JP2003092623A - 音声通信装置とその音声信号処理モジュール - Google Patents

音声通信装置とその音声信号処理モジュール

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JP2003092623A
JP2003092623A JP2001282098A JP2001282098A JP2003092623A JP 2003092623 A JP2003092623 A JP 2003092623A JP 2001282098 A JP2001282098 A JP 2001282098A JP 2001282098 A JP2001282098 A JP 2001282098A JP 2003092623 A JP2003092623 A JP 2003092623A
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Japan
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signal
voice
reception
transmission
delay time
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Application number
JP2001282098A
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Takashi Obara
隆 小原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 音響エコーレベルが大きい場合でも送受話の
状態を正確に判定できるようにし、これにより常に最適
なボイススイッチ制御を行えるようにする。 【解決手段】 ボイススイッチ23cにおいて、先ず通
話開始直後の一定期間に送話信号txと過去の受話信号rx
との相関演算を行うことにより受話音声に対応する音響
エコーの回り込み遅延時間を測定し、この測定された遅
延時間をもとに相関演算対象期間Kを設定する。次に、
以後の通話期間中において、受話信号バッファ232か
ら上記相関演算対象期間Kに含まれる受話信号rxを、1
フレーム分ごとに読み出し位置を1サンプルずつシフト
しながら順次読み出して、送話信号txとの相関値を算出
する。そして、この相関値と、受話信号rxの検出結果rx
-flgとをもとに自端末の送受話状態を判定し、この判定
結果に応じてボイススイッチ制御を行うようにしたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばビジネス
用のディジタル固定電話装置やディジタル自動車電話装
置のようにハンズフリー通話機能を備えた音声通信装置
と、この音声通信装置に設けられる。音声信号処理モジ
ュールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータや通信分野では、デ
ィジタル信号処理技術が多く使用されている。ディジタ
ル信号処理は、アナログ信号処理では困難だった特性定
数の任意変更や適応処理等の複雑な処理を容易に実現す
ることができるため、特に音声処理や画像処理の分野に
おいて汎用的な技術となっている。
【0003】例えば、自動車電話装置等のハンズフリー
通話機能を備えた音声通信装置では、ハンズフリー通話
中においてスピーカから出力された受話音声がマイクロ
ホンに回り込み、この受話音声が通話相手の音声通信装
置へ送られて音響エコーが発生することがある。この受
話音声の回り込みを打ち消して通話品質を保つために、
一般にエコーキャンセラが使用される。エコーキャンセ
ラは、ディジタル信号処理により擬似エコー信号を生成
し、マイクロホンから入力された信号から上記擬似エコ
ー信号を差し引くことによってエコー成分を除去する。
ところが、エコーキャンセラは多くの信号処理量とメモ
リ容量を必要とするため、携帯電話機等の小型の音声通
信装置には不向きである。
【0004】一方、簡易的に音響エコーを抑圧する技術
としてボイススイッチが知られている。図7は、ボイス
スイッチを採用した音声信号処理モジュールの構成の一
例を示すブロック図である。
【0005】同図において、受信された音声データは、
先ず音声復号器(DEC)101により音声復号処理さ
れてディジタル受話信号rxとなる。そして、このディジ
タル受話信号rxは、受話信号減衰器(R−LOSS)1
02を介してD/A変換器103へ出力され、ここでア
ナログ信号に変換されたのち図示しない受話増幅器を介
してスピーカ104に供給されて拡声出力される。
【0006】これに対し、話者の送話音声は、マイクロ
ホン105で送話音声信号に変換されたのち図示しない
送話増幅器を介してA/D変換器106に入力され、こ
こでディジタル送話信号txに変換される。そして、この
ディジタル送話信号txは音声信号処理モジュールの送話
信号減衰器(T−LOSS)107を介して音声符号器
(ENC)108に入力され、ここで音声符号化処理さ
れて圧縮されたのち送信に供される。
【0007】ところで、この音声信号処理モジュールは
ダブルトーク判定部(D−DET)109と、減衰制御
部(L−CONT)110とを備えている。ダブルトー
ク判定部109では、音声復号器101から出力された
ディジタル受話信号rxの信号パワーと、A/D変換器1
06から出力されたディジタル送話信号txの信号パワー
がそれぞれ監視される。そして、この監視結果をもとに
送受話状態の判定、つまり送話又は受話のいずれか一方
が行われている状態であるか、或いは送話と受話が同時
に行われている状態であるかが判別される。
【0008】減衰制御部110は、上記ダブルトーク判
定部109の判定結果に基づいて、上記各信号減衰器1
02,107に対し所定の減衰量(ロス)を設定する。
例えば、ダブルトーク判定部109においてディジタル
受話信号rxの信号パワーのみがあるしきい値を越えてい
ると判定された場合には、受話のみに音声があり送話の
音声がない状態と判断される。そしてこの場合には、減
