JP3238528B2 - 音声通信装置 - Google Patents

音声通信装置

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JP3238528B2
JP3238528B2 JP12486593A JP12486593A JP3238528B2 JP 3238528 B2 JP3238528 B2 JP 3238528B2 JP 12486593 A JP12486593 A JP 12486593A JP 12486593 A JP12486593 A JP 12486593A JP 3238528 B2 JP3238528 B2 JP 3238528B2
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公毅 大塚
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M9/00Arrangements for interconnection not involving centralised switching
    • H04M9/08Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic
    • H04M9/082Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic using echo cancellers

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有線電話装置、自動車
電話装置、携帯電話装置およびコードレス電話装置など
の音声通信装置のうち、ハンズフリー通話機能を有する
装置に係わり、特にハンズフリー通話用のスピーカから
マイクロホンへの受話音声の回り込みにより発生する音
響エコーを消去するためのエコーキャンセラを備えた音
声通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】音声通信装置の中には、ハンドセットを
用いて通話を行なうハンドセット通話モードとは別に、
ハンズフリー通話モードを備えたものがある。ハンズフ
リー通話モードは、ハンドセットとは別にハンズフリー
通話用のスピーカおよびマイクロホンを通信装置本体な
どに設け、これらのスピーカおよびマイクロホンをハン
ドセットの代わりに使用して通話を行なえるようにした
ものである。このハンズフリー通話モードを使用する
と、話者は通話中に両手を自由に使うことが可能とな
る。このため、例えば自動車電話装置であれば、話者は
片手運転になることなく通話を行なうことが可能とな
り、運転中の安全性が高められる。
【0003】しかし、ハンズフリー通話を行なうと、ス
ピーカから拡声出力された受話音声が壁面や天井などで
反射してマイクロホンに回り込み、これによって音響エ
コーが発生することがある。この音響エコーは、特に伝
送遅延が比較的大きい通信システムでは、通話品質の著
しい劣化を招き非常に好ましくない。例えば、ディジタ
ル自動車電話システムにおいては、無線周波数を有効利
用するために低ビットレートの音声符号化器が使用さ
れ、またバースト誤りに対する誤り訂正能力を高めるた
めにインタリーブが用いられている。このため、通話中
の二つの通信装置間における片道の伝送遅延量は、約10
0msec にもなる。このような状態で通話を行なうと、エ
コーが話者に感知されやすくなり、この結果通話品質が
著しく劣化する。
【0004】そこで、この種のシステムではエコーキャ
ンセラの使用が提唱されている。エコーキャンセラは、
音響エコーパスの特性を適応形フィルタにより推定して
音響エコーパスと同一の特性を有する擬似エコーを生成
する。そして、この擬似エコーを通話信号から差し引く
ことにより、通話信号中に含まれる音響エコー成分をキ
ャンセルするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】ところが、エコーキャン
セラは、適応形フィルタが音響エコーパスを推定して音
響エコーパスと同一の特性を有する擬似エコーを生成す
るまでに一般に多くの時間を必要とする。このため、ハ
ンズフリー通話開始直後においてはエコーキャンセラで
適切なエコーキャンセル処理が行なわれない。したがっ
て、ハンズフリー通話開始直後において初期エコーが残
り、通話品質の劣化を招く。
【0006】本発明の第1の目的は、ハンズフリー通話
開始直後における初期エコーの発生を低減し、これによ
り通話開始直後においても音響エコーの影響を受けずに
高品質の通話を行なうことができる音声通信装置を提供
することである。
【0007】本発明の第2の目的は、エコーキャンセラ
の初期トレーニングを短時間に能率良く行なうことがで
きる音声通信装置を提供することである。
【0008】本発明の第3の目的は、使用者がエコーキ
ャンセラの初期トレーニングのための特別の操作を行な
わなくても、初期トレーニングを必要なときに常に確実
に行なうことができる音声通信装置を提供することであ
る。
【0009】本発明の第4の目的は、エコーキャンセラ
の初期トレーニングを使用者に違和感を与えることなく
自然に行なうことができ、かつ回路構成を簡単小形化す
ることができる音声通信装置を提供することである。
【0010】本発明の第5の目的は、ハンドセット通話
中に通話モードがハンズフリー通話モードに変更された
場合でも、ハンズフリー通話開始直後に初期エコーが発
生しないようにすることができる音声通信装置を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
めに第1の本発明は、ハンズフリー通話空間において発
生する音響エコーをキャンセルするためのエコーキャン
セラに加え、このエコーキャンセラを初期トレーニング
するためのチャープ信号を発生するためのチャープ信号
発生手段と、トレーニング制御手段とを備えている。そ
して、ハンズフリー通話を開始するための所定の条件が
成立したことに応じて、上記トレーニング制御手段によ
り、上記チャープ信号発生手段から発生されたチャープ
信号に対応するチャープ音を上記ハンズフリー通話用ス
ピーカから拡声出力させ、このチャープ音を基に上記エ
コーキャンセラに初期トレーニングを行なわせるように
したものである。
【0012】また、第2の目的を達成するために第2の
本発明では、トレーニング信号としてチャープ信号を使
用している。
【0013】さらに、第3の目的を達成するために第3
の本発明では、エコーキャンセラの初期トレーニングを
起動するために、次の各構成を用いている。すなわち、
第1の構成では、着信の発生および着信応答操作の検出
が行なわれ、着信が発生しかつ着信応答操作が行なわれ
たことに応じて初期トレーニングが開始される。第2の
構成では、着信が発生したか否かが監視され、この監視
により着信の発生が検出されたことに応じて、初期トレ
ーニングが開始される。第3の構成では、発信後におけ
る相手通信装置の応答の待機中に、通信相手装置との間
に通話リンクが形成されたか否かが監視され、この監視
により通話リンクの形成が検出されたことに応じて、初
期トレーニングが開始される。第4の構成では、発信開
始指示の入力操作が監視され、この監視により発信開始
指示が入力されたことに応じて、初期トレーニングが開
始される。第5の構成では、発信動作に必要なダイヤル
情報の入力操作が監視され、この監視によりダイヤル情
報が入力されたことに応じて、初期トレーニングが開始
される。
【0014】また、第4の目的を達成するために第4の
本発明では、初期トレーニングのために出力するチャー
プ音により、発着信に係わる操作の操作確認音または動
作状態を表わす報知音を兼用している。すなわち、着信
応答操作に応じて初期トレーニングが開始される場合に
は、この着信応答操作の操作確認音に代わってチャープ
音が出力される。また、着信の発生が検出されたことに
応じて初期トレーニングが開始される場合には、この着
信の発生を報知するためのトーンリンガに代わってチャ
ープ音が出力される。さらに、発信開始指示が入力され
たことに応じて初期トレーニングが開始される場合に
は、この発信開始指示の入力操作を報知するための操作
確認音に代わってチャープ音が出力される。また、ダイ
ヤル情報が入力されたことに応じて初期トレーニングが
開始される場合には、このダイヤル情報の入力操作を報
知するための操作確認音に代わってチャープ音が出力さ
れる。
【0015】さらに、第5の目的を達成するために第5
の本発明では、ハンドセット通話中に通話モードの変更
操作が監視される。そして、ハンドセット通話モードを
ハンズフリー通話モードに変更するための操作が行なわ
れると、この操作に応じて、チャープ信号発生手段から
発生されたチャープ信号に対応するチャープ音がスピー
カから拡声出力され、このチャープ音を基にエコーキャ
ンセラで初期トレーニングが行なわれる。
【0016】
【作用】第1の本発明であれば、ハンズフリー通話開始
時の実質的に通話が開始される前に、エコーキャンセラ
の初期トレーニングが行なわれ、これによりエコーキャ
ンセラにはハンズフリー通話空間の特性に応じた最適な
特性が設定されることになる。このため、ハンズフリー
通話開始直後においても、音響エコーはエコーキャンセ
ラによって効果的にキャンセルされることになり、この
結果ハンズフリー通話開始直後においても音響エコーの
影響を受けることなく高品質の通話を行なうことが可能
となる。
【0017】また、第2の本発明のようにチャープ信号
を使用してエコーキャンセラの初期トレーニングを行な
うと、チャープ信号はピーク電力と平均電力との比が非
常に小さいという性質を有しているため、初期トレーニ
ングに必要な時間を極めて短かくすることができる。し
たがって、ハンズフリー通話開始時において初期トレー
ニングを行なっても、この初期トレーニングによって通
話が阻害される心配は少ない。
【0018】さらに第3の本発明によれば、着信および
発信に必要不可欠な操作または動作状態の変化が検出さ
れた場合に、自動的にエコーキャンセラの初期トレーニ
ングが行なわれることになる。このため、使用者はエコ
ーキャンセラの初期トレーニングを行なうために特別な
操作を行なう必要がなくなり、これにより操作を簡単化
することができる。また、発信および着信に伴いハンズ
フリー通話が行なわれる場合には、初期トレーニングが
必ず行なわれることになる。このため、初期トレーニン
グが行なわれないままハンズフリー通話に移行する不具
合は防止される。
【0019】これらの効果は、特に自動車電話装置にお
いて有効である。すなわち、自動車電話装置では、一度
トレーニングを行なってもその後に例えば車内の人員構
成が変化すると、通話空間の音響特性が変化するために
初期トレーニングをやり直さなければならない。すなわ
ち、比較的頻繁にエコーキャンセラのトレーニングを行
なう必要がある。しかし本発明によれば、先に述べたよ
うにエコーキャンセラの初期トレーニングは発信時およ
び着信時において自動的に行なわれる。このため、面倒
な操作は不要になり、また初期トレーニングが行なわれ
ないまま通話が開始される不具合も確実に防止される。
【0020】ちなみに、使用者がトレーニングキーなど
を操作して初期トレーニングを行なう構成では、使用者
は車内の音響特性が変化するごとに、その都度トレーニ
ングキーを操作しなければならず、操作が面倒となる。
また、操作を忘れると、初期トレーニングが行なわれず
にハンズフリー通話が開始されることになり、通話品質
の劣化を招く。
【0021】また第4の本発明によれば、各種操作の確
認音や動作状態の報知音がチャープ音によって兼用され
るので、使用者にチャープ音を意識させずに初期トレー
ニングを行なうことができる。また、操作確認音や報知
