JP2003090184A - 家具用シャッター及びそのシャッターを具備した家具 - Google Patents

家具用シャッター及びそのシャッターを具備した家具

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JP2003090184A
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(57)【要約】 【課 題】 家具用シャッターとして低コストかつ容
易に製造でき、また、強度も十分で外見上も容易に高級
感などを打出すことが出きるシャッターと、このシャッ
ターを具備した家具を提供すること。 【解決手段】 一枚の適宜厚さを有するプラスチックシ
ートをバキューム成形により山1aと谷1bが交互に連続し
た波板状に形成すると共に、該波板状における谷1bの断
面の厚さを山1aの断面の厚さの略1/4に形成してシャ
ッター部材1に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキャビネットなどの
オフィス用家具に適用して好適なシャッターとそのシャ
ッターを具備した家具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、筆記具などの事務用文房具や
OA機器用の消耗品や備品などの事務用品を収納してお
くワゴンタイプの抽出キャビネットがオフィスで多用さ
れている。
【0003】上記の抽出キャビネットは、事務用品など
の出入れをするため抽出をキャビネットから引き出した
りキャビネットに入れたりする必要があるが、時として
抽出を引き出したままで業務を行うこともあり、引き出
されたままの抽出が歩行などの邪魔になるという問題が
あった。
【0004】また、前記キャビネットは、その上面を平
坦に形成して物載せ台として機能するようにしたものが
大半であるが、執務中などにキャビネットの上面に載置
した物品に人が触れると、それを落下させてしまうこと
が屡々発生するとう問題もあった。
【0005】上記のような問題点に対処するため、キャ
ビネットの上半部から上面にかけてスライド式で開閉す
るシャッターを設け、キャビネットの上部をそのシャッ
ターで覆い、必要時にそのシャッターを開けて収納部の
物品の出入れを行うようにしたキャビネットが提案され
ている。
【0006】しかし乍ら、提案されているシャッター付
キャビネットにおいて、シャッターにプラスチック製シ
ャッターを用いたものは、シャッターの構造,形態の複
雑さに起因して製造コストが高く付く一方、製造にコス
ト,手間がかかる割にはシャッターの強度が十分でなか
ったり、見映えに難があるなど、未だ改善すべき問題を
抱えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来のプラスチック製シャッターを具備したキャビネッ
トの問題点に鑑み、家具用シャッターとして低コストか
つ容易に製造でき、また、強度も十分で外見上も容易に
高級感などを打出すことが出きるシャッターと、このシ
ャッターを具備した家具を提供することを、その課題と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明シャッターの構成は、一枚
の適宜厚さを有するプラスチックシートをバキューム成
形により山と谷が交互に連続した波板状に形成すると共
に、該波板状における谷の断面の厚さを山の断面の厚さ
の略1/4に形成してシャッター部材に形成したことを
第一の特徴とするものである。
【0009】本発明シャッターは、上記構成のシャッタ
ー部材のその山側上面に、当該シャッター部材と平面形
状が略同じ平坦なプラスチックシートをカバー部材とし
て積層すると共に、シャッター部材とカバー部材の一端
部を結合部材で止着することにより一体化し、両部材の
他の部分を互に非拘束状態又は半拘束状態で積層したこ
とを第二の特徴とするものである。
【0010】上記のように構成される本発明シャッター
は、抽出や棚板などにより収納部を形成したキャビネッ
トなどの家具用筺体における収納部の上面から前面の上
半側、乃至は、上面から前面下半側にかけて、当該筺体
の左右側に形成したシャッター走行用の溝状ガイドに、
前記シャッターを、その左右側端部が走行可能に支持案
内されるように装着し、前記筺体の収納部に対する開閉
扉として取付け、シャッター家具に構成される。
【0011】また、上記の本発明シャッターは、少なく
とも前面を開放形成したキャビネットなどの家具用筺体
の上,下側にシャッター走行用のガイドを設け、該ガイ
ドに請求項1〜3のいずれかのシャッターを、その上下
側端部を支持させて装着することにより、横引き式の家
具用シャッターとして用いることができる。
【0012】本発明シャッターは、カバー部材、及び/
又は、シャッター部材に適宜着色したもの、或は、透明
又は半透明のものを組合せて使用することにより、従来
の単なるモノトーンであった家具用のプラスチック製シ
ャッターの外観を、きわめて斬新な色彩的感覚や質感の
ものに形成することができる。
【0013】また、上記の本発明シャッターにおいて、
シャッター部材単独のもの、或は該部材とカバー部材を
積層したものは、従来のプラスチック製シャッターに比
