JP2003094587A - 表面処理層 - Google Patents

表面処理層

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JP2003094587A JP2001286887A JP2001286887A JP2003094587A JP 2003094587 A JP2003094587 A JP 2003094587A JP 2001286887 A JP2001286887 A JP 2001286887A JP 2001286887 A JP2001286887 A JP 2001286887A JP 2003094587 A JP2003094587 A JP 2003094587A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に劣る有機系の基材の表面に、離型
性、防汚性、易滑性等の各種の必要性能の耐久性に極め
て優れる、二層構造からなる表面処理層を提供する。 【解決手段】 基材表面に形成される表面処理層であっ
て、前記表面処理層が下引き層とシリコーン系樹脂層と
の積層体からなり、前記下引き層がヘキサメトキシメチ
ルメラミンを含有してなるものであり、前記シリコーン
系樹脂層がシランカップリング剤を添加した付加反応型
シリコーン組成物を硬化させてなるものであって、前記
シランカップリング剤として分子中にエポキシ基を有す
るγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが含ま
れているものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材の表面に離型
性、防汚性、易滑性等の各種の必要性能を付与すること
が可能な表面処理層であって、特にこれら性能の耐久性
に優れる表面処理層に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木材、金属、硝子、樹脂等の基材
の表面に、離型性、防汚性、易滑性等の各種の必要性能
を付与することを目的として、シリコーン系樹脂からな
る表面処理層が設けられることがある。
【0003】一般に、このような基材表面にシリコーン
系樹脂層を形成する場合、高温処理して基材表面に強固
に接着させる方法が取られるが、有機系の基材では、耐
熱性に劣り高温処理し難いため、下引き層を介して積層
することにより接着性を向上させる方法が取られる。
【0004】また、このような離型性、防汚性、易滑性
等の各種の必要性能のうちでも特に防汚性等の性能を付
与する目的のものにとっては、その表面に付着した汚れ
を溶剤等を染み込ませたティッシュペーパー等で拭き取
ることがある。
【0005】しかし、このような有機系の基材表面に下
引き層を介して積層されたシリコーン系樹脂層は、高温
処理されていないため、このような溶剤等による洗浄が
行われると溶剤が浸透して、下引き層とシリコーン系樹
脂層との接着を阻害してしまうという問題があり、離型
性、防汚性、易滑性等の各種の必要性能の耐久性に乏し
いという問題を生じてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、耐
熱性に劣る有機系の基材の表面に、離型性、防汚性、易
滑性等の各種の必要性能の耐久性に極めて優れる、二層
構造からなる表面処理層を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記のような問題を解決するために鋭意研究を重ねた結
果、特定の化合物を含有する下引き層上に、特定のシラ
ンカップリング剤を添加してなる特定のシリコーン組成
物を硬化させたシリコーン系樹脂層を積層することによ
って、下引き層とシリコーン系樹脂層との接着性が極め
て向上して、上記のような問題を解決することができる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明の表面処理層は、基材表面に
形成される表面処理層であって、前記表面処理層が下引
き層とシリコーン系樹脂層との積層体からなり、前記下
引き層がメラミン系化合物を含有してなるものであり、
前記シリコーン系樹脂層がシランカップリング剤を添加
した付加反応型シリコーン組成物を硬化させてなるもの
であって、前記シランカップリング剤として分子中にエ
ポキシ基を有するアルコキシシラン加水分解物が含まれ
ていることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の表面処理層は、前記アルコ
キシシラン加水分解物がγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシランであることを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の表面処理層は、前記メラミ
ン系化合物がヘキサメトキシメチルメラミンであること
