JP2003098669A - フォトレジスト組成物 - Google Patents

フォトレジスト組成物

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JP2003098669A
JP2003098669A JP2001286526A JP2001286526A JP2003098669A JP 2003098669 A JP2003098669 A JP 2003098669A JP 2001286526 A JP2001286526 A JP 2001286526A JP 2001286526 A JP2001286526 A JP 2001286526A JP 2003098669 A JP2003098669 A JP 2003098669A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性を改良し、高感度および高解像度のフ
ォトレジスト組成物を提供すること。 【解決手段】 本発明のフォトレジスト用樹脂組成物
は、(a)〜(c)を必須成分とすることを特徴とする
フォトレジスト組成物。 (a)ノボラック型フェノール樹脂の水酸基の一部また
は全部をアルコキシアルキル基で保護したフォトレジス
ト用樹脂であって、前記ノボラック型フェノール樹脂が
メタクレゾールを50重量%以上含むフェノ−ル類とア
ルデヒド類とを酸触媒の存在下で反応して得られるもの
であるフォトレジスト用樹脂、(b)光の作用により酸
を発生させる化合物、及び(c)(a)及び(b)を溶
解する有機溶媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトレジスト組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポジ型フォトレジストには、ナフ
トキノンジアジド化合物等のキノンジアジド基を有する
感光剤とアルカリ可溶性樹脂(例えば、ノボラック型フ
ェノール樹脂)が用いられる。このような組成を有する
ポジ型フォトレジストは、アルカリ溶液による現像によ
って高い解像力を示し、IC、LSI等の半導体製造、
LCDなどの回路基材の製造に利用されていた。また、
芳香環を多く有する構造のためノボラック型フェノール
樹脂は、露光後のプラズマドライエッチングに対して、
高い耐ドライエッチング性および耐熱性を有していた。
これまでノボラック型フェノール樹脂とナフトキノンジ
アジド系感光剤とを含有する数多くのポジ型フォトレジ
ストが開発、実用化され、0.3〜2μm程度までの線
幅加工において大きな成果を挙げてきた。
【0003】しかし、近年、半導体の高集積化の要求が
年々高まるにつれ、光源としてより波長の短いKrF、
ArF、F2 などのエキシマ光の使用が検討されてい
る。これらの光は、各々248nm、193nm、15
7nmの波長の光であり、フェノール樹脂は、それ自体
が有する芳香環による光の吸収により透明度が劣り、光
がレジスト底部まで到達しにくい。そのため、レジスト
底部での露光量が低下するため、現像後にテーパー等の
ついた不良パターンしか得られなかった。そこで、ポリ
ヒドロキシスチレン、アクリル系樹脂、シクロオレフィ
ン系樹脂、フッ素系樹脂などベース樹脂に用いて、光酸
発生剤から発生する酸を触媒に利用した化学増幅システ
ムが適用検討されている。KrFエキシマ光には、主に
ポリヒドロキシスチレンの適用が検討されているが、ポ
リヒドロキシスチレンでも透明度が十分というわけでは
なく、また、非常に高価であることから、安価なフェノ
ール樹脂系で透明性を改良し、感度、解像度等の改善の
要求が非常に高くなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高感
度および高解像度のフォトレジスト組成物を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(11)の本発明により達成される。 (1) (a)〜(c)を必須成分とすることを特徴と
するフォトレジスト組成物。 (a)ノボラック型フェノール樹脂の水酸基の一部また
は全部をアルコキシアルキル基で保護したフォトレジス
ト用樹脂であって、前記ノボラック型フェノール樹脂が
メタクレゾールを50重量%以上含むフェノ−ル類とア
ルデヒド類とを酸触媒の存在下で反応して得られるもの
であるフォトレジスト用樹脂、(b)光の作用により酸
を発生させる化合物、及び(c)(a)及び(b)を溶
解する有機溶媒。 (2) (a)フォトレジスト用樹脂において、メタク
レゾール以外のフェノール類が、トリメチルフェノ−
ル、キシレノールおよびオルソクレゾールから選ばれる
