JP2003094190A - 回転部材の接合方法 - Google Patents

回転部材の接合方法

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JP2003094190A
JP2003094190A JP2001287699A JP2001287699A JP2003094190A JP 2003094190 A JP2003094190 A JP 2003094190A JP 2001287699 A JP2001287699 A JP 2001287699A JP 2001287699 A JP2001287699 A JP 2001287699A JP 2003094190 A JP2003094190 A JP 2003094190A
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JP2001287699A
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Masato Gomyo
五明  正人
Arihiro Yonezawa
有博 米沢
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Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転体6と回転軸2との嵌合境界部Fを、容
易かつ高精度にレーザー溶接することを可能とする。 【解決手段】 回転体6と回転軸2との嵌合境界部Fに
おける略等距離の間隔を隔てた複数箇所を、略同一パワ
ーのレーザービームL1,L2で同時に溶接するように
して、各溶接部位における変形作用を互いに相殺し、回
転軸2が一方向に傾いてしまうような偏った変形を良好
に防止するようにしたものであって、複数のレーザービ
ームL1,L2として、単一の光源からの出射光を光学
系により分岐させた一対のビームを用いて、各溶接箇所
におけるレーザービームL1,L2のパワーを同一化
し、しかもそのレーザービームL1,L2どうしの位置
関係を一定に維持するようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転体と回転軸と
を溶接により接合して一体的な回転部材に成形するよう
にした回転部材の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、回転軸に回転体を固定した各種装
置において、装置全体の小型化が要請されている一方
で、上記回転体と回転軸とを溶接により強固かつ高精度
に接合することが要求されている。例えば、高密度化さ
れた磁気ディスクや光ディスクなどの各種情報記録媒体
ディスクにおいては、小型の駆動装置によって高精度な
回転駆動を行わせる必要が生じている。そのようなディ
スク駆動装置の一例として、図11に示されている動圧
軸受装置を用いたハードディスク駆動装置(HDD)の
構造を説明すると、まず、固定部材としての軸受スリー
ブ(軸受部材)1内に、回転軸(軸部材)2が回転自在
に挿入されており、それら軸受スリーブ1の内周面と回
転軸2の外周面との間の微小隙間内に、オイルや磁性流
体などの潤滑流体が注入されていることによって、軸方
向に離して2箇所のラジアル軸受部RB,RBが構成さ
れている。さらに、上記回転軸2に対して、圧入や焼き
バメなどの固定手段により接合されたスラストプレート
3の軸方向両側の各端面と、上記軸受スリーブ1及びそ
の軸受スリーブ1に取り付けられたカウンタープレート
4との間においても、上述したラジアル軸受部RBから
連続して潤滑流体が注入されていて、上記スラストプレ
ート3の軸方向両側に上下2箇所のスラスト軸受部SB
a,SBbが形成されている。
【0003】一方、前記回転軸2の図示上方側の部分に
は、情報記録媒体ディスク(磁気ディスク)5を保持す
るための回転ハブ(回転体)6が固定されている。すな
わち上記回転ハブ6の中心部分には嵌合孔6aが貫通形
成されており、その嵌合孔6aが、上記回転軸2に対し
て焼きバメなどによる圧入状態で嵌挿されることによっ
て、上記両部材2,6どうしの接合が行われている。
【0004】そして、上記回転ハブ6の外周面に形成さ
れたディスク挿通面6bには、情報記録媒体ディスク
(磁気ディスク)5が軸方向に挿入されて半径方向に位
置決めされるとともに、上記ディスク挿通面6bの図示
下端縁部から半径方向外方に向かってフランジ状に突出
するように設けられたディスク載置面6c上に、上記情
報記録媒体ディスク5の内周下面部分が載置されること
によって、当該記録媒体ディスク5が軸方向に位置決め
されてセットされるようになっている。このようにし
