JP2003088847A - 汚染土壌の浄化装置及び方法 - Google Patents

汚染土壌の浄化装置及び方法

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JP2003088847A JP2001282681A JP2001282681A JP2003088847A JP 2003088847 A JP2003088847 A JP 2003088847A JP 2001282681 A JP2001282681 A JP 2001282681A JP 2001282681 A JP2001282681 A JP 2001282681A JP 2003088847 A JP2003088847 A JP 2003088847A
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究 有川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚染土壌の浄化装置及びその方法において、
大量の複合汚染土壌を適正に効率よく浄化処理して短期
間で浄化処理可能する。 【解決手段】 複数の洗浄槽11に精製溶剤タンク13
と洗浄液タンク16とをポンプ17,25を介して連結
し、各洗浄槽11内に投入された汚染土壌に対して、ま
ず、精製溶剤タンク13の溶剤を供給して所定時間浸漬
させることで、汚染土壌に含有する有機物質(例えば、
油、PCB、ダイオキシン等)を分離し、次に、洗浄槽
11内の溶剤を排出してから、洗浄液タンク16の洗浄
液を供給して所定時間浸漬させることで、汚染土壌に含
有する無機物質(水銀や鉛等の重金属、シアン類等)を
分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油、PCB、ダイ
オキシンなどの有害な有機物質や水銀や鉛等の重金属、
シアン類などの有害な無機物質により複合汚染された土
壌を浄化する汚染土壌の浄化装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、生活排水、工場、事業所等か
らの排水などの浸漬による土壌汚染、また、工場跡地等
の土壌汚染により本来自然に分解不可能な化学物質で汚
染された土壌、地下水が増加し、その結果、生態系や社
会生活基盤としての土壌環境に深刻な影響を与えてい
る。そのため、このような汚染された土壌や地下水を浄
化処理する各種の方法が提案されている。しかし、上述
した油、PCB、ダイオキシン、水銀や鉛等の重金属、
シアン類などに関しては有効な処理方法がなく、焼却や
封じ込めなどの対策が行われているのが現状である。
【0003】従来から一般的に行われている焼却処理
は、油、PCB、ダイオキシン等の各種有害物質に汚染
された土壌をロータリキルン等の焼却設備により高温度
雰囲気下で焼却処理し、汚染土壌に含まれている各種の
有害物質を焼却して分解し、浄化土壌として環境に戻す
ものである。また、この焼却設備にて各種の有害物質が
分解されて排出されるガスは無害化され、燃焼ガスと共
に排ガスとして大気に放出される。
【0004】しかし、このような大規模な焼却設備に関
しては、膨大な汚染土壌を処理するのにエネルギコスト
が大きく、また、処理後の土壌の変質等により廃棄物の
取り扱いとなる可能性を含んでおり、再利用するのが困
難となる恐れがある。一方、前述した汚染土壌の封じ込
め処理は、本質的には汚染土壌の浄化対策とは言えず、
単に自然界からの遮断と言う消極的な処理方法である。
そのため、油、PCB、ダイオキシン等の各種有害物質
に汚染された土壌を適正に浄化して自然界に戻すための
経済的に有利な土壌の処理方法が望まれている。
【0005】そこで、例えば、特開平11−5075号
公報に開示された土壌浄化処理方法では、油汚染土に水
溶性有機溶剤を添加して混合攪拌し、汚染土中の油分を
抽出した後に固液分離し、その液状体を引き抜くことに
より汚染土内の油分を有機溶剤に混合された状態で汚染
土から分離除去し、固液分離で生じた液状体を蒸留して
有機溶剤を回収する一方、油分を分離して処理してい
る。従って、油分の含水率を著しく低下させ、適正に汚
染土を浄化して再利用を可能とすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した工
場跡地などの土壌を浄化処理する場合、大量の汚染土壌
を短期間で効率よく処理する必要がある。上述した従来
の土壌浄化処理方法では、油汚染土に水溶性有機溶剤を
添加して混合攪拌することで汚染土中の油分を抽出して
おり、この混合攪拌により土が微粒化してしまい、固液
分離に長時間を有すると共に、汚染土から液状体を引き
抜くときにフィルタが目詰まりして効率よく分離するこ
とができず、汚染土壌の処理に長期間を要してしまうと
いう問題がある。
【0007】また、汚染土壌には、油分の他に、PC
B、ダイオキシン、水銀や鉛等の重金属、シアン類など
の有害物質が含有している場合が多く複合汚染された土
壌となっており、同時に複数の有害物質を取り除く必要
がある。
【0008】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、大量の複合汚染土壌を適正に効率よく浄化処理
して短期間で浄化処理可能とした汚染土壌の浄化装置及
びその方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの請求項1の発明の汚染土壌の浄化装置は、汚染土壌
を投入する洗浄槽と、前記汚染土壌に含有する有害な有
機物質を分離する溶剤を前記洗浄槽に供給する溶剤供給
手段と、前記汚染土壌に含有する有害な無機物質を分離
する洗浄液を前記洗浄槽に供給する洗浄液供給手段と、