少なくとも1種以上である上記(1)に記載のフォトレ
ジスト組成物。 (3) (a)フォトレジスト用樹脂において、メタク
レゾール以外のフェノール類が、フェノール類全体に対
して5〜35重量%である上記(1)または(2)に記
載のフォトレジスト組成物。 (4) (a)フォトレジスト用樹脂において、キシレ
ノールが3,5−キシレノールである上記(2)または
(3)に記載のフォトレジスト組成物。 (5) (a)フォトレジスト用樹脂において、トリメ
チルフェノールが2,3,5−トリメチルフェノールで
ある上記(2)ないし(4)のいずれかに記載のフォト
レジスト組成物。 (6) (a)フォトレジスト用樹脂において、アルコ
キシアルキル基がアルコキシエチル基である上記(1)
ないし(5)のいずれかに記載のフォトレジスト組成
物。 (7) (a)フォトレジスト用樹脂が、前記ノボラッ
ク型フェノール樹脂の水酸基の5〜90%をアルコキシ
アルキル基で保護したものである上記(1)ないし
(6)のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。 (8) (a)フォトレジスト用樹脂が、GPC測定に
より得られる重量平均分子量1,000〜50,000
のものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載
のフォトレジスト組成物。 (9) (a)フォトレジスト用樹脂が、当該樹脂の厚
さ0.5μmに対する波長248nmの光の透過率が1
0%以上のものである上記(1)ないし(8)のいずれ
かに記載のフォトレジスト組成物。 (10) (b)光の作用により酸を発生させる化合物
が、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスル
ホネート及びビスシクロヘキシルスルホニルジアゾメタ
ンのうちの1種以上からなる上記(1)ないし(9)の
いずれかに記載のフォトレジスト組成物。 (11) (c)有機溶媒が、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、及びエトキ
シエチルプロピオネートのいずれか1種以上からなる上
記(1)ないし(10)のいずれかに記載のフォトレジ
スト組成物。
【0006】以下に本発明のフォトレジスト組成物につ
いて詳細に説明する。本発明のフォトレジスト組成物に
使用される(a)成分のフォトレジスト用樹脂は、所定
量のメタクレゾールを含むフェノール類とアルデヒド類
とを酸触媒の存在下で反応してノボラック型フェノール
樹脂(以下、ノボラック樹脂という)を得、このノボラ
ック樹脂の水酸基の一部または全部をアルコキシアルキ
ル基で保護して得られるものである。この場合、水酸基
の水素がアルコキシアルキル基で置換されることにより
水酸基が保護される。
【0007】以下、(a)成分のフォトレジスト用樹脂
について説明する。初めに、メタクレゾールを含むフェ
ノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下で反応して
得られるノボラック樹脂について説明する。ノボラック
樹脂を得るために用いるフェノール類は、メタクレゾー
ルを50重量%以上含んでいるものである。クレゾール
には、オルソクレゾール、パラクレゾール、メタクレゾ
ールがあるが、メタクレゾールはフォトレジストの感度
を高くすることができる。メタクレゾールは、その分子
構造に起因して酸性度が高いため、アルカリに対する溶
解性に優れるからである。また、メタクレゾールと後述
するアルコキシアルキル基との組合せで、芳香環の電子
密度がバランス良く変化すると考えられ、メタクレゾー
ルの吸収波長を248nmからシフトさせることができ
る。その結果、フォトレジストの透明性を改良すること
ができ、フォトレジストの感度、解像度を向上すること
ができる。フェノール類全体中でメタクレゾールの含有
量は、50重量%以上であり、50〜98重量%が好ま
しく、より60〜98重量%が好ましく、特に65〜9
5重量%が好ましい。メタクレゾールは多いほど上述の
効果が顕著に発揮され、50重量%以上必要である。ま
た、メタクレゾールに、後述するトリメチルフェノー
ル、キシレノールおよびオルソクレゾールから選ばれる
少なくとも1種以上を組合せることにより、フォトレジ
ストの感度を高くすることができることに加え、耐熱性
を向上させることができる。フォトレジストの耐熱性が
向上すると、現像後にシリコン基板表面の酸化膜等を除
去する工程で実施されるプラズマドライエッチングで生
じる熱による回路パターンの溶融を防止できる。
【0008】また、本発明に用いられる(a)フォトレ
