JP2003089807A - 金属粒子及びその製造方法並びに樹脂組成物、接着フィルム及び半導体装置 - Google Patents

金属粒子及びその製造方法並びに樹脂組成物、接着フィルム及び半導体装置

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JP2003089807A
JP2003089807A JP2001279497A JP2001279497A JP2003089807A JP 2003089807 A JP2003089807 A JP 2003089807A JP 2001279497 A JP2001279497 A JP 2001279497A JP 2001279497 A JP2001279497 A JP 2001279497A JP 2003089807 A JP2003089807 A JP 2003089807A
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resin
metal
adhesive film
film
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JP2001279497A
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English (en)
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Teiichi Inada
禎一 稲田
Hiroki Hayashi
宏樹 林
Hidehiro Nakamura
英博 中村
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の形状、粒径、粒度分布を有する金属粒
子を容易に生産性よく製造することができる金属粒子の
製造方法を提供し、この金属粒子を含有する熱伝導性に
優れた半導体素子と半導体支持部材とを貼り付けるため
に用いられる放熱性、電気伝導性に優れる樹脂組成物と
接着フィルムを提供する。 【解決手段】 金属箔の一部を除去することにより、残
存する金属箔の断片からなる任意の形状の金属粒子を得
る。この金属粒子の樹脂に含有させフィルム状の接着フ
ィルムとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属粒子及びその製
造方法、並びにこの金属粒子を用いた樹脂組成物、接着
フィルム及び半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】導電性、熱伝導性、耐熱性等の向上を目
的に各種無機、金属粒子が接着剤、絶縁フィルム、塗料
等に使用されている。これら無機、金属粒子は通常、例
えば粉砕法、気相法等の方法によって得られるが、粒度
分布が大きく、また、形状についても任意の形とするこ
とは難しかった。また、篩い分けなどの方法で、粒度分
布を狭くすることが可能であるが、粒度分布を狭くする
ことには限界があり、また、大幅なコストの上昇を招い
ていた。
【0003】近年、半導体装置が高機能化するに従っ
て、半導体装置を作成する際に半導体素子と42アロイ
リードフレーム、銅リードフレーム等の半導体支持部材
とを貼り付けるための接着剤には、信頼性だけでなく、
放熱性、電気伝導性に対する要求も強くなってきてい
る。
【0004】放熱性、電気伝導性を高めるための手段と
して、銀や銅等の導電性の高い金属粒子を混合する方法
がある。この方法においては、接着剤の膜厚に対して、
金属粒子の大きさが小さいため、被着体に接する粒子が
少なくなる、金属粒子間に樹脂があるために熱抵抗や電
気抵抗が大きくなる等の問題があった。粒径の揃った金
属粒子を使用することで、接着剤の膜厚と金属粒子径を
ほぼ同じにすることが出来れば、前述の課題を解決で
き、熱抵抗や電気抵抗が小さくなることが考えられる
が、実際には粒径に分布があるため、樹脂が間隙に挟ま
れるため、良好な熱抵抗や電気抵抗は得られていなかっ
た。
【0005】また、基板への実装には基板全体を赤外線
等で加熱するリフローソルダリングが用いられ、パッケ
ージが200℃以上の高温に加熱されるため、パッケー
ジ内部、特に接着剤層中又は封止材中に含まれる水分の
急激な気化・膨張によりパッケージクラックが発生し、
半導体装置の信頼性が低下する問題がある。そのため、