前記洗浄槽内の前記溶剤または前記洗浄液を排出する排
出手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0010】請求項2の発明の汚染土壌の浄化装置で
は、前記溶剤を親水性溶剤としたことを特徴としてい
る。
【0011】請求項3の発明の汚染土壌の浄化装置で
は、前記洗浄液を水としたことを特徴としている。
【0012】請求項4の発明の汚染土壌の浄化装置で
は、前記洗浄液をアルカリ液としたことを特徴としてい
る。
【0013】請求項5の発明の汚染土壌の浄化装置で
は、前記洗浄液を酸性液としたことを特徴としている。
【0014】請求項6の発明の汚染土壌の浄化装置で
は、前記溶剤を親水性溶剤及び疎水性溶剤としたことを
特徴としている。
【0015】請求項7の発明の汚染土壌の浄化装置で
は、前記洗浄槽から排出された前記溶剤から前記有機物
質を除去して精製する溶剤精製手段と、前記洗浄槽から
排出された前記洗浄液から前記無機物質を除去して精製
する洗浄液精製手段とを設けたことを特徴としている。
【0016】請求項8の発明の汚染土壌の浄化装置で
は、前記洗浄槽内のガスを吸引して前記有機物質及び前
記無機物質が分離された土壌に残留した前記溶剤または
前記洗浄液を除去する乾燥手段を設けたことを特徴とし
ている。
【0017】請求項9の発明の汚染土壌の浄化方法は、
汚染土壌を溶剤により浸漬洗浄して該汚染土壌に含有す
る有害な有機物質を分離した後、該汚染土壌を洗浄液に
より浸漬洗浄して該汚染土壌に含有する有害な無機物質
を分離することを特徴とするものである。
【0018】請求項10の発明の汚染土壌の浄化方法で
は、前記汚染土壌を洗浄槽内に投入し、該洗浄槽内に溶
剤を所定時間循環して該汚染土壌を浸漬洗浄した後、前
記洗浄槽から洗浄済の溶剤を排出して含有する有機物質
を除去して精製する一方、前記洗浄槽内に精製された溶
剤を所定時間循環給排して該汚染土壌を浸漬洗浄するこ
とを特徴としている。
【0019】請求項11の発明の汚染土壌の浄化方法で
は、前記溶剤により前記汚染土壌から有機物質を分離し
た後、前記洗浄槽内に洗浄剤を所定時間循環して該汚染
土壌を浸漬洗浄した後、前記洗浄槽から洗浄済の洗浄剤
を排出して含有する無機物質を除去して精製する一方、
前記洗浄槽内に精製された洗浄液を所定時間循環給排し
て該汚染土壌を浸漬洗浄することを特徴としている。
【0020】請求項12の発明の汚染土壌の浄化方法で
は、前記汚染土壌を洗浄槽内に投入し、該洗浄槽に前記
溶剤として親水性溶剤を供給して前記汚染土壌に含有す
る有機物質を分離した後、前記洗浄槽に前記洗浄液とし
て水またはアルカリ液または酸性液を供給して前記汚染
土壌に含有する無機物質を分離することを特徴としてい
る。
【0021】請求項13の発明の汚染土壌の浄化方法で
は、前記汚染土壌を洗浄槽内に投入し、前記溶剤または
前記洗浄液を前記洗浄槽の下部から供給してろ過フィル
タを浸水させた後、前記溶剤または前記洗浄液を該洗浄
槽の上部から供給して下部から排出することを特徴とし
ている。
【0022】請求項14の発明の汚染土壌の浄化方法で
は、前記汚染土壌を洗浄槽内に投入し、前記溶剤または
前記洗浄液を前記洗浄槽の下部から供給して上部から排
出することで、該汚染土壌を浸漬洗浄することを特徴と
している。
【0023】請求項15の発明の汚染土壌の浄化方法で
は、前記汚染土壌を洗浄槽内に投入し、前記溶剤または
前記洗浄液を前記洗浄槽の上部から供給して下部から排
出することで該汚染土壌を浸漬洗浄すると共に、所定時
期に前記洗浄槽の下部から供給して上部から排出するこ
とでろ過フィルタを逆洗洗浄することを特徴としてい
る。
【0024】請求項16の発明の汚染土壌の浄化方法
は、汚染土壌を洗浄槽内に投入し、該洗浄槽内に洗浄液
を循環給排することで該洗浄液により前記汚染土壌を浸
漬洗浄し、該汚染土壌に含有する有害な無機物質を分離
することを特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下に説明する
実施の形態に限定されるものではない。
【0026】図1に本発明の第1実施形態に係る汚染土
壌の浄化システムの全体概略、図2に本実施形態の汚染
土壌の浄化システムにおける汚染土壌の洗浄方法を表す
概略、図3に本実施形態の洗浄槽を表す概略を示す。
【0027】本実施形態の汚染土壌の浄化システムにお
いて、図1に示すように、汚染土壌を投入して浄化処理
するための洗浄槽11は可搬式であって、多数の洗浄槽
11を汚染土壌の処理場所に搬送して使用する。タンク
ユニット12は、精製溶剤タンク13と、排出溶剤タン
ク14,15と、洗浄液タンク16とを有している。精
製溶剤タンク13は、汚染土壌に含有する有害な有機物
質(例えば、油、PCB、ダイオキシン等)を抽出する
ための溶剤を貯留するものであって、精製溶剤供給ポン
プ(溶剤供給手段)17を有する供給配管18を介して
各洗浄槽11に連結されている。一方、排出溶剤タンク
15,16は、洗浄槽11内で汚染土壌から抽出した有
機物質を含有する溶剤を貯留するものであって、操作弁
19及び抽出溶剤排出ポンプ(溶剤排出手段)20を有
する排出配管21を介して各洗浄槽11に連結されてい
る。また、供給配管17と排出配管21との間には、操
作弁22及び循環ポンプ23を有する循環配管24が連
結されている。
【0028】従って、操作弁19を開放して操作弁22
を閉止して状態で、精製溶剤ポンプ17を駆動すると、
精製溶剤タンク13内の溶剤を供給配管18を介して各
洗浄槽11に供給することができ、また、抽出溶剤排出
ポンプ19を駆動すると、各洗浄槽11内の抽出溶剤を
排出配管21を介して各排出溶剤タンク14,15に排
出することができる。一方、操作弁19を閉止して操作