ジスト用樹脂では、メタクレゾール以外のフェノール類
を含むことが許容される。そのような前記メタクレゾー
ル以外のフェノール類としては、例えばフェノール、オ
ルソクレゾール、パラクレゾール、2,3−キシレノー
ル、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、
2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5
−キシレノール等のキシレノール、2,3,4−トリメ
チルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、
2,3,6−トリメチルフェノール、2,4,5−トリ
メチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール
等のトリメチルフェノール、エチルフェノール、プロピ
ルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノー
ル、ノニルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトー
ル、フェニルフェノール等が挙げられる。これらの中で
もトリメチルフェノール、キシレノールおよびオルソク
レゾールから選ばれる少なくとも1種以上を含むことが
好ましい。これにより、フォトレジストの耐熱性を向上
することができる。また、前記キシレノールは、3,5
−キシレノールが好ましい。また、前記トリメチルフェ
ノールは、2,3,5−トリメチルフェノールが好まし
い。これにより、前記耐熱性を向上できる効果に加え、
アルカリに対する溶解性を維持してフォトレジストの感
度を高く保つことができる。また、前記トリメチルフェ
ノール、キシレノールおよびオルソクレゾールから選ば
れる少なくとも1種以上をフェノール類全体に対して5
〜35重量%含むことが好ましく、特に10〜30重量
%含むことが好ましい。かかるトリメチルフェノール等
を前記範囲内にするとフォトレジストの感度および耐熱
性を更に向上することができる。
【0009】ノボラック樹脂を得るために用いるアルデ
ヒド類は、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルキ
ルアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド
等の芳香族アルデヒド等が挙げられる。これらの中でも
ホルムアルデヒドが好ましい。これにより、フォトレジ
ストの感度を高くすることができる。ホルムアルデヒド
源としては、特に限定されないが、ホルマリン(水溶
液)、パラホルムアルデヒド、アルコール類とのヘミホ
ルマール、トリオキサン等が挙げられる。これらの中で
もホルマリン、パラホルムアルデヒドが好ましい。これ
により、作業性を向上できる。また、フォトレジスト用
樹脂のコストを低減できる。
【0010】アルデヒド類(F)とフェノール類(P)
の反応モル比率(F/P)は、特に限定されないが、
0.3〜1.2が好ましく、特に0.5〜1.0が好ま
しい。モル比率を前記範囲内にして反応させるとフォト
レジストの感度および耐熱性を更に向上することができ
る。また、本発明で得られるフォトレジスト用樹脂の分
子量を制御することができる。
【0011】ノボラック樹脂は、フェノール類とアルデ
ヒド類の反応に酸触媒を用いて得られる樹脂である。酸
触媒としては、例えば蓚酸、酢酸等の有機カルボン酸、
ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸等の有機スルホン酸、塩酸、硫酸等の無機酸
等をあげることができる。なお、前記酸触媒を単独でも
2種以上を混合して使用することも可能である。酸触媒
の添加量は、特に限定されないが、フェノール類100
重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、特に
0.1〜3重量部が好ましい。酸触媒が前記範囲内であ
ると、樹脂製造時の安定性に優れ、かつ樹脂の残留触媒
を少なくできる。
【0012】ノボラック樹脂を得るためのフェノール類
とアルデヒド類との反応について、その一例を簡単に説
明する。この反応は、例えば攪拌機、温度計、熱交換機
のついた反応容器にフェノール類及びアルデヒド類を仕
込み、酸触媒を添加して実施することができる。反応時
間は、特に限定されないが、2〜10時間が好ましく、
特に3〜8時間が好ましい。また、反応温度は、特に限
定されないが、70〜150℃が好ましく、特に80〜
120℃が好ましい。また、反応においては、例えば反