基板、リードフレームに良好な接着性を有する信頼性の
高い接着剤が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、所望
の形状、粒径、粒度分布を有する金属粒子を容易に製造
できる金属粒子の製造方法を提供することにある。本発
明の他の目的は、上記の効果を奏し、より生産性に優れ
た金属粒子の製造方法を提供することにある。本発明の
他の目的は、より生産性に優れた金属粒子の製造方法を
提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、生産性に優れ、任意
の形状、粒径、粒度分布を有する金属粒子を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、上記の効果を奏し、さ
らに、接触性や樹脂との密着性に優れる金属粒子を提供
することにある。本発明の他の目的は、上記の効果を奏
し、さらに、加工の生産性の高い金属粒子を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、上記の効果を奏し、さ
らに、樹脂と混合して用いた場合に熱伝導性等に優れる
樹脂組成物を与える金属粒子を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、信頼性や熱伝導性等
に優れる樹脂組成物を提供することにある。本発明の他
の目的は、上記の効果を奏し、より信頼性や熱伝導性等
に優れる樹脂組成物を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、上記の効果を奏し、
さらに取扱い性等に優れる接着フィルムを提供すること
にある。本発明の他の目的は、上記の効果を奏し、より
熱伝導性に優れる接着フィルムを提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、信頼性や動作安定性
に優れた半導体装置を提供することにある。本発明の他
の目的は、上記の効果を奏し、より動作安定性に優れた
半導体装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属箔の一部
を除去することにより、残存する金属箔の断片からなる
任意の形状の金属粒子を得ることを特徴とする金属粒子
の製造方法に関する。また本発明は、金属箔の一部の除
去が、金属箔上に所定の形状のバンプを形成した後に行
われる上記金属粒子の製造方法に関する。また本発明
は、金属箔を樹脂フィルム上に積層し、金属箔の一部を
除去した後に樹脂フィルムを除去する上記金属粒子の製
造方法に関する。また本発明は、金属箔の一部の除去又
はバンプの形成が金属の溶解又は機械加工によって行わ
れる上記金属粒子の製造方法に関する。
【0012】また本発明は、上記金属粒子の製造方法に
よって得られた金属粒子に関する。また本発明は、金属
粒子に、さらに形状加工を施してなる上記金属粒子に関
する。また本発明は、形状加工が、エッチング、機械加
工及びめっき処理から選ばれる一つ又は二つ以上の加工
方法によるものである上記金属粒子に関する。また本発
明は、平均粒径をAとすると、全粒子数の99%が0.
5A〜1.5Aを満たすものである上記金属粒子に関す
る。
【0013】また本発明は、上記金属粒子と樹脂とを含
有してなる樹脂組成物に関する。また本発明は、樹脂が
熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂である上記樹脂組
成物に関する。
【0014】また本発明は、上記樹脂組成物をフィルム
状に形成してなる接着フィルムに関する。また本発明
は、接着フィルムの厚さをXとすると、金属粒子の平均
粒径Yに対して0.5Y<X<1.5Yの関係を満たす
ものである上記接着フィルムに関する。
【0015】また本発明は、上記樹脂組成物又は上記接
着フィルムを介して、半導体素子と支持部材とを接着し
た構造を有してなる半導体装置に関する。また本発明
は、樹脂組成物層又は接着フィルム層の厚さをBとする
と、金属粒子の平均粒径Aに対して0.5A<B<1.
5Aの関係を満たすものである上記半導体装置に関す
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の金属粒子の製造方法は、
金属箔の一部を除去することにより、残存した金属箔の
断片からなる任意の形状の金属粒子を得ることを特徴と