音を発生させるための回路を不要にすることができるの
で、回路構成を簡単小形化することが可能となる。
【0022】さらに第5の本発明によれば、ハンドセッ
ト通話中に、ハンドセット通話モードをハンズフリー通
話モードに変更するための操作が行なわれても、ハンズ
フリー通話モードによる通話状態に移行する前に、エコ
ーキャンセラでは初期トレーニングが行なわれることに
なる。したがって、高品質のハンズフリー通話が可能と
なる。
【0023】
【実施例】(第1の実施例)本実施例は、本発明をハン
ドセット通話機能とハンズフリー通話機能とをそれぞれ
備えたデュアルモードタイプの自動車電話装置に適用し
た場合の一例を示すものである。
【0024】デュアルモードとは、アナログモードとデ
ィジタルモードとを選択的に使用して無線通信を行なう
方式である。アナログモードでは、送信回路でアナログ
音声信号により搬送波が例えばFM変調されて送信され
る。ディジタルモードでは、音声信号が符号化され、こ
の符号化された音声信号により搬送波が例えばπ/4シ
フトDQPSK(π/4 Shifted, differentially encod
ed quadrature phaseshift keying)方式などのディジ
タル変調方式により変調されて送信される。
【0025】図1は、本実施例におけるデュアルモード
タイプの自動車電話装置の概略構成を示す回路ブロック
図である。
【0026】本実施例の装置は、アンテナ1と、無線ユ
ニット2と、クレードル3と、ハンドセット4とから構
成される。アンテナ1は、例えばロッドアンテナからな
り、自動車の車体外部に取着される。無線ユニット2
は、例えば自動車のトランク内に設置され、上記アンテ
ナ1に対し同軸ケーブルを介して接続される。クレード
ル3は、車内の例えば肘掛け部に設置され、上記無線ユ
ニット2に対し複数の信号線と制御線と給電線とを寄り
合わせたケーブルを介して接続される。ハンドセット4
は、上記クレードルに対し着脱自在に設置され、クレー
ドルとの間は複数の信号線と制御線と給電線とを寄り合
わせたカールコードを介して接続される。
【0027】無線ユニット2には、無線回路部2aと、
通話回路部2bと、無線ユニット制御回路2cと、制御
に必要なデータなどを記憶するRAM2dと、電源回路
2eと、発振器2f,2gと、スイッチ2h,2iとが
収容されている。このうち通話回路部2bは、ディジタ
ルモードの時に使用されるディジタル通話回路と、アナ
ログモードの時に使用されるアナログ通話回路と、エコ
ーキャンセラ30とを備えている。上記発振器2f,2
gは、それぞれ上記ディジタル通話回路およびアナログ
通話回路に対し、これらの回路が必要とする各種クロッ
クなどを供給する。スイッチ2h,2iは、それぞれデ
ィジタルモードのときおよびアナログモードの時にオン
となって、上記発振器2f,2gに対し励起用の電源電
圧を供給する。電源回路2eは、図示しない自動車用バ
ッテリのバッテリ出力を基に所定の動作電源電圧Vccを
生成する。
【0028】クレードル3には、ハンズフリー通話用の
スピーカ(以後ハンズフリースピーカと呼称する)3a
と、ハンズフリー通話用のマイクロホン(以後ハンズフ
リーマイクロホンと呼称する)3bと、クレードル制御
回路3cと、フックスイッチ3dとがそれぞれ設けられ
ている。
【0029】ハンドセット4には、ハンドセット通話用
のスピーカ(以後ハンドセットスピーカと呼称する)4
aと、ハンドセット通話用のマイクロホン(以後ハンド
セットマイクロホンと呼称する)4bと、ハンドセット
制御回路4cと、キー入力部4dと、表示器4eとがそ
れぞれ設けられている。このうちキー入力部4dには、
ダイヤルキーをはじめ、SNDキーやENDキーなどの
機能キーが設けられている。SNDキーは、発信時には
発信指示を入力し、着信時には着信応答を入力するため
に使用される。ENDキーは、通話時に終話を指示する
ために使用される。また、表示器4eは例えば液晶表示
器からなり、ダイヤル番号や通信動作などに係わる種々
の情報を表示するために使用される。
【0030】図2および図3は、上記無線ユニット2、
クレードル3およびハンドセット4の詳細な構成を示し
たものである。
【0031】先ず、ディジタルモードが設定されている
状態で動作する回路系の構成を説明する。図示しない基
地局から所定の無線チャネルを介して到来した無線搬送
波信号は、アンテナ1で受信されたのちアンテナ共用器
(DUP)21を介して受信回路(RX)22に入力さ
れる。この受信回路22では、上記受信搬送波信号が周
波数シンセサイザ24から出力された受信局部発振信号
とミキシングされて中間周波信号に周波数変換される。
そして、この受信中間周波信号は、A/D変換器25で
ディジタル信号に変換されたのち、ディジタル復調回路
(DEM)26に入力される。ディジタル復調回路26
では、上記受信中間周波信号がディジタル復調されて受
信ベースバンド信号に変換される。この受信ベースバン
ド信号は、誤り訂正符号復号回路(CH−COD)27
で誤り訂正復号処理が行なわれ、続いて音声符号復号回
路(SP−COD)28により音声復号化処理が行なわ
れる。
【0032】この音声符号復号回路28から出力された
ディジタル受話信号は切替スイッチ29に入力される。
この切替スイッチ29は、無線ユニット制御回路から出
力される制御信号S8によって、ディジタルモードが設
定されている状態では、音声符号復号回路28から出力
された受話音声信号を選択出力するように切替えが制御
される。したがって、ディジタルモードが設定された状
態では、上記音声符号復号回路28から出力された受話
音声信号が上記切替スイッチ29を通過してエコーキャ
ンセラ(EC−CAN)30に入力される。そして、こ
のエコーキャンセラ30を通過したディジタル受話音声
信号は、D/A変換器31でアナログ受話音声信号に変
換されたのち切替スイッチ32に入力される。この切替
スイッチ32は、無線ユニット制御回路2cから出力さ
れる制御信号S9によって、ディジタルモードが設定さ
れている状態では、上記D/A変換器31から出力され
たアナログ受話音声信号を選択出力するように、切替え
が制御される。したがって、上記アナログ受話音声信号
はこの切替スイッチ32を通過する。
【0033】そして、このアナログ受話音声信号は二分
岐され、その一方はバッファ増幅器34を経たのち、ク
レードル3を介してハンドセット4へ供給される。そし
て、ハンドセット通話モードが選択されている状態で
は、このハンドセット4において上記受話音声信号はボ
リウム4fで音量調節されたのち、ハンドセットスピー
カ4aから出力される。また、ハンズフリー通話モード
が選択されている状態では、上記二分岐された受話音声
信号の他方がボリウム33で音量調整されたのち、増幅
器35で増幅され、クレードル3へ出力される。そし
て、この受話音声信号はクレードル3に設けられたハン
ズフリースピーカ3aから拡声出力される。
【0034】一方、ハンドセットマイクロホン4bで集
音されて音電変換されたハンドセット送話音声信号は、
クレードル3の切替スイッチ3eに入力される。この切
替スイッチ3eには、クレードル3のハンズフリーマイ
クロホン3bにより集音されて音電変換されたハンズフ
リー送話音声信号も入力される。切替スイッチ3eは、
クレードル制御回路3cによって、ハンドセット通話状
態では上記ハンドセット送話音声信号を選択出力するよ
うに切替が制御され、またハンズフリー通話状態では上
記ハンズフリー送話音声信号を選択出力するように切替
えが制御される。なお、ハンドセット通話状態になって
いるかまたはハンズフリー通話状態になっているかの判
定は、フックスイッチ3dの状態に応じてクレードル制
御回路3cにより行なわれる。すなわち、ハンドセット
4がクレードル3から持ち上げられ、これによりフック
スイッチ3dがオフフック状態になっている場合には、
ハンドセット通話状態であると判定される。一方ハンド
セット4がクレードル3に置かれ、これによりフックス
イッチ3dがオンフック状態になっている場合には、ハ
ンズフリー通話状態になっていると判定される。そうし
て上記切替スイッチ3eから出力された送話音声信号
は、スイッチ3fおよびバッファ増幅器3gをそれぞれ
経たのち無線ユニット2に入力される。
【0035】無線ユニット2において、上記送話音声信
号は先ずA/D変換器36でディジタル信号に変換され
たのちエコーキャンセラ30に入力される。このエコー
キャンセラ30では、上記送話音声信号から音響エコー
成分をキャンセルするためのディジタル信号処理が行な
われる。そして、このエコーキャンセラ30から出力さ
れたディジタル送話信号は、切替スイッチ37に入力さ
れる。この切替スイッチ37は、無線ユニット制御回路
2cから出力される制御信号S8によって、ディジタル
モードが設定されている状態では上記ディジタル送話信
号を音声符号復号回路28に入力するように切替えが制
御され、またアナログモードが設定されている状態では
上記ディジタル送話信号をD/A変換器42に入力する
ように切替えが制御される。
【0036】上記音声符号復号回路28では、上記ディ
ジタル送話信号の符号化処理が行なわれる。そして、こ
の符号化されたディジタル送話信号は、誤り訂正符号復
号回路27において誤り訂正符号化処理されたのち、デ
ィジタル変調回路(MOD)38に入力される。このデ
ィジタル変調回路38では、上記符号化ディジタル送話
信号を変調信号として、無線チャネル周波数に応じた搬
送波のディジタル変調が行なわれる。ディジタル変調方
式としては、例えばπ/4シフトDQPSK方式が用い
られる。このディジタル変調回路38から出力された被
変調波信号は、D/A変換器39でアナログ信号に変換
されたのち送信回路(TX)23に入力される。この送
信回路23では、上記被変調波信号が周波数シンセサイ
ザ24から出力された送信局部発振信号とミキシングさ
れて、無線周波帯の信号に変換され、さらに所定の送信
電力レベルとなるように電力増幅される。そして、この
送信回路23から出力された無線搬送波信号は、アンテ
ナ共用器21を介してアンテナ1に給電され、このアン
テナ1から図示しない基地局に向け送信される。
【0037】次に、アナログモードが設定されている状
態で動作する回路系の構成を説明する。受信回路22か
ら出力された受信中間周波信号は、アナログ音声回路4
0に入力される。このアナログ音声回路40では、上記
受信中間周波信号のFM検波が行なわれるとともに、フ
ィルタリングおよび低周波増幅などのアナログ信号処理
が行なわれ、これによりベースバンドのアナログ受話音
声信号が再生される。
【0038】このアナログ音声回路40から出力された
アナログ受話音声信号は二分岐される。この二分岐され
たアナログ受話音声信号の一方は、A/D変換器41で
ディジタル信号に変換されたのち、切替スイッチ29に
入力される。この切替スイッチ29は、無線ユニット制
御回路2cから出力される制御信号S8によって、アナ
ログモードが設定されている状態では、上記A/D変換
器41から出力される受話音声信号を選択出力するよう
に切替えが制御される。したがって、アナログモードが
設定されている今の状態では、アナログ音声回路40か
ら出力されたのち上記A/D変換器41でA/D変換さ
れた受話音声信号が、切替スイッチ29を介してエコー
キャンセラ30に入力される。そして、このディジタル
受話音声信号は、エコーキャンセラ30を通過したのち
D/A変換器31でアナログ信号に戻されて切替スイッ
チ32に入力される。一方、上記二分岐されたアナログ
受話音声信号の他方は、エコーキャンセラを経ずに直接
上記切替スイッチ32に入力される。
【0039】切替スイッチ32は、無線ユニット制御回
路2cから出力される制御信号S9によって、アナログ
モードが設定されかつハンドセット通話モードが選択さ
