JPH1072363A - 脳梗塞疾患の予防治療剤 - Google Patents

脳梗塞疾患の予防治療剤

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JPH1072363A
JPH1072363A JP9170083A JP17008397A JPH1072363A JP H1072363 A JPH1072363 A JP H1072363A JP 9170083 A JP9170083 A JP 9170083A JP 17008397 A JP17008397 A JP 17008397A JP H1072363 A JPH1072363 A JP H1072363A
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JP
Japan
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asp
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Withdrawn
Application number
JP9170083A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Imamoto
哲治 今本
Yasutaka Nagisa
渚  康貴
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脳梗塞疾患の予防治療剤の提供。 【解決手段】抗エンドセリン作用を有する化合物(例え
ば環状ヘキサペプチド)を含有する脳梗塞疾患予防治療
剤。 【効果】脳梗塞疾患に対する優れた予防治療効果。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗エンドセリン作
用を有する特定構造の化合物を含有する脳梗塞疾患の予
防治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】エンドセリン(ET)はブタ大動脈内皮
細胞の培養上清から単離され、同定された21個のアミ
ノ酸からなる血管収縮性ペプチドである(柳沢ら、ネイ
チャー(Nature)、332巻、411−415頁、19
88年)。その後の研究から、エンドセリンには少なく
とも3つのアイソフォーム(ET−1,ET−2,ET
−3)が存在し、エンドセリンの受容体として2つの受
容体ETA(血管収縮性のみに関与)及びETB(主に
血管弛緩性に関与)が存在することが報告されている。
エンドセリンの発見以来、エンドセリンが原因で引き起
こされる疾病の治療剤の開発を目的として、抗エンドセ
リン作用を有する化合物の探索が精力的に行なわれてき
た。その結果、エンドセリン受容体拮抗作用を有する化
合物として特願平4−344252(EP−A−55
2,489)、特願平4−216019(EP−A−5
28,312)、特願平4−27785(EP−A−4
99,266)、特願平3−503831(WO 91/
13089)、EP−A−436,189、EP−A−
457,195,EP−A−510,526、WO 92
/12991、EP−A−496,452、EP−A−
526,708、EP−A−460,679、WO 92
/20706等が報告されている。これらに記載されて
いる化合物は、高血圧治療剤、心・脳循環疾患治療剤
(例えば心筋梗塞等)、腎疾患治療剤、喘息治療剤、抗
炎症剤、抗関節炎剤等として有効であることが示唆され
ているが、具体的に脳梗塞に対する予防治療剤として有
用であることは記載されていない。また、EP−A−6
55,463には、強いETB受容体拮抗作用を有する
化合物が脳梗塞治療剤として開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抗エンドセ
リン作用を有する特定構造の化合物を含有する臨床上有
用な脳梗塞疾患の予防治療剤を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ような事情に鑑み、脳梗塞疾患の予防治療剤について鋭
意研究した結果、抗エンドセリン作用、特にETAおよ
びETB受容体の両方に対して優れた拮抗作用を有する
特定構造の化合物が意外にも脳梗塞疾患の予防治療剤と
して臨床上十分に有効であることを具体的データに基づ
いて初めて見い出し、本発明を完成した。即ち、本発明
は、(1)抗エンドセリン作用を有する化合物を含有す
ることを特徴とする脳梗塞疾患の予防治療剤、(2)抗
エンドセリン作用がエンドセリン受容体拮抗作用である
前記(1)記載の予防治療剤、(3)抗エンドセリン作
用を有する化合物がペプチド性化合物である前記(1)
記載の予防治療剤、(4)抗エンドセリン作用を有する
化合物が式〔I〕
【化4】 〔式中、X及びYはそれぞれD−、L−若しくはDL−
体のα-アミノ酸残基を、AはD−酸性−α−アミノ酸
残基を、BはD−若しくはL−体の中性−α-アミノ酸
残基を、CはL−α-アミノ酸残基を、Eは芳香環基を
有するD−α−アミノ酸残基を示す。〕で表される環状
ヘキサペプチド又はそのエステル若しくはその塩である
前記(1)記載の予防治療剤及び(5)環状ヘキサペプ
チドが式 Cyclo〔-D-Asp-Asp(R1)-Asp-D-Thg(2)-Leu-D-Trp-〕 〔式中、Asp(R1)はアスパラギン酸β−4−フェニルピ
ペラジンアミド残基を、Thg(2)は2−チエニルグリシン
残基を示す。〕で表される化合物又はその塩である前記
(4)の予防治療剤等に関する。
【0005】本発明で用いられる抗エンドセリン作用を
有する化合物はペプチド性化合物であり、抗エンドセリ
ン作用を有する医薬品として使用可能なもので、本発明
の目的を達成することができる化合物が用いられる。本
発明で用いられる好ましい抗エンドセリン作用を有する
化合物はペプチド性化合物であり、その一つである式
〔I〕で表される化合物の塩としては、薬学的に許容さ
れる塩が挙げられ、例えば、無機塩基との塩、有機塩基
との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性
アミノ酸との塩等が挙げられる。無機塩基との塩の好適
な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のア
ルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアル
カリ土類金属塩;並びにアルミニウム塩、アンモニウム
塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例として
は、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリ
ジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、
N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げ
られる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩
酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げら
れる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、
酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石
酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスル
ホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の
好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニ
チン等との塩が挙げられる。酸性アミノ酸との塩の好適
な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸等
との塩が挙げられる。
【0006】式〔I〕において、X及びYで表されるα-
アミノ酸残基の母体となるアミノ酸はα-アミノ酸なら
ばどのようなアミノ酸でもよく、例えばアラニン、アル
ギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、
グルタミン、グルタミン酸、2-アミノマロン酸、2-ア
ミノアジピン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシ
ン、ロイシン、リジン、オルニチン、2,4-ジアミノ酪
酸、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、4-ヒ
ドロキシプロリン、チオプロリン、アゼチジン-2-カル
ボン酸、ピペコリン酸(ピペリジン-2-カルボン酸)、イ
ンドリン-2-カルボン酸、テトラヒドロイソキノリン-
3-カルボン酸、セリン、スレオニン、トリプトファ
ン、5-メチルトリプトファン、チロシン、バリン、ア
ロイソロイシン、ノルバリン、ノルロイシン、tert
-ロイシン、γ-メチルロイシン、フェニルグリシン、2
-アミノ酪酸、システイン酸、ホモシステイン酸、1-ナ
フチルアラニン、2-ナフチルアラニン、2-チエニルグ
リシン、3-チエニルグリシン、3-ベンゾチエニルアラ
ニン、4-ビフェニルアラニン、ペンタメチルフェニル
アラニン、1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸、
1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸、1-アミノシク
ロペンタン-1-カルボン酸、1-アミノシクロヘキサン-
1-カルボン酸、1-アミノシクロヘプタン-1-カルボン
酸等が挙げられる。
【0007】これらのα-アミノ酸に官能基、例えば水
酸基、チオール基、アミノ基、イミノ基、カルボキシル
基等がある場合、これらの官能基は適当な置換基で置換
されていてもよい。ここにおいて置換された水酸基とし
ては、例えばC1-6アルカノイルオキシ(例えばホルミ
ルオキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ等)、C
4-9脂環状カルボニルオキシ(例えばシクロペンタンカ
