JP2003088803A - ポリイミド被膜組成物の製造方法、ポリイミド被膜組成物、無端ベルト、定着ベルト、電子写真用感光体 - Google Patents

ポリイミド被膜組成物の製造方法、ポリイミド被膜組成物、無端ベルト、定着ベルト、電子写真用感光体

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JP2003088803A
JP2003088803A JP2001282979A JP2001282979A JP2003088803A JP 2003088803 A JP2003088803 A JP 2003088803A JP 2001282979 A JP2001282979 A JP 2001282979A JP 2001282979 A JP2001282979 A JP 2001282979A JP 2003088803 A JP2003088803 A JP 2003088803A
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polyimide
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layer
resin layer
coating composition
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JP2001282979A
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English (en)
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Yuichi Yashiki
雄一 矢敷
Shigeo Ota
茂雄 太田
Masayuki Takei
雅之 武井
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリイミド樹脂層と金属層との密着性を向上
させることができるポリイミド被膜組成物の製造方法、
並びに、それにより得られるポリイミド被膜組成物、無
端ベルト、定着ベルト、及び、電子写真感光体を提供す
ること。 【解決手段】 基体表面にポリイミド前駆体溶液を塗布
して乾燥もしくは半硬化してポリイミド前駆体樹脂層を
形成し、ポリイミド前駆体樹脂層表面に金属層を形成し
た後或いは形成途中に、ポリイミド前駆体樹脂層を加熱
硬化してポリイミド樹脂層を形成するポリイミド被膜組
成物の製造方法、並びに、それにより得られるポリイミ
ド被膜組成物、無端ベルト、定着ベルト、及び、電子写
真感光体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド被膜組
成物の製造方法、ポリイミド被膜組成物、無端ベルト、
定着ベルト、電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真機器の小型化、高性能化、およ
び省電力化のために、定着体の加熱方法として、例えば
特開2000−188177等に記載されているよう
に、電磁誘導発熱方式を採用した機器が新たに開発され
ている。定着体には金属の筒を使用することができる
が、機器の小型化のために、変形可能なプラスチック製
フィルムからなるベルト体が好ましい場合があり、その
場合、膜厚が25〜500μmのポリイミド樹脂の表面
に、発熱体として金属層を形成したものが用いられる。
【0003】プラスチック製フィルムに発熱体として金
属層を形成してベルト体とした場合、ベルトに継ぎ目
(シーム)があると、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥
が生じるので、継ぎ目がない無端ベルトであることが好
ましい。そのため、前記金属層を形成するには、金属箔
を貼り付けたものでは継ぎ目が生じるので、継ぎ目が生
じないようにメッキを施すことが必要である。
【0004】従来、プラスチック製フィルム表面に金属
メッキを施す技術は各種あり、金属メッキが施されたプ
ラスチック製フィルムは種々の用途に利用されている。
例えば、銅メッキを施したポリイミド樹脂フィルムは、
柔軟性配線基板として用いられている。しかし、このポ
リイミド樹脂フィルムは、メッキされた金属との密着性
が良くないことが知られている。
【0005】そこで、密着性を改善するための種々の手
段が提案されている。例えば、樹脂表面を特定の方法で
エッチングする方法(特開平4−72070号公報)、
樹脂表面を放電プラズマ処理する方法(特開平5−25
1511号公報)、樹脂表面を特定の方法で親水化処理
する方法(特開平5−90737号公報)、樹脂表面に
金属層をスパッタリングにより形成する方法(特開平5
−251844号公報)、メッキ用の接着剤を使用する
方法(特開平9−208911号公報)、ポリイミド前
駆体被膜の表面にカップリング剤処理をしてから熱処理
をする方法(特開2000−204178)等が提案さ
れている。
【0006】しかし、上記の処理方法では、ポリイミド
樹脂被膜上に金属メッキ金属層を形成することができて
も、例えば、定着ベルトとして使用すると、繰り返し屈
曲される上に、加熱および冷却が繰り返されるため、密
着性が不十分であったり、徐々に低下する問題があっ
た。また、製造工程が煩雑化し、コストがかかる問題も
あった。
【0007】一方、ポリイミド樹脂被膜の作製方法は一
般に、ポリイミド樹脂の前駆体の溶液を基体上に塗布
し、溶剤を乾燥させ、必要に応じて半硬化状態にした
後、硬化させている。ポリイミド樹脂被膜を無端ベルト
状に形成するには、基体として円柱または円筒状の芯体
を用い、ポリイミド樹脂被膜を硬化させた後に取り外し
て作製する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、前
記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成する
ことを課題とする。即ち、本発明の目的は、ポリイミド
樹脂層と金属層との密着性を向上させることができるポ
リイミド被膜組成物の製造方法、並びに、それにより得
られるポリイミド被膜組成物、無端ベルト、定着ベル
ト、及び、電子写真感光体を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者等は、上記課題を
解決すべく、金属層を形成する前の前駆体樹脂層を乾燥
または半硬化の状態として、種々の手段で金属層を形成
し、さらに加熱硬化させると、形成された金属層の密着
性を大きく向上させることができることを見出し、本発
明に想到した。すなわち、本発明は、
【0010】<1>基体表面にポリイミド前駆体溶液を
塗布して乾燥もしくは半硬化してポリイミド前駆体樹脂
層を形成し、前記ポリイミド前駆体樹脂層表面に金属層
を形成した後、前記ポリイミド前駆体樹脂層を加熱硬化
してポリイミド樹脂層を形成することを特徴とするポリ
イミド被膜組成物の製造方法である。
【0011】<2>前記金属層として、触媒金属層と、
無電解メッキ金属層と、電解メッキ金属層と、を順次形