衰制御部110によりディジタル送話信号txの信号パワ
ーを減少させるべく、送信信号減衰器107に減衰量が
設定される。
【0009】反対に、ダブルトーク判定部109で送話
側のみ音声があると判断された場合には、ディジタル受
話信号rxの信号パワーを減少させるべく受話信号減衰器
102に減衰量が設定される。また、送話も受話も音声
があると判断された場合、つまりダブルトークが検出さ
れた場合には、設定中の減衰量を維持するか、又は各信
号減衰器102,107の両方に減衰量が設定される。
なお、上記ディジタル受話信号rxおよびディジタル送話
信号txの信号パワーは、ピーク値でも代用可能である。
【0010】かくして、音声が存在しない受話信号路又
は送話信号路に減衰量が設定され、これによりスピーカ
104からマイクロホン105ヘの回り込みにより発生
する音響エコー成分を抑圧することが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の音声信号処理モジュールでは以下のような不
具合が発生することがあった。すなわち、スピーカ10
4からマイクロホン105へ回り込む音響エコーのパワ
ーが大きい場合に、このときの受話増幅器及び送話増幅
器の利得によってはディジタル受話信号rxの信号パワー
よりディジタル送話信号txの信号パワーの方が大きくな
り、この結果受話状態であるにもかかわらず、ダブルト
ークと判定されることがある。この場合、本来ならば送
話信号減衰器107のみに減衰量が設定されるにもかか
わらず、設定中の減衰量が維持されるか、又は各信号減
衰器102,107の両方に減衰量が設定される。した
がって、適切なボイススイッチ制御が行われなくなり、
最悪の場合には片方向通話の状態を引き起こされること
があった。
【0012】この発明は上記事情に着目してなされたも
ので、音響エコーレベルによらず送受話状態を正確に判
定できるようにし、これにより常に最適なボイススイッ
チ制御を行えるようにした音声通信装置とその音声信号
処理モジュールを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は、入力手段から出力された送話信号を音声
符号化手段により符号化して送信データを生成すると共
に、入力された受信データを音声復号手段により復号し
て受話信号を再生し出力手段に供給する音声信号処理モ
ジュール、及びこの音声処理モジュールを備えた音声通
信装置にあって、上記音声信号処理モジュールに、上記
出力手段に供給する受話信号のレベルを検出する第1の
検出手段と、上記送話信号と受話信号との相関を検出す
る第2の検出手段とを備え、上記第1の検出手段による
受話信号レベルの検出結果と、上記第2の検出手段によ
る相関の検出結果とに基づいて送受話状態の判定を行
い、この判定結果に基づいて、上記送話信号及び上記受
話信号を選択的に減衰させるようにしたものである。
【0014】したがってこの発明によれば、送受話状態
の判定が送話信号と受話信号との相関値を考慮して行わ
れる。このため、受話信号の信号パワーよりも、当該受
話信号に対応する音響エコーの信号パワーが大きくなっ
た場合でも、この状態をダブルトークとして判定せずに
受話状態と判定することができる。すなわち、受話信号
の音響エコーレベルによらず送受話状態の判定を正確に
行うことができる。したがって、常に適切なボイススイ
ッチ制御を行うことができ、これによりハウリングの発
生を防止すると共に、片方向通話の状態を引き起こす不
具合も回避できる。
【0015】上記第2の検出手段に係わる発明として、
次の第1及び第2の構成が考えられる。第1の構成は、
受話信号を出力手段へ供給した時点から当該受話信号に
対応する音響エコーが入力手段から送話信号として音声
信号処理モジュールに入力されるまでの遅延時間を予め
記憶した記憶手段を設ける。そして、上記送話信号を一
定長ずつに分割し、この分割された各送話信号区間と時
間的に対応する受話信号区間を、上記記憶手段に記憶さ
れた遅延時間をもとにそれぞれ特定し、この特定された
受話信号区間と上記分割された送話信号区間との間で相
関演算を行うものである。
【0016】第2の構成は、受話信号を前記出力手段へ
供給した時点から当該受話信号に対応する音響エコーが
前記入力手段から送話信号として音声信号処理モジュー
ルに入力されるまでの遅延時間を測定する測定手段を設
ける。そして、上記送話信号を一定長ずつに分割し、こ
の分割された各送話信号区間と時間的に対応する受話信
号区間を、上記記憶手段に記憶された遅延時間をもとに
それぞれ特定し、この特定された受話信号区間と上記分
割された送話信号区間との間で相関演算を行うものであ
る。
【0017】第1の構成によれば、送話信号と受話信号
との相関を検出する際に、予め記憶しておいた音響エコ
ーの回り込み遅延時間をもとに、相関演算の対象となる
受話信号の時間区間が特定される。このため、受話信号
をその時間方向に広範囲に渡って走査しながら送話信号
との相関を検出する場合に比べて、相関演算に要する時
間を短縮することができる。
【0018】第2の構成によれば、音響エコーの回り込
み遅延時間が実測されてその測定値をもとに相関演算の
対象となる受話信号の時間範囲が特定される。このた
め、相関演算の対象となる受話信号区間をより一層正確
に特定でき、これにより相関値の検出精度を保持した上
で、相関演算に要する時間をさらに短縮することができ
る。
【0019】上記相関演算の対象となる受話信号の時間
区間を特定する際には、特定範囲の前後にマージンを設
けるとよい。このようにすると、遅延時間に誤差がある
場合や遅延時間が経時変化等を起こす場合でも、送話信
号に含まれる音響エコー成分に対応する受話信号成分を
見逃すことなく、より正確に送受信号間の相関を検出す
ることが可能となる。
【0020】またこの発明は、音声信号処理モジュール
において、上記遅延時間を測定している期間中に音声符
号化手段による符号化処理を停止させる手段を備えるこ
とも特徴とする。このように構成することにより、遅延
時間測定期間中に音響エコーがそのまま符号化されて送
信されないようにすることができ、これによりハウリン
