JP2003094467A - フィルムの製造装置 - Google Patents

フィルムの製造装置

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JP2003094467A
JP2003094467A JP2001295613A JP2001295613A JP2003094467A JP 2003094467 A JP2003094467 A JP 2003094467A JP 2001295613 A JP2001295613 A JP 2001295613A JP 2001295613 A JP2001295613 A JP 2001295613A JP 2003094467 A JP2003094467 A JP 2003094467A
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film
web
drive roll
manufacturing apparatus
peripheral wall
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JP2001295613A
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Kazuyuki Shimizu
和之 清水
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェブまたはフィルムにシワが発生すること
を防止しうるとともに、原料樹脂を溶かしている溶媒中
の溶剤を有効に回収することができるフィルムの製造装
置を提供する。 【解決手段】 回転駆動されかつウェブWまたはフィル
ムを搬送するドライブロール8とを備えているととも
に、ウェブWまたはフィルムがドライブロール8に接触
しその回転力によってウェブWまたはフィルムが搬送さ
れるようになされており、かつ溶液流延製膜法に用いら
れるフィルムの製造装置である。残留溶媒量が40質量
%以下のウェブWに接触してウェブWを搬送するドライ
ブロール8を中空状とする。減圧手段によりドライブロ
ール8の内部を減圧することによってウェブWをドライ
ブロール8の外周面に吸着させ、これによりドライブロ
ール8の回転力をウェブWに伝達する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば液晶画
像表示装置の偏光板保護膜や光学補償用フィルム等に用
いられる光学用のセルロースエステルフィルムを製造す
るのに適用されるフィルムの製造方法および装置に関す
る。
【0002】この明細書において、流延されたドープが
支持体上で乾燥され、支持体から剥離しうるドープ膜の
状態となって以後、最終的に乾燥されてフィルムになる
までの間のものを「ウェブ」と称するものとする。
【0003】
【従来の技術】液晶画像表示装置は、低電圧かつ低消費
電力でIC回路への直結が可能であり、しかも薄型化が
可能であるから、ワードプロセッサやパーソナルコンピ
ュータ等の表示装置として広く使用されている。ところ
で、この液晶画像表示装置の基本的な構成は、液晶セル
の両側に偏光板を設けたものである。偏光板は、一定方
向の偏波面の光だけを通すので、液晶画像表示装置にお
いては、偏光板は、電界による配向の変化を可視化させ
るさせる重要な役割を担っており、偏光板の性能によっ
て液晶画像表示装置の性能が大きく左右される。
【0004】偏光板の一般的な構成は、たとえばアルカ
リ鹸化して一軸延伸されかつヨウ素染色されたポリビニ
ルアルコールフィルムからなる偏光膜の片面または両面
に、セルローストリアセテートフィルムやセルロースア
セテートプロピオネートフィルム等のセルロースエステ
ルフィルムからなる保護膜が、ポリビニルアルコールの
ような粘着剤を介して貼り合わせられたものである。
【0005】このようなセルロースエステルフィルム
は、一般にセルロースエステルのドープを支持体上に流
延するドープ流延手段、ドープ流延手段により支持体上
に形成されたウェブを支持体から剥離する剥離手段、剥
離したウェブを乾燥させる乾燥手段、およびウェブを乾
燥させることにより得られたフィルムを巻き取る巻取手