れている状態では、アナログ音声回路40から直接供給
されたアナログ受話音声信号を選択出力するように切替
えが制御される。また、アナログモードが設定されてい
てもハンズフリー通話モードが選択されている状態で
は、上記D/A変換器31から出力されたアナログ受話
音声信号を選択出力するように、切替えが制御される。
【0040】この切替スイッチ32で選択出力されたア
ナログ受話音声信号は二分岐され、その一方はバッファ
増幅器34を経たのち、クレードル3を介してハンドセ
ット4へ供給される。そして、ハンドセット通話モード
が選択されている状態では、このハンドセット4におい
て上記アナログ受話音声信号はボリウム4fで音量調節
されたのち、ハンドセットスピーカ4aから出力され
る。また、ハンズフリー通話モードが選択されている状
態では、上記二分岐された受話音声信号の他方がボリウ
ム33で音量調整されたのち、増幅器35で増幅され、
クレードル3へ出力される。そして、この受話音声信号
はクレードル3に設けられたハンズフリースピーカ3a
から拡声出力される。
【0041】一方、クレードル3から無線ユニット2に
入力されたアナログ送話音声信号は、この無線ユニット
2において先ず二分岐される。この二分岐されたアナロ
グ送話音声信号の一方は、ハンズフリー通話モードのた
めに、A/D変換器36でディジタル信号に変換された
のちエコーキャンセラ30に入力される。そして、上記
ディジタル送話音声信号は、エコーキャンセラ30で音
響エコー成分がキャンセルされたのち、切替スイッチ3
7を介してD/A変換器42に入力され、ここでアナロ
グ送話音声信号に戻されたのち切替スイッチ43に入力
される。一方、上記二分岐されたアナログ送話音声信号
の他方は、ハンドセット通話モードのために、エコーキ
ャンセラ30を経ずに直接上記切替スイッチ43に入力
される。
【0042】この切替スイッチ43は、無線ユニット制
御回路2cから出力される制御信号S9によって、ハン
ズフリー通話モードが選択されている状態では、上記エ
コーキャンセラ30を通過した送話音声信号を選択出力
するように切替えが制御され、またハンドセット通話モ
ードが選択されている状態では、エコーキャンセラ30
を経ずに直接入力された送話音声信号を選択出力するよ
うに切替が制御される。そうしてこの切替スイッチ43
から選択出力された送話音声信号は、アナログ音声回路
40に入力される。このアナログ音声回路40では、上
記送話音声信号により搬送波信号をFM変調するための
処理が行なわれる。このアナログ音声回路40から出力
された被変調は信号は、送信回路23に入力される。こ
の送信回路23では、上記被変調波信号が周波数シンセ
サイザ24から出力された送信局部発振信号とミキシン
グされて、無線周波帯の信号に変換され、さらに所定の
送信電力レベルとなるように電力増幅される。そして、
この送信回路23から出力された無線搬送波信号は、ア
ンテナ共用器21を介してアンテナ1に給電され、この
アンテナ1から図示しない基地局に向け送信される。
【0043】なお、発振器2g1,2g2は、それぞれ
50MHz のクロックおよび2.048MHzのクロックを発生す
る。そして、50MHz のクロックはエコーキャンセラ30
に供給され、2.048MHzのクロックはA/D変換器36,
41およびD/A変換器31,42にそれぞれ供給され
る。また発振器2f1,2f2は、それぞれ80MHz のク
ロックおよび50MHz のクロックを発生する。そして、80
MHz のクロックは音声符号復号回路28に供給され、50
MHz のクロックはディジタル復調回路26およびディジ
タル変調回路38にそれぞれ供給される。さらに、分周
器44,45,46では、それぞれ上記発振器2f2か
ら発生されたクロック(50MHz )を基に、6.2208MHz の
クロック、1.5MHzのクロックおよび194.4KHzのクロック
が生成される。そして、6.2208MHz のクロックはD/A
変換器39に、1.5MHzのクロックは誤り訂正符号復号回
路27にそれぞれ供給され、また194.4KHzのクロックは
A/D変換器25に供給される。
【0044】ところで、エコーキャンセラ30は次のよ
うに構成される。図4はその構成を示す回路ブロック図
である。
【0045】エコーキャンセラ30は、例えばDSP
(Digital Signal Processor)により構成されるエコー
キャンセラ本体50と、切替スイッチ51,52,53
とを備えている。
【0046】エコーキャンセラ本体50は、受信信号メ
モリ50aと、適応フィルタ50bと、演算器50c
と、タップ係数メモリ50dと、タップ係数更新回路5
0eとを備え、さらにチャープ信号メモリ50fと、逆
畳み込み演算回路50gと、タップ係数初期設定用の書
込みスイッチ50hとを備えている。受信信号メモリ5
0aには、ディジタル受話音声信号が蓄積される。適応
フィルタ50bはトランスバーサルフィルタからなり、
このフィルタでは上記受信信号メモリ50aに蓄積され
たディジタル受話音声信号およびタップ係数メモリ50
dに記憶されているタップ係数を基に擬似エコーが生成
される。演算器50cでは、入力されたディジタル送話
音声信号から上記適応フィルタ50bにより生成された
擬似エコーを差し引くためのディジタル演算処理が行な
われる。タップ係数メモリ50dには、上記適応フィル
タ50bのタップ係数が記憶される。タップ係数更新回
路50eでは、上記タップ係数メモリ50dに記憶され
ているタップ係数を、上記演算器50cから出力された
残差エコーを基に更新するための処理が行なわれる。
【0047】上記チャープ信号メモリ50fには、M周
期のチャープ信号系列を−N+1〜M−1時点まで切り
出した、初期トレーニングのためのトレーニング信号系
列f(k) が予め記憶されている。なお、上記Mは、適応
フィルタ50bの次数をPとすると、P≦Mである。チ
ャープ信号メモリ50fは、エコーキャンセラ30の初
期トレーニング期間に、無線ユニット制御回路2cの指
示に従って上記トレーニング信号系列f(k) を読出す。
このトレーニング信号系列f(k) は切替スイッチ51に
入力される。この切替スイッチ51は、無線ユニット制
御回路2cから出力される制御信号SS3によって、初
期トレーニング期間では接点a側に切り替わる。したが
って、初期トレーニング期間に上記チャープ信号メモリ
50fから出力されたトレーニング信号系列f(k) は、
上記切替スイッチ51を介してD/A変換器31でアナ
ログ信号に変換されたのちクレードル3へ出力され、こ
のクレードル3においてハンズフリースピーカ3aから
チャープ音として拡声出力される。
【0048】このチャープ音は、車内の窓ガラスや天井
により反射され、音響エコーとなってクレードル3のハ
ンズフリーマイクロホン3bにより集音される。そし
て、このチャープ音の音響エコーに対応する信号系列g
(j=0〜M−1)は、A/D変換器36でディジタ
ル信号に変換されたのち、無線ユニット2の切替スイッ
チ52に入力される。この切替スイッチ52は、無線ユ
ニット制御回路2cから出力される制御信号SS2によ
って、エコーキャンセラ30の初期トレーニング期間に
は接点aに切り替わっている。したがって、上記音響エ
コーに対応する信号系列g(j=0〜M−1)は、切
替スイッチ52を介して上記逆畳み込み演算回路50g
に入力される。逆畳み込み演算回路50gでは、上記音
響エコーに対応する信号系列g(j=0〜M−1)を
用いて以下の逆畳み込み演算が行なわれ、これにより上
記音響エコーのインパルス応答h(i=0〜P−1)
が推定される。なお、σ2 はチャープ信号系列の平均電
力である。
【0049】
【数1】 初期設定用のスイッチ50hは、上記逆畳み込み演算回
路50gによる上記音響エコーのインパルス応答h
推定が終了した後に、無線ユニット制御回路2cから出
力される制御信号SS4に従ってオンとなる。そして、
上記逆畳み込み演算回路50gにより推定された音響エ
コーのインパルス応答hを、タップ係数メモリ50d
に供給する。このタップ係数メモリ50dは、上記逆畳
み込み演算回路50gから供給されたインパルス応答h
をタップ係数の初期値として記憶する。
【0050】なお、切替スイッチ52,53は、無線ユ
ニット制御回路2cから出力される制御信号SS2,S
S1に応じて、ハンズフリー通話モードが選択されてい
る状態では接点bに切り替わるように制御され、またエ
コーキャンセラ30を迂回させる必要がある場合には接
点cに切り替わるように制御される。
【0051】次に、以上の構成に基づいて本実施例に係
わる自動車電話装置の動作を説明する。
【0052】待機状態において、自動車電話装置は各制
御回路2c,3c,4cにより着信の到来監視および発
信の操作監視をそれぞれ監視している。そして、この状
態で図示しない基地局から着信信号が到来すると、装置
は着信制御を開始する。図5はこの着信制御動作の制御
手順および制御内容を示すフローチャートである。
【0053】すなわち、待受状態においてページングチ
ャネルを介して着信信号が到来すると、所定のプロトコ
ルに従い、基地局と本装置との間でアクセスチャネルが
設定される。このアクセスチャネルを介して基地局から
送られてくる通話チャネル指定信号に基づき、無線チャ
ネル(無線通話リンク)が設定される(ステップS4
a)。そして、この無線通話リンクを介してアラート制
御情報が本装置に到来すると、本装置はステップS4b
で例えばハンズフリースピーカ3aからリンギングトー
ンを出力して使用者に着信の発生を報知する。この状態
で、使用者が例えばハンドセット4を持ち上げて応答し
たとする。そうすると装置は、このオフフック操作の形
態をステップS4cで判定する。そして、ハンドセット
通話モードであると判定すると、ステップS4dに移行
してハンドセット通話モードによる通話を可能にするた
めの制御を実行する。そして、装置がハンドセット通話
可能な状態に設定されると、ステップS4eによる通話
のための制御に移行する。かくして、以後話者はハンド
セット通話が可能になる。なお、このハンドセット通話
状態において、エコーキャンセラ30は非動作状態に設
定される。
【0054】このハンドセット通話状態において、装置
はステップS4fおよびステップS4gによりそれぞれ
ENDキーの操作監視およびハンドセット4のオンフッ
ク操作の監視を繰り返し行なう。そして、ENDキーが
押されると、終話と判断してステップS4hに移行し、
ここで終話のための制御を行なって待機状態に復帰す
る。
【0055】一方、上記着信報知中に、使用者がSND
キーを押すことにより応答すると、装置はステップS4
cによりハンズフリー通話モードが選択されたものと判
定して、以後ハンズフリー通話のための制御に移行す
る。すなわち、先ずステップS4iにおいてエコーキャ
ンセラ30を動作状態に設定し、しかるのちステップS
4jによりハンズフリー通話を可能にするための制御を
実行する。
【0056】さて、そうしてハンズフリー通話が可能な
状態になると、装置はステップS4kに移行してここで
エコーキャンセラ30を初期トレーニングするための制
御を実行する。すなわち、先ず図7に示すごとくステッ
プS6aでエコーキャンセラ30の切替スイッチ51,
52を接点aに切り替える。そして、この状態でステッ
プS6bでチャープ信号メモリ50fから一定長のトレ
ーニング信号系列f(k) を読出す。そうすると、このト
レーニング信号系列f(k) は切替スイッチ51を介して
受話信号路に出力され、D/A変換器31でアナログ信
号に変換されたのちクレードル3のハンズフリースピー
カ3aに導かれる。そして、このハンズフリースピーカ
3aからチャープ音として拡声出力される。
【0057】このチャープ音が出力されると、このチャ
ープ音の、車内のガラス窓や天井による音響エコーが、