グの発生を防止して通話品質を良好に保持することがで
きる。また、音声信号処理モジュールがDSP(Digita
l Signal Processor)により構成される場合に、DSP
の処理負荷を軽減することができ、これにより処理能力
の低いDSPを採用することが可能となって、モジュー
ルのコストダウンと低消費電力化を図ることができる。
【0021】さらに、音声信号処理モジュールには、上
記音声符号化手段の符号化処理を停止している期間中に
背景雑音の符号化データを生成してこれを送信データと
して送受信部へ出力する機能を持たせるとよい。このよ
うに構成すると、遅延時間を測定している期間中に背景
雑音を送信することができ、これにより相手話者が感じ
る違和感を軽減することができる。
【0022】さらに、上記遅延時間の計測は、通話開始
前の通信リンク接続制御期間に出力手段から出力される
制御トーンを使用して行うとよい。このようにすると、
遅延時間の計測を通話開始前に終了することができ、こ
れにより通話開始当初から演算範囲を特定して相関演算
を開始し得る。また、接続制御期間に出力される発着信
音やダイヤル確認音等の既存の制御トーンを利用して遅
延時間を計測することで、遅延時間の計測のために専用
のトーン信号を生成する必要がない。
【0023】さらに、上記遅延時間は、通話期間中に定
期的又は任意のタイミングで測定し直すように構成して
もよい。このようにすると、例えば携帯電話機やコード
レス電話機を使用している場合のように、通話中に話者
が移動して音響エコーパスの特性が変化したとしても音
響エコーの遅延時間を補正することができ、これにより
送受信号間の相関を通話中を通して正確に検出して最適
なボイススイッチ制御を維持できる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係わる音声信
号処理モジュールを備えた移動通信端末装置の一実施形
態である、マルチメディア携帯端末装置の構成を示すブ
ロック図である。この移動通信端末装置は、無線部1
と、ベースバンド部2と、入出力部3と、電源部4とか
ら構成される。
【0025】同図において、図示しない基地局から無線
チャネルを介して到来した無線周波信号は、アンテナ1
1で受信されたのちアンテナ共用器(DUP)12を介
して受信回路(RX)13に入力される。受信回路13
は、高周波増幅器、周波数変換器及び復調器を備える。
そして、上記無線信号を低雑音増幅器で低雑音増幅した
のち、周波数変換器において周波数シンセサイザ(SY
N)14から発生された受信局部発振信号とミキシング
して受信中間周波信号又は受信ベースバンド信号に周波
数変換し、その出力信号を復調器でディジタル復調す
る。復調方式としては、例えばQPSK方式に対応した
直交復調方式と、拡散符号を使用したスペクトラム逆拡
散方式が用いられる。なお、上記周波数シンセサイザ1
4から発生される受信局部発振信号周波数は、ベースバ
ンド部2に設けられた制御部21から指示される。
【0026】上記復調器から出力された復調信号はベー
スバンド部2に入力される。ベースバンド部2は、制御
部21と、多重分離部22と、音声符号復号部(以後音
声信号処理モジュールと呼称する)23と、マルチメデ
ィア処理部24と、LCD制御部25と、メモリ部26
とを備えている。
【0027】上記復調信号は、制御部21において制御
情報であるかマルチメディア情報であるかが識別され、
マルチメディア情報であれば多重分離部22に供給され
てここで音声データと画像データとに分離される。この
うち音声データは、音声信号処理モジュール23に供給
されてここで音声復号される。そして、この復号処理に
より再生されたディジタル音声信号は、図示しないディ
ジタル/アナログ変換器(以後D/A変換器と称する)
によりアナログ音声信号に変換されたのち、入出力部3
のスピーカ32から拡声出力される。これに対し画像デ
ータは、マルチメディア処理部24に供給されてここで
画像復号処理される。そして、この復号処理により再生
された画像信号は、LCD制御部25を介して入出力部
3のLCD34に供給され表示される。
【0028】なお、制御部21において留守番電話モー
ドが設定されている状態では、上記受信音声データ及び
受信画像データはメモリ部26に格納される。またLC
D34には、電話帳データや送受信履歴データ、制御部
21から出力された自装置の動作状態を表す種々情報、
例えば電話帳や受信電界強度検出値(RSSI)、バッ
テリの残量等も表示される。
【0029】一方、入出力部3のマイクロホン31から
出力されたユーザの送話音声信号は、ベースバンド部2
の音声信号処理モジュール23に入力され、ここで音声
符号化されたのち多重分離部22に入力される。またカ
メラ(CAM)33から出力された画像信号は、ベース
バンド部2のマルチメディア処理部24に入力され、こ
こで画像符号化処理が施されたのち上記多重分離部22
に入力される。多重分離部22では、上記符号化された
音声データと画像データとが所定のフォーマットで多重
化され、この多重化された送信データは制御部21から
無線部1の送信回路(TX)15に入力される。
【0030】送信回路15は、変調器、周波数変換器及
び送信電力増幅器を備える。上記送信データは、変調器
でディジタル変調されたのち、周波数変換器により周波
数シンセサイザ14から発生された送信局部発振信号と
ミキシングされて無線周波信号に周波数変換される。変
調方式としては、QPSK方式及び拡散符号使用するス
ペクトラム拡散方式が用いられる。そして、この生成さ
れた送信無線周波信号は、送信電力増幅器で所定の送信
レベルに増幅されたのち、アンテナ共用器12を介して
アンテナ11に供給され、このアンテナ11から図示し
ない基地局に向け送信される。
【0031】なお、電源部4には、リチウムイオン電池
等のバッテリ41と、このバッテリ41を商用電源出力
(AC100V)をもとに充電するための充電回路42
と、電圧生成回路(PS)43とが設けられている。電
圧生成回路43は、例えばDC/DCコンバータからな
り、バッテリ41の出力電圧をもとに所定の電源電圧V
ccを生成する。