段の少なくとも4つの手段を備えた装置を用いて、溶液
流延製膜法により製造されている。溶液流延製膜法は、
ドープ流延手段によりセルロースエステルのドープを支
持体上に流延するドープ流延工程、ドープ流延工程にお
いて支持体上に形成されたウェブを剥離手段により支持
体から剥離する剥離工程、支持体から剥離したウェブを
乾燥手段により乾燥させてフィルムを得る乾燥工程、お
よび得られたフィルムを巻取手段に巻き取る巻取工程の
少なくとも4つの工程を含んでいる。
【0006】このような溶液流延製膜法においては、モ
ータ等により回転駆動されるドライブロールにウェブま
たはフィルムを接触させることにより、ドライブロール
の回転力をウェブまたはフィルムに伝え、これによって
ウェブまたはフィルムが複数の搬送用フリーロールを経
由して搬送されるようになされている。
【0007】従来、ウェブまたはフィルムをドライブロ
ールに接触させてその回転力をウェブまたはフィルムに
伝える手段としては、図3に示すように、ドライブロー
ル(10)の前流側および後流側に、軸線がドライブロール
の軸線と同方向を向くように配され、かつウェブ(W)ま
たはフィルム(F)をその全幅にわたってドライブロール
(10)とともに挟むニップロール(11)が用いられていた。
また、図示は省略したが、ニップロールに代えて、ドラ
イブロールの前流側および後流側に、軸線がドライブロ
ールの軸線と同方向を向くように配され、かつウェブま
たはフィルムの幅方向の両側縁部をドライブロールとと
もに挟むニップローラが用いられていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のニップロール(11)やニップローラによりドライ
ブロール(10)の回転力をウェブ(W)またはフィルム(F)に
伝える場合、次のような問題が生じることが判明した。
すなわち、ドライブロール(10)は、剥離手段と巻取手段
との間の適当な場所に1つ以上配されるが、特にウェブ
(W)またはフィルム(F)中の残留溶媒量が40質量%以下
となる部分に配されているドライブロール(10)の場合、
上述したニップロール(11)やニップローラによりウェブ
またはフィルムをドライブロール(10)に押し付けると、
何らかの外乱でウェブ(W)またはフィルム(F)に蛇行が発
生した場合や、ウェブ(W)またはフィルム(F)に作用する
張力が変動した場合や、ウェブ(W)またはフィルム(F)の
膜厚の幅方向の変動が大きい場合などにシワが発生する
おそれがある。特に、80μm以下の薄いウェブ(W)ま
たはフィルム(F)の場合にシワが発生しやすい。
【0009】また、従来のフィルムの製造装置では、残
留溶媒量が40%以下となったウェブまたはフィルムか
らは、セルロースエステルを溶かしている溶媒中の溶剤
を効率良く回収することができないという問題がある。
【0010】この発明の目的は、上記問題を解決し、ウ
ェブまたはフィルムにシワが発生することを防止しうる
とともに、原料樹脂を溶かしている溶媒中の溶剤を有効
に回収することができるフィルムの製造装置を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によるフ
ィルムの製造装置は、原料樹脂のドープを支持体上に流
延するドープ流延手段、ドープ流延手段により支持体上
に形成されたウェブを支持体から剥離する剥離手段、剥
離したウェブを乾燥させる乾燥手段、およびウェブを乾
燥させることにより得られたフィルムを巻き取る巻取手
段の少なくとも4つの手段と、回転駆動されかつウェブ
またはフィルムを搬送するドライブロールとを備えてい
るとともに、ウェブまたはフィルムがドライブロールに
接触しその回転力によってウェブまたはフィルムが搬送
されるようになされているフィルムの製造装置であっ
て、残留溶媒量が40質量%以下のウェブまたはフィル
ムに接触してウェブまたはフィルムを搬送するドライブ
ロールが中空状となされ、減圧手段によりその内部を減
圧することによってウェブまたはフィルムをドライブロ
ールの外周面に吸着させ、これによりドライブロールの
回転力をウェブまたはフィルムに伝達するようになされ
ているものである。
