JP2003098050A - 分注機 - Google Patents

分注機

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JP2003098050A
JP2003098050A JP2001293832A JP2001293832A JP2003098050A JP 2003098050 A JP2003098050 A JP 2003098050A JP 2001293832 A JP2001293832 A JP 2001293832A JP 2001293832 A JP2001293832 A JP 2001293832A JP 2003098050 A JP2003098050 A JP 2003098050A
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JP
Japan
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valve
dispensing
discharge hole
electromagnet
dispensed
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Application number
JP2001293832A
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English (en)
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Kenichi Nakano
健一 中野
Masatoshi Takeda
雅俊 竹田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で被分注液の混濁等を発生させず
に微量な液滴を吐出させることができるとともに、多種
多様の物性を有する被分注液の分注を行うことができ汎
用性に優れる分注機を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の分注機は、支持ノズルと、前記
支持ノズルと一体に形成若しくは脱着自在に又は接着し
て固定され、端部の吐出孔又は前記吐出孔と連通する吐
出管から被分注液を吐出する分注管と、前記被分注液を
前記吐出孔へ向かって加圧する被分注液加圧手段と、前
記支持ノズル又は前記分注管の外部の所定部に配設され
た電磁石部と、前記分注管に内装され磁性材料を含有す
る材料又は磁性材料で形成されて前記電磁石部に通電す
ることで前記分注管内を移動して前記吐出孔の開閉を行
う弁部とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検体や試薬等の被
分注液の分注に用いられる分注機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生化学分野等における分析装置におい
て、検体や試薬等の被分注液を専用試薬容器であるマイ
クロプレートに小分けして移注する分注操作が用いられ
る。この分注操作に用いられる分注機として、空気を吸
引・吐出する支持ノズルの下端部に分注管を装着し、所
定量の空気を吸引することにより、分注管の先端より被
分注液を吸引し、また吐出する方式のものが広く用いら
れている。
【0003】近年、検体や試薬等の分析効率を向上させ
るため、1回の操作で多くの分注操作を行うことができ
るようにマイクロプレートに形成する小孔の数量が増加
しており、そのため小孔1個あたりの容量が小さくなっ
ている。従って分注機から吐出すべき被分注液の量も、
微量化していく必要が生じている。
【0004】従来の技術としては、特開平11−248
715号公報(以下、イ号公報という)に、「円筒形状
の支持ノズルの下端部の外周面に装着された分注管から
被分注液を吸入した後、プランジャを下方に移動させる
ことで分注管内の被分注液を分注管先端より外に押出
し、自然落下によって被分注液を液滴として落下させ吐
出する分注機」が開示されている。
【0005】また、分注管をマイクロプレートや、マイ
クロプレートに予め配された液体に直接接触させて分注
管内の被分注液を吐出させる方法(以下、ロ号方法とい
う)が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術においては、以下のような課題を有していた。
【0007】(1)イ号公報に開示の分注機は、吐出す
る被分注液の量を微量化していくと、吐出させたい液滴
の重量よりも分注管と液滴に働く表面張力の方が大きく
なり、自然落下では吐出できなくなるという課題を有し
ていた。表面張力は液滴の直径に比例して小さくなるの
に対し、重量は液滴の直径の3乗に比例して小さくなる
からである。
【0008】(2)ロ号方法では、分注操作を連続的に
行った場合には、被分注液の混濁が発生する可能性があ
るという課題を有していた。
【0009】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、簡単な構造で被分注液の混濁等を発生させずに微量
な液滴を吐出させることができるとともに、多種多様の
物性を有する被分注液の分注を行うことができ汎用性に
優れる分注機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の分注機は、支持ノズルと、前記支持ノズルと
一体に形成若しくは脱着自在に又は接着して固定され、
端部の吐出孔又は前記吐出孔と連通する吐出管から被分
注液を吐出する分注管と、前記被分注液を前記吐出孔へ
向かって加圧する被分注液加圧手段と、前記支持ノズル
又は前記分注管の外部の所定部に配設された電磁石部
と、前記分注管に内装され磁性材料を含有する材料又は
磁性材料で形成されて前記電磁石部に通電することで前
記分注管内を移動して前記吐出孔の開閉を行う弁部と、
を備えた構成を有している。
【0011】この構成により、分注管に内装された弁部
が電磁石部への通電によって吐出孔を開閉するという簡
単な構成で、吐出孔又は吐出管から微量な被分注液を吐
出することができ、また分注管と弁部を各々使い捨て可
能にすることができるとともに安価で消耗品のコスト負
担が小さく、さらに多種多様の物性を有する被分注液の
分注を行うことができ汎用性に優れる分注機を提供する
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の分注機
は、支持ノズルと、前記支持ノズルと一体に形成若しく