ルボニルオキシ、シクロヘキサンカルボニルオキシ
等)、C7-15アリールカルボニルオキシ(例えばベンゾ
イルオキシ、4-メチルベンゾイルオキシ等)、C8-16
アラルキルカルボニルオキシ(例えばフェニルアセトキ
シ、2-フェニルプロピオニルオキシ、3-フェニルプロ
ピオニルオキシ、ジフェニルアセトキシ等)、芳香族複
素環-アルキルカルボニルオキシ(例えばインドール-2
-イルアセトキシ、インドール-3-イルアセトキシ
等)、C1-6アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、
n−プロポキシ、tert−ブトキシ等)、C3-8シク
ロアルコキシ(例えばシクロペンチルオキシ、シクロヘ
キシルオキシ等)、C6-12アリールオキシ(例えばフェ
ニルオキシ、4-メチルフェニルオキシ等)、C7-15
ラルキルオキシ(例えばベンジルオキシ、フェネチルオ
キシ、ジフェニルメトキシ等)等が挙げられる。置換さ
れた水酸基を有するα-アミノ酸としては、例えばO-ア
セチルセリン、O-アセチルスレオニン、4-アセトキシ
プロリン、O-ベンゾイルセリン、O-ベンゾイルスレオ
ニン、4-ベンゾイルオキシプロリン、O-フェニルアセ
チルセリン、O-フェニルアセチルスレオニン、4-フェ
ニルアセトキシプロリン、O-エチルセリン、O-エチル
スレオニン、4-エトキシプロリン、O-シクロヘキシル
セリン、O-シクロヘキシルスレオニン、4-シクロヘキ
シルオキシプロリン、O-フェニルセリン、O-フェニル
スレオニン、4-フェノキシプロリン、O-ベンジルセリ
ン、O-ベンジルスレオニン、4-ベンジルオキシプロリ
ン、O-ジフェニルメチルセリン、O-ジフェニルメチル
スレオニン、4-ジフェニルメトキシプロリン等が挙げ
られる。
【0008】置換されたチオール基としては、例えばC
1-6アルカノイルチオ(例えばホルミルチオ、アセチル
チオ、プロピオニルチオ等)、C4-9脂環状カルボニル
チオ(例えばシクロペンタンカルボニルチオ、シクロヘ
キサンカルボニルチオ等)、C7-15アリールカルボニル
チオ(例えばベンゾイルチオ、4-メチルベンゾイルチ
オ等)、C8-16アラルキルカルボニルチオ(例えばフェ
ニルアセチルチオ、2-フェニルプロピオニルチオ、3-
フェニルプロピオニルチオ、ジフェニルアセチルチオ
等)、C1-6アルキルチオ(例えばメチルチオ、エチル
チオ、n-プロピルチオ、tert−ブチルチオ等)、
3-8シクロアルキルチオ(例えばシクロペンチルチ
オ、シクロヘキシルチオ等)、C6-12アリールチオ(例
えばフェニルチオ、4-メチルフェニルチオ等)、C
7-15アラルキルチオ(例えばベンジルチオ、フェネチル
チオ、ジフェニルメチルチオ等)等が挙げられる。置換
されたチオール基を有するα-アミノ酸としては、例え
ばS-アセチルシステイン、S-ベンゾイルシステイン、
S-フェニルアセチルシステイン、S-エチルシステイ
ン、S-シクロヘキシルシステイン、S-フェニルシステ
イン、S-ベンジルシステイン等が挙げられる。
【0009】置換されたアミノ基としては、例えばC
1-6アルキルアミノ(例えばN-メチルアミノ、N-エチ
ルアミノ、N−tert−ブチルアミノ等)、C3-8
クロアルキルアミノ(例えばN-シクロペンチルアミ
ノ、N-シクロヘキシルアミノ等)、C6-12アリールア
ミノ(例えばN-フェニルアミノ、N-{4-メチルフェ
ニル}アミノ等)、C7-15アラルキルアミノ(例えばN
-ベンジルアミノ、N-フェネチルアミノ、N-{2-クロ
ロベンジル}アミノ、N-{3-クロロベンジル}アミ
ノ、N-{4-クロロベンジル}アミノ、N-{2-メチル
ベンジル}アミノ、N-{3-メチルベンジル}アミノ、
N-{4-メチルベンジル}アミノ、N-{2-メトキシベ
ンジル}アミノ、N-{3-メトキシベンジル}アミノ、
N-{4-メトキシベンジル}アミノ等)、芳香族複素環
-C1-6アルキルアミノ(例えば2-フリルメチルアミ
ノ、3-フリルメチルアミノ、2-チエニルメチルアミ
ノ、3-チエニルメチルアミノ、インドール-2-イルメ
チルアミノ、インドール-3-イルメチルアミノ);及び
置換されたアミド基として、C1-6脂肪族アシルアミド
(例えばホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミ
ド等)、C4-9脂環状アシルアミド(例えばシクロペン
タンカルボニルアミド、シクロヘキサンカルボニルアミ
ド等)、C7-15アリールアシルアミド(例えばベンズア
ミド、4-メチルベンズアミド等)、C8-16アラルキル
アシルアミド(例えばフェニルアセトアミド、2-フェ
ニルプロピオンアミド、3-フェニルプロピオンアミ
ド、ジフェニルアセトアミド、1-ナフチルアセトアミ
ド、2-ナフチルアセトアミド等)、芳香族複素環-カル
ボキサミド(例えばインドール-2-イルカルボキサミ
ド、インドール-3-イルカルボキサミド等)、芳香族複
素環-アルキルカルボキサミド(例えばインドール-2-
イルアセトアミド、インドール-3-イルアセトアミド
等)、スルホニルアミド(例えばベンゼンスルホニルア
ミド、パラトルエンスルホニルアミド、4-メトキシ-
2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニルアミド等)等
が挙げられる。
【0010】置換されたイミノ基における置換基は、そ
れぞれ上記した置換されたアミノ基又はアミド基の置換
基と同様の、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C
6-12アリール、C7-15アラルキル、芳香族複素環-C1-6
アルキル等が挙げられる。
【0011】アミノ基が置換されたα-アミノ酸として
は、例えばN-メチルグリシン(サルコシン)、N-エチル
グリシン、N-メチルロイシン、N-エチルロイシン、N
-メチルフェニルアラニン、N-エチルフェニルアラニ
ン、N(α)-メチルトリプトファン、N(α)-エチルトリ
プトファン、N-シクロペンチルグリシン、N-シクロヘ
キシルグリシン、N-フェニルグリシン、N-フェニルロ
イシン、N-ベンジルグリシン、N-ベンジルロイシン、
N(π)-ベンジルヒスチジン、N(τ)-ベンジルヒスチジ
ン、N(π)-フェナシルヒスチジン、N(π)-ベンジルオ
キシメチルヒスチジン、Ng-ベンゼンスルホニルアルギ
ニン、Ng-パラトルエンスルホニルアルギニン、Ng-
(4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニ
ル)アルギニン、N(ε)-ベンゼンスルホニルリジン、N
(ε)-パラトルエンスルホニルリジン、N(ε)-(4-メト
キシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル)リジ
ン、Nin-メチルトリプトファン、Nin-エチルトリプト
ファン、Nin-ホルミルトリプトファン、Nin-アセチル
トリプトファン、N(ε)-ベンジルリジン、N(ε)-(2-
フリルメチル)リジン、N(ε)-(2-チエニルメチル)リ
ジン、N(ε)-(インドール-3-イルメチル)リジン、N
(ε)-フェニルアセチルリジン、N(ε)-({2-フリル}
アセチル)リジン、N(ε)-({2-チエニル}アセチル)
リジン、N(ε)-({インドール-3-イル}アセチル)リ
ジン、N(ε)-ベンゾイルリジン、N(ε)-(3-フェニル
プロピオニル)リジン、N(δ)-ベンジルオルニチン、N
(δ)-(2-フリルメチル)オルニチン、N(δ)-(2-チエ
ニルメチル)オルニチン、N(δ)-(インドール-3-イル
メチル)オルニチン、N(δ)-ベンゾイルオルニチン、N
(δ)-フェニルアセチルオルニチン、N(δ)-(3-フェニ
ルプロピオニル)オルニチン、N(δ)-({2-メチルフェ
ニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({3-メチルフェ
ニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({4-メチルフェ
ニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({2-クロロフェ
ニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({3-クロロフェ
ニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({4-クロロフェ
ニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({2-メトキシフ
ェニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({3-メトキシ
フェニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-({4-メトキ
シフェニル}アセチル)オルニチン、N(δ)-(4-ビフェ
ニルアセチル)オルニチン、N(γ)-ベンジル-2,4-ジ
アミノ酪酸、N(γ)-(2-フリルメチル)-2,4-ジアミ
ノ酪酸、N(γ)-(2-チエニルメチル)-2,4-ジアミノ
酪酸、N(γ)-(インドール-3-イルメチル)-2,4-ジア
ミノ酪酸、N(γ)-ベンゾイル-2,4-ジアミノ酪酸、N
(γ)-フェニルアセチル-2,4-ジアミノ酪酸、N(γ)-
(3-フェニルプロピオニル)-2,4-ジアミノ酪酸、N
(γ)-(2-フリルアセチル)-2,4-ジアミノ酪酸、N
(γ)-(2-チエニルアセチル)-2,4-ジアミノ酪酸、N
(γ)-({インドール-3-イル}アセチル)-2,4-ジアミ
ノ酪酸等が挙げられる。
【0012】置換されたカルボキシル基としては、例え
ばカルバモイル基(-CONH2)、C1-6アルキルカルバモイ
ル(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、
n-プロピルカルバモイル、tert−ブチルカルバモ
イル等)、C3-8シクロアルキルカルバモイル(例えば
シクロペンチルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモ
イル等)、C6-12アリールカルバモイル(例えばフェニ
ルカルバモイル、{4-メチルフェニル}カルバモイル
等)、C7-15アラルキルカルバモイル(例えばベンジル
