JP2003090265A

JP2003090265A - 内燃機関用燃料供給装置

Info

Publication number: JP2003090265A
Application number: JP2001281726A
Authority: JP
Inventors: Takashi Tsutsumizaki; 高司堤崎; Yoshihiro Takada; 美博高田; Hiroshi Tanaka; 弘志田中; Kazuya Tanabe; 和也田邉; Makoto Ishii; 誠石井; Tatsuji Nonaka; 達司野中
Original assignee: Honda Motor Co Ltd; Keihin Corp
Current assignee: Honda Motor Co Ltd; Keihin Corp
Priority date: 2001-09-17
Filing date: 2001-09-17
Publication date: 2003-03-28
Anticipated expiration: 2021-09-17
Also published as: JP4011876B2

Abstract

(57)【要約】【目的】運転者の感に頼ることなく、安定した機関の
再始動を行なうことのできる内燃機関用燃料供給装置を
提供する。【構成】ミキシングボデーＭは、吸気路５０が絞り弁
５２によって開閉され、絞り弁５２より下流側の吸気路
５０Ｂにアイドルポート５６が開口し、ベンチュリー部
５３にメーンポート５４が開口する。ミキシングボデー
Ｍの絞り弁５２より下流側の吸気路５０Ｂに、ショット
エア通路１が開口し、このショットエア通路１に機関の
始動操作時においてショットエア通路１を開放する空気
制御弁２が配置される。又、ベーパライザＶの１次圧状
態にあるガス燃料がアイドルポート５６に供給され、２
次圧状態にあるガス燃料がメーンポート５４に供給され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関に向けて燃料
を供給する燃料供給装置に関し、そのうち液化石油ガス
等のガス燃料を使用する燃料供給装置及びガス燃料とガ
ソリン燃料とを択一的に選択して使用することのできる
燃料供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のガス燃料を使用する燃料供給装置
は図３に示される。ベーパライザＶは以下よりなる。５
０は筐体Ｂを１次調圧室５１と１次減圧室５２とに区分
する１次ダイヤフラムであり、１次ダイヤフラム５０は
１次調圧室５１内に縮設して配置される１次スプリング
５３のバネ力によって１次減圧室５２側へ押圧される。
５４は１次減圧室５２内において回転自在に支承される
第１支持杆５５の一端に配置される１次弁であり、この
１次弁５４は１次減圧室５２に開口する燃料流入路５６
を開閉制御する。又前記第１支持杆５５の他端は前記１
次ダイヤフラム５０に係止される。５７は１次減圧室５
２から外部に向かって開口する１次燃料吐出路であり、
該１次燃料吐出路は、スローロック弁５８によって開閉
される。５９は前記スローロック弁５８に対して開閉操
作力を付与するスローロックダイヤフラムであり、スロ
ーロックダイヤフラム５９によって画成されるスローロ
ック室６０内にはスローロックダイヤフラム５９を図３
において右方へ押圧するスローロックスプリング６１が
縮設されるとともに後述するミキシングボデーの吸気路
に連なる負圧導入路６２が開口する。（尚、スローロッ
ク弁５８とスローロックダイヤフラム５９とは連結杆に
よって連結される）６３は１次燃料吐出路５７を流れる
ガス燃料量を調整、制御する１次調整スクリューであ
り、先端にテーパー針弁部が形成される。筐体Ｂは更に
２次ダイヤフラム６４によって２次調圧室６５と２次減
圧室６６とに区分され、２次減圧室６６には１次減圧室
５２に連なる２次燃料流入路６７と外部に向かう２次燃
料吐出路６８とが開口する。６９は２次減圧室６６内に
回転自在に支承配置される第２支持杆であり、この第２
支持杆６９の一端に２次燃料流入路６７を開閉する２次
弁７０が配置されるとともにその他端は２次ダイヤフラ
ム６４に係止される。又、前記第２支持杆は２次スプリ
ング７１のバネ力によって反時計方向へ付勢されるもの
で、これによって２次弁７０は２次燃料流入路６７を閉
塞する側へ押圧される。

【０００３】ベーパライザＶからの燃料の供給を受ける
ミキシングボデーＭは、以下よりなる。ミキシングボデ
ーＭは内部を吸気路８０が貫通して穿設され、この吸気
路８０は、ミキシングボデーＭに回転自在に支承される
絞り弁軸８１に取着されたバタフライ型の絞り弁８２に
よって開閉される。又、絞り弁８２より上流側（図３に
おいて右側）の吸気路８０Ｂにはミキサーベンチュリー
部８３が設けられるもので、このミキサーベンチュリー
部８３には複数のメーンポート８４が開口する。８５は
複数のメーンポート８４に向けて燃料を供給する為のメ
ーン燃料導入路であり、具体的には環状溝８５Ａを介し
てメーンポート８４に燃料が供給される。又、８６は絞
り弁８２より下流側（図３において左側）の吸気路８０
Ａに開口して設けたアイドルポートであり、８７はアイ
ドルポート８６に向けて燃料を供給する為のスロー燃料
導入路である。

