JP2003089653A - 悪性腫瘍の予防治療剤 - Google Patents

悪性腫瘍の予防治療剤

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JP2003089653A
JP2003089653A JP2002202564A JP2002202564A JP2003089653A JP 2003089653 A JP2003089653 A JP 2003089653A JP 2002202564 A JP2002202564 A JP 2002202564A JP 2002202564 A JP2002202564 A JP 2002202564A JP 2003089653 A JP2003089653 A JP 2003089653A
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Kenichiro Naito
健一郎 内藤
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】悪性腫瘍の予防治療剤の提供。 【解決手段】エンドセリン拮抗作用を有する環状ペプチ
ド性化合物又はその塩若しくはそのプロドラッグを含有
してなる悪性腫瘍の予防治療剤;エンドセリン拮抗作用
を有する環状ペプチド性化合物又はその塩若しくはその
プロドラッグを含有してなる悪性腫瘍の骨転移抑制剤;
およびエンドセリン拮抗作用を有する環状ペプチド性化
合物又はその塩若しくはそのプロドラッグを含有してな
る悪性腫瘍に起因する疼痛の緩和剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンドセリン拮抗
作用を有する環状ペプチド性化合物を含有してなる悪性
腫瘍の予防治療剤、悪性腫瘍の骨転移抑制剤および悪性
腫瘍に起因する疼痛の緩和剤に関する。
【0002】
【従来の技術】エンドセリン(ET)はブタ大動脈内皮
細胞の培養上清から単離され、同定された21個のアミ
ノ酸からなる血管収縮性ペプチドである(柳沢ら、ネイ
チャー(Nature)、332巻、411−415頁、19
88年)。その後の研究から、エンドセリンには少なく
とも3つのアイソフォーム(ET−1,ET−2,ET
−3)が存在し、エンドセリンの受容体として2つの受
容体ETA(血管収縮性のみに関与)及びETB(主に
血管弛緩性に関与)が存在することが報告されている。
一方、前立腺癌は米国人男性癌死者数の第二位を占め、
進行症例では激痛を伴う造骨性の骨転移が特徴となって
おり、骨転移の治療は患者の延命だけでなくQOLの改
善にも大きく貢献するため、このような症例では原発巣
以上に骨病巣が治療対象としては重要視されている。ま
た、骨転移は乳癌などにも多く見られ、その治療は前立
腺癌同様に重要である。エンドセリン−1は骨芽細胞を
刺激することが以前より知られていたが、Nelson
ら(Nature Medicine 第1巻、944−
949、1995年)により、骨転移をもつ前立腺癌患
者の血中濃度が有意に高く、また前立腺癌細胞株におい
て発現が確認され、Chiaoら(Br.J.Canc
er 第83巻、360−365、2000年)により
前立腺癌由来のエンドセリンにより破骨細胞の抑制が起
こること、また前立腺癌細胞による骨の変化がエンドセ
リンの中和抗体により抑制されることが報告され、エン
ドセリンは前立腺癌の骨転移の重要な因子であることが
示唆された。エンドセリンを抑制する方法としては、文
献中にある中和抗体でも可能であるが、このような方法
では生体内のエンドセリン活性をすべて抑制するため、
エンドセリン抑制による副作用の問題が予測される。一
方、前立腺癌患者の骨転移巣で認められるエンドセリン
受容体はA型であることが、Gohjiら(J.Uro
logy、第165巻、1033−1036、2001
年)により報告された。エンドセリンの発見以来、エン
ドセリンが原因で引き起こされる疾病の治療剤の開発を
目的として、エンドセリン受容体拮抗作用を有する化合
物の探索が精力的に行なわれてきた。その結果、エンド
セリン受容体拮抗作用を有する化合物としてEP−A−
552489、EP−A−528312、EP−A−4
99266、WO91/13089、EP−A−436
189、EP−A−457195、EP−A−5105
26、WO92/12991、特開平4−28809
9、特開平4−244097、特開平4−26119
8、EP−A−496452、EP−A−52670
8、EP−A−526642、EP−A−51052
6、EP−A−460679、WO92/20706、
EP−A−626174、EP−A−655463、E
P−A−714909、特開平7−173161などが
報告されている。これらに記載されている化合物は、高
血圧治療剤、心・脳循環疾患治療剤(例えば心筋梗塞
等)、腎疾患治療剤、喘息治療剤、抗炎症剤、抗関節炎
剤等として有効であることが示唆されているが、具体的
に癌を含む悪性腫瘍の予防治療剤として有用であること
は記載されていない。また、エンドセリン受容体拮抗作
用を有する化合物の前立腺癌への適用は、非ペプチド性
化合物について特開2001−64262、特表200
1−506243、特表2000−517329、特表
2000−508326に、鎖状のペプチド性化合物に
ついてWO01/00198に開示されているが、エン
ドセリン拮抗作用を有する環状ペプチド性化合物の前立
腺癌を含む悪性腫瘍への適用は全く知られていない。エ
ンドセリンを抑制することによる副作用としては頭痛が
知られているが、未だ有効な解決策は提案されていない
のが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エンドセリ
ン拮抗作用を有する環状ペプチド性化合物などのエンド
セリン受容体拮抗作用を有する特定構造の化合物を含有
する臨床上有用な悪性腫瘍の予防治療剤、悪性腫瘍の骨
転移抑制剤および悪性腫瘍に起因する疼痛の緩和剤を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ような事情に鑑み、A型のエンドセリン受容体に拮抗作
用を有する物質による、前立腺癌などの骨転移に選択的
な抑制薬(延命、疼痛緩和効果なども含む予防治療薬)
ならびに悪性腫瘍の予防治療剤について鋭意研究した結
果、エンドセリン受容体拮抗作用、特にETAおよびE
TB受容体の両方に対して優れた拮抗作用を有する特定
構造の化合物が、意外にも悪性腫瘍の予防治療剤、悪性
腫瘍の骨転移抑制剤および悪性腫瘍に起因する疼痛の緩
和剤として有効であることを見い出し、本発明を完成し
た。即ち、本発明は、(1)エンドセリン拮抗作用を有
する環状ペプチド性化合物又はその塩若しくはそのプロ
ドラッグを含有してなる悪性腫瘍の予防治療剤;(2)
エンドセリン拮抗作用を有する環状ペプチド性化合物又
はその塩若しくはそのプロドラッグを含有してなる悪性
腫瘍の骨転移抑制剤;(3)エンドセリン拮抗作用を有
する環状ペプチド性化合物又はその塩若しくはそのプロ
ドラッグを含有してなる悪性腫瘍に起因する疼痛の緩和
剤;(4)悪性腫瘍が骨転移を伴う悪性腫瘍である前記
(1)ないし(3)記載の剤;(5)悪性腫瘍が前立腺
癌である前記(1)ないし(3)記載の剤;(6)悪性
腫瘍が乳癌である前記(1)ないし(3)記載の剤;
(7)エンドセリン拮抗作用を有する環状ペプチド性化
合物が式〔I〕
【化4】 〔式中、X及びYはそれぞれD-、L-又はDL-体のα-
アミノ酸残基、AはD-酸性-α-アミノ酸残基、BはD-
又はL-中性-α-アミノ酸残基、CはL-α-アミノ酸残
基、Eは芳香環基を有するD-α-アミノ酸残基を示す〕
で表される環状ヘキサペプチドである前記(1)ないし
(3)記載の剤;(8)Xが式:
【化5】 〔式中、Gは式:
【化6】 (式中、X及びXはそれぞれ水素原子、C1−6
ルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子又はニ
トロ基を示すか、XとXとが結合して環を形成す
る)で表される基を示す〕で表される基;Yがアスパラ
ギン酸、グルタミン酸、アラニン、プロリン、ロイシン
又はトリプトファン残基;AがD-グルタミン酸、D-ア
スパラギン酸、D-システイン酸、D-ホモシステイン
酸、D-β−(5-テトラゾリル)アラニン又はD-2-ア
ミノ-4-(5-テトラゾリル)酪酸残基;BがC1−6
アルキル基でそれぞれ置換されていてもよいフェニルグ
リシン、フェニルアラニン、1-ナフチルアラニン、2-
ナフチルアラニン、2-チエニルアラニン、2-チエニル
グリシン、3-チエニルグリシン、プロリン、4-ヒドロ
キシプロリン、アゼチジン-2-カルボン酸、ピペリジン
-2-カルボン酸、1-アミノシクロプロパン-1-カルボ
ン酸、1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸、1-アミ
ノシクロペンタン-1-カルボン酸、1-アミノシクロヘ
キサン-1-カルボン酸及び1-アミノシクロヘプタン-1
-カルボン酸からなる群から選ばれるD-又はL-中性-α
-アミノ酸残基;Cがα-アミノ基がC1−6アルキル基
でそれぞれ置換されていてもよいL-ロイシン、L-ノル
ロイシン又はL-トリプトファン残基;及びEがD-トリ
プトファン、D-5-メチルトリプトファン、D-フェニ
ルアラニン、D-チロシン、D-1-ナフチルアラニン、
D-2-ナフチルアラニン、D-3-ベンゾチエニルアラニ
ン、D-4-ビフェニルアラニン又はD-ペンタメチルフ
ェニルアラニン残基である前記(7)記載の剤;(9)
Xがトリプトファン、L-(β-4-フェニルピペラジン
アミド)アスパラギン酸、L-〔β-4-(2-メトキシフ
ェニル)ピペラジンアミド〕アスパラギン酸、L-N
(δ)-フェニルアセチルオルニチン、L-(N-〔イン
ドール-3-イル〕アセチル)オルニチン、L-(4-ベン
ジルオキシ)プロリン、L-(N-ベンジル)グルタミ
ン又はL-(N(δ)-〔インドール-3-イル〕エチル)ア
スパラギン残基;YがL-アスパラギン酸又はL-ロイシ
ン残基;AがD-アスパラギン酸残基;BがD-2-チエ
ニルグリシン残基;CがL-ロイシン、L-フェニルアラ
ニン又はL-トリプトファン残基;及びEがD-トリプト
ファン残基である前記(7)記載の剤;(10)エンド
セリン拮抗作用を有する環状ペプチド性化合物が式Cycl
o〔-D-Asp-Asp(R1)-Asp-D-Thg(2)-Leu-D-Trp-〕〔式
中、Asp(R1)はアスパラギン酸β−4−フェニルピペラ
ジンアミド残基を、Thg(2)は2−チエニルグリシン残基
を示す。〕で表される環状ペプチド又はそのジナトリウ
ム塩である前記(1)ないし(3)記載の剤;(11)
エンドセリン拮抗作用を有する環状ペプチド性化合物又
はその塩若しくはそのプロドラッグの有効量を哺乳動物
に投与することを特徴とする悪性腫瘍の予防治療方法、
骨転移抑制方法、又は悪性腫瘍に起因する疼痛の緩和方
法;(12)悪性腫瘍の予防治療剤、骨転移抑制剤、又
は悪性腫瘍に起因する疼痛の緩和剤を製造するためのエ
ンドセリン拮抗作用を有する環状ペプチド性化合物又は
その塩若しくはそのプロドラッグの使用;(13)エン
ドセリン拮抗作用を有する化合物又はその塩若しくはそ
のプロドラッグを徐放することを特徴とする悪性腫瘍の
予防治療剤、骨転移抑制剤、又は悪性腫瘍に起因する疼
痛の緩和剤;などに関する。
【0005】本発明で用いられるエンドセリン拮抗作用
を有する化合物は、エンドセリンに結合することにより
拮抗するか、または/およびエンドセリン受容体(例え
ば、ETA受容体、ETB受容体など)に結合すること
により拮抗する化合物のいずれであってもよい。本発明
で用いられるエンドセリン拮抗作用を有する化合物はペ
プチド性でも非ペプチド性でもよく、例えば、EP−A
−552,489、EP−A−499,266、EP−
A−552,489、WO91/13089、EP−A
−436,189、EP−A−457,195、JP−
A−288099/1992、EP−A−496,45
2、WO92/20706,WO93/13218、W
O93/21219、EP−A−555,537、JP
−A−178890/1993、JP−A−27939
0/1993、WO93/17701、EP−A−52
8,312、EP−A−815,870、JP−A−2
44097/1992、JP−A−283600/19
92、JP−A−261198/1992、WO93/
10144などに記載のエンドセリン拮抗作用を有する
ペプチド性化合物などが好ましく、なかでも、EP−A
−436,189、EP−A−496,452、WO9
3/17701、EP−A−528,312などに記載
の環状ペプチド性化合物が特に好ましく用いられ、とり
わけ、前記式〔I〕で表される環状ヘキサペプチドが好
ましく用いられる。前記式〔I〕で表される環状ヘキサ
ペプチドがETAおよびETB受容体の両方に対して優
れた拮抗作用を有することが、EP−A−528,31
2などに記載されている。本発明で用いられる「エンド
セリン拮抗作用を有する化合物」の塩としては、薬学的
に許容される塩が挙げられ、例えば、無機塩基との塩、
有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性
又は酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。無機塩基との
塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム
塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩
等のアルカリ土類金属塩;並びにアルミニウム塩、アン
モニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例
としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシル
アミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等との
塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例
えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が
挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば
ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ
酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸
との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジ
ン、オルニチン等との塩が挙げられる。酸性アミノ酸と
の塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グル
タミン酸等との塩が挙げられる。
【0006】式〔I〕において、X及びYで表されるα-
アミノ酸残基の母体となるアミノ酸はα-アミノ酸なら
ばどのようなアミノ酸でもよく、例えばアラニン、アル
ギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、
グルタミン、グルタミン酸、2-アミノマロン酸、2-ア
ミノアジピン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシ
ン、ロイシン、リジン、オルニチン、2,4-ジアミノ酪
酸、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、4-ヒ
ドロキシプロリン、チオプロリン、アゼチジン-2-カル
ボン酸、ピペコリン酸(ピペリジン-2-カルボン酸)、イ
ンドリン-2-カルボン酸、テトラヒドロイソキノリン-
3-カルボン酸、セリン、スレオニン、トリプトファ
ン、5-メチルトリプトファン、チロシン、バリン、ア
ロイソロイシン、ノルバリン、ノルロイシン、tert
-ロイシン、γ-メチルロイシン、フェニルグリシン、2
-アミノ酪酸、システイン酸、ホモシステイン酸、1-ナ
フチルアラニン、2-ナフチルアラニン、2-チエニルグ
リシン、3-チエニルグリシン、3-ベンゾチエニルアラ
ニン、4-ビフェニルアラニン、ペンタメチルフェニル
アラニン、1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸、
1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸、1-アミノシク
ロペンタン-1-カルボン酸、1-アミノシクロヘキサン-
1-カルボン酸、1-アミノシクロヘプタン-1-カルボン
酸等が挙げられる。
【0007】これらのα-アミノ酸に官能基、例えば水
酸基、チオール基、アミノ基、イミノ基、カルボキシル
基等がある場合、これらの官能基は適当な置換基で置換
されていてもよい。ここにおいて置換された水酸基とし
ては、例えばC1−6アルカノイルオキシ(例えばホル
ミルオキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ等)、C
4−9脂環状カルボニルオキシ(例えばシクロペンタン
カルボニルオキシ、シクロヘキサンカルボニルオキシ
等)、C7−15アリールカルボニルオキシ(例えばベ
ンゾイルオキシ、4-メチルベンゾイルオキシ等)、C
8−16アラルキルカルボニルオキシ(例えばフェニル
アセトキシ、2-フェニルプロピオニルオキシ、3-フェ
ニルプロピオニルオキシ、ジフェニルアセトキシ等)、
芳香族複素環-アルキルカルボニルオキシ(例えばイン
ドール-2-イルアセトキシ、インドール-3-イルアセト
キシ等)、C1−6アルコキシ(例えばメトキシ、エト
キシ、n−プロポキシ、tert−ブトキシ等)、C
3−8シクロアルコキシ(例えばシクロペンチルオキ
シ、シクロヘキシルオキシ等)、C6−12アリールオ
キシ(例えばフェニルオキシ、4-メチルフェニルオキ
シ等)、C7−15アラルキルオキシ(例えばベンジル
オキシ、フェネチルオキシ、ジフェニルメトキシ等)等
が挙げられる。置換された水酸基を有するα-アミノ酸
としては、例えばO-アセチルセリン、O-アセチルスレ
オニン、4-アセトキシプロリン、O-ベンゾイルセリ
ン、O-ベンゾイルスレオニン、4-ベンゾイルオキシプ
ロリン、O-フェニルアセチルセリン、O-フェニルアセ
チルスレオニン、4-フェニルアセトキシプロリン、O-
エチルセリン、O-エチルスレオニン、4-エトキシプロ
リン、O-シクロヘキシルセリン、O-シクロヘキシルス
レオニン、4-シクロヘキシルオキシプロリン、O-フェ
ニルセリン、O-フェニルスレオニン、4-フェノキシプ
ロリン、O-ベンジルセリン、O-ベンジルスレオニン、
4-ベンジルオキシプロリン、O-ジフェニルメチルセリ
ン、O-ジフェニルメチルスレオニン、4-ジフェニルメ
トキシプロリン等が挙げられる。
【0008】置換されたチオール基としては、例えばC
1−6アルカノイルチオ(例えばホルミルチオ、アセチ
ルチオ、プロピオニルチオ等)、C4−9脂環状カルボ
ニルチオ(例えばシクロペンタンカルボニルチオ、シク
ロヘキサンカルボニルチオ等)、C7−15アリールカ
ルボニルチオ(例えばベンゾイルチオ、4-メチルベン
ゾイルチオ等)、C8−16アラルキルカルボニルチオ
(例えばフェニルアセチルチオ、2-フェニルプロピオ
ニルチオ、3-フェニルプロピオニルチオ、ジフェニル
アセチルチオ等)、C1−6アルキルチオ(例えばメチ
ルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、tert−ブ
チルチオ等)、C3−8シクロアルキルチオ(例えばシ
クロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等)、C
6−12アリールチオ(例えばフェニルチオ、4-メチ
ルフェニルチオ等)、C7−15アラルキルチオ(例え
ばベンジルチオ、フェネチルチオ、ジフェニルメチルチ
オ等)等が挙げられる。置換されたチオール基を有する
α-アミノ酸としては、例えばS-アセチルシステイン、
S-ベンゾイルシステイン、S-フェニルアセチルシステ
イン、S-エチルシステイン、S-シクロヘキシルシステ
イン、S-フェニルシステイン、S-ベンジルシステイン
等が挙げられる。
【0009】置換されたアミノ基としては、例えばC
1−6アルキルアミノ(例えばN-メチルアミノ、N-エ
チルアミノ、N−tert−ブチルアミノ等)、C
3−8シクロアルキルアミノ(例えばN-シクロペンチ
ルアミノ、N-シクロヘキシルアミノ等)、C6−12
アリールアミノ(例えばN-フェニルアミノ、N-{4-
メチルフェニル}アミノ等)、C7−15アラルキルア
ミノ(例えばN-ベンジルアミノ、N-フェネチルアミ
ノ、N-{2-クロロベンジル}アミノ、N-{3-クロロ
ベンジル}アミノ、N-{4-クロロベンジル}アミノ、
N-{2-メチルベンジル}アミノ、N-{3-メチルベン
ジル}アミノ、N-{4-メチルベンジル}アミノ、N-
{2-メトキシベンジル}アミノ、N-{3-メトキシベ
ンジル}アミノ、N-{4-メトキシベンジル}アミノ
等)、芳香族複素環-C1−6アルキルアミノ(例えば
2-フリルメチルアミノ、3-フリルメチルアミノ、2-
チエニルメチルアミノ、3-チエニルメチルアミノ、イ
ンドール-2-イルメチルアミノ、インドール-3-イルメ
チルアミノ等);及び置換されたアミド基として、C
1−6脂肪族アシルアミド(例えばホルムアミド、アセ
トアミド、プロピオンアミド等)、C4−9脂環状アシ
ルアミド(例えばシクロペンタンカルボニルアミド、シ
クロヘキサンカルボニルアミド等)、C7−15アリー
ルアシルアミド(例えばベンズアミド、4-メチルベン
ズアミド等)、C8−16アラルキルアシルアミド(例
えばフェニルアセトアミド、2-フェニルプロピオンア
ミド、3-フェニルプロピオンアミド、ジフェニルアセ
トアミド、1-ナフチルアセトアミド、2-ナフチルアセ
トアミド等)、芳香族複素環-カルボキサミド(例えば
インドール-2-イルカルボキサミド、インドール-3-イ
ルカルボキサミド等)、芳香族複素環-アルキルカルボ
キサミド(例えばインドール-2-イルアセトアミド、イ
ンドール-3-イルアセトアミド等)、スルホニルアミド
(例えばベンゼンスルホニルアミド、パラトルエンスル
ホニルアミド、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベン
ゼンスルホニルアミド等)等が挙げられる。
【0010】置換されたイミノ基における置換基は、そ
れぞれ上記した置換されたアミノ基又はアミド基の置換
基と同様の、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキ
ル、C6−12アリール、C7−15アラルキル、芳香
族複素環-C1−6アルキル等が挙げられる。
【0011】アミノ基が置換されたα-アミノ酸として
は、例えばN-メチルグリシン(サルコシン)、N-エチル
グリシン、N-メチルロイシン、N-エチルロイシン、N
-メチルフェニルアラニン、N-エチルフェニルアラニ
ン、N(α)-メチルトリプトファン、N(α)-エチルトリ
プトファン、N-シクロペンチルグリシン、N-シクロヘ
キシルグリシン、N-フェニルグリシン、N-フェニルロ
イシン、N-ベンジルグリシン、N-ベンジルロイシン、
N(π)-ベンジルヒスチジン、N(τ)-ベンジルヒスチジ
ン、N(π)-フェナシルヒスチジン、N(π)-ベンジルオ
キシメチルヒスチジン、N-ベンゼンスルホニルアル
ギニン、N-パラトルエンスルホニルアルギニン、N
-(4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホ
ニル)アルギニン、N(ε)-ベンゼンスルホニルリジン、
N(ε)-パラトルエンスルホニルリジン、N(ε)-(4-メ
トキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル)リジ
ン、Nin-メチルトリプトファン、Nin-エチルトリ
プトファン、Nin-ホルミルトリプトファン、Nin-
アセチルトリプトファン、N(ε)-ベンジルリジン、N
(ε)-(2-フリルメチル)リジン、N(ε)-(2-チエニル
メチル)リジン、N(ε)-(インドール-3-イルメチル)リ
ジン、N(ε)-フェニルアセチルリジン、N(ε)-({2-
フリル}アセチル)リジン、N(ε)-({2-チエニル}ア
セチル)リジン、N(ε)-({インドール-3-イル}アセ
チル)リジン、N(ε)-ベンゾイルリジン、N(ε)-(3-
フェニルプロピオニル)リジン、N(δ)-ベンジルオルニ
チン、N(δ)-(2-フリルメチル)オルニチン、N(δ)-
(2-チエニルメチル)オルニチン、N(δ)-(インドール-
3-イルメチル)オルニチン、N(δ)-ベンゾイルオルニ
チン、N(δ)-フェニルアセチルオルニチン、N(δ)-
(3-フェニルプロピオニル)オルニチン、N(δ)-({2-
メチルフェニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({3-
メチルフェニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({4-
メチルフェニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({2-
クロロフェニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({3-
クロロフェニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({4-
クロロフェニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({2-
メトキシフェニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-
({3-メトキシフェニル}アセチル)オルニチン、N
(δ)-({4-メトキシフェニル}アセチル)オルニチン、
N(δ)-(4-ビフェニルアセチル)オルニチン、N(γ)-
ベンジル-2,4-ジアミノ酪酸、N(γ)-(2-フリルメチ
ル)-2,4-ジアミノ酪酸、N(γ)-(2-チエニルメチル)
-2,4-ジアミノ酪酸、N(γ)-(インドール-3-イルメ
チル)-2,4-ジアミノ酪酸、N(γ)-ベンゾイル-2,4-
ジアミノ酪酸、N(γ)-フェニルアセチル-2,4-ジアミ
ノ酪酸、N(γ)-(3-フェニルプロピオニル)-2,4-ジ
アミノ酪酸、N(γ)-(2-フリルアセチル)-2,4-ジア
ミノ酪酸、N(γ)-(2-チエニルアセチル)-2,4-ジア
ミノ酪酸、N(γ)-({インドール-3-イル}アセチル)-
2,4-ジアミノ酪酸等が挙げられる。
【0012】置換されたカルボキシル基としては、例え
ばカルバモイル基(-CONH)、C −6アルキルカルバ
モイル(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイ
ル、n-プロピルカルバモイル、tert−ブチルカル
バモイル等)、C3−8シクロアルキルカルバモイル
(例えばシクロペンチルカルバモイル、シクロヘキシル
カルバモイル等)、C6−12アリールカルバモイル
(例えばフェニルカルバモイル、{4-メチルフェニ
ル}カルバモイル等)、C7−15アラルキルカルバモ
イル(例えばベンジルカルバモイル、フェネチルカルバ
モイル、{1,2-ジフェニルエチル}カルバモイル
等)、{芳香族複素環-C1−6アルキル}カルバモイ
ル(例えば[2-{インドール-2-イル}エチル]カルバ
モイル、[2-{インドール-3-イル}エチル]カルバモ
イル等)、ピペリジノカルボニル、ピペラジンカルボニ
ル、N-C1−6アルキルピペラジンカルボニル(例
えばN-メチルピペラジンカルボニル、N-エチルピ
ペラジンカルボニル等)、N-C3− シクロアルキ
ルピペラジンカルボニル(例えばN-シクロペンチル
ピペラジンカルボニル、N-シクロヘキシルピペラジ
ンカルボニル等)、N-5ないし7員異項環ピペラジ
ンカルボニル(例えばN-ピリジルピペラジンカルボ
ニル、N-フリルピペラジンカルボニル、N-チエニ
ルピペラジンカルボニル等)、N-C6−12アリー
ルピペラジンカルボニル(例えばN-フェニルピペラ
ジンカルボニル、N-{4-メチルフェニル}ピペラジ
ンカルボニル等)、N-C7−15アラルキルピペラ
ジンカルボニル(例えばN-ベンジルピペラジンカル
ボニル、N-フェネチルピペラジンカルボニル、N-
{1,2-ジフェニルエチル}ピペラジンカルボニル
等)、N-{芳香族複素環-C1−6アルキル}ピペラ
ジンカルボニル(例えばN-[2-{インドール-2-イ
ル}エチル]ピペラジンカルボニル、N-[2-{インド
ール-3-イル}エチル]ピペラジンカルボニル等)、N
-C1−6脂肪族アシルピペラジンカルボニル(例え
ばN-アセチルピペラジンカルボニル、N-プロピオ
ニルピペラジンカルボニル等)、N-C4−9脂環状
アシルピペラジンカルボニル(例えばN-シクロペン
タンカルボニルピペラジンカルボニル、N-シクロヘ
キサンカルボニルピペラジンカルボニル等)、N-C
7−15アリールアシルピペラジンカルボニル(例えば
-ベンゾイルピペラジンカルボニル、N-{4-メ
チルベンゾイル}ピペラジンカルボニル等)、N-C
8−16アラルキルアシルピペラジンカルボニル(例え
ばN-フェニルアセチルピペラジンカルボニル、N-
{2-フェニルプロピオン}ピペラジンカルボニル、N
-{3-フェニルプロピオニル}ピペラジンカルボニ
ル、N-ジフェニルアセチルピペラジンカルボニル、
-{1-ナフチルアセチル}ピペラジンカルボニル、
-{2-ナフチルアセチル}ピペラジンカルボニル