成することを特徴とする前記<1>に記載のポリイミド
被膜組成物の製造方法である。
【0012】<3>前記金属層として、析出金属層と、
電解メッキ金属層とを、順次形成することを特徴とする
前記<1>に記載のポリイミド被膜組成物の製造方法で
ある。
【0013】<4>基体表面にポリイミド前駆体溶液を
塗布して乾燥もしくは半硬化してポリイミド前駆体樹脂
層を形成し、前記ポリイミド前駆体樹脂層表面に触媒金
属層を形成した後、前記前駆体樹脂層を加熱硬化して前
記ポリイミド樹脂層を形成し、さらに、前記触媒金属層
表面に無電解メッキ金属層及び電解メッキ金属層を順次
形成することを特徴とするポリイミド被膜組成物の製造
方法である。
【0014】<5>基体表面にポリイミド前駆体溶液を
塗布して乾燥もしくは半硬化してポリイミド前駆体樹脂
層を形成し、前記ポリイミド前駆体樹脂層表面に触媒金
属層を形成し、前記触媒金属層表面に無電解メッキ金属
層を形成した後、前記前駆体樹脂層を加熱硬化して前記
ポリイミド樹脂層を形成し、さらに、前記無電解メッキ
金属層表面に電解メッキ金属層を形成することを特徴と
するポリイミド被膜組成物の製造方法である。
【0015】<6>基体表面にポリイミド前駆体溶液を
塗布して乾燥もしくは半硬化してポリイミド前駆体樹脂
層を形成し、前記ポリイミド前駆体樹脂層表面に析出金
属層を形成した後、前記前駆体樹脂層を加熱硬化して前
記ポリイミド樹脂層を形成し、さらに、前記析出金属層
表面に電解メッキ金属層を形成することを特徴とするポ
リイミド被膜組成物の製造方法である。
【0016】<7>前記析出金属層を、ポリイミド前駆
体樹脂層に金属イオンを含む溶液に接触(例えば浸漬)
させ、さらに還元剤を含む溶液に接触させることで形成
することを特徴とする前記<3>又は<6>に記載のポ
リイミド被膜組成物の製造方法である。
【0017】<8>前記ポリイミド前駆体樹脂層の加熱
硬化を、不活性気体雰囲気中で行うことを特徴とする前
記<1>〜<7>のいずれかに記載のポリイミド被膜組
成物の製造方法である。
【0018】<9>前記ポリイミド前駆体樹脂層の加熱
硬化を、電磁誘導発熱装置を用いて行うことを特徴とす
る前記<1>〜<8>のいずれかに記載のポリイミド被
膜組成物の製造方法である。
【0019】<10>前記基体が、円筒状または円柱状
であることを特徴とする前記<1>〜<9>のいずれか
に記載のポリイミド被膜組成物の製造方法である。
【0020】<11>前記基体から取り外すことを特徴
とする前記<10>に記載のポリイミド被膜組成物の製
造方法。
【0021】<12>前記<1>〜<11>のいずれか
に記載のポリイミド被膜組成物の製造方法により得られ
ることを特徴とするポリイミド被膜組成物。 <13>前記<10>又は<11>に記載のポリイミド
被膜組成物の製造方法により得られることを特徴とする
無端ベルト。 <14>前記<13>に記載の無端ベルト上に、離型性
を有する機能層が設けられてなることを特徴とする定着
ベルト。 <15>前記<13>に記載の無端ベルト上に、下引き
層、電荷キャリア生成層、及び電荷キャリヤ移動層が順
次設けられてなることを特徴とする電子写真用感光体。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を説明する。本発明
のポリイミド被膜組成物の製造方法は、基体表面にポリ
イミド前駆体溶液を塗布して乾燥もしくは半硬化してポ
リイミド前駆体樹脂層を形成し、ポリイミド前駆体樹脂
層表面に金属層を形成した後、ポリイミド前駆体樹脂層
を加熱硬化してポリイミド樹脂層を形成することを特徴
とする。また、乾燥もしくは半硬化されたポリイミド前
駆体樹脂層の加熱硬化は、金属層の形成途中でおこなっ
てもよい。具体的には、金属層として、例えば、触媒金
属層と無電解メッキ金属層と電解メッキ金属層とを順次
形成する、また、詳しくは後述するが触媒金属層の代わ
りに、ポリイミド前駆体樹脂層上に導電性を有する析出
金属層を形成する場合、当該析出金属層上に、無電解メ
ッキ金属層を介することなく、直接電解メッキ金属層を
形成することができ、これらの各層形成後に加熱硬化を
行い、その後残りの金属層を形成してもよい。このよう
に、基体表面にポリイミド前駆体溶液を塗布して乾燥も
しくは半硬化してポリイミド前駆体樹脂層を形成し、金
属層を形成後或いは形成途中で、乾燥もしくは半硬化さ
れたポリイミド前駆体樹脂層を加熱硬化することで、ポ
リイミド樹脂層と金属層との密着性を向上させることが
でき、物理的耐久性を付与させることができる。
【0023】以下、各材料、操作について、図面も参照
しつつ詳細に説明する。まず、ポリイミド前駆体溶液を
基体表面に塗布する方法を説明する。具体的には、図1
(a)に示すように、基体1表面に、ポリイミド前駆体
溶液を塗布し、当該溶液からなる塗布膜2を形成する。
【0024】基体の材質としては、アルミニウム、ステ
ンレス鋼等の金属を用いたり、フッ素樹脂やシリコーン
樹脂、あるいはこれらの樹脂で表面を被覆した金属も用
いることができる。金属を使用する場合、形成したポリ
イミド被膜組成物を取り外しやすいように、予め表面に
クロムやニッケルでメッキを施したり、離型剤を塗布し
てもよい。また、基体の形状としては、ポリイミド被膜
組成物の利用形態に応じて選択することができ、例え
ば、円筒状或いは円柱状が挙げられ、被膜形成後、取り
外すことにより、無端ベルトとして利用することができ
る。なお、基体表面には、既述のようなクロムやニッケ
ルでメッキを施したり、離型剤を塗布することで基体か
らポリイミド被膜組成物を容易に取り外すことができ
る。
【0025】ポリイミド前駆体溶液に使用するポリイミ
ド前駆体としては、ジアミノ化合物とテトラカルボン酸
二無水物とから得られるポリアミック酸等が挙げられ
る。また、ポリイミド前駆体を溶解する溶剤としては、
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の
非プロトン系極性溶剤が挙げられる。
【0026】ポリイミド前駆体含有液は、例えば、芳香
族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン成分とを
有機極性溶媒中で反応させることによって得ることがで
きる。芳香族テトラカルボン酸の代表例としては、次の
ようなものが挙げられる。例えば、ピロメリット酸二無
水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、あるいは
これらのテトラカルボン酸エステル、または上記各テト
ラカルボン酸類の混合物等が挙げられる。一方、芳香族
ジアミン成分としては、特に制限はなく、パラフェニレ
ンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノフェニル
メタン、ベンジジン、3,3’−ジメトキシベンチジ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン等が挙げられる。
【0027】ポリイミド前駆体溶液の基体表面への塗布
量は、所望とする膜厚によるが、200〜1800g/
