JP2003100219A - プラズマ情報表示素子およびその製造方法 - Google Patents
プラズマ情報表示素子およびその製造方法Info
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- JP2003100219A JP2003100219A JP2001294616A JP2001294616A JP2003100219A JP 2003100219 A JP2003100219 A JP 2003100219A JP 2001294616 A JP2001294616 A JP 2001294616A JP 2001294616 A JP2001294616 A JP 2001294616A JP 2003100219 A JP2003100219 A JP 2003100219A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J11/00—Gas-filled discharge tubes with alternating current induction of the discharge, e.g. alternating current plasma display panels [AC-PDP]; Gas-filled discharge tubes without any main electrode inside the vessel; Gas-filled discharge tubes with at least one main electrode outside the vessel
- H01J11/20—Constructional details
- H01J11/34—Vessels, containers or parts thereof, e.g. substrates
- H01J11/40—Layers for protecting or enhancing the electron emission, e.g. MgO layers
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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- H01J11/00—Gas-filled discharge tubes with alternating current induction of the discharge, e.g. alternating current plasma display panels [AC-PDP]; Gas-filled discharge tubes without any main electrode inside the vessel; Gas-filled discharge tubes with at least one main electrode outside the vessel
- H01J11/10—AC-PDPs with at least one main electrode being out of contact with the plasma
- H01J11/12—AC-PDPs with at least one main electrode being out of contact with the plasma with main electrodes provided on both sides of the discharge space
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- Plasma & Fusion (AREA)
- Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐スパッタリング性に優れた保護層を備え、
且つ、放電電圧の低いプラズマ情報表示素子およびその
製造方法を提供することにある。 【解決手段】 互いに対向するように設けられた第1基
板110および第2基板120と、第1基板110と第
2基板120との間に設けられた複数の隔壁140とを
備え、第1基板110および第2基板120と、複数の
隔壁140とが、複数の放電チャネル150を規定す
る。第1基板110の第2基板120側に設けられた陽
極114Aおよび陰極114Cと、陽極114Aおよび
陰極114Cを覆うように設けられた保護層118とを
有し、保護層118は、(220)配向MgOおよび
(200)配向MgOを含む層である。
且つ、放電電圧の低いプラズマ情報表示素子およびその
製造方法を提供することにある。 【解決手段】 互いに対向するように設けられた第1基
板110および第2基板120と、第1基板110と第
2基板120との間に設けられた複数の隔壁140とを
備え、第1基板110および第2基板120と、複数の
隔壁140とが、複数の放電チャネル150を規定す
る。第1基板110の第2基板120側に設けられた陽
極114Aおよび陰極114Cと、陽極114Aおよび
陰極114Cを覆うように設けられた保護層118とを
有し、保護層118は、(220)配向MgOおよび
(200)配向MgOを含む層である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(PDP)やプラズマアドレス液晶表示装置
(PALC)などのプラズマ情報表示素子およびその製
造方法に関する。
レイパネル(PDP)やプラズマアドレス液晶表示装置
(PALC)などのプラズマ情報表示素子およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラズマディスプレイパネル(P
DP)やプラズマアドレス液晶表示装置(PALC)な
どのプラズマ情報表示素子が注目を集めている。
DP)やプラズマアドレス液晶表示装置(PALC)な
どのプラズマ情報表示素子が注目を集めている。
【0003】PDPは、DCタイプとACタイプとに大
別されるが、放電の安定性や長期信頼性の観点から、現
在ではACタイプが主流であり、ACタイプのPDPは
既に市販されている。
別されるが、放電の安定性や長期信頼性の観点から、現
在ではACタイプが主流であり、ACタイプのPDPは
既に市販されている。
【0004】図8を参照しながら、従来のACタイプの
PDP300の構造を説明する。図8は、PDP300
を模式的に示す断面図である。なお、図8における前面
基板310の断面は、放電チャネル350の伸長方向に
平行な方向における模式的な断面であり、背面基板32
0の断面は、放電チャネル350の伸長方向に直交する
方向における模式的な断面である。
PDP300の構造を説明する。図8は、PDP300
を模式的に示す断面図である。なお、図8における前面
基板310の断面は、放電チャネル350の伸長方向に
平行な方向における模式的な断面であり、背面基板32
0の断面は、放電チャネル350の伸長方向に直交する
方向における模式的な断面である。
【0005】PDP300は、互いに対向するように設
けられた前面基板310および背面基板320と、前面
基板310と背面基板320との間に設けられた複数の
隔壁340とを備えている。
けられた前面基板310および背面基板320と、前面
基板310と背面基板320との間に設けられた複数の
隔壁340とを備えている。
【0006】複数の隔壁340は、ストライプ状に配設
されており、前面基板310および背面基板320と、
複数の隔壁340とによって包囲された空間として、ス
トライプ状の複数の放電チャネル350が規定される。
上述の空間、すなわち、放電チャネル350には、放電
によってイオン化が可能な放電ガスが封入されている。
されており、前面基板310および背面基板320と、
複数の隔壁340とによって包囲された空間として、ス
トライプ状の複数の放電チャネル350が規定される。
上述の空間、すなわち、放電チャネル350には、放電
によってイオン化が可能な放電ガスが封入されている。
【0007】前面基板310は、透明基板312と、透
明基板312上に設けられた表示電極314と、表示電
極314を覆うように設けられた誘電体層316と、誘
電体層316上に設けられた保護層318とを有する。
明基板312上に設けられた表示電極314と、表示電
極314を覆うように設けられた誘電体層316と、誘
電体層316上に設けられた保護層318とを有する。
【0008】前面基板310が有する表示電極314
は、ストライプ状に配設されており、一対の表示電極3
14の一方が陽極314Aとして機能し、他方が陰極3
14Cとして機能する。また、表示電極314は、透明
電極314aと、透明電極314a上に設けられたバス
電極314bとから構成されている。
は、ストライプ状に配設されており、一対の表示電極3
14の一方が陽極314Aとして機能し、他方が陰極3
14Cとして機能する。また、表示電極314は、透明
電極314aと、透明電極314a上に設けられたバス
電極314bとから構成されている。
【0009】背面基板320は、絶縁性基板322と、
絶縁性基板322上に設けられたアドレス電極324
と、アドレス電極324を覆うように設けられた誘電体
層326とを有する。アドレス電極324は、表示電極
314と交差するようにストライプ状に配設されてお
り、隣接するアドレス電極324間に、上述の隔壁34
