JP3412988B2 - 音響エコーキャンセラを備えた音声通信装置 - Google Patents

音響エコーキャンセラを備えた音声通信装置

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JP3412988B2
JP3412988B2 JP26832995A JP26832995A JP3412988B2 JP 3412988 B2 JP3412988 B2 JP 3412988B2 JP 26832995 A JP26832995 A JP 26832995A JP 26832995 A JP26832995 A JP 26832995A JP 3412988 B2 JP3412988 B2 JP 3412988B2
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伸男 松崎
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Toshiba Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばディジタ
ル有線電話装置やディジタル自動車・携帯電話装置、デ
ィジタルコードレス電話装置などのように、音響エコー
キャンセラを備えた音声通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばコードレス電話装置や自動
車電話装置の中には、ハンドセット通話モードとは別に
ハンズフリー通話モードを備えたものがある。ハンズフ
リー通話モードとは、拡声通話用のスピーカとマイクロ
ホンとを設け、これらのスピーカおよびマイクロホンを
使用して送受話を行なうことにより、話者がハンドセッ
トあるいは電話装置を持たずに通話を行なえるようにし
たものである。このようなハンズフリー通話モードを使
用すると、例えば運転中においては片手運転になること
なく通話を行なうことができ、またオフィスや家庭にお
いては事務処理や家事のために両手がふさがっている場
合でも、これらの作業を行ないながら並行して通話を行
なうことができ、大変便利である。
【0003】しかし、ハンズフリー通話を行なうと、ス
ピーカから拡声出力された受話音声が壁面や天井などで
反射してマイクロホンに回り込み、これによって音響エ
コーが発生することがある。この音響エコーは、特に伝
送遅延が比較的大きい通信システムでは通話品質の著し
い劣化を招き好ましくない。例えば、PHSと呼称され
るディジタルコードレス電話装置においては、無線周波
数を有効利用するためにTDMA−TDD(Time divis
ion multiple access −Time division
duplex)方式が使用され、かつ低ビットレートの
音声符号復号回路が使用されている。このため、通話中
の二つの通信装置間における片道の伝送遅延量は大きな
ものとなる。このような状態で通話を行なうと、音響エ
コーが話者に感知されやすくなり、この結果通話品質が
著しく劣化する。
【0004】そこで、この種の音声通信装置では一般に
音響エコーキャンセラが使用されている。音響エコーキ
ャンセラは、音響エコーパスの特性を適応形フィルタに
より推定して音響エコーパスと同一の特性を有する擬似
エコーを生成する。そして、この擬似エコーを送話信号
から差し引くことにより、送話信号に含まれる音響エコ
ー成分をキャンセルするものである。
【0005】ところが、音響エコーキャンセラは、適応
形フィルタが音響エコーパスを推定して音響エコーパス
と同一の特性を有する擬似エコーを生成するまでに、一
般に多くの時間を必要とする。このため、ハンズフリー
通話開始直後においては音響エコーキャンセラでは音響
エコーのキャンセル処理が適切に行なわれず、この結果
通話品質の劣化を生じる。
【0006】このような不具合を解消するために、最近
では電源投入時等において音響エコーキャンセラの初期
トレーニングを行なうことが提唱されている。この初期
トレーニングの方式としては、例えばスピーカからホワ
イトノイズやチャープトーンなどのトレーニング信号を
拡声出力させ、マイクロホンへ回り込んだこのトレーニ
ング信号により音響エコーキャンセラをトレーニングさ
せるものが用いられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来より検討
されている音響エコーキャンセラのトレーニング方式
は、装置周辺の音響環境を全く考慮せずに、ただ単に予
め設定された固定レベルのトレーニング信号を送出する
ものである。このため、例えば装置周辺の背景雑音が大