【0012】請求項1の発明における残留溶媒量は、次
の式で表される。
【0013】 残留溶媒量(質量%)={(X−Y)/Y}×100 ここで、Xはウェブまたはフィルムの任意の時点での質
量、YはXのウェブまたはフィルムを110℃で3時間
乾燥させたさいの質量である。この明細書において、残
留溶媒量とは、上記式で表されるものを意味する。
【0014】請求項2の発明によるフィルムの製造装置
は、請求項1の発明において、ドライブロールの周壁に
おける長手方向の少なくとも一部分に全周にわたって複
数の吸引口が形成されており、ドライブロールの周壁に
おける吸引口が形成された部分の外周面が金網からなる
カバーで被覆されているものである。ドライブロールの
周壁における吸引口が形成された部分の外周面が金網か
らなるカバーで被覆されていると、吸引口にウェブまた
はフィルムが吸引されることに起因してウェブまたはフ
ィルムに吸引口の痕跡がつくことが防止される。
【0015】請求項3の発明によるフィルムの製造装置
は、請求項2の発明において、金網の網目の大きさが
0.5〜50mmとなされているものである。
【0016】請求項3の発明において、金網の網目の大
きさが0.5〜50mmとされているのは、0.5m
未満では抵抗が大きすぎるために吸引力が低下し、
50mmを越えるとウェブまたはフィルムに吸引口の
痕跡がつく懸念があるからである。
【0017】請求項4の発明によるフィルムの製造装置
は、請求項1の発明において、ドライブロールの周壁に
おける長手方向の少なくとも一部分に全周にわたって複
数の吸引口が形成されており、ドライブロールの周壁に
おける吸引口が形成された部分の外周面が多孔板からな
るカバーで被覆されているものである。ドライブロール
の周面における吸引口が形成された部分の外周面が多孔
板からなるカバーで被覆されていると、吸引口にウェブ
またはフィルムが吸引されることに起因してウェブまた
はフィルムに吸引口の痕跡がつくことが防止される。多
孔板としては、たとえば電気かみそりの外刃状のものが
用いられる。
【0018】請求項5の発明によるフィルムの製造装置
は、請求項4の発明において、多孔板の貫通孔の大きさ
が0.5〜50mmとされているものである。
【0019】請求項5の発明において、多孔板の貫通孔
の大きさが0.5〜50mmとされているのは、0.
5mm未満では抵抗が大きすぎるために吸引力が低下
し、50mmを越えるとウェブまたはフィルムに吸引
口の痕跡がつく懸念があるからである。
【0020】請求項6の発明によるフィルムの製造装置
は、請求項2〜5のうちのいずれかの発明において、ド
ライブロールの周壁における吸引口が形成された部分の
ウェブまたはフィルムの幅手方向の長さの割合が、ウェ
ブまたはフィルムの全幅に対して0.1〜1とされてい
るものである。
【0021】請求項6の発明において、ドライブロール
の周壁における吸引口が形成された部分のウェブまたは
フィルムの幅手方向の長さの割合が、ウェブまたはフィ
ルムの全幅に対して0.1〜1とされているのは、0.
1未満では吸引力が低すぎて滑りが発生する懸念がある
とともに、吸引口が形成されていない箇所でウェブまた
はフィルムの浮きによるシワやツレが発生する懸念があ
るからである。なお、吸引口が形成されている部分は、
ドライブロールのウェブまたはフィルムの幅手方向に複
数に分割されていてもよい。
【0022】請求項7の発明によるフィルムの製造装置
は、請求項2〜6のうちのいずれかの発明において、ド
ライブロールの周壁の吸引口が円形、だ円形、または五
角形以上の多角形とされるとともに、その大きさが1〜
100mmとされているものである。ドライブロール
の周壁の吸引口が円形、だ円形、または五角形以上の多
角形であると、ウェブまたはフィルムに均等に吸引力が
作用する。
【0023】請求項7の発明において、ドライブロール
周壁の吸引口の大きさが1〜100mmとされている
のは、1mm未満では抵抗が大きすぎるため吸引力が
低下し、100mmを越えると吸引力の均一な分散が
できず、ウェブまたはフィルムの部分的な浮きが生じ、
その結果シワ、ツレが発生する懸念があるからである。
【0024】請求項8の発明によるフィルムの製造装置
