JP7251338B2 - めっき装置 - Google Patents
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Description
めっき装置10は、図8に示されるように、無電解ニッケルめっき用のめっき液(以下「無電解ニッケルめっき液」)が入れられた無電解ニッケル槽12と、電解銅めっき用のめっき液(以下「電解銅めっき液」)が入れられた電解銅槽16とを備えている。さらに、めっき装置10は、電解ニッケルめっき用のめっき液(以下「電解ニッケルめっき液」)が入れられた電解ニッケル槽22を備えている。無電解ニッケル槽12、電解銅槽16、及び電解ニッケル槽22は、装置幅方向の一端側(図中左側)から装置幅方向の他端側(図中右側)へ並べられている。無電解ニッケル槽12は、無電解めっき槽の一例であって、電解銅槽16、及び電解ニッケル槽22は、電解めっき槽の一例である。
無電解ニッケル槽12は、図8に示されるように、上方が開放された箱状で、内部にニッケルを含む無電解ニッケルめっき液が入れられている。また、無電解ニッケル槽12に入れられた無電解ニッケルめっき液の深さは、ベルト100、及びベルト100を保持している治具50が、全て浸漬する深さとなっている。
治具50は、図4に示されるように、ベルト100を内側から支持する円柱状の支持部52と、支持部52の両端に夫々装着されるキャップ56とを含んで構成されている。キャップ56は、有底円筒体の一例である。なお、治具50については、詳細を後述する。
ハンガー26は、図7、図8に示されるように、上下方向に延びて下端にキャップ56が取り付けられている取付棒26aと、取付棒26aの上端が取り付けられている本体部26bと、本体部26bを第一移動部40に装着するための装着部26cとを備えている。
第一移動部40は、既知の機械要素を組み合わせて構成されており、図7、図8に示されるように、ハンガー26の装着部26cが装着されると共に装置幅方向に延びている案内部40aを有している。
めっき装置10は、図6に示されるように、電解銅槽16内の電解銅めっき液に浸漬されている電極32と、電解ニッケル槽22内の電解ニッケルめっき液に浸漬されている電極34とを備えている。さらに、めっき装置10は、電極32、34と、めっき液(電解銅めっき液又は電解ニッケルめっき液)に浸漬されたベルト100との間に電圧を印加する電源装置30、31を備えている。また、めっき装置10は、電源装置30、31と、一対のキャップ56とを電気的に夫々接続する接続部38を備えている。ここで、接続部38の一例としては、電線が挙げられる。この接続部38は、電解銅めっきの際に電源装置30に接続され、電解ニッケルめっきの際に電源装置31に接続される。具体的には、電解銅槽16の電源装置30は、その陽極が図示せぬ電線を介して電極32に電気的に接続され、その陰極が接続部38を介して一対のキャップ56と電気的に接続される。この接続部38を介しての電源装置30の陰極と一対のキャップ56との接続は、ベルト100が電解銅槽16の電解銅めっき液に浸漬された際に電気的に接続され、ベルト100への電解銅めっきを終えた際に電気的に遮断されるのが望ましい。また、電解ニッケル槽22の電源装置31は、その陽極が図示せぬ電線を介して電極34に電気的に接続され、その陰極が接続部38を介して一対のキャップ56と電気的に接続される。この接続部38を介しての電源装置31の陰極と一対のキャップ56との接続は、ベルト100が電解ニッケル槽22の電解ニッケルめっき液に浸漬された際に電気的に接続され、ベルト100への電解ニッケルめっきを終えた際に電気的に遮断されるのが望ましい。なお、電極32は、ベルト100よりも長く装置上下方向に延びた導電性のバスケット(籠)であって、電解銅めっき液に浸漬されたバスケット(籠)に接続され、かつ、銅(例えば、複数の銅球)がバスケットの中に収容されていることが望ましい。このように、電極32を、銅を入れたバスケットに接続することにより、ベルト100に付着して減った銅イオンは、電解銅めっき液に補充される。同様に、電極34は、ベルト100よりも長く装置上下方向に延びた導電性のバスケット(籠)であって、電解ニッケルめっき液に浸漬されたバスケット(籠)に接続され、かつ、ニッケル(例えば、複数のニッケルチップ)がバスケットの中に収容されていることが望ましい。このように、電極34を、ニッケルを入れたバスケットに接続することにより、ベルト100に付着して減ったニッケルイオンは、電解ニッケルめっき液に補充される。また、バスケットは、ベルト100と1対1に対応するように複数配置されていることが望ましい。
次に、治具50について説明する。治具50は、図4に示されるように、円柱状の支持部52と、支持部52の両端側に夫々装着される環状のオーリング(Oリング)58と、支持部52の両端側に夫々装着される円筒状のスペーサ62とを備えている。さらに、治具50は、支持部52の両端側に夫々装着されるキャップ56と、キャップ56を支持部52に装着させるボルト70と、キャップ56に取り付けられている導電部66とを備えている。なお、支持部52の一端側に装着される各部材の構成と、他端側に装着される各部材の構成とは、同様のため、支持部52の一端側(図中上側)に装着される各部材の構成について説明する。
支持部52は、樹脂材料で形成され、図4に示されるように、装置上下方向に延びる円柱状で、支持部52の中央側の一般部52bの両端部には、小径化された小径部52aが形成されている。さらに、支持部52には、小径部52aと一般部52bとの境界に配置された段差面52cが形成されている。