カルバモイル、フェネチルカルバモイル、{1,2-ジフ
ェニルエチル}カルバモイル等)、{芳香族複素環-C
1-6アルキル}カルバモイル(例えば[2-{イント゛ール-2-イ
ル}エチル]カルバモイル、[2-{インドール-3-イ
ル}エチル]カルバモイル等)、ピペリジノカルボニ
ル、ピペラジンカルボニル、N4-C1-6アルキルピペラ
ジンカルボニル(例えばN4-メチルピペラジンカルボニ
ル、N4-エチルピペラジンカルボニル等)、N4-C3-8
シクロアルキルピペラジンカルボニル(例えばN4-シク
ロペンチルピペラジンカルボニル、N4-シクロヘキシル
ピペラジンカルボニル等)、N4-5ないし7員異項環ピ
ペラジンカルボニル(例えばN4-ピリジルピペラジンカ
ルボニル、N4-フリルピペラジンカルボニル、N4-チエ
ニルピペラジンカルボニル等)、N4-C6-12アリールピ
ペラジンカルボニル(例えばN4-フェニルピペラジンカ
ルボニル、N4-{4-メチルフェニル}ピペラジンカル
ボニル等)、N4-C7-15アラルキルピペラジンカルボニ
ル(例えばN4-ベンジルピペラジンカルボニル、N4-フ
ェネチルピペラジンカルボニル、N4-{1,2-ジフェニ
ルエチル}ピペラジンカルボニル等)、N4-{芳香族複
素環-C1-6アルキル}ピペラジンカルボニル(例えばN
4-[2-{インドール-2-イル}エチル]ピペラジンカル
ボニル、N4-[2-{インドール-3-イル}エチル]ピペ
ラジンカルボニル等)、N4-C1-6脂肪族アシルピペラ
ジンカルボニル(例えばN4-アセチルピペラジンカルボ
ニル、N4-プロピオニルピペラジンカルボニル等)、N
4-C4-9脂環状アシルピペラジンカルボニル(例えばN4
-シクロペンタンカルボニルピペラジンカルボニル、N4
-シクロヘキサンカルボニルピペラジンカルボニル
等)、N4-C7-15アリールアシルピペラジンカルボニル
(例えばN4-ベンゾイルピペラジンカルボニル、N4-
{4-メチルベンゾイル}ピペラジンカルボニル等)、
4-C8-16アラルキルアシルピペラジンカルボニル(例
えばN4-フェニルアセチルピペラジンカルボニル、N4-
{2-フェニルプロピオン}ピペラジンカルボニル、N4
-{3-フェニルプロピオニル}ピペラジンカルボニル、
4-ジフェニルアセチルピペラジンカルボニル、N4-
{1-ナフチルアセチル}ピペラジンカルボニル、N4-
{2-ナフチルアセチル}ピペラジンカルボニル等)、
4-{芳香族複素環-カルボニル}ピペラジンカルボニ
ル(例えばN4-{インドール-2-イルカルボニル}ピペ
ラジンカルボニル、N4-{インドール-3-イルカルボニ
ル}ピペラジンアミド等)、N4-{芳香族複素環-アル
キルカルボニル}ピペラジンカルボニル(例えばN4-
{インドール-2-イルアセチル}ピペラジンカルボニ
ル、N4-{インドール-3-イルアセチル}ピペラジンカ
ルボニル等)、C1-6アルコキシカルボニル(例えばメ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキ
シカルボニル等)、C3-8シクロアルキルオキシカルボ
ニル(例えばシクロペンチルオキシカルボニル、シクロ
ヘキシルオキシカルボニル等)、C7-15アラルキルオキ
シカルボニル(例えばベンジルオキシカルボニル、フェ
ネチルオキシカルボニル、1-フェニルエトキシカルボ
ニル、ジフェニルメトキシカルボニル等)等が挙げられ
る。上記したカルバモイル基の中にはα-アミノ酸との
アミドやオリゴペプチド(例えばジペプチド、トリペプ
チド、テトラペプチド等)とのアミドも含まれる。
【0013】カルボキシル基が置換されたα-アミノ酸
としては、例えばN4-メチルアスパラギン、N4-フェニ
ルアスパラギン、N4-ベンジルアスパラギン、N4-フェ
ネチルアスパラギン、N4-(2-{インドール-3-イル}
エチル)アスパラギン、N5-メチルグルタミン、N5-フ
ェニルグルタミン、N5-ベンジルグルタミン、N5-フェ
ネチルグルタミン、N5-(2-{インドール-3-イル}エ
チル)グルタミン、アスパラギン酸 β-メチルエステ
ル、アスパラギン酸 β-シクロプロピルエステル、アス
パラギン酸 β-ベンジルエステル、アスパラギン酸 β-
フェネチルエステル、アスパラギン酸 β-N4-フェニル
ピペラジンアミド、アスパラギン酸 β-N4-(2-メチル
フェニル)ピペラジンアミド、アスパラギン酸 β-N4-
(3-メチルフェニル)ピペラジンアミド、アスパラギン
酸 β-N4-(4-メチルフェニル)ピペラジンアミド、ア
スパラギン酸 β-N4-(2-メトキシフェニル)ピペラジ
ンアミド、アスパラギン酸 β-N4-(3-メトキシフェニ
ル)ピペラジンアミド、アスパラギン酸 β-N4-(4-メ
トキシフェニル)ピペラジンアミド、アスパラギン酸 β
-N4-(2-クロロフェニル)ピペラジンアミド、アスパラ
ギン酸 β-N4-(3-クロロフェニル)ピペラジンアミ
ド、アスパラギン酸 β-N4-(4-クロロフェニル)ピペ
ラジンアミド、アスパラギン酸 β-N4-(4-ニトロフェ
ニル)ピペラジンアミド、アスパラギン酸 β-N4-(4-
フルオロフェニル)ピペラジンアミド、アスパラギン酸
β-N4-(3-トリフルオロメチルフェニル)ピペラジンア
ミド、アスパラギン酸 β-N4-(2,3-ジメチルフェニ
ル)ピペラジンアミド、アスパラギン酸β-N4-(2-ピリ
ジル)ピペラジンアミド、アスパラギン酸 β-N4-(2-
ピリミジル)ピペラジンアミド、グルタミン酸 γ-メチ
ルエステル、グルタミン酸 γ-シクロプロピルエステ
ル、グルタミン酸 γ-ベンジルエステル、グルタミン酸
γ-フェネチルエステル等が挙げられる。
【0014】式〔I〕において、X又はYで表されるα-
アミノ酸残基の母体となるα-アミノ酸はD体、L体、
DL体のいずれでもよいが、X、YのいずれもL体がよ
り好ましい。Yとしては、アスパラギン酸、グルタミン
酸、アラニン、プロリン、ロイシン及びトリプトファン
からなる群から選ばれるアミノ酸残基が好ましく、とり
わけL-アスパラギン酸残基が好ましい。
【0015】Xとしては、好ましくは次の式
【化5】 で表される基を示し、ここにおいて、Gは部分構造式
【化6】 (式中、X1及びX2はそれぞれ水素原子、C1-6アルキ
ル基、C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子又はニトロ基
を示し、
【化7】 はX1及びX2とが結合して環を形成してもよいことを示
す。)で表される基を示す。X1又はX2で表されるC
1-6アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−
プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブ
チル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル
等が用いられ、特にメチル、エチル、n−プロピル、i
so−プロピル等のC1-3アルキル基等が好ましく、中
でもメチルが好ましい。X1又はX2で表されるC1-6
ルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−
プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−
ヘキシルオキシ等が用いられ、特にメトキシ、エトキ
シ、n−プロポキシ等のC1-3アルコキシ基等が好まし
く、中でもメトキシ、エトキシが好ましい。X1又はX2
で表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩
素、臭素、ヨウ素等が用いられ、特に塩素が好ましい。
【0016】X1とX2とが結合して環を形成する場合、
Gは、式
【化8】 で表される基が好ましい。環Qとしては、例えばO,
N,S等のヘテロ原子を1ないし3個程度含んでいても
よい4ないし7員環(飽和炭素環、芳香族炭素環、飽和
複素環、芳香族複素環等)等が用いられる。環Qの内、
環状炭化水素基としては、例えばシクロプロピル、シク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の炭素数
3ないし8のシクロアルキル基、例えばシクロプロペニ
ル、1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3
−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、2−シク
ロヘキセニル、3−シクロヘキセニル等の炭素数3ない
し8のシクロアルケニル基、例えばフェニル、1−又は
2−ナフチル、1−,2−又は9−アントリル、1−,
2−,3−,4−又は9−フェナントリル、1−,2
−,4−,5−又は6−アズレニル等の炭素数6ないし
14のアリール基等が用いられる。
【0017】環Qの内、複素環基としては、例えば2−
又は3−チエニル、2−又は3−フリル、2−又は3−
ピロリル、2−、4−又は5−オキサジニル、2−、4
−又は5−チアゾリル、3−、4−又は5−ピラゾリ
ル、2−、4−又は5−イミダゾリル、3−、4−又は
5−イソオキサゾリル、3−、4−又は5−イソチアゾ
リル、3−又は5−(1,2,4−オキサジアゾリル)、
1,3,4−オキサジアゾリル、3−又は5−(1,2,4
−チアジアゾリル)、1,2,5−チアジアゾリル、1,
2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1H
−又は2H−テトラゾリル等の炭素原子以外に酸素原
子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1
ないし4個含む5員環基、例えば2−、3−又は4−ピ
リジル、N−オキシド−2−、3−又は4−ピリジル、
2−、4−又は5−ピリミジニル、N−オキシド−2
−、4−又は5−ピリミジニル、チオモルホリニル、モ
ルホリニル、オキソイミダジニル、ジオキソトリアジニ
ル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピラニル、チオピラ
ニル、1,4−オキサジニル、1,4−チアジニル、1,
3−チアジニル、ピペラジニル、トリアジニル、オキソ
トリアジニル、3−又は4−ピリダジニル、ピラジニ
ル、N−オキシド−3−又は4−ピリダジニル等の炭素
原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれ
たヘテロ原子を1ないし4個含む6員環基、例えばベン
ゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、テ
トラゾロ〔1,5−b〕ピリダジニル、トリアゾロ〔4,
5−b〕ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリ
ル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナ
ゾリニル、キノキサリニル、インドリジニル、キノリジ
ニル、1,8−ナフチリジニル、プリニル、プテリジニ
ル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、
フェナントリジニル、クロマニル、ベンゾオキサジニ
ル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニ
ル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等
から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む2環性又は
3環性縮合環基等の炭素原子以外に例えば酸素原子、硫
黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を1ないし4個含む5
ないし8員環又はその縮合環等が用いられる。
【0018】上記したものの中でも、Gは式
【化9】 (X3は水素原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ
基、ハロゲン原子又はニトロ基を示す。)で表される基
が好ましい。その具体例を挙げれば、例えば
【化10】 等であり、とりわけ
【化11】 が好ましい。即ち、Xとしてはアスパラギン酸β−4−
フェニルピペラジンアミド残基が最も好ましい。また、
Gには、D体、L体、DL体のいずれも含まれるが、中
でもL体が好ましい。
【0019】式〔I〕において、Aで表されるD-酸性-
α-アミノ酸残基の母体となるアミノ酸としては、例え
ば側鎖にカルボキシル基、スルホニル基又はテトラゾリ
ル基のような酸性基を有するアミノ酸が挙げられる。そ
の具体例としては、D-グルタミン酸、D-アスパラギン
酸、D-システイン酸、D-ホモシステイン酸、D-β-
(5-テトラゾリル)アラニン、D-2-アミノ-4-(5-テ
トラゾリル)酪酸等が挙げられるが、特にD-グルタミン
酸、D-アスパラギン酸、D-システイン酸が好ましい。
Aとしては、D-アスパラギン酸残基が最も好ましい。
式〔I〕において、Bで表される中性-α-アミノ酸残基
の母体となるアミノ酸としては、例えばアラニン、バリ
ン、ノルバリン、 ロイシン、イソロイシン、アロイソロ
イシン、ノルロイシン、tert-ロイシン、γ-メチル
ロイシン、フェニルグリシン、フェニルアラニン、1-
ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、プロリン、
4-ヒドロキシプロリン、アゼチジン-2-カルボン酸、
ピペコリン酸(ピペリジン-2-カルボン酸)、2-チエニ
ルアラニン、2-チエニルグリシン、3-チエニルグリシ
ン、1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸、1-アミ
ノシクロブタン-1-カルボン酸、1-アミノシクロペン
タン-1-カルボン酸、1-アミノシクロヘキサン-1-カ
ルボン酸、1-アミノシクロヘプタン-1-カルボン酸、
2-シクロペンチルグリシン、2-シクロヘキシルグリシ
ン等のα-アミノ酸が挙げられる。上記の中性-α-アミ
ノ酸にL体とD体が存在する場合はD体の方が好まし
い。中でも、C1-6アルキル基、C5-7シクロアルキル
基、C7-11アラルキル基、C6-10アリール基、C1-6
ルコキシ基又はC1-6アルカノイル基で置換されていて
もよい酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれたヘ
テロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環基を有し
ていてもよいD-中性−α-アミノ酸残基が好ましく、と
りわけD-ロイシン、D-アロイソロイシン、D-ter
t-ロイシン、D-γ-メチルロイシン、D-フェニルグリ
シン、D-2-チエニルアラニン、D-2-チエニルグリシ
ン、D-3-チエニルグリシン、D-2-シクロペンチルグ
リシンがより好ましい。Bとしては、D-2−チエニル
グリシン残基が最も好ましい。これらの中性-α-アミノ
酸のα-アミノ基はC1-6アルキル基(例えばメチル、エ
チル、n-プロピル、tert-ブチル等)で置換されて
いてもよい。このようなα-アミノ酸としては、例えば
N-メチルロイシン、N-メチルアロイソロイシン、N-
メチル-tert-ロイシン、N-メチル-γ-メチルロイ
シン、N-メチルフェニルグリシン等が挙げられ、これ
らもD体の方が好ましい。Bは好ましくはC1-6アルキ
ル基でそれぞれ置換されていてもよいフェニルグリシ
ン、フェニルアラニン、1-ナフチルアラニン、2-ナフ
チルアラニン、2-チエニルアラニン、2-チエニルグリ
シン、3-チエニルグリシン、プロリン、4-ヒドロキシ
プロリン、アゼチジン-2-カルボン酸、ピペリジン-2-
カルボン酸、1-アミノシクロプロパン-1-カルボン
酸、1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸、1-アミノ
シクロペンタン-1-カルボン酸、1-アミノシクロヘキ
サン-1-カルボン酸及び1-アミノシクロヘプタン-1-
カルボン酸からなる群から選ばれるD-又はL-中性-α-
アミノ酸残基である。このうち好ましくはD-中性-α-
アミノ酸残基である。
【0020】式〔I〕において、Cで表されるL-α-ア
ミノ酸残基の母体となるアミノ酸としては、例えばグリ
シン、L-アラニン、L-バリン、L-ノルバリン、L-ロ
イシン、L-イソロイシン、L-tert-ロイシン、L-
ノルロイシン、L-メチオニン、L-2-アミノ酪酸、L-
セリン、L-スレオニン、L-フェニルアラニン、L-ア
スパラギン酸、L-グルタミン酸、L-アスパラギン、L
-グルタミン、L-リジン、L-トリプトファン、L-アル
ギニン、L-チロシン、L-プロリン等、通常一般に知ら
れているL-α-アミノ酸が挙げられ、特にL-ロイシ
ン、L-ノルロイシン、L-トリプトファンが好ましい。
CとしてはL-ロイシン残基が最も好ましい。これらの
L-α-アミノ酸のα-アミノ基はC1-6アルキル基(例え
ばメチル、エチル、n-プロピル、tert-ブチル等)
で置換されていてもよい。このようなL-α-アミノ酸と
しては、例えばL-N-メチルロイシン、L-N-メチルノ
ルロイシン、L-N(α)-メチルトリプトファン等が挙げ
られる。
【0021】式〔I〕において、Eで表される芳香環基
を有するD-α-アミノ酸残基の母体となるアミノ酸とし
ては、例えば側鎖に芳香環基を有するD-α-アミノ酸が
挙げられる。その具体例としては、D-トリプトファ
ン、D-5-メチルトリプトファン、D-フェニルアラニ
ン、D-チロシン、D-1-ナフチルアラニン、D-2-ナ
フチルアラニン、D-3-ベンゾチエニルアラニン、D-
4-ビフェニルアラニン、D-ペンタメチルフェニルアラ
ニン等が挙げられ、D-トリプトファン、D-5-メチル
トリプトファンが好ましい。中でもD-トリプトファン
がより好ましい。これらの芳香環を有するD-α-アミノ
酸のα-アミノ基はC1-6アルキル基(例えばメチル、エ
チル、n-プロピル、tert-ブチル等)で置換されて
いてもよく、また、D-トリプトファンのインドール環
のアミノ基はC1-6アルキル(例えばメチル、エチル、
n-プロピル、tert-ブチル等)、C3-8シクロアル
キル(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等)、C
6-12アリール(例えばフェニル、4-メチルフェニル
等)、C7-15アラルキル(例えばベンジル、フェネチル
等)等の炭化水素基やC1-6脂肪族アシル(好ましくは
1-6アルカノイル)(例えばホルミル、アセチル、プ
ロピオニル等)、C4-9脂環状アシル(好ましくはC5-7
シクロアルキルカルボニル)(例えばシクロペンタンカ
ルボニル、シクロヘキサンカルボニル等)、C7-15アリ
ールアシル(好ましくはC6-12アリールカルボニル)
(例えばベンゾイル、4-メチルベンゾイル等)、C
8-16アラルキルアシル(好ましくはC6-12アリール−C
2-4アルカノイル)(例えばフェニルアセチル、2-フェ
ニルプロピオニル、3-フェニルプロピオニル、ジフェ
ニルアセチル等)、C1-6アルコキシカルボニル(例え
ばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)等のア
シル基で置換されていてもよい。このようなα-アミノ
酸としては、例えばD-N(α)-メチルトリプトファン、
D-N-メチルフェニルアラニン、D-N-メチルチロシ
ン、D-Nin-メチルトリプトファン、D-Nin-エチルト
リプトファン、D-Nin-ホルミルトリプトファン、D-
in-アセチルトリプトファン等が挙げられる。中でも
D-Nin-メチルトリプトファン、D-Nin-ホルミルトリ
プトファン、D-Nin-アセチルトリプトファンがより好
ましい。Eとしては、D-トリプトファン残基が最も好
ましい。
【0022】式〔I〕で表わされるペプチド又はその塩
の好ましい具体例は次のようなものである。XがL体、
YがL体、AがD-グルタミン酸、D-アスパラギン酸、
D-システイン酸及びD-テトラゾリルアラニン残基から
なる群から選ばれる基、BがD体、Bが1-アミノシク
ロプロパン-1-カルボン酸、1-アミノシクロブタン-1
-カルボン酸、1-アミノシクロペンタン-1-カルボン
酸、1-アミノシクロヘキサン-1-カルボン酸及び1-ア
ミノシクロヘプタン-1-カルボン酸残基からなる群から
選ばれる基、BがD-ロイシン、D-アロイソロイシン、
D-tert-ロイシン、D-γ-メチルロイシン、D-フ
ェニルグリシン、D-2-チエニルグリシン、D-3-チエ
ニルグリシン、D-2-シクロペンチルグリシン、D-フ
ェニルアラニン、D-2-チエニルアラニン、D-バリ
ン、D-2-フリルグリシン及びD-3-フリルグリシン残