は、請求項2〜7のうちのいずれかの発明において、ド
ライブロールの周壁における吸引口が、30mm×30
mmの範囲あたり1つ以上形成されているものである。
【0025】請求項8の発明において、ドライブロール
の周壁における吸引口が、30mm×30mmあたり1
つ以上形成されているのは、30mm×30mmあたり
1つ未満では吸引力の均一な分散ができず、ウェブまた
はフィルムの部分的な浮きが生じ、その結果シワ、ツレ
が発生する懸念があるからである。
【0026】請求項9の発明によるフィルムの製造装置
は、請求項1〜9のうちのいずれかの発明において、ド
ライブロールの外径が65〜450mmとされているも
のである。
【0027】請求項9の発明において、ドライブロール
の外径が65〜450mmとされているのは、65mm
未満ではドライブロールとウェブまたはフィルムとの接
触面積が小さいために必要な保持力が得られなくなって
滑りが発生し、450mmを越えるとドライブロールの
回転負荷が大きくなって大容量のモータが必要になるか
らである。
【0028】請求項10の発明によるフィルムの製造方
法は、請求項1〜9のうちにいずれかに記載の装置によ
りフィルムを製造するものである。
【0029】請求項11の発明によるフィルムは、請求
項1〜9のうちにいずれかに記載の装置を用いて製造さ
れたフィルムである。
【0030】請求項12の発明によるフィルムは、請求
項11の発明において、膜厚が20〜200μmである
ものである。
【0031】請求項13の発明によるフィルムは、請求
項11または12の発明において、セルロースエステル
からなるものである。
【0032】請求項14の発明による偏光板は、請求項
13記載のフィルムからなる保護膜を有するものであ
る。
【0033】
【発明の実施形態】以下、この発明の実施形態を、図面
を参照して説明する。なお、この実施形態は、この発明
による装置を、セルローストリアセテートやセルロース
アセテートプロピオネート等からなるセルロースエステ
ルフィルムを製造するのに適用したものである。
【0034】図1はこの発明によるフィルムの製造装置
の1例の全体構成を示し、図2はドライブロールを示
す。
【0035】図1において、フィルムの製造装置は、鏡
面処理を施された表面を有する金属製エンドレスベルト
からなる支持体(1)と、セルロースエステルのドープを
支持体(1)上に流延するドープ流延ダイ(2)と、支持体
(1)上に流延されたドープが乾燥することにより形成さ
れたウェブ(W)を支持体(1)から剥離する剥離ロール(3)
と、支持体(1)から剥離したウェブ(W)を乾燥させる第1
の乾燥装置(4)と、乾燥されたウェブ(W)の幅方向両側縁
部を把持して、ウェブ(W)幅を一定に保持、またはウェ
ブ(W)を幅方向に延伸するテンター装置(5)と、幅規制の
行われたウェブ(W)をさらに乾燥させてフィルム(F)を得
る第2の乾燥装置(6)と、得られたフィルム(F)を巻き取
るフィルム巻取装置(7)とを備えており、テンター装置
(5)と第2乾燥装置(6)との間に、図示しないモータ等に
より回転駆動されかつウェブ(W)に搬送のための駆動力
を付与するドライブロール(8)が配されている。テンタ
ー装置(5)から送り出されたウェブ(W)の残留溶媒量は4
0質量%以下である。
【0036】支持体(1)としては、金属製エンドレスベ
ルトからなるものに代えて、外周面に鏡面処理が施され
た金属製回転ドラムからなるものが用いられてもよい。
2つの乾燥装置(4)(6)は同様な構成であり、それぞれ熱
風吹き込み口(41)(61)および同排出口(42)(62)を有する
ハウジング(40)(60)内に、複数の搬送用フリーロール(4
3)(63)が千鳥配置状に設けられたものである。両乾燥装
置(4)(6)においては、ウェブ(W)はハウジング(40)(60)
内の全ての搬送用フリーロール(43)(63)に掛けられて搬
送され、その搬送中に、熱風吹き込み口(41)(61)から吹
き込まれる乾燥熱風により乾燥させられる。フィルム巻
取装置(7)は、ハウジング(70)内に設けられた複数の搬
送用フリーロール(71)および1つの巻取ロール(72)を備
えている。そして、第2乾燥装置(6)から送られてきた