2とすることが好ましい。200g/cm2未満である
と膜厚不足となることがあり、1800g/m2を超え
ると膜厚過多となることがある。
【0028】ポリイミド前駆体溶液を基体表面に塗布す
る方法は特に制限されず、例えば特開昭57−7413
1号公報に記載の遠心成形塗布法、特開昭62−194
37号公報に記載の内面塗布法、特開平6−23770
号公報に記載の外面塗布法、特開平3−180309号
公報に記載の浸漬塗布法、特開平9−85756号公報
に記載のらせん塗布法等が挙げられるが、後述する特願
平11−314011号公報等に記載の浸漬塗布法を適
用することが好ましい。
【0029】浸漬塗布法は生産性が高いことが特徴であ
るが、通常の方法では塗布膜厚が、塗布液の粘度と引き
上げ速度に支配される。また、ポリイミド前駆体溶液は
濃度が低い割には粘度が非常に高い問題があるので、塗
布後の被膜の濡れ膜厚が厚くなりすぎ、所望の膜厚に塗
布することが難しい。そこで、塗布液に所定の円孔を設
けたフロートを浮かべ、基体をその円孔を通して引き上
げる特願平11−314011号に記載の浸漬塗布法を
適用することが特に好ましい。この浸漬塗布法における
フロートの円孔の大きさ(直径)は所望の膜厚により適
宜調整することがよい。塗布される濡れ膜厚は、円孔と
基体の間隙によって規制され、乾燥膜厚は濡れ膜厚と塗
布液の濃度との積になる。但し、上記間隙は所望の濡れ
膜厚の1〜3倍であるのがよい。1〜3倍とするのは、
塗布液の粘度および/または表面張力、並びに、硬化時
の収縮等により、乾燥膜厚が濡れ膜厚に比例するとは限
らないからである。
【0030】以下、特願平11−314011号公報に
記載の浸漬塗布法について、図2を用いて簡単に説明す
る。図2に示す浸漬塗布法では、塗布槽12はポリイミ
ド前駆体溶液19により満たされており、フロート17
がその上部に浮遊している。フロート17には上部に円
孔18が設けられている。フロート17の円孔18は、
基体11の浸漬方向側の孔径よりも引上げ方向側の孔径
が小さくなっている。
【0031】塗布する際は、まずフロート17の円孔1
8を通して基体(芯体)11を塗布液19に浸漬する。
次いで基体11を引き上げると、塗布液19は基体11
と共に引き上げられ、基体11と円孔18の間を通過す
る塗布液19に摩擦抵抗が働く。この時、フロート17
は浮遊しているのでわずかな力で動くことができ、周方
向で摩擦抵抗が一定、すなわち基体11との間隙が一定
になる位置に常に保たれる。従って、ある部分で基体1
1との間隙が狭まろうとした場合でも、その部分では摩
擦抵抗が大きくなり、その反対側で摩擦抵抗は小さくな
るので、フロート17は基体11との間隙が一定になる
ように動き、基体11と接触することはない。この作用
は基体11に曲がりや振れがあった場合、あるいは塗布
装置の精度むらによって基体11が鉛直に引き上げられ
ない場合でも働き、フロート17は基体11の引き上げ
方向に追随して動く。そのため、円孔18を通過して形
成された塗膜10の膜厚は一定になる。このようにし
て、塗布膜厚は粘度と引き上げ速度には支配されず、上
記間隙にのみ支配される。
【0032】塗布後、塗膜10の溶剤は乾燥或いは半硬
化されるが、ポリイミド前駆体に用いられる前述の非プ
ロトン系極性溶剤は蒸発速度が遅いので、乾燥時に塗膜
が下方に垂れることがある。その場合には、基体11の
長手方向を水平にして中心軸を回転しながら乾燥させて
もよい。また、非プロトン系極性溶剤とは相溶し、ポリ
イミド前駆体は溶解しない特定溶剤(例えば、水やアル
コール等)に塗布膜10を接触(例えば、浸漬)させ
て、非プロトン系極性溶剤を特定溶剤に溶出させて、塗
膜10の乾燥を促進することもできる。
【0033】所望の膜厚を得るために、塗布液19の固
形分濃度(ポリイミド前駆体の濃度)は15〜50質量
%、粘度は0.2〜100Pa・s、塗布時の引き上げ
速度は0.2〜2m/minとすることが好ましい。
【0034】次に、ポリイミド前駆体溶液を塗布後、乾
燥或いは半硬化する方法について説明する。具体的に
は、図1(b)に示すように、塗布膜2を乾燥もしくは
半硬化させて、ポリイミド前駆体樹脂層3を形成する。
【0035】ここで、「乾燥」とは、前駆体含有溶液の
溶剤が蒸発する温度で加熱することをいい、具体的に
は、使用する溶剤の沸点付近で加熱することをいう。実
際的には、50〜150℃程度(好ましくは、55〜1
45℃)で適宜時間を設定して乾燥がなされる。また、
「半硬化」とは、ポリイミド前駆体の硬化反応が完全に
進行しない程度の硬化状態をいい、一部がイミド化した
状態をいう。実際的には、200℃前後(好ましくは、
120℃〜25℃、より好ましくは150〜250℃)
で適宜時間を設定すると、やや強度が増し、ポリイミド
前駆体樹脂層が半硬化状態となる。これら、乾燥もしく
は半硬化は、ポリイミド前駆体や溶剤種によって適宜選
択して行われる。
【0036】ポリイミド前駆体樹脂層は、金属層形成前
に、予め、それを溶解する溶剤で膨潤、または表面のみ
の溶解処理をすることが好ましい。また、塗布膜の表面
を、酸/アルカリ、酸化剤/還元剤等の水溶液で化学処
理してもよい。さらに、前記溶剤にポリイミド前駆体樹
脂層を溶解する非プロトン系極性溶剤を添加してもよ
い。非プロトン系極性溶剤は水溶性なので、処理液(前
記溶剤)に混合することは可能である。
【0037】次に、ポリイミド前駆体樹脂層表面に、金
属層を形成する方法を説明する。具体的には、図1
(c)に示すように、乾燥もしくは半硬化した状態のポ
リイミド前駆体樹脂層3の表面に金属層を形成する。
【0038】金属層として、上述したが、触媒金属層と
無電解メッキ金属層と電解メッキ金属層とを順次形成す
る、また、触媒金属層の代わりに導電性を有する析出金
属層を形成する場合、当該析出金属層と電解メッキ金属
層とを順次形成することが好適である。
【0039】触媒金属層は、触媒金属を析出させて形成
することができ、具体的な方法としてはセンシタイズと
アクチベートと等がある。センシタイズは塩化第一錫と
塩酸とによって行われるのが代表的であり、アクチベー
トは塩化パラジウムと塩酸とによって行われるのが代表
的である。錫イオンの残存は後に形成する無電解メッキ
金属層の密着性を阻害するので、酸処理によって除去し
たり、センシタイズとアクチベートとを1液キャタリス
トとして処理し、アクセレーター溶液にて除去すること
が好ましい。触媒金属層を形成することによって、当該
層中の触媒金属が無電解メッキ金属層形成の核となる。
【0040】無電解メッキ金属層や電解メッキ金属層を
構成する金属としては、銅、ニッケル、クロム、コバル
ト、鉄、金、銀、錫、亜鉛等が挙げられ、それらの混合
物(合金)であってもよい。無電解メッキされる金属と
電解メッキされる金属とは、同種であっても異種であっ
てもよい。なお、上述のように、触媒金属層が、導電性
を有する場合、無電解メッキ金属層は除くことができ、
直接、触媒金属層表面に電解メッキを施し電解メッキ金
属層を形成することができる。
【0041】無電解メッキ金属層は、無電解メッキによ
り金属イオンをホルマリン等の還元剤によって還元析出
させることによって形成することができる。金属が銅の