等)、N-{芳香族複素環-カルボニル}ピペラジンカ
ルボニル(例えばN-{インドール-2-イルカルボニ
ル}ピペラジンカルボニル、N-{インドール-3-イ
ルカルボニル}ピペラジンアミド等)、N-{芳香族
複素環-アルキルカルボニル}ピペラジンカルボニル
(例えばN-{インドール-2-イルアセチル}ピペラ
ジンカルボニル、N-{インドール-3-イルアセチ
ル}ピペラジンカルボニル等)、C1−6アルコキシカ
ルボニル(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、n-プロポキシカルボニル等)、C3−8シクロ
アルキルオキシカルボニル(例えばシクロペンチルオキ
シカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル等)、
7−15アラルキルオキシカルボニル(例えばベンジ
ルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル、1
-フェニルエトキシカルボニル、ジフェニルメトキシカ
ルボニル等)等が挙げられる。上記したカルバモイル基
の中にはα-アミノ酸とのアミドやオリゴペプチド(例
えばジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド等)と
のアミドも含まれる。
【0013】カルボキシル基が置換されたα-アミノ酸
としては、例えばN-メチルアスパラギン、N-フェ
ニルアスパラギン、N-ベンジルアスパラギン、N-
フェネチルアスパラギン、N-(2-{インドール-3-
イル}エチル)アスパラギン、N-メチルグルタミン、
-フェニルグルタミン、N-ベンジルグルタミン、
-フェネチルグルタミン、N-(2-{インドール-
3-イル}エチル)グルタミン、アスパラギン酸 β-メチ
ルエステル、アスパラギン酸 β-シクロプロピルエステ
ル、アスパラギン酸 β-ベンジルエステル、アスパラギ
ン酸 β-フェネチルエステル、アスパラギン酸 β-N
-フェニルピペラジンアミド、アスパラギン酸 β-N-
(2-メチルフェニル)ピペラジンアミド、アスパラギン
酸 β-N -(3-メチルフェニル)ピペラジンアミド、ア
スパラギン酸 β-N-(4-メチルフェニル)ピペラジン
アミド、アスパラギン酸 β-N-(2-メトキシフェニ
ル)ピペラジンアミド、アスパラギン酸 β-N-(3-メ
トキシフェニル)ピペラジンアミド、アスパラギン酸 β
-N-(4-メトキシフェニル)ピペラジンアミド、アス
パラギン酸 β-N-(2-クロロフェニル)ピペラジンア
ミド、アスパラギン酸 β-N-(3-クロロフェニル)ピ
ペラジンアミド、アスパラギン酸 β-N-(4-クロロ
フェニル)ピペラジンアミド、アスパラギン酸 β-N-
(4-ニトロフェニル)ピペラジンアミド、アスパラギン
酸 β-N-(4-フルオロフェニル)ピペラジンアミド、
アスパラギン酸 β-N-(3-トリフルオロメチルフェ
ニル)ピペラジンアミド、アスパラギン酸 β-N-(2,
3-ジメチルフェニル)ピペラジンアミド、アスパラギン
酸 β-N-(2-ピリジル)ピペラジンアミド、アスパラ
ギン酸 β-N-(2-ピリミジル)ピペラジンアミド、グ
ルタミン酸 γ-メチルエステル、グルタミン酸 γ-シク
ロプロピルエステル、グルタミン酸 γ-ベンジルエステ
ル、グルタミン酸 γ-フェネチルエステル等が挙げられ
る。
【0014】式〔I〕において、X又はYで表されるα-
アミノ酸残基の母体となるα-アミノ酸はD体、L体、
DL体のいずれでもよいが、X、YのいずれもL体がよ
り好ましい。Yとしては、アスパラギン酸、グルタミン
酸、アラニン、プロリン、ロイシン及びトリプトファン
からなる群から選ばれるアミノ酸残基が好ましく、とり
わけL-アスパラギン酸残基が好ましい。
【0015】Xとしては、好ましくは次の式
【化7】 で表される基を示し、ここにおいて、Gは部分構造式
【化8】 (式中、X及びXはそれぞれ水素原子、C1−6
ルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子又はニ
トロ基を示し、
【化9】 はX及びXとが結合して環を形成してもよいことを
示す。)で表される基を示す。X又はXで表される
1−6アルキル基としては、例えばメチル、エチル、
n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso
−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキ
シル等が用いられ、特にメチル、エチル、n−プロピ
ル、iso−プロピル等のC1−3アルキル基等が好ま
しく、中でもメチルが好ましい。X又はXで表され
るC1−6アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エ
トキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペンチル
オキシ、n−ヘキシルオキシ等が用いられ、特にメトキ
シ、エトキシ、n−プロポキシ等のC1−3アルコキシ
基等が好ましく、中でもメトキシ、エトキシが好まし
い。X又はXで表されるハロゲン原子としては、例
えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が用いられ、特に塩
素が好ましい。
【0016】XとXとが結合して環を形成する場
合、Gは、式
【化10】 で表される基が好ましい。環Qとしては、例えばO,
N,S等のヘテロ原子を1ないし3個程度含んでいても
よい4ないし7員環(環状炭化水素環、複素環等)等が
用いられる。環Qの内、環状炭化水素環としては、例え
ばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル等の炭素数3ないし8のシクロアルキル
基、例えばシクロプロペニル、1−シクロペンテニル、
2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−シ
クロヘキセニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘ
キセニル等の炭素数3ないし8のシクロアルケニル基、
例えばフェニル、1−又は2−ナフチル、1−,2−又
は9−アントリル、1−,2−,3−,4−又は9−フ
ェナントリル、1−,2−,4−,5−又は6−アズレ
ニル等の炭素数6ないし14のアリール基等から誘導さ
れる環などが用いられる。
【0017】環Qの内、複素環環としては、例えば2−
又は3−チエニル、2−又は3−フリル、2−又は3−
ピロリル、2−、4−又は5−オキサジニル、2−、4
−又は5−チアゾリル、3−、4−又は5−ピラゾリ
ル、2−、4−又は5−イミダゾリル、3−、4−又は
5−イソオキサゾリル、3−、4−又は5−イソチアゾ
リル、3−又は5−(1,2,4−オキサジアゾリル)、
1,3,4−オキサジアゾリル、3−又は5−(1,2,4
−チアジアゾリル)、1,2,5−チアジアゾリル、1,
2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1H
−又は2H−テトラゾリル等の炭素原子以外に酸素原
子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1
ないし4個含む5員環基、例えば2−、3−又は4−ピ
リジル、N−オキシド−2−、3−又は4−ピリジル、
2−、4−又は5−ピリミジニル、N−オキシド−2
−、4−又は5−ピリミジニル、チオモルホリニル、モ
ルホリニル、オキソイミダジニル、ジオキソトリアジニ
ル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピラニル、チオピラ
ニル、1,4−オキサジニル、1,4−チアジニル、1,
3−チアジニル、ピペラジニル、トリアジニル、オキソ
トリアジニル、3−又は4−ピリダジニル、ピラジニ
ル、N−オキシド−3−又は4−ピリダジニル等の炭素
原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれ
たヘテロ原子を1ないし4個含む6員環基、例えばベン
ゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、テ
トラゾロ〔1,5−b〕ピリダジニル、トリアゾロ〔4,
5−b〕ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリ
ル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナ
ゾリニル、キノキサリニル、インドリジニル、キノリジ
ニル、1,8−ナフチリジニル、プリニル、プテリジニ
ル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、
フェナントリジニル、クロマニル、ベンゾオキサジニ
ル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニ
ル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等
から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む2環性又は
3環性縮合環基等の炭素原子以外に例えば酸素原子、硫
黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を1ないし4個含む5
ないし8員環基又はその縮合環基等から誘導される環が
用いられる。
【0018】上記したものの中でも、Gは式
【化11】 (Xは水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アル
コキシ基、ハロゲン原子又はニトロ基を示す。)で表さ
れる基が好ましい。その具体例を挙げれば、例えば
【化12】 等であり、とりわけ
【化13】 が好ましい。即ち、Xとしてはアスパラギン酸β−4−
フェニルピペラジンアミド残基が最も好ましい。また、
Gには、D体、L体、DL体のいずれも含まれるが、中
でもL体が好ましい。
【0019】式〔I〕において、Aで表されるD-酸性-
α-アミノ酸残基の母体となるアミノ酸としては、例え
ば側鎖にカルボキシル基、スルホニル基又はテトラゾリ
ル基のような酸性基を有するアミノ酸が挙げられる。そ
の具体例としては、D-グルタミン酸、D-アスパラギン
酸、D-システイン酸、D-ホモシステイン酸、D-β-
(5-テトラゾリル)アラニン、D-2-アミノ-4-(5-テ
トラゾリル)酪酸等が挙げられるが、特にD-グルタミン
酸、D-アスパラギン酸、D-システイン酸が好ましい。
Aとしては、D-アスパラギン酸残基が最も好ましい。
式〔I〕において、Bで表される中性-α-アミノ酸残基
の母体となるアミノ酸としては、例えばアラニン、バリ
ン、ノルバリン、 ロイシン、イソロイシン、アロイソロ
イシン、ノルロイシン、tert-ロイシン、γ-メチル
ロイシン、フェニルグリシン、フェニルアラニン、1-
ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、プロリン、
4-ヒドロキシプロリン、アゼチジン-2-カルボン酸、
ピペコリン酸(ピペリジン-2-カルボン酸)、2-チエニ
ルアラニン、2-チエニルグリシン、3-チエニルグリシ
ン、1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸、1-アミ
ノシクロブタン-1-カルボン酸、1-アミノシクロペン
タン-1-カルボン酸、1-アミノシクロヘキサン-1-カ
ルボン酸、1-アミノシクロヘプタン-1-カルボン酸、
2-シクロペンチルグリシン、2-シクロヘキシルグリシ
ン等のα-アミノ酸が挙げられる。上記の中性-α-アミ
ノ酸にL体とD体が存在する場合はD体の方が好まし
い。中でも、C1−6アルキル基、C5−7シクロアル
キル基、C7−11アラルキル基、C6−10アリール
基、C1−6アルコキシ基又はC1−6アルカノイル基
で置換されていてもよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原
子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6
員複素環基を有していてもよいD-中性−α-アミノ酸残
基が好ましく、とりわけD-ロイシン、D-アロイソロイ
シン、D-tert-ロイシン、D-γ-メチルロイシン、
D-フェニルグリシン、D-2-チエニルアラニン、D-2
-チエニルグリシン、D-3-チエニルグリシン、D-2-
シクロペンチルグリシンがより好ましい。Bとしては、
D-2−チエニルグリシン残基が最も好ましい。これら
の中性-α-アミノ酸のα-アミノ基はC1−6アルキル
基(例えばメチル、エチル、n-プロピル、tert-ブ
チル等)で置換されていてもよい。このようなα-アミ
ノ酸としては、例えばN-メチルロイシン、N-メチルア
ロイソロイシン、N-メチル-tert-ロイシン、N-メ
チル-γ-メチルロイシン、N-メチルフェニルグリシン
等が挙げられ、これらもD体の方が好ましい。Bは好ま
しくはC1−6アルキル基でそれぞれ置換されていても
よいフェニルグリシン、フェニルアラニン、1-ナフチ
ルアラニン、2-ナフチルアラニン、2-チエニルアラニ
ン、2-チエニルグリシン、3-チエニルグリシン、プロ
リン、4-ヒドロキシプロリン、アゼチジン-2-カルボ
ン酸、ピペリジン-2-カルボン酸、1-アミノシクロプ
ロパン-1-カルボン酸、1-アミノシクロブタン-1-カ
ルボン酸、1-アミノシクロペンタン-1-カルボン酸、
1-アミノシクロヘキサン-1-カルボン酸及び1-アミノ
シクロヘプタン-1-カルボン酸からなる群から選ばれる
D-又はL-中性-α-アミノ酸残基である。このうち好ま
しくはD-中性-α-アミノ酸残基である。
【0020】式〔I〕において、Cで表されるL-α-ア
ミノ酸残基の母体となるアミノ酸としては、例えばグリ
シン、L-アラニン、L-バリン、L-ノルバリン、L-ロ
イシン、L-イソロイシン、L-tert-ロイシン、L-
ノルロイシン、L-メチオニン、L-2-アミノ酪酸、L-
セリン、L-スレオニン、L-フェニルアラニン、L-ア
スパラギン酸、L-グルタミン酸、L-アスパラギン、L
-グルタミン、L-リジン、L-トリプトファン、L-アル
ギニン、L-チロシン、L-プロリン等、通常一般に知ら
れているL-α-アミノ酸が挙げられ、特にL-ロイシ
ン、L-ノルロイシン、L-トリプトファンが好ましい。
CとしてはL-ロイシン残基が最も好ましい。これらの
L-α-アミノ酸のα-アミノ基はC1−6アルキル基
(例えばメチル、エチル、n-プロピル、tert-ブチ
ル等)で置換されていてもよい。このようなL-α-アミ
ノ酸としては、例えばL-N-メチルロイシン、L-N-メ
チルノルロイシン、L-N(α)-メチルトリプトファン等
が挙げられる。