フィルム(F)は、ハウジング(70)内を全ての搬送用フリ
ーロール(71)に掛けられて搬送され、巻取ロール(72)に
巻き取られる。テンター装置(5)と第2乾燥装置(6)との
間において、ドライブロール(8)の前流側および後流側
にそれぞれ搬送用フリーロール(9)が配されている。全
ての搬送用フリーロール(43)(63)(71)(9)は、それぞれ
ウェブ(W)またはフィルム(F)の走行に伴って受動的に回
転させられる。
【0037】図2に示すように、ドライブロール(8)
は、中空円筒状の金属製周壁(80)とその両端開口を閉鎖
する金属製蓋(81)とからなる。周壁(80)における長手方
向の少なくとも一部分に、複数の吸引口(82)、好ましく
は円形、だ円形、または五角形以上の多角形の吸引口(8
2)が全周にわたって貫通状に形成されている。吸引口(8
2)が形成されているのは、ウェブ(W)が接触する部分で
あり、吸引口形成部(83)のウェブ(W)の幅手方向の長さ
の割合は、ウェブ(W)の全幅に対して0.1〜1となさ
れていることが好ましい。また、吸引口(82)の大きさ
は、1〜100mmであることが好ましい。さらに、
吸引口(82)の分布状態は、ドライブロール(8)の周壁(8
0)の30mm×30mmの範囲あたり1つ以上形成され
ていることが好ましい。
【0038】ドライブロール(8)の周壁(80)における吸
引口形成部(83)の外周面、図示の例では周壁(80)全体の
外周面は、多孔板または金網からなるカバー(84)により
被覆されている。カバー(84)に用いられる多孔板は、た
とえば電気かみそりの外刃状のものであり、隣接する貫
通孔どうしの間の部分は全て同一円筒面内にある。この
ような多孔板の貫通孔の大きさは0.5〜50mm
あることが好ましい。カバー(84)に用いられる金網を構
成する線材の直径は、ウェブ(W)に金網の痕跡がつくこ
とを防止するために1mm以下であることが好ましい。
このような金網の網目の大きさは0.5〜50mm
あることが好ましい。
【0039】ドライブロール(8)の周壁(80)の両端開口
を閉鎖する蓋(81)にはそれぞれモータ等により回転駆動
される駆動軸(85)が固定されている。少なくともいずれ
か一方の蓋(81)に固定された駆動軸(85)にはその全長に
わたってドライブロール(8)の内部に通じた吸引路(86)
が形成されており、図示しない真空ポンプにより吸引路
(86)を通してドライブロール(8)内が減圧されるように
なっている。真空ポンプにより吸引された空気は、図示
しない溶剤回収装置に送られ、ここでセルロースエステ
ルを溶かしている溶媒中の溶剤が回収される。
【0040】図1においては、テンター装置(5)と第2
乾燥装置(6)との間だけにドライブロール(8)が配されて
いるが、これに代えて、あるいはこれに加えてウェブ
(W)またはフィルム(F)を搬送する1または2以上のドラ
イブロールが適切な任意の位置に配される。この場合、
残留溶媒量が40質量%以下のウェブ(W)またはフィル
ム(F)に接触して搬送のための駆動力を付与するドライ
ブロールは、図2に示すものと同一の構成とされる。な
お、残留溶媒量が40質量%を越えるウェブと接触して
搬送のための駆動力を付与するドライブロールとして
は、図2に示す構成のものでは柔らかいウェブ(W)に吸
引の痕跡が残るので、たとえば図3に示す構成のものを
用いるのがよい。
【0041】上記構成の装置を用いてのセルロースエス
テルフィルム(F)の製造方法は次の通りである。
【0042】まず、セルロースエステルのドープを流延
ダイ(2)から支持体(1)上に流延し、これを乾燥させて支
持体(1)上にウェブ(W)を形成する。ついで、支持体(1)
上に形成されたウェブ(W)を剥離ロール(3)により支持体
(1)から剥離し、剥離したウェブ(W)を第1乾燥装置(4)
のハウジング(40)内に送る。第1乾燥装置(4)では、ウ
ェブ(W)を複数の搬送用フリーロール(43)に掛けてハウ
ジング(40)内で搬送し、この搬送中に、熱風吹き込み口
(41)から吹き込まれる乾燥熱風により乾燥させる。つい
で、このウェブ(W)をテンター装置(5)に送り、ここでウ
ェブ(W)の幅方向両側縁部を把持して、ウェブ(W)の幅を