【0032】また入出力部3には、操作時及び通信時に
LCD34及びキー入力部35を照明するための照明器
36が設けられている。この照明器36は、例えばバッ
クライト又はイルミネーションと呼ばれる。
【0033】ところで、上記音声信号処理モジュール2
3は次のように構成される。図2はその構成を示すブロ
ック図である。すなわち、音声信号処理モジュール23
は、音声復号部(DEC)23aと、音声符号化部(E
NC)23bと、ボイススイッチ(V−SW)23c
と、無音データバンク(BANK)23dと、切替スイ
ッチ23eとから構成される。
【0034】音声復号部23aは、多重分離部22から
供給された受信音声データRDを復号しディジタル受話
信号rxを再生する。音声復号部23bは、符号化バッフ
ァ29からディジタル送話信号txを1フレームごとに取
り込み、このディジタル送話信号txを所定の音声符号化
方式に応じて符号化し送信データTDを出力する。な
お、音声符号復号方式としては、有音区間については例
えばAMR(Adaptive Multi Rate)符号化方式が、ま
た無音区間については無音圧縮データを間欠的に送信す
る方式が使用される。この無音符号化方式は、例えば長
時間連続して無音状態となっている場合に、音声符号化
処理の単位時間である1フレームごとに無音圧縮データ
を送信せずに数フレームに1回だけ無音圧縮データを送
信し、他の期間にはデータを送信しないようにする方式
である。
【0035】無音データバンク23dには、背景雑音の
符号化データが記憶されている。この背景雑音の符号化
データは、予め作成された疑似背景雑音データであって
もよいし、通話期間中の無音区間に実際に送信された背
景雑音の符号化データであってもよい。
【0036】切替スイッチ23eは、後述するボイスス
イッチ23cから発生される切替制御信号econtに従い
切替動作するもので、econt=0の時には音声符号化部
23bを選択して符号化送話データを送信データTDと
して出力し、一方符号化econt=1の時には無音データ
バンク23dを選択して符号化された背景雑音データを
送信データTDとして出力する。
【0037】なお、上記切替制御信号econtは上記音声
符号化部23bの動作を制御するためにも使用される。
すなわち、音声符号化部23bはecont=0の時に符号
化動作状態となり、一方econt=1の時には符号化動作
を停止している状態となる。
【0038】ボイススイッチ23cは次のように構成さ
れる。図3はその構成を示すブロック図である。すなわ
ち、ボイススイッチ23cは、ボイススイッチ制御部
(V−CONT)230と、受話信号検出部(rx−D
ET)231と、受話信号バッファ(rx−BUFF)
232と、受話減衰器(LOSS)233とを備えてい
る。
【0039】受話信号検出部231は、音声復号部23
aから出力されるディジタル受話信号rxを予め設定した
しきい値と比較して受話信号rxの有無を判定し、その判
定結果を受話検出信号rx-flgとしてボイススイッチ制御
部230に通知する。
【0040】受話信号バッファ232は、音声復号部2
3aから出力されたディジタル受話信号rxを所定フレー
ム数分に相当する期間に渡って一次記憶する。そして、
ボイススイッチ制御部230の読み出し制御信号bcont
に従い、記憶してある全期間のうち特定期間に相当する
ディジタル受話信号rxを1サンプルずつ読み出してボイ
ススイッチ制御部230に供給する。
【0041】受話減衰器233は受話信号路に設けら
れ、ボイススイッチ制御部230から出力される減衰制
御信号loss-contに従い受話信号路に減衰量を挿入す
る。
【0042】ボイススイッチ制御部230は、音響エコ
ーの遅延時間を計測する機能と、送話信号と受話信号と
の間の相関を検出する機能と、制御信号を生成する機能
とを有する。図4はこれらの機能を実現するための構成
を示すブロック図であり、相関演算部2301と、制御
信号出力部2302とを備えている。
【0043】相関演算部2301は、通信リンク確立後
の通話が開始された直後の一定期間を遅延時間測定期間
とし、先ず遅延時間測定期間において、前記符号化バッ
ファ29から出力されたディジタル送話信号txの1フレ
ームと、上記受話信号バッファ232から読み出された
受話信号rxとの相関値を、受話信号バッファ232に記
憶された全信号期間に渡って算出する。そして、この算
出された相関値中から最大値を検出し、この最大値の検
出タイミングをもとに音響エコーの遅延時間tdを算出し
て制御信号出力部2302に通知する。
【0044】次に、通常の通話期間になると、中前記符
号化バッファ29から出力されたディジタル送話信号tx
の1フレームと、上記受話信号バッファ232から読み
出された受話信号rxとの相関値を特定期間に渡って算出
する。そして、この算出された相関値の最大値corr-max
を制御信号出力部2302に通知する。
【0045】制御信号出力部2302は、先ず遅延時間
測定期間には、前記受話信号バッファ232から記憶中
の受話信号rxをその全記憶期間に渡って読み出すための
読み出し制御信号bcontを受話信号バッファ232に与
える。そして、上記相関演算部2301から通知された
遅延時間をもとに、送話信号フレームとの相関演算の対
象となる受話信号の特定期間を求める。
【0046】一方通常の通話期間には、前記受話信号検
出部231から通知される受話検出信号rx-flgをもと
に、受話信号が入力されている期間であるか入力されて
いない区間であるかを判定する。そして、有音区間であ
れば、前記受話信号バッファ232から記憶されている
受話信号rxの上記特定期間分のみ読み出すための読み出
し制御信号bcontを生成して、受話信号バッファ232
に与える。次に、上記相関演算部3201から出力され
る相関値の最大値corr-maxを予め設定したしきい値と比
較し、その比較結果をもとに上記送信信号フレームと受
話信号rxとの間の相関の有無を判定する。そして、この
相関の有無の判定結果をもとに、切替制御信号econt及
び減衰制御信号loss-contを発生し、これらの制御信号
をそれぞれ前記音声符号化部23b及び切替スイッチ2
