JP2003090807A - X線撮像法 - Google Patents
X線撮像法Info
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- G—PHYSICS
- G21—NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
- G21K—TECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
- G21K2207/00—Particular details of imaging devices or methods using ionizing electromagnetic radiation such as X-rays or gamma rays
- G21K2207/005—Methods and devices obtaining contrast from non-absorbing interaction of the radiation with matter, e.g. phase contrast
Abstract
検査する撮像方法に関する。X線は試料を透過する際、
X線の振幅及び位相が変化する。この位相変化を利用し
て振幅の変化では観察することができなかった生体の軟
部組織等を造影剤の付与をしないで観察することができ
る。この位相変化を利用した位相差コントラスト型撮影
装置で、位相シフタを用いずに位相決定精度の良い位相
像を取得する。 【解決手段】 入射X線を分割する素子と分割されたX
線を結合する素子を相対的に回転させることにより、干
渉像に間隔の狭い縞を発生させる。そして、被写体の設
置により生じるこの縞の位置変動から位相分布像を計算
で求める。 【効果】 位相シフタの設置は、吸収による強度の減少
やVisibilityの低下を招くという問題もあっ
た。そこで位相シフタを用いずに位相決定精度の良い位
相像を取得する。
Description
り、物体の内部を非破壊に検査する撮像方法に関する。
び位相が変化する。一般的に位相の変化は吸収の変化に
比べて顕著であるため、この変化を捉えることにより、
高感度に物体内部を観測することができる。この位相変
化を利用した位相コントラスト型X線撮像装置として
は、特開平4−348262号公報に記載されたよう
に、ボンゼ・ハート型干渉計(たとえば、Appl. Phys.
Lett. 6,155 (1965))を利用した撮像装置が知られる。
これによれば、振幅の変化を利用した従来のX線撮像装
置では観察することができなかった生体軟部組織等を造
影剤の付与をしないでも観察することができる。
を用いた位相変化の検出を説明する。この干渉計は、等
間隔で平行に配置されたスプリッタ1、ミラー2および
アナライザー3を持った結晶ブロック4から構成され
る。入射X線5は、スプリッタ1でラウエケースのX線
回折により第1ビーム6aと第2ビーム7aに分割され
る。ミラー2に入射した第1ビーム6aは第3ビーム6
bと第4ビーム6cに、第2ビーム7aは第5ビーム7
bと第6ビーム7cに再び分割される。スプリッタ1、
ミラー2およびアナライザー3の間隔は等しいので、第
4ビーム6cと第5ビーム7bはアナライザー3上の同
じ点に入射し、回折により結合され第1干渉ビーム8a
及び第2干渉ビーム8bを形成する。
後述する説明のために参考に付した座標軸である。x軸
はスプリッタ1、ミラー2およびアナライザー3の面と
平行で水平方向の座標軸、y軸はスプリッタ1、ミラー
2およびアナライザー3の面を垂直に貫通する方向の座
標軸、z軸はスプリッタ1、ミラー2およびアナライザ
ー3の面と平行で垂直方向の座標軸である。以下、本願
の明細書に於いて座標軸に言及するときは、この座標軸
によるものとする。
一方の光路、例えばビーム6cに被写体を設置すると、
被写体の位相分布に応じてビームの位相がシフトし、他
方のビーム(7b)と結合させると干渉により位相の変
化が干渉ビーム(8a,8b)の強度変化となって現れ
る。したがって、この強度変化から、被写体の位相分布
情報を得ることができる。
場合、1枚の干渉ビームの強度変化分布像(干渉像)だ
けから精度の良い被写体の位相分布像を求めることは難