【0021】式〔I〕において、Eで表される芳香環基
を有するD-α-アミノ酸残基の母体となるアミノ酸とし
ては、例えば側鎖に芳香環基を有するD-α-アミノ酸が
挙げられる。その具体例としては、D-トリプトファ
ン、D-5-メチルトリプトファン、D-フェニルアラニ
ン、D-チロシン、D-1-ナフチルアラニン、D-2-ナ
フチルアラニン、D-3-ベンゾチエニルアラニン、D-
4-ビフェニルアラニン、D-ペンタメチルフェニルアラ
ニン等が挙げられ、D-トリプトファン、D-5-メチル
トリプトファンが好ましい。中でもD-トリプトファン
がより好ましい。これらの芳香環を有するD-α-アミノ
酸のα-アミノ基はC1−6アルキル基(例えばメチ
ル、エチル、n-プロピル、tert-ブチル等)で置換
されていてもよく、また、D-トリプトファンのインド
ール環のアミノ基はC1−6アルキル(例えばメチル、
エチル、n-プロピル、tert-ブチル等)、C3−8
シクロアルキル(例えばシクロペンチル、シクロヘキシ
ル等)、C6−12アリール(例えばフェニル、4-メ
チルフェニル等)、C7−15アラルキル(例えばベン
ジル、フェネチル等)等の炭化水素基やC1−6脂肪族
アシル(好ましくはC1−6アルカノイル)(例えばホ
ルミル、アセチル、プロピオニル等)、C4−9脂環状
アシル(好ましくはC5−7シクロアルキルカルボニ
ル)(例えばシクロペンタンカルボニル、シクロヘキサ
ンカルボニル等)、C7−15アリールアシル(好まし
くはC6−12アリールカルボニル)(例えばベンゾイ
ル、4-メチルベンゾイル等)、C8−16アラルキル
アシル(好ましくはC6−12アリール−C2−4アル
カノイル)(例えばフェニルアセチル、2-フェニルプ
ロピオニル、3-フェニルプロピオニル、ジフェニルア
セチル等)、C1−6アルコキシカルボニル(例えばメ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル等)等のアシル
基で置換されていてもよい。このようなα-アミノ酸と
しては、例えばD-N(α)-メチルトリプトファン、D-
N-メチルフェニルアラニン、D-N-メチルチロシン、
D-Nin-メチルトリプトファン、D-Nin-エチルト
リプトファン、D-N -ホルミルトリプトファン、D
-Nin-アセチルトリプトファン等が挙げられる。中で
もD-Nin-メチルトリプトファン、D-Nin-ホルミ
ルトリプトファン、D-Nin-アセチルトリプトファン
がより好ましい。Eとしては、D-トリプトファン残基
が最も好ましい。
【0022】式〔I〕で表わされるペプチド又はその塩
の好ましい具体例は次のようなものである。XがL体、
YがL体、AがD-グルタミン酸、D-アスパラギン酸、
D-システイン酸及びD-テトラゾリルアラニン残基から
なる群から選ばれる基、BがD体、Bが1-アミノシク
ロプロパン-1-カルボン酸、1-アミノシクロブタン-1
-カルボン酸、1-アミノシクロペンタン-1-カルボン
酸、1-アミノシクロヘキサン-1-カルボン酸及び1-ア
ミノシクロヘプタン-1-カルボン酸残基からなる群から
選ばれる基、BがD-ロイシン、D-アロイソロイシン、
D-tert-ロイシン、D-γ-メチルロイシン、D-フ
ェニルグリシン、D-2-チエニルグリシン、D-3-チエ
ニルグリシン、D-2-シクロペンチルグリシン、D-フ
ェニルアラニン、D-2-チエニルアラニン、D-バリ
ン、D-2-フリルグリシン及びD-3-フリルグリシン残
基からなる群から選ばれる基、CがL-ロイシン、L-イ
ソロイシン、L-バリン、L-ノルロイシン及び芳香族基
を有するL-αアミノ酸残基からなる群から選ばれる
基、EがD-トリプトファン又はその誘導体、D-1-ナ
フチルアラニン、D-2-ナフチルアラニン、D-ベンゾ
チエニルアラニン、D-4-ビスフェニルアラニン及びD
-ペンタメチルフェニルアラニン残基からなる群から選
ばれる基、D-トリプトファンの誘導体が、D-Nin-
メチルトリプトファン、D-Nin-ホルミルトリプトフ
ァン及びD-Nin-アセチルトリプトファン残基からな
る群から選ばれる基である。さらに好ましい具体例は次
のようなものである。AがD-アスパラギン酸残基;X
がトリプトファン、L-(β-4-フェニルピペラジンア
ミド)アスパラギン酸、L-〔β-4-(2-メトキシフェ
ニル)ピペラジンアミド〕アスパラギン酸、L-N(δ)-
フェニルアセチルオルニチン、L-(N-〔インドール
-3-イル〕アセチル)オルニチン、L-(4−ベンジルオ
キシ)プロリン、L-(N-ベンジル)グルタミン又は
L-(N(δ)-〔インドール-3-イル〕エチル)アスパラ
ギン残基;YがL-ロイシン、L-アスパラギン酸又はL
-O-ベンジルセリン残基;BがD-ロイシン、D-γ−メ
チルロイシン、D-2-チエニルグリシン又はD-3-チエ
ニルグリシン残基;CがL-ロイシン、L-フェニルアラ
ニン及びL-トリプトファン残基からなる群から選ばれ
る基;及びEがD-トリプトファン残基である。また、
以下のものも好ましい。Xがトリプトファン、L-(β-
4-フェニルピペラジンアミド)アスパラギン酸、L-
〔β-4-(2-メトキシフェニル)ピペラジンアミド〕
アスパラギン酸、L-N(δ)-フェニルアセチルオルニチ
ン、L-(N-〔インドール-3-イル〕アセチル)オル
ニチン、L-(4-ベンジルオキシ)プロリン、L-(N
-ベンジル)グルタミン又はL-(N(δ)-〔インドー
ル-3-イル〕エチル)アスパラギン残基;YがL-アス
パラギン酸又はL-ロイシン残基;AがD-アスパラギン
酸残基;BがD-2-チエニルグリシン残基;CがL-ロ
イシン、L-フェニルアラニン又はL-トリプトファン残
基;及びEがD-トリプトファン残基である。
【0023】式〔I〕で表される環状ヘキサペプチド又
はその塩としては式Cyclo〔-D-Asp-Asp(R1)-Asp-D-Thg
(2)-Leu-D-Trp-〕〔式中、Asp(R1)はアスパラギン酸β
−4−フェニルピペラジンアミド残基を、Thg(2)は2−
チエニルグリシン残基を示す。〕で表される化合物又は
その塩が最も好ましく、その際塩としてはジナトリウム
塩が好ましい。式〔I〕で表される化合物はエステルで
あってもよく、かかるエステルとしては、α−アミノ酸
残基の側鎖としてカルボキシル基を有する場合のアルキ
ルエステル等が用いられる。そのようなアルキル基とし
ては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−
プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブ
チル、n−ペンチル、n−ヘキシル等のC1−6アルキ
ル基等が用いられる。式〔I〕で表される化合物(環状
ヘキサペプチド)またはその塩〔以下、化合物(I)と
称することがある〕のプロドラッグは、生体内における
生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物
(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還
元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合
物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物(I)
に変化する化合物をいう。化合物(I)のプロドラッグ
としては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキ
ル化、りん酸化された化合物(例えば、化合物(I)の
アミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルア
ミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3
−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テ
トラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイ
ルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物な
ど)、化合物(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、
りん酸化、ほう酸化された化合物(例えば、化合物
(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパ
ノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、
アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された
化合物など)、あるいは、化合物(I)のカルボキシル
基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、化合
物(I)のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニ
ルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチル
アミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエス
テル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、
フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、
シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メ
チルアミド化された化合物など)等が挙げられる。これ
らの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)から
製造することができる。また化合物(I)のプロドラッ
グは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分
子設計163頁から198頁に記載されているような、
生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよ
い。また、化合物(I)は水和物であってもよい。さら
に、本発明で用いられる「エンドセリン拮抗作用を有す
る化合物」またはその塩のプロドラッグとしては、前記
化合物(I)のプロドラッグと同様なものなどが挙げら
れる。また、本発明で用いられる「エンドセリン拮抗作
用を有する化合物」は水和物であってもよい。
【0024】本発明で用いられるペプチド性化合物は、
上記の文献に開示された方法により又はそれらの方法に
準じて製造することができ、またペプチド合成の常套手
段で製造しうる。なかでも、環状ヘキサペプチド〔I〕
(式〔I〕で表される化合物)はEP−A−52831
2および特開平6−9689号公報記載の方法により又
はその方法に準じて製造することができ、またペプチド
合成の常套手段で製造しうる。即ち、液相合成法、固相
合成法のいずれによってもよいが、液相合成法が好まし
い場合もある。そのようなペプチド合成の手段は、任意
の公知の方法に従えばよく、例えば、M. Bodansky 及び
M. A. Ondetti 著、ペプチド シンセシス(Peptide Syn
thesis)、インターサイエンス、ニューヨーク、1966
年;F. M. Finn 及び K. Hofmann 著、ザ プロテインズ
(The Proteins)、第2巻、H. Nenrath、R.L. Hill 編
集、アカデミック プレス インク、ニューヨーク、1976
年;泉屋信夫他著「ペプチド合成の基礎と実験」丸善
(株) 1985年;矢島治明、榊原俊平他著、生化学実験講
座1、日本生化学会編、東京化学同人 1977年;木村俊
他著、続生化学実験講座2、日本生化学会編、東京化学
同人 1987年;J. M. Stewart 及び J. D. Young 著、ソ
リッド フェイズ ペプチド シンセシス(Solid Phase Pe
ptide Synthesis)、ピアス ケミカル カンパニー、イリ
ノイ、1984年等に記載された方法、たとえばアジド法、
クロリド法、酸無水物法、混酸無水物法、DCC法、活性
エステル法、ウッドワード試薬Kを用いる方法、カルボ
ニルイミダゾール法、酸化還元法、DCC/HONB法、BOP試
薬を用いる方法等が挙げられる。
【0025】本発明で用いられる環状ペプチド性化合物
は、そのペプチド結合の任意の位置で2分される2種の
フラグメントの一方に相当する反応性カルボキシル基を
有する原料と、他方のフラグメントに相当する反応性ア
ミノ基を有する原料をペプチド合成の常套手段で縮合さ
せ、ついで生成物のC末端α-カルボキシル基及びN末
端α-アミノ基の保護基を同時に又は段階的に除去した
のちこの両者を公知の縮合方法により分子内で縮合し環
状化合物を得、さらに生成物が保護基を有する場合、そ
の保護基を常套手段で脱離することにより製造しうる。
上記第一の原料及び他の第二の原料は通常アミノ酸及び
/又はペプチドフラグメントであり、これらは両者を結
合させることによって目的とする環状ペプチド性化合物
若しくはそれらの塩を形成する。これらは通常直鎖若し
くは分枝状である。「反応性カルボキシル基」とは即ち
カルボキシル基そのもの若しくは活性化されたカルボキ
シル基を指す。また「反応性アミノ基」とは即ちアミノ
基そのもの若しくは活性化されたアミノ基を指す。通常
は、上記縮合に作用する2つの官能基の内の一方が活性
化されている。該縮合反応に関与しないカルボキシル基
及びアミノ基は該縮合反応に入る前に保護されている。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護及び保護
基、並びにその保護基の脱離、反応に関与する官能基の
活性化等もまた公知の基あるいは公知の手段から適宜選
択しうる。
【0026】原料のアミノ基の保護基としては、例えば
ベンジルオキシカルボニル、tert-ブチルオキシカ
ルボニル、tert-アミルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシ
カルボニル、2-クロロベンジルオキシカルボニル、ア
ダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、
フタリル、ホルミル、2-ニトロフェニルスルフェニ
ル、ジフェニルホスフィノチオイル、9-フルオレニル
メチルオキシカルボニル等が挙げられる。カルボキシル
基の保護基としては、例えばアルキル(例えばメチル、
エチル、プロピル、ブチル、tert-ブチル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオ
クチル、2-アダマンチル等のアルキル基)、ベンジル、
4-ニトロベンジル、4-メトキシベンジル、4-クロロ
