【0049】マグネトロン11がカソードの劣化等によ
って寿命末期に達した場合、カソードからの熱電子の放
出が安定しなくなり、モーディング発振を起こしやすく
なる。また、何らかの要因でマグネトロン11の冷却が
十分に行えない状態が起こると同様にモーディング発振
を起こしやすくなる。しかしながら、冷却の異常が取り
除かれ正常な冷却条件となるとマグネトロン11は正常
な発振を継続することができる。
【0050】このような場合に本実施例のように時間計
測手段18が最後にマグネトロン11のモーディング発
振を検知してからの時間を計測し、その時間が所定の時
間続けば回数計測手段17が計測しているモーディング
発振の回数をクリアすることによって高周波加熱装置は
正常な動作を継続することができる。したがって、マグ
ネトロン11がモーディング発振を継続するような異常
な状態を確実に防止でき、かつ正常な状態に復帰すると
動作を継続することができるという効果を発揮する。
【0051】(実施例6)図8は本発明の実施例6の高
周波加熱装置を示す回路図である。本実施例において、
実施例2の図2に記載の構成と異なるのは、発振検知部
19を設けた点である。なお、前述の実施例と同一符号
のものは同一の構成要素であり、その説明については省
略する。
【0052】次に本実施例の動作、作用について説明す
る。発振検知部19はアノード電流検知部15の出力に
よってマグネトロン11が発振したか、起動状態である
かを検知する。マグネトロン11が起動状態から発振状
態へ移行するときにアノード電流が流れ始め、この電流
を検知することによって発振検知部19はマグネトロン
11の発振判定を行う。発振検知部19がマグネトロン
11の発振を検知すると発振検知部19は駆動回路14
へ半導体スイッチ素子4のオン信号幅を短くするように
信号を送る。起動時間にモーディング発振の電圧よりも
高い負電圧をマグネトロン11に印加しているが、すで
に実施例2で述べたように半導体スイッチング素子4の
オン時間幅tonとマグネトロン11のアノード−カソ
ード間電圧Vakは相関があり、オン時間幅tonを短
くすることでアノード−カソード間電圧Vakを低くす
ることができる。
【0053】以上のように、発振検知部19がマグネト
ロン11の発振を検知すると一定の時間このオン時間幅
tonを短くするように駆動回路14へ信号を送ること
で、起動時にモーディング発振を起こす電圧以上の負電
圧をマグネトロン11に印加している状態から一旦モー
ディング発振を起こさない電圧まで低くすることができ
る。したがって、起動状態から正常発振の状態へ遷移す
る際にモーディング発振の状態で動作が安定してしまう
ということがなくなる。このためマグネトロン11のモ
ーディング発振を防止でき、マグネトロン11の寿命劣
化を防止できるとともに、モーディング発振による高周
波加熱装置が正常に被加熱物を加熱できなくなるという
課題を解決することができる。
【0054】また、本実施例では発振検知部19はアノ
ード電流検知部15の出力によってマグネトロン11が
発振しているかどうかを判定する構成としたが、入力電
流を検出してマグネトロン11の発振を検出しても同様
の効果を得ることができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように請求項1〜4に記載
の発明によれば、マグネトロンがモーディング発振の状
態で動作を継続することを防止し、マグネトロンの寿命
劣化を防止するという効果を発揮する。
【0056】また、請求項5に記載の発明によれば、マ
グネトロンがモーディング発振を継続するような異常な
状態を確実に防止でき、かつ正常な状態に復帰すると動
作を継続することができるという効果を発揮する。
【0057】また、請求項6に記載の発明によれば、起
動状態から正常発振の状態へ遷移する際にモーディング
発振の状態で動作が安定してしまうということがなくな
るためマグネトロンのモーディング発振を防止でき、マ
グネトロン11の寿命劣化を防止できるとともに、モー
ディング発振により高周波加熱装置が正常に被加熱物を
加熱できなくなるのを防止することができる。
【0058】また、請求項7に記載の発明により、起動
状態から正常発振の状態へ遷移する際にモーディング発
振の状態で動作が安定してしまうということがなくなる
ためマグネトロン11のモーディング発振を防止でき、
マグネトロン11の寿命劣化を防止できるとともに、モ
ーディング発振により高周波加熱装置が正常に被加熱物
を加熱できなくなるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における高周波加熱装置の回
路図
【図2】本発明の実施例2における高周波加熱装置の回
路図
【図3】同高周波加熱装置のマグネトロン11のアノー
ド電流と半導体スイッチング素子4のオン信号幅の関係
を示す図
【図4】本発明の実施例3における高周波加熱装置の回
路図
【図5】同高周波加熱装置のインバータ回路2の入力電