て、上記回転ハブ6のディスク載置面6c上にセットさ
れた情報記録媒体ディスク5は、前記回転軸2の図示上
端部分に螺着されたネジ部材7により固定されたクラン
パ8の軸方向押圧力によって保持されるようになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、各種回転駆
動装置では、上述したように近年の軽・薄・短小化の要
請から、特にノート型パソコンやモバイル情報端末機器
に搭載されるものにおいて急速に薄型化が行われている
ことから、上述した回転ハブ(回転体)6と、回転軸2
とを接合する際において、軸方向の接合長さを十分に確
保できなくなっている。その結果、上述した回転ハブ6
のディスク搭載面6cにおける固定フレームに対する平
行度が、要求された規定の範囲内に収まらなくなって、
回転駆動時に回転ハブ6が軸方向の振動を生じ易くな
り、上記ディスク載置面6cの振れ量(RPO)が増大
する傾向になっている。また、上記ディスク搭載面6c
の平行度が低下してくると、ディスク駆動装置の歩留ま
りなどを低下させることとなってしまい、ディスク駆動
装置の生産性又は信頼性を阻害する要因にもなりかねな
い。
【0006】このような事情から、図12に示されてい
るように、上記回転ハブ(回転体)6の嵌合孔6aに対
して回転軸2を嵌挿した後に、それら両部材6,2の嵌
合境界部Fの表面側から、YAGレーザ装置などから射
出されるレーザービームLを照射して溶接を行うことが
提案されている。このようなレーザービームLによる溶
接は、図13に示されているように、環状の嵌合境界部
Fにおける適宜の開始点に対して照射した上記レーザー
ビームLのスポットLSを、上記嵌合境界部Fに沿って
周方向に順次移動させながら行うものであって、図14
に示されているように、上記嵌合境界部Fの全周にわた
ってレーザー溶接を行うことにより、上記両部材6,2
どうしが、溶融された一体的な回転部材に接合されるこ
ととなって十分な接合強度が得られる。
【0007】しかしながら、このようなレーザー溶接を
行った場合には、レーザービームを照射した部位が、一
旦、熱膨張した後に放熱により冷却収縮していくことと
なり、その際に、回転ハブ6に変形を生じるという問題
がある。すなわち、接合すべき回転軸2と回転ハブ6と
を、予め高精度に加工しておき、それら両部材2,6
を、図15に示されているように高精度に圧入すれば、
その時点では、上述したディスク載置面6cの振れ量
(RPO)を規定範囲内に収めることができるが、その
後に、上述したレーザービームLによる溶接を行うと、
冷却収縮時の変形によって、図16に示されているよう
に回転軸2に倒れを生じることとなり、回転ハブ6の振
れ量が拡大されてしまう。このような回転軸2の倒れ
は、上述したクランパ8(図11参照)の締め付けを行
った際には更に大きくなり、記録再生用のヘッドが、良
好に浮上しなくなったり、トラックずれによるエラーレ
ートが増加するなどの問題を招来するおそれがある。こ
のような振れ量の拡大は、他の回転体と軸との接合にお
いても同様に生じる。
【0008】以上のような実状に鑑みて、本発明は、回
転体と回転軸とを、容易かつ高精度にレーザー溶接する
ことができるようにした回転部材の接合方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1にかかる回転部材の接合方法は、回転体と回
転軸との嵌合境界部に対する溶接を、当該嵌合境界部の
環状延在方向に沿って略等距離の間隔を隔てた複数箇所
に対して略同一のパワーを有するレーザービームを同時
に照射して行う方法であって、上記複数箇所のレーザー
ビームの照射スポットを、前記嵌合境界部の環状延在方
向に沿って移動させながら当該嵌合境界部の溶接を行う
ことにより、前記回転体と回転軸とを接合するようにし
ている。このような構成を有する請求項1にかかる回転
部材の接合方法によれば、略等距離の間隔を隔てた複数
箇所を略同一パワーのレーザービームで同時に溶接する
ようにしていることから、各溶接部位における変形作用
が互いに相殺し合うこととなって、回転軸が一方向に傾
いてしまうような偏った変形が良好に防止されるように
なっている。
【0010】また、請求項2にかかる回転部材の接合方
法では、レーザービームとして、単一の光源から出射さ
れたレーザー光を光学系により分岐させた複数のビーム
を用いるようにしていることから、各溶接箇所における
レーザービームのパワーがほぼ完全に同一化されること
となり、しかもレーザービームどうしの位置関係が、一
定に維持されることとなって、容易かつ高精度にレーザ
ー溶接が実行されるようになっている。
【0011】さらに、請求項3にかかる回転部材の接合