ベンジル、ベンズヒドリル、フェナシル、ベンジルオキ
シカルボニルヒドラジド、tert-ブチルオキシカル
ボニルヒドラジド、トリチルヒドラジド等が挙げられ
る。
【0027】セリンの水酸基は、例えばエステル化又は
エーテル化によって保護することができる。このエステ
ル化に適する基としては、例えばアセチル基等の低級脂
肪族アシル基、ベンゾイル基等のアリールアシル基、ベ
ンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の
炭酸から誘導される基等が挙げられる。またエーテル化
に適する基としては、例えばベンジル基、テトラヒドロ
ピラニル基、tert-ブチル基等である。しかしなが
ら、セリンの水酸基は必ずしも保護する必要はない。チ
ロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、例えば
ベンジル、2, 6-ジクロロベンジル、2-ニトロベンジ
ル、2-ブロモベンジルオキシカルボニル、tert-ブ
チル等が挙げられるが、必ずしも保護する必要はない。
メチオニンはスルホキシドの形で保護しておいてもよ
い。ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、パラ
トルエンスルホニル、4-メトキシ-2,3,6-トリメチ
ルベンゼンスルホニル、2,4-ジニトロフェニル、ベン
ジルオキシメチル、tert-ブトキシメチル、ter
t-ブトキシカルボニル、トリチル、9-フルオレニルメ
チルオキシカルボニル等が挙げられるが、必ずしも保護
する必要はない。トリプトファンのインドールの保護基
としては、ホルミル、2,4,6-トリメチルベンゼンス
ルホニル、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホニ
ル、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホ
ニル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル、ジフ
ェニルホスフィノチオイル等が挙げられるが、必ずしも
保護する必要はない。
【0028】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば対応する酸無水物、アジド、活性エス
テル[アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、
2,4,5-トリクロロフェノール、 2,4-ジニトロフェ
ノール、 シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキ
シイミド、 N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフ
タルイミド、N-ヒドロキシベンズトリアゾール)との
エステル]等が挙げられる。 原料のアミノ基の活性化
されたものとしては、例えば対応するリン酸アミドが挙
げられる。縮合反応は溶媒の存在下に行うことができ
る。溶媒としては、ペプチド縮合反応に使用しうること
が知られているものから適宜選択されうる。例えば無水
又は含水のジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ピリジン、クロロホルム、ジオキサン、ジクロロメ
タン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチ
ル、N-メチルピロリドンあるいはこれらの適宜の混合
物等が挙げられる。反応温度は、ペプチド結合形成反応
に使用されうることが知られている範囲から適宜選択さ
れ、通常約−20℃ないし30℃の範囲から適宜選択さ
れる。分子内環化反応はペプチドの任意の位置で公知の
方法で行なうことができる。例えば、まず保護されたペ
プチドのC末端アミノ酸の末端α-カルボキシル保護基
を公知の方法で脱離し、ついでこれを公知の方法で活性
化したのちN末端アミノ酸の末端α-アミノ保護基を公
知の方法で脱離するとともに分子内で環化することもで
きる。あるいは保護されたペプチドのC末端アミノ酸の
末端α-カルボキシル保護基及びN末端アミノ酸の末端
α-アミノ保護基を同時に脱離したのち公知の縮合反応
により分子内で環化してもよい。また分子内環化反応は
高度希釈下で行なったほうが好ましい場合もある。
【0029】保護基の脱離方法としては、例えばPd黒
あるいはPd-炭素等の触媒の存在下での水素気流中での
接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸
あるいはこれらの混合液等による酸処理や、また液体ア
ンモニア中ナトリウムによる還元等も挙げられる。上記
酸処理による脱離反応は、一般に−20℃ないし40℃
の温度で行われるが、酸処理においては、アニソール、
フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラク
レゾール、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオー
ル、1,2-エタンジチオールのようなカチオン補足剤の
添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保
護基として用いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオ
フェノール処理により除去され、トリプトファンのイン
ドール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,
2-エタンジチオール、1,4-ブタンジチオール等の存
在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウ
ム、希アンモニア等によるアルカリ処理によっても除去
される。このようにして製造されたペプチド性化合物は
反応終了後、ペプチドの分離精製手段、例えば、抽出、
分配、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィー、高
速液体クロマトグラフィー等によって採取される。本発
明で用いられるペプチド性化合物は自体公知の方法によ
り上記の金属塩、塩基又は塩基性化合物との塩、無機酸
付加塩、有機酸塩等として得ることができ、とりわけ薬
理学的に許容される酸付加塩、例えば無機酸(例えば塩
酸、硫酸、リン酸)あるいは有機酸(例えば酢酸、プロピ
オン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、蓚酸、メタンス
ルホン酸)等との塩としても得ることができる。
【0030】本明細書において、アミノ酸及びペプチド
等を略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commiss
ion on Biochemical Nomenclature による略号あるいは
当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例
を下記する。 Gly :グリシン Sar :サルコシン(N-メチルグリシン) Ala :アラニン Val :バリン Nva :ノルバリン Ile :イソロイシン aIle :アロイソロイシン Nle :ノルロイシン Leu :ロイシン N-MeLeu :N-メチルロイシン tLeu :tert-ロイシン γMeLeu :ガンマメチルロイシン Met :メチオニン Arg :アルギニン Arg(Tos) :N-パラトルエンスルホニルアルギニン Lys :リジン Lys(Mtr) :N(ε)-(4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼン スルホニル)リジン Orn :オルニチン Orn(COPh) :N(δ)-ベンゾイルオルニチン Orn(COCHPh) :N(δ)-フェニルアセチルオルニチン Orn(COCHCHPh) :N(δ)-(3-フェニルプロピオニル)オルニチン Orn(COCH-Ind) :N(δ)-({インドール-3-イル}アセチル)オルニチ ン His :ヒスチジン His(Bom) :N(π)-ベンジルオキシメチルヒスチジン His(Bzl) :N(τ)-ベンジルヒスチジン Asp :アスパラギン酸 Asn(CHPh) :N-ベンジルアスパラギン Asn(CHCHPh) :N-フェネチルアスパラギン Asn(CHCH-Ind) :N-(2-{インドール-3-イル}エチル)アスパラ ギン Asn(Me・CHCHPh) :N-メチル-N-フェネチルアスパラギン Asn(CHCHMePh) :N-({2-フェニル}プロピル)アスパラギン Asp(R1) :アスパラギン酸 β-4-フェニルピペラジン アミド Asp(R2) :アスパラギン酸 β-4-フェニルピペリジン アミド Asp(R3) :アスパラギン酸 β-インドリン アミド Asp(R4) :アスパラギン酸 β-1-アミノインダン アミド Asp(R5) :アスパラギン酸 β-1-アミノテトラヒドロナフタレ ン アミド Asp(R6) :アスパラギン酸 β-4-アセチルピペラジン アミド Asp(R7) :アスパラギン酸 β-4-(2-クロロフェニル)ピペ ラジン アミド Asp(R8) :アスパラギン酸 β-4-(3-クロロフェニル)ピペ ラジン アミド Asp(R9) :アスパラギン酸 β-4-(4-クロロフェニル)ピペ ラジン アミド Asp(R10) :アスパラギン酸 β-4-(2-メトキシフェニル)ピ ペラジン アミド Asp(R11) :アスパラギン酸 β-4-(4-メトキシフェニル)ピ ペラジン アミド Asp(R12) :アスパラギン酸 β-4-(2-エトキシフェニル)ピ ペラジン アミド Asp(R13) :アスパラギン酸 β-4-(2-フルオロフェニル)ピ ペラジン アミド Asp(R14) :アスパラギン酸 β-4-(4-フルオロフェニル)ピ ペラジン アミド Asp(R15) :アスパラギン酸 β-4-(3-トリフルオロメチルフ ェニル)ピペラジン アミド Asp(R16) :アスパラギン酸 β-4-(2-ピリジル)ピペラジン アミド Glu :グルタミン酸 Gln(CHPh) :N-ベンジルグルタミン Gln(CHCHPh) :N-フェネチルグルタミン Gln(CHCH-Ind) :N-(2-{インドール-3-イル}エチル)グルタミ ン Glu(R3) :グルタミン酸 γ-インドリン アミド Glu(R4) :グルタミン酸 γ-1-アミノインダン アミド Glu(R5) :グルタミン酸 γ-1-アミノテトラヒドロナフタレン アミド Cys :システイン Cta :システイン酸 Ser :セリン Ser(Bzl) :O-ベンジルセリン Thr :スレオニン Thr(Bzl) :O-ベンジルスレオニン Pro :プロリン Tpr :チオプロリン Hyp :4-ヒドロキシプロリン Hyp(Bzl) :4-ベンジルオキシプロリン Azc :アゼチジン-2-カルボン酸 Pip :ピペコリン酸(ピペリジン-2-カルボン酸) Phe :フェニルアラニン N-MePhe :N-メチルフェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン mTrp :5-メチルトリプトファン N-MeTrp :N(α)-メチルトリプトファン Trp(Me) :Nin-メチルトリプトファン Trp(For) :Nin-ホルミルトリプトファン Trp(Ac) :Nin-アセチルトリプトファン Phg :フェニルグリシン Nal(1) :1-ナフチルアラニン Nal(2) :2-ナフチルアラニン Thi :2-チエニルアラニン Thg(2) :2-チエニルグリシン Thg(3) :3-チエニルグリシン Acpr :1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸 Acbu :1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸 Acpe :1-アミノシクロペンタン-1-カルボン酸 Achx :1-アミノシクロヘキサン-1-カルボン酸 Achp :1-アミノシクロヘプタン-1-カルボン酸 Tic :テトラヒドロイソキノリン-2-カルボン酸 Cpg :シクロペンチルグリシン また本明細書中で常用される保護基及び試薬を下記の略
号で表記する。 AcOEt :酢酸エチル Boc :tert-ブトキシカルボニル Bzl :ベンジル BrZ :2-ブロモベンジルオキシカルボニル ClZ :2-クロロベンジルオキシカルボニル Tos :パラトルエンスルホニル For :ホルミル OBzl :ベンジルエステル OPac :フェナシルエステル ONB :HONBエステル TFA :トリフルオロ酢酸 TEA :トリエチルアミン IBCF :イソブチルクロロホルメート DMF :N,N-ジメチルホルムアミド DCC :N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド DCU :N,N'-ジシクロヘキシルウレア HONB :N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキ シイミド HOBt :1-ヒドロキシベンゾトリアゾール DCM :ジクロロメタン THF :テトラヒドロフラン
【0031】本発明で用いられる「エンドセリン拮抗作
用を有する化合物」は非ペプチド性の化合物であっても
よく、例えば、以下に示すエンドセリン受容体拮抗作用
を有する非ペプチド性の化合物なども同様な目的で使用
することができる。
【化14】 (Bosentan);
【化15】 (SB−217242);
【化16】 (SB−209670);
【化17】 (TBC−11251);Cyclo〔−Asp−Pr
o−Val−Leu−Trp−〕(BQ−123);
【化18】 (ABT−627);など
【0032】上記化合物は、公知の方法又は上記の文献
の開示に従って若しくは準じて製造することができる。
本発明において、エンドセリン拮抗作用を有する化合
物、特に式〔I〕の化合物又はその塩若しくはそのプロ
ドラッグ等を含有する製剤は、低毒性で、動物とりわけ
哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサ
ギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒトなど)に対
する悪性腫瘍の予防治療剤、悪性腫瘍の骨転移抑制剤お
よび悪性腫瘍に起因する疼痛の緩和剤として有用であ
る。悪性腫瘍としては、例えば、哺乳動物(例えば、マ
ウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウ
シ、ヒツジ、サル、ヒトなど)の癌(例、乳癌、前立腺
癌、膵癌、胃癌、肺癌、大腸癌(結腸癌、直腸癌、肛門
癌)、食道癌、十二指腸癌、頭頚部癌(舌癌、咽頭