一定に保持、またはウェブ(W)を幅方向に延伸するとと
もに、加熱乾燥させる。テンター装置(5)を通過したウ
ェブ(W)の残留溶媒量は40質量%以下となる。
【0043】ついで、幅規制の行われたウェブ(W)を第
2乾燥装置(6)のハウジング(60)内に送り、ウェブ(W)を
複数の搬送用フリーロール(63)に掛けてハウジング(60)
内で搬送し、この搬送中に、熱風吹き込み口(61)から吹
き込まれる乾燥熱風により乾燥させてフィルム(F)を得
る。ついで、このフィルム(F)をフィルム巻取装置(7)に
送り、複数の搬送用フリーロール(71)に掛けて搬送した
後、巻取ロール(72)に巻き取る。こうして、セルロース
エステルフィルム(F)が製造される。
【0044】上述したようなセルロースエステルフィル
ム(F)の製造工程において、ウェブ(W)およびフィルム
(F)の搬送は、ドライブロール(8)によって行われる。す
なわち、真空ポンプにより駆動軸(85)の吸引路(86)を通
してドライブロール(8)内を減圧することにより、残留
溶媒量が40質量%以下のウェブ(W)を、周壁(80)の吸
引口(82)と、カバー(84)を構成する多孔板の貫通孔もし
くは金網の網目とを通して吸引することによりカバー(8
4)の外周面に吸着させる。すると、ドライブロール(8)
の回転力がウェブ(W)に伝えられてウェブ(W)に駆動力が
付与され、その結果ウェブ(W)およびフィルム(F)が搬送
される。また、真空ポンプにより吸引された空気から、
溶媒中の溶剤が回収される。
【0045】以下、この発明の具体的実施例について、
比較例とともに説明する。
【0046】実施例1〜3および比較例 セルローストリアセテート100重量部、メチレンクロ
ライド350重量部、エタノール12重量部、トリフェ
ニルホスフェート12重量部、チヌビン326(チバス
ペシャルティケミカルズ社製)0.5重量部、アエロジ
ル200V(日本アエロジル社製)0.1重量部により
ドープを調製し、図1に示す装置により、製膜速度20
m/分、搬送張力100〜120N/mとして、膜厚4
0μmのセルローストリアセテートフィルム(F)を連続
的に製造した。
【0047】ドライブロール(8)に接触するウェブ(W)中
の残留溶媒量、使用したドライブロール(8)のカバー(8
4)の種類、カバー(84)を形成する多孔板の貫通孔の大き
さ、カバー(84)を形成する金網の網目の大きさ、ドライ
ブロール(8)の周壁(80)の吸引口(82)の形状、同じく吸
引口(82)の大きさ、同じく吸引口形成部(83)のウェブ
(W)の全幅に対する長さの割合、同じく吸引口(82)の分
布状態、およびドライブロール(8)の外径を表1に示
す。
【0048】
【表1】
【0049】そして、製造されたフィルム(F)を観察す
るとともに、真空ポンプに吸引された空気からの溶剤回
収率を調べた。その結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2中のフィルム(F)状態の欄における◎
印はシワ、ツレが全く発生していないことを示し、○印
はシワは発生していないが弱いツレが発生していること
を示し、△印はシワは発生していないが比較的強いツレ
が発生していることを示し、×印はシワが発生している
ことを示す。
【0052】
【発明の効果】請求項1〜9の発明のフィルムの製造装
置よれば、従来の装置のようにニップロールやニップロ
ーラを用いないので、これらを用いることに起因するシ
ワの発生を防止することができる。また、ドライブロー
ル内に吸引した空気から原料樹脂を溶かす溶媒中の溶剤
を回収することができるので、残留溶媒量が40%以下
のウェブまたはフィルムからも溶剤を回収することがで
き、溶剤回収効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるフィルムの製造装置の全体構成
を示す概略図である。
【図2】ドライブロールを示す一部切り欠き斜視図であ
る。
【図3】従来のドライブロールおよびこれにウェブまた
はフィルムを押し付けるニップロールを示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