3eと、受話減衰器233とに与える。図5は、上記ボ
イススイッチ制御部230による相関判定処理及び各制
御信号の発生処理の内容を一覧表示した図である。
【0047】次に、以上のように構成された音声信号処
理モジュール23におけるボイススイッチ動作を説明す
る。通話が開始されると、先ずその開始直後の一定期
間、つまり遅延時間測定期間において音響エコーの遅延
時間を測定するための処理が行われる。すなわち、受話
信号検出部231において相手話者の最初の音声、例え
ば「もしもし…」が検出され、さらに当該最初の受話音
声の音響エコーがマイクロホン31に入力されてその1
フレーム分の音声信号が符号化バッファ29に蓄積され
たとする。そうすると、ボイススイッチ制御部230で
は、制御信号出力部2302から受話信号バッファ23
2に対し読み出し制御信号bcontが出力され、これによ
り受話信号バッファ232に記憶されている過去の数フ
レーム分の受話信号rxが1フレーム分ごとに読み出し位
置を1サンプルずつシフトしながら順次読み出され、相
関演算部2301に入力される。
【0048】相関演算部2301では、上記受話信号バ
ッファ232から1フレーム分の受話信号txが読み出さ
れるごとに、この受話信号txと上記符号化バッファ29
に蓄積された1フレーム分の送話信号txとの相関が算出
される。そして、上記過去の数フレーム分の受話信号rx
と送話信号txとの相関演算が終了すると、その演算結果
の中から相関値の最大値が検出され、この最大値が検出
された受話信号txの受信タイミングをもとに上記音響エ
コーの遅延時間tdが求められる。
【0049】例えば、受話信号バッファ232に記憶さ
れている最新の受話信号から2フレーム前の位置にある
受話信号と送話信号txとの相関値が最大になったとすれ
ば、遅延時間tdは2フレーム相当の時間として求められ
る。
【0050】また、上記遅延時間測定期間中に制御信号
出力部2302は、切替制御信号econt=1を出力す
る。このため、音声符号化部23bは符号化処理動作を
停止する。したがって、遅延時間測定期間中に音響エコ
ーがそのまま符号化されて送信されないようにすること
ができ、これによりハウリングの発生を防止して通話開
始当初の通話品質を良好に保持することができる。ま
た、音声信号処理モジュール23を構成するDSPの処
理負荷を軽減することができ、これにより処理能力の低
いDSPを採用することが可能となって、モジュールの
コストダウンと低消費電力化を図ることができる。
【0051】さらに、切替制御信号econt=1が出力さ
れることにより、切替回路23eは音声符号化部23b
側から無音データバンク23d側に切り替わり、これに
より無音データバンク23dから読み出された背景雑音
データが送信データTDとして出力される。したがっ
て、通話開始当初の遅延時間測定期間中において、相手
端末へは音響エコーに代わって背景雑音が送られること
になり、このためハウリングの発生を防止した上でさら
に相手話者が感じる違和感を軽減することができる。
【0052】さて、上記遅延時間tdの測定が終了する
と、ボイススイッチ23cでは以後送話信号txと受話信
号rxとの相関を用いたボイススイッチ制御が行われる。
すなわち、ボイススイッチ制御部230は、受話信号検
出部231から通知される受話検出信号rx-flgをもと
に、受話信号が入力されている期間であるか入力されて
いない区間であるかを判定する。そして、有音区間であ
れば、符号化バッファ29から新たな1フレーム分の送
話信号txを取り込むと共に、受話信号バッファ232か
ら蓄積されている過去の受話信号rxを読み込む。
【0053】このとき、上記受話信号rxの読み込み範囲
は、先に計測した遅延時間tdをもとに予め特定される。
例えば、いま図6(a)に示すように符号化バッファ2
9から取り込んだ送話信号txが「フレーム3」だったと
すると、この送話信号txの「フレーム3」のタイミング
から上記遅延時間tdだけ過去に遡った期間Lを選択し、
さらにこの期間Lの前後にマージンMをそれぞれ付して
これを受話信号rxの相関演算対象期間Kとして設定す
る。なお、図中BWは受話信号バッファ232の記憶容
量を示すもので、この例では5フレーム分の受話信号rx
を記憶可能にした場合を示している。
【0054】ボイススイッチ制御部230は、受話信号
バッファ232から上記設定された相関演算対象期間K
に相当する受話信号rxを、1フレーム分ごとに読み出し
位置を1サンプルずつシフトしながら順次読み出し、相
関演算部2301に入力する。図6(a)に示すSstar
tは最初に読み出される1フレーム分の受話信号rxの範
囲を、またSendは最後に読み出される1フレーム分の
受話信号rxの範囲をそれぞれ示す。
【0055】同様に、符号化バッファ29から取り込ん
だ送話信号txが「フレーム4」の場合には、図6(b)
に示すようにこの送話信号txの「フレーム4」のタイミ
ングから上記遅延時間tdだけ過去に遡った期間Lを選択
し、さらにこの期間Lの前後にマージンMをそれぞれ付
してこれを受話信号rxの相関演算対象期間Kとして設定
する。そして、受話信号バッファ232から、上記設定
された相関演算対象期間Kに含まれる受話信号rxを、1
フレーム分ごとに読み出し位置を1サンプルずつシフト
しながら順次読み出し、相関演算部2301に入力す
る。
【0056】さて相関演算部2301では、上記受話信
号バッファ232から1フレーム分の受話信号txが読み
出されるごとに、この受話信号txと上記符号化バッファ
29から取り込んだ1フレーム分の送話信号txとの相関
値がそれぞれ算出される。このときの相関演算式は、相
関列をcorr(i) とすると、次式のように表される。
【0057】
【数1】
【0058】そうして、上記相関演算対象期間Kに相当
する受話信号rxと送話信号txとの相関演算が終了する
と、相関演算部2301ではその演算結果の中から相関
値の最大値corr-maxが検出され、この最大値corr-maxは
制御信号出力部2302に通知される。
【0059】制御信号出力部2302は、前記受話信号