する。このようにすれば、除去されない部分の形状を制
御することにより、目的に応じた任意の大きさ、形状の
金属粒子を容易に得ることができる。
【0017】上記金属箔としては、特に制限はないが、
例えば、金、銀、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、ス
テンレス等が挙げられ、中でも、熱伝導性が高く、加工
しやすい点で銅、銀が好ましい。金属箔の厚さは5〜2
00μmのものが好ましく用いられる。
【0018】本発明においては、金属箔上に所定の形状
のバンプを形成した後に上記金属箔の一部の除去を行っ
てもよい。また、金属箔を樹脂フィルム上に積層した後
に金属箔の一部の除去を行ってもよく、これら二つを組
み合わせることもできる。バンプは、円柱状、四角柱
状、三角柱状等、任意の形状をとることができる。金属
箔を積層する樹脂フィルムとしては厚さが5〜200μ
mのフィルムが好ましく用いられる。積層は、好ましく
は、金属箔を粘着フィルムにラミネートすることにより
行われる。
【0019】金属箔の一部を除去することにより、所定
の形状の金属粒子(導電金属粒子)を得る金属粒子の製
造方法としては、エッチングにより除去する方法があ
る。図1は金属箔の一部をエッチングにより除去する方
法を示す工程図であり、図1(I)に示すように、粘着
フィルム、熱可塑フィルムなどの樹脂フィルム2に金属
箔1を積層したのち、図1(II)に示すように、フィ
ルム状エッチングレジストを形成し、所定形状に露光
後、レジストの不要部を除去し、所定の形状のレジスト
3を残し、図1(III)に示すように、不要な金属箔
をエッチングにより除去し、残ったレジスト3を除去す
る。又は、金属箔にペースト状エッチングレジストをス
クリーン印刷し、所定形状に露光後、レジストの不要部
を除去し、所定の形状のレジストを残し、不要な金属箔
をエッチングにより除去し、残ったエッチングレジスト
を除去するなどの工程を採ることができる。その後、図
1(IV)に示すように、樹脂フィルムを溶解する、膨
潤させる、機械的に剥離するなどの手法で除去し、所定
形状の金属粒子4を得ることができる。
【0020】また、金属箔の片面あるいは両面にフィル
ム状エッチングレジストを形成し、所定形状に露光後、
レジストの不要部を除去し、エッチングする。所定形状
の金属粒子が分散するため、濾過、分離する。残ったフ
ィルム状エッチングレジストを除去すると、所定形状の
金属粒子を得ることができる。
【0021】また、金属箔を所定の形状にパンチングな
どの機械加工により打ち抜き、あるいは炭酸ガスUV−
YAGレーザなどのレーザ光による切断することによ
り、金属箔の一部を除去すれば、所定形状の金属粒子を
得ることができる。
【0022】予め金属箔上にエッチング、めっきなどに
より、金属のバンプを形成した後、バンプ側に樹脂フィ
ルムを圧着し、その後不要な金属箔をエッチング等で除
去する方法でも、本発明の金属粒子を作製することがで
きる。
【0023】作製した金属粒子表面には、例えば、エッ
チング、機械加工及びめっき処理から選ばれる一つ又は
二つ以上の形状加工を施しても良い。これらの加工によ
り、形状を球形に近い形状にすること、表面に凹凸、針
状突起を形成すること、金や銀などの酸化されにくいあ
るいは酸化時に導電性が低下しにくい膜を形成すること
などが行えるため、放熱性、電気伝導性が向上するなど
の利点がある。
【0024】本発明の金属粒子の製造方法により得られ
る金属粒子は、上記の方法で任意の形状、粒径とするこ
とができるが、平均粒径のそろった金属粒子を所望する
場合、平均粒径をAとすると、全粒子数の99%以上が
0.5A〜1.5Aを満たすことが好ましい。金属粒子
の粒径がこの範囲にある場合、被着体間に金属粒子が挟
まった状態で固定され、かつ、被着体と金属粒子が接触
し易いため、被着体間の熱抵抗が小さくなる点で好まし
い。この範囲外にある場合には、フィルム厚に対して金
属粒子の平均粒径が大きすぎるものが多いため、被着体
を樹脂で固定することが出来ず、容易に剥離するため好
ましくない。なお、本発明において、平均粒径とは、金
属粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、
任意の100個の金属粒子についてその最も長い径を測
定し、その平均値を平均粒径とする。
【0025】本発明の金属粒子の製造方法により得られ