基からなる群から選ばれる基、CがL-ロイシン、L-イ
ソロイシン、L-バリン、L-ノルロイシン及び芳香族基
を有するL-αアミノ酸残基からなる群から選ばれる
基、EがD-トリプトファン又はその誘導体、D-1-ナ
フチルアラニン、D-2-ナフチルアラニン、D-ベンゾ
チエニルアラニン、D-4-ビスフェニルアラニン及びD
-ペンタメチルフェニルアラニン残基からなる群から選
ばれる基、D-トリプトファンの誘導体が、D-Nin-メ
チルトリプトファン、D-Nin-ホルミルトリプトファン
及びD-Nin-アセチルトリプトファン残基からなる群か
ら選ばれる基である。さらに好ましい具体例は次のよう
なものである。AがD-アスパラギン酸残基;Xがトリ
プトファン、L-(β-4-フェニルピペラジンアミド)
アスパラギン酸、L-〔β-4-(2-メトキシフェニル)ピ
ペラジンアミド〕アスパラギン酸、L-N(δ)-フェニル
アセチルオルニチン、L-(N4-〔インドール-3-イ
ル〕アセチル)オルニチン、L-(4−ベンジルオキシ)
プロリン、L-(N5-ベンジル)グルタミン又はL-(N
(δ)-〔インドール-3-イル〕エチル)アスパラギン残
基;YがL-ロイシン、L-アスパラギン酸又はL-O-ベ
ンジルセリン残基;BがD-ロイシン、D-γ−メチルロ
イシン、D-2-チエニルグリシン又はD-3-チエニルグ
リシン残基;CがL-ロイシン、L-フェニルアラニン及
びL-トリプトファン残基からなる群から選ばれる基;
及びEがD-トリプトファン残基である。また、以下の
ものも好ましい。Xがトリプトファン、L-(β-4-フ
ェニルピペラジンアミド)アスパラギン酸、L-〔β-4
-(2-メトキシフェニル)ピペラジンアミド〕アスパラ
ギン酸、L-N(δ)-フェニルアセチルオルニチン、L-
(N4-〔インドール-3-イル〕アセチル)オルニチン、
L-(4-ベンジルオキシ)プロリン、L-(N5-ベンジ
ル)グルタミン又はL-(N(δ)-〔インドール-3-イ
ル〕エチル)アスパラギン残基;YがL-アスパラギン
酸又はL-ロイシン残基;AがD-アスパラギン酸残基;
BがD-2-チエニルグリシン残基;CがL-ロイシン、
L-フェニルアラニン又はL-トリプトファン残基;及び
EがD-トリプトファン残基である。
【0023】式〔I〕で表される環状ヘキサペプチド又
はそのエステル若しくはその塩としては式 Cyclo〔-D-Asp-Asp(R1)-Asp-D-Thg(2)-Leu-D-Trp-〕 〔式中、Asp(R1)はアスパラギン酸β−4−フェニルピ
ペラジンアミド残基を、Thg(2)は2−チエニルグリシン
残基を示す。〕で表される化合物又はその塩が最も好ま
しく、その際塩としてはジナトリウム塩が好ましい。式
〔I〕で表される化合物のエステルとしては、α−アミ
ノ酸残基の側鎖としてカルボキシル基を有する場合のア
ルキルエステル等が用いられる。そのようなアルキル基
としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、is
o−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert
−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等のC1-6アル
キル基等が用いられる。
【0024】本発明で用いられる環状ヘキサペプチド
〔I〕(式〔I〕で表される化合物)はEP−A−528
312および特開平6−9689号公報記載の方法によ
り又はその方法に準じて製造することができ、またペプ
チド合成の常套手段で製造しうる。即ち、液相合成法、
固相合成法のいずれによってもよいが、液相合成法が好
ましい場合もある。そのようなペプチド合成の手段は、
任意の公知の方法に従えばよく、例えば、M. Bodansky
及び M. A. Ondetti 著、ペプチド シンセシス(Peptide
Synthesis)、インターサイエンス、ニューヨーク、196
6年;F. M. Finn 及び K. Hofmann 著、ザ プロテイン
ズ(The Proteins)、第2巻、H. Nenrath、R.L. Hill 編
集、アカデミック プレス インク、ニューヨーク、1976
年;泉屋信夫他著「ペプチド合成の基礎と実験」丸善
(株) 1985年;矢島治明、榊原俊平他著、生化学実験講
座1、日本生化学会編、東京化学同人 1977年;木村俊
他著、続生化学実験講座2、日本生化学会編、東京化学
同人 1987年;J. M. Stewart 及び J. D. Young 著、ソ
リッド フェイズ ペプチド シンセシス(Solid Phase Pe
ptide Synthesis)、ピアス ケミカル カンパニー、イリ
ノイ、1984年等に記載された方法、たとえばアジド法、
クロリド法、酸無水物法、混酸無水物法、DCC法、活性
エステル法、ウッドワード試薬Kを用いる方法、カルボ
ニルイミダゾール法、酸化還元法、DCC/HONB法、BOP試
薬を用いる方法等が挙げられる。
【0025】本発明で用いられる環状ヘキサペプチド
〔I〕は、そのペプチド結合の任意の位置で2分される
2種のフラグメントの一方に相当する反応性カルボキシ
ル基を有する原料と、他方のフラグメントに相当する反
応性アミノ基を有する原料をペプチド合成の常套手段で
縮合させ、ついで生成物のC末端α-カルボキシル基及
びN末端α-アミノ基の保護基を同時に又は段階的に除
去したのちこの両者を公知の縮合方法により分子内で縮
合し環状化合物を得、さらに生成物が保護基を有する場
合、その保護基を常套手段で脱離することにより製造し
うる。上記第一の原料及び他の第二の原料は通常アミノ
酸及び/又はペプチドフラグメントであり、これらは両
者を結合させることによって目的とする式〔I〕の環状
ヘキサペプチド若しくはそれらの塩を形成する。これら
は通常直鎖若しくは分枝状である。「反応性カルボキシ
ル基」とは即ちカルボキシル基そのもの若しくは活性化
されたカルボキシル基を指す。また「反応性アミノ基」
とは即ちアミノ基そのもの若しくは活性化されたアミノ
基を指す。通常は、上記縮合に作用する2つの官能基の
内の一方が活性化されている。該縮合反応に関与しない
カルボキシル基及びアミノ基は該縮合反応に入る前に保
護されている。原料の反応に関与すべきでない官能基の
保護及び保護基、並びにその保護基の脱離、反応に関与
する官能基の活性化等もまた公知の基あるいは公知の手
段から適宜選択しうる。
【0026】原料のアミノ基の保護基としては、例えば
ベンジルオキシカルボニル、tert-ブチルオキシカ
ルボニル、tert-アミルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシ
カルボニル、2-クロロベンジルオキシカルボニル、ア
ダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、
フタリル、ホルミル、2-ニトロフェニルスルフェニ
ル、ジフェニルホスフィノチオイル、9-フルオレニル
メチルオキシカルボニル等が挙げられる。カルボキシル
基の保護基としては、例えばアルキル(例えばメチル、
エチル、プロピル、ブチル、tert-ブチル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオ
クチル、2-アダマンチル等のアルキル基)、ベンジル、
4-ニトロベンジル、4-メトキシベンジル、4-クロロ
ベンジル、ベンズヒドリル、フェナシル、ベンジルオキ
シカルボニルヒドラジド、tert-ブチルオキシカル
ボニルヒドラジド、トリチルヒドラジド等が挙げられ
る。
【0027】セリンの水酸基は、例えばエステル化又は
エーテル化によって保護することができる。このエステ
ル化に適する基としては、例えばアセチル基等の低級脂
肪族アシル基、ベンゾイル基等のアリールアシル基、ベ
ンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の
炭酸から誘導される基等が挙げられる。またエーテル化
に適する基としては、例えばベンジル基、テトラヒドロ
ピラニル基、tert-ブチル基等である。しかしなが
ら、セリンの水酸基は必ずしも保護する必要はない。チ
ロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、例えば
ベンジル、2, 6-ジクロロベンジル、2-ニトロベンジ
ル、2-ブロモベンジルオキシカルボニル、tert-ブ
チル等が挙げられるが、必ずしも保護する必要はない。
メチオニンはスルホキシドの形で保護しておいてもよ
い。ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、パラ
トルエンスルホニル、4-メトキシ-2,3,6-トリメチ
ルベンゼンスルホニル、2,4-ジニトロフェニル、ベン
ジルオキシメチル、tert-ブトキシメチル、ter
t-ブトキシカルボニル、トリチル、9-フルオレニルメ
チルオキシカルボニル等が挙げられるが、必ずしも保護
する必要はない。トリプトファンのインドールの保護基
としては、ホルミル、2,4,6-トリメチルベンゼンス
ルホニル、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホニ
ル、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホ
ニル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル、ジフ
ェニルホスフィノチオイル等が挙げられるが、必ずしも
保護する必要はない。
【0028】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば対応する酸無水物、アジド、活性エス
テル[アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、
2,4,5-トリクロロフェノール、 2,4-ジニトロフェ
ノール、 シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキ
シイミド、 N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフ
タルイミド、N-ヒドロキシベンズトリアゾール)との
エステル]等が挙げられる。 原料のアミノ基の活性化
されたものとしては、例えば対応するリン酸アミドが挙
げられる。縮合反応は溶媒の存在下に行うことができ