場合、特開平4−72070号公報や特開平4−186
891号公報等に記載の方法を好適に適用することがで
きる。無電解メッキにより形成される金属層の厚さは
0.1〜1μmであることが好ましく、0.1〜0.5
μmであることがより好ましい。
【0042】電解メッキ金属層は、無電解メッキ金属層
が一般に電解メッキ金属層よりも電気抵抗が高いため、
金属層に電流を流す必要がある場合に設けられる。この
場合、無電解メッキ金属層は電極として作用し、一般的
な方法で電解メッキを施すことによって、電解メッキ金
属層が形成される。
【0043】電解メッキ金属層の厚さは、用いる金属や
用途によるため一概にはいえないが、例えば、柔軟性配
線基板をして使用する場合で、銅からなる電解メッキ金
属層を形成するときは5〜50μmとすることが好まし
い。また、電磁誘導発熱体として使用する場合で、銅か
らなる電解メッキ金属層を形成するときは3〜20μm
とすることが好ましく、ニッケルのときは8〜60μm
とすることが好ましく、鉄のときは10〜100μmと
することが好ましい。さらに、柔軟性の電子写真感光体
(OPC感光体)として使用する場合では、0.5〜5
μmとすることが好ましい。
【0044】析出金属層は、ポリイミド前駆体樹脂層表
面に、金属イオンを含む溶液中に接触(例えば浸漬)さ
せ、さらに還元剤を含む溶液に接触(例えば浸漬)させ
ることで形成することが好適である。これは、塗布膜
(ポリイミド前駆体樹脂層)を金属イオンを含む溶液に
浸漬するとこで、塗布膜中に金属イオンが吸収され、さ
らに、金属イオンが含まれた塗布膜を、還元剤を含む溶
液に浸漬することで、金属イオンが還元され、塗布膜表
面に析出し、析出金属層が形成される。このように形成
された析出金属層は、導電性を有するため、無電解メッ
キ金属層を形成することなく、直接、析出金属層表面
に、電解メッキ金属層を形成することができる。なお、
金属イオンを含む溶液は、溶剤として水やアルコールを
用いることで、上述した特定溶剤の役割を担わせること
もできる。ここで、金属イオンとしては、銅イオン、ニ
ッケルイオン、亜鉛イオン等が挙げられ、これらの中で
も、銅イオン、ニッケルイオンが好ましい。即ち、析出
金属層としては、銅やニッケルを主成分とした金属層で
あることが好ましい。なお、上記触媒金属層も、同様の
金属層であることが好ましい。また、還元剤としては、
NaBH4、HCHO等が挙げられ、これらの中でも、
NaBH4が好ましい。なお、析出金属層の形成におい
て、金属イオンを含む溶液中に接触(例えば浸漬)させ
るのは、塗膜の乾燥若しくは半硬化前でも後でもよい。
また、還元剤を含む溶液に接触(例えば浸漬)させるの
は、塗膜の乾燥若しくは半硬化前又は後でもよい。即
ち、析出金属層は、ポリイミド前駆体塗膜の乾燥若しく
は半硬化前に形成することもできる。ポリイミド前駆体
塗膜の乾燥若しくは半硬化前に析出金属層を形成する場
合、基体表面にポリイミド前駆体溶液を塗布してポリイ
ミド前駆体塗膜を形成し、当該ポリイミド前駆体塗膜表
面に析出金属層を形成し、乾燥もしくは半硬化してポリ
イミド前駆体樹脂層を形成して、前記析出金属層表面に
電解メッキ金属層を形成した後、前記ポリイミド前駆体
樹脂層を加熱硬化してポリイミド樹脂層を形成すること
もできるし、基体表面にポリイミド前駆体溶液を塗布し
てポリイミド前駆体塗膜を形成し、当該ポリイミド前駆
体塗膜表面に析出金属層を形成し、乾燥もしくは半硬化
してポリイミド前駆体樹脂層を形成して、前記ポリイミ
ド前駆体樹脂層を加熱硬化してポリイミド樹脂層を形成
した後、さらに前記析出金属層表面に電解メッキ金属層
を形成することもできる。
【0045】金属層(触媒金属層や、析出金属層、無電
解メッキ金属層、電解メッキ金属層)の総厚さは、10
μm以下とすることが好ましい。ポリイミド前駆体樹脂
総を加熱硬化させてポリイミド樹脂層を形成する際、被
膜が10%前後収縮するので、厚さが10μmを超える
と、しわを生じる場合があるため、10μm以下とする
ことで、しわの問題が生じることがほとんどない。
【0046】金属層形成の際には、膜厚のむらが生じな
いように基体を回転させながら行うことが好ましい。さ
らに、上記電解メッキ時の電極は、基体を取り囲むよう
に円筒形であることが好ましい。
【0047】次に、ポリイミド前駆体樹脂層を加熱硬化
してポリイミド樹脂層を形成する方法について説明す
る。具体的には、図1(d)に示すように、金属層4を
形成した後或いは形成途中に、乾燥もしくは半硬化状態
でのポリイミド前駆体樹脂層3を加熱により完全に硬化
させ、ポリイミド樹脂層5を形成する。
【0048】加熱硬化は、金属層を形成した後或いは形
成途中に行われるが、金属層を形成した後とは、ポリイ
ミド被膜組成物の用途に応じて様々な層を形成した後或
いは複数層設ける場合は、各々の層形成後に加熱硬化す
ることも含む意味である。
【0049】加熱硬化は、350〜450℃程度(好ま
しくは、360〜440℃)に加熱することにより行わ
れることが好ましく、これによりポリイミド前駆体樹脂
層は完全に硬化されポリイミド樹脂層を形成することが
できる。完全に硬化させる際には、ポリイミド前駆体樹
脂層表面に形成された金属層を構成する金属の一部がポ
リイミド前駆体樹脂層に入り込み、金属を取りこんだ状
態で前駆体樹脂層3中の前駆体が脱水縮合反応を起こ
し、硬化すると考えられる。このため、金属層と硬化し
て形成されるポリイミド樹脂層との密着性が非常に高く
なる。
【0050】加熱硬化は、金属層を構成する金属(触媒
金属層やメッキ金属)が酸化または変質する場合には、
窒素やアルゴン等の不活性気体中で加熱することが好ま
しい。一方、加熱硬化を加熱炉中にて行う場合、加熱炉
の室内全体を高温度に維持しなければならず、熱効率が
低い問題がある。そのような場合には、加熱硬化を電磁
誘導発熱装置を用いて行うことが好ましい。この装置で
は、発熱は基体の金属、またはメッキされた金属層で起
こる。その際、表面温度をセンサー等で検知し、所定温
度になるよう、発熱量を制御すればよい。電磁誘導発熱
方式では、基体を入れる加熱容器は小さくてよいので、
上記不活性ガスを投入する場合でも、不活性ガス投入量
は少なく済む利点もある。この電磁誘導発熱装置を用い
ての加熱硬化の際には、例えば、図3に示すように、加
熱容器20内で、上記各層が形成された基体1と、電磁
誘導発熱装置21とを平行に接近させ、基体1を回転
(例えば軸方向[矢印方向])させながら電磁誘導発熱
装置21により加熱硬化させる
【0051】以上のようにしてポリイミド被膜組成物を
製造することができる。なお、本発明のポリイミド樹脂
被膜の製造方法では、例えば、後述する定着ベルト、電
子電子写真感光体等の用途に応じて、各種層を形成する
ことも含む。
【0052】本発明のポリイミド被膜組成物の製造方法
により得られるポリイミド被膜組成物(本発明のポリイ
ミド被膜組成物)は、種々用途に用いることができ、例
えば、上述のように基体として円筒状或いは円柱状のも
のを用い、これにポリイミド被膜組成物を形成し、これ
を取り外すことで、無端ベルト(本発明の無端ベルト)