弁22を開放した状態で、循環ポンプ23を駆動する
と、洗浄槽11に対して循環配管24により溶剤を循環
給排することができる。
【0029】また、洗浄液タンク16は、汚染土壌に含
有する有害な無機物質(水銀や鉛等の重金属、シアン類
等)を溶解抽出または分解する洗浄液を貯留するもので
あって、洗浄液供給ポンプ(洗浄液供給手段)25を有
する供給配管26を介して各洗浄槽11に連結されてい
る。そして、この各洗浄槽11には操作弁27及び洗浄
液排出ポンプ(洗浄液排出手段)28を有する排出配管
29が連結されている。そして、また、供給配管26と
排出配管29との間には、操作弁30及び循環ポンプ3
1を有する循環配管32が連結されている。
【0030】従って、操作弁27を開放して操作弁30
を閉止した状態で、洗浄液ポンプ25を駆動すると、洗
浄液タンク16内の洗浄液を供給配管26を介して各洗
浄槽11に供給することができ、また、洗浄液排出ポン
プ28を駆動すると、各洗浄槽11内の抽出洗浄液を排
出配管29を介して排出することができる。一方、操作
弁27を閉止して操作弁30を開放した状態で、循環ポ
ンプ31を駆動すると、洗浄槽11に対して循環配管3
2により洗浄液を循環給排することができる。
【0031】なお、排出配管21には抽出溶剤に含まれ
る有害な有機物質の濃度を検出する濃度センサ33が装
着される一方、排出配管29には抽出洗浄液に含まれる
有害な無機物質の濃度を検出する濃度センサ34が装着
されている。この場合、有害な有機物質、無機物質の種
類に応じて高精度な濃度を検出する複数のセンサを配設
することが望ましい。
【0032】また、浄化ユニット35は、洗浄槽11か
ら排出されて排出溶剤タンク14,15に貯留された抽
出溶剤から有機物質を除去して精製する溶剤精製装置3
6と、洗浄槽11から排出された抽出洗浄液から無機物
質を除去して精製する洗浄液精製装置37と、各洗浄槽
11のガスを吸引して有機物質または無機物質が除去さ
れた土壌に対して、残留した溶剤または洗浄液を除去し
て乾燥する乾燥装置38とを有している。
【0033】この溶剤精製装置36は、砂などの粗粒子
を除去するストレーナ39と、油脂を除去するオイルス
トレーナ40と、ボイラ41が連結された蒸留塔42と
から構成されている。そして、排出溶剤タンク14,1
5とストレーナ39とが移送ポンプ43を有する移送配
管44により接続されている。一方、蒸留塔42と精製
溶剤タンク13とが凝縮器45及び返送配管46により
連結されている。また、ストレーナ39、オイルストレ
ーナ40、蒸留塔42には有機物質排出管47を介して
有機物質処理装置48が連結されている。
【0034】従って、移送ポンプ43を駆動して排出溶
剤タンク14,15の抽出溶剤が移送配管44を通して
溶剤精製装置36に送られると、ここで、溶剤から油、
PCB、ダイオキシン等の有機物質が取り除かれ、浄化
された溶剤を凝縮器45を介して返送配管46を通って
精製溶剤タンク13に戻すことができる。一方、溶剤精
製装置36で除去された有機物質は有機物質排出管47
を通して有機物質処理装置48に送られ、ここで無害化
処理することができる。
【0035】洗浄液精製装置37は、砂ろ過塔49と樹
脂吸着塔50とから構成されており、洗浄液の排出配管
29の下流端部が砂ろ過塔49に連結され、樹脂吸着塔
50と洗浄液タンク16とが返送配管51により連結さ
れ、砂ろ過塔49及び樹脂吸着塔50には無機物質排出
管52を介して無機物質処理装置53が連結されてい
る。
【0036】従って、洗浄液排出ポンプ28を駆動して
各洗浄槽11から排出配管29を通して抽出洗浄液が洗
浄液精製装置37に送られると、ここで、洗浄液から水
銀や鉛等の重金属、シアン類等の無機物質が取り除か
れ、浄化された洗浄液を返送配管51を通して洗浄液タ
ンク16に戻すことができる。一方、洗浄液精製装置3
7で除去された無機物質は無機物質排出管52を通して
無機物質処理装置53に送られ、ここで無害化処理する
ことができる。
【0037】また、乾燥装置38は、洗浄槽11から排
出された溶剤(ミスト)を含んだエアを取り込んで含有
するミストを液状体とするノックアウトポット54と、
エアを冷却する熱交換器55と、ブロワ56と、溶剤蒸
気を吸着する活性炭塔57とから構成されている。洗浄
槽11はエア排出配管58を介してノックアウトポット
54に連結され、活性炭塔57はエア供給配管59を介
して洗浄槽11に連結されている。また、ノックアウト
ポット54及び熱交換器55は溶剤返送ポンプ64を有
する返送配管65を介して排出溶剤タンク15に連結さ
れている。
【0038】従って、ブロワ56を作動して洗浄槽11
内のエアを吸引すると、エアはノックアウトポット54
内で含有する溶剤ミストが液状となり、また、熱交換器
55で冷却されて溶剤ミストが液状となり、更に、活性
炭塔57で浄化されて洗浄槽11に供給し、洗浄槽11
内に残留する溶剤を蒸発して土壌から除去することがで
きる。
【0039】なお、ユーティリティユニット60として
ボイラユニット61、冷却ユニット62、コンプレッサ
ユニット63等が設けられている。このボイラユニット
61は洗浄槽11に供給するエアを必要に応じて加熱す
るためのものであり、冷却ユニット62は熱交換器55
で洗浄槽11から排出されたエアを冷却して昇温した冷
却水を冷却するためのものであり、コンプレッサユニッ
ト63は各種のポンプを作動するためのものである。
【0040】ところで、汚染土壌に含まれる油、PC
B、ダイオキシンなどの有害な有機物質を抽出するため
の溶剤と、汚染土壌に含まれる水銀や鉛等の重金属、シ
アン類などの有害な無機物質を溶解抽出または分解洗浄
する洗浄液は、事前に汚染土壌の調査を行うことで、汚