方法では、光学系に、複数の集光レンズを組み合わせて
一体化したレンズを含むように構成したことから、小さ
いスペース内で複数のレーザービームが発生可能とな
り、小型の装置に対しても複数のレーザービームを近接
させつつ照射可能となって、レーザー溶接が良好に行わ
れるようになっている。
【0012】さらにまた、請求項4にかかる回転部材の
接合方法は、嵌合境界部における前記回転体と回転軸と
の少なくとも一方側に、これら両部材どうしの嵌通を安
定化させる面取部を設けて行う方法であって、レーザー
ビームを前記嵌合境界部に対する照射スポットの径を、
上記嵌合境界部における面取部の全幅よりも大きく設定
して溶接を行うようにしていることから、面取部の溶接
に対して必要とされる大きなパワーのレーザービームを
照射した場合に、各溶接箇所において大きな変形を生じ
ようとしても、略等距離の間隔を隔てた複数箇所を略同
一パワーのレーザービームで同時に溶接することから、
回転軸が一方向に傾いてしまうような偏った変形が良好
に防止されるようになっている。
【0013】一方、請求項5にかかる回転部材の接合方
法では、嵌合境界部を平面略円環形状に形成し、当該略
円環形状の嵌合境界部に沿った周方向に、前記複数のレ
ーザービームを回動させながら当該レーザービームの照
射を行うようにしていることから、溶接時における変形
がほぼ完全に相殺し合うこととなり、極めて良好なレー
ザー溶接が可能となる。
【0014】また、請求項6にかかる回転部材の接合方
法では、回転体が、各種情報記録媒体ディスクを装着す
る回転ハブからなることから、特に高精度な回転振れ量
(RPO)を要求される各種情報記録媒体ディスクに対
して、良好なレーザー溶接が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、前述した図11にかかるハ
ードディスク駆動装置(HDD)の回転ハブ6に対し
て、本発明を適用した場合における実施の形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0016】すなわち、まず図1に示されているよう
に、前述した回転軸2の先端部分(図示上端部分)に対
して、回転体としての回転ハブ6の中心部分に貫通形成
された嵌合孔6aを嵌挿して固定する。これら両部材
2,6どうしの嵌挿を行うにあたっては、焼き嵌め(温
嵌め)による圧入が行われるが、上記回転軸2の先端部
分(図示上端部分)、及び回転ハブ6の嵌合孔6aの両
端開口縁部分には、軸方向(図示上下方向)に対して略
45°をなす傾斜面からなるテーパ状面取部2a,6d
がそれぞれ形成されており、これらのテーパ状面取部2
a,6dの案内作用によって、上述した圧入作業が円滑
に行われるようになっている。
【0017】このようにして、上記回転軸2と回転ハブ
6との圧入・嵌挿を行った後には、それらの回転軸2
と、回転ハブ6の嵌合孔6aとの嵌合境界部Fの表面側
を、図2及び図3に示されているような一対のレーザー
ビームL1,L2を用いてレーザー溶接し、それによっ
て上記両部材2,6どうしを一体的な回転部材に接合す
る。このとき、上記一対のレーザービームL1,L2
は、上記回転軸2と回転ハブ6との嵌合境界部Fの円環
形状において互いに対向し合うように対角状に配置され
ており、それら略等距離の間隔を隔てた一対のレーザー
ビームL1,L2を、略同一のパワーで同時に照射する
ようにしている。そして、特に図3の矢印で示されてい
るように、上記一対のレーザービームL1,L2の照射
スポットを、前記嵌合境界部Fの環状の延在方向である
周方向に沿って移動させながらレーザー溶接を順次行っ
ていき、図4に示されているように、上記嵌合境界部F
の全周にわたってレーザー溶接を完了することによっ
て、前記回転ハブ6と回転軸2とを強固に接合するよう
にしている。
【0018】このとき、上述した一対のレーザービーム
L1,L2は、図示を省略した単一の光源からの出射光
を光学系L0により分岐させたものであり、本実施形態
における前記光学系としては、例えば、特公昭54−3
9334号に記載されたような一対の集光レンズを組み
合わせて一体化したレンズを含むものが用いられてお
り、これによって、同一パワーのレーザービームL1,
L2が安定した対角位置に精度良く照射されるようにな
っている。
【0019】また、これら一対のレーザービームL1,
L2の各々が、前記嵌合境界部Fに対して照射されたと
きに形成されるスポット径Dは、その嵌合境界部Fにお
ける前記回転ハブ6及び回転軸2の各テーパ状面取部2
a,6dの幅寸法の合計(全幅)dよりも大きくなるよ
うに設定されており、上記テーパ状面取部2a,6dに
対して必要とされる大きなパワーのレーザー光が十分に