応溶媒を使用することもできる。反応溶媒としては、例
えばエチルセロソルブ、メチルエチルケトン等、反応に
より得られる樹脂を溶解する溶媒が好ましい。
【0013】更に前記反応終了後、例えば酸触媒を除去
するために塩基性化合物を添加して中和し、中和塩を水
洗により除去してもよい。水洗水の量と回数は特に限定
されないが、水洗回数は、実質的に影響ないレベルまで
樹脂中の中和塩を除去させることと経済的観点から1〜
5回程度が好ましい。また、水洗温度は、特に限定され
ないが、中和塩の除去効率と作業性の観点から40〜9
5℃で行うのが好ましい。
【0014】最後に前記の反応または水洗終了後、常圧
下及びまたは減圧下で脱水・脱モノマーを行う減圧度
は、特に限定されないが、0.1torr〜200to
rr程度が好ましい。脱水・脱モノマー後の反応容器か
らの取り出し温度は、特に限定されないが、樹脂の特性
や粘度などにより適宜設定できる。樹脂の安定性の観点
からは、150〜250℃が好ましい。このようにし
て、本発明のフォトレジスト用樹脂のベースとなるノボ
ラック樹脂が得られる。
【0015】次に、ノボラック樹脂から(a)フォトレ
ジスト用樹脂を製造する方法について説明する。本発明
のフォトレジスト用樹脂は、上述の反応で得られたノボ
ラック樹脂中の水酸基の一部または全部をアルコキシア
ルキル基で保護することにより得られるものであり、酸
の作用によりアルコキシアルキル基が容易に脱離して遊
離の水酸基を生成させることができ、それによってアル
カリ現像液に対する溶解性を変化させてレジスト機能が
付与される。同様の作用を有する基として、テトラヒド
ロピラニル基、tert−ブトキシカルボニル基等がある
が、酸に対しての易脱離性が不足していたため、フォト
レジストの解像度が不充分であった。本発明で用いるア
ルコキシアルキル基は、その構造上活性化エネルギーが
低いため酸によって脱離しやすいものである。その結
果、フォトレジストの解像度を向上させることができ
る。前記アルコキシアルキル基は、例えばメトキシエチ
ル基、エトキシエチル基、プロピルオキシエチル基、ブ
チルオキシエチル基、シクロヘキシルオキシエチル基等
のアルコキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシ
ブチル基等が挙げられる。それらの中でもエトキシエチ
ル基に代表されるアルコキシエチル基が好ましい。アル
コキシエチル基とメタクレゾールとの組合せにより、前
述したフォトレジストの透明性、感度および解像度を向
上する効果に加え、フォトレジスト用樹脂とシリコン基
板との密着性を向上することができる。
【0016】前記アルコキシアルキル基による保護の割
合(保護率)は、特に限定されないが、前記ノボラック
樹脂の有する水酸基に対して5〜90%であることが好
ましく、特に10〜80%であることが好ましい。アル
コキシアルキル基による保護が前記下限値未満である
と、アルカリに対する溶解性抑止の機能が低下する傾向
があり、前記上限値を超えるとフォトレジストの感度や
耐熱性が向上する効果が低下する場合がある。なお、ア
ルコキシアルキル基による保護率は、例えば熱重量分析
装置(SII社製TG−DTA6300)を使用し、得
られた結果から、アルコキシアルキル基に対応する重量
減少より計算することができる。TG−DTA測定は、
昇温速度10℃/分で行った。
【0017】前記ノボラック樹脂中の水酸基をアルコキ
シアルキル基により保護する方法は、置換するアルコキ
シアルキル基により使用される原料及び方法が異なるた
め特に限定されない。例えばエトキシエチル基により保
護する場合は、上述のノボラック樹脂に所定量のエチル
ビニルエーテルを室温で添加して酸触媒下で所定時間反
応し、その後、ジエチルエーテルを添加し、水洗する方
法等が挙げられる。
【0018】次に、(a)フォトレジスト用樹脂のGP
C測定による重量平均分子量は、特に限定されないが、
1,000〜50,000が好ましく、特に2,000
〜30,000が好ましい。この重量平均分子量が前記
下限値未満であると耐熱性が低下する場合があり、前記
上限値を超えるとフォトレジスト樹脂の感度が向上する
効果が小さくなる場合がある。フォトレジスト用樹脂の
重量平均分子量は、ノボラック樹脂を製造する際のフェ
ノ−ル類に対するアルデヒド類のモル比率を調整するこ
とにより制御することができる。なお、前記重量平均分
子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)測定によりポリスチレン標準物質を用いて作成し
た検量線をもとに計算されたものである。GPC測定は
テトラヒドロフランを溶出溶媒として使用し、流量1.
