JP2003091879A - 光記録ディスク - Google Patents

光記録ディスク

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JP2003091879A
JP2003091879A JP2002157700A JP2002157700A JP2003091879A JP 2003091879 A JP2003091879 A JP 2003091879A JP 2002157700 A JP2002157700 A JP 2002157700A JP 2002157700 A JP2002157700 A JP 2002157700A JP 2003091879 A JP2003091879 A JP 2003091879A
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groove
land
pit
disc
recording
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JP2002157700A
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English (en)
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Hiroaki Takahata
広彰 高畑
Hisashi Koyake
久司 小宅
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グルーブ記録がなされ、プリピットを有する
光記録ディスクにおいて、プリピット再生信号と記録マ
ーク再生信号とを共に良好に再生可能とする。 【解決手段】 ディスク基板2表面にグルーブ4Bが存
在し、グルーブ4Bの一部が、このグルーブ4Bと隣り
合う他のグルーブ4Aに向かって突出するように屈曲し
てランドプリピット5Aが構成されており、グルーブ4
Bの深さをD Gとし、ランドプリピット5Aの深さをDP
とし、ランドプリピット5A中央と、このランドプリピ
ット5Aが突出しているグルーブ4Bの中心線との距離
をr(単位:μm)としたとき、DG、DPおよびrの間
に 0.267≦(DP/DG2・r≦0.701、 3.185≦(DP/DG)/r≦8.553 なる関係が成立する光記録ディスク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録ディスクに
関する。
【0002】
【従来の技術】光記録ディスクとしては、例えば、記録
材料として有機色素を用いるCD−R、DVD−R等の
追記型ディスクや、相変化型記録材料を用いるCD−R
W、DVD−RW等の書き換え可能型ディスクがある。
これらの光記録ディスクは、トラッキング用のグルーブ
(案内溝)を螺旋状に設けたディスク基板上に記録層を
有し、グルーブ内に記録マークを形成するグルーブ記録
がなされる。
【0003】光記録ディスクでは、同期信号やアドレス
情報等のプリフォーマット情報をあらかじめ記録してお
く必要がある。プリフォーマット情報は、グルーブをウ
ォブルさせることにより記録することができる。また、
プリフォーマット情報をもつプリピットを設けてもよ
い。ただし、グルーブのウォブルだけでプリフォーマッ
ト情報を記録した場合において、記録容量を大きくする
ために記録トラックピッチを狭くすると、変調度を十分
に高くできなくなり、また、隣接グルーブからの信号の
漏れ込みによってCNR(carrier to noise ratio)が
劣化するなどの問題が発生する。そのため、高密度な記
録がなされるDVD−RおよびDVD−RWでは、グル
ーブをウォブルさせると共に、隣り合うグルーブ間(ラ
ンドと呼ばれる)にプリピットを設けたランドプリピッ
トフォーマットが採用されている。ランドプリピットフ
ォーマットでは、記録または再生のためのレーザービー
ムは、グルーブによりトラッキングされてグルーブに集
光され、プリピットの検出は、光ディスクの半径方向に
2分割された受光素子の差信号を読みとることによって
行われる。
【0004】ここで、ディスク基板の一般的な製造方法