照射されるようになっている。
【0020】このような構成を有する本実施形態におい
ては、略等距離の間隔を隔てた2箇所を略同一パワーの
レーザービームL1,L2で同時に溶接するようにして
いることから、各溶接部位における変形作用が互いに相
殺し合うこととなって、回転軸が一方向に傾いてしまう
ような偏った変形が良好に防止されるようになってい
る。特に本実施形態では、一対のレーザービームL1,
L2として、単一の光源からの出射光を光学系により分
岐させた一対のビームを用いるようにしていることか
ら、各溶接箇所におけるレーザービームL1,L2のパ
ワーがほぼ完全に同一化され、しかもそのレーザービー
ムL1,L2どうしの位置関係が一定に維持されること
となって、容易かつ高精度にレーザー溶接が実行される
ようになっている。
【0021】このような良好なレーザー溶接作用は、図
5及び図6に示されているように、三箇所のレーザービ
ームL1,L2,L3を周方向に等角で配置した場合
(三角打ち)においても、ほぼ同様な良好な結果が得ら
れる。
【0022】例えば、溶接による回転軸の倒れ込み量を
測定してみると、図7に示されているように、従来の一
箇所のレーザービームで全周を連続的に溶接した場合
(一周連続)に生じる回転振れ量(PRO)は、上述し
た実施形態における一対のレーザービームL1,L2で
行った場合(対角打ち)には、数十分の一程度にまで低
減されることが判明した。また、三箇所のレーザービー
ムL1,L2,L3を用いた場合(三角打ち)において
も、ほぼ同様な良好な結果が得られた。
【0023】なお、図8に示されているように、従来の
一箇所のレーザービームで全周を連続的に溶接した場合
(一周連続)には、溶接開始位置(0°)から、ある特
定の角度方向に向かって回転軸が倒れ込む傾向が生じて
いるが、上述した実施形態等のような本発明による場合
には、そのような特定の傾向がなくなって、偏りが分散
されることが判明した。
【0024】さらに、ディスク固定用のクランパ8を締
め付けた後における回転軸2の倒れ込み量を測定してみ
ても、図9に示されているように、従来の一箇所のレー
ザービームで全周を連続的に溶接した場合(一周連続)
に対して、本実施形態における一対のレーザービームL
1,L2で行った場合(対角打ち)、及び三箇所のレー
ザービームL1,L2,L3を周方向に等角で配置した
場合(三角打ち)には、それぞれの場合において生じる
回転振れ量(PRO)が良好に低減されていることが判
明した。さらに、図10に示されているように、ディス
ク固定用のクランパ8を締め付けた後における回転軸2
の倒れ込みの方向も、従来の一箇所のレーザービームで
全周を連続的に溶接した場合(一周連続)には、溶接の
開始位置(0°)から、ある特定の角度方向に向かって
回転軸2が倒れ込む傾向が生じているが、上述した実施
形態等の本発明による場合には、そのような特定の傾向
がなくなって、偏りが分散されることが判明した。
【0025】一方、上述した実施形態では、レーザービ
ームL1,L2に関する光学系L0を、2つの集光レン
ズL01,L02を組み合わせて一体としたレンズを含
むように構成していることから、小さいスペース内にお
いて2つのレーザービームL1,L2が発生可能となっ
ており、小型の装置に対しても2つのレーザービームL
1,L2を近接させつつ照射可能となって、レーザー溶
接が良好に行われるようになっている。
【0026】さらに上述した実施形態では、上記レーザ
ービームL1,L2の各スポット径Dが、回転ハブ6及
び回転軸2の各テーパ状面取部2a,6dの全幅dより
も大きくなるように設定されていることにより、上記テ
ーパ状面取部2a,6dに対して必要とされる大きなパ
ワーのレーザー光が十分に照射されるようになってい
る。つまり、テーパ状面取部2a,6dを設けた場合に
は、レーザー効率の関係から、上述した実施形態のよう
な大きなパワーのレーザー光を照射する必要があるが、
その結果として、大きな変形を生じる傾向になった場合
であっても、本発明によれば、略等距離の間隔を隔てた
2つの位置を略同一パワーのレーザービームL1,L2
で同時に溶接していることから、回転軸2が一方向に傾
いてしまうような偏った変形が良好に防止されることと
なる。
【0027】加えて、上述した実施形態では、回転ハブ
6と回転軸2との嵌合境界部Fを略円環状に形成し、前
記2つのレーザービームL1,L2を、円環状の嵌合境
界部Fの中心点から略等距離を維持しながら当該嵌合境
界部Fに沿った周方向に回動させつつ照射を行うように
していることから、溶接による変形がほぼ完全に相殺し
合うこととなって、極めて良好なレーザー溶接が可能と
なる。