ハンズフリーマイクロホン3bに入力され、この音響エ
コーに対応する信号がA/D変換器36でディジタル信
号に変換されたのちエコーキャンセラ30に入力され
る。そして、この音響エコーに対応する信号系列g
は、エコーキャンセラ30内において切替スイッチ5
2を介して逆畳み込み演算回路50gに取り込まれる。
そうすると逆畳み込み演算回路50gでは、上記音響エ
コーの信号系列gを基に前記(1) 式に示される演算が
行なわれ、これによりハンズフリー通話空間のインパル
ス応答hの推定が行なわれる。
【0058】このとき制御回路2cは、ステップS6c
により上記インパルス応答の推定が終了したか否かを監
視している。そして、インパルス応答hの推定が終了
すると、制御回路2cはステップS6dに移行してここ
で書込みスイッチ50hをオンし、かつステップS6e
によりタップ係数メモリ50dを書込み動作状態に設定
する。このため、逆畳み込み演算回路50gから出力さ
れた上記インパルス応答hの推定結果が、上記スイッ
チ50hを介してタップ係数メモリ50dに転送され、
このタップ係数メモリ50dにタップ係数の初期値とし
て書き込まれる。
【0059】なお、チャープ信号処理による高速トレー
ニング法の詳細な説明については、「神竹“チャープ信
号処理によるエコーキャンセラの高速トレーニング法”
電子通信学会技報CS82−169 N048」に述べ
られている。
【0060】そうしてタップ係数の初期設定が終了する
と、制御回路2cはステップS6fからステップS6g
に移行し、ここで上記書込スイッチ50hをオフ状態に
復帰させるとともに、ステップS6hで切替スイッチ5
1,52を接点b側に切り替える。そして、装置はステ
ップS4lによりハンズフリー通話モードによる通話制
御を開始する。
【0061】したがって、以後装置はハンズフリー通話
動作状態となり、話者はハンズフリー通話が可能とな
る。また、このときエコーキャンセラ30では、上記タ
ップ係数メモリ50dに初期設定されたタップ係数を初
期値として、次のようにエコーキャンセル動作が行なわ
れる。
【0062】すなわち、音声符号復号回路28により復
号された受話音声信号は、切替スイッチ29を介してエ
コーキャンセラ30に入力される。そして、このエコー
キャンセラ30を通過した受話音声信号は、D/A変換
器31でアナログ信号に変換されたのち、切替スイッチ
32を介してボリウム33および音声増幅器35により
音量調節を受け、しかるのちクレードル3のハンズフリ
ースピーカ3aから拡声出力される。
【0063】また、話者の送話音声は、上記ハンズフリ
ースピーカ3aから回り込んだ音響エコーとともにハン
ズフリーマイクロホン3bで集音されて送話音声信号と
なる。そして、この送話音声信号は、切替スイッチ3e
を経て無線ユニット2のA/D変換器36でディジタル
化されたのち、エコーキャンセラ30に入力される。こ
のエコーキャンセラ30では、演算器50cにおいて上
記ディジタル送話音声信号から、適応フィルタ50bで
生成された擬似エコーを差し引くための演算が行なわ
れ、これにより上記ディジタル送話音声信号に含まれる
音響エコーがキャンセルされる。このとき上記適応フィ
ルタ50bでは、前記初期トレーニングで設定されたタ
ップ係数を初期値として擬似エコーの生成が開始され
る。このため、エコーキャンセラ30では、ハンズフリ
ー通話開始直後から残差エコーが極めて少なくなるよう
なエコーキャンセル処理が行なわれる。
【0064】この音響エコーがキャンセルされたディジ
タル送話音声信号は、切替スイッチ37を経て音声符号
復号回路28および誤り訂正符号復号回路27に順次入
力されて符号化処理され、さらにディジタル変調回路3
8で変調されたのち送信回路23からアンテナ1を経て
基地局へ向け送信される。
【0065】なお、上記エコーキャンセル動作開始後に
おいてエコーキャンセラ30では、適応フィルタ50b
のタップ係数を、さらにハンズフリー通話空間に応じた
最適値に近付けるための更新動作が行なわれる。このタ
ップ係数の更新アルゴリズムとしては、例えば最小二乗
平均法(LMS)を正規化した学習同定法(NLMS)
が用いられる。この学習同定法によるアルゴリズムは、
演算量が比較的少なくて済みしかも良好な特性を示すと
いう利点を有する。第(2) 式は、P次の適応フィルタの
タップ係数をh(j=1〜p)とするときの学習同定
法の更新式を示したものである。
【0066】
【数2】 ただし、y(n) は演算器50cに入力される信号を、ま
たe(n) は演算器50cから出力される残差エコーをそ
れぞれ示している。
【0067】以上のハンズフリー通話状態において、装
置はステップS4mおよびステップS4nでENDキー
の操作およびハンドセット4のオフフック操作をそれぞ
れ監視する。そして、この状態でENDキーが押される
と、装置はステップS4hに移行してここで終話制御を
行ない、しかるのち待機状態に復帰する。
【0068】また、上記ハンズフリー通話状態におい
て、使用者がハンドセット4をクレードル3から持ち上
げると、装置はハンズフリー通話モードからハンドセッ
ト通話モードへの切り替え操作が行なわれたものと判断
する。そして、ステップS4nからステップS4oに移
行してここで先ずエコーキャンセラ30をオフし、しか
るのちステップS4dによるハンドセット通話を可能と
するための制御を行なったのち、ステップS4eによる
ハンドセット通話制御に移行する。かくして、話者は以
後ハンドセット通話モードにより通話を継続することが
できる。
【0069】一方、このハンドセット通話状態におい
て、話者がハンドセット通話からハンズフリー通話に切
り替えるために、ハンドセット4をクレードル3に戻し
たとする。そうすると、装置はステップS4gからステ
ップS4iに移行し、ここで先ずエコーキャンセラ30
を非動作状態から動作状態に設定したのち、ステップS
4jに移行してハンズフリー通話を可能にするための制
御を行なう。そして、装置がハンズフリー通話可能な状
態に設定されると、ステップS4kで初期トレーニング
のための制御を実行する。この初期トレーニングの制御
手順および制御内容は、先に図7を使用して説明したも
のと同じである。そうしてエコーキャンセラ30の初期
トレーニングが終了すると、装置はステップS4lによ
るハンズフリー通話制御に移行する。
【0070】すなわち、ハンドセット通話中に通話モー
ドをハンズフリー通話モードに切り替えた場合にも、装
置ではハンズフリー通話開始時においてエコーキャンセ
ラ30の初期トレーニングが行なわれる。
【0071】次に、本実施例に係わる自動車電話装置の
発信制御動作について説明する。図6はその制御手順お
よび制御内容を示すフローチャートである。
【0072】待機状態において、使用者が発信を行なう
ために相手先のダイヤル番号の入力操作を開始したとす
る。そうすると、装置はステップS5aで上記ダイヤル
番号を順次入力してハンドセット制御回路4c内のレジ
スタに蓄積する。そして、ステップS5bでSNDキー
の押し操作を監視する。
【0073】この状態で、ダイヤル番号の全桁の入力を
終了して使用者がSNDキーを押したとする。そうする
と、装置はステップS5cで基地局との間で無線チャネ
ル(アクセス・チャネル)を設定するための制御を実行
する。なお、このアクセス・チャネルを介して、先に入
力され蓄積されたダイヤル番号に対応するダイヤル情報
の送出が行なわれる。そして、このアクセス・チャネル
を介して基地局より通話チャネル指定信号が到来する
と、本装置はこの指定された通話チャネルにチューンす
る。かくして、通話リンクが設定される(ステップS5
d)。
【0074】次に装置は、ステップS5dからステップ
S5eに移行して、ここでハンドセット4の状態を判定
する。そして、例えばいまハンドセットがオフフック状
態だったとすれば、話者はハンドセット通話モードを選
択しているものと判断してステップS5fに移行し、こ
こでハンドセット通話を可能にするための制御を実行す
る。そして、装置がハンドセット通話が可能な状態に設
定されると、装置はステップS5gに移行して、ここで
ハンドセット通話制御を開始する。かくして、話者はハ
ンドセット通話が可能になる。なお、このハンドセット
通話状態において、エコーキャンセラ30は非動作状態
に設定される。
【0075】また、このハンドセット通話中において、
装置はステップS5hおよびステップS5iでそれぞれ
ENDキーの押し操作およびハンドセットのオフフック
操作を監視する。そして、ENDキーが押されると、終
話と判断してステップS4hに移行し、ここで終話のた
めの制御を行なって待機状態に復帰する。
【0076】一方、通話相手装置が応答した時点で、ハ
ンドセット4がオンフック状態になっていたとする。そ
うすると、装置はハンズフリー通話モードが選択されて
いると判断してステップS5eからステップS5kに移
行し、ここでエコーキャンセラ30を動作状態に設定し
たのち、ステップS5lに移行してここでハンズフリー
通話を可能にするための制御を実行する。そして、ハン
ズフリー通話が可能な状態になると、装置はステップS
5mにおいてエコーキャンセラ30の初期トレーニング
を実行する。この初期トレーニングの制御手順および制
御内容は、前記着信制御の説明において図7で述べたも
のと同じである。そして、エコーキャンセラ30の初期
トレーニングが終了すると、装置はステップS5nによ
るハンズフリー通話のための制御に移行する。かくし
て、話者は以後ハンズフリー通話が可能になる。
【0077】このハンズフリー通話状態において、装置
はステップS5oおよびステップS5pでそれぞれEN
Dキーの押し操作およびハンドセット4のオフフック操
作を監視する。そして、ENDキーが押されると、終話
操作が行なわれたと判断してステップS5jに移行し、
ここで終話制御を実行したのち待機状態に復帰する。
【0078】これに対し、上記ハンズフリー通話中にハ
ンドセット4がオフフックされた場合には、装置はハン
ズフリー通話モードからハンドセット通話モードへの切
替え操作が行なわれたものと判断し、ステップS5qで
エコーキャンセラ30を非動作状態に設定したのち、ス
テップS5fによるハンドセット通話を可能にするため
の制御に移行する。
【0079】一方、ハンドセット通話状態において、ハ
ンドセット4がオンフックされた場合には、ハンドセッ
ト通話モードからハンズフリー通話モードへの切替え操
作が行なわれたものと判断してステップS5kに移行
し、ここで先ずエコーキャンセラ30を動作状態に設定
する。そして、ステップS5lでハンズフリー通話を可
能にするための制御を行ったのち、ステップS5mにお
いてエコーキャンセラ30の初期トレーニング制御を実
行し、この初期トレーニング終了後にステップS5nに
よるハンズフリー通話制御に移行する。
【0080】以上のように本実施例では、着信時におい
てはSNDキーによる着信応答操作に応じて、ハンズフ
リー通話を可能にするための制御が行なわれた後の実質
的にまだハンズフリー通話が開始されていない期間に、
チャープ音によるエコーキャンセラ30の初期トレーニ
ングが行なわれる。また、発信時においては、通話相手
装置の応答に伴い通話リンクが形成されたことに応じ
て、ハンズフリー通話を可能にするための制御が行なわ
れた後の実質的にまだハンズフリー通話が開始されてい
ない期間に、チャープ音によるエコーキャンセラ30の
初期トレーニングが行なわれる。そして、これによりエ
コーキャンセラ30には、ハンズフリー通話空間の特性
に応じた最適な特性が初期設定されることになる。この
ため、ハンズフリー通話開始直後からでも、音響エコー
はエコーキャンセラによって効果的にキャンセルされる
ことになる。したがって、使用者は通話開始直後から音
響エコーの影響を受けることなく高品質のハンズフリー
通話を開始することが可能となる。