る金属粒子を樹脂中に添加して、金属粒子を含有する樹
脂組成物とすることもできる。また、この際、本発明の
金属粒子以外に通常の使用される銀フレーク等の汎用の
金属粒子を併用してもよい。
【0026】上記樹脂としては、特に制限はないが、熱
硬化性樹脂、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂と熱可塑性
樹脂の混合物であることが耐熱性に優れる点で好まし
い。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂、
シリコーン樹脂等の樹脂等が挙げられ、中でも、硬化後
の耐熱性が良い点でエポキシ樹脂が好ましい。
【0027】上記熱硬化性樹脂は、単独で又は二種類以
上を混ぜ合わせて使用することができ、さらに、上記熱
硬化性樹脂にそれらの硬化剤、硬化促進剤を加えた混合
物として使用してもよい。
【0028】本発明の樹脂組成物において、金属粒子の
配合量は、金属粒子自体の比重によって変化するため特
に限定はないが、樹脂組成物の総量100重量部に対し
て5〜95重量部とするのが好ましく、20〜80重量
部とするのがより好ましい。この配合量が5重量部未満
であると、粘度が低くなり作業性が低下する傾向があ
り、95重量部を超えると、逆に粘度が増大し作業性が
低下する傾向がある。
【0029】本発明の樹脂組成物は希釈剤を添加して樹
脂ペースト組成物とすることができる。希釈剤は、樹脂
ペースト組成物の作成時の作業性及び使用時の塗布作業
性をより良好ならしめる。これらの希釈剤としては、例
えば、ブチルセロソルブ、カルビトール、酢酸ブチルセ
ロソルブ、酢酸カルビトール、ジプロピレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエー
テル、α−テルピネオール等の比較的沸点の高い有機溶
剤が好ましい。その使用量は樹脂ペースト組成物全体に
対して0〜30重量部の範囲で使用することが好まし
い。
【0030】本発明の樹脂組成物には、さらに必要に応
じてウレタンアクリレート等の靭性改良剤、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム等の吸湿剤、シランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、酸無水物等の接着力向上
剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡
れ向上剤、シリコーン油等の消泡剤、無機イオン交換体
等のイオントラップ剤等を適宜添加することができる。
【0031】本発明の樹脂ペースト組成物を製造するに
は、樹脂、金属粒子を必要に応じて添加される希釈剤及
び各種添加剤とともに、一括又は分割して撹拌器、らい
かい器、3本ロール、プラネタリーミキサー等の分散・
溶解装置を適宜組み合わせ、必要に応じて加熱して混
合、溶解、解粒混練又は分散して均一なペースト状とす
れば良い。
【0032】本発明の樹脂組成物を基材フィルム上に形
成することにより、接着フィルムとすることもできる。
本発明の樹脂組成物又は接着フィルムは、半導体用の接
着剤として特に好適に使用することができる。
【0033】接着フィルムを製造する方法としては、例
えば、基材フィルム上に上記樹脂ペースト組成物の層を
形成させ、加熱乾燥した後、基材を除去して得る方法等
が挙げられる。加熱乾燥の条件は、使用した希釈剤が充
分に揮散する条件であれば特に制限はないが、通常60
℃〜200℃で、0.1〜90分間加熱して行う。
【0034】この時、基材を除去せずにフィルムの支持
体とした基材つき接着フィルムとしてもよい。また、半
導体装置製造工程を簡略化する目的で、得られた接着フ
ィルムにダイシングフィルムを積層した一体型の接着フ
ィルムとしてもよい。一体型の接着フィルムは、半導体
ウェハの裏面に一体型接着フィルムの接着層を加熱しな
がらラミネートし、ダイシングした後、接着フィルム付
き半導体素子としてピックアップして使用することが好
ましい。
【0035】接着フィルムの製造時に使用する基材フィ
ルムは、上記の加熱、乾燥条件に耐えるものであれば特
に限定するものではなく、例えば、ポリエステルフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミ
ドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィルム、メチ
ルペンテンフィルム等が挙げられる。これらのフィルム
は2種以上組み合わせて多層フィルムとしてもよく、表
面がシリコーン系、シリカ系等の離型剤などで処理され
たものであってもよい。基材フィルムの厚さは10〜1
00μmが好ましく、基材フィルム上に形成された接着
フィルムの厚さは5〜200μmが好ましい。また、接
着フィルムの厚さをXとすると、金属粒子の平均粒径Y
に対して0.5<X<1.5Yの関係を満たすものであ
ることが好ましい。
【0036】本発明の樹脂ペースト組成物を用いて半導
体素子をリードフレーム等の支持部材に接着させるに
は、まず支持部材上に樹脂ペースト組成物をディスペン
ス法、スクリーン印刷法、スタンピング法等により塗布
した後、半導体素子を圧着し、その後オーブン又はヒー
トブロック等の加熱装置を用いて加熱硬化することによ
り行うことができる。さらに、必要に応じて、ワイヤボ
ンド工程、封止行程等を経て完成された半導体装置とす
ることができる。
【0037】また本発明の接着フィルムを用いて半導体
素子をリードフレーム等の支持部材に接着させるには、
従来公知の方法、例えば、あらかじめ所定の大きさに切
断した接着フィルムを用いて接着する個片貼付方法、ダ
イシング前の半導体ウェハ裏面に接着フィルムをラミネ
ートし、その後ダイシングして得られた接着フィルムつ
き半導体チップを支持部材に貼り付けるウェハ裏面貼付
方法等が挙げられる。本発明の半導体装置において、樹
脂組成物層又は接着フィルム層の厚さをBとすると、金
属粒子の平均粒径Aに対して0.5A<B<1.5Aの
関係を満たすものであることが好ましい。接着フィルム
層の厚さが金属粒子の平均粒径に対してこの範囲にある
場合、被着体間に金属粒子が挟まった状態で固定され、
かつ、被着体と金属粒子が接触し易いため、被着体間の
熱抵抗が小さくなる点で好ましい。B≧1.5Aの場
合、被着体と金属粒子の接触が起こりにくいため熱抵抗
が大きくなる点で好ましくない。B≦0.5Aの場合、
接着フィルム層厚に対して金属粒子の平均粒径が大きい
ため、被着体を樹脂で固定することができず、容易に剥
離するため好ましくない。
【0038】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれによって制限されるものではない。実
施例及び比較例で用いた材料は、下記の方法で作製した
もの、あるいは入手したものである。
【0039】実施例1 (1)金属粒子の調製 予め銅箔GTS−35(古河電工(株)製、商品名、厚
さ35μm)と粘着フィルムヒタレックスA−1300
(日立化成工業(株)製、商品名、PEフィルムに粘着
剤を塗布したもの)を室温でラミネートした後、エッチ
ングレジストNCP225(ニチゴーモートン(株)
製、商品名)をロールラミネータを用いてロール温度1
10℃、ロール速度0.6m/minの速度でラミネー
トした。50μm間隔で直径35μmの円形のレジスト
が残るように露光した後、不要部を除去することによ
り、所定の形状のレジストを残し、さらに、アルカリエ
ッチング液(メルストリップ社製)で不要な銅箔をエッ
チングした。さらに水酸化ナトリウム溶液で残ったレジ
ストを除去した。その後、MEK溶液に浸し、粘着フィ
ルムを膨潤させた後、銅箔を濾過分離した。厚さ35μ
m、直径35μmの円柱状の銅金属粒子(平均粒径35
μm)が得られた。
【0040】(2)樹脂の調製 YDF−170(東都
化成(株)製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の商品
名、エポキシ当量=170)7.5重量部及びYL−9
80(油化シェルエポキシ(株)製、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂の商品名、エポキシ当量=185)7.
5重量部を80℃に加熱し、1時間撹拌を続け、均一な
エポキシ樹脂溶液を得た。H−1(明和化成(株)製、
フェノールノボラック樹脂の商品名、水酸基当量=10
6)10重量部及び希釈剤としてPP−101(東都化
成(株)製、アルキルフェニルグリシジルエーテルの商
品名、エポキシ当量=230)2.0重量部を100℃
に加熱し、1時間撹拌を続け、均一なフェノール樹脂溶
液を得た。
【0041】(3)樹脂ペースト組成物の作製 エポキシ樹脂溶液100重量部と、フェノール樹脂溶液