は脱着自在に又は接着して固定され、端部の吐出孔又は
前記吐出孔と連通する吐出管から被分注液を吐出する分
注管と、前記被分注液を前記吐出孔へ向かって加圧する
被分注液加圧手段と、前記支持ノズル又は前記分注管の
外部の所定部に配設された電磁石部と、前記分注管に内
装され磁性材料を含有する材料又は磁性材料で形成され
て前記電磁石部に通電することで前記分注管内を移動し
て前記吐出孔の開閉を行う弁部と、を備えた構成を有し
ている。
【0013】この構成により、以下のような作用が得ら
れる。
【0014】(1)分注管に内装された弁部が電磁石部
への通電によって吐出孔を開閉するという簡単な構成
で、吐出孔又は吐出管から微量な被分注液を吐出するこ
とができる。
【0015】(2)分注管と、分注管とは分離して分注
管に内装された弁部と、を備えているので、各々を使い
捨て可能にすることができるとともに、安価で消耗品の
コスト負担が小さい。
【0016】(3)吐出孔の開閉を弁部で行う構成なの
で、多種多様の物性を有する被分注液の分注を行うこと
ができ汎用性に優れる。
【0017】ここで、支持ノズルとしては、空気を吸引
して分注管の吐出孔から被分注液を吸引するポンプ機構
を組み合わせたものや、支持ノズルの端部や側部等から
被分注液を注入する被分注液注入機構を組み合わせたも
の等が用いられる。ポンプ機構としては、支持ノズルに
嵌合されたプランジャ等を用いたものや、支持ノズルに
接続された吸引用配管と接続されたポンプ装置等が用い
られる。
【0018】被分注液加圧手段としては、支持ノズルに
嵌合されたプランジャ等や、支持ノズルに接続された吸
引用配管と接続されたポンプ装置等のポンプ機構等が用
いられる。
【0019】電磁石部としては、円筒状等に形成された
電磁コイルや、電磁コイルの磁場中に磁心を配設固定し
たものが用いられる。磁心としては、磁場の変化につれ
て容易に磁化される磁性材料、特に、鉄,低炭素鋼,ケ
イ素鋼,パーマロイ,センダスト,フェライト等の高透
磁率材料が好ましく用いられる。
【0020】弁部としては、吐出孔の内径よりも大き
く、かつ、分注管の内径よりも小さな所定形状に、磁性
材料を含有する材料又は磁性材料で形成される。電磁石
部に通電して発生した磁場によって吸引又は反発させ、
分注管内を移動して吐出孔の開閉を行うためである。
【0021】磁性材料としては、Fe,Co,Ni等の
3d遷移金属やGd,Tb,Dy等の希土類金属等を含
有する鉄,低炭素鋼,ケイ素鋼,パーマロイ,センダス
ト,KS鋼,MK鋼,Fe−Co合金,Cu−Ni−F
e合金,Fe−Cr−Co合金,Nd−Fe−B合金,
希土類−3d遷移金属間化合物等の金属材料や、Mn−
Zn系フェライト,Ni−Zn系フェライト,Baフェ
ライト,Srフェライト等のフェライト等の強磁性体が
用いられる。
【0022】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の分注機であって、前記電磁石部が、前記支持
ノズル又は前記分注管の外側壁に配設され、前記弁部
が、(a)磁性材料を含有する材料又は磁性材料で所定
形状に形成された未着磁のバルブ、又は(b)磁性材料
で所定形状に形成されて着磁され磁極を有する着磁バル
ブで形成された構成を有している。
【0023】この構成によって、請求項1で得られる作
用に加え、以下のような作用が得られる。
【0024】(1)弁部にバルブを用いることで、電磁
石部に通電して弁部を吸引して吐出孔を開放し、通電を
停止して弁部を閉止することができ、微量の被分注液を
吐出させることができる。
【0025】(2)弁部に着磁バルブを用いることで、
通電して電磁石部に弁部を吸引し吐出孔を開放した後、
電磁石部に流す電流の向きを変えて弁部を反発させて吐
出孔を素早く閉止することができるので、さらに微量の
被分注液を精度良く吐出することができる。
【0026】(3)弁部に着磁バルブを用いることで、
電磁石部の磁場を逆転させて弁部を反発させ吐出孔を閉
止するので、吐出孔を高い圧力で閉止することができ、
粘度が高い等多様な物性を有する被分注液を精度良く吐
出させることができる。
【0027】ここで、バルブとしては、強磁性体材料、
特に、鉄,低炭素鋼,ケイ素鋼,パーマロイ,センダス
ト,Mn−Zn系フェライト,Ni−Zn系フェライト
等軟質フェライト等の高透磁率材料で形成、若しくは強
磁性体材料を合成樹脂やゴム等に分散させて形成したも
の等が用いられる。
【0028】着磁バルブとしては、KS鋼,MK鋼,F
e−Co合金,Cu−Ni−Fe合金,Fe−Cr−C
o合金,Baフェライト等の永久磁石材料や、フェライ
ト磁石,希土類磁石等で形成され、磁化を保つように着
磁され磁極を有するものが用いられる。
【0029】弁部として着磁バルブを用いた場合には、
着磁バルブを吸引できる磁極と磁力を発生させるために
必要な方向と大きさの電流が電磁石部に通電される。電
磁石部への通電によって着磁バルブを移動させて、吐出
孔の開閉を行うためである。
【0030】弁部として未着磁のバルブを用いた場合に
は、被分注液よりも大きな比重を有する材料を用いて形
成される。被分注液加圧手段により発生する被分注液の
圧力や弁部に働く重力等で吐出孔を閉止するためであ
る。
【0031】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1に記載の分注機であって、前記電磁石部が、前記吐出
孔の形成された前記分注管の端部に配設され、前記弁部
が、(a)磁性材料を含有する材料又は磁性材料で所定
形状に形成された未着磁のバルブ、又は(b)磁性材料
で所定形状に形成されて着磁され磁極を有する着磁バル
ブで形成された構成を有している。
【0032】この構成により、請求項1で得られる作用
に加え、以下のような作用が得られる。
【0033】(1)弁部に未着磁のバルブを用いること
で、電磁石部の磁場を逆転させたときの弁部の磁化の方
向が逆転する非常に短い時間だけ吐出孔が開放されるの
で、極微量の被分注液を高い精度で吐出することができ
る。
【0034】(2)弁部に着磁バルブを用いることで、
通電して電磁石部で弁部を反発させて吐出孔を開放した
後、電磁石部に流す電流の向きを変えて弁部を吸引して
吐出孔を素早く閉止することができるので、極微量の被
分注液を精度良く吐出することができる。
【0035】(3)吐出孔の形成された分注管の端部に
配設された電磁石部で弁部を吸引して吐出孔を高い圧力
で閉止することができるので、粘度が高い等多様な物性
を有する被分注液を精度良く吐出させることができる。