【0081】また本実施例であれば、初期トレーニング
信号としてチャープ音を使用しているので、極めて短期
間にしかも確実に初期トレーニングを行なうことができ
る。このため、ハンズフリー通話開始時において初期ト
レーニングを行なうものであるにも拘らず、ハンズフリ
ー通話に対し雑音妨害などの悪影響を与えることなく、
ハンズフリー通話を円滑に開始することができる。
【0082】さらに本実施例では、着信および発信に必
要不可欠な操作または動作状態の変化が検出された場合
に、これらの操作や状態変化に応じて自動的にエコーキ
ャンセラ30の初期トレーニングが行なわれることにな
る。このため、使用者はエコーキャンセラの初期トレー
ニングを行なうために特別な操作を行なう必要がなくな
り、これにより操作を簡単化することができる。
【0083】また、着信毎および発信毎にその都度自動
的にトレーニングが行なわれるので、ハンズフリー通話
時には常にその時々で最適なキャンセル情報に基づいて
音響エコーのキャンセル動作が行なわれることになる。
したがって、待受中に例えば車内の人員構成が変化して
これにより使用空間の音響特性が変化しても、常に最良
の品質で通話を行なうことができる。また、待機中に電
源断となってタップ係数メモリ50dに記憶されている
キャンセル情報が消去されても、ハンズフリー通話開始
時には自動的にトレーニングが行なわれて、その時点で
最適なキャンセル情報がタップ係数メモリ50dに書き
込まれる。このため、タップ係数メモリ50dの記憶情
報をバックアップ電源を用いて保護する必要はなくな
り、これにより回路構成を簡単小形化することができ
る。また、E2 PROMなどの高価な記憶素子を用いる
必要もないので、回路を安価にすることができる。
【0084】また本実施例であれば、通話開始時ばかり
でなく、通話中に通話モードがハンドセット通話モード
からハンズフリー通話モードに切り替えられた場合に
も、このハンズフリー通話が実質的に開始される前にエ
コーキャンセラ30の初期トレーニングが行なわれ、そ
の結果がエコーキャンセラ30に初期設定される。この
ため、ハンドセット通話モードにより通話が開始され、
その後通話中にハンズフリー通話モードに切り替わった
場合でも、エコーキャンセラ30を初期トレーニングし
たのちハンズフリー通話に移行させることができる。し
たがって、通話中に通話モードが切り替わった場合で
も、通話開始直後から音響エコーの影響をほとんど受け
ることなく高品質のハンズフリー通話を開始することが
できる。
【0085】(第2の実施例)本実施例は、本発明をハ
ンドセット通話機能とハンズフリー通話機能とをそれぞ
れ備えたディジタル携帯電話装置に適用した場合の一例
を示すものである。
【0086】図8は、本実施例におけるディジタル携帯
電話装置の構成を示す回路ブロック図である。なお、同
図において前記図2および図3と同一部分には同一符号
を付して詳しい説明は省略する。
【0087】本実施例の携帯電話装置は、アンテナ1
と、携帯電話装置本体5とから構成される。
【0088】音声符号復号回路28から出力されたディ
ジタル受話音声信号は、エコーキャンセラ300を経た
のち、D/A変換器31でアナログ信号に変換され、し
かるのち図示しない増幅器で増幅されたのちスピーカ5
aから拡声出力される。このスピーカ5aはハンドセッ
トスピーカとハンズフリースピーカとを兼用する。上記
増幅器は、例えば可変利得増幅器からなり、上記スピー
カ5aがハンドセットスピーカとして使用される場合に
は振幅レベルの小さい受話音声信号を出力するように利
得が設定され、また上記スピーカ5aがハンズフリース
ピーカとして使用される場合には振幅レベルの大きい受
話音声信号を出力するように利得が設定される。
【0089】また携帯電話装置本体5は、ハンドセット
マイクロホンとハンズフリーマイクロホンとを兼用する
マイクロホン5bを有している。使用者の送話音声は、
このマイクロホン5bで集音されて音電変換されたの
ち、A/D変換器36でディジタル信号に変換され、し
かるのちエコーキャンセラ300に入力される。このエ
コーキャンセラ300では、上記A/D変換器36から
供給されたディジタル送話音声信号に含まれる音響エコ
ー成分をキャンセルするためのディジタル信号処理が行
なわれる。
【0090】ところで、上記エコーキャンセラ300は
次のように構成される。図9はその構成を示す回路ブロ
ック図である。なお、同図において前記図4と同一部分
には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0091】本実施例のエコーキャンセラ300は、例
えばDSPにより構成されるエコーキャンセラ本体50
と、切替スイッチ51,54とを備えている。
【0092】エコーキャンセラ本体50は、受信信号メ
モリ50aと、適応フィルタ50bと、演算器50c
と、タップ係数メモリ50dと、タップ係数更新回路5
0eと、チャープ信号メモリ50fと、逆畳み込み演算
回路50gと、タップ係数初期設定用の書込みスイッチ
50hとを備えている。
【0093】切替スイッチ51,54は、無線ユニット
制御回路5cから出力される制御信号SS3に応じて、
ハンズフリー通話状態では接点bに切り替わるように、
またエコーキャンセラ30の初期トレーニング期間には
接点aに切り替わるようにそれぞれ制御される。
【0094】また、制御回路(CONT)5cは、例え
ばマイクロコンピュータを主制御部として備えたもの
で、発着信に伴う無線通話チャネルの設定制御手段や通
話制御手段などの通常の制御機能に加えて、エコーキャ
ンセラ300を初期トレーニングするためのトレーニン
グ制御手段5dを有している。
【0095】このトレーニング制御手段5dは、ハンズ
フリー通話モードが選択されている状態において、発信
および着信制御中に、上記エコーキャンセラ300を初
期トレーニングするための制御を実行するものである。
【0096】尚、5eはコンソールユニット(CU)で
あり、このコンソールユニットにはダイヤルキー、SN
DキーおよびENDキー等のキースイッチ群と、相手ダ
イヤル番号や装置の動作状態等を表示するための液晶表
示器が配設されている。また、5fは電源回路であり、
例えば乾電池5gの出力を基に所定の電源電圧Vccを生
成して各回路に供給する。
【0097】次に、以上のように構成された装置の動作
を制御回路5cの制御手順にしたがって説明する。
【0098】待受状態において、制御回路5cは着信デ
ータの到来監視および発信に伴うダイヤルキーの操作監
視を繰り返し行なっている。
【0099】この状態で、いま仮に図示しない基地局か
ら着信データが到来したとする。そうすると制御回路5
cは、この着信データが自局に対するものであり、かつ
自局が受付可能な状態であれば、図10に示すごとくス
テップS9aにより基地局との間に無線通話チャネルを
設定するための制御を実行する。そして、この無線通話
チャネルの設定が完了すると制御回路5cは、次に通話
モードとしてハンドセット通話モードが選択されている
かまたはハンズフリー通話モードが選択されているかを
判定する。この判定の結果、ハンドセット通話モードが
選択されていたとすると、制御回路5cは使用者がSN
Dキーを押して上記着信に応答するまでトーンリンガを
出力する。
【0100】これに対し、通話モードとしてハンズフリ
ー通話モードが選択されている場合には、制御回路5c
はエコーキャンセラ300を初期トレーニングするため
の制御を実行する。すなわち、制御回路5cは図10に
示すごとく、先ずステップS9bでエコーキャンセラ3
00の切替スイッチ51,54に対し制御信号SS3を
供給し、これによりこれらの切替スイッチ51,54を
接点a側に切り替える。そして、チャープ信号メモリ5
0fからチャープ信号系列を一定の周期で断続的に読出
す。そうすると、これらのチャープ信号系列は上記切替
スイッチ51を介して受話信号路に順次出力され、D/
A変換器31でアナログ信号に変換されたのち、スピー
カ5aからトーンリンガとして拡声出力される。すなわ
ち、チャープ音がトーンリンガとして兼用されている。
【0101】このチャープ音が出力されると、このチャ
ープ音のハンズフリー通話空間による音響エコーがマイ
クロホン5bに入力され、この音響エコーに対応する信
号がA/D変換器36でディジタル信号に変換されたの
ちエコーキャンセラ300に入力される。そして、この
音響エコーに対応する信号系列は、エコーキャンセラ3
00内において切替スイッチ54を介して逆畳み込み演
算回路50gに取り込まれる。そうすると逆畳み込み演
算回路50gでは、上記音響エコーの信号系列を基に演
算が行なわれ、これによりハンズフリー通話空間のイン
パルス応答の推定が行なわれる。
【0102】また、このとき制御回路5cは、ステップ
S9dにより上記インパルス応答の推定が終了したか否
かを監視している。そして、インパルス応答の推定が終
了すると、制御回路5cはステップS9eに移行してこ
こで書込みスイッチ50hをオンし、かつステップS9
fによりタップ係数メモリ50dを書込み動作状態に設
定する。このため、逆畳み込み演算回路50gから出力
された上記インパルス応答の推定結果が、上記書込みス
イッチ50hを介してタップ係数メモリ50dに転送さ
れ、このタップ係数メモリ50dにタップ係数の初期値
として書き込まれる。
【0103】そうしてタップ係数の初期設定が終了する
と、制御回路5cはステップS9gからステップS9h
に移行し、ここで上記書込みスイッチ50hをオフ状態
に復帰させる。そして、ステップS9iによりSNDキ
ーの操作監視を行なう。この状態で、使用者が上記チャ
ープ音からなるトーンリンガに気付き、SNDキーを押
して応答すると、制御回路5cはステップS9jで切替
スイッチ51,54を接点b側に切り替えるとともに、
ステップS9kにおいて上記チャープ音の出力を停止さ
せる。そして、ステップS9lによるハンズフリー通話
のための制御に移行する。
【0104】したがって、以後装置はハンズフリー通話
動作状態となり、話者はハンズフリー通話が可能とな
る。また、このときエコーキャンセラ300では、上記
タップ係数メモリ50dに初期設定されたタップ係数を
初期値として、次のようにエコーキャンセル動作が行な
われる。
【0105】なお、上記ハンズフリー通話状態におい
て、制御回路5cはステップS9mでENDキーの操作
を監視する。そして、この状態でENDキーが押される
と、制御回路5cはステップS9nに移行してここで終
話制御を行ない、しかるのち待機状態に復帰する。
【0106】次に、本実施例に係わる携帯電話装置の発
信制御動作について説明する。図11はその制御手順お
よび制御内容を示すフローチャートである。
【0107】待機状態において、使用者が発信を行なう
ために相手先のダイヤル番号の入力操作を開始したとす
る。そうすると制御回路5cは、ダイヤル番号が1桁入
力されるごとに、ステップS10aからステップS10
aに移行して、ここで上記ダイヤル番号を制御回路5c
内のレジスタに記憶する。
【0108】さて、そうしてダイヤル番号の入力操作が
行なわれると、制御回路5cはエコーキャンセラ300
の初期トレーニングを行なうための制御を実行する。す
なわち、先ずステップS10cで切替スイッチ51,5
4を接点aに切替え、続いてステップS10dによりチ
ャープ信号メモリ50fから一定長のチャープ信号系列
を読出す。そうすると、このチャープ信号系列は上記切
替スイッチ51を介して受話信号路に出力され、D/A
変換器31でアナログ信号に変換されたのち、スピーカ
5aからダイヤル確認音として拡声出力される。すなわ
ち、初期トレーニングのためのチャープ音がダイヤル確
認音として兼用される。
【0109】このチャープ音が出力されると、このチャ
ープ音のハンズフリー通話空間による音響エコーがマイ
クロホン5bに入力され、この音響エコーに対応する信