きい場合には、この背景雑音の影響を受けて正しいトレ
ーニングが行なわれないことがあった。
【0008】この発明はこのような事情に着目してなさ
れたもので、その第1の目的は、装置周辺の背景雑音の
影響を回避して適切な初期トレーニングを行なうことが
できる音響エコーキャンセラを備えた音声通信装置を提
供することである。
【0009】
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために第1の発明は、スピーカから拡声出力された受
話音がマイクロホンに入力されることにより発生する音
響エコーをキャンセルするための音響エコーキャンセラ
を備えた音声通信装置において、上記音響エコーキャン
セラをトレーニングするためのトレーニング信号を発生
するトレーニング信号発生手段に加えて、上記マイクロ
ホンに入力された背景雑音レベルを検出するための背景
雑音レベル検出手段と、トレーニング制御手段とを新た
に備えている。そして、トレーニングに際し、上記トレ
ーニング制御手段により、上記背景雑音レベル検出手段
により検出された背景雑音レベルが所定レベル未満であ
るか否かを判定し、所定レベル未満と判定された状態で
上記トレーニング信号発生手段から発生されたトレーニ
ング信号を上記スピーカから拡声出力させて、上記音響
エコーキャンセラにトレーニングを行なわせるようにし
たものである。
【0011】この結果、第1の発明によれば、装置周辺
の背景雑音レベルがトレーニングに影響を及ぼさない程
度に小さいときを見付けてトレーニング動作が行なわれ
ることになる。このため、常に背景雑音の影響を受ける
ことなく適正な初期トレーニングを行なうことが可能と
なり、これにより音響エコーキャンセラの性能を十分に
発揮させて、通話開始直後から高品質の通話を行なうこ
とができる。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】一方、上記第2の目的を達成するために第
2の発明は、スピーカから拡声出力された受話音がマイ
クロホンに入力されることにより発生する音響エコーを
キャンセルするための音響エコーキャンセラを備えた音
声通信装置において、上記音響エコーキャンセラをトレ
ーニングするためのトレーニング信号を発生するトレー
ニング信号発生手段と、上記マイクロホンに入力された
背景雑音レベルを検出するための背景雑音レベル検出手
段と、トレーニング制御手段とを新たに備えている。そ
して、トレーニングに際し、上記背景雑音レベル検出手
段により検出された背景雑音レベルが所定レベル未満で
あるか否かを判定し、所定レベル未満と判定された状態
において、上記トレーニング信号発生手段から発生され
るトレーニング信号のレベルを、上記背景雑音レベル検
出手段により検出された背景雑音レベルよりも所定レベ
ル以上大きい値に可変制御するようにしたものである。
したがって第2の発明によれば、背景雑音の影響を低減
して適正なトレーニングを行うことができ、しかも背景
雑音レベルが所定レベル以上の場合には無理なトレーニ
ングを行わないようにすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)図1および図2は、それぞれこの
発明の第1の実施の形態に係わるディジタルコードレス
電話装置の子機および親機の構成を示す回路ブロック図
である。
【0017】先ず、図1において子機は、アンテナ61
を備えた無線部6と、モデム部7と、TDMA部8と、
通話部9と、キー入力部104および表示部105とを
備えた制御部10とから構成される。
【0018】すなわち、親機から到来した無線周波信号
は、アンテナ61で受信されたのち無線部6の高周波ス
イッチ(SW)62を介して受信部63に入力される。
この受信部63では、上記受信された無線周波信号が周
波数シンセサイザ64から発生された受信局部発振信号
とミキシングされて受信中間周波信号に周波数変換され
る。なお、上記周波数シンセサイザ64から発生される
局部発振周波数は、無線チャネル周波数に応じて制御部
10より指示される。また、無線部6には受信電界強度
検出部(RSSI)66が設けられている。この受信電
界強度検出部66では、親機から到来した無線周波信号
の受信電界強度が検出され、その検出値は空きチャネル
サーチなどのために制御部10に通知される。
【0019】上記受信部63から出力された受信中間周
波信号は、モデム部7の復調部71に入力される。復調
部71では上記受信中間周波信号のディジタル復調が行
なわれ、これによりディジタル通話信号が再生される。
【0020】TDMA部8のTDMAデコード部81