しい。そこで、分割されたビームの一方に位相シフタを
設置し、以下に示すような方法を用いて位相分布像を求
めている。
くさび形の位相シフタを用いる方法である。このくさび
形の位相シフタを分割されたビームの一方の光路に設置
すると、干渉像に間隔の狭い縞が形成され、試料をビー
ム光路に設置しないときは図3(a)のようなモアレ縞
の干渉像になり、設置したときは図3(b)のような干
渉像になる。したがって、この縞の位置の変化から被写
体による位相変化を求めることができる。尚、モアレ縞
の間隔をa、縞の変位をf、としたとき、位相変化は2
πf/aで与えられる。
(1982) に記載されているような縞走査法を用いる方法
である。この方法では、図2(a)に示したようなくさ
び形や図2(b)に示したような平板の位相シフタを分
割されたビームの一方の光路に設置する。そして、位相
シフタを平行移動或いは回転させて、分割されたビーム
間の位相差を0から2π/Mづつ変化させてM枚の干渉
像を測定した後、これら複数の干渉像から計算で位相分
布像を求める。
精度の良い位相分布像を求めるためには、位相シフタの
設置により形成された縞の位置変化から位相変化を求め
る方法や、分割されたビーム間の位相差を変化させて測
定した複数の干渉像から位相変化を求める縞走査法を用
いる必要があった。しかし、上記いずれに方法において
も、分割されたビームの一方の光路に位相シフタを新た
に設けなければならないという問題があった。また、位
相シフタの設置は、吸収による強度の減少やVisibility
の低下を招くといった問題もあった。
縞の位置変化から位相変化を求める方法において、得ら
れる被写体の位相分布像の空間分解は形成される縞の間
隔によって決定される。このため、できるだけ開き角の
大きなくさび型の位相シフタを使用することが望まし
い。しかし、その一方で角度をあまり大きくしすぎる
と、モアレ縞の間隔がX線検出器の空間分解能を越えて
しまい縞を検出できなくなったり、分割されたビーム間
の光路差が入射X線の空間コヒーレンス長を越えて干渉
縞が消えてしまうといった問題が生じる。このため、く
さびの角度が調整できることが望ましいが、通常、使用
するくさび型位相シフタは一体のアクリル等で構成され
ているために、このような調整はできなかった。このた
め、いろんな角度のくさび型位相シフタを用意して選択
して使用する必要があるという問題があった。
フタを用いることなく精度の良い位相像を取得できる位
相コントラスト型X線撮像法を提供することにある。
X線ビームをミラー2を介してアナライザー3により結
合させる際に、アナライザー3をy軸回りにわずかに回
転させる。その結果、アナライザー3の回折格子面をわ
ずかに平行移動させたことになり、くさび形の位相シフ
タを挿入したと同様なモアレ縞を形成させる。回転角度
を制御することにより、任意の間隔のモアレ縞を発生さ
せることができる。したがって、位相シフタを設置する
ことなく干渉像に細かい縞を発生させることができ、被
写体の設置によって生じるこの縞の位置変動から、被写
体の位相分布像を求めることができる。
びミラー2に対してy軸周りに微小角だけ回転させるこ
とによってモアレ縞を発生させることができることを図
4を参照して具体的に説明する。図4(a)はアナライ
ザー3をy軸周りに回転させたときの回折格子面の移動
を模式的に示す図である。初期状態では実線9の状態に
あった間隔dの回折格子面がアナライザー3をy軸周り
に回転させたとき、破線10で示すように回転する。図
4(b)に回折格子面の移動に伴うX線の重なりの移動
を説明するために、図4(a)のアナライザーの断面D
の拡大図を示す。図に示すように、平行移動dxによ
り、X線はアナライザー上のA点ではなく、B点で重な
り合うようになり、位相は2πdx/dだけ変化する。
したがって、dxの変化に伴い干渉光の強度Iは図4
(c)に示すようにdを周期として正弦的に変化するこ
とになる。ところで、上記y軸周りの回転は、dxにd
x(z)=zとなるようなz方向の分布を与える。この
結果、図4(d)に示すように、干渉光の強度はz方向
に正弦的に変化し、図4(e)に示すように、モアレ縞
を形成することができる。したがって、干渉させられる
X線の一方に被写体をおけば、この被写体の設置によっ