70重量部、硬化促進剤2P4MHZ(四国化成(株)
製、イミダゾール化合物の商品名)1重量部及び金属粒
子300重量部を混合し、MEKを100〜300重量
部加え、粘度を調整した後、3本ロールを用いて混練し
た後、5トル(Torr)以下に減圧して10分間脱泡
処理を行い、樹脂ペースト組成物を得た。
【0042】実施例2 金属粒子の添加量が500重量部である以外は実施例1
と同様にして樹脂ペースト組成物を作製した。 実施例3 実施例1で製造した金属粒子を1N塩酸中に分散し、表
面及び内部をエッチングした後、濾過し、さらに水で洗
浄した。得られた金属粒子は、平均粒径32μmの楕円
球形のものであった。この金属粒子を用いた以外は実施
例1と同様にして樹脂ペースト組成物を作製した。
【0043】比較例1 金属粒子としてE0101(chemet製、銀粉の商
品名)を使用した他は実施例1と同様にして樹脂ペース
ト組成物を作製した。
【0044】実施例1、2及び比較例1で作製した樹脂
ペースト組成物の特性(粘度、剪断接着強度、ピール強
度、チップ反り及び耐リフロー性、熱伝導率、体積抵抗
率)を下記の方法で測定し、結果を表1に示す。
【0045】(1)粘度:EHD型回転粘度計(東京計
器社製)を用いて25℃における粘度(Pa・s)を測
定した。
【0046】(2)剪断接着強度:樹脂ペースト組成物
をAgめっき付き銅リードフレーム上に約200μg塗
布し、この上に2mm×2mmのSiチップ(厚さ約
0.4mm)を圧着し、さらに180℃まで30分で昇
温し、180℃で2時間加熱して硬化し、接着した。こ
れを自動接着力試験装置(BT100、Dage社製)
を用い、室温及び250℃における剪断接着強度(kg
/チップ)を測定した。
【0047】(3)ピール強度:樹脂ペースト組成物を
Agめっき付き銅リードフレーム上に約3.2mg塗布
し、この上に8mm×8mmのSiチップ(厚さ約0.
4mm)を圧着し、さらに180℃まで30分で昇温
し、180℃で2時間加熱して硬化し、接着した。これ
を自動接着力試験装置(日立化成工業(株)製)を用
い、240℃における引き剥がし強さ(kg/チップ)
を測定した。
【0048】(4)チップ反り:樹脂ペースト組成物を
Agめっき付き銅リードフレーム上に約3.2mg塗布
し、この上に5mm×13mmのSiチップ(厚さ約
0.4mm)を圧着し、さらに180℃まで30分で昇
温し、180℃で2時間加熱して硬化し、接着した。こ
れを表面粗さ計(sloan社製、Dektuk 30
30)を用い、チップ反り(μm)を測定した。
【0049】(5)耐リフロー性:実施例1、2、3及
び比較例により得た樹脂ペースト組成物を用い、下記リ
ードフレームとSiチップを、下記の硬化条件により硬
化し接着した。その後日立化成工業(株)製エポキシ封
止材(商品名CEL−4620)により封止し、半田リ
フロー試験用パッケージを得た。そのパッケージを温度
及び湿度がそれぞれ85℃、85%の条件に設定された
恒温恒湿槽中で72時間吸湿させた。その後240℃/
10秒のリフロー条件で半田リフローを行いパッケージ
の外部クラックの発生数を顕微鏡(倍率:15倍)で観
察した。5個のサンプルについてクラックの発生したサ
ンプル数を示す。 チップサイズ:8mm×10mm(厚さ0.4mm) パッケージ:QFP、14mm×20mm×2mm フレーム:Agめっき付き銅リードフレーム 硬化条件:180℃まで30分で昇温、180℃で2時
間硬化 硬化後の樹脂組成物膜厚:35μm
【0050】(6)熱抵抗 本発明の樹脂組成物のフィルムを放熱シート(膜厚0.
07mm)として、厚さ35μm、縦横10×14mm
銅箔と、厚さ2mm、縦横30×30mmのアルミニウ
ム板とを、温度100℃、圧力1.96MPaで30分
間加熱加圧して積層した。この試験片の銅箔にトランジ
スタ(2SC2233)をはんだで固着し、アルミニウ
ム板側が放熱ブロックと接するようにして放熱ブロック
の上において、トランジスタに電流を通じた。そしてト
ランジスタの温度(T1)と、放熱ブロックの温度(T
2)を測定し、測定値と印可電力(W)から、次の式に
よって熱抵抗(X)を測定した。 X(℃/W)=(T1−T2)(℃)/W(W)
【0051】(7)体積抵抗率 本発明の樹脂組成物のフィルムと、厚さ35μmの銅箔
(GTS−35、古河サーキットフォイル製)を、ホッ
トロールラミネーターを用いて温度100℃、圧力0.