に使用することができる。このようにして得られた無端
ベルトは、公知の方法により、定着ベルトや、電子写真
感光体(OPC感光体)に好適に利用することができ
る。なお、用途に応じて、各種層を形成した後、基体か
らポリイミド被膜組成物を取り外してもよい。定着ベル
ト(本発明の定着ベルト)および電子電子写真感光体
(本発明の電子写真感光体)について説明する。
【0053】本発明の定着ベルトについて説明する。本
発明の定着ベルトは、前記本発明の無端ベルト上に、離
型性を有する機能性層が設けられてなる。このような離
型性を有する機能性層は、トナーの付着を防止する目的
で設けられる。具体的には、機能性層として、例えば、
特開平9−22212号公報や特開平11−33828
3号公報に記載の、必要に応じてフッ素樹脂粒子やSi
C、Al23等の無機粒子を混合したフッ素ゴムを主体
とした弾性離型層や、ポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオ
ロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)等のフッ素樹脂層を形成することが好ましい。形成
される機能層の厚さは2〜35μmが好ましく、10〜
30μmがより好ましい。
【0054】弾性離型層を形成するには、公知の方法を
適用することができる。前記フッ素樹脂層を形成するに
は、その水分散液を浸漬塗布して焼き付け加工する方法
を適用することが好ましい。フッ素ゴムとしては、フッ
化ビニリデン(VdF)を主成分とするVdFとヘキサ
フルオロプロピレン(HFP)との共重合体、VdF−
HFP共重合体とテトラフルオロエチレン(TFE)と
の3元共重合体、TFEとプロピレンとの交互共重合体
等のフッ素系エラストマーが挙げられる。この他、Vd
F−クロロトリフルオロエチレン共重合体や、例えばシ
リコーンゴム、フルオロシリコーンゴム等とVdFを主
成分とする上記フッ素系エラストマーとの混合物を用い
ることもできる。フッ素ゴム層の上には、フッ素樹脂層
を形成してもよい。フッ素樹脂および/またはフッ素ゴ
ムには、耐久性の向上やトナーの飛散防止ために、導電
性粒子が分散されていてもよい。導電性粒子としては、
例えば、カーボンブラック、カーボンブラックを造粒し
たカーボンビーズ、カーボンファイバー、グラファイト
等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属または
合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、Sn
O2−In2O3複合酸化物等の導電性金属酸化物、チタ
ン酸カリウム等の導電性ウィスカー等が挙げられる。
【0055】本発明の定着ベルトにおいて、機能層の密
着性が不足する場合には、無端ベルト表面の粗面化、あ
るいはフッ素樹脂を焼き付け加工する際の温度を高めに
設定する等の方法をとってもよい。また、無端ベルト表
面にカップリング剤やプライマーを塗布する方法も適用
することができる。カップリング剤としては、シランカ
ップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウ
ムカップリング剤等が挙げられる。プライマーは、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリ
スルホン、ポリアミドイミド、ポリイミドおよびこれら
の誘導体、ならびにフッ素樹脂から選ばれる少なくとも
一つの化合物を含むものである。プライマーの厚さは
0.5〜10μmの範囲が好ましい。
【0056】本発明の定着ベルトおいては、無端ベルト
上に、必要に応じてカップリング剤やプライマー層、お
よび機能層を形成するには、無端ベルトを作製する前の
樹脂被膜組成物を製造する際の、加熱硬化の前に前記各
層を塗布等により形成した後、加熱して加熱硬化と上記
フッ素樹脂の焼成処理とを同時に行ってもよい。機能性
層の加熱の際も、メッキされた金属層が酸化または変質
する場合には、窒素やアルゴン等の不活性気体中で加熱
することが好ましい。また、この時の加熱も、電磁誘導
発熱装置を用いて行ってもよい。
【0057】本発明の定着ベルトには、必要に応じて必
要に応じて端部のスリット加工、穴あけ加工、テープま
たはリブ巻き付け加工等が施されてもよい。
【0058】本発明の電子写真感光体の説明をする。本
発明の電子写真感光体は、前記本発明の無端ベルト上
に、下引き層、電荷キャリヤ生成層、及び電荷キャリヤ
移動層が順次設けられてなる。本発明の電子写真感光体
は、OPC(organic photoconduc
tor)感光体であり、その基体として前記本発明の無
端ベルトを用いる構成である。
【0059】下引き層は、樹脂(例えばアクリル樹脂、
メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢
酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリビ
ニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、水溶
性ポリエステル樹脂、アルコール可溶性ナイロン樹脂、
ニトロセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミ
ド等)及びこれらの共重合体、又は、硬化性金属有機化
合物(例えばジルコニウムアルコキシド化合物、チタン
アルコキシド化合物、シランカップリング剤等)を、単
独又は2種以上混合して、塗布形成した層等が挙げられ
る。例えば、下塗り層は、次のようにして形成すること
ができる。まず、下引き層用の塗布液を調製する。調製
した塗付液に本発明の無端ベルトを浸漬し、50〜15
0℃で5〜20分間乾燥して下引き層を形成する。下引
き層の厚さは、0.1〜5μmとすることが好ましい。
【0060】電荷キャリヤ生成層(CGL)は、例え
ば、電荷発生剤(例えばフタロシアニン、ペリレン、ビ
スアゾ顔料等)を、バインダー樹脂(例えばポリビニル
ブチラール等)に分散して、塗布形成した層等が挙げら
れる。例えば、電荷キャリア発生層は、次のようにして
形成することができる。電荷キャリヤ生成層(CGL)
形成用の塗布液を調製する。調製した塗布液を下引き層
上に浸漬塗布し、20〜150℃で5〜20分間乾燥し
て電荷キャリヤ生成層(CGL)を形成する。電荷キャ
リヤ生成層(CGL)の厚さは、0.01〜1μmとす
ることが好ましい。
【0061】電荷キャリア移動層(CTL)は、電荷輸
送剤(例えばヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ベ
ンジジン化合物、ブタジエン化合物、トリフェニルアミ
ン化合物等)を、バインダー樹脂(例えばポリカーボネ
ート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエステル等)と混合して、塗布形成した層等が挙げら
れる。例えば、電荷キャリア移動層(CTL)は、次の
ようにして形成することができる。CTL(電荷キャリ
ヤ移動層)形成用の塗布液を調製する。調製した塗付液