る。溶媒としては、ペプチド縮合反応に使用しうること
が知られているものから適宜選択されうる。例えば無水
又は含水のジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ピリジン、クロロホルム、ジオキサン、ジクロロメ
タン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチ
ル、N-メチルピロリドンあるいはこれらの適宜の混合
物等が挙げられる。反応温度は、ペプチド結合形成反応
に使用されうることが知られている範囲から適宜選択さ
れ、通常約−20℃ないし30℃の範囲から適宜選択さ
れる。分子内環化反応はペプチドの任意の位置で公知の
方法で行なうことができる。例えば、まず保護されたペ
プチドのC末端アミノ酸の末端α-カルボキシル保護基
を公知の方法で脱離し、ついでこれを公知の方法で活性
化したのちN末端アミノ酸の末端α-アミノ保護基を公
知の方法で脱離するとともに分子内で環化することもで
きる。あるいは保護されたペプチドのC末端アミノ酸の
末端α-カルボキシル保護基及びN末端アミノ酸の末端
α-アミノ保護基を同時に脱離したのち公知の縮合反応
により分子内で環化してもよい。また分子内環化反応は
高度希釈下で行なったほうが好ましい場合もある。
【0029】保護基の脱離方法としては、例えばPd黒
あるいはPd-炭素等の触媒の存在下での水素気流中での
接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸
あるいはこれらの混合液等による酸処理や、また液体ア
ンモニア中ナトリウムによる還元等も挙げられる。上記
酸処理による脱離反応は、一般に−20℃ないし40℃
の温度で行われるが、酸処理においては、アニソール、
フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラク
レゾール、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオー
ル、1,2-エタンジチオールのようなカチオン補足剤の
添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保
護基として用いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオ
フェノール処理により除去され、トリプトファンのイン
ドール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,
2-エタンジチオール、1,4-ブタンジチオール等の存
在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウ
ム、希アンモニア等によるアルカリ処理によっても除去
される。このようにして製造された環状ヘキサペプチド
〔I〕は反応終了後、ペプチドの分離精製手段、例え
ば、抽出、分配、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラ
フィー、高速液体クロマトグラフィー等によって採取さ
れる。本発明で用いられる環状ヘキサペプチド〔I〕は
自体公知の方法により上記の金属塩、塩基又は塩基性化
合物との塩、無機酸付加塩、有機酸塩等として得ること
ができ、とりわけ薬理学的に許容される酸付加塩、例え
ば無機酸(例えば塩酸、硫酸、リン酸)あるいは有機酸
(例えば酢酸、プロピオン酸、クエン酸、酒石酸、リン
ゴ酸、蓚酸、メタンスルホン酸)等との塩としても得る
ことができる。
【0030】本明細書において、アミノ酸及びペプチド
等を略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commiss
ion on Biochemical Nomenclature による略号あるいは
当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例
を下記する。 Gly :グリシン Sar :サルコシン(N-メチルグリシン) Ala :アラニン Val :バリン Nva :ノルバリン Ile :イソロイシン aIle :アロイソロイシン Nle :ノルロイシン Leu :ロイシン N-MeLeu :N-メチルロイシン tLeu :tert-ロイシン γMeLeu :ガンマメチルロイシン Met :メチオニン Arg :アルギニン Arg(Tos) :Ng-パラトルエンスルホニルアル
ギニン Lys :リジン Lys(Mtr) :N(ε)-(4-メトキシ-2,3,6-ト
リメチルベンゼンスルホニル)リジン Orn :オルニチン Orn(COPh) :N(δ)-ベンゾイルオルニチン Orn(COCH2Ph) :N(δ)-フェニルアセチルオルニチ
ン Orn(COCH2CH2Ph) :N(δ)-(3-フェニルプロピオニ
ル)オルニチン Orn(COCH2-Ind) :N(δ)-({インドール-3-イル}ア
セチル)オルニチン His :ヒスチジン His(Bom) :N(π)-ベンジルオキシメチルヒス
チジン His(Bzl) :N(τ)-ベンジルヒスチジン Asp :アスパラギン酸 Asn(CH2Ph) :N4-ベンジルアスパラギン Asn(CH2CH2Ph) :N4-フェネチルアスパラギン Asn(CH2CH2-Ind) :N4-(2-{インドール-3-イル}エ
チル)アスパラギン Asn(Me・CH2CH2Ph) :N4-メチル-N4-フェネチルアスパ
ラギン Asn(CH2CHMePh) :N4-({2-フェニル}プロピル)アス
パラギン Asp(R1) :アスパラギン酸 β-4-フェニルピ
ペラジン アミド Asp(R2) :アスパラギン酸 β-4-フェニルピ
ペリジン アミド Asp(R3) :アスパラギン酸 β-インドリン ア
ミド Asp(R4) :アスパラギン酸 β-1-アミノイン
ダン アミド Asp(R5) :アスパラギン酸 β-1-アミノテト
ラヒドロナフタレン アミド Asp(R6) :アスパラギン酸 β-4-アセチルピ
ペラジン アミド Asp(R7) :アスパラギン酸 β-4-(2-クロ
ロフェニル)ピペラジン アミド Asp(R8) :アスパラギン酸 β-4-(3-クロ
ロフェニル)ピペラジン アミド Asp(R9) :アスパラギン酸 β-4-(4-クロ
ロフェニル)ピペラジン アミド Asp(R10) :アスパラギン酸 β-4-(2-メト
キシフェニル)ピペラジン アミド Asp(R11) :アスパラギン酸 β-4-(4-メト
キシフェニル)ピペラジン アミド Asp(R12) :アスパラギン酸 β-4-(2-エト
キシフェニル)ピペラジン アミド Asp(R13) :アスパラギン酸 β-4-(2-フル
オロフェニル)ピペラジン アミド Asp(R14) :アスパラギン酸 β-4-(4-フル
オロフェニル)ピペラジン アミド Asp(R15) :アスパラギン酸 β-4-(3-トリ
フルオロメチルフェニル)ピペラジン アミド Asp(R16) :アスパラギン酸 β-4-(2-ピリ
ジル)ピペラジンアミド Glu :グルタミン酸 Gln(CH2Ph) :N5-ベンジルグルタミン Gln(CH2CH2Ph) :N5-フェネチルグルタミン Gln(CH2CH2-Ind) :N5-(2-{インドール-3-イル}エ
チル)グルタミン Glu(R3) :グルタミン酸 γ-インドリン アミ
ド Glu(R4) :グルタミン酸 γ-1-アミノインダ
ン アミド Glu(R5) :グルタミン酸 γ-1-アミノテトラ
ヒドロナフタレンアミド Cys :システイン Cta :システイン酸 Ser :セリン Ser(Bzl) :O-ベンジルセリン Thr :スレオニン Thr(Bzl) :O-ベンジルスレオニン Pro :プロリン Tpr :チオプロリン Hyp :4-ヒドロキシプロリン Hyp(Bzl) :4-ベンジルオキシプロリン Azc :アゼチジン-2-カルボン酸 Pip :ピペコリン酸(ピペリジン-2-カ
ルボン酸) Phe :フェニルアラニン N-MePhe :N-メチルフェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン mTrp :5-メチルトリプトファン N-MeTrp :N(α)-メチルトリプトファン Trp(Me) :Nin-メチルトリプトファン Trp(For) :Nin-ホルミルトリプトファン Trp(Ac) :Nin-アセチルトリプトファン Phg :フェニルグリシン Nal(1) :1-ナフチルアラニン Nal(2) :2-ナフチルアラニン Thi :2-チエニルアラニン Thg(2) :2-チエニルグリシン Thg(3) :3-チエニルグリシン Acpr :1-アミノシクロプロパン-1-カル
ボン酸 Acbu :1-アミノシクロブタン-1-カルボ
ン酸 Acpe :1-アミノシクロペンタン-1-カル
ボン酸 Achx :1-アミノシクロヘキサン-1-カル
ボン酸 Achp :1-アミノシクロヘプタン-1-カル
ボン酸 Tic :テトラヒドロイソキノリン-2-カ
ルボン酸 Cpg :シクロペンチルグリシン また本明細書中で常用される保護基及び試薬を下記の略
号で表記する。 AcOEt :酢酸エチル Boc :tert-ブトキシカルボニル Bzl :ベンジル BrZ :2-ブロモベンジルオキシカルボニ
ル ClZ :2-クロロベンジルオキシカルボニ
ル Tos :パラトルエンスルホニル For :ホルミル OBzl :ベンジルエステル OPac :フェナシルエステル ONB :HONBエステル TFA :トリフルオロ酢酸 TEA :トリエチルアミン IBCF :イソブチルクロロホルメート DMF :N,N-ジメチルホルムアミド DCC :N,N'-ジシクロヘキシルカルボジ
イミド DCU :N,N'-ジシクロヘキシルウレアH
ONB :N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン
-2,3-ジカルボキシイミド HOBt :1-ヒドロキシベンゾトリアゾール DCM :ジクロロメタン THF :テトラヒドロフラン
【0031】本発明において使用される抗エンドセリン
作用を有する化合物の例としては、式〔I〕で表される
化合物又はそのエステル若しくはその塩のほかに下記
〔表1−1〕ないし〔表1−6〕に示すもの等が挙げら
れる。
【表1】
【0032】上記〔表1−1〕ないし〔表1−6〕に挙