て生じるこの縞の位置変動から、被写体の位相分布像を
求めることができる。アナライザー3をz軸周りに回転
させることについては、後述する。
て説明する。以下に示す図において、同じ機能を有する
部分には同じ符号を付し重複する説明を省略する。
スト型X線撮像装置の一実施例の構成図である。100
はX線干渉計であり、図1で説明したように、等間隔で
配置されたスプリッタ1、ミラー2及びアナライザー3
を持った結晶ブロック4から構成されるが、結晶ブロッ
ク4のミラー2とアナライザー3とを連結している部分
の大部分が切り欠かれて細い連結片で結合されたものと
なっている。15はX線干渉計用の回転調整機構であ
り、入射X線25のX線干渉計100への入射角を調整
する。18は回転調整機構15上に搭載された基板であ
り、X線干渉計100の支持基盤となる。16は基板1
8上に搭載された支持板であり、スプリッタ1及びミラ
ー2の部分を搭載する。17はアナライザー3の部分を
搭載するチルトステージであり、後述するように、ピエ
ゾ素子17pに加える電圧を制御して、アナライザー3
をスプリッタ1及びミラー2に対して相対的に図の矢印
aの方向に回転させる。19は被写体を保持するための
ホルダーであり、20は被写体ホルダー28を位置決め
するための位置決め機構である。21はX線検出器、2
2は制御装置、23は画像処理機構、24は表示装置で
ある。
図1に示したボンゼ・ハート型干渉計と同様に干渉計1
00内で分割・反射・結合され、第1干渉ビーム26a
及び第2干渉ビーム26bを形成する。分割された一方
のビームの光路に試料ホルダー位置決め機構20により
位置決めされた試料ホルダー19を用いて被写体を設置
すると、被写体の位相分布に応じてビームの位相分布が
シフトし、干渉ビーム26a及び26bに強度変動(干
渉像)となって現れる。この干渉像をX線検出器21で
検出する。
す。図1に示したボンゼ・ハート型干渉計は入射X線5
を分割する分割素子1と、分割されたビームを結合する
結合素子3が一体の結晶ブロック4で構成されていたた
めに、分割素子と結合素子を相対的に回転させることは
できなかった。そこで、本実施例では図6に示したよう
に干渉計に切れ込みを入れ、スプリッタ1とミラー2か
らなる分割ブロック30と、アナライザー3からなる結
合ブロック31に分割する。但し、完全に分離するので
はなくて、両者は切り残された薄い連結片32で連結さ
れているとともに、それぞれ、支持板16およびチルト
ステージ17上に搭載されてボンゼ・ハート型干渉計の
基本の形を維持できる構造となっている。ここで、チル
トステージ17について見ると、図に示すように一端面
から対抗面に向かって切り込みが施されて、開口部にピ
エゾ素子17pが挿入されている。したがって、ピエゾ
素子17pに加える電圧を制御すると、電圧の大きさに
応じて開口部の開口の程度が制御される。この構造にお
いて、結合ブロック31を搭載したチルトステージ17
のピエゾ素子17pに加える電圧を制御するとにより、
ブロック30および31の切り残された薄い連結片32
が弾性変形し、結合ブロック31が分割ブロック30に
対して矢印の方向a(y軸回り)に相対的に回転する。
30と結合ブロック31の相対的なy軸回りの回転角Δ
ρは、干渉像にモアレ縞を生じる。モアレ縞の間隔Λ
は、(1)式で与えられる。
り位相シフタを用いることなく、任意の間隔のモアレ縞
を干渉像に形成することができる。
線回折には、どのような回折格子面を用いてもよいが、
この実施の形態では回折角度幅が広く、回折時の強度損
失の少ないSi(220)面の回折を用いている。した
がって、結晶の方位は図に示したように、X軸は<1,
1,0>、Y軸は<0,0,1>となる。Si(22
0)の格子面間隔dは0.192nmであるので、モア
レ縞の間隔を100ミクロンに調整するためには、Δρ
を2μrad程度の精度で制御する必要がある。したが
って、チルトステージにはピエゾ素子のような極めて位
置決め精度の高い駆動素子を用いる。
のでチルトステージの調整は、例えばX線検出器21で
干渉像をモニターしながら被写体の位相分布像を取得す
るのに最適な間隔のモアレ縞となるように制御装置22
からピエゾ素子17pに加える電圧を制御して行う。
上記のように回転角Δρを適当量ずらすことによって形