(1):支持体 (2):ドープ流延ダイ (3):剥離ロール (4)(6):乾燥装置 (7):フィルム巻取装置 (8):ドライブロール (80):周壁 (82):吸引口 (83):吸引口形成部 (84):カバー (F):フィルム (W):ウェブ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料樹脂のドープを支持体上に流延する
    ドープ流延手段、ドープ流延手段により支持体上に形成
    されたウェブを支持体から剥離する剥離手段、剥離した
    ウェブを乾燥させる乾燥手段、およびウェブを乾燥させ
    ることにより得られたフィルムを巻き取る巻取手段の少
    なくとも4つの手段と、回転駆動されかつウェブまたは
    フィルムを搬送するドライブロールとを備えているとと
    もに、ウェブまたはフィルムがドライブロールに接触し
    その回転力によってウェブまたはフィルムが搬送される
    ようになされているフィルムの製造装置であって、 残留溶媒量が40質量%以下のウェブまたはフィルムに
    接触してウェブまたはフィルムを搬送するドライブロー
    ルが中空状となされ、減圧手段によりその内部を減圧す
    ることによってウェブまたはフィルムをドライブロール
    の外周面に吸着させ、これによりドライブロールの回転
    力をウェブまたはフィルムに伝達するようになされてい
    るフィルムの製造装置。
  2. 【請求項2】 ドライブロールの周壁における長手方向
    の少なくとも一部分に全周にわたって複数の吸引口が形
    成されており、ドライブロールの周壁における吸引口が
    形成された部分の外周面が金網からなるカバーで被覆さ
    れている請求項1記載のフィルムの製造装置。
  3. 【請求項3】 金網の網目の大きさが0.5〜50mm
    となされている請求項2記載のフィルムの製造装置。
  4. 【請求項4】 ドライブロールの周壁における長手方向
    の少なくとも一部分に全周にわたって複数の吸引口が形
    成されており、ドライブロールの周壁における吸引口が
    形成された部分の外周面が多孔板からなるカバーで被覆
    されている請求項1記載のフィルムの製造装置。
  5. 【請求項5】 多孔板の貫通孔の大きさが0.5〜50
    mmとされている請求項4記載のフィルムの製造装
    置。
  6. 【請求項6】 ドライブロールの周壁における吸引口が
    形成された部分のウェブまたはフィルムの幅手方向の長
    さの割合が、ウェブまたはフィルムの全幅に対して0.
    1〜1とされている請求項2〜5のうちのいずれかに記
    載のフィルムの製造装置。
  7. 【請求項7】 ドライブロールの周壁の吸引口が円形、
    だ円形、または五角形以上の多角形とされるとともに、
    その大きさが1〜100mmとされている請求項2〜
    6のうちのいずれかに記載のフィルムの製造装置。
  8. 【請求項8】 ドライブロールの周壁における吸引口
    が、30mm×30mmの範囲あたり1つ以上形成され
    ている請求項2〜7のうちのいずれかに記載のフィルム
    の製造装置。
  9. 【請求項9】 ドライブロールの外径が65〜450m
    mとされている請求項1〜8のうちのいずれかに記載の
    フィルムの製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のうちのいずれかに記載
    の装置を用いてフィルムを製造するフィルムの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のうちのいずれかに記載
    の装置を用いて製造されたフィルム。
  12. 【請求項12】 膜厚が20〜200μmである請求項
    11記載のフィルム。
  13. 【請求項13】 セルロースエステルからなる請求項1
    1または12記載のフィルム。
  14. 【請求項14】 請求項13記載のフィルムからなる保
    護膜を有する偏光板。
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