は、制御部10の指示に従って、自機に割り当てられた
タイムスロットからディジタル通話信号を抽出し、この
抽出したディジタル通話信号を通話部9に入力する。通
話部9は、適応差分PCMトランスコーダ(ADPCM
−TRANSCODER)91と、PCMコーデック
(PCM−COD)92とからなり、上記ディジタル通
話信号は上記適応差分PCMトランスコーダ91および
PCMコーデック92で順次復号されてアナログ通話信
号に再生される。そして、このアナログ通話信号は図示
しない受話増幅器で増幅されたのちスピーカ93から拡
声出力される。
【0021】一方、マイクロホン94に入力された送話
音声は、PCMコーデック92および適応差分PCMト
ランスコーダ91で順次符号化されてディジタル通話信
号となる。TDMAエンコード部82では、上記適応差
分トランスコーダ91から出力されたディジタル通話信
号が制御部10から指示されたタイムスロットに挿入さ
れて、変調部72に入力される。変調部72では、上記
ディジタル通話信号により搬送波信号がディジタル変調
され、この変調された搬送波信号は送信部65に入力さ
れる。
【0022】送信部65では、上記変調された搬送波信
号が周波数シンセサイザ64から発生された送信局部発
振信号とミキシングされることにより、制御部10より
指示された無線チャネル周波数に周波数変換され、さら
に所定の送信電力レベルに増幅される。そして、この送
信部65から出力された無線周波信号は高周波スイッチ
62を介してアンテナ61から親機に向け送信される。
【0023】制御部10は、例えばマイクロコンピュー
タを主制御部として有したもので、発着信に伴う無線接
続制御機能や、ハンドセット通話モードおよびハンズフ
リー通話モードにそれぞれ応じた通話制御機能等を備え
ている。
【0024】次に、図2において親機は、アンテナ11
を備えた無線部1と、モデム部2と、TDMA部3と、
通話部4と、制御部5とから構成される。すなわち、子
機から到来した無線周波信号は、アンテナ11で受信さ
れたのち無線部1の高周波スイッチ(SW)12を介し
て受信部13に入力される。この受信部13では、上記
受信された無線周波信号が周波数シンセサイザ14から
発生された受信局部発振信号とミキシングされて、受信
中間周波信号に周波数変換される。なお、上記周波数シ
ンセサイザ14から発生される局部発振周波数は、無線
チャネル周波数に応じて制御部5より指示される。ま
た、無線部1には受信電界強度検出部(RSSI)16
が設けられている。この受信電界強度検出部16では、
子機から到来した無線周波信号の受信電界強度が検出さ
れ、その検出値は空きチャネルサーチ等のために制御部
5に通知される。
【0025】上記受信部13から出力された受信中間周
波信号は、モデム部2の復調部21に入力される。復調
部21では上記受信中間周波信号のディジタル復調が行
なわれ、これによりディジタル通話信号が再生される。
TDMA部3のTDMAデコード部31では、制御部5
の指示に従って無線チャネルのタイムスロットごとにデ
ィジタル通話信号が分解され、この分解されたディジタ
ル通話信号は通話部4に入力される。
【0026】通話部4は、適応差分PCMトランスコー
ダ(ADPCM−TRANSCODER)41と、PC
Mコーデック(PCM−CODEC)42と、これらの
適応差分PCMトランスコーダ41およびPCMコーデ
ック42間に介挿された音響エコーキャンセラ(AE
C)44とを備えている。上記TDMAデコード部31
から出力されたディジタル通話信号は、先ず適応差分P
CMコーデック41で復号されたのち、後述する音響エ
コーキャンセラ44で音響エコー成分が除去され、しか
るのちPCMコーデック42に入力される。そして、こ
のPCMコーデック42において、上記復号されたディ
ジタル通話信号はアナログ通話信号に変換され、しかる
のちハイブリッド回路43を介して公衆電話網(図示せ
ず)の加入者線SLへ送信される。
【0027】これに対し、図示しない公衆電話網から加
入者線SLを介して到来したアナログ通話信号は、ハイ
ブリッド回路43を介してPCMコーデック42に入力
され、ここでディジタル通話信号に変換されたのち、音
響エコーキャンセラ44を介して適応差分PCMトラン
スコーダ41に入力される。そして、このPCMコーデ
ック41で符号化されたのちTDMAエンコード部32
に入力される。
【0028】TDMAエンコード部32では、上記適応
差分トランスコーダ41から出力されたディジタル通話
信号が所望のタイムスロットに挿入されて多重化され、
この多重化されたディジタル通話信号は変調部22に入