0が形成されている。
絶縁性基板322上に設けられたアドレス電極324
と、アドレス電極324を覆うように設けられた誘電体
層326とを有する。アドレス電極324は、表示電極
314と交差するようにストライプ状に配設されてお
り、隣接するアドレス電極324間に、上述の隔壁34
0が形成されている。
【0010】隔壁340の側面および誘電体層326の
表面には、U字状に蛍光体層328が形成されている。
この蛍光体層328は、典型的には、赤色蛍光体層32
8R(例えば(Y,Ga)BO3:Eu層)、緑色蛍光
体層328G(例えばZn2SiO4:Mn層)または青
色蛍光体層328B(例えばBaMgAl14O23:Eu
層)である。
表面には、U字状に蛍光体層328が形成されている。
この蛍光体層328は、典型的には、赤色蛍光体層32
8R(例えば(Y,Ga)BO3:Eu層)、緑色蛍光
体層328G(例えばZn2SiO4:Mn層)または青
色蛍光体層328B(例えばBaMgAl14O23:Eu
層)である。
【0011】上述の構造を有するPDP300の動作を
図9を参照しながら説明する。図9は、PDP300の
動作を模式的に示す図である。なお、PDP300は、
マトリクス状に配列された複数の絵素領域を有し、複数
の絵素領域のそれぞれにおいて一対の表示電極314と
アドレス電極324とが交差している。また、後述する
書き込み時に、一対の表示電極314の一方がスキャン
電極として機能する。
図9を参照しながら説明する。図9は、PDP300の
動作を模式的に示す図である。なお、PDP300は、
マトリクス状に配列された複数の絵素領域を有し、複数
の絵素領域のそれぞれにおいて一対の表示電極314と
アドレス電極324とが交差している。また、後述する
書き込み時に、一対の表示電極314の一方がスキャン
電極として機能する。
【0012】まず、スキャン電極(一対の表示電極31
4の一方)とアドレス電極324との間に放電しきい値
を超える電圧を印加して、所定の絵素領域に選択的に書
き込み放電を発生させる。この書き込み放電により、ス
キャン電極の上方の誘電体層316の表面近傍に電荷が
誘導・蓄積される。なお、このようにして電荷が誘導・
蓄積されることを壁電荷が形成されるともいう。
4の一方)とアドレス電極324との間に放電しきい値
を超える電圧を印加して、所定の絵素領域に選択的に書
き込み放電を発生させる。この書き込み放電により、ス
キャン電極の上方の誘電体層316の表面近傍に電荷が
誘導・蓄積される。なお、このようにして電荷が誘導・
蓄積されることを壁電荷が形成されるともいう。
【0013】次に、一対の表示電極314間に、放電し
きい値を超えない程度の電圧を印加する。このとき、書
き込み放電が行われた所定の絵素領域においては、書き
込み時に形成された壁電荷に起因する壁電圧が重畳して
印加されるので、実効電圧が放電しきい値を超え、維持
放電が開始される。この維持放電により発生する紫外線
を用いて蛍光体層328を発光させることにより、所定
の絵素領域を発光状態とすることが可能となる。
きい値を超えない程度の電圧を印加する。このとき、書
き込み放電が行われた所定の絵素領域においては、書き
込み時に形成された壁電荷に起因する壁電圧が重畳して
印加されるので、実効電圧が放電しきい値を超え、維持
放電が開始される。この維持放電により発生する紫外線
を用いて蛍光体層328を発光させることにより、所定
の絵素領域を発光状態とすることが可能となる。
【0014】上述のようにして動作するPDP300に
おいて、保護層318は、表示電極314および誘電体
層316を放電(プラズマ放電)から保護するために設
けられている。この保護層318としては、一般に、M
gO層が用いられる。
おいて、保護層318は、表示電極314および誘電体
層316を放電(プラズマ放電)から保護するために設
けられている。この保護層318としては、一般に、M
gO層が用いられる。
【0015】特開平5−234519号公報には、(1
11)配向MgO層を保護層として用いることによって
放電電圧を低下させたPDPが開示されている。また、
特開平10−106441号公報には、(220)配向
MgO層(上記公報においては(110)配向MgO層
として開示されている)を保護層として用いることによ
って保護層の耐スパッタリング性(プラズマ放電による
スパッタリングに対する耐性)が向上したPDPが開示
されている。
11)配向MgO層を保護層として用いることによって
放電電圧を低下させたPDPが開示されている。また、
特開平10−106441号公報には、(220)配向
MgO層(上記公報においては(110)配向MgO層
として開示されている)を保護層として用いることによ
って保護層の耐スパッタリング性(プラズマ放電による
スパッタリングに対する耐性)が向上したPDPが開示
されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−234519号公報に開示されているPDPが
保護層として備える(111)配向MgO層は、放電電
圧を低下させる特性に優れるものの、耐スパッタリング
性が十分ではない。
開平5−234519号公報に開示されているPDPが
保護層として備える(111)配向MgO層は、放電電
圧を低下させる特性に優れるものの、耐スパッタリング
性が十分ではない。
【0017】また、上記特開平10−106441号公
報に開示されているPDPが保護層として備える(22
0)配向MgO層は、耐スパッタリング性に優れている
ものの、放電電圧を低下させる特性が十分ではない。
報に開示されているPDPが保護層として備える(22
0)配向MgO層は、耐スパッタリング性に優れている
ものの、放電電圧を低下させる特性が十分ではない。
【0018】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、耐スパッタリング性に優れた保
護層を備え、且つ、放電電圧の低いプラズマ情報表示素
子およびその製造方法を提供することにある。
のであり、その目的は、耐スパッタリング性に優れた保
護層を備え、且つ、放電電圧の低いプラズマ情報表示素
子およびその製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明によるプラズマ情
報表示素子は、互いに対向するように設けられた第1お
よび第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に
設けられた複数の隔壁とを備え、前記第1および第2基
板と、前記複数の隔壁とが、複数の放電チャネルを規定
するプラズマ情報表示素子であって、前記第1基板の前
記第2基板側に設けられた陽極および陰極と、前記陽極
および陰極を覆うように設けられた保護層とを有し、前
記保護層は、(220)配向MgOおよび(200)配
向MgOを含む層であり、そのことによって上記目的が
達成される。なお、「(220)配向MgO」は、層面
に平行な結晶面が(220)面であるMgO結晶であ
り、「(200)配向MgO」は、層面に平行な結晶面
が(200)面であるMgO結晶である。
報表示素子は、互いに対向するように設けられた第1お
よび第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に
設けられた複数の隔壁とを備え、前記第1および第2基
板と、前記複数の隔壁とが、複数の放電チャネルを規定
するプラズマ情報表示素子であって、前記第1基板の前
記第2基板側に設けられた陽極および陰極と、前記陽極
および陰極を覆うように設けられた保護層とを有し、前
記保護層は、(220)配向MgOおよび(200)配
向MgOを含む層であり、そのことによって上記目的が
達成される。なお、「(220)配向MgO」は、層面
に平行な結晶面が(220)面であるMgO結晶であ
り、「(200)配向MgO」は、層面に平行な結晶面
が(200)面であるMgO結晶である。
【0020】前記保護層は、前記陽極および陰極上に直
接設けられている構成としてもよい。
接設けられている構成としてもよい。
【0021】前記陽極および陰極と前記保護層との間に
介在するように設けられた誘電体層をさらに有する構成
としてもよい。
介在するように設けられた誘電体層をさらに有する構成
としてもよい。
【0022】前記保護層は、実質的に、(220)配向
MgOおよび(200)配向MgOのみからなる層であ
ることが好ましい。
MgOおよび(200)配向MgOのみからなる層であ
ることが好ましい。
【0023】前記第2基板に対向するように設けられた
第3基板と、前記第2基板と前記第3基板との間に設け
られた液晶層とをさらに有する構成としてもよい。
第3基板と、前記第2基板と前記第3基板との間に設け
られた液晶層とをさらに有する構成としてもよい。
【0024】前記複数の放電チャネルのそれぞれは、蛍
光体層をさらに有する構成としてもよい。
光体層をさらに有する構成としてもよい。
【0025】本発明によるプラズマ情報表示素子の製造
方法は、互いに対向するように設けられた第1および第
2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けら
れた複数の隔壁とを備え、前記第1および第2基板と前
記複数の隔壁とが複数の放電チャネルを規定するプラズ
マ情報表示素子であって、前記第1基板の前記第2基板