を説明する。
【0005】ディスク基板は、プリピットおよびグルー
ブの母型パターンを設けたスタンパを用いて、樹脂を射
出成形することにより製造される。上記スタンパは、通
常、Niから構成される。このスタンパを作製するため
には、まず、ディスク原盤を作製し、この原盤からマス
タスタンパ、マザースタンパ、チャイルドスタンパなど
を作製する。
【0006】ディスク原盤は、一般に以下の工程により
製造される。まず、ガラス等からなる剛性基板の表面に
フォトレジスト等のレジスト材料からなるレジスト層を
形成する。次いで、レーザービーム等の露光用ビームに
よりレジスト層を露光して潜像パターンを形成した後、
現像する。このようにしてレジスト層をパターニングす
ることにより、ディスク原盤が得られる。
【0007】このディスク原盤を用いてスタンパを作製
するためには、ディスク原盤のレジスト層表面に導電性
を付与するために、スパッタリングや無電解めっきなど
によりNi薄膜を形成する。次に、このNi薄膜を下地
として電鋳を行い、Ni電鋳膜を形成する。Ni薄膜お
よびNi電鋳膜からなる積層体をレジスト層から剥離
し、この積層体をマスタスタンパとして用いる。マザー
スタンパは、マスタスタンパの表面にNi電鋳膜を形成
し、このNi電鋳膜を剥離することにより作製する。こ
の際、マスタスタンパの表面を酸化させるなどして、N
i電鋳膜の剥離が容易となるようにしておく。同様な作
業により、マザースタンパを用いてチャイルドスタンパ
を作製することができる。
【0008】ディスク原盤の製造工程において、螺旋状
のグルーブに対応する潜像パターンを形成する際には、
ビームを螺旋状に走査する。グルーブ間にプリピットを
設ける場合、潜像パターン形成の際にビームを2本使用
して、一方は連続的に照射してグルーブパターンを形成
し、他方は間欠的に照射してプリピットパターンを形成
することになる。このように2本のビームを使用する方
法を、本明細書では2ビーム法と呼ぶ。この2ビーム法
を用いて作製されたディスク基板の部分平面図を図3
(A)に示し、図3(A)のB−B断面図を図3(B)
に示す。図3(A)において、ディスク基板2上には、
グルーブ4D、4E、4Fとランド3D、3E、3Fと
が交互に並んでおり、ランド3Eにはプリピット5Bが
存在する。このプリピット5Bは、隣り合う2本のグル
ーブ4D、4Eの両者とつながったものであり、これら
のグルーブおよびプリピットは、全体としてラダー状と
なっている。
【0009】特開2000−200446号公報および
特開2000−353321号公報では、このようにグ
ルーブとランドプリピットとがラダー状に形成されてい
る光ディスクにおいて、ランドプリピットに隣接する位
置に記録マークまたは情報ピットを形成した場合に、記
録マークまたは情報ピットがランドプリピット上まで広
がってしまう結果、ランドプリピット信号が正確に再生
できなくなるという問題点を指摘している。上記特開2
000−200446号公報では、ランドプリピット上
への記録マークの広がりを抑えるために、グルーブ深さ
とランドプリピット深さとを異なるものとしている。一
方、上記特開2000−353321号公報では、ラン
ドプリピットに隣接する位置においてグルーブの幅を狭
くすることを提案している。これにより、ランドプリピ
ット上に広がって形成された情報ピットにおいても、ピ
ット長さに対するピット面積の比率が、正常な情報ピッ
トと同一になる。
【0010】また、特開2000−187887号公報
では、ランドプリピットがもつプリフォーマット情報を
正確に再生するために、ランドプリピットをランドの内
周側または外周側の一部を残して形成することを提案し
ている。
【0011】上記特開2000−353321号公報お
よび特開2000−187887号公報では、それぞれ
に記載された形状のグルーブおよびランドプリピットを
形成するために、ディスク原盤を作製する際に、1本の
露光用ビームを偏向あるいは偏倚させることによりグル
ーブの一部を隣り合うグルーブの方向に突出させる方法
を提案している(特開2000−187887号公報の
図6、特開2000−353321号公報の図12)。
この方法を用いた場合、グルーブの突出部がランドプリ