号がA/D変換器36でディジタル信号に変換されたの
ちエコーキャンセラ300に入力される。そして、この
音響エコーに対応する信号系列は、エコーキャンセラ3
00内において切替スイッチ54を介して逆畳み込み演
算回路50gに取り込まれる。そうすると逆畳み込み演
算回路50gでは、上記音響エコーの信号系列を基に演
算が行なわれ、これによりハンズフリー通話空間のイン
パルス応答の推定が行なわれる。
【0110】そして、インパルス応答の推定が終了する
と、制御回路5cはステップS10eからステップS1
0fに移行して、ここで書込みスイッチ50hをオン
し、かつステップS10gによりタップ係数メモリ50
dを書込み動作状態に設定する。このため、逆畳み込み
演算回路50gから出力された上記インパルス応答の推
定結果が、上記スイッチ50hを介してタップ係数メモ
リ50dに転送され、このタップ係数メモリ50dにタ
ップ係数の初期値として書き込まれる。そうしてタップ
係数の初期設定が終了すると、制御回路5cはステップ
S10hからステップS10iに移行し、ここで上記書
込みスイッチ50hをオフ状態に復帰させ、さらにステ
ップS10jにより切替えスイッチ51,54を接点b
に切替える。かくして、エコーキャンセラ300の初期
トレーニングが終了する。
【0111】次に制御回路5cは、ステップS10kお
よびステップS10lでそれぞれダイヤル番号の次の桁
の入力操作およびSNDキーの操作を監視する。そし
て、この状態でダイヤル番号の次の桁が入力されると、
制御回路5cはステップS10bに戻り、以後ステップ
S10cからステップS10jによる初期トレーニング
制御を先に述べたように実行する。以後同様に、ダイヤ
ル番号が1桁入力されるごとに、制御回路5cはエコー
キャンセラ300の初期トレーニング制御を行なう。す
なわち、エコーキャンセラ300の初期トレーニング
は、ダイヤル番号が1桁入力されるごとに、その際ダイ
ヤル確認音としてスピーカ5bから出力されるチャープ
音を基にその都度行なわれる。
【0112】そうしてダイヤル番号の全桁の入力が終了
して、使用者がSNDキーを押したとする。そうすると
制御回路5cは、ステップS10mにより基地局との間
に無線チャネルを設定するための制御を行なう。なお、
この無線チャネルの設定制御では、先に入力され記憶さ
れたダイヤル番号に対応するダイヤル情報の送出が行な
われる。上記無線チャネルが設定されると、制御回路5
cはステップS10nにより通話相手装置の応答を通話
リンクの状態を基に監視する。そして、この状態で通話
相手装置がオフフックして応答し、それに伴い通話リン
クが形成されると、制御回路5cはステップS10nか
らステップS10oに移行して、ここでハンズフリー通
話のための制御を開始する。かくして、使用者はハンズ
フリー通話が可能となる。
【0113】なお、上記ハンズフリー通話状態におい
て、制御回路5cはステップS10pでENDキーの操
作を監視する。そして、この状態でENDキーが押され
ると、制御回路5cはステップS10qに移行してここ
で終話制御を行ない、しかるのち待機状態に復帰する。
【0114】以上のように本実施例であれば、着信時お
よび発信時において、エコーキャンセラ300の初期ト
レーニングを行なうようにしたので、使用者は通話開始
直後から音響エコーの影響を受けることなく高品質のハ
ンズフリー通話を開始することが可能となる。また、初
期トレーニングをハンズフリー通話状態となる前の着信
制御期間中および発信制御期間中にそれぞれ行なうよう
にしたので、ハンズフリー通話に対しては初期トレーニ
ングの影響は全く及ばない。
【0115】さらに本実施例では、トーンリンガおよび
ダイヤル確認音をチャープ音により兼用しているので、
使用者に対しチャープ音を意識させることなく円滑に初
期トレーニングを行なうことができる。また、トーンリ
ンガおよびダイヤル確認音を発生するための発振回路を
不要にすることができ、これにより回路構成を簡単化す
ることが可能となる。
【0116】また本実施例では、トーンリンガおよびダ
イヤル確認音として出力されるチャープ音を基にエコー
キャンセラ300の初期トレーニングを行なっているの
で、十分な時間を使用して初期トレーニングを行なうこ
とができ、これにより極めて高精度の初期トレーニング
を行なうことができる。
【0117】(第3の実施例)本実施例は、本発明をハ
ンドセット通話機能およびハンズフリー通話機能を備え
たアナログ携帯電話装置に適用した場合の一例を示すも
のである。
【0118】第12図は、本実施例におけるアナログ携
帯電話装置の構成を示す回路ブロック図である。なお、
同図において前記図2、図3および図8と同一部分には
同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0119】本実施例のアナログ携帯電話装置は、アン
テナ1と、携帯電話装置本体6と、この携帯電話装置本
体6に対しカールコードを介して接続されたハンドセッ
ト7とから構成される。ハンドセット7には、ハンドセ
ットスピーカ7aおよびハンドセットマイクロホン7b
が設けられている。
【0120】携帯電話装置本体6には、アナログ通信の
ための回路系が設けられ、さらにハンズフリースピーカ
6aと、ハンズフリーマイクロホン6bと、制御回路
(CONT)6cと、DSPからなるエコーキャンセラ
310とが設けられている。
【0121】すなわち、受信回路22から出力された受
信中間周波信号は、アナログ音声復調回路(AUDDE
M)61でベースバンドの受話音声信号にFM復調され
たのち、エコーキャンセラ310に入力するためにA/
D変換器62でディジタル信号に変換される。このディ
ジタル受話音声信号は、エコーキャンセラ310へ分岐
入力されるとともに、切替スイッチ51を介してD/A
変換器63に入力され、ここでアナログ信号に戻され
る。そして、切替スイッチ64を介してハンズフリース
ピーカ6aから拡声出力される。
【0122】一方、話者の送話音声および上記ハンズフ
リースピーカ6aからの回り込みにより発生した音響エ
コーは、ハンズフリーマイクロホン6bで集音されて音
電変換されたのち、切替スイッチ65を介してA/D変
換器66に入力される。そして、このA/D変換器66
でエコーキャンセラ310に入力するためにディジタル
信号に変換されたのち、切替スイッチ52を介してエコ
ーキャンセラ310の演算器50cに入力される。この
演算器50cでは、上記ディジタル送話音声信号から適
応フィルタ50bにより生成された擬似エコーが差し引
かれ、これによりディジタル送話音声信号に含まれる音
響エコー成分が消去される。そして、このエコーキャン
セラ310の演算器50cから出力されたディジタル送
話音声信号は、切替スイッチ53を介してD/A変換器
67でアナログ送話信号に戻されたのち、アナログ音声
変調回路(AUDMOD)68に入力される。このアナ
ログ音声変調回路68では、上記アナログ送話音声信号
により送信搬送波信号が例えばFM変調される。そし
て、この変調された送信搬送波信号は、送信回路23で
無線チャネル周波数に周波数変換されるとともに、所定
の送信電力レベルに増幅されたのち、アンテナ共用器2
1を介してアンテナ1から図示しない基地局に向け送信
される。
【0123】ところで、エコーキャンセラ310は、切
替スイッチ51,52,53をDSP回路の外に出した
もので、受信信号メモリ50aと、適応フィルタ50b
と、演算器50cと、タップ係数メモリ50dと、タッ
プ係数更新回路50eと、チャープ信号メモリ50f
と、逆畳み込み演算回路50gと、タップ係数初期設定
用の書込みスイッチ50hとから構成される。
【0124】なお、6dはコンソールユニット(CU)
であり、このコンソールユニットにはダイヤルキー、S
NDキー、ENDキーおよび通話モード指定キーなどの
キースイッチ群と、相手ダイヤル番号や装置の動作状態
等を表示するための液晶表示器が配設されている。ま
た、6eは電源回路であり、例えば乾電池6fの出力を
基に所定の電源電圧Vccを生成して各回路に供給する。
【0125】このような構成において、先ず、ハンドセ
ット通話モードを指定した場合には、制御回路6cから
出力された切替制御信号SS1により切替スイッチ6
4,65がハンドセット7側にそれぞれ切り替わる。こ
のため、受話回路系のD/A変換器63にハンドセット
7のハンドセットスピーカ7aが接続され、またハンド
セット7のハンドセットマイクロホン7bは送話回路系
のA/D変換器66に接続される。また、それとともに
切替スイッチ51および切替スイッチ52が、それぞれ
上記切替制御信号SS1,SS2に従って短絡路側に切
り替わる。このため、送話回路系においては、A/D変
換器66とD/A変換器67とが直接接続される。
【0126】したがって、この状態で通話を行なうと、
受話回路系では受信再生された受話音声信号がハンドセ
ット7のハンドセットスピーカ7aから出力される。ま
た、送話回路系ではハンドセット7のハンドセットマイ
クロホン7bにより集音されて音電変換された話者の送
話音声信号が、エコーキャンセラ310を迂回してアナ
ログ音声変調回路68に入力される。そして、上記送話
音声信号によりFM変調された無線搬送波信号が基地局
へ向け送信される。かくして、ハンドセット通話が行な
われる。
【0127】これに対し、ハンズフリー通話モードを指
定するべく、話者がコンソールユニット6dのモード指
定スイッチを操作したとする。そうすると制御回路6c
は、着信発生時の着信応答操作または発信時のSNDキ
ーの押し操作が行なわれた時点で、先ずエコーキャンセ
ラ310を初期トレーニングするための制御を行なう。
すなわち、制御回路6cは、切替スイッチ64,65,
53に対し切替制御信号SS1を出力して、これにより
切替スイッチ64,65をそれぞれハンズフリースピー
カ6aおよびハンズフリーマイクロホン6b側に切替え
るとともに、切替スイッチ53をエコーキャンセラ31
0の演算器50c側に切替える。また、切替スイッチ5
1に対し切替制御信号SS3を出力して、切替スイッチ
51をチャープ信号メモリ50f側に切替えるととも
に、切替スイッチ52に対し切替制御信号SS2を出力
して、切替スイッチ52をエコーキャンセラ310の逆
畳み込み演算回路50g側に切替える。そして、この状
態でチャープ信号メモリ50fからチャープ信号系列を
読出す。
【0128】そうすると、チャープ信号メモリ50fか
らは一定長のチャープ信号系列が読み出され、この信号
系列はD/A変換器63でアナログ信号に変換されたの
ち、切替スイッチ64を介してハンズフリースピーカ6
aからチャープ音として拡声出力される。このチャープ
音がハンズフリーマイクロホン6bに回り込んで発生し
た音響エコーは、A/D変換器66でディジタル信号に
変換されたのち、切替スイッチ52を介してエコーキャ
ンセラ310の逆畳み込み演算回路50gに入力され
る。この逆畳み込み演算回路50gでは、上記音響エコ
ーに対応するディジタル信号系列を基に逆畳み込み演算
が行なわれ、これにより上記音響エコーのインパルス応
答が推定される。そして、この推定が完了すると制御回
路5cの制御により書込みスイッチ50hがオンとな
る。この結果上記逆畳み込み演算回路50gにより得ら
れたインパルス応答の推定結果が、上記書込みスイッチ
50hを介してタップ係数メモリ50dに転送され、こ
のメモリ50dにタップ係数の初期値として書き込まれ
る。
【0129】そしてエコーキャンセラ310の初期トレ
ーニングが終了すると、切替スイッチ50hはオフとな
り、かつ制御回路5cの制御に従って切替スイッチ51
はエコーキャンセラ310から受話路側に、また切替ス
イッチ52は逆畳み込み演算回路50gから演算器50
e側にそれぞれ切替わる。そして、以後エコーキャンセ