側に設けられた陽極および陰極と、前記陽極および陰極
を覆うように設けられた保護層とを有するプラズマ情報
表示素子の製造方法であって、陽極および陰極が形成さ
れた第1基板を用意する工程と、前記第1基板を200
℃以上に加熱した状態で、前記陽極および陰極を覆うよ
うにMgOを含む層を堆積することによって、(22
0)配向MgOおよび(200)配向MgOを含む保護
層を形成する工程と、を包含し、そのことによって上記
目的が達成される。
方法は、互いに対向するように設けられた第1および第
2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けら
れた複数の隔壁とを備え、前記第1および第2基板と前
記複数の隔壁とが複数の放電チャネルを規定するプラズ
マ情報表示素子であって、前記第1基板の前記第2基板
側に設けられた陽極および陰極と、前記陽極および陰極
を覆うように設けられた保護層とを有するプラズマ情報
表示素子の製造方法であって、陽極および陰極が形成さ
れた第1基板を用意する工程と、前記第1基板を200
℃以上に加熱した状態で、前記陽極および陰極を覆うよ
うにMgOを含む層を堆積することによって、(22
0)配向MgOおよび(200)配向MgOを含む保護
層を形成する工程と、を包含し、そのことによって上記
目的が達成される。
【0026】以下、本発明の作用を説明する。
【0027】本発明によるプラズマ情報表示素子におい
ては、陽極および陰極を覆うように設けられた保護層
が、(220)配向MgOおよび(200)配向MgO
を含む層であるので、プラズマ放電によって保護層がス
パッタリングされることが抑制されるともに、放電電圧
が低下する。
ては、陽極および陰極を覆うように設けられた保護層
が、(220)配向MgOおよび(200)配向MgO
を含む層であるので、プラズマ放電によって保護層がス
パッタリングされることが抑制されるともに、放電電圧
が低下する。
【0028】陽極および陰極と保護層との間に介在する
ように設けられた誘電体層をさらに有する構成としても
よいし、保護層が陽極および陰極上に直接設けられてい
る構成としてもよい。上述のような誘電体層を有する構
成を採用すると、保護層のスパッタリングが一層抑制さ
れ、プラズマ情報表示素子の信頼性が向上する。保護層
が陽極および陰極上に直接設けられている構成を採用す
ると、陽極および陰極と保護層との間に介在する層(例
えば上述の誘電体層)を形成する工程を省略することが
でき、製造コストを低減することが可能になる。
ように設けられた誘電体層をさらに有する構成としても
よいし、保護層が陽極および陰極上に直接設けられてい
る構成としてもよい。上述のような誘電体層を有する構
成を採用すると、保護層のスパッタリングが一層抑制さ
れ、プラズマ情報表示素子の信頼性が向上する。保護層
が陽極および陰極上に直接設けられている構成を採用す
ると、陽極および陰極と保護層との間に介在する層(例
えば上述の誘電体層)を形成する工程を省略することが
でき、製造コストを低減することが可能になる。
【0029】放電電圧の低下および耐スパッタリング性
の観点から、保護層は、実質的に、(220)配向Mg
Oおよび(200)配向MgOのみからなる層であるこ
とが好ましい。
の観点から、保護層は、実質的に、(220)配向Mg
Oおよび(200)配向MgOのみからなる層であるこ
とが好ましい。
【0030】本発明によるプラズマ情報表示素子の製造
方法は、第1基板を200℃以上に加熱した状態で、陽
極および陰極を覆うようにMgOを含む層を堆積するこ
とによって、(220)配向MgOおよび(200)配
向MgOを含む保護層を形成する工程を包含するので、
耐スパッタリング性に優れた保護層を備え、放電電圧の
低いプラズマ情報表示素子が効率よく製造される。
方法は、第1基板を200℃以上に加熱した状態で、陽
極および陰極を覆うようにMgOを含む層を堆積するこ
とによって、(220)配向MgOおよび(200)配
向MgOを含む保護層を形成する工程を包含するので、
耐スパッタリング性に優れた保護層を備え、放電電圧の
低いプラズマ情報表示素子が効率よく製造される。
【0031】
【発明の実施の形態】本願発明者は、保護層のスパッタ
リングを抑制するとともに、放電電圧を低下させるとい
う課題を解決すべく種々の検討を行った結果、(22
0)配向MgOおよび(200)配向MgOを含む層を
保護層として用いると、保護層のスパッタリングが抑制
されるとともに、放電電圧が低下するということを見出
し、本発明に想到した。
リングを抑制するとともに、放電電圧を低下させるとい
う課題を解決すべく種々の検討を行った結果、(22
0)配向MgOおよび(200)配向MgOを含む層を
保護層として用いると、保護層のスパッタリングが抑制
されるとともに、放電電圧が低下するということを見出
し、本発明に想到した。
【0032】以下、図面を参照しながら本発明による実
施形態のプラズマ情報表示素子およびその製造方法を説
明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるも
のではない。 (実施形態1)図1を参照しながら、本発明による実施
形態1のプラズマ情報表示素子であるプラズマディスプ
レイパネル(PDP)100の構成を説明する。図1
は、PDP100を模式的に示す断面図である。なお、
図1における第1基板110の断面は、放電チャネル1
50の伸長方向に平行な方向における模式的な断面であ
り、第2基板120の断面は、放電チャネル150の伸
長方向に直交する方向における模式的な断面である。
施形態のプラズマ情報表示素子およびその製造方法を説
明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるも
のではない。 (実施形態1)図1を参照しながら、本発明による実施
形態1のプラズマ情報表示素子であるプラズマディスプ
レイパネル(PDP)100の構成を説明する。図1
は、PDP100を模式的に示す断面図である。なお、
図1における第1基板110の断面は、放電チャネル1
50の伸長方向に平行な方向における模式的な断面であ
り、第2基板120の断面は、放電チャネル150の伸
長方向に直交する方向における模式的な断面である。
【0033】PDP100は、互いに対向するように設
けられた第1基板(前面基板)110および第2基板
(背面基板)120と、第1基板110と第2基板12
0との間に設けられた複数の隔壁140とを備えてい
る。
けられた第1基板(前面基板)110および第2基板
(背面基板)120と、第1基板110と第2基板12
0との間に設けられた複数の隔壁140とを備えてい
る。
【0034】複数の隔壁140は、典型的にはストライ
プ状に配設されており、第1基板110および第2基板
120と、複数の隔壁140とによって包囲された空間
として、ストライプ状の複数の放電チャネル150が規
定される。言い換えると、PDP100は、第1基板1
10と第2基板120との間に、複数の放電チャネル1
50を備えている。第1基板110と第2基板120と
は、数百μmの間隔で貼り合わされており、放電チャネ
ル150には、放電によってイオン化が可能な放電ガス
(例えばNeとXeとの混合ガス)が封入されている。
プ状に配設されており、第1基板110および第2基板
120と、複数の隔壁140とによって包囲された空間
として、ストライプ状の複数の放電チャネル150が規
定される。言い換えると、PDP100は、第1基板1
10と第2基板120との間に、複数の放電チャネル1
50を備えている。第1基板110と第2基板120と
は、数百μmの間隔で貼り合わされており、放電チャネ
ル150には、放電によってイオン化が可能な放電ガス
(例えばNeとXeとの混合ガス)が封入されている。
【0035】第1基板110は、透明基板(例えばガラ
ス基板)112と、透明基板112上に設けられた表示
電極114と、表示電極114を覆うように設けられた
第1誘電体層(例えば低融点ガラス層)116と、第1
誘電体層116上に設けられた保護層118とを有す
る。
ス基板)112と、透明基板112上に設けられた表示
電極114と、表示電極114を覆うように設けられた
第1誘電体層(例えば低融点ガラス層)116と、第1
誘電体層116上に設けられた保護層118とを有す
る。
【0036】第1基板110が有する表示電極114
は、典型的にはストライプ状に配設されており、一対の
表示電極114の一方が陽極114Aとして機能し、他
方が陰極114Cとして機能する。本実施形態において
は、表示電極114は、透明電極(例えばITO層)1
14aと、透明電極114a上に設けられたバス電極
(例えばAl層、Ag−Pd−Cu層、Ag−Ru−C
u層またはAg−SnO2層)114bとから構成され
ている。
は、典型的にはストライプ状に配設されており、一対の
表示電極114の一方が陽極114Aとして機能し、他
方が陰極114Cとして機能する。本実施形態において
は、表示電極114は、透明電極(例えばITO層)1
14aと、透明電極114a上に設けられたバス電極
(例えばAl層、Ag−Pd−Cu層、Ag−Ru−C
u層またはAg−SnO2層)114bとから構成され
ている。
【0037】保護層118は、表示電極114(すなわ
ち陽極114Aおよび陰極114C)と第1誘電体層1