3MPa、速度0.3m/minの条件で貼り合わせ、
その後170℃の温度で1時間硬化させ、縦横10×1
0mmの大きさにカットして、サンプルを形成した。サ
ンプルの両面の抵抗Rとサンプルの厚さt(cm)から
下記式で体積抵抗率を求めた。 X(Ω・cm)=R(Ω)×1(cm)×1(cm)/
t(cm)
【0052】実施例1、2及び3は従来の銀粉を用いた
ものに比べて粘度が低く、貼付時の作業性に優れる。ま
た、剪断接着強度やピール強度が高く、チップ反りが少
ないため耐熱信頼性に優れる。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明の金属粒子の製造方法により所望
の形状、粒径、粒度分布を有する接触性、密着性に優れ
た金属粒子を生産性よく製造することができる。本発明
の金属粒子を用いた樹脂組成物及び接着フィルムは、半
導体装置のダイボンディング材として使用した場合に、
放熱性、導電性に優れるほか、接着性に優れ半田リフロ
ー時の樹脂組成物層の剥離を抑えることができ、リフロ
ークラックの発生を低減できる。また、本発明の半導体
装置は、放熱性、導電性に優れるほか本発明になる樹脂
組成物を使用しているため、信頼性、動作安定性に優れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は金属箔の一部をエッチングにより除去す
る方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 金属箔 2 樹脂フィルム 3 レジスト 4 金属粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/52 H01L 21/52 E (72)発明者 中村 英博 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 Fターム(参考) 4J002 AA011 AA021 BH021 CC031 CC101 CD001 CM021 CP031 DA066 DA076 DA086 DE096 FD206 GJ01 4J004 AA11 AA12 AA13 AA14 AA18 CA04 CA06 CC02 FA05 FA08 4K017 AA02 BA01 BA02 BA03 BA05 BA06 CA09 EA01 EA13 4K057 WA19 WB01 WB04 WE08 WE21 WN01 WN10 5F047 AA11 BA33 BA52 BB03 BB11 CA01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属箔の一部を除去することにより、残
    存する金属箔の断片からなる任意の形状の金属粒子を得
    ることを特徴とする金属粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属箔の一部の除去が、金属箔上に所定
    の形状のバンプを形成した後に行われる請求項1記載の
    金属粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属箔を樹脂フィルム上に積層し、金属
    箔の一部を除去した後に樹脂フィルムを除去する請求項
    1又は2記載の金属粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属箔の一部の除去又はバンプの形成が
    金属の溶解又は機械加工によって行われる請求項2又は
    3記載の金属粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の金属粒
    子の製造方法によって得られた金属粒子。
  6. 【請求項6】 金属粒子に、さらに形状加工を施してな
    る請求項5記載の金属粒子。
  7. 【請求項7】 形状加工が、エッチング、機械加工及び
    めっき処理から選ばれる一つ又は二つ以上の加工方法に
    よるものである請求項6記載の金属粒子。
  8. 【請求項8】 平均粒径をAとすると、全粒子数の99
    %が0.5A〜1.5Aを満たすものである請求項5〜
    7のいずれかに記載の金属粒子。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のいずれかに記載の金属粒
    子と樹脂とを含有してなる樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 樹脂が熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑
    性樹脂である請求項9記載の樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10記載の樹脂組成物を
    フィルム状に形成してなる接着フィルム。
  12. 【請求項12】 接着フィルムの厚さをXとすると、金
    属粒子の平均粒径Yに対して0.5Y<X<1.5Yの
    関係を満たすものである請求項11記載の接着フィル
    ム。
  13. 【請求項13】 請求項9若しくは10記載の樹脂組成
    物又は請求項11若しくは12記載の接着フィルムを介
    して、半導体素子と支持部材とを接着した構造を有して
    なる半導体装置。
  14. 【請求項14】 樹脂組成物層又は接着フィルム層の厚
    さをBとすると、金属粒子の平均粒径Aに対して0.5
    A<B<1.5Aの関係を満たすものである請求項13
    記載の半導体装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009161619A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Shin Etsu Chem Co Ltd 接着剤組成物
JP2014091857A (ja) * 2012-11-05 2014-05-19 Unitika Ltd 銀微粒子の製造方法
JP2016125072A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 Towa株式会社 金属製品の製造方法

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