ピットとなる。この方法に関し、特開2000−187
887号公報では、プリピット用レーザービームを必要
としないので、原盤露光機の光学系が簡便になるという
利点を挙げている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】グルーブの一部を突出
させてランドプリピットとして利用する光記録ディスク
では、前記2ビーム法によるディスク原盤から作製され
た従来の光記録ディスクと比べランドプリピット形状が
大きく異なるため、良好な再生特性を得るためにランド
プリピットが満足すべき条件が、従来の光記録ディスク
とは大きく異なると考えられる。しかし、このような条
件について、上記各公報ではほとんど検討されていな
い。
【0013】本発明は、グルーブ記録がなされ、隣り合
う2本のグルーブの一方の一部が他方に向かって突出し
てランドプリピットとして機能する光記録ディスクにお
いて、プリピット再生信号と記録マーク再生信号とを共
に良好に再生可能とすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(2)の本発明により達成される。 (1) ディスク基板と記録層とを有し、ディスク基板
の記録層形成面に、螺旋状または同心円状のグルーブが
存在し、グルーブ記録がなされる光記録ディスクであっ
て、グルーブの一部が、このグルーブと隣り合う他のグ
ルーブに向かって突出するように屈曲してランドプリピ
ットが構成されており、ランドプリピットが突出してい
るグルーブの深さをDGとし、ランドプリピットの深さ
をDPとし、ランドプリピット中央と、このランドプリ
ピットが突出しているグルーブの中心線との距離をr
(単位:μm)としたとき、DG、DPおよびrの間に 0.267≦(DP/DG2・r≦0.701、 3.185≦(DP/DG)/r≦8.553 なる関係が成立する光記録ディスク。 (2) 前記ランドプリピットの断面および前記グルー
ブの断面がV字状である上記(1)の光記録ディスク。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の光ディスクは、ディスク
基板と記録層とを有する。ディスク基板の記録層形成面
には、螺旋状または同心円状のグルーブが存在する。こ
のディスク基板の部分平面図を、図1(A)に示す。ま
た、図1(A)のB−B断面図を図1(B)に示す。図
1(A)において、ディスク基板2上には、グルーブ4
A、4B、4Cとランド3A、3B、3Cとが交互に並
んでいる。グルーブ4Bの一部は、隣り合うグルーブ4
Aに向かって突出するように屈曲しており、ここがラン
ドプリピット5Aとなっている。このランドプリピット
5Aは、グルーブ4Bに隣り合うグルーブ4Aとはつな
がっていない。このディスク基板2を有する光ディスク
において、記録または再生のためのレーザービームは、
図中下側から入射し、ディスク基板2を透過して記録層
(図示せず)に入射する。
【0016】このディスク基板において、グルーブ4B
の深さをDGとし、このグルーブ4Bから突出している
ランドプリピット5Aの深さをDPとし、グルーブ4B
の中心線とランドプリピット5Aの中央との距離をr
(単位:μm)としたとき、本発明では、DG、DPおよ
びr間の関係を、 0.267≦(DP/DG2・r≦0.701、 3.185≦(DP/DG)/r≦8.553 とし、好ましくは 0.459≦(DP/DG2・r≦0.604、 4.993≦(DP/DG)/r≦6.869 とする。なお、本発明においてランドプリピット5Aの
中央とは、グルーブ4Bから最も突出している位置にお
けるランドプリピット5Aの幅方向(ディスク半径方
向)中央位置である。以下では、距離rを、プリピット
のグルーブからの突出量ということがある。また、プリ
ピット5Aの深さDPとは、プリピット5Aの最大深さ
である。
【0017】上記(DP/DG2・rが本発明で限定す
る範囲より小さくなると、ランドプリピット5Aの再生
信号(LPP信号)の変調度が低くなり、十分な強度の
LPP信号が得られなくなる。一方、(DP/DG2
rが本発明で限定する範囲より大きくなると、ランドプ
リピット5Aの再生信号の変調度が大きくなりすぎて、