【０００４】そして、前記ミキシングボデーＭの下流側
（図３において左側）は吸気管等を介して機関Ｅに接続
され、上流側はエアクリーナＡへ接続される。一方、ベ
ーパライザＶの燃料流入路５６には、ガス燃料としての
液化石油ガス（ＬＰＧ）が供給される。液化石油ガス
（以下ＬＰＧという）を使用する際、ガス燃料源Ｔ１内
の約５ｋｇ／ｃｍ² の圧力を有するＬＰＧは、直接的に
燃料導入路５６に供給される。一方ＬＰＧに代えて圧縮
天然ガス（以下ＣＮＧという）を使用することができる
もので、このときガス燃料源Ｔ２内の約２００ｋｇ／ｃ
ｍ² の圧力を有するＣＮＧは、１次レギュレターＲによ
って約６ｋｇ／ｃｍ² の圧力に減圧され、この減圧され
たＣＮＧが燃料流入路５６へ供給される。又、ベーパラ
イザＶの２次燃料吐出路６８はミキシングボデーＭのメ
ーン燃料導入路８５と接続され、１次燃料吐出路５７は
スロー燃料導入路８７と接続される。

【０００５】そして機関の始動時及び絞り弁８２の低開
度運転時において、１次弁５４は、ガス燃料自身が有す
る燃料圧力（ＬＰＧにあっては約５ｋｇ／ｃｍ² の燃料
圧力、ＣＮＧにあっては１次レギュレターＲによって減
圧された約６ｋｇ／ｃｍ² の燃料圧力）によって燃料流
入路５６を開放し、前記ガス燃料が１次減圧室５２内へ
供給される。そして１次減圧室５２内の圧力が所定の圧
力（例えば０．３ｋｇ／ｃｍ² ）を超えて上昇すると、
１次ダイヤフラム５０が１次スプリング５３のバネ力に
抗して１次調圧室５１側へ移動し、これによって第１支
持杆５５が反時計方向へ回転して１次弁５４が燃料流入
路５６を閉塞し、もって１次減圧室５２内のガス燃料圧
力を０．３ｋｇ／ｃｍ² に調圧できる。一方、一次減圧
室５２内のガス燃料圧力が０．３ｋｇ／ｃｍ² 以下の圧
力に低下すると、１次スプリング５３は１次ダイヤフラ
ム５０を１次減圧室５２側へ押圧して移動させ、これに
よって第１支持杆５５は時計方向に回転して１次弁５４
は燃料流入路５６を開放する。従って燃料流入路５６よ
り高圧力状態のガス燃料が１次減圧室５２内へ供給さ
れ、これによって１次減圧室５２内のガス燃料圧力を再
び所定の０．３ｋｇ／ｃｍ² に復帰させることができ
る。以後、上記１次弁の動作がくり返し行なわれること
によって、１次減圧室５２内には、１次圧としての所定
の０．３ｋｇ／ｃｍ² の圧力を有するガス燃料が維持さ
れるものである。そして、この１次圧を有するガス燃料
は、１次調整スクリュー６３によってその量が制御さ
れ、このガス燃料が１次燃料吐出路５７、スロー燃料導
入路８７を介してアイドルポート８６へ供給され、更に
アイドルポート８６から絞り弁８２より下流側の吸気路
８０Ａへと供給され、これによって機関の始動時及び絞
り弁８２の低開度運転が行なわれる。尚、絞り弁８２の
中、高開度運転時においてもアイドルポート８６からは
継続的にガス燃料は供給される。