癌)、脳腫瘍、神経鞘腫、非小細胞肺癌、肺小細胞癌、
肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、子宮癌(子宮体癌、子宮頸
癌)、卵巣癌、膀胱癌、皮膚癌、血管腫、悪性リンパ
腫、悪性黒色腫、甲状腺癌、骨腫瘍、血管腫、血管線維
腫、網膜肉腫、陰茎癌、小児固形癌、カポジ肉腫、AI
DSに起因するカポジ肉腫、上顎洞腫瘍、線維性組織球
腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫など)、白血病などの悪性
腫瘍などが挙げられるが、なかでも、骨転移を伴う悪性
腫瘍等が好ましく、とりわけ、前立腺癌、乳癌等が好ま
しい。
【0033】エンドセリン拮抗作用を有する化合物、特
に式〔I〕の化合物又はその塩若しくはそのプロドラッ
グ等を含有する製剤は、前立腺癌の骨転移抑制剤、乳癌
の骨転移抑制剤、前立腺癌に起因する疼痛の緩和剤、乳
癌に起因する疼痛の緩和剤などとして好ましく用いられ
る。
【0034】また、本発明においてはエンドセリン拮抗
作用を有する化合物、特に式〔I〕の化合物又はその塩
若しくはそのプロドラッグとともに癌を含む悪性腫瘍の
予防及び治療に有効な他の医薬活性成分を併用してもよ
い。このような医薬活性成分としては、例えば癌を含む
悪性腫瘍の治療に供することのできる種々の薬剤(ホル
モン療法剤、化学療法剤、免疫療法剤(BRM)、細胞
増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤な
ど)が挙げられる。具体的には、免疫抑制作用の低い医
薬、例えば、内分泌療法薬(LH−RHアゴニストおよ
びアンタゴニスト、性ホルモンアンタゴニスト、性ホル
モン合成阻害薬など)、癌に選択的なチロシンキナーゼ
などの遺伝子産物(EGF受容体、HER2/erb−
2、HER3/erb−3、HER4/erb−4、P
DGF受容体、VEGF受容体など)を標的とした医
薬、さらには癌ワクチン療法薬などが挙げられる。癌ワ
クチン療法薬としては、(1)腫瘍抗原またはそれに類
する腫瘍細胞由来のタンパク質、その部分ペプチドまた
はこれらを含む融合タンパク質、(2)これらタンパク
質またはペプチドをコードし、生体内で発現しうるDN
A断片やそれを含有するリポソーム、(3)そのDNA
断片を含むウイルスまたはプラスミドなどが挙げられ
る。癌ワクチン療法薬として用いることのできる腫瘍細
胞由来のタンパク質としては、例えば、メラノーマ関連
抗原(例、MAGE−1、MAGE−3、MART−
1、gp100、チロシンキナーゼなど)、前立腺特異
抗原(PSA)、HER2タンパク質、MUC−1ムチ
ン、hCG、ガストリン、熱ショックタンパク質、ヒト
パピローママウスのE7タンパク質、癌胎児性抗原(C
EA)、変異Ras蛋白などが挙げられる。このように
本発明の医薬組成物は単剤として使用しても優れた抗癌
作用を示すが、さらに他の抗癌剤と併用(多剤併用)す
ることによって、その効果をより一層増強させることが
できる。その他、併用による利点として、互いの薬剤の
使用量を削減することが可能となり、これによって副作
用が軽減し、癌患者のクオリティー・オブ・ライフ:Qu
ality of Life(例えば、Performance Stasisや疼痛の
軽減、浮腫の抑制、食欲増進、体重増加など)を改善す
ることにも大きく貢献することが挙げられる。本発明の
医薬組成物に併用し得る併用薬を以下に具体的に例示す
る。該「ホルモン療法剤」としては、例えば、ホスフェ
ストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリ
アニセリン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲ
ストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、
ダナゾール、アリルエストレノール、ゲストリノン、メ
パルトリシン、ラロキシフェン、オルメロキフェン、レ
ボルメロキシフェン、抗エストロゲン(例、クエン酸タ
モキシフェン、クエン酸トレミフェンなど)、ピル製
剤、メピチオスタン、テストロラクトン、アミノグルテ
チイミド、LH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリ
ン、ブセレリン、リュープロレリンなど)、LH−RH
アンタゴニスト、ドロロキシフェン、エピチオスタノー
ル、スルホン酸エチニルエストラジオール、アロマター
ゼ阻害薬(例、塩酸ファドロゾール、アナストロゾー
ル、レトロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォ
ルメスタンなど)、抗アンドロゲン(例、フルタミド、
ビカルタミド、ニルタミドなど)、5α-レダクターゼ
阻害薬(例、フィナステリド、エプリステリドなど)、
副腎皮質ホルモン系薬剤(例、デキサメタゾン、プレド
ニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロンなど)、ア
ンドロゲン合成阻害薬(例、アビラテロンなど)、レチ
ノイドおよびレチノイドの代謝を遅らせる薬剤(例、リ
アロゾールなど)などが挙げられる。該「化学療法剤」
としては、例えばアルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗
生物質、植物由来抗癌剤などが挙げられる。「アルキル
化剤」としては、例えば、ナイトロジェンマスタード、
塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、クロラ
ムブチル、シクロフォスファミド、イホスファミド、チ
オテパ、カルボコン、トシル酸インプロスルファン、ブ
スルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メル
ファラン、ダカルバジン、ラニムスチン、リン酸エスト
ラムスチンナトリウム、トリエチレンメラミン、カルム
スチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ピポブロマ
ン、エトグルシド、カルボプラチン、シスプラチン、ミ
ボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、アルト
レタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウム、フ
ォテムスチン、プレドニムスチン、プミテパ、リボムス
チン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフォスフ
ァミド、ジノスタチンスチマラマー、カルボコン、アド
ゼレシン、システムスチン、ビゼレシンなどが挙げられ
る。「代謝拮抗剤」としては、例えば、メルカプトプリ
ン、6−メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メ
トトレキサート、エノシタビン、シタラビン、シタラビ
ンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5−FU系
薬剤(例、フルオロウラシル、テガフール、UFT、ド
キシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテ
フールなど)、アミノプテリン、ロイコボリンカルシウ
ム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、
レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフ
ール、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバ
ミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリ
ジン、ミトグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチンな
どが挙げられる。「抗癌性抗生物質」としては、例え
ば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンC、マイト
マイシンC、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシ
ン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダ
ウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシ
ン、塩酸ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチ
ノスタチン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチ
ノフィリン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサ
ントロン、塩酸イダルビシンなどが挙げられる。「植物
由来抗癌剤」としては、例えば、エトポシド、リン酸エ
トポシド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、
硫酸ビンデシン、テニポシド、パクリタキセル、ドセタ
クセル、ビノレルビンなどが挙げられる。該「免疫療法
剤(BRM)」としては、例えば、ピシバニール、クレ
スチン、シゾフィラン、レンチナン、ウベニメクス、イ
ンターフェロン、インターロイキン、マクロファージコ
ロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポ
イエチン、リンホトキシン、BCGワクチン、コリネバ
クテリウムパルブム、レバミゾール、ポリサッカライド
K、プロコダゾールなどが挙げられる。該「細胞増殖因
子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤」におけ
る、「細胞増殖因子」としては、細胞の増殖を促進する
物質であればどのようなものでもよく、通常、分子量が
20,000以下のペプチドで、受容体との結合により
低濃度で作用が発揮される因子が挙げられ、具体的に
は、(1)EGF(epidermalgrowth factor)またはそ
れと実質的に同一の活性を有する物質〔例、EGF、ハ
レグリン(HER2リガンド)など〕、(2)インシュ
リンまたはそれと実質的に同一の活性を有する物質
〔例、インシュリン、IGF(insulin-like growthfact
or)−1、IGF−2など〕、(3)FGF(fibroblast
growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有
する物質〔例、酸性FGF、塩基性FGF、KGF(ke
ratinocyte growth factor)、 FGF-10など〕、
(4)その他の細胞増殖因子〔例、CSF(colony stim
ulating factor)、EPO(erythropoietin)、IL−
2(interleukin-2)、NGF(nerve growth factor)、
PDGF(platelet-derived growth factor)、TGF
β(transforming growth factorβ)、HGF(hepato
cyte growth factor)、VEGF(vascular endotheli
al growth factor)など〕などが挙げられる。該「細胞
増殖因子の受容体」としては、上記の細胞増殖因子と結
合能を有する受容体であればいかなるものであってもよ
く、具体的には、EGF受容体、ハレグリン受容体(H
ER2)、インシュリン受容体−1、インシュリン受容
体−2、 IGF受容体、FGF受容体−1またはFGF
受容体−2などが挙げられる。該「細胞増殖因子の作用
を阻害する薬剤」としては、ハーセプチン(HER2レ
セプター抗体)などが挙げられる。前記の薬剤の他に、
L−アスパラギナーゼ、アセグラトン、塩酸プロカルバ
ジン、プロトポルフィリン・コバルト錯塩、水銀ヘマト
ポルフィリン・ナトリウム、トポイソメラーゼI阻害薬
(例、イリノテカン、トポテカンなど)、トポイソメラ
ーゼII阻害薬(例えば、ソブゾキサンなど)、分化誘
導剤(例、レチノイド、ビタミンD類など)、血管新生
阻害薬、α−ブロッカー(例、塩酸タムスロシンな
ど)、癌抗原、DNA、レクチン、糖質、脂質なども用
いることができる。
【0035】本発明の医薬組成物と併用薬との併用に際
しては、本発明の医薬組成物と併用薬の投与時期は限定
されず、本発明の医薬組成物と併用薬とを、投与対象に
対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与し
てもよい。併用薬の投与量は、臨床上用いられている投
与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組
み合わせ等により適宜選択することができる。
【0036】本発明の医薬組成物と併用薬の投与形態
は、特に限定されず、投与時に、本発明の医薬組成物と
併用薬とが組み合わされていればよい。このような投与
形態としては、例えば、(1)本発明の医薬組成物と併
用薬とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、
(2)本発明の医薬組成物と併用薬とを別々に製剤化し
て得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、
(3)本発明の医薬組成物と併用薬とを別々に製剤化し
て得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおい
ての投与、(4)本発明の医薬組成物と併用薬とを別々
に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での
同時投与、(5)本発明の医薬組成物と併用薬とを別々
に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での
時間差をおいての投与(例えば、本発明の医薬組成物→
併用薬の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)な
どが挙げられる。以下、これらの投与形態をまとめて、
本発明の併用剤と略記する。本発明の併用剤は、毒性が
低く、例えば、本発明の医薬組成物または(および)上
記併用薬を自体公知の方法に従って、薬理学的に許容さ
れる担体と混合して医薬組成物とすることができる。本
発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容
される担体としては、本発明の医薬組成物に使用される
ものと同様のものを使用することができる。さらに、本
発明の医薬組成物または併用剤は、例えば(1)手術、