0ml/分、カラム温度40℃の条件で実施した。本
体:TOSOH製HLC−8020、検出器:波長28
0nmにセットしたTOSOH製UV−8011、分析
用カラム:昭和電工製SHODEX KF−802 1
本、KF−803 1本、KF−805 1本、をそれぞ
れ使用した。
【0019】さらに、(a)フォトレジスト用樹脂にお
いて、厚さ0.5μmの樹脂に対する波長248nmの
光の透過率は、特に限定されないが、10%以上が好ま
しく、特に20%以上が好ましい。透過率が前記下限値
未満であるとフォトレジスト用樹脂の感度が向上する効
果が小さくなる場合がある。なお、前記透過率は、例え
ばUV分光光度計(日立製作所製U−2000)を使用
し、波長が248nmの光に対する透過率の測定を行う
ことにより評価することができる。評価用サンプルは、
石英ガラス上に溶剤に溶解した樹脂液をスピンコーター
により塗布し、90℃、100秒処理して約0.5μm
の厚みになるよう石英ガラス上に樹脂フイルムを形成し
て作成することができる。
【0020】次に、本発明のフォトレジスト組成物にお
いて使用される(b)成分の光の作用により酸を発生さ
せる化合物(以下、光酸発生剤という)について説明す
る。光酸発生剤は、光の照射により酸を発生し、(a)
フォトレジスト用樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性
を変化させることができる。光酸発生剤としては特に限
定されないが、たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウ
ム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩のCF3
3 -、p−CH3PhSO3 -、p−NO2PhSO3 -(た
だしPhはフェニル基)などの塩、有機ハロゲン化合
物、オルトキノンジアジドスルホニルクロリドまたはス
ルホン酸エステル、ビススルホニルジアゾメタンなどの
ジアゾメタン化合物、ニトロベンジル化合物、ナフチル
イミジルスルホネート、等を挙げることができる。この
ような化合物を具体的に挙げると、ビス(p−tert−ブ
チルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホ
ネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンス
ルホネート、ベンゾイントシレート、トリフェニルスル
ホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(tert
−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンス
ルホネート、ベンゼンジアゾニウムパラトルエンスルホ
ネート、4−(ジ−n−プロピルアミノ)−ベンゾニウ
ムテトラフルオロボレート、4−p−トリル−メルカプ
ト−2,5−ジエトキシ−ベンゼンジアゾニウムヘキサ
フルオコホスフェ−ト、ジフェニルアミン−4−ジアゾ
ニウムサルフェ−ト、4−メチル−6−トリクロロメチ
ル−2−ピロン、4−(3,4,5−トリメトキシ−ス
チリル)−6−トリクロロメチル−2−ピロン、4−
(4−メトキシ−スチリル)−6−(3,3,3−トリ
クロロ−プロペニル)−2−ピロン、2−トリクロロメ
チル−ベンズイミダゾ−ル、2−トリブロモメチル−キ
ノリン、2,4−ジメチル−1−トリブロモアセチル−
ベンゼン、4−ジブロモアセチル−安息香酸、1,4−
ビス−ジブロモメチル−ベンゼン、トリス−ジブロモメ
チル−S−トリアジン、2−(ナフチル−1−イル)−
4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2
−(4−エトキシエチル−ナフチル−1−イル)−4,
6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−
(ベンゾピラニ−3−イル)−4,6−ビス−トリクロ
ロメチル−S−トリアジン、2−(4−メトキシ−アン
トラシ−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル
−S−トリアジン、2−(フェナンチ−9−イル)−
4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、o
−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、ビ
スシクロヘキシルスルホニルジアゾメタン、ビス(p−
トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル
−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、1−シクロヘ
キシルスルホニル−1−(1,1−ジメチルエチルスル
ホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニ
ルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルエチル
スルホニル)ジアゾメタン、p−トルエンスルホン酸−
2−ニトロベンジルなどを挙げることができる。透明
性、感度、レジスト特性、ハンドリング及び経済的観点
から、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンス
ルホネ−ト及び又はビスシクロヘキシルスルホニルジア
ゾメタンを使用することが特に効果的である。添加量に
ついては特に限定されず、フォトレジストに対する要求
特性により調節することができる。レジスト特性の感度
及び耐熱性、経済性を勘案すると使用する樹脂に対して
0.01〜5重量%が好ましい。
【0021】本発明で使用される(c)成分の有機溶媒
は、(a)フォトレジスト用樹脂及び(b)光酸発生剤
を溶解するものであれば特に限定されないが、たとえ
ば、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルアセテ−
ト(PGMEA)、プロピレングリコ−ルモノエチルエ
−テルアセテ−ト、エチルセロソルブアセテ−ト、メチ
ルセロソルブアセテ−ト、ブチルセロソルブアセテ−
ト、メトキシエチルプロピオネ−ト、エトキシエチルプ
ロピオネ−トなどのグリコ-ルエ−テルエステル類、乳
酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸エチル、酢酸
ブチルなどのエステル類、メチルイソブチルケトン、メ
チルペンチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。
溶解性、塗膜安定性、安全性、環境への影響、人体への
影響、経済性の観点から、PGMEA、エトキシエチル
プロピオネ−ト、乳酸エチルが特に好ましい。本発明を
フォトレジスト組成物の製造方法に従って説明する。ま
ず、(a)成分と(b)成分を(c)成分に溶解する。
その際、はじきを防止するための界面活性剤、感度向上
のための増感剤、エッジラフネス改良のための塩基性化
合物などの添加剤、密着性向上のための低分子量化合物
などフォトレジストの特性を微調整するための材料を適
宜添加することができる。溶解終了後、フィルターなど
を利用して異物を除去し、異物、金属不純物などが管理
された容器に梱包して製品とする。梱包する際は、クラ
ス100以下のクリーンルーム内で人が関与しない自動
充填装置などの機械を使用することが好ましい。製造中
の適切な段階で、必要により金属不純物を除くために、
酸水溶液や純水などによる洗浄又はイオン交換樹脂によ
る脱金属処理を行うことが可能である。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】製造例1 ノボラック樹脂の製造 攪拌機、温度計、熱交換機のついた5Lの四つ口フラス
コにメタクレゾ−ル1260g、2,3,5−トリメチ
ルフェノール540g(メタクレゾール/トリメチルフ
ェノール(重量比)=70/30)、37%ホルマリン
1141g(アルデヒド類/フェノ−ル類(モル比)=
0.90)、蓚酸9gを仕込み、98〜102℃で4時
間反応を行った後、エチルセロソルブ650gを添加し
て内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに80tor
rで200℃まで減圧下で脱水・脱モノマ−を行い、ノ
ボラック樹脂1850gを得た。
【0024】アルコキシアルキル基による保護 テトラヒドロフランで溶解した前記ノボラック樹脂に、
エチルビニルエ−テルを546g添加し、パラトルエン
スルホン酸を1.8g添加して、室温で4時間反応し
た。その後、酸触媒を中和するため、トリエチルアミン
を当量加え、所定量のジエチルエ−テルを添加し、さら
にイオン交換水を添加して3回水洗し、溶剤分を除去・
乾燥することにより、目的とする前記ノボラック樹脂の
水酸基中の40%がエトキシエチル基で保護されたフォ
トレジスト用樹脂を得た。
【0025】製造例2 メタクレゾールを1530g、3,5−キシレノールを
270g(メタクレゾール/3,5−キシレノール(重
量比)=85/15)、37%ホルマリンを1222g
(アルデヒド類/フェノール類(モル比)=0.92)
添加して反応すること、及びエチルビニルエーテルの添
加量を218g(水酸基のエトキシエチル基による保護
率15%)とした以外は、製造例1と同様にした。
【0026】製造例3 メタクレゾールを990gとし、3,5キシレノールを
810g(メタクレゾール/3,5キシレノール(重量
比)=55/45)、37%ホルマリンを1153g
(アルデヒド類/フェノール類(モル比)=0.90)
添加した以外は、製造例1と同様にした。
【0027】製造例4 メタクレゾールを1800g、37%ホルマリンを12
16g(アルデヒド類/フェノール類(モル比)=0.