【０００６】一方、２次減圧室６６にあっては、ガス燃
料は大気圧まで減圧される。前述の如く、１次減圧室５
２内のガス燃料圧力は０．３ｋｇ／ｃｍ² に調圧される
もので、この０．３ｋｇ／ｃｍ² の圧力を有するガス燃
料は２次燃料流入路６７を介して２次弁７０に作用し、
２次弁７０は２次燃料流入路６７を開放し、２次減圧室
６６内にガス燃料が供給される。ここで、２次減圧室６
６内のガス燃料圧力が大気圧以上に上昇すると、２次ダ
イヤフラム６４は２次調圧室６５側へ変位し、これによ
ると第２支持杆６９は、２次スプリング７１のバネ力に
よって反時計方向へ回転して２次弁７０は２次燃料流入
路６７を閉塞し、これによって２次減圧室６６内のガス
燃料圧力を大気圧に復帰させる。又、２次減圧室６６内
のガス燃料圧力が大気圧以下に低下すると、２次ダイヤ
フラム６４は２次スプリング７１のバネ力に抗して２次
減圧室６６側へ変位し、これによると、第２支持杆６９
は時計方向へ回転して２次弁７０は２次燃料流入路６７
を開放し、これによって２次減圧室６６内のガス燃料圧
力を大気圧に復帰させる。以後上記２次弁７０が前記動
作をくり返し行なうことによって２次減圧室６６内のガ
ス燃料圧力を２次圧としての大気圧に維持できる。

【０００７】そして、絞り弁８２の中間開度及び高開度
運転は以下によって行なわれる。すなわち、絞り弁８２
が吸気路８０を中開度及び高開度に開放することによる
と、ミキサーベンチュリー部８３には絞り弁開度に応じ
た高い負圧が生起するもので、この負圧はメーンポート
８４、環状溝８５Ａ、メーン燃料導入路８５、２次燃料
吐出路６８を介して２次減圧室６６に作用し、２次減圧
室６６内に維持される大気圧状態にあるガス燃料がメー
ンポート８４を介してミキサーベンチュリー部８３に吸
出され、これによって絞り弁８２の中及び高開度運転が
行なわれる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来の燃料供給
装置によると、機関を停止した後に再び機関を始動する
機関の再始動時において、良好な機関の始動を行なうこ
とが困難である。すなわち、運転状態から機関が停止さ
れると、運転時において吸気路内へ供給されるガス燃料
の一部が、吸気路あるいはインテークマニホールド内に
残留するもので、かかる状態において機関が再び始動さ
れてアイドルポート８６から１次圧（０．３ｋｇ／ｃｍ
² ）状態のガス燃料が吸気路内へ供給されると、機関に
向かう混合気濃度が濃化傾向を示し、これによって良好
な機関の始動を得にくい。一方、前記不具合を解決する
為に、始動操作に際し、予め絞り弁をわずかに開放し、
混合気濃度を薄めることが考えられるが、絞り弁の開放
度合は運転者の感に頼ることに成り、一定絞り弁開度を
得ることが困難で好ましいものでない。絞り弁の開放度
合の決定にはかなりの熟練を要する。

【０００９】本発明は前記不具合に鑑み成されたもの
で、特に運転者の感に頼ることがなく、安定した機関の
再始動を行なうことのできる内燃機関用燃料供給装置を
提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を達成する為の手段】本発明になる内燃機関用燃
料供給装置は、前記目的を達成する為に、内部を吸気路
が貫通し、該吸気路が絞り弁にて開閉制御されるととも
に絞り弁より上流側の吸気路にミキサーベンチュリー部
が形成され、ミキサーベンチュリー部にメーンポートが
開口するとともに絞り弁より下流側の吸気路にアイドル
ポートが開口し、更に絞り弁より下流側の吸気路に向け
てショットエア通路を設けるとともに該ショットエア通
路に、機関の始動操作時において該通路を開放する空気
制御弁を設けたミキシングボデーと、ガス燃料源内のガ
ス燃料を１次減圧室にて所定の１次圧に減圧するととも
に２次減圧室にて略大気圧状態の２次圧に減圧するベー
パライザとを備え、前記１次圧状態にあるガス燃料をア
イドルポートより吸気路内に向けて供給するとともに２
次圧状態にあるガス燃料をメーンポートよりミキサーベ
ンチュリー部へ供給し、更に、機関の始動操作時に、空
気制御弁を開放することにより、ショットエア通路を介
して絞り弁より下流側の吸気路内に始動用空気を供給し
たことを第１の特徴とする。