【0036】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の分注機であって、前記電磁石部が、前記吐出孔の形成
された前記分注管の端部側の外側壁に配設され、前記弁
部が、前記分注管の端部を回転可能な所定形状に磁性材
料で形成されて着磁され側面に磁極を有し、前記吐出孔
と連通する貫通孔部が形成された着磁バルブで形成され
た構成を有している。
【0037】この構成により、請求項1で得られる作用
に加え、以下のような作用が得られる。
【0038】(1)被分注液加圧手段によって弁部に印
加される圧力の方向と略直交する面内を弁部が回転して
吐出孔の開閉を行うので、弁部が被分注液加圧手段によ
る圧力の影響を受け難く応答速度を速くすることがで
き、微量の被分注液の吐出を行うことができる。
【0039】(2)吐出孔の開閉を弁部の回転運動で行
うので、吐出孔の開閉時間を著しく短くすることがで
き、さらに微量の被分注液の吐出を行うことができる。
【0040】(3)弁部及び電磁石部を多極化すること
で隣接する磁極との距離を短くして磁力を向上させ、弁
部の回転動作を高速化させることができるので、より微
量な被分注液を吐出させることができる。
【0041】ここで、着磁バルブとしては、分注管の端
部を回転可能な略円筒状,略円錐台状,略円錐状等の形
状に形成され、回転中心を通って側面に複数の磁極を有
するように着磁されたものが用いられる。
【0042】貫通孔部としては、分注管の端部に接触す
る着磁バルブの平面又は曲面を貫通し、分注管の端部に
形成された吐出孔に連通する大きさと形状に形成され
る。
【0043】着磁バルブや電磁石部としては、2,4,
6,8極等に多極化したものを用いることができる。
【0044】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4
の内いずれか1に記載の分注機であって、(a)前記被
分注液の希望吐出量を含む制御データを入力する入力装
置と、(b)入力された前記制御データに基づいて、前
記被分注液加圧手段の動作を制御する被分注液加圧手段
制御装置と、(c)入力された前記制御データに基づい
て、前記電磁石部の動作を制御する電磁石部制御装置
と、を備えた構成を有している。
【0045】この構成により、請求項1乃至4の内いず
れか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得ら
れる。
【0046】(1)被分注液や分注管等を交換した場合
や、被分注液の物性や分注管の種類等の吐出量に影響を
与える種々の条件が変化した場合(被分注液の経時的な
物性変化や温度による物性変化等を含む)でも、希望す
る吐出量を得ることができ操作性に優れる。
【0047】ここで、入力装置から入力される制御デー
タとしては、被分注液の希望吐出量、被分注液の種類、
被分注液の粘度,表面張力等の物性、分注操作を行う部
屋の温度や湿度、分注管の種類(形状,容量,材質,流
動抵抗,表面抵抗等)等が用いられる。
【0048】被分注液加圧手段制御装置や電磁石部制御
装置は、入力装置から入力された制御データを用いて、
電磁石部へ通電する電流及び通電時間,被分注液加圧手
段の圧力等を決定し、それに基づいて被分注液加圧手段
や電磁石部の動作を制御する。
【0049】以下、本発明の一実施の形態を、図面を参
照しながら説明する。
【0050】(実施の形態1)図1は実施の形態1にお
ける分注機の要部断面図であり、図2は実施の形態1に
おける分注機の動作模式図である。
【0051】図1において、1は実施の形態1における
分注機、2は円筒形状に形成された支持ノズル、3は支
持ノズル2の一端部を嵌合して固定され先端部が縮径さ
れた分注管、4は分注管3の縮径された先端部に形成さ
れ被分注液が吐出される吐出孔、5は鉄,低炭素鋼,ケ
イ素鋼,パーマロイ,センダスト,フェライト等の高透
磁率材料を含有する材料又は高透磁率材料で吐出孔4の
内径よりも大きな直径を有する球状に形成され分注管3
に内装され吐出孔4を開閉する弁部としてのバルブ、6
は支持ノズル2内に嵌合されたプランジャ、7はプラン
ジャ6の上端部に固着されたナット、8はナット7に螺
合する送りねじ、9は送りねじ8を回転駆動するモータ
である。プランジャ6,ナット7,送りねじ8及びモー
タ9は、被分注液加圧手段である。10はモータ9の上
部に固着されモータ9を固定するとともに支持ノズル2
等を内装するヘッド部、11はヘッド部10の所定部に
固着された電磁石固定部、12は電磁石固定部11に固
定され分注管3の側壁の外部にコイルが巻回され円筒状
に形成された電磁石部としての電磁コイルである。
【0052】図2において、13は検体や試薬等の被分
注液、14は被分注液13が収容されている被分注液容
器である。
【0053】なお、本実施の形態においては、バルブ5
は、被分注液加圧手段により発生する被分注液13の圧
力やバルブ5に働く重力等によって吐出孔4を閉止する
ような質量に形成されている。
【0054】以上のように構成された本実施の形態1の
分注機について、以下その動作を説明する。
【0055】ヘッド部10に固着された移動手段(図示
しない)によって、分注機1を被分注液13が収容され
た被分注液容器14まで移動し、図2(a)に示すよう
に、吐出孔4を被分注液13内につける。モータ9で送
りねじ8を回転駆動することによりプランジャ6をモー
タ9側に移動させ支持ノズル2内及び分注管3内を減圧
すると、外気圧との圧力差により、バルブ5に働く重量
等に抗して吐出孔4から分注管3内に被分注液が吸引さ
れる。
【0056】次に、図2(b)に示すように、モータ9
で送りねじ8を回転駆動することによりプランジャ6を
分注管3側に移動させると、吐出孔4がバルブ5によっ
て閉止されるとともに支持ノズル2内及び分注管3内の
圧力が高まる。支持ノズル2内及び分注管3内を所定の
圧力(このときの圧力をPとする)にした後、モータ9
による送りねじ8の回転駆動を停止し、被分注液13を
圧力Pで加圧して分注管3内に保持する。なお、プラン
ジャ6を分注管3側へ移動させる場合には、被分注液容
器14に収容された被分注液13の液面下の被分注液容
器14内に吐出孔4を置いて行うと、吐出孔4から吐出
された被分注液13を周囲へ飛び散らさずに被分注液容
器14内に戻すことができる。
【0057】被分注液13を圧力Pで加圧して分注管3
内に保持した後、ヘッド部10に固着された移動手段
(図示しない)によって、分注機1を分注を行う位置ま
で移動する(図2(c))。
【0058】次に、電磁コイル12に電流を流すと電磁