げられた化合物は、公知の方法又は上記表に記載の文献
の開示に従って若しくは準じて製造することができる。
上記〔表1−1〕ないし〔表1−6〕に挙げられた化合
物及び式〔I〕で表される化合物は、ペプチド性化合物
(例えば式〔I〕で表される化合物、BQ-123、BQ-153、R
ES-7011等の環状ペプチド、例えば〔Dpr1-Asp15〕ET-
1、PD142893、PD145065、IRL-1038、BQ-485、BQ-788等
の鎖状ペプチド等)、非ペプチド性化合物(例えばFR13
9317、PD151242、〔表1−2〕ないし〔表1−6〕に挙
げられた化合物等)に分類される。本発明においては、
例えばペプチド性化合物等が好ましく、更に好ましくは
環状ペプチドであり、中でも式〔I〕で表される化合物
又はそのエステル若しくはその塩等が好ましい。本発明
の抗エンドセリン作用としては、例えばエンドセリン受
容体拮抗作用(例えばエンドセリンA受容体拮抗作用、
エンドセリンB受容体拮抗作用、エンドセリンA/エン
ドセリンB受容体拮抗作用)、エンドセリン変換酵素阻
害作用、エンドセリン合成阻害作用等が挙げられ、中で
もエンドセリン受容体拮抗作用が好ましい。本発明にお
いて、抗エンドセリン作用を有する化合物、特に式
〔I〕の化合物又はそのエステル若しくはその塩等を含
有する製剤は、特に低毒性で、動物とりわけ哺乳動物
(例えば、ヒト,イヌ,ウサギ,マウス、ラット等)に
対する脳梗塞疾患の予防治療剤、特に閉塞性脳梗塞疾患
の予防治療剤として有用である。
【0033】脳梗塞疾患として具体的には、大脳皮質梗
塞、大脳皮質白質梗塞、大脳白質梗塞、基底核・内包梗
塞、橋梗塞、小脳梗塞、視床梗塞等が挙げられ、とりわ
け、本発明の製剤は基底核・内包梗塞の治療又は予防に
好ましく適用し得る。
【0034】また、本発明においては抗エンドセリン作
用を有する化合物とともに脳梗塞疾患の予防及び治療に
有効な他の医薬活性成分を併用してもよい。このような
医薬活性成分としては、例えば抗凝血薬(例えばヘパリ
ン、ワーファリン等)、血小板凝集阻止薬(例えばアス
ピリン、ジピダモール、スルフィンピラゾン等)、血栓
溶解薬(例えばプラスミノーゲン・アクチベーター、ス
トレプトキナーゼ、ウロキナーゼ等)、脳血管拡張薬
(例えばシンナリジン、サイクランデレート、ペニシク
ランフマレート等)、微小血流改善薬(例えば低分子デ
キストラン、ペントキシフィリン、ソルコセリル等)、
脳代謝賦活薬(例えばシチコリン、イフェンプロディー
ル等)等が挙げられる。例えば式〔I〕の化合物又はそ
のエステル若しくはその塩等の抗エンドセリン作用を有
する化合物を含有する本発明の製剤は、経口的及び非経
口的に投与できる。非経口的には、例えば注射投与、吸
入法、直腸投入あるいは局所投与により用いることがで
き、経口的には、例えば粉末、顆粒、錠剤、ピル剤、カ
プセル剤、シロップ剤、エマルジョン剤、エリキシル
剤、懸濁剤、溶液剤等として用いることができ、それら
は少なくとも一つの抗エンドセリン作用を有する化合物
を単独で、あるいは薬理学的に許容される担体(アジュ
バンド剤、賦形剤、補形剤及び/又は希釈剤等)と混合
して用いることができる。
【0035】本発明において、製剤中における抗エンド
セリン作用を有する化合物の含有割合は、通常、0.0
1ないし100重量%、好ましくは0.1ないし50重
量%である。医薬用の組成物は通常の方法に従って製剤
化することができる。本明細書において、注射投与と
は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射あ
るいは点滴法等を含むものである。注射用調剤、例えば
無菌注射用水性懸濁物あるいは油性懸濁物は、適当な分
散化剤又は湿化剤及び懸濁化剤を用いて当該分野で知ら
れた方法で調整されうる。その無菌注射用調剤は、ま
た、例えば水溶液等の非毒性の非経口投与することので
きる希釈剤あるいは溶剤中の無菌の注射のできる溶液又
は懸濁液であってよい。使用することのできるベーヒク
ルあるいは溶剤として許されるものとしては、水、リン
ゲル液、等張食塩液等が挙げられる。さらに、通常溶剤
又は懸濁化溶媒として無菌の不揮発性油も用いられう
る。このためには、いかなる不揮発性油も脂肪酸も使用
でき、天然あるいは合成あるいは半合成の脂肪性油又は
脂肪酸、そして天然あるいは合成あるいは半合成のモノ
あるいはジあるいはトリグリセリド類も含められる。直
腸投与用の座剤は、その薬物と適当な非刺激性の補形
剤、例えばココアバターやポリエチレングリコール類と
いった常温では固体であるが腸管の温度では液体で、直
腸内で融解し、薬物を放出するもの等と混合して製造さ
れることができる。
【0036】経口投与用の固形投与剤型としては、粉
剤、顆粒剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤等の上記したも
のがあげられる。そのような剤型において、活性成分化
合物は、少なくとも一つの添加物、例えばショ糖、乳
糖、セルロース糖、マニトール、マルチトール、デキス
トラン、デンプン類、寒天、アルギネート類、キチン
類、キトサン類、ペクチン類、トラガントガム類、アラ
ビアゴム類、ゼラチン類、コラーゲン類、カゼイン、ア
ルブミン、合成又は半合成のポリマー類又はグリセリド
類と混合することができる。そのような剤型物はまた、
通常の如く、さらなる添加物を含むことができ、例えば
不活性希釈剤、マグネシウムステアレート等の滑沢剤、
パラベン類、ソルビン酸等の保存剤、アスコルビン酸、
α−トコフェロール、システイン等の抗酸化剤、崩壊
剤、結合化剤、増粘剤、緩衝化剤、甘味付与剤、フレー
バー付与剤、パーフューム剤等が挙げられる。錠剤及び
ピル剤はさらにエンテリックコーティングされて製造さ
れることもできる。経口投与用の液剤は、医薬として許
容されるエマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤、
懸濁剤、溶液剤等が挙げられ、それらは当該分野で普通
用いられる不活性希釈剤、例えば水を含んでいてよい。
ある特定の患者の投与量は、年令、体重、一般的健康状
態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物
の組み合わせ、患者のその時に治療を行っている病状の
程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決
められる。
【0037】抗エンドセリン作用を有する化合物を含有
する本発明の製剤は、低毒性で安全に使用することがで
き、その1日の投与量は、患者の状態や体重、化合物の
種類、投与経路等によって異なるが、例えば、成人(6
0kg)の脳梗塞疾患の予防治療剤として投与する場
合、経口投与では1日量30ないし1000mg、好ま
しくは100ないし1000mg、静注では1日量1な
いし500mg、3ないし300mg、好ましくは30
ないし200mgを1日1回又は2ないし4回に分けて
投与するのが好ましい。特に式〔I〕で表される化合物
又はそのエステル若しくはその塩を含有する製剤を投与
する場合は、静注で1日量3ないし300mg、好まし
くは30ないし200mgを1日1回又は2ないし4回
に分けて投与するのが好ましい。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に実施例をあげて本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【実施例】
試験例1 全脳梗塞に対するエンドセリンA及びB受容体拮抗作用
を有する化合物1の効果 化合物1:シクロ〔D−α−アスパルチル−3−〔(4
−フェニルピペラジン−1−イル)カルボニル〕−L−
アラニル−L−α−アスパルチル−D−2−(2−チエ
ニル)グリシル−L−ロイシル−D−トリプトフィル〕
ジナトリウム塩(cyclo〔D−α−aspartyl−3−
〔(4−phenylpiperazin−1−yl)carbonyl〕−L−a
lanyl−L−α−aspartyl−D−2−(2−thienyl)gl
ycyl−L−leucyl−D−tryptophyl〕disodium salt) 方法:成熟雄性スナネズミを2グループに分け、15分
間両側総頸動脈を閉塞することにより全脳梗塞モデルを
作成した(Nagisa ら、薬理と治療、23巻、103−
108頁、1995年)。閉塞60分前及び再潅流60
分後の計2回、対照として生理食塩水(溶媒)(グルー
プA)、化合物1(3mg/kg)(グループB)を皮下投
与した。再潅流8時間後の生存率を比較した。また、1
5分間両側総頸動脈閉塞5時間後の脳組織中のエンドセ
リン濃度をエンザイムイムノアッセイ法により測定し
た。各グループ間の比較はANOVA検定(一元配置分
散分析)によった。 結果:再潅流8時間後の生存率はグループA(n=1
0)で0%、グループB(n=10)で80%であり、
グループBにおいて統計学的有意に生存率の改善が見ら
れた(p<0.01)。脳組織中のエンドセリン濃度は
非虚血スナネズミ(n=6)で60.0±3.6pg/g w
et tissue であったのに対し、15分間両側総頸動脈閉
塞5時間後スナネズミ(n=7)で103.2±6.3pg
/g wet tissue であり、統計学的有意な上昇が認めら
れた(p<0.01)。これらの結果より全脳梗塞にお
いて脳組織中エンドセリン濃度が上昇し、化合物1が全
脳梗塞後の生存率を改善することが明らかである。
【0039】試験例2 全脳梗塞に対するエンドセリンA及びB受容体拮抗作用
を有する化合物2の効果 化合物2:4−t−ブチル−N−〔6−(2−ヒドロキ
シエトキシ)−5−(2−メトキシフェノキシ)−2,
2’−ビピリミジン−4−イル〕−ベンゼンスルホンア
ミド(4-tert-butyl-N-〔6-(2-hydroxyethoxy)-5-(2-me
thoxyphenoxy)-2,2'-bipyrimidin-4-yl〕-benzene sulp
honamide) 方法:成熟雄性スナネズミを2グループに分け、15分
間両側総頸動脈を閉塞することにより全脳梗塞モデルを
作成した(Nagisa ら、薬理と治療、23巻、103−
108頁、1995年)。閉塞30分前及び再潅流90
分後の計2回、対照として生理食塩水(溶媒)(グルー
プA)、化合物2(3mg/kg)(グループB)を腹腔内
投与した。再潅流8時間後の生存率を比較した。各グル
ープ間の比較はANOVA検定(一元配置分散分析)に