力される。変調部22では、上記ディジタル通話信号に
より搬送波信号がディジタル変調され、この変調された
搬送波信号は送信部15に入力される。送信部15で
は、上記変調された搬送波信号が周波数シンセサイザ1
4から発生された送信局部発振信号とミキシングされる
ことにより、制御部5により指示された無線チャネル周
波数に周波数変換され、さらに所定の送信電力レベルに
増幅される。そして、この送信部15から出力された無
線周波信号は高周波スイッチ12を介してアンテナ11
から子機に向け送信される。
【0029】ところで、上記通話部4には、適応差分P
CMトランスコーダ41およびPCMコーデック42に
加えて、音響エコーキャンセラ44と、トレーニング信
号発生回路45と、レベル検出器46と、切替スイッチ
47とが設けられている。図3はその構成を拡大して示
した回路ブロック図である。
【0030】このうち、先ず音響エコーキャンセラ44
は、適応形フィルタ441と、加算器442とから構成
される。そして、音響エコーパスの特性を適応形フィル
タ441により推定して音響エコーパスと同一の特性を
有する擬似エコーを生成し、この擬似エコーを加算器4
42においてディジタル送話信号から差し引くことによ
り、ディジタル送話信号に含まれる音響エコー成分をキ
ャンセルする。
【0031】トレーニング信号発生回路45は、例えば
M系列ランダムパルス発生器を用いて構成したホワイト
ノイズ発生器(WN)451と、利得可変増幅器452
とから構成される。ホワイトノイズ発生器451は制御
部5の指示により動作する。また利得可変増幅器452
は、制御部5から与えられる利得制御信号に応じて増幅
利得が変化し、上記ホワイトノイズ発生器451から出
力されたホワイトノイズからなるトレーニング信号を、
この増幅利得に従って増幅して切替スイッチ47に供給
する。
【0032】切替スイッチ47は、例えば半導体スイッ
チからなり、制御部5から与えられる切替制御信号に応
じて切り替わり、これによりPCMコーデック42から
出力されたディジタル通話信号と、上記トレーニング信
号発生回路45から出力されたトレーニング信号とを択
一的に切り替えて適応差分PCMトランスコーダ41に
供給する。
【0033】レベル検出器46は、上記適応差分PCM
トランスコーダ41から出力されたディジタル通話信号
の信号レベルを検出するもので、その検出値を制御部5
に通知する。
【0034】制御部5は、例えばマイクロコンピュータ
を主制御部として有したもので、発着信に伴う無線接続
制御や公衆電話網に対する接続制御などの通常の制御機
能に加えて、トレーニング制御手段51を備えている。
【0035】トレーニング制御手段51は、トレーニン
グを行なう際に、レベル検出器46により検出された子
機の背景雑音レベルに応じて可変利得増幅器452の利
得を可変制御し、これによりホワイトノイズ発生器45
1から発生されたトレーニング信号のレベルを上記背景
雑音の検出レベルよりも所定レベル以上高い値に設定し
て出力させるものである。
【0036】次に、以上のように構成された装置のトレ
ーニング動作を、制御部5の制御手順に従って説明す
る。図4は、その制御手順および制御内容を示すフロー
チャートである。
【0037】例えば、発着信に伴い親機と子機との間が
無線チャネルを介して接続されると、通話に移行する前
に次のようにトレーニング制御が行なわれる。すなわ
ち、親機の制御部5は、先ずステップ4aでホワイトノ
イズ発生器451を非動作状態に設定するとともに、ス
テップ4bで切替スイッチ47を接点“b”側に切り替
える。すなわち、子機への通話路を公衆電話網側からト
レーニング回路45に一時的に切り替える。
【0038】次に、制御部5はステップ4cにおいてレ
ベル検出器46により検出された子機における背景雑音
レベルを取り込み、この背景雑音の検出レベルに応じ
て、トレーニング信号の送出レベルを背景雑音レベルよ
りも所定レベル以上高くするべく可変利得増幅器452
の利得を可変制御する(ステップ4d)。ここで、上記
トレーニング信号の送出レベルと背景雑音レベルとの所
定レベル差とは、背景雑音の影響を受けずにトレーニン
グするに必要十分な値であり、例えば20dBに設定さ
れる。そうして可変利得増幅器452の増幅利得が設定
されると、制御部5は続いてステップ4eでホワイトノ
イズ発生器451を動作状態に設定する。
【0039】したがって、ホワイトノイズ発生器451
からはホワイトノイズが発生され、このホワイトノイズ
は可変利得増幅器452で上記設定された増幅利得に従
って増幅されたのち、切替スイッチ47を介して子機へ
の送話系へ出力される。このため、親機から子機へ上記