染土壌に含まれる有害物質の含有量や濃度に応じてその
種類を設定する必要がある。
【0041】本実施形態では、図2に示すように、溶剤
として親水性溶剤、例えば、アルコールを使用し、洗浄
液として水、アルカリ液(例えば、NaOH)、酸性液(例
えば、H2SO4)を使用している。具体的には、アルコー
ルを貯留した精製溶剤タンク13を設ける一方、水を貯
留する水タンク16a、アルカリ液を貯留したアルカリ
液タンク16b、酸性液を貯留した酸性液タンク16c
を設けている。
【0042】また、洗浄槽11の具体的な構造につい
て、図3に示すように、上方が開口した槽本体71と蓋
72とから構成され、上部及び下部に供給口73,74
が形成されると共に、下部に排出口75が形成されてい
る。また、槽本体71の内部には下方に位置して格子状
の支持部76が一体に形成され、この支持部76上にろ
過フィルタ77が敷設されている。そして、供給配管1
8が分岐して操作弁78,79を介して上下の供給口7
3,74に連結される一方、排出口75に排出配管21
が連結されている。なお、ここでは、溶剤の給排設備に
ついて説明したが、洗浄剤の給排設備も同様の構成とな
っている。
【0043】ここで、上述した本実施形態の汚染土壌の
浄化システムによる浄化処理方法について説明する。こ
の場合、事前に土壌の浄化処理を行う現地の汚染状態を
事前に調査し、必要な機材や処理剤等を準備し、現地に
各種の装置を搬送して組み立てて浄化設備を設置する。
なお、処理現場の広さや浄化処理する汚染土壌の処理量
などに応じて洗浄槽11の設置数を設定する。
【0044】そして、汚染土壌を浄化処理するための設
備が設置されると、図1に示すように、まず、パワーシ
ョベル等を用いて各洗浄槽11内に汚染土壌を所定量投
入して密閉する。この状態で、次に、精製溶剤ポンプ1
7により精製溶剤タンク13の溶剤(アルコール)を供
給配管18を介して各洗浄槽11に供給する。この場
合、図3に示すように、操作弁78を閉じて操作弁79
を開放し、下部供給口74から溶剤を洗浄槽11内に供
給してろ過フィルタ77を浸水させ、ここで、操作弁7
9を閉じて操作弁78を開放し、上部供給口73から溶
剤を洗浄槽11内に供給して汚染土壌を浸漬させること
で、ろ過フィルタ77の目詰まりを抑制することができ
る。そして、操作弁19を閉止して操作弁22を開放
し、循環ポンプ23により循環配管24を介して溶剤を
洗浄槽11に循環給排する。この溶剤の循環給排を所定
時間行うことで、汚染土壌に含有する有機物質、つま
り、油、PCB、ダイオキシンを抽出することができ
る。
【0045】溶剤を洗浄槽11に所定時間(例えば、3
〜4時間)循環給排して汚染土壌に含有する油、PC
B、ダイオキシンが抽出されると、操作弁22を閉じて
操作弁19を開放し、抽出溶剤排出ポンプ19を作動し
て排出配管21を介して各洗浄槽11内の抽出溶剤を排
出溶剤タンク14,15に排出する。そして、再び、精
製溶剤タンク13の新しい溶剤を洗浄槽11に供給して
循環し、前述と同様に、この溶剤の循環給排を所定時間
行うことで有機物質を抽出する。この作業を数サイクル
行いながら、排出された溶剤における油、PCB、ダイ
オキシンの濃度を濃度センサ33により計測する。そし
て、この濃度センサ33の計測値が予め設定された所定
値以下になったら、洗浄槽11の土壌に含有する有機物
質の残留量が公定法で定められた基準値以下になったも
のとし、溶剤の循環給排を停止して洗浄槽11内の溶剤
を全て排出溶剤タンク14,15に排出して作業を終了
する。
【0046】そして、ブロワ56を作動して洗浄槽11
内のガスを吸引することで、洗浄槽11内の土壌に残留
する溶剤を蒸発してエアと共に排出してこの土壌を乾燥
させる。そして、排出されたエアをノックアウトポット
54内で隔壁に衝突させることで溶剤のミストを液状と
し、また、熱交換器55で冷却することで溶剤ミストを
液状とし、更に、エアに含有する気体状の溶剤を活性炭
塔57で吸着する。そして、ノックアウトポット54及
び熱交換器55で除去した残留溶剤を溶剤返送ポンプ6
4により返送配管65介して排出溶剤タンク15に戻
す。
【0047】このように洗浄槽11内の汚染土壌から有
害な有機物質が除去されたら、続いて、洗浄液ポンプ2
5により洗浄液タンク16(水タンク16a)内の洗浄
液(水)を供給配管26を介して各洗浄槽11に供給
し、前述した溶剤による有機物質の抽出方法と同様の方
法で、洗浄槽11内の汚染土壌を水により浸漬させる。
そして、循環ポンプ31により循環配管32を介して水
を洗浄槽11に循環給排することで、汚染土壌に含有す
る無機物質としてのフェリシアン化カリウムを溶解す
る。そして、水を洗浄槽11に所定時間循環給排する
と、この水の循環を停止して洗浄剤排出ポンプ28によ
り各洗浄槽11内の抽出水を洗浄液精製装置37に排出
する。そして、再び、水タンク16aの新しい水を洗浄
槽11に供給して循環し、この水の循環給排を所定時間
行うことでフェリシアン化カリウムを抽出する。この作
業を数サイクル行いながら、排出された水におけるフェ
リシアン化カリウムの濃度を濃度センサ34により計測
する。そして、この濃度センサ334の計測値が予め設
定された所定値以下になったら、洗浄槽11の土壌に含
有するフェリシアン化カリウムの残留量が公定法で定め
られた基準値以下になったものとし、水の循環給排を停
止して洗浄槽11内の水を全て排出して作業を終了す
る。
【0048】そして、水による汚染土壌の浄化処理が完
了したら、同様に、アルカリ液を洗浄槽11に所定時間
循環給排してこの処理を数サイクル行うことで、汚染土
壌に含まれるシアン類を除去する。更に、酸性液を洗浄
槽11に所定時間循環給排してこの処理を数サイクル行