よった。 結果:再潅流8時間後の生存率はグループA(n=1
0)で0%、グループB(n=11)で36%であり、
グループBにおいて統計学的有意に生存率の改善が見ら
れた(p<0.05)。この結果より全脳梗塞において
化合物2が全脳梗塞後の生存率を改善することが明らか
である。
【0040】試験例3 局所脳梗塞に対するエンドセリンA及びB受容体拮抗作
用を有する化合物1の効果 方法:9週齢雄性 Wistar ラットを2グループに分け、
小泉他らによる塞栓子を用いた中大脳動脈閉塞再潅流モ
デル(小泉ら、脳卒中、8巻、1−8頁、1986年)
を改良した局所脳梗塞モデルを作成した。即ち、左外頸
動脈より塞栓子を挿入し中大脳動脈を起始部より閉塞
し、同時に両側の総頸動脈を動脈瘤クリツプにて閉塞し
た。閉塞30分後塞栓子及びクリツプを除去し再潅流し
た。再潅流直後及び5時間後、以降2日間1日2回、3
日後に1回計7回、対照として生理食塩水(溶媒)(グ
ループA)(n=17)、化合物1(3mg/kg)(グル
ープB)(n=16)を静脈内投与した。再潅流3日後
に断頭屠殺後、脳を摘出し、スライサーで厚さ2mmに7
切片を薄切した。梗塞巣は2,3,5−トリフェニルテト
ラゾリウム 塩酸塩(2,3,5−triphenyltertrazolium
hydrochloride)染色した脳切片から画像解析装置を用
いて測定した。各切片の梗塞面積はその切片の虚血側半
球の面積に対する百分率で示した。また、梗塞体積は、
各個体における虚血側半球面積の和に対する切片の梗塞
面積の和の百分率で示した。各グループ間の比較はAN
OVA検定(一元配置分散分析)によった。 結果:再潅流3日後の各切片の脳梗塞面積比はグループ
A及びグループBで以下の通りであり、中大脳動脈潅流
領域である切片 No. 3において脳梗塞の統計学的有意
な減少が認められた(p=0.039)。 切片 No. グループA グループB 1 29.13 ± 6.70 23.76 ± 7.70(p=0.606) 2 37.50 ± 3.82 24.78 ± 6.20(p=0.063) 3 44.93 ± 3.69 33.08 ± 5.41(p=0.039) 4 41.87 ± 3.11 31.62 ± 5.06(p=0.061) 5 8.97 ± 1.90 6.77 ± 1.96(p=0.382) 6 1.67 ± 0.64 1.33 ± 0.88(p=0.611) 7 0.00 ± 0.00 0.00 ± 0.00 (単位は%:平均値 ± 標準誤差) また、脳全体の脳梗塞体積比はグループAで22.14
±2.08%、グループBで13.84±2.13%であ
り、グループBにおいて脳梗塞減少傾向が見られた(p
=0.071)。これより、化合物1が局所脳梗塞に対
して、脳梗塞巣を減少させ、神経細胞を保護することは
明らかである。以上の結果から、抗エンドセリン作用を
有する化合物とりわけエンドセリンA及びB受容体拮抗
作用を有する化合物を含有する本発明の製剤が、脳梗塞
疾患に有効であることは明らかである。
【0041】製剤例 本発明の抗エンドセリン作用を有する化合物を有効成分
として含有する脳梗塞疾患の予防治療剤は、例えば、次
の様な処方によって製造することが可能である。なお、
以下の化合物1は上記試験例で用いた化合物1を示す。 1.カプセル剤 (1)化合物1 10mg (2)ラクトース 90mg (3)微結晶セルロース 70mg (4)ステアリン酸マグネシウム 10mg 1カプセル 180mg (1)、(2)と(3)及び(4)の1/2を混和した
後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼ
ラチンカプセルに封入する。 2.錠剤 (1)化合物1 10mg (2)ラクトース 35mg (3)コーンスターチ 150mg (4)微結晶セルロース 30mg (5)ステアリン酸マグネシウム 5mg 1錠 230mg (1)、(2)、(3)、(4)の2/3及び(5)の
1/2を混和後、顆粒化する。残りの(4)及び(5)
をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
【0042】 3.注射剤 (1)化合物1 10mg (2)イノシット 100mg (3)ベンジルアルコール 20mg 1アンプル 130mg (1)、(2)、(3)を全量2mlになるように、注
射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無
菌状態で行う。 4.注射剤 組成:1バイアル中に化合物1を5mg、10mg、2
5mg、50mg又は100mg含有する凍結乾燥製剤
(生理食塩水に溶解して投与)。 製法:(5mg) 化合物1 122.5gを注射用水 49Lに溶解し、
得られた溶液を除菌フィルター(ミリディスク)でろ過
することで、無菌化する。無菌室内で菌汚染に注意しな
がら、得られた溶液を2mlずつバイアルに充填し、ゴ
ム栓を半打栓後、凍結乾燥機庫内に搬入、通常の方法で
凍結乾燥した。40時間後に、乾燥空気の導入による凍
結乾燥機庫内の復圧及び全打栓を行った。プラスチック
製のフィリップオフキャップで巻締め製剤とした。 (10mg) と同様に化合物1 245g及び注射用水 49Lを
用い、注射用の製剤とした。 (25mg) と同様に化合物1 612.5g及び注射用水 49
Lを用い、注射用の製剤とした。 (50mg) と同様に化合物1 190g及び注射用水 7.6L
を用い、注射用の製剤とした。 (100mg) と同様に化合物1 361g及び注射用水 7.22
Lを用い、注射用の製剤とした。
【0043】
【発明の効果】本発明によると、抗エンドセリン作用を
有する化合物が脳梗塞疾患に治療効果があり、また該疾
患の予防、該疾患の再発防止等にも有用である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、X及びYはそれぞれD-、L-又はDL-体のα-
    アミノ酸残基、AはD-酸性-α-アミノ酸残基、BはC
    1-6アルキル基でそれぞれ置換されていてもよいフェニ
    ルグリシン、フェニルアラニン、1-ナフチルアラニ
    ン、2-ナフチルアラニン、2-チエニルアラニン、2-
    チエニルグリシン、3-チエニルグリシン、プロリン、
    4-ヒドロキシプロリン、アゼチジン-2-カルボン酸、
    ピペリジン-2-カルボン酸、1-アミノシクロプロパン-
    1-カルボン酸、1-アミノシクロブタン-1-カルボン
    酸、1-アミノシクロペンタン-1-カルボン酸、1-アミ
    ノシクロヘキサン-1-カルボン酸及び1-アミノシクロ
    ヘプタン-1-カルボン酸からなる群から選ばれるD-又
    はL-中性-α-アミノ酸残基、CはL-α-アミノ酸残
    基、Eは芳香環基を有するD-α-アミノ酸残基を示す〕
    で表される環状ヘキサペプチド又はそのエステル若しく
    はその塩を含有してなる脳梗塞疾患の予防治療剤。
  2. 【請求項2】Xが式: 【化2】 〔式中、Gは式: 【化3】 (式中、X1及びX2はそれぞれ水素原子、C1-6アルキ
    ル基、C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子又はニトロ基
    を示すか、X1とX2とが結合して環を形成する)で表さ
    れる基を示す〕で表される基である請求項1記載の予防
    治療剤。
  3. 【請求項3】Yがアスパラギン酸、グルタミン酸、アラ
    ニン、プロリン、ロイシン又はトリプトファン残基であ
    る請求項1記載の予防治療剤。
  4. 【請求項4】AがD-グルタミン酸、D-アスパラギン
    酸、D-システイン酸、D-ホモシステイン酸、D-β
    (5-テトラゾリル)アラニン又はD-2-アミノ-4-
    (5-テトラゾリル)酪酸残基である請求項1記載の予
    防治療剤。
  5. 【請求項5】BがD-2-チエニルグリシン残基である請
    求項1記載の予防治療剤。
  6. 【請求項6】Cがα-アミノ基がC1-6アルキル基でそれ
    ぞれ置換されていてもよいL-ロイシン、L-ノルロイシ
    ン又はL-トリプトファン残基である請求項1記載の予
    防治療剤。
  7. 【請求項7】EがD-トリプトファン、D-5-メチルト
    リプトファン、D-フェニルアラニン、D-チロシン、D
    -1-ナフチルアラニン、D-2-ナフチルアラニン、D-
    3-ベンゾチエニルアラニン、D-4-ビフェニルアラニ
    ン又はD-ペンタメチルフェニルアラニン残基である請
    求項1記載の予防治療剤。
  8. 【請求項8】Xがトリプトファン、L-(β-4-フェニ
    ルピペラジンアミド)アスパラギン酸、L-〔β-4-
    (2-メトキシフェニル)ピペラジンアミド〕アスパラ
    ギン酸、L-N(δ)-フェニルアセチルオルニチン、L-
    (N4-〔インドール-3-イル〕アセチル)オルニチン、
    L-(4-ベンジルオキシ)プロリン、L-(N5-ベンジ
    ル)グルタミン又はL-(N(δ)-〔インドール-3-イ
    ル〕エチル)アスパラギン残基;YがL-アスパラギン
    酸又はL-ロイシン残基;AがD-アスパラギン酸残基;
    BがD-2-チエニルグリシン残基;CがL-ロイシン、
    L-フェニルアラニン又はL-トリプトファン残基;及び
    EがD-トリプトファン残基である請求項1記載の予防
    治療剤。
  9. 【請求項9】環状ヘキサペプチドが式 Cyclo〔-D-Asp-Asp(R1)-Asp-D-Thg(2)-Leu-D-Trp-〕 〔式中、Asp(R1)はアスパラギン酸β−4−フェニルピ
    ペラジンアミド残基を、Thg(2)は2−チエニルグリシン
    残基を示す。〕で表されるペプチドである請求項1記載
    の予防治療剤。
  10. 【請求項10】環状ヘキサペプチドが式 Cyclo〔-D-Asp-Asp(R1)-Asp-D-Thg(2)-Leu-D-Trp-〕ジ
    ナトリウム塩 〔式中、Asp(R1)はアスパラギン酸β−4−フェニルピ
    ペラジンアミド残基を、Thg(2)は2−チエニルグリシン
    残基を示す。〕で表されるペプチドである請求項1記載
    の予防治療剤。
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