16とを覆うように設けられており、(220)配向M
gOおよび(200)配向MgOを含む層である。本実
施形態においては、保護層118は、実質的に、(22
0)配向MgOおよび(200)配向MgOのみからな
る層である。
ち陽極114Aおよび陰極114C)と第1誘電体層1
16とを覆うように設けられており、(220)配向M
gOおよび(200)配向MgOを含む層である。本実
施形態においては、保護層118は、実質的に、(22
0)配向MgOおよび(200)配向MgOのみからな
る層である。
【0038】第2基板120は、絶縁性基板(例えば、
ガラス基板)122と、絶縁性基板122上に表示電極
114と交差するようにストライプ状に配設されたアド
レス電極(例えばAl層、Ag−Pd−Cu層、Ag−
Ru−Cu層またはAg−SnO2層)124と、アド
レス電極124を覆うように設けられた第2誘電体層
(例えば低融点ガラス層)126とを有する。隣接する
アドレス電極124間に、上述した隔壁140が、例え
ば低融点ガラスを用いて形成されている。
ガラス基板)122と、絶縁性基板122上に表示電極
114と交差するようにストライプ状に配設されたアド
レス電極(例えばAl層、Ag−Pd−Cu層、Ag−
Ru−Cu層またはAg−SnO2層)124と、アド
レス電極124を覆うように設けられた第2誘電体層
(例えば低融点ガラス層)126とを有する。隣接する
アドレス電極124間に、上述した隔壁140が、例え
ば低融点ガラスを用いて形成されている。
【0039】隔壁140の側面および第2誘電体層12
6の表面に、U字状に蛍光体層128が形成されてい
る。この蛍光体層128は、典型的には、赤色蛍光体層
128R(例えば(Y,Ga)BO3:Eu層)、緑色
蛍光体層128G(例えばZn2SiO4:Mn層)また
は青色蛍光体層128B(例えばBaMgAl14O23:
Eu層)である。
6の表面に、U字状に蛍光体層128が形成されてい
る。この蛍光体層128は、典型的には、赤色蛍光体層
128R(例えば(Y,Ga)BO3:Eu層)、緑色
蛍光体層128G(例えばZn2SiO4:Mn層)また
は青色蛍光体層128B(例えばBaMgAl14O23:
Eu層)である。
【0040】次に、本実施形態のPDP100の動作を
説明する。なお、PDP100は、マトリクス状に配列
された複数の絵素領域を有しており、複数の絵素領域の
それぞれにおいて一対の表示電極114とアドレス電極
124とが交差する。また、後述する書き込み時に、一
対の表示電極114の一方がスキャン電極として機能す
る。
説明する。なお、PDP100は、マトリクス状に配列
された複数の絵素領域を有しており、複数の絵素領域の
それぞれにおいて一対の表示電極114とアドレス電極
124とが交差する。また、後述する書き込み時に、一
対の表示電極114の一方がスキャン電極として機能す
る。
【0041】まず、スキャン電極(一対の表示電極11
4の一方)とアドレス電極124との間に放電しきい値
を超える電圧を印加して、所定の絵素領域に選択的に書
き込み放電を発生させる。この書き込み放電により、ス
キャン電極の上方の第1誘電体層116の表面近傍に電
荷が誘導・蓄積される。なお、このようにして電荷が誘
導・蓄積されることを壁電荷が形成されるともいう。
4の一方)とアドレス電極124との間に放電しきい値
を超える電圧を印加して、所定の絵素領域に選択的に書
き込み放電を発生させる。この書き込み放電により、ス
キャン電極の上方の第1誘電体層116の表面近傍に電
荷が誘導・蓄積される。なお、このようにして電荷が誘
導・蓄積されることを壁電荷が形成されるともいう。
【0042】次に、一対の表示電極114間に、放電し
きい値を超えない程度の電圧を印加する。このとき、書
き込み放電が行われた所定の絵素領域においては、書き
込み時に形成された壁電荷に起因する壁電圧が重畳して
印加されるので、実効電圧が放電しきい値を超え、維持
放電が開始される。この維持放電により発生する紫外線
を用いて蛍光体層128を発光させることにより、所定
の発光セルを発光状態とすることが可能となる。
きい値を超えない程度の電圧を印加する。このとき、書
き込み放電が行われた所定の絵素領域においては、書き
込み時に形成された壁電荷に起因する壁電圧が重畳して
印加されるので、実効電圧が放電しきい値を超え、維持
放電が開始される。この維持放電により発生する紫外線
を用いて蛍光体層128を発光させることにより、所定
の発光セルを発光状態とすることが可能となる。
【0043】続いて、本実施形態のPDP100の製造
方法を説明する。
方法を説明する。
【0044】まず、透明基板112上に表示電極11
4、すなわち陽極114Aおよび陰極114Cが形成さ
れた第1基板110を用意する。この工程は、公知の材
料を用いて公知の方法により実行される。
4、すなわち陽極114Aおよび陰極114Cが形成さ
れた第1基板110を用意する。この工程は、公知の材
料を用いて公知の方法により実行される。
【0045】次に、陽極114Aおよび陰極114Cを
覆うように第1誘電体層116を形成する。第1誘電体
層116を形成する工程は、公知の材料を用いて公知の
方法により実行される。
覆うように第1誘電体層116を形成する。第1誘電体
層116を形成する工程は、公知の材料を用いて公知の
方法により実行される。
【0046】続いて、第1基板110を200℃以上に
加熱した状態で、陽極114Aおよび陰極114Cを覆
うようにMgO層を堆積することによって、(220)
配向MgOおよび(200)配向MgOを含む保護層1
18を形成する。
加熱した状態で、陽極114Aおよび陰極114Cを覆
うようにMgO層を堆積することによって、(220)
配向MgOおよび(200)配向MgOを含む保護層1
18を形成する。
【0047】次に、絶縁性基板122上にアドレス電極
124および第2誘電体層126が形成された第2基板
120を用意する。アドレス電極124および第2誘電
体層126を形成する工程は、公知の材料を用いて公知
の方法により実行される。
124および第2誘電体層126が形成された第2基板
120を用意する。アドレス電極124および第2誘電
体層126を形成する工程は、公知の材料を用いて公知
の方法により実行される。
【0048】続いて、隣接するアドレス電極124間に
位置するように隔壁140を形成し、隔壁140の側面
および第2誘電体層126の表面にU字状に蛍光体層1
28を形成する。隔壁140および蛍光体層128を形
成する工程は、公知の材料を用いて公知の方法により実
行される。
位置するように隔壁140を形成し、隔壁140の側面
および第2誘電体層126の表面にU字状に蛍光体層1
28を形成する。隔壁140および蛍光体層128を形
成する工程は、公知の材料を用いて公知の方法により実
行される。
【0049】その後、第1基板110および第2基板1
20を所定の間隔で貼り合わせ、放電ガスを封入・封止
することによって、PDP100が完成する。
20を所定の間隔で貼り合わせ、放電ガスを封入・封止
することによって、PDP100が完成する。
【0050】ここで、保護層118を形成する工程をさ
らに詳しく説明する。
らに詳しく説明する。
【0051】上述した保護層118を形成する工程は、
例えば、図2に模式的に示す中外炉工業製イオンプレー
ティング製膜装置500を用いて以下のようにして実行
される。
例えば、図2に模式的に示す中外炉工業製イオンプレー
ティング製膜装置500を用いて以下のようにして実行
される。
【0052】まず、陽極114Aおよび陰極114Cと
第1誘電体層116とが形成された第1基板110を真
空チャンバー内に入れ、蒸着源502に対して水平にセ
ッティングする。
第1誘電体層116とが形成された第1基板110を真
空チャンバー内に入れ、蒸着源502に対して水平にセ
ッティングする。
【0053】次に、第1基板110の温度が200℃以
上になるように、例えば抵抗加熱やレーザー照射によっ
て加熱する。第1基板110が200℃以上に加熱され
た状態で、プラズマガン503からイオンビーム504
を蒸着源502に照射し、MgO層を堆積することによ
って、(220)配向MgOおよび(200)配向Mg
Oを含む保護層118を形成する。第1基板110の温
度は、基板、電極および誘電体層の材料の融点を考慮す
ると、200℃以上600℃以下であることが好まし
く、プロセスタイムの観点からは200℃以上400℃
以下であることがさらに好ましい。本実施形態において
は、酸素と水素の割合が約10:3の混合ガスを約0.
1Paで導入し、第1基板110の温度が200℃、投
入電力が約7kWの条件で約15分間製膜することによ
って、厚さが約1μmの保護層118を形成する。
上になるように、例えば抵抗加熱やレーザー照射によっ
て加熱する。第1基板110が200℃以上に加熱され
た状態で、プラズマガン503からイオンビーム504
を蒸着源502に照射し、MgO層を堆積することによ
って、(220)配向MgOおよび(200)配向Mg
Oを含む保護層118を形成する。第1基板110の温
度は、基板、電極および誘電体層の材料の融点を考慮す
ると、200℃以上600℃以下であることが好まし
く、プロセスタイムの観点からは200℃以上400℃
以下であることがさらに好ましい。本実施形態において
は、酸素と水素の割合が約10:3の混合ガスを約0.