再生信号のエラーの原因となる。
【0018】ランドプリピットを設けたディスクでは、
記録層に形成した記録マークを読み出す際に、すなわち
記録信号を再生する際に、再生信号にランドプリピット
からの反射が位相差信号として漏れ込んでノイズとな
り、エラーが発生する。上記(DP/DG)/rを本発明
で限定する範囲内とすれば、このようにして発生するエ
ラーを実用上問題ない程度まで抑えることができる。
【0019】なお、本発明では、ディスク基板表面の少
なくともグルーブとランドプリピットとが共に存在する
領域において、DG、DPおよびr間の関係を、前記した
ものとすればよい。すなわち、グルーブの一部において
深さを変更してもよい。ただし、グルーブの全域におい
て深さDGが前記した関係を満足することが好ましく、
また、図1(B)に示すようにグルーブの全域において
深さは同じとすることが好ましい。
【0020】また、本発明におけるDG、DPおよびr間
の関係の限定は、図1(B)に示す断面、すなわち、デ
ィスク半径方向を含む断面、に現れるランドプリピット
およびグルーブの各断面がV字状である場合に、特に有
効である。
【0021】ランドプリピットおよびグルーブの各断面
をV字状とするのは、例えば以下に説明する場合が挙げ
られる。DVD−RWでは、ユーザー記録エリアより内
側のディスク内周部に、ディスク識別情報を保持するプ
リピット(以下、信号ピットという)を形成しておく必
要がある。この信号ピットは、通常のDVDプレーヤで
の読み出しを可能とするために、再生専用型DVDのプ
リピットに準じた深さ、具体的には60〜120nm程度
とする必要がある。一方、グルーブ深さを60〜120
nm程度とすると、光の干渉により反射光量が著しく低下
してしまうので、グルーブは信号ピットより浅くする必
要がある。光記録ディスクにおいて、このように深さの
異なるパターンを形成する場合、後述するディスク原盤
の説明に示すように、浅いほうのパターンの断面はV字
状となる。
【0022】本発明による効果は、(DP/DG2・r
および(DP/DG)/rが上記限定範囲内にあれば実現
する。実際に光記録ディスクを設計するに際しては、ま
ず、再生波長に対応する最適なDGを決定する。例えば
DVD−RW規格にしたがって再生波長を645〜66
0nmとしたとき、グルーブ深さDGを20〜40nmと
し、グルーブ幅を0.15〜0.30μmとし、グルー
ブの配列ピッチ(記録トラックピッチ)を0.6〜0.
9μmとすれば、トラッキングサーボ信号(プッシュプ
ル信号)を十分に大きくでき、また、再生信号のジッタ
を小さくすることができる。次に、このDGから、DP
よびrを本発明にしたがって決定する。
【0023】本発明に用いるディスク基板は、従来のデ
ィスク基板と同様に、スタンパを用いて射出成形により
製造される。
【0024】本発明においてディスク原盤を作製するに
際しては、ガラス基板等の高剛性基板の表面にポジ型の
レジスト層を形成し、レーザービーム等の露光用ビーム
によりレジスト層を露光した後、現像することによりレ
ジスト層をパターニングする工程を設ける。本発明で
は、レジスト層を露光する際に、グルーブに対応する溝
が形成できるように原盤を回転させながら1本の露光用
ビームを連続照射し、ランドプリピットを形成する位置
において露光用ビームを一瞬だけディスク原盤の径方向
に変位させる。変位中にも露光用ビームは連続的に照射
する。このときの変位量を制御することにより、図1
(A)におけるグルーブ4Bからのプリピット5Aの突
出量rを制御できる。また、露光用ビームを変位させる
際にビーム強度を増大させ、変位を元に戻す際にビーム
強度も元の値に復帰させることにより、ランドプリピッ
ト5Aの深さDPをグルーブ4Bの深さDGより大きくす
ることができる。
【0025】本発明では、グルーブ断面およびプリピッ
ト断面をいずれもV字状とし、かつ、プリピット深さD
Pをグルーブ深さDGより深くするために、グルーブおよ
びプリピットそれぞれの潜像パターンを形成する際に
は、レジスト層の底面までは達しない比較的弱い強度の
ビームを照射し、かつ、プリピットの潜像パターンを形
成する際には、グルーブの潜像パターンを形成するとき