べせん断強度を高く形成できるので、例えば、そのシャ
ッターがキャビネットの上面を閉止しているとき、当該
シャッターの上面に、多少の物品を載置してもそのシャ
ッターが撓んで物が載せられないといった事態にはなら
ない。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明シャッターとこのシャ
ッターを具備した家具の一例としてキャビネットの実施
の形態例について図に拠り説明する。図1は本発明シャ
ッターに用いるシャッター部材の部分拡大断面図、図2
は図1のシャッター部材を用いた本発明家具用シャッタ
ーの一例の中間を省略した側面図、図3は本発明シャッ
ターを装着したワゴンタイプキャビネットの側断面図、
図4は本発明家具用シャッターの別例におけるシャッタ
ー部材とカバー部材の半拘束状態の一例の要部の断面図
である。
【0015】図1,図2において、1は一例としてポリ
プロピレン製のフラットな板材を原材料とし、この板材
をバキューム成形により上面が平坦な山1aと各山1aが略
V字状の谷1bより繋がった形態を呈するように形成した
本発明シャッターに用いるシャッター部材の一例であ
る。
【0016】図1に示したシャッター部材1は、一例と
して2〜3mm厚程度のポリプロピレン板(以下、PP
板)を、バキューム成形することにより、シャッターを
構成する山1aを主体とした各羽根部の1ピッチが10mm前
後、谷1bの深さ(山1aの高さ)が5〜8mm程度、谷1bの
肉厚が0.5mm程度に形成されているが、上記の各数値
は、このシャッター部材1を適用する家具の大きさによ
り選択されるPP板の厚さなどにより任意に設定して成
形することができる。
【0017】本発明では図1のシャッター部材1を、そ
のままキャビネット等の家具用シャッターとして用いる
ことができること勿論であるが、本発明の実施形態の一
例では、図2に示す断面構造を有するシャッターに形成
して用いるので、次に図2について述べる。
【0018】図2では、図1の断面を有するシャッター
部材1の上面、つまり、各山1aの側に、このシャッター
部材1における山1aの肉厚と同等乃至はそれより少し薄
い厚さのフラットなプラスチック板をカバー部材2とし
て重ねて配置し、図の左端(始端)に、シャッターの取
手(又は引手)として機能する結合部材3よりシャッタ
ー部材1とカバー部材2との始端を合着一体化してい
る。
【0019】上記シャッター部材1とカバー部材2は、
図2の例では上記の結合部材3による始端の一体化部分
を除き、他の部位,部分は、互に非拘束状態で積層して
いるだけである。本発明では、シャッター部材1とカバ
ー部材2とは、図4に例示するように、シャッター部材
1の山1aに立設した頭付きガイドピン1cとこのピン1cに
案内されるカバー部材2の長穴2bによって、両部材1,
2を半拘束状態で積層したものもある。上記ガイドピン
1cと長穴2bにより半拘束状態とする理由は、本発明シャ
ッターSが走行ガイド5のカーブにおいて積層されたシ
ャッター部材1とカバー部材2の曲率半径に差が生じる
のを吸収するためである。前記ピン1cと長穴2bの設置数
は、少なくとも一箇所以上設ければよい。そして、カバ
ー部材2の右端側は、シャッター部材1よりも少し長目
になるように延長部2aを有する長さに調整し、該延長部
2aに後述する家具に設けたシャッターの走行ガイド5に
支持案内される走行駒乃至は滑り駒として機能する走行
ブロック4を設けて、本発明シャッターSの一例を形成
している。
【0020】次に、図3により図2の本発明シャッター
SをキャビネットCaに装着した例について説明する。図
3に例示したキャビネットCaは、上面と前面が開放され
た通常のキャビネット用の筺体6の下半側に一段又は2
段以上の抽出7をガイドレール8により出入れ自在にし
て架装すると共に、上半側における抽出7の上部に物載
せ用の天板9を設ける一方、キャビネットCaの左,右の
側板10において、天板9より上方の前面から上面及びこ
のキャビネットCaの背面にかけて、シャッターSの左右
側部を収納してその走行をガイドする走行ガイド5が設
けられている。なお、9aは天板9の上方に、上下位置可
変に配置した棚板である。
【0021】上記走行ガイド5は、シャッターSの左右
側端部を上,下から挟む形に配置されたガイド部材5a,
5bにより形成されているが、このガイド部材5a,5bは、
2枚の帯状板を上,下で平行に配置したもの、或は、プ
レス加工や成形等により断面略コ状に形成したものな
ど、金属製或はプラスチック製の適宜構造のものであれ
ば足りる。
【0022】上記走行ガイド5に架装される本発明シャ
ッターSは、シャッター部材1とカバー部材2の始端部
のみを、取手を兼用した結合部材3により、合着一体化
し、他の部分はフリー状態で積層している構成である
が、これは本発明シャッターSが走行ガイド5のカーブ
(弯曲部)を走行するとき、シャッター部材1とカバー
部材2のカーブ走行時の半径が異なることにより、両部
材1と2の終端側での位置にズレが生じるのを、両部材
1,2の終端側において吸収するためである。
【0023】上記のようにしてキャビネットCaに装着さ
れた本発明シャッターSは、山1aと谷1bが連続形成され
た1枚のシャッター部材1の上面にカバー部材2を両部
材1,2の始端部のみを合着一体化し、他の部位は互に