1Paで導入し、第1基板110の温度が200℃、投
入電力が約7kWの条件で約15分間製膜することによ
って、厚さが約1μmの保護層118を形成する。
【0054】上述のようにして形成された保護層118
のX線回折測定の結果を図3(a)に示す。図3(a)
においては、縦軸に回折強度を示し、横軸にブラッグ反
射角2θを示している。図3(a)に示すように、(2
20)配向MgOおよび(200)配向MgOに由来す
るピークが観察され、本実施形態のPDP100が備え
る保護膜118が実質的に(220)配向MgOおよび
(200)配向MgOのみからなる層であることがわか
る。これに対して、例えば、(111)配向MgO層の
X線回折測定の結果においては、図3(b)に示すよう
に、(111)配向MgOに由来するピークと、(22
2)配向MgO(=(111)配向MgO)に由来する
ピークとが観察される。
のX線回折測定の結果を図3(a)に示す。図3(a)
においては、縦軸に回折強度を示し、横軸にブラッグ反
射角2θを示している。図3(a)に示すように、(2
20)配向MgOおよび(200)配向MgOに由来す
るピークが観察され、本実施形態のPDP100が備え
る保護膜118が実質的に(220)配向MgOおよび
(200)配向MgOのみからなる層であることがわか
る。これに対して、例えば、(111)配向MgO層の
X線回折測定の結果においては、図3(b)に示すよう
に、(111)配向MgOに由来するピークと、(22
2)配向MgO(=(111)配向MgO)に由来する
ピークとが観察される。
【0055】ここで、上述の製膜条件と同じ条件で、第
1基板110の温度を変化させた場合に形成されるMg
O層のMgO結晶の面方位を表1に示す。 〔表1〕 設定基板温度 MgO面方位 室温 (111) 100℃ (111) 200℃ (220)+(200) 300℃ (220)+(200) 表1から、第1基板110の温度が200℃以上の状態
でMgO層を堆積することによって、(220)配向M
gOおよび(200)配向MgOを含む層が形成される
ことがわかる。また、MgO層を形成した後、窒素雰囲
気下、485℃で1時間程度放置したところ、面方位は
変化しなかった。このことから、MgO層を形成すると
きの基板の温度は面方位に影響を及ぼすが、MgO層を
形成した後の基板の温度は面方位に影響を及ぼさないこ
とが確認された。
1基板110の温度を変化させた場合に形成されるMg
O層のMgO結晶の面方位を表1に示す。 〔表1〕 設定基板温度 MgO面方位 室温 (111) 100℃ (111) 200℃ (220)+(200) 300℃ (220)+(200) 表1から、第1基板110の温度が200℃以上の状態
でMgO層を堆積することによって、(220)配向M
gOおよび(200)配向MgOを含む層が形成される
ことがわかる。また、MgO層を形成した後、窒素雰囲
気下、485℃で1時間程度放置したところ、面方位は
変化しなかった。このことから、MgO層を形成すると
きの基板の温度は面方位に影響を及ぼすが、MgO層を
形成した後の基板の温度は面方位に影響を及ぼさないこ
とが確認された。
【0056】また、スパッタリング法によりMgO層を
形成した場合のMgO結晶の面方位を表2に示す。 〔表2〕 設定基板温度 MgO面方位 加熱せず (111) 150℃ (111) 200℃ (220)+(200) 表2から、スパッタリング法を用いる場合にも、基板の
温度が200℃以上の状態でMgO層を堆積することに
よって、(220)配向MgOおよび(200)配向M
gOを含む層が形成されることがわかる。
形成した場合のMgO結晶の面方位を表2に示す。 〔表2〕 設定基板温度 MgO面方位 加熱せず (111) 150℃ (111) 200℃ (220)+(200) 表2から、スパッタリング法を用いる場合にも、基板の
温度が200℃以上の状態でMgO層を堆積することに
よって、(220)配向MgOおよび(200)配向M
gOを含む層が形成されることがわかる。
【0057】上述の表1および表2に示した結果から、
MgO層の形成方法によらず、第1基板110の温度を
200℃以上にすることによって、(220)配向Mg
Oおよび(200)配向MgOを含む層が得られること
がわかる。
MgO層の形成方法によらず、第1基板110の温度を
200℃以上にすることによって、(220)配向Mg
Oおよび(200)配向MgOを含む層が得られること
がわかる。
【0058】本発明による実施形態1のPDP100に
おいては、陽極114Aおよび陰極114Cを覆うよう
に設けられた保護層118が、(220)配向MgOお
よび(200)配向MgOを含む層であるので、プラズ
マ放電によって保護層118がスパッタリングされるこ
とが抑制されるともに、放電電圧の低減が実現される。
おいては、陽極114Aおよび陰極114Cを覆うよう
に設けられた保護層118が、(220)配向MgOお
よび(200)配向MgOを含む層であるので、プラズ
マ放電によって保護層118がスパッタリングされるこ
とが抑制されるともに、放電電圧の低減が実現される。
【0059】(220)配向MgOおよび(200)配
向MgOを含む層が優れた耐スパッタリング性を有する
理由を説明する。MgO結晶の格子定数をaとすると、
(111)面、(200)面および(220)面の面間
隔は、それぞれ以下の通りである。
向MgOを含む層が優れた耐スパッタリング性を有する
理由を説明する。MgO結晶の格子定数をaとすると、
(111)面、(200)面および(220)面の面間
隔は、それぞれ以下の通りである。
【0060】
(111)面:{(√3)/3}・a=0.58a
(200)面:a/2=0.5a
(220)面:{(√2)/4}・a=0.35a
従って、(220)配向MgOと(200)配向MgO
との混合物であれば、面間隔は、0.4a程度であると
考えられる。そのため、(220)配向MgOおよび
(200)配向MgOを含む層は、(111)配向Mg
O層よりも密度が高く緻密な層であり、(220)配向
MgO層とほぼ同等の耐スパッタリング性を有する。
との混合物であれば、面間隔は、0.4a程度であると
考えられる。そのため、(220)配向MgOおよび
(200)配向MgOを含む層は、(111)配向Mg
O層よりも密度が高く緻密な層であり、(220)配向
MgO層とほぼ同等の耐スパッタリング性を有する。
【0061】また、本願発明者は、(220)配向Mg
Oおよび(200)配向MgOを含む層を保護層118
として用いることによってプラズマ情報表示素子の放電
電圧が十分に低減されることを、後述するように実験的
に確認している。(実施形態2)図4を参照しながら、
本発明による実施形態2のプラズマ情報表示素子である
プラズマアドレス液晶表示装置(PALC)200の構
成を説明する。図4は、PALC200を模式的に示す
断面図である。なお、図4における第1基板210の断
面は、放電チャネル250の伸長方向に直交する方向に
おける模式的な断面であり、第2基板220および第3
基板230の断面は、放電チャネル250の伸長方向に
平行な方向における模式的な断面である。
Oおよび(200)配向MgOを含む層を保護層118
として用いることによってプラズマ情報表示素子の放電
電圧が十分に低減されることを、後述するように実験的
に確認している。(実施形態2)図4を参照しながら、
本発明による実施形態2のプラズマ情報表示素子である
プラズマアドレス液晶表示装置(PALC)200の構
成を説明する。図4は、PALC200を模式的に示す
断面図である。なお、図4における第1基板210の断
面は、放電チャネル250の伸長方向に直交する方向に
おける模式的な断面であり、第2基板220および第3
基板230の断面は、放電チャネル250の伸長方向に
平行な方向における模式的な断面である。
【0062】PALC200は、互いに対向するように
設けられた第1基板210および第2基板220と、第
1基板210と第2基板220との間に設けられた複数
の隔壁240とを備えている。
設けられた第1基板210および第2基板220と、第
1基板210と第2基板220との間に設けられた複数
の隔壁240とを備えている。
【0063】PALC200は、さらに、第2基板22
0に対向するように設けられた第3基板230と、第2
基板220と第3基板230との間に設けられた液晶層
260とを有する。
0に対向するように設けられた第3基板230と、第2
基板220と第3基板230との間に設けられた液晶層
260とを有する。
【0064】第1基板210と第2基板220との間に
設けられた複数の隔壁240は、典型的にはストライプ
状に配設されており、第1基板210および第2基板2
20と、複数の隔壁240とによって包囲された空間と
して、ストライプ状の複数の放電チャネル250が規定
される。言い換えると、PALC200は、第1基板2
10と第2基板220との間に、複数の放電チャネル2
50を備えている。放電チャネル250には、放電によ
ってイオン化が可能な放電ガス(例えばXe)が所定の
圧力(例えば約4000Pa)で封入されている。