よりも強い強度のビームをレジスト層に照射する。前述
したDVD−RWのように、グルーブおよびランドプリ
ピットよりも深い信号ピットを形成する際には、ランド
プリピット形成時よりも高強度、通常はレジスト層の底
面にまで達する程度の強度のビームを照射する。これに
より、断面がV字状のグルーブおよびランドプリピット
と、これらより深く断面がほぼ矩形の信号ピットとを、
1枚のディスク中に併存させることが可能となる。
【0026】図1(B)に示す構造のディスクは、ディ
スク原盤からの転写回数が1回であるマスタスタンパ、
転写回数が3回であるチャイルドスタンパなど、転写回
数が奇数回であるスタンパを用いることにより実現でき
る。ただし、マザースタンパなど、転写回数が偶数回で
あるスタンパを用いて作製したディスク基板を有するデ
ィスクも、本発明に包含される。
【0027】ディスク原盤からの転写回数が偶数回であ
るスタンパを用いて作製されたディスク基板は、図2に
示されるように、表面の凹凸パターンが図1(B)を裏
返したものとなる。すなわち、このディスク基板2にお
いては、グルーブおよびランドプリピットが凸となり、
ランドが凹となる。この場合、グルーブ高さおよびラン
ドプリピット高さがそれぞれ前記したDGおよびDPとな
るように設定すれば、本発明による効果が実現する。
【0028】図2において、記録または再生のためのレ
ーザービームは、ディスク基板2のグルーブ形成面に設
けられた記録層(図示せず)に、図中上側から入射す
る。この構成とする場合、通常、記録層上に透光性の基
体または層が設けられる。この基体または層は、記録層
を保護し、かつ、前記レーザービームに対して透光性を
有するものである。上記透光性の基体または層を設ける
際には、これらにディスク基板2のグルーブおよびラン
ドプリピットの形状を転写する。したがって、上記透光
性の基体または層は、本発明で限定する形状および寸法
をもつディスク基板とみなすことができる。なお、この
場合、ディスク基板2は前記レーザービームに対し透光
性を有する必要はない。
【0029】透光性の基体または層は、塗布法等により
形成した樹脂層であってもよく、樹脂シートを貼り付け
たものであってもよく、樹脂やガラスからなる可撓性な
いし剛性の板状体を接着層により貼り付けたものであっ
てもよい。樹脂層や樹脂シートからなる透光性層は、厚
さ300μm程度以下まで薄くすることができるので、
例えば0.75〜0.95程度の高NAをもつ対物レン
ズを有する光ピックアップによって再生を行う際に有利
である。高NA化するとコマ収差が大きくなるため、チ
ルトマージンが小さくなってしまうが、薄い透光性層を
設けることによりこれを改善できる。なお、透光性層を
酸化物、窒化物、炭化物、炭素等の無機材料から構成す
ることもできる。無機材料からなる透光性層は、厚さを
500nm程度以下まで薄くできる。
【0030】本発明のディスクにおいて、ディスク基板
構成材料は特に限定されず、射出成形が可能な各種樹
脂、例えばポリカーボネート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリオレフィン等から適宜選択すればよい。支持基
体の厚さは特に限定されず、射出成形により高精度のパ
ターン形成が可能である程度の厚さとすればよいが、通
常、0.3〜1.5mm程度とすることが好ましい。
【0031】ただし本発明では、ディスク基板の構成材
料として樹脂以外のものを用いることもできる。例え
ば、2P(フォトポリマー)法によりグルーブ、ランド
およびプリピットのパターンを形成した場合でも、本発
明の効果は実現する。この場合のディスク基板は、ガラ
ス板とその上に形成した2P樹脂層とから構成されるこ
とになる。なお、2P法において、ガラス板の替わりに
樹脂板や金属板を用いることもできる。また、例えば、
溶融ないし軟化したガラスをスタンパにより成形して、
ディスク基板とすることもできる。
【0032】本発明は、グルーブを記録トラックとし、
かつ、ランドプリピットを設けた各種光記録ディスク、
例えば、相変化型記録材料を用いるディスクまたは有機
色素を記録材料として用いるディスクなどに適用できる
が、相変化型記録材料を用いるディスクに適用した場合