ラ310は学習モードとなり、装置はハンズフリー通話
状態となる。
【0130】このように本実施例であれば、ディジタル
処理回路からなるエコーキャンセラ310の前後にA/
D変換器62,66およびD/A変換器63,67を設
けることにより、アナログ携帯電話装置であっても、ハ
ンズフリー通話時に発生する音響エコーをキャンセルす
ることができる。したがって、アナログ携帯電話装置に
おいて、著しく高品質のハンズフリー通話を行なうこと
が可能になる。
【0131】(第4の実施例)本実施例は、ハンドセッ
ト通話モードとハンズフリー通話モードを備えた自動車
電話装置において、着信発生時および発信時に、ハンド
セット通話モードが選択された場合にも、ハンズフリー
通話モードが選択された場合と同様に、エコーキャンセ
ラの初期トレーニングを行なうようにしたものである。
【0132】図13および図14は、その制御手順およ
び制御内容を示すフローチャートである。同図におい
て、着信信号の到来が検出されると、装置は先ずステッ
プS12aにおいて基地局との間で無線チャネルを設定
するための制御を実行する。そして、これにより無線チ
ャネルが設定されると、ステップS12bで例えばハン
ズフリースピーカからリンギングトーンを出力して使用
者に着信の発生を報知する。この状態で、使用者が例え
ばハンドセットを持ち上げて応答したとする。そうする
と装置は、この着信応答操作をステップS12cで検出
し、以後エコーキャンセラを初期トレーニングするため
の制御に移行する。
【0133】すなわち、装置は先ずステップS12dで
エコーキャンセラを動作状態に設定し、続いてステップ
S12eによりハンズフリー通話を可能にするための制
御を実行する。そして、ハンズフリー通話が可能な状態
になると、ステップS12fに移行して、ここでチャー
プ音を用いてエコーキャンセラを初期トレーニングする
ための制御を実行する。この初期トレーニング制御の制
御手順および制御内容は第7図に示した通りである。
【0134】そして、エコーキャンセラの初期トレーニ
ングが終了すると、装置は図14に示すステップS12
gに移行し、ここで先に行なわれた着信応答操作はSN
Dキーの操作によるものかまたはハンドセットの持ち上
げによるものかを判定する。
【0135】いま仮に、上記着信応答操作がSNDキー
の操作によるものだったとすると、装置はハンズフリー
通話モードが選択されたものと判断してステップS12
pに移行し、ここでハンズフリー通話制御を開始する。
したがって、以後使用者はハンズフリー通話が可能とな
る。また、このときエコーキャンセラでは、上記初期ト
レーニングにより初期設定されたタップ係数を初期値と
して、送話音声信号に含まれる音響エコーのキャンセル
動作が開始される。
【0136】なお、ハンズフリー通話状態において、装
置はステップS12qおよびステップS12rでEND
キーの操作およびハンドセットのオフフック操作をそれ
ぞれ監視する。そして、この状態でENDキーが押され
ると、装置はステップS12oに移行してここで終話制
御を行なったのち、待機状態に復帰する。
【0137】一方、上記着信応答操作がハンドセットの
持ち上げによるものだったとすると、装置はハンドセッ
ト通話モードが選択されたものと判断し、ハンドセット
通話モードによる通話を可能にするための制御を実行す
る。すなわち、先ずステップS12hでエコーキャンセ
ラを非動作状態に設定し、次にステップS12iにより
ハンドセット通話のための制御を行なう。そして、装置
の受話回路系および送話回路系がそれぞれハンドセット
通話状態に設定されると、装置はステップS12jによ
りハンドセット通話制御を開始する。かくして、使用者
は以後ハンドセット通話が可能になる。
【0138】このハンドセット通話状態において、装置
はステップS12kおよびステップS12lでそれぞれ
ENDキーの操作およびハンドセットのオンフック操作
を監視する。そして、ENDキーが押されればステップ
S12oにより終話制御を行なって待機状態に復帰す
る。
【0139】これに対し、話者がハンドセット通話から
ハンズフリー通話に切り替えるために、ハンドセットを
クレードルに戻したとする。そうすると、装置はステッ
プS12lからステップS12mに移行し、ここで先ず
エコーキャンセラを非動作状態から動作状態に設定した
のち、ステップS12nに移行してハンズフリー通話を
可能にするための制御を行なう。そして、装置がハンズ
フリー通話可能な状態に設定されると、ステップS12
pによるハンズフリー通話制御に移行する。
【0140】すなわち、ハンドセット通話中に、通話モ
ードをハンズフリー通話モードに切り替えるための操作
が行なわれた場合には、この時点でのエコーキャンセラ
の初期トレーニングが省略されて、そのままハンズフリ
ー通話に移行する。
【0141】なお、以上着信制御の場合について説明し
たが、発信制御においても、通話リンクの形成が検出さ
れた時点で初期トレーニングを行ない、この初期トレー
ニング終了後に通話モードに応じた通話状態に移行させ
ることにより同様に実施可能である。
【0142】このように本実施例では、着信応答操作時
および発信の際の通話リンク形成時において、通話モー
ドがハンズフリー通話モードであってもまたハンドセッ
ト通話モードであってもエコーキャンセラの初期トレー
ニングを行ない、この初期トレーニング終了後に選択さ
れている通話モードに応じた通話制御を行なうようにし
ている。このため、ハンドセット通話中に通話モードを
ハンズフリー通話モードに切り替えるための操作が行な
われた場合に、この時点でエコーキャンセラの初期トレ
ーニングを行なわずに、通話状態を即時ハンズフリー通
話状態に移行させることができる。したがって、通話中
のモード切り替えを極めて短時間にかつ円滑に行なうこ
とができ、これにより通話品質を高めることができる。
【0143】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ものではない。例えば、前記第2の実施例では、着信時
において、トーンリンガの代わりにチャープ音を出力す
ることによりエコーキャンセラの初期トレーニングを行
なったが、SNDキーの操作確認音の代わりにチャープ
音を出力して初期トレーニングを行なってもよい。また
発信時においては、ダイヤル確認音の代わりにチャープ
音を出力して初期トレーニングを行なう以外に、リング
バックトーンの代わりにチャープ音を出力して初期トレ
ーニングを行なうようにしてもよい。
【0144】また、前記第3の実施例では、ハンドセッ
ト通話状態においても、受話路にはA/D変換器62お
よびD/A変換器63を挿入し、また送話路にはA/D
変換器66およびD/A変換器67を挿入している。し
かし、これらのA/D変換器62,66およびD/A変
換器63,67に対し並列にスイッチを含む迂回回路を
設け、ハンドセット通話期間中にはこれらの迂回回路の
スイッチをオンさせることにより、上記A/D変換器6
2,66およびD/A変換器63,67を介さない送受
話路を形成するようにしてもよい。この様にすれば、A
/D変換器62,66およびD/A変換器63,67に
よる処理遅延や信号歪みの発生を無くすことができ、こ
れにより高品質のハンドセット通話を行なうことができ
る。また、その際A/D変換器62,66およびD/A
変換器63,67への給電を断つようにすれば、無駄な
電力消費を低減することができる。この効果は、特に携
帯電話装置やコードレス電話装置のように電源としてバ
ッテリを使用した装置において、バッテリの延命化を図
ることができるので極めて有用である。
【0145】以上の説明において、エコーキャンセラを
動作状態/非動作状態に設定するために、日本国特許出
願:特願平3−339296,米国特許出願07/80
0,426等(これらの開示内容は本発明の中に参照と
して組み込まれる)に開示されるように、エコーキャン
セラへの電源供給を入/断するように構成してもよい
し、動作クロック信号の供給を入/断するように構成し
てもよい。
【0146】その他、エコーキャンセラの回路構成や初
期トレーニング制御手段の制御手順および制御内容、適
用する装置の種類やその構成などについても、本発明の
要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0147】
【発明の効果】以上詳述したように本発明では、ハンズ
フリー通話空間において発生する音響エコーをキャンセ
ルするためのエコーキャンセラに加え、このエコーキャ
ンセラを初期トレーニングするためのチャープ信号を発
生するためのチャープ信号発生手段と、トレーニング制
御手段とを備えている。そして、ハンズフリー通話を開
始するための所定の条件が成立したことに応じて、上記
トレーニング制御手段により、上記チャープ信号発生手
段から発生されたチャープ信号に対応するチャープ音を
上記ハンズフリー通話用スピーカから拡声出力させ、こ
のチャープ音を基に上記エコーキャンセラに初期トレー
ニングを行なわせるようにしている。
【0148】したがって本発明によれば、ハンズフリー
通話開始直後における初期エコーの発生を低減し、これ
により通話開始直後においても音響エコーの影響を受け
ずに高品質の通話を行なうことができる音声通信装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わる音声通信装置の
概略構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した装置の一部分の構成を詳細に示し
た回路ブロック図。
【図3】図1に示した装置の残りの部分の構成を詳細に
示した回路ブロック図。
【図4】図2および図3に示した装置に設けられている
エコーキャンセラの構成を示す回路ブロック図。
【図5】図2および図3に示した装置に設けられている
制御回路の着信制御手順および制御内容を示すフローチ
ャート。
【図6】図2および図3に示した装置に設けられている
制御回路の発信制御手順および制御内容を示すフローチ
ャートである。
【図7】図2および図3に示した装置に設けられている
制御回路における初期トレーニングの制御手順および制
御内容を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施例に係わる音声通信装置の
構成を示す回路ブロック図。
【図9】図8に示した装置に設けられているエコーキャ
ンセラの構成を示す回路ブロック図。
【図10】図8に示した装置に設けられている制御回路
の着信制御手順および制御内容を示すフローチャートで
ある。
【図11】図8に示した装置に設けられている制御回路
の発信制御手順および制御内容を示すフローチャートで
ある。
【図12】本発明の第3の実施例に係わる音声通信装置
の構成を示す回路ブロック図。
【図13】本発明の第4の実施例に係わる音声通信装置
による着信制御手順およびその制御内容の前半部分を示
すフローチャートである。
【図14】本発明の第4の実施例に係わる音声通信装置
により着信制御手順およびその制御内容の後半部分を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1…アンテナ 2…無線ユニット 2a…無線回路部 2b…通話回路部 2c…無線ユニット制御回路 2d…RAM 2e…電源回路 2f,2g…発振
器 2h,2i…スイッチ 3…クレードル 3a…ハンズフリースピーカ 3b…ハンズフリ
ーマイクロホン 3c…クレードル制御回路 3d…フックスイ
ッチ 3e…切替スイッチ 3f…スイッチ 3g…バッファ増幅器 4…ハンドセット 4a…ハンドセットスピーカ 4b…ハンドセッ
トマイクロホン 4c…ハンドセット制御回路 4d…キー入力部 4e…表示器 4f,33…ボリ
ウム 5…携帯電話装置本体 5a…スピーカ 5b…マイクロホン 5c…制御回路