ホワイトノイズが送信され、このホワイトノイズは子機
のスピーカ93からトレーニング信号として拡声出力さ
れる。そして、このトレーニング信号は子機の通話空間
の音響エコーパスを経てマイクロホン94に回り込み、
音響エコーとなって親機へ送信される。親機の音響エコ
ーキャンセラ44では、上記トレーニング信号の音響エ
コーに応じて音響エコーパスの推定動作が行なわれ、適
応形フィルタ441に最適な初期パラメータが設定され
る。
【0040】このとき、上記子機から拡声出力されるト
レーニング信号の音量は、先に述べたように親機の可変
利得増幅器452において背景雑音レベルよりも所定レ
ベル以上大きくなるように予め増幅されている。このた
め、上記トレーニング信号の音響エコーレベルも背景雑
音レベルに比べて十分に大きなものとなり、これにより
上記音響エコーキャンセラ44では背景雑音の影響をほ
とんど受けることなく適切なトレーニングが行なわれ
る。
【0041】そうして音響エコーキャンセラ44のトレ
ーニング動作が終了すると、制御部5はステップ4fか
らステップ4gに移行して、ここで切替スイッチ47を
接点“b”から“a”に切り替え、これにより子機と公
衆電話網との間の通話路を復旧させて以後通話を可能と
する。
【0042】以上のように第1の実施の形態では、音響
エコーキャンセラ44をトレーニングする際に、レベル
検出器46により子機から到来する背景雑音レベルを検
出し、この背景雑音の検出レベルに応じてトレーニング
信号発生回路45の可変利得増幅器452の増幅利得を
可変制御することにより、子機から背景雑音レベルより
も十分に大きいトレーニング信号を拡声出力させるよう
にしている。
【0043】したがって、子機の通話環境における背景
雑音レベルが大きい場合でも、この背景雑音の影響を無
視して音響エコーキャンセラ44のトレーニングを行な
うことができ、これにより音響エコーキャンセラ44に
適切なパラメータを初期設定することができる。また、
背景雑音レベルが大きい場合でも、この背景雑音の影響
を抑圧することが可能なレベルを有するトレーニング信
号を発生すればよいので、背景雑音が小レベルに低下す
るのを待たずにトレーニングを行なうことができ、これ
により短時間にトレーニングを行なうことができる。
【0044】(第2の実施の形態)この実施の形態は、
トレーニングに際し、背景雑音レベルを検出してその検
出レベルがトレーニング可能な微小レベル未満であるか
否かを一定時間判定し、この一定時間以内に上記背景雑
音レベルが微小レベル未満となった場合にのみ、子機へ
トレーニング信号を送出して音響エコーキャンセラにト
レーニングを行なわせるようにしたものである。
【0045】図5は、この実施の形態の親機の制御部に
よるトレーニング制御手順およびその制御内容を示すフ
ローチャートである。なお、同図において前記図4と同
一部分には同一符号を付してある。
【0046】親機の制御部5は、ステップ4cでレベル
検出器46から背景雑音レベルの検出値を取り込むと、
ステップ5aによりこの背景雑音レベルの検出値の取り
込みを開始してから一定時間が経過したか否かを監視し
ながら、ステップ5bで上記背景雑音レベルの検出値が
予め設定した微小レベルL0 未満になっているか否か
を判定する。そして、背景雑音レベルの検出値が微小レ
ベルL0 未満であれば、トレーニングが可能と判断して
ステップ4eに移行し、ここでホワイトノイズ発生器4
51を動作状態に設定してトレーニング信号を送出させ
る。
【0047】これに対し、子機周辺の背景雑音レベルが
定常的に高く一定時間が経過しても低下しない場合に
は、トレーニング不可能と判断してトレーニング制御を
中止する。また、近くを車両が通過した場合のように子
機周辺の背景雑音レベルが一時的に高くなった場合に
は、この背景雑音レベルが微小レベルL0 未満に低下す
るのを待ってトレーニング信号の送出を開始する。
【0048】このようにこの実施の形態であれば、背景
雑音レベルの検出値がトレーニング可能な微小レベルL
0 未満であるか否かを一定時間判定し、この一定時間以
内に上記背景雑音レベルが微小レベル未満となった場合
に、トレーニング信号を送出するようにしたことによっ
て、背景雑音の影響を受ける心配がない状態においての
みトレーニングが行なわれることになる。したがって、
背景雑音の影響を受けずに適切なトレーニングを行なう
ことができる。
【0049】また、背景雑音レベルの判定を一定時間に
亘って行なっているので、子機周辺の背景雑音レベルが
一時的に高い場合に、トレーニングを即時中止すること
なく、背景雑音レベルが低下するのを待ってトレーニン