【００１１】又、本発明になる内燃機関用燃料供給装置
は、内部を吸気路が貫通し、吸気路に設けられるミキサ
ーベンチュリー部にメーンポートが開口するミキシング
ボデーと、ミキシングボデーの下流側に配置され、内部
を吸気路が貫通し、該吸気路が絞り弁にて開閉制御され
るとともに浮子室内に貯溜されるガソリン燃料が、絞り
弁より上流側の吸気路に形成されるキャブベンチュリー
部に開口する主ノズルと、絞り弁に臨んで吸気路に開口
する低速噴孔とを介して吸出され、又、絞り弁より下流
側の吸気路にアイドルポートが開口し、更に絞り弁より
下流側の吸気路に向けてショットエア通路を設けるとと
もに該ショットエア通路に機関の始動操作時において該
通路を開放する空気制御弁を備える気化器と、ガス燃料
源内のガス燃料を、１次減圧室にて所定の１次圧に減圧
するとともに２次減圧室にて略大気圧状態の２次圧に減
圧するベーパライザとを備え、ガス燃料の使用時におい
て、気化器へのガソリン燃料の供給を停止し、前記１次
圧状態にあるガス燃料を気化器のアイドルポートより吸
気路内に向けて供給するとともに２次圧状態にあるガス
燃料をメーンポートよりミキサーベンチュリー部へ供給
し、更に、機関の始動操作時に、空気制御弁を開放する
ことにより、ショットエア通路を介して絞り弁より下流
側の吸気路に始動用空気を供給し、一方、ガソリン燃料
の使用時において、ベーパライザへのガス燃料の供給を
停止し、浮子室内に貯溜されるガソリン燃料を、主ノズ
ルを介してキャブベンチュリー部へ吸出するとともに低
速噴孔を介して吸気路内へ吸出し、更に、機関の始動操
作時に、空気制御弁を開放することにより、ショットエ
ア通路を介して絞り弁より下流側の吸気路に始動用空気
を供給したことを第２の特徴とする。

【００１２】更に本発明は、前記第１及び第２の特徴に
加え、空気制御弁を通電開型の電磁弁とし、電磁弁の電
気回路にスタータスイッチを直列に接続配置したことを
第３の特徴とする。

【００１３】更に又、本発明は、電磁弁の電気回路に、
一定温度以上で電気回路を閉じ、それ以下の温度で開
く、温度感知スイッチを直列に接続配置したことを第４
の特徴とする。

【００１４】

【作用】本発明の第１の特徴によると、機関の始動操作
時において、空気制御弁がショットエア通路を開放し、
これによってショットエア通路より絞り弁の下流側の吸
気路内に向けて一定なる始動用空気が供給される。イン
テークマニホールド内に滞溜するガス燃料はショットエ
ア通路より供給される始動用空気によって薄められ、始
動混合気の濃化傾向が抑止され、機関の良好な再始動性
を得られる。

【００１５】本発明の第２の特徴によると、ガス燃料の
使用時において、気化器へのガソリン燃料の供給が停止
される。機関の始動操作時において、空気制御弁がショ
ットエア通路を開放し、これによってショットエア通路
より気化器の絞り弁の下流側の吸気路内に向けて始動用
空気が供給される。インテークマニホールド内に滞溜す
るガス燃料はショットエア通路より供給される始動用空
気によって薄められ、始動混合気の濃化傾向が抑止さ
れ、機関の良好な再始動性を得られる。又、ガソリン燃
料の使用時において、ベーパライザへのガス燃料の供給
は停止される。機関の始動操作時において、空気制御弁
がショットエア通路を開放し、これによってショットエ
ア通路より気化器の絞り弁の下流側の吸気路内に向けて
始動用空気が供給される。インテークマニホールド内に
滞溜するガソリン燃料はショットエア通路より供給され
る始動用空気によって薄められ、始動混合気の濃化傾向
が抑止され、機関の良好な再始動性を得られる。

【００１６】本発明の第３の特徴によると、機関の始動
操作時においてスタータスイッチが閉じられると、電磁
弁はこれと連動してショットエア通路を開放し、ショッ
トエア通路から絞り弁より下流側の吸気路に向けて始動
用空気が供給され、これによって始動操作時において自
動的に始動混合気の濃化傾向が抑止される。

【００１７】本発明の第４の特徴によると、機関の始動
操作時においてスタータスイッチが閉じられ、又機関雰
囲気温度が一定温度以上の温度状態において温度感知ス
イッチが閉じられ、電磁弁は自動的にショットエア通路
を開放し、ショットエア通路から絞り弁より下流側の吸
気路に向けて始動用空気が供給される。従って、機関の
雰囲気温度が一定温度以上の状態で且つ機関の始動操作
時において、自動的に始動混合気の濃化傾向が抑止され
る。