を特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表面処理層につい
て、詳細に説明する。
【0012】本発明の表面処理層は、各種の基材となる
表面に形成されるものであって、下引き層とシリコーン
系樹脂層との積層体からなるものである。そして、該下
引き層がメラミン系化合物を含有してなるものであり、
該シリコーン系樹脂層がシランカップリング剤を添加し
た付加反応型シリコーン組成物を硬化させてなるもので
ある。更に、該シランカップリング剤として分子中にエ
ポキシ基を有するアルコキシシラン加水分解物が含まれ
ていることを特徴としている。
【0013】以上のような構成を採ることによって、下
引き層とシリコーン系樹脂層との接着性が極めて向上す
ることになり、表面処理層としての離型性、防汚性、易
滑性等の各種の必要性能の耐久性が極めて優れたものに
することができるようになる。
【0014】ここで、このような表面処理層が形成され
る基材としては、本来限定されるものではないが、特に
耐熱性に劣る有機系の基材を使用する場合に本発明の効
果を期待することができる。
【0015】ここで下引き層は、メラミン系化合物を好
ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以
上含有することによって、下引き層とシリコーン系樹脂
層との接着性を向上させることができる。そのため下引
き層には、そのメラミン系化合物の接着向上作用を阻害
しない範囲で、メラミン系化合物以外にも他のバインダ
ー樹脂等を含有させることができる。
【0016】ここで含有できる他のバインダー樹脂とし
ては、メラミン系化合物の下引き層とシリコーン系樹脂
層との接着向上作用を阻害しないものであれば特に限定
されず、基材の種類に対応させて適宜基材との接着性に
優れるものを採用することができる。望ましくはメラミ
ン系化合物と架橋硬化可能な樹脂を採用することが好ま
しい。このようにメラミン系化合物と架橋硬化可能な樹
脂を含有させることにより、下引き層自体の耐溶剤性や
下引き層と基材表面との接着性を調整することが容易に
なるという効果を奏することができるようになる。ここ
でメラミン系化合物と架橋硬化可能な樹脂としては、ア
クリル系樹脂、アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂な
どを挙げることができ、特に有機系の基材表面に対する
下引き層の接着性を向上させる観点からは、アクリル系
樹脂を採用することが好ましい。ここで採用されるアク
リル系樹脂としてはアクリル酸およびそのエステル、ア
クリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸および
そのエステルなどの重合体および共重合体が挙げられ、
特に末端にヒドロキシル基やカルボキシル基を有するア
クリルポリオール樹脂等を採用することが好ましい。
【0017】次にメラミン系化合物とは、メラミン、メ
チロールメラミン若しくはその誘導体、又はこれらを縮
合反応させるなどして得られるメラミン樹脂、等のメラ
ミンを出発原料とする化合物のことを意味する。特に他
のバインダー樹脂との架橋硬化の際に高い反応性を有す
る観点からは、メチロールメラミン若しくはその誘導体
を採用することが好ましく、特にモノメチロールメラミ
ンからヘキサメチロールメラミンまであるメチロールメ
ラミンの中ではヘキサメチロールメラミンを採用するこ
とが好ましい。更にこのメチロールメラミンの誘導体と
しては、メチロールメラミンをアルキル化したアルコキ
シメチルメラミンが挙げられ、特に末端のアルキル基が
メチル基であるメトキシメチルメラミン若しくはブチル
基であるブトキシメチルメラミンを採用することが好ま
しく、中でもヘキサメトキシメチルメラミンを採用する
ことにより他のバインダー樹脂との反応性を極めて向上
させることができるので好ましい。
【0018】このように他のバインダー樹脂との反応性
の高いメラミン系化合物を採用することで、下引き層自
体の耐溶剤性や基材表面との接着性などの性能をより向
上させ、表面処理層としての各種の必要性能の耐久性を
より向上させることができるようになる。
【0019】更に、メラミン系化合物の硬化温度を低く
して、硬化速度を上昇させる作用として、下引き層に硬
化触媒を含有させることが望ましい。そのような硬化触
媒としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸、
シュウ酸、マレイン酸、ヘキサミン酸、ジメチル酸、ピ
ロリン酸、フタル酸、アクリル酸等が挙げられ、特にp
−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、
ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジ
スルホン酸等のスルホン酸が好ましく用いられる。
【0020】また、本発明の下引き層は、本発明の効果
を奏するものであれば、他の性能として例えば、光透過
性、光反射性、光拡散性、防眩性、耐擦傷性、柔軟性、