設けられた複数の隔壁240は、典型的にはストライプ
状に配設されており、第1基板210および第2基板2
20と、複数の隔壁240とによって包囲された空間と
して、ストライプ状の複数の放電チャネル250が規定
される。言い換えると、PALC200は、第1基板2
10と第2基板220との間に、複数の放電チャネル2
50を備えている。放電チャネル250には、放電によ
ってイオン化が可能な放電ガス(例えばXe)が所定の
圧力(例えば約4000Pa)で封入されている。
【0065】第1基板210は、透明基板(例えば厚さ
約0.5mm〜約3.0mmのガラス基板)212と、
透明基板212上に複数の放電チャネル250のそれぞ
れに対応してストライプ状に配設された陽極(例えばA
l層、Ag−Pd−Cu層、Ag−Ru−Cu層または
Ag−SnO2層)224Aおよび陰極(例えばAl
層、Ag−Pd−Cu層、Ag−Ru−Cu層またはA
g−SnO2層)224Cと、陽極224Aおよび陰極
224Cを覆うように設けられた誘電体層(例えば低融
点ガラス層)216と、誘電体層216上に設けられた
保護層218とを有する。
約0.5mm〜約3.0mmのガラス基板)212と、
透明基板212上に複数の放電チャネル250のそれぞ
れに対応してストライプ状に配設された陽極(例えばA
l層、Ag−Pd−Cu層、Ag−Ru−Cu層または
Ag−SnO2層)224Aおよび陰極(例えばAl
層、Ag−Pd−Cu層、Ag−Ru−Cu層またはA
g−SnO2層)224Cと、陽極224Aおよび陰極
224Cを覆うように設けられた誘電体層(例えば低融
点ガラス層)216と、誘電体層216上に設けられた
保護層218とを有する。
【0066】保護層218は、陽極214Aおよび陰極
214Cと誘電体層216とを覆うように設けられてお
り、(220)配向MgOおよび(200)配向MgO
を含む層である。本実施形態においては、保護層218
は、実質的に、(220)配向MgOおよび(200)
配向MgOのみからなる層である。
214Cと誘電体層216とを覆うように設けられてお
り、(220)配向MgOおよび(200)配向MgO
を含む層である。本実施形態においては、保護層218
は、実質的に、(220)配向MgOおよび(200)
配向MgOのみからなる層である。
【0067】第2基板220は、透明な誘電体薄板(例
えば、厚さ約10μm〜約100μmのガラス板)であ
り、この第2基板220と第1基板210との間に設け
られた隔壁240は、例えば低融点ガラスを用いて形成
されている。
えば、厚さ約10μm〜約100μmのガラス板)であ
り、この第2基板220と第1基板210との間に設け
られた隔壁240は、例えば低融点ガラスを用いて形成
されている。
【0068】第3基板230は、透明基板(例えば厚さ
が約0.5mm〜約2.0mmのガラス基板)232
と、透明基板232の液晶層260側に設けられたカラ
ーフィルタ234と、このカラーフィルタ234上に陽
極224Aおよび陰極224Cと交差するように設けら
れたストライプ状の透明電極(例えばITO層)236
とを有する。
が約0.5mm〜約2.0mmのガラス基板)232
と、透明基板232の液晶層260側に設けられたカラ
ーフィルタ234と、このカラーフィルタ234上に陽
極224Aおよび陰極224Cと交差するように設けら
れたストライプ状の透明電極(例えばITO層)236
とを有する。
【0069】液晶層260としては、例えば、TNモー
ドの液晶層を用いることができる。勿論これに限定され
ず、ゲストホストモードの液晶層を用いれば、第1基板
210および第3基板230の外側に設けられた偏光板
217および237を省略することができる。また、用
いる液晶層に応じて、第2基板220および第3基板2
30の液晶層260側には配向層(例えば高分子膜から
なる配向層;不図示)が設けられている。この液晶層2
60の厚さは、第2基板220と第3基板230との間
に設けられたスペーサ262によって規定されている。
ドの液晶層を用いることができる。勿論これに限定され
ず、ゲストホストモードの液晶層を用いれば、第1基板
210および第3基板230の外側に設けられた偏光板
217および237を省略することができる。また、用
いる液晶層に応じて、第2基板220および第3基板2
30の液晶層260側には配向層(例えば高分子膜から
なる配向層;不図示)が設けられている。この液晶層2
60の厚さは、第2基板220と第3基板230との間
に設けられたスペーサ262によって規定されている。
【0070】図5を参照しながら、本実施形態のPAL
C200の動作を説明する。図5は、本実施形態のPA
LC200の動作を説明するための模式図である。な
お、図5においては、第1基板210の外側に設けられ
たバックライト270を併せて示している。
C200の動作を説明する。図5は、本実施形態のPA
LC200の動作を説明するための模式図である。な
お、図5においては、第1基板210の外側に設けられ
たバックライト270を併せて示している。
【0071】まず、陽極224Aおよび陰極224C間
に例えば100V〜500Vの電圧を印加し、放電チャ
ネル250内にプラズマ放電を発生させる。プラズマ放
電が発生すると、放電チャネル250内は導通状態とな
り、放電チャネル250内の電位は陰極224Cの近傍
を除いて陽極224Aの電位とほぼ等しくなる。
に例えば100V〜500Vの電圧を印加し、放電チャ
ネル250内にプラズマ放電を発生させる。プラズマ放
電が発生すると、放電チャネル250内は導通状態とな
り、放電チャネル250内の電位は陰極224Cの近傍
を除いて陽極224Aの電位とほぼ等しくなる。
【0072】これと同期して、第3基板230の等明電
極236に例えば0V〜100Vの電圧Edを印加する
ことにより第2基板220の放電チャネル250側の表
面近傍(以下、「第2基板下面」と記す。)に負の電荷
が誘導・蓄積される。勿論、透明電極236に例えば0
V〜−100Vの電圧Edを印加することによって、正
の電荷を蓄積させてもよい。このとき、液晶層260
は、陽極224Aと透明電極236との間の電圧(電位
差)が第2基板220と液晶層260とで容量分割され
た電圧に応じて、配向状態が変化する。
極236に例えば0V〜100Vの電圧Edを印加する
ことにより第2基板220の放電チャネル250側の表
面近傍(以下、「第2基板下面」と記す。)に負の電荷
が誘導・蓄積される。勿論、透明電極236に例えば0
V〜−100Vの電圧Edを印加することによって、正
の電荷を蓄積させてもよい。このとき、液晶層260
は、陽極224Aと透明電極236との間の電圧(電位
差)が第2基板220と液晶層260とで容量分割され
た電圧に応じて、配向状態が変化する。
【0073】次に、プラズマ放電が中止されると、放電
チャネル250内は絶縁状態となり、第2基板下面に電
荷が蓄積された状態が維持される。すなわち、第2基板
下面と透明電極236との間の電圧(電位差)が、第2
基板下面と、第2基板220および液晶層260と、透
明電極236とによって形成される容量によって、サン
プルホールドされる。その結果、放電チャネル250内
が絶縁状態となっている間も、サンプルホールドされた
電圧により液晶層260の配向状態は維持される。
チャネル250内は絶縁状態となり、第2基板下面に電
荷が蓄積された状態が維持される。すなわち、第2基板
下面と透明電極236との間の電圧(電位差)が、第2
基板下面と、第2基板220および液晶層260と、透
明電極236とによって形成される容量によって、サン
プルホールドされる。その結果、放電チャネル250内
が絶縁状態となっている間も、サンプルホールドされた
電圧により液晶層260の配向状態は維持される。
【0074】続いて、本実施形態のPALC200の製
造方法を説明する。本実施形態のPALC200は、保
護層218を形成する工程以外は公知のPALCの製造
方法を用いて製造されるので、以下の説明においては、
保護層218を形成する工程を中心に説明し、その他の
工程の説明を省略する。
造方法を説明する。本実施形態のPALC200は、保
護層218を形成する工程以外は公知のPALCの製造
方法を用いて製造されるので、以下の説明においては、
保護層218を形成する工程を中心に説明し、その他の
工程の説明を省略する。
【0075】まず、透明基板212上に陽極214Aお
よび陰極214Cが形成された第1基板210を用意
し、次に、陽極214Aおよび陰極214Cを覆うよう
に誘電体層216を形成する。これらの工程は、公知の
材料を用いて公知の方法により実行される。
よび陰極214Cが形成された第1基板210を用意
し、次に、陽極214Aおよび陰極214Cを覆うよう
に誘電体層216を形成する。これらの工程は、公知の
材料を用いて公知の方法により実行される。
【0076】続いて、第1基板210を200℃以上に
加熱した状態で、陽極214Aおよび陰極214Cを覆
うようにMgO層を堆積することによって、(220)
配向MgOおよび(200)配向MgOを含む保護層2
18を形成する。
加熱した状態で、陽極214Aおよび陰極214Cを覆
うようにMgO層を堆積することによって、(220)