【0028】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を異体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
程々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0029】例えば、上述した実施形態では、レーザー
ビームを2箇所又は3箇所において照射しているが、4
箇所以上の複数箇所でレーザービームを照射するように
構成することも可能である。
【0030】また、前述した回転ハブ6及び回転軸2に
対して設けたテーパ状面取部2a,6dは、それらのい
ずれか一方のみを設けるようにすることもでき、そのと
きの面取の形状としては、上述した実施形態におけるよ
うなテーパ形状に限られることはなく、R形状等の多種
多様な形状も同様に採用することが可能である。
【0031】さらに、本発明は、回転軸2とスラストプ
レート3との接合に対しても同様に適用することができ
る。また、上述した実施形態のようなHDD用モータ以
外における回転軸と回転体との接合方法に対しても同様
に適用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように請求項1にかかる回転
部材の接合方法は、回転体と回転軸との嵌合境界部にお
ける略等距離の間隔を隔てた複数箇所を、略同一パワー
のレーザービームで同時に溶接することによって、各溶
接部位における変形作用を互いに相殺させ、回転軸が一
方向に傾いてしまうような偏った変形を良好に防止する
ようにしたものであるから、回転体と回転軸とを容易か
つ高精度にレーザー溶接して接合することができ、各種
回転駆動装置を小型しつつ高精度化を図ることができ
る。
【0033】また、請求項2にかかる回転部材の接合方
法は、レーザービームとして、単一の光源から出射され
たレーザー光を光学系により分岐させた複数のビームを
用いることによって、各溶接箇所におけるレーザービー
ムのパワーをほぼ完全に同一化し、しかもレーザービー
ムどうしの位置関係を一定に維持可能としたものである
から、容易かつ高精度にレーザー溶接を実行することが
でき、上述した効果を確実に得ることができる。
【0034】さらに、請求項3にかかる回転部材の接合
方法は、光学系に、複数の集光レンズを組み合わせて一
体化したレンズを含むように構成し、小さいスペース内
で複数のレーザービームを発生可能として、小型の装置
に対しても複数のレーザービームを近接させつつ照射可
能としたものであるから、上述した効果に加えて、レー
ザー溶接を微細部分に対してもに行わせることができ
る。
【0035】さらにまた、請求項4にかかる回転部材の
接合方法は、嵌合境界部における前記回転体と回転軸と
の少なくとも一方側に面取部を設け、レーザービームの
スポット径を嵌合境界部における面取部の全幅よりも大
きく設定して溶接を行うことしたものであって、面取部
の溶接に対して必要とされる大きなパワーのレーザービ
ームを照射した場合に大きな変形を生じようとしても、
略等距離の間隔を隔てた複数箇所を略同一パワーのレー
ザービームで同時に溶接することによって、回転軸が一
方向に傾いてしまうような偏った変形を良好に防止する
ようにしたものであるから、上述した効果に加えて、面
取部を設けることによって圧入等の嵌合作業を容易化し
つつ、レーザー溶接を良好に行わせることができる。
【0036】一方、請求項5にかかる回転部材の接合方
法は、嵌合境界部を平面略円環形状に形成し、当該略円
環形状の嵌合境界部に沿った周方向に、前記複数のレー
ザービームを回動させながら当該レーザービームの照射
を行うようにして、溶接時における変形をほぼ完全に相
殺させ、極めて良好なレーザー溶接を可能としたもので
あるから、上述した効果を更に向上させることができ
る。
【0037】また、請求項6にかかる回転部材の接合方
法は、回転体が、各種情報記録媒体ディスクを装着する
回転ハブであることから、特に高精度な回転振れ量(R
PO)を要求される各種情報記録媒体ディスクに対して
良好なレーザー溶接を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転軸と回転ハブとを圧入により嵌挿した直後
の状態を表した縦断面説明図である。
【図2】図1に表した回転軸と回転ハブとの嵌合境界部
を、本発明の一実施形態にかかるレーザー溶接によって
接合する状態を表した縦断面説明図である。
【図3】図2のレーザー溶接を開始した状態を表した平
面説明図である。
【図4】図3におけるレーザー溶接を完了した状態を表
した平面説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態にかかるレーザー溶接を