(2)遺伝子療法、(3)アンジオテンシンIIなどを用
いる昇圧化学療法、(4)温熱療法、(5)凍結療法、
(6)レーザー焼灼法、(7)放射線療法などの前また
は後、あるいはこれら2〜3種を組み合わせた治療の前
または後に使用することができる。この方法によって、
耐性発現の阻止、無病期(Disease-Free Survival)の
延長、癌転移あるいは再発の抑制、延命などの効果が得
られる。また、本発明の医薬組成物または併用剤による
治療と、支持療法〔(i)各種感染病の併発に対する抗生
物質(例えば、パンスポリンなどのβ−ラクタム系、ク
ラリスロマイシンなどのマクロライド系など)の投与、
(ii)栄養障害改善のための高カロリー輸液、アミノ酸製
剤、総合ビタミン剤の投与、(iii)疼痛緩和のためのモ
ルヒネ投与、(iv)悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、白血球
減少、血小板減少、ヘモグロビン濃度低下、脱毛、肝障
害、腎障害、DIC、発熱などのような副作用を改善す
る薬剤の投与および(v)癌の多剤耐性を抑制するための
薬剤の投与など〕を組み合わせることもできる。前記の
処置を施す前または施した後に、本発明の医薬組成物ま
たは併用剤を経口投与(徐放性を含む)、静脈内投与
(bolus、infusion、包接体を含む)、皮下および筋注
(bolus、infusion、徐放性を含む)、経皮、腫瘍内お
よび近位投与によって投与するのが好ましい。 (1)手術、(2)アンジオテンシンIIなどを用いる昇
圧化学療法、(3)遺伝子療法、(4)温熱療法、
(5)凍結療法、(6)レーザー焼灼法、(7)放射線
療法の前に本発明の医薬組成物または併用剤を投与する
場合の時期としては、例えば、手術等の前、約10分〜
約24時間以内である。手術等の後に本発明の医薬組成
物または併用剤を投与する場合の時期としては、例え
ば、手術等の後、約10分〜約24時間以内である。例
えば式〔I〕の化合物又はその塩若しくはそのプロドラ
ッグを含有する本発明の製剤は、経口的及び非経口的に
投与できる。非経口的には、例えば注射投与、吸入法、
直腸投入あるいは局所投与により用いることができ、経
口的には、例えば粉末、顆粒、錠剤(糖衣錠、フィルム
コーティング錠を含む)、散剤、ピル剤、カプセル剤
(ソフトカプセルを含む)、シロップ剤、エマルジョン
剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤等として用いること
ができ、それらは少なくとも一つの式〔I〕の化合物又
はその塩若しくはそのプロドラッグを単独で、あるいは
薬理学的に許容される担体(アジュバンド剤、賦形剤、
補形剤及び/又は希釈剤等)と混合して用いることがで
きる。また、本発明により、(1)内分泌療法薬(LH
−RHアゴニストおよびアンタゴニスト、性ホルモンア
ンタゴニスト、性ホルモン合成阻害薬など)、好ましく
は、LH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセ
レリン、リュープロレリンなど)などのLH−RHアナ
ログと(2)エンドセリン拮抗作用を有する化合物、好
ましくは、エンドセリン拮抗作用を有するペプチド性化
合物、より好ましくはエンドセリン拮抗作用を有する環
状ペプチド性化合物とを組み合わせてなる(併用するこ
とを特徴とする)悪性腫瘍の予防治療剤;悪性腫瘍の骨
転移抑制剤;悪性腫瘍に起因する疼痛の緩和剤;などが
提供される。
【0037】本発明において、製剤中における式〔I〕
の化合物又はその塩若しくはそのプロドラッグの含有割
合は、通常、0.01ないし100重量%、好ましくは
0.1ないし50重量%である。医薬用の組成物は通常
の方法に従って製剤化することができる。本明細書にお
いて、注射投与とは、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注
射、腹腔内注射あるいは点滴法等を含むものである。注
射用調剤、例えば無菌注射用水性懸濁物あるいは油性懸
濁物は、適当な分散化剤又は湿化剤及び懸濁化剤を用い
て当該分野で知られた方法で調製されうる。その無菌注
射用調剤は、また、例えば水溶液等の非毒性の非経口投
与することのできる希釈剤あるいは溶剤中の無菌の注射
のできる溶液又は懸濁液であってよい。使用することの
できるベーヒクルあるいは溶剤として許されるものとし
ては、水、リンゲル液、等張食塩液等が挙げられる。さ
らに、通常溶剤又は懸濁化溶媒として無菌の不揮発性油
も用いられうる。このためには、いかなる不揮発性油も
脂肪酸も使用でき、天然あるいは合成あるいは半合成の
脂肪性油又は脂肪酸、そして天然あるいは合成あるいは
半合成のモノあるいはジあるいはトリグリセリド類も含
められる。直腸投与用の座剤は、その薬物と適当な非刺
激性の補形剤、例えばココアバターやポリエチレングリ
コール類といった常温では固体であるが腸管の温度では
液体で、直腸内で融解し、薬物を放出するもの等と混合
して製造されることができる。
【0038】経口投与用の固形投与剤型としては、粉
剤、顆粒剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤等の上記したも
のがあげられる。そのような剤型において、活性成分化
合物は、少なくとも一つの添加物、例えばショ糖、乳
糖、セルロース糖、マニトール、マルチトール、デキス
トラン、デンプン類、寒天、アルギネート類、キチン
類、キトサン類、ペクチン類、トラガントガム類、アラ
ビアゴム類、ゼラチン類、コラーゲン類、カゼイン、ア
ルブミン、合成又は半合成のポリマー類又はグリセリド
類と混合することができる。そのような剤型物はまた、
通常の如く、さらなる添加物を含むことができ、例えば
不活性希釈剤、マグネシウムステアレート等の滑沢剤、
パラベン類、ソルビン酸等の保存剤、アスコルビン酸、
α−トコフェロール、システイン等の抗酸化剤、崩壊
剤、結合化剤、増粘剤、緩衝化剤、甘味付与剤、フレー
バー付与剤、パーフューム剤等が挙げられる。錠剤及び
ピル剤はさらにエンテリックコーティングされて製造さ
れることもできる。経口投与用の液剤は、医薬として許
容されるエマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤、
懸濁剤、溶液剤等が挙げられ、それらは当該分野で普通
用いられる不活性希釈剤、例えば水を含んでいてよい。
ある特定の患者の投与量は、年令、体重、一般的健康状
態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物
の組み合わせ、患者のその時に治療を行っている病状の
程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決
められる。
【0039】また、本発明で用いられるエンドセリン拮
抗作用を有する化合物は、徐放性製剤とすることもでき
る。特に、エンドセリン拮抗作用を有するペプチド性化
合物は、エンドセリン拮抗作用を有する非ペプチド性化
合物と比較すると、徐放性製剤を製造するのに有利であ
り、徐放性製剤とすることにより、血中濃度の維持、投
薬回数の低減、副作用の軽減などの効果が期待できる。
本発明の徐放性製剤は、エンドセリン拮抗作用を有する
化合物又はその塩若しくはそのプロドラッグを含んでな
る核を所望により水不溶性物質や膨潤性ポリマーなどの
被膜剤で被覆してなる徐放性製剤が好ましい。例えば、
1日1回投与型の経口投与用徐放性製剤が好ましい。被
膜剤に用いられる水不溶性物質としては、例えばエチル
セルロース、ブチルセルロースなどのセルロースエーテ
ル類、セルロースアセテート、セルロースプロピオネー
トなどのセルロースエステル類、ポリビニルアセテー
ト、ポリビニルブチレートなどのポリビニルエステル
類、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、メチルメタク
リレート共重合体、エトキシエチルメタクリレート/シ
ンナモエチルメタクリレート/アミノアルキルメタクリ
レート共重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、
メタクリル酸アルキルアミド共重合体、ポリ(メタクリ
ル酸メチル)、ポリメタクリレート、ポリメタクリルア
ミド、アミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリ
(メタクリル酸アンヒドリド)、グリシジルメタクリレ
ート共重合体、とりわけオイドラギットRS−100,
RL−100,RS−30D,RL−30D,RL−P
O,RS−PO(アクリル酸エチル・メタアクリル酸メ
チル・メタアクリル酸塩化トリメチル・アンモニウムエ
チル共重合体)、オイドラギットNE−30D(メタア
クリル酸メチル・アクリル酸エチル共重合体)などのオ
イドラギット類(ローム・ファーマ社)などのアクリル
酸系ポリマー、硬化ヒマシ油(例、ラブリーワックス
(フロイント産業)など)などの硬化油、カルナバワッ
クス、脂肪酸グリセリンエステル、パラフィンなどのワ
ックス類、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられ
る。
【0040】膨潤性ポリマーとしては、酸性の解離基を
有し、 pH依存性の膨潤を示すポリマーが好ましく、胃
内のような酸性領域では膨潤が少なく、小腸や大腸など
の中性領域で膨潤が大きくなる酸性の解離基を有するポ
リマーが好ましい。このような酸性の解離基を有し pH
依存性の膨潤を示すポリマーとしては、例えばカーボマ
ー(Carbomer)934P、940、941、974P、
980、1342等、ポリカーボフィル(polycarbophi
l)、カルシウムポリカボーフィル(carcium polycarbo
phil)(前記はいずれもBFグツドリッチ社製)、ハイ
ビスワコー103、104、105、304(いずれも
和光純薬(株)製)などの架橋型ポリアクリル酸重合体
が挙げられる。
【0041】徐放性製剤に用いられる被膜剤は親水性物
質をさらに含んでいてもよい。該親水性物質としては、
例えばプルラン、デキストリン、アルギン酸アルカリ金
属塩などの硫酸基を有していてもよい多糖類、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの
ヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル基を有す
る多糖類、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどが
挙げられる。徐放性製剤の被膜剤における水不溶性物質
の含有率は約30ないし約90%(w/w)、好ましくは
約35ないし約80%(w/w)、さらに好ましくは約4
0ないし75%(w/w)、膨潤性ポリマーの含有率は約
3ないし約30%(w/w)、好ましくは約3ないし約1
5%(w/w)である。被膜剤は親水性物質をさらに含んで
いてもよく、その場合被膜剤における親水性物質の含有
率は約50%(w/w)以下、好ましくは約5〜約40%(w
/w)、さらに好ましくは約5〜約35%(w/w)である。
ここで上記%(w/w)は被膜剤液から溶媒(例、水、メ
タノール、エタノール等の低級アルコール等)を除いた
被膜剤組成物に対する重量%を示す。
【0042】徐放性製剤は、以下に例示するように薬物
を含む核を調製し、次いで得られた核を、水不溶性物質
や膨潤性ポリマーなどを加熱溶解あるいは溶媒に溶解又
は分散させた被膜剤液で被覆することにより製造され
る。 I.薬剤を含む核の調製。 被膜剤で被覆される薬物を含む核(以下、単に核と称す
ることがある)の形態は特に制限されないが、好ましく
は顆粒あるいは細粒などの粒子状に形成される。核が顆
粒又は細粒の場合、その平均粒子径は、好ましくは約1
50ないし2,000μm、さらに好ましくは約500
ないし約1,400μmである。核の調製は通常の製造
方法で実施することができる。例えば、薬物に適当な賦
形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定化剤等を混合し、
湿式押し出し造粒法、流動層造粒法などにより調製す
る。核の薬物含量は、約0.5ないし約95%(w/w)、
好ましくは約5.0ないし約80%(w/w)、さらに好ま
しくは約30ないし約70%(w/w)である。
【0043】核に含まれる賦形剤としては、例えば白
糖、乳糖、マンニトール、グルコースなどの糖類、澱
粉、結晶セルロース、リン酸カルシウム、コーンスター
チなどが用いられる。中でも、結晶セルロース、コーン
スターチが好ましい。結合剤としては、例えばポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエ
チレングリコール、ポリビニルピロリドン、プルロニッ
クF68、アラビアゴム、ゼラチン、澱粉などが用いら
れる。崩壊剤としては、例えばカルボキシメチルセルロ
ースカルシウム(ECG505)、クロスカルメロースナトリウ
ム(Ac-Di-Sol)、架橋型ポリビニルピロリドン(クロス
ポビドン)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
(L-HPC)などが用いられる。中でも、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ポリビニルピロリドン、低置換度ヒド
ロキシプロピルセルロースが好ましい。滑沢剤、凝集防
止剤としては例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム
およびその無機塩、また潤滑剤としてポリエチレングリ
コールなどが用いられる。安定化剤としては酒石酸、ク
エン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸などの酸が用
いられる。
【0044】核は上記製造法以外にも、例えば核の中心
となる不活性担体粒子上に水、低級アルコール(例、メ
タノール、エタノールなど)等の適当な溶媒に溶解した
結合剤をスプレーしながら、薬物あるいはこれと賦形
剤、滑沢剤などとの混合物を少量づつ添加して行なう転
動造粒法、パンコーティング法、流動層コーティング法
や溶融造粒法によっても調製することができる。不活性
担体粒子としては、例えば白糖、乳糖、澱粉、結晶セル
ロース、ワックス類で製造されたものが使用でき、その
平均粒子径は約100μmないし約1,500μmであ
るものが好ましい。核に含まれる薬物と被膜剤とを分離
するために、防護剤で核の表面を被覆してもよい。防護
剤としては、例えば前記親水性物質や、水不溶性物質等
が用いられる。防護剤は、好ましくはポリエチレングリ
コールやヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル
基を有する多糖類、より好ましくはヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが用