に特に高い効果が得られる。相変化型記録材料を用いる
ディスクは、レーザービーム入射側から見て、手前側か
ら奥に向かって第1誘電体層、記録層、第2誘電体層お
よび反射層をこの順で設けた構造が一般的である。相変
化型記録材料としては、例えばSb−Te系、Ag−I
n−Sb−Te系、Ge−Sb−Te系等が用いられ
る。有機色素を用いるディスクは、レーザービーム入射
側から見て、手前側から奥に向かって記録層および反射
層をこの順で設けた構造が一般的である。有機色素に
は、例えばフタロシアニン系、シアニン系、アゾ系等が
用いられる。これらのディスクに本発明を適用するに際
し、支持基体以外の構成は特に限定されず、従来のディ
スクと同様であってよい。
【0033】
【実施例】図1(A)に示す構造をもつディスク基板2
を有する光ディスクを、以下の手順で作製した。
【0034】まず、光学研磨されたガラス基板の表面を
カップリング剤で処理した後、スピンコートによりフォ
トレジスト層を形成し、ベーキングによって残留溶剤を
蒸発させた。フォトレジスト層の厚さは90nmとした。
【0035】次いで、ガラス基板を回転させながら1本
のレーザービームを照射することによりフォトレジスト
層を露光し、グルーブおよびランドプリピットそれぞれ
の母型となる潜像パターンを形成した。レーザー波長は
351nmとし、レーザービーム照射光学系の対物レンズ
の開口数は0.9とした。なお、グルーブの配列ピッチ
(記録トラックピッチ)は0.74μmとし、グルーブ
幅は0.20μmとした。また、グルーブは螺旋状と
し、単一信号によりウォブリングさせた。この単一信号
は、ディスクの回転数と記録信号のクロック周波数とを
制御するための信号である。
【0036】ランドプリピットの潜像を形成するに際し
ては、ウォブリングさせるための前記単一信号にランド
プリピット信号を重畳することにより、ランドプリピッ
トを形成する位置においてレーザービームを一瞬だけ原
盤の径方向に変位させた。なお、この変位量を制御する
ことにより、ランドプリピットのグルーブからの突出量
rを制御した。また、前記ランドプリピット信号に同期
して、レーザービームの強度を補正する信号を出力する
ことにより、レーザービームの変位に同期してレーザー
ビーム強度を変更し、ランドプリピット深さDPを制御
した。なお、グルーブ深さDGは25〜35nmとした。
【0037】次いで現像処理を行うことにより、(DP
/DG2・rおよび(DP/DG)/rがそれぞれ相異な
る複数のディスク原盤を得た。これらのディスク原盤に
おいて、グルーブ断面およびランドプリピット断面は、
いずれもV字状であった。
【0038】次いで、フォトレジスト層表面に導電性を
付与するために、無電解めっきによりNi薄膜を形成
し、これを下地として電鋳を行ってNi電鋳膜を形成し
た。次に、Ni薄膜およびNi電鋳膜からなる積層体を
フォトレジスト層から剥離した後、裏面研磨を行ってマ
スタスタンパを得た。
【0039】このマスタスタンパを用い、射出成形によ
りポリカーボネート製のディスク基板(直径120mm、
厚さ0.6mm)を作製した。このディスク基板のグルー
ブ形成面に、第1誘電体層、相変化型の記録層、第2誘
電体層、反射層および樹脂保護層をこの順で形成し、光
記録ディスクとした。
【0040】これらの光記録ディスクの記録層をバルク
イレーザーにより初期化(結晶化)した後、ランドプリ
ピット信号の変調度を測定した。また、各光記録ディス
クの記録層にDVDフォーマットの信号を記録し、記録
信号を再生する際のエラー発生数を測定した。これらの
測定に用いた評価装置の条件は、 レーザー波長:650nm、 対物レンズの開口数:0.60、 線速度:3.5m/s である。記録/再生時にはディスク基板を通してレーザ
ービームを記録層に入射させた。(DP/DG2・rと
ランドプリピット信号の変調度LPPbとの関係を図4
に示し、(DP/DG)/rとエラー数との関係を図5に
示す。
【0041】図4から、本発明にしたがって 0.267≦(DP/DG2・r≦0.701、 とし、好ましくは 0.459≦(DP/DG2・r≦0.604、 とすることにより、ランドプリピット信号の変調度が適
切な値、すなわち0.18〜0.27、好ましくは0.