うことで、汚染土壌に含まれる塩化鉛を除去する。
【0049】一方、排出溶剤タンク14,15の抽出溶
剤(アルコール)を移送ポンプ43により移送配管44
を介して溶剤精製装置36に送り、ここで溶剤から油、
PCB、ダイオキシン等の有機物質を除去し、浄化され
た溶剤を精製溶剤タンク13に戻す。一方、溶剤精製装
置36で除去された有機物質は有機物質排出管47を通
して有機物質処理装置48に送られ、ここで無害化処理
する。この場合、油は焼却処理し、PCBは水熱分解処
理する。また、洗浄液精製装置37では、洗浄液(水、
アルカリ液、酸性液)から無機物質(フェリシアン化カ
リウム、シアン類、塩化鉛)を取り除き、浄化された洗
浄液を洗浄液タンク16に戻す。一方、洗浄液精製装置
37で除去された無機物質は無機物質排出管52を通し
て無機物質処理装置53に送られ、ここで無害化処理す
る。
【0050】その後、必要に応じてブロワ56を作動し
て洗浄槽11内のガスを吸引排出することで、洗浄槽1
1内の土壌に残留する水分を蒸発して乾燥させる。
【0051】上述した処理により洗浄槽11内で汚染土
壌から有害な有機物質及び無機物質を分離除去される
と、洗浄槽11から浄化土壌を排出し、自然界に戻して
再利用可能とする。
【0052】このように本実施形態の汚染土壌の浄化シ
ステムにあっては、複数の洗浄槽11に精製溶剤タンク
13と洗浄液タンク16とをポンプ17,25を介して
連結し、各洗浄槽11内に投入された汚染土壌に対し
て、まず、精製溶剤タンク13の溶剤を供給して所定時
間浸漬させることで、汚染土壌に含有する有機物質(例
えば、油、PCB、ダイオキシン等)を分離し、次に、
洗浄槽11内の溶剤を排出してから、洗浄液タンク16
の洗浄液を供給して所定時間浸漬させることで、汚染土
壌に含有する無機物質(水銀や鉛等の重金属、シアン類
等)を分離するようにしている。
【0053】従って、洗浄槽11の汚染土壌を溶剤によ
り浸漬して含有する有機物質を分離すると共に、洗浄液
により浸漬して含有する無機物質を分離しており、汚染
土壌と溶剤、また、汚染土壌と洗浄液とを混合攪拌せず
に分離することで、土の微粒化により分離処理に長時間
を要することがなく、また、フィルタが目詰まりするこ
ともなく、汚染土壌の浄化処理を短期間で適正に行うこ
とができる。
【0054】また、先にアルコールなどの親水性溶剤に
より汚染土壌の有機物質を抽出除去することで、汚染土
壌に対して水、アルカリ液、酸性液などの洗浄剤の浸透
性が向上し、洗浄液による無機物質の分離を短時間で確
実に行うことができ、その結果、汚染土壌に含有する
油、PCB、ダイオキシン等の有機物質、並びに水銀や
鉛等の重金属、シアン類などの無機物質など、複数の有
害物質を同時に取り除くことができ、大量の複合汚染土
壌を適正に効率よく浄化処理することができる。
【0055】なお、上述の実施形態では、溶剤として親
水性溶剤(例えば、アルコール)を使用し、洗浄液とし
て水、アルカリ液(例えば、NaOH)、酸性液(例えば、
H2SO4)を使用して説明したが、本発明はこの組み合わ
せに限定されるものではない。
【0056】即ち、親水性溶剤としてアルコールの他、
ケトン等を用いることができ、溶剤として親水性溶剤の
他、疎水性溶剤として炭化水素類、芳香族等を用いるこ
とができる。また、この親水性溶剤(アルコール、ケト
ン等)と疎水性溶剤(炭化水素類、芳香族等)とを用
い、含水状態にある汚染土壌中の水分を親水性溶剤で脱
水した後、有機物質に対して抽出・溶解能力の高い疎水
性溶剤により汚染土壌に含有する有害の有機物質を抽出
除去し、洗浄剤により無機物質を溶解・分解して除去す
るようにしてもよい。また、この場合、親水性溶剤と疎
水性溶剤を混合した混合溶剤を用いることで、処理時間
を短縮することができる。
【0057】また、上述した洗浄槽11並びに溶剤、洗
浄液の給排、循環方法も、上述した実施形態に限定され
るものではない。図4に本発明の第2実施形態に係る汚
染土壌の浄化システムにおける洗浄槽の概略、図5に本
発明の第3実施形態に係る汚染土壌の浄化システムにお
ける洗浄槽の概略を示す。なお、前述した実施形態で説
明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を
付して重複する説明は省略する。
【0058】第2実施形態において、図4に示すよう
に、洗浄槽81は、上方が開口した槽本体82と蓋83
とから構成され、下部に供給口84が形成されると共
に、上部に排出口85が形成されている。また、槽本体
81内部には下方に位置して格子状の支持部86が一体
に形成され、この支持部86上にろ過フィルタ87が敷
設されている。そして、供給口84に供給配管18が連
結されると共にこの供給配管18に排出配管21が連結
されている。一方、排出口85に操作弁88を有するオ
ーバーフロー管89が連結され、このオーバーフロー管
89は一時貯留タンク90に連結されている。そして、
この一時貯留タンク90と供給配管18との間には操作
弁91及び供給ポンプ92を有する循環配管93が連結
されている。
【0059】従って、精製溶剤ポンプ17を駆動して溶
剤を供給配管18を介して供給口84から洗浄槽11の
下部に供給すると、洗浄槽11内に供給された溶剤がろ
過フィルタ77を浸水させてから汚染土壌を浸漬する。
そして、オーバーフローした溶剤は排出口85からオー
バーフロー管89を通って一時貯留タンク90に貯留さ
れる。ここで精製溶剤ポンプ17を停止し、操作弁91
を開放すると共に供給ポンプ92を駆動すると、一時貯
留タンク90に貯留された溶剤が循環配管93を通って
供給口84から洗浄槽11に送られ、循環給排が開始す
る。この溶剤の循環給排を所定時間行うことで、汚染土
壌に含有する有機物質を抽出することができる。なお、