導電性、帯電防止性、紫外線吸収性等の性能を有するも
のであっても良い。
【0021】従って本発明の下引き層の厚みとしては、
本発明の効果を奏する限り特に限定されるものではない
ため、0.01μm〜1mm程度の範囲において適宜に
採用することができる。特に基材表面に従来公知のコー
ティング方法によって形成する場合には、0.1〜50
μm程度の厚みが好適に採用される。
【0022】次に本発明のシリコーン系樹脂層は、下引
き層上に積層されるものであって、シランカップリング
剤を添加した付加反応型シリコーン組成物を硬化させて
なるものからなる。
【0023】ここで付加反応型シリコーン組成物とは、
反応主成分としてのジオルガノポリシロキサンに架橋剤
として作用する成分を加え、必要に応じて溶剤等により
希釈した組成物であって、下引き層上に塗布して加熱乾
燥硬化させて積層することによって、シリコーン系樹脂
層を形成するものである。
【0024】ここで付加反応型シリコーン組成物の反応
主成分となるジオルガノポリシロキサンとしては、ケイ
素原子に直結したビニル基若しくは高級アルケニル基が
ケイ素原子に直結したものが好適であり、メチルビニル
・ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル・メチルビ
ニル・ジメチルポリシロキサン等のビニル基含有ジオル
ガノポリシロキサンや、メチルブテニル・ジメチルポリ
シロキサン、メチルオクテニル・ジメチルポリシロキサ
ン、メチルへキセニル・ジメチルポリシロキサン等の炭
素数4〜8程度の高級アルケニル基を有するジオルガノ
ポリシロキサンが挙げられる。尚、基材が特に耐熱性に
乏しいものである場合においては、より低温で架橋硬化
しても下引き層とシリコーン系樹脂層との接着性を十分
なものにできるものとして、メチルへキセニル・ジメチ
ルポリシロキサンが特に好適に採用される。
【0025】次に付加反応型シリコーン組成物中に含ま
れる架橋剤として作用する成分としては、少なくとも1
分子中に3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。このケ
イ素原子に結合する水素原子以外の有機基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基等のアルキル基、ベンジル基、フェネチ
ル基等のアラルキル基のような脂肪族飽和結合を有しな
い一価炭化水素基が挙げられる。そして、このオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンは、反応主成分であるジ
オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.5〜
30重量部の範囲が好適である。0.5重量部以上にす
ることにより、付加反応型シリコーン組成物の硬化を十
分にすることができ、30重量部以下にすることによ
り、シリコーン系樹脂層の経時的な劣化を抑制すること
ができるようになる。
【0026】また、シリコーン系樹脂層を構成する付加
反応型シリコーン組成物には、組成物の保存安定性を向
上するためにアルキルアルコール、エンイン化合物等の
付加反応制御剤等を加えることが有効である。また、付
加反応型シリコーン組成物の架橋硬化を促進するために
は、塩化白金酸等の白金化合物からなる白金触媒をこれ
ら組成物に加えることが極めて有効である。
【0027】以上のような付加反応型シリコーン組成物
としては、市販品で言えば、例えば東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン社製LTC750A、LTC760A、
信越化学工業社製KS847H、KS3703等を用い
ることができ、白金触媒としては例えば東レ・ダウコー
ニング・シリコーン社製SRS212、信越化学工業社
製CAT−PL−50T等を用いることができる。
【0028】そして、本発明で下引き層とシリコーン系
樹脂層との接着向上作用をもたらすためには、この付加
反応型シリコーン組成物に添加するシランカップリング
剤として分子中にエポキシ基を有するアルコキシシラン
加水分解物が含まれていることを必要とする。
【0029】即ち、付加反応型シリコーン組成物には、
少なくとも分子中にエポキシ基を有するアルコキシシラ
ン加水分解物を含んでいればよいが、好ましくは付加反
応型シリコーン組成物の固形分100重量部に対して1
重量部以上添加していることが望ましい。ここでこの分
子中にエポキシ基を有するアルコキシシラン加水分解物
としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルメチルジメトキシシラン等が挙げられ、特にγ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましく採
用される。
【0030】ここで何故、この分子中にエポキシ基を有
するアルコキシシラン加水分解物を付加反応型シリコー
ン組成物に添加することで、この付加反応型シリコーン