コイル12が磁化されて分注管3の軸方向に磁場が生
じ、図2(d)に示すように、バルブ5を電磁コイル1
2の方向へ吸引する。電磁コイル12が、圧力Pやバル
ブ5に働く重力等より大きな磁力でバルブ5を吸引する
と、吐出孔4が開放される。被分注液13は被分注液加
圧手段によって加圧されているので、吐出孔4が開放さ
れると被分注液13が吐出孔4へ急速に移動し被分注液
13の吐出が開始する。
【0059】電磁コイル12への通電を停止すると、図
2(e)に示すように、圧力Pとバルブ5に働く重力等
によりバルブ5は吐出孔4の方向へ移動し吐出孔4を閉
止するので、被分注液13の吐出孔4への移動が停止さ
れ被分注液13が吐出孔4から液滴として吐出される。
【0060】以上のように、本実施の形態1における分
注機は構成されているので、以下のような作用を有す
る。
【0061】(1)分注管に内装されたバルブが電磁石
部への通電によって吐出孔を開閉するという簡単な構成
で、吐出孔から微量な被分注液を吐出することができ
る。
【0062】(2)分注管と、分注管とは分離して分注
管に内装されたバルブと、を有しているので、各々を使
い捨て可能にすることができるとともに、安価で消耗品
のコスト負担が小さい。
【0063】(3)吐出孔の開閉をバルブで行う構成な
ので、多種多様の物性を有する被分注液の分注を行うこ
とができ汎用性に優れる。
【0064】なお、本実施の形態においては、モータ9
の回転駆動によってプランジャ6を移動させて被分注液
13を吸引する場合について説明したが、被分注液13
を分注管3内に吸引又は注入できる装置構成であればこ
の形態でなくてもよい。例えば、モータ9の回転駆動の
代わりにポンプ装置の吸引により分注管3内に被分注液
13を吸引するもの、支持ノズル2の上部や側部等に接
続された被分注液注入装置によって被分注液16を支持
ノズル2及び分注管3内へ注入するもの等を用いる場合
もある。
【0065】また、被分注液加圧手段として、モータ9
の回転駆動によってプランジャ6を移動させて被分注液
13を加圧するものについて説明したが、モータ9の回
転駆動の代わりにポンプ装置を使って加圧するものを用
いる場合もある。
【0066】また、分注管3が支持ノズル2の一端部に
嵌合して固定された場合について説明したが、支持ノズ
ル2の一端部に接着して固定され、若しくは支持ノズル
2と一体に形成される場合等もあり、いずれの場合も吐
出孔から微量な被分注液を吐出することができる。
【0067】さらに、電磁石部として、分注管3の側壁
の外部にコイルが巻回され円筒状に形成された電磁コイ
ル12を備えている場合について説明したが、鉄,ケイ
素鋼,フェライト等で形成された磁心の周囲にコイルが
巻回された1乃至複数個の電磁コイルが、分注管3の側
壁の外部に配設されるように電磁石固定部11に固定す
る場合もある。これにより、電磁石部を小型化すること
ができる。
【0068】(実施の形態2)図3は実施の形態2にお
ける分注機の要部断面図であり、図4は実施の形態2に
おける分注機の動作模式図である。なお、実施の形態1
で説明したものと同様のものは、同一の符号を付して説
明は省略する。
【0069】図3において、1aは実施の形態2の分注
機、5aは両端が三角錐状に形成され外径が吐出孔4の
内径よりも大きな円筒状のKS鋼,MK鋼,Fe−Co
合金,Cu−Ni−Fe合金,Fe−Cr−Co合金,
Baフェライト等の永久磁石材料で形成されて着磁さ
れ、吐出孔4側と支持ノズル2側とに磁極を有し分注管
3に遊嵌された弁部としての着磁バルブである。
【0070】なお、本実施の形態において着磁バルブ5
aは、吐出孔4側にS極が、支持ノズル2側にN極が位
置するように分注管3に内装されている。また、着磁バ
ルブ5aは、分注管3の長手方向と略直交する面内では
回転可能であるが、分注管3の長手方向と略平行する面
内では回転できない大きさに形成されている。これによ
り、着磁バルブ5aは分注管3の長手方向と略平行する
往復運動を行うことができる。
【0071】以上のように構成された実施の形態2の分
注機について、以下その動作を説明する。
【0072】実施の形態1で説明したのと同様にして被
分注液13を分注管3内に収納した後、図4(a)に示
すように、被分注液13を圧力Pで加圧して分注管3内
に保持し、ヘッド部10に固着された移動手段(図示し
ない)によって、分注機1aを分注を行う位置まで移動
する。
【0073】次に、図4(b)に示すように、磁力線が
電磁コイル12の支持ノズル2側から出るように電磁コ
イル12に通電し、電磁コイル12が圧力Pや着磁バル
ブ5aに働く重力等より大きな磁力で着磁バルブ5aを
吸引すると、吐出孔4が開放される。被分注液13は被
分注液加圧手段によって加圧されているので、吐出孔4
が開放されると被分注液13が吐出孔4へ急速に移動し
被分注液13の吐出が開始する。
【0074】電磁コイル12へ逆向きの電流を通電する
と磁場が逆転し、磁力線が電磁コイル12の吐出孔4側
から出るので、着磁バルブ5aは電磁コイル12に反発
し吐出孔4へ急速に移動し、図4(c)に示すように、
着磁バルブ5aが吐出孔4を閉止し、被分注液13の吐
出孔4への移動が停止され被分注液13が吐出孔4から
液滴として吐出される。
【0075】以上のように本実施の形態2における分注
機は構成されているので、実施の形態1に記載の作用に
加え、以下のような作用が得られる。
【0076】(1)電磁石部に流す電流の向きを変える
ことで磁場を逆転させ、電磁石部に反発された着磁バル
ブが吐出孔を素早く閉止するので、さらに微量の被分注
液を精度良く吐出することができる。
【0077】(2)電磁石部の磁場を逆転させて電磁石
部で着磁バルブを反発させるので、吐出孔を高い圧力で
閉止することができ、粘度が高い等多様な物性を有する
被分注液を精度良く吐出させることができる。
【0078】なお、本実施の形態においては、被分注液
加圧手段として、モータ9の回転駆動によってプランジ
ャ6を移動させて被分注液13を吸引・加圧するものに
ついて説明したが、ポンプ装置に接続された吸引用配管
が支持ノズル2に接続されているもの、支持ノズル2の
端部や側部等に接続された被分注液注入装置によって被
分注液13を支持ノズル2及び分注管3内へ注入・加圧
するもの等を用いる場合もある。
【0079】また、分注管3の側壁の外部にコイルが巻
回され円筒状に形成された電磁コイル12を備えている
場合について説明したが、鉄,ケイ素鋼,フェライト等
で形成された磁心の周囲にコイルが巻回された1乃至複
数個の電磁コイルが、分注管3の側壁の外部に配設され