開始した状態を表した平面説明図である。
【図6】図5におけるレーザー溶接を完了した状態を表
した平面説明図である。
【図7】レーザー溶接毎の回転振れ量(PRO)を測定
した結果を表した線図である。
【図8】レーザー溶接毎の回転軸の倒れ込み量を測定し
た結果を表した線図である。
【図9】レーザー溶接毎のネジ締めによる回転振れ量
(PRO)を測定した結果を表した線図である。
【図10】レーザー溶接毎のネジ締めによる回転軸の倒
れ込み量を測定した結果を表した線図である。
【図11】本発明を適用する回転体を有する装置の一例
としての軸回転型の動圧軸受装置を備えたハードディス
ク駆動装置(HDD)の全体構造例を表した縦断面説明
図である。
【図12】図11に示されたハードディスク駆動装置
(HDD)における回転軸と回転ハブとを、従来の方法
によりレーザー溶接する状態を表した縦断面説明図であ
る。
【図13】図12に示された従来の方法によるレーザー
溶接を開始した状態を表した平面説明図である。
【図14】図12における従来の方法によるレーザー溶
接を完了した状態を表した平面説明図である。
【図15】図12における回転軸と回転ハブとを圧入に
より嵌挿した直後の状態を表した縦断面説明図である。
【図16】従来の方法によるレーザー溶接によって接合
を行った場合の変形状態を表した縦断面説明図である。
【符号の説明】
2 回転軸 6 回転ハブ 6a 嵌合孔 F 嵌合境界部 2a,6d テーパ状面取部 L1,L2,L3 レーザービーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G11B 19/20 G11B 19/20 D G Fターム(参考) 4E068 BE00 CD03 CD14 CE02 DA09 DA14 5D109 BA03 BA14 BA16 BA17 BA40 5H615 AA01 BB01 BB14 PP02 PP24 SS17 5H621 BB07 GA01 GA04 JK08 JK13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体に設けられた嵌合孔内に回転軸を
    嵌挿し、その回転軸を嵌挿した後における上記回転体の
    嵌合孔と回転軸との嵌合境界部の表面側を環状に溶接し
    て、それら両部材を一体的な回転部材として接合するよ
    うにした回転部材の接合方法において、 上記嵌合境界部に対する溶接を、当該嵌合境界部の環状
    延在方向に沿って略等距離の間隔を隔てた複数箇所に対
    して略同一のパワーを有するレーザービームを同時に照
    射することにより行う方法であって、 上記嵌合境界部の複数箇所に対する各レーザービームの
    照射スポットを、前記嵌合境界部の環状延在方向に沿っ
    て移動させながら当該嵌合境界部の溶接を行うことによ
    り、前記回転体と回転軸とを接合するようにしたことを
    特徴とする回転部材の接合方法。
  2. 【請求項2】 前記レーザービームとして、単一の光源
    から出射されたレーザー光を光学系により分岐させた複
    数のビームを用いるようにしたことを特徴とする請求項
    1記載の回転部材の接合方法。
  3. 【請求項3】 前記光学系に、複数の集光レンズを組み
    合わせて一体化したレンズを含むことを特徴とする請求
    項2記載の回転部材の接合方法。
  4. 【請求項4】 前記嵌合境界部における前記回転体と回
    転軸との少なくとも一方側に、これら両部材どうしの嵌
    通を安定化させる面取部を設けて行う方法であって、 前記レーザービームを前記嵌合境界部に対する照射スポ
    ットの径を、上記嵌合境界部における面取部の全幅より
    も大きく設定して溶接を行うようにしたことを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の回転部材の接合方
    法。
  5. 【請求項5】 前記嵌合境界部を平面略円環形状に形成
    し、当該略円環形状の嵌合境界部に沿った周方向に、前
    記複数のレーザービームを回動させながら当該レーザー
    ビームの照射を行うようにしたことを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれかに記載の回転部材の接合方法。
  6. 【請求項6】 前記回転体が、各種情報記録媒体ディス
    クを装着する回転ハブからなることを特徴とする請求項
    1乃至5のいずれかに記載の回転部材の接合方法。
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