非拘束状態又は半拘束状態での積層タイプとしたから、
十分な強度を得やすい上に、カバー部材2に適宜の着色
をしたもの、或は、半透明や透明のものを選択的に用い
ることにより、シャッターSの色調や質感などを容易か
つ自由に設定したり変更することができる。
【0024】また、本発明シャッターSでは、山1aと谷
1bによる凹凸面を有するシャッター部材1を平坦なカバ
ー部材2により覆った形態であるから、シャッター部材
1の表面が汚損されにくく、しかも、その凹凸面、特に
谷部1bに塵埃が溜って汚れたように見えるのを防ぐこと
ができる。
【0025】更に、本発明シャッター部材1は、一枚の
プラスチックシートをバキューム成形することにより形
成するので、他の成形法により製造されるプラスチック
製シャッターに比べ、金型の製作手間やそのためのコス
トが著しく少なく、また、幅や長さなどの仕様の異なる
シャッター部材であってもバキューム成形により容易に
製造することができるという利点がある。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上の通りであるから、プラス
チック製家具用のシャッターとしてきわめて有用であ
り、また、そのシャッターを装着したキャビネットなど
の家具も、シャッター部の見映えを良好にできることは
勿論、十分なせん断強度のものを装着できるから、ワゴ
ンタイプの小型家具から据置キャビネットやラックなど
の大型家具に適用しても、強度不足で実用に耐えられな
いとった問題のないシャッター付家具を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明シャッターに用いるシャッター部材の部
分拡大断面図。
【図2】図1のシャッター部材を用いた本発明家具用シ
ャッターの一例の中間を省略した側面図。
【図3】本発明シャッターを装着したワゴンタイプキャ
ビネットの側断面図。
【図4】本発明家具用シャッターの別例におけるシャッ
ター部材とカバー部材の半拘束状態の一例の要部の断面
図。
【符号の説明】
1 シャッター部材 2 カバー部材 3 結合部材 4 走行ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桜井 多弥男 大阪府大阪市中央区淡路町1丁目6番11号 株式会社イトーキ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一枚の適宜厚さを有するプラスチックシ
    ートをバキューム成形により山と谷が交互に連続した波
    板状に形成すると共に、該波板状における谷の断面の厚
    さを山の断面の厚さの略1/4に形成してシャッター部
    材に形成したことを特徴とする家具用シャッター。
  2. 【請求項2】 プラスチック製シャッター部材の山側上
    面に、当該シャッター部材と平面形状が略同じ平坦なプ
    ラスチックシートをカバー部材として積層すると共に、
    シャッター部材とカバー部材の一端部を結合部材で止着
    することにより一体化し、両部材の他の部分を互に非拘
    束状態又は半拘束状態で積層したことを特徴とする家具
    用シャッター。
  3. 【請求項3】 カバー部材は、有色又は無色の不透明,
    半透明、若しくは、透明である請求項2の家具用シャッ
    ター。
  4. 【請求項4】 抽出や棚板などにより収納部を形成した
    キャビネットなどの家具用筺体における収納部の上面か
    ら前面の上半側、乃至は、上面から前面下半側にかけ
    て、当該筺体の左右側に縦向きに形成したシャッター走
    行用のガイドに、請求項1〜3のいずれかのシャッター
    を、その山と谷を水平な向きにして左右側端部を走行可
    能に支持案内させ、前記筺体の収納部に対する開閉扉と
    して装着したことを特徴とするシャッター付家具。
  5. 【請求項5】 少なくとも前面を開放形成したキャビネ
    ットなどの家具用筺体の上,下側に横向きに形成したシ
    ャッター走行用のガイドに、請求項1〜3のいずれかの
    シャッターを、その山と谷を垂直な向きにして上下側端
    部を走行可能に支持させ装着したことを特徴とするシャ
    ッター付家具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008106472A (ja) * 2006-10-24 2008-05-08 Sakase Chemical Industry Co Ltd スラット連結具
WO2011115263A1 (ja) * 2010-03-18 2011-09-22 株式会社湯山製作所 医薬品用カート

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JP2008106472A (ja) * 2006-10-24 2008-05-08 Sakase Chemical Industry Co Ltd スラット連結具
WO2011115263A1 (ja) * 2010-03-18 2011-09-22 株式会社湯山製作所 医薬品用カート

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