るように電磁石固定部11に固定する場合もある。これ
により、電磁石部を小型化することができる。
【0080】(実施の形態3)図5は実施の形態3にお
ける分注機の要部断面図であり、図6は実施の形態3に
おける分注機の動作模式図である。なお、実施の形態1
で説明したものと同様のものは、同一の符号を付して説
明を省略する。
【0081】図5において、1bは実施の形態3におけ
る分注機、20は支持ノズル2の一端部を嵌合して固定
された分注管、21は分注管20の先端部の略中央に接
続された小径の円筒状の吐出管、22は分注管20の先
端部に形成され分注管20と吐出管21とを連通する吐
出孔、23は鉄,低炭素鋼,ケイ素鋼,パーマロイ,セ
ンダスト,フェライト等の高透磁率材料を含有する材料
又は高透磁率材料で吐出孔22の内径よりも大きな直径
を有する円筒状に形成され分注管20に内装され吐出孔
22を開閉する弁部としてのバルブ、24は電磁石固定
部11に固定され円筒状に巻回して形成された電磁コイ
ル、25は鉄,ケイ素鋼,フェライト等で形成され一端
側が電磁コイル24の中心に嵌装され他端部が略L字状
に形成されて分注管20の端部に当接された磁心、25
aは磁心25と分注管20のとの当接部、26は電磁石
固定部11に固定され電磁コイル24と同一方向に巻回
して直列に接続され円筒状に形成された電磁コイル、2
7は鉄,ケイ素鋼,フェライト等で形成され一端側が電
磁コイル26の中心に嵌装され他端部が略L字状に形成
されて分注管20の端部に磁心25とは離間して当接さ
れた磁心、27aは磁心27と分注管20の端部との当
接部である。電磁コイル24,26及び磁心25,27
が、本実施の形態3における分注機の電磁石部を構成し
ている。
【0082】以上のように構成された実施の形態3の分
注機について、図面を参照しながら、以下その動作を説
明する。
【0083】実施の形態1で説明したのと同様にして被
分注液13を分注管20内に収納した後、被分注液13
を圧力Pで加圧して分注管20及び吐出管21内に保持
した後、ヘッド部10に固着された移動手段(図示しな
い)によって、分注機1bを分注を行う位置まで移動す
る。
【0084】次に、図6(a)に示すように、電磁コイ
ル24,26に通電すると磁場が生じ電磁コイル24,
26内に嵌装された磁心25,27が磁化され磁石とな
り、バルブ23を磁心25,27の方向へ吸引する(吐
出孔22は閉止されたまま)。電磁コイル24,26は
直列に接続され同一方向に巻回されて形成されているの
で、磁心25の当接部25aと磁心27の当接部27a
とに逆向きの磁極が生じる(本実施の形態では、当接部
25aにN極、当接部27aにS極)。この結果、磁心
25,27に吸引されたバルブ23にも一時的に磁極が
生ずる(本実施の形態では、当接部25a側のバルブ2
3にS極、当接部27a側のバルブ23にN極)。
【0085】次に、電磁コイル24,26に逆向きの電
流を通電すると、図6(b)に示すように、磁心25と
磁心27の磁極は逆転する(本実施の形態では、当接部
25aにS極、当接部27aにN極)。しかし、バルブ
23の磁化の方向が逆転するまでには時間的な遅れが生
ずるため、バルブ23は磁心25,27に反発して一瞬
吐出孔22を開放する。被分注液13は圧力Pで加圧さ
れているので、吐出孔22が開放されると被分注液13
が吐出孔22へ急速に移動し被分注液13の吐出が開始
する。
【0086】時間が経過してバルブ23の磁化の方向が
逆転すると、図6(c)に示すように、バルブ23は再
び磁心25,27に吸引され吐出孔22を閉止するの
で、被分注液13の吐出孔22への移動が停止され被分
注液13が吐出孔22から液滴として吐出される。
【0087】以上のように、本実施の形態3における分
注機は構成されているので、実施の形態1に記載した作
用に加え、以下のような作用を有する。
【0088】(1)バルブの磁化の方向が逆転する非常
に短い時間だけ吐出孔が開放されるので、極微量の被分
注液を高い精度で吐出することができる。
【0089】(2)電磁石部の磁場を逆転させて電磁石
部でバルブを吸引するので、吐出孔を高い圧力で閉止す
ることができ、粘度が高い等多様な物性を有する被分注
液を精度良く吐出させることができる。
【0090】(実施の形態4)図7は実施の形態4にお
ける分注機の要部断面図であり、図8は実施の形態4に
おける分注機の応用例を示す要部断面図である。なお、
実施の形態3で説明したものと同様のものは、同一の符
号を付して説明を省略する。
【0091】図7において、1cは実施の形態4におけ
る分注機、23aはKS鋼,MK鋼,Fe−Co合金,
Cu−Ni−Fe合金,Fe−Cr−Co合金,Baフ
ェライト等の永久磁石材料で吐出孔22の内径よりも大
きな外径を有する略円筒状に形成され分注管20に内装
され吐出孔22を開閉する弁部としての着磁バルブであ
る。着磁バルブ23aは、側面に2極化した磁極を有す
るように着磁されている(本実施の形態においては、磁
心25側にS極、磁心27側にN極)。
【0092】なお、本実施の形態においては、着磁バル
ブ23aは、側面の所定部に凸状等が形成され、分注管
20の内壁面には凸状等と遊嵌する凹状等が形成されて
いる(図示しない)。これにより、着磁バルブ23a
は、分注管20の長手方向と略直交する面内では回転せ
ずに、分注管20の長手方向と略平行する往復運動のみ
を行う。
【0093】以上のように構成された実施の形態4の分
注機が、実施の形態3と異なる点は、弁部が着磁バルブ
23aで形成されている点である。これにより、電磁コ
イル24,26に通電し(本実施の形態においては、磁
心25の当接部25aにN極、磁心27の当接部27a
にS極が生じるように通電する)着磁バルブ23aを吸
引した後、電磁コイル24,26に逆向きの電流を通電
すると、磁心25と磁心27の磁極は逆転し(本実施の
形態では、当接部25aにS極、当接部27aにN極が
生じる)、着磁バルブ23aが磁心25,27に反発し
て吐出孔22を開放する。その後、電磁コイル24,2
6の磁場を再び反転すると、バルブ23aは再び磁心2
5,27に吸引され吐出孔22を閉止する。
【0094】次に、実施の形態4の分注機の応用例につ
いて説明する。
【0095】図8において、23bはKS鋼,MK鋼,
Fe−Co合金,Cu−Ni−Fe合金,Fe−Cr−
Co合金,Baフェライト等の永久磁石材料で吐出孔2
2の内径よりも大きな外径を有する略円筒状に形成され
分注管20に内装され吐出孔22を開閉する弁部として
の着磁バルブである。着磁バルブ23bは、支持ノズル