【００１８】

【実施例】以下、本発明になる内燃機関用燃料供給装置
の一実施例を図１により説明する。尚、ガス燃料源Ｔ
１、Ｔ２とベーパライザＶと、ミキシングボデーＭにつ
いては図３と同一であるので同一符号を使用し、説明を
省略する、１はショットエア通路でその上流は大気に連
通され、下流はミキシングボデーＭの絞り弁８２より下
流側の吸気路８０Ａ内に連絡される。例えばショットエ
ア通路１の上流側はエアクリーナＡに接続され、下流は
絞り弁８２より下流側の吸気路８０Ａに開口するアイド
ルポート８６に接続される。又、ショットエア通路１に
は、機関の始動操作時において、ショットエア通路１を
開放する空気制御弁２が配置される。図１に示される空
気制御弁２は通電開型の電磁弁Ｓであり、電磁コイル３
に通電されることにより弁体としての可動コア４が固定
コア５に吸引され、ショットエア通路１を開放するもの
で、電磁弁Ｓの電気回路にはスタータスイッチ６が図示
されぬ電源と直列に接続配置される。

【００１９】かかる内燃機関用燃料供給装置によると、
絞り弁８２の低開度、中開度及び高開度運転時におい
て、ガス燃料源Ｔ１又はＴ２内の何れか一方のガス燃料
は従来と同様にアイドルポート８６及びメーンポート８
４より吸気路８０内へ供給され、それらの機関運転が行
なわれる。ここで機関が停止された後に再び機関を始動
する機関の再始動時について述べると、機関の始動操作
時において、空気制御弁２はショットエア通路１を開放
保持する。図１において説明すると、機関の始動操作時
に図示せぬスタータを駆動する為に、スタータスイッチ
６の電気接点が閉じられると、電磁弁Ｓの電磁コイル３
は通電され、弁体としての可動コア４が固定コア５に吸
引されてショットエア通路１を開放する。以上による
と、ショットエア通路１からアイドルポート８６を介し
て絞り弁８２より下流側の吸気路８０Ａ内に向けて始動
用空気が自動的に供給されるもので、吸気路８０Ａ及び
その下流のインテークマニホールド（図示せず）内にガ
ス燃料が残存して滞溜していたとしても前記始動用空気
によって混合気が過濃となることがなく適正に薄めら
れ、機関の再始動を良好に行なうことができる。又、機
関の始動操作が完了してスタータが停止すると、スター
タスイッチ６は再び電気接点を開くので、電磁弁Ｓへの
電気の供給が遮断され、ショットエア通路１は電磁弁Ｓ
によって再び閉塞保持され、ショットエア通路１からの
始動用空気の供給が停止される。従って、機関のアイド
リング運転時において、始動用空気が供給されてアイド
リング回転数が上昇するという不具合が発生することが
ない。

【００２０】尚、前記空気制御弁２として電磁弁を用い
たものであるが、手動操作によって通路を開閉する手動
開閉弁を用いてもよく、このとき運転者は始動操作時に
手動開閉弁を操作してショットエア通路１を開放し、始
動操作終了時に再び運転者は手動開閉弁を操作してショ
ットエア通路１を閉塞する。そして、かかる手動開閉弁
を運転者が開閉操作したとしても、開放時においてショ
ットエア通路１からは弁孔に相当する一定の始動用空気
を供給できるので、運転者の感にたよって始動用空気が
変わることがない。

【００２１】又電磁弁Ｓの電気回路にスタータスイッチ
６と直列に温度感知スイッチ７を直列接続してもよい。
この温度感知スイッチ７は一定温度（例えば３５℃）以
上でその電気接点を閉じ、それ以下の温度で電気接点を
開くものである。これによると、特に機関の雰囲気温度
の高い状態において、電磁弁Ｓがショットエア通路１を
開放して吸気路５０Ａに始動用空気を供給するので機関
が要求する薄めの始動混合気の供給が可能である。一
方、機関の雰囲気温度の低い状態において、温度感知ス
イッチ７は電気接点を開放するので、電磁弁Ｓはショッ
トエア通路１を閉塞保持し、吸気路８０Ａに始動用空気
を供給しないので機関が要求する比較的濃めの始動混合
気の供給が可能であり、これによって機関の雰囲気温度
に対応した始動混合気の供給が可能となり、再始動性を
より一層向上できる。

【００２２】図２により本発明の内燃機関用燃料供給装
置の他の実施例について説明する。本実施例は、ガソリ
ン燃料とガス燃料とを選択して使用することのできる燃
料供給装置である。尚、ガス燃料源Ｔ１、Ｔ２及びベー
パライザＶは図３と同一であるので同一符号を使用し、
説明は省略する。Ｍはミキシングボデーで吸気路１０の
上流側にミキシングベンチュリー部１１が形成され、こ
のミキシングベンチュリー部１１には環状溝１２Ａ、メ
ーン燃料導入路１２に連なる複数のメーンポート１３が
開口して穿設される。