検出部231から通知された受話検出信号rx-flgと、上
記相関演算部2301から通知された相関値の最大値co
rr-maxとをもとに、現在の装置の送受話状態を判定す
る。そして、この判定結果に応じて切替制御信号econt
及び減衰制御信号loss-contを発生し、これによりボイ
ススイッチ制御を行う。
【0060】例えば、受話検出信号rx-flg=1の状態、
つまり受話信号rxが入力されている状態でも、相関値の
最大値corr-maxが予め設定したしきい値以上の場合には
送受話信号間に相関が検出されているので、現在の装置
の状態を「ダブルトーク」と判定せずに「受話状態」と
判定する。そして、この「受話状態」に応じて、図5に
示すように切替制御信号econt=1及び減衰制御信号los
s-cont=0を出力する。このため、受話減衰器233に
は減衰量が設定されず、この結果受話信号rxはそのまま
D/A変換器27でアナログ信号に変換されてスピーカ
32から拡声出力される。
【0061】一方、切替スイッチ23eは無音データバ
ング23dに切り替わり、この結果無音データバンク2
3dから読み出された背景雑音データが送信データTD
として送出される。したがって、上記スピーカ32から
出力された受話音声の音響エコーがマイクロホン31に
回り込んで入力されていても、この音響エコーが送話信
号として送出される不具合は防止され、これによりハウ
リングの発生は防止される。なお、このとき音声符号化
器23bは符号化処理動作を停止し、電力を消費しない
状態に設定される。
【0062】一方、受話検出信号rx-flg=1の状態で、
相関値の最大値corr-maxがしきい値未満だったとする。
この場合には、送受話信号間に相関が検出されていない
ので、現在の装置の状態を「ダブルトーク」と判定す
る。そして、この「ダブルトーク」に応じて、図5に示
すように切替制御信号econt=0及び減衰制御信号loss-
cont=1を出力する。このため、切替スイッチ23eは
音声符号化部23bに切り替わり、この結果音声符号化
部23bにより符号化された近端話者(自端末の話者)
の送話音声信号がそのまま送出される。
【0063】これに対し、受話減衰器233には損失が
設定され、この結果遠端話者(相手端末の話者)から送
られた受話音声は受話減衰器233で減衰されて出力さ
れない。すなわち、ダブルトークの場合には送話優先の
ボイススイッチ制御が行われる。
【0064】また、受話検出信号rx-flg=0のときに
は、受話信号rxが入力されていない状態なので、自端末
が「送話状態」であるか又は自端末及び相手端末とも送
話を行っていないいわゆる「無会話」の状態であると判
定する。そして、この場合には図5に示すように無条件
に切替制御信号econt=0及び減衰制御信号loss-cont=
0を出力する。このため、切替スイッチ23eは音声符
号化部23bに切り替わり、この結果近端話者の送話音
声信号は送出可能となる。また、受話減衰器233には
減衰量が設定されず、受話信号が到来すれば出力できる
状態に保持される。
【0065】以後同様にボイススイッチ23cでは、通
話が終了するまで、受話期間に遅延時間tdをもとに設定
した相関演算対象期間Kに相当する受話信号rxと送話信
号txとの相関演算が行われる。そして、この相関演算の
結果と、受話信号rxの検出結果rx-flgとをもとに自端末
の送受話状態が判定され、この判定結果に応じて図5に
示す論理に従いボイススイッチ制御が行われる。
【0066】以上述べたようにこの実施形態では、ボイ
ススイッチ32cにおいて、先ず通話開始直後の一定期
間に送話信号txと過去の受話信号rxとの相関演算を行う
ことにより受話音声に対応する音響エコーの回り込み遅
延時間tdを測定し、この測定された遅延時間tdをもとに
相関演算対象期間Kを設定する。次に、以後の通話期間
中において、受話信号バッファ232から上記相関演算
対象期間Kに含まれる受話信号rxを、1フレーム分ごと
に読み出し位置を1サンプルずつシフトしながら順次読
み出して、送話信号txとの相関値を算出する。そして、
この相関値と、受話信号rxの検出結果rx-flgとをもとに
自端末の送受話状態を判定し、この判定結果に応じてボ
イススイッチ制御を行っている。
【0067】したがってこの実施形態によれば、受話信
号rxの信号レベルよりも、当該受話信号rxに対応する音
響エコーの信号レベルが大きいか又は同等になった場合
でも、このときの送受話状態をダブルトークとして判定
せずに受話状態と判定することができる。すなわち、受
話信号rxの音響エコーレベルによらず送受話状態の判定
を正確に行うことができる。したがって、常に適切なボ
イススイッチ制御を行うことができ、これによりハウリ
ングの発生を防止すると共に、片方向通話の状態を引き
起こす不具合も回避できる。
【0068】また、事前に音響エコーの回り込み遅延時
間tdを測定し、この遅延時間tdをもとに受話信号rxの相
関演算対象期間Kを特定するようにしている。このた
め、相関演算の対象となる受話信号区間を特定でき、こ
れにより受話信号バッファ232に記憶された受話信号
のすべての期間に渡って送話信号との相関を検出する場
合に比べ、相関演算に要する時間を短縮することができ
る。
【0069】しかもこの実施形態では、遅延時間tdの測
定を通話ごとにその開始直後の一定期間内に限定して行
うようにしているので、通話ごとにその時々の通話環境
に応じた最適な遅延時間tdを通話に悪影響を及ぼすこと
なく測定することができる。このため、相関値の算出延
いてはそれに応じた送受話状態の判定を精度よく行うこ
とができる。
【0070】また、遅延時間測定期間中に制御信号出力
部2302は、切替制御信号econt=1を出力して音声
符号化部23bの符号化処理動作を停止させるようにし
ている。したがって、遅延時間測定期間中に音響エコー
がそのまま符号化されて送信されないようにすることが
でき、これによりハウリングの発生を防止して通話開始
当初の通話品質を良好に保持することができる。また、
音声信号処理モジュール23を構成するDSPの処理負
荷を軽減することができ、これにより処理能力の低いD