配向MgOおよび(200)配向MgOを含む保護層2
18を形成する。
【0077】保護層218を形成する工程は、例えば、
図6に模式的に示す反応性スパッタリング装置600を
用いて以下のようにして実行される。
図6に模式的に示す反応性スパッタリング装置600を
用いて以下のようにして実行される。
【0078】まず、陽極214Aおよび陰極214Cと
誘電体層216とが形成された第1基板210をMgタ
ーゲット602に対して水平にセッティングする。
誘電体層216とが形成された第1基板210をMgタ
ーゲット602に対して水平にセッティングする。
【0079】次に、第1基板210の温度が200℃以
上になるように、例えば抵抗加熱やレーザー照射によっ
て加熱する。第1基板210が200℃以上に加熱され
た状態で、放電およびスパッタリングに必要なArガス
およびO2ガスを導入してMgO層を堆積することによ
って、(220)配向MgOおよび(200)配向Mg
Oを含む保護層218を形成する。このとき、O2ガス
の導入量および電源604から投入されるターゲット電
力は、コントロールユニット606によって制御され
る。また、スパッタリング速度を向上させる観点から、
O2ガス導入ポート608は、第1基板210の直上に
セッティングされる。
上になるように、例えば抵抗加熱やレーザー照射によっ
て加熱する。第1基板210が200℃以上に加熱され
た状態で、放電およびスパッタリングに必要なArガス
およびO2ガスを導入してMgO層を堆積することによ
って、(220)配向MgOおよび(200)配向Mg
Oを含む保護層218を形成する。このとき、O2ガス
の導入量および電源604から投入されるターゲット電
力は、コントロールユニット606によって制御され
る。また、スパッタリング速度を向上させる観点から、
O2ガス導入ポート608は、第1基板210の直上に
セッティングされる。
【0080】第1基板210の温度は、基板、電極およ
び誘電体の材料の融点を考慮すると、200℃以上60
0℃以下であることが好ましく、プロセスタイムの観点
からは200℃以上400℃以下であることがさらに好
ましい。本実施形態においては、第1基板210の温度
が200℃、投入電力が約7kWの条件で約15分間製
膜することによって、厚さが約1μmの保護層218を
形成する。
び誘電体の材料の融点を考慮すると、200℃以上60
0℃以下であることが好ましく、プロセスタイムの観点
からは200℃以上400℃以下であることがさらに好
ましい。本実施形態においては、第1基板210の温度
が200℃、投入電力が約7kWの条件で約15分間製
膜することによって、厚さが約1μmの保護層218を
形成する。
【0081】上述のようにして形成された保護層218
を備えるPALC200の初期化時の放電電圧を図7
(a)および(b)に示す。図7(a)および(b)
は、PALC200の放電電圧を縦軸に示し、エージン
グ時間を横軸に示すグラフであり、図7(a)は、エー
ジングガスがHeとXeとの混合ガス(He3%)であ
る場合を示し、図7(b)は、エージングガスがXeガ
スである場合を示す。また、図7(a)および(b)に
おいては、比較例として、(111)配向MgOからな
る保護層を有する従来のPALCの初期化時の放電電圧
を併せて示している。なお、図7(a)および(b)に
放電電圧を示したPALC200の構成は、図4に示し
た構成とは、誘電体層216が陽極214Aおよび陰極
214Cの一方のみを覆うように設けられている点で異
なっている。また、初期化とは、製造直後のPALCに
おいて、放電電極(陽極および陰極)間に十分に高い電
圧を印加して放電を起こすことによって、放電電極に付
着した不純物をスパッタで除去し、放電電極の表面を清
浄にする工程である。製造直後の放電電極の表面には不
純物が付着しているので、比較的高い電圧を印加しない
と放電が起こらない。十分なエージング時間が経過した
後の放電電圧が、実際のPALC駆動時の放電電圧に相
当する。
を備えるPALC200の初期化時の放電電圧を図7
(a)および(b)に示す。図7(a)および(b)
は、PALC200の放電電圧を縦軸に示し、エージン
グ時間を横軸に示すグラフであり、図7(a)は、エー
ジングガスがHeとXeとの混合ガス(He3%)であ
る場合を示し、図7(b)は、エージングガスがXeガ
スである場合を示す。また、図7(a)および(b)に
おいては、比較例として、(111)配向MgOからな
る保護層を有する従来のPALCの初期化時の放電電圧
を併せて示している。なお、図7(a)および(b)に
放電電圧を示したPALC200の構成は、図4に示し
た構成とは、誘電体層216が陽極214Aおよび陰極
214Cの一方のみを覆うように設けられている点で異
なっている。また、初期化とは、製造直後のPALCに
おいて、放電電極(陽極および陰極)間に十分に高い電
圧を印加して放電を起こすことによって、放電電極に付
着した不純物をスパッタで除去し、放電電極の表面を清
浄にする工程である。製造直後の放電電極の表面には不
純物が付着しているので、比較的高い電圧を印加しない
と放電が起こらない。十分なエージング時間が経過した
後の放電電圧が、実際のPALC駆動時の放電電圧に相
当する。
【0082】図7(a)および(b)に示すように、
(220)配向MgOおよび(200)配向MgOを含
む層を保護層218として備える本実施形態のPALC
200は、(111)配向MgOからなる保護層を有す
る従来のPALCよりも放電電圧が低減されている。
(220)配向MgOおよび(200)配向MgOを含
む層を保護層218として備える本実施形態のPALC
200は、(111)配向MgOからなる保護層を有す
る従来のPALCよりも放電電圧が低減されている。
【0083】また、実施形態1の説明において述べたよ
うに、(220)配向MgOおよび(200)配向Mg
Oを含む保護層218は、(111)配向MgO層より
も密度が高く緻密な層であり、(220)配向MgO層
とほぼ同等の耐スパッタリング性を有する。
うに、(220)配向MgOおよび(200)配向Mg
Oを含む保護層218は、(111)配向MgO層より
も密度が高く緻密な層であり、(220)配向MgO層
とほぼ同等の耐スパッタリング性を有する。
【0084】このように、本発明による実施形態2のP
ALC200においては、陽極214Aおよび陰極21
4Cを覆うように設けられた保護層218が、(22
0)配向MgOおよび(200)配向MgOを含む層で
あるので、プラズマ放電によって保護層218がスパッ
タリングされることが抑制されるともに、放電電圧の低
減が実現される。
ALC200においては、陽極214Aおよび陰極21
4Cを覆うように設けられた保護層218が、(22
0)配向MgOおよび(200)配向MgOを含む層で
あるので、プラズマ放電によって保護層218がスパッ
タリングされることが抑制されるともに、放電電圧の低
減が実現される。
【0085】なお、上述した実施形態1および2におい
ては、陽極および陰極と保護層との間に介在するように
設けられた誘電体層を有する場合について説明したが、
本発明はこれに限定されず、保護層が陽極および陰極上
に直接設けられている構成としてもよい。
ては、陽極および陰極と保護層との間に介在するように
設けられた誘電体層を有する場合について説明したが、
本発明はこれに限定されず、保護層が陽極および陰極上
に直接設けられている構成としてもよい。
【0086】保護層が陽極および陰極上に直接設けられ
ている場合には、典型的には、保護層が、上述した誘電
体層としても機能する。保護層が陽極および陰極上に直
接設けられている構成を採用すると、陽極および陰極と
保護層との間に介在する層(例えば上述の誘電体層)を
形成する工程を省略することができ、製造コストを低減
することが可能になる。例えば、誘電体層は、誘電体印
刷、乾燥および焼成などのプロセスを経て形成されるの
で、上述の構成を採用することによって、材料の削減お
よびプロセスの短縮が可能になり、製造コストが低減さ
れる。
ている場合には、典型的には、保護層が、上述した誘電
体層としても機能する。保護層が陽極および陰極上に直
接設けられている構成を採用すると、陽極および陰極と
保護層との間に介在する層(例えば上述の誘電体層)を
形成する工程を省略することができ、製造コストを低減
することが可能になる。例えば、誘電体層は、誘電体印
刷、乾燥および焼成などのプロセスを経て形成されるの
で、上述の構成を採用することによって、材料の削減お
よびプロセスの短縮が可能になり、製造コストが低減さ
れる。
【0087】一方、陽極および陰極と保護層との間に介
在するように設けられた誘電体層を有する構成を採用す
ると、保護層のスパッタリングが一層抑制され、プラズ
マ情報表示素子の信頼性が向上する。
在するように設けられた誘電体層を有する構成を採用す
ると、保護層のスパッタリングが一層抑制され、プラズ
マ情報表示素子の信頼性が向上する。
【0088】また、上述の実施形態1および2において
は、保護層が、実質的に、(220)配向MgOおよび
(200)配向MgOのみからなる層である場合につい