成されたモアレ縞を含んだ干渉像から以下の手順によっ
て求める。 (1)被写体位置決め機構を用いて被写体をビームから
退避させて背景となる干渉像を測定する。 (2)被写体位置決め機構を用いて被写体をビーム光路
内に設置し、背景+被写体の干渉像を測定する。 (3)画像処理機構23において、2つの干渉像のモア
レ縞の位置を比較する。モアレ縞の位置の変化がf、モ
アレ縞の間隔がaであるとき、位相変化Δφは(2)式
から求める。
相分布を取り除いた形となっており、被写体の位相分布
像そのものとなる。このようにして、求めた被写体の位
相分布像を表示装置24で表示する。
結合素子を相対的に回転させて干渉像に間隔の細かいモ
アレ縞を形成することができる。したがって、位相シフ
タを設置することなく干渉像に細かい縞を発生させるこ
とができ、被写体の設置によって生じるこの縞の位置変
動から、被写体の位相決定精度が高い位相分布像を求め
ることができる。
位相の変化を縞の位置変動から直接計算し求めているた
め、位相分布像しか求めることができなかった。このた
め、被写体の吸収コントラスト像を得るためには、例え
ば、分割されたビームの一方の光路にX線遮蔽板を設置
して像を検出するなどが必要であった。ここでは、検出
した干渉像のみから位相分布像に加え吸収コントラスト
像も取得可能な実施例を示す。
(x,y)は一般に(3)式で表される。
(4)式で示される。
布、β(x,y)は干渉縞の振幅分布、φは被写体によ
る位相変化、f0はモアレ縞のx方向の空間周波数であ
る。また、*は複素共役を示す。(3)式を変数xにつ
いてフーリエ変換すると、x方向の空間周波数スペクト
ルIF(x,y)を得ることができ、(5)式となる。
あるならば、IFは完全に分離される。ここで、φに関す
る情報は数の第2項及び第3項にあるので、例えばCF
成分のみを分離し、f0だけ原点方向にシフトし、逆フ
ーリエ変換すると干渉成分cを得ることができる。した
がって、被写体による位相変化φはこのようにして算出
した干渉成分cの偏角を調べることで、吸収による強度
変化は干渉成分cの絶対値を調べることで求められる。
めるために、本実施例では実施例1の干渉像の測定手順
と同様な手順により検出した背景となる干渉像及び背景
+被写体の干渉像について、以下の処理を行う。 (1)背景となる干渉像(図7(a))について、モア
レ縞と垂直な方向のデータ列を順次像の端から1次元の
フーリエ変換する。(図7(a)では縦方向) (2)上記(1)により求めた各フーリエスペクトル
(図7(b))のうちモアレ縞の空間周波数f0より大
きな周波数のスペクトルについて、f0だけ原点方向に
シフトする。この際、f0より低周波側のスペクトルは
削除する。 (3)上記(2)の結果(図7(c))をフーリエ逆変
換し、その結果について偏角をとることにより背景位相
分布像(図7(d))を求める。 (4)背景+被写体の干渉像(図7(e))について、
上記(1)〜(3)と同様の手順の処理を行い、背景+
被写体の位相分布像(図7(f))を求める。 (5)上記(4)で求めた背景+被写体の位相分布像か
ら、上記(3)で求めた背景位相分布像を減算し、被写
体の位相分布像(図7(g))を求める。
記(3)及び(4)の手順の処理において、偏角の代わ
りに絶対値をとることで求めた背景+被写体の吸収コン
トラスト像から背景吸収コントラスト像を減算すること
により求められる。
同時に、吸収コントラスト像も取得することができる。
計は一体の結晶ブロックで構成されているために、干渉
計の大きさが母材となる結晶インゴットの直径で制限さ
れてしまい、観察視野を数cm以上確保することができ
なかった。ここでは、結晶ブロックを完全に分離する干
渉計を用いることにより、観察視野が2cm以上確保可
能な実施の形態を示す。
に図8に示すような2枚の歯を持った第1結晶ブロック
33及び第2結晶ブロック34から構成される結晶分離
型X線干渉計を用いる。入射X線39は第1結晶ブロッ
ク33の第1歯35でラウエケースのX線回折により第
1ビーム40aと第2ビーム41aに分割される。第1
ビーム40aは第1結晶ブロック33の第2歯36で第
3ビーム40bと第4ビーム40cに、第2ビーム41
aは第2結晶ブロック34の第3歯37で第5ビーム4