洗浄槽11内の溶剤を全て排出するには、操作弁19を
開放して排出ポンプ20を駆動することで、供給配管1
8を用いて洗浄槽11内の溶剤を排出すればよい。ま
た、ここでは溶剤の給排設備について説明したが、洗浄
剤の給排設備も同様の構成となっている。
【0060】第3実施形態において、図5に示すよう
に、洗浄槽101は、上方が開口した槽本体102と蓋103と
から構成され、内部が複数の鉛直な仕切り壁104,105,
106により4つの投入槽A,B,C,Dが直列に形成さ
れている。この場合、仕切り壁105は槽102と同様の高さ
を有しているが、仕切り壁104,106はそれより低く形成
され、溶剤が隣接する投入槽へオーバーフロー可能とな
っている。そして、一方の下部には投入層Aに連通する
供給口107が形成され、他方の下部に投入槽Dに連通す
る排出口108が形成されている。また、各投入槽A〜D
には下方に位置して格子状の支持部109が一体に形成さ
れ、この支持部109上にろ過フィルタ110が敷設されてい
る。そして、供給口107に供給ポンプ17を有する供給
配管18が連結されると共に、排出口108に操作弁19
及び排出ポンプ20を有する排出配管21が連結され、
投入槽BとCの下部には連通口111が設けられている。
【0061】従って、精製溶剤ポンプ17により溶剤を
供給配管18を介して供給口107から洗浄槽101の投入層
Aに供給すると、投入層A内に供給された溶剤がろ過フ
ィルタ110を浸水させてから汚染土壌を浸漬する。そし
て、仕切り壁104をオーバーフローした溶剤は投入槽B
に上方から供給され、汚染土壌を浸漬する。更に、投入
槽B内の溶剤は連通口111を通って投入槽Cの下部に供
給され、溶剤がろ過フィルタ110を浸水させてから汚染
土壌を浸漬する。そして、仕切り壁106をオーバーフロ
ーした溶剤は投入槽Dに上方から供給され、汚染土壌を
浸漬し、操作弁19を開放することで排出口108から排
出配管21に排出される。この溶剤を洗浄槽101の各投
入槽A,B,C,Dに循環させることで、汚染土壌に含
有する有機物質を抽出することができる。また、投入槽
A,Cのろ過フィルタ110に対して下方から溶剤を供給
することで、ろ過フィルタ110を逆洗洗浄することがで
きる。そして、各ポンプ17,20の駆動により溶剤を
洗浄槽101の投入層DからAに供給することで、投入槽
B,Dのろ過フィルタ110を逆洗洗浄することができ
る。なお、ここでは溶剤の給排設備について説明した
が、洗浄剤の給排設備も同様の構成となっている。
【0062】
【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明した
ように請求項1の発明の汚染土壌の浄化装置によれば、
汚染土壌を投入する洗浄槽と、汚染土壌に含有する有害
な有機物質を分離する溶剤を洗浄槽に供給する溶剤供給
手段と、汚染土壌に含有する有害な無機物質を分離する
洗浄液を洗浄槽に供給する洗浄液供給手段と、洗浄槽内
の溶剤または洗浄液を排出する排出手段とを設けたの
で、洗浄槽の汚染土壌を溶剤により浸漬して含有する有
機物質を分離すると共に、洗浄液により浸漬して含有す
る無機物質を分離することとなり、汚染土壌と溶剤、ま
た、汚染土壌と洗浄液とを混合攪拌せずに分離すること
で、土の微粒化により分離処理に長時間を要することが
なく、また、フィルタが目詰まりすることもなく、汚染
土壌の浄化処理を短期間で適正に行うことができ、その
結果、大量の複合汚染土壌を適正に効率よく浄化処理す
ることで浄化処理効率を向上することができる。
【0063】請求項2の発明の汚染土壌の浄化装置によ
れば、溶剤を親水性溶剤としたので、汚染土壌に含有す
る有害な有機物質を短時間で確実に分離することができ
る。
【0064】請求項3の発明の汚染土壌の浄化装置によ
れば、洗浄液を水としたので、安価な材料で水溶性の有
害な無機物質を適正に分離することができ、処理コスト
を低減することができる。
【0065】請求項4の発明の汚染土壌の浄化装置によ
れば、洗浄液をアルカリ液としたので、アルカリ溶解性
または分解性の無機物質を適正に分離することができ
る。
【0066】請求項5の発明の汚染土壌の浄化装置によ
れば、洗浄液を酸性液としたので、酸溶解性または分解
性の無機物質を適正に分離することができる。
【0067】請求項6の発明の汚染土壌の浄化装置によ
れば、溶剤を親水性溶剤及び疎水性溶剤としたので、親
水性溶剤により汚染土壌中の水分を脱水した後、疎水性
溶剤により汚染土壌に含有する有害な有機物質を適正に
分離することができる。
【0068】請求項7の発明の汚染土壌の浄化装置によ
れば、洗浄槽から排出された溶剤から有機物質を除去し
て精製する溶剤精製手段と、洗浄槽から排出された洗浄
液から無機物質を除去して精製する洗浄液精製手段とを
設けたので、溶剤及び洗浄液を精製することで再利用を
図ることができ、浄化処理コストを低減することができ
る。
【0069】請求項8の発明の汚染土壌の浄化装置によ
れば、洗浄槽内のガスを吸引して有機物質及び無機物質
が分離された土壌に残留した溶剤または洗浄液を除去す
る乾燥手段を設けたので、汚染土壌から有害な有機物質
及び無機物質を除去した後、乾燥手段により残留した溶
剤及び洗浄液を除去することとなり、汚染土壌を適正に
浄化処理することができる。
【0070】また、請求項9の発明の汚染土壌の浄化方
法によれば、汚染土壌を溶剤により浸漬洗浄して汚染土
壌に含有する有害な有機物質を分離した後、この汚染土
壌を洗浄液により浸漬洗浄して汚染土壌に含有する有害
な無機物質を分離するようにしたので、先に溶剤により
汚染土壌の有機物質を分離することで、汚染土壌に対し
て洗浄剤の浸透性が良くなり、この洗浄液による無機物