を電荷キャリヤ生成層(CGL)上に浸漬塗布し、50
〜150℃で10〜60分間乾燥して電荷キャリア移動
層(CTL)を形成する。CTLの厚さは、10〜50
μmとすることが好ましい。
【0062】なお、上記各層を塗布形成する際に用いら
れる溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素(例えばト
ルエン、キシレン、モノクロロベンゼン等)、塩素化炭
化水素(例えば塩化メチレン、クロロホルム、クロロセ
ン等)、ケトン類(例えばアセトン、ブタノン、シクロ
ヘキサノン等)、エステル類(例えば酢酸エチル、酢酸
ブチル等)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、
ジオキサン等)等が好適に用いられる。また、上記各層
の形成は、浸漬塗布に限らず、他の公知の方法で行って
もよい。
【0063】
【実施例】以下の実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0064】(実施例1)ポリイミド前駆体を含有する
N−メチルピロリドン溶液(商品名:UワニスS、宇部
興産社製、固形分濃度18質量%、粘度約5Pa・s)
を塗布液とした。基体として、外径84mm、長さ40
0mmのアルミニウム製円筒を用意し、表面にシリコー
ン系離型剤(商品名:KS700、信越化学工業製)を
塗布して、300℃で30分間焼き付け処理した。一
方、フロートとして外径100mm、高さ30mmのテ
フロン(R)樹脂製の中空環状体を作製し、上部に最小
内径84.8mmの円孔を形成した。
【0065】図2に示すように、フロート17を塗布槽
12の塗布液19に浮かべた後、円孔18を通して基体
11を塗布液中に1m/minの速度で浸漬し、次いで
1m/minの速度で引き上げた。基体11には濡れ膜
厚が約350μmの塗膜10が形成され、引き上げ途中
ではフロート17が基体11に接触することはなかっ
た。その後、基体11をその長手方向を水平にして15
rpmで回転しながら、100℃で60分間乾燥し、乾
燥状態のポリイミド前駆体樹脂層を形成した。
【0066】次に、形成したポリイミド前駆体樹脂層を
ジメチルアセトアミドに2秒間浸漬してその表面を膨潤
させた後、水洗した。水洗後、触媒金属層を形成するた
めの触媒金属の原料として、OPC−80キャタリスト
(奥野製薬株式会社製)を使用し、25℃で5分間の触
媒付与を行って、十分に洗浄し、OPC−555アクセ
レーター(奥野製薬株式会社製)を使用して25℃で7
分間の促進処理(アクチベーション)を行った。
【0067】次いで、基体を内寸0.6×0.6×0.
6mの加熱炉に入れ、200℃で1時間、350℃で3
0分間加熱してポリイミド前駆体を硬化させた。これに
より厚さ45μmの樹脂層(上記触媒金属層を含む)が
形成された。室温に冷えてから、以下に示す条件で触媒
金属層表面に厚さ0.25μmの無電解銅メッキを施し
た。
【0068】−無電解メッキ浴の組成− ・CuSO4・5H2O:10g/リットル、 ・EDTA・2Na:30g/リットル、 ・HCHO(37質量%)溶液:5g/リットル、 ・PEG#1000:0.5g/リットル −無電解メッキ条件− ・メッキ浴温度:65℃、 ・撹拌方法:空気撹拌、 ・メッキ時間:8分、 ・メッキ浴pH:12.5
【0069】上記のようにして無電解メッキによる無電
解メッキ金属層を形成した後、以下に示す条件で、該無
電解メッキ金属層上に厚さ2μmの電解銅メッキを施
し、電解メッキ金属層を形成してポリイミド被膜組成物
を得た。
【0070】−電解メッキ浴の組成− ・CuSO4・5H2O:120g/リットル、 ・H2SO4:150g/リットル、 −電解メッキ条件− ・メッキ浴温度:25℃、 ・撹拌方法:空気撹拌、 ・メッキ時間:5分、
【0071】得られたポリイミド被膜組成物を150℃
の温度で一定の力を加えながら、1000回繰り返し屈
曲させても、金属層の密着性は強固であり、剥離するこ
とはなかった。
【0072】(実施例2)実施例1と同様にして、ポリ
イミド前駆体樹脂層および触媒金属層を形成し、続け
て、実施例1と同様な条件で厚さ0.25μmの無電解
メッキ金属層を形成した。次いで、基体を内寸0.6×
0.6×0.6mの加熱炉に入れ、加熱炉の炉内に窒素
ガスを満たしながら、200℃で1時間、350℃で3
0分間加熱して硬化させた後、室温に冷えてから、実施
例1と同様の条件で電解メッキを施して、厚さ2μmの
電解メッキ金属層を形成してポリイミド被膜組成物を得
た。
【0073】得られたポリイミド被膜組成物を150℃
の温度で一定の力を加えながら、1000回繰り返し屈
曲させても、金属層の密着性は強固であり、剥離するこ
とはなかった。
【0074】(実施例3)実施例1と同様にして、ポリ
イミド前駆体樹脂層および触媒金属層を形成し、続けて
異、実施例1と同様の条件で、無電解メッキおよび電解
メッキを順次施して触媒金属層上に厚さ0.25μmお
よび2μmの無電解メッキ金属層および電解メッキ金属
層を形成した。次いで、基体を内寸0.6×0.6×
0.6mの加熱炉に入れ、加熱炉の炉内に窒素ガスを満
たしながら、200℃で1時間、350℃で30分間加
熱して硬化させてポリイミド被膜組成物を得た。
【0075】得られたポリイミド被膜組成物を150℃
の温度で一定の力を加えながら、1000回繰り返し屈
曲させても、金属層の密着性は強固であり、剥離するこ
とはなかった。
【0076】(実施例4)実施例1〜3で得られたポリ
イミド被膜組成物を基体から抜き取ることにより、内径
84mmの無端状のベルト(無端ベルト)を得た。得ら
れた無端ベルトから、以下に説明するようにして柔軟性
OPC感光体を作製した。
【0077】まず、8ナイロン(ラッカマイド、大日本
インキ化学社製)5部(以下、「部」とは、質量部を意
味するものとする)をメタノール40部および1−ブタ
ノール60部の混合溶媒に溶解し、これに酸化亜鉛粉体
3部と酸化チタン粉体3部を加えてサンドミルで分散
し、塗付液を調製した。この塗布液を実施例1〜3で得
られた無端ベルト(ポリイミド被膜組成物)のそれぞれ
に浸漬塗布し、135℃で10分間乾燥して、膜厚5μ
mの下引き層を形成した。
【0078】次に、ポリビニルブチラール樹脂(BM−
1、積水化学社製)1部をシクロヘキサノン19部に溶
解し、これにクロロガリウムフタロシアニン3部を加え
てサンドミルで分散して分散液を調製した。この分散液
にさらに2−ブタノン20部を加え、この塗布液を下引
き層上に浸漬塗布し、膜厚0.12μmのCGLを形成
した。続いて、電荷輸送剤であるN,N’−ジフェニル
−N,N’−(m−トリル)ベンジジン40部と重量平
均分子量が6万のポリカーボネートZ樹脂(ユーピロン
Z600、三菱ガス化学社製)60部をモノクロロベン
ゼン60部とテトラヒドロフラン150部とからなる混
合溶剤に溶解した。この塗布液をCGL上に浸漬塗布
し、135℃で40分間の乾燥をして、厚さ25μmの
CTLを形成し、OPC感光体を作製した。
【0079】作製したそれぞれのOPC感光体につい
て、セロテープ(R)によるゴバン目剥離試験により表