グを行なうことができる。
【0050】(第3の実施の形態)先に述べた第1の実
施の形態では、背景雑音レベルの検出値が如何なる値で
あっても、トレーニング信号をこの背景雑音レベルより
も所定レベル以上になるように可変利得増幅器452で
増幅して送出するようにした。しかし、可変利得増幅器
452の利得には上限があり、トレーニング信号を常に
背景雑音レベルよりも所定レベル以上となるように増幅
することは困難である。
【0051】そこで、この実施の形態では、背景雑音レ
ベルの検出値を所定のしきい値L1と比較し、背景雑音
レベルの検出値がこのしきい値L1 以上の場合には、ト
レーニング信号を背景雑音レベルよりも所定レベル以上
となるように増幅することは困難であると判断し、背景
雑音レベルの検出値が低下するのを待つ。そして、背景
雑音レベルの検出値が低下してしきい値L1 になると、
この時点でトレーニング信号を増幅して送出する。ま
た、一定時間が経過しても背景雑音レベルの検出値がし
きい値L1 未満に低下しない場合には、トレーニングが
不可能であると判断してトレーニング制御を中止するよ
うにしたものである。
【0052】図6は、この実施の形態の親機の制御部に
よるトレーニング制御手順およびその制御内容を示すフ
ローチャートである。なお、同図において前記図4と同
一部分には同一符号を付してある。
【0053】親機の制御部5は、ステップ4cでレベル
検出器46から背景雑音レベルの検出値を取り込むと、
ステップ6aでこの背景雑音レベルの検出値がしきい値
L1以上であるか否かを判定する。そして、背景雑音レ
ベルの検出値がしきい値L1未満と判定すると、トレー
ニング可能と判断してステップ4dに移行し、ここで可
変利得増幅器452の増幅利得を上記背景雑音レベルの
検出値に応じて可変設定し、以後ステップ4e〜4gに
よりトレーニングを実行する。
【0054】これに対し、背景雑音レベルの検出値がし
きい値L1 以上だった場合には、ステップ4c、6aお
よび6bを繰り返すことにより一定時間に亘って上記背
景雑音レベルの検出値を監視する。そして、一定時間以
内に背景雑音レベルの検出値がしきい値L1 未満に低下
すれば、上記ステップ4d〜4gによるトレーニング制
御を実行し、一方一定時間が経過しても背景雑音レベル
の検出値がしきい値L1 以上のままであれば、トレーニ
ング不可能と判断してトレーニング制御を中止する。
【0055】このように第3の実施の形態であれば、背
景雑音レベルよりも所定レベル以上大きいトレーニング
信号を出力することができる場合にのみトレーニングを
行なうようにしたので、常に適切なトレーニングを行な
うことができる。
【0056】なお、この発明は上記各実施の形態に限定
されるものではない。例えば、前記各実施の形態ではレ
ベル検出器46を親機に設けて背景雑音レベルの検出を
行なったが、子機にレベル検出器を設け、このレベル検
出器で検出された背景雑音レベルの検出値を無線チャネ
ルを介して親機に通知するようにしてもよい。また音響
エコーキャンセラ44を子機に設け、かつ背景雑音レベ
ルの検出およびトレーニング信号の発生およびトレーニ
ング制御を子機で行なうようにしてもよい。また、トレ
ーニング信号としてはホワイトノイズ以外にチャープ信
号等の他の信号を使用してもよい。
【0057】その他、この発明はディジタルコードレス
電話機以外に、ディジタル自動車電話装置やディジタル
携帯電話機、ディジタル有線電話機に適用してもよく、
また親機および子機等の通信装置の構成、通信方式、音
響エコーキャンセラの構成、トレーニング制御手順およ
び制御内容等についてもこの発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形して実施できる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように第1の発明では、音
響エコーキャンセラをトレーニングするためのトレーニ
ング信号を発生するトレーニング信号発生手段に加え
て、マイクロホンに入力された背景雑音レベルを検出す
るための背景雑音レベル検出手段と、トレーニング制御
手段とを新たに備え、トレーニングに際し、このトレー
ニング制御手段により、上記背景雑音レベル検出手段に
より検出された背景雑音レベルが所定レベル未満である
か否かを判定し、所定レベル未満と判定された状態で上
記トレーニング信号発生手段から発生されたトレーニン
グ信号を上記スピーカから拡声出力させて、上記音響エ
コーキャンセラにトレーニングを行なわせるようにして
いる。
【0059】したがってこの発明によれば、装置周辺の
背景雑音の影響を回避して適切な初期トレーニングを行