質の分離を短時間で確実に行うことができ、その結果、
汚染土壌に含有する有機物質や無機物質など、複数の有
害物質を同時に取り除くことができ、大量の複合汚染土
壌を適正に効率よく浄化処理することができる。
【0071】請求項10の発明の汚染土壌の浄化方法に
よれば、汚染土壌を洗浄槽内に投入し、洗浄槽内に溶剤
を所定時間循環して汚染土壌を浸漬洗浄した後、洗浄槽
から洗浄済の溶剤を排出して含有する有機物質を除去し
て精製する一方、洗浄槽内に精製された溶剤を所定時間
循環給排して汚染土壌を浸漬洗浄するようにしたので、
溶剤を精製しながら洗浄槽に所定時間循環して汚染土壌
を浸漬洗浄することとなり、溶剤の再利用を図って浄化
処理コストを低減することができる。
【0072】請求項11の発明の汚染土壌の浄化方法に
よれば、溶剤により汚染土壌から有機物質を分離した
後、洗浄槽内に洗浄剤を所定時間循環して汚染土壌を浸
漬洗浄した後、洗浄槽から洗浄済の洗浄剤を排出して含
有する無機物質を除去して精製する一方、洗浄槽内に精
製された洗浄液を所定時間循環給排して汚染土壌を浸漬
洗浄するようにしたので、洗浄液を精製しながら洗浄槽
に所定時間循環して汚染土壌を浸漬洗浄することとな
り、洗浄液の再利用を図って浄化処理コストを低減する
ことができる。
【0073】請求項12の発明の汚染土壌の浄化方法に
よれば、汚染土壌を洗浄槽内に投入し、洗浄槽に溶剤と
して親水性溶剤を供給して汚染土壌に含有する有機物質
を分離した後、洗浄槽に洗浄液として水またはアルカリ
液または酸性液を供給して汚染土壌に含有する無機物質
を分離するようにしたので、汚染土壌に含有する有害な
有機物質を親水性溶剤により短時間で確実に分離するこ
とができると共に、水により水溶性の無機物質を適正に
分離し、アルカリ液によりアルカリ溶解性または分解性
の無機物質を適正に分離し、酸性液により酸溶解性また
は分解性の無機物質を適正に分離することができる。
【0074】請求項13の発明の汚染土壌の浄化方法に
よれば、汚染土壌を洗浄槽内に投入し、溶剤または洗浄
液を洗浄槽の下部から供給してろ過フィルタを浸水させ
た後、溶剤または洗浄液を洗浄槽の上部から供給して下
部から排出するようにしたので、事前にろ過フィルタを
浸水させることで、汚染土壌の粒子によるろ過フィルタ
の目詰まりを防止してろ過効率を向上することができ
る。
【0075】請求項14の発明の汚染土壌の浄化方法に
よれば、汚染土壌を洗浄槽内に投入し、溶剤または洗浄
液を洗浄槽の下部から供給して上部から排出することで
汚染土壌を浸漬洗浄するようにしたので、汚染土壌によ
るろ過フィルタの目詰まりを防止してろ過効率を向上す
ることができる。
【0076】請求項15の発明の汚染土壌の浄化方法に
よれば、汚染土壌を洗浄槽内に投入し、溶剤または洗浄
液を洗浄槽の上部から供給して下部から排出することで
汚染土壌を浸漬洗浄すると共に、所定時期に洗浄槽の下
部から供給して上部から排出することでろ過フィルタを
逆洗洗浄するようにしたので、汚染土壌によるろ過フィ
ルタの目詰まりを防止してろ過効率を向上することがで
きる。
【0077】請求項16の発明の汚染土壌の浄化方法に
よれば、汚染土壌を洗浄槽内に投入し、洗浄槽内に洗浄
液を循環給排することで洗浄液により汚染土壌を浸漬洗
浄し、汚染土壌に含有する有害な無機物質を分離するよ
うにしたので、汚染土壌と洗浄液とを混合攪拌せずに分
離することで、土の微粒化により分離処理に長時間を要
することがなく、また、フィルタが目詰まりすることも
なく、汚染土壌の浄化処理を短期間で適正に行うことが
でき、その結果、大量の複合汚染土壌を適正に効率よく
浄化処理することで浄化処理効率を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る汚染土壌の浄化シ
ステムの全体概略図である。
【図2】本実施形態の汚染土壌の浄化システムにおける
汚染土壌の洗浄方法を表す概略図である。
【図3】本実施形態の洗浄槽を表す概略図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る汚染土壌の浄化シ
ステムにおける洗浄槽の概略図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る汚染土壌の浄化シ
ステムにおける洗浄槽の概略図である。
【符号の説明】
11,81,101 洗浄槽 13 精製溶剤タンク 14,15 排出溶剤タンク 16 洗浄液タンク 17 精製溶剤供給ポンプ(溶剤供給手段) 18 供給配管 20 抽出溶剤排出ポンプ(溶剤排出手段) 21 排出配管 23 循環ポンプ 24 循環配管 25 洗浄液供給ポンプ(洗浄液供給手段) 26 供給配管 28 洗浄液排出ポンプ(洗浄液排出手段) 29 排出配管 31 循環ポンプ 32 循環配管 33,34 濃度センサ 35 浄化ユニット 36 溶剤精製装置 37 洗浄液精製装置 38 乾燥装置 77,87,110 ろ過フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栄藤 徹 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 寺倉 誠一 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 4D004 AA41 AB02 AB03 AB06 AB07 CA13 CA15 CA22 CA40 CA41 CA42 CB21 CB44 CC04 CC12

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚染土壌を投入する洗浄槽と、前記汚染
    土壌に含有する有害な有機物質を分離する溶剤を前記洗