1bと第6ビーム41cに再び分割される。このうち第
4ビーム40cと第5ビーム41bは第2結晶ブロック
34の第4歯38上の同じ点に入射し、結合され第1干
渉ビーム42a及び第2干渉ビーム42bを形成する。
この場合、上記第1結晶ブロック33と第2結晶ブロッ
ク34は回折格子面がそろっていることが必要である。
そのため、それぞれの結晶ブロックが一つの単結晶イン
ゴットから切り出して加工されたものとするのが良い。
ロック33と第2結晶ブロック34のy軸回り(入射X
線に垂直な面内)の相対的な回転角度のずれは、干渉像
に実施例1と同じようなモアレ縞を形成する。このモア
レ縞の間隔Λは(6)式で与えられることがBeckerらに
よって示されている(J. Appl. Cryst.,7,793(197
4))。
X線検出器までの距離、第1歯35と第2歯36との間
隔、Δρは第1結晶ブロック33と第2結晶ブロック3
4のy軸回りの相対的な回転のずれ、θBは回折格子面
の間隔である。したがって、この干渉計においては、第
1結晶ブロック33と第2結晶ブロック34のy軸回り
の相対的な回転をずらすことにより、位相シフタを設置
することなくモアレ縞を干渉像に形成することができ
る。
9に示す。X線干渉計及び干渉計を搭載するX線干渉計
用位置決め機構以外は実施例1とほぼ同様な構成となっ
ている。本実施例では、第1結晶ブロック33はチルト
ステージ43に、第2結晶ブロック34はステージ44
に搭載し、それぞれのステージによる二つの結晶ブロッ
ク33、34の配置は、図8の構成を満足するものとす
るようになされる。本実施例では、第1結晶ブロック3
3を搭載したチルトステージ43により、第2結晶ブロ
ック34に対して第1結晶ブロック33を相対的にY軸
回りの回転をさせることによりΔρをずらし、モアレ縞
を発生させる。ここで、チルトステージ43は、後述す
るように、制御装置22より与えられる電圧により回転
させられるモータ22mを備えたものとされており、こ
のモータ22mの回転により可動部43mが回転させら
れる構造のもの、たとえば、スイベルステージが採用さ
れている。(6)式より、モアレ縞の間隔を例えば10
0ミクロンに調整するためには、Si(220)(d=
0.192nm)の回折を利用した場合、λ=0.07
nm、L=20m、x=63mm、θB=10.5度と
いう条件では、Δρを60μrad程度の精度で制御す
る必要がある。実施例1に比べて、必要となる角度決め
精度は低いので、チルトステージ43として、例えば通
常のスイベルステージ等を使用することができる。
よって決定されるので、チルトステージ43の調整は、
例えばX線検出器21で干渉像をモニターしながら被写
体の位相分布像を取得するのに最適な間隔のモアレ縞と
なるように制御装置22を介して行う。
上記実施例と同様にΔρを適当量ずらしてモアレ縞を干
渉像に発生させた状態で測定した干渉像から求める。位
相分布像の算出方法としては、上記実施例1のようにモ
アレ縞の位置変化からして求めても良いし、実施例2の
ようにフーリエ変換を用いて求めても良い。このように
して求めた結果は、表示装置24で表示する。
軸回りの回転は、分割されたビーム間の位相を変化させ
る。位相の変化Δφと、結晶ブロック間の相対的な回転
角Δθは(7)式で与えられる。
対応するΔθは約2nradであることがわかる。した
がって、安定した測定を行うためには、少なくともΔθ
をサブnradの精度で制御する必要がある。すなわ
ち、装置をセットした段階でΔθが適切に制御されてい
ないと、得られた干渉像のVisibilityが低下してしま
う。このため、第2結晶ブロックを搭載しているステー
ジ44には、結晶ブロック33,34間のZ軸回りの回
転をサブnradの精度で制御してすることが要求され
る。図9の実施例では、ステージ44に固体滑り機構を
採用すると同時に、可動部に圧電素子を組み合込んだ操
作装置45により操作することで、極めて位置決め精度
の高いステージとしている。
晶分離型干渉計を用いることにより観察視野が2cm以
上の位相像を取得することができる。
から評価するために生体試料の位相分布像を撮った図で
あり、(a)は本発明により、3秒×1回の露出によ
り、(b)は従来の分割されたビーム間の位相差を変化