90)とし、他のフェノール類を併用しなかった以外
は、製造例1と同様にした。
【0028】製造例5 フェノール類とアルデヒド類のモル比を0.45にした
以外は、製造例1と同様にした。
【0029】製造例6 フェノール類とアルデヒド類のモル比を1.05にした
以外は、製造例1と同様にした。
【0030】製造例7 アルコキシアルキル基の保護率を95%にした以外は、
製造例1と同様にした。
【0031】製造例8 アルコキシアルキル基の保護率を8%にした以外は、製
造例1と同様にした。
【0032】製造例9 アルコキシアルキル基としてイソプロピルオキシエチル
基を導入した以外は、製造例1と同様にした。
【0033】製造例10 2、3,5−トリメチルフェノールに変えてパラクレゾ
ールを用い、37%ホルマリンを1216g(アルデヒ
ド類/フェノール類(モル比)=0.90)添加した以
外は、製造例1と同様にした。
【0034】製造例11 メタクレゾールを810g、オルソクレゾールを990
g(メタクレゾール/オルソクレゾール(重量比)=4
5/55)、37%ホルマリンを1216g(アルデヒ
ド類/フェノール類(モル比)=0.90)添加した以
外は、製造例1と同様にした。
【0035】製造例12 アルコキシアルキル基の代わりにテトラヒドロピラニル
基(THP)を導入した以外は、製造例1と同様にし
た。
【0036】製造例13 アルコキシアルキル基の代わりにtert−ブトキシカルボ
ニル基を導入し、メタクレゾール1530g、3,5−
キシレノール270g(メタクレゾール/3,5−キシ
レノール(重量比)=85/15)、37%ホルマリン
1195g(アルデヒド類/フェノール類(モル比)=
0.90)添加した以外は、製造例1と同様にした。
【0037】製造例14 樹脂として日本曹達(株)製ポリヒドロキシスチレン
(VP−8000、重量平均分子量=約12,000)
をそのまま使用した以外は、製造例1と同様にした。
【0038】実施例1〜10、比較例1〜4 製造例1〜14で得られたフォトレジスト用樹脂を使用
して、以下の手順でフォトレジスト組成物を調製し、フ
ォトレジスト特性評価を行った。フォトレジスト用樹脂
の特性(分子量)およびフォトレジストの特性評価結果
を表1に示す。
【0039】サンプルの作成 製造例1〜14で得られた樹脂を15%の樹脂濃度にな
るようにプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルアセ
テ−トに溶解し、光により酸を発生する化合物としてみ
どり化学製 DAM−301を樹脂固形分に対して1%
及びTPS−105を樹脂固形分に対して0.19%を
添加してレジスト特性評価用サンプルを作成した。
【0040】現像 上記サンプルをスピンコ−タ−を使用して5インチのシ
リコンウエハ上に塗布し、ホットプレ−ト上で90℃、
60秒間プリベ−クした。塗布したサンプルの膜厚が、
約0.5μmになるようにスピンコ−タ−の回転数を調
節した。プリベ−ク後、露光装置リソテックジャパン製
UVES−2000を使用して光の露光量を何点か変化
させて露光を行い、ホットプレ−ト上で110℃、90
秒間ポストベ−クした。その後、膜厚測定装置で露光部
分の膜厚を測定し、現像装置リソテックジャパン製RD
A−790を使用し、2.38%水酸化テトラメチルア
ンモニウム水溶液を使用して現像速度の測定を行った。
【0041】感度等の特性評価 現像装置リソテックジャパン製RDA−790を使用し
て、上記のとおりに現像し、膜厚の減少量及び速度の測
定を行い、その測定結果をもとに、計算プログラムLe
apSetでtanθ、感度(露光量)を求めた。ま
た、フォトレジスト特性のシュミレ−ションソフトPr
olith/2を使用して、パターン幅(L)及び間隔
(S)0.18μm、L&S=1/1の条件でフォトレ
ジストの限界解像度の評価を行った。
【0042】フォトレジスト用樹脂の光透過率は、UV
分光光度計(日立製作所製U−2000)を使用し、波
長が248nmの光に対する透過率の測定を行うことに
より評価した。評価用サンプルは、石英ガラス上に溶剤
に溶解したフォトレジスト用樹脂液をスピンコ−タ−に
より塗布し、90℃、100秒処理して約0.5μmの
厚みになるよう石英ガラス上に樹脂フイルムを形成する
ことにより作成した。耐熱性は5μm幅のパターンを有
するフォトレジストを100〜150℃の所定温度に設
定したオーブンで3分間加熱した後のパターンの形状を
電子顕微鏡で観察することにより評価した。表1にパタ
ーン形状が変化しない最低の温度を示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1に示すように、実施例1〜10で得ら
れたフォトレジスト組成物はいずれも、透過率が高く、
感度、限界解像度に優れている。このことから本発明の