て説明したが、これに限定されず、例えば(111)配
向MgOが含まれている層であってもよい。
は、保護層が、実質的に、(220)配向MgOおよび
(200)配向MgOのみからなる層である場合につい
て説明したが、これに限定されず、例えば(111)配
向MgOが含まれている層であってもよい。
【0089】放電電圧の低下および耐スパッタリング性
の観点からは、保護層は、実質的に、(220)配向M
gOおよび(200)配向MgOのみからなる層である
ことが好ましい。
の観点からは、保護層は、実質的に、(220)配向M
gOおよび(200)配向MgOのみからなる層である
ことが好ましい。
【0090】
【発明の効果】本発明によると、耐スパッタリング性に
優れた保護層を備え、且つ、放電電圧の低いプラズマ情
報表示素子およびその製造方法が提供される。
優れた保護層を備え、且つ、放電電圧の低いプラズマ情
報表示素子およびその製造方法が提供される。
【0091】本発明によるプラズマ情報表示素子におい
ては、陽極および陰極を覆うように設けられた保護層が
(220)配向MgOおよび(200)配向MgOを含
む層であるので、プラズマ放電によって保護層がスパッ
タリングされることが抑制されるともに、放電電圧の低
減が実現される。
ては、陽極および陰極を覆うように設けられた保護層が
(220)配向MgOおよび(200)配向MgOを含
む層であるので、プラズマ放電によって保護層がスパッ
タリングされることが抑制されるともに、放電電圧の低
減が実現される。
【0092】本発明は、プラズマディスプレイパネル
(PDP)やプラズマアドレス液晶表示装置(PAL
C)などのプラズマ情報表示素子に好適に用いられる。
(PDP)やプラズマアドレス液晶表示装置(PAL
C)などのプラズマ情報表示素子に好適に用いられる。
【図1】本発明による実施形態1のプラズマ情報表示素
子であるプラズマディスプレイパネル(PDP)100
を模式的に示す断面図である。
子であるプラズマディスプレイパネル(PDP)100
を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明による実施形態1のPDP100が有す
る保護層118を形成する工程において用いられるイオ
ンプレーティング製膜装置500を模式的に示す図であ
る。
る保護層118を形成する工程において用いられるイオ
ンプレーティング製膜装置500を模式的に示す図であ
る。
【図3】(a)は、本発明による実施形態1のPDP1
00が有する保護層118のX線回折測定の結果を示す
図であり、(b)は、(111)配向MgO層のX線回
折測定の結果を示す図である。
00が有する保護層118のX線回折測定の結果を示す
図であり、(b)は、(111)配向MgO層のX線回
折測定の結果を示す図である。
【図4】本発明による実施形態2のプラズマ情報表示素
子であるプラズマアドレス液晶表示装置(PALC)2
00を模式的に示す断面図である。
子であるプラズマアドレス液晶表示装置(PALC)2
00を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明による実施形態2のPALC200の動
作を説明するための模式図である。
作を説明するための模式図である。
【図6】本発明による実施形態2のPALC200が有
する保護層218を形成する工程において用いられる反
応性スパッタリング装置600を模式的に示す図であ
る。
する保護層218を形成する工程において用いられる反
応性スパッタリング装置600を模式的に示す図であ
る。
【図7】(a)および(b)は、本発明による実施形態
2のPALC200の初期化時の放電電圧を縦軸に示
し、エージング時間を横軸に示すグラフであり、(a)
は、エージングガスがHeとXeとの混合ガス(He3
%)である場合の放電電圧を示すグラフであり、(b)
は、エージングガスがXeガスである場合の放電電圧を
示すグラフである。
2のPALC200の初期化時の放電電圧を縦軸に示
し、エージング時間を横軸に示すグラフであり、(a)
は、エージングガスがHeとXeとの混合ガス(He3
%)である場合の放電電圧を示すグラフであり、(b)
は、エージングガスがXeガスである場合の放電電圧を
示すグラフである。
【図8】従来のACタイプのプラズマディスプレイパネ
ル(PDP)300を模式的に示す断面図である。
ル(PDP)300を模式的に示す断面図である。
【図9】PDP300の動作を説明するための模式図で
ある。
ある。
100 プラズマディスプレイパネル(PDP)
110 第1基板
114 表示電極
114A 陽極
114C 陰極
116 第1誘電体層
118 保護層
120 第2基板
124 アドレス電極
126 第2誘電体層
128 蛍光体層
140 隔壁
150 放電チャネル
200 プラズマアドレス液晶表示装置(PALC)
210 第1基板
214A 陽極
214C 陰極
216 誘電体層
218 保護層
220 第2基板
230 第3基板
236 等明電極
240 隔壁
250 放電チャネル
260 液晶層
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 田中 正信
東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ
ー株式会社内
Fターム(参考) 2H089 HA36 QA12 QA16 TA03 TA12
5C027 AA05 AA07
5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GE07
GE09 JA07
Claims (7)
- 【請求項1】 互いに対向するように設けられた第1お
よび第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に
設けられた複数の隔壁とを備え、 前記第1および第2基板と、前記複数の隔壁とが、複数
の放電チャネルを規定するプラズマ情報表示素子であっ
て、 前記第1基板の前記第2基板側に設けられた陽極および
陰極と、前記陽極および陰極を覆うように設けられた保
護層とを有し、 前記保護層は、(220)配向MgOおよび(200)
配向MgOを含む層であるプラズマ情報表示素子。 - 【請求項2】 前記保護層は、前記陽極および陰極上に
直接設けられている、請求項1に記載のプラズマ情報表
示素子。 - 【請求項3】 前記陽極および陰極と前記保護層との間
に介在するように設けられた誘電体層をさらに有する請
求項1に記載のプラズマ情報表示素子。 - 【請求項4】 前記保護層は、実質的に、(220)配
向MgOおよび(200)配向MgOのみからなる層で
ある請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ情報表
示素子。 - 【請求項5】 前記第2基板に対向するように設けられ
た第3基板と、前記第2基板と前記第3基板との間に設
けられた液晶層とをさらに有する請求項1から4のいず
れかに記載の気体放電表示装置。 - 【請求項6】 前記複数の放電チャネルのそれぞれは、
蛍光体層をさらに有する請求項1から4のいずれかに記
載の気体放電表示装置。 - 【請求項7】 互いに対向するように設けられた第1お
よび第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に
設けられた複数の隔壁とを備え、前記第1および第2基
板と、前記複数の隔壁とが、複数の放電チャネルを規定
するプラズマ情報表示素子であって、前記第1基板の前
記第2基板側に設けられた陽極および陰極と、前記陽極
および陰極を覆うように設けられた保護層とを有するプ
ラズマ情報表示素子の製造方法であって、 陽極および陰極が形成された第1基板を用意する工程
と、 前記第1基板を200℃以上に加熱した状態で、前記陽
極および陰極を覆うようにMgOを含む層を堆積するこ
とによって、(220)配向MgOおよび(200)配
向MgOを含む保護層を形成する工程と、 を包含するプラズマ情報表示素子の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001294616A JP2003100219A (ja) | 2001-09-26 | 2001-09-26 | プラズマ情報表示素子およびその製造方法 |
US10/255,076 US6744201B2 (en) | 2001-09-26 | 2002-09-26 | Plasma information display element and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2001294616A JP2003100219A (ja) | 2001-09-26 | 2001-09-26 | プラズマ情報表示素子およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=19116187
Family Applications (1)
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