2側と吐出孔22側とに2極化した磁極を有するように
着磁されている(本実施の形態においては、支持ノズル
2側にN極、吐出孔22側にS極)。26aは電磁石固
定部11に固定され電磁コイル24と逆方向に巻回して
直列に接続され円筒状に形成された電磁コイルである。
【0096】以上のように本実施の形態の応用例は構成
されているので、電磁コイル24,26aに通電し(本
実施の形態においては、磁心25の当接部25aにN
極、磁心27の当接部27aにN極が生じるように通電
する)着磁バルブ23bを吸引した後、電磁コイル2
4,26aに逆向きの電流を通電すると、磁心25と磁
心27の磁極は逆転し(本実施の形態では、当接部25
a,27aにS極が生じる)、着磁バルブ23bが磁心
25,27に反発して吐出孔22を開放する。その後、
電磁コイル24,26aの磁場を再び反転すると、バル
ブ23bは再び磁心25,27に吸引され吐出孔22を
閉止する。
【0097】以上のように本実施の形態4の分注機は構
成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、
以下のような作用が得られる。
【0098】(1)通電して電磁石部で着磁バルブを反
発させて吐出孔を開放した後、電磁石部に流す電流の向
きを変えて着磁バルブを吸引して吐出孔を素早く閉止す
ることができるので、極微量の被分注液を精度良く吐出
することができる。
【0099】(2)吐出孔の形成された分注管の端部に
配設された電磁石部で着磁バルブを吸引して吐出孔を高
い圧力で閉止することができるので、粘度が高い等多様
な物性を有する被分注液を精度良く吐出させることがで
きる。
【0100】(実施の形態5)図9は実施の形態5にお
ける分注機の要部断面図であり、図10は磁心の要部斜
視図であり、図11は着磁バルブの要部斜視図であり、
図12は実施の形態5における分注機の動作模式図であ
る。なお、実施の形態1で説明したものと同様のもの
は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0101】図9において、1dは実施の形態5におけ
る分注機、30は支持ノズル2の一端部を嵌合して固定
された分注管、31は分注管30の端部の所定部に接続
された小径の円筒状の吐出管、32は分注管30の端部
に形成され分注管30と吐出管31とを連通する吐出
孔、33はKS鋼,MK鋼,Fe−Co合金,Cu−N
i−Fe合金,Fe−Cr−Co合金,Baフェライト
等の永久磁石材料で円筒状に形成されて着磁され分注管
3に遊嵌された弁部としての着磁バルブ、34は着磁バ
ルブ33の対向する2平面を貫通して所定部に形成され
た貫通孔部、35はヘッド部10の所定部に一端側が固
定され磁心36,37(後述する)の所定部を固定する
電磁石固定部である。
【0102】図9、図10において、36は支持ノズル
2側で開口する断面コ字状に鉄,ケイ素鋼,フェライト
等で形成され分注管30の外側壁の所定部に添設された
略半円状の磁心、37は吐出管31側で開口する断面コ
字状に鉄,ケイ素鋼,フェライト等で形成され分注管3
0の外側壁の他の所定部に添設された略半円状の磁心、
36a,37aは分注管30の外側壁への磁心36,3
7の磁心添設部、38は磁心36,37の開口部36
b,37bに巻回され分注管30の外側壁に形成された
円筒状の電磁コイルである。磁心36,37及び電磁コ
イル38が本実施の形態5の分注機における電磁石部を
構成している。
【0103】図11において、33a,33bは着磁バ
ルブ33の円筒中心で2極化して側面に形成された磁極
(本実施の形態では、33aはS極、33bはN極に形
成されている)である。貫通孔部34は着磁バルブ33
の対向する2平面を貫通して磁極33b(本実施の形態
ではN極側)に形成されている。
【0104】以上のように構成された実施の形態5の分
注機について、以下その動作を説明する。
【0105】ヘッド部10に固着された移動手段(図示
しない)によって、分注機1dを被分注液13が収容さ
れた被分注液容器14まで移動し、図12(a)に示す
ように、吐出管31を被分注液13内につける。次い
で、電磁コイル38に所定方向の電流を通電して磁場を
生じさせ、電磁コイル38が巻回された磁心36の磁心
添設部36aをN極に、磁心37の磁心添設部37aを
S極に磁化する。これにより、着磁バルブ33の磁極3
3a(S極)が磁心添設部36aに吸引され、磁極33
b(N極)が磁心添設部37aに吸引され、貫通孔部3
4と吐出孔32とが連通する。次いで、モータ9で送り
ねじ8を回転駆動することによりプランジャ6をモータ
9側に移動させ支持ノズル2内及び分注管30内を減圧
すると、外気圧との圧力差により吐出管31,吐出孔3
2から分注管30内に被分注液13が吸引される。な
お、貫通孔部34と吐出孔32とを連通させずに、支持
ノズル2内及び分注管30内を減圧して、外気圧との圧
力差により吐出管31,吐出孔32から分注管30内に
被分注液13を吸引してもよい。
【0106】次に、電磁コイル38に逆方向の電流を通
電して、磁心36の磁心添設部36aをS極に、磁心3
7の磁心添設部37aをN極に磁化すると、図12
(b)に示すように、着磁バルブ33の磁極33b(N
極)が磁心添設部36a(S極)に、磁極33a(S
極)が磁心添設部37a(N極)に吸引されて吐出孔3
2を閉止する。次いで、モータ9で送りねじ8を回転駆
動することによりプランジャ6を分注管30側に移動さ
せると、支持ノズル2内及び分注管30内の圧力が高ま
る。支持ノズル2内及び分注管30内を所定の圧力(こ
のときの圧力をPとする)にした後、モータ9による送
りねじ8の回転駆動を停止し、被分注液13を圧力Pで
加圧して分注管30内に保持する。
【0107】次いで、ヘッド部10に固着された移動手
段(図示しない)によって、分注機1dを分注を行う位
置まで移動する(図12(c))。
【0108】電磁コイル38に所定方向の電流を通電し
て磁場を生じさせ、電磁コイル38が巻回された磁心3
6の磁心添設部36aをN極に、磁心37の磁心添設部
37aをS極に磁化すると、図12(d)に示すよう
に、着磁バルブ33の磁極33a(S極)が磁心添設部
36aに吸引され、磁極33b(N極)が磁心添設部3
7aに吸引され、貫通孔部34と吐出孔32とが連通す
る。被分注液13は圧力Pで加圧されているので、貫通
孔部34と吐出孔32とが連通すると、被分注液13が
吐出孔32へ急速に移動し被分注液13の吐出が開始す
る。
【0109】次いで、電磁コイル38に逆方向の電流を