SPを採用することが可能となって、モジュールのコス
トダウンと低消費電力化を図ることができる。
【0071】さらに、上記切替制御信号econt=1によ
り切替回路23eを音声符号化部23b側から無音デー
タバンク23d側に切り替え、これにより無音データバ
ンク23dから読み出された背景雑音データを送信デー
タTDとして送出するようにしている。このため、通話
開始当初の遅延時間測定期間中において、相手端末へは
音響エコーに代わって背景雑音が送られることになり、
この結果相手話者が感じる違和感を軽減することができ
る。
【0072】なお、この発明は上記実施形態に限定され
るものではない。例えば、前記実施形態では遅延時間td
の測定を通話開始直後の一定時間内に行うようにした
が、通話リンクが形成される前の通信リンク接続制御期
間中において行ってもよい。この場合には、スピーカ3
2から出力される発着信音やダイヤルトーン、ダイヤル
確認音等の制御トーンを利用して遅延時間を計測するこ
とができる。
【0073】このように構成すると、遅延時間tdの計測
を通話開始前に終了することができ、これにより通話開
始当初から相関演算対象期間Kを特定して相関演算を開
始することができる。また、既存の制御トーンを利用し
て遅延時間tdを測定することにより、遅延時間tdの測定
のために専用のトーン信号又は音声信号を生成する必要
がない。
【0074】また、遅延時間tdの測定は、通話期間中に
定期的に又は話者が希望する任意のタイミングに測定し
直すようにしてもよい。このようにすると、例えば携帯
電話機やコードレス電話機を使用している場合のよう
に、通話中に話者が移動して音響エコーパスの特性が変
化したとしても音響エコーの遅延時間tdを補正すること
ができ、これにより送受信号間の相関値を通話期間中通
して正確に算出し、最適なボイススイッチ制御を維持で
きる。
【0075】さらに、前記実施形態では遅延時間tdを測
定する場合を例にとって説明したが、例えばオフィスや
会議室に固定的に設置された有線電話機では音響エコー
の遅延時間はほとんど変化しない。そこで、電話機の出
荷時或いは使用開始時に、予め測定するか又は算出した
遅延時間tdをボイススイッチ制御部230内のメモリに
記憶しておき、以後この遅延時間tdを用いて相関演算対
象期間Kを設定するようにしてもよい。このように構成
すると、通話ごとに遅延時間tdを測定する必要がなくな
り、その分音声処理モジュール23の処理負担を軽減す
ることができる。
【0076】さらに前記実施形態では、ハンズフリー通
話機能を備えた携帯電話機を例にとって説明したが、自
動車電話装置、コードレス電話機、オフィスや家庭等で
使用される有線電話機等のその他の音声通信装置にもこ
の発明は適用可能である。
【0077】その他、ボイススイッチ制御部230によ
る送受話状態の判定アルゴリズムや制御内容や、遅延時
間測定手段の構成、音声通信装置の種類とその構成等に
ついても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形
して実施できる。
【0078】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明では、音声
信号処理モジュールに、送話信号及び受話信号のレベル
をそれぞれ検出する第1の検出手段と、上記送話信号と
受話信号との相関を検出する第2の検出手段とを備え、
上記第1の検出手段による送話信号レベル及び受話信号
レベルの検出結果と、上記第2の検出手段による相関の
検出結果とに基づいて、送受話状態の判定を行い、この
判定結果に基づいて、上記送話信号及び上記受話信号を
選択的に減衰させるようにしている。
【0079】したがってこの発明によれば、音響エコー
レベルが大きい場合でも送受話の状態を正確に判定する
ことができ、これにより常に最適なボイススイッチ制御
を行うことができる音声通信装置とその音声信号処理モ
ジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係わる音声信号処理モジュールを
備えた音声通信装置の一実施例である携帯端末装置の構
成を示すブロック図。
【図2】 図1に示した音声通信装置の音声信号処理モ
ジュールの構成を示すブロック図。
【図3】 図2に示した音声信号処理モジュールのボイ
ススイッチの構成を示すブロック図。
【図4】 図3に示したボイススイッチのボイススイッ
チ制御部の機能構成を示すブロック図。
【図5】 図4に示したボイススイッチ制御部の制御内
容を示す図。
【図6】 図4に示したボイススイッチ制御部の相関演
算部による相関演算動作を説明するための図。
【図7】 従来のボイススイッチを備えた音声信号処理
モジュールの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…無線部 2…ベースバンド部 3…入出力部 4…電源部 11…アンテナ 12…アンテナ共用器(DPX) 13…受信回路(RX) 14…周波数シンセサイザ(SYN) 15…送信回路(TX) 21…制御部 22…多重分離部 23…音声信号処理モジュール 23a…ボイススイッチ 23b…音声復号部 23c…音声符号化部 23d…無音データバンク 23e…切替部 24…マルチメディア処理部 25…LCD制御部 26…メモリ部 31…マイクロホン 32…スピーカ 33…カメラ 34…液晶表示器(LCD) 35…キー入力部 36…照明器 41…バッテリ 42…充電回路(CHG) 43…電圧生成回路(PS) 230…ボイススイッチ制御部(V−CONT) 231…受話信号検出部(rx−DET) 232…受話信号バッファ(rx−BUFF) 233…減衰器(LOSS) 2301…相関演算部 2302…制御信号出力部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送話音声を検出して当該音声に対応する
    送話信号を出力する入力手段と、 供給された受話信号に対応する受話音声を出力する出力
    手段と、 前記入力手段から出力された送話信号を音声符号化手段
    により符号化して送信データを生成すると共に、入力さ