【００２３】ＣはミキシングボデーＭの下流側に配置さ
れる気化器で以下よりなる。２０は内部を吸気路２１が
貫通する気化器本体であり、吸気路２１は絞り弁軸２２
に取着された絞り弁２３にて開閉される。絞り弁２３よ
り上流側の吸気路にはキャブベンチュリー部２４が形成
されるもので本例にあっては吸気路２１と可動ピストン
２５の底部をもって形成された。２６は気化器本体２０
とそれをおおう浮子室本体２７とによって形成される浮
子室であり、浮子室２６内には、バルブシート２８、フ
ロートバルブ２９、フロート３０の共同作用によって一
定なるガソリン液面が形成される。又、キャブベンチュ
リー部２４には上流が浮子室２６内に連なる主燃料系と
しての主ノズル３１が開口し、絞り弁２３の上端部に臨
む吸気路２１には、上流が浮子室２６内に連なる低速燃
料系としての低速噴孔３２が開口する。又、絞り弁２３
より下流側の吸気路２１Ａにはアイドルポート３３が開
口する。更に３４は上流が大気に連なり、下流が絞り弁
２３より下流側の吸気路２１Ａ内に連なるショットエア
通路であり、本例においてその下流はアイドルポート３
３の上流に開口させた。又、ショットエア通路３４は図
１に示される空気制御弁２としての電磁弁Ｓ、電磁弁Ｓ
の電気回路を備える。そして、ミキシングボデーＭの上
流側がエアクリーナＡに接続され、気化器Ｃの下流側が
機関Ｅに接続された。又、ベーパライザＶの１次燃料吐
出路２７はアイドルポート３３に接続され、２次燃料吐
出路３８はメーン燃料導入路１２を介してメーンポート
１３に接続された。更に、ガソリン燃料源Ｔ３は、ガソ
リン燃料通路３５を介してバルブシート２８と接続され
る。

【００２４】かかる燃料供給装置において、第１にＣＮ
ＧあるいはＬＰＧ何れか一方のガス燃料を使用する際、
ガソリン燃料源Ｔ３から気化器Ｃへのガソリン燃料の供
給は停止される。絞り弁２３の低開度運転時、ベーパラ
イザＶの１次燃料吐出路２７より吐出される１次圧を有
するガス燃料は、アイドルポート３３より気化器Ｃの絞
り弁２３より下流側の吸気路２１Ａ内に供給され、これ
によって絞り弁２３の低開度運転が行なわれる。又、絞
り弁２３の中開度、高開度運転時にあっては、ベーパラ
イザＶの２次減圧室３６内に維持される２次圧としての
大気圧状態にあるガス燃料がミキシングボデーＭのメー
ンポート１３を介してミキシングベンチュリー部１１に
吸出され、これによって絞り弁２３の中、高開度運転が
行なわれる。一方、かかる燃料供給装置において、第２
にガソリン燃料を使用する際、ＣＮＧ、ＬＰＧのガス燃
料はベーパライザＶへ供給されない。そして、ガソリン
燃料源Ｔ３内のガソリン燃料はガソリン燃料通路３５、
バルブシート２８を介して浮子室２６内へ供給され、バ
ルブシート２８、フロートバルブ２９、フロート３０の
共同作用によって浮子室２６内に一定なるガソリン液面
が形成される。そして、絞り弁２３の低開度運転時にあ
っては、低速燃料系としての低速噴孔３２を介してガソ
リン燃料が吸気路２１Ａ内に供給され、絞り弁２３の
中、高開度運転時にあっては主燃料系としての主ノズル
３１よりキャブベンチュリー部２４内にガソリン燃料が
供給される。そして、ＣＮＧ、ＬＰＧの何れか一方のガ
ス燃料を使用した際、あるいはガソリン燃料を使用した
際における機関の再始動は以下の如く行なわれる。機関
の始動操作時において、空気制御弁２がショットエア通
路３４を開放するもので、ショットエア通路３４からア
イドルポート３３を介して始動用空気が吸気路２１Ａ内
に供給される。以上によると、インテークマニホールド
内にガス燃料あるいはガソリン燃料が残存したとしても
混合気が過濃となることがなく、機関の再始動を容易に
行なうことができる。又、前記第１の実施例と同様に、
空気制御弁２として電磁弁Ｓを用い、その電気回路に前
述したスタータスイッチ６を直列に接続配置すれば、ス
タータスイッチ６が閉じられる始動操作時においてのみ
始動用空気をアイドルポート３３を介して吸気路２１Ａ
内へ供給できて機関の再始動を良好に行なうことがで
き、一方始動操作が終了するや始動用空気の供給が停止
され、機関のアイドリング運転を行なうことができる。
更に、前記第１の実施例と同様に電磁弁Ｓの電気回路に
スタータスイッチ６と直列に温度感知スイッチ７を直列
に接続すると、機関雰囲気温度の高い状態において、始
動用空気が供給されて薄めの始動混合気を供給でき、機
関雰囲気温度の低い状態において始動用空気の供給が停
止され、濃めの始動混合気を供給できるので機関の雰囲
気温度に対応して再始動性を向上できる。