通電すると、磁心36の磁心添設部36aがS極に、磁
心37の磁心添設部37aがN極に磁化されるので、図
12(e)に示すように、着磁バルブ33が軸中心に反
転して吐出孔32を閉止し、被分注液13の吐出が終了
する。
【0110】以上のように、本実施の形態5における分
注機は構成されているので、実施の形態1に記載した作
用に加え、以下のような作用を有する。
【0111】(1)着磁バルブが、プランジャによって
着磁バルブに印加される圧力の方向と略直交する面内を
回転して吐出孔の開閉を行うので、着磁バルブに印加さ
れる圧力の影響を受け難く応答速度を速くすることがで
き、微量の被分注液の吐出を行うことができる。
【0112】(2)吐出孔の開閉を着磁バルブの回転運
動で行うので、吐出孔の開閉時間を著しく短くすること
ができ、さらに微量の被分注液の吐出を行うことができ
る。
【0113】(3)着磁バルブ及び磁心を多極化するこ
とで隣接する磁極との距離を短くして磁力を向上させ、
着磁バルブの回転動作を高速化させることができ、より
微量な被分注液を吐出させることができる。
【0114】なお、本実施の形態においては、2極の磁
心及び着磁バルブの場合について説明したが、4,6,
8極等にさらに多極化したものを用いる場合もある。
【0115】(実施の形態6)図13は実施の形態6に
おける分注機の構成を表すブロック図である。なお、実
施の形態1で説明したものと同様のものは、同一の符号
を付して説明を省略する。
【0116】図13において、40は分注管3からの被
分注液の希望吐出量を含む被分注液の種類,被分注液の
粘度,表面張力等の物性,分注操作を行う部屋の温度や
湿度,分注管の形状,容量,材質等の種類等の制御デー
タを入力するキーボード等の入力装置、41は入力装置
40から入力された制御データに基づいてモータ,ポン
プ装置等を備えた被分注液加圧手段によって被分注液を
印加する圧力等を決定し被分注液加圧手段の制御を行う
被分注液加圧手段制御装置、42は入力装置から入力さ
れた制御データに基づいて電磁石部としての電磁コイル
12に通電する電流(又は電圧),通電方向及び通電時
間を決定し電磁石部の制御を行う電磁石部制御装置であ
る。
【0117】図14は制御データと被分注液加圧手段制
御装置及び電磁石部制御装置が決定する各条件との関係
の一例を示す図である。
【0118】入力装置40から入力される各制御データ
と被分注液加圧手段制御装置41が決定する圧力や、電
磁石部制御装置42が決定する電流や通電時間の各条件
との間には、図12に示すような関係があるので、被分
注液加圧手段制御装置41や電磁石部制御装置42は、
入力装置40から入力された制御データを用いて、電磁
石部へ通電する電流及び通電時間,被分注液加圧手段の
圧力等を決定し、それに基づいて被分注液加圧手段や電
磁石部の動作を制御する。
【0119】以上のように、本実施の形態6における分
注機は構成されているので、実施の形態1で得られる作
用に加え、以下のような作用が得られる。
【0120】(1)被分注液や分注管等を交換した場合
や、被分注液の物性や分注管の種類等の吐出量に影響を
与える種々の条件が変化した場合(被分注液の経時的な
物性変化や温度による物性変化等を含む)でも、希望す
る吐出量を得ることができ操作性に優れる。
【0121】
【発明の効果】以上のように、本発明の分注機によれ
ば、以下のような有利な効果が得られる。
【0122】請求項1に記載の発明によれば、 (1)分注管に内装された弁部が電磁石部への通電によ
って吐出孔を開閉するという簡単な構成で、吐出孔又は
吐出管から微量な被分注液を吐出することができる分注
機を提供することができる。
【0123】(2)分注管と、分注管とは分離して分注
管に内装された弁部と、を備えているので、各々を使い
捨て可能にすることができるとともに、安価で消耗品の
コスト負担が小さい分注機を提供することができる。
【0124】(3)吐出孔の開閉を弁部で行う構成なの
で、多種多様の物性を有する被分注液の分注を行うこと
ができ汎用性に優れた分注機を提供することができる。
【0125】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の効果に加え、 (1)弁部にバルブを用いることで、電磁石部に通電し
て弁部を吸引して吐出孔を開放し、通電を停止して弁部
を閉止することができ、微量の被分注液を吐出させるこ
とができる分注機を提供することができる。
【0126】(2)弁部に着磁バルブを用いることで、
通電して電磁石部に弁部を吸引し吐出孔を開放した後、
電磁石部に流す電流の向きを変えて弁部を反発させて吐
出孔を素早く閉止することができるので、さらに微量の
被分注液を精度良く吐出することができる分注機を提供
することができる。
【0127】(3)弁部に着磁バルブを用いることで、
電磁石部の磁場を逆転させて弁部を反発させ吐出孔を閉
止するので、吐出孔を高い圧力で閉止することができ、
粘度が高い等多様な物性を有する被分注液を精度良く吐
出させることができる分注機を提供することができる。
【0128】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
の効果に加え、 (1)弁部に未着磁のバルブを用いることで、電磁石部
の磁場を逆転させたときの弁部の磁化の方向が逆転する
非常に短い時間だけ吐出孔が開放されるので、極微量の
被分注液を高い精度で吐出することができる分注機を提
供することができる。
【0129】(2)弁部に着磁バルブを用いることで、
通電して電磁石部で弁部を反発させて吐出孔を開放した
後、電磁石部に流す電流の向きを変えて弁部を吸引して
吐出孔を素早く閉止することができるので、極微量の被
分注液を精度良く吐出することができる分注機を提供す
ることができる。
【0130】(3)吐出孔の形成された分注管の端部に
配設された電磁石部で弁部を吸引して吐出孔を高い圧力
で閉止することができるので、粘度が高い等多様な物性
を有する被分注液を精度良く吐出させることができる分
注機を提供することができる。
【0131】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
の効果に加え、 (1)被分注液加圧手段によって弁部に印加される圧力
の方向と略直交する面内を弁部が回転して吐出孔の開閉
を行うので、弁部が被分注液加圧手段による圧力の影響
を受け難く応答速度を速くすることができ、微量の被分
注液の吐出を行うことができる分注機を提供することが
できる。
【0132】(2)吐出孔の開閉を弁部の回転運動で行