フォトレジスト組成物は、透明性を改良し、高感度、高
解像度であることが明らかになった。特に、実施例1、
2、6および8では優れた耐熱性を有するフォトレジス
ト組成物が得られ、この中で、実施例1および2は、特
に高耐熱性、高感度、高解像度であった。
【0045】
【発明の効果】本発明により、透明性を改良し、高感
度、高解像度のフォトレジスト組成物を提供することが
できる。また、本発明のフォトレジスト組成物に使用さ
れる(a)フォトレジスト用樹脂において、メタクレゾ
ール以外のフェノール類としてトリメチルフェノール、
キシレノールおよびオルソクレゾールから選ばれる少な
くとも1種以上を含む場合、特に耐熱性に優れたフォト
レジスト組成物を得ることができる。また、水酸基を保
護するためのアルコキシアルキル基をアルコキシエチル
基とした場合、特に透明性が改良され、かつフォトレジ
ストとシリコン基板との密着性を向上できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AB16 AC04 AC08 AD03 BE00 BE07 BE10 BG00 CB29 CB41 CB51 CB55 CB56 CC03 FA17

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)〜(c)を必須成分とすることを
    特徴とするフォトレジスト組成物。 (a)ノボラック型フェノール樹脂の水酸基の一部また
    は全部をアルコキシアルキル基で保護したフォトレジス
    ト用樹脂であって、前記ノボラック型フェノール樹脂が
    メタクレゾールを50重量%以上含むフェノ−ル類とア
    ルデヒド類とを酸触媒の存在下で反応して得られるもの
    であるフォトレジスト用樹脂、(b)光の作用により酸
    を発生させる化合物、及び(c)(a)及び(b)を溶
    解する有機溶媒。
  2. 【請求項2】 (a)フォトレジスト用樹脂において、
    メタクレゾール以外のフェノール類が、トリメチルフェ
    ノ−ル、キシレノールおよびオルソクレゾールから選ば
    れる少なくとも1種以上である請求項1に記載のフォト
    レジスト組成物。
  3. 【請求項3】 (a)フォトレジスト用樹脂において、
    メタクレゾール以外のフェノール類が、フェノール類全
    体に対して5〜35重量%である請求項1または2に記
    載のフォトレジスト組成物。
  4. 【請求項4】 (a)フォトレジスト用樹脂において、
    キシレノールが3,5−キシレノールである請求項2ま
    たは3に記載のフォトレジスト組成物。
  5. 【請求項5】 (a)フォトレジスト用樹脂において、
    トリメチルフェノールが2,3,5−トリメチルフェノ
    ールである請求項2ないし4のいずれかに記載のフォト
    レジスト組成物。
  6. 【請求項6】 (a)フォトレジスト用樹脂において、
    アルコキシアルキル基がアルコキシエチル基である請求
    項1ないし5のいずれかに記載のフォトレジスト組成
    物。
  7. 【請求項7】 (a)フォトレジスト用樹脂が、前記ノ
    ボラック型フェノール樹脂の水酸基の5〜90%をアル
    コキシアルキル基で保護したものである請求項1ないし
    6のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。
  8. 【請求項8】 (a)フォトレジスト用樹脂が、GPC
    測定により得られる重量平均分子量1,000〜50,
    000のものである請求項1ないし7のいずれかに記載
    のフォトレジスト組成物。
  9. 【請求項9】 (a)フォトレジスト用樹脂が、当該樹
    脂の厚さ0.5μmに対する波長248nmの光の透過
    率が10%以上のものである請求項1ないし8のいずれ
    かに記載のフォトレジスト組成物。
  10. 【請求項10】 (b)光の作用により酸を発生させる
    化合物が、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタ
    ンスルホネート及びビスシクロヘキシルスルホニルジア
    ゾメタンのうちの1種以上からなる請求項1ないし9の
    いずれかに記載のフォトレジスト組成物。
  11. 【請求項11】 (c)有機溶媒が、プロピレングリコ
    ールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル及びエ
    トキシエチルプロピオネートのいずれか1種以上からな
    る請求項1ないし10のいずれかに記載のフォトレジス
    ト組成物。
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