(CONT) 5d…トレーニング制御手段 5e…コンソール
ユニット(CU) 5f…電源回路 5g…乾電池 6…携帯電話装置本体 7…ハンドセット 7a…ハンドセットスピーカ 7b…ハンドセッ
トマイクロホン 21…アンテナ共用器 22…受信回路 23…送信回路 24…周波数シン
セサイザ 25,36,41,62,66…A/D変換器 26…ディジタル復調回路(DEM) 27…誤り訂正符号復号回路(CH−COD) 28…音声符号復号回路(SP−COD) 29,32,37,51,52,53,54,64,6
5…切替スイッチ 30,300,310…エコーキャンセラ(EC−CA
N) 31,39,42,63,67…D/A変換器 34…バッファ増幅器 35…増幅器 38…ディジタル変調回路(MOD) 40…アナログ音声回路 50…エコーキャ
ンセラ本体 50a…受信信号メモリ 50b…適応フィ
ルタ 50c…演算器 50d…タップ係
数メモリ 50e…タップ係数更新回路 50f…チャープ
信号メモリ 50g…逆畳み込み演算回路 50h…書込みス
イッチ 61…アナログ音声復調回路(AUDDEM) 68…アナログ音声変調回路(AUDMOD)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 裕二 東京都日野市旭が丘1−23−1 (72)発明者 赤嶺 政巳 神奈川県横須賀市船越町7−12 C− 305 (72)発明者 伊藤 公一 東京都日野市西平山3−18−18 (56)参考文献 特開 昭64−50655(JP,A) 特開 昭60−117928(JP,A) 特開 平2−224559(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04M 1/00 H04M 1/60 H04B 3/23

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受話音声信号に対応する受話音声を拡声
    出力するためのハンズフリー通話用のスピーカ手段と、 送話音声を集音して対応する送話信号を出力するための
    ハンズフリー通話用のマイクロホン手段と、 前記スピーカ手段から前記マイクロホン手段に至る音響
    エコーパスを推定してその推定結果を基に擬似エコーを
    生成し、この擬似エコーを前記送話信号から差し引くた
    めのエコーキャンセル手段と、 このエコーキャンセル手段を初期トレーニングするため
    のチャープ信号を発生するためのチャープ信号発生手段
    と、 着信に対し応答するための操作手段と、 この操作手段による着信応答操作を検出するための検出
    手段と、 前記検出手段により着信応答操作が検出された時点から
    送受間で通話リンクが形成されるまでの期間に、この着
    信応答操作の操作確認音に代わって前記チャープ信号発
    生手段から発生されたチャープ信号に対応するチャープ
    音を前記スピーカ手段から拡声出力させ、このチャープ
    音を基に前記エコーキャンセル手段に初期トレーニング
    を行なわせるためのトレーニング制御手段とを具備した
    ことを特徴とする音声通信装置。
  2. 【請求項2】 受話音声信号に対応する受話音声を拡声
    出力するためのハンズフリー通話用のスピーカ手段と、 送話音声を集音して対応する送話信号を出力するための
    ハンズフリー通話用のマイクロホン手段と、 前記スピーカ手段から前記マイクロホン手段に至る音響
    エコーパスを推定してその推定結果を基に擬似エコーを
    生成し、この擬似エコーを前記送話信号から差し引くた
    めのエコーキャンセル手段と、 このエコーキャンセル手段を初期トレーニングするため
    のチャープ信号を発生するためのチャープ信号発生手段
    と、 着信の発生を検出するための着信検出手段と、 この着信検出手段により着信の発生が検出された時点か
    ら送受間で通話リンク が形成されるまでの期間に、この
    着信の発生を報知するためのトーンリンガに代わって、
    前記チャープ信号発生手段から発生されたチャープ信号
    に対応するチャープ音を前記スピーカ手段から拡声出力
    させ、このチャープ音を基に前記エコーキャンセル手段
    に初期トレーニングを行なわせるためのトレーニング制
    御手段とを具備したことを特徴とする音声通信装置。
  3. 【請求項3】 受話音声信号に対応する受話音声を拡声
    出力するためのハンズフリー通話用のスピーカ手段と、 送話音声を集音して対応する送話信号を出力するための
    ハンズフリー通話用のマイクロホン手段と、 前記スピーカ手段から前記マイクロホン手段に至る音響
    エコーパスを推定してその推定結果を基に擬似エコーを
    生成し、この擬似エコーを前記送話信号から差し引くた
    めのエコーキャンセル手段と、 このエコーキャンセル手段を初期トレーニングするため
    のチャープ信号を発生するためのチャープ信号発生手段
    と、 着信の発生を検出するための着信検出手段と、 この着信検出手段により着信の発生が検出された時点か
    ら送受間で通話リンクが形成されるまでの期間に、この
    着信の発生を報知するためのトーンリンガの断続出力中
    の断期間内に、前記チャープ信号発生手段から発生され
    たチャープ信号に対応するチャープ音を前記スピーカ手
    段から拡声出力させ、このチャープ音を基に前記エコー
    キャンセル手段に初期トレーニングを行なわせるための
    トレーニング制御手段とを具備したことを特徴とする音
    声通信装置。
  4. 【請求項4】 受話音声信号に対応する受話音声を拡声
    出力するためのハンズフリー通話用のスピーカ手段と、 送話音声を集音して対応する送話信号を出力するための
    ハンズフリー通話用のマイクロホン手段と、 前記スピーカ手段から前記マイクロホン手段に至る音響
    エコーパスを推定してその推定結果を基に擬似エコーを
    生成し、この擬似エコーを前記送話信号から差し引くた
    めのエコーキャンセル手段と、 このエコーキャンセル手段を初期トレーニングするため
    のチャープ信号を発生するためのチャープ信号発生手段
    と、 発信動作を開始させるための指示を入力するための操作
    手段と、 この操作手段により発信開始指示が入力された時点から
    ダイヤル情報の入力操作が開始されるまでの期間に、こ
    の発信開始指示の入力操作を報知するための操作確認音
    に代わって前記チャープ信号発生手段から発生されたチ
    ャープ信号に対応するチャープ音を前記スピーカ手段か
    ら拡声出力させ、このチャープ音を基に前記エコーキャ
    ンセル手段に初期トレーニングを行なわせるためのトレ
    ーニング制御手段とを具備したことを特徴とする音声通
    信装置。
  5. 【請求項5】 受話音声信号に対応する受話音声を拡声
    出力するためのハンズフリー通話用のスピーカ手段と、 送話音声を集音して対応する送話信号を出力するための
    ハンズフリー通話用のマイクロホン手段と、 前記スピーカ手段から前記マイクロホン手段に至る音響
    エコーパスを推定してその推定結果を基に擬似エコーを
    生成し、この擬似エコーを前記送話信号から差し引くた
    めのエコーキャンセル手段と、 このエコーキャンセル手段を初期トレーニングするため
    のチャープ信号を発生するためのチャープ信号発生手段
    と、 発信動作に必要なダイヤル情報を入力するための操作手
    段と、 この操作手段によりダイヤル情報が入力されたことに応
    じて、このダイヤル情報の入力操作を報知するための操
    作確認音に代わって前記チャープ信号発生手段から発生
    されたチャープ信号に対応するチャープ音を前記スピー
    カ手段から拡声出力させ、このチャープ音を基に前記エ
    コーキャンセル手段に初期トレーニングを行なわせるた
    めのトレーニング制御手段とを具備したことを特徴とす
    る音声通信装置。
  6. 【請求項6】 ハンドセット通話用の第1のスピーカ手
    段と、 ハンドセット通話用の第1のマイクロホン手段と、 ハンズフリー通話用の第2のスピーカ手段と、 ハンズフリー通話用の第2のマイクロホン手段と、 通話モードとして、ハンドセット通話モードおよびハン
    ズフリー通話モードのいずれか一方を選択的に指定する
    ための操作手段と、 この操作手段によりハンドセット通話モードが指定され
    た場合には、受話信号路および送話信号路にそれぞれ前
    記第1のスピーカ手段および第1のマイクロホン手段を
    接続してハンドセット通話を行なわせる第1の通話制御
    手段と、 前記操作手段によりハンズフリー通話モードが指定され
    た場合には、受話信号路および送話信号路にそれぞれ前
    記第2のスピーカ手段および第2のマイクロホン手段を
    接続してハンドセット通話を行なわせる第2の通話制御
    手段と、 前記第2のスピーカ手段から前記第2のマイクロホン手
    段に至る音響エコーパスを推定してその推定結果を基に
    擬似エコーを生成し、この擬似エコーを前記送話信号か
    ら差し引くためのエコーキャンセル手段と、 このエコーキャンセル手段を初期トレーニングするため
    のチャープ信号を発生するためのチャープ信号発生手段
    と、 前記第1の通話制御手段によるハンドセット通話中に、
    前記操作手段によりハンドセット通話モードをハンズフ
    リー通話モードに変更するための操作が行なわれたこと
    に応じて、前記エコーキャンセル手段を非動作状態から
    動作状態に設定してこの設定を確認し、かつ前記第2の
    通話制御手段によりハンズフリー通話状態が設定された
    のちに、前記チャープ信号発生手段から発生されたチャ
    ープ信号に対応するチャープ音を前記スピーカ手段から
    拡声出力させ、このチャープ音を基に前記エコーキャン
    セル手段に初期トレーニングを行なわせるためのトレー
    ニング制御手段とを具備したことを特徴とする音声通信
    装置。
  7. 【請求項7】 ハンドセット通話用の第1のスピーカ手
    段と、 ハンドセット通話用の第1のマイクロホン手段と、 ハンズフリー通話用の第2のスピーカ手段と、 ハンズフリー通話用の第2のマイクロホン手段と、 前記第2のスピーカ手段から前記第2のマイクロホン手
    段に至る音響エコーパスを推定してその推定結果を基に
    擬似エコーを生成し、この擬似エコーを前記送話信号か
    ら差し引くためのエコーキャンセル手段と、 このエコーキャンセル手段を初期トレーニングするため
    のチャープ信号を発生するためのチャープ信号発生手段
    と、 着信の発生が検出された場合および発信の発生が検出さ
    れた場合の少なくとも一方において、通話状態に移行す
    る以前に、前記チャープ信号発生手段から発生されたチ
    ャープ信号に対応するチャープ音を前記第2のスピーカ
    手段から拡声出力させ、このチャープ音を基に前記エコ
    ーキャンセル手段に初期トレーニングを行なわせるため
    のトレーニング制御手段と、 通話モードとしてハンドセット通話モードが選択された
    かまたはハンズフリー通話モードが選択されたかを判定
    するための通話モード判定手段と、 前記トレーニング制御手段による初期トレーニングの終
    了後に、前記通話モード判定手段の判定結果に応じて通
    話状態を設定するための通話制御手段とを具備したこと
    を特徴とする音声通信装置。
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