うので、吐出孔の開閉時間を著しく短くすることがで
き、さらに微量の被分注液の吐出を行うことができる分
注機を提供することができる。
【0133】(3)弁部及び電磁石部を多極化すること
で隣接する磁極との距離を短くして磁力を向上させ、弁
部の回転動作を高速化させることができるので、より微
量な被分注液を吐出させることができる分注機を提供す
ることができる。
【0134】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
乃至4の内いずれか1の効果に加え、(1)被分注液や
分注管等を交換した場合や、被分注液の物性や分注管の
種類等の吐出量に影響を与える種々の条件が変化した場
合(被分注液の経時的な物性変化や温度による物性変化
等を含む)でも、希望する吐出量を得ることができ操作
性に優れた分注機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における分注機の要部断面図
【図2】実施の形態1における分注機の動作模式図
【図3】実施の形態2における分注機の要部断面図
【図4】実施の形態2における分注機の動作模式図
【図5】実施の形態3における分注機の要部断面図
【図6】実施の形態3における分注機の動作模式図
【図7】実施の形態4における分注機の要部断面図
【図8】実施の形態4における分注機の応用例を示す要
部断面図
【図9】実施の形態5における分注機の要部断面図
【図10】磁心の要部斜視図
【図11】着磁バルブの要部斜視図
【図12】実施の形態5における分注機の動作模式図
【図13】実施の形態6における分注機の構成を表すブ
ロック図
【図14】制御データと被分注液加圧手段制御装置及び
電磁石部制御装置が決定する各条件との関係の一例を示
す図
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d 分注機 2 支持ノズル 3 分注管 4 吐出孔 5 バルブ 5a 着磁バルブ 6 プランジャ 7 ナット 8 送りねじ 9 モータ 10 ヘッド部 11 電磁石固定部 12 電磁コイル 13 被分注液 14 被分注液容器 20 分注管 21 吐出管 22 吐出孔 23 バルブ 23a,23b 着磁バルブ 24,26 電磁コイル 25,27 磁心 25a,27a 当接部 30 分注管 31 吐出管 32 吐出孔 33 着磁バルブ 33a,33b 磁極 34 貫通孔部 35 電磁石固定部 36,37 磁心 36a,37a 磁心添設部 36b,37b 開口部 38 電磁コイル 40 入力装置 41 被分注液加圧手段制御装置 42 電磁石部制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G052 CA19 CA28 HC03 HC09 JA13 4G057 AB17 AB18 AB38 4G068 AA04 AB15 AC17 AD16 AD24 AD47 AE04 AF01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持ノズルと、 前記支持ノズルと一体に形成若しくは脱着自在に又は接
    着して固定され、端部の吐出孔又は前記吐出孔と連通す
    る吐出管から被分注液を吐出する分注管と、 前記被分注液を前記吐出孔へ向かって加圧する被分注液
    加圧手段と、 前記支持ノズル又は前記分注管の外部の所定部に配設さ
    れた電磁石部と、 前記分注管に内装され磁性材料を含有する材料又は磁性
    材料で形成されて前記電磁石部に通電することで前記分
    注管内を移動して前記吐出孔の開閉を行う弁部と、 を備えていることを特徴とする分注機。
  2. 【請求項2】前記電磁石部が、前記支持ノズル又は前記
    分注管の外側壁に配設され、前記弁部が、(a)磁性材
    料を含有する材料又は磁性材料で所定形状に形成された
    未着磁のバルブ、又は(b)磁性材料で所定形状に形成
    されて着磁され磁極を有する着磁バルブで形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の分注機。
  3. 【請求項3】前記電磁石部が、前記吐出孔の形成された
    前記分注管の端部に配設され、前記弁部が、(a)磁性
    材料を含有する材料又は磁性材料で所定形状に形成され
    た未着磁のバルブ、又は(b)磁性材料で所定形状に形
    成されて着磁され磁極を有する着磁バルブで形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の分注機。
  4. 【請求項4】前記電磁石部が、前記吐出孔の形成された
    前記分注管の端部側の外側壁に配設され、 前記弁部が、前記分注管の端部を回転可能な所定形状に
    磁性材料で形成されて着磁され側面に磁極を有し、前記
    吐出孔と連通する貫通孔部が形成された着磁バルブで形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の分注
    機。
  5. 【請求項5】(a)前記被分注液の希望吐出量を含む制
    御データを入力する入力装置と、(b)入力された前記
    制御データに基づいて前記被分注液加圧手段の動作を制
    御する被分注液加圧手段制御装置と、(c)入力された
    前記制御データに基づいて前記電磁石部の動作を制御す
    る電磁石部制御装置と、を備えていることを特徴とする
    請求項1乃至4の内いずれか1に記載の分注機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100799696B1 (ko) * 2007-12-03 2008-02-01 (주)삼진이아이씨 레일식 승하강 조명타워의 승강 캐리어 안전 고정장치
JP2012251850A (ja) * 2011-06-02 2012-12-20 Furukawa Electric Advanced Engineering Co Ltd 分注器および薬液の分注方法
CN112324588A (zh) * 2020-09-30 2021-02-05 中国人民解放军战略支援部队航天工程大学 一种能使燃料液滴在高压环境下稳定悬挂的注射器
WO2023136161A1 (ja) * 2022-01-11 2023-07-20 Nok株式会社 送液機構、液体制御装置および液体制御方法

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