22〜0.25となることがわかる。
【0042】また、図5から、本発明にしたがって 4.993≦(DP/DG)/r≦6.869 とすることにより、記録信号を再生する際のエラー発生
数が28個以下と極めて少なくなることがわかる。さら
に、より広い範囲の(DP/DG)/rについても同様な
測定を行った結果、 3.185≦(DP/DG)/r≦8.553 であれば、エラー発生数が実用上問題のない範囲内(2
80個以下)に収まることがわかった。
【0043】図6に、 0.267≦(DP/DG2・r≦0.701、 3.185≦(DP/DG)/r≦8.553 から算出したDP/DGとrとの関係を示す。図中におい
て4本の線で囲まれた領域が、本発明で限定する範囲で
ある。
【0044】
【発明の効果】本発明の光記録ディスクを製造する工程
では、ディスク原盤製造工程においてレジスト層を露光
する際に、1本の露光用ビームを連続照射し、ランドプ
リピットを形成する位置において露光用ビームを一瞬だ
けディスク原盤の径方向に変位させる。これにより、グ
ルーブが屈曲し、ここがランドプリピットとなる。この
製造方法では、レジスト層露光時に2つのビームを個別
に制御する必要がないので、露光装置の構造および制御
が簡単となる。
【0045】本発明では、このような方法により製造さ
れる光記録ディスクにおいて、グルーブ深さDGおよび
ランドプリピット深さDPと、ランドプリピットのグル
ーブからの突出量rとを適切に設定するので、ランドプ
リピット信号の変調度を適切な範囲内とでき、かつ、記
録信号を再生する際にランドプリピットによるエラー発
生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明の光記録ディスクの構成例に
ついて、その一部を示す平面図であり、(B)は、
(A)のB−B断面図である。
【図2】本発明の光記録ディスクの構成例について、そ
の一部を示す断面図である。
【図3】(A)は、従来の光記録ディスクの構成例につ
いて、その一部を示す平面図であり、(B)は、(A)
のB−B断面図である。
【図4】(DP/DG2・rとランドプリピット信号の
変調度LPPbとの関係を示すグラフである。
【図5】(DP/DG)/rと記録信号の再生時のエラー
数との関係を示すグラフである。
【図6】本発明で限定するDP/DGとrとの関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
2 ディスク基板 3A、3B、3C、3D、3E、3F ランド 4A、4B、4C、4D、4E、4F グルーブ 5A、5B ランドプリピット DG グルーブ深さ DP ランドプリピット深さ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/007 G11B 7/007 Fターム(参考) 5D029 WA05 WB04 WB17 WC10 WD11 5D090 AA01 BB03 BB05 CC14 EE11 GG02 GG03 GG08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク基板と記録層とを有し、ディス
    ク基板の記録層形成面に、螺旋状または同心円状のグル
    ーブが存在し、グルーブ記録がなされる光記録ディスク
    であって、 グルーブの一部が、このグルーブと隣り合う他のグルー
    ブに向かって突出するように屈曲してランドプリピット
    が構成されており、 ランドプリピットが突出しているグルーブの深さをDG
    とし、ランドプリピットの深さをDPとし、ランドプリ
    ピット中央と、このランドプリピットが突出しているグ
    ルーブの中心線との距離をr(単位:μm)としたと
    き、DG、DPおよびrの間に 0.267≦(DP/DG2・r≦0.701、 3.185≦(DP/DG)/r≦8.553 なる関係が成立する光記録ディスク。
  2. 【請求項2】 前記ランドプリピットの断面および前記
    グルーブの断面がV字状である請求項1の光記録ディス
    ク。
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