面層の密着性を調査したところ、いずれ場合も、金属層
の密着性が優れていたため、表面層全体としても密着性
が優れていることがわかった。
【0080】(実施例5)実施例1と同じポリイミド前
駆体溶液を塗布液とし、基体としては、外径29.8m
m、長さ400mmのアルミニウム製円筒を使用し、フ
ロートとしては外径50mm、高さ20mmのテフロン
(R)樹脂製の中空環状体を作製し、上部に最小内径3
1mmの円孔を形成したものを使用し、下記のようにし
てポリイミド前駆体樹脂層を形成した。
【0081】まず、フロートを塗布液に浮かべた後、基
体を塗布液中に1.5m/minの速度で浸漬し、次い
で1.5m/minの速度で引き上げたところ、基体に
は濡れ膜厚が約600μmの塗膜が形成された。その
後、基体をその長手方向を水平にして20rpmで回転
しながら、120℃で60分間乾燥し、ポリイミド前駆
体樹脂層を形成した。
【0082】次に、形成したポリイミド前駆体樹脂層を
ジメチルアセトアミドに2秒間浸漬して表面を膨潤させ
た後、実施例1と同様にしてキャタリストとアクセレー
ターで処理して、触媒金属層を形成した。
【0083】次いで、基体を内寸0.6×0.6×0.
6mの加熱炉に入れ、200℃で1時間、350℃で3
0分間加熱してポリイミド前駆体を硬化させた。これに
より厚さ75μmの樹脂層(上記触媒金属層を含む)が
形成された。室温に冷えてから、以下に示す条件で、厚
さ0.1μmの無電解銅メッキを施した。
【0084】−無電解メッキ浴の組成− ・CuSO4・5H2O:10g/リットル、 ・EDTA・2Na:30g/リットル、 ・HCHO(37質量%)溶液:5g/リットル、 ・PEG#1000:0.5g/リットル −無電解メッキ条件− ・メッキ浴温度:65℃、 ・撹拌方法:空気撹拌、 ・メッキ時間:2.5分、 ・メッキ浴pH:12
【0085】上記のようにして無電解メッキ金属層を形
成した後、実施例1に示す条件で、該無電解メッキ金属
層上に厚さ5μmの電解銅メッキを施し、電解メッキ金
属層を形成してポリイミド被膜組成物を得た。
【0086】ポリイミド被膜組成物から基体を取り外
し、得られた無端ベルトを150℃の温度で一定の力を
加えながら、繰り返し屈曲させても、金属層の密着性は
強固であり、剥離することはなかった。
【0087】なお、ポリイミド前駆体樹脂層の表面に触
媒金属層を形成し、厚さ0.1μmの無電解ニッケルメ
ッキを施した後に加熱硬化させ(その際は炉内に窒素ガ
スを充填)、次に厚さ5μmの電解銅メッキを施して
も、同様の性能を有する無端ベルトを得ることができ
た。
【0088】(実施例6)実施例5において、基体から
剥離していないポリイミド被膜組成物の表面に、シリコ
ーン系プライマー(商品名:ケムロック607、ロード
・ファーイースト・インコーポレイテッド社製)を浸漬
塗布し、厚さ1μmのプライマー層を形成した。一方、
加硫成分および金属酸化物として酸化マグネシウムと水
酸化カルシウムを含むVdF−HFP−TFEの3元系
ポリオール加硫型フッ素ゴム(商品名:G−621、ダ
イキン工業社(株)製)を、重量比8:2のMIBK+
MEK混合溶剤中に溶解させ、濃度10%のフっ素ゴム
溶液を作製し、塗布液とした。これをプライマー層上に
浸漬塗布し、100℃で30分間加熱して溶剤を乾燥さ
せ、さらに220℃で3時間の加硫処理を行って、厚さ
10μmのフッ素ゴム弾性層を形成した。加熱の際は、
塗布を終えた基体を、内寸0.6×0.6×0.6mの
加熱炉に入れ、窒素ガスを充填して行った。
【0089】基体を取り外して得られた定着ベルトは、
電磁誘導発熱方式の定着装置の定着ベルトとして供する
ことができた。また、使用中に表面層(フッ素ゴム弾性
層)の剥離が見られることもなかった。
【0090】(比較例1)基体にポリイミド前駆体含有
液を塗布後、そのまま乾燥と加熱硬化を行い、ポリイミ
ド樹脂層を形成(厚さ:45μm)し、実施例1と同様
の方法でキャタリストとアクセレーターで処理して触媒
金属層、無電解メッキによる無電解メッキ金属層(厚
さ:0.25μm)、電解メッキによる電解メッキ金属
層(厚さ:2μm)を形成し、ポリイミド被膜組成物を
得た。得られたポリイミド被膜組成物を室温(22℃)
で一定の力を加えながら、1000回繰り返し屈曲させ
たところ、金属層の一部が少しずつ剥離し、金属層の密
着性は良好でなかった。
【0091】(比較例2)比較例1において、ポリイミ
ド樹脂層にキャタリストとアクセレーターで処理する前
(触媒金属層を設ける前)に、濃硫酸で親水化処理を施
した。他は比較例1と同様にしてポリイミド被膜組成物
を得た。得られたポリイミド被膜組成物は、150℃の
温度で密着性は良かったが、屈曲を、1000回繰り返
すと金属層の一部が少しずつ剥離し、金属層の密着性は
良好でなかった。
【0092】(実施例7)実施例3において、基体上に
ポリイミド前駆体樹脂層から電解メッキ金属層まで順次
形成した後、図3に示すように、基体1を、窒素ガスを
充填した内寸0.2×0.2×0.6mの加熱容器20
に入れ、20rpmで回転させた。基体の外面には、接
触しないようにして電磁誘導発熱装置(電磁誘導コイ
ル)21を接近させ、15kHzの交流電流を流して、
金属層を発熱させた。その際、金属層の温度を赤外線温
度計で検知し、200℃で1時間、350℃で30分
間、加熱した。これによっても、実施例3と同等のポリ
イミド被膜組成物を得ることができた。なお、実施例3
では加熱炉のヒーターの電力が5kWであり、加熱の3
0分前から200℃になるよう、与熱しておかねばなら
なかったのに対し、電磁誘導加熱では、電源の電力は5
00Wであり、与熱も不要なので、大幅に省電力化する
ことができた。
【0093】(実施例8)実施例1と同様にして、乾燥
状態のポリイミド前駆体樹脂層まで形成した。これを、
0.05M濃度のCuSO4水溶液に15分間浸漬し、
ポリイミド前駆体樹脂層に銅イオンを吸着させた。次い
で、0.005M濃度のNaBH4水溶液に浸漬し、銅
イオンを還元して銅を析出させ、銅からなる析出金属層
を形成した。この析出金属層は、銅が部分的にポリイミ
ド前駆体樹脂層に埋没した状態で形成されていた。この
析出金属層表面に、実施例1と同様にして電解メッキ金
属層を形成した。このようにして得られたポリイミド被
膜組成物も、実施例1と同様に、金属層の密着性は強固
であった。
【0094】
【発明の効果】以上、本発明によれば、ポリイミド樹脂
層と金属層との密着性を向上させることができるポリイ
ミド被膜組成物の製造方法、並びに、それにより得られ
るポリイミド被膜組成物、無端ベルト、定着ベルト、及
び、電子写真感光体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリイミド被膜組成物の製造方法に
おける各操作(工程)の概略を示す説明図であり、
(a)はポリイミド前駆体樹脂の塗膜を形成した状態を
示し、(b)はを乾燥もしくは半硬化しポリイミド前駆
体樹脂層を形成した状態を示し、(c)は金属層を形成
した状態を示し、(d)はポリイミド前駆体樹脂層を加
熱処理後、ポリイミド樹脂層を形成した状態を示す。