組成物を硬化させてなるシリコーン系樹脂層とメラミン
系化合物を含有してなる下引き層との接着性が向上する
のかは明らかではない。しかし、何らかの作用によって
付加反応型シリコーン組成物が付加反応することによっ
て形成されるシリコーンポリマー中に当該アルコキシシ
ラン加水分解物が取りこまれ、それと前後して当該アル
コキシシラン加水分解物中のエポキシ基が開環すること
でヒドロキシル基が形成され、このヒドロキシル基が下
引き層中のメラミン系化合物と反応することで化学的に
結合して、両層を強固に接着させているものと考えられ
る。よってこのように両層が強固に接着することによ
り、表面処理層の離型性、防汚性、易滑性等の各種の必
要性能の耐久性に極めて優れるものになると考えられ
る。
【0031】また、この付加反応型シリコーン組成物に
は、例えばγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−
クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジ
シラザン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセ
トキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジク
ロロシラン、トリメチルクロロシラン等の、他のシラン
カップリング剤を併用することも適宜行い得る。
【0032】ここでシリコーン系樹脂層の厚みとして
は、適用される状況によって一概には言えないが、その
シリコーン系樹脂層の離型性、防汚性、易滑性等の各種
の必要性能を害さず、且つ下引き層に付与されている性
能を害さない程度の厚みであることが好ましい。特に従
来公知のコーティング方法によって形成する場合には、
0.05〜5.0μm、望ましくは0.1〜2.0μm
程度の厚みが好適に採用される。
【0033】以上に説明してきたように、本発明の表面
処理層は、メラミン系化合物を含有してなる下引き層上
に、少なくとも分子中にエポキシ基を有するアルコキシ
シラン加水分解物を含むシランカップリング剤を添加し
た付加反応型シリコーン組成物を硬化させてなるシリコ
ーン系樹脂層を積層することにより、該下引き層と該シ
リコーン系樹脂層との接着性が極めて向上し、表面処理
層としての離型性、防汚性、易滑性等の各種の必要性能
の耐久性が極めて優れたものになる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
尚、「部」「%」は特記しない限り重量基準である。ま
た、以下の実施例においては、本発明の表面処理層の利
用例として、フィルム表面に本発明の表面処理層を設け
ることにより、防汚性を備えた表面保護フィルムについ
ての例を示す。
【0035】[実施例1]厚み100μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラーT-60:東レ社)の
一方の表面に下記組成の下引き層用塗工液aとシリコー
ン系樹脂層用塗工液bを、反対面に下記組成の粘着層用
塗工液をそれぞれ順次塗布し、加熱乾燥硬化させること
により、約0.5μmの下引き層、約0.5μmのシリ
コーン系樹脂層、約10μmの粘着層を形成して、一方
の表面に本発明の表面処理層を形成した表面保護フィル
ムを作製した。この際に粘着層の表面には取り扱い性を
考慮して厚み25μmの離型フィルム(MRB:三菱化
学ポリエステルフィルム社)を貼り合わせた。また、こ
の際シリコーン系樹脂層の硬化温度は100℃、1分で
行った。尚、下記下引き層用塗工液aに使用しているア
クリルポリオール樹脂のモノマー共重合比は、メタクリ
ル酸メチル83部、アクリル酸エチル8部、メタクリル
酸2−ヒドロキシエチル8部、メタクリル酸1部のもの
である。また、下記シリコーン系樹脂層用塗工液bに使
用している付加反応型シリコーン組成物中のジオルガノ
ポリシロキサンの主成分はメチルヘキセニル・ジメチル
ポリシロキサンである。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】[実施例2]実施例1のシリコーン系樹脂
層用塗工液bを、下記組成のシリコーン系樹脂層用塗工
液cに変更し、シリコーン系樹脂層の硬化温度を130
℃、1分で行った以外は実施例1と同様にして表面保護
フィルムを作製した。尚、下記シリコーン系樹脂層用塗
工液cに使用している付加反応型シリコーン組成物中の
ジオルガノポリシロキサンの主成分はメチルビニル・ジ
メチルポリシロキサンである。
【0040】
【0041】[比較例1]実施例1の下引き層用塗工液
aを、下記組成の下引き層用塗工液dに変更した以外は
実施例1と同様にして表面保護フィルムを作製した。
尚、下引き層用塗工液dに使用しているアクリルポリオ
ール樹脂は実施例1で使用しているアクリルポリオール
樹脂と同じものである。
【0042】<下引き層用塗工液d> ・アクリルポリオール樹脂 5部 ・メチルエチルケトン 95部