いられる。該防護剤には安定化剤として酒石酸、クエン
酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸等の酸や、タルク
などの滑沢剤を含んでいてもよい。防護剤を用いる場
合、その被覆量は核に対して約1ないし約15%(w/
w)、好ましくは約1ないし約10%(w/w)、さらに好
ましくは約2ないし約8%(w/w)である。防護剤は通
常のコーティング法により被覆することができ、具体的
には、防護剤を例えば流動層コーティング法、パンコー
ティング法等により核にスプレーコーティングすること
で被覆することができる。
【0045】II.核の被膜剤による被覆 前記Iで得られた核を、前記水不溶性物質及び pH依存
性の膨潤性ポリマー、および親水性物質を加熱溶解ある
いは溶媒に溶解又は分散させた被膜剤液により被覆する
ことにより徐放性製剤が製造される。核の被膜剤液によ
る被覆方法として、例えば噴霧コーティングする方法な
どが挙げられる。被膜剤液中の水不溶性物質、膨潤性ポ
リマー又は親水性物質の組成比は、被膜中の各成分の含
有率がそれぞれ前記含有率となるように適宜選ばれる。
被膜剤の被覆量は、核(防護剤の被覆量を含まない)に
対して約1ないし約90%(w/w)、好ましくは約5な
いし約50%(w/w)、さらに好ましくは約5ないし3
5%(w/w)である。
【0046】被膜剤液の溶媒としては水又は有機溶媒を
単独であるいは両者の混液を用いることができる。混液
を用いる際の水と有機溶媒との混合比(水/有機溶媒:
重量比)は、1ないし100%の範囲で変化させること
ができ、好ましくは1ないし約30%である。該有機溶
媒としては、水不溶性物質を溶解するものであれば特に
限定されないが、例えばメチルアルコール、エチルアル
コール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール
等の低級アルコール、アセトンなどの低級アルカノン、
アセトニトリル、クロロホルム、メチレンクロライドな
どが用いられる。このうち低級アルコールが好ましく、
エチルアルコール、イソプロピルアルコールが特に好ま
しい。水及び水と有機溶媒との混液が被膜剤の溶媒とし
て好ましく用いられる。この時、必要であれば被膜剤液
中に被膜剤液安定化のために酒石酸、クエン酸、コハク
酸、フマル酸、マレイン酸などの酸を加えてもよい。噴
霧コーティングにより被覆する場合の操作は通常のコー
ティング法により実施することができ、具体的には、被
膜剤液を例えば流動層コーティング法、パンコーティン
グ法等により核にスプレーコーティングすることで実施
することができる。この時必要であれば、タルク、酸化
チタン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カル
シウム、軽質無水ケイ酸などを滑沢剤として、グリセリ
ン脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油、クエン酸トリエチ
ル、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどを可
塑剤として添加してもよい。被膜剤による被膜後、必要
に応じてタルクなどの帯電防止剤を混合してもよい。
【0047】式〔I〕の化合物又はその塩若しくはその
プロドラッグを含有する本発明の製剤は、低毒性で安全
に使用することができ、その1日の投与量は、患者の状
態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なる
が、例えば、成人(60kg)の前立腺癌の骨転移抑制
剤として投与する場合、経口投与では1日量30ないし
1000mg、好ましくは100ないし1000mg、
静注では1日量1ないし500mg、3ないし300m
g、好ましくは30ないし200mgを1日1回又は2
ないし4回に分けて投与するのが好ましい。特に、静注
で1日量3ないし300mg、好ましくは30ないし2
00mgを1日1回又は2ないし4回に分けて投与する
のが好ましい。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に実施例をあげて本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【実施例】試験例1 癌の骨転移に対するエンドセリンA及びB受容体拮抗作
用を有する化合物1の抑制効果 化合物1:シクロ〔D−α−アスパルチル−3−〔(4
−フェニルピペラジン−1−イル)カルボニル〕−L−
アラニル−L−α−アスパルチル−D−2−(2−チエ
ニル)グリシル−L−ロイシル−D−トリプトフィル〕
ジナトリウム塩(cyclo〔D−α−aspartyl−3−
〔(4−phenylpiperazin−1−yl)carbonyl〕−L−a
lanyl−L−α−aspartyl−D−2−(2−thienyl)gl
ycyl−L−leucyl−D−tryptophyl〕disodium salt) 方法:ET-1 を発現しているヒト前立腺癌細胞株(LNCaP
C4-2)、乳癌細胞株(MCF-7、ZR-75-1)などを用いて
も可能であるが、再現性などを考慮して、Nelson
らの方法(Urology、第53巻、1063−10
69、1999年)に準じて本化合物の効果を検討する
ことができる。具体的には、ヒト羊膜由来 WISH 細
胞にET−1の発現ベクターを導入した細胞の懸濁液を
作成し、麻酔した4−6週齢の雄性ヌードマウスの下肢
に移植する(2×106細胞/0.1mL)。移植後、
化合物またはvehicleをヌードマウスの皮下に投
与し、21日間飼育を続ける。ヌードマウスを麻酔下に
屠殺後、下肢を取り出し、緩衝ホルマリン液で固定した
後、エタノール(70−100%)を用いて脱水(12
日間)後に、キシレンで脱脂を行い、メチルメタクリレ
ートに包埋する。これの膝側の脛骨・腓骨結合部から足
首側の脛骨・腓骨結合部にかけて厚さ300μmの連続
切片を作成し、各切片の高解像度ソフトX線写真を作成
し、顕微鏡下で脛骨または腓骨周囲の新生骨をカウント
し、vehicle群に対する抑制率を算出する。
【0049】製剤例 本発明の式〔I〕の化合物又はその塩若しくはそのプロ
ドラッグを有効成分として含有する悪性腫瘍の予防治療
剤、悪性腫瘍の骨転移抑制剤および悪性腫瘍に起因する
疼痛の緩和剤は、例えば、次の様な処方によって製造す
ることが可能である。なお、以下の化合物1は上記試験
例で用いた化合物1を示す。 1.カプセル剤 (1)化合物1 10mg (2)ラクトース 90mg (3)微結晶セルロース 70mg (4)ステアリン酸マグネシウム 10mg 1カプセル 180mg (1)、(2)と(3)及び(4)の1/2を混和した
後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼ
ラチンカプセルに封入する。 2.錠剤 (1)化合物1 10mg (2)ラクトース 35mg (3)コーンスターチ 150mg (4)微結晶セルロース 30mg (5)ステアリン酸マグネシウム 5mg 1錠 230mg (1)、(2)、(3)、(4)の2/3及び(5)の
1/2を混和後、顆粒化する。残りの(4)及び(5)
をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0050】 3.注射剤 (1)化合物1 10mg (2)イノシット 100mg (3)ベンジルアルコール 20mg 1アンプル 130mg (1)、(2)、(3)を全量2mlになるように、注
射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無
菌状態で行う。 4.注射剤 組成:1バイアル中に化合物1を5mg、10mg、2
5mg、50mg又は100mg含有する凍結乾燥製剤
(生理食塩水に溶解して投与)。 製法:(5mg) 化合物1 122.5gを注射用水 49Lに溶解し、
得られた溶液を除菌フィルター(ミリディスク)でろ過
することで、無菌化する。無菌室内で菌汚染に注意しな
がら、得られた溶液を2mlずつバイアルに充填し、ゴ
ム栓を半打栓後、凍結乾燥機庫内に搬入、通常の方法で
凍結乾燥した。40時間後に、乾燥空気の導入による凍
結乾燥機庫内の復圧及び全打栓を行った。プラスチック
製のフィリップオフキャップで巻締め製剤とした。 (10mg) と同様に化合物1 245g及び注射用水 49Lを
用い、注射用の製剤とした。 (25mg) と同様に化合物1 612.5g及び注射用水 49
Lを用い、注射用の製剤とした。 (50mg) と同様に化合物1 190g及び注射用水 7.6L
を用い、注射用の製剤とした。 (100mg) と同様に化合物1 361g及び注射用水 7.22
Lを用い、注射用の製剤とした。
【0051】
【発明の効果】本発明によると、式〔I〕の化合物又は
その塩若しくはそのプロドラッグが悪性腫瘍の予防治療
効果があり、悪性腫瘍の骨転移抑制、悪性腫瘍に起因す
る疼痛の緩和等にも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 123 A61K 37/02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンドセリン拮抗作用を有する環状ペプチ
    ド性化合物又はその塩若しくはそのプロドラッグを含有
    してなる悪性腫瘍の予防治療剤。
  2. 【請求項2】エンドセリン拮抗作用を有する環状ペプチ
    ド性化合物又はその塩若しくはそのプロドラッグを含有
    してなる悪性腫瘍の骨転移抑制剤。
  3. 【請求項3】エンドセリン拮抗作用を有する環状ペプチ
    ド性化合物又はその塩若しくはそのプロドラッグを含有
    してなる悪性腫瘍に起因する疼痛の緩和剤。
  4. 【請求項4】悪性腫瘍が骨転移を伴う悪性腫瘍である請
    求項1ないし3記載の剤。
  5. 【請求項5】悪性腫瘍が前立腺癌である請求項1ないし
    3記載の剤。
  6. 【請求項6】悪性腫瘍が乳癌である請求項1ないし3記
    載の剤。
  7. 【請求項7】エンドセリン拮抗作用を有する環状ペプチ
    ド性化合物が式〔I〕 【化1】 〔式中、X及びYはそれぞれD-、L-又はDL-体のα-
    アミノ酸残基、AはD-酸性-α-アミノ酸残基、BはD-
    又はL-中性-α-アミノ酸残基、CはL-α-アミノ酸残
    基、Eは芳香環基を有するD-α-アミノ酸残基を示す〕
    で表される環状ヘキサペプチドである請求項1ないし3
    記載の剤。
  8. 【請求項8】Xが式: 【化2】 〔式中、Gは式: 【化3】 (式中、X及びXはそれぞれ水素原子、C1−6
    ルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子又はニ
    トロ基を示すか、XとXとが結合して環を形成す
    る)で表される基を示す〕で表される基;Yがアスパラ
    ギン酸、グルタミン酸、アラニン、プロリン、ロイシン
    又はトリプトファン残基;AがD-グルタミン酸、D-ア
    スパラギン酸、D-システイン酸、D-ホモシステイン
    酸、D-β−(5-テトラゾリル)アラニン又はD-2-ア
    ミノ-4-(5-テトラゾリル)酪酸残基;BがC1−6
    アルキル基でそれぞれ置換されていてもよいフェニルグ
    リシン、フェニルアラニン、1-ナフチルアラニン、2-
    ナフチルアラニン、2-チエニルアラニン、2-チエニル
    グリシン、3-チエニルグリシン、プロリン、4-ヒドロ
    キシプロリン、アゼチジン-2-カルボン酸、ピペリジン
    -2-カルボン酸、1-アミノシクロプロパン-1-カルボ
    ン酸、1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸、1-アミ
    ノシクロペンタン-1-カルボン酸、1-アミノシクロヘ
    キサン-1-カルボン酸及び1-アミノシクロヘプタン-1
    -カルボン酸からなる群から選ばれるD-又はL-中性-α
    -アミノ酸残基;Cがα-アミノ基がC1−6アルキル基
    でそれぞれ置換されていてもよいL-ロイシン、L-ノル
    ロイシン又はL-トリプトファン残基;及びEがD-トリ
    プトファン、D-5-メチルトリプトファン、D-フェニ
    ルアラニン、D-チロシン、D-1-ナフチルアラニン、
    D-2-ナフチルアラニン、D-3-ベンゾチエニルアラニ
    ン、D-4-ビフェニルアラニン又はD-ペンタメチルフ
    ェニルアラニン残基である請求項7記載の剤。
  9. 【請求項9】Xがトリプトファン、L-(β-4-フェニ
    ルピペラジンアミド)アスパラギン酸、L-〔β-4-
    (2-メトキシフェニル)ピペラジンアミド〕アスパラ
    ギン酸、L-N(δ)-フェニルアセチルオルニチン、L-
    (N-〔インドール-3-イル〕アセチル)オルニチ
    ン、L-(4-ベンジルオキシ)プロリン、L-(N -ベ
    ンジル)グルタミン又はL-(N(δ)-〔インドール-3-
    イル〕エチル)アスパラギン残基;YがL-アスパラギ
    ン酸又はL-ロイシン残基;AがD-アスパラギン酸残
    基;BがD-2-チエニルグリシン残基;CがL-ロイシ
    ン、L-フェニルアラニン又はL-トリプトファン残基;
    及びEがD-トリプトファン残基である請求項7記載の
    剤。
  10. 【請求項10】エンドセリン拮抗作用を有する環状ペプ
    チド性化合物が式Cyclo〔-D-Asp-Asp(R1)-Asp-D-Thg(2)
    -Leu-D-Trp-〕〔式中、Asp(R1)はアスパラギン酸β−4
    −フェニルピペラジンアミド残基を、Thg(2)は2−チエ
    ニルグリシン残基を示す。〕で表される環状ペプチド又
    はそのジナトリウム塩である請求項1ないし3記載の
    剤。
  11. 【請求項11】エンドセリン拮抗作用を有する環状ペプ
    チド性化合物又はその塩若しくはそのプロドラッグの有
    効量を哺乳動物に投与することを特徴とする悪性腫瘍の
    予防治療方法、骨転移抑制方法、又は悪性腫瘍に起因す
    る疼痛の緩和方法。
  12. 【請求項12】悪性腫瘍の予防治療剤、骨転移抑制剤、
    又は悪性腫瘍に起因する疼痛の緩和剤を製造するための
    エンドセリン拮抗作用を有する環状ペプチド性化合物又
    はその塩若しくはそのプロドラッグの使用。
  13. 【請求項13】エンドセリン拮抗作用を有する化合物又
    はその塩若しくはそのプロドラッグを徐放することを特
    徴とする悪性腫瘍の予防治療剤、骨転移抑制剤、又は悪
    性腫瘍に起因する疼痛の緩和剤。
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