【００２５】

【発明の効果】以上の如く、本発明になる内燃機関用燃
料供給装置によると、１次圧状態にあるガス燃料をミキ
シングボデーのアイドルポートより吸気路内に向けて供
給するとともに２次圧状態にあるガス燃料をミキシング
ボデーのメーンポートよりミキサーベンチュリー部へ供
給し、更に、機関の始動操作時に、空気制御弁を開放す
ることにより、ショットエア通路を介して絞り弁より下
流側の吸気路内に始動用空気を供給したので、機関始動
時において、吸気路を含むインテークマニホールド内に
ガス燃料が残存したとしても、始動混合気の濃化傾向が
抑止され、ガス燃料を用いた機関の始動性を向上でき
た。又、空気制御弁は単にショットエア通路を開閉する
のみであるので、その開閉操作が運転者によって行なわ
れたとしても始動空気量は常に一定に制御され、均一な
始動空気を感に頼ることなく供給できる。又、ガス燃料
の使用時において、気化器へのガソリン燃料の供給を停
止し、１次圧状態にあるガス燃料を気化器のアイドルポ
ートより吸気路内に向けて供給するとともに２次圧状態
にあるガス燃料をミキシングボデーのメーンポートより
ミキサーベンチュリー部へ供給し、更に、機関の始動操
作時に、空気制御弁を開放することにより、ショットエ
ア通路を介して気化器の絞り弁より下流側の吸気路に始
動用空気を供給し、一方、ガソリン燃料の使用時におい
て、ベーパライザへのガス燃料の供給を停止し、浮子室
内に貯溜されるガソリン燃料を、主ノズルを介してキャ
ブベンチュリー部へ吸出するとともに低速噴孔を介して
吸気路内へ吸出し、更に、機関の始動操作時に、空気制
御弁を開放することにより、ショットエア通路を介して
気化器の絞り弁より下流側の吸気路に始動用空気を供給
したので、特にガソリン燃料とガス燃料とを選択して使
用することのできる燃料供給装置において、前記と同様
なる機関の再始動性の向上を達成できる。更に空気制御
弁を通電開型の電磁弁とし、電磁弁の電気回路にスター
タスイッチを直列に接続配置したことによると、機関の
始動操作時において、スタータを操作する間においての
み自動的に始動用空気を供給でき、始動操作の終了と同
期して始動用空気の供給を停止できたので、自動的に始
動混合気を薄化できるとともにアイドル回転数の上昇を
抑止できる。更に又、電磁弁の電気回路に一定温度以上
で電気回路を閉じ、それ以下の温度で開く温度感知スイ
ッチを直列に接続配置したことによると、機関雰囲気温
度の高い状態において、始動混合気の濃化傾向を抑止
し、機関雰囲気温度の低い状態において、始動混合気の
薄化傾向を抑止できるもので、機関雰囲気温度に合わせ
た始動混合気を供給でき、もって機関の再始動性を更に
向上できたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明になる内燃機関用燃料供給装置の一実施
例を示す要部縦断面図。

【図２】本発明になる内燃機関用燃料供給装置の他の実
施例を示す要部縦断面図。

【図３】従来の内燃機関用燃料供給装置を示す要部縦断
面図。

【符号の説明】

１、３４ショットエア通路２空気制御弁６スタータスイッチ７温度感知スイッチ１０、５０吸気路１１、５３ミキサーベンチュリー部１３、５４メーンポート２３、５２絞り弁３２低速噴孔ＡエアクリーナＣ気化器Ｅ機関ＭミキシングボデーＶベーパライザ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｆ０２Ｍ 21/04 Ｆ０２Ｍ 21/04 ＢＥＦ (72)発明者高田美博埼玉県和光市中央１−４−１株式会社本田技術研究所内 (72)発明者田中弘志埼玉県和光市中央１−４−１株式会社本田技術研究所内 (72)発明者田邉和也埼玉県和光市中央１−４−１株式会社本田技術研究所内 (72)発明者石井誠栃木県塩谷郡高根沢町宝積寺2000番地株式会社ケーヒン栃木開発センター内 (72)発明者野中達司栃木県塩谷郡高根沢町宝積寺2000番地株式会社ケーヒン栃木開発センター内Ｆターム(参考） 3G092 AB02 AB07 AB12 DF03 FA32