【図2】 ポリイミド前駆体溶液を塗布する方法の一例
を説明する説明図である。
【図3】 電磁誘導発熱装置を用いて、加熱硬化する方
法の一例を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 基体 2 塗布膜 3 ポリイミド前駆体樹脂層 4 金属層 5 ポリイミド樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 102 G03G 15/20 102 (72)発明者 武井 雅之 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H033 BA11 BA25 BB01 BB18 BB28 2H071 BA42 DA12 4D075 BB24Y BB26Z BB27Y BB35Z BB87Y DA10 DA20 DB04 DB07 DB54 DC21 EA05 EA45 EB39

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体表面にポリイミド前駆体溶液を塗布
    して乾燥もしくは半硬化してポリイミド前駆体樹脂層を
    形成し、前記ポリイミド前駆体樹脂層表面に金属層を形
    成した後、前記ポリイミド前駆体樹脂層を加熱硬化して
    ポリイミド樹脂層を形成することを特徴とするポリイミ
    ド被膜組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属層として、触媒金属層と、無電
    解メッキ金属層と、電解メッキ金属層と、を順次形成す
    ることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド被膜組
    成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属層として、析出金属層と、電解
    メッキ金属層とを、順次形成することを特徴とする請求
    項1に記載のポリイミド被膜組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 基体表面にポリイミド前駆体溶液を塗布
    して乾燥もしくは半硬化してポリイミド前駆体樹脂層を
    形成し、前記ポリイミド前駆体樹脂層表面に触媒金属層
    を形成した後、前記前駆体樹脂層を加熱硬化して前記ポ
    リイミド樹脂層を形成し、さらに、前記触媒金属層表面
    に無電解メッキ金属層及び電解メッキ金属層を順次形成
    することを特徴とするポリイミド被膜組成物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 基体表面にポリイミド前駆体溶液を塗布
    して乾燥もしくは半硬化してポリイミド前駆体樹脂層を
    形成し、前記ポリイミド前駆体樹脂層表面に触媒金属層
    を形成し、前記触媒金属層表面に無電解メッキ金属層を
    形成した後、前記前駆体樹脂層を加熱硬化して前記ポリ
    イミド樹脂層を形成し、さらに、前記無電解メッキ金属
    層表面に電解メッキ金属層を形成することを特徴とする
    ポリイミド被膜組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 基体表面にポリイミド前駆体溶液を塗布
    して乾燥もしくは半硬化してポリイミド前駆体樹脂層を
    形成し、前記ポリイミド前駆体樹脂層表面に析出金属層
    を形成した後、前記前駆体樹脂層を加熱硬化して前記ポ
    リイミド樹脂層を形成し、さらに、前記析出金属層表面
    に電解メッキ金属層を形成することを特徴とするポリイ
    ミド被膜組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記析出金属層を、ポリイミド前駆体樹
    脂層に金属イオンを含む溶液に接触させ、さらに還元剤
    を含む溶液に接触させることで形成することを特徴とす
    る請求項3又は6に記載のポリイミド被膜組成物の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記ポリイミド前駆体樹脂層の加熱硬化
    を、不活性気体雰囲気中で行うことを特徴とする請求項
    1〜7のいずれかに記載のポリイミド被膜組成物の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記ポリイミド前駆体樹脂層の加熱硬化
    を、電磁誘導発熱装置を用いて行うことを特徴とする請
    求項1〜8のいずれかに記載のポリイミド被膜組成物の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記基体が、円筒状または円柱状であ
    ることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のポ
    リイミド被膜組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記基体から取り外すことを特徴とす
    る請求項10に記載のポリイミド被膜組成物の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載のポ
    リイミド被膜組成物の製造方法により得られることを特
    徴とするポリイミド被膜組成物。
  13. 【請求項13】 請求項10又は11に記載のポリイミ
    ド被膜組成物の製造方法により得られることを特徴とす
    る無端ベルト。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の無端ベルト上に、
    離型性を有する機能層が設けられてなることを特徴とす
    る定着ベルト。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の無端ベルト上に、
    下引き層、電荷キャリア生成層、及び電荷キャリヤ移動
    層が順次設けられてなることを特徴とする電子写真用感
    光体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009019961A1 (ja) * 2007-08-03 2009-02-12 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. 画像形成装置用部材
JP2013210406A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Tokai Rubber Ind Ltd 加熱部材
CN108327377A (zh) * 2018-03-13 2018-07-27 广西师范大学 一种聚酰亚胺膜或聚酰亚胺覆铜板的制备装置
JP2020204063A (ja) * 2019-06-14 2020-12-24 富士ゼロックス株式会社 めっき装置

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