【0043】[比較例2]実施例1のシリコーン系樹脂
層用塗工液bを、下記組成のシリコーン系樹脂層用塗工
液eに変更した以外は実施例1と同様にして表面保護フ
ィルムを作製した。
【0044】
【0045】[比較例3]実施例1のシリコーン系樹脂
層用塗工液bを、下記組成のシリコーン系樹脂層用塗工
液fに変更し、シリコーン系樹脂層の硬化温度を130
℃、1分で行ったた以外は実施例1と同様にして表面保
護フィルムを作製した。
【0046】
【0047】以上のようにして実施例及び比較例で得ら
れた表面保護フィルムから離型フィルムを剥離して露出
した粘着層を用いて、印刷物の表面に表面保護フィルム
を貼着した。
【0048】そして、この印刷物の表面に貼着した表面
保護フィルムの表面処理層について、その防汚性の耐久
性を確認するため、以下のように評価を行った。評価結
果を表1に示す。
【0049】[防汚性の耐久性の評価]評価の方法は、
表面処理層の表面に油性マーカーで文字を筆記しようと
した際に、文字が掠れて筆記できない(○)か、掠れず
に筆記できてしまう(×)かで評価した。尚、この評価
は、溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル)
を染み込ませたティッシュペーパーにおいて、それぞれ
10回、50回、200回、拭き取り操作を行った後に
ついても行った。
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果からも明らかなように、実施例
1及び2の表面処理層は、溶剤を染み込ませたティッシ
ュペーパーで200回拭き取り操作を行った後において
も、油性マーカーで文字を筆記しようとした場合に文字
が掠れて筆記できないものであり、極めてその防汚性の
耐久性に優れるものであった。
【0052】一方、比較例1の表面処理層は、下引き層
にメラミン系化合物を含有していないために、溶剤を染
み込ませたティッシュペーパーで少なくとも10回拭き
取り操作を行った後においては、油性マーカーで文字を
筆記しようとした場合に文字が掠れずに筆記できてしま
うものであり、防汚性の耐久性に劣るものであった。
【0053】また、比較例2の表面処理層は、シリコー
ン系樹脂層にシランカップリング剤を添加していないた
めに、溶剤を染み込ませたティッシュペーパーで少なく
とも10回拭き取り操作を行った後においては、油性マ
ーカーで文字を筆記しようとした場合に文字が掠れずに
筆記できてしまうものであり、防汚性の耐久性に劣るも
のであった。
【0054】また、比較例3の表面処理層は、シリコー
ン系樹脂層に添加したシランカップリング剤として分子
中にエポキシ基を有するアルコキシシラン加水分解物を
含まないために、溶剤を染み込ませたティッシュペーパ
ーで少なくとも10回拭き取り操作を行った後において
は、油性マーカーで文字を筆記しようとした場合に文字
が掠れずに筆記できてしまうものであり、防汚性の耐久
性に劣るものであった。
【0055】
【発明の効果】本発明の表面処理層によれば、メラミン
系化合物を含有してなる下引き層上に、少なくとも分子
中にエポキシ基を有するアルコキシシラン加水分解物を
含むシランカップリング剤を添加した付加反応型シリコ
ーン組成物を硬化させてなるシリコーン系樹脂層を積層
することにより、該下引き層と該シリコーン系樹脂層と
の接着性が極めて向上し、表面処理層としての離型性、
防汚性、易滑性等の各種の必要性能における耐久性が極
めて優れたものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大沼 輝雄 埼玉県さいたま市鈴谷4丁目6番35号 株 式会社きもと技術開発センター内 Fターム(参考) 4F100 AH03C AH03H AK25 AK35B AK42 AK52C AT00A EC18 EC182 EH46 EH462 JK15 JL06 JL14 JM02B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材表面に形成される表面処理層であっ
    て、前記表面処理層が下引き層とシリコーン系樹脂層と
    の積層体からなり、前記下引き層がメラミン系化合物を
    含有してなるものであり、前記シリコーン系樹脂層がシ
    ランカップリング剤を添加した付加反応型シリコーン組
    成物を硬化させてなるものであって、前記シランカップ
    リング剤として分子中にエポキシ基を有するアルコキシ
    シラン加水分解物が含まれていることを特徴とする表面
    処理層。
  2. 【請求項2】前記アルコキシシラン加水分解物がγ−グ
    リシドキシプロピルトリメトキシシランであることを特
    徴とする請求項1記載の表面処理層。
  3. 【請求項3】前記メラミン系化合物が、ヘキサメトキシ
    メチルメラミンであることを特徴とする請求項1記載の
    表面処理層。
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