    浄槽に供給する溶剤供給手段と、前記汚染土壌に含有す
    る有害な無機物質を分離する洗浄液を前記洗浄槽に供給
    する洗浄液供給手段と、前記洗浄槽内の前記溶剤または
    前記洗浄液を排出する排出手段とを具えたことを特徴と
    する汚染土壌の浄化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の汚染土壌の浄化装置にお
    いて、前記溶剤を親水性溶剤としたことを特徴とする汚
    染土壌の浄化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の汚染土壌の浄化
    装置において、前記洗浄液を水としたことを特徴とする
    汚染土壌の浄化装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の汚染土壌の浄化
    装置において、前記洗浄液をアルカリ液としたことを特
    徴とする汚染土壌の浄化装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の汚染土壌の浄化
    装置において、前記洗浄液を酸性液としたことを特徴と
    する汚染土壌の浄化装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の汚染土壌の浄化装置にお
    いて、前記溶剤を親水性溶剤及び疎水性溶剤としたこと
    を特徴とする汚染土壌の浄化装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の汚染土壌の浄化装置にお
    いて、前記洗浄槽から排出された前記溶剤から前記有機
    物質を除去して精製する溶剤精製手段と、前記洗浄槽か
    ら排出された前記洗浄液から前記無機物質を除去して精
    製する洗浄液精製手段とを設けたことを特徴とする汚染
    土壌の浄化装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の汚染土壌の浄化装置にお
    いて、前記洗浄槽内のガスを吸引して前記有機物質及び
    前記無機物質が分離された土壌に残留した前記溶剤また
    は前記洗浄液を除去する乾燥手段を設けたことを特徴と
    する汚染土壌の浄化装置。
  9. 【請求項9】 汚染土壌を溶剤により浸漬洗浄して該汚
    染土壌に含有する有害な有機物質を分離した後、該汚染
    土壌を洗浄液により浸漬洗浄して該汚染土壌に含有する
    有害な無機物質を分離することを特徴とする汚染土壌の
    浄化方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の汚染土壌の浄化方法に
    おいて、前記汚染土壌を洗浄槽内に投入し、該洗浄槽内
    に溶剤を所定時間循環して該汚染土壌を浸漬洗浄した
    後、前記洗浄槽から洗浄済の溶剤を排出して含有する有
    機物質を除去して精製する一方、前記洗浄槽内に精製さ
    れた溶剤を所定時間循環給排して該汚染土壌を浸漬洗浄
    することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の汚染土壌の浄化方法
    において、前記溶剤により前記汚染土壌から有機物質を
    分離した後、前記洗浄槽内に洗浄剤を所定時間循環して
    該汚染土壌を浸漬洗浄した後、前記洗浄槽から洗浄済の
    洗浄剤を排出して含有する無機物質を除去して精製する
    一方、前記洗浄槽内に精製された洗浄液を所定時間循環
    給排して該汚染土壌を浸漬洗浄することを特徴とする汚
    染土壌の浄化方法。
  12. 【請求項12】 請求項9記載の汚染土壌の浄化方法に
    おいて、前記汚染土壌を洗浄槽内に投入し、該洗浄槽に
    前記溶剤として親水性溶剤を供給して前記汚染土壌に含
    有する有機物質を分離した後、前記洗浄槽に前記洗浄液
    として水またはアルカリ液または酸性液を供給して前記
    汚染土壌に含有する無機物質を分離することを特徴とす
    る汚染土壌の浄化方法。
  13. 【請求項13】 請求項9記載の汚染土壌の浄化方法に
    おいて、前記汚染土壌を洗浄槽内に投入し、前記溶剤ま
    たは前記洗浄液を前記洗浄槽の下部から供給してろ過フ
    ィルタを浸水させた後、前記溶剤または前記洗浄液を該
    洗浄槽の上部から供給して下部から排出することを特徴
    とする汚染土壌の浄化方法。
  14. 【請求項14】 請求項9記載の汚染土壌の浄化方法に
    おいて、前記汚染土壌を洗浄槽内に投入し、前記溶剤ま
    たは前記洗浄液を前記洗浄槽の下部から供給して上部か
    ら排出することで、該汚染土壌を浸漬洗浄することを特
    徴とする汚染土壌の浄化方法。
  15. 【請求項15】 請求項9記載の汚染土壌の浄化方法に
    おいて、前記汚染土壌を洗浄槽内に投入し、前記溶剤ま
    たは前記洗浄液を前記洗浄槽の上部から供給して下部か
    ら排出することで該汚染土壌を浸漬洗浄すると共に、所
    定時期に前記洗浄槽の下部から供給して上部から排出す
    ることでろ過フィルタを逆洗洗浄することを特徴とする
    汚染土壌の浄化方法。
  16. 【請求項16】 汚染土壌を洗浄槽内に投入し、該洗浄
    槽内に洗浄液を循環給排することで該洗浄液により前記
    汚染土壌を浸漬洗浄し、該汚染土壌に含有する有害な無
    機物質を分離することを特徴とする汚染土壌の浄化方
    法。
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