    れた受信データを音声復号手段により復号して受話信号
    を再生し前記出力手段に供給する音声信号処理モジュー
    ルと、 この音声信号処理モジュールにより生成された送信デー
    タを通話相手装置に向け通信回線へ送信すると共に、当
    該通話相手装置から通信回線を介して到来した受信デー
    タを受信して前記音声信号処理モジュールに入力する送
    受信部とを具備し、 前記音声信号処理モジュールは、 前記受話信号のレベルを検出する第1の検出手段と、 前記送話信号と前記受話信号との相関を検出する第2の
    検出手段と、 前記第1の検出手段による受話信号レベルの検出結果
    と、前記第2の検出手段による相関の検出結果とに基づ
    いて、送受話状態の判定を行う判定手段と、 この判定手段の判定結果に基づいて、前記送話信号及び
    前記受話信号を選択的に減衰させる減衰制御手段とを備
    えたことを特徴とする移動無線通信装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の検出手段は、 前記受話信号を前記出力手段へ供給した時点から当該受
    話信号に対応する音響エコーが前記入力手段から送話信
    号として音声信号処理モジュールに入力されるまでの遅
    延時間を予め記憶した記憶手段と、 前記送話信号を一定長ずつに分割する分割手段と、 この分割された送話信号区間と時間的に対応する受話信
    号区間を、前記記憶手段に記憶された遅延時間をもとに
    特定する特定手段と、 この特定された受話信号区間と前記分割された送話信号
    区間との間で相関演算を行う演算手段とを備えることを
    特徴とする請求項1記載の音声通信装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の検出手段は、 前記受話信号を前記出力手段へ供給した時点から当該受
    話信号に対応する音響エコーが前記入力手段から送話信
    号として音声信号処理モジュールに入力されるまでの遅
    延時間を測定する測定手段と、 前記送話信号を一定長ずつに分割する分割手段と、 この分割された送話信号区間と時間的に対応する受話信
    号区間を、前記測定手段により測定された遅延時間をも
    とに特定する特定手段と、 この特定された受話信号区間と前記分割された送話信号
    区間との間で相関演算を行う演算手段とを備えることを
    特徴とする請求項1記載の音声通信装置。
  4. 【請求項4】 前記特定手段は、分割された送話信号区
    間と時間的に対応する受話信号区間を特定する際に、当
    該受信信号区間の前後にマージンを設けることを特徴と
    する請求項2又は3記載の音声通信装置。
  5. 【請求項5】 前記音声信号処理モジュールは、前記測
    定手段が遅延時間を測定している期間中に前記音声符号
    化手段による符号化処理を停止させる手段をさらに備え
    ることを特徴とする請求項3記載の音声通信装置。
  6. 【請求項6】 前記符号化処理を停止させる手段は、前
    記音声符号化手段による符号化処理を停止している期間
    中に、背景雑音の符号化データを送信データとして送受
    信部へ出力する機能をさらに有することを特徴とする請
    求項5記載の音声通信装置。
  7. 【請求項7】 前記測定手段は、通話開始前の接続制御
    期間に前記出力手段から出力される制御トーンを使用し
    て前記遅延時間を測定することを特徴とする請求項3記
    載の音声通信装置。
  8. 【請求項8】 前記測定手段は、前記遅延時間を通話期
    間中に定期的に或いは任意のタイミングで測定し直すこ
    とを特徴とする請求項3記載の音声通信装置。
  9. 【請求項9】 送話信号を音声符号化手段により符号化
    して送信データを生成すると共に、受信データを音声復
    号手段により復号して受話信号を再生する音声信号処理
    モジュールにおいて、 前記受話信号のレベルを検出するための第1の検出手段
    と、 前記送話信号と前記受話信号との相関を検出する第2の
    検出手段と、 前記第1の検出手段による受話信号レベルの検出結果
    と、前記第2の検出手段による相関の検出結果とに基づ
    いて、送受話状態の判定を行う判定手段と、 この判定手段の判定結果に基づいて、前記送話信号及び
    前記受話信号を選択的に減衰させる減衰制御手段とを具
    備したことを特徴とする音声信号処理モジュール。
  10. 【請求項10】 前記第2の検出手段は、 前記受話信号を前記出力手段へ供給した時点から当該受
    話信号に対応する音響エコーが前記入力手段から送話信
    号として音声信号処理モジュールに入力されるまでの遅
    延時間を予め記憶した記憶手段と、 前記送話信号を一定長ずつに分割する分割手段と、 この分割された各送話信号区間と時間的に対応する受話
    信号区間を、前記記憶手段に記憶された遅延時間をもと
    にそれぞれ特定する特定手段と、 この特定された受話信号区間と前記分割された送話信号
    区間との間で相関演算を行う演算手段とを備えることを
    特徴とする請求項9記載の音声信号処理モジュール。
  11. 【請求項11】 前記第2の検出手段は、 前記受話信号を前記出力手段へ供給した時点から当該受
    話信号に対応する音響エコーが前記入力手段から送話信
    号として音声信号処理モジュールに入力されるまでの遅
    延時間を測定する測定手段と、 前記送話信号を一定長ずつに分割する分割手段と、 この分割された各送話信号区間と時間的に対応する受話
    信号区間を、前記測定手段により測定された遅延時間を
    もとにそれぞれ特定する特定手段と、 この特定された受話信号区間と前記分割された送話信号
    区間との間で相関演算を行う演算手段とを備えることを
    特徴とする請求項9記載の音声信号処理モジュール。
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