なうことができる音響エコーキャンセラを備えた音声通
信装置を提供することができる。
【0060】
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係わるディジタ
ルコードレス電話装置の子機の構成を示す回路ブロック
図。
【図2】この発明の第1の実施の形態に係わるディジタ
ルコードレス電話装置の親機の構成を示す回路ブロック
図。
【図3】図2に示した親機の要部構成を示す回路ブロッ
ク図。
【図4】図2に示した親機の制御部によるトレーニング
制御手順および制御内容を示すフローチャート。
【図5】この発明の第2の実施の形態におけるトレーニ
ング制御手順および制御内容を示すフローチャート。
【図6】この発明の第3の実施の形態におけるトレーニ
ング制御手順および制御内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…親機の無線部 2…親機のモデム部 3…親機のTDMA部 4…親機の通話部 5…親機の制御部 6…子機の無線部 7…子機のモデム部 8…子機のTDMA部 9…子機の通話部 10…子機の制御部 11,61…アンテナ 12,62…高周波スイッチ(SW) 13,63…受信部 14,64…周波数シンセサイザ 15,65…送信部 16,66…受信電界強度検出部(RSSI) 21,71…復調部 22,72…変調部 31,81…TDMAデコード部 32,82…TDMAエンコード部 41,91…適応差分PCMトランスコーダ(ADPC
M−TRANSCODER) 42,92…PCMコーデック(PCM−CODEC) 43…ハイブリッド回路 44…音響エコーキャンセラ(AEC) 45…トレーニング信号発生回路 46…レベル検出器 47…切替スイッチ 51…トレーニング制御手段 93…スピーカ 94…マイクロホン 441…適応形フィルタ 442…加算器 451…ホワイトノイズ発生器(WN) 452…可変利得増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−237321(JP,A) 特開 昭64−8755(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 3/20 H03H 21/00 H04B 1/40 H04M 1/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピーカから拡声出力された受話音がマ
    イクロホンに入力されることにより発生する音響エコー
    をキャンセルするための音響エコーキャンセラを備えた
    音声通信装置において、 前記音響エコーキャンセラをトレーニングするためのト
    レーニング信号を発生するトレーニング信号発生手段
    と、 前記マイクロホンに入力された背景雑音レベルを検出す
    るための背景雑音レベル検出手段と、 トレーニングに際し、前記背景雑音レベル検出手段によ
    り検出された背景雑音レベルが所定レベル未満であるか
    否かを判定し、所定レベル未満と判定された状態で前記
    トレーニング信号発生手段から発生されたトレーニング
    信号を前記スピーカから拡声出力させて、前記音響エコ
    ーキャンセラにトレーニングを行わせるためのトレーニ
    ング制御手段とを具備したことを特徴とする音響エコー
    キャンセラを備えた音声通信装置。
  2. 【請求項2】 スピーカから拡声出力された受話音がマ
    イクロホンに入力されることにより発生する音響エコー
    をキャンセルするための音響エコーキャンセラを備えた
    音声通信装置において、 前記音響エコーキャンセラをトレーニングするためのト
    レーニング信号を発生するトレーニング信号発生手段
    と、 前記マイクロホンに入力された背景雑音レベルを検出す
    るための背景雑音レベル検出手段と、 トレーニングに際し、前記背景雑音レベル検出手段によ
    り検出された背景雑音レベルが所定レベル未満であるか
    否かを判定し、所定レベル未満と判定された状態におい
    て、前記トレーニング信号発生手段から発生されるトレ
    ーニング信号のレベルを、前記背景雑音レベル検出手段
    により検出された背景雑音レベルよりも所定レベル以上
    大きい値に可変制御するためのトレーニング制御手段と
    を具備したことを特徴とする音響エコーキャンセラを備
    えた音声通信装置。
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