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内部を吸気路８０が貫通し、該吸気路が
絞り弁８２にて開閉制御されるとともに絞り弁８２より
上流側の吸気路８０Ｂにミキサーベンチュリー部８３が
形成され、ミキサーベンチュリー部８３にメーンポート
８４が開口するとともに絞り弁８２より下流側の吸気路
８０Ａにアイドルポート８６が開口し、更に絞り弁８２
より下流側の吸気路８０Ａに向けてショットエア通路１
を設けるとともに該ショットエア通路に、機関の始動操
作時において該通路を開放する空気制御弁２を設けたミ
キシングボデーＭと、ガス燃料源Ｔ１、Ｔ２内のガス燃
料を１次減圧室５２にて所定の１次圧に減圧するととも
に２次減圧室６６にて略大気圧状態の２次圧に減圧する
ベーパライザＶとを備え、前記１次圧状態にあるガス燃
料をアイドルポート８６より吸気路８０Ａ内に向けて供
給するとともに２次圧状態にあるガス燃料をメーンポー
ト８４よりミキサーベンチュリー部８３へ供給し、更
に、機関の始動操作時に、空気制御弁２を開放すること
により、ショットエア通路１を介して絞り弁８２より下
流側の吸気路８０Ａ内に始動用空気を供給したことを特
徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
【請求項２】内部を吸気路１０が貫通し、吸気路１０
に設けられるミキサーベンチュリー部１１にメーンポー
ト１３が開口するミキシングボデーＭと、ミキシングボ
デーＭの下流側に配置され、内部を吸気路２１が貫通
し、該吸気路が絞り弁２３にて開閉制御されるとともに
浮子室２６内に貯溜されるガソリン燃料が、絞り弁２３
より上流側の吸気路に形成されるキャブベンチュリー部
２４に開口する主ノズル３１と、絞り弁２３に臨んで吸
気路２１に開口する低速噴孔３２とを介して吸出され、
又、絞り弁２３より下流側の吸気路２１Ａにアイドルポ
ート３３が開口し、更に絞り弁２３より下流側の吸気路
２１Ａに向けてショットエア通路３４を設けるとともに
該ショットエア通路に機関の始動操作時において該通路
を開放する空気制御弁２を備える気化器Ｃと、ガス燃料
源Ｔ１、Ｔ２内のガス燃料を、１次減圧室５２にて所定
の１次圧に減圧するとともに２次減圧室６６にて略大気
圧状態の２次圧に減圧するベーパライザＶとを備え、ガ
ス燃料の使用時において、気化器Ｃへのガソリン燃料の
供給を停止し、前記１次圧状態にあるガス燃料を気化器
Ｃのアイドルポート３３より吸気路２１Ａ内に向けて供
給するとともに２次圧状態にあるガス燃料をメーンポー
ト１３よりミキサーベンチュリー部１１へ供給し、更
に、機関の始動操作時に、空気制御弁２を開放すること
により、ショットエア通路３４を介して絞り弁２３より
下流側の吸気路２１Ａに始動用空気を供給し、一方、ガ
ソリン燃料の使用時において、ベーパライザＶへのガス
燃料の供給を停止し、浮子室２６内に貯溜されるガソリ
ン燃料を、主ノズル３１を介してキャブベンチュリー部
２４へ吸出するとともに低速噴孔３２を介して吸気路２
１Ａ内へ吸出し、更に、機関の始動操作時に、空気制御
弁２を開放することにより、ショットエア通路３４を介
して絞り弁２３より下流側の吸気路２１Ａに始動用空気
を供給したことを特徴とする内燃機関用燃料供給装置。
【請求項３】前記空気制御弁は通電開型の電磁弁であ
り、電磁弁Ｓの電気回路にスタータスイッチ６を直列に
接続配置したことを特徴とする請求項１及び請求項２記
載の内燃機関用燃料供給装置。
【請求項４】前記電磁弁の電気回路に、一定温度以上
で電気回路を閉じ、それ以下の温度で開く、温度感知ス
イッチ７を直列に接続配置したことを特徴とする請求項
３記載の内燃機関用燃料供給装置。