流と半導体スイッチング素子4のオン信号幅の関係を示
す図
【図6】本発明の実施例4における高周波加熱装置の回
路図
【図7】本発明の実施例5における高周波加熱装置の回
路図
【図8】本発明の実施例6における高周波加熱装置の回
路図
【図9】従来の高周波加熱装置を示す回路図
【図10】同高周波加熱装置の起動時にマグネトロン1
1に印加される電圧とカソード電力を示すタイムチャー
【符号の説明】
2 インバータ回路 4 第1の半導体スイッチング素子 5 第2の半導体スイッチング素子 6 制御回路 11 マグネトロン 12 直流電源 13 モーディング発振検知部 15 アノード電流検知部 16 入力電流検知部 15 回数計算手段 16 時間計測手段 17 発振検知部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K086 AA06 AA09 BA08 CA20 CB20 CC02 DB03 DB11 EA12 FA03 FA04 5C029 NN04 NN06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリーなどの直流電源と、前記直流
    電源により駆動されマグネトロンを付勢するインバータ
    回路と、前記インバータ回路に備えられた半導体スイッ
    チング素子のオン/オフを制御する制御回路とを備え、
    前記制御回路は前記マグネトロンのモーディング発振を
    検出するモーディング発振検知部を備えると共に、前記
    モーディング発振検知部はモーディング発振を検出する
    と前記インバータ回路を再起動させる構成とした高周波
    加熱装置。
  2. 【請求項2】 制御回路はマグネトロンのアノード電流
    検知部を備え、モーディング発振検知部は前記アノード
    電流検知部の出力に対して半導体スイッチング素子のオ
    ン信号幅が所定の値以上となったときにモーディング発
    振と判定する構成とした請求項1記載の高周波加熱装
    置。
  3. 【請求項3】 制御回路はインバータ回路の入力電流検
    知部を備え、モーディング発振検知部は前記入力電流検
    知部の出力に対して半導体スイッチング素子のオン信号
    幅が所定の値以上となったときにモーディング発振と判
    定する構成とした請求項1記載の高周波加熱装置。
  4. 【請求項4】 制御回路は回数計測手段を備え、前記回
    数計測手段はモーディング発振検知部がモーディング発
    振を検出した回数を計測するとともに所定回数モーディ
    ング発振を計測するとインバータ回路を停止させる構成
    とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波加熱
    装置。
  5. 【請求項5】 制御回路は時間計測手段を備え、前記時
    間計測手段はモーディング検知手段が最後にモーディン
    グ発振を検知してから所定の時間が経過すると、回数計
    測手段が計測したモーディング発振の回数をクリアする
    構成とした請求項4記載の高周波加熱装置。
  6. 【請求項6】 制御回路は発振検知部を備え、前記発振
    検知部はアノード電流検知部の出力によってマグネトロ
    ンの発振検知を行うとともに、発振検知を行ってから所
    定の時間半導体スイッチング素子のオン時間を短くする
    ように前記半導体スイッチング素子の駆動回路に信号を
    送る構成とした請求項2記載の高周波加熱装置。
  7. 【請求項7】 制御回路は発振検知部を備え、前記発振
    検知部は入力電流検知部の出力によってマグネトロンの
    発振検知を行うとともに、発振検知を行ってから所定の
    時間半導体スイッチング素子のオン時間を短くするよう
    に前記半導体スイッチング素子の駆動回路に信号を送る
    構成とした請求項3記載の高周波加熱装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011204543A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Panasonic Corp マグネトロン駆動用電源
US8164265B2 (en) 2008-01-31 2012-04-24 Orc Manufacturing Co., Ltd. Lighting method of microwave excitation discharge lamp

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011204543A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Panasonic Corp マグネトロン駆動用電源

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