オーリング58は、ゴム材料で形成され、図4に示されるように、支持部52の一方側に2個設けられている。オーリング58は、接触部の一例である。
スペーサ62は、樹脂材料で形成され、図4に示されるように、円筒状とされている。スペーサ62は、突出部材の一例である。
キャップ56は、導電材料の一例である金属材料(例えば、ステンレス鋼)で形成され、図1(A)、図4に示されるように、円筒状の円筒部72と、円筒部72の底を構成する底部74と、底部74から突出する突起76とを有している。そして、円筒部72、底部74、及び突起76は、この順番で支持部52の軸方向の内側(支持部52の軸方向の中央部側)から外側へ並んでいる。キャップ56は、底を有する有底円筒体の一例であり、底部74は底の一例である。
導電部66は、導電材料の一例である金属材料(例えば、ステンレス鋼)で形成され、図4に示されるように、キャップ56に複数(例えば、4個)取り付けられている。
次に、めっき装置10の作用について説明する。先ず、めっき装置10の治具50に保持されるベルト100の仕様、及びベルト100を治具50に保持させる手順について説明する。
ベルト100は、前述したように、樹脂材料であるポリイミドを用いて形成されている。また、ベルト100の外周面100aには、無電解めっきによって外周面100aに形成されたニッケル層が剥がれるのを抑制するため、ブラスト処理により粗面が形成されている。換言すれば、ベルト100の外周面100aには、無電解めっきによって外周面100aに形成されるニッケル層との密着力を向上させるため、ブラスト処理により粗面が形成されている。なお、「粗面」とは、算術平均粗さRa(JIS B 0031)で、0.4〔μm〕以上0.9〔μm〕以下の面である。ニッケル層は、金属層の一例である。
ベルト100を治具50に保持させる場合には、図2(A)(B)に示されるように、オーリング58を、支持部52の軸方向の外側から、支持部52の小径部52aに装着する。具体的には、2個のオーリング58を、小径部52aの段差面52c側に装着する。
先ず、比較形態に係るめっき装置210について説明し、次に、めっき装置10、210を用いてベルト100にめっきを施す工程について説明する。
無電解ニッケルめっき工程では、図5に示されるように、ベルト100の全体が無電解ニッケル槽12の無電解ニッケルめっき液に浸漬される。
電解銅めっき工程では、図6に示されるように、ベルト100の全体が電解銅槽16の電解銅めっき液に浸漬される。
電解ニッケルめっき工程では、図6に示されるように、ベルト100の全体が電解ニッケル槽22の電解ニッケルめっき液に浸漬される。
以上説明したように、めっき装置10では、ベルト100の両端部が外部に露出するようにベルト100を保持している比較形態に係るめっき装置210を用いる場合と比して、ベルト100の滑面領域Kに無電解ニッケルめっき工程でニッケル層が形成されるのが抑制される。これにより、無電解ニッケルめっき工程では、比較形態に係るめっき装置210を用いる場合と比して、ニッケル層の一部が槽内で剥離するのが抑制されることで、無電解ニッケル槽12の無電解ニッケルめっき液の成分が変化するのが抑制される。
12 無電解ニッケル槽(無電解めっき槽)
16 電解銅槽(電解めっき槽)
22 電解ニッケル槽(電解めっき槽)
30 電源装置
38 接続部
52 支持部
52a 小径部
56 キャップ(有底円筒体の一例)
58 オーリング(接触部の一例)
62 スペーサ(突出部材の一例)
66 導電部
72 円筒部
72a 内周面
74 底部(底の一例)
100 ベルト(管体の一例)
100a 外周面
Claims (5)
- 端部の外周面に粗面が形成されていない滑面領域を有し、該滑面領域以外の該外周面に粗面が形成された粗面領域を有する管体における該滑面領域を該管体の径方向から覆う有底円筒体と、
該管体の端部における端から離間した該粗面領域の端部と該有底円筒体の内周面とを全周で接触させる接触部と、
該管体が浸漬されるめっき液が入れられた無電解めっき槽と、
を備えるめっき装置。 - 前記管体を内側から支持する支持部を備え、
前記接触部は、環状で前記管体と前記支持部との間に配置されており、前記管体の端部における端から離間した前記粗面領域の端部を前記管体の内側から前記有底円筒体の内周面に押し付けている請求項1に記載のめっき装置。 - 前記支持部は、端部が小径化された小径部を有する段付き円柱状であり、
前記接触部は、自由状態で断面円状とされ、前記支持部の前記小径部に配置されており、
前記有底円筒体は、前記支持部に着脱可能とされており、
前記有底円筒体が前記支持部に装着された状態で、前記有底円筒体の底と前記接触部との間に配置され、前記管体の軸方向から前記接触部に押付け力を付加して前記接触部を前記径方向に突出させる突出部材を備える請求項2に記載のめっき装置。 - 前記有底円筒体は、導電材料で形成されており、
前記有底円筒体に電圧を印加する電源装置と、
前記電源装置と前記有底円筒体とを電気的に接続する接続部と、
前記無電解めっき槽のめっき液に浸漬させた前記管体が浸漬される他のめっき液が入れられた電解めっき槽と、を備える請求項1~3の何れか1項に記載のめっき装置。 - 導電材料で形成されており、一端が前記有底円筒体に取り付けられ、他端が前記管体の外周面に接触している導電部を備える請求項4に記載のめっき装置。
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