させて測定した複数の干渉像から位相変化を求める方法
により3秒×5回の露出により撮像したものである。両
者を比較すると、幾分、本発明の方が分解能が低いかな
と言う程度の感じはあるが、実質的にほとんど同等の画
質の位相分布像の撮像が1/5の時間で得られた。
ットの肝臓の機能を評価できる生体試料の位相分布像を
撮った図である。ラットの肝臓の門脈に生理食塩水を注
して、注入した生理食塩水が門脈から静脈に流れていく
様子を6秒刻みで観察したものである。この例では、露
光時間は5秒とした。
度が高い位相分布像を得ることができる。このため、縞
走査法による撮像と比較して高いスループッととするこ
とができ、生体試料の動画観察と等価な撮像ができる。
フタにより形成されるモアレ縞の干渉像を示し、(b)
は試料がビーム光路にあるときに形成されたモアレ縞の
干渉像を示す図。
を説明するための模式図。
X線撮像装置の構成例を示す図。
を示す図。
により位相分布像を求める手順の例を示す図
渉計を示す図。
いたX線撮像装置の構成例を示す図。
るために生体試料の位相分布像を撮った図であり、
(a)は本発明、(b)は従来の縞走査法による位相分
布像の例を示す図。
位相分布像の例を示す図。
結晶ブロック、5:入射X線、6a:第1ビーム、6
b:第3ビーム、6c:第4ビーム、7a:第2ビー
ム、7b:第5ビーム、7c:第6ビーム、8a:第1
干渉ビーム、8b:第2干渉ビーム、15:X線干渉計
用位置調整機構、16:支持板、17:チルトステー
ジ、17p:ピエゾ素子、18:基板、19:試料ホル
ダー、20:試料ホルダー位置決め機構、21:X線検
出器、22:制御装置、23:画像処理機構、24:表
示装置、25:入射X線、26a:第1干渉ビーム、2
6b:第2干渉ビーム、30:分割ブロック、31:結
合ブロック、32:連結部、33:第1結晶ブロック、
34:第2結晶ブロック、35:第1歯、36:第2
歯、37:第3歯、38:第4歯、39:入射X線、4
0a:第1ビーム43、40b:第3ビーム、40c:
第4ビーム、41a:第2ビーム、41b:第5ビー
ム、41c:第6ビーム、42a:第1干渉ビーム、4
2b:第2干渉ビーム、43:チルトステージ、43
m:可動部、44:ステージ、100:X線干渉計。
0)
Claims (3)
- 【請求項1】入射するX線を分割素子により相互に干渉
する二つのビームに分割し、上記二つのビームの一つに
被写体位置決め機構を用いて被写体を挿入して得られる
ビームと他の一つのビームとを結合素子により結合し、
結合したビームを検出器で検出して上記被写体の像を得
るX線撮像法において、上記結合素子の回折格子面を等
価的に平行移動させるように、上記結合素子を上記分割
素子に対して相対的に回転させて測定した像から上記被
写体の位相分布像を得ることを特徴とするX線撮像法。 - 【請求項2】上記検出した像をフーリエ変換して得られ
たフーリエスペクトルについて、その一部の成分を抽出
して上記の相対的な回転によって形成された縞の間隔の
周波数だけ原点方向にシフトさせた後、逆フーリエ変換
を行い上記被写体の位相分布像を得る請求項1記載のX
線撮像法。 - 【請求項3】上記分割素子及び上記結合素子に、それぞ
れ一つの単結晶インゴットから切り出して加工された二
つのハーフミラーとその基部から構成された結晶ブロッ
クを使用して被写体の像を得る請求項1または2記載の
X線撮像法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001284444A JP4015394B2 (ja) | 2001-09-19 | 2001-09-19 | X線撮像法 |
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---|---|---|---|
JP2001284444A JP4015394B2 (ja) | 2001-09-19 | 2001-09-19 | X線撮